JP6516837B2 - ヒンダード基質におけるプリンス反応 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は有機合成の分野に関し、より詳細には、式(II)の高立体障害アルケンとアルデヒドとの反応による式(I)で定義されたホモアリルアルコール誘導体の製造方法に関する。
従来技術
式(I)で定義された多数のホモアリルアルコール誘導体は、そのままで有用な生成物であるか又は特に香料産業用の他の重要な原材料(例えば、2−(2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール)を製造するための有用な中間体である。後者の化合物は、Cetalox(登録商標)(3a,6,6,9a−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フラン;製造元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス)又はAmbrox(登録商標)(3a,6,6,9a−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランのジアステレオマーの混合物;製造元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス)などの工業的に関連する化合物を製造するための重要な中間体である。
式(I)のホモアリル化合物は、文献(例えば、欧州特許第2215069号明細書(EP 2215069))では、例えば、対応するアルデヒド、エステル又は酸基の還元により調製されている。
このような合成手法は多段階のプロセスを必要とし、必然的に効率を低下させる。従って、より効率的な方法で、即ち、高収率で且つ単一工程で目的化合物を得ることができる方法で、前記化合物を製造する方法がなお求められている。本発明の目的は、このような分子間プリンス反応を使用することによる方法を提供することである。
本化合物(I)はプリンス型反応に基づく本方法によって得られるものとして文献で全く報告も示唆もされていない。高立体障害アルケン及びアルデヒドを用いて行われるプリンス反応の前例がないことで、本方法に対する先入観が生じ、当業者の意欲が削がれていた。知られている唯一の例は、環形成につながる分子内反応(Tetrahedron 1996,52(11)、3921-3932を参照)であるが、分子内反応は分子間反応よりもはるかに容易であることが知られており、前者は後者を予期するものと見なすことができない。
発明の詳細な説明
本発明者らはここで、式(I)の誘導体をプリンス型反応によって有利な方法で製造できることを見出した。
従って、本発明の第一の対象は、下記式(I):
Figure 0006516837
(式中、Rは水素原子又はC1〜8アルキル基を表し;
、R、R、Rは、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、1つ又は2つのC1〜5アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC〜C直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し;R及びRは、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC4〜11直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合、C4〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し;且つ
はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
の化合物を、
その立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形で製造する方法であって、
下記式(II):
Figure 0006516837
(式中、R、R、R、R及びRは式(I)と同じ意味を有する)
の対応する化合物と、
式RCHO(式中、Rは式(I)と同じ意味を有する)の化合物と、を反応させる工程を含む、前記製造する方法である。
「R及びRは、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し…及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合…」又は類似表現によって、前記基が(多)環状アルキル基を形成し得ることが理解される。換言すれば、化合物(II)は、非環式、単環式、二環式又は三環式であり得る、例えば、R及びR、並びにR及びRは、一緒に考えると、式(II)の化合物は、二環式部分、例えばデカリンを含む、例えば、R、R及びRは、一緒に考えた場合、アルカントリイルを表す。
本発明の上記の実施態様のいずれか1つによれば、前記式(II)の化合物は、C9〜20化合物である。
本発明の上記の実施態様のいずれか1つによれば、前記化合物(I)は、下記式(III):
Figure 0006516837
(式中、nは0又は1であり;
、R、R10は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、水素原子又はC〜C直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC1〜3アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;
、R11、R12は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、C1〜6直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC〜Cアルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;R及びRは、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を含むC3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びR10は、一緒に考えた場合、C1〜2直鎖状アルカンジイル基を表し及び/又はR10及びR11は、一緒に考えた場合、C3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びR11は、一緒に考えた場合、C1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し;且つ
12はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
の化合物のその立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形である。
本発明の上記の実施態様のいずれか1つによれば、前記化合物(II)は下記式(IV):
Figure 0006516837
(式中、n、R、R、R、R10、R11及びR12は式(III)と同じ意味を有する)
の化合物である。
「R及びRは、一緒に考えた場合、C3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し…及び/又はR及びR10は、一緒に考えた場合、C1〜2直鎖状アルカンジイル基を表し及び/又はR10及びR11は、一緒に考えた場合、C3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びR11は、一緒に考えた場合、…」又は類似表現によって、前記基が(多)環状アルキル基を形成し得ること、即ち、化合物(III)及び(IV)が単環式、二環式又は三環式であり得ること、例えば、化合物(III)及び(IV)が、R及びR、並びにR及びR10は一緒に考えた場合、三環式化合物であることが理解されている。
