JP6521767B2 - ズームレンズ及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明はズームレンズ及びそれを有する撮像装置に関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、放送用カメラ等の撮像素子を用いた撮像装置、或いは銀塩写真フィルムを用いたカメラ等の撮像装置に好適なものである。
近年、固体撮像素子を用いた監視カメラやビデオカメラ等の撮像装置は高機能化され、かつ装置全体が小型化されている。これらの装置に用いられるズームレンズは、小型かつ高ズーム比であり、良好な光学性能を有することが求められている。また、1台の撮像装置により広範囲の撮影を可能とするために、ズームレンズの広画角化が求められている。
こうした要求に応えるべく、物体側より像側へ順に正、負、正の屈折力を有するレンズ群を含むズームレンズが知られている。
特許文献1のズームレンズは、第2レンズ群の最も物体側に強い凹面を有する負レンズを配置することで歪曲収差や非点収差等を低減しつつ、広画角化の実現を図っている。
特開2005−55625号公報
特許文献1のズームレンズでは、第2レンズ群や第3レンズ群の変倍分担が比較的小さいため、十分な高倍化と広画角化を実現することが困難である。
本発明は、小型かつ広画角及び高ズーム比であり、高い光学性能を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群から構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、広角端に比べて望遠端において前記第2レンズ群は像側に位置し、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfwとしたとき、
−1.75<f2/f3<−0.25
−4.20<f2/fw<−2.30
なる条件式を満足することを特徴とする。
本発明によれば、小型かつ広画角及び高ズーム比であり、高い光学性能を有するズームレンズを得ることができる。
実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。 (A)、(B)、(C)実施例1のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。 実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。 (A)、(B)、(C)実施例2のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。 実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。 (A)、(B)、(C)実施例3のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。 実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。 (A)、(B)、(C)実施例4のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。 本発明の撮像装置の要部概略図である。
以下、本発明のズームレンズ及びそれを有する撮像装置について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群から構成される。ここでレンズ群とは、ズーミングに際して一体的に移動するレンズ要素であって、1枚以上のレンズを有していればよく、必ずしも複数枚のレンズを有していなくてもよい。
図1は実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例1のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。実施例1はズーム比6.55、Fナンバー1.55〜3.90程度のズームレンズである。図3は実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図4(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例2のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。実施例2はズーム比7.37、Fナンバー1.63〜4.00程度のズームレンズである。
図5は実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例3のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。実施例3はズーム比7.00、Fナンバー1.64〜2.99程度のズームレンズである。図7は実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図8(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例4のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。実施例4はズーム比5.84、Fナンバー1.71〜4.39程度のズームレンズである。
図9は、本発明のズームレンズを備える監視カメラ(撮像装置)の要部概略図である。各実施例のズームレンズはデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、放送用カメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。レンズ断面図において左方が物体側で、右方が像側である。またレンズ断面図において、iを物体側から像側へのレンズ群の順番とするとLiは第iレンズ群を示す。
