JP6526459B2 - 筒状体の成形方法及び成形装置 - Google Patents

筒状体の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属製の筒状体を成形する方法及び成形装置に関する。
近年、自動車においては燃費向上のため、より一層の軽量化が求められており、例えばサスペンション装置としてトーションビームアクスルを選択する場合がある。トーションンビームアクスルは、例えばマルチリンク式等の他の形式のサスペンションと比較して重量を軽減することができるサスペンション形式であることから、今後も採用が増えると予想される。
トーションビームアクスルは、車軸を支持する左右一対のトレーリングアームと、車幅方向に延びるトーションビームとを備えており、トーションビームの両端部にトレーリングアームが連結されている。トーションビームには、所定のねじり剛性及び曲げ剛性が要求され、例えば特許文献1には、金属製の筒状体を径方向に押し潰すようにプレス成形することによって、その断面をU字状乃至V字状の閉断面にしたトーションビームが開示されている。
また、トーションビームの成形方法としては、例えば特許文献2に開示されているように、プレス成形機にセットした筒状体を加熱し、筒状体の内部に水を供給して水の蒸発により筒状体内に水蒸気を充満させて内圧を高め、水蒸気が充満している筒状体をプレス成形する方法が知られている。
特開2001−123227号公報 特開2011−31261号公報
ところで、特許文献2のように筒状体を加熱した状態でプレス成形することで、筒状体が高延性を持った状態でのプレス成形となることから、筒状体の成形性が向上するという利点があるが、高延性を持つ温度となるまで筒状体を確実に加熱しておかなければ特許文献2の加工方法は効果が低い結果となる。
また、筒状体を加熱した状態でプレス成形する際、そのプレス成形と同時に筒状体に焼き入れを行うことが考えられる。焼き入れを行う場合には、成形時における筒状体の温度管理がさらに重要になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筒状体を熱間乃至温間でプレス成形する際に筒状体の温度を確実に上昇させて焼き入れを行うことができるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、筒状体を通電加熱し、筒状体の温度がキュリー点となったときに電圧を上げてA3変態点以上となるまで加熱し、その後、水蒸気が充満している筒状体をプレス成形するようにした。
第1の発明は、
プレス成形機にセットした金属製の筒状体に第1の電圧を印加して通電加熱し、上記筒状体の温度を検出する温度センサから出力された温度がキュリー点となったときに上記第1の電圧よりも高い第2の電圧を上記筒状体に印加して上記筒状体の温度をA3変態点以上にする通電加熱工程と、
上記筒状体を加熱する前、加熱している最中、及び加熱完了後の少なくとも1のタイミングで上記筒状体内に水を供給し、当該水の蒸発により当該筒状体内に水蒸気を充満させる水供給工程と、
上記A3変態点以上に加熱され、かつ、上記水蒸気が充満している上記筒状体をプレス成形する成形工程とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、通電加熱工程では、プレス成形機にセットした筒状体を加熱するため、その加熱後にそのまま、プレス成形機において筒状体のプレス成形を行うことが可能になる。このことは、筒状体を、例えば加熱炉内で加熱した後にプレス成形機まで搬送して、プレス成形を行う、ということを無くし、加熱炉及びプレス成形機それぞれへの筒状体のセットや、加熱炉とプレス成形機との間の搬送時間を省略する。また、加熱炉とプレス成形機との間の搬送中に筒状体の温度が低下することが回避されるため、筒状体の温度低下分を見込んだ加熱が不要になり、省エネルギ性に優れる。また、筒状体(材料)が低強度かつ高延性となる熱間乃至温間でのプレス成形であるから、筒状体の成形性が向上する。
また、その成形の際には、筒状体内に水を供給すると共に、上記加熱した筒状体の熱によってそれを蒸発させて、筒状体内に水蒸気を充満させているため、成形中における筒状体の内圧が高く設定されて、筒状体の形状安定性が高まる。
