JP6517328B2 - 皮膚の老化の防止および/または緩和、および/または皮膚の保湿、および/または皮膚色素沈着の抑制のためのセストリン(sestrin)アクチベーター - Google Patents

皮膚の老化の防止および/または緩和、および/または皮膚の保湿、および/または皮膚色素沈着の抑制のためのセストリン(sestrin)アクチベーター Download PDF

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Description

本発明は、皮膚の老化、特に光老化の防止および/または緩和のため、および/または皮膚の保湿のため、および/または皮膚色素沈着の抑制のための、SESN1、SESN2およびSESN3から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を調節する化合物の同定方法に関する。
セストリン(SESN)は、動物界を通して高度に保存されてきた、近年同定されたタンパク質である。3種のSESN遺伝子、SESN1、SESN2およびSESN3が哺乳動物において特定されており、これらは選択的スプライシングにより産生される変異体タンパク質をコードする。
セストリンは、酸化還元状態の調節に著しく関係する、遺伝毒性および/または酸化ストレス誘導遺伝子として最初に発見された(Velasco-Miguel et al, 1999, Oncogene; Budanov et al, 2002, Oncogene; Chen et al, 2010, Dev.Cell)。ストレスに反応して、SESN1およびSESN2の発現がp53依存的様式で誘導され、一方Sesn3の発現は、ヒト細胞系においてFoxO転写因子により選択的に誘導される。3種すべてのSESNメンバーは、おそらくペルオキシレドキシンの再生(Budanov et al, 2004, Science)に作用することによって、細胞内の活性酸素種を減少させることが示されてきた(Kopnin et al, 2007, Cancer Res)。再生されたヒトの皮膚において、UV日光曝露後にセストリン発現が変化し(Marionnet et al, 2010, PlosOne)、酸化およびUV誘導性ストレス反応とのそれらの関わりが示唆される。
それらの酸化還元活性の他に、遺伝学的研究により、セストリンが、主にAMPK−TORC1 axisの調節を介した代謝恒常性の重要な調節因子であることが示されている(Lee et al, 2013, Cell Metab)。セストリンはAMPKの活性化を増強し、それによってmTORC1活性を抑制して、糖、タンパク質および脂質の細胞異化作用に対する刺激および自己貪食過程の上方制御をもたらす。生物レベルにおいて、(1または複数の)セストリン不足は、マウスでは肝機能の不全につながり、ショウジョウバエ属では体脂肪蓄積ならびに骨格筋および心筋の変性またはC.エレガンス(C.elegans)では自発運動活性および寿命の減少につながる。これらの動物モデルを使用した研究により、内在性セストリン活性が年齢に関連する表現型の防止に必要であることが実証された。
今日までに、健康なヒトの皮膚におけるセストリンの発現プロファイル、役割および機能をさらに調査した研究はない。しかし、化粧品産業におけるその応用可能性は大きな関心となっている。
したがって、皮膚細胞の損傷および老化を防止、低減またはさらに阻害する、および/または皮膚保湿を改善可能な、および/または皮膚色素沈着を抑制することもできる製品または活性薬剤を提供することは望ましく、重要である。
本出願人は、SESN1、SESN2およびSESN3遺伝子が、ケラチノサイト由来のヒト表皮(epidermis and epidermal)において、細胞分化の状態、年齢およびUV曝露により変動する特定の発現プロファイルを有することを示した。本出願人は、表皮ケラチノサイトにおけるセストリン不足が、自己貪食マーカーの発現(SESN2不足の場合)または細胞分化マーカーの発現(SESN3不足の場合)に影響を与えることを示した。その確信から、本出願人は、(1または複数の)セストリンの発現レベルに作用し、したがって、皮膚の状態およびバリア機能を改善するためにヒトの皮膚に局所的に適用可能な化合物を選択する、in vitro方法を開発した。
さらに、本出願人は、SESN1、SESN2およびSESN3遺伝子が正常なヒトメラノサイトにおいて発現し、それらの発現をUVAまたはUVB照射後に変化させることを示した。したがって、メラノサイトにおいて前述の遺伝子の1つの発現を調節する化合物は、環境ストレスに対する細胞の反応および機能に影響を与える可能性がある。
本発明は、皮膚の老化の防止および/または緩和のため、および/または皮膚の保湿のための候補化合物をスクリーニングするin vitro方法であって、
a.少なくとも1つの被検化合物をヒトケラチノサイトの試料と接触させる工程;
b.SESN1、SESN2およびSESN3から選択される少なくとも1つのセストリン遺伝子の、前記ケラチノサイトにおける発現を測定する工程;
c.未処理のケラチノサイトと比較して、a.で処理されたケラチノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の少なくとも1.6倍の増加が測定される化合物を選択する工程、
を含む方法に関する。
本発明はまた、皮膚色素沈着を抑制する、好ましくは皮膚色素沈着を阻害するための候補化合物をスクリーニングするin vitro方法であって、
a.少なくとも1つの被検化合物をヒトメラノサイトの試料と接触させる工程;
b.SESN1、SESN2およびSESN3から選択される少なくとも1つのセストリン遺伝子の、前記メラノサイトにおける発現を測定する工程;
c.未処理のメラノサイトと比較して、a.で処理されたメラノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の有意な変化、好ましくは有意な増加が測定される化合物を選択する工程、
を含む方法にも関する。
第1の実施形態にしたがって、工程b.は工程a.の前および後に実行される。この場合、工程a.の前にケラチノサイトまたはメラノサイトにおいて測定される少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現は、対照値(すなわち、未処理のケラチノサイトまたはメラノサイト)に相当する。
したがってこの場合、工程c.は、工程a.の前の同じケラチノサイトと比較して、a.で処理されたケラチノサイトにおいて、少なくとも1つのセストリン遺伝子発現の少なくとも1.6倍の増加が測定される化合物の選択を含む。メラノサイトの場合、工程c.は、工程a.の前の同じメラノサイトと比較して、a.で処理されたメラノサイトにおいて、少なくとも1つのセストリン遺伝子発現の有意な変化、好ましくは有意な増加が測定される化合物の選択を含む。