各実施例のズームレンズは、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4から構成される。
SPは開口絞りであり、各実施例において、開口絞りSPは、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間に配置される。実施例1及び2のズームレンズでは、開口絞りSPは、ズーミングに際して不動である。これにより、ズームレンズを保持する鏡筒の構造を簡略化することができる。また、実施例3のズームレンズでは、開口絞りSPは、第3レンズ群L3と同一の軌跡で移動し、実施例4のズームレンズでは、開口絞りSPは、各レンズ群とは異なる軌跡で移動する。
Gは光学フィルター、フェースプレート、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。IPは像面である。ビデオカメラや監視カメラの撮像光学系としてズームレンズを使用する際には、像面IPはCCDセンサやCMOSセンサといった固体撮像素子(光電変換素子)に相当する。銀塩フィルムカメラの撮像光学系としてズームレンズを使用する際には、像面IPはフィルム面に相当する。
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、C線(波長656.3nm)、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差を示している。非点収差図においてΔSはサジタル像面、ΔMはメリディオナル像面について示す。歪曲収差はd線について示している。色収差図ではC線及びg線における色収差を示している。ωは撮像半画角である。
各実施例では、レンズ断面図中の矢印で示すように、広角端から望遠端へのズーミングに際してレンズ群が移動し、隣り合うレンズ群の間隔が変化する。具体的には、実施例1、3及び4のズームレンズにおいて、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は不動である。実施例2のズームレンズにおいて、第1レンズ群L1は像側に凸状の軌跡を描きながら移動する。各実施例のズームレンズにおいて、広角端に比べて望遠端において像側に位置するように第2レンズ群L2は移動し、第3レンズ群L3は物体側に単調に移動する。第4レンズ群L4は広角端に比べて望遠端において物体側に位置するように移動する。
各実施例のズームレンズでは、広角端に比べて望遠端において、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が広がり、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔が狭くなる。これにより、ズームレンズの高倍化を効率的に達成することができる。また、広角端に比べて望遠端において、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4の間隔は広がる。
また、各実施例のズームレンズでは、第4レンズ群L4をフォーカス群としている。望遠端において無限遠物体から近距離物体へフォーカシングを行う場合には、レンズ断面図の矢印4cに示すように、第4レンズ群L4を像側に移動させる。レンズ断面図中の実線4aと点線4bは各々、無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの、広角端から望遠端へのズーミングに伴う像面変動を補正するための移動軌跡を示している。
また、各実施例のズームレンズでは、任意のレンズ群またはレンズを光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることで、像ぶれの補正を行うことができる。
各実施例において、第2レンズ群L2の焦点距離をf2、第3レンズ群L3の焦点距離をf3、広角端におけるズームレンズの焦点距離をfwとするとき、
−1.75<f2/f3<−0.25…(1)
−4.20<f2/fw<−2.30…(2)
なる条件式を満足している。
条件式(1)は、第2レンズ群L2の焦点距離f2と第3レンズ群L3の焦点距離f3の比を規定した条件式である。条件式(1)の上限値を超えて、第3レンズ群L3の焦点距離f3が長くなると、第3レンズ群L3の屈折力が弱くなり過ぎる。その結果、高倍化のためにズーミングに際しての第3レンズ群L3の移動量を大きくする必要が生じ、ズームレンズが光軸方向に大型化するため、好ましくない。条件式(1)の下限値を超えて、第3レンズ群L3の焦点距離f3が短くなると、第3レンズ群L3の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、球面収差が多く発生するため、好ましくない。
条件式(2)は、第2レンズ群L2の焦点距離f2と広角端におけるズームレンズの焦点距離fwの比を規定した条件式である。条件式(2)の上限値を超えて、第2レンズ群L2の焦点距離f2が短くなると、第2レンズ群L2の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、全ズーム領域において像面湾曲や色収差が多く発生するため好ましくない。条件式(2)の下限値を超えて、第2レンズ群L2の焦点距離f2が長くなると、第2レンズ群L2の屈折力が弱くなり過ぎる。その結果、ズームレンズの広画角化と高倍化を実現することが困難になり、さらに、第1レンズ群L1の有効径が大きくなるため好ましくない。
各実施例では以上説明したように、条件式(1)及び(2)を満足するように各要素を適切に設定している。これにより小型かつ広画角及び高ズーム比であり、高い光学性能を有するズームレンズを得ることができる。