さらに、通電加熱工程において、筒状体の温度がキュリー点となったときに、それまで筒状体に印加していた電圧よりも高い電圧を印加するので、筒状体の温度がキュリー点よりも確実に、かつ、早期に高められる。その結果、筒状体の温度を確実にA3変態点以上にして筒状体に焼き入れを行うことが可能になる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記筒状体内に水を供給することによって当該筒状体を冷却する冷却工程をさらに備えていることを特徴とする。
この構成によれば、筒状体内に水を供給することによって、筒状体は、その内側から直接冷却される。このことは、例えば散水室等の大がかりな冷却設備を不要にすると共に、その散水室等への筒状体の搬送が無くなることで、加工時間が短縮する。さらに、散水室等への筒状体の搬送中に筒状体の温度が低下する、ということも無くなるため、筒状体の加熱は必要最低限の加熱温度に設定すればよく、省エネルギ性にも優れる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記水供給工程では、水の供給前に上記筒状体内の圧力を低下させることを特徴とする。
この構成によれば、通電加熱によって筒状体内の圧力が高まっている場合に、筒状体内の圧力を低下させた後に水を供給することで、所定量の水を素早く、かつ、容易に筒状体内に供給することが可能になる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
上記水供給工程は、上記通電加熱工程において上記筒状体の温度がキュリー点よりも低いときに行うことを特徴とする。
すなわち、筒状体内に水を供給すると、水の気化熱によって筒状体の温度が瞬間的に低下して不均一になることが考えられるが、この発明では、筒状体の温度がキュリー点よりも低い加熱初期段階で筒状体内に水を供給しているので、プレス成形するまでには筒状体の温度を均一化することが可能になる。
第5の発明は、第2の発明において、
上記冷却工程は、上記成形工程において成形開始後であって、かつ、上記プレス成形機が型閉じ状態となる前に行うことを特徴とする。
この構成によれば、成形工程が完了する前に冷却工程を開始して筒状体を冷却することが可能になる。
第6の発明は、
金属製の筒状体をプレス成形するプレス成形機と、
上記筒状体の温度を検出する温度センサと、
上記プレス成形機にセットした金属製の筒状体に第1の電圧を印加して通電加熱し、上記温度センサで検出された温度がキュリー点となったときに上記第1の電圧よりも高い第2の電圧を上記筒状体に印加して上記筒状体の温度をA3変態点以上にする加熱手段と、
上記筒状体を加熱する前、加熱している最中、及び加熱完了後の少なくとも1のタイミングで上記筒状体内に水を供給し、当該水の蒸発により当該筒状体内に水蒸気を充満させる水供給手段とを備え、
上記A3変態点以上に加熱され、かつ、上記水蒸気が充満している上記筒状体をプレス成形するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1の発明と同様に、筒状体の温度がキュリー点よりも確実に、かつ、早期に高められる。その結果、筒状体の温度を確実にA3変態点以上にして筒状体に焼き入れを行うことが可能になる。
第7の発明は、第6の発明において、
上記水供給手段は、上記筒状体内に水を供給することによって当該筒状体を冷却するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、水蒸気を充満させるための水供給手段を利用して筒状体内に水を供給することによって筒状体を内側から直接冷却することが可能になる。したがって、別途、冷却設備を設けなくても、筒状体の焼き入れが行える。
第1、6の発明によれば、筒状体を通電加熱し、筒状体の温度がキュリー点となったときに電圧を上げてA3変態点以上となるまで加熱し、その後、水蒸気が充満している筒状体をプレス成形するようにしたので、筒状体の温度を確実に上昇させて熱間乃至温間でプレス成形できるとともに、焼き入れも行うことができる。
