JP6522720B1 - 抗菌性の被覆層を有する食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム、およびその応用 - Google Patents

抗菌性の被覆層を有する食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム、およびその応用 Download PDF

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Abstract

【課題】食品容器等に抗菌性を付与する。【解決手段】食品包装材として許容される材料を基材とする、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムであって、少なくとも一部の表面が、抗菌上有効量の保存料 を含む層で被覆されている、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムを提供する。保存料は、好ましくは、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかである。【選択図】なし

Description

本発明は、食品容器または食品包装フィルムに関し、より詳細には、抗菌性を有する食品容器または食品包装フィルムに関する。
樹脂製の食品容器または食品包装フィルムに抗菌性能を付与するための方法として、樹脂に抗菌剤を練り込む方法と、容器表面に抗菌性の被覆層を設ける方法とが知られている。後者に関しては、例えば、特許文献1は、紙、フィルム、不織布、アルミ箔等からなる基材シートの少なくとも一方の面の表面に、有機酸及び有機酸エステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の抗菌剤と、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上の剥離剤とを含有してなるコート層が設けられていることを特徴とする優れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シート材を提案する。特許文献2は、生分解性フィルムにイソチアン酸エステル類化合物及び/又はテルペン類化合物のサイクロデキストリン包接物をコーティングしてなる食品用抗菌生分解性フィルム又は食品用抗菌生分解性成型フィルムを提案する。特許文献3は、抗菌性作用物質を放出する層を技術的表面の上に作製するための方法であって、ポリ酢酸ビニル、保存剤及び溶媒から溶液を調製し、溶液を技術的表面に塗布し、技術的表面に塗布された溶液を乾燥して層を形成することを特徴とする方法を提案する。
一方、プロタミン(しらこたん白抽出物、しらこたん白、しらこ分解物、核蛋白ということもある。)は、魚類の精巣から抽出され、塩基性アミノ酸であるアルギニンを多く含む、塩基性の比較的低分子のタンパク質である。プロタミンは、細菌類の他、カビ、酵母などの真菌類にも有効であり、広い抗菌性を有していることが知られている(非特許文献1)。プロタミンは、食品添加物として、食品の保存性を高めるために食品に添加して使用されている。
プロタミンの抗菌性を食品以外に応用することも検討されている。例えば、特許文献4は、カチオン性ポリペプチドを含有する水溶液に繊維製品を浸漬する工程を含む、繊維製品の制菌加工方法であって、前記水溶液のカチオン性ポリペプチド濃度が250ppm以上であり、前記水溶液の液温が25℃以上であり、前記浸漬時間が20分以上であることを特徴とする、繊維製品の制菌加工方法を提案する。カチオン性ポリペプチドとしては、ε−ポリリジン及びプロタミンを用いることを提案するが、実際にプロタミンを用いた実験結果は示されていない。また特許文献5は、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)にプロタミンシリカを混入し、金型で成型したことを特徴とする抗菌性のマウスピースを提案する。
特開2000−43952号公報(特許第2983523号) 特開2006−199852号公報(特許第4748767号) 特表2008−545761号公報(特許第5009904号) 特開2011−127243号公報 特開2016−174890号公報
大西 隆志, 生活衛生, Vol. 36 (1992), No. 4, 179-196
樹脂に抗菌剤を練り込む方法では、抗菌成分が表面に露出して食品と接触する部分に限り抗菌活性が生じるが、この方法では、抗菌剤の大半が樹脂の内部に存在するため、優れた抗菌活性を得るためには、抗菌剤を多量に練り込む必要がある。しかし、抗菌剤の大量の練り込みはコストの問題のみならず樹脂の強度が低下するというデメリットがあり、低コストで、しかも樹脂の強度を保ちながら優れた抗菌性を実現することは困難である。また樹脂に練り込むためには樹脂の溶解温度で変性しない熱耐性を有していることを要するとの観点からは、抗菌剤として、銀、銅、亜鉛等の金属を含む無機化合物が選択されうるが、食品に直接接触する食品容器または食品包装フィルムとしては、金属が溶出しないなどの配慮が必要であり、食品容器または食品包装フィルムへの使用は見送られてきた。
一方、表面に抗菌性の被覆層を設ける方法は、コストや比較的低温での被覆条件を選択しうる点では有利だが、食品への溶出や耐久性の面では劣ると考えられる。また特許文献2で用いられているイソチオシアン酸エステル類化合物は、からしの辛味成分であり、食品由来の成分として安全性の面から注目されるが、揮発性で強い刺激臭があり、用途が限られるという問題があった。
本発明者らは、食品容器または食品包装フィルムの表面を、安全性の高い抗菌剤で抗菌処理することにより、スポンジケーキなどの半生菓子の日持ちを向上させる容器の開発を検討してきた。そして種々の抗菌剤の中からプロタミン等に着目し、それにより食品容器または食品包装フィルムの基材として汎用なポリプロピレン等の樹脂表面を被覆する方法を検討し、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する。
[1]食品包装材として許容される材料を基材とする、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムであって、少なくとも一部の表面が、抗菌上有効量の保存料を含む層で被覆されている、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム。
[2]保存料が、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかである、1の、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム。