好ましい一実施形態において、工程c.は、工程a.の前の同じケラチノサイトと比較して、a.で処理されたケラチノサイトにおいて、少なくとも1つのセストリン遺伝子発現の少なくとも2倍の増加が測定される化合物の選択を含む。
別の実施形態に従って、本方法は、ヒトのケラチノサイトまたはメラノサイトの試料を調製する第1工程a’を含む。したがって、好ましくは、本発明は、皮膚の老化の防止および/または緩和のため、および/または皮膚の保湿のための候補化合物をスクリーニングするin vitro方法であって、
a’.ヒトケラチノサイトの少なくとも2つの試料を調製する工程;
a.前記試料の1つを少なくとも1つの被検化合物と接触させる工程;次いで
b.少なくとも1つのセストリン遺伝子の前記試料における発現を測定する工程;
c.未処理のケラチノサイトと比較して、a.で処理されたケラチノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の少なくとも1.6倍の増加が測定される化合物を選択する工程、
を含む方法に関する。
第2の実施形態において、工程a.に供されなかったケラチノサイトの試料において測定される少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現は、対照値(すなわち、未処理ケラチノサイト)に相当する。
好ましくは、本発明はまた、皮膚色素沈着を抑制する、好ましくは皮膚色素沈着を阻害する候補化合物をスクリーニングするin vitro方法であって、
a’.ヒトメラノサイトの少なくとも2つの試料を調製する工程;
a.前記試料の1つを少なくとも1つの被検化合物と接触させる工程;次いで
b.少なくとも1つのセストリン遺伝子の前記試料における発現を測定する工程;および
c.未処理のメラノサイトと比較して、a.で処理されたメラノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の有意な変化、好ましくは有意な増加が測定される化合物を選択する工程、
を含む方法にも関する。
第2の実施形態において、工程a.に供されなかったメラノノサイトの試料において測定される少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現は、対照値(すなわち、未処理メラノサイト)に相当する。
「有意な変化」は、少なくともSESN1、SESN2またはSESN3の発現の少なくとも1.6倍の増加または少なくとも0.7倍の減少を意味し、これは注目に値する。好ましくは、本発明は、少なくともSESN2またはSESN3の発現の少なくとも1.6倍の増加に関する。
「皮膚の老化」は、自然老化および光老化の両方による皮膚の外観のあらゆる変化、例えば、シワおよび小ジワの形成、たるみ、ならびに外観の変化が組織的に反映されない皮膚のあらゆる内部変化、例えば、コラーゲン産生の減少および/または変性による真皮の萎縮が意図される。
「皮膚の保湿」は、特に細胞分化および皮膚障壁機能の改善によって、水分喪失およびその乾燥を防ぐことで皮膚の天然水分を増加させることを意味する。
「皮膚色素沈着の抑制」は、メラニンおよびメラノソームの形成および成熟、これらの皮膚における輸送、移動、分布および変性を改変することを意味する。
好ましくは、ケラチノサイトは正常なヒトケラチノサイトである。
好ましくは、メラノサイトは正常なヒトメラノサイトである。
セストリン遺伝子は、ヒトSESN1、ヒトSESN2およびヒトSESN3(本出願において、簡単に「SESN1」、「SESN2」または「SESN3」で引用される)から選択される。
SESN1は、Gene ID27244としてNCBIデータベースに見出すことができるヒト遺伝子であり、その対応するタンパク質は、受託番号Q9Y6P5としてUniprotに見出すことができる。
SESN2は、Gene ID83667としてNCBIデータベースに見出すことができるヒト遺伝子であり、その対応するタンパク質は、受託番号P58004としてUniprotに見出すことができる。
SESN3は、Gene ID143686としてNCBIデータベースに見出すことができるヒト遺伝子であり、その対応するタンパク質は、受託番号P58005としてUniprotに見出すことができる。
この方法において、工程b.におけるSESN1、SESN2およびSESN3の遺伝子発現の測定は、前記ケラチノサイトまたはメラノサイトに対してリアルタイム定量的RT−PCRにより実行可能である。しかし、前述の遺伝子の発現を定量するための任意の他の手段が、例えば、mRNAまたはタンパク質のいずれかの産生を定量することによって、本発明から逸脱することなく使用可能である。
被検化合物は任意の型であってよい。これらの被検化合物は天然起源であっても、化学合成によって生成されてもよい。これらの被検化合物は、構造的に規定された化合物のライブラリ、特徴付けされていない化合物もしくは物質または化合物の混合物を含んでよい。
天然化合物としては、化学的または植物性起源の化合物が挙げられる。好ましくは、被検化合物は植物性であり、好ましくは植物抽出物から選択される。被検化合物は化学製品であってもよい。
工程a.に従って、被検化合物をヒトのケラチノサイトまたはメラノサイトの試料と接触させる。
工程b.に従って、少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現は、前記ケラチノサイトまたはメラノサイトにおいて測定される。
「少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現」という用語は、対応する遺伝子のmRNAまたは対応する遺伝子によりコードされるタンパク質を意味することが意図される。前記遺伝子発現は、したがって、mRNAまたはタンパク質を定量することによって測定可能である。このことは、実施例において明確に示される。
定量的リアルタイムPCRの典型的な方法を使用して、SESN遺伝子の発現が定量される。この方法は、対象となる遺伝子のcDNAと、特異的ヌクレオチドプローブとの特異的ハイブリダイゼーション、これらのPCRに基づく増幅およびリアルタイムの相対的定量に基づく。
被検化合物による処理後の少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現を、その後、対照値、すなわち、未処理の同じケラチノサイトにおいて得られた値と比較する。
