JP6521175B2 - 打撃作業機 - Google Patents
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Description
本発明は、モータの回転動力で動作部材を往復動作させて打撃力を発生する、打撃作業機に関する。
モータの回転動力で動作部材を往復動作させて打撃力を発生する打撃作業機は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された打撃作業機は、ケーシングと、ケーシングに形成したモータ室と、ケーシングの内部に設けたシリンダと、シリンダ内に収容した動作部材及び打撃子と、シリンダ内に形成した圧力室と、モータのロータ軸と、ロータ軸に設けたピニオンと、ピニオンに噛み合うギヤと、ギヤに設けたクランクピンと、クランクピンと動作部材とを接続するコネクティングロッドと、を有する。
ハウジングの開口部を塞ぐインサートが設けられ、インサートにカバー板がねじ固定されている。インサートとカバー板との間に平衡室が設けられている。インサートは、ケーシングの外部と平衡室とをつなぐ貫通孔を有する。インサートは、平衡室とケーシングの内部とをつなぐ通気口を有する。さらに、ケーシングの内部に潤滑剤が存在する。
ところで、特許文献1に記載された打撃作業機では、ケーシングの内部の潤滑剤が、通気口からケーシングの外部に漏れる虞れがあった。
本発明の目的は、ケーシングの内部の潤滑剤がケーシングの外部に漏れることを抑制可能な、打撃作業機を提供することにある。
本発明は、モータの回転動力を往復動作力に変換する動力変換部と、前記動力変換部により往復動作される動作部材と、前記動作部材を支持するケーシングと、前記ケーシングの内部に設けられ、前記動作部材の動作により打撃力を発生する圧力室と、を有する打撃作業機であって、前記ケーシングの内部に設けられ、前記動作部材により前記圧力室から仕切られた空気室と、前記空気室に開口し、かつ、前記ケーシングの外部に接続された通気口と、前記通気口と前記動力変換部との間に配置され、かつ、前記ケーシングに対して振動可能であり、前記空気室に充填された潤滑剤が前記通気口を介して前記ケーシングの外部に漏れることを抑制する規制部材と、を有する。
本発明によれば、規制部材が振動するため、ケーシングの内部の潤滑剤が通気口の周囲から除去され、潤滑剤がケーシングの外部に漏れることを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。それぞれの図面においては、共通する部材には同一の符号が付されている。
図1に示す打撃作業機10はハンマドリルとも言われ、工具11が打撃作業機10に着脱される。打撃作業機10は、工具11に回転動力及び打撃力を加えることが可能である。打撃作業機10は、コンクリートや石材等を対象物として、斫り作業、穴あけ作業、破砕作業を行うことができる。
打撃作業機10はケーシング12を有し、ケーシング12は、モータケース13と、モータケース13に固定されたギヤケース40と、ギヤケース40に固定されたクランクケース18と、モータケース13が固定された接続部14と、接続部14に設けられたハンドル16と、を有する。ハンドル16にトリガ17が設けられている。また、ハンドル16に電力ケーブル77が取り付けられている。電力ケーブル77は、電源、例えば、交流電源に接続される。
クランクケース18は金属製であり、フロントケース19がクランクケース18に固定されている。シリンダ20は、クランクケース18内及びフロントケース19内に亘って配置されている。シリンダ20は、軸線A1を中心として回転可能である。また、筒形状の工具保持具21が、シリンダ20の先端に取り付けられている。
工具保持具21は、シリンダ20内からフロントケース19の外に亘って配置されている。工具保持具21はシリンダ20と一体回転し、かつ、シリンダ20から取り外すことが可能である。工具保持具21の内面にストッパ22が設けられている。ストッパ22は、工具保持具21の内面をテーパ状に傾斜したものである。工具11は工具保持具21に対して着脱可能である。ホルダ23がフロントケース19の先端に取り付けられている。
中間打撃子24が、工具保持具21内からシリンダ20内に亘って配置されている。中間打撃子24は軸線A1方向に移動可能である。環状のストッパ25がシリンダ20内に設けられている。中間打撃子24は、ストッパ22及びストッパ25により、軸線A1方向の移動範囲が規制される。打撃子26がシリンダ20内で軸線A1方向に移動可能に設けられている。打撃子26の外周面にシール部材27が取り付けられている。ピストン28がシリンダ20内で収容され、ピストン28は軸線A1方向に往復動作可能である。軸線A1方向は、ピストン28の往復動作方向である。
