JP6520621B2 - Cnt構造体の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明はカーボンナノチューブ(以下、CNTともいう)の構造体(以下、CNT構造体ともいう)の製造方法および製造装置に関する。
CNTは、グラフェンからなる外側面を有するという特異的な構造を有するため、機能材料としても構造材料としても様々な分野での応用が期待されている。CNTの有する優れた特性としては、機械的強度が高く、質量が軽く、電気伝導特性が良く、耐熱性、熱伝導性などの熱特性が良く、化学的耐腐食性が高く、且つ電界電子放出特性がよいことが挙げられる。したがって、CNTを応用した機能材料や構造材料の具体的な用途として、軽量高強度ワイヤ、走査プローブ顕微鏡(SPM)の探針、電界放出ディスプレイ(FED)の冷陰極、導電性樹脂、高強度樹脂、耐腐食性樹脂、耐摩耗性樹脂、高度潤滑性樹脂、二次電池や燃料電池の電極、LSIの層間配線材料、バイオセンサーなどが考えられている。
CNT構造体は、例えば、原料としてCNTアレイを用いることにより製造される(例えば、特許文献1)。CNTの製造方法に関して、CNTの成長密度および内径を制御する密度制御方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特許文献1には、CNTアレイを紡績源部材として、CNT構造体を紡ぎ出すことによって得られる、互いに交絡した複数のCNTを備える糸やウェブが記載されている。CNT構造体の性質は、原料として用いられるCNTアレイの性質に影響する。
特許文献2には、CNTの成長密度および内径を制御することを目的として、熱化学気相蒸着法により基板上の触媒金属層を微粒化すると共に生成した触媒微粒子にCNTを成長させるにあたり、供給する原料ガスの濃度変化量を制御することが記載されている。
特開2015−63462号公報 特開2006−62924号公報
しかし、CNTアレイを構成するCNTの成長密度および内径以外にも、CNT構造体の性質に影響する因子は存在する。このため、供給する原料ガスの濃度変化量の制御のみにより、所望の性質を備えたCNT構造体を紡ぎ出し可能なCNTアレイを得ることは困難である。
糸やウェブ等のCNT構造体の電気的特性、機械的特性、光学的特性等の性質は、CNTアレイから引き出されたCNT構造体の形状により影響される。このため、所望の性質を備えた糸やウェブ等のCNT構造体を得るためには、CNTアレイから引き出されたCNT構造体の形状を調整することが有効である。
また、CNT構造体のウェブを形成する際、ウェブにしわが生じるという問題もあった。
そこで、本発明は、CNTアレイから引き出されたCNT構造体の形状を調整することにより、CNT構造体のウェブにしわが生じるという問題が生じることを防ぐと共に、所望の性質を備えたCNT構造体を製造することができるCNT構造体の製造方法および製造装置の提供を目的としている。
上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
[1]CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出しステップS1と、前記引き出しステップS1で引き出された帯状のCNT構造体における他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整ステップS2と、を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造方法。
[2]CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出しステップS1と、前記引き出しステップS1で引き出された帯状のCNT構造体における他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整ステップS2と、前記調整ステップS2においてが調整されたCNT構造体を用いて糸を形成する紡績ステップS3と、を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造方法。
[3]前記紡績ステップS3では、前記CNT構造体を用いて無撚糸を形成する上記[2]に記載のCNT構造体の製造方法。
[4]前記紡績ステップS3では、前記CNT構造体を用いて撚糸を形成する上記[2]に記載のCNT構造体の製造方法。
[5]CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出しステップS1と、前記引き出しステップS1で引き出された帯状のCNT構造体における他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整ステップS2と、前記調整ステップS2においてが調整されたCNT構造体を積層して積層体を形成する積層ステップS4と、を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造方法。
[6]CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出し部と、前記引き出し部により引き出された帯状のCNT構造体の他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整部と、を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造装置。
