JP6515205B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波撮像装置に関し、特にベクトルドプラ法によるドプラ演算機能を有する超音波撮像装置に関する。
超音波撮像装置において、対象部の血流を含む組織の速度を計測する手法として、超音波ドプラ法が広く知られている。超音波ドプラ法では超音波ビームの送信方向の速度成分(ドプラ速度)しか直接計測することができない。これに対し、対象とする組織の一つの点(計測点)に対し、2以上の異なる方向からドプラ速度をもとめ、これら角度の異なるドプラ速度を用いて速度ベクトルを算出する方法が提案されている(非特許文献1)。この方法は、ベクトルドプラ法と呼ばれ、これを用いることで計測対象組織の速度ベクトル即ち組織速度ベクトルを算出し、組織の速度の計測が可能となる。
超音波ドプラ法は、よく知られているように、超音波ビームに対し、動きのある血流が近付く或いは遠ざかることにより周波数偏移を生じることを利用してドプラ速度を算出するが、実際の演算においてはRF(Radio Frequency)信号を直交検波し、周波数偏移をドプラ位相シフト量(以下、単にドプラシフト量という)として検出して算出する。この際、サンプリング時間(パルスドプラ法ではパルス繰り返し周波数PRF)に依存して、位相の折り返しの問題を生じる。
これは、計測速度の上限以上の速度は計測できず、このとき計測値はドプラシフト量のうち位相が2πずれて計測されてしまうという問題であり、エイリアシング(位相折返し)と呼ぶ。しかし、通常の検査において、ドプラ速度計測は計測結果を表示しながら計測を行うため、経験や物理的な整合性からエイリアシングを特定することが可能である。従って、一般的には、検査者がマニュアルで補正を行うため、エイリアシングは好ましくはないが不可避な課題とはなっていない。また超音波ドプラ画像における二次元的な位相変化の連続性、即ち空間的な連続性を用いて折返しを補正する手法も提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−207613号公報
A.Pastorelli et al,"A Real−Time 2−D Vector Doppler System for Clinical Experimentation", IEEE TRANSACTIONS OF MEDICAL IMAGING,VOL.27, NO.10, OCTOBER 2008
一般的なカラードプラでは、上述したように、エイリアシングは超音波ドプラ画像で可視化されるため容易に補正が可能である。またドプラシフト量は、超音波探触子を構成する多数の素子の値の平均値として求められるため、個々の素子毎の信号に内在するエイリアシングが問題になることはない。
これに対し、上述したベクトルドプラ法では、所定の計測点からのエコーを複数の角度で計測した受信信号を用いてドプラシフト量を算出するため、受信したドプラシフト量の一つにでもエイリアシングが存在する場合、算出されるベクトル精度は著しく低下してしまう。ベクトルドプラ法を用いて様々な臨床応用を行う場合には、この問題の解決が不可欠である。
本発明は、ベクトルドプラ法を適用する場合の上記問題を解決することを課題とする。具体的には、複数方向から計測したドプラシフト量に対し、自動で、エイリアシングを補正する技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、代表的な本発明の超音波撮像装置の一つは、超音波探触子に設定した複数の開口部について、これら複数の開口部と計測対象領域にある個々の計測点との幾何学的な関係に基いて、開口部毎に算出したドプラシフト量のエイリアシングを検知する。
即ち本発明は、一つの計測点の速度ベクトルに対し複数方向から計測したドプラシフト情報を用いてエイリアシングを検知することを基礎としており、特定方向でのドプラシフト量に関して、組織自体の空間的な連続性を用いてエイリアシングを検知する従来技術(例えば特許文献1に記載の発明)とは、技術思想を全く異にするものである。
具体的には、本発明の超音波撮像装置は、検査対象に超音波を送信し、検査対象から反射するエコー信号(受信信号)を受信する超音波探触子と、超音波探触子に設定された複数の開口部のそれぞれで受信した受信信号を処理する信号処理部とを備える。信号処理部は、受信信号から、開口部毎に検査対象の組織の速度に関する情報である組織ドプラ速度情報を算出し、算出した組織ドプラ速度情報に含まれるエイリアシングを検知する。
本発明によれば、組織の速度の算出を精度よく行うことができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
超音波撮像装置の実施形態を示す全体ブロック図である。 第一実施形態による処理の概要を示す図である。 素子の配列方向と組織速度との関係を説明する図である。 1回の計測に用いる素子群と開口部の分割を説明する図である。 開口部毎のドプラシフト量に関する説明図であり、(a)はエイリアシングが起きていない場合、(b)はエイリアシングが起きている場合を示す。 第一実施形態による信号処理部(主としてエイリアシング処理部)の処理のフローチャート図である。 線形フィッティングを説明する図で、(a)はエイリアシングを生じたデータを含めてフィッティングした場合、(b)は基準値近傍のデータを用いてフィッティングした場合を示す。 エイリアシング判定のための閾値を説明する図である。 信号処理部におけるデータの流れを示す図である。 第一実施形態の変形例1による信号処理部の処理のフローチャート図である。 第二実施形態によるエイリアシング補正のフローチャート図である。 エイリアシング補正を説明する図である。 第三実施形態による信号処理部の機能ブロック図である。 (a)、(b)は、それぞれ第三実施形態による表示画面例を示す。 表示画像例を示す図で、(a)はエイリアシング処理の効果が不十分な場合、(b)はエイリアシング処理部による処理の効果が得られている場合を示す。
本実施形態の超音波撮像装置(超音波送受信装置)は、検査対象(3)に超音波を送信するとともに検査対象から反射するエコーを受信信号として受信する超音波探触子(2)と、超音波探触子によって受信された受信信号を処理する信号処理部(15)と、を備える。超音波探触子には、それぞれが1以上の素子で構成される複数の開口部が形成され、信号処理部は開口部毎の受信信号を処理する。信号処理部(15)は、エコー信号から送波超音波の周波数変化量あるいは位相変化量(ドプラシフト量と称する)を算出し、ドプラシフト量と音速と波長を用いて組織速度の送波超音波の送信方向成分であるドプラ速度や計測対象組織の速度ベクトルである組織速度ベクトルを算出するドプラ速度演算部(153)と、ドプラ速度演算部が算出したドプラシフト量をもとにエイリアシングを検知するエイリアシング処理部(155)とを備える。なお、ドプラ速度は、送波超音波の周波数変化あるいは位相変化量(ドプラシフト量)を音速および波長を用いて算出される。これは公知の技術であるため詳細は割愛する。
エイリアシング処理部(155)は、個々の開口部での受信信号から算出した実測ドプラシフト量からなるデータセットを、エイリアシングを含まないドプラシフト量からなる新たなデータセットに更新し、ドプラ速度演算部(153)は、前記エイリアシング処理部によって更新された新たなデータセットを用いてドプラ速度や組織速度ベクトルを算出する。エイリアシング処理部による処理及びドプラ速度演算部による組織速度の計算は、種々の態様を採りえる。