シリンダ20の内部で打撃子26とピストン28との間に圧力室29が設けられている。シリンダ20を径方向に貫通する呼吸孔30及び排気孔31を有する。環状のベベルギヤ32がシリンダ20の外周面に取り付けられている。ベベルギヤ32はシリンダ20と共に回転可能である。
電動モータ33がモータケース13内に設けられている。電動モータ33は、コイルが巻かれた円筒形状のステータ34と、ステータ34の内側に配置したロータ35と、を有する。出力軸36がロータ35に固定され、出力軸36及びロータ35は、軸線A2を中心として回転可能である。出力軸36は、軸受37,38により回転可能に支持されており、出力軸36の外周面に駆動ギヤ39が設けられている。ギヤケース40は、電動モータ33が配置された空間と、クランクケース18が配置された空間とを隔てる隔壁である。
クランク機構41がクランクケース18内に設けられている。クランク機構41は、電動モータ33の出力軸36の回転動力をピストン28の往復動作力に変換する、動力変換部である。クランク機構41は駆動ギヤ39に噛み合う従動ギヤ42と、従動ギヤ42が固定されたクランクシャフト43と、クランクシャフト43とピストン28とを連結するコネクティングロッド44と、を有する。クランクシャフト43は、軸受45により回転中心線A3を中心として回転可能に支持されている。クランクシャフト43に連続するクランクピン46が設けられている。クランクピン46は、回転中心線A3から偏心した位置に配置されている。クランクピン46は、クランクシャフト43が回転すると回転中心線A3の周りを公転する。回転中心線A3はクランクピン46の公転中心である。コネクティングロッド44はクランクピン46に対して回転可能に連結されている。
回転動力伝達軸47が設けられている。回転動力伝達軸47は、軸受48,49を介してギヤケース40及びクランクケース18により回転可能に支持されている。回転動力伝達軸47の回転中心線A4は、回転中心線A3と平行である。回転動力伝達軸47は、出力軸36の回転動力をベベルギヤ32に伝達する要素であり、回転動力伝達軸47にピニオンギヤ50が設けられている。ピニオンギヤ50は、ベベルギヤ32に噛み合う。さらに、従動ギヤ51が回転動力伝達軸47に固定され、従動ギヤ51は駆動ギヤ39に噛み合っている。
オイルシール52,53がクランクケース18に取り付けられている。オイルシール52は、クランクシャフト43とクランクケース18との間をシールし、オイルシール53は回転動力伝達軸47とクランクケース18との間をシールする。
クランクケース18は、図2のように円筒部18Aを有し、円筒部18Aの開口部54を塞ぐ内カバー55が設けられている。内カバー55は、金属製または合成樹脂製である。内カバー55は、回転中心線A3に対して垂直な平面視で円形である。回転中心線A3に対して垂直な平面視は、打撃作業機10の平面視でもある。円筒部18A内に空気室56が形成され、内カバー55と円筒部18Aとの接触箇所にシール部材78が介在されている。シール部材78は開口部54を気密にシールする。
内カバー55を厚さ方向に貫通する通気口57が設けられている。通気口57は、回転中心線A3に対して垂直な平面視で、回転中心線A3から偏心した位置に配置されている。通気口57は、回転中心線A3に対して垂直な平面視で軸線A1上に配置され、かつ、クランクピン46の公転範囲の外に配置されている。通気口57は、回転中心線A3に対して垂直な平面視で、クランクシャフト43とピストン28との間に配置されている。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、通気口57は、軸線A1に直交する方向におけるクランクピン46の回転中心線A5が公転する移動幅の範囲内に配置されている。
すなわち、図3のように打撃作業機10を平面視すると、通気口57は、軸線A1に直交する方向、つまり、ケーシング12の幅方向で中心寄りに配置されている。このため、打撃作業機10を長時間横置きにした場合等、軸線A1に直交する方向で空気室56内の片側にグリースが溜まった場合にも、グリースが通気口57からクランクケース18の外部にの漏れることを抑制できる。内カバー55における空気室56とは反対側にフェルト58が取り付けられている。フェルト58は通気性を有し、フェルト58は通気口57を覆っている。
