JP6522226B1 - 車両用ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】 合成樹脂により射出成形され効率良く生産が可能なリム部を有する自動車用ホイールを提供する。【解決手段】 金属製のディスク部2と合成樹脂製のリム部1と、よりなる車両用のホイールAであって、前記リム部1が射出成形により形成されたものである。或いはリム部1に形成されたリム用ボルト孔11とディスク部2に形成されたディスク用ボルト孔24とを連通してボルト3が挿通されており、ディスク用ボルト孔24は該ディスク用ボルト孔24の軸方向に垂直に解放された垂直開放部24aを有するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用のホイールに関し、更に詳しくは金属製のディスク部と、合成樹脂製のリム部とよりなるホイールであって、リム部が射出成形により形成されたホイールに関する。
従来、自動車用タイヤのホイールには、金属製のホイールが広く用いられてきた。
このところ省エネ等の要請から、自動車の軽量化がより強く押し進められており、車輪(ホイール)を含むサスペンションの領域部分を軽量化することは、他の部分を軽量化するよりも燃費向上に資する割合が大きい。
従って、特にホイール部分の軽量化が求められている。
このような背景から、金属製だったホイールは、それより軽量な他の素材を使ったものに代わってきている。
その一つに、例えば、金属製のホイール基部と、それを補強するための繊維強化樹脂からなるディスク補強部材と、を合体させた車両用ホイール(特許文献1)が開発されている。
また、金属製のスポーク部、すなわちディスク部に、合成樹脂よりなるリムを雄ネジ部材により螺合させた車両用ホイールが存在する(特許文献2)。
このリムは、CFRP(炭素繊維強化樹脂)に樹脂を含浸させたプリプレグ(積層され炭素繊強化樹脂に樹脂を注入し、加熱硬化させたもの)により形成されるものである。またリム部には、雄ネジ部材を螺合するための締結穴が切削加工により形成される。
さらには、アルミニウム合金製のディスクと繊維強化樹脂製のリムとを備えた車両用ホイールがある(特許文献3)。このリムは、繊維に樹脂を含浸させながら積み重ねて硬化させるハンドレーアップ法、繊維と樹脂を同時に吹き付けて硬化させるスプレーアップ法、樹脂を含浸させたロービングを芯型に巻き付け硬化後に芯型を取り除くフィラメントワイディング法等により得られるものである。
特開2016−37061号公報 特開2018−69903号公報 特開2015−160527号公報
ところで、特許文献1のホイールは、ホイールを構成するディスク及びリムがともに金属で構成されており、ディスク補強部材として合成樹脂を取り入れているに過ぎず、軽量化に大きく貢献しない。
また、特許文献2及び特許文献3のホイールに見られるように、長繊維に重合体を含浸させて硬化させるものはその加工に時間を要し、効率良く生産を行うには適していない。
その他、プリプレグによる圧縮成形、ブレーディングによる炭素繊維強化樹脂を用いたホイールの製造も一部で行われているが、同様に加工に時間を要し、効率よく生産を行うには不向きである。
また、樹脂素材の強化に用いられる長繊維は価格も高く、また供給が限られており、製造のボトルネックとなっている。
また、特許文献2の締結穴は、切削加工により形成されるものであるが、炭素繊維を切断しなければならず、切削器具(バイト等)が傷みやすい。
加えて、切削加工により締結穴の内壁に炭素繊維等の切断面が突出したり露出したりする欠点がある。
本発明は、上述の課題を受けて開発されたものである。すなわち、本発明は、合成樹脂により射出成形され効率良く生産が可能なリム部を有する自動車用ホイールを提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討の結果、リム部を射出成形で製造することにより効率よく製造できること、また、複雑なボルト孔の形成が可能となることを見出した。
