以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する(つまり、特図の可変表示を実行する)。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)を導出表示(単に導出ともいう。)する。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。点灯パターンには、適宜LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターンとを交互に繰り返すものも可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターンが点滅して見える)。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示や第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示に対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(可変表示)(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。この飾り図柄の可変表示及び表示結果の導出も、可変表示ゲームに含まれる。
なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、特図ゲーム(特図の可変表示でもある。)の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームの保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲーム(可変表示ゲーム)を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく特図ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する特図ゲームの保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている特図ゲームと同じ個数の図柄(本実施の形態では、四角印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う(図38参照)。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの特図ゲームに対応している。なお、後述するように、特図ゲームが保留されている(保留表示図柄が表示されている)ということは、始動入賞時に抽出された保留データが第1又は第2特図保留記憶部に格納されているということでもあり、このため、保留表示図柄は、始動入賞時に抽出され第1又は第2特図保留記憶部に格納されている保留データに対応して表示されるものでもある。保留されている特図ゲームや保留データのことは、保留記憶ともいう。第1特図ゲームの保留記憶は、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域5Ha)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図ゲームの保留記憶は、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域5Hb)に表示される保留表示図柄によって表される。なお、後述の連チャン範囲の期間(図19参照)において実行される特図ゲーム中においては、保留記憶表示は、保留されている第1特図ゲームの数(第1特図保留記憶数)及び第2特図ゲームの数(第2特図保留記憶数)を数字で表す表示(以下、この数字による表示を連チャン範囲内保留表示ということもある。)となる(図38参照)。つまり、保留記憶表示の態様としては、保留表示図柄と連チャン範囲内保留表示とが用意されている。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留表示図柄を表示しているときに保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄(最も左に位置する図柄など)が消去される。また、第1保留表示領域5Ha及び第2保留表示領域5Hbのうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。また、連チャン範囲内保留表示によって表示される数字は、第1特図ゲームの実行や第2特図ゲームの実行によって1減らされる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
また、画像表示装置5の画面上には、第1特図又は第2特図が可変表示されていることを遊技者に分かり易く報知するための第4図柄の表示も行われる。この実施の形態では、第1特図の可変表示に対応して表示される第1特図用の第4図柄と、第2特図の可変表示に対応して表示される第2特図用の第4図柄と、が用意されている。第1特図用の第4図柄は、画像表示装置5の左上の領域5Fに表示され、第2特図用の第4図柄は、画像表示装置5の左上の領域5Gに表示される。例えば、領域5F及び領域5Gは、第4図柄の非表示時には、中が塗り潰されていない円で表され、第4図柄の表示時に、その円の中が塗り潰されることで、領域5F又は領域5Gに第4図柄が表示される(当該塗り潰された円の図形が第4図柄である)。
第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示が実行されているときには、第1特図用の第4図柄が表示される(領域5Fが塗り潰される。)。第1特図用の第4図柄は、第1特図の可変表示期間中ずっと表示(点滅表示であっても、常時表示であってもよい。)される。第1特図ゲームでの可変表示の終了時(表示結果の導出時)に第4図柄の表示は終了する。第4図柄の表示が終了してから所定期間(第1特図ゲームでの表示結果の導出タイミングから一定期間)は、領域5Fの円が第1特図ゲームの可変表示結果に応じた色で塗り潰される(例えば、ハズレであれば「黒」、大当りであれば「赤」など)。この実施の形態では、このようにして、第1特図用の第4図柄の表示の終了時(ここでは、特に終了時から所定期間)に、第1特図用の第4図柄の表示の表示結果として、第1特図ゲームの可変表示結果を示す図柄(例えば、黒で塗り潰された円の図形(ハズレ時)、赤で塗り潰された円の図形(大当り時))が表示(導出表示あるいは導出ともいう。)される。
第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示が実行されているときには、第2特図用の第4図柄が表示される(領域5Gが塗り潰される。)。第2特図用の第4図柄は、第2特図の可変表示期間中ずっと表示(点滅表示であっても、常時表示であってもよい。)される。第2特図ゲームでの可変表示の終了時(表示結果の導出時)に第4図柄の表示は終了する。第4図柄の表示が終了してから所定期間(第2特図ゲームでの表示結果の導出タイミングから一定期間)は、領域5Gの円が第2特図ゲームの可変表示結果に応じた色で塗り潰される(例えば、ハズレであれば「黒」、大当りであれば「赤」など)。この実施の形態では、このようにして、第2特図用の第4図柄の表示の終了時(ここでは、特に終了時から所定期間)に、第2特図用の第4図柄の表示の表示結果として、第2特図ゲームの可変表示結果を示す図柄(例えば、黒で塗り潰された円の図形(ハズレ時)、赤で塗り潰された円の図形(大当り時))が表示(導出表示あるいは導出ともいう。)される。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となってもよい。