また本実施形態の超音波撮像装置は、本装置を用いて検査を行う者(以下、検査者)が条件や指令を入力する入力部や、検査者に処理結果を表示するための表示部などを備えてもよい。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明が適用される超音波撮像装置の装置構成例を図1に示す。図1に示すように、本実施形態の超音波撮像装置100は、装置本体1と超音波探触子2を有している。
装置本体1は超音波探触子2を制御しながら、超音波画像を生成するものであり、入力部10、制御部11、超音波信号発生器12、超音波受信回路13、表示部14及び信号処理部15を備えている。
超音波探触子2は、生体(被検者)3に接し、超音波信号発生器12で生成された信号に従い、生体内の照射領域30に対し超音波を照射すると共に、照射領域30からの反射波であるエコー信号を受信する。超音波探触子2は、多数(例えば30から10000個程度)の駆動素子を1次元方向或いは2次元方向に配列したものであり、駆動素子(以下、単に素子ともいう)は、それぞれが、超音波の送信と受信を行うことができ、計測に応じてその一部又は全部が用いられる。
超音波探触子2は、スキャン方式に応じて連続波或いはパルス波を発生する。また超音波探触子2の走査方法により、2次元的な断面を撮像する平面的撮像法、或いは3次元的な領域を撮像する立体的撮像法を適宜選択することができる。
装置本体1の各構成要素を説明する。
超音波信号発生器12は、所定の周波数の信号を発生する発振器を備え、超音波探触子2に駆動信号を送る。超音波探触子2を構成する各素子に送る駆動信号のタイミング等を公知の手法により制御することにより、収束ビーム、高速撮像用の平面波あるいは拡散波などを送波することができる。
超音波受信回路13は、受信回路のほかに、超音波探触子2によって受信された反射エコー信号に対し増幅や遅延処理など信号処理を行う回路を備える。さらに、超音波受信回路13は、個々の素子における時系列的な受信信号をストアする受信データメモリ131を有してもよい。受信データメモリ131に保存される受信信号は、時系列的なRF信号であり、以下、受信データともいう。
素子毎の受信データを保存する場合には、素子数と同数の受信データメモリが必要となるため、メモリが膨大になる。この場合には、従来の遅延加算法により複数の素子の受信データを束ねて、一つの開口部の受信データとすることでメモリを減らしてもよい。
なお素子を束ねる場合、一つの開口部を構成する素子の数や開口部数は、予め設定しておいてもよいし、後述する入力部10を介してユーザーが設定してもよい。
信号処理部15は、超音波探触子2からのエコー信号から超音波画像を生成する機能を有し、包絡線検波手段、Log圧縮を行う手段を含む。信号処理部15の詳細は後述する。
また、図示していないが、装置本体1は、スキャンコンバータやA/D(Analog−to−digital)コンバータを備えている。A/Dコンバータは信号処理部15の前段に備えられる。そのサンプリングの周波数は通常20MHzから50MHzの間とする。スキャンコンバータは超音波受信回路13に含んでもよいし、信号処理部15の後段に備えていてもよい。超音波受信回路13がスキャンコンバータを含む場合は、信号処理部15で取り扱うデータ量が減るというメリットがある。また、スキャンコンバータを超音波受信回路13に含めない場合には、信号処理部15で多くのデータを取り扱うことができ、精度のよい計測装置が実現できる。
制御部11は、入力部10によって設定された超音波撮像装置100の動作条件に基づき超音波信号発生器12、超音波受信回路13、表示部14及び信号処理部15を制御するもので、例えばコンピュータシステムのCPU(Central Processing Unit)に構築することができる。なお信号処理部15で行う演算の一部又は全部も同一のCPU上で実現してもよい。
入力部10は、超音波撮像装置100を操作する医師や技師(以下、まとめて検査者という)が制御部11に対し超音波撮像装置100の動作条件を設定するキーボードやポインティングデバイスを備える。また検査に心電図等の外部機器からの情報を利用する場合、外部信号入力部としても機能する。
表示部14は信号処理部15で得られた情報、例えば超音波画像を出力する。また表示部14は、入力部10とともに検査者が動作条件等を設定するためのUI(User Interface)を構成し、必要なGUI(Graphical User Interface)を表示するものであってもよい。
次に、信号処理部15の構成要素を説明する。信号処理部15は、主要な要素として、断層画像形成部151、ドプラ速度演算部153、エイリアシング処理部155、表示画像形成部156、およびメモリ157を有する。これら信号処理部15に含まれる各部の演算機能の一部又は全部は、上述した制御部11を構成するCPUで実現してもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programable Gate Array)等のハードウェアで実現することも可能である。
断層画像形成部151は、超音波受信回路13から出力される受信信号(エコー信号)から、例えばBモード像、すなわち超音波照射対象の平面的撮像法を用いた2次元的な組織形状画像、あるいは立体的撮像法を用いた3次元的な組織形状画像を形成する。
断層画像形成部151が作成する組織形状画像は、検査者へ撮像対象形状を提示するための画像であり、ドプラ撮像とは別の撮像で取得したエコー信号を用いて作成される。ドプラ撮像を前提とする本実施形態において、断層画像形成部151は必須の構成ではないが、組織形状画像を組織の速度に関する情報である組織ドプラ速度情報と併せて提示することで、より診断に好適な情報を提供することができる。
ドプラ速度演算部153は、超音波受信回路13から出力されるエコー信号から、例えば、カラードプラや、組織ドプラ、パルス波ドプラ、連続波ドプラなど、様々な組織ドプラ速度情報に対し、平面的撮像法を用いた2次元的な組織ドプラ速度情報、あるいは立体的撮像法を用いた3次元的な組織ドプラ速度情報を抽出する。さらに本実施形態において、ドプラ速度演算部153は、ベクトルドプラ法に基づく処理を行うために、受信データメモリ131に蓄えた素子毎の受信データ、或いは、それを開口部ごとに束ねた受信データを用いて、複数の素子毎或いは開口部毎に組織ドプラ速度情報を算出する。
エイリアシング処理部155は、開口部毎に算出された組織ドプラ速度情報を基に、ドプラ速度演算時のエイリアシングを検知する。前述したように、ドプラ速度演算部153が開口部毎に組織ドプラ速度情報の一つであるドプラシフト量を算出する際、演算の制約により、ドプラシフト量にはエイリアシングが存在しうる。エイリアシング処理部155は、開口部の幾何学位置とそれぞれのドプラシフト量との関係をもとに、どの開口部のドプラシフト量にエイリアシングが生じているかを特定し、各ドプラシフト量を用いたその後の演算、例えば組織速度ベクトルの算出において、エイリアシングの影響を排除する処理を行う。このような処理として、例えば、エイリアシング処理部155は、エイリアシングを起こしたドプラシフト量を棄却してもよいし、折り返し補正処理を施してもよい。また、棄却、または補正されたドプラシフト量をもとに、ドプラ速度を再度求めてもよいし、組織速度ベクトルの情報を算出してもよい。エイリアシングの検出手法及び処理の具体的な内容は後に詳述する。