工程c.に従って、有用な化合物は、未処理ケラチノサイトと比較して、a.で処理されたヒトケラチノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の少なくとも1.6倍の増加が測定される化合物である。好ましくは、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の活性化は少なくとも2倍である。
本明細書において定義されたスクリーニング方法により選択された化合物は、その後、皮膚の老化および/または皮膚保湿に対する効果のために他のin vitroモデルおよび/またはin vivoモデル(ヒト)において試験することができる。本発明に従った有用な化合物は、標的化されたセストリン遺伝子の調節因子である。
本発明の対象は、さらに、皮膚の老化の防止および/または緩和のため、および/または皮膚の保湿のため、および/または皮膚色素沈着の抑制ための、上記の方法に従って得ることができる、少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現の調節因子、好ましくはアクチベーターの化粧料としての使用でもある。
本発明の別の目的は、皮膚の老化の防止および/または緩和のため、および/または皮膚の保湿のため、および/または皮膚色素沈着の抑制のための、上記の方法に従って得ることができる、少なくとも1つのセストリン遺伝子の発現の少なくとも1つの調節因子、好ましくはアクチベーターの、治療用組成物を作るための使用である。
アクチベーターは、前記組成物の0.001から10重量%の割合で、好ましくは0.01から5重量%の割合で使用することができる。
アクチベーターは、有機分子(化学製品)から選択してもよいが、植物抽出物であってもよい。
上記のスクリーニング方法により同定されたアクチベーターは、生理的に許容されるキャリア、好ましくは化粧料として許容される媒体、すなわち、毒性、不適合性、不安定性またはアレルギー反応のいかなるリスクもなく、ヒトの皮膚との接触に適しており、特に、使用者に許容不能ないかなる不快な感覚(発赤、こわばり、刺激など)も起こさせない媒体と併用して、組成物内に製剤化可能である。これらの組成物は、例えば経口または局所的に投与可能である。好ましくは、組成物は局所適用される。経口投与では、該組成物は、錠剤、ゲルカプセル、糖衣錠、シロップ、懸濁液、溶液、粉末、顆粒、エマルジョン、マイクロスフェアもしくはナノスフェアもしくは脂質の懸濁液または制御放出のためのポリマーベシクルの形態であってよい。局所投与では、該組成物は、より具体的には皮膚の手入れに使用するためであり、膏薬(salves)、クリーム、乳液、軟膏(ointment)、粉末、含浸パッド、溶液、ゲル、スプレー、ローションまたは懸濁液の形態であってよい。さらに該組成物は、マイクロスフェアもしくはナノスフェアもしくは脂質の懸濁液または制御放出のためのポリマーベシクルもしくはポリマーパッチもしくはヒドロゲルの形態であってよい。局所適用のためのこの組成物は、無水形態であっても、水性形態であっても、またはエマルジョンの形態であってもよい。局所適用のための組成物は、場合によりマイクロエマルジョンもしくはナノエマルジョンであり得る油中水、水中油または多相エマルジョン(W/O/WまたはO/W/O)の形態、または水性分散液、溶液または水性ゲルまたは粉末の形態であってよい。好ましい変形では、組成物はゲル、クリームまたはローションの形態である。
本組成物の生理的に許容されるキャリアとしては、概して水および場合により他の溶媒、例えばエタノールが挙げられる。
この組成物は、好ましくは顔および/または身体の皮膚用の手入れおよび/または洗浄製品として使用され、特に、例えばポンプディスペンサーボトル、エアロゾルもしくはチューブに調整された流体、ゲルまたはムースの形態、または例えば瓶に調整されたクリームの形態であってよい。変形として、本組成物は、メイクアップ製品、特にファンデーションまたはルースパウダーまたはコンパクトパウダーの形態であってよい。
この組成物は、さまざまな賦形剤、例えば下記から選択される少なくとも1つの化合物を含むことができるが、このリストに限定されない:
−油、特に、直鎖または環状の、揮発性または非揮発性シリコーン油、例えば、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリアルキルシクロシロキサン(シクロメチコン)およびポリアルキルフェニルシロキサン(フェニルジメチコン);合成油、例えば、フルオロ油、アルキルベンゾエートおよび分枝型炭化水素、例えばポリイソブチレン;植物油、特にダイズ油またはホホバ油;ならびに鉱物油、例えば液体ワセリン;から選択可能な油;
−ワックス、例えば、オゾケライト、ポリエチレンワックス、蜜蝋またはカルナウバ蝋;
−シリコーンエラストマー、特に、触媒の存在下で、少なくとも1つ反応基(特に、水素またはビニル)を含有し、末端および/または側位に少なくとも1つのアルキル基(特にメチル)またはフェニルを担持するポリシロキサンと、有機シリコーン、例えば、オルガノ水素ポリシロキサンとの反応により得られるシリコーンエラストマー;
−界面活性剤、好ましくは非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性イオン性のいずれでもよい乳化性界面活性剤、特にポリオールの脂肪酸エステル、例えば、グリセロールの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルおよびスクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸アルキルエーテル;アルキルポリグリコシド;ポリシロキサン変性ポリエーテル;ベタインおよびこれらの誘導体;ポリクオタニウム;エトキシル化脂肪酸アルキル硫酸塩;スルホサクシネート;サルコシネート;アルキルおよびジアルキルホスフェートおよびこれらの塩;ならびに脂肪酸石けん;
−補助界面活性剤、例えば、直鎖脂肪族アルコール、特にセチルアルコールまたはステアリルアルコール;
−増粘剤および/またはゲル化剤、特に、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸(AMPS)および/またはアクリルアミドおよび/またはアクリル酸および/またはアクリル酸塩もしくはエステルの、架橋または非架橋の親水性または両親媒性のホモポリマーおよびコポリマー;キサンタンガムまたはグアーガム;セルロース誘導体;ならびにシリコーンガム(ジメチコノール);
−有機スクリーニング剤、例えば、ジベンゾイルメタン誘導体(ブチル−メトキシ−ジベンゾイル−メタンを含む)、ケイ皮酸誘導体(エチル−ヘキシルメトキシシンナメートを含む)、サリチレート、パラアミノ安息香酸、β,β’−ジフェニルアクリレート、ベンゾフェノン、ベンジリデンカンファー誘導体、フェニル−ベンズイミダゾール、トリアジン、フェニル−ベンゾトリアゾールおよびアントラニル酸誘導体;