更に、リム部とディスク部とを射出成形により一体化する際、ボルト等の固着具も同時に一体化でき効率良く製造できることを見出した。本発明はこの知見に基づく。
本発明は(1)、金属製のディスク部2と合成樹脂製のリム部1と、よりなる車両用のホイールAであって、リム部1がディスク部2と射出成形により一体化されたものであり、リム部1が、ディスク部2にボルト3の先端がネジ止めされて取り付けられた状態でボルト3の頭部が合成樹脂により埋め込まれているものであり、ディスク部2の表面に多孔質状の多数の孔部23を備え、多孔質状の多数の孔部23の径が20nm〜100nmであり、多孔質状の多数の孔部23にリム部1の一部が侵入しているホイールAに存する。
本発明は(2)、ディスク部2にアンカー穴22が設けられており、アンカー穴22にリム部1の一部が侵入している上記(1)記載のホイールAに存する。
本発明は(3)、金属製のディスク部2と合成樹脂製のリム部1と、よりなる車両用のホイールAであって、リム部1が射出成形により形成されたものであり、リム部1にはディスク部2に当接するように、突出した段部13が設けられており、段部13に形成されたリム用ボルト孔11とディスク部2に形成されたディスク用ボルト孔24とを連通してボルト3が挿通されており、ディスク用ボルト孔24はディスク用ボルト孔24の軸方向に垂直に解放された垂直開放部24aを有し、ディスク部2には、ディスク用ボルト孔24aにボルト3を挿入した状態で、ボルト3のボルト頭を収容可能な深溝25が形成されており、深溝25の壁面にボルト頭が当接しているホイールAに存する。
本発明は()、リム部1がボルト3を取り付けるための自由空間である凹部12を有する上記()記載のホイールAに存する。
本発明は()、リム部1が繊維長20mm以下の強化繊維を含むものである上記(1)〜(4)いずれか1つに記載のホイールAに存する。
本発明のホイールAは、金属製のディスク部2と合成樹脂製のリム部1と、よりなるホイールAであって、リム部1が射出成形により形成されたものであることにより、ホイールAが軽量化でき、また、生産効率も向上する。
本発明のホイールAは、リム部1が、ディスク部2と射出成形により一体化されたものであるため、リム部1とディスク部2とを接合するための別の工程が不要となる。
本発明のホイールAは、リム部1が、ディスク部2にボルト3が取り付けられた状態で射出成形されたものであることにより、より確実にリム部1とディスク部2とが一体化される。
本発明のホイールAは、ディスク部2にアンカー穴22が設けられており、アンカー穴22にリム部1の一部が侵入していることにより、より確実にリム部1とディスク部2とが一体化される。
本発明のホイールAは、ディスク部2の表面に多孔質状の多数の孔部23を備え、多孔質状の複数の孔部23にリム部1の一部が侵入していることにより、ディスク部2とリム部1とが射出成形により一体化され、リム部1とディスク部2とを接合する工程が不要となる。
また、リム部1に形成されたリム用ボルト孔11とディスク部2に形成されたディスク用ボルト孔24とを連通してボルト3が挿通されており、ディスク用ボルト孔24はディスク用ボルト孔24の軸方向に垂直に解放された垂直開放部24aを有することにより、ディスク部2とリム部1が強固に接合される。
また、単にボルト3を平行にして移動するだけでディスク用ボルト孔24に取り付けられるので、いわゆるボルト3の組み付けが容易である。
このようにボルト3の取り付け、取り外しが極めて容易に行える。
本発明のホイールAは、ボルト3を取り付けるための自由空間である凹部12を有することにより、ナットを取り付け、又は取り外しする場合には、この凹部12に沿ってナットを移動させればよい。
この凹部12において手の操作に自由度が生じてナット締め作業を効率よく行うことができる。
また、仮にボルト3が緩んだとしても、ナットがタイヤ側に脱落することがなく、バーストの恐れがなく安全である。