表示画像形成部156は、表示部14に表示される表示画像を形成するものであり、断層画像形成部151で形成された断層画像や、ドプラ計測で得られるドプラ波形、エイリアシング処理部155で算出された諸量などを、予め決められた形式や入力部10から入力される指示に従い、表示画像を形成する。
メモリ157は、エコー信号、信号処理部15での演算に必要な情報や信号処理部15の処理結果を記憶する。
以上説明した装置の構成を踏まえ、本実施形態の超音波撮像装置の、主として信号処理部15の動作の実施形態を説明する。なお以下の説明では、具体的な例として、図1に示す照射領域30が頸動脈を含む部位である場合を説明するが、照射領域30は検査者が所望する血管や他の心臓などでもよい。
[第一実施形態]
本実施形態の超音波撮像装置100の処理の概要を図2に示す。図2に示すように、複数の開口部のそれぞれで超音波の送波と受波を行い素子毎の受信信号を取得する処理(S0)、素子毎の受信信号から複数の開口部のそれぞれについて、RF信号からなる受信データを作成する処理(S1)、個々の開口部の受信データを用いて、個々の開口部のドプラシフト量を算出する処理(S2)、個々の開口部のドプラシフト量を用いてエイリアシングを検知する処理(S3)を行う。なお処理S0は、主として超音波信号発生器12と超音波受信回路13が行い、処理S1〜S3は信号処理部15が行う。
以下、各処理の内容を説明する。
<処理S0>
まず超音波ドプラの撮像を行う。このため超音波信号発生器12は、超音波探触子2に所定の周波数の駆動信号を送る。超音波探触子2が超音波を送波する際は、汎用の医用超音波診断装置のように、収束ビームを送波してもよいし、高速撮像用の平面波あるいは拡散波を送波してもよい。なお送信の際は、遅延加算法を用いて、アポダイゼーションをハニング窓やハミング窓に設定してもよい。
ドプラ周波数は、計測対象組織(例えば血管)内の一つの点(計測点)における流れ方向(組織速度(例えば血流速度)の方向)と送波ビームとの角度および、計測点における流れ方向と受信素子方向との角度によって決定されるため、二つの角度が定義できれば送波の方法は問わない。図3に、送波ビームが収束ビームである場合を例に、計測対象組織内の一つの計測点Pにおける流れ方向である組織速度V(太矢印)と送波ビーム301との角度β、計測点Pにおける流れ方向である組織速度Vと受信素子方向の角度(見込み角という)θiの関係を示す。見込み角θiは、素子21の配列方向における位置によって異なる。
超音波探触子2の複数の開口部のそれぞれが超音波を送波した後、超音波探触子2の各素子21で超音波を受波して超音波信号を検出する。各素子21が検出した超音波信号は時系列の受信信号であるRF信号として、素子毎に受信データメモリ131にストアされ、超音波受信回路13は素子21毎の受信信号を取得する。
なお本実施形態に必須ではないが、超音波ドプラの撮像(S0)とは別に、Bモード等の形態撮像を行ってもよい。形態撮像は従来の超音波撮像装置と同様であり、簡単に説明する。例えば、Bモード像の超音波周波数は、撮像が可能な1MHzから20MHzの範囲とする。また、フレームレートは、心拍によって変動する心臓の動きを捉えることができる範囲とする。具体的には心臓の時相が観察できる3Hz以上とする。断層画像形成部151は、超音波受信回路13から出力されるエコー信号より、例えばBモード像を形成する。超音波生体画像は、平面的撮像法を用いた2次元的な画像あるいは立体的撮像法を用いた3次元的な画像のいずれでもよく、時系列でデータを取得する。3次元的な画像は、例えば、短軸方向の2次元アレイやメカニカル探触子を用いて、短軸方向にスキャンを行うことで得られる。
<処理S1>
まず処理S1の前提として、一回の計測に用いる超音波探触子の素子群と開口部との関係を、図4を用いて説明する。本図に示す例では、説明を簡単にするために、図3と同様に素子が一次元方向に配置され、平面的な撮像を実施する場合を示している。一回の計測を行う際には、全ての素子21(例えば256個の素子)を用いてもよいし、装置の制約などで、一部の素子を選択して用いる場合もある。図4では、一部の素子、例えば96素子程度の素子を駆動素子として用いる。
これら一回の計測に用いる素子群は、すべてを一つの開口部として用いてもよいし、図4に示すように、複数の素子(図4では6つの素子)を束ねて一つの開口部としてもよい。開口部の数Nは、最低3以上であればよく、3以上で素子数以下であればよい。複数の開口部は、必ずしも連続していなくてもよいが、連続していることが好ましい。このような超音波探触子2の素子を束ねる開口部の数と位置の情報は、超音波受信回路13及び信号処理部15(ドプラ速度演算部153)に予め設定されている。ただし開口部の数や位置を動作条件の一つのパラメータとして検査者が設定することも可能である。
ドプラ速度演算部153は、このように設定された開口部の情報に基づき、束ねた開口部毎に、受信データメモリ131にストアされ、束ねられた受信素子の受信データである受信信号に対し計測点に応じた遅延加算を行うことで、開口部毎の受信データを作成する。この際、受信信号に対しサンプルゲートを設定し、特定の領域(計測領域という)のみのRF信号からなる受信データを作成する。
<処理S2>
ドプラ速度演算部153は、処理S1で得られたRF信号からなる受信データに対し、直交検波を行い、超音波信号を送信した送信間の位相差を検知することで、ドプラシフト量を算出する。直交検波した受信データからドプラシフト量を算出する手法は公知であり、ここでは詳細な説明は省略するが、概略は次のとおりである。RF信号からなる受信データを直交検波することにより得られるI(t)信号とQ(t)信号をLPF処理して高周波成分を除き、振幅成分を正規化することで位相を取り出す。サンプリング毎に得られる位相から、自己相関法等により送信間の位相差(ドプラシフト量)を算出する。位相差φは、ドプラシフト周波数をfdとすると、式(1)で表され、一方、ドプラシフト周波数fdとキャリア中心周波数f0との間には式(2)で表される関係がある。
[数1] φ=2πfd・t (1)
[数2] fd=f0{2V/c} (2)
式(1)中、tは時間を表し、式(2)中、Vは組織速度、cは音速を表す。
従来の超音波ドプラでは、受信信号を全て用いてドプラシフト量(φ)を算出し、式(1)及び(2)より、組織速度Vを求めるが、ベクトルドプラ法では、個々の素子(開口部)毎に位相差を求める。この場合、上記した式(2)は、図3に示す計測点Pにおける血流の方向の角度βと各素子の見込み角θiを用いると、式(3)で表すことができる。
Figure 0006515205
式(3)中、fdはi番目の素子の受信信号から算出されたドプラシフト周波数である。式(3)は各素子に関しての記述であるが、各素子を束ねた開口部については、θiとして開口部の中心部の角度を用いることで各開口部でのドプラシフト周波数を算出できる。また式(3)のドプラシフト周波数は、実際には式(1)を加味した位相差(ドプラシフト量)が算出される。この各開口部のドプラシフト量からなるデータは、計測領域内の複数の計測点について得られる。その結果、ドプラ速度演算部153は、各開口部で実測し、算出したドプラシフト量である実測ドプラシフト量からなるデータのまとまりであるデータセット(実測データセット200)を取得する。そしてドプラ速度演算部153は、実測データセット200をエイリアシング処理部155に送る。
