JP6522329B2 - 測定治具及び測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体共振器を用いて誘電特性を測定する測定試料の測定治具及び測定装置に関する。
現在、測定試料の誘電率及び誘電正接等の誘電特性を測定する技術として、対向面間に所定の間隙を有する一対の誘電体共振器を用いる技術が知られている。このような測定方法は、一対の誘電体共振器の間の間隙に測定試料を配置し、これら誘電体共振器によって誘電特性を測定する。このような誘電体共振器として、SPDR(Split-post Dielectric Resonator)共振器やSiPDR(Single Post Dielectric Resonators)共振器を用いる技術が知られている。
また、一対の共振器の中心位置を正確に合わせるために、共振器の側面にV字形の溝を備える測定治具を用いる技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−57462号公報
上述したような誘電体共振器を用いた測定においては、次のような問題があった。即ち、一対の誘電体共振器の間に測定試料を配置する場合において、剛体の測定試料を配置する場合においては、一対の誘電体共振器の間の間隙に配置する位置、即ち、測定試料の測定位置の再現性が比較的高い。
これに対し、測定試料がフィルム状やシート状等の可撓性を有する試料の場合においては、測定試料自身にたわみ等が発生し、また、一対の誘電体共振器の間における測定位置にばらつきが発生し、結果、測定結果にばらつきが生じる、という問題があった。このため、測定試料の測定位置、ひいては測定結果の再現性が高く、測定結果のばらつきが小さい誘電体共振器を用いた測定が求められている。また、剛体の測定試料の測定位置の再現性を向上させる技術の要求もある。
そこで、本発明は、フィルム状又はシート状の測定試料を用いた場合であっても、再現性が高い測定試料の測定が可能な、測定試料の測定治具及び測定装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の測定治具及び測定装置は、次のように構成されている。
本発明の一態様として、測定治具は、ベースと、前記ベースに設けられ、一方向に延設されたレールと、前記レールと係合するレール溝を有し、前記レールに沿って移動可能に形成された、前記ベース上に設けられた第1基部と、前記第1基部上に設けられ、SPDR共振器又はSiPDR共振器を保持する第1支持部と、前記第1支持部を垂直方向に移動可能に形成され、前記第1基部に対する前記第1支持部の高さ位置及び前記第1支持部の上面の水平度を調整可能な第1移動手段と、前記レールと係合するレール溝を有し、前記レールに沿って移動可能に形成された、前記ベース上に、前記レールの延設方向で前記第1基部を挟んで設けられた一対の第2基部と、前記一対の第2基部上にそれぞれ設けられた第2支持部と、前記第2支持部を垂直方向に移動可能に形成され、前記第2基部に対する前記第2支持部の高さ位置及び前記第2支持部の上面の水平度を調整可能な第2移動手段と、測定試料を上面に載置する、前記第2支持部に支持された支持体、前記支持体とともに前記測定試料を挟持するクランプ、及び、前記支持体を前記第2支持部に対して垂直方向に昇降可能、且つ、前記支持体の高さ位置を固定可能な第3移動手段を具備し、前記支持体及びクランプにより前記測定試料の両端側の2箇所保持する、前記一対の第2支持部上に設けられる一対の保持ユニットと、を備える。
本発明の一態様として、測定治具は、ベースと、前記ベースに取り付けられる複数のスペーサ、及び、前記スペーサを介してSPDR共振器又はSiPDR共振器を保持する締結部材を含む第1基部と、前記ベースに固定される第2基部と、水平方向に延設され、二股に分かれた一方の端部及び他方の端部が前記第1基部に保持された前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器を中心に対象位置に配置される支持体、前記他方の端部に設けられ、前記支持体の上面と上面が面一に形成された、前記他方の端部の側面に対して移動可能な支持板、前記支持体の一方の端部及び前記支持板のそれぞれに設けられ、測定対象を前記一方の端部とともに挟持するクランプ、前記支持板を前記一方の端部から離間させる方向に外力を印加するとともに、前記支持板の位置を保持する外力印加手段を具備する保持ユニットと、前記第2基部に設けられるとともに、側面に前記支持体が固定され、前記支持体を前記第2基部に対して垂直方向に昇降可能、且つ、前記支持体の高さ位置を固定可能な移動手段を具備する第2支持部と、を備える。
本発明の一態様として、測定治具は、ベースと、前記ベースに取り付けられる複数のスペーサ、及び、前記スペーサを介してSPDR共振器又はSiPDR共振器を保持する締結部材を含む第1基部と、水平方向に延設され、一方の端部及び他方の端部が前記第1基部に保持された前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器を中心に対象位置に配置され、垂直方向に突出するU字状に構成される支持体、前記支持体の他方の端部に設けられ、前記支持体の上面と上面が面一に形成された、前記他方の端部の側面に対して移動可能な支持板、前記支持体の一方の端部及び前記支持板のそれぞれに設けられ、測定対象を前記一方の端部とともに挟持するクランプ、前記支持板を前記一方の端部から離間させる方向に外力を印加するとともに、前記支持板の位置を保持する外力印加手段を具備する保持ユニットと、前記ベースに設けられるとともに、前記保持ユニットを前記ベースに対して垂直方向に昇降可能、且つ、前記保持ユニットの高さ位置を固定可能な移動手段と、を備える。
本発明の一態様として、測定装置は、上述に記載された測定治具と、前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器と、を備える。