[3]抗菌上有効量が、0.40mg/m2以上である、1または2の、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム。
[4]保存料を含む層が、乳化剤を含む、1〜3のいずれか1項の、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム。
[5]乳化剤の量が、0.97mg/m2以上である、4の、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム。
[6]食品包装材として許容される材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンである、1〜5のいずれか1項の、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム。
[7]使い捨て用である、1〜6のいずれか1項の食品容器または食品包装フィルム。
[8]ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンを基材とする、原反シートまたはフィルムの少なくとも一方の表面に、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかを含む水溶液を塗布する工程;および
水溶液が塗布された原反シートまたはフィルムを、乾燥する工程
を含む、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムの製造方法。
[9]塗布される水溶液が、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかを0.10%以上含む、8の製造方法。
[10]塗布される水溶液が、乳化剤を0.10%以上含む、8または9の製造方法。
[11]食品包装材として許容される材料を基材とする食品容器または食品包装フィルムの少なくとも一部の表面を、抗菌上有効量の、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかを含む層で被覆することを特徴とする、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムに抗菌性を付与する方法。
[12]少なくとも一部の表面が抗菌上有効量の、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかを含む層で被覆された、食品容器または食品包装フィルムにより包装された、食品。
[13]プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかの、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムの、少なくとも一部の表面の被覆のための使用。
本発明の方法より、銀、銅、亜鉛等の金属化合物を使用することなく、既に食品保存料として使用されている成分で、食品容器または食品包装フィルムの表面を被覆することができる。練り込み方式とは異なり、食品容器または食品包装フィルムの強度を低下させることなく、またより少ない量で抗菌活性を付与することができる。
本発明により、従来、強度やコストの問題から実用化が見送られていた、汎用プラスチックを基材とする使い捨ての食品容器または食品包装フィルム容器への抗菌性能の付与が実現できる。また本発明による食品容器または食品包装フィルムに抗菌性を付与する方法は、汎用プラスチック以外の基材への応用が期待できる。
本発明の食品容器または食品包装フィルムにより、食品をより長期間、微生物学的に清浄に保つことができる。
[食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム]
本発明は、食品包装材として許容される材料を基材とする、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムであって、少なくとも一部の表面が、抗菌上有効量の保存料を含む層で被覆されている、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムを提供する。
(保存料)
本発明のシート、容器またはフィルムの被覆層は、保存料、例えばプロタミンまたはその塩、ポリリジン、ナイシン等のバクテリオシン、硫酸銅、硫酸亜鉛、安息香酸またはその塩、ソルビン酸またはその塩、プロピオン酸またはその塩、あるいは銀等の金属イオン類を含有する。
好ましい態様においてシート、容器またはフィルムの被覆層は、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンを含有する。これらの成分はいずれも、2個以上の同種または異種のアミノ酸がペプチド結合したものであり、塩基性である点で共通する。
プロタミン(protamine)は、しらこたん白抽出物、しらこたん白、しらこ分解物、核蛋白と称されることもあるが、魚類の成熟精巣から抽出される、塩基性アミノ酸を多く含む分子量3000〜10000のタンパク質である。アミノ酸組成に占めるアルギニン含量は約70%(モル%)である。プロタミンは、サケ由来のSalmin、二シン由来のClupeine、チョウザメ由来のSturine、サバ由来のScombrine、ボラ由来のMugiline、ニジマス由来のIridine、マガツオ由来のGlymosine等の総称である。本発明においては、食品添加物として許容されるものであれば、いずれであっても用いることができる。
プロタミンは水溶性である。また塩基性であるため、各種の酸と塩を形成する。本発明には、食品添加物として許容されるプロタミンまたはプロタミンの塩を用いることができる。プロタミンの塩には、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ギ酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メシチレンスルホン酸塩およびナフタレンスルホン酸塩が含まれる。本発明においては、水への溶解度が比較的高く、食品添加物(保存料)としてすでに広く用いられているとの観点からは、硫酸プロタミンを用いることが好ましい。