<処理S3>
エイリアシング処理部155は、処理S2で算出した各開口部の実測ドプラシフト量からなる実測データセット200を受け取り(図6:S30)、これを用いて、フィッティングと閾値を用いた処理を行い、エイリアシングが起きている箇所を検知し、そのデータを取り除く。
各開口部での実測ドプラシフト量をプロットしたイメージ図を図5に示す。図5において、グラフの横軸は素子の見込み角θ、縦軸はドプラシフト量である。ここでは、開口部数を8として、各開口部の実測ドプラシフト量を算出した場合を示している。
各開口部の実測ドプラシフト量にエイリアシングが起きていない場合は、図5(a)に示すように、実測ドプラシフト量はほぼ直線的に変化する(501)が、エイリアシングが起きている場合には、図5(b)に示すように、算出された実測ドプラシフト量が位相検出レンジを超えた場合、位相は極性が反転して折り返しが生じる(509)。位相検出レンジは、実測ドプラシフト量を算出する際の演算法によっても異なり、図5では±π/2の場合を示しているが、±πの場合もある。
従来の超音波ドプラでは、受信信号を全て用いて実測ドプラシフト量(fd)を算出するので、個々の素子或いは複数の開口部のそれぞれについて位相折り返しがあっても平均化されているが、個々に実測ドプラシフト量を求めた場合には、個々の位相折り返しが顕在化する。このため、本処理S3では、エイリアシングを起こしているデータを除く処理を行う。
処理S3は、複数の開口部のうち所定の開口部を基準点として、各開口部の実測ドプラシフト量をフィッティングするステップ(S31)、閾値を設定するステップ(S32)、実測ドプラシフト量とフィッティング関数と差が閾値以内かを判定し、フィッティング関数を更新するステップ(S33)、最終的に得られるフィッティング関数を用いて組織速度ベクトルを算出するステップ(S34)を含む。主として、エイリアシング処理部155がS31〜S33を行い、ドプラ速度演算部153がステップS34を行う。
以下、処理S3の詳細を、図6に示すフローを参照して説明する。
<<ステップS30>>
エイリアシング処理部155は、ドプラ速度演算部153から処理S2によって得られた開口部毎の実測ドプラシフト量からなる実測データセット200を受け取る。
<<ステップS31>>
エイリアシング処理部155は、処理S2によって得られた開口部毎の実測ドプラシフト量からなる実測データセット200をもとに、基準を設け、フィッティング処理(例えば、線形フィッティング処理)を行う。つまり、エイリアシング処理部155は、各開口部の実測ドプラシフト量をフィッティングする(実測ドプラシフト量のフィッティング関数を決定する)。開口部毎の実測ドプラシフト量のフィッティング関数をφiとすると、フィッティング関数は式(4)のように記述できる。
Figure 0006515205
この式は、図5(a)の直線501に相当し、αは直線の傾き、φCFMは切片の値である。位相差は相対的な値であって、切片の値(図5では縦軸の位置)は変わり得るが、ここでは所定の開口部を基準点(基準開口部)と決め、φCFMは基準点における実測ドプラシフト量とする。このため、まず、基準点を設定する。基準点とする開口部の位置は、特に限定されるものではないが、検査者がカラードプラを設定する際に、カラードプラは折り返しを起こさないように設定することが慣例であるため、基準点は折り返しを起こしていないということが前提となる。例えば、θ=0の場所(送信ビームが照射される開口部位置)を基準点にしてもよいし、計測に用いる素子(開口部)の中央を基準点にしてもよい。またカラードプラにおいて、あおり角γでステアさせる場合は、θ=γである開口部を基準としてもよい。以下では、θ=0の場合を例に説明を行う。
本ステップでは、式(4)において、未知数である傾きαを求めることで、フィッティング関数を求める。具体的には、θ=0の場所を基準点としてドプラシフト量を設定すると、下記の連立方程式が得られ、最小二乗的にαを求めることができる。
Figure 0006515205
即ち、αは全開口部の情報を平均的に用いれば下記のように記述できる。
Figure 0006515205
なお式(6)の代わりに、式(7)のように、θの角度に応じて重み付けを行ってαを算出してもよい。
Figure 0006515205
式(6)或いは(7)では、全ての素子(開口部)の実測ドプラシフト量のデータを用いているが、一部の素子の実測ドプラシフト量のデータを用いてフィッティングを行ってもよい。具体的には、1回の計測に利用している素子のうち、端に近づくにつれ、エイリアシングを起こしている可能性が高くなるため、基準点付近、例えば、基準点付近の全開口部の半分の領域を用いてフィッティングを行ってもよい。
フィッティングに用いるデータによる、フィッティング結果の違いを、図7のイメージ図に示す。図中、○は個々の実測ドプラシフト量、500はフィッティング関数、300は基準点の実測ドプラシフト量である。また縦軸は、基準点の位置(ここではθ=0)を通る軸である。図7(a)はエイリアシングを含む全データを用いた場合で、フィッティングが著しくずれやすい。これに対し、図7(b)に示すように、基準点の近傍を用いた場合は、良好なフィッティングが可能となる。
<<ステップS32>>
次にエイリアシング処理部155は、実測ドプラシフト量がエイリアシングを起こしているか否かを判定するための閾値を算出し、超音波撮像装置100に設定する。閾値としては、例えばフィッティング関数と実測ドプラシフト量との差分の分散σを用いて、分散値の0.5〜4倍程度のいずれかの値を用いてもよい。閾値は、あらかじめ超音波撮像装置100側にプリセットしておいてもよいし、検査者が入力部10を介して設定する構成としてもよい。
<<ステップS33>>
エイリアシング処理部155は、個々の計測点において、個々の計測点である各開口部の実測ドプラシフト量と開口部毎の実測ドプラシフト量のフィッティング関数(φi)(式(4))(フィッティング関数(φi)で与えられるドプラシフト量)との差分を算出し(S331)、差分がステップS32で設定した閾値以下か否かを判定する(S332)。閾値を超える場合には、エイリアシング処理部155は、エイリアシングを起こしている可能性が高いと判断し、そのデータを棄却し、その後の計算には用いない(S333)。閾値以下の場合には、エイリアシング処理部155は、閾値以下であるデータを利用し(S334)、閾値以下の開口部の実測ドプラシフト量を新たなデータセット210として、図1に示すようにドプラ速度演算部153に渡す(S335)。
実測ドプラシフト量と閾値との関係を図8に示す。図8に点線で示すように、閾値510、520はフィッティング関数500の上下に設定される。エイリアシング処理部155は、ステップS332において、実測ドプラシフト量(○で示す)が閾値である上下の点線で挟まれた範囲に入るか否かを判定する。
<<ステップS34>>
最後に、ドプラ速度演算部153は、確定したフィッティング関数の傾きと基準点の実測ドプラシフト量を用いて次式(8)により、計測点の組織速度Vと送信ビーム(送波ビーム)との傾き(角度)βを算出する。
Figure 0006515205