本発明によれば、フィルム状又はシート状の測定試料を用いた場合であっても、再現性が高い測定試料の測定が可能な、測定試料の測定治具及び測定装置を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る測定装置の構成を示す側面図。 同測定装置の構成を示す上面図。 同測定装置の要部構成を模式的に示す説明図。 同測定装置に用いられる第1保持部材の構成を示す側面図。 同測定装置に用いられる第1保持部材の構成を示す側面図。 同測定装置に用いられる第1保持部材の構成を示す上面図。 同測定装置に用いられる第2保持部材の構成を示す側面図。 同測定装置に用いられる第2保持部材の構成を示す上面図。 同測定装置及び比較例を用いて測定した測定試料の誘電率の結果を示す説明図。 同測定装置及び比較例を用いて測定した測定試料の誘電率の結果を示す説明図。 同測定装置及び比較例を用いて測定した測定試料の誘電正接の結果を示す説明図。 同測定装置及び比較例を用いて測定した測定試料の誘電正接の結果を示す説明図。 本発明の第2の実施形態に係る測定装置の構成を示す斜視図。 本発明の第3の実施形態に係る測定装置の構成を示す斜視図。 本発明の第4の実施形態に係る測定装置に用いられる測定器の構成を模式的に示す説明図。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る測定装置1の構成を、図1乃至図8を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る測定装置1の構成を示す側面図、図2は測定装置1の構成を示す上面図、図3は測定装置1に用いられる測定器11、検出器13及び処理装置14の構成を模式的に示す説明図、図4は測定装置1に用いられる第1保持部材41の構成を示す側面図、図5は測定装置1に用いられる第1保持部材41の構成を示す側面図、図6は測定装置1に用いられる第1保持部材41の構成を示す上面図、図7は測定装置1に用いられる第2保持部材42の構成を示す側面図、図8は測定装置1に用いられる第2保持部材42の構成を示す上面図である。なお、図面中、矢印X、Y、Zは、互いに直交する3方向を示すとともに、X方向、Y方向は水平方向を、Z方向は垂直方向をそれぞれ示す。
図1乃至図3に示すように、測定装置1は、測定対象である測定試料100の誘電特性を測定する測定器11と、測定試料100及び測定器11を所定の位置に保持する測定治具12と、測定器11に接続された検出器13と、検出器13に接続された処理装置14と、を備えている。
測定試料100は、一般的に電気絶縁体である。具体例として、測定試料100は、樹脂材料、ガラス、セラミックス、又は、これらの各種複合材料等が挙げられる。なお、測定試料100は、金属材料を含んだものであってもよい。
本実施形態においては、測定試料100は、樹脂材料により形成され、可撓性を有する。測定試料100は、フィルム状又はシート状に形成されている。測定試料100は、誘電特性の測定を行う試料である。測定試料100は、例えば、フィルム状のPTFE(polytetrafluoroethylene)シートである。測定試料100は、例えば、一方向が他方向よりも長い長方形状に形成されている。
測定器11は、SPDR(Split-post Dielectric Resonator)共振器である。測定器11は、測定試料100の誘電率及び誘電正接を測定可能に形成されている。図1乃至図3に示すように、具体的には、測定器11は、外郭体21と、外郭体21内に所定の間隙を有して対向して配置される一対の誘電体共振器22と、一対の誘電体共振器22に電気的にそれぞれ接続された信号線23と、を備えている。図3に示すように、測定器11は、一対の誘電体共振器22の間隙に、測定試料100を挿入して配置可能に形成されている。
外郭体21は、測定治具12に固定可能に形成されている。誘電体共振器22は、円板状に形成されている。一対の誘電体共振器22は、その対向する対向面が平行となるように、外郭体21に固定されている。一対の誘電体共振器22の間隙は、測定試料100の厚さよりも大きく形成されている。信号線23は、例えば同軸ケーブルである。信号線23は、一方の端部にループアンテナが設けられる。また、信号線23は、他方の端部が検出器13に接続される。
測定治具12は、ベース31と、測定器11及び測定試料100を固定する保持部材32と、を備えている。測定治具12は、測定器11及び保持部材32の基準位置を計測するためのインジケータ33を備えている。ベース31は、その主面がX方向及びY方向に延設された平坦の板状に形成されている。
ベース31は、その上面に、一方向に移動可能に保持部材32を支持する。ベース31は、保持部材32の移動を案内するレール31aと、レール31aに沿って延設された第1スケール31bと、を備えている。
レール31aは、保持部材32の移動を一方向、図1及び図2においてはX方向に沿って案内可能に、ベース31上にX方向に沿って延設される。第1スケール31bは、例えば、保持部材32の可動範囲に渡ってレール31aの延設方向に沿ってベース31上に設けられる。第1スケール31bは、可動する保持部材32と干渉を避けるために、レール31aと所定の距離だけ離間してベース31上に配置される。
保持部材32は、測定器11を保持する第1保持部材41と、測定試料100を保持する一対の第2保持部材42と、一対の第2保持部材42が離間する方向に第2保持部材42に外力を印加する外力印加手段43と、を備えている。保持部材32は、第1保持部材41及び一対の第2保持部材42が移動可能に、レール31aに沿ってベース31上に配置される。
図4及び図5に示すように第1保持部材41は、ベース31に設けられる第1基部51と、第1基部51の上面に対してZ方向に移動可能に設けられた第1支持部(支持部)52と、を備えている。
図4に示すように、第1基部51は、その下面にベース31のレール31aと係合するレール溝51aが形成されている。第1基部51は、レール溝51aがレール31aと係合することで、レール31aに沿って移動可能に、ベース31に設けられる。第1基部51は、例えば、軽量化のために中空状に形成される。
第1支持部52は、例えば、上面視で方形状に形成される。第1支持部52は、その上面に測定器11の外郭体21を固定し、保持可能に形成されている。第1支持部52は、測定器11の誘電体共振器22の主面の面方向がベース31の上面に沿うように、外郭体21を固定する。例えば、第1支持部52は、その上面に、外郭体21の外部形状の凹凸や脚部等を挿入可能な開口や切欠部等の複数の逃げ部52aを有している。