なお、各実施例において、好ましくは、条件式(1)及び(2)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
−1.25<f2/f3<−0.35…(1a)
−3.80<f2/fw<−2.50…(2a)
また、さらに好ましくは、条件式(1)及び(2)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
−1.00<f2/f3<−0.50…(1b)
−3.40<f2/fw<−2.60…(2b)
さらに、各実施例において、次の条件式のうち1つ以上を満足することがより好ましい。
0.30<f3/M3<1.50…(3)
−35.0<f1/f2<−8.0…(4)
−35.00<f4/fw<−3.50…(5)
−0.60<(R1−R2)/(R1+R2)<−0.05…(6)
0.90<β4t/β4w<3.80…(7)
1.84<Nd2p<2.30…(8)
5.0<νd2p<25.0…(9)
3.00<L23w/L23t<22.00…(10)
ここで、第1レンズ群L1の焦点距離をf1、第4レンズ群L4の焦点距離をf4、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第3レンズ群L3の移動量をM3とする。また、第2レンズ群L2に含まれる正レンズの材料のd線における屈折率をNd2p、アッベ数をνd2p、広角端における第4レンズ群L4の横倍率をβ4w、望遠端における第4レンズ群L4の横倍率をβ4tとする。さらに、第1レンズ群L1を構成する正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR1、像側のレンズ面の曲率半径をR2とする。第2レンズ群L2の最も像側のレンズ面と第3レンズ群L3の最も物体側のレンズ面の広角端における間隔をL23w、第2レンズ群L2の最も像側のレンズ面と第3レンズ群L3の最も物体側のレンズ面の望遠端における間隔をL23tとする。
なお、アッベ数νdは、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)、d線(587.6nm)に対する材料の屈折率をそれぞれNF、NC、Ndとするとき、
νd=(Nd−1)/(NF−NC)
と表される数値である。移動量とは、広角端と望遠端における各レンズ群の光軸上での位置の差であり、移動量の符号は広角端に比べて望遠端で物体側に位置するときを正、像側に位置するときを負とする。
条件式(3)は、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第3レンズ群L3の移動量M3と、第3レンズ群L3の焦点距離f3の比を規定した条件式である。条件式(3)の上限値を超えると、第3レンズ群L3の移動量M3が小さくなり、第3レンズ群L3の屈折力が弱くなるため、第3レンズ群L3の変倍分担が小さくなる。その結果、ズームレンズの高倍化を実現することが困難になるため、好ましくない。条件式(3)の下限値を超えて、第3レンズ群L3の焦点距離f3が短くなると、第3レンズ群L3の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、球面収差が多く発生するため、好ましくない。
条件式(4)は、第1レンズ群L1の焦点距離f1と第2レンズ群L2の焦点距離f2の比を規定した条件式である。条件式(4)の上限値を超えて、第1レンズ群L1の焦点距離f1が短くなると、第1レンズ群L1の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、倍率色収差が多く発生するため、好ましくない。条件式(4)の下限値を超えて、第1レンズ群L1の焦点距離f1が長くなると、第1レンズ群L1の屈折力が弱くなり過ぎる。その結果、第1レンズ群L1の有効径が増大するため、好ましくない。
条件式(5)は、第4レンズ群L4の焦点距離f4と広角端におけるズームレンズの焦点距離fwの比を規定した条件式である。条件式(5)の上限値を超えて、第4レンズ群L4の焦点距離f4が短くなると、第4レンズ群L4の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、非点収差やコマ収差が多く発生するため、好ましくない。条件式(5)の下限値を超えて、第4レンズ群L4の焦点距離f4が長くなると、第4レンズ群L4の屈折力が弱くなり過ぎる。その結果、フォーカシングに際しての第4レンズ群L4の移動量が増大し、ズームレンズの大型化を招くため、好ましくない。
条件式(6)は、第1レンズ群L1を構成する正レンズのレンズ形状を規定する条件式である。第1レンズ群L1を構成する正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径R1と、像側のレンズ面の曲率半径R2を用いて、レンズ形状を特定したものである。
条件式(6)の上限値を超えると、第1レンズ群L1を構成する正レンズの曲率半径が長くなり、広画角化を実現するために、有効径を大きくする必要がある。その結果、ズームレンズが径方向に大型化するため好ましくない。条件式(6)の下限値を超えると、第1レンズ群L1を構成する正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径R1が短くなり、レンズ面の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、非点収差や像面湾曲が多く発生するため、好ましくない。
条件式(7)は、第4レンズ群L4の変倍分担を規定した条件式である。条件式(7)の上限値を超えて、第4レンズ群L4の変倍分担が大きくなると、ズーミングに際しての第4レンズ群L4の移動量が大きくなり、全系の大型化を招くため好ましくない。条件式(7)の下限値を超えて、第4レンズ群L4の変倍分担が小さくなると、十分な高倍化を実現することが困難になるため、好ましくない。