−無機スクリーニング剤、コーティングされた、または非コーティングの顔料もしくはナノ顔料の形態の鉱物酸化物に基づくもの、特に二酸化チタンまたは酸化亜鉛に基づくもの;
−染料;
−保存料;
−捕捉剤、例えばEDTA塩;
−香料;
−およびそれらの混合物。
このような賦形剤の例は、特にCTFA辞書(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook published by The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, 11th edition, 2006)に述べられており、この辞書には、限定するものではないが、本発明に従った組成物への追加成分としての使用に適切な、スキンケア産業において通常使用される非常に広範囲な化粧品および医薬品成分が記載されている。
本組成物は、光学効果を有する少なくとも1つの化合物、例えば、増量剤、顔料、真珠層、テンショニング剤(tensioning agent)およびマット化ポリマーならびにそれらの混合物を含んでよい。
「増量剤」という用語は、適用直後に、組成物に量感または堅さおよび/または柔らかさ、マット作用、ならびに均一性を付与するのに適した、無色または白色の、鉱物性または合成の、層状または非層状の粒子を意味するものと理解されたい。増量剤としては、特に、タルク、雲母、シリカ、カオリン、Nylon(登録商標)粉末、例えばNylon−12(Atochem社により販売されているOrgasol(登録商標))、ポリエチレン粉末、ポリウレタン粉末、ポリスチレン粉末、ポリエステル粉末、任意選択で加工デンプン、シリコーン樹脂マイクロビーズ、例えば東芝(Toshiba)社によりTospearl(登録商標)という名称で販売されているもの、ヒドロキシアパタイト、および中空シリカマイクロスフェア(Maprecos社のSilica Beads(登録商標))が挙げられる。
「顔料」という用語は、組成物を着色し、および/または不透明化することが意図される、媒体に溶解しない白色または有色の鉱物性または有機性粒子を意味するものと理解されたい。これらは標準的サイズのものであっても、またはナノメートルサイズのものであってもよい。鉱物顔料のなかでは、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムおよび二酸化セリウムが挙げられ、さらに酸化亜鉛、酸化鉄、および酸化クロムを挙げることができる。
「真珠層」という用語は、光を反射する、真珠光沢の粒子を意味するものと理解されたい。想定され得る真珠層のなかでは、天然の真珠母、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料またはビスマスオキシクロクロライドでコーティングされた雲母を挙げることができ、さらに有色のチタンマイカも挙げることができる。
これらの増量剤および/または顔料および/または真珠層の水相中の質量濃度は、組成物の総重量に対して概して0.1重量%から20重量%、好ましくは0.2重量%から7重量%である。
「テンショニング剤」という用語は、皮膚を緊張した状態にして、このテンショニング効果を用いて皮膚を滑らかにし、皮膚からシワおよび小ジワを少なくすること、またはさらに即座に除去することに適切な化合物を意味するものと理解されたい。テンショニング剤としては天然起源のポリマーを挙げることができる。「天然起源のポリマー」という用語は、植物起源ポリマー、外皮に由来するポリマー、卵タンパク質、および天然起源のラテックスを意味する。これらのポリマーは、好ましくは親水性である。植物起源のポリマーとしては、タンパク質、およびタンパク質加水分解物が特に挙げられ、より詳細には穀草、マメ科植物および油産出植物の抽出物、例えばトウモロコシ、ライムギ、コムギ、ソバ、ゴマ、スペルトコムギ、エンドウマメ、インゲンマメ、レンズマメ、ダイズおよびルピナスの抽出物を挙げることができる。合成ポリマーは、概してラテックスまたは擬似ラテックスの形態であり、重縮合型であってもよく、またはフリーラジカル重合によって得てもよい。特に、ポリエステル/ポリウレタンおよびポリエーテル/ポリウレタンの分散系を挙げることができる。好ましくは、テンショニング剤は、PVP/ジメチコニルアクリレートおよび親水性ポリウレタンのコポリマー(Hydromer社のAquamere S−2001(登録商標))である。
「マット化ポリマー」という用語は、本明細書において、皮膚の光沢を減らして顔色を一様にする、溶液中、分散系中の、または粒子の形態の任意のポリマーを意味する。例としては、シリコーンエラストマー、樹脂粒子およびそれらの混合物を挙げることができる。シリコーンエラストマーの例としては、信越化学工業株式会社(Shin−Etsu)によってKSG(登録商標)という名称で販売されている製品、Dow Corning社によりTrefil(登録商標)、BY29(登録商標)もしくはEPSX(登録商標)という名称で販売されている製品、またはGrant Industries社によりGransil(登録商標)という名称で販売されている製品を挙げることができる。
また本発明に従って使用される組成物は、アクチベーター以外の活性薬剤、特に以下から選択される少なくとも1種の活性薬剤:成長因子の産生を刺激する薬剤;抗糖化または脱糖化剤;コラーゲン合成を増加させる、またはその分解を防止する薬剤(抗コラゲナーゼ剤、特にマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤);エラスチン合成を増加させる、またはその分解を防止する薬剤(抗エラスターゼ剤);インテグリンまたは接着斑成分、例えばテンシンの合成を刺激する薬剤;グリコサミノグリカンまたはプロテオグリカン合成を増加させる、またはそれらの分解を防止する薬剤(抗プロテオグリカナーゼ剤);線維芽細胞増殖を増加させる薬剤;色素脱失剤または抗色素沈着剤;抗酸化剤もしくはフリーラジカル捕捉剤、または防汚剤;およびそれらの混合物を含んでもよいが、ここで列挙されたものに限定されない。