本発明のホイールAは、ディスク部2には、ディスク用ボルト孔24にボルト3を挿入した状態で、ボルト3のボルト頭を収容可能な深溝25が形成されており、深溝25の壁面にボルト頭が当接していることにより、ボルト3自体が回り止めされ、ボルト3が緩むのを防止することができる。
本発明のホイールAは、リム部1が繊維長20mm以下の強化繊維を含むものであることにより、フィラメント状の長繊維ではなく強化繊維チップ等を原料として利用することができ、射出成形が可能である。
図1は、ホイールを示す説明図であり、(A)は正面図であり、(B)は(A)のX−X’断面図である。 図2は、射出成形の金型Mにディスク部がセットされた状態を断面で示す説明図である。 図3は、接合面Sにアンカー穴が設けられた状態を拡大して示す模式図である。 図4は、そのアンカー穴の異なった態様例を示す模式図である。 図5は、ディスク部に施された表面処理加工を断面で示す模式図である。 図6は、リム部とディスク部とが固着具を使って組み付け固定されたホイールを断面で示す説明図である。 図7は、垂直開放部を上方から示した説明図である。 図8は、ディスク用ボルト穴を斜め方向から示した説明図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(第1実施形態)
図1は、ホイールAを示す説明図であり、(A)は正面図であり、(B)は(A)のX−X’断面図である。
本発明のホイールAは、自動車等の車両に用いられるものであって、主として金属製のディスク部2と合成樹脂製のリム部1と、よりなる。
そしてリム部1は射出成形により略円筒状に形成されており、その外周側にはタイヤが嵌め込まれる。
また、ホイールAを車両に取り付けた際に反車両側となるリム部1の端部には、すなわちリム部1の外側となる側の端部には、後述するディスク部2が接合固定される。
リム部1のディスク部2と接合しない側、すなわち車両に取り付けられた際に車両側となる端部、すなわち内側となる側の端部は、拡径しながらL字型に段状に屈曲している。
また、リム部1のディスク部2と接合する側、すなわち外側となる側の端部は段状で肉厚に形成されており、その内側の端面は垂直な平面となっている。
そして、前述のように、このリム部1の端面にディスク部2の端面が接合して固定されることとなる。
また、リム部1は、反車両側(すなわち外側)から車両側(すなわち内側)に向けて徐々に拡径するテーパー状に設けられており、図1(B)では最大径の部分は、後述するディスク部2が有する凸部21の外径とほぼ同じようになっている。
これにより、リム部1とディスク部2とによってタイヤが安定して取り付けられることになる。
ここでリム部1の素材としては、一定の強度を担保できる合成樹脂であれば採用が可能であるが、ポリカーボネート材が好ましく用いられる。
ポリカーボネート材には、繊維長20mm以下の強化繊維が混入されて含まれるが、この強化繊維には、炭素繊維、ガラス繊維等を用いることができる。
リム部1を射出成形する場合は、例えば、炭素繊維チップ等の強化繊維のチップをポリカーボネート材等の合成樹脂に混合し(繊維強化樹脂)、加熱して射出成形するとリム部1が形成される。炭素繊維チップは、炭素繊維を母材となるナイロンにより形成した小片状のチップである。
具体的には、炭素繊維2〜30%、ガラス繊維2〜30%、ナイロン50%で配合し、炭素繊維チップを形成する。
リム部1とディスク部2とを一体に成形する場合は、成形金型に前もってディスク部2をセットしておき、その後、成形金型に繊維強化樹脂を射出して両者を一体化する。
このようなインサート射出成形により、リム部1とディスク部2とが、互いに接合面Sを介して一体化されたホイールが作られる。
ホイールAとしては、例えば、リム部1が強化繊維を含むポリカーボネート材よりなることにより、軽量化され、剛性も担保され強度も十分なものとなる。