図4及び図6に示すように、第1支持部52は、ボルト等の固定部材52bによって、第1基部51にZ方向に沿って移動可能に固定される。また、第1支持部52は、第1基部51に対してZ方向に沿って移動可能な第1移動手段53を備えている。
図4乃至図6に示すように、第1移動手段53は、例えば、第1支持部52の四隅にそれぞれ設けられた、第1支持部52の上下の主面間に渡って形成された第1雌ねじ部53aと、第1支持部52の側面から第1雌ねじ部53a内に渡って形成された第2雌ねじ部53bと、を備えている。また、第1移動手段53は、第1雌ねじ部53aと螺合する第1締結部材53cと、第2雌ねじ部53bと螺合する第2締結部材53dと、を備えている。
第1締結部材53cは、第1支持部52の下面から突出可能に形成されている。第1締結部材53cは、例えば、所謂ホーローセットやイモネジと呼ばれる止めねじが用いられる。第2締結部材53dは、例えば、第1締結部材53cと同様に、止めねじが用いられる。第2締結部材53dは、第1締結部材53cを固定可能に形成されている。なお、第1締結部材53c及び第2締結部材53dは、止めねじ以外であっても、所定の量だけ第1支持部52の下面から突出可能な構成であれば、ボルト等の他のねじであってもよく、また、ピン等であってもよい。
このような第1移動手段53は、第1雌ねじ部53a及び第1締結部材53cの螺合する長さによって、第1支持部52の下面から突出する長さを調整する。これにより、第1移動手段53は、第1支持部52を垂直方向に沿って移動させることで、第1基部51に対する第1支持部52の高さ位置及び上面の水平度等を調整可能に形成されている。
図7及び図8に示すように、第2保持部材42は、ベース31に設けられる第2基部61と、第2基部61の上面に対してZ方向に移動可能に設けられた第2支持部62と、第2支持部62の上面に対してZ方向に移動可能に設けられ、測定試料100を保持する保持ユニット63と、を備えている。
図7に破線で示す様に、第2基部61は、その下面にベース31のレール31aと係合するレール溝61aが形成されている。第2基部61は、レール溝61aがレール31aと係合することで、レール31aに沿って移動可能に、ベース31に設けられる。第2基部61は、例えば、軽量化のために中空状に形成される。
第2支持部62は、例えば、上面視で方形状に形成され、その上面に保持ユニット63が固定される。第2支持部62は、ボルト等の固定部材62aによって、第2基部61にZ方向に沿って移動可能に固定される。また、第2支持部62は、第2基部61に対してZ方向に沿って移動可能な第2移動手段64を備えている。
第2移動手段64は、例えば、第2支持部62の四隅にそれぞれ設けられた、第2支持部62の上下の主面間に渡って形成された第3雌ねじ部64aと、第2支持部62の側面から第3雌ねじ部64a内に渡って形成された第4雌ねじ部64bと、を備えている。また、第2移動手段64は、第3雌ねじ部64aと螺合する第3締結部材64cと、第4雌ねじ部64bと螺合する第4締結部材64dと、を備えている。
第3締結部材64cは、第2支持部62の下面から突出可能に形成されている。第3締結部材64cは、例えば、所謂ホーローセットやイモネジと呼ばれる止めねじが用いられる。第4締結部材64dは、例えば、第3締結部材64cと同様に、止めねじが用いられる。第4締結部材64dは、第3締結部材64cを固定可能に形成されている。なお、第1締結部材53c及び第2締結部材53dは、止めねじ以外であっても、所定の量だけ第1支持部52の下面から突出可能な構成であれば、ボルト等の他のねじであってもよく、また、ピン等であってもよい。
このような第2移動手段64は、第3雌ねじ部64a及び第3締結部材64cの螺合する長さによって、第2支持部62の下面から突出する長さを調整し、第2支持部62を垂直方向に沿って移動させることで、第2基部61に対する第2支持部62及び保持ユニット63の高さ位置及びそれら上面の水平度等を調整可能に形成されている。
保持ユニット63は、その上面に測定試料100を載置する支持体71と、支持体71とともに測定試料100を挟持するクランプ72と、支持体71を高さ方向に調整する第3移動手段73と、を備えている。また、保持ユニット63は、支持体71に設けられ、支持体71に沿って配置された第2スケール74と、レール31aに沿って支持体71に設けられ、第2スケール74と直交する方向に沿って配置された第3スケール75と、を備えている。
支持体71は、第3移動手段73を介して第2支持部62に支持される。支持体71は、レール31aと直交する方向、換言するとY方向に沿って配置され、所定の長さを有する矩形板状に形成される。ここで、所定の長さとは、測定する測定試料を配置可能な長さである。
クランプ72は、支持体71と略同一の長さに形成された四角柱状の本体72aと、支持体71に本体72aを固定する締結部材72bと、支持体71及び本体72aの間に介在された付勢部材72cと、本体72aの移動をZ方向に案内する案内部材72dと、を備えている。本体72aは、付勢部材72cによって、支持体71から離間する方向に付勢される。また、本体72aは、締結部材72bにより支持体71に固定されることで、付勢部材72cによる付勢に抗って支持体71の対向面と当接可能に形成されている。
締結部材72bは、例えばボルトである。締結部材72bは、本体72aを介して支持体71の両端側の二箇所に設けられる。付勢部材72cは、例えば、コイルスプリングである。付勢部材72cは、締結部材72bに隣接して2つ設けられる。案内部材72dは、一方向に沿って往復動可能なガイドピンであり、例えば、ピストン及びシリンダにより構成される。案内部材72dは、締結部材72b及び付勢部材72cに隣接して2つ設けられる。
第3移動手段73は、支持体71をZ方向に昇降可能に形成されている。即ち、第3移動手段73は、第2移動手段64とともに、支持体71を垂直方向に移動させることで、支持体71の高さ位置を測定器11に対して調整可能な調整手段である。
第3移動手段73は、マイクロメータ73aを有する操作部73bと、支持体71の位置を固定する固定手段73cと、を有している。第3移動手段73は、当該操作部73bを回転させることにより、支持体71を垂直方向に昇降可能、且つ、固定手段73cにより支持体71の位置を固定可能に形成されている。