第2の発明によれば、筒状体内に水を供給することによって当該筒状体を冷却するようにしたので、大がかりな冷却設備を不要にできるとともに、加工時間を短縮できる。
第3の発明によれば、水の供給前に筒状体内の圧力を低下させるようにしたので、所定量の水を素早く、かつ、容易に筒状体内に供給することができ、加工時間を短縮できる。
第4の発明によれば、加熱初期段階の筒状体内に水を供給することができるので、プレス成形するまでに筒状体の温度を均一化することができ、温度が均一化して安定した筒状体をプレス成形することで成形精度を向上させることができる。
第5の発明によれば、プレス成形機が型閉じ状態となる前に冷却工程を開始することができるので、加工時間を短縮できる。
第7の発明によれば、水蒸気を充満させるための水供給手段を利用して筒状体内に水を供給することによって筒状体を内側から直接冷却することができるので、別途、冷却設備を設けなくても、筒状体の焼き入れを行うことができる。
トーションビームアクスルの斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 成形装置の概略構成を示す断面図である。 成形装置のブロック図である。 成形装置の動作を示すタイムチャートである。 成形装置による各工程を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、トーションビームアクスル式のサスペンション装置の一部を示している。トーションビームアクスル1は、図示省略の車輪を支持する2つのトレーリングアーム11,11と、車幅方向に延びて、この2つのトレーリングアーム11,11を互いに連結するトーションビーム2と、を含んで構成されている。トレーリングアーム11は、図示は省略するが、閉断面形状を有するパイプ状の部材からなり、前後方向に延びる車体中心線に対して左右対称となるように、形成及び配置されている。
トーションビーム2もまた、概略円形の閉断面形状を有する筒状体からなる。このトーションビーム2における車幅方向の中央部には、図2に示すように、筒状体が径方向に押し潰されることによって断面がU字状乃至V字状となるように凹陥した凹部21が、下向きに開口して形成されている。この凹部21は、車幅方向の両端部から中央部に向かって、その深さが次第に深くなる徐変部を有している。筒状体は、金属製であり、従来から周知の自動車用の鋼板を成形してなるものである。
図3は、トーションビーム2の成形に係る成形装置3の概略構成を示している。成形装置3は、基本的には、相対して配置された上型31及び下型32と、上型31を下型32に接離する方向に駆動する型駆動装置36とを有するプレス成形機30を備えている。成形装置3は、図4に示す制御装置50も備えており、この制御装置50によって制御されて、両端開口で、かつ、断面形状が略円形状の筒状体4の長手方向中央部を径方向に押し潰すようにして、上記凹部21を有するトーションビーム2を成形する。
成形装置3の上型31は、筒軸が水平方向となるように支持された筒状体4の、概ね上半分を成形する型であり、その下面が成形面311を成している。一方、下型32は、上記筒状体4の、概ね下半分を成形する型であり、その上面からなる成形面321は、上記トーションビーム2の凹部21を形成するための凸部322を有している。尚、上型31と下型32とを入れ替えて、上型31に、トーションビーム2の凹部21を形成するための凸部を設けてもよい。また、図3は成形装置3の構成を概略的に示しており、ここに示す上型31及び下型32の形状は、例えば図2等に示すトーションビーム2の断面形状とは必ずしも対応していない。
型駆動装置36は、例えば流体圧シリンダ装置で構成することができるものであり、上型31を上昇端位置から下降端位置まで移動させる。上型31が上昇端位置にある状態が型開き状態であり、この型開き状態では、成形前の筒状体4を上型31と下型32との間に置くことや、成形後の筒状体4を上型31と下型32との間から取り出すことができる。上型31が下降端位置にある状態が型閉じ状態であり、この型閉じ状態で成形が完了する。上型31の位置は型駆動装置36によって得ることができ、上型31の位置情報として制御装置50に出力される。
