JP6518497B2 - 車両の視線誘導装置 - Google Patents
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Description
このため、たとえば安全性についていえば、運転中に周囲を確認するための目線の使い方が解っていない初心者であっても、上級者と同様に、必要な車外の安全確認を適切に実施することが求められる。また、疲れた状態で運転するバスの乗務員においても、疲れていない一般的な乗員と同様に、必要な安全確認を実施することが求められる。また、乗員が車外を確認しようとしても、大雨などにより周囲が見え難くなり、十分な確認ができない状況も想定し得る。このよう悪天候の状況でも、乗員には必要な安全確認を実施することが求められる。すなわち、運転中の目線の使い方が解っていない初心者であっても、夜の大雨などの悪天候の際に、必要な安全確認を実施して、状況に応じた適切で安全な運転をし続けることが求められる。
特に、予想進路の右縁および左縁と重ねて一対の走行基準マークを表示させているので、乗員の目線は、一点に集中し難くなり、予想進路の方向を全体的に観察し易くなる。予想進路上のみならず、予想進路の左右についても確認し易くなる。
これに対して、仮にたとえば予想進路上に1つの走行基準マークを表示させた場合、乗員の目線は、その一点に集中し易くなる。その結果、一点の走行基準マークにより乗員の視線を誘導できたとしても、その一点のみに意識が集中してしまい、予想進路の方向を全体的に観察し難くなる。特に、一点の走行基準マークから微妙に離れた周囲である予想進路の左右の安全性について確認し難くなる。本発明では、このようなミスリードを生じ難い。
第1実施形態では、フロントガラス8に、乗員Mの視線を誘導するための一対の走行基準マークを表示する例について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1の説明図である。自動車1は、車両の一例である。図1は、自動車1を上から見た図である。
図1の自動車1は、車体2を有する。車体2は、エンジン等が配置される前室3、乗員Mが乗車する乗員室4、荷物等を入れる後室5、を有する。
乗員室4には、乗員Mが着座する複数のシート6が前後二列に配置されている。前側のシート6の前には、左右方向に延在するダッシュボード7が配置される。ダッシュボード7の上側には、フロントガラス8が配置される。フロントガラス8は、乗員室4に乗車した乗員Mが車外を視認するために透視可能な透明または半透明の部材である。
乗員Mは、乗員室4に乗車し、シート6に着座する。走行中の乗員Mは、シートベルト9によりシート6に拘束される。
フロントガラス8の上部には、車体2の後を確認するためのルームミラー10が配置される。前列のシート6の左方向および右方向には、乗員室4の外に、サイドミラー11が配置される。乗員Mは、フロントガラス8などを通じて自動車1の前方の周囲を確認するほかに、ルームミラー10やサイドミラー11を用いて自動車1の後方の周囲を確認することができる。
自動車1を運転する乗員Mのシート6の周囲には、ハンドル12、ブレーキペダル13、アクセルペダル14、シフトレバー15といった操作部材が配置される。シート6に着座した乗員Mは、操作部材を操作し、自動車1を走行させる。
しかしながら、自動車1は、依然、乗員Mによる操作に基づいて走行している。乗員Mは、走行中に、フロントガラス8などの車窓から車外の安全等を確認し、確認した車外の状況を判断し、それに応じて自動車1を操作する。この場合、自動車1の走行安定性や安全性は、基本的に乗員Mの運転能力により決まる。乗員Mは、状況に応じて、車体2の前方、斜め前方、左右、後方、斜め後方などを適宜確認するように目線を切り替えるように動かしたり、視線を一定方向に安定的に維持したりしながら、運転する。
また、疲れた状態で運転するバスの乗務員においても、疲れていない一般的な乗員Mと同様に、必要な安全確認を実施することが求められる。
また、乗員Mが車外を確認しようとしても、大雨などにより周囲が見え難くなり、十分な確認ができない状況も想定し得る。このよう悪天候の状況でも、乗員Mには必要な安全確認を実施することが求められる。
このように
、運転中の目線の使い方が解っていない初心者であっても、夜の大雨などの悪天候の際に、必要な安全確認を適切に実施し、状況に応じた安全な運転をし続けることが求められる。
たとえば、曲がった道路にそってコーナリングをする場合、まずコーナ進入時に進路の外縁のブレーキポイントへ車体2を寄せたい。そのため、本表示方法を利用して、自然に車体2をブレーキポイント外側に寄るように仕向ける。クリッピングポイントへ本表示方法で車体2を誘導させる。それと同時に、より遠くへ視線を誘導することで、車体挙動を安定させて円弧を描くことができる。このような目線で乗員Mが自動車1を運転することにより、自動車1は、コーナの後半が安定、および回避行動がとり易いアウトインインのラインをトレースできる。車体2が安定した状態でスムースにコーナを通過し得る。その結果、自動車1の走行安定性だけでなく、走行の安全性も向上し得る。
このように自動車1では、案内経路の情報を提示したり、緊急時の運転を支援したりするだけでなく、乗員Mの運転そのものを支援することが潜在的に求められている。
図2の視線誘導システム20は、フロントカメラ21、リアカメラ22、車内カメラ23、走行支援装置24、ECU(EngineControlUnit)25、GPS(GlobalPositioningSystem)受信機26、ナビゲーション装置27、無線通信部28、マイクロコンピュータ29、プロジェクタ30、を有する。マイクロコンピュータ29には、表示制御部31が実現される。