また、従来のように炭素繊維プリグレブのような強化繊維プリグレブを使用せず、炭素繊維チップのような強化繊維チップを用いて射出成形することで、強化されたリム部1を有するホイールの製造が効率よく達成されることとなる。
一方、ディスク部2は、径の大きい大径環状部と、該大径環状部と同心で径が小さく中央に配された小径環状部と、これら大径環状部と小径環状部とを連結するスポーク部とよりなる。
大径環状部においては、その内側の端面にリム部1の外側の端面が接合されて固定される。
また、大径環状部は、凸部21を備えており、この凸部21とリム部の間にタイヤが装着される。
ここでディスク部2の素材としては、変形が少なく強度に優れた金属が採用されるが、軽量性の観点からアルムニウム合金が好ましく用いられる。
ところでホイールAとしては、リム部1とディスク部2とよりなるものであり、これら両者を一体にする場合には、二つの方法がある。
第1の方法は、リム部1とディスク部2とを射出成形により同時に一体化する方法(第1実施形態)であり、第2の方法は、独立したリム部1とディスク部2とを固着具を使って一体化する方法(第2実施形態)である。
第1の方法でいうと、リム部1は、金型に既に形成された金属製のディスク部2を予めセットしておき、リム部1の原料となる強化繊維チップと合成樹脂を加熱軟化させて射出成形し型枠から取り外し、リム部1とディスク部2とを同時に一体化する。
いわゆるホイールAはインサート射出成形により形成される。
これによりディスク部2とリム部1とを接合する別工程が不要となり、製造工数を減少させることができる。
尚、金型は複数の分割金型Mを組み合わせたもので、アンダーカットを極力少なくし、型抜きをし易いように設計されている。
ところで第1実施形態において、ディスク部2とリム部1とは、接合面Sを介して一体に射出成形されるが、この接合面に工夫を施すことにより、ディスク部2とリム部1との固定力は強くなる。
図1の場合は、射出成形によりディスク部2とリム部1とを同時に一体化した例であるが、この場合、ボルト3(例えば、金属ボルト)を同時に埋め込むことにより固定力を強化したものである。
他にも接合表面処理による強化方法はあるが、これについては後述することとする。
図2は、射出成形の金型Mにディスク部2がセットされた状態を断面で示す説明図である。
このように予め金型Mにはディスク部2をセットしておく。
ディスク部2のリム部1に対する接合面には、前もってボルト3が捻じ込み等により取り付け固定されている。
図の矢印の方向から、リム部1を形成するべき空間であるキャビテイ部M1に繊維強化樹脂が注入されると、ボルト3の周囲が繊維強化樹脂で埋められた状態となる。
金型Mを取り外すことで、リム部1とディスク部2とがボルト3を介して一体となったホイールAが形成される。
このようにホイールAをインサート射出成形する際に、予めボルト3を取り付け固定したディスク部2を金型にセットすることで、リム部1とディスク部2とが一体化し強い結合力を得ることができる。
この場合、ボルト3の頭部がリム部1に埋め込まれているため抜け止めとして機能し、加えて、合成樹脂中に含まれる強化繊維がボルト3に絡みつくことにより更に強く抜け止めとして機能し、リム部1とディスク部2とが強固に固定される。
これにより、ホイールの回転によってリム部1とディスク部2との間に働くせん断力によるボルトの引き抜き作用にも十分耐えることができる。
また、別の観点からは、ボルト自体が繊維強化樹脂に埋め込まれていることから、リム部1の表面に露出しない利点がある。
ここで、リム部1とディスク部2との間で結合力として作用するボルト3は、繊維強化樹脂との引き抜き抵抗力が十分発揮できるものが好ましい。そのための形状や材料は本実施の形態のものに限られるものではない。
図3は、接合面Sにアンカー穴22が設けられた状態を拡大して示す模式図である。
ディスク部2の端面には、複数のアンカー穴22が設けられており、このアンカー穴22にインサート射出成形によって繊維強化樹脂が充填される。