特定の実施態様によれば、化合物(III)及び(IV)は単環式、二環式又は三環式化合物である。好ましくは、化合物(III)及び(IV)は、単環式又は二環式化合物であり、更に一層好ましくは二環式化合物である。式(IV)の前記化合物は合成又は天然であり得る。特に式(IV)の化合物は、エキソ二重結合を有する天然のセスキテルペン誘導体、例えば、ジザエン又は(7,7−ジメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−3−イル)メチルアセテートとして知られる(3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレンであってよく、Rが水素原子である場合、それぞれ、本発明の方法の下で、2−((3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−8−イル)エタン−1−オール又は(8−(2−ヒドロキシエチル)−7,7−ジメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−3−イル)メチルアセテートをもたらす。式(IV)の合成化合物の特別な例及び非限定的な例は、1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレン、1,1,3−トリメチル−2−メチレンシクロヘキサン、2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレン、1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び(3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メチルアセテートからなるリストから選択され、Rが水素原子である場合、それぞれ、本発明の方法の下で2−(2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール、2−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)エタン−1−オール、(2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール、2−((1R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−イル)エタン−1−オール及び2−(2−(ヒドロキシメチル)−4,5,5−トリメチルシクロペンタ−1−エン−1−イル)エタン−1−オールをもたらす。
本発明の任意の実施態様に従い、且つ特別な態様とは無関係に、化合物(III)、並びに対応する化合物(IV)は、その立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形であってよい。明確にするために、立体異性体との用語は、任意のジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ化合物であることが意図されている。
実際に、化合物(III)又は(IV)は、異なる立体化学を有し得る立体中心を有してよい(即ち、2つの立体中心が存在する場合、化合物(III)又は(IV)は(R,R)又は(R,S)立体配置を有し得る)。前記立体中心はそれぞれ相対配置R若しくはS又はそれらの組み合わせであってよく、又は換言すれば、式(III)又は(IV)の前記化合物は純粋なエナンチオマー又はジアステレオ異性体の形、又は立体異性体の組み合わせの形であり得る。
本発明の特定の実施態様によれば、式(III)の化合物は、2−(2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールであり、対応する式(IV)の化合物は、1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンであり、これは立体配置R若しくはS又はそれらの組み合わせである3つの立体中心を有する。換言すれば、1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンは、本質的に純粋な立体異性体の形、又は立体異性体の混合物の形である。本発明の特定の実施態様によれば、式(IV)の化合物は、立体異性体(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレン及び(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンの両方の少なくとも80%を含有する立体異性体の混合物の形である。好ましくは、式(IV)の化合物は、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンの少なくとも50%を含有する立体異性体の混合物の形である。より一層好ましくは、式(IV)の化合物は、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンの少なくとも75%を含有する立体異性体の混合物の形である。本発明の特定の実施態様によれば、化合物(IV)は(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンである。明確にするために、「4aSR,6SR,8aSR」との表現は、4aS,6S,8Sと4aR,6R,8Rとの等モル混合物を意味し、「4aSR,6RS,8aSR」との表現は、4aS,6R,8Sと4aR,6S,8Rとの等モル混合物を意味する。本発明の特定の実施態様によれば、化合物(II)は(4aS,6S,8aS)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンである。
本発明のいずれか1つの実施態様によれば、R、R、R10は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して水素原子又はC1〜6直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC〜Cアルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル又はカルボニル基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;R、R11、R12はそれぞれ、互いに独立して、C1〜6直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC〜Cアルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル又はカルボニル基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;R及びRは、一緒に考えた場合、エーテル、エステル又はカルボニル基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R基は、エーテル、エステル及びカルボニルから選択される1つの官能基、又は更に好ましくはメチル基を任意に含むC1〜3アルキル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R12基はメチル