また、走行支援装置24は、車体2の周囲のリスクを示す移動体情報とともに、フロントカメラ21やリアカメラ22の撮像画像のデータを、マイクロコンピュータ29の表示制御部31へ出力する。フロントカメラ21やリアカメラ22の撮像画像は、車内から乗員Mが視認する風景についての車窓風景の画像として用いることが可能である。
また、ナビゲーション装置27は、地図データ、道路データ、地形データ、案内経路データを、マイクロコンピュータ29の表示制御部31へ出力する。地図データ、道路データ、地形データ、案内経路データは、車内から乗員Mが視認する車窓風景についての風景情報として用いることが可能である。
表示制御部31は、これらの接続機器からマイクロコンピュータ29へ入力される情報を用いて、乗員Mの注意を喚起するように乗員Mの視線を誘導するための映像をプロジェクタ30へ出力する。これにより、車体2に乗車した乗員Mが車外を視認するために透視可能なフロントガラス8には、乗員Mの視線を誘導するための映像が表示される。表示制御部31は、たとえば後述するように、車外の風景情報に基づいて車体2の通過が予想される予想進路を乗員Mが視認する際に視線が通過するフロントガラス8上の透視座標および該予想進路の右縁および左縁が透視される透視座標を特定し、予想進路の右縁および左縁と重なる一対の走行基準マークをフロントガラス8に表示させる。
なお、マイクロコンピュータ29には、表示制御部31とともにたとえば走行支援装置24としての機能、ECU25としての機能、ナビゲーション装置27としての機能、無線通信部28としての機能、が実現されてもよい。この場合、フロントカメラ21、リアカメラ22、GPS受信機26といったデバイスは、マイクロコンピュータ29に直接接続されればよい。
図3は、図2の表示制御部31が周期的に実行する表示処理のフローチャートである。表示制御部31は、たとえば100ミリ秒毎に、図3の処理を繰り返し実行し、フロントガラス8の表示を更新する。
図4は、フロントカメラ21によりフロントガラス8越しに撮像される車窓画像IMの一例を示す図である。
図5は、図4の撮像された車窓画像IMに対して特定される各種の特定箇所の一例を説明する図である。
表示制御部31は、たとえば、車体2の不安定な挙動や乗員Mの緊張度合を計測して数値化し、その値が一定レベルを超える場合、視線誘導表示を要と判断する。
また、表示制御部31は、たとえば急カーブ、車体2の飛び出しといった走行環境の変化がある場合、視線誘導表示を要と判断する。
また、表示制御部31は、乗員Mの直近の過去の視線の動きを判断し、たとえば気づいていない移動体がある場合に、視線誘導表示を要と判断してもよい。
これら以外の場合、表示制御部31は、視線誘導表示を不要と判断し、図3の表示処理を終了する。
なお、表示制御部31は、視線誘導表示の要否判断を、後述する表示処理の直前に実施してもよい。
この処理で取得される情報には、たとえば、前方の車窓画像IMとして用いることができるフロントカメラ21による車体2前方の撮像画像、乗員Mの視線を判定するために用いることができる車内カメラ23による車内の撮像画像、がある。
この透視座標P(x,y)に、乗員Mの視線を誘導するための走行基準マーク41を表示することで、乗員Mの視線を、該方向または地点に向けさせることができる。ここでは、予想進路に対して乗員Mの視線を誘導する場合を例に説明する。図4の車窓画像IMでは、車体2の前方で、道路がまっすぐ前へ向かって延びている。この場合、図4中に点線枠で示すように、乗員Mは、自動車1の進路となる該道路の路面の状況を目視により確認する必要がある。
表示制御部31は、たとえば案内経路データや、道路データのリンクデータなどを用いて、車窓画像IM中の予想進路となる道路を撮像した撮像座標範囲を特定する。たとえば図4の車窓画像IMの場合、図5でハッチングを付した直線道路の撮像範囲が、予想進路となる道路の撮像座標範囲となる。
なお、道路データに基づいて対面二車線の道路であると判断される場合、片側二車線の道路であると判断される場合、自車が走行する車線の撮像範囲を、予想進路となる撮像座標範囲とすればよい。
また、車窓画像IMに対する処理により、道路を車線毎に区切る白線ライン、黄色線ラインを認識し得る場合、この情報に基づいて、自車が走行する車線の撮像範囲を特定してもよい。
表示制御部31は、たとえば予想進路上の所定距離の中央位置を視野中心座標PCとして特定する。図4の車窓画像IMの場合、図5に示すように、たとえば図4の点線枠の中心が視野中心座標PCとして特定される。
なお、車幅の情報、道路幅や車線幅の情報は、ナビゲーション装置27から取得し得る。表示制御部31は、取得した情報を参照し、車幅以上となる間隔で、左右一対の視線誘導座標PL,PRを特定する。道路幅や車線幅が車幅を下回る場合、車幅以上の間隔となるように、車線の右縁および左縁からずらして、一対の視線誘導座標PL,PRを特定する。
図2の場合、車内の撮像画像には、乗員Mの顔が含まれる。この場合、画像中の頭部または眼球の位置を特定することにより、車内カメラ23に対する頭部または眼球の方向を特定し得る。また、乗員Mはシート6に着座し、シートベルト9により拘束されている。よって、スライドするシート6の前後位置の情報から、車内カメラ23から頭部または眼球までの距離を推定し得る。これらの情報に基づいて、表示制御部31は、乗車している乗員Mの頭部または眼球の空間位置を特定する。