クランクピン46及びコネクティングロッド44は空気室に配置されている。コネクティングロッド44は、回転中心線A3を含む側面視で内カバー55とクランクシャフト43との間に配置されている。ピストン28は、圧力室29と空気室56とを仕切っている。ピストン28の外周面にシール部材59が取り付けられ、圧力室29と空気室56とを気密に隔てている。また、オイルシール52,53は空気室56をシールし、空気室56内に潤滑剤が注入されている。潤滑剤は、ゲル状のグリースである。
空気室56に規制部材60が設けられている。規制部材60は、金属製の板ばねである。規制部材60は第1プレート部61と、第1プレート部61の外側に段部62を介して接続された第2プレート部63と、を有する。第1プレート部61を厚さ方向に貫通する支持孔64が設けられている。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、規制部材60は帯状に形成されている。回転中心線A3を含む側面視で、第1プレート部61と第2プレート部63とは、回転中心線A3方向で互いに異なる位置に配置されている。
内カバー55における空気室56側の面から、クランクシャフト43に向けて突出した支持部65が設けられている。支持部65は、回転中心線A3と同心状に配置された円柱である。支持部65が規制部材60の支持孔64に挿入され、止具66により規制部材60が支持部65に取り付けられている。支持孔64は、軸線A1の方向で規制部材60の中間位置に形成されている。規制部材60には、軸線A1方向で支持孔64及び支持部65を挟んだ両側に、第1プレート部61、段部62及び第2プレート部63がそれぞれ形成されている。軸線A1方向で、規制部材60の支持孔64及び支持部65の両側に配置した第2プレート部63は、それぞれ規制部材60の自由端となっている。規制部材60は支持部65に取り付けられた状態で支持部65を支点として振動可能である。規制部材60の回転中心線A3方向における厚さは、支持部65が内カバー55の表面から突出した量よりも小さい。規制部材60が支持部65に取り付けられた状態において、第2プレート部63は、回転中心線A3方向で、クランクシャフト43と第1プレート部61との間に配置されている。
打撃作業機10を図3のように平面視すると、通気口57の配置位置は、第2プレート部63の配置領域内にある。内カバー55における空気室56側の表面に互いに平行な2つのリブ67が設けられている。2つのリブ67は軸線A1と平行に配置されている。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、支持部65はリブ67とリブ67との間に配置されている。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、規制部材60はリブ67とリブ67との間に配置され、内カバー55に対する回動が規制されている。
次に、打撃作業機10の使用例を説明する。工具11を対象物に押し付けると、中間打撃子24がストッパ25に接触することで押し付け力の反力を受ける、工具11及び中間打撃子24が停止する。また、排気孔31は打撃子26のシール部材27により塞がれる。そして、作業者がトリガ17を操作すると、電動モータ33に電力が供給されて出力軸36が回転し、出力軸36の回転動力は、クランク機構41によりピストン28の往復動力に変換される。
ピストン28が打撃子26に近づく向きで移動すると、圧力室29の圧力が上昇して打撃力が発生して打撃子26が中間打撃子24を打撃し、その打撃力は工具11を介して対象物に伝達される。また、出力軸36の回転動力は、従動ギヤ51、回転動力伝達軸47、ピニオンギヤ50、ベベルギヤ32を介してシリンダ20に伝達される。シリンダ20の回転動力は工具保持具21を介して工具11に伝達される。なお、工具11が対象物から離れていると、排気孔31が圧力室29に通じる。このため、ピストン28が動作しても圧力室29の圧力は上昇しない。したがって、空打ちを防止できる。
空気室56に充填された潤滑剤は、軸受45、クランクピン46とコネクティングロッド44との連結箇所、コネクティングロッド44とピストン28との連結箇所、ピニオンギヤ50とベベルギヤ32との噛み合い箇所、ピストン28とシリンダ20の内周面との接触箇所を潤滑する。