この場合の通常開放状態は、第2始動入賞口に遊技球が進入できるが、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくい状態である。このように、普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)は、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)し、表示結果を導出表示する。このような普通図柄の可変表示及び表示結果の導出は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図ゲームや第2特図ゲームを制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普図ゲームを制御することといった、所定の表示図柄の可変表示や表示結果の導出を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100となる1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が不測の停電などで一時停止しても(所謂、電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電して電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(後述の、特図プロセスフラグ、大当りフラグ、時短フラグ、確変フラグなどの各種フラグの状態や、特図保留記憶数、変動特図指定バッファ値、大当り種別バッファ設定値などの各種の値や、可変表示結果などの各種データや、遊技制御プロセスタイマなどの各種タイマのタイマ値や、後述の連チャン範囲内に実行可能な特図ゲームの残り実行回数(ここでは、確変大当り遊技状態のあと4回に達するまでの特図ゲームの残り実行回数)をカウントする残回数カウント値、保留記憶(保留データとして記憶される乱数値)などの、遊技制御に必要なデータなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップされて保存される。バックアップされたデータを適宜バックアップデータという。このバックアップデータによって、電断後の電力供給の再開時に、電断の発生時(電力停止時)の状態での復旧がなされる(例えば、電力供給の再開によって、電力停止時に停止された遊技制御が再開される)。なお、電断後の電力供給の再開時に使用されるデータは全てバックアップデータとしてRAM102に保存される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(電断があった場合など)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき)、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。例えば、演出制御用CPU120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部123に送信する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータを用いて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU120の制御(演出制御パターンなどに基づく制御)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、画像表示装置5に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される制御信号(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される制御信号(電飾信号)などが出力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU120の制御に基づいて表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示されることになる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(リーチ演出、飾り図柄の可変表示、第4図柄の表示、表示結果の導出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である(この実施の形態では、高ベース状態のときに、第2始動入賞口が開放されやすい)。
また、遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過し、図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動(可変表示)を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特図ゲームが開始されるときや、第2特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンなどを指定するもの)の決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、当該表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」であるときには、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」、大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」ということがある。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示や第4図柄の表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、当該導出表示のタイミングに同期して、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が終了し、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。また、第4図柄の表示も終了し、当該第4図柄の表示の表示結果も導出表示される。なお、第4図柄については、詳しくは後述するが、例えば、図40に示すように第4図柄の表示のあと、表示結果が導出表示される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまで(確定飾り図柄が導出される前)の期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せ(詳しくは後述するが、大当り時に導出される確定飾り図柄(飾り図柄の組合せ))の一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、及び、スーパーリーチBが用意されている(図16参照)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知(又は示唆)するための可変表示演出(例えば、擬似連など)が実行されてもよい。当該可変表示演出も可変表示中演出に含まれる。また、可変表示中演出の一部として、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を予告する予告演出などが実行されてもよい。