条件式(8)、(9)は、第2レンズ群L2に含まれる正レンズの材料を規定した条件式である。条件式(8)の上限値を超えて、第2レンズ群L2に含まれる正レンズの材料の屈折率が高くなり過ぎると、条件式(9)の数値範囲を満足する範囲で実在する材料が限定されるため好ましくない。条件式(8)の下限値を超えて、第2レンズ群L2に含まれる正レンズの材料の屈折率が低くなり過ぎると、望遠端における球面収差が多く発生するため好ましくない。
条件式(9)の上限値を超えて、第2レンズ群L2に含まれる正レンズの材料のアッベ数νd2pが大きくなると、第2レンズ群L2において生じる倍率色収差を良好に補正することが困難になるため、好ましくない。条件式(9)の下限値を超えて、第2レンズ群L2に含まれる正レンズの材料のアッベ数νd2pが小さくなると、条件式(8)の数値範囲を満足する範囲で実在する材料が限定されるため好ましくない。
条件式(10)は、第2レンズ群L2の最も像側のレンズ面と第3レンズ群L3の最も物体側のレンズ面の広角端における間隔L23wと、望遠端における間隔L23tの比を規定した条件式である。条件式(10)の上限値を超えて、第2レンズ群L2の最も像側のレンズ面と第3レンズ群L3の最も物体側のレンズ面の広角端における間隔L23wが大きくなると、レンズ全長が増大するため、好ましくない。条件式(10)の上限値を超えて、第2レンズ群L2の最も像側のレンズ面と第3レンズ群L3の最も物体側のレンズ面の広角端における間隔L23wが小さくなると、ズーミングに際しての第3レンズ群L3の移動量が小さくなる。その結果、ズームレンズの高倍化を実現することが困難になるため、好ましくない。
好ましくは、条件式(3)乃至(10)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.40<f3/M3<1.20…(3a)
−28.0<f1/f2<−10.0…(4a)
−29.00<f4/fw<−3.70…(5a)
−0.50<(R1−R2)/(R1+R2)<−0.07…(6a)
0.95<β4t/β4w<3.20…(7a)
1.90<Nd2p<2.10…(8a)
10.0<νd2p<20.0…(9a)
3.40<L23w/L23t<20.00…(10a)
なお、さらに好ましくは、条件式(3)乃至(10)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.50<f3/M3<1.00…(3b)
−27.0<f1/f2<−12.5…(4b)
−20.00<f4/fw<−4.00…(5b)
−0.45<(R1−R2)/(R1+R2)<−0.10…(6b)
1.00<β4t/β4w<3.10…(7b)
1.92<Nd2p<2.03…(8b)
14.0<νd2p<19.0…(9b)
3.60<L23w/L23t<19.00…(10b)
続いて、各レンズ群の構成について説明する。各実施例のズームレンズにおいて、第1レンズ群L1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズG11から構成される。正レンズG11をメニスカス形状とすることで、有効径の小型化を実現することができる。
実施例1乃至3のズームレンズにおいて、第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、負レンズG21、負レンズG22、負レンズG23、正レンズG24から構成される。第2レンズ群L2に3枚以上の負レンズを配置することで、負の屈折力を分担させることができ、非点収差や像面湾曲を低減させることができる。
実施例1、3のズームレンズでは、負レンズG21は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、負レンズG22は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズである。また、負レンズG23は、両凹形状の負レンズであり、正レンズG24は、両凸形状の正レンズである。実施例2のズームレンズでは、負レンズG21は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、負レンズG22は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズである。また、負レンズG23は、像側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、正レンズG24は、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズである。
実施例4のズームレンズにおいて、第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、負レンズG21、負レンズG22、正レンズG23から構成される。実施例4のズームレンズでは、負レンズG21は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、負レンズG22は、像側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズである。また、正レンズG23は、両凸形状の正レンズである。
実施例1及び2のズームレンズにおいて、第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、正レンズG31、負レンズG32、正レンズG33、負レンズG34、正レンズG35から構成される。負レンズG32と正レンズG33は接合されており、負レンズG34と正レンズG35も接合されている。第3レンズ群L3に正レンズと負レンズをそれぞれ2枚以上配置することで、第3レンズ群L3の中で色収差を良好に補正することができる。
