JP6524377B2 - アコースティックギター胴体の表面板 - Google Patents

Description

本発明は弦楽器の１つであるアコースティックギターに関し、詳しくは胴体の表面板、表面ブリッジと表面板、裏面のブレーシング配置に関するものである。

アコースティックギターの構成は上部に弦を巻き上げる糸巻きが装着されたネックがあり、下部に弦を止めるブリッジが固着された胴体部があって。胴体部は表面板、裏面板、側板の組み合わせで箱状になっている。

前記アコースティックギターの表面板、表面に固着されているブリッジはサドルと弦止めが一体になっているが、例外としてヤイリギターカタログ９８年版９ページに記載の WEIR=!ENモデルがある。このギターのサドルと弦止めは５ｍｍほどの間隔をおいて固着されている。

アコースティックギターの表面板の裏面には補強材としてブレーシングが固着されていて、特許文献１の図面で見られるような配置で付けられている場合が多い。その特徴は主ブレーシングがX形で、胴体枠に最低６カ所架設固着されて表板の剛性を維持する構造になっている。

特開２００８−０５２０５４

ヤイリギターカタログ９８年版９ページ WEIR=!ENモデル

前記表面板、表面に固着されたブリッジの欠点は、調弦時の弦を引っ張る力は梃の働きで表板が撓むほど強いので、その力に耐える剛性を表板に与えるために剛性の強いブレーシングが表面板、裏面に固着されている。
前記WEIR=!ENモデルも特許文献１の図面で見られるようなブレーシング配置で表板の剛性が強い構造が採用されている。

ところが、前記Xブレーシングには弦から発せられた音振動を表面板全体に伝える役目があるが、表面板には弦の張力に耐える剛性があるため、繊細な音振動を表面板全体に伝える機能に欠ける課題がある。

本発明は上記課題を解決するためになされたもので、請求項１に記載のアコースティックギター胴体の表面板は、アコースティックギター胴体の表面板であって、該表面板の表面にサドルと弦止めが分離して取り付けられているとともに、前記サドルは前記表面板の長手方向と直角になる様に取り付けられ、前記弦止めは前記サドルとの間隔は前記弦止め幅の１，５倍以上の間隔をあけて反糸巻き側に平行に取り付けられてなる。

請求項２に記載のアコースティックギター胴体の表面板は、前記表面板の裏面にそれぞれ長さ及び形の異なる主ブレーシング材と副ブレーシング材が前記サドルを中心として放射状に取り付けられているとともに、前記主ブレーシング材は縦用主ブレーシング材と横用主ブレーシング材の２本で構成されて、十字形に組み合わされており、前記横用主ブレーシングの高音部側が前記アコースチィックギター胴体の枠板に架設するように取り付けられていて、主ブレーシング材及び副ブレーシング材のすべてのブレーシング材の前記表面板の裏側への取り付け面は外側に膨らんだ曲線形になっていることを特徴とする。

本発明は、上記手段を採用したので、調弦時弦を引くとき、梃の働きで後が浮き上がり、前が沈む現象が抑制され、表板の撓む力を抑えることができ、繊細な音振動をより素直に表面板を伝えることが出来るようになる。

ブレーシングについては配置に特徴があり、基本はブリッジ真裏の中心から放射状に固着するが一か所だけ音のバランスを取る為にブリッジ裏の横用主ブレーシングの高音部だけ胴体部に架けて固着してあり、副ブレーシングは中心になる部分が高く放射状の先端は低くなっているので、音振動の広がりが自然である。

上述したように本発明はアコースチィックギター表面板に柔軟性
を持つことが可能になり、素直で繊細な音楽を表現出来る。

表面板表面図（実線部分） 表面板裏面図 副ブレーシング横面図 主ブレーシング（横用）横面図 主ブレーシング（縦用）横面図

以下本発明の実施の形態を図１〜図５に基づいて説明する。

図においては、１図は表面板、表面１で、定位置にサドル４を設置、弦止め５の幅の１．５倍以上の間隔をあけて弦止め５を固着。
２図は表面板、裏面２で中心部に主ブレーシング７，８が十字形に固着され、主ブレーシング７の高音部Hは胴体枠１０に架け接着。副ブレーシング９は主ブレーシング７，８の上下左右に放射状に固着する。弦止め補強板６は表面１に固着した弦止め５の裏面に固着。
３，４，５図は各ブレーシングの横面図で接着面は表面板１を膨らませる目的で緩い曲面になっている。

以下上記構成を説明する。調弦時弦の張力で表面板が撓む現象 をサドル４と弦止め５を分割して部材が細くなり、また間隔を保つ事で梃の働きを解消できるのでブレーシング７，８，９が表面板の振動を制御するだけに配置されているので雄大で繊細な演奏表現ができる。

体感音圧、音域、音量が増すので一回り小さい胴体のアコースチィックギターでも充分演奏を楽しむことが出来る。

H、高音部
L、低音部
１ 表面板表面
２ 表面板裏面
３ サウンドホール
４ サドル
５ 弦止め
６ 弦止め用裏側補強板
７ 主ブレーシング（横）
８ 主ブレーシング(縦)
９ 副ブレーシング
１０ 主ブレーシング（横）の胴体部架設接着箇所

Claims (1)

1. 表面板と裏面板と枠板で構成される、アコースティックギター胴体の表面板であって、該表面板が弦張力による撓みを防ぐために、表面にサドルと弦止めを分離して取り付けられているとともに、前記表面板の裏面にそれぞれのスペースに合わせて長さの異なる主ブレーシング材と副ブレーシング材が前記サドルの裏面を中心として放射状に取り付けられているとともに、前記主ブレーシング材は縦用主ブレーシング材と横用主ブレーシング材の２本で構成されて、十字形に組み合わされておりその中心は前記サドルの裏面になる、又前記横用主ブレーシングの高音部側が前記弦楽器胴体の枠板に架設するように取り付けられていて、主ブレーシング材及び副ブレーシング材のすべてのブレーシング材の前記表面板の裏面への取り付け面は外側に膨らんだ曲線形になっていることを特徴とするアコースティックギター胴体の表面板。

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