マイクロメータ73aは、例えば、10μm単位でスケールが刻まれている。第3移動手段73は、当該マイクロメータ73aを確認して操作部73bを操作することにより、10μm単位で支持体71を上下に移動可能に形成されている。固定手段73cは、操作することで、支持体71の高さ位置を固定可能に形成されている。固定手段73cは、例えば、ボルト等の締結部材によって構成され、その先端が支持体71と当接することで、支持体71の移動を規制する。
第2スケール74は、支持体71の外縁に沿って設けられる。第2スケール74の上面は、支持体71の上面と略面一に配置される。第3スケール75は、支持体71の外縁から外側に突出して設けられる。第3スケール75の上面は、支持体71の上面と略面一に配置される。
外力印加手段43は、一対の第2保持部材42を所定の位置に保持するとともに、一対の第2保持部材42が互いに離間する方向に外力を印加可能に形成されている。外力印加手段43は、例えば、ラチェットベルトである。外力印加手段43は、ベルト43a、ラチェット部43b及びベース31に設けられベルト43aを支持する複数の支持柱43cを備える。このような外力印加手段43は、一対の第2保持部材42にそれぞれ設けられる。また、外力印加手段43の支持柱43cは、一対の第2保持部材42が互いに離間する方向であって、且つ、第2保持部材42と離間して、例えば2箇所に設けられる。
外力印加手段43は、ベルト43aをベース31の支持柱43c及び第2保持部材42の例えば第2基部61を囲うように配置し、ラチェット部43bを操作することで、ベルト43aにより形成される環状の周長を短くすることにより第2保持部材42を所定の力で保持する。
検出器13は、一対の誘電体共振器22に信号線23を介して電気的に接続される。検出器13は、例えば、ネットワークアナライザである。
処理装置14は、検出器13に信号線14aを介して電気的に接続される。処理装置14は、例えば、パーソナルコンピュータ等である。処理装置14は、一対の誘電体共振器22で検出された測定試料100の誘電特性を表示可能な表示部及び当該誘電特性を記録する記録部等を備えている。
次に、このように構成された測定治具12を備える測定装置1を用いた測定試料100の誘電特性の測定方法について、以下説明する。
先ず、測定治具12に測定器11を固定する。具体的には、第1保持部材41の第1支持部52に測定器11の外郭体21を固定する。次に、インジケータ33により、第1保持部材41に固定された測定器11の下方の誘電体共振器22の上面、及び、一対の第2保持部材42の支持体71の上面の、ベース31からの高さをそれぞれ測定する。また、併せて、インジケータ33により、当該誘電体共振器22の上面及び一対の支持体71の上面の複数箇所でベース31からの高さを測定することで、各上面の水平度、換言するとベース31に対する各上面の平行度を測定する。
次に、当該誘電体共振器22の上面、及び、一対の第2保持部材42の支持体71の上面の高さと同一であって、且つ、各上面がベース31に対して平行となるように、第1移動手段53及び第2移動手段64を調整する。これらの測定及び調整を繰り返し行い、当該誘電体共振器22の上面及び一対の第2保持部材42の支持体71の上面を面一とする。
次に、測定する測定試料100の長さ方向に応じて、第1スケール31bを確認しながら、第1保持部材41に対して一対の第2保持部材42の位置が略同一の距離だけ離間するように、一対の第2保持部材42をそれぞれレール31aに沿って移動させる。
次に、図1及び図2に示すように、測定試料100を誘電体共振器22の上面及び一対の支持体71の上面に配置する。このとき、第2スケール74及び第3スケール75により、誘電体共振器22の中心に対して略対称位置となるように、測定試料100を配置する。
次に、クランプ72の締結部材72bを締めることで、本体72aを支持体71に密着するように固定する。これにより、測定試料100は、支持体71及び本体72aの間に挟持され、第2保持部材42に固定される。次に、外力印加手段43により第2保持部材42に所定の外力を印加させることで、測定試料100が平坦となり、且つ、所定の張力が得られるように、一対の第2保持部材42をそれぞれ互いに離間する方向にレール31aに沿って移動させる。これにより、測定試料100は、所定の張力で、その主面がベース31と平行となるように測定治具12に配置される。
次に、誘電体共振器22によって測定試料100の誘電特性を測定し、検出器13によって誘電特性の値を求め、処理装置14にて表示及び記憶等の所定の処理を行う。
測定試料100の測定後、クランプ72の締結部材72bを緩めて、当該測定試料100を支持体71及び本体72aから取り外す。次に、測定する測定試料100を誘電体共振器22の上面及び一対の支持体71の上面に配置する。以下同様の工程を繰り返すことで、複数の測定試料100の誘電特性を測定する。
また、一対の誘電体共振器22の間隙のうち、特定の位置、例えば、下方の誘電体共振器22の上面から所定の距離だけ離間した位置において、複数の測定試料100を測定する場合について説明する。この場合、保持ユニット63に測定試料100を固定後、一対の第3移動手段73の操作部73bを、マイクロメータ73aを確認しながらそれぞれ操作する。この操作により、一対の第2保持部材42の支持体71を同一量だけ垂直方向に移動させる。その後、同様に誘電体共振器22により誘電特性を測定する。なお、測定試料100を保持ユニット63に保持させるまえに、一対の支持体71を同一量移動させてもよい。
(評価試験)
次に、実施例である測定装置1を用いた測定試料100の測定方法と、比較例として、従来の技術である測定器11のみを用いた測定試料100の測定方法との評価試験について、以下説明する。
本評価試験においては、測定試料100として、膜厚106μmのPTFEシートを用いた。なお、当該測定試料100の誘電特性は、文献値として、「プラスチック材料の各動特性の試験法と評価結果」においては、空洞共振器を用いて25℃の環境下で、10GHzで測定した場合に誘電率Dk=2.1、誘電正接Df=0.0002と、「化学便覧」において25℃の環境下で、100〜10GHzで測定した場合にDk=2.1と、「関東電子応用開発」において空洞共振器を用いて1GHzで測定した場合にDk=2.07、Df=0.0002となる材料である。