この他にもたとえば、車外の所定物と重なる基準マークを表示させた状態で、乗員Mに頭部を左右へ動かしてもらい、基準マークが車外の所定物と重なって見える状態での画像を基準画像として撮像して保持する。その後、該基準画像中の頭部または眼球の撮像位置と、処理時の車内画像中の頭部または眼球の撮像位置との差により、乗車している乗員Mの頭部または眼球の空間位置を特定してもよい。この場合でも、表示制御部31は、乗車している乗員Mの頭部または眼球のおよその空間位置を特定し得る。
図6は、フロントガラス8上の透視座標P(x,y)を得る演算処理の一例の説明図ある。図6は、車体2および道路を垂直面で切断した模式的な断面図である。図6には、道路の路面、車体2に固定設置されるフロントカメラ21、フロントガラス8、乗員Mの頭部および眼球が図示されている。また、フロントカメラ21により撮像される車窓画像IMが模式的に図示されている。この場合、車窓画像IMは、車体2の前方には、フロントカメラ21の撮像範囲の下縁と路面との交点において立設されている仮想画像として取り扱うことができる。
このような空間位置関係の下では、フロントカメラ21と車窓画像IM中の視線誘導座標PL,PRとを結ぶ線分を延長することにより、道路上の視線誘導地点P1の空間位置が得られる。そして、この道路上の視線誘導地点P1の空間位置と、乗員Mの頭部または眼球の空間位置とを結ぶ線分は、フロントガラス8と交差する。このような位置関係に基づいて演算することにより、表示制御部31は、乗員Mがフロントガラス8越しに視線誘導地点P1を見る場合に、視線が通過するフロントガラス8上の透視座標P(x,y)を演算し得る。
表示制御部31は、右側の透視座標P(x,y)に、右側の走行基準マーク41を表示させる。また、左側の透視座標P(x,y)に、左側の走行基準マーク41を表示させる。
図7は、乗員Mがフロントガラス8越しに見る車窓風景の一例の説明図である。図7では、一対の走行基準マーク41が、自車が走行する車線の右縁および左縁と重ねて横並びに表示されている。
具体的には、右側の走行基準マーク41は、車線の右縁と重なって延びる走行基準線L1と、走行基準線L1から右外側へ向かって延びる視線基準線L2と、で構成されている。左側の走行基準マーク41は、車線の左縁と重なって延びる走行基準線L1と、走行基準線L1から左外側へ向かって延びる視線基準線L2と、で構成されている。一対の視線基準線L2は、左右で同じ高さに表示されている。
乗員Mの視線は、一対の走行基準マーク41により、特に一対の視線基準線L2の高さ位置に誘導され得る。そして、乗員Mは、一対の走行基準線L1により、車線の右縁の空間位置と左縁の空間位置とを視認できる。また、一対の走行基準マーク41が車線の右縁および左縁と重なって見えることから、乗員Mは、車線幅が車体2の車幅以上であることを認識できる。
また、一対の走行基準マーク41の表示により、乗員Mの視線は予想進路に安定し、その結果として車体2は安定的に走行し得る。
また、乗員Mが他の方向へ視線を動かした後でも、容易に且つ速やかに所望の予想進路の方向へ視線を戻すことができる。視線を戻す際に予想進路を探す必要がない。
特に、予想進路の右縁および左縁と重ねて一対の走行基準マーク41を表示させているので、乗員Mの目線は、一点に集中し難くなり、予想進路の全体を観察し易くなる。予想進路上のみならず、予想進路の左右についても確認し易くなる。
これに対して、仮にたとえば予想進路の中央に1つの走行基準マーク41を表示させた場合、乗員Mの目線は、その一点に集中し易くなる。その結果、一点の走行基準マーク41により乗員Mの視線を予想進路へ誘導できたとしても、その一点のみに意識が集中してしまい、予想進路の全体を観察し難くなる。特に、一点の走行基準マーク41から微妙に離れている、予想進路の右縁および左縁での安全確認をし難くなる。本実施形態では、このようなミスリードを生じ難い。
また、本実施形態では、一対の走行基準線L1とともに、一対の走行基準線L1から外側へ向かって延びる一対の視線基準線L2を表示させる。2つの略T字のマークにより、予想進路を挟むように表示をさせる。人間は、水平方向に沿って延びるラインに対して目線を合わせようとする特性がある。一対の視線基準線L2により、目線の高さレベルが誘導される。そして、略T字のように交点を持つ表示においては、乗員Mは、その交点近くに目線を滞留させようとする傾向にある。また、水平方向に沿って離れた一対の略T字の表示は、その間を乗員Mに意識させる。一対の略T字の表示は、この特性を利用して、視線を安定化させることができる。
これら走行基準線L1と視線基準線L2と組み合わせを表示することにより、乗員Mの視線は、一対の視線基準線L2に対応する距離において予想進路に安定し、その結果として自動車1は安定的に走行し得る。また、乗員Mが他の方向へ視線を動かした後でも、容易に且つ速やかに該距離の方向へ視線を戻すことができる。視線を戻す際に予想進路を探す必要がない。視線を向けたい部分に、一対の略T字を表示するので、乗員Mは、目線の位置において、道路幅及び走行方向を直観的に把握できる。
特に、予想進路の右縁および左縁と重ねて一対の走行基準線L1を表示させているので、乗員Mの目線は、一点に集中し難くなり、予想進路の方向を全体的に観察し易くなる。予想進路上のみならず、予想進路の左右についても確認し易くなる。