即ち、フィッティング関数が確定し、その傾きαが求まれば、βを計算することが可能となる。組織速度Vは、φCFMを用いて、前掲の式(1)、(2)から算出することができる。以上のようにして、ドプラ速度演算部153は、フィッティング関数を用いて組織速度ベクトルを算出する。
なお、ステップS33は一回の処理で終了してもよいが、図6に点線矢印で示すように二回以上の繰り返しを行い、フィティング関数の更新と新たなデータセットを更新してもよい。具体的には、エイリアシング処理部155は、ステップS335後に、ステップS31に戻り、ステップS31〜S33までの処理をM回繰り返す(S36)。
これによりS34で算出するβの精度を高めることも可能である。ステップの繰り返しは、例えば棄却されずに残ったデータが、すべて所定の閾値以下になった時点で終了する、或いは予め定めた回数になった時点で終了する。ステップを繰り返す場合、ステップS32で設定する閾値は一定でもよいし、繰り返し毎に閾値を変更してもよい。変更する場合、例えば、閾値を徐々に小さい値に変更する。
エイリアシング処理部155およびドプラ速度演算部153は、図6に示す処理S3を、計測領域に含まれるすべての計測点について行う。これにより計測領域に含まれる血流を含む組織について、速度ベクトル(速度の値と方向)が算出される。算出された速度ベクトルは、メモリ157に格納された後、表示画像作成部156により、ベクトルを示す矢印を別途取得した形態画像上に重畳した表示画像として、或いは数値等として表示部14に表示することができる。表示の態様については後述する。
本実施形態の処理S2及びS3の概要を図9に示す。図9に示すように、ドプラ演算部153が開口部毎の受信データを用いて、開口部毎に実測ドプラシフト量を算出し、開口部毎の実測ドプラシフト量からなる実測データセット200を得てエイリアシング処理部155に送る。エイリアシング処理部155は、実測データセット200に含まれる開口部毎の実測ドプラシフト量に存在するエイリアシングを検出し、エイリアシングが検出されたドプラシフト量を実測データセット200から除去(棄却)し、残りの開口部のドプラシフト量からなる新たなデータセット210を得てドプラ演算部153に送る。ドプラ演算部153は、新たなデータセット210に含まれるエイリアシング処理部155で除去されなかった残りの開口部のドプラシフト量を用いて、計測対象領域の速度ベクトル250を算出する。
表示画像形成部156は、表示部14に表示される新たなデータセット210や速度ベクトル250の表示画像を形成する。
本実施形態によれば、ベクトルドプラ法に基づき、異なる角度で計測したドプラシフト量を利用して速度ベクトルを算出する際に、開口部毎のドプラシフト量のうちエイリアシングが発生しているデータを除去することにより、速度ベクトル算出の精度を高めることができる。
なお本実施形態では、平面撮像に関しての線形フィッティングの例を示したが、立体撮像の際には、フィッティングを面的なフィッティングとすることで、拡張が可能なことは言うまでもない。また、本実施形態では、収束ビームを用いたが、平面波や、拡散波など、すべての送波に対して、送波の角度を設定することで、式(4)に落とし込むことができ、本発明を適用できる。
その他、本実施形態の変形例の代表的なものを以下に示す。
[第一実施形態の変形例1]
本変形例は、エイリアシングのあるデータを除去した後の、ドプラ速度演算部153の処理(ステップS34)が第一実施形態と異なる。本変形例の処理フローを図10に示す。図10において、図6と同じステップは同じ符号で示し説明を省略する。なお図10のステップS33の詳細は、図6に示すS33のS331〜S334と同様である。或いは後述の図11のS330(S335を除く)と同様でもよい。
図6に示すフローでは、ステップS34において、エイリアシングのあるデータを除去した後、更新後のフィッティング関数の傾きαを用いて、角度βを算出したが(式(8))、本変形例では、更新後の新たなデータセット210に含まれる実測ドプラシフト量を用いて、従来のカラードプラ法と同様に、ドプラ速度を算出する(S35)。このため、まず開口部毎のドプラシフト量を平均加算する(S351)。その際、必要に応じて重み付け平均を行ってもよく、それにより、さらにカラードプラの精度を上げることができる。重み付けとしては、例えば、開口部の見込み角の大きさに反比例した重みなどが考えられる。その後、算出したドプラシフト量を用いて、式(1)、(2)によりドプラ速度を算出する(S352)。以上のように算出したドプラ速度を用いて、組織速度ベクトルを算出することもできる。これは公知の技術(非特許文献1)に記載されているので参照することが出来る。
本変形例では、ドプラ速度の演算は従来法と同じであるが、ドプラ速度の演算に用いる平均加算/重み付け加算後のデータには、エイリアシングのあるデータが含まれないので、エイリアシングのあるデータを除去しない従来法に比べカラードプラの精度を上げることができる。
[第一実施形態の変形例2]
本変形例では、フィッティング関数が求まった後に、速度レンジを自動調整するステップが追加される。このステップは、例えば図6のステップS33とS34の間或いはS34の後、或いは図10のステップS33とS35の間或いはS35の後に挿入することができる。
フィッティング関数が確定すると、全開口部で想定されるドプラシフト量、即ちドプラシフト量の範囲が推定できる。追加されたステップでは、全開口部のドプラシフト量が閾値以内に収まるように、速度レンジを自動で調整する。一般に、位相シフトレンジは、速度レンジに反比例する。従って例えば、フィッティング関数と閾値で決まる領域(図8の2本の点線510,520で挟まれた領域)がθの全幅で±π/2よりも狭い場合には、±π/2の範囲全体に広がるように、速度レンジを狭める。これにより狭められた速度レンジ内に分布する血流速度を高解像度で描出することができる。逆に狭い開口部の見込み角の範囲で算出したフィッティング関数と閾値領域がほぼ−π/2から+π/2に広がる場合には、全開口部のドプラシフト量が閾値内に収まるように、速度レンジを広げる。これにより広い計測領域内で比較的遅い血流から早い血流までを位相折り返しなく描出することができる。
なお速度レンジの調整量の計算は、信号処理部15、例えば、エイリアシング処理部153或いはドプラ演算部153の機能として速度レンジ補正部を追加することで実行される。
本変形例によれば、確定したフィッティング関数をもとに速度レンジを自動調整するので、従来のようなマニュアルによる速度レンジ調整をすることなく、計測領域の血流速度分布に応じた速度レンジで血流速度を描出することができる。なお速度レンジの変更(狭める変更)は、低速域の情報が損なわれるというトレードオフがあるため、必ずしも推奨されるものではない。従って自動で調整するのではなく、検査者がマニュアルで調整する手段、GUIを与えてもよい。
[第二実施形態]
本実施形態の超音波撮像装置は、エイリアシング処理部において、閾値によりエイリアシングありと判定されたデータ(実測ドプラシフト量)を単に棄却するのではなく補正する。その他の構成は、第一実施形態と同様であり、以下、第一実施形態の超音波撮像装置100と異なる点を中心に本実施形態の超音波撮像装置を説明する。