ポリリジンは、L−リジンが直鎖上に重合したポリアミノ酸である。ポリリジンには、化学合成により製造されるα−ポリリジンと発酵法により製造されるε−ポリリジンがある。本発明においては、食品添加物として許容されるものであれば、いずれであっても用いることができる。殺菌性がより高いという観点からは、ε−ポリリジンを用いることが好ましい。また、本発明に用いるポリリジンの分子量は、殺菌性がより高いという観点からは、3,000以上であることが好ましく、4,000以上であることがより好ましく、また10,000以下であることが好ましく、8,000以下であることがより好ましく、6,000以下であることがさらに好ましい。ここでいう分子量は、GPC−LALLS法により測定された重量平均分子量である。
ナイシンは、特定の乳酸菌によって生産される、34個のアミノ酸からなるペプチドである。ナイシンにはナイシンA、ナイシンZ、ナイシンQ、ナイシンU、ナイシンF等が存在するが、本発明でナイシンというときは、ナイシンA、ナイシンZ、およびナイシンQからなる群より選択されるいずれかを用いることが好ましく、食品添加物として認められているとの観点からはナイシンAを用いることがより好ましい。最初に発見されたナイシンは、現在ではナイシンAと称されており、それとは27番目のアミノ酸残基が異なるナイシンZ及びナイシンQが単離されている。本発明においては、食品添加物として許容されるものであれば、いずれであっても用いることができる。ナイシンAは、日本を含む50カ国以上で食品添加物として認められており、本発明においても好適に用いることができる。
プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンは、いずれかを単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。またプロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンはいずれも、食品添加物として許容されるグレードのものが市販されており、入手可能である。
プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれか(以下、「プロタミン等」ということもある。)は、抗菌上有効量で、本発明により提供される食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム(以下、「製品」ということもある。)の少なくとも一部の表面を、抗菌上有効量で被覆している。抗菌上有効量とは、下方で説明する抗菌力を評価する試験方法により、抗菌力があると評価できる量をいいう。抗菌上有効量は、当業者であれば、用いる抗菌性成分、対象となる菌、食品が保存される環境、保存期間等に応じて適宜決定できるが、本発明者らの検討によると、硫酸プロタミンの0.2%水溶液を約0.972g/m2で(硫酸プロタミン量として、1.944mg/m2と計算される。)塗布した場合に十分な効果が得られたことから、抗菌上有効量は、0.40mg/m2以上であり、好ましくは0.80mg/m2以上であり、より好ましくは1.4mg/m2以上であり、さらに好ましくは1.8mg/m2以上である。被覆層における抗菌成分の量は、被覆層からその成分を抽出して測定することができるが、製品表面に塗布する水溶液における抗菌成分の濃度および塗布量から、計算することもできる。
(乳化剤等)
本発明により提供される製品の表面の被覆層は、プロタミン等以外の他の成分、例えば、後述するように、プロタミン等の水溶液を塗布することにより被覆層を形成する際に、水溶液の塗布を補助する成分を含んでいてもよい。塗布を補助する成分の例は、界面活性剤のうち、乳化剤、界面活性低下剤、消泡剤、剥離剤、または防曇剤として用いられている成分である。
界面活性剤は、一般に、非イオン性、両性、アニオン性、カチオン性に大別できる。非イオン性界面活性剤の例は、ソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪アルコールエトキシレート(アルキルポリエチレングリコール)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグリコシド等である。より詳細には、ポリソルベート20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、Tween 20)、ポリソルベート60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、Tween 60)、ポリソルベート65(トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、Tween 65)、ポリソルベート80(オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、Tween 80)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(Brij(登録商標)30)、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(Brij(登録商標)52)、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル(Brij(登録商標)56)、ステアリン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸ポリグリセリル−10、オレイン酸ポリグリセリル−10、ジステアリン酸ポリグリセリル−10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−11、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸PEG−6ソルビタン、テトラオレイン酸ソルべス−40、テトラオレイン酸ソルべス−60、PEG−20 水添ヒマシ油、PEG−40 水添ヒマシ油、PEG−50 水添ヒマシ油、PEG−60 水添ヒマシ油、ラウレス−4、ラウレス−9、セテス−10、セテス−15、ラウリン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル(TritonTM X-100)等である。これらの中でも、食品添加物として用いられているとの観点からは、ポリソルベート80(PS80)が好ましく、種々の材料に適するとの観点からは、ラウレス−4、ラウレス−9、セテス−10、セテス−15が好ましい。アニオン性界面活性剤の例は、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SDS)、リン酸セチル、ココイルメチルタウリンNAであり、カチオン性界面活性剤の例は、ベンザルコニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリウムクロリドであり、両性界面活性剤の例は、レシチン、水添レシチン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸Naである。
好ましい態様においては、界面活性剤のうち、食品衛生法による食品添加物表示において「乳化剤」と用途名表示される対象となる物質を用いることができる。このような乳化剤の具体例として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニンを例示できる。
また乳化剤は、天然乳化剤と合成乳化剤に大別することができるが、食品添加物として許容できるものであれば、いずれであっても本発明に用いることができる。天然乳化剤の例は、アラビアガム、ガティーガム、グァーガム、カラヤガム、カロブビーンガム(ローカストビ−ンガム)、キサンタンガム、ジェランガム、トラガンドガム、サイリウムシードガム、カラギナン、微小繊維状セルロース(微結晶セルロース)、ファーセレラン、ペクチン、寒天、シクロデキストリン、ゼラチン、ポリデキストロース、アラビノガラクタン、カードラン、加工ユーケマ藻類、精製カラギナンユーケマ藻末、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、カゼインNa等であり、合成または半合成の乳化剤の例は、上述したような、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのほか、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルである。
他の好ましい態様においては、ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン、ジメチコン、ガスコンと称されることもある。)を用いることができる。
本発明により提供される製品の表面の被覆層に含まれる、プロタミン等以外の成分は、いずれかを単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。各種の乳化剤やジメチルポリシロキサンはいずれも、食品、化粧品、または医薬への添加剤として許容されるグレードのものが市販されており、入手可能である。
乳化剤またはジメチルポリシロキサンの被覆層における量は、当業者であれば、用いる抗菌性成分等に応じて適宜決定できるが、本発明者らの検討によると、硫酸プロタミンの塗布を補助するとの観点からは、非イオン性の界面活性剤を用いる場合は、例えば0.97mg/m2以上とすることができ、1.3mg/m2以上であることが好ましく、1.8mg/m2以上であることがより好ましく、3.6mg/m2以上であることがさらに好ましい。被覆層における成分の量は、被覆層からその成分を抽出して測定することができるが、後述するように、製品表面に塗布する水溶液における成分の濃度および塗布量から、計算することができる。
(食品包装材として許容される材料)
本発明によって提供される製品等の材料は、食品包装材として許容される材料である。このような材料の例は、プラスチック、紙、金属、無機物であり得る。プラスチックの例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン2,6ナフタレート(PEN)、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、イソタクトポリプロピレン(iPP)、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA、ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアセタール(POM)、変性フェニレンエーテル(m-PPE)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリルニトリル・スチレン共重合体(AS)、フェノールフォルムアルデヒド(PF)、ユリアフォルムアルデヒド(UF)、メラミンフォルムアルデヒド(MF)、エポキシ樹脂(EP)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン樹脂(SI)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルイソシアネート、ポリブチルイソシアネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリノルマルプロピルメタクリレート、ポリノルマルブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテート(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロース、フィブロイン、天然ゴム、ポリビニルアセテート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルノルマルプロピルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリビニルノルマルブチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルターシャリーブチルエーテル、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(N−ビニルカルバゾル)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルメチルケトン、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシクロペンテンオキシド、ポリスチレンサルホン、セルロース、再生セルロース、プロミックス、ナイロンアラミド,ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール、ポリイミド、およびこれらの共重合体からなるものを挙げることができる。本発明においては、食品包装材として許容されるものであれば、いずれであっても用いることができる。食品容器として実績があり、加工が容易である等の観点からは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンであることが好ましい。