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R基は、水素原子又はC1〜3アルキル基又は更に好ましくは水素原子又はメチル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R基は、水素原子又はC1〜3アルキル基又は更に好ましくは水素原子又はメチル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R10基は、水素原子又はC1〜3アルキル基又は更に好ましくは水素原子又はメチル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R11基はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状アルキル基又は更に好ましくはメチル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R及びRは、一緒に考えた場合、C3〜6直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基又は更に好ましくはC分枝鎖状アルカンジイル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R及びR10は、一緒に考えた場合、C1〜2直鎖状アルカンジイル基又は更に好ましくはC直鎖状アルカンジイル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R10及びR11は、一緒に考えた場合、C3〜6直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基又は更に好ましくはC分枝鎖状アルカンジイル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記R及びR11は、一緒に考えた場合、C分枝鎖状アルカンジイル基を表す。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、nは1である。
式(IV)の化合物は、Helv. Chim. Acta 1976, 59 (4), 1140-1157に記載されるように、幾つかの方法によって、例えば1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンの場合、水素化に続いて(+)−15,16−ジノルラブダ−8(20)−エン−13−オンの光分解を行うことによって調製することができる。
上記のように、反応はRCHO(式中、Rは水素原子又はC〜Cアルキル基である)の存在下で実施する。本発明の実施態様のいずれか1つによれば、Rは水素原子である、即ち、RCHOはホルムアルデヒドである。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、ホルムアルデヒドは様々な品質グレードで使用される、即ち、無水ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド水溶液が使用される。水溶液は15質量%以下の水を含有してよく、より好ましくは、水溶液は10質量%以下の水を含有する。本発明の実施態様のいずれか1つによれば、無水ホルムアルデヒドが使用される、即ち、1%w/w未満の水を含有する。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、式RCHOの化合物は、そのままで又は合成同等物の形で使用することができる。
「合成同等物」との表現は、本明細書では本発明の反応条件下でRCHOを放出する化合物を意味する。例えば、前記RCHOがホルムアルデヒドである場合、そのような合成同等物の具体例及び非限定的な例は、ホルムアルデヒドのオリゴマー又はポリマーの形態、例えば、1,3,5−トリオキサン、パラホルムアルデヒド、又は保護されたホルムアルデヒド、例えば、ジメトキシメタン、又はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドのヘミアセタールとアルコールとの混合物、例えば、ホルムアルデヒド、メトキシメタノール、メタノール及び水の混合物であるFormcel(登録商標)(セラニーズ・ケミカルズ社(Celanese Chemicals)、ニューヨーク、USAの商標)である。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、前記RCHOはパラホルムアルデヒドの形である。
前記RCHOは、本発明の方法の反応媒体中に広範囲の濃度で添加することができる。非限定的な例として、RCHO濃度としては、式(II)の化合物の量に対して、約0.5モル当量〜約7モル当量の範囲の値を挙げることができる。好ましくは、RCHO濃度は、式(II)の化合物の量に対して、1モル当量〜5モル当量の間に含まれる。当然のことながら、RCHOの最適濃度は、当業者が周知のように、後者の性質、プロセス中に使用される基質及び温度の性質、並びに所望の反応時間に依存する。
プリンス反応は一般に、多数のルイス酸触媒を含む(且つ常に好ましい)広範囲の反応条件によって促進されることが知られている。ここで、驚くべきことに、本発明の場合、即ち、高立体障害アルケン(II)の場合、熱条件、即ち、無触媒が好ましいことが判明した。
本発明の方法では、化合物(II)と化合物RCHOとの反応は、熱条件下でしか促進することができず、これは極めて直感に反する。なぜなら、このような条件下でこのメカニズムはペリサイクリックであり(即ち、立体障害に非常に敏感である)且つ可逆的である(即ち、良好な収率を得ることが困難である)ことが知られているためである(Marchの“Advanced Organic Chemistry”、第5版、2001年、第1242頁を参照)。更に、プリンス反応の熱反応条件下で、式(II)の化合物のエキソ二重結合の異性化である競合反応が顕著であることが予想されている。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、本発明の方法は、130℃〜300℃の温度で行われる。特に、温度は160℃〜230℃の範囲にある。当然のことながら、当業者は、出発生成物及び最終生成物の融点及び沸点並びに所望の反応時間又は転化時間に応じて好ましい温度を選択することもできる。
本発明の実施態様のいずれか1つによれば、本発明の方法は、C2〜8カルボン酸、C4〜16カルボン酸無水物又は前記カルボン酸と前記カルボン酸無水物との混合物の中から選択されるカルボン酸誘導体の存在下でも任意に実施することができる。実際に、このようなカルボン酸誘導体が、プロセスの収率を改善し及び/又はプロセスに必要なRCHOの量を低下させることができることが見出されている。
このようなカルボン酸誘導体の非限定的な例としては、酢酸又はプロピオン酸、無水酢酸又は酢酸と無水酢酸との混合物を挙げることができる。
カルボン酸誘導体は、広い範囲の濃度で本発明の方法の反応媒体に添加することができる。非限定的な例として、カルボン酸誘導体濃度としては、式(II)の化合物の量に対して、約0.0モル当量〜約5モル当量の範囲の値を挙げることができる。好ましくは、カルボン酸誘導体濃度は、式(II)の化合物の量に対して、0.5モル当量〜2.5モル当量又は更に0.8モル当量〜2.2モル当量に含まれる。カルボン酸誘導体がカルボン酸とカルボン酸無水物との混合物の形である場合、カルボン酸及びカルボン酸無水物は、好ましくは、0.05:1〜2:1、より好ましくは0.1:1〜0.5:1に含まれるそれぞれのモル比で使用される。当然のことながら、カルボン酸誘導体の最適濃度は、当業者が周知のように、後者の性質、基質の性質及び温度並びに所望の反応時間に依存する。