これも、図1の場合と同じで、インサート射出成形によりディスク部2とリム部1とを同時に一体化した例であるが、ここでは、ボルト3を使わず、前もって、ディスク部2にアンカー穴22を形成したものである。
この形成されたアンカー穴22は、ホイールの大きさにもよるが、投錨効果の観点から、5〜10mm程度の径及び深さが好ましく採用される。
また、アンカー穴22の傾斜(アンカー穴22の中心軸の端面に対する角度)は、同じく投錨効果の観点から、40〜70度が好ましく採用される。
アンカー穴22は、複数個形成されるが、この傾斜角度は、各々アンカー穴22によって異なってもよい。
図4は、そのアンカー穴22の異なった態様例を示す模式図である。
アンカー穴22を形成する場合には、通常の切削加工やレーザー加工等、適宜の方法が用いられる。
ホイールAをインサート射出成形する際に、ディスク部2のアンカー穴22にリム部1の繊維強化樹脂が入り込み、硬化することで、ディスク部2とリム部1とが一体に接合固定される。
この状態では、投錨効果が発揮されて、ディスク部2とリム部1との間で大きい結合力が得られる。
この場合、アンカー穴22の内壁面に雌ねじを切って凹凸部を形成することで更に抜け止め力が強化される。
また、アンカー穴22の内壁面自体に傾斜を設けることでも同様に抜け止め力が強化される。
アンカー穴22の個数、配置、径、深さ及び角度は変更が可能であり、角度や大きさの異なるアンカー穴22を適宜組み合わせることにより、強固にリム部1とディスク部2とを接合することが可能である。
ところで、ディスク部2とリム部1との結合力を得るには、接合面Sにおいて、上述したアンカー穴22のようなマクロ的なものの他に、ミクロ的な多孔質状とすることも、極めて有用である。
図5は、ディスク部2に施された表面処理加工を断面で示す模式図である。
ディスク部2の端面、すなわちリム部1に対する接合面Sには、ミクロ的な化学表面処理が施され、多孔質状の多数の孔部23が形成されている。
そして多孔質状の多数の孔部23は、例えば径が20nm〜100nm程度の大きさの微細ランダムな凹凸及び空隙が連続する構造として形成されている。
ディスク部2とリム部1とがインサート射出成形により一体化された状態では、当該多孔質状の孔部23に繊維強化樹脂が入り込んで硬化し、両者の結合力が強固なものとなっている。
化学表面処理としては、ディスク部2がアルミ合金である場合、孔部23は、例えば水酸化マグネシウムを含む、侵食性懸濁液又は侵食性水溶液にディスク部2を浸漬することにより形成することができる。
多孔質状の多数の孔部23を設ける表面加工は、ディスク部2のリム部1と接合する端面に施されていれば足りるが、薬剤に浸漬処理する都合上、ディスク部2の他の部分に及んでいても差し支えない。
本発明のホイールAは、このような多孔質状の多数の孔部23を備えることにより、より確実にリム部1とディスク部2とが強い結合力を発揮して一体化される。
このような図1や図2に示す方法を用いることにより、リム部1とディスク部2を接合するためのボルト3等の固着具や、アンカー穴22が、外部に露出することが全くなく、ホイールAのデザイン性の観点からも自由度が高い。
尚、リム部1とディスク部2を取り付けたホイールAは、さらにタイヤを取り付けられ、車両用として使用される。
(第2実施形態)
以上説明した実施形態1は、リム部1とディスク部2とを同時に一体にインサート射出成形する場合であったが、リム部1を別体として繊維強化樹脂で射出成形しておき、その後、ボルト等の固着具を使ってディスク部2を組み付け固定する場合もある。
次に、その後者の実施形態について述べる。
本発明のホイールAは、射出形成により形成されたリム部1と、ディスク部2とが別体に作られ、ボルト3等の固着具により一体化されることも可能である。
図6は、リム部1とディスク部2とが固着具を使って組み付け固定されたホイールAを断面で示す説明図である。
この実施形態2においては、リム部1とディスクとの接合面Sが特有の構造となっている。