また、後で詳述するが、この実施の形態では、始動入賞時における判定(保留された特図ゲームの可変表示結果が大当りになるか否かや大当り種別の判定であり、以下、先読み判定ともいう。)に基づいて所謂先読み予告が実行される。この実施の形態では、第2特図ゲームが先読み判定の対象となっている。当該先読み判定の対象となる第2特図ゲームのことをターゲットという。この実施の形態では、先読み予告として、保留表示予告と、保留内連チャン演出と、が用意されている。保留表示予告は、ターゲットの第2特図ゲームに対応する保留表示図柄の表示態様(ここでは、色)を通常のもの(ここでは、白)とは異なるもの(ここでは、赤又は金)とすることで、当該ターゲットの第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高いことを予告(又は示唆)する演出である。保留内連チャン演出は、所定の特図ゲームの可変表示結果が「確変大当り」となったときの保留記憶(保留されている第2特図ゲーム)の中に可変表示結果が「確変大当り」と判定された保留記憶がある場合(保留内連チャンがある場合)に実行されるものであり、確変大当り遊技状態のあとに最初に実行される第2特図ゲームから保留内連チャンで可変表示結果が「確変大当り」となる第2特図ゲームまでの各第2特図ゲーム(後述の連チャン範囲の期間内に実行される特図ゲーム)に対応して実行される可変表示の可変表示中演出などを通常とは異なる特別な演出として、先の確変大当り遊技状態から後の確変大当り遊技状態(保留内連チャンによる大当り)の終了までを1回の大当り遊技状態に見せる演出である(図38などを参照)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、大当り種別に応じて、停止表示される飾り図柄が異なってもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。主基板11は、遊技の進行を制御する。そして、主基板11は、遊技の進行に応じて演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する。演出制御基板12は、主基板11から送信される演出制御コマンドに基づいて画像表示装置5などを制御する演出制御を実行することで各種演出を行う。このようなことによって、主基板11によって実行される遊技と、演出制御基板12によって実行される各種演出との同期が取られることになる。以下、図3及び図4を参照して、演出制御コマンドを説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特図の可変表示を開始するのか第2特図の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。変動開始指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において実行する飾り図柄の可変表示についての変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、変動パターン(図16参照、詳しくは後述する。)に対応する数値が設定される。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号が「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあってもよい。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、当該コマンド中の「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変大当り」なら「01」など)。表示結果指定コマンドは、特図ゲームの開始時などに送信される。
コマンド8DXX(H)は、連チャン範囲の期間内に実行可能な特図ゲームの残り回数(残回数)を指定(通知)するコマンド(残回数指定指定コマンド)である。連チャン範囲は、保留内連チャン(確変大当り発生時に保留されている第2特図ゲームの中に可変表示結果が大当りとなる第2特図ゲームがあり、かつ、直近の大当りが確変大当りであること、つまり、確変大当り発生時に保留されている第2特図ゲームにおいて確変大当りが発生し、大当りとして確変大当りが連続すること)が発生し得る特図ゲームの実行回数の範囲、つまり、この実施の形態では、第2特図ゲームの保留記憶数の上限値(ここでは、4回)に対応する回数(ここでは、4回)の範囲である。第2特図ゲームの保留記憶数の上限値を保留内連チャンにおける特図ゲームの実行可能な回数とするのは、後述のように、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先的に消化され、かつ、先読み判定の対象が第2特図ゲームであるからである(4回あれば、保留された第2特図ゲームが全て消化されるため)。「XX」が、前記の残回数を示す。残回数は、残回数をカウントするための残回数カウンタのカウント値(残回数カウント値であり、特図ゲーム開始時に更新されて1減算される値)によって特定される(例えば、残回数カウント値が「1」なら残回数は「1回」になり、残回数カウント値が「2」なら残回数は「2回」になる。)。残回数指定コマンドは、特図ゲームの開始時などに送信される。
コマンド8F01(H)は、第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示(変動)の終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド)である。コマンド8F02(H)は、第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示(変動)の終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド)である。第1図柄確定指定コマンドと第2図柄確定指定コマンドとを図柄確定指定コマンドと総称することがある。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)や第4図柄の表示を終了して表示結果(停止図柄など)を導出表示することを指定するものでもある。図柄確定指定コマンドは、特図ゲームの終了時などに送信される。
コマンド95XX(H)は、画像表示装置5に表示される演出画像の背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態に応じて背景が変更される。このため、当該背景指定コマンドは、遊技状態(パチンコ遊技機1の状態の一例)を指定するものでもある。当該コマンド中の「XX」には、背景(遊技状態)に対応する数値が設定される。例えば、各背景(遊技状態)には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、通常状態の背景なら「00」、高確高ベース状態の背景なら「01」など)。背景指定コマンドは、遊技状態(つまり、背景)が変更され得るタイミング(大当り終了時、可変表示結果導出時など)などに送信される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信設定される。
コマンドA1XX(H)は、大入賞口の開放を指定(通知)する演出制御コマンド(大入賞口開放指定コマンド)である。この実施の形態では、当該コマンド中の「XX」には、当該コマンドで通知する大入賞口の開放が1回の大当り遊技状態における何回目の開放(何ラウンド目のラウンド遊技の開始)であるかを示す値が設定される(例えば、1ラウンド目の開放であれば「01」・・・13ラウンド目の開放であれば「13」など)。大入賞口開放指定コマンドは、大入賞口の開放時に送信される。
