JP6520548B2 - 加工方法及び浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エマルション型潤滑剤を用いて金属線材を加工する加工方法及びエマルション型潤滑剤の浄化装置に関する。
銅線材等の金属線材を伸線加工等する際にエマルション型潤滑剤が用いられている。
一般に、エマルション型潤滑剤は、潤滑性を向上するための油分(鉱物油、植物油)と、油分を水中に分散すると同時に加工対象物を洗浄する効果を付与する界面活性剤成分と、水との混合物である。エマルション型潤滑剤は、界面活性剤により微細な油滴が水中に分散した状態になっている。
エマルション型潤滑剤は、使用経過と共に、加工時に発生した金属粉(例えば銅粉)等の異物が液中に増加する。
エマルション型潤滑剤の液中に金属粉等の異物が増加すると、金属線材の加工表面に傷が付く等の問題が生じるため、異物を除去して清浄化した後にエマルション型潤滑剤を再使用することとしている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、第1段階として補助タンク内において沈降し易い金属スケール分を沈降、除去し、然る後第2段階としてフィルターろ過を行うことにより、微細な金属スケール分を除去する圧延潤滑油中のスケール除去方法が開示されている。
また、特許文献2には、遠心分離機にて30G以上150G以下の重力加速度で遠心分離処理することによってエマルジョン潤滑液中の不溶性蓄積不要物(20μmを超える粒子)を除去した後に伸線処理に使用するエマルジョン潤滑液として潤滑液槽に戻して伸線処理を行う金属線材伸線方法が開示されている。特許文献2に係る発明によれば、潤滑液中の水分と油分の分離を抑制することができるとされている。
また、特許文献3には、回収された使用済み潤滑油中の異物を除去する遠心分離機と、遠心分離機を通過させた潤滑油中の異物を除去する濾過装置と、を備える潤滑油清浄装置が開示されている。
特開2001−170708号公報 特開2008−142746号公報 特開2011−218426号公報
特許文献1では、微細な金属粉等の異物を除去するために、ろ過を用いているが、ろ過フィルタ(ペーパーフィルタの場合)により除去された物のおよそ70%がエマルション型潤滑剤中の油分であることが判明した。一方、界面活性剤は、ろ過フィルタを通り抜けやすい。これにより、最終的に、エマルション型潤滑剤から油分が抜け、界面活性剤成分が濃縮するという変化をしていることが分かった。
そして、エマルション型潤滑剤中に存在する油分の低下と、界面活性剤による洗浄効果の過剰により、被加工物表面の油膜厚さが低下し、潤滑性能が悪化することで、銅粉等の噛み込みやダイスとの焼き付きが生じることが、金属線材の表面に傷が発生する主原因であると本発明者らは考えた。
このように、エマルション型潤滑剤は、フィルターろ過により、潤滑剤成分が変化し、伸線等の加工性に影響を及ぼすため、エマルション型潤滑剤の定期的な交換が必要となる。
また、特許文献2では、20μmを超える粒子を除去すべく30G以上150G以下の重力加速度で遠心分離処理しているが、特許文献2で想定しているスチールワイヤの伸線加工の場合と異なり、エナメル線の元材料となる銅線材の伸線加工の場合、銅粉がダイス加工時に噛み込まれて表面に傷を形成したとしても、エナメル線の不良(例えば皮膜厚の不均一化による絶縁性能の低下)を起こさないためには、最小5μmまでの銅粉等の異物を除去する必要がある。このような微細なサイズの異物を取り除くためには、数百〜数千の重力加速度が必要となるので、潤滑液中の水分と油分の分離を抑制するための改善が必要となる。
特許文献3の構成では、大きな異物が加工工程で発生した場合、その大きな異物がそのまま遠心分離機に入り込み、フィルタが詰まるリスクが発生する。
一般に遠心分離方式のフィルタ(以下、遠心分離フィルタという)は、逆さまにした円錐形の密閉容器に対し、円錐の周に沿って螺旋状に円錐先端側に水流が発生するように高圧で液体を入れて、円錐の先端側(下側)の排出口からは比重の重い物、円錐の底面側(上側)の排出口からは比重の軽い物が出る構成になっている。そのため、寸法の大きい異物が混入すると、先端側の排出口の細いところで詰まってしまう。先端側の排出口が詰まった場合でも、通常通り底面側の排出口から潤滑剤が排出されるので、異物が除去されないまま加工機に戻ってしまう問題が発生する。
また、特許文献3の構成では、遠心分離機を通過後にろ過フィルタを通過する構成となっているため、特許文献1の場合と同様、そこで選択的に油分がフィルタ残渣として残留し、潤滑剤成分比の変化(油分のみ選択的に除去してしまう)を招いてしまう。