図11を参照して、本実施形態の超音波撮像装置の動作を説明する。本実施形態の超音波撮像装置についても図2に示す内容の処理S0〜S3を行うことは第一実施形態と同様であるが、エイリアシング検知処理S3の内容に変更が加えられている。即ち、第一実施形態では、処理S3のステップS33(図6)で、フィッティング関数の上下閾値で挟まれる範囲以外の実測ドプラシフト量をエイリアシングが生じているものとして検知し、除去したが、第二実施形態では、除去したものに関して、折り返し補正を実施する。
本実施形態の処理S3の詳細を図11のフローチャートを参照して説明する。図11において図6の各ステップと同じ処理は、同じ符号で示し詳細な説明は省略する。
図11に示すように、エイリアシング処理部155は、計測点毎に、各開口部の実測ドプラシフト量からなる実測データセット200について、基準を設け、フィッティングし(S31)、閾値を算出して設定する(S32)。次いでステップ330において、エイリアシング処理部155は、各開口部の実測ドプラシフト量とフィッティング関数との差分を算出し(S331)、差分が閾値以下か否かを判定する(S332)。閾値以下のデータは、第一実施形態と同様に、そのまま速度ベクトルの算出に用いられる(S334、S335)。繰り返し計算を行ってフィッティング関数を更新する場合には、繰り返し計算のためのデータセットに加えられる(S334、S335)。
一方、S331で算出した差分が閾値で規定される範囲(図8の510と520で挟まれた領域)から外れる場合には、エイリアシング処理部155は、エイリアシングが生じていると判断し、折り返しを補正する処理を行う(S336)。図12を参照して、折り返し補正の概要を説明する。
エイリアシング処理部155がエイリアシングと判定した実測ドプラシフト量群(ドプラシフトデータ群)301に対し、エイリアシング処理部155は位相を回転させる。具体的には、基準点(θ=0)におけるドプラ位相シフトが正の場合は、エイリアシングが負側に起こったとし、ドプラシフトデータ群301に対しπを足し、図12に示すように基準点におけるドプラ位相シフトが負の場合は、ドプラシフトデータ群301に対しπを引く。図12に示すように、ドプラシフトデータ群301は、折り返し補正の結果ドプラシフトデータ群303となる。なお位相シフトレンジを±πとした場合には、2πを足す或いは引く、という処理になる。
図11に戻り、さらに、エイリアシング処理部155は、補正されたドプラシフトデータ群303が、閾値以下か否かを判定し(S337)、閾値領域以内であれば、データを利用し(S338)、閾値領域外であれば棄却する(S339)。これによって、新たなデータセット210が作成される(S335)。ステップS337で用いる閾値は、ステップS332で用いる閾値と同じでもよいし、異なっていてもよく、ステップS32で設定される。
エイリアシング処理部155は、新たなデータセット210をドプラ速度演算部153に渡し、ドプラ速度演算部153は、組織速度ベクトルを算出する(S34)。或いは、エイリアシング処理部155は、ステップS31〜S330までの処理をM回繰り返し(S36)、データセットの精度を向上した後、ドプラ速度演算部153に渡すこと、は第一実施形態と同様である。またドプラ速度演算部153は、ベクトルドプラ法の演算により、速度の方向の角度βを算出して速度ベクトルを求めてもよいし、第一実施形態の変形例1と同様に、従来のカラードプラ法に基づき各開口部のドプラシフト量の平均値を求めて速度ベクトルを算出してもよい。
本実施形態においても、一連の処理を一回以上の繰り返し反復計算を行うことで、より精度の高いデータセットが取得可能である。反復計算の際には、エイリアシングが補正されていると考え、フィッティングに利用する領域を徐々に広げてもよい。また、閾値を段階的に小さくしていってもよい。
以上説明したように、本実施形態の超音波撮像装置は、エイリアシング処理部が、実測ドプラシフト量からなるデータセットのうち、エイリアシングが生じていると判定された実測ドプラシフト量を補正して、新たなデータセットを得る。またエイリアシング処理部は、補正されたドプラシフト量とフィッティング関数(フィッティング関数で決まるドプラシフト量)との差分が、閾値以内であれば、補正されたドプラシフト量を新たなデータセットに加え、閾値外であれば棄却する処理を加えてもよい。
本実施形態によれば、データを補正して利用できるので、計測したデータ数を減らすことなく、ドプラ速度演算を行うことができる。
[第三実施形態]
本実施形態の超音波撮像装置は、エイリアシング処理部による処理内容や条件を検査者が選択可能にする手段を備えたことが特徴である。
即ち、本実施形態の超音波撮像装置は、エイリアシング処理部による処理モードの選択を受け付ける入力部を備える。またエイリアシング処理部による処理結果または処理結果を反映したドプラ速度演算部の演算結果を表示する表示部を備える。
信号処理部の表示画像形成部は、検査者による選択を受け付けるUIを作成し、表示部に表示させる。その他の構成は第一及び第二実施形態と同様であり、適宜これら実施形態で用いた図面中の要素を援用して本実施形態を説明する。
本実施形態の信号処理部15の機能ブロック図を図13に示す。なお図13では、信号処理部15を構成する各部のうち、ドプラ速度演算部153、エイリアシング処理部155及び表示画像作成部156のみを記載し、他の要素は省略しているが、図1に示す各部やそれ以外の要素を含んでいてもよい。
ドプラ速度演算部153は、ベクトルドプラ演算部1533とカラードプラ演算部1535を備える。ベクトルドプラ演算部1533は、エイリアシング処理部155で、エイリアシングの影響を除去した開口部毎の実測ドプラシフト量を用いて速度ベクトルの計算を行う。カラードプラ演算部1535は、エイリアシングの影響を除去した開口部毎の実測ドプラシフト量を平均加算、あるいは重みづけ加算して得られるドプラシフト量を用いて、ドプラ速度を算出する。ドプラ速度演算部153は、さらに、速度レンジ設定部1531を備えていてもよい。速度レンジ設定部1531には、速度演算や表示に用いられる速度レンジが設定される。速度レンジはUI部140を介して設定される。或いは信号処理部15が第一実施形態の変形例2で説明した速度レンジ自動調整機能を備える場合には、この機能によって設定される。
エイリアシング処理部155は、開口設定部1553、第一処理部1551、第二処理部1552を備える。開口設定部1553は、プリセットの、或いはUI部140を介して受け付けた開口部の情報を保持する。第一処理部1551は各開口部の実測ドプラシフト量のうちエイリアシングが生じているドプラシフト量を除去して新たなデータセットを作成する。第二処理部1552は各開口部の実測ドプラシフト量のうちエイリアシングが生じているドプラシフト量の折り返し補正処理をして新たなデータセットを作成する。
UI部140は、入力部10と表示部14とを備えたユーザーインタフェイス装置であり、検査者とインタラクティブに動作する。UI部140における表示画面例を図14に示す。図14(a)に示す例では、表示画面400は、ドプラ速度演算部153の演算結果を表示する結果表示ブロック(領域)410、検査者が選択するメニューを表示するメニュー選択ブロック420、メニュー選択ブロック420を介して選択された撮像方法(撮像手法)や動作モード(処理モード)に応じたパラメータを設定或いは調整するボタンやつまみなどのオブジェクトを表示する操作ブロック430を含む。例えば、メニュー選択ブロック420の一つのメニューが選択されると、図14(b)に示すようなメニュー画面450が表示される。この例示するメニュー画面450では、撮像方法の選択、ベクトルドプラ法における処理モードの選択、ベクトルドプラ法におけるパラメータの設定(処理条件)などを受け付けるGUIが表示される。