実施例3及び4のズームレンズにおいて、第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、正レンズG31、正レンズG32、負レンズG33、正レンズG34から構成される。負レンズG33と正レンズG34は接合されている。
実施例1及び2のズームレンズにおいて、正レンズG31は、両凸形状の正レンズであり、負レンズG32は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、正レンズG33は、両凸形状の正レンズである。負レンズG34は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、正レンズG35は、両凸形状の正レンズである。実施例3のズームレンズにおいて、正レンズG31は、両凸形状の正レンズであり、正レンズG32は、両凸形状の正レンズである。負レンズG33は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、正レンズG34は、両凸形状の正レンズである。実施例4のズームレンズにおいて、正レンズG31は、両凸形状の正レンズであり、正レンズG32は、物体側の面が略平面の平凸形状の正レンズである。負レンズG33は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズであり、正レンズG34は、両凸形状の正レンズである。
実施例1及び2のズームレンズにおいて、第4レンズ群L4は、像側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズG41から構成される。実施例3及び4のズームレンズにおいて、第4レンズ群L4は、両凹形状の負レンズG41から構成される。
次に、本発明の実施例1乃至4にそれぞれ対応する数値実施例1乃至4のレンズデータを示す。各数値実施例において、iは物体側からの光学面の順序を示す。riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間の間隔、ndiとνdiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。
またKを離心率、A4、A6、A8、A10、A12を非球面係数、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、非球面形状は、
x=(h/r)/[1+[1−(1+K)(h/r)1/2]+A4h+A6h+A8h+A10h10+A12h12
で表示される。但しrは近軸曲率半径である。また「e−Z」の表示は「10−Z」を意味する。
各実施例において、バックフォーカス(BF)は、レンズ系の最も像側の面から像面までの距離を、空気換算長により表したものである。また、各数値実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。
なお、広角端における有効像円径(イメージサークルの直径)を、望遠端における有効像円径に比べて小さくすることができる。これは、画像処理によって画像を引き伸ばすことで、広角側において発生しやすい樽型の歪曲収差を補正することができるためである。
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 24.945 4.00 1.4875 70.2
2 33.181 (可変)
3 21.705 0.90 2.0010 29.1
4 9.811 5.11
5 34.928 0.70 1.8830 40.8
6 10.903 4.56
7 -19.91 0.60 1.8830 40.8
8 413.318 0.15
9 49.841 3.03 1.9591 17.5
10 -37.229 (可変)
11(絞り) ∞ (可変)
12* 10.623 3.89 1.4971 81.6
13* -63.364 0.17
14 15.715 0.48 1.5952 67.7
15 10.551 3.99 1.5481 45.8
16 -28.834 0.15
17 56.278 0.45 2.0010 29.1
18 7.317 4.28 1.4970 81.5
19 -15.257 (可変)
20* -11.658 1.06 1.4971 81.6
21* -26.697 (可変)
22 ∞ 1.20 1.5163 64.1
像面 ∞
非球面データ
第12面
K = 0.00000e+000 A 4=-8.48027e-005 A 6= 1.32156e-007 A 8= 3.18454e-009
A10=-4.97648e-011
第13面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.69017e-004 A 6= 6.13715e-007 A 8= 8.37477e-009
A10=-4.64595e-011
第20面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.49407e-003 A 6=-3.22599e-005 A 8= 9.80346e-007
A10=-1.75012e-008
第21面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.59250e-003 A 6=-3.31234e-005 A 8= 1.48068e-006
A10=-3.09467e-008
各種データ
ズーム比 6.55
広角 中間 望遠
焦点距離 2.94 9.87 19.25
Fナンバー 1.55 2.24 3.90
半画角 59.1 18.3 9.38
像高 3.2 3.2 3.2
レンズ全長 84.96 84.96 84.96
BF(in air) 6.68 13.48 13.35

