JP6526267B1 - セルスタック装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明に係るセルスタック装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すように、セルスタック装置100は、複数の燃料電池セル1と、マニホールド2と、一対の端部集電部材3と、を備えている。
マニホールド2は、各燃料電池セル1にガスを分配するように構成されている。マニホールド2は、中空状であり、内部空間を有している。マニホールド2の内部空間には、導入管201を介して燃料ガスなどのガスが供給される。マニホールド2は、この内部空間と外部とを連通する複数の貫通孔27を有している。
各燃料電池セル1は、マニホールド2から上方に延びている。詳細には、各燃料電池セル1は、マニホールド2の上壁22から上方に延びている。燃料電池セル1の下端部は、貫通孔27内に挿入されている。燃料電池セル1の下端部は、上壁22から下方に突出していてもよい。燃料電池セルの長手方向(x軸方向)の長さは、例えば、100〜300mm程度とすることができる。なお、燃料電池セル1の下端部が貫通孔27内に挿入された状態において、燃料電池セル1の下端部の外周面と貫通孔27の内壁面との間には隙間が形成されている。この隙間に、後述する第3接合材103が充填されていてもよい。
支持基板12は、マニホールド2から上方に延びている。すなわち、支持基板12は、上下方向に延びている。支持基板12は、支持基板12の長手方向(x軸方向)に延びる複数のガス流路121を内部に有している。各ガス流路121は、支持基板12の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。ガス流路121は、マニホールド2の内部空間と連通している。
各発電素子部11は、支持基板12の両面に支持されている。なお、各発電素子部11は、支持基板12の片面のみに支持されていてもよい。各発電素子部11は、燃料電池セル1の長手方向(x軸方向)において、配列されている。すなわち、各発電素子部11は、上下方向に配列されている。本実施形態に係る燃料電池セル1は、いわゆる横縞型の燃料電池セルである。
図1及び図2に示すように、一対の端部集電部材3は、複数の燃料電池セル1から構成されるセルスタックから電力を取り出すように構成されている。各端部集電部材3は、各燃料電池セル1のうち、配列方向(z軸方向)の両端部に配置される各燃料電池セル1に取り付けられている。なお、一対の端部集電部材3は、取り付けられる位置が互いに異なるだけであって互いの構成は実質的に同じであるため、以下では、一方の端部集電部材3のみについて説明する。
接合部31は、燃料電池セル1に接合されるように構成されている。詳細には、接合部31は、導電層34を介して燃料電池セル1に接合されている。接合部31は、板状である。具体的には、接合部31は、配列方向視(z軸方向視)において、矩形状を有している。接合部31の幅W1は、例えば、下側発電素子部11aの幅と同じ程度とすることができる。
図6に示すように、引出し部32は、接合部31から延びている。引出し部32は、全体として、接合部31の面方向と直交する方向(z軸方向)に延びている。好ましくは、引出し部32は、例えば、接合部31の下端中央部から延びている。引出し部32の幅W2は、接合部31の幅W1よりも小さい。なお、端部集電部材3の各部分の幅W1,W2は、第1方向(y軸方向)における寸法を意味している。
図7に示すように、絶縁層33は、引出し部32を覆っている。絶縁層33は、絶縁性の材料によって構成することができる。例えば、絶縁層33は、絶縁性セラミックスによって構成することができる。より具体的には、絶縁層33は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、又は結晶化ガラスなどによって構成することができる。また、引出し部32は、外部回路のリード線やバスバーと接続される。絶縁層33は、引出し部32のうち、この接続部分を覆っていない。絶縁層33の膜厚は、例えば、1〜200μm程度である。より好ましくは、絶縁層33の膜厚は10μm以上とすることができる。また、絶縁層33の抵抗率は、例えば、750℃において1〜600MΩ・cmとすることができる。
導電層34は、接合部31を覆っている。導電層34は、好ましくは、接合部31の全体を覆っている。導電層34は、導電性の材料によって構成することができる。例えば、導電層34は、(Mn,Co)3O4、(La,Sr)MnO3、又は(La,Sr)(Co,Fe)O3などによって構成することができる。導電層34は、緻密層とすることが好ましい。例えば、導電層34の気孔率は約10%以下である。導電層34の膜厚は、0.1〜20μm程度である。なお、導電層34は、引出し部32の根元部321を絶縁層33の代わりに覆っていてもよい。