すなわち、リム部1の外側には、ディスク部2に当接するように下方に突出した段部13が設けられており、該段部13にリム用ボルト孔11が形成されている。
このリム用ボルト孔11に、結合に供するためのボルト3が挿入される。
このリム用ボルト孔11はリム部1を射出成形する際、リム部1全体の形状と同時に形成されるものであるため、わざわざ穿孔する必要がない。
このリム用ボルト孔11は、寸法精度が高くかつリム部1に含まれる強化繊維及びその断面が露出しない。
因みに、例えば、ドリルを使った機械的な加工によりリム用ボルト孔11を形成する場合は、強化繊維がこのリム用ボルト孔11の内壁から突出したりして凹凸が生じ、ボルト3を挿入する場合に支障となる。
さらに、リム部1の内方(図でいう下方)には、ボルト3を取り付ける際、リム用ボルト孔11に向かってボルト3を案内し易いように、ボルト3を取り付けるための案内空間すなわち凹部12が設けられている。
この凹部12は、図でいうリム部1の段部13から下方に(すなわち内方に)向かって一定距離に渡り形成されている。凹部12は、リム部1の幅方向に渡って形成された、半円状の切欠きである。
凹部12が形成されていることにより、ナットを取り付け、又は取り外しする場合には、この凹部12に沿ってナットを移動させればよい。
この凹部12において手の操作に自由度が生じてナット締め作業を効率よく行うことができる。
このボルト3の取り付け位置がリム部1の内方となるため、万が一、ナット等が緩んで脱落したとしても、タイヤとホイールA内の空間に脱落することがなく、タイヤがバーストする恐れがない。
図7は垂直開放部24aを上方から示した説明図である。また、図8は、ディスク用ボルト穴24を斜め方向から示した説明図である。
ディスク部2の、内側の端部には、ボルト3のボルト頭を挿入するためのディスク用ボルト孔24が形成されている。
ディスク用ボルト孔24は、リム用ボルト孔11に連絡しており、ボルト頭を収容可能な深溝25とともに、ボルト3の寸法よりわずかに大きい側面視T状の形状を形成している。
深溝25は、ボルト3を挿入した際に、深溝25の壁面にボルト頭の一辺が当接するように設けられる。
また、ディスク用ボルト孔24はディスク部2の外側に向けて、ディスク用ボルト孔24の軸方向に垂直に開放された垂直開放部24aを有する。
深溝25の深さは、ボルト3を挿入した際に、ボルト頭が深溝25の底面26に接するように設けられる。この際、ディスク用ボルト孔24の深さは、ボルト3の軸部分がディスク用ボルト孔24の下壁面に接しない程度に底面26との差をつけて設けられる。これにより、ボルト3が抜け止めされる。
ディスク用ボルト孔24が垂直開放部24aを有するため、ボルト3を単に平行にして移動させることにより、ディスク用ボルト孔24にボルト3を簡単に取り付けることができる利点がある。
このようにボルト3の取り付け、取り外しが極めて容易に行える。
また、深溝25の壁面にボルト頭が当接していることにより、ボルト自体の回り止めがなされ、ボルト3が緩むのを防止することができる。
リム部1とディスク部2を接合する場合には、ディスク部2に形成されたディスク用ボルト孔24にボルト3をセットしておき、その後、リム部1を移動させて、そのリム用ボルト孔11に、ボルト3を挿入する。この際、リム用ボルト孔11とディスク用ボルト孔24の下壁面は略面一となる。
この際、リム用ボルト孔11の上壁面にボルト3の軸が接し、ボルト3が固定される。
その後、ボルト3にナットを締めるが、この場合、2重ナットとすることで、ボルトの緩み止めが行われる。
ナットの締め付け操作は、案内空間である凹部12があるため、先述したようにその作業を効率よく行うことができる。ナットとリム部1の内壁との間にはナットを回転させるための空間が設けられている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図1に示すような、リム部1とし、ディスク部2とをボルト3を介して射出成形により同時に一体に成形する場合、図3に示すようなアンカ―穴22を設けることも可能である。