本発明の食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムは、特に好ましい態様においては、基材としてポリエチレンテレフタレートが用いられ、その一方の表面が、保存料としてプロタミン硫酸塩、乳化剤としてポリソルベート80を含む層で被覆されている。本明細書においては、本発明を、このような好ましい態様を例に説明することがあるが、当業者であれば、その説明を、他の基材、および他の成分を用いる場合にも当てはめて理解することができる。
(用途、その他)
本発明の食品容器成型用シートは、食品容器を成型するために特に好適に用いることができる。本発明により提供される食品容器、または食品包装フィルムにより食品を包装すれば、表面の抗菌上有効量の保存料を含む層に含まれるプロタミン等の成分が、食品と接触することにより食品に対して抗菌力を発揮し、食品の保存性を高めることができる。したがって、本発明により提供される食品容器または食品包装フィルムは、製造後、一定時間が経過した後に食されるものに適している。このような食品の例としては、弁当、中食用の惣菜、集団給食用の惣菜、土産物の菓子等の加工食品が挙げられる。
また本発明により提供される食品容器、または食品包装フィルムは、使い捨てのものとして用いるのに適している。
[製造方法]
本発明はまた、下記の工程を含む、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムの製造方法を提供する:
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンを基材とする、原反シートまたはフィルムの少なくとも一方の表面に、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかを含む水溶液を塗布する工程;
塗布された原反シート、またはフィルムを乾燥する工程。
(塗布工程)
第1の工程では、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンを基材とする原反シートの少なくとも一方の表面に、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかを含む水溶液が塗布される。溶液におけるプロタミン等の濃度は、製造される食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムにおける抗菌力を考慮して決定することができる。具体的には、プロタミンまたはその塩、ポリリジン、およびナイシンからなる群より選択されるいずれかの濃度(複数種類を用いる場合は、合計の濃度)は、例えば0.040%以上とすることができ、0.050%以上としてもよく、0.10%以上とすることが好ましく、0.20%以上とすることがより好ましく、0.50%とすることがさらに好ましい。なお、本発明に関し、成分の濃度を%で表すときは、特に記載した場合を除き、溶液の体積(mL)あたりの溶質の質量(g)×100(重量/体積:w/v%)で計算された値である。
溶液は、基剤表面に溶液を均一に塗布するために、乳化剤を含んでいてもよい。乳化剤の濃度は、用いる基剤の種類や表面の性質にも拠るが、0.10%以上とすることができ、0.20%以上とすることが好ましい。多くの材料において、十分な濡れ性を確保するとの観点からは、0.30%以上とすることがより好ましく、0.50%以上とすることがさらに好ましい。
溶液の基剤表面への塗布量は、製造される食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムにおいて、抗菌上有効量のプロタミン等が含まれるように、溶液中のプロタミン等の濃度を考慮して決定することができる。例えば、硫酸プロタミンの0.2%水溶液を用いる場合は、塗布量は0.20g/m2以上とすることができ、好ましくは0.30g/m2以上であり、より好ましくは0.40g/m2以上であり、さらに好ましくは0.70g/m2以上であり、さらに好ましくは0.90g/m2以上である。
塗布方法は、特に制限されず、例えば、ディッピング法、ロールコーター、グラビアコーター、を用いた方法、スプレー加工、刷毛塗り等がある。
(乾燥工程)
第2の工程では、水溶液が塗布された原反シートまたはフィルムを、乾燥する。乾燥によって溶媒が気化し、抗菌層が形成される。乾燥のための温度および時間は、溶液に含まれるプロタミン等の抗菌力が損なわれない限り、適宜とすることができる。
(その他の工程)
本発明の製造方法はまた、食品容器成型用シートを製造する場合は、シート成型工程を含んでもよく、食品容器を製造する場合は、熱成型工程を含んでもよい。使い捨てプラスチック容器は、量産性・加工性の観点から、汎用のポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の基剤を押出成型してシートを得て、このシートをさらに真空成型することにより製造されることが多い。食品容器成型用シートを製造するための好ましい態様においては、通常の工程によりシートを押出成型した後、シートの一方の、食品と接触する面にプロタミン等を含む溶液を均一に塗布し、乾燥し、そして必要に応じシートを巻き取る工程を含む。溶液を塗布するためには、既存の巻き取り後のシートの離型性を高める離型剤や防曇剤等を塗布するための装置がそのまま利用できる。
[抗菌力]
本発明で抗菌力を有するというときは、対象となる材料をJIS Z 2801-2012に準じて評価したときに、適切なコントロールと比較して、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ菌(Salmonella enterica)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、枯草菌(Bacillus subtilis)、および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)からなる群より選択される菌の少なくとも一つの増殖を抑制できることをいう。具体的な手順は、本明細書の実施例の項を参考にすることができる。