また、本実施例及び比較例の条件は以下の通りである。
(実施例)
一対の誘電体共振器22のうち、下方の誘電体共振器22の上面と第2保持部材42の支持体71の上面を面一とし、誘電体共振器22の上面に測定試料100が接触した状態で、誘電特性を測定する。また、測定試料100を1回毎に測定治具12に取り付け及び取り外しを行い、同一の測定試料100について6回誘電特性を測定した。なお、このときの室内空間の温度は、23℃、湿度50%であった。
(比較例)
測定器11を作業台の上にそのまま載置し、下方の誘電体共振器22の上面に、測定試料100を載置した状態で、誘電特性を測定する。また、測定試料100を1回毎に誘電体共振器22の上面に載置し及び取り外しを行い、同一の測定試料100について6回誘電特性を測定した。なお、このときの室内空間の温度は、23℃、湿度50%であった。
(試験結果)
図9及び図10に実施例及び比較例において測定した誘電率Dkを、図11及び図12に実施例及び比較例において測定した誘電正接Dfをそれぞれ示す。なお、図面中、治具使用とあるのが測定治具12を使用した実施例で測定した測定値あり、治具未使用とあるのが測定器11のみを使用した比較例で測定した測定値である。
図9乃至図10に示すように、実施例として、測定治具12を用いた測定結果は、測定試料100の誘電率Dkの最大値が2.05297、最小値が2.04522、6回測定した平均値が2.04910であった。また、図11及び図12に示すように、測定試料100の誘電正接Dfの最大値が0.00026、最小値が0.00020、6回測定した平均値が0.00023であった。
図9乃至図10に示すように、比較例として、測定治具12を用いずに測定器11のみで測定した測定値は、測定試料100の誘電率Dkの最大値が2.05943、最小値が1.95894、6回測定した平均値が2.00919であった。また、図11及び図12に示すように、測定試料100の誘電正接Dfの最大値が0.00028、最小値が0.00012、6回測定した平均値が0.00020であった。
このように、実施例として測定治具12を用いた測定装置1により測定試料100の誘電特性を測定した場合においては、比較例である測定器11のみを用いて測定試料100の誘電特性を測定するよりも、測定した測定試料の誘電特性の値のばらつきが少なかった。
これらの結果からも明らかなように、測定治具12を備える測定装置1を用いることにより、測定試料100の測定位置を略同一とし、且つ、測定時の測定試料100の形状等の測定状態を略同一とすることが可能となる。結果、測定装置1を用いることで、高い再現性を有して測定試料100を測定することが可能となる。
このように構成された測定治具12を用いた測定装置1によれば、測定試料100を第2保持部材42で保持し、その後、外力印加手段43によって、測定試料100が所定の張力で保持できるように第2保持部材42を保持することで、測定時の測定試料100の状態を略同一状態とすることが可能となる。これにより、測定装置1は、フィルム状又はシート状の測定試料100の主面が平坦状態にある測定試料100の誘電特性を測定することが可能となる。
また、第2保持部材42は、測定試料100が配置される支持体71の主面の高さ位置を、第2移動手段64及び第3移動手段73によって調整することが可能となる。また、同様に、一対の誘電体共振器22の下方の主面の高さ位置を、第1移動手段53によって調整することが可能となる。また、測定試料100を第2保持部材42に配置する位置は、第2スケール74及び第3スケール75により案内されることで、当該配置する測定試料100の位置を調整することが可能となる。
換言すると、測定治具12は、測定試料100を測定するための基準位置を調整することが可能となる。このため、測定試料100の測定位置を略同一位置で測定可能となる。これらのことにより、複数の測定試料100を測定する場合、又は、同一の測定試料100を繰り返し測定する場合においては、測定試料100の平坦度や張力、及び、測定試料100を測定する高さ位置等の測定条件を略同一の条件とすることが可能となる。
換言すると、測定治具12を用いた測定装置1によれば、測定試料100の測定条件を再現することが可能となる。このため、高い再現性を有して測定試料100を測定することが可能となり、測定試料100の測定値にばらつきが発生することを極力防止し、高い精度で誘電特性を測定することが可能となる。結果、測定試料100の測定結果の信頼性を向上することが可能となる。
また、測定治具12は、第3移動手段73を操作することにより、測定試料100を固定する支持体71の高さ位置を微小な距離、本実施形態においては10μm単位で調整可能である。このため、測定試料100の測定位置は、支持体71の上面と一対の誘電体共振器22の下方の誘電体共振器22の上面とが面一となる状態だけでなく、一対の誘電体共振器22の間隙の任意の位置で、測定試料100の誘電特性を測定することが可能となる。また、一対の支持体71の高さを異ならせることで、測定試料100を水平方向に対して傾斜させた状態で誘電特性を測定可能となり、また、当該測定条件を再現することが可能となる。
上述したように本実施形態に係る測定治具12を用いた測定装置1によれば、フィルム状又はシート状の測定試料100を用いた場合であっても、測定条件及び測定結果の再現性を高くすることが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る測定治具12Aを用いた測定装置1Aについて、図13を用いて説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る測定装置1Aの構成を示す斜視図である。なお、第2の実施形態に係る測定装置1A中、上述した第1の実施形態に係る測定装置1と同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
測定装置1Aは、測定試料100の誘電特性を測定する測定器11と、測定治具12Aと、検出器13と、処理装置14と、を備えている。