また、ディスク部2の端面に図5に示すような多孔質状の多数の孔部23を形成することも可能である。
更には、これら図1、図3及び図5の方法の全部を利用することも当然可能である。
ディスク部2及びスポーク部を含むリム部1の形状は実施形態に限定されるものではない。
ボルト3、リム用ボルト孔11及びディスク用ボルト孔24の位置や個数は任意である。
また、ボルト3の形状は限定されず、ナベネジや頭無しネジを採用可能である。
リム部1の素材には、ポリカーボネートの他、PA(ポリアミド)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等を好適に利用できる。
また、炭素繊維チップの組成の割合は、例えば炭素繊維及びガラス繊維を20〜80%にする等、適宜変更することができ、母材をPPS(ポリフェニレンサルファイド)等、適宜の樹脂に変更することもできる。
ディスク部2の素材には、アルミニウム合金の他、鉄、チタン、マグネシウム及びこれらの合金等を好適に利用できる。
ボルト3の取り付け位置は任意である。例えば、リム部1のタイヤ側でボルト3を取り付けても良く、この場合、タイヤによりボルト3が隠されるため、ホイールAのデザインの自由度が向上する。
凹部12やディスク用ボルト孔24の構造は、リム部1とディスク部2との素材及び製造方法によらず、別体で設けられたリム部1とディスク部2との接合に用いることが可能である。
本発明のホイールAは、ホイールAが軽量化でき、また生産効率も向上したものであるため、自動車や二輪車等の車両用ホイールの他、航空機等、様々な分野で用いられるタイヤ用のホイールに適用が可能である。
A・・・ホイール
1・・・リム部
11・・・リム用ボルト孔
12・・・凹部
13・・・段部
2・・・ディスク部
21・・・凸部
22・・・アンカー穴
23・・・孔部
24・・・ディスク用ボルト孔
24a・・・垂直開放部
25・・・深溝
26・・・底面
S・・・接合面
3・・・ボルト
M・・・金型
M1・・・キャビテイ

Claims (5)

  1. 金属製のディスク部と合成樹脂製のリム部と、よりなる車両用のホイールであって、
    前記リム部が前記ディスク部と射出成形により一体化されたものであり、
    前記リム部が、前記ディスク部にボルトの先端がネジ止めされて取り付けられた状態で該ボルトの頭部が合成樹脂により埋め込まれているものであり、
    前記ディスク部の表面に多孔質状の多数の孔部を備え、該多孔質状の多数の孔部の径が20nm〜100nmであり、該多孔質状の多数の孔部に前記リム部の一部が侵入しているホイール。
  2. 前記ディスク部にアンカー穴が設けられており、該アンカー穴に前記リム部の一部が侵入している請求項1記載のホイール。
  3. 金属製のディスク部と合成樹脂製のリム部と、よりなる車両用のホイールであって、
    前記リム部が射出成形により形成されたものであり、
    前記リム部にはディスク部に当接するように、突出した段部が設けられており、
    該段部に形成されたリム用ボルト孔と前記ディスク部に形成されたディスク用ボルト孔とを連通してボルトが挿通されており、
    該ディスク用ボルト孔は該ディスク用ボルト孔の軸方向に垂直に解放された垂直開放部を有し、
    前記ディスク部には、前記ディスク用ボルト孔に前記ボルトを挿入した状態で、前記ボルトのボルト頭を収容可能な深溝が形成されており、
    該深溝の壁面に前記ボルト頭が当接しているホイール。
  4. 前記リム部が、前記ボルトを取り付けるための自由空間である凹部を有する請求項3記載のホイール。
  5. 前記リム部が繊維長20mm以下の強化繊維を含むものである請求項1〜4いずれか1項に記載のホイール。
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