プロセスの間に形成される副生物(即ち、ギ酸エステル、酢酸エステル、メトキシメチルエーテル)を式(I)のアルコールに転化するために本発明のプロセスに続いて加水分解工程を行うことができる。
反応は溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。溶媒が実用上の理由から必要とされる又は使用される場合、本発明の目的のために、このような反応型で慣用のあらゆる溶媒を使用することができる。非限定的な例としては、メタノール、エタノール、シクロヘキサン、THF、Me−THF、MTBE、DME、EtO、トルエン、酢酸エチル、ブタノン、ジクロロメタン、ドデカンが挙げられる。溶媒の選択は、基質及びカルボン酸誘導体の性質に応じて変わり、当業者は、反応を最適化するためにそれぞれの場合に最も都合のよい溶媒をうまく選択することができる。
出発物質(78/22の比で(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物の形)が、Helv. Chim. Acta 1976, 59 (4), 1140-1157に従って得られた。他の出発物質の調製については、下記の実施例の部に記載している。
実施例
本発明は、ここで以下の実施例によって更に詳細に説明されるが、略号は当該技術分野で通常の意味を有し、温度は摂氏(℃)で示され;NMRスペクトルデータは、H及び13Cについて360MHz又は400MHzの装置を用いてCDCl(別段の記載がない場合)で記録され、化学シフトσは標準としてTMSに対してppmで示され、結合定数JはHzで表される。
実施例1
2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールの調製
カルボン酸誘導体なしで
10mlのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(80/20、14.54ミリモル)、1.5mlのトルエン及びパラホルムアルデヒド(43.6ミリモル)を撹拌しながら190℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.27ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(収率47%)が得られ、出発物質、即ち、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物を回収した(61/39、7.49ミリモル、収率51%)。
Figure 0006516837
メトキシメチルエーテルで保護された対応するアルコールの1%を単離し、対応するアルコールに容易に加水分解することができた。
Figure 0006516837
カルボン酸とカルボン酸無水物の混合物の存在下で
10mlのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(78/22、19.37ミリモル)、パラホルムアルデヒド(56.2ミリモル)、AcOH(3.88ミリモル)及びAcO(19.38ミリモル)を撹拌しながら182℃で16時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で50mLのメタノール中で撹拌し、KOH(9.69ミリモル)を加えた。30分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(収率53%)が得られ、出発物質(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンを回収した(2.53ミリモル、収率13%)。メトキシメチルエーテルで保護された対応するアルコールの4.7%を単離し、対応するアルコールに容易に加水分解することができた。
カルボン酸無水物の存在下で
10mlのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(80/20、19.38ミリモル)、パラホルムアルデヒド(58.1ミリモル)及びAcO(19.38ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で50mLのメタノール中で撹拌し、KOH(48.5ミリモル)を加えた。60分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(61%収率)が得られ、出発物質(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンを回収した(3.88ミリモル、収率20%)。
メトキシメチルエーテルで保護された対応するアルコールの3%を単離し、対応するアルコールに容易に加水分解することができた。
カルボン酸の存在下で
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(78/22、19.37ミリモル)、パラホルムアルデヒド(29.1ミリモル)及びAcOH(19.38ミリモル)を撹拌しながら185℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で25mLのメタノール中で撹拌し、1.5gのKOHを加えた。16時間後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(収率41%)が得られ、出発物質(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンを回収した(3.65ミリモル、収率19%)。メトキシメチルエーテルで保護された対応するアルコールの1%を単離し、対応するアルコールに容易に加水分解することができた。
実施例2
ルイス酸を用いて2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールを調製するための比較例
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(44/55、19.19ミリモル)及びパラホルムアルデヒド(19.38ミリモル)及びルイス酸(0.96ミリモル)を磁気棒で撹拌しながら16時間加熱した。室温に冷却した後、生成物の収率と転化率をGCで測定した。
Figure 0006516837
実施例3
2−((3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−8−イル)エタノールの調製
カルボン酸誘導体なしで
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン(Tetrahedron 2002, 58, 1773-1778に報告されている通りに得た)(10.57ミリモル)、1.5ミリリットルのトルエン及びパラホルムアルデヒド(44.0ミリモル)を撹拌しながら195℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.34ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−8−イル)エタノール(3.92ミリモル、収率37%)が得られ、出発物質(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレンを回収した(5.59ミリモル、収率53%)。
Figure 0006516837
カルボン酸無水物の存在下で