測定治具12Aは、方形板状のベース31Aと、測定器11及び測定試料100を保持する保持部材32Aと、インジケータ33と、を備えている。ベース31Aは、保持部材32Aを固定可能に形成されている。
保持部材32Aは、測定器を保持する第1保持部材41Aと、測定試料100を保持する第2保持部材42Aと、を備えている。
第1保持部材41Aは、ベース31Aに設けられる第1基部51Aを備えている。
第1基部51Aは、ベース31Aに取りつけられる複数のスペーサ81と、スペーサ81を介して測定器11をベース31Aに固定する複数の締結部材82と、を備えている。例えば、第1基部51Aは、4つのスペーサ81及び締結部材82により構成される。
スペーサ81は、例えば、円筒状に形成され、その内部に締結部材82を挿入可能に形成されている。このようなスペーサ81は、測定器11を支持する第1支持部52である。また、スペーサ81は、長さを異なるスペーサ81を適宜用いることで、測定器11の高さ位置や平行度を調整可能な第1移動手段53である。締結部材82は、測定器11の外郭部材21及びスペーサ81を挿通してベース31Aに形成された雌ねじ部と螺合することで、測定器11を固定可能に形成されている。
このような第1保持部材41Aは、スペーサ81の高さを変更することで、測定器11の高さ及び測定器11の下方の誘電体共振器22の上面の平行度を調整可能に形成されている。
第2保持部材42Aは、ベース31Aに固定される第2基部61Aと、第2基部61Aに設けられた第2支持部62Aと、第2支持部62Aに設けられ、測定試料100を保持する、Z方向に移動可能な保持ユニット63Aと、を備えている。
第2支持部62Aは、その側面に保持ユニット63Aが固定される。第2支持部62Aは、保持ユニット63AとともにZ方向に沿って移動可能な、第2移動手段(第3移動手段)73を備えている。この第2移動手段73は、第1実施形態における第3移動手段73と同様の構成である。
保持ユニット63Aは、その上面に測定試料100を載置する上面視でU字状の支持体71Aと、支持体71Aとともに測定試料100を挟持するクランプ72と、を備えている。
支持体71Aは、第2支持部62Aに固定され、水平方向に延設される。支持体71Aは、その端部が二股に分かれるとともに、その両端が測定器11を中心に略対称位置に配置される。
支持体71Aは、一方の端部にクランプ72が設けられる。また、支持体71Aは、他方の端部に、支持体71Aの上面と面一に形成された、他方の端部の側面に対して移動可能な支持板85と、支持板85を一方の端部から離間させる方向に外力を印加する外力印加手段43Aと、を備えている。支持板85には、クランプ72が設けられる。
外力印加手段43Aは、一対の第2保持部材42Aを所定の位置に保持するとともに、一対の第2保持部材42Aが互いに離間する方向に押圧可能に形成されている。外力印加手段43Aは、例えば、スプリング及びボルト等の締結部材によって、支持板85を支持体71Aから離間する方向に付勢又は引っ張ることで、支持板85及び支持体71Aに保持された測定試料100に所定の張力を印加する。
このように構成された測定治具12Aを備える測定装置1Aによれば、上述した第1の実施形態の測定治具12と同様に、支持体71A及び支持板85にクランプ72により測定試料100を固定することで、測定試料100を所定の張力であって、その主面がベース31Aと略平行となるように測定治具12Aに配置することが可能となる。これにより、測定装置1Aは、フィルム状又はシート状の測定試料100の主面が平坦状態の測定試料100の誘電特性を測定することが可能となる。
第2保持部材42Aは、測定試料100が配置される支持体71A及び支持板85の高さ位置を、第2移動手段73によって調整することが可能となる。また、支持体71Aの高さ位置を調整するために、第2移動手段73のみを設ける構成でよく、測定治具12Aの構成を簡素化できる。さらに、一対の誘電体共振器22の高さ位置を、第1移動手段53Aによって調整することが可能である。これらのことにより、測定試料100の平坦度や張力等、並びに、支持体71A、支持板85及び誘電体共振器22の上面の高さ位置等の測定条件を略同一の条件で測定試料100を測定することが可能となる。結果、測定治具12Aを用いた測定装置1Aによれば、再現性の高い測定試料100の測定を行うことが可能となる。
なお、第2保持部材42Aは、第2支持部62Aに保持ユニット63Aを固定する構成とすることで、誘電特性の測定時の基準調整が容易となる。即ち、当該基準調整を行う場合には、インジケータ33により、測定器11の一方の誘電体共振器22、支持体71A及び支持板85の高さ位置、並びに、ベース31Aに対する当該誘電体共振器22の上面の平行度を測定し、第1移動手段53A及び第2移動手段73により、各上面が面一となるように調整すればよい。
上述したように本実施形態に係る測定治具12Aを用いた測定装置1Aによれば、フィルム状又はシート状の測定試料100を用いた場合であっても、測定条件及び測定結果の再現性を高くすることが可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、図14に示す第3の実施形態に係る測定装置1Bのように、第2の実施形態に係る測定装置1Aの第2保持部材42Aに変えて、第1保持部材41Aの下方に第2保持部材42Aを設け、第2移動手段73により、Z方向に保持ユニット63Aを上下方向に移動させる構成であってもよい。この場合の保持ユニット63Aの支持体71Aは、垂直方向に突出するU字状に構成すればよい。また、図14に示すように、第2保持部材42Aは、第2基部61A及び第2支持部62Aを有さず、第2移動手段73がベース31Aに直接配置する構成であってもよい。
また、図14に示す様に、第1基部51A及び測定器11の間に、測定器11を支持する第1支持部52Aを設ける構成であってもよい。さらに、図13に示す締結部材82を用いず、スペーサ81の上面に、測定器11の外郭体21の外形状の一部と係合する凹凸部を設け、スペーサ81及び外郭体21を係合させることで、測定器11を支持する構成であってもよい。
また、上述した例では、第1保持部材41に測定器11を固定する構成を説明したが、例えば、周波数の異なる複数種類の測定器11を用いる場合には、第1保持部材41の第1支持部52を、各測定器11を取付可能に、複数設けて使用する測定器11に応じて第1支持部52を適宜選択し、交換する構成であってもよい。