クランクケース18の外部は大気圧である。そして、ピストン28が往復動作する際、空気室56と、クランクケース18の外部との間で、通気口57を介して空気の出入りがある。ピストン28が打撃子26に近づく向きで動作する際、クランクケース18の外部の空気は、通気口57を介して空気室56に吸い込まれる。ピストン28が打撃子26から離れる向きで動作する際、空気室56の空気は、通気口57を介してクランクケース18の外に排出される。
規制部材60は、回転中心線A3方向で通気口57とクランク機構41との間に配置されている。したがって、空気室56の空気が通気口57を介してクランクケース18の外部に排出される際に、空気室56の潤滑剤の移動を規制部材60が遮る。規制部材60は、特に、クランクピン46と通気口57との間に位置する。このため、規制部材60は、回転中心線A3を中心に偏心して回転するクランクピン46から飛散するグリースが、直接に通気口57へ向かうことを抑制する。したがって、潤滑剤が通気口57からクランクケース18の外部に漏れることを抑制できる。規制部材60の第2プレート部63と、内カバー55との間に、回転中心線A3方向の隙間がある。規制部材60が振動しても、規制部材60が内カバー55と接触することは無い。規制部材60は、図3のように軸線A1方向に延びる帯状に形成されている。軸線A1と直交する方向において、規制部材60と円筒部18Aとの間に空間があるため、通気口57を通る空気の流れが阻害されることは無い。通気口57は、軸線A1方向におけるシリンダ20の開口端20Aに近い位置に設けられている。このため、ピストン28がシリンダ20内で移動する際に、空気の流れが円滑になる。
また、ピストン28が軸線A1方向に往復動すること、及び打撃子26で工具11を打撃することにより、クランクケース18が振動する。クランクケース18は、例えば、軸線A1方向及び回転中心線A3方向に振動する。さらに、規制部材60の自由端である第2プレート部63は、支持部65を支点として回転中心線A3方向に振動する。このため、規制部材60に付着している潤滑剤は、規制部材60から振り落とされる。このように、通気口57の周りに潤滑剤が付着すること、または留まることを抑制できる。したがって、通気口57が潤滑剤で塞がれることを抑制できる。つまり、通気口57が空気室56の圧力を調整する機能を維持できる。
内カバー55及び規制部材60の他の構成例を、図5及び図6を参照して説明する。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、支持部65は回転中心線A3から偏心した位置にある。回転中心線A3は軸線A1方向で支持部65と通気口57との間に位置する。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、図5に示す規制部材60の外周形状は、図3に示す規制部材60の外周形状と同じである。
第2プレート部63は1箇所のみ設けられている。つまり、規制部材60は片持ち梁の状態で内カバー55に支持されている。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、支持孔64は、軸線A1方向で第2プレート部63とは反対側に配置されている。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、通気口57の位置は、第2プレート部63の配置領域内にある。図5及び図6に示す他の構成は、図2及び図3に示す他の構成と同じである。
図5及び図6に示す打撃作業機10は、クランクケース18が振動すると、規制部材60が支持部65を支点として振動する。したがって、図2及び図3に示す打撃作業機10と同じ効果を得ることができる。また、支持部65から、規制部材60の自由端である第2プレート部63までのスパンをなるべく長く設計できるため、規制部材60が回転中心線A3方向に振動する量を、なるべく大きくすることができる。
内カバー55及び円筒部18Aの他の構成例を、図7及び図8を参照して説明する。内カバー55に支持部は設けられておらず、クランクケース18の円筒部18Aに支持部68が設けられている。支持部68は、円筒部18Aの内面から回転中心線A3方向に突出しており、支持部68と円筒部18Aとの間に隙間が形成されている。支持部68は、回転中心線A3に対して垂直な平面視で、軸線A1上に配置されている。つまり、回転中心線A3は、軸線A1方向で、支持部68と通気口57との間に配置されている。
