JP6520510B2 - 情報処理装置及び情報処理プログラム - Google Patents
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Description
現状の質的監査は、「研修医とその指導医」、「医師とその医師の上級医」のように、同じ専門分野の医師が行う体制となっているが、併発疾患を伴うようなケースの場合、質的監査を行う複数の医師が同じ専門分野であるが故に、担当医師の知見外の重要な指摘が漏れるケースが発生していた。
本発明は、併発可能性の高い関連疾患がある場合に、その関連疾患を専門とする他科の医師を診療記録レビュワーとして推薦することにより、質的監査を支援するようにした情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
<<第1の実施の形態>>
図1は、第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
前述したように、医療機関では、診療記録に対し量的監査と質的監査を行っている。また、その監査も外部機関が行う外部監査と内部で日常的に実施する内部監査がある。情報処理装置100は、主に、質的監査を医療機関内部で実施するときに利用されるものである。
(1)量的監査は、主に診療情報管理士が実施するものである。そして、確認内容として、必要な書類は必要な時期に作成、登録されているか、患者に同意を得た書類が登録されているか等がある。
(2)質的監査は、診療の内容に対する確認であり、専門性が高いため、主に医師が行うものである。確認内容として、検査した裏付けは記載されているか、処方した薬を選択した理由(疾患名)は記載されているか、診断を下すのに、十分な検討が行われたか等がある。
また、疾患抽出モジュール110は、診療記録テーブル400を用いて監査対象となっている文書から疾患名を抽出し、その疾患名から疾患テーブル600を用いて疾患(疾患ID欄605)を抽出するようにしてもよい。
また、レビュワー決定モジュール130は、文書作成者以外の医師であって、併発疾患を専門とする医師、の条件の両方を満たす医師を、診療記録レビュワーとして推薦するようにしてもよい。また、対象となっている疾患と併発疾患に対応できる医師を、診療記録レビュワーとして推薦するようにしてもよい。
また、レビュワー決定モジュール130は、診療記録レビュワーとして、経験値の高い医師から順に推薦するようにしてもよい。
また、レビュワー決定モジュール130は、診療記録レビュワーとして複数の候補医師を表示し、その中から選択させるようにしてもよい。
情報処理装置100、ユーザー端末210A、ユーザー端末210B、ユーザー端末210Cは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、情報処理装置100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。ユーザー端末210は、主に医師等の医療関係者によって操作される。例えば、ユーザー端末210を用いて作成された診療記録に対して、質的監査の支援として、診療記録レビュワーが推薦される。
ステップS302では、未レビュー記録抽出モジュール140は、診療記録のレビュー実施状況記憶モジュール190からレビュワー未決定の診療記録(診療記録レビュワーが決定していない文書)を抽出する。
ステップS304では、疾患抽出モジュール110は、ステップS302で抽出された診療記録における疾患を、診療記録情報記憶モジュール150から抽出する。
ステップS306では、併発症決定モジュール120は、ステップS304で抽出された疾患に対応する併発症を、併発疾患情報記憶モジュール170から検索する。
ステップS308では、レビュワー決定モジュール130は、医師の専門疾患記憶モジュール180を用いて、ステップS306で抽出された併発症に対する診療記録レビュワーを決定する。
診療記録テーブル400から、この患者(PAT00001)に診療記録として、3文書(DOC00001、DOC00002、DOC00003)が登録されているが、監査対象(監査対象欄425で「YES」)は2つ(DOC00001、DOC00002)である。
監査対象である文書内の記載、又は患者・疾患対応テーブル500から、その文書における患者の病名を「糖尿病」と抽出する。
そして、診療記録レビューが必要と決定されたものに対して、診療記録レビュワーを推薦する。例えば、次の条件を全て満たす医師を抽出するようにしてもよい。つまり、「(条件1−1)AND(条件1−2)AND(条件1−3)」の検索式を用いる。