本発明の製品等において発揮される抗菌作用は、グラム陽性菌、例えば、バチルス属、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、クロストリジウム属、リステリア属、マイクロコッカス属、プロピオニバクテリウム属、好ましくは、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、スタフィロコッカス・オーレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、およびプロピオニバクテリウム・アクネスに属する微生物に対して抗菌活性を発揮しうる。また、グラム陰性菌、例えば、エッシェリヒア属(Escherichia)、シュードモナス属、エンテロバクター属(Enterobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、シトロバクター属(Citrobacter)、プロテウス属(Proteus)、セラチア属、エルウィニア属(Erwinia)、ビブリオ属(Vibrio)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、サルモネラ(Salmonella)属、好ましくは、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)に属する微生物に対しても抗菌活性を発揮しうる。また、抗菌成分としてプロタミン、又はその塩を用いた場合は、真菌に対しても抗菌活性を発揮しうる。真菌の例は、カンジダ属(Candida)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Shizosaccharomyces)、ピキア属(Pichia)、クリベロマイセス属(Kluyveromyces)、ウィリオプシス属(Williopsis)、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、ガラクトマイセス属(Galactomyces)、トルラスポラ属(Torulaspora)、ロドトルラ属(Rhodotorula)、ヤロウィア属(Yarrowia)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)、アスペルギルス属(Aspergillus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、トリコフィトン属(Trichophyton)、ミクロスポルム属(Microsporum)、プネウモキスチス(ニューモシスティス)属(Pneumocystis)に属する微生物であり、より具体的な例としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・クルセ、カンジダ・ズブリニエンシス、カンジダ・リポリティカ(Candida lypolitica)、カンジダ・ユーティリス(Candida utilis)、カンジダ・サケ(Candida sake)、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・サケ(Saccharomyces sake)、サッカロマイセス・ベティカス(Saccharomyces beticus)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラブス(A. flavus)、アスペルギルス・ニガー(A. niger)、クリプトコッカス・ネオホルマンス(Cryptococcus neoformans)、クリプトコッカス・アルビヅス(Cryptococcus albidus)、クリプトコッカス・ガティ(Cryptococcus gattii)、クリプトコッカス・ラウレンティ(Cryptococcus laurentii)、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィトン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)、トリコフィトン・ベルコスム(Trichophyton verrucosum)、ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)、ミクロスポルム・ギプセウム(Microsporum gypseum)およびプネウモキスチス(ニューモシスティス)・ジロベシ(Pneumocystis jiroveci)が挙げられる。
次に下記の実施例に基づき、但し全般的発明思想を限定することなく、本発明を説明する。
[実験1:最小発育阻止濃度(MIC)の測定]
(材料および方法)
1.使用した成分(薬剤)
抗菌性の物質として、以下の薬剤を使用した。
硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O)略称: Cu
硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4・7H2O)略称: Zn
硝酸銀(AgNO3)略称: Ag
ナイシン(含有率2.5%、ラクチス乳酸菌由来、Sigma-Aldrich N5764)略称: ナイシン
ポリリジン(ポリ-L-リシン 臭化水素酸塩、Sigma-Aldrich P1274、mol wt 70,000-150,000 by viscosity)略称: ポリリジン
硫酸プロタミン(プロタミン硫酸塩、サケ由来、和光純薬工業(株)168-05192)略称: 硫酸プロタミン
ジメチルポリシロキサンのエマルジョン(ダウコーニング製、食品包装容器離型剤用エマルション、SM 7025 EX EMULSION、不揮発分34%。以下の実施例で「エマルジョン」というときは、これを指す。)
2.実験に使用した微生物
大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)
サルモネラ(Salmonella enterica NBRC3313)
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)
枯草菌(Bacillus subtilis IFO3215)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)
3.最小発育阻止濃度(MIC)測定
1)微生物懸濁液の調製
微生物は5 mLの普通ブイヨン培地(栄研化学(株))を用い、27℃で18時間振とう培養した。1 mLを採取し、10000 rpmで5分間、遠心分離した後、1 mLの0.85%食塩水に沈殿を懸濁した。10倍に希釈し、実験に用いた。
2)評価法
MICの測定にはマイクロプレート(96穴)を用い、表1に示す濃度の抗菌剤を含む150μLのミューラーヒントン培地(Becton Dickinson)を各ウェルに添加し、上述の微生物懸濁液を2μL接種した。大腸菌、サルモネラ、枯草菌、黄色ブドウ球菌については37℃で24時間培養し、また、緑膿菌については27℃で48時間培養した後、620nmの吸光度をマイクロプレートリーダー(Multiskan Ascent (Labsystems))で測定することによって微生物の発育を確認した。吸光度が0.1以下の場合、微生物の発育が無いものとした。