[7]CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出し部と、前記引き出し部により引き出された帯状のCNT構造体の他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整部と、前記調整部においてが調整されたCNT構造体を用いて糸を形成する紡績部と、を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造装置。
[8]CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出し部と、前記引き出し部により引き出された帯状のCNT構造体の他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整部と、前記調整部においてが調整されたCNT構造体を積層して積層体を形成する積層部と、を備えていることを特徴とするCNT構造
体の製造装置。
CNT構造体に荷電粒子を照射することによりCNTを帯電させ、CNT同士の反発力を用いて、非接触でCNT構造体の形状を調整することができるから、所望の性質を備えたCNT構造体を安定的に得ることが可能になる。
本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造方法を示すステップ図 本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造方法の他の実施形態を示すステップ図 本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造方法の他の実施形態を示すステップ図 本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造装置を模式的に示す(a)側面図、(b)平面図 本発明の実施形態に係る調整部を複数の備えたCNT構造体の製造装置を模式的に示す(a)側面図、(b)平面図 本発明の実施形態に係る紡績部を備えたCNT構造体の製造装置の他の実施形態を模式的に示す(a)側面図、(b)平面図 本発明の実施形態に係る積層部を備えたCNT構造体の製造装置の他の実施形態を模式的に示す側面図 本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造装置の調整部からCNT構造体に荷電粒子を照射しながらCNT構造体を製造した実施例の図面代用写真 本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造装置の調整部からCNT構造体に荷電粒子を照射しないでCNT構造体を製造した比較例の図面代用写真
以下、本発明の実施形態について説明する。
[CNT構造体の製造方法]
CNT構造体の製造方法として本発明を実施する形態について、以下に説明する。
図1は、本実施形態のCNT構造体の製造方法(以下、「製造方法」ともいう。)のステップ図である。同図に示すように、本実施形態の製造方法は、引き出しステップS1と、調整ステップS2とを備えている。
引き出しステップS1は、CNTアレイからCNT構造体を引き出すステップである。
本明細書において、「CNTアレイ」とは、複数のカーボンナノチューブの合成構造の一種であって、複数のCNTが長軸方向の少なくとも一部について一定の方向(具体的な一例として、基板が備える面の一つの法線に略平行な方向が挙げられる。)に配向するように成長してなるCNTの集合体を意味する。
また、「CNT構造体」とは、CNTアレイから複数のCNTを連続的に取り出すことによって形成される、複数のCNTが互いに交絡した構造を有する構造体をいう。
また、本明細書において、CNTアレイからCNT構造体を「引き出す」とは、CNTアレイの一部をCNTアレイから離間するように引っ張って、CNT構造体を形成することをいう。
調整ステップS2は、引き出しステップS1で引き出されたCNT構造体における他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射するステップである。荷電粒子の照射を変化させることによりCNT構造体の帯電による反発力を変化させて、CNT構造体の形状を調整することができる。
例えば、引き出しステップS1において、CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す場合、照射する荷電粒子の量を大きくすれば反発力が大きくなるから、CNT構造体の幅をひろげる効果が大きくなる。また、帯電を解消する手段を用いれば、CNT構造体の電気的な反発力を低下させて、CNTアレイから引き出された時点の幅に戻すことができる。
調整ステップS2において、CNT構造体の形状を調整することができる。CNT構造体の形状を変化させることによりCNTの密度を調整して、CNT構造体の性質を調整することができる。したがって、同じCNTアレイを原料として用いて、種々の電気的、機械的、光学的特性を備えたCNT構造体を得ることができる。また、異なるCNTアレイを原料として用いた場合であっても、所望の性質を備えたCNT構造体を安定的に得ることができる。
