JP6516837B2 - ヒンダード基質におけるプリンス反応 - Google Patents
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Description
本発明は有機合成の分野に関し、より詳細には、式(II)の高立体障害アルケンとアルデヒドとの反応による式(I)で定義されたホモアリルアルコール誘導体の製造方法に関する。
式(I)で定義された多数のホモアリルアルコール誘導体は、そのままで有用な生成物であるか又は特に香料産業用の他の重要な原材料(例えば、2−(2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール)を製造するための有用な中間体である。後者の化合物は、Cetalox(登録商標)(3a,6,6,9a−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フラン;製造元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス)又はAmbrox(登録商標)(3a,6,6,9a−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランのジアステレオマーの混合物;製造元:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス)などの工業的に関連する化合物を製造するための重要な中間体である。
本発明者らはここで、式(I)の誘導体をプリンス型反応によって有利な方法で製造できることを見出した。
R2、R3、R4、R5は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、1つ又は2つのC1〜5アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC1〜C9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し;R2及びR3は、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC4〜11直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR3及びR4は、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR4及びR5は、一緒に考えた場合、C4〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR2及びR5は、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し;且つ
R6はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
の化合物を、
その立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形で製造する方法であって、
下記式(II):
の対応する化合物と、
式R1CHO(式中、R1は式(I)と同じ意味を有する)の化合物と、を反応させる工程を含む、前記製造する方法である。
R8、R9、R10は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、水素原子又はC1〜C6直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC1〜3アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;
R7、R11、R12は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、C1〜6直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC1〜C3アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;R7及びR8は、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を含むC3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR9及びR10は、一緒に考えた場合、C1〜2直鎖状アルカンジイル基を表し及び/又はR10及びR11は、一緒に考えた場合、C3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR8及びR11は、一緒に考えた場合、C1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し;且つ
R12はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
の化合物のその立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形である。
本発明は、ここで以下の実施例によって更に詳細に説明されるが、略号は当該技術分野で通常の意味を有し、温度は摂氏(℃)で示され;NMRスペクトルデータは、1H及び13Cについて360MHz又は400MHzの装置を用いてCDCl3(別段の記載がない場合)で記録され、化学シフトσは標準としてTMSに対してppmで示され、結合定数JはHzで表される。
2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールの調製
カルボン酸誘導体なしで
10mlのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(80/20、14.54ミリモル)、1.5mlのトルエン及びパラホルムアルデヒド(43.6ミリモル)を撹拌しながら190℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.27ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(収率47%)が得られ、出発物質、即ち、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物を回収した(61/39、7.49ミリモル、収率51%)。
10mlのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(78/22、19.37ミリモル)、パラホルムアルデヒド(56.2ミリモル)、AcOH(3.88ミリモル)及びAc2O(19.38ミリモル)を撹拌しながら182℃で16時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で50mLのメタノール中で撹拌し、KOH(9.69ミリモル)を加えた。30分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(収率53%)が得られ、出発物質(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンを回収した(2.53ミリモル、収率13%)。メトキシメチルエーテルで保護された対応するアルコールの4.7%を単離し、対応するアルコールに容易に加水分解することができた。
10mlのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(80/20、19.38ミリモル)、パラホルムアルデヒド(58.1ミリモル)及びAc2O(19.38ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で50mLのメタノール中で撹拌し、KOH(48.5ミリモル)を加えた。60分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(61%収率)が得られ、出発物質(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンを回収した(3.88ミリモル、収率20%)。