(結果)
結果を下表に示した。
抗菌性を示す金属類が、低いMICを示したが、食品用包装材への利用を考慮し、食品添加物として利用されているナイシン、ポリリジン、硫酸プロタミンに着目することとした。中でも、硫酸プロタミンが種々の微生物に対して比較的良好なMICを示し、また、エマルジョンを添加した場合でも抗菌性を示すことが分かった。
[実験2:夾雑物存在下または非存在下での、薬剤で被覆した材料の抗菌力の評価]
ポリエチレンテレフタレートシートの表面を薬剤で被覆し、抗菌力を評価した。その際、薬剤の水溶液をそのまま用いると、撥水効果があらわれ、均一に塗膜することが困難であったため、エマルジョンを使用した。
(材料および方法)
1.薬剤、微生物
実験1と同じ薬剤、ならびに黄色ブドウ球菌および大腸菌を用いた。
2.薬剤溶液の調製法
エマルジョン(不揮発分34%)を蒸留水と混合し、エマルジョンを14%含む溶液とした(不揮発分としては4.76%)。これに下表の濃度で他の薬剤を溶解した。
3.被覆方法
PET板(熱成型用ポリエチレンテレフタレートシート、厚み:0.45mm)を約5cm×約5cmの大きさに切断し、2.に示した溶液20μLを、約4cm×4cmの範囲に塗布し、風乾した。
4.抗菌力の評価法
JIS Z 2801-2012を参考にし、以下の手順で行った。
1)5 mLの普通ブイヨン培地(栄研化学(株))で上述の微生物を27℃で一晩振盪培養した。
2)黄色ブドウ球菌の場合は、終濃度で1/50濃度の普通ブイヨン培地を含む滅菌水(夾雑物低濃度条件)、又は普通ブイヨン培地(夾雑物高濃度条件)で希釈し、菌懸濁液を調製した。大腸菌の場合は、終濃度で1/500濃度の普通ブイヨン培地を含む滅菌水(夾雑物低濃度条件)、又は普通ブイヨン培地(夾雑物高濃度条件)で希釈し、菌懸濁液を調製した。
3)プラスチックシャーレに3.で作製したPET板を入れ、0.4 mLの菌懸濁液をPET板上におき、ポリエチレンシート(4cm×4cmのサイズ)で覆った後、ふたをして30℃に放置した。
4)24時間後に4.5 mLのSCDLP培地「ダイゴ」(日本製薬(株))中に回収し(操作1)、10倍ずつ5段階希釈を行い、菌懸濁液1 mL中の生菌数を測定した。
5)生菌数の測定は、衛生試験法・注解(2005) 1.2.1.1細菌一般試験法 3)菌数測定 (1)混釈平板培養法(p.59)を参考にして行った。ただし、微生物の培養にはSCDLP寒天培地「ダイゴ」(日本製薬(株))を用い、37℃で48時間培養した。
(結果)
結果を下表に示した。
[実験3:乳化剤の使用]
薬剤をポリエチレンテレフタレート(PET)やポリスチレン(PS)に塗布する場合、水溶液をそのまま用いると、撥水効果があらわれ、均一に塗膜することが困難であった。そこで、PS80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート:ナカライテスク株式会社)を用いることを検討した。
0.2%硫酸プロタミンと0.7% PS80の混合物7μLは、4cm×4cmのPET板に良好に塗布できた。
[実験4:プラスチック面に塗布するための硫酸プロタミン濃度の検討(1)]
下表に示す条件でプラスチックシャーレ底面を抗菌処理し、抗菌力を測定した。0.2%の硫酸プロタミンを16cm2の面積に20μL塗布することにより、十分な抗菌性を付与できた。しかし、実験した条件では、0.04%硫酸プロタミンでは十分な抗菌性を付与できなかった。また、3時間の抗菌処理時間で、抗菌性を発揮した。なお、実験に用いる材料および方法は、実験1および2に準じた。以下の実験では同様に、特に記載した場合を除き、実験1および2に準じて実施した。
[実験5:プラスチック面に塗布するための硫酸プロタミン濃度の検討(2)]
使用できる硫酸プロタミン濃度を、実験4よりさらに詳細に調べた。また、抗菌処理時間を18時間に設定し、長時間の抗菌処理における抗菌性を調べた。その結果、本条件では、0.1%の硫酸プロタミンを16cm2の面積に20μL塗布することにより抗菌性を付与できたが、0.05%の硫酸プロタミンでは十分な抗菌性を付与できなかった。
[実験6:プラスチック面への塗布量の検討]
0.2%硫酸プロタミンを用いて、抗菌力を付与することのできる最低の塗布量について調べた。また、抗菌性を発揮しなければならない現場では、夾雑物が多量に存在することが想定される。そこで、培地添加量を1/10に増量し、実験を行った。0.2%硫酸プロタミン溶液であれば7μL塗布することによって抗菌性が付与された。
[実験7:熱処理の影響、および長時間抗菌処理の影響]
0.2%硫酸プロタミンを7μL塗布した後、80℃で2分間熱処理を行い、残存する抗菌性を調べた。同時に、長期の抗菌処理時間(72 h)での抗菌性について調べた。その結果、80℃の熱処理では、抗菌性は概ね残存した。しかし、処理時間が長くなると、抗菌性を維持することが困難な場合があった。また、本条件では、菌懸濁液の液量を200μLとしており、実験5の場合と比較し、処理液中の硫酸プロタミンの濃度が下がることも考慮する必要があった。
[実験8:PS80を用いたプラスチック面への塗布と塗布量の検討]
実験6と同様の方法で、エマルジョンの代わりに0.7%のPS80を用いて抗菌性の評価を行った。その結果、同様の抗菌力が発揮された。
[実験9:食品容器成型用シートの作製、およびその評価]
(製造方法)
下記の手順で、食品容器成型用の、硫酸プロタミンを含む被覆層を有するPETシートを製造し、評価した。
1. (1)水溶液「0.8% 硫酸プロタミン、および2.8% PS80を含む」2 Lと水6 Lを混合し(終濃度:硫酸プロタミン 0.2% 、PS80 0.7%)、装置(既存の、防曇剤を塗布するための装置)に投入。
2. 50 m程度シートを製造。
3. 製造後、一旦水溶液を別容器に移し、6 Lに調整。
4. 本水溶液に(2)水溶液「1.4% 硫酸プロタミン、および0.7% PS80を含む」を2 L加え、8 Lに増量(終濃度:硫酸プロタミン0.5%、PS80 0.7%) 。
5. 本水溶液を装置に戻し、200 m程度シートを製造。
6. 0.2%および0.5%の硫酸プロタミン濃度水溶液で作製したシート片の抗菌力を測定。0.5%の水溶液を用いた場合は、200 mの製造過程での初期と終了時の二か所で、シート片を得ることとした。
(評価結果)
結果を下表に示した。
製造されたシートは抗菌力を示した。
これまでの実験では、食品と抗菌プラスチックの接触面に着目し、接触部位での抗菌性を測定することを目的としたため、評価の際の菌懸濁液の液量を50μL〜200μLとし、JIS Z 2801における抗菌性評価法よりも薄膜となった液体中での抗菌性を測定した。JIS Z 2801では400μLであるため、この液量での抗菌力の評価を行った。その結果を下表に示した。
