JP6517647B2 - 居眠り判定システム - Google Patents
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Description
本発明の発明者は、図1のグラフに示すように、被験者A〜Iの運転前の睡眠における第一特徴量A及び第二特徴量Bと、被験者A〜Iの運転開始から居眠り開始までの時間との関係について試験を重ねた。ここで、被験者A〜Iの運転前の睡眠とは、運転する被験者A〜Iの前回の睡眠のことをさす。
第一特徴量Aは、下式(1)に示すように、被験者A〜Iの入眠潜時Taを第一係数α(例えば20)で除算して正規化した値である。
A=Ta/α…(1)
A:第一特徴量
Ta:入眠潜時
α:第一係数
なお、入眠潜時Taとは、図2に示すように、被験者A〜Iが睡眠しようとしている態勢に入った時刻、つまり、就床時刻から入眠開始時刻までの経過時間である。なお、就床時刻とは、例えば、ユーザMが寝具上に横臥した時刻をいう。
B=1/Tb×β…(2)
B:第二特徴量
Tb:深睡眠最大継続時間
β:第二係数
深睡眠最大継続時間Tb(特許請求の範囲に記載の継続時間)とは、図2に示すように、被験者A〜Iの1睡眠において、深睡眠が最も継続した時間である。
深睡眠とは、所定の基準値よりも浅い浅睡眠よりも睡眠がより深い睡眠、つまり、前記所定の基準値よりも睡眠がより深い睡眠のことをいう。本実施形態では、被験者A〜Iの睡眠深度を、睡眠が深くなるに従って、レム睡眠、睡眠第1深度、睡眠第2深度、睡眠第3深度、睡眠第4深度に分類した場合に、レム睡眠、睡眠第1深度、及び睡眠第2深度を浅睡眠とし、睡眠第3深度及び睡眠第4深度を深睡眠としている。
なお、A〜Iに付されている数字は、各被験者A〜Iについての第一特徴量A及び第二特徴量Bが、日をおいて測定された順番を表している。
眠気レベル1:全く眠くなさそう(視線の移動が速く頻繁である。瞬きは、2秒に2回くらいの安定した周期で動きが活発で、身体の動きを伴う。)
眠気レベル2:やや眠そう(唇が開いている。視線移動の動きが遅い。)
眠気レベル3:眠そう(瞬きはゆっくりと頻発。口の動きがある。座り直しが有る。顔に手をやる。)
眠気レベル4:かなり眠そう(意識的と思われる瞬きがある。あくびは頻発し、深呼吸もみられる。瞬きも視線の動きも遅い。)
眠気レベル5:非常に眠そう(瞼を閉じる。頭が前に傾く。頭が後に倒れる。)
上記したように、第一特徴量A及び第二特徴量Bの少なくとも一方が、基準値Cよりも大きい場合には、被験者A〜Iが運転を開始した時点から所定経過時間D以内に、被験者A〜Iが居眠りするという知見に基づいて発明された本実施形態の居眠り判定システム100について、以下に説明する。
以下に、図3を用いて、居眠り判定システム100の構成について説明する。居眠り判定システム100は、生体情報検出装置10、携帯端末装置20、及び居眠り判定装置30とから構成されている。
以下に、図4に示すフローチャートを用いて、居眠り判定装置30が実行する「居眠り判定処理」について説明する。車両200のイグニッションがONとされると、「居眠り判定処理」が開始し、プログラムはステップS11に進む。
ステップS11において、居眠り判定装置30が生体情報受信部30aを介して、その検出時刻と対応付けられたユーザMの生体情報を受信したと判断した場合には(ステップS11:YES)、プログラムをステップS12に進める。一方で、居眠り判定装置30が、その検出時刻と対応付けられたユーザMの生体情報を受信していないと判断した場合には(ステップS11:NO)、ステップS11の処理を繰り返す。
ステップS15において、第四演算部30eは、上式(1)を用いて、第一演算部30bによって演算された入眠潜時Taを第一係数αで除算して第一特徴量Aを演算する。
ステップS16において、第五演算部30fは、上式(2)を用いて、ユーザMの深睡眠最大継続時間Tbの逆数に第二係数βを乗算して、第二特徴量Bを演算する。
ステップS19において、居眠り判定部30gは、ユーザMが運転を開始した時点から所定経過時間D以内に居眠りしないと判定し、「居眠り判定処理」を終了させる。
ユーザMの居眠りに関する情報については、以下の(1)〜(3)が含まれる。
(1)ユーザMが運転開始から所定経過時間D以内で居眠りする旨の情報
(2)十分な注意をもって運転しなければならない旨の情報