規制部材60は空気室56に配置されており、規制部材60は、固定部69と、固定部69に連続する第1プレート部61と、第1プレート部61に段部62を介して接続された第2プレート部63と、を有する。固定部69は、回転中心線A3を含む側面視で第1プレート部61に対して直角である。固定部69は、円筒部18Aと支持部68との隙間に挟まれて、規制部材60がクランクケース18に固定されている。また、内カバー55は、クランクケース18に固定される際に、規制部材60の上端である第1プレート部61と当接する。内カバー55は、規制部材60を回転中心線A3方向で上から押さえ、規制部材60が支持部68と円筒部18Aとの間から外れることを防止する、抜け止めとして作用する。これにより、規制部材60は、固定部69の上端を支点として片持ち梁の状態で、クランクケース18に支持されている。
回転中心線A3に対して垂直な平面視で、第2プレート部63の配置領域は、回転中心線A3の配置位置及び通気口57の配置領域を含む。第1プレート部61の軸線A1方向の長さは、第2プレート部63の長さよりも短い。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、段部62は、軸線A1方向で回転中心線A3と支持部68との間に位置する。
図7及び図8に示す打撃作業機10は、クランクケース18が振動すると、規制部材60が支持部68を支点として振動する。したがって、図2及び図3に示す打撃作業機10と同じ効果を得ることができる。
規制部材60及び円筒部18Aの他の構成例を、図9及び図10を参照して説明する。円筒部18Aの内面から回転中心線A3に向けて突出した支持部70,71が設けられている。支持部70,71は、回転中心線A3方向に沿って直線状に配置されている。支持部70は、図10のように、回転中心線A3に対して垂直な平面視で軸線A1上に配置されている。支持部70は円筒部18Aの内面のうち、軸線A1方向でシリンダ20から最も離れた位置に配置されている。支持部71は、円筒部18Aの円周方向で、支持部70から90度離れた位置に配置されている。
円筒部18Aを内外に貫通する通気口72が設けられている。通気口72は、図10のように、円筒部18Aの円周方向で支持部71とシリンダ20との間に配置されている。通気口72は、回転中心線A3方向で内カバー55とクランクピン46との間に配置されている。通気口72は空気室56とクランクケース18の外部とを連通する。
空気室56に規制部材73が設けられ、規制部材73は円筒部18Aに取り付けられている。規制部材73は、金属製のばねで一体成形されている。規制部材73は、第1プレート部74と、第1プレート部74に段部75を介して連続した第2プレート部76と、を有する。回転中心線A3に対して垂直な平面視で、第1プレート部74及び第2プレート部76は、図10のようにそれぞれ円弧状である。第1プレート部74の端部が支持部70に押し付けられ、段部75が支持部71に押し付けられて、規制部材73が円筒部18Aに固定されている。
回転中心線A3を中心とする径方向で、第2プレート部76は第1プレート部74よりも内側に配置されている。回転中心線A3を中心とする径方向で、第2プレート部76は通気口72の内側に配置されている。第2プレート部76は、円筒部18Aの内面に接触していない。第1プレート部74は内カバー55に接触している。第2プレート部76と内カバー55との間に、回転中心線A3方向で微小な隙間が形成されている、第2プレート部76と内カバー55とは接触していない。円筒部18Aの円周方向における第2プレート部76の配置領域は、通気口72の配置領域を含む。図9に示す内カバー55は、支持部及び通気口を備えていない。
図9及び図10に示す打撃作業機10は、クランクケース18が振動すると、規制部材73の第2プレート部76が支持部71を支点として振動する。したがって、図2及び図3に示す打撃作業機10と同じ効果を得ることができる。
本実施形態において、クランクケース18は本体であり、クランク機構41は動力変換部であり、内カバー55はカバーである。
打撃作業機は、実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、打撃作業機は、コンクリートや石材等を対象物として、斫り作業、穴あけ作業、破砕作業を行うハンマドリルの他、ハンマドライバを含む。ハンマドライバは、工具が対象物としてのねじ部材を打撃しながら回転する。打撃作業機は、工具に打撃力を加え、かつ、工具に回転動力を加えないハンマを含む。モータは、電動モータ、内燃機関、油圧モータ、空気圧モータを含む。電動モータに電力を供給する電源は、交流電源、直流電源を含む。直流電源は、ケーシングに着脱可能なバッテリを含む。潤滑剤は、固形またはゲル状のグリースを含む。