0.5% 硫酸プロタミンで製造されたシートは、高い抗菌力を示した。
[実験10:食品容器の製造、およびその評価]
実験9で0.5% 硫酸プロタミンと0.7% PS80で作製した抗菌PETシートを、熱成型して食品容器(菓子設置用トレイ)を製造した。成型品は、菓子設置用トレイと、トレイ間で切り取られた部分である端材に分け、それぞれの抗菌性を評価した。
菓子設置用トレイは底面に凹凸を施した器状であり、その内側を抗菌処理した。底面の凹凸を考慮せずに面積を測定し、その面積に合わせて菌懸濁液量を2種類設定した。このとき単位面積当たりの菌懸濁液量を、実験9と同様に設定した。また、トレイは底面に凹凸があるため、トレイの評価に際しては、抗菌処理していないトレイ底面の裏面を、抗菌試験の密着フィルムの代わりに用いた。熱成型後も、十分な抗菌力があった。
また、凸凹の無い端材についても抗菌力を測定した。端材は平滑な面が小さいため、試験面を小さくし、トレイと同様に同じ単位面積当たりの菌懸濁液量を設定し同様の抗菌力測定を行った。端材では、トレイより高い抗菌力が得られた。
[実験11:他の材料、および他の界面活性剤を用いた試験]
ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリスチレン(PS)と同様に、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)に対しても同様の手法が適用できること、およびポリソルベート80以外に種々の界面活性剤を用いうることを確認した。
(材料および方法)
1.検体
・熱成型用ポリプロピレン(PP)シート(厚み:0.45mm)
・熱成型用ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(厚み:0.45mm)
・熱成型用ポリスチレン(PS)シート(厚み:0.47mm)
・ポリエチレン(PE)フィルム(厚み:0.03mm)
・無軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(厚み:0.45mm)
2.試験準備
(1)上記の材料を約10cm角に裁断し、試験に必要な量を作製する。
(2)界面活性剤(または界面活性剤を含む試薬)を、それぞれ0.1%・0.3%・0.7%・1%・2%(重量/重量)濃度となるように純水で希釈した水溶液を作製する。
3.試験方法
検体に、希釈した界面活性剤をサンプラテック社製の2mlスポイトを用いて数滴垂らし、アズワン社製のアズノールディスポコーンラージ棒で数回上下左右に塗沫したときの状況を目視で観察し、ぬれ性の有無を判断した。
4.判断基準
○:塗沫可能(ぬれ性有り):だま、隙間が無く、水溶液が塗布できた
×:塗沫不可(ぬれ性無し):だま、隙間があり、検体が水溶液を弾いている状態
(結果)
結果を下表に示した。なお表中、界面活性剤を含む試薬を用いた場合は、「実際濃度」として、界面活性剤の実際の量での希釈濃度(重量/重量)を記載した。食品添加物として指定されている乳化剤は「(食添)」と記載した。
実験した範囲では、非イオン性、アニオン性、両性、カチオン性のすべての界面活性剤が、すべての材料の濡れ性を改善した。

Claims (8)

  1. 食品包装材として許容される材料を基材とする、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムであって、少なくとも一部の表面が、抗菌上有効量のプロタミンまたはその塩、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む層で被覆されている、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムであって、
    抗菌上有効量が、0.40mg/m2以上であり、
    ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの量が、0.97mg/m2以上であり、
    食品包装材として許容される材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンである、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルム。
  2. 使い捨て用である、請求項1の食品容器または食品包装フィルム。
  3. ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンを基材とする、原反シートまたはフィルムの少なくとも一方の表面に、プロタミンまたはその塩、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む水溶液を塗布する工程;および
    水溶液が塗布された原反シートまたはフィルムを、乾燥する工程
    を含む、請求項1の食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムの製造方法。
  4. 塗布される水溶液が、プロタミンまたはその塩を0.10%以上含む、請求項の製造方法。
  5. 塗布される水溶液が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを0.10%以上含む、請求項3または4の製造方法。
  6. 食品包装材として許容される材料を基材とする食品容器または食品包装フィルムの少なくとも一部の表面を、抗菌上有効量のプロタミンまたはその塩、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む層で被覆することを特徴とする、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムに抗菌性を付与する方法であって、
    食品包装材として許容される材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンである、方法。
  7. 請求項1または2の食品容器または食品包装フィルムを用いた、食品包装体
  8. プロタミンまたはその塩、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリスチレンを基材とする、食品容器成型用シート、食品容器または食品包装フィルムの、少なくとも一部の表面の被覆のための使用。
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