これに対して、仮にたとえば予想進路上に1つの走行基準ラインを表示させた場合、乗員Mの目線は、その一点に集中し易くなる。その結果、1つの走行基準ラインにより乗員Mの視線を誘導できたとしても、その1つの線のみに意識が集中してしまい、予想進路の方向を全体的に観察し難くなる。特に、1つの走行基準ラインから微妙に離れた周囲である予想進路の左右の安全性について確認し難くなる。本実施形態では、このようなミスリードを生じ難い。
第2実施形態では、フロントガラス8に、一対の走行基準マーク41と注意喚起ライン42とを表示する例について説明する。
第2実施形態での自動車1および視線誘導システム20の構成は、第1実施形態のものと同様であり、同一の符号を使用してその説明を省略する。以下の説明では、主に相違点について説明する。
図9は、一対の走行基準マーク41と注意喚起ライン42とを切り替えて表示するフロントガラス8の表示例の説明図である。図9(A)は、一対の走行基準マーク41を表示した状態である。図9(B)は、一つの注意喚起ライン42を表示した状態である。
表示処理において、表示制御部31は、まず、図9(A)に示すように、演算した透視座標P(x,y)に一対の走行基準マーク41を横並びに表示させる(ステップST9)。これにより、視線は、進路の路面および周囲に誘導される。
一対の走行基準マーク41を所定期間表示した後、表示制御部31は、一対の走行基準マーク41を消去し(ステップST11)、図9(B)に示すように注意喚起ライン42を表示させる(ステップST12)。その後、注意喚起ライン42を消去させる(ステップST13)。図9(B)の注意喚起ライン42は、案内経路の方向を示すものである。案内経路の方向を示す注意喚起ライン42は、フロントガラス8の上縁中心位置から延び、予想進路に沿って下右方向へ湾曲している。このような注意喚起ライン42が表示されることにより、視線は誘導され、乗員Mは予定進路が右に曲がっていることを認識できる。車体2の走行上の注意点を示すことができる。
また、図9(A)と図9(B)とを比較すれば明らかなように、注意喚起ライン42は、一対の走行基準マーク41の表示位置と重ならないように、位置をずらして表示されている。このように位置およびタイミングを重ならないようにすることで、乗員Mは、続けて表示される一対の走行基準マーク41と注意喚起ライン42とが、別々の注意点に対応した別々の視線誘導表示であることを容易に認識できる。
特に、本実施形態では、車体2の走行上の注意点を示す注意喚起ライン42を、一対の走行基準マーク41と重ならない位置に、一対の走行基準マーク41とタイミングをずらして表示させる。よって、乗員Mは、一対の走行基準マーク41と注意喚起ライン42とが別々の事由に関する表示であることを、表示に基づいて区別して認識できる。また、乗員Mは、それらの表示位置関係と理解とに基づいて、予想進路に対する危険度等を容易に判断することができる。
第3実施形態では、フロントガラス8に表示する一対の走行基準マーク41を、状況に応じて変更する例について説明する。
第3実施形態での自動車1および視線誘導システム20の構成は、第1実施形態のものと同様であり、同一の符号を使用してその説明を省略する。以下の説明では、主に相違点について説明する。
図10に示すように、ステップST3で視線が通過するフロントガラス8上の透視座標P(x,y)を演算した後、表示制御部31は、表示処理を開始する前に、更に、透視座標P(x,y)および走行基準マーク41の変更の要否を判断する。表示制御部31は、マイクロコンピュータ29に接続される機器から取得した情報に基づいて、変更の要否を判断する。
たとえば前方の撮像画像中に予想進路の道路上または道路脇を自転車51などの移動体が映っている場合、表示制御部31は変更要と判断する。
また、道路上への飛び出し、道路上の危険物が予想される場合、表示制御部31は変更要と判断する。
また、道路が急激に曲がっている場合、路面が変化する場合、表示制御部31は変更要と判断する。
これら以外の場合、表示制御部31は変更不要と判断する。
たとえば、前方の撮像画像が暗い場合、表示制御部31は変更要と判断する。
また、車速が所定値以上である場合、表示制御部31は変更要と判断する。
これら以外の場合、表示制御部31は変更不要と判断する。
以上のすべての判断において変更不要と判断している場合、表示制御部31は、変更不要と判断し、当初の透視座標P(x,y)に、一対の走行基準マーク41を表示させる(ステップST24)。
なお、右側の走行基準マーク41は、車線の右縁の位置から、変更後の位置へ向かって移動するように表示されてもよい。
また、変更後の一対の走行基準マーク41の間隔が車幅より小さなる場合、該間隔が車幅となるように左側の走行基準マーク41の表示座標を左側へ変更してもよい。
よって、乗員Mは、一対の走行基準マーク41から目線を動かすことなく、車体2の周囲のリスクまたは車体2の走行自体についての関連情報を認識できる。乗員Mは、たとえば表示により認識した事由について確認することができる。周囲の安全を確認するための乗員Mの負担を軽減できる。
第4実施形態では、フロントガラス8に、乗員Mの視線を誘導するための一対の車線ラインを表示する例について説明する。
第4実施形態での自動車1および視線誘導システム20の構成は、第1実施形態のものと同様であり、同一の符号を使用してその説明を省略する。以下の説明では、主に相違点について説明する。
図12は、本発明の第3実施形態に係る表示制御部31が周期的に実行する表示処理のフローチャートである。表示制御部31は、たとえば100ミリ秒毎に、図12の処理を繰り返し実行し、フロントガラス8の表示を更新する。