そこで、本発明の目的は、エマルション型潤滑剤を用いた金属線材の加工において、エマルション型潤滑剤中の異物による線材表面の傷の発生を抑制できる加工方法及びエマルション型潤滑剤中の油分と界面活性剤の配合比率を所定範囲に維持しつつエマルション型潤滑剤中の異物を除去する浄化装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の加工方法及び浄化装置を提供する。
[1]潤滑剤に使用される油分と非イオン性界面活性剤とを、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合で含有するエマルション型潤滑剤を用いて金属線材を加工する工程を有する加工方法。
[2]前記金属線材を加工する工程に使用された前記エマルション型潤滑剤は、前記油分:前記非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合を維持しつつ浄化される工程を経た後、再度、前記金属線材を加工する工程に使用される前記[1]に記載の加工方法。
[3]前記浄化される工程は、前記エマルション型潤滑剤中の異物を沈殿させて除去する沈殿工程と、前記沈殿工程後に遠心分離フィルタを用いて前記エマルション型潤滑剤から前記異物よりも小さい異物を除去する遠心分離工程とを有する前記[2]に記載の加工方法。
[4]前記金属線材は、線径8mm以下の銅材又はアルミ材からなる前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の加工方法。
[5]前記加工する工程は、伸線加工する工程である請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工方法。
[6]潤滑剤に使用される油分と非イオン性界面活性剤とを、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合で含有するエマルション型潤滑剤を用いて金属線材を加工する加工機で使用された前記エマルション型潤滑剤中に含まれる30μmよりも大きい異物を沈殿させるための沈殿槽と、前記異物を沈殿させた後の前記エマルション型潤滑剤が流入される流入槽と、前記流入槽から移送された前記エマルション型潤滑剤から前記異物よりも小さい異物を除去するための遠心分離フィルタとを備え、前記エマルション型潤滑剤が前記油分:前記非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合を維持しつつ5μm以上の大きさの前記異物を含まないように浄化される浄化装置。
[7]前記沈殿槽は、沈殿させた前記異物を外部に除去するための除去装置を備えた前記[6]に記載の浄化装置。
本発明によれば、エマルション型潤滑剤を用いた金属線材の加工において、エマルション型潤滑剤中の異物による線材表面の傷の発生を抑制できる加工方法及びエマルション型潤滑剤中の油分と界面活性剤の配合比率を所定範囲に維持しつつエマルション型潤滑剤中の異物を除去する浄化装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る浄化装置の一例を示す概略図である。
〔金属線材の加工方法〕
本発明の実施の形態に係る加工方法は、油分と非イオン性界面活性剤とを、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合で含有するエマルション型潤滑剤を用いて金属線材を加工する工程を有する。
本発明の実施の形態における加工としては、例えば伸線、圧延等が挙げられる。本発明の実施の形態に係る加工方法は、伸線加工、特に表面を洗浄して追加工(例えばエナメル塗装)することを伴う、ダイスを使用した伸線加工に好適である。
金属線材は、特に限定されるものではないが、銅材又はアルミ材からなるものが好ましい。銅材は、純銅であっても銅合金であってもよい。アルミ材についても同様である。
加工前の金属線材の線径は、8mm以下であることが好ましく、6.5mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましく、3mm以下であることが最も好ましい。上記線径の金属線材をおよそ0.5〜1.5mm程度となるまで加工して金属線とする。例えば、伸線加工では、線径が約2.6mmの銅線材を複数個(例えば4〜6個)のダイスを通して約1mm前後の銅線に仕上げる。
本発明の実施の形態に係る加工方法で使用される潤滑剤は、油分と非イオン性界面活性剤とを、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合で含有するエマルション型潤滑剤である。当該エマルション型潤滑剤を使用することにより、加工中に生じた銅粉等の異物がエマルション型潤滑剤中に存在していても、線材表面の傷の発生を抑制できる。