図2に示すように、各燃料電池セル1は、セル間集電部材4を介して互いに電気的に接続されている。セル間集電部材4は、各燃料電池セル1の間に配置されており、隣り合う各燃料電池セル1を電気的に接続している。セル間集電部材4は、導電性を有する材料から形成されている。例えば、セル間集電部材4は、酸化物セラミックスの焼成体又は金属などによって形成されている。なお、セル間集電部材4は、第2接合材102によって各燃料電池セル1に接合されている。第2接合材102は、例えば、第1接合材101の材料として挙げたいずれかの材料で構成することができる。
各燃料電池セル1において、支持基板12の一方面に形成された発電素子部11と、支持基板12の他方面に形成された発電素子部11とは、表裏接続部材5によって電気的に接続されている。詳細には、表裏接続部材5は、支持基板12の一方面及び他方面のそれぞれにおいて最も上方に配置される各発電素子部11同士を電気的に接続している。
各燃料電池セル1は、第3接合材103によって、マニホールド2に固定されている。第3接合材103は、燃料電池セル1とマニホールド2の上壁22とを接合している。第3接合材103は、燃料電池セル1の下端部とマニホールド2の上壁22とを接合している。図5に示すように、第3接合材103は、緻密膜18と接触している。
以上のように構成されたセルスタック装置100は、次のようにして発電する。マニホールド2を介して各燃料電池セル1のガス流路121内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板12の両面を酸素を含むガス(空気等)に曝すことにより、電解質14の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。このセルスタック装置100を端部集電部材3を用いて外部の負荷に接続すると、空気極15において下記(1)式に示す電気化学反応が起こり、燃料極13において下記(2)式に示す電気化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O2+2e−→O2− …(1)
H2+O2−→H2O+2e− …(2)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、延在部322は、根元部321から離れるにつれてマニホールドの上壁22の上面から離れるように傾斜して延びているが、端部集電部材3の構成はこれに限定されない。
図10に示すように、セルスタック装置100は、筐体90をさらに備えていてもよい。この筐体90内に、燃料電池セル1及びマニホールド2が収容される。筐体90は、金属材料から構成されている。例えば、筐体90は、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、又はNi基合金などによって構成されている。
上記実施形態では、燃料極集電部131が第2凹部131a及び第3凹部131bを有しているが、燃料極集電部131の構成はこれに限定されない。例えば、燃料極集電部131は第2凹部131a及び第3凹部131bなどの凹部を有していなくてもよい。この場合、燃料極活性部132は、燃料極集電部131上に形成されており、燃料極集電部131に埋設されていない。また、インターコネクタ112及び第1接続部113は、燃料極集電部131上に形成されており、燃料極集電部131に埋設されていない。
上記実施形態では、端部集電部材3の根元部321は、接合部31の面方向に沿った方向に延びているが、根元部321の構成はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、根元部321の面方向は、接合部31の面方向に対して傾斜していてもよい。詳細には、根元部321は、下方に行くにつれて燃料電池セル1から離れるように傾斜している。なお、図12に示すように、接合部31の主面と、根元部321の主面とがなす角度αは、100〜170°程度とすることができる。
図13に示すように、引出し部32は、引出し本体部323と、中間部324とを有していてもよい。なお、引出し本体部323は、上記実施形態の延在部322に相当し、中間部324は、上記実施形態の根元部321に相当している。
上記実施形態では、引出し部32は、根元部321と、延在部322とを有していたが、引出し部32の構成はこれに限定されない。例えば、図15に示すように、引出し部32は、根元部321を有していなくてもよい。この場合、延在部322が接合部31から直接延びている。
上記実施形態では、端部集電部材3は、下側発電素子部11aの電気的接続部111に接合されているが、特にこれに限定されない。例えば、図16に示すように、端部集電部材3は、下側発電素子部11aの発電素子本体部110に接合されていてもよい。この場合、下側発電素子部11aは、電気的接続部111を有していなくてもよい。
上記実施形態では、端部集電部材3は、下側発電素子部11aに接合されているが、下側発電素子部11a以外の発電素子部11に接合されていてもよい。