間隔 広角 中間 望遠
d 2 0.75 23.89 26.07
d10 26.42 3.28 1.10
d11 14.92 7.46 0.00
d19 2.27 2.93 10.51
d21 2.64 9.44 9.31

レンズ群データ

1 177.83
2 -8.63
3 12.78
4 -42.63
[数値実施例2]
単位 mm
面番号 r d nd νd
1 28.226 4.00 1.5928 68.6
2 42.342 (可変)
3 28.94 0.90 2.0010 29.1
4 8.942 5.03
5* 35.379 0.70 1.8514 40.1
6* 11.736 4.51
7 -13.161 0.60 1.9004 37.4
8 -25.168 0.15
9 -604.889 2.13 1.9591 17.5
10 -23.535 (可変)
11(絞り) ∞ (可変)
12* 11.16 3.90 1.4971 81.6
13* -49.165 0.15
14 13.546 0.57 1.5952 67.7
15 9.45 4.40 1.5481 45.8
16 -33.727 0.15
17 81.056 0.45 2.0010 29.1
18 6.829 4.51 1.4970 81.5
19 -17.91 (可変)
20* -21.589 1.30 1.4971 81.6
21* -133.842 (可変)
22 ∞ 1.20 1.5163 64.1
像面 ∞
非球面データ
第5面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.00664e-004 A 6= 5.59043e-007
第6面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.74714e-004 A 6= 2.35170e-007
第12面
K = 0.00000e+000 A 4=-6.88661e-005 A 6=-2.28468e-007 A 8= 8.19985e-010
A10=-2.04770e-011
第13面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.27346e-004 A 6= 4.10492e-008 A 8= 2.61547e-009
A10= 1.05999e-011
第20面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.08356e-004 A 6=-3.25777e-005 A 8= 1.42138e-006
A10=-2.64735e-008
第21面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.11175e-003 A 6=-4.25991e-005 A 8= 2.36761e-006
A10=-4.87888e-008
各種データ
ズーム比 7.37
広角 中間 望遠
焦点距離 2.94 11.21 21.66
Fナンバー 1.63 2.34 4.00
半画角 57.4 15.60 8.05
像高 3.1 3.1 3.1
レンズ全長 86.97 86.5 92.01
BF(in air) 5.45 11.55 13.73

間隔 広角 中間 望遠
d 2 1.12 26.85 33.49
d10 28.42 2.24 1.10
d11 15.34 7.92 0.50
d19 2.78 4.10 9.34
d21 2.64 8.73 10.92

レンズ群データ

1 129.19
2 -8.88
3 13.57
4 -51.98
[数値実施例3]
単位 mm
面番号 r d nd νd
1 29.464 4.3 1.59282 68.6
2 41.245 (可変)
3 27.841 0.9 2.001 29.1
4 11.041 5.17
5 28.286 0.7 1.883 40.8
6 12.581 5.47
7 -20.692 0.6 1.8061 33.3
8 29.014 3.17 1.95906 17.5
9 -39.247 (可変)
10(絞り) ∞ 0.15
11* 13.096 3.89 1.55332 71.7
12* -416.874 2.69
13* 18.13 2.86 1.58313 59.4
14* -28.374 0.15
15 45.621 0.45 2.001 29.1
16 10.131 3.91 1.437 95.1
17 -16.593 (可変)
18* -24.285 1.00 1.4971 81.6
19* 155.926 (可変)
20 ∞ 1.2 1.51633 64.1
像面 ∞
非球面データ
第11面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.55207e-005 A 6= 2.83939e-007 A 8= 5.94252e-009
A10=-2.61233e-010
第12面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.39883e-004 A 6= 7.47261e-007 A 8= 1.50929e-010
A10=-3.03968e-010
第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.23768e-005 A 6= 9.98704e-008 A8=-1.01970e-008
第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.83342e-005 A 6= 4.85065e-008 A8=-4.63934e-009
第18面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.70056e-004 A 6=-2.24833e-005 A 8= 5.66137e-007
A10=-8.75233e-009
第19面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.04851e-003 A 6=-2.00182e-005 A 8= 6.55603e-007
A10=-1.21669e-008
各種データ
ズーム比 7.00
広角 中間 望遠
焦点距離 3.00 10.59 21.00
Fナンバー 1.64 2.64 2.99
半画角 58.5 17.2 8.64
像高 3.2 3.2 3.2
レンズ全長 93.0 93.0 93.0
BF(in air) 8.08 15.34 16.46

間隔 広角 中間 望遠
d 2 0.75 27.15 30.31
d 9 46.19 12.11 1.25
d17 2.16 2.58 9.16
d19 3.69 10.96 12.07