表示制御部31は、たとえば、車体2の不安定な挙動や乗員Mの緊張度合を計測して数値化し、その値が一定レベルを超える場合、視線誘導表示を要と判断する。
また、表示制御部31は、たとえば急カーブ、車体2の飛び出しといった走行環境の変化がある場合、視線誘導表示を要と判断する。
また、表示制御部31は、乗員Mの直近の過去の視線の動きを判断し、たとえば気づいていない移動体がある場合に、視線誘導表示を要と判断してもよい。
これら以外の場合、表示制御部31は、視線誘導表示を不要と判断し、図12の表示処理を終了する。
なお、表示制御部31は、視線誘導表示の要否判断を、後述する表示処理の直前に実施してもよい。
この処理で取得される情報には、たとえば、前方の車窓画像IMとして用いることができるフロントカメラ21による車体2前方の撮像画像、乗員Mの視線を判定するために用いることができる車内カメラ23による車内の撮像画像、がある。
この透視座標P(x,y)に、乗員Mの視線を誘導するための車線ライン61を表示することで、乗員Mの視線を、該方向または地点に向けさせることができる。ここでは、予想進路に対して乗員Mの視線を誘導する場合を例に説明する。図4の車窓画像IMでは、車体2の前方で、道路がまっすぐ前へ向かって延びている。この場合、図4中に点線枠で示すように、乗員Mは、自動車1の進路となる該道路の路面の状況を目視により確認する必要がある。
表示制御部31は、たとえば案内経路データや、道路データのリンクデータなどを用いて、車窓画像IM中の予想進路となる道路を撮像した撮像座標範囲を特定する。たとえば図4の車窓画像IMの場合、図5でハッチングを付した直線道路の撮像範囲が、予想進路となる道路の撮像座標範囲となる。
なお、道路データに基づいて対面二車線の道路であると判断される場合、片側二車線の道路であると判断される場合、自車が走行する車線の撮像範囲を、予想進路となる撮像座標範囲とすればよい。
また、車窓画像IMに対する処理により、道路を車線毎に区切る白線ライン、黄色線ラインを認識し得る場合、この情報に基づいて、自車が走行する車線の撮像範囲を特定してもよい。
表示制御部31は、たとえばECU25から車速情報を取得し、走行中の路面の種類、たとえば舗装路や砂利道といった種類に応じた制動距離を演算する。
表示制御部31は、天候等に応じた制動距離を演算してもよい。晴れ、雨程度の天候は、無線通信部28により取得しても、フロントカメラ21の画像の雨ノイズや明るさに基づいて判断してもよい。
そして、表示制御部31は、たとえば60km/hで走行している場合、図5に示すように、その速度での制動距離の地点となる、たとえば図4の点線枠の略中心の位置を視野中心座標PCとして特定する(ステップST34)。
なお、車幅の情報、道路幅や車線幅の情報は、ナビゲーション装置27から取得し得る。表示制御部31は、取得した情報を参照し、車幅以上となる間隔で、左右一対の視線誘導座標PL,PRを特定する。道路幅や車線幅が車幅を下回る場合、車幅以上の間隔となるように、車線の右縁および左縁からずらして、一対の視線誘導座標PL,PRを特定する。
本実施形態の場合、車内の撮像画像には、乗員Mの顔が含まれる。この場合、画像中の頭部または眼球の位置を特定することにより、車内カメラ23に対する頭部または眼球の方向を特定し得る。また、乗員Mはシート6に着座し、シートベルト9により拘束されている。よって、スライドするシート6の前後位置の情報から、車内カメラ23から頭部または眼球までの距離を推定し得る。これらの情報に基づいて、表示制御部31は、乗車している乗員Mの頭部または眼球の空間位置を特定する。
この他にもたとえば、車外の所定物と重なる基準マークを表示させた状態で、乗員Mに頭部を左右へ動かしてもらい、基準マークが車外の所定物と重なって見える状態での画像を基準画像として撮像して保持する。その後、該基準画像中の頭部または眼球の撮像位置と、処理時の車内画像中の頭部または眼球の撮像位置との差により、乗車している乗員Mの頭部または眼球の空間位置を特定してもよい。この場合でも、表示制御部31は、乗車している乗員Mの頭部または眼球のおよその空間位置を特定し得る。
図6は、フロントガラス8上の透視座標P(x,y)を得る演算処理の一例の説明図ある。図6は、車体2および道路を垂直面で切断した模式的な断面図である。図6には、道路の路面、車体2に固定設置されるフロントカメラ21、フロントガラス8、乗員Mの頭部および眼球が図示されている。また、フロントカメラ21により撮像される車窓画像IMが模式的に図示されている。この場合、車窓画像IMは、車体2の前方には、フロントカメラ21の撮像範囲の下縁と路面との交点において立設されている仮想画像として取り扱うことができる。
このような空間位置関係の下では、フロントカメラ21と車窓画像IM中の視線誘導座標PL,PRとを結ぶ線分を延長することにより、制動距離の地点、すなわち道路上の視線誘導地点P1の空間位置が得られる。そして、この道路上の視線誘導地点P1の空間位置と、乗員Mの頭部または眼球の空間位置とを結ぶ線分は、フロントガラス8と交差する。このような位置関係に基づいて演算することにより、表示制御部31は、乗員Mがフロントガラス8越しに視線誘導地点P1を見る場合に、視線が通過するフロントガラス8上の透視座標P(x,y)を演算し得る。
表示制御部31は、右側の透視座標P(x,y)から上へ向かって、車線の右縁に沿って延びる右側の車線ライン61を表示させる。また、左側の透視座標P(x,y)から上へ向かって、車線の左縁に沿って延びる右側の車線ライン61を表示させる。