油分と非イオン性界面活性剤の含有割合(質量比)は、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.4〜0.8であることが好ましく、1:0.45〜0.75であることがより好ましく、1:0.5〜0.7であることがさらに好ましい。
油分と水分の含有割合(質量比)は、例えば、油分:水分=40〜1:60〜99にすることが好ましい。エマルション型潤滑剤は、水中油型(oil in water型)であることが好ましい。
使用可能な油分としては、潤滑剤に使用できるものであればよく、例えば、鉱物油や植物油が挙げられる。
使用可能な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。好適な非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを挙げることができる。
油分と非イオン性界面活性剤を上記割合で含有するエマルション型潤滑剤は、上記割合となるように油分と非イオン性界面活性剤を秤量して水に混合して調製してもよいし、含有割合の異なる2種以上のエマルション型潤滑剤を上記割合となるような割合で混合して作製してもよい。非イオン性界面活性剤により油分を水分に乳化する方法は、通常の方法により行なうことができる。
加工処理を進めていくと、次第に、エマルション型潤滑剤中の異物(銅粉等の金属粉)が増加してくるため、これを除去することが望ましい。
したがって、本発明の実施の形態に係る加工方法においては、金属線材を加工する工程に使用されたエマルション型潤滑剤は、望ましくは、浄化される工程を経た後、再度、金属線材を加工する工程に使用される。
浄化される工程においては、エマルション型潤滑剤は、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合を維持したまま浄化される必要がある。浄化工程により油分と非イオン性界面活性剤の割合が上記範囲外になってしまった場合、油分又は油分比率の高いエマルション型潤滑剤を添加して上記範囲内に戻すことも可能であるが、混合作業が必要となるため、追加添加することなく、上記範囲を維持できる方法で浄化することが望ましい。
上記範囲を維持できる方法としては、例えば、エマルション型潤滑剤中の異物(例えば30μmより大きな異物)を沈殿させて除去する沈殿工程と、沈殿工程後に遠心分離フィルタを用いてエマルション型潤滑剤から沈殿工程で除去した異物よりも小さい異物(例えば5μm以上30μm以下の異物)を除去する遠心分離工程とを有する浄化工程が挙げられる。当該浄化工程は、例えば、後述する浄化装置により行なうことができる。
遠心分離処理は、一般に比重の大きいものを除去する特徴がある。水分と油分の場合、水分の方が重いため、円錐の先端側(下側)の排出口から排出されるのは、多くの異物と少量の水分となる。そのため、数百〜数千の大きな重力加速度により、5μmまでの微細な異物を除去しても、油分が選択的に除去されることはなく、伸線等の加工時における潤滑性は保たれる。
これに対し、透過型のフィルタ(ろ過方式)の場合は、水分は通過しやすいが、油分等はフィルタ上に残渣として残りやすい。フィルタ上に残留した成分を分析した結果、前述の通り、約70%が油分であることが分かった。十分な異物除去能力は得られているが、それ以上に油分を潤滑剤中から除去する現象を伴うので、長期的に運用した場合、潤滑剤内の油分が低下し、界面活性剤成分が割合として増え、その結果、被加工物の銅線材表面上の油膜が保てず、異物の巻き込み、ダイスとの焼き付き等の不具合が発生しやすくなる。
なお、本発明の実施の形態に係る上記エマルション型潤滑剤を使用しているため、数百〜数千の重力加速度の遠心分離を行なっても油分と水分とが分離しにくい。
本発明では、上記した本発明の実施形態に係る加工方法によって得られた金属線を焼鈍する工程と、焼鈍された金属線の周囲に絶縁層を形成する工程と、を経て絶縁電線を製造することができる。特に、絶縁層を形成する工程では、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂などが有機溶剤に溶解してなる絶縁塗料を金属線の周囲に塗布し、塗布した絶縁塗料を硬化させる工程を繰り返すことによって所望の厚さの絶縁層を形成する方法、熱可塑性樹脂などの樹脂組成物を押出機で金属線の周囲に押出すことによって所望の厚さの絶縁層を形成する方法などを適用することができる。この方法によって得られた絶縁電線では、金属線の表面に傷が少ないため、金属線の表面の傷に起因して絶縁層に発生する粒や絶縁層の厚さが不均一になることを低減した絶縁電線とすることができる。
〔浄化装置〕