レンズ群データ

1 153.19
2 -8.98
3 13.63
4 -42.19
[数値実施例4]
単位 mm
面番号 r d nd νd
1 65.048 2.8 1.48749 70.2
2 154.7 (可変)
3* 33.927 0.7 1.85135 40.1
4* 6.501 5.24
5 -14.091 0.6 1.88300 40.8
6 -152.777 0.15
7 37.008 1.88 1.95906 17.5
8 -51.756 (可変)
9(絞り) ∞ (可変)
10* 9.192 3.89 1.49710 81.6
11* -26.567 0.15
12 ∞ 3.07 1.49700 81.5
13 -19.136 0.15
14 16.567 0.45 2.00100 29.1
15 7.486 4.28 1.49700 81.5
16 -9.117 (可変)
17* -7.172 1.00 1.49710 81.6
18* 84.062 (可変)
19 ∞ 1.2 1.51633 64.1
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.16917e-004 A 6= 6.28636e-006 A 8=-4.99483e-008 A10= 1.67689e-010 A12=-1.49019e-013
第4面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.49011e-004 A 6=-3.01039e-006 A 8= 2.17700e-007 A10=-3.54194e-009 A12=-1.62254e-024
第10面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.31021e-004 A 6=-3.83203e-006 A 8=-1.31637e-007 A10=-4.63811e-009
第11面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.65774e-004 A 6=-2.09822e-006 A 8=-2.75269e-007 A10= 1.68873e-009
第17面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.18414e-003 A 6=-1.09583e-004 A 8= 2.05771e-006 A10= 1.19952e-007
第18面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.23101e-003 A 6=-9.50469e-005 A 8= 5.40152e-007 A10= 2.07803e-007
各種データ
ズーム比 5.84
広角 中間 望遠
焦点距離 3.20 11.21 18.68
Fナンバー 1.71 3.22 4.39
半画角 60.3 16.2 9.76
像高 3.2 3.2 3.2
レンズ全長 60.48 60.48 60.48
BF(in air) 5.199 13.817 22.374

間隔 広角 中間 望遠
d 2 1.85 14.50 9.77
d 8 21.82 5.42 1.05
d 9 4.85 0.00 0.50
d16 2.00 1.98 2.02
d18 2.76 11.38 19.94

レンズ群データ

1 227.92
2 -8.58
3 9.22
4 -13.25
Figure 0006521767
次に、本発明のズームレンズを撮像光学系として用いた監視カメラ(撮像装置)の実施例について、図9を用いて説明する。図9において、10は監視カメラ本体、11は実施例1乃至4で説明したいずれかのズームレンズによって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。13は、固体撮像素子12によって光電変換された被写体像に関する情報を記憶するメモリである。14は、メモリ13に記憶された情報を転送するためのネットワークケーブルである。
このように本発明のズームレンズを監視カメラ等の撮像装置に適用することにより、小型かつ広画角及び高ズーム比であり、高い光学性能を有する撮像装置を得ることができる。
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
SP 開口絞り
IP 像面

Claims (9)

  1. 物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群から構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
    広角端に比べて望遠端において前記第2レンズ群は像側に位置し、
    前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfwとしたとき、
    −1.75<f2/f3<−0.25
    −4.20<f2/fw<−2.30
    なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 広角端から望遠端へのズーミングに際しての前記第3レンズ群の移動量をM3としたとき、
    0.30<f3/M3<1.50
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1としたとき、
    −35.0<f1/f2<−8.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、
    −35.00<f4/fw<−3.50
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第1レンズ群は1枚の正レンズから構成され、該正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR1、像側のレンズ面の曲率半径をR2としたとき、
    −0.60<(R1−R2)/(R1+R2)<−0.05
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  6. 前記第4レンズ群の広角端における横倍率をβ4w、前記第4レンズ群の望遠端における横倍率をβ4tとしたとき、
    0.90<β4t/β4w<3.80
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 前記第2レンズ群は、正レンズと、少なくとも2枚の負レンズを有し、
    前記第2レンズ群に含まれる前記正レンズの材料のd線における屈折率をNd2p、アッベ数をνd2pとしたとき
    1.84<Nd2p<2.30
    5.0<νd2p<25.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  8. 前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配置されており
    前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の広角端における間隔をL23w、前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の望遠端における間隔をL23tとしたとき、
    3.00<L23w/L23t<22.00
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成される像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
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