このような薬剤の例は、特に:植物抽出物、特にコンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、ピスム・サティブム(Pisum sativum)(Proteasyl(登録商標)TP LS)、センテラ・アジアティカ(Centella asiatica)、セネデスムス(Scenedesmus)、モリンガ・プテリゴスペルマ(Moringa pterygosperma)、ウィッチヘーゼル、クリ(Castanea sativa)、ハイビスカス・サブダリファ(Hibiscus sabdriffa)、ポリアンテス・ツベロサ(Polianthes tuberosa)、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)、アロエベラ(Aloe vera)、ナルキッソス・タルゼッタ(Narcissus tarzetta)、またはカンゾウの抽出物;シトラス・アランチウム(Citrus aurantium)(ネロリ)のエッセンシャルオイル;α−ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、乳酸、およびクエン酸、ならびにそれらのエステル;β−ヒドロキシ酸、例えばサリチル酸、およびそれらの誘導体;植物タンパク質(特にダイズまたはヘーゼルナッツ)の加水分解物;アシル化オリゴペプチド(特にSederma社によりMaxilip(登録商標)、Matrixyl(登録商標)3000、Biopeptide(登録商標)CLまたはBiopeptide(登録商標)ELという商標名で販売されているもの);酵母抽出物、特にサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の酵母抽出物;藻類抽出物、特にコンブ抽出物;ビタミン、およびそれらの誘導体、例えばレチニルパルミテート、アスコルビン酸、アスコルビルグルコシド、アスコルビルリン酸マグネシウムまたはナトリウム、アスコルビルパルミテート、アスコルビルテトライソパルミテート、アスコルビルソルベート、トコフェロール、酢酸トコフェロール、およびトコフェリルソルベート;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;およびそれらの混合物である。
変形物として、またはそれに加えて、本発明に従って使用される組成物は、少なくとも1つのエラスターゼ阻害剤(抗エラスターゼ剤)、例えば特にLaboratoires Serobiologiques/Cognis France社によりProteasyl TP LS(登録商標)という商標名で販売されているピスム・サティブム(Pisum sativum)種子の抽出物を含んでもよい。
本組成物はまた、不活性添加剤もしくはこれらの添加剤の組み合わせ、例えば湿潤剤、安定剤、水分調節剤、pH調節剤、浸透圧調節剤、またはUV−AおよびUV−B遮断剤などを含有してもよい。
以下の実施例は、本発明の範囲を制限することなく本発明を説明する。
実施例1
正常なヒトケラチノサイトにおけるSESN1、SESN2およびSESN3遺伝子の分化状態に応じた発現レベルの試験
プロトコル:
若年ドナーに由来する正常なヒト表皮ケラチノサイト(PromoCell)を、6ウェルプレートにおいて添加ケラチノサイト成長培地(KGM2基礎培地+SupplementMix、Promocell)中で37℃、5% COにおいて培養した。24時間後、細胞を、添加培地において(ケラチノサイトの増殖)または高カルシウム(1mM)添加培地において(ケラチノサイトの分化)さらに48時間インキュベートした。
製造業者の取扱説明書に従って、全RNAを、RNeasyキット(Qiagen)を用いて抽出した。回収されたRNAを、製造業者取扱説明書に従って、Quant−iT RiboGreen RNA Assayキット(Invitrogen)を用いて定量し、iScript Reverse Transcription SuperMix Kit(BioRad)を使用して逆転写させた。作製されたcDNAをその後、遺伝子発現の分析のために、標的およびハウスキーピング遺伝子(Applied Biosystems)およびiQ Supermix(BioRad)に対応する適切なTaqmanプライマーを使用して定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)に供した。反応は、BioRad CFX96 Touch Real−Time PCR Detection Systemにおいて実施した。結果を、ハウスキーピング遺伝子(B2MおよびRPLPO)の発現に対して正規化した。結果は、未処理対照試料に対する処理試料における標的遺伝子の発現の倍数変化で表した。
結果:
データは、2名のドナーのケラチノサイトから得た。
分化ケラチノサイト(1.53±0.09)に対する増殖ケラチノサイト(1.0±0.22)におけるSESN1発現レベルの評価は、大きな変動を示していない。
分化ケラチノサイト(0.99±0.12)に対する増殖ケラチノサイト(1.0±0.38)におけるSESN2発現レベルの評価は、細胞分化に伴う変動を示していない。
分化ケラチノサイト(1.93±0.19)に対する増殖ケラチノサイト(1.0±0.16)中のSESN3の発現の評価は、細胞分化に伴うSESN3遺伝子の発現の増加を示している。
実施例2
UVA/UVB曝露後の正常なヒトケラチノサイトにおけるSESN1、SESN2およびSESN3遺伝子の発現レベルの試験
プロトコル:
若年ドナーに由来する正常なヒト表皮ケラチノサイト(PromoCell)を、6ウェルプレートにおいて添加ケラチノサイト成長培地(KGM2基礎培地+SupplementMix、Promocell)中で37℃、5% COにおいて培養した。70%集密において、細胞をPBS緩衝液(Life Technologies)で洗浄し、その後、UVA(10J/cm)またはUVB(20mJ/cm)を、BioSun照射器(Vilber Lourmat)を使用して照射するか、または照射せずに、添加ケラチノサイト成長培地(Promocell)においてさらに24時間インキュベートした。
実施例1と同様の試験を実施して、セストリン遺伝子発現レベルを決定した。
結果:
ドナー由来のケラチノサイトにおけるSESN1発現の評価は、UV照射後に大きな変動を示していない。未処理対照ケラチノサイトにおいて、相対発現レベルは1.0(±0.03)、UVA照射後に1.09(±0.05)およびUVB照射後に1.26(±0.08)であった。
ドナー由来のケラチノサイトにおけるSESN2発現は、照射されたケラチノサイトにおいて発現の増加を示している。未処理対照ケラチノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.03)、UVA照射後に1.69(±0.07)およびUVB照射後に1.74(±0.11)であった。
ドナー由来のケラチノサイトにおけるSESN3発現の評価は、UV照射後に大きな変動を示していない。未処理対照ケラチノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.02)、UVA照射後に1.01(±0.06)およびUVB照射後に0.94(±0.06)であった。