図13は、乗員Mがフロントガラス8越しに見る車窓風景の一例の説明図である。図13では、一対の車線ライン61が、視線を誘導したい制動距離での右縁および左縁の地点から上へ向かって、自車が走行する車線の右縁および左縁と重ねて、横並びに表示されている。具体的には、右側の車線ライン61は、制動距離の地点から上へ向かって、車線の右縁と重なって延びる。左側の車線ライン61は、制動距離の地点から上へ向かって、車線の左縁と重なって延びる。
乗員Mの視線は、一対の車線ライン61により、車線へ誘導され得る。
特に、予想進路の右縁および左縁と重ねて延びる一対の車線ライン61を表示させているので、乗員Mの目線は、一点に集中し難くなり、予想進路の方向を全体的に観察し易くなる。予想進路上のみならず、予想進路の左右についても確認し易くなる。これに対して、仮にたとえば予想進路上に1つの走行基準ラインを表示させた場合、乗員の目線は、その一点に集中し易くなる。その結果、一点の走行基準ラインにより乗員Mの視線を誘導できたとしても、その一点のみに意識が集中してしまい、予想進路の方向を全体的に観察し難くなる。特に、一点の走行基準ラインから微妙に離れた周囲である予想進路の左右の安全性について確認し難くなる。本実施形態では、このようなミスリードを生じ難い。
さらに、本実施形態では、表示制御部31が、自動車1の走行自体についての自車走行情報を取得し、プロジェクタ30が、一対の車線ライン61を、該自車走行情報に応じた位置を一端として表示させる。線状物についての人の視線または意識は、線状物の中央部より端部に偏り易い。よって、乗員Mは、一対の車線ライン61により誘導された視線を動かすことなく、一対の車線ライン61の端部の位置により、自車の走行自体についての自車走行情報を得ることができる。
第5実施形態では、車線ライン61の表示位置を変更した例について説明する。
図14は、本発明の第5実施形態での、一対の車線ラインの変更処理のフローチャートである。表示制御部31は、図12の替わりに、図14の処理を実行する。
表示制御部31は、右側の透視座標P(x,y)から下へ向かって、車線の右縁に沿って延びる右側の車線ライン61を表示させる。また、左側の透視座標P(x,y)から下へ向かって、車線の左縁に沿って延びる右側の車線ライン61を表示させる。
乗員Mの視線は、一対の車線ライン61により、車線へ誘導され得る。
第6実施形態では、フロントガラス8に、乗員Mの視線を誘導するための一対の車線ラインを表示する例について説明する。
第6実施形態での自動車1および視線誘導システム20の構成は、第1実施形態のものと同様であり、同一の符号を使用してその説明を省略する。以下の説明では、主に相違点について説明する。
図15は、第6実施形態の表示制御部31が周期的に実行する表示処理のフローチャートである。表示制御部31は、たとえば100ミリ秒毎に、図15の処理を繰り返し実行し、フロントガラス8の表示を更新する。
表示制御部31は、たとえば、車体2の不安定な挙動や乗員Mの緊張度合を計測して数値化し、その値が一定レベルを超える場合、視線誘導表示を要と判断する。
また、表示制御部31は、たとえば急カーブ、車体2の飛び出しといった走行環境の変化がある場合、視線誘導表示を要と判断する。
また、表示制御部31は、乗員Mの直近の過去の視線の動きを判断し、たとえば気づいていない移動体がある場合に、視線誘導表示を要と判断してもよい。
これら以外の場合、表示制御部31は、視線誘導表示を不要と判断し、図15の表示処理を終了する。
なお、表示制御部31は、視線誘導表示の要否判断を、後述する表示処理の直前に実施してもよい。
この処理で取得される情報には、たとえば、前方の車窓画像IMとして用いることができるフロントカメラ21による車体2前方の撮像画像、乗員Mの視線を判定するために用いることができる車内カメラ23による車内の撮像画像、がある。
この透視座標P(x,y)に、乗員Mの視線を誘導するための車線ライン71を表示することで、乗員Mの視線を、該方向または地点に向けさせることができる。ここでは、予想進路に対して乗員Mの視線を誘導する場合を例に説明する。図4の車窓画像IMでは、車体2の前方で、道路がまっすぐ前へ向かって延びている。この場合、図4中に点線枠で示すように、乗員Mは、自動車1の進路となる該道路の路面の状況を目視により確認する必要がある。
表示制御部31は、たとえば案内経路データや、道路データのリンクデータなどを用いて、車窓画像IM中の予想進路となる道路を撮像した撮像座標範囲を特定する。たとえば図4の車窓画像IMの場合、図5でハッチングを付した直線道路の撮像範囲が、予想進路となる道路の撮像座標範囲となる。
なお、道路データに基づいて対面二車線の道路であると判断される場合、片側二車線の道路であると判断される場合、自車が走行する車線の撮像範囲を、予想進路となる撮像座標範囲とすればよい。
また、車窓画像IMに対する処理により、道路を車線毎に区切る白線ライン、黄色線ラインを認識し得る場合、この情報に基づいて、自車が走行する車線の撮像範囲を特定してもよい。
表示制御部31は、たとえば予想進路上の所定距離の中央位置を視野中心座標PCとして特定する。図4の車窓画像IMの場合、図5に示すように、たとえば図4の点線枠の中心が視野中心座標PCとして特定される。
なお、車幅の情報、道路幅や車線幅の情報は、ナビゲーション装置27から取得し得る。表示制御部31は、取得した情報を参照し、車幅以上となる間隔で、左右一対の視線誘導座標PL,PRを特定する。道路幅や車線幅が車幅を下回る場合、車幅以上の間隔となるように、車線の右縁および左縁からずらして、一対の視線誘導座標PL,PRを特定する。