撮像方法の選択では、例えば、カラードプラ法かベクトルドプラ法かを選択を受け付ける。撮像方法の選択は、択一的であってもよいし、併用でもよい。
以下、本実施形態の超音波診断装置の動作を説明する。
まずUI部140を介して、検査者がベクトルドプラ法の処理のみを選択した場合には、ドプラ速度演算部153は、ベクトルドプラ部1533が、エイリアシング処理部155によって更新された新しいデータセット(各開口部の実測ドプラシフト量からなるデータセット)を用いて、式(7)、(8)を用いた計算を行い、速度ベクトルを算出する。カラードプラ法が選択された場合には、カラードプラ部1535がエイリアシング処理部155によって更新された新しいデータセットを用いて通常のカラードプラ法の演算を行う。カラードプラ法との併用が選択された場合には、ベクトルドプラ部1533によるベクトルドプラ法による演算とともに、カラードプラ部1535によるカラードプラ法の演算を行う。なおカラードプラ法で直接的に得られる血流ベクトルは、送信ビームに対し平行な方向の成分であるが、カラードプラ部1535は、質量保存則などを用いた推定方法により、直交する方向の成分を求めてもよく、その場合、ビーム面における血流ベクトルが算出される。カラードプラ法において血流ベクトルを算出する手法は公知であり、ここでは説明を省略する。
ベクトルドプラ法が選択された場合には、開口部数や閾値などの条件を設定するGUIをアクティブにしてもよい。その際、値がプリセットされている場合には、その値を表示してもよい。或いは、操作ブロック430に表示されるボタンやつまみが、例えば、閾値、速度レンジ(幅と上限値或いは下限値)を調整する機能に切り替わる。開口設定部1553及び速度レンジ設定部1531は、操作ブロック430の操作を受け付け、それぞれ、開口部数、速度レンジを設定する。第一処理部1551や第二処理部1552は、設定された閾値を用いて、それぞれの処理(図6や図10の処理)を行う。
また検査者によりベクトルドプラ法が選択された場合には、別のメニュー画面で、或いは図示するようなプルダウン式のメニュー画面で処理モードを選択するためのUIが表示される。処理モードとして、例えば、第一実施形態に従い、フィッティング結果との差が大きいデータを除去するモード(ノーマルモードという)か、或いは第二実施形態に従い、フィッティング結果との差が大きいデータを補正するモード(補正モードという)かの何れかが選択できるようになる。これら処理モードは、エイリアシング部155が実行する処理プログラムによって決まる。いずれかの処理モードを装置にプリセットしておいてもよいし、検査者がいずれかを選択することも可能である。
例えば、ノーマルモードがプリセットされている場合、処理モード変更の指示がなければ、第一処理部1551が図6のフローに従い、エイリアシングの検出・除去と速度ベクトルの演算を行う。補正モードが選択された場合或いは処理モードの変更が指示された場合には、第二処理部1552が図10のフローに従いエイリアシングの検出・補正と速度ベクトルの演算を行う。
さらに、表示部14のUIを介して、更新された新たなデータセットを用いた組織ドプラ速度情報の演算について、ベクトルドプラ法に基づく演算を行うか、従来のカラードプラ法に基づく演算を行うか、両方を行うかの選択を受け付けるようにしてもよい。或いは、撮像方法の選択の際に、カラードプラ法とベクトルドプラ法のいずれが選択されているかによって、速度ベクトルの演算方法を決めてもよい。
本実施形態によれば、検査者が自らの判断で、目的とする計測により適した条件で超音波ドプラ計測を実施することができる。
[表示の実施形態]
本発明の超音波撮像装置で得られる情報を検査者等に提示する手法の実施形態を説明する。
上述したように本発明の超音波撮像装置は、血流速度ベクトルを反映した種々の診断情報を提供することができる。診断情報の提供の仕方は特に限定されるものではないが、典型的な提供方法は、超音波撮像装置の表示部14に表示画像として表示する方法である。表示画像は表示画像生成部156によって生成される。表示画像生成部156が生成した診断情報の画像は、例えば、図14(a)に示す画面400の結果表示ブロック410に表示される。結果表示ブロック410内に数値ブロック415を設け、血流速度(平均値)などを表示してもよい。但し、表示方法はこれらに限定されず、種々の組み合わせや、必須ではない要素の省略などが可能である。
ドプラ速度演算部153で得られた血流ベクトル情報の表示画像例を図15に示す。図15は、血管の流れに対し、カラードプラが表示されて、ベクトルが重畳されている様子を示している。図15(a)では、ベクトルの方向と血管の走行方向がずれており、エイリアシングにおけるベクトル算出精度が低下している可能性が高い。このような場合に、エイリアシング補正モードを用いることで、図15(b)のように補正されることが期待される。
また、エイリアシング補正モードで、エイリアシングを検知した際に、検査者へ補正した情報を提示してもよい。その際に、装置側で、自動で速度レンジを上げるモードを用意してもよいし、検査者に速度レンジ変更を促してもよい。
検査者は、この表示を見て、血流速度ベクトルや血流速度が不自然であったり、予測される結果とは大きく異なるような場合には、エイリアシング処理が適切になされていなかったと判断し、処理モードを変更したり、エイリアシング処理に用いたパラメータ、例えば、開口部数、閾値、速度レンジを設定しなおしてもよい。
本実施形態によれば、プリセットされているノーマルモードの処理で得られた結果を見て、処理やり直しが必要と判断したときに、処理モードを変更するなど、計測対象に適した超音波ドプラ計測を実施することができる。
以上、本発明の各実施形態を用いて説明したが、本発明の超音波撮像装置は、超音波探触子の個々の開口部で受信した受信信号を用いて、組織のドプラ速度を算出する際のドプラ速度演算時、または、組織速度ベクトル(ドプラ速度に基づいて算出する場合を含む)を算出する際の組織速度ベクトル演算時、のエイリアシングを検知するエイリアシング処理部を備えることが特徴である。本発明によれば、組織の速度の算出を精度よく行うことができる。また本発明は、空間的な連続性を前提としていないので、一つの計測点の速度に対しても適用可能である。
なお、本発明の超音波撮像装置は、上述した各実施形態に限定されず、適宜要素の追加、削除などが可能である。また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えばFPGAのような集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。各種情報は、データ構造に依存しない。また、「格納する」の表現にてメモリに各情報を記録することを説明したが、「登録する」または「設定する」と表現されてもよい。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明によれば、複数の開口部からのドプラシフト量を用いて組織速度ベクトルを算出する超音波診断装置において、組織速度ベクトルの算出精度を向上することができる。それにより、より確かな診断に貢献できる。
100・・・超音波撮像装置
1・・・装置本体