条件1−1:文書作成者以外の医師
条件1−2:併発疾患を専門とする医師
条件1−3:(条件1−1)AND(条件1−2)を満たす候補医師のうち、もっとも経験値(医師の専門疾患テーブル900の経験値欄925)の高い医師
また、(条件1−1)AND(条件1−2)を満たす候補医師を提示して、ユーザーに選択させるようにしてもよい。
また、条件1−1として、文書作成者以外であって、文書作成者が属している担当科とは異なる科に属している医師としてもよい。上下関係がない医師を選択できるようにしたものである。
また、文書の診療記録レビュワーを、疾患名と医師の経験値を基準(前述の条件1−3)として決定するために、医師の専門疾患テーブル900を用いる。なお、経験値(経験値欄925)は、勤務年数、資格取得からの年数等をもとに予め設定したものである。
図10は、第2の実施の形態である情報処理装置1000の構成例についての概念的なモジュール構成図である。情報処理装置1000は、過去のレビューの実績を用いて、診療記録レビュワーを決定するものである。情報処理装置1000は、疾患抽出モジュール110、併発症決定モジュール120、レビュワー決定モジュール130、未レビュー記録抽出モジュール140、診療記録情報記憶モジュール150、疾患情報記憶モジュール160、併発疾患情報記憶モジュール170、医師の専門疾患記憶モジュール1080、診療記録のレビュー実施状況記憶モジュール1090、指摘率算出モジュール1050を有している。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
疾患抽出モジュール110は、併発症決定モジュール120、診療記録情報記憶モジュール150、疾患情報記憶モジュール160と接続されている。
併発症決定モジュール120は、疾患抽出モジュール110、レビュワー決定モジュール130、併発疾患情報記憶モジュール170と接続されている。
レビュワー決定モジュール130は、併発症決定モジュール120、未レビュー記録抽出モジュール140、医師の専門疾患記憶モジュール1080、診療記録のレビュー実施状況記憶モジュール1090と接続されている。
未レビュー記録抽出モジュール140は、レビュワー決定モジュール130、診療記録のレビュー実施状況記憶モジュール1090と接続されている。
診療記録情報記憶モジュール150は、疾患抽出モジュール110と接続されている。
疾患情報記憶モジュール160は、疾患抽出モジュール110と接続されている。
併発疾患情報記憶モジュール170は、併発症決定モジュール120と接続されている。
そして、レビュワー決定モジュール130は、指摘率算出モジュール1050による評価結果に応じて、診療記録レビュワーとして推薦する医師を決定する。具体的には、医師の専門疾患テーブル1300のレビュー文書数欄1330、指摘件数欄1335、指摘率欄1345又は重要指摘率欄1350の値が、予め定められた閾値よりも高い医師を複数選択するようにしてもよいし、その値を降順にソートし、予め定められた順位以内である医師を複数選択するようにしてもよい。
ステップS1102では、未レビュー記録抽出モジュール140は、レビュワー未決定の診療記録を抽出する。
ステップS1104では、疾患抽出モジュール110は、診療記録情報記憶モジュール150から疾患を抽出する。
ステップS1106では、併発症決定モジュール120は、併発症を検索する。
ステップS1108では、指摘率算出モジュール1050が、指摘率/重要指摘率を計算する。
ステップS1110では、レビュワー決定モジュール130は、ステップS1108で計算された指摘率/重要指摘率を用いて、レビュワーを決定する。
・決定方法(1)「(条件2−1)AND(条件2−2)AND(条件2−3)」の検索式を用いる。
条件2−1:文書作成者以外の医師
条件2−2:併発疾患を専門とする医師
条件2−3:(条件2−1)AND(条件2−2)を満たす候補医師のうち、もっとも指摘件数(医師の専門疾患テーブル1300の指摘件数欄1335)の多い医師
・決定方法(2)
(条件2−1)AND(条件2−2)を満たす候補医師のうち、もっとも指摘率(医師の専門疾患テーブル1300の指摘率欄1345)の高い医師。
・決定方法(3)
(条件2−1)AND(条件2−2)を満たす候補医師のうち、もっとも重要指摘率(医師の専門疾患テーブル1300の重要指摘率欄1350)の高い医師。
・決定方法(4)