したがって、ケラチノサイトにおけるSESN2遺伝子の発現の増加は、UV照射に対する皮膚防御の最前線に関係している。したがって、ケラチノサイトにおけるSESN2の発現を刺激する化合物は、酸化ストレスに対しても保護するものである。
実施例3
UVA/UVB曝露後の正常なヒトメラノサイトにおけるSESN1、SESN2およびSESN3遺伝子の発現レベルの試験
プロトコル:
若年ドナーに由来する正常なヒト表皮メラノサイト(Promocell)を、6ウェルプレートにおいてメラノサイト成長培地(MGM2基礎培地+SupplementMix、PromoCell)中で37℃、5% COにおいて培養した。48時間培養した後で、細胞をPBS緩衝液(Life Technologies)で洗浄し、その後、UVA(10J/cm)またはUVB(50mJ/cm)を、BioSun照射器(Vilber Lourmat)を使用して照射するか、または照射せずに、最後に添加メラノサイト成長培地(Promocell)において24時間インキュベートした。
セストリン遺伝子発現の分析を、実施例1に記載したように実施した。
結果:
ドナー由来のメラノサイトにおけるSESN1発現の評価は、UVB照射されたメラノサイトにおいて発現の増加を示している。未処理対照メラノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.06)、UVA照射後に0.77(±0.05)およびUVB照射後に2.91(±0.23)であった。
ドナー由来のメラノサイトにおけるSESN2発現の評価は、UVB照射されたメラノサイトにおいて発現の増加を示している。未処理対照メラノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.06)、UVA照射後に1.04(±0.09)およびUVB照射後に4.66(±0.18)であった。
ドナー由来のメラノサイトにおけるSESN3発現の評価は、UVB照射されたメラノサイトにおいて発現の減少を示している。未処理対照メラノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.08)、UVA照射後に0.93(±0.04)およびUVB照射後に0.16(±0.01)であった。
この試験から、UV照射が、メラノサイトによるセストリン遺伝子発現を変化させ、したがって、環境障害に対するメラノサイトの反応に影響を与える可能性が明らかである。
実施例4
ヒトの皮膚におけるSESN1、SESN2およびSESN3遺伝子の加齢に伴う発現プロファイルの評価
プロトコル:
ヒトの皮膚中のセストリンタンパク質の分布を、さまざまな年齢群のドナーに由来するパラフィン包埋皮膚試料について、免疫蛍光法により評価した。
4ヶ月(4m)、30歳(30y)、35歳(35y)、39歳(39y)、49歳(49y)、50歳(50y)および69歳(69y)の女性の皮膚生検の切片を含む組織アレイ(Cybrdi)を使用した。切片をキシレン中で脱パラフィンさせ、エタノールバスにおいて再水和させ、脱イオン水ですすいだ。10mM クエン酸緩衝液pH6中で、90℃において20分間の抗原賦活化を実施し、その後、3% ヤギ血清中で1時間、ブロッキング反応を実施した。スライドを一次抗体:マウスpAb抗ヒトSESN1(Abcam)、ウサギpAb抗ヒトSESN2(Sigma)、ウサギpAb抗ヒトSESN3(Abcam)と一緒に4℃において一晩インキュベートした。二次抗体:ヤギ抗マウスAlexa488およびヤギ抗ウサギAlexa488(Abcam)を、1時間、室温において適用して、SESN染色した。DAPIを核染色に使用した。
結果:
免疫蛍光染色により、SESN1がすべての表皮細胞層に均一に存在すること、および年齢に伴うSESN1発現の大きな変動がないことが示されている。
SESN2に関しては、新生児(4m)および加齢(69y)の皮膚において検出可能なSESN2染色は存在しない。まばらな分布が、30から50歳の間の個体の表皮の基底層において観察される。
SESN3免疫蛍光染色により、基底層から果粒層へと強度の勾配の増加が示されている。SESN3は全年齢において検出されるが、年齢に伴い強度が変動し、その発現は若年(4m)または高齢(69y)の皮膚試料と比較して30−39歳の皮膚試料においてより強い。
実施例5
ヒトの皮膚等価物における、UVB曝露後のSESN1、SESN2およびSESN3遺伝子の発現プロファイルの評価
プロトコル:
UVB照射皮膚等価物中のセストリンタンパク質の分布を、パラフィン包埋皮膚切片について、免疫蛍光法により評価した。
ヒト皮膚等価物のプロトコル:
若年ドナー由来のケラチノサイトおよび線維芽細胞をPromocellから購入した。真皮等価物は、ラット尾I型コラーゲン(BD Biosciences)、10×DMEM培地(Gibco/Invitrogen)、重炭酸ナトリウム(Gibco/Invitrogen)および線維芽細胞を含有するコラーゲン溶液からなり、これを6ウェル培養インサート(BD)に加え、ディープ6ウェル培養プレート(BD)に配置した。37℃における重合の2時間後、真皮等価物を添加ケラチノサイト成長培地(KGM2基礎培地+SupplementMix、Promocell)において平衡させ、37℃、5% COに配置した。24時間後、ケラチノサイトの懸濁液をゲルの上に加え、添加ケラチノサイト成長培地に3日間浸した。インサートを、無血清ケラチノサイト限定培地(SKDM:SKDMは、KGM2基礎培地、トランスフェリン(Sigma)、BSA(Sigma)およびL−アスコルビン酸(Sigma)からなる高Ca2+培地である)の気相液相界面に10日間配置した。培養停止の24時間前、皮膚等価物に100mJ/cmUVBを2連に照射した。
免疫蛍光プロトコル:
ヒトの皮膚等価物を、10% ホルマリンに固定して、その後、パラフィンに包埋して、5μmの厚さの切片に切断した。切片をキシレン中で脱パラフィンさせ、エタノールバスにおいて再水和させ、脱イオン水ですすいだ。10mM クエン酸緩衝液pH6中で、90℃において20分間の抗原賦活化を実施し、その後、3% ヤギ血清中で1時間、ブロッキング反応を実施した。スライドを、ウサギ抗ヒトSESN2抗体(Sigma)またはウサギ抗ヒトSESN3抗体(Abcam)と一緒に4℃において一晩インキュベートした。二次ヤギ抗ウサギAlexa488抗体(Abcam)を1時間、室温において適用して、SESN2またはSESN3染色した。DAPIを核染色に使用した。
結果:
非照射皮膚等価物において、SESN2免疫蛍光染色は基底ケラチノサイトにおいて検出されている。UVB曝露後に、基底ケラチノサイトにおいてシグナル強度の増加が観察され、SESN2陽性ケラチノサイトもまた、基底上層において検出されている。これらの観察は、UVBストレス皮膚等価物におけるSESN2タンパク質発現の刺激を実証している。
非照射皮膚等価物において、SESN3の免疫蛍光染色は、基底上層、特に果粒層において強く検出されている。UVB曝露後、シグナル強度全体の低下が観察されている。
実施例6
培養ケラチノサイトにおけるセストリン遺伝子サイレンシングの効果
プロトコル:
若年ドナー由来の正常なヒト表皮ケラチノサイト(PromoCell)に、供給業者により記載されたトランスフェクションプロトコルに従ってNucleofector(登録商標)Solution(Amaxa nucleofection kit,Lonza)を使用して、SESN2またはSESN3(Dharmacon)に特異的なサイレンサーRNAをトランスフェクトした。SESN2またはSESN3に対するsiRNAおよびスクランブルsiRNA(陰性対照)をトランスフェクトした細胞を、ケラチノサイト成長培地(KGM2基礎培地+SupplementMix、Promocell)中で37℃、5% COにおいて48時間培養した。
その後試料を、実施例1に記載したものと同じ方法を使用して定量的リアルタイムPCRにより分析し、標的遺伝子のノックダウンを確認し、自己貪食(LC3)および分化(Loricrin)マーカーの発現へのその影響を評価した。
結果:
siRNAを用いたSESN2に対するサイレンシング後の、ケラチノサイト中のSESN2遺伝子の発現レベルの評価は、SESN2発現の最大79%の減少を示している。siRNAを用いたSESN3に対するサイレンシング後の、ケラチノサイト中のSESN3遺伝子の発現レベルの評価は、SESN3発現の最大93%の減少を示している。
ケラチノサイトのドナーから得られた結果は、特異的サイレンサーRNAを介したSESN2発現の不活性化が、LC3遺伝子発現レベルを減少させたことを示している。対照ケラチノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.06)であり、SESN2に関してサイレンシングされたケラチノサイトにおいて、発現レベルは0.55(±0.02)であった。
特異的サイレンサーRNAを介したSESN3発現の不活性化は、Loricrin遺伝子の発現レベルを減少させた。対照ケラチノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.08)であり、SESN3に関してサイレンシングされたケラチノサイトにおいて、発現レベルは0.65(±0.05)であった。
実施例7
植物抽出物を用いた、正常なヒトケラチノサイトにおけるセストリン遺伝子発現の刺激試験
プロトコル:
植物抽出物1(アキノキリンソウ):
アキノキリンソウ抽出物を以下のように調製した:ソリダゴ・ウィルガウレア(Solidago virgaurea)を、粉砕された乾燥地上部をエタノール(または任意のアルコール溶媒)による抽出によって得て、活性炭で退色させ、ろ過し、1,3−プロパンジオール(または他の適切な化粧料溶媒)で希釈して液体形態の最終抽出物を得る。
若年ドナーに由来する正常なヒト表皮ケラチノサイト(PromoCell)を、6ウェルプレートにおいて添加ケラチノサイト成長培地(KGM2基礎培地+SupplementMix、Promocell)中で37℃、5% COにおいて培養した。70%集密において、細胞を、被検植物抽出物を含有するKGM2基礎培地(Promocell)と一緒に、さまざまな非毒性濃度で3連に24時間インキュベートした。植物抽出物の細胞毒性を、活性試験前にヒト培養ケラチノサイトにおいて評価した。
その後、実施例1に記載の同じ方法を使用して、試料を定量的リアルタイムPCRによって分析した。
結果:
ケラチノサイトのドナーから得られた結果を下記の表1に示す。
植物抽出物1は、正常なヒトケラチノサイトにおけるSESN1およびSESN3の発現を刺激することができる。
実施例8
植物抽出物2を用いた、ヒト皮膚等価物におけるセストリン遺伝子発現の刺激試験
プロトコル:
SESN3遺伝子の発現に対する植物抽出物2の効果を、免疫蛍光法によりヒト皮膚等価物に対して評価した。
合成化合物(レチノール)および植物抽出物2(コロハ):
コロハ抽出物を以下のように調製する:トリゴネラ・フェヌグリーク(Trigonella foenum-graecum)抽出物を、粉砕した種子のヘキサンによる抽出によって得て、超臨界抽出過程を使用して得られた油状物質を分取し、1,3−プロパンジオール(または他の適切な化粧料溶媒)で希釈して、液体形態の最終抽出物を得る。
ヒト皮膚等価物を、実施例5に記載のように調製した。皮膚等価物を、無血清ケラチノサイト限定培地中に、10日間、気相液相界面に配置した。植物抽出物を最終の7日間培養培地で希釈して、新鮮な希釈液に2日ごとに交換した。合成化合物(レチノール)を最終の4日間培養培地で希釈した。各条件を2連に実施した。
皮膚等価物の免疫染色を、実施例5に記載のように実行した。
結果:
免疫蛍光実験により、SESN3の染色強度が、未処理(対照)試料と比較して、合成化合物のレチノールにより処理した皮膚等価物において減少することが明らかになった。評価した分化マーカー(サイトケラチン10およびロリクリン)もまた、対照と比較して、レチノール処理後に減少した。逆に、SESN3およびロリクリンの免疫染色は、植物抽出物により処理した皮膚等価物において増加した。
実施例4、5および6による観察と組み合わせて、この観察は、SESN3発現が、表皮におけるケラチノサイトの分化過程と関連していることを強く示唆している。
植物抽出物2は、ヒト皮膚等価物におけるSESN3の発現を刺激することができる。
実施例9
セストリン遺伝子サイレンシングの培養メラノサイトにおける効果−TYR遺伝子の発現レベル
プロトコル:
新生児ドナーに由来する正常なヒト表皮メラノサイト(Invitrogen)に、供給業者により記載されたトランスフェクトプロトコルに従って、Lipofectamine(登録商標)3000 Reagent(Lipofectamine(登録商標)3000Transfection Reagent、Thermo Fisher Scientific)を使用して、SESN1、SESN2またはSESN3に特異的なサイレンサーRNA(Dharmacon)を、トランスフェクトした。SESN1、SESN2またはSESN3に対するsiRNAおよびスクランブルsiRNA(陰性対照)をトランスフェクトした細胞を、メラノサイト成長培地M2(MGM2基礎培地+SupplementMix、Promocell)中で37℃、5% COにおいて5日間培養した。