本発明の実施の形態に係るエマルション型潤滑剤の浄化装置は、金属線材を加工する加工機で使用されたエマルション型潤滑剤中の異物を沈殿させるための沈殿槽と、前記異物を沈殿させた後の前記エマルション型潤滑剤が流入される流入槽と、前記流入槽から移送された前記エマルション型潤滑剤から前記異物よりも小さい異物を除去するための遠心分離フィルタとを備える。
図1は、本発明の実施の形態に係る浄化装置の一例を示す概略図である。
図1に示される本発明の実施の形態に係る浄化装置20は、伸線機10で銅線材1の伸線加工に使用されたエマルション型潤滑剤2中の異物である大きな銅粉3(例えば30μmより大)を沈殿させるための沈殿槽21と、銅粉3を沈殿させた後のエマルション型潤滑剤2が流入される流入槽23と、流入槽23から移送されたエマルション型潤滑剤3から沈殿槽21で沈殿させた銅粉3よりも小さい銅粉3(例えば5μm以上30μm以下)を除去するための遠心分離フィルタ24とを備える。
沈殿槽21は、沈殿させた銅粉3を外部に除去するための除去装置を備えることが好ましい。除去装置の具体的な構成例としては、例えばベルトコンベア式の除去装置が挙げられ、図1に示すように、沈殿槽21の底部にベルトコンベア22が設置される。外部への排出口は、2重扉構造等により、潤滑剤2が漏れ出ないようにされている。なお、ベルトコンベアの排出口よりも下に沈殿槽21内の浴面がくるようにすれば漏れ出ないようにするための特別な構造は必要ない。
沈殿槽21は、次工程の遠心分離機(遠心分離フィルタ24)の性能を鑑み、例えばおよそ30μmよりも大きな銅粉3は沈殿するように構成される。具体的には、伸線機10からの潤滑剤2による水流で、沈殿した銅粉3が舞い上がったとしてもオーバーフローする高さまで到達しないように、沈殿槽21を十分深く構成し、また、沈殿槽21の底に沈殿した銅粉3を定期的もしくは連続的にベルトコンベア22で沈殿槽21の外部に排出する構成とする。
遠心分離フィルタ24は、例えば最小5μmまでの異物を除去する能力を有するものを使用する。微小な銅粉3を除去する手段は、遠心分離フィルタ24に限られず、カートリッジ式のフィルタを用いたろ過装置等を使用することもできる。
浄化装置20を用いてエマルション型潤滑剤2を浄化する工程の経路を以下に説明する。
伸線機10で銅線材1の伸線加工に使用されたエマルション型潤滑剤2は、移送管25を介して沈殿槽21に移送される。沈殿槽21内に暫く貯留している間にエマルション型潤滑剤2中の大きな銅粉3が沈殿する。沈殿した銅粉3は、ベルトコンベア22で沈殿槽21の外部に排出される。
大きな銅粉3が沈殿した上澄み部分の潤滑剤2は、オーバーフローにより隣接する流入槽23に送られ、そこから移送管25を介して遠心分離フィルタ24に供給される。
遠心分離フィルタ24は、サイズの大きい異物が混入した場合、異物除去配管に詰まる不具合が発生しやすいため、遠心分離フィルタ24の前に大きな異物を取り除いておく必要がある。これにより、遠心分離フィルタ24の詰まりを防止できる。
遠心分離フィルタ24で微小な銅粉3が除去された潤滑剤2は、移送管25を介して伸線機10に戻される。
本発明の実施の形態に係る浄化装置によれば、潤滑剤中の油分が選択的に大量に除去されることを抑制できるため、エマルション型潤滑剤中の油分と界面活性剤の配合比率を前述の所定範囲に維持しつつエマルション型潤滑剤中の異物を除去することが長期間にわたってできる。このため、潤滑剤の定期交換サイクルを長くすることが出来る。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって、いかなる制限を受けるものではない。
〔実施例及び比較例〕
図1に示す浄化装置を実施例として準備した。また、前述の特許文献1:特開2001−170708号公報に記載の構成(ペーパーフィルタを使用)の浄化装置を比較例として準備した。浄化装置は、伸線機が運転中は、常時、稼働させており、500L/分の速さで潤滑剤を循環させた。
エマルション型潤滑剤は、非イオン性界面活性剤/油分の成分比(質量比)が異なる複数種類の市販の潤滑剤を混合することにより非イオン性界面活性剤/油分の成分比(質量比)が0.2になるように調合した。成分比(質量比)は、NMR(核磁気共鳴法)による有機成分分析結果から求めた。
実施例の浄化装置において、沈殿槽21の底に沈殿した銅粉3は、ベルトコンベア22により、1日1回排出するようにした。また、沈殿槽21と流入槽23の間の仕切り壁は、仕切り壁近くの沈殿した銅粉3が舞い上がっても、30μm程度を超える大きさの銅粉がオーバーフロー部分に到達しないような高さとした(ここでは1m)。遠心分離フィルタ24では、重力加速度およそ1500Gで、5μmまでの微細な銅粉3を除去した。
伸線機は、φ1.3の銅線材をダイス4パス経由してφ0.8の銅線とする装置を用いた。