成形装置3は、通電加熱装置(加熱手段)37を備えている。通電加熱装置37は、筒状体4の各端部開口に取り付けられる電極33,33と、加熱電源34とを有している。電極33は、例えば超高張力鋼からなる筒状体4の各端部開口に取り付けられることで、この筒状体4に対して電気的に接続される一方、電源34に対して接続されている。電極33,33を通じて筒状体4に電気を流すことによって、当該筒状体4の内部抵抗による発熱でもって、筒状体4を加熱する(通電加熱)。
加熱電源34は、制御装置50によって制御され、筒状体4に印加する電圧を変更することができるようになっている。筒状体4に印加する電圧は、図5に示すように、0(V)、第1の電圧であるa(V)、a(V)よりも高い第2の電圧であるb(V)の3段階に変更される。
図3に示すように、通電加熱装置37の一対の電極33,33はまた、筒状体4を成形装置3において支持する機能も有しており、電極33,33は、上型31及び下型32を開いている状態では、支持部35に支持されることによって、筒状体4を上型31及び下型32とは非接触の状態に配置する。このことにより、電極33を通じて筒状体4に電気を流したときに、上型31及び下型32への通電を回避して、筒状体4を効果的に加熱し得る。支持部35は、例えば上下方向に伸縮するスプリング等で構成することができる。
各電極33にはまた、連通孔331が貫通形成されている。この連通孔331は、電極33が筒状体4に取り付けられた状態で、筒状体4の内部と外部とを互いに連通させる。この連通孔331は、図4に示す注水装置(水供給手段)51に配管511を介して接続されており、詳しくは後述するが、筒状体4内に水を供給する供給孔として機能すると共に、筒状体4内の空気や水を排出する排出孔としても機能する。注水装置51は成形装置3の一構成要素である。
注水装置51は、図示しないが、例えば水を貯留するタンクと、タンク内の水を所定の圧力で送給するポンプとで構成することができ、ポンプの吐出口が配管511に接続される。注水装置51は、制御装置50によって制御され、所定のタイミングに、所定の時間だけ水を連通孔331に供給する。注水装置51による水の送給量は、図5に示すように例えばC(m/h)である。
また、注水装置51の配管511の中途部には、筒状体4内の圧力を調整する電動弁等からなる圧力調整弁52(図4に示す)を備えている。圧力調整弁52は、制御装置50によって制御されて筒状体4内の空気を排出することで筒状体4内の圧力を調整することができるようになっている。また、圧力調整弁52は、筒状体4内の空気を排出することで、筒状体4内の圧力を2MPa以下に維持している。
成形装置3は、図4に示すように温度センサ53と圧力センサ54とを備えている。温度センサ53は、筒状体4の温度を検出するためのものであり、例えば熱電対や周知の非接触型の温度検出センサ等を用いることができる。温度センサ53で検出された温度に関する情報は制御装置50に出力される。また、圧力センサ54は、筒状体4内の圧力を検出するためのものであり、例えば周知の圧力検出センサを用いることができる。圧力センサ54で検出された圧力に関する情報は制御装置50に出力される。
制御装置50は、中央演算装置や記憶装置等を備えたマイクロコンピュータ等で構成されており、記憶装置に記憶された動作プログラムに従い、型駆動装置36による上型31の位置情報、温度センサ53から出力される温度情報及び圧力センサ54から出力される圧力情報の各情報に基づいて、型駆動装置36、通電加熱装置37、注水装置51及び圧力調整弁52を制御する。
すなわち、図5に示すように、制御装置50は、成形の開始前には、型駆動装置36によって上型31を上昇端位置にしておく。そして、制御装置50は、通電加熱装置37の電源出力をOFFからONに切り替えて筒状体4の加熱を開始し、加熱開始時における電圧はa(V)とする。温度センサ53によって検出された筒状体4の温度がキュリー点(Tc(℃))になると、制御装置50は、通電加熱装置37から出力される電圧をb(V)に変更する。また、温度センサ53によって検出された筒状体4の温度がA3変態点以上である920℃になると、型駆動装置36によって上型31を下降させ始める。上型31が下降し始めると通電加熱装置37の電源出力をONからOFFに切り替えて通電を終了する。