図17に示すように、接合部31及び引出し部32は、表面に酸化皮膜300を有していてもよい。この場合、絶縁層33及び導電層34は、酸化皮膜300の上から引出し部32や接合部31を覆っている。なお、導電層34は、形成されていなくてもよい。
上記実施形態では、端部集電部材3の接合部31は、下側発電素子部11aの外表面Sと略平行に延びているが、これに限定されず、以下のような構成とすることができる。
以上のように作製された各サンプルに対して、絶縁層33の金属部品との短絡防止可否の評価を行った。詳細には、燃料電池セル1の両面の発電素子部11に接合された端部集電部材3のそれぞれの引出し部32に、リード線を介して電子負荷装置を接続し発電評価できる状態にした。さらに、引出し部32にコの字型の金属片を接触させて燃料電池セルの通電試験を行った。具体的には、マニホールド2の上壁22の上に高さ10mmのアルミナ製ブロックを置き、その上にコの字型の金属片を載せて引出し部32と接触させた状態にし、通電試験を行った。この通電試験を一つの水準につき5サンプルで行った。表1において、サンプル5個中、全て不具合なく通電試験を実施できたものを、評価「◎」とした。また、サンプル5個のうち1つでも、引出し部32と金属片の間で短絡回路を形成して大電流が生じ評価が不可能となったものを、評価「○」とした。一方、5個全てで評価が不可能となった場合、短絡防止効果なしとして「×」とした。各水準で評価が不可能になった数が、表1に示されている。
2 マニホールド
3 端部集電部材
31 接合部
32 引出し部
33 絶縁層
34 導電層
100 セルスタック装置
Claims (9)
- マニホールドと、
前記マニホールドから上方に延びる複数の燃料電池セルと、
前記複数の燃料電池セルの配列方向の端部に配置される前記燃料電池セルと電気的に接続される端部集電部材と、
を備え、
前記端部集電部材は、
前記燃料電池セルに接合されるように構成された接合部と、
前記マニホールドの上面に沿って延びる延在部を有し、前記接合部から延びる引出し部と、
前記引出し部を覆う絶縁層と、
を有し、
前記延在部は、前記接合部から離れるにつれて、前記マニホールドの上面から離れるように傾斜して延びる、
セルスタック装置。
- マニホールドと、
前記マニホールドから上方に延びる複数の燃料電池セルと、
前記複数の燃料電池セルの配列方向の端部に配置される前記燃料電池セルと電気的に接続される端部集電部材と、
を備え、
前記端部集電部材は、
前記燃料電池セルに接合されるように構成された接合部と、
前記マニホールドの上面に沿って延びる延在部を有し、前記接合部から延びる引出し部と、
前記引出し部を覆う絶縁層と、
を有し、
前記延在部は、前記接合部から離れるにつれて、前記マニホールドの上面に近付くように傾斜して延びる、
セルスタック装置。
- 前記接合部及び前記引出し部は、表面に酸化皮膜を有し、
前記引出し部の酸化皮膜は、前記接合部の酸化皮膜よりも薄い、
請求項1又は2に記載のセルスタック装置。
- 前記燃料電池セルと前記接合部とを接合する第1接合材をさらに備え、
前記接合部は、Crを含む合金によって構成される基材と、前記基材を覆う酸化クロム膜とを有し、
前記燃料電池セルの外表面に垂直な断面において、前記接合部は、前記外表面に対して角度を有する第1面と、前記外表面に対して角度を有する第2面と、前記第1面と前記第2面とによって形成される角部とを含み、
前記角部は、前記第1面及び前記第2面それぞれよりも前記外表面に近接している、
請求項1から3のいずれかに記載のセルスタック装置。
- 前記端部集電部材は、前記接合部を覆う導電層をさらに有する、
請求項1から4のいずれかに記載のセルスタック装置。
- 前記絶縁層は、絶縁性セラミックスによって構成される、
請求項1から5のいずれかに記載のセルスタック装置。
- 前記接合部は、鉄とクロムとを含む金属材料で構成される、
請求項1から6のいずれかに記載のセルスタック装置。
- 前記接合部と前記引出し部とは、1つの部材によって構成される、
請求項1から7のいずれかに記載のセルスタック装置。
- 前記接合部及び前記引出し部は、一枚の金属板から構成される、
請求項1から8のいずれかに記載のセルスタック装置。
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JP2018009545A JP6526267B1 (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | セルスタック装置 |
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JP2018009545A Active JP6526267B1 (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | セルスタック装置 |
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2018
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