(条件2−1)AND(条件2−2)を満たす候補の医師と、医師のレビュー文書数(医師の専門疾患テーブル1300のレビュー文書数欄1330)、指摘件数(医師の専門疾患テーブル1300の指摘件数欄1335)、重要指摘件数(医師の専門疾患テーブル1300の重要指摘件数欄1340)、指摘率(医師の専門疾患テーブル1300の指摘率欄1345)、重要指摘率(医師の専門疾患テーブル1300の重要指摘率欄1350)のうち1つ以上を表示して、ユーザーに選択させる。
・決定方法(5)
(条件2−1)AND(条件2−2)を満たす候補医師のうち、もっともレビュー文書数(医師の専門疾患テーブル1300のレビュー文書数欄1330)の多い医師。
・決定方法(6)
(条件2−1)AND(条件2−2)を満たす候補医師のうち、もっとも重要指摘件数(医師の専門疾患テーブル1300の重要指摘件数欄1340)の多い医師。
これらの決定方法では、「もっとも高い」、「もっとも多い」としているが、前述したように、予め定められた閾値よりも高い医師を複数選択するようにしてもよいし、その値を降順にソートし、予め定められた順位以内である医師を複数選択するようにしてもよい。
なお、図14に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図14に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図14に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
110…疾患抽出モジュール
120…併発症決定モジュール
130…レビュワー決定モジュール
140…未レビュー記録抽出モジュール
150…診療記録情報記憶モジュール
160…疾患情報記憶モジュール
170…併発疾患情報記憶モジュール
180…医師の専門疾患記憶モジュール
190…診療記録のレビュー実施状況記憶モジュール
210…ユーザー端末
290…通信回線
1000…情報処理装置
1050…指摘率算出モジュール
1080…医師の専門疾患記憶モジュール
1090…診療記録のレビュー実施状況記憶モジュール
Claims (7)
- 患者の診療記録を記憶する、診療記録記憶手段と、
前記診療記録から、当該患者の疾患名を抽出する、疾患抽出手段と、
前記抽出された疾患と関連付けられた、併発疾患情報を記憶する、併発疾患情報記憶手段と、
医師と、当該医師が専門とする疾患名を関連付けて記憶する、専門疾患記憶手段と、
前記抽出された疾患に関連付けられた併発疾患を専門とする医師を、前記患者の診療記録レビュワーとして推薦する、レビュワー推薦手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 前記レビュワー推薦手段は、前記診療記録に関する文書の作成者以外の医師であって、併発疾患を専門とする医師、の条件の両方を満たす医師を、診療記録レビュワーとして推薦する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - さらに、前記レビュワー推薦手段は、診療記録レビュワーとして、経験値の高い医師から順に推薦する、
請求項2に記載の情報処理装置。 - 医師の指摘率の高さを評価する評価手段
をさらに有し、
当該評価手段による評価結果に応じて、診療記録レビュワーとして推薦する医師を決定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記診療記録レビュワーとして複数の候補医師を表示し、その中から選択させる選択手段
をさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 診療記録レビュワーによる指摘の種類と、当該指摘に対する対応の必要性を記憶する、記憶手段
をさらに有し、
さらに、前記記憶手段は、文書作成者によるレビュワーの指摘の検討結果を記憶する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - コンピュータを、
患者の診療記録を記憶する、診療記録記憶手段と、
前記診療記録から、当該患者の疾患名を抽出する、疾患抽出手段と、
前記抽出された疾患と関連付けられた、併発疾患情報を記憶する、併発疾患情報記憶手段と、
医師と、当該医師が専門とする疾患名を関連付けて記憶する、専門疾患記憶手段と、
前記抽出された疾患に関連付けられた併発疾患を専門とする医師を、前記患者の診療記録レビュワーとして推薦する、レビュワー推薦手段
として機能させるための情報処理プログラム。
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