また、制御装置50は、筒状体4の加熱が開始されて温度センサ53によって検出された筒状体4の温度が常温から上昇して300℃になると、圧力調整弁52を開いて筒状体4の内部の空気を排出して筒状体4内の圧力を減少させる。制御装置50は、圧力調整弁52を開いた後、閉じ、その後、注水装置51によって筒状体4内に水を供給する。このときの水の供給量は、供給した水の略全てが筒状体4内で蒸発して殆ど残らない程度である。また、制御装置50は、型駆動装置36によって得られた上型31の位置が下降端位置の手前、即ち、プレス成形機30が型閉じ状態となる前に注水装置51によって筒状体4内に冷却用の水を供給する。このときの水の供給量は、筒状体4を冷却して焼き入れを完了させることができる程度である。
次に、上記のように構成された成形装置3を用いたトーションビーム2の製造方法について、図5及び図6を参照しながら説明する。先ず、図6におけるP1(通電加熱工程)で示すように、プレス成形機30を型開き状態にして略円形状の筒状体4の両端開口それぞれに電極33を取り付け、その電極33を支持部35に支持させることによって、筒状体4を成形装置3にセットする。上記電極33に形成されている連通孔331は閉じる。制御装置50は、通電加熱装置37の電源出力をOFFからONに切り替えて、筒状体4に印加する電圧をa(V)とする。筒状体4は、上型31及び下型32とは非接触の状態で通電されて加熱される。通電加熱は、対象物の加熱効率が高く、省エネルギ性に優れると共に、対象物を短時間で加熱することができるという利点がある一方で、対象物が例えば貫通孔を有していたり、例えば台形等の一様な形状でなかったり(台形は幅が一様でない)すれば、加熱温度ムラが生じる。上記の筒状体4は、成形前であることから断面円形状の一様断面を有する筒状体であるため、そうした加熱温度ムラは生じない。このためこの成形装置3において通電加熱を採用することは、加熱炉での加熱と比較して加熱時間及び消費エネルギを大幅に削減しつつ、筒状体を均一に加熱し得る点で有効である。
図6におけるP2(水供給工程)では、筒状体4の温度が300℃になると、制御装置50が温度センサ53からの出力によってそのことを検出し、圧力調整弁52を開いて筒状体4の内部の空気を排出して筒状体4内の圧力を減少させる。筒状体4内の圧力が減少すると、制御装置50は注水装置51によって筒状体4内に水を供給する(同図の白抜きの矢印参照)。
このときに、2つの電極33のそれぞれから水を供給してもよいし、いずれか一方の電極33から水を供給してもよい。そうして筒状体4の熱によって水を蒸発させて、筒状体4の内部を水蒸気で充満させる。尚、図4等では図示を省略するが、各連通孔331に逆止弁や開閉弁等を設けておくことで、筒状体4内は密閉状態にされる。こうして筒状体4内を水蒸気で充満させることは、プレス成形時の内圧を高くする効果がある。従って、筒状体4への水の供給量は、成形時に所望の内圧となるように適宜調整すればよい。また、筒状体4への水の供給は、筒状体4の加熱後に限らず、その加熱前に行ってもよいし、加熱している最中に行ってもよい。また、図6におけるP2に示すように、上型31を下降して筒状体4を上型31及び下型32それぞれと接触させてもよい。
図5に示すように、筒状体4の温度は水の供給によって一時的に低下する。この間も通電加熱装置37による通電が継続されているので、筒状体4の温度は時間の経過とともに上昇していく。筒状体4の温度がキュリー点になると、制御装置50は温度センサ53からの出力によってそのことを検出し、通電加熱装置37の電圧をb(V)に高める。その後、筒状体4の温度がA3変態点を超えて920℃になると、制御装置50は温度センサ53からの出力によってそのことを検出し、型駆動装置36によって上型31を下降させる。このとき、筒状体4の内部が水蒸気で充満しており、図6におけるP3で示すように、上型31を下降させることで筒状体4を下型32に押し付ける。そのことにより、下型32の凸部322が筒状体4の下部に当接して、当該下部を上向きに押すようになり、筒状体4の下部に、凹部21が成形されることになる。このプレス成形は、筒状体4の加熱により、筒状体4が低強度及び高延性となることで冷間成形に比べて成形が容易になるという利点があると共に、筒状体4の内圧を高めた状態でプレス成形を行うため形状安定化が図られる(図中の矢印参照)。さらに、水蒸気は筒状体4の温度を高く維持することが可能であり、成形時に筒状体4の温度が低下することも抑制し得る。