モータの回転動力を動作部材の往復動作力に変換する動力変換部は、クランク機構の他、カム機構を含む。打撃作業機は、モータの出力軸の第1軸線と、動作部材が動作する方向の第2軸線とが直角に配置される構造の他、第1軸線と第2軸線とが、互いに平行である構造を含む。
10…打撃作業機、12…ケーシング、18…クランクケース、18A…円筒部、20…シリンダ、28…ピストン、29…圧力室、33…電動モータ、41…クランク機構、43…クランクシャフト、44…コネクティングロッド、46…クランクピン、55…内カバー、56…空気室、57,72…通気口、60…規制部材、61…第1プレート部、62,75…段部、63…第2プレート部、65,68…支持部、69…固定部、A3…回転中心線
Claims (17)
- モータの回転動力を往復動作力に変換する動力変換部と、前記動力変換部により往復動作される動作部材と、前記動作部材を支持するケーシングと、前記ケーシングの内部に設けられ、前記動作部材の動作により打撃力を発生する圧力室と、を有する打撃作業機であって、前記ケーシングの内部に設けられ、前記動作部材により前記圧力室から仕切られた空気室と、前記空気室に開口し、かつ、前記ケーシングの外部に接続された通気口と、前記通気口と前記動力変換部との間に配置され、かつ、前記ケーシングに対して振動可能であり、前記空気室に充填された潤滑剤が前記通気口を介して前記ケーシングの外部に漏れることを抑制する規制部材と、を有する、打撃作業機。
- 前記動力変換部は、前記モータの回転動力で回転するクランクシャフトと、前記クランクシャフトの回転中心線から偏心して設けられたクランクピンと、前記クランクピンと前記動作部材とを連結するコネクティングロッドと、を備え、前記ケーシングにより支持され、かつ、前記動作部材を往復動作可能に支持するシリンダが設けられている、請求項1記載の打撃作業機。
- 前記規制部材は、前記ケーシングに設けた支持部に取り付けられる固定部と、前記支持部を支点として振動する自由端と、を有する、請求項2記載の打撃作業機。
- 前記規制部材は、ばね製である、請求項1乃至3の何れか1項記載の打撃作業機。
- 前記規制部材は、金属製のプレートである、請求項1乃至3の何れか1項記載の打撃作業機。
- 前記規制部材は、第1プレート部と、前記第1プレート部の厚さ方向で異なる位置に配置され、前記第1プレート部に対して厚さ方向の段部を介して接続された第2プレート部と、を有する、請求項5記載の打撃作業機。
- 前記通気口は、前記回転中心線に対して垂直な平面視で、前記動作部材の往復動作方向に対して直角な方向における前記クランクピンの公転中心の移動幅内に配置されている、請求項2または3記載の打撃作業機。
- 前記通気口は、前記動作部材の往復動作方向で前記クランクシャフトと前記動作部材との間に配置されている、請求項2記載の打撃作業機。
- 前記ケーシングは、前記クランクシャフトを囲むように配置され、かつ、前記空気室につながる開口部を有する本体と、前記開口部を塞ぐカバーと、を備え、前記コネクティングロッドは、前記回転中心線を含む平面視で前記クランクシャフトと前記カバーとの間に配置されている、請求項3記載の打撃作業機。
- 前記通気口は、前記カバーに設けられている、請求項9記載の打撃作業機。
- 前記通気口は、前記本体に設けられている、請求項9記載の打撃作業機。
- 前記支持部は、前記カバーに設けられている、請求項9記載の打撃作業機。
- 前記支持部は、前記本体に設けられている、請求項9記載の打撃作業機。
- 前記通気口は、前記回転中心線に対して垂直な平面視で、前記回転中心線から偏心した位置に配置されている、請求項9記載の打撃作業機。
- 前記支持部は、前記回転中心線に対して垂直な平面視で、前記回転中心線から偏心した位置に配置されている、請求項9記載の打撃作業機。
- 前記支持部は、前記回転中心線に対して垂直な平面視で、前記クランクピンの公転範囲の外に配置されている、請求項9または10記載の打撃作業機。
- 前記規制部材は、前記回転中心線に対して垂直な平面視で、前記クランクピンの公転範囲の外に円弧状に配置されている、請求項9または11記載の打撃作業機。
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