(3)運転すべきでない旨の情報
或いは、報知部30hは、以下に示す(4)、(5)のユーザMの居眠りに関する情報をカーナビゲーション装置である報知装置50に報知させる実施形態であっても差し支え無い。
(4)ユーザMが運転開始から居眠りを開始する時間(所定経過時間D)と、目的地に到達するまでの予想時間によって演算された、ユーザMの休憩タイミング、及び走行経路上に存在する休憩場所の情報
(5)ユーザMが運転開始から所定経過時間Dが経過するまでに到達できる範囲内ある休憩場所の情報、この休憩場所までのルート、及びこの休憩場所から目的地までのルート
ステップS20が終了すると、「居眠り判定処理」が終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の発明者は、ユーザMの運転前の睡眠における入眠潜時Taを第一係数αで除算した第一特徴量A、及びユーザMの運転前の睡眠における深睡眠最大継続時間Tbの逆数に第二係数βを乗算した第二特徴量Bと、ユーザMが運転を開始した時点からユーザMの居眠り開始までの経過時間との間に相関関係があることを見出した。そして、本発明の発明者は、第一特徴量A及び第二特徴量Bの少なくとも一方が、所定の基準値Cよりも大きい場合には、ユーザMが運転を開始した時点から所定経過時間D以内に、ユーザMが居眠りすることを見出した。この知見に基づいて、居眠り判定部30gは、第一特徴量A及び第二特徴量Bの少なくとも一方が、基準値Cよりも大きいと判断した場合に(図4のステップS17:YES)、ユーザMが運転を開始した時点から所定経過時間D以内に、ユーザMが居眠りをすると判定する(図4のステップS18)。これにより、ユーザMが運転開始から所定経過時間D以内に居眠りするか否かを判定することができる居眠り判定システム100を提供することができる。
上記の実施形態では、生体情報検出装置10で取得されたユーザMの生体情報は、ユーザMが携帯する携帯端末装置20を介して、居眠り判定装置30に入力される。しかし、生体情報検出装置10で取得されたユーザMの生体情報が、メモリーカードやUSBメモリー等の記憶媒体を介して、居眠り判定装置30に入力される実施形態であっても差し支え無い。或いは、生体情報検出装置10で取得されたユーザMの生体情報が、モバイルデータ通信回線を介して、居眠り判定装置30に入力される実施形態であっても差し支え無い。
Claims (3)
- ユーザが運転をする場合における居眠りを判定するシステムであって、
前記ユーザの生体情報を検出する生体情報検出部と、
前記生体情報検出部によって検出された前記生体情報に基づいて、前記ユーザの運転前の睡眠である運転前睡眠における、前記ユーザが寝る態勢に入った時刻から入眠開始時刻までの経過時間である入眠潜時を演算する第一演算部と、
前記生体情報検出部によって検出された前記生体情報に基づいて、前記運転前睡眠における睡眠深度を演算する第二演算部と、
前記第二演算部によって演算された前記運転前睡眠における前記睡眠深度に基づいて、前記睡眠深度を所定の基準値よりも浅い浅睡眠とこの浅睡眠よりも睡眠がより深く前記所定の基準値よりも深い深睡眠とに分けた場合における前記深睡眠が最も継続した継続時間を演算する第三演算部と、
前記第一演算部によって演算された前記入眠潜時を第一係数で除算して第一特徴量を演算する第四演算部と、
前記第三演算部によって演算された前記継続時間の逆数に第二係数を乗算して第二特徴量を演算する第五演算部と、
前記第四演算部によって演算された前記第一特徴量及び前記第五演算部によって演算された前記第二特徴量の少なくとも一方が、所定の基準値よりも大きいと判断した場合に、前記ユーザが前記運転を開始した時点から所定経過時間以内に、前記ユーザが居眠りをすると判定する居眠り判定部と、を有する居眠り判定システム。 - 前記ユーザの居眠りに関する情報を報知する報知装置と、
前記居眠り判定部が、前記ユーザが前記運転を開始した時点から前記所定経過時間以内に、前記ユーザが居眠りをすると判定した場合に、前記報知装置に前記ユーザの居眠りに関する情報を報知させる報知部と、を有する請求項1に記載の居眠り判定システム。 - 前記生体情報検出部は、前記ユーザが睡眠時に横臥して睡眠する寝具に設けられている請求項1又は請求項2に記載の居眠り判定システム。
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