上型31が下降し始めると、制御装置50は型駆動装置36からの出力によってそのことを検出し、通電加熱装置37をOFFにする。その後、上型31が下降端位置に達する前に、制御装置50は注水装置51によって筒状体4内に冷却用の水を供給し、筒状体4を冷却する。これが冷却工程である。
冷却工程では、図6におけるP4で示すように、上型31及び下型32をそのままにした状態で、一方の電極33の連通孔331を通じて筒状体4の内部に水を供給すると共に、他方の電極33の連通孔331を通じて、筒状体4の内部の水を排出する。そうして筒状体4の内部に通水をして、筒状体4の内側を直接的に冷却する。一方、筒状体4の外側は、接触している上型31及び下型32によって冷却される。こうして、筒状体4を急冷することにより焼き入れが行われる。このように、成形後の筒状体4を成形装置3から搬送することなく冷却するため、例えばその搬送中に筒状体4の温度が低下すること等は未然に回避される。従って、筒状体4の加熱温度は最低限の温度に設定し得る。
冷却工程中に上型31が下降端位置に達する。また、冷却工程によって筒状体4の温度が常温近傍まで低下する。
以上説明したように、ここに示す成形方法及び成形装置3では、筒状体4の加熱、プレス成形及び冷却の3つの工程を、同じ成形装置3において連続して行う。このため、各工程を独立して行う場合に筒状体4の搬送等に要する時間が省略され、加工時間の短縮が図られる。また、搬送中に筒状体4の温度が低下する等の不都合も回避し得るため、例えば筒状体4を温度低下分を見込んで加熱することは不要であり、省エネルギ化が図られる。
また、筒状体4の加熱を通電加熱によって行うことは、加熱時間の短縮と共に、加熱エネルギの削減を可能にする。また、筒状体4のプレス成形を熱間乃至温間で行うと共に、内部に充満させた水蒸気によって筒状体4の内圧を高くして行うことで、筒状体4の成形性及び形状安定性が高まる。
また、筒状体4の温度がキュリー点となったときに電圧を上げてA3変態点以上となるまで加熱し、その後、水蒸気が充満している筒状体4をプレス成形するようにしたので、筒状体4の温度を確実に上昇させて熱間乃至温間でプレス成形できるとともに、焼き入れも行うことができる。
また、筒状体4の内部で蒸発させるための水を供給する前に、筒状体4内の圧力を低下させるようにしたので、所定量の水を素早く、かつ、容易に筒状体4内に供給することができ、加工時間を短縮できる。
また、筒状体4の温度がキュリー点よりも低いときに、蒸発用の水を供給することができるので、その後、A3変態点まで温度上昇するまでの間に、筒状体4の温度を均一化することができる。そして、温度が均一化して安定した筒状体4をプレス成形することで成形精度を向上させることができる。
また、成形後の筒状体4の冷却を、成形装置3内の筒状体4に対して行うことで、加熱温度を最低限の温度に設定して省エネルギ化の点で有利になる。また、筒状体4をその内側から直接的に水冷すると共に、上型31及び下型32によって筒状体4を外側からも冷却することで、筒状体4の冷却効率が高まる。尚、必要に応じて、上型31及び下型32を冷却(例えば水冷)するように構成してもよい。また、筒状体4の内部に通水しなくても、筒状体4内に水を供給するだけでもよい。
また、従来は、加熱、プレス成形及び冷却の3つの工程を実施するために必要であった、加熱炉、プレス成形機及び散水室が不要になり、製造設備費用の点及び設置面積の点で、大幅に有利になる。
また、上記の構成では、成形完了後の筒状体4の冷却を、筒状体4の内部に水を供給することによって行っているが、成形装置3における筒状体4の冷却手法は、これに限定されるものではない。また、成形後の筒状体4を、成形装置3から散水室に搬送した後に、これを冷却するようにしてもよい。