標的遺伝子のノックダウンおよびチロシナーゼ(TYR)の発現に対するこれらの影響、メラニン産生を制御するカギとなる酵素を、その後、以下の方法を使用して、定量的リアルタイムPCRによって分析した。
製造業者の取扱説明書に従って、全RNAを、RNeasyキット(Qiagen)を用いて抽出した。回収されたRNAを、分光光度法(Multiskan GO+μdrop plate、Thermo Scientific)により定量し、製造業者の取扱説明書に従って、iScript Reverse Transcription SuperMix Kit(BioRad)を使用して逆転写させた。その後作製されたcDNAを、標的遺伝子およびハウスキーピング遺伝子に対応する適切なTaqmanプライマー(Applied Biosystems)ならびにSsoAdvanced(商標)Universal Supermix(BioRad)を使用して、遺伝子発現の分析のための定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)に供した。反応は、BioRad CFX96 Touch Real−Time PCR Detection Systemにおいて実施した。結果を、ハウスキーピング遺伝子(B2M、GUSBおよびTBP)の発現に対して正規化した。結果は、未処理対照試料に対する処理試料における標的遺伝子の発現の平均倍数変化で表した。
結果:
特異的siRNAによるサイレンシング後のメラノサイトにおけるSESN遺伝子発現レベルの評価は、SESN1では最大74%、SESN2では77%およびSESN3では89%の発現の減少を示した。データは、2名のドナーのメラノサイトから得た。
結果は、SESN1の不活性化が、TYR遺伝子発現レベルに大きな影響を与えないことを示している。対照メラノサイトにおいて、相対発現レベルは1.0(±0.00)であり、SESN1に関してサイレンシングされたメラノサイトにおいて、発現レベルは0.98(±0.06)であった。
SESN2の不活性化は、TYR遺伝子の発現レベルを増加させた。対照メラノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.00)であり、SESN2に関してサイレンシングされたメラノサイトにおいて、発現レベルは1.40(±0.02)であった。
SESN3の不活性化は、TYR遺伝子発現レベルを増加させた。対照メラノサイトにおいて、発現レベルは1.0(±0.00)であり、SESN3に関してサイレンシングされたメラノサイトにおいて、発現レベルは1.39(±0.06)であった。
この観察は、SESN2およびSESN3の発現が、ヒトメラノサイトにおけるメラニン形成過程に影響を与え得ることを示唆している。
実施例10
化粧料組成物
以下の組成物を、従来の方法に従って調製した。
成分の量は、組成物の全重量に対する重量パーセントで示す。
O/W エマルジョン:

O/W エマルジョン:

Claims (9)

  1. 皮膚の老化の防止および/または緩和のため、および/または皮膚の保湿のための候補化合物をスクリーニングするin vitro方法であって、
    a.少なくとも1つの被検化合物をヒトケラチノサイトの試料と接触させる工程;
    b.SESN3およびSESN2から選択される少なくとも1つのセストリン遺伝子の、前記ケラチノサイトにおける発現を測定する工程;
    c.未処理のケラチノサイトと比較して、a.で処理されたケラチノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の少なくとも1.6倍の増加が測定される化合物を選択する工程、
    を含む方法。
  2. 皮膚色素沈着を抑制するための候補化合物をスクリーニングするin vitro方法であって、
    a.少なくとも1つの被検化合物をヒトメラノサイトの試料と接触させる工程;
    b.SESN3およびSESN2から選択される少なくとも1つのセストリン遺伝子の、前記メラノサイトにおける発現を測定する工程;
    c.未処理のメラノサイトと比較して、a.で処理されたメラノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の変化が測定される化合物を選択する工程、
    を含む方法。
  3. 工程b.が、工程a.の前および後に実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. a’.ヒトケラチノサイトの少なくとも2つの試料を調製する工程;
    a.前記試料の1つを少なくとも1つの被検化合物と接触させる工程;次いで
    b.少なくとも1つのセストリン遺伝子の前記試料における発現を測定する工程;
    c.未処理のケラチノサイトと比較して、a.で処理されたケラチノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の少なくとも1.6倍の増加が測定される化合物を選択する工程、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. a’.ヒトメラノサイトの少なくとも2つの試料を調製する工程;
    a.前記試料の1つを少なくとも1つの被検化合物と接触させる工程;次いで
    b.少なくとも1つのセストリン遺伝子の前記試料における発現を測定する工程;および
    c.未処理のメラノサイトと比較して、a.で処理されたメラノサイトにおいて、前記遺伝子の少なくとも1つの発現の変化が測定される化合物を選択する工程、
    を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  6. 少なくとも1つセストリン遺伝子の発現が、対応する遺伝子のmRNAを定量することによって測定されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも1つセストリン遺伝子の発現が、対応する遺伝子によりコードされるタンパク質を定量することによって測定されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 被検化合物が化学製品または植物抽出物から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程c.において測定された前記遺伝子の少なくとも1つの発現の増加が、未処理ケラチノサイトと比較して少なくとも2倍であることを特徴とする、請求項1、3、4または6から8のいずれか一項に記載の方法。
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