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン(Tetrahedron 2002, 58, 1773-1778に報告されている通りに得た)(7.34ミリモル)、パラホルムアルデヒド(29.4ミリモル)及びAcO(9.79ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(24.47ミリモル)を加えた。60分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−8−イル)エタノール(2.68ミリモル、収率37%)が得られ、出発物質(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレンを回収した(4.09ミリモル、収率56%)。
実施例4
(S)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−4,5,5−トリメチルシクロペンタ−1−エン−1−イル)エタン−1−オールの調製
カルボン酸誘導体なしで
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メチルアセテート)(Helv. Chim. Acta 1991, 74 (3), 543-548に報告されている通りに得た)(10.27ミリモル)、1.5mLのトルエン及びパラホルムアルデヒド(45.9ミリモル)を撹拌しながら180℃で6時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で10mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.64ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、(S)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−4,5,5−トリメチルシクロペンタ−1−エン−1−イル)エタン−1−オール(4.52ミリモル、収率44%)が得られ、脱保護された出発物質((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メタノールを回収した(3.03ミリモル、収率30%)。
Figure 0006516837
カルボン酸無水物の存在下で
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メチルアセテート)(Helv. Chim. Acta 1991, 74 (3), 543-548に報告されている通りに得た)(10.27ミリモル)、パラホルムアルデヒド(45.9ミリモル)及びAcO(15.28ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(38.2ミリモル)を加えた。60分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると(S)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−4,5,5−トリメチルシクロペンタ−1−エン−1−イル)エタン−1−オール(5.03ミリモル、収率49%)が得られ、脱保護された出発物質((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メタノールを回収した(2.59ミリモル、収率25%)。
実施例5
2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールの調製
出発物質の調製
ケトン(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチルオクタヒドロナフタレン−1(2H)−オンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチルオクタヒドロナフタレン−1(2H)−オンとの混合物を、ジアステレオマーの3:2混合物として、ディールス・アルダー反応及び二重結合の水素化(国際公開第2007/031904号(WO 2007/031904)による)によって調製した。
ケトンの上記混合物を以下の一般的な手順に従ってウィッティヒ条件(Wittig condition)下で処理した:
2−メチルプロパン−2−オレート カリウム(61.8ミリモル)及び臭化メチルトリフェニルホスホニウム(64.3ミリモル)を200mLのトルエン中で2時間加熱還流した。その後、出発ケトン(51.5ミリモル)を還流温度で滴加した。出発ケトンが完全に転化するまで混合物を還流下で撹拌した。室温に冷却した後、水を加えて層を分けた。水層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去すると黄色油状物が得られた。ペンタンを加え、結晶化した固体を濾別した。固体をペンタンで数回抽出し、合わせた有機層を真空下での濾過後に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。
(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレン(83/17))との混合物を上記の一般手順に従って得た:
Figure 0006516837
カルボン酸誘導体を使用しない2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールの調製
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(83/17、15.6ミリモル)、1.5mLのトルエン及びパラホルムアルデヒド(46.8ミリモル)を撹拌しながら180℃で6時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で10mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.80ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(4.68ミリモル、収率30%)が得られ、出発物質、即ち、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物を回収した(78/22、8.42ミリモル、収率54%)。
Figure 0006516837
2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールのカルボン酸無水物の存在下での調製
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレン(83/17、15.6ミリモル)との混合物、パラホルムアルデヒド(46.8ミリモル)及びAcO(15.6ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(39.0ミリモル)を加えた。10時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(4.67ミリモル、収率30%)が得られ、出発物質、即ち、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物を回収した(75/25、8.07ミリモル、収率52%)。
実施例6
2−((1R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−イル)エタン−1−オールの調製
出発物質の調製