伸線機に渦流探傷機を設置し、伸線前のφ1.3の銅線材及び伸線後のφ0.8の銅線それぞれについて表面の傷をカウントした。具体的には、伸線前のφ1.3の銅線材で傷を検出し、伸線後のφ0.8の銅線で同位置の傷を検出した場合は、伸線機起因ではないとしてカウントしなかった。一方、伸線前のφ1.3の銅線材で傷を検出していないのに、伸線後のφ0.8の銅線で同位置の傷を検出した場合は、伸線機起因であるとしてカウントした。銅線5000mあたりの傷の数をカウントした。傷発生、すなわち不良発生の頻度が、3.5個以下/5000mを合格基準とした。結果を表1に示す。
また、エマルション型潤滑剤中の非イオン性界面活性剤/油分の成分比(質量比)をNMR(核磁気共鳴法)による有機成分分析結果から求めた。結果を表1に示す。
傷のカウント及び成分比の算出は、実施例については、未使用新品のエマルション型潤滑剤に交換した直後、慣らし運転を48時間行った直後、慣らし運転後6ヶ月及び1年間伸線機及び浄化装置を通常運転した後に行ない、比較例については、慣らし運転後6ヶ月伸線機及び浄化装置を通常運転した後のみ、行なった。慣らし運転後に、成分比(質量比)が急激に上昇しているのは、交換時に少し残しておいた旧液や配管残留分と混合されるためである。なお、慣らし運転とは、銅線材を止めたまま伸線加工は行なうことなく伸線機及び浄化装置を運転し、潤滑剤を循環させて攪拌することをいう。
Figure 0006520548
上記同様の試験を非イオン性界面活性剤/油分の成分比(質量比)0.55、含有銅粉量238mg/Lのエマルション型潤滑剤を使用して行なったところ、不良発生(傷発生)頻度は、1.5個/5000mであった。一方、表1中の比較例(6ヶ月の通常運転後)のエマルション型潤滑剤中の含有銅粉量は119mg/Lであった。これより、潤滑剤中の銅粉量よりも、潤滑剤の非イオン性界面活性剤/油分の成分比(質量比)の方が不良発生頻度への影響が大きいことが分かる。
なお、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず種々に変形実施が可能である。
1:銅線材、1A:銅線、2:エマルション型潤滑剤、3:銅粉
10:伸線機、20:浄化装置
21:沈殿槽、22:ベルトコンベア、23:流入槽
24:遠心分離フィルタ、25:移送管

Claims (7)

  1. 潤滑剤に使用される油分と非イオン性界面活性剤とを、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合で含有するエマルション型潤滑剤を用いて金属線材を加工する工程を有する加工方法。
  2. 前記金属線材を加工する工程に使用された前記エマルション型潤滑剤は、前記油分:前記非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合を維持しつつ浄化される工程を経た後、再度、前記金属線材を加工する工程に使用される請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記浄化される工程は、前記エマルション型潤滑剤中の異物を沈殿させて除去する沈殿工程と、前記沈殿工程後に遠心分離フィルタを用いて前記エマルション型潤滑剤から前記異物よりも小さい異物を除去する遠心分離工程とを有する請求項2に記載の加工方法。
  4. 前記金属線材は、線径8mm以下の銅材又はアルミ材からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工方法。
  5. 前記加工する工程は、伸線加工する工程である請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工方法。
  6. 潤滑剤に使用される油分と非イオン性界面活性剤とを、油分:非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合で含有するエマルション型潤滑剤を用いて金属線材を加工する加工機で使用された前記エマルション型潤滑剤中に含まれる30μmよりも大きい異物を沈殿させるための沈殿槽と、前記異物を沈殿させた後の前記エマルション型潤滑剤が流入される流入槽と、前記流入槽から移送された前記エマルション型潤滑剤から前記異物よりも小さい異物を除去するための遠心分離フィルタとを備え、前記エマルション型潤滑剤が前記油分:前記非イオン性界面活性剤=1:0.3〜0.9(質量比)の割合を維持しつつ5μm以上の大きさの前記異物を含まないように浄化される浄化装置。
  7. 前記沈殿槽は、沈殿させた前記異物を外部に除去するための除去装置を備えた請求項6に記載の浄化装置。
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