本実施形態の場合、車内の撮像画像には、乗員Mの顔が含まれる。この場合、画像中の頭部または眼球の位置を特定することにより、車内カメラ23に対する頭部または眼球の方向を特定し得る。また、乗員Mはシート6に着座し、シートベルト9により拘束されている。よって、スライドするシート6の前後位置の情報から、車内カメラ23から頭部または眼球までの距離を推定し得る。これらの情報に基づいて、表示制御部31は、乗車している乗員Mの頭部または眼球の空間位置を特定する。
この他にもたとえば、車外の所定物と重なる基準マークを表示させた状態で、乗員Mに頭部を左右へ動かしてもらい、基準マークが車外の所定物と重なって見える状態での画像を基準画像として撮像して保持する。その後、該基準画像中の頭部または眼球の撮像位置と、処理時の車内画像中の頭部または眼球の撮像位置との差により、乗車している乗員Mの頭部または眼球の空間位置を特定してもよい。この場合でも、表示制御部31は、乗車している乗員Mの頭部または眼球のおよその空間位置を特定し得る。
図6は、フロントガラス8上の透視座標P(x,y)を得る演算処理の一例の説明図ある。図6は、車体2および道路を垂直面で切断した模式的な断面図である。図6には、道路の路面、車体2に固定設置されるフロントカメラ21、フロントガラス8、乗員Mの頭部および眼球が図示されている。また、フロントカメラ21により撮像される車窓画像IMが模式的に図示されている。この場合、車窓画像IMは、車体2の前方には、フロントカメラ21の撮像範囲の下縁と路面との交点において立設されている仮想画像として取り扱うことができる。
このような空間位置関係の下では、フロントカメラ21と車窓画像IM中の視線誘導座標PL,PRとを結ぶ線分を延長することにより、視野中心座標PCの地点、すなわち道路上の視線誘導地点P1の空間位置が得られる。そして、この道路上の視線誘導地点P1の空間位置と、乗員Mの頭部または眼球の空間位置とを結ぶ線分は、フロントガラス8と交差する。このような位置関係に基づいて演算することにより、表示制御部31は、乗員Mがフロントガラス8越しに視線誘導地点P1を見る場合に、視線が通過するフロントガラス8上の透視座標P(x,y)を演算し得る。
表示制御部31は、右側の透視座標P(x,y)に、右側の車線ライン71を表示させる。また、左側の透視座標P(x,y)に、左側の車線ライン71を表示させる(ステップST57)。
図16(A)の初期表示では、一対の車線ライン71は、フロントガラス8の下部に、自車が走行する車線の右縁および左縁と重ねて横並びに表示される。
その後、一対の車線ライン71は、図16(B)に示すように、車線の右縁および左縁に沿って上へ向かって成長し、上端が左右の透視座標P(x,y)に到達する。
その後、一対の車線ライン71は、図16(C)に示すように、その下端が車線の右縁および左縁に沿って上へ向かって移動する。
その後、一対の車線ライン71は、図16(D)に示すように、左右の透視座標P(x,y)において消失する。
乗員Mの視線は、一対の車線ライン71が左右の透視座標P(x,y)に向かって成長および消失することにより、左右の透視座標P(x,y)へ誘導され得る。また、乗員Mは、一対の車線ライン71により、車線の右縁の空間位置と左縁の空間位置とを視認できる。また、一対の車線ライン71が車線の右縁および左縁と重なって見えることから、乗員Mは、車線幅が車体2の車幅以上であることを認識できる。
特に、予想進路の右縁および左縁と重ねて延びる一対の車線ライン71を表示させているので、乗員Mの目線は、一点に集中し難くなり、予想進路の方向を全体的に観察し易くなる。予想進路上のみならず、予想進路の左右についても確認し易くなる。
これに対して、仮にたとえば予想進路上に1つの車線ラインを表示させた場合、乗員Mの目線は、その一点に集中し易くなる。その結果、一点の車線ラインにより乗員の視線を誘導できたとしても、その一点のみに意識が集中してしまい、予想進路の方向を全体的に観察し難くなる。特に、一点の車線ラインから微妙に離れた周囲である予想進路の左右の安全性について確認し難くなる。本実施形態では、このようなミスリードを生じ難い。
さらに、本実施形態では、プロジェクタ30は、表示後の経過時間に応じて、一対の車線ライン71を含むフロントガラス8の表示を変化させる。よって、一対の車線ライン71により誘導された乗員Mの視線を動かすことなく、該視線の先にある一対の車線ライン71が時間の経過に応じて変化することにより、さらに乗員Mの視線または意識を細かく誘導することができる。
第7実施形態では、フロントガラス8に、一対の車線ライン71とともに、一対の車線ライン71上を移動する移動マークを表示する例について説明する。
第7実施形態での自動車1および視線誘導システム20の構成は、第6実施形態のものと同様であり、同一の符号を使用してその説明を省略する。以下の説明では、主に相違点について説明する。
図18は、移動マークが車線ラインに沿って移動する、乗員がフロントガラス越しに見る車窓風景の一例の説明図である。図18(A)には、一対の車線ライン71が表示される。図18(B)から図18(E)では、複数の移動マーク72が一対の車線ライン71上を、左右の透視座標P(x,y)に向かって、移動している。
表示処理において、表示制御部31は、まず、図18(A)に示すように、演算した透視座標P(x,y)に一対の車線ライン71を横並びに表示させる(ステップST61)。