ケトン(1R,3R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オンと(1R,3S,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オンとの混合物を、77:22の混合物としてCan. J. Chem, 62, 1984, 1899-1902 (メチル化)に従って(1R,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン((+)−カンファー)から得た。
ケトンの上記混合物を、実施例5に記載の一般的な手順に従ってウィッティヒ条件下で処理すると(1R,3R,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンと(1R,3S,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物(78/22)が得られた。
Figure 0006516837
カルボン酸誘導体を使用しない2−((1R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−イル)エタン−1−オールの製造
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(1R,3R,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンと(1R,3S,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物((78/22)、14.61ミリモル)、1.5mLのトルエン及びパラホルムアルデヒド(43.8ミリモル)を撹拌しながら180℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で10mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.30ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((1R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−イル)エタン−1−オール(4.99ミリモル、収率27%)が得られ、出発物質、即ち、(1R,3R,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンと(1R,3S,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物を回収した((84/15))、5.23ミリモル、収率29%)。
Figure 0006516837

Claims (9)

  1. 下記式(I):
    Figure 0006516837
    (式中、Rは水素原子又はC1〜8アルキル基を表し;
    、R、R、Rは、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、1つ又は2つのC1〜5アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC1〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し;R及びRは、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC4〜11直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合、C4〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びRは、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し;且つ
    はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
    の化合物を、
    その立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形で製造する方法であって、
    下記式(II):
    Figure 0006516837
    (式中、R、R、R、R及びRは式(I)と同じ意味を有する)
    の対応する化合物と、
    式RCHO(式中、Rは式(I)と同じ意味を有する)の化合物と、を反応させる工程を含む、前記製造する方法。
  2. 式(II)の化合物がC9〜20化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)の化合物が下記式(III)
    Figure 0006516837
    (式中、nは0又は1であり;
    、R、R10は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、水素原子又はC〜C 3 ルキル基を表し
    、R11、R12は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、C1〜6直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC1〜3アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;R及びRは、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びR10は、一緒に考えた場合、C1〜2直鎖状アルカンジイル基を表し及び/又はR10及びR11は、一緒になって、C3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR及びR11は、一緒に考えた場合、C1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し;且つ
    12はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
    の化合物のその立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 式(II)の化合物が下記式(IV):
    Figure 0006516837
    (式中、n、R、R、R、R10、R11及びR12が式(III)と同じ意味を有する)
    の化合物であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 式(IV)の化合物が1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンの本質的に純粋な立体異性体の形又は立体異性体の混合物の形であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 式RCHOの化合物がパラホルムアルデヒドであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 反応を実施できる温度が160℃〜230℃の範囲に含まれることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 2〜8カルボン酸、C4〜16カルボン酸無水物又は前記カルボン酸と前記カルボン酸無水物との混合物の中から選択されるカルボン酸誘導体の存在下で実施することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 溶媒の存在下で実施することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
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