調整ステップS2では、荷電粒子を照射することによって、CNT構造体に接触することなくCNT構造体の形状を変化させる。このため、所定の形状に調整されたCNT構造体を直接、紡績したり積層したりすることができる。これに対して、CNT構造体との接触部から力を加えてCNT構造体の形状を変化させると、その後にCNT構造体を接触部から外す工程が必要になる。CNTアレイから引き出されたウェブ状のCNT構造体は付着性が高いことから、接触部からCNT構造体を外す工程が必要となると、紡績や積層によって得られるCNT構造体の製造効率の低下や、CNT構造体の機能低下の原因となりうる。
しかし、上述したとおり、調整ステップS2は、非接触でCNT構造体の形状を変化させた後に直接、紡績や積層等を行う。したがって、効率よく高機能のCNTを製造することができる。なお、本明細書において「ウェブ状」とは複雑に繊維の絡み合いにより形成された蜘蛛の巣状、織布状または不織布状の形状をいう。
図2は、CNT構造体の製造方法の他の実施形態を示すステップ図である。同図に示すように、本発明の製造方法は、引き出しステップS1および調整ステップS2に加えて紡績ステップS3を備えている点において、図1の製造方法と異なっている。
引き出しステップS1および調整ステップS2は、図1の説明において上述したとおりである。以下では、紡績ステップS3について説明する。
紡績ステップS3は、調整ステップS2において形状が調整されたCNT構造体を用いて糸を形成するステップである。調整ステップS2において形状が調整されたCNT構造体を用いることにより、糸の性質を調整することができる。したがって、所望の性質を備えた糸を効率よく製造できる。
また、調整ステップS2で形状が調整されたCNT構造体を用いることにより、紡績ステップS3により形成される糸の均一性を向上させることができる。例えば、引き出しステップS1において、CNT構造体がウェブ状の帯として引き出される場合、種々の要因によってCNT構造体の幅(形状)が変化することがある。このため、引き出されたCNT構造体をそのまま用いると、CNT構造体の幅や密度の変化により糸が不均一化するおそれがある。そこで、調整ステップS2において、CNT構造体の形状を変化させて、引き出しステップS1において、引き出されたCNT構造体の幅や密度の変化を打ち消すように幅を調整することによって、均質な糸を形成することが可能になる。
紡績ステップS3では、CNT構造体を用いて無撚糸を形成しても、CNT構造体を用いて撚糸を形成してもよい。CNT構造体を撚り掛けにより集束すれば撚糸が得られ、撚り掛けなしに集束すれば無撚糸が得られる。これら撚糸または無撚糸をその一部に用いてロープを作製することもできる。CNTを撚り掛けにより集束する場合、CNTアレイの側を回転させても、CNT構造体を集束した撚糸の側を回転させてもよい。
図3は、CNT構造体の製造方法の他の実施形態を示すステップ図である。同図に示すように、本発明の製造方法は、引き出しステップS1および調整ステップS2に加えて積層ステップS4を備えている点において、図1の製造方法と異なっている。
引き出しステップS1および調整ステップS2は、図1の説明において上述したとおりである。以下では、積層ステップS4について説明する。
積層ステップS4は、調整ステップS2において形状が調整されたCNT構造体を積層して積層体とするステップである。積層ステップS4では、複数のCNT構造体を積層した積層体としても、CNT構造体と他の材料とを積層した積層体としても良い。
複数のCNT構造体を積層して積層体を形成する場合、調整ステップS2では、CNT構造体の形状をそれぞれ調整する。原料として用いられる複数のCNT構造体の形状をそれぞれ調整することにより、所望の性質を備えた積層体とすることができる。
例えば、密度が同じCNT構造体を用いることが好ましい場合、密度が同じになるようにCNT構造体の形状をそれぞれ調整して積層することにより、所望の積層体が得られる。また、密度が異なるCNT構造体を用いることが好ましい場合も同様に、CNT構造体の形状をそれぞれ調整して積層することにより、所望の積層体が得られる。
CNT構造体は複数のCNTが互いに絡み合ってなる構造を有する。したがって、この絡み合った複数のCNTの間には、不織布を構成する複数の繊維と同様に、空隙が存在する。この空隙部に、粉体(金属微粒子、シリカ等の無機系粒子や、エチレン系重合体等の有機系粒子が例示される。)を導入したり、液体を含浸させたりすることによって、容易に複合構造体を形成することができる。この複合構造体を積層して、CNT構造体の積層体としてもよい。
また、CNT構造体を構成するCNTの表面は改質されていてもよい。CNTは外側面がグラフェンから構成されるため、CNT構造体はそのままでは疎水性であるが、CNT構造体を構成するCNTの表面に対して親水化処理を行うことによって、CNT構造体を親水化することができる。そのような親水化の手段の一例として、めっき処理が挙げられる。この場合には、得られたCNT交絡体は、CNTとめっき金属との複合構造体となる。この複合構造体を積層してCNT構造体の積層体としてもよい。
また、CNT構造体と他の材料とを組み合わせた積層体を形成する場合、調整ステップS2においてCNT構造体の形状を調整することにより、積層する他の材料との積層に適した形状とした上で、CNT構造体を含む積層体を形成することができる。
[CNT構造体の製造装置]
CNT構造体の製造装置として本発明を実施する形態について、以下に説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造装置を模式的に示しており、図4(a)が側面図、図4(b)が平面図である。同図に示すCNT構造体の製造装置10は、引き出し部3と調整部6とを備えている。