また、上述した例では、外力印加手段43にラチェットベルトを用いる構成を、外力印加手段43Aにスプリング及び締結部材を用いる構成を説明したがこれに限定されず、第2保持部材42、42Aに設けた測定試料100に所定の張力を印加可能であれば、他の構成であってもよい。
また、上述した例では、測定治具12に、第1スケール31b、第2スケール74及び第3スケール75を設ける構成を説明したがこれに限定されず、測定試料100の測定位置に対して再現性が必要ない場合においては、これら各スケール31b、74、75を設けない構成であってもよい。また、同一形状の測定試料100のみを測定する場合においては、第1スケール31b、第2スケール74及び第3スケール75に変えて、測定試料100の設置位置及び第2保持部材42、42Aの配置位置を案内する印を設ける構成であってもよい。即ち、各スケール31b、74、75は、測定試料100の位置を調整するための案内手段であり、当該案内手段は測定試料100の位置を案内可能であり、測定時の測定条件を再現可能であれば、適宜設定可能である。
また、上述した例では、測定試料100は、可撓性を有するフィルム状又はシート状に形成されている構成を説明したが、剛体の測定試料100に用いることが可能であることは勿論である。
また、上述した例では、測定試料100の位置を調整する調整手段として、第3移動手段73を用いる構成を説明したがこれに限定されない。例えば、測定器11に対して測定試料100の位置を調整可能であれば、第2移動手段64により、測定試料100の位置を調整する構成であってもよく、他の構成により調整してもよい。
さらに、上述した例では、測定器11にSPDR共振器を用いる構成を説明したがこれに限定されない。測定器11の他の例として、図15に第4の実施形態に係る測定装置1の測定器11Aとして、SiPDR(Single Post Dielectric Resonators)共振器を用いる例を示す。
図15に示すように、測定器11Aは、外郭体21と、外郭体21に配置される1つの誘電体共振器22と、誘電体共振器22と所定の間隙を有して対向する架台21Aと、誘電体共振器22に電気的に接続された信号線23と、を備えている。図3に示すように、測定器11Aは、誘電体共振器22及び架台21Aの間隙に、測定試料100を挿入して配置可能に形成されている。
架台21Aは、外郭体21の一部を構成し、誘電体共振器22と所定の間隙を形成する。架台21Aは、誘電体共振器22と、互いに対向する対向面が平行となるように構成される。架台21A及び誘電体共振器22の間隙は、測定試料100の厚さよりも大きく形成されている。
このような測定器11Aは、上述した測定装置1、1Aに用いられる測定器11と同様に用いられる。また、測定器11、11Aは同様の構成、即ち、測定試料100が測定器により形成される所定の間隙の間に配置された状態で各特性を測定する測定器であれば、測定治具12、12Aを用いることで、高い再現性を有する測定が可能となる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1] SPDR共振器又はSiPDR共振器を保持する支持部と、
測定試料の少なくとも2箇所を保持する保持ユニットと、
前記保持ユニットに保持された前記測定試料の位置を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする測定治具。
[2] 前記調整手段は、前記保持ユニットに保持された前記測定試料を、前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器に対して移動可能に形成されていることを特徴とする[1]に記載の測定治具。
[3] 前記支持部を移動可能な移動手段を備えることを特徴とする[2]に記載の測定治具。
[4] 前記保持ユニットは、前記測定試料を支持する支持体と、前記支持体とともに前記測定試料を挟持する挟持部材クランプと、を備えることを特徴とする[1]に記載の測定治具。
[5] 前記測定試料は、可撓性を有し、
前記測定試料に張力を印加する外力印可手段を備えることを特徴とする[1]に記載の測定治具。
[6] 前記支持部及び前記保持ユニットが設けられるベースと、
前記ベースに設けられ、一方向に延設されたレールと、
前記支持部及び前記移動手段を支持するとともに、前記レールと係合するレール溝を有し、前記レールに沿って移動可能に形成された第1基部と、
前記保持ユニットを支持するとともに、前記レールと係合するレール溝を有し、前記レールに沿って移動可能に形成された第2基部と、を備えることを特徴とする[3]に記載の測定治具。
[7] 前記第2基部及び前記保持ユニットは、前記ベースに前記支持部を挟んで一対設けられ、
前記保持ユニットは、前記測定試料の両端側を2箇所で保持することを特徴とする[6]に記載の測定治具。
[8] 前記測定試料の配置を案内する案内手段を備えることを特徴とする[1]に記載の測定治具。
[9] [1]乃至[8]のいずれかに記載された測定治具と、
前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器と、
を備えることを特徴とする測定装置。
1、1A、1B…測定装置、11…測定器、12、12A…測定治具、13…検出器、14…処理装置、14a…信号線、21…外郭体、22…誘電体共振器、23…信号線、31、31A…ベース、31a…レール、31b…第1スケール、32、32A…保持部材、33…インジケータ、41、41A…第1保持部材、42、42A…第2保持部材、43、43A…外力印加手段、43a…ベルト、43b…ラチェット部、43c…支持柱、51、51A…第1基部、51a…レール溝、52、52A…第1支持部(支持部)、52a…逃げ部、52b…固定部材、53…第1移動手段、53a…第1雌ねじ部、53A…第1移動手段、53b…第2雌ねじ部、53c…第1締結部材、53d…第2締結部材、61、61A…第2基部、61a…レール溝、62、62A…第2支持部、62a…固定部材、63、63A…保持ユニット、64…第2移動手段、64a…第3雌ねじ部、64b…第4雌ねじ部、64c…第3締結部材、64d…第4締結部材、71…支持体、71A…支持体、72…クランプ、72a…本体、72b…締結部材、72c…付勢部材、72d…案内部材、73…第3移動手段(調整手段、第2移動手段)、73a…マイクロメータ、73b…操作部、73c…固定手段、74…第2スケール、75…第3スケール、81…スペーサ、82…締結部材、85…支持板、100…測定試料、Dk…誘電率、Df…誘電正接。