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(78/22、19.37ミリモル)、パラホルムアルデヒド(29.1ミリモル)及びAcOH(19.38ミリモル)を撹拌しながら185℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で25mLのメタノール中で撹拌し、1.5gのKOHを加えた。16時間後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(収率41%)が得られ、出発物質(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンを回収した(3.65ミリモル、収率19%)。メトキシメチルエーテルで保護された対応するアルコールの1%を単離し、対応するアルコールに容易に加水分解することができた。
ルイス酸を用いて2−((4aSR,8aSR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールを調製するための比較例
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(4aSR,6SR,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンと(4aSR,6RS,8aSR)−1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(44/55、19.19ミリモル)及びパラホルムアルデヒド(19.38ミリモル)及びルイス酸(0.96ミリモル)を磁気棒で撹拌しながら16時間加熱した。室温に冷却した後、生成物の収率と転化率をGCで測定した。
2−((3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−8−イル)エタノールの調製
カルボン酸誘導体なしで
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン(Tetrahedron 2002, 58, 1773-1778に報告されている通りに得た)(10.57ミリモル)、1.5ミリリットルのトルエン及びパラホルムアルデヒド(44.0ミリモル)を撹拌しながら195℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.34ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−8−イル)エタノール(3.92ミリモル、収率37%)が得られ、出発物質(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレンを回収した(5.59ミリモル、収率53%)。
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン(Tetrahedron 2002, 58, 1773-1778に報告されている通りに得た)(7.34ミリモル)、パラホルムアルデヒド(29.4ミリモル)及びAc2O(9.79ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(24.47ミリモル)を加えた。60分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3S,3aS,6R)−3,7,7−トリメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレン−8−イル)エタノール(2.68ミリモル、収率37%)が得られ、出発物質(3S,3aS,6R,8aS)−3,7,7−トリメチル−8−メチレンオクタヒドロ−1H−3a,6−メタノアズレンを回収した(4.09ミリモル、収率56%)。
(S)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−4,5,5−トリメチルシクロペンタ−1−エン−1−イル)エタン−1−オールの調製
カルボン酸誘導体なしで
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メチルアセテート)(Helv. Chim. Acta 1991, 74 (3), 543-548に報告されている通りに得た)(10.27ミリモル)、1.5mLのトルエン及びパラホルムアルデヒド(45.9ミリモル)を撹拌しながら180℃で6時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で10mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.64ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、(S)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−4,5,5−トリメチルシクロペンタ−1−エン−1−イル)エタン−1−オール(4.52ミリモル、収率44%)が得られ、脱保護された出発物質((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メタノールを回収した(3.03ミリモル、収率30%)。
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メチルアセテート)(Helv. Chim. Acta 1991, 74 (3), 543-548に報告されている通りに得た)(10.27ミリモル)、パラホルムアルデヒド(45.9ミリモル)及びAc2O(15.28ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(38.2ミリモル)を加えた。60分後、AcOEtを加え、有機層を水及びブラインで洗浄した。水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると(S)−2−(2−(ヒドロキシメチル)−4,5,5−トリメチルシクロペンタ−1−エン−1−イル)エタン−1−オール(5.03ミリモル、収率49%)が得られ、脱保護された出発物質((1S,4S)−3,3,4−トリメチル−2−メチレンシクロペンチル)メタノールを回収した(2.59ミリモル、収率25%)。
2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オールの調製
出発物質の調製
ケトン(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチルオクタヒドロナフタレン−1(2H)−オンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチルオクタヒドロナフタレン−1(2H)−オンとの混合物を、ジアステレオマーの3:2混合物として、ディールス・アルダー反応及び二重結合の水素化(国際公開第2007/031904号(WO 2007/031904)による)によって調製した。
2−メチルプロパン−2−オレート カリウム(61.8ミリモル)及び臭化メチルトリフェニルホスホニウム(64.3ミリモル)を200mLのトルエン中で2時間加熱還流した。その後、出発ケトン(51.5ミリモル)を還流温度で滴加した。出発ケトンが完全に転化するまで混合物を還流下で撹拌した。室温に冷却した後、水を加えて層を分けた。水層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去すると黄色油状物が得られた。ペンタンを加え、結晶化した固体を濾別した。固体をペンタンで数回抽出し、合わせた有機層を真空下での濾過後に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物(83/17、15.6ミリモル)、1.5mLのトルエン及びパラホルムアルデヒド(46.8ミリモル)を撹拌しながら180℃で6時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で10mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.80ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(4.68ミリモル、収率30%)が得られ、出発物質、即ち、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物を回収した(78/22、8.42ミリモル、収率54%)。