2・・・超音波探触子
10・・・入力部
11・・・制御部
12・・・超音波信号発生器
13・・・超音波受信回路
14・・・表示部
15・・・信号処理部
151・・・断層画像形成部
152・・・組織速度演算部
153・・・ドプラ速度演算部
1533・・・ベクトルドプラ演算部
1535・・・カラードプラ演算部
155・・・エイリアシング処理部
1551・・・第一処理部
1552・・・第二処理部
1553・・・開口設定部
157・・・メモリ
200・・・データセット
210・・・新たなデータセット
250・・・速度ベクトル
300・・・基準値のデータ
301・・・エイリアシングを生じているデータ群
302・・・補正後のデータ群
400・・・表示画面
410・・・結果表示ブロック
420・・・メニュー選択ブロック
430・・・操作ブロック
500・・・フィッティング関数
510、520・・・閾値

Claims (14)

  1. 検査対象に超音波を送信し、前記検査対象から反射するエコーを受信信号として受信する超音波探触子と、前記超音波探触子に設定された複数の開口部のそれぞれで受信した受信信号を処理する信号処理部と、を備え、
    前記信号処理部は、前記受信信号から開口部毎に前記検査対象の組織の速度に関する情報である組織ドプラ速度情報として、前記超音波探触子が送信した前記超音波の周波数変化量または位相変化量であるドプラシフト量を算出し、前記複数の開口部のうち、一つ以上の開口部を基準開口部に指定し、前記基準開口部におけるドプラシフト量を基準として、その他の開口部におけるエイリアシングの有無を判定し、前記組織ドプラ速度情報に含まれるエイリアシングを検知する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、
    前記基準開口部は、超音波の送信で用いた開口部の中心或いは中心付近に位置する開口部である、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  3. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、
    前記信号処理部は、前記基準開口部を含む複数の開口部の位置とドプラシフト量の関係に対し、フィッティングを行い、フィッティング関数を算出し、前記フィッティング関数で決まるドプラシフト量と、個々の開口部での受信信号から算出した実測ドプラシフト量との差分が、所定の閾値以上の場合に、当該実測ドプラシフト量はエイリアシングが起きていると判定する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  4. 請求項1に記載の超音波撮像装置において、
    記信号処理部は、前記ドプラシフト量を算出するドプラ速度演算部と、前記エイリアシングを検知するエイリアシング処理部と、を有し、
    前記エイリアシング処理部は、前記ドプラ速度演算部が個々の開口部での受信信号から算出した実測ドプラシフト量からなるデータセットを、エイリアシングを含まないドプラシフト量からなる新たなデータセットに更新する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  5. 請求項4に記載の超音波撮像装置において、
    前記エイリアシング処理部は、前記実測ドプラシフト量からなるデータセットのうち、所定の演算によりエイリアシングが生じていると判定された実測ドプラシフト量を棄却して、新たなデータセットを得る、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  6. 請求項4に記載の超音波撮像装置において、
    前記エイリアシング処理部は、前記実測ドプラシフト量からなるデータセットのうち、所定の演算によりエイリアシングが生じていると判定された実測ドプラシフト量を補正して、新たなデータセットを得る、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  7. 請求項6に記載の超音波撮像装置において、
    前記エイリアシング処理部は、前記実測ドプラシフト量に対して所定のフィッティングを行い、フィッティング関数を算出し、補正されたドプラシフト量と前記フィッティング関数で決まるドプラシフト量との差分が、閾値以内であれば前記補正されたドプラシフト量を前記新たなデータセットに加え、閾値外であれば棄却する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  8. 請求項4に記載の超音波撮像装置において、
    前記ドプラ速度演算部は、前記エイリアシング処理部によって更新された前記新たなデータセットを用いて前記組織のドプラ速度および前記組織の速度方向の少なくとも一方を算出する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  9. 請求項8に記載の超音波撮像装置において、
    前記ドプラ速度演算部は、前記新たなデータセットを構成する複数のドプラシフト量を平均加算、あるいは重みづけ加算して得られるドプラシフト量を用いて、前記ドプラ速度を算出する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  10. 請求項8に記載の超音波撮像装置において、
    前記ドプラ速度演算部は、前記新たなデータセットを構成するドプラシフト量をもとに、前記速度方向を算出する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  11. 請求項10に記載の超音波撮像装置において、
    前記ドプラ速度演算部は、個々の開口部位置に対しドプラシフト量をプロットして得た線の傾きから前記速度方向を算出する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  12. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、
    前記信号処理部は、前記組織ドプラ速度情報を算出するドプラ速度演算部と、前記エイリアシングを検知するエイリアシング処理部と、前記エイリアシング処理部による処理結果を用いて、速度レンジを補正する速度レンジ補正部と、を有する、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  13. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、さらに、
    前記信号処理部による処理モードの選択を受け付ける入力部を備える、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
  14. 請求項1に記載の超音波撮像装置において、
    前記信号処理部は、前記組織ドプラ速度情報を算出するドプラ速度演算部と、前記エイリアシングを検知するエイリアシング処理部と、有し、
    前記超音波撮像装置は、さらに、
    前記エイリアシング処理部による処理結果または処理結果を反映した前記ドプラ速度演算部の演算結果を表示する表示部を備える、
    ことを特徴とする超音波撮像装置。
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