引き出し部3は、基板7表面に形成されたCNTアレイ1からCNT構造体2を引き出す。例えば、図4(a)に示すように、引き出されたCNT構造体2を巻き取るローラーで構成することができる。なお、図4(a)では、基板7表面と平行な方向にCNT構造体2を引き出しているが、これは一例であり、基板7表面に対して斜め方向にCNT構造体2を引き出す構成としてもよい。
調整部6は、引き出されたCNT構造体2における、引き出し部3と接触していない非接触部4に荷電粒子5を照射するものである。非接触部4に荷電粒子5を照射することにより、帯電したCNT間に電気的な反発が生じる。電気的な反発によって、図4(b)に示すように、CNT構造体2の幅d2がCNTアレイ1の幅d1よりも大きくなる。単位時間あたりの荷電粒子5の照射量を調整可能な調整部6を用いれば、照射量の調整により幅d2を変化させることができる。
引き出し部3は、幅d1よりもひろげられた幅d2とされたCNT構造体2をその状態のままで、すなわち幅d2のままで巻き取る。このため、幅d2を変化させれば、同じCNTアレイを原料として用いて、幅の異なる種々のCNT構造体2を形成することができる。
調整部6は、荷電粒子5の量を変化させることにより、幅d2が所定の大きさになるように調整したり、原料として異なるCNTアレイ1が用いられた場合に幅d2を調整して所定のCNT密度になるように調整したりすることができる。
図5は、本発明の実施形態に係る調整部を複数備えたCNT構造体の製造装置を模式的に示しており、図5(a)が側面図、図5(b)が平面図である。同図に示すCNT構造体の製造装置20は、複数の調整部6A・6Bを備えている点において、図4のCNT構造体の製造装置10と異なっている。
複数の調整部6A・6Bを備えることにより、CNT構造体2の形状をさらに円滑に調整することができる。例えば、図5(a)および図5(b)に示すように、まず、調整部6Aから荷電粒子5Aを照射することにより、CNT構造体2を幅d1から幅d2にひろげる。その後に、調整部6Bから荷電粒子5Bを照射することにより、CNT構造体2を幅d2から幅d3にひろげる。このように、CNT構造体2の形状を多段階で変化させることにより、一段階で変化させる場合よりも、円滑に形状の調整をすることができる。
調整部6A・6Bは、いずれか一方または両方を選択可能な構成としてもよい。この構成によれば、調整部6A・6Bの選択により、単位時間当たりの荷電粒子の照射量を変化させることができる。この場合、荷電粒子5A・5Bの単位時間あたりの照射量は、同じでも異なっていてもよい。単位時間あたりの照射量を同じにすると、調整部6A・6Bとして同じものを用いることができるから、製造装置20の構成が単純になる。調整部6A・6Bとして単位時間あたりの照射量が異なるものを用いれば、調整部6A・6Bの選択により照射量を変化させることができる。
なお、図5(a)および図5(b)には、調整部を2つの備えた製造装置20を示したが、調整部は3つ以上であってもよい。
図6は本発明の実施形態に係る紡績部を備えたCNT構造体の製造装置の他の実施形態を模式的に示しており、図6(a)が側面図であり、図6(b)が平面図である。同図に示すCNT構造体の製造装置30は、引き出し部3と調整部6に加えて、紡績部23を備えている構成において、図4に示すCNT構造体の製造装置10と異なっている。
紡績部23は、調整部6において形状が調整されたCNT構造体2を用いて糸24を形成するものである。糸24は、撚糸または無撚糸のいずれであっても良い。撚糸を紡績する紡績部23としては、例えば、機械的に撚り掛けを行うことによりCNT構造体2を撚糸とするものを用いることができる。無撚糸を紡績する紡績部23としては、例えば、CNT構造体2をダイスの中に通すことにより、撚り掛けを行うことなく紡績するものを用いることができる。
図7は、本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造装置の他の実施形態を模式的に示す側面図である。同図に示すCNT構造体の製造装置40は、積層部33を備えている点において図4のCNT構造体の製造装置10とは異なっている。この相違に対応して、製造装置40は、CNTアレイ1a〜1cから引き出されるCNT構造体2a〜2cのそれぞれに荷電粒子5a〜cを照射する調整部6a〜6cを備えている。
積層部33は、調整部6a〜6cにおいて形状が調整されたCNT構造体2a〜2cを積層して積層体34を形成する。図7に示すように、積層部33より積層する前に、複数の各調整部6a〜6cによって、非接触部4a〜4cに照射される荷電粒子5a〜5cを調整する。これにより、各CNT構造体2a〜2cの形状を調整して、所望の積層体34を形成することが可能となる。
図8は本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造装置の調整部からCNT構造体に荷電粒子を照射しながらCNT構造体を製造した実施例の図面代用写真である。同図に示すように、引き出し部(図示せず。同図の右側にある)により引き出されたウェブ状のCNT構造体の非接触部に荷電粒子を照射して、CNT構造体の形状を調整する調整部を備えたCNT構造体の製造装置を用いて、CNTアレイから引き出されたCNT構造体の非接触部に荷電粒子を照射して、CNT構造体の形状を調整することにより、CNT構造体の幅をひろげることができる。
図8に示した実施例では、下記部材を用いて、下記の条件の下で行った。
CNTアレイ:幅20mm、CNT高さ0.8mm
荷電粒子照射手段(イオナイザ):(株)トリンク製(TAS−311BAM)