また、上記の構成では、電極33に形成した連通孔331を通じて水を供給することで、水蒸気の発生及び筒状体4の冷却の双方を行うようにしているが、水蒸気の発生用の水の供給口と、冷却用の水の供給口とを個別に形成してもよい。また、筒状体4の内部に水を供給するための口は、電極33に形成することには限定されない。
また、この成形方法及び成形装置3は、トーションビームアクスルのトーションビームの製造に適しているが、これに限定されず、その他の自動車部品、例えば、ドアインパクトビームやインパネメンバー等の筒状の自動車部品、また、バンパーレインフォースメント、Aピラー、及びBピラー等の、筒状にし得る自動車部品の製造に広く適用することが可能である。さらに、自動車部品に限らず、その他の種々の部品等の製造に、この技術を広く適用することが可能である。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、例えば、トーションビームアクスルのトーションビーム、ドアインパクトビームやインパネメンバー等の筒状の自動車部品、また、バンパーレインフォースメント、Aピラー、及びBピラー等の、筒状にし得る自動車部品の製造に広く適用することが可能である。
3 成形装置
4 筒状体
30 プレス成形機
31 上型
32 下型
37 通電加熱装置(加熱手段)
51 注水装置(水供給手段)

Claims (7)

  1. プレス成形機にセットした金属製の筒状体に第1の電圧を印加して通電加熱し、上記筒状体の温度を検出する温度センサから出力された温度がキュリー点となったときに上記第1の電圧よりも高い第2の電圧を上記筒状体に印加して上記筒状体の温度をA3変態点以上にする通電加熱工程と、
    上記筒状体を加熱する前、加熱している最中、及び加熱完了後の少なくとも1のタイミングで上記筒状体内に水を供給し、当該水の蒸発により当該筒状体内に水蒸気を充満させる水供給工程と、
    上記A3変態点以上に加熱され、かつ、上記水蒸気が充満している上記筒状体をプレス成形する成形工程とを備えていることを特徴とする筒状体の成形方法。
  2. 請求項1に記載の筒状体の成形方法において、
    上記筒状体内に水を供給することによって当該筒状体を冷却する冷却工程をさらに備えていることを特徴とする筒状体の成形方法。
  3. 請求項1または2に記載の筒状体の成形方法において、
    上記水供給工程では、水の供給前に上記筒状体内の圧力を低下させることを特徴とする筒状体の成形方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の筒状体の成形方法において、
    上記水供給工程は、上記通電加熱工程において上記筒状体の温度がキュリー点よりも低いときに行うことを特徴とする筒状体の成形方法。
  5. 請求項2に記載の筒状体の成形方法において、
    上記冷却工程は、上記成形工程において成形開始後であって、かつ、上記プレス成形機が型閉じ状態となる前に行うことを特徴とする筒状体の成形方法。
  6. 金属製の筒状体をプレス成形するプレス成形機と、
    上記筒状体の温度を検出する温度センサと、
    上記プレス成形機にセットした金属製の筒状体に第1の電圧を印加して通電加熱し、上記温度センサで検出された温度がキュリー点となったときに上記第1の電圧よりも高い第2の電圧を上記筒状体に印加して上記筒状体の温度をA3変態点以上にする加熱手段と、
    上記筒状体を加熱する前、加熱している最中、及び加熱完了後の少なくとも1のタイミングで上記筒状体内に水を供給し、当該水の蒸発により当該筒状体内に水蒸気を充満させる水供給手段とを備え、
    上記A3変態点以上に加熱され、かつ、上記水蒸気が充満している上記筒状体をプレス成形するように構成されていることを特徴とする筒状体の成形装置。
  7. 請求項6に記載の筒状体の成形装置において、
    上記水供給手段は、上記筒状体内に水を供給することによって当該筒状体を冷却するように構成されていることを特徴とする筒状体の成形装置。
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