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレン(83/17、15.6ミリモル)との混合物、パラホルムアルデヒド(46.8ミリモル)及びAc2O(15.6ミリモル)を撹拌しながら180℃で10時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で20mLのメタノール中で撹拌し、KOH(39.0ミリモル)を加えた。10時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−1−イル)エタン−1−オール(4.67ミリモル、収率30%)が得られ、出発物質、即ち、(2SR,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンと(2RS,3RS,4aRS,8aRS)−2,3,8a−トリメチル−1−メチレンデカヒドロナフタレンとの混合物を回収した(75/25、8.07ミリモル、収率52%)。
2−((1R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−イル)エタン−1−オールの調製
出発物質の調製
ケトン(1R,3R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オンと(1R,3S,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オンとの混合物を、77:22の混合物としてCan. J. Chem, 62, 1984, 1899-1902 (メチル化)に従って(1R,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン((+)−カンファー)から得た。
10mLのオートクレーブ(Premex MED278、スチールボンベ)内で、(1R,3R,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンと(1R,3S,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物((78/22)、14.61ミリモル)、1.5mLのトルエン及びパラホルムアルデヒド(43.8ミリモル)を撹拌しながら180℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を丸底フラスコ内で10mLのメタノール中で撹拌し、KOH(7.30ミリモル)を加えた。1時間後、EtOAcを加え、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄した。水層をEtOAcで1回抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−((1R,4R)−1,3,7,7−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−イル)エタン−1−オール(4.99ミリモル、収率27%)が得られ、出発物質、即ち、(1R,3R,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンと(1R,3S,4R)−1,3,7,7−テトラメチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物を回収した((84/15))、5.23ミリモル、収率29%)。
Claims (9)
- 下記式(I):
R2、R3、R4、R5は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、1つ又は2つのC1〜5アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC1〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し;R2及びR3は、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC4〜11直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR3及びR4は、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR4及びR5は、一緒に考えた場合、C4〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し及び/又はR2及びR5は、一緒に考えた場合、C2〜9直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルカンジイル基を表し;且つ
R6はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
の化合物を、
その立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形で製造する方法であって、
下記式(II):
の対応する化合物と、
式R1CHO(式中、R1は式(I)と同じ意味を有する)の化合物と、を反応させる工程を含む、前記製造する方法。 - 式(II)の化合物がC9〜C20化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 式(I)の化合物が下記式(III)
R8、R9、R10は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、水素原子又はC1〜C 3 アルキル基を表し;
R7、R11、R12は、それぞれ、別々に考えた場合、互いに独立して、C1〜6直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は1つ又は2つのC1〜3アルキル基によって任意に置換され且つエーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含み;R7及びR8は、一緒に考えた場合、エーテル、エステル、カルボニル、アミン、アミド又はアルコール基の中から選択される1つ又は2つの官能基を任意に含むC3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR9及びR10は、一緒に考えた場合、C1〜2直鎖状アルカンジイル基を表し及び/又はR10及びR11は、一緒になって、C3〜9直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し及び/又はR8及びR11は、一緒に考えた場合、C1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルカンジイル基を表し;且つ
R12はC1〜3直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表す)
の化合物のその立体異性体又はその混合物のいずれか1つの形であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 - 式(IV)の化合物が1,1,4a,6−テトラメチル−5−メチレンデカヒドロナフタレンの本質的に純粋な立体異性体の形又は立体異性体の混合物の形であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- 式R1CHOの化合物がパラホルムアルデヒドであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
- 反応を実施できる温度が160℃〜230℃の範囲に含まれることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
- C2〜8カルボン酸、C4〜16カルボン酸無水物又は前記カルボン酸と前記カルボン酸無水物との混合物の中から選択されるカルボン酸誘導体の存在下で実施することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
- 溶媒の存在下で実施することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
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