荷電粒子(イオン)照射条件:0−100%
[比較例]
図9は、本発明の実施形態に係るCNT構造体の製造装置の調整部からCNT構造体に荷電粒子を照射しないでCNT構造体を製造した比較例の図面代用写真である。引き出し部(図示せず。同図の右側にある)により引き出されたウェブ状のCNT構造体の非接触部に荷電粒子を照射しない比較例では、CNTアレイからの距離が遠くなるに従い、引き出されたCNT構造体の幅が狭くなっている。CNT構造体の幅は、供給源であるCNTアレイの状態や引出条件等に影響されるから、均質なCNT構造体を安定的に得ることは困難である。
図8の実施例と図9の比較例との比較により、調整部から照射される荷電粒子を照射することによりCNTを帯電させ、CNT同士の反発力を用いて、非接触でCNT構造体の幅を制御できることが分かった。したがって、照射される荷電粒子の量や位置を調整することにより、CNT構造体の形状を調整して、所望の性質を備えたCNT構造体を安定的に得ることができる。
また、図8に示したように、CNT構造体のウェブの幅を拡げることによってしわが生じることを防ぎ、外観が良好なCNT構造体のウェブを得ることができた。
本発明によれば、CNT構造体の形状を調整することにより、原料であるCNTアレイや引き出し条件によるばらつきを調整し、所望のCNT構造体を安定的に得ることができるから、CNT構造体の製造方法として有用である。
1、1a〜1c CNTアレイ
2、2a〜2c CNT構造体
3 引き出し部
4、4a〜4c 非接触部
5、5A〜5B、5a〜5c 荷電粒子
6、6A〜6B、6a〜6c 調整部
7、7a〜7c 基板
10、20、30、40 CNT構造体の製造装置
23 紡績部
24 糸
33 積層部
34 積層体

Claims (8)

  1. CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出しステップS1と、
    前記引き出しステップS1で引き出された帯状のCNT構造体における他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整ステップS2と、
    を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造方法。
  2. CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出しステップS1と、
    前記引き出しステップS1で引き出された帯状のCNT構造体における他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整ステップS2と、
    前記調整ステップS2においてが調整されたCNT構造体を用いて糸を形成する紡績ステップS3と、
    を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造方法。
  3. 前記紡績ステップS3では、前記CNT構造体を用いて無撚糸を形成する請求項2に記載のCNT構造体の製造方法。
  4. 前記紡績ステップS3では、前記CNT構造体を用いて撚糸を形成する請求項2に記載のCNT構造体の製造方法。
  5. CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出しステップS1と、
    前記引き出しステップS1で引き出された帯状のCNT構造体における他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整ステップS2と、
    前記調整ステップS2においてが調整されたCNT構造体を積層して積層体を形成する積層ステップS4と、
    を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造方法。
  6. CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出し部と、
    前記引き出し部により引き出された帯状のCNT構造体の他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整部と、
    を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造装置。
  7. CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出し部と、
    前記引き出し部により引き出された帯状のCNT構造体の他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整部と、
    前記調整部においてが調整されたCNT構造体を用いて糸を形成する紡績部と、
    を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造装置。
  8. CNTアレイから帯状のCNT構造体を引き出す引き出し部と、
    前記引き出し部により引き出された帯状のCNT構造体の他の部材と接触していない非接触部に荷電粒子を照射して、帯状のCNT構造体のを調整する調整部と、
    前記調整部においてが調整されたCNT構造体を積層して積層体を形成する積層部と、を備えていることを特徴とするCNT構造体の製造装置。
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