Claims (7)

  1. ベースと、
    前記ベースに設けられ、一方向に延設されたレールと、
    前記レールと係合するレール溝を有し、前記レールに沿って移動可能に形成された、前記ベース上に設けられた第1基部と、
    前記第1基部上に設けられ、SPDR共振器又はSiPDR共振器を保持する第1支持部と、
    前記第1支持部を垂直方向に移動可能に形成され、前記第1基部に対する前記第1支持部の高さ位置及び前記第1支持部の上面の水平度を調整可能な第1移動手段と、
    前記レールと係合するレール溝を有し、前記レールに沿って移動可能に形成された、前記ベース上に、前記レールの延設方向で前記第1基部を挟んで設けられた一対の第2基部と、
    前記一対の第2基部上にそれぞれ設けられた第2支持部と、
    前記第2支持部を垂直方向に移動可能に形成され、前記第2基部に対する前記第2支持部の高さ位置及び前記第2支持部の上面の水平度を調整可能な第2移動手段と、
    測定試料を上面に載置する、前記第2支持部に支持された支持体、前記支持体とともに前記測定試料を挟持するクランプ、及び、前記支持体を前記第2支持部に対して垂直方向に昇降可能、且つ、前記支持体の高さ位置を固定可能な第3移動手段を具備し、前記支持体及びクランプにより前記測定試料の両端側の2箇所保持する、前記一対の第2支持部上に設けられる一対の保持ユニットと、
    を備えることを特徴とする測定治具。
  2. 前記保持ユニットは、前記支持体の移動距離を確認できるマイクロメータと、前記支持体に設けられ、前記支持体の上面に沿った方向で直交する方向に配置された二つのスケールを有する、請求項1に記載の測定治具。
  3. 前記測定試料は、可撓性を有し、
    前記ベースは、前記一対の第2基部が互いに離間する方向であって、且つ、前記第2基部と離間する2箇所にそれぞれ複数の支持柱を具備し、
    前記複数の支持柱、及び、前記第2基部を囲んで配置されるベルト、及び、前記ベルトにより形成される環状の周長の長さを短くするラチェット部を具備し、前記一対の第2保持部材が互いに離間する方向に外力を印加することで、前記測定試料に張力を印加する一対の外力印可手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の測定治具。
  4. 前記第1移動手段は、前記第1支持部の四隅にそれぞれ設けられ、前記第1支持部の上下の主面間に渡って形成された第1雌ねじ部、前記第1支持部の側面から前記第1雌ねじ部内に渡ってそれぞれ形成された第2雌ねじ部、前記第1支持部の下面から突出可能な前記第1雌ねじ部に螺合する第1締結部材、及び、前記第2雌ねじ部に螺合し、前記第1締結部材を固定する第2締結部材を具備し、
    前記第2移動手段は、前記第2支持部の四隅にそれぞれ設けられ、前記第2支持部の上下の主面間に渡って形成された第3雌ねじ部、前記第2支持部の側面から前記第3雌ねじ部内に渡ってそれぞれ形成された第4雌ねじ部、前記第2支持部の下面から突出可能な前記第3雌ねじ部に螺合する第3締結部材、及び、前記第4雌ねじ部に螺合し、前記第3締結部材を固定する第4締結部材を具備する、請求項1に記載の測定治具。
  5. ベースと、
    前記ベースに取り付けられる複数のスペーサ、及び、前記スペーサを介してSPDR共振器又はSiPDR共振器を保持する締結部材を含む第1基部と、
    前記ベースに固定される第2基部と、
    水平方向に延設され、二股に分かれた一方の端部及び他方の端部が前記第1基部に保持された前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器を中心に対象位置に配置される支持体、前記他方の端部に設けられ、前記支持体の上面と上面が面一に形成された、前記他方の端部の側面に対して移動可能な支持板、前記支持体の一方の端部及び前記支持板のそれぞれに設けられ、測定対象を前記一方の端部とともに挟持するクランプ、前記支持板を前記一方の端部から離間させる方向に外力を印加するとともに、前記支持板の位置を保持する外力印加手段を具備する保持ユニットと、
    前記第2基部に設けられるとともに、側面に前記支持体が固定され、前記支持体を前記第2基部に対して垂直方向に昇降可能、且つ、前記支持体の高さ位置を固定可能な移動手段を具備する第2支持部と、
    を備える測定治具。
  6. ベースと、
    前記ベースに取り付けられる複数のスペーサ、及び、前記スペーサを介してSPDR共振器又はSiPDR共振器を保持する締結部材を含む第1基部と、
    水平方向に延設され、一方の端部及び他方の端部が前記第1基部に保持された前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器を中心に対象位置に配置され、垂直方向に突出するU字状に構成される支持体、前記支持体の他方の端部に設けられ、前記支持体の上面と上面が面一に形成された、前記他方の端部の側面に対して移動可能な支持板、前記支持体の一方の端部及び前記支持板のそれぞれに設けられ、測定対象を前記一方の端部とともに挟持するクランプ、前記支持板を前記一方の端部から離間させる方向に外力を印加するとともに、前記支持板の位置を保持する外力印加手段を具備する保持ユニットと、
    前記ベースに設けられるとともに、前記保持ユニットを前記ベースに対して垂直方向に昇降可能、且つ、前記保持ユニットの高さ位置を固定可能な移動手段と、
    を備える測定治具。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された測定治具と、
    前記SPDR共振器又は前記SiPDR共振器と、
    を備えることを特徴とする測定装置。
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