一対の車線ライン71は、予想進路の右縁および左縁と重ねて、予想進路の右縁および左縁に沿って延在するように表示される。これにより、視線は、予想進路の路面および周囲に誘導される。
図18(B)から図18(E)では、複数の移動マーク72は、一対の車線ライン71の端部に表示された後、一対の車線ライン71上を、左右の視線誘導座標PL,PRへ向かって、移動している。その後、移動マーク72は、左右の視線誘導座標PL,PRにおいて消失する。その後、新たな移動マーク72が一対の車線ライン71の端部に再び表示され、移動する。移動マーク72は、一対の車線ライン71上を繰り返し移動する。
図19(A)から図19(C)の変形例の場合、移動マーク72は、左右の視線誘導座標PL,PRに表示された後、一対の車線ライン71の内側中央へ向かって、移動する。そして、一対の車線ライン71の内側中央において消失する。
この変形例の場合でも、プロジェクタ30は、自車の予想進路の右縁および左縁の一方側に沿って延在して視認される一対の車線ライン71とともに、経過時間に応じて車線ライン71に対して接離する方向へ移動する移動マーク72を表示する。よって、乗員Mの目線は、移動マーク72が車線ライン71から接離する方向へ誘導される。移動マーク72の移動方向に対して、視線を誘導できる。目標とする視線へ誘導できる。
Claims (9)
- 車両に乗車した乗員が車外を視認するために透視可能なフロントガラスまたはスクリーンに映像を表示させる表示部材と、
前記車両内から前記乗員が視認する風景についての風景情報を取得する風景情報取得部と、
前記風景情報に基づいて、前記車両の通過が予想される予想進路を前記乗員が視認する際に視線が通過する前記フロントガラスまたは前記スクリーン上の透視位置又は前記車両の予想進路の右縁および左縁が透視される透視位置を特定する透視位置特定部と、
を有し、
前記表示部材は、
前記透視位置に基づいて、前記車両の予想進路の右縁および左縁と重なって見えることが可能なように、前記フロントガラスまたは前記スクリーンに、一対の走行基準マークとして、前記車両の車幅以上に相当する間隔にて前記右縁および前記左縁に沿った一対の走行基準線を横並びに表示させるとともに、前記一対の走行基準線から外側へ向かって延びる一対の視線基準線を表示させる、
車両の視線誘導装置。 - 前記一対の走行基準線から外側へ向かって延びる前記視線基準線の長さは、前記走行基準線より長い、
請求項1記載の車両の視線誘導装置。 - 前記表示部材は、
前記一対の視線基準線を、前記乗員の視線を誘導したい高さに表示させる、
請求項1または2記載の車両の視線誘導装置。 - 車両に乗車した乗員が車外を視認するために透視可能なフロントガラスまたはスクリーンに映像を表示させる表示部材と、
前記車両内から前記乗員が視認する風景についての風景情報を取得する風景情報取得部と、
前記風景情報に基づいて、前記車両の通過が予想される予想進路を前記乗員が視認する際に視線が通過する前記フロントガラスまたは前記スクリーン上の透視位置又は前記車両の予想進路の右縁および左縁が透視される透視位置を特定する透視位置特定部と、
を有し、
前記表示部材は、
前記透視位置に基づいて、前記車両の予想進路の右縁および左縁に沿って延在して見えることが可能となるように、前記フロントガラスまたは前記スクリーンに、一対の走行基準マークとして、前記車両の車幅以上に相当する間隔にて前記右縁および前記左縁に沿った一対の車線ラインを横並びに表示させ、
前記一対の車線ラインは自車走行情報に応じた位置を一端として表示される、
車両の視線誘導装置。 - 前記表示部材は、自車走行情報取得部が前記自車走行情報として前記車両の速度を取得した場合、該速度での予想制動距離での停止位置の透視位置から上に前記一対の車線ラインを表示させる、
請求項4記載の車両の視線誘導装置。 - 前記表示部材は、自車走行情報取得部が前記自車走行情報として前記車両の速度を取得した場合、該速度での予想制動距離での停止位置から下に前記一対の車線ラインを表示させる、
請求項4記載の車両の視線誘導装置。 - 車両に乗車した乗員が車外を視認するために透視可能なフロントガラスまたはスクリーンに映像を表示させる表示部材と、
前記車両内から前記乗員が視認する風景についての風景情報を取得する風景情報取得部と、
前記風景情報に基づいて、前記車両の通過が予想される予想進路を前記乗員が視認する際に視線が通過する前記フロントガラスまたは前記スクリーン上の透視位置又は前記車両の予想進路の右縁および左縁が透視される透視位置を特定する透視位置特定部と、
を有し、
前記表示部材は、
前記透視位置に基づいて、前記車両の予想進路の右縁および左縁に沿って延在して見えることが可能となるように、前記フロントガラスまたは前記スクリーンに、一対の走行基準マークとして、前記車両の車幅以上に相当する間隔にて前記右縁および前記左縁に沿った一対の車線ラインを横並びに表示させ、
表示後の経過時間に応じて、前記一対の車線ラインを含む前記フロントガラスまたは前記スクリーンの表示を変化させる、
車両の視線誘導装置。 - 前記表示部材は、前記経過時間に応じて前記一対の車線ラインを視野中心に向かって消失または成長させる、
請求項7記載の車両の視線誘導装置。 - 前記表示部材は、
前記車両の予想進路の右縁および左縁の一方側に沿って延在して視認される車線ラインとともに、前記経過時間に応じて前記車線ライン上で移動し又は前記車線ラインに対して接離する方向へ移動する移動マークを表示する、
請求項7記載の車両の視線誘導装置。
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