コマンドA2XX(H)は、大入賞口の閉鎖を指定(通知)する演出制御コマンド(大入賞口閉鎖指定コマンド)である。この実施の形態では、当該コマンド中の「XX」には、当該コマンドで通知する大入賞口の閉鎖が1回の大当り遊技状態における何回目の閉鎖(何ラウンド目のラウンド遊技の終了)であるかを示す値が設定される(例えば、1ラウンド目の閉鎖であれば「01」・・・13ラウンド目の閉鎖であれば「13」など)。大入賞口閉鎖指定コマンドは、大入賞口の閉鎖時に送信される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。始動口入賞指定コマンドは、始動入賞発生時に送信される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定(通知)する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定(通知)する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得るタイミング(始動入賞発生時、特図ゲーム開始時など)などに送信される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の先読み判定の判定結果のうち表示結果(図柄)の判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(図柄判定結果指定コマンド)である。詳しくは後述するが、第1始動入賞又は第2始動入賞が発生したときに、大当りにするか否か、大当り種別、変動パターンを決定するために使用される乱数値MR1〜MR3が抽出される。この実施の形態では、当該抽出された乱数値MR1〜MR3に対応する特図ゲームについて、当該特図ゲームの開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜MR3のうちの乱数値MR1及びMR2に基づいて、当該特図ゲームの可変表示結果が「大当り」になるか否か及び「大当り」になる場合の大当り種別を判定する。先読み判定は、この判定のことをいい、当該先読み判定は、後述のステップS211の入賞時乱数値判定処理にて行われる。なお、所定の場合には、この判定が行われないことがある。表示結果についての判定結果(判定無しも含む)には、一意の番号が振られ、その番号が図柄判定結果指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定無し」なら「01」、「ハズレ」なら「02」、「確変大当り」なら「03」、「非確変大当り」なら「04」など、図11(B)参照)。図柄判定結果指定コマンドは、始動入賞時に送信される。
コマンドD100(H)は、主基板11側が初期化されたことを指定(通知)する演出制御コマンド(初期化指定コマンド)である。初期化指定コマンドは、初期化時に送信される。
コマンドD200(H)は、電源復旧がなされたこと(電断後の電力供給が再開し、RAM102のバックアップデータによって電断発生時の状態の復旧がなされたこと)を指定(通知)する演出制御コマンド(電源復旧指定コマンド)である。電源復旧指定コマンドは、電源復旧時(電断発生時の状態の復旧時)に送信される。
コマンドD3XX(H)は、電源復旧後(電源復旧時ともいう。)のパチンコ遊技機1の状態(ここでは、つまり、RAM102のバックアップデータによって復旧された電断発生時のパチンコ遊技の内部状態)を指定(通知)する演出制御コマンド(復旧状態指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、電源復旧後のパチンコ遊技機1の状態(電断発生時の状態でもあり、復旧された状態)に対応する数値が設定される。図4に示すように、電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの実行中であれば(電源復旧によって第1特図ゲームの実行が再開されれば)、「XX」には「01」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの実行中であれば(電源復旧によって第2特図ゲームの実行が再開されれば)、「XX」には「02」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であれば(電源復旧によって当該大当り遊技状態が再開されれば)、「XX」には「03」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であれば(電源復旧によって当該大当り遊技状態が再開されれば)、「XX」には「04」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が上記以外のその他の状態であれば、「XX」には「05」が設定される。復旧状態指定コマンドは、電源復旧時(電断発生時の状態の復旧時)に送信される。
コマンドE100(H)は、デモ表示(特図ゲームや大当り遊技状態に制御されていないときなどに表示されるデモ画面の表示)の開始を指定する演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)である。デモ表示開始指定コマンドは、デモ表示の開始時に送信される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始(電断後の再開も含む。)されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって例えば図5の遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後(ステップS11)、必要な初期設定を行う(ステップS12)。初期設定では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)やRAM102をアクセス可能状態に設定することなどが行われる。
次いで、CPU103は、図示しないクリアスイッチ(例えば、図示しない電源基板に搭載されている。)が押されてオンされているかを判定する(ステップS13)。オンされているかの判定は、例えば、クリアスイッチから出力されるオン信号(クリアスイッチがオンとなったときに出力される信号)がI/O105の入力ポートを介して入力されているかなどによって行われる。
CPU103は、オン信号が入力されているなどして、クリアスイッチがオンされている場合(ステップS13;Yes)、パチンコ遊技機1の状態はクリアされるので、CPU103は、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を行う。
CPU103は、クリアスイッチがオフの場合(クリアスイッチが押されていない場合)(ステップS13;No)、CPU103は、データ保護処理が実行されているかを判定する(ステップS14)。データ保護処理は、遊技機への電力供給が停止したときにCPU103によって実行される処理であって、電断等が発生したときにRAM102が記憶するデータを保護するための処理である。データ保護処理は、この実施の形態では、パリティデータ(パリティビット)の付加等の電力供給停止時処理を含む。データ保護処理が実行されたかは、電力供給停止時処理などにおいてRAM102に設定されるバックアップフラグの状態(これもバックアップされている)によって判定すればよい。クリアスイッチが押されず(ステップS13;No)、データ保護処理が実行された場合(ステップS14;Yes)、電断による電力供給の停止及び再開があった可能性があるため、ステップS15以下の処理を実行する。一方、データ保護処理が実行されていない場合(ステップS14;No)、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、CPU103は、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を行う。
ステップS15において、CPU103は、RAM102のデータチェックを行って、正常であるかを判定する(ステップS15)。この実施の形態では、データチェックとして電力供給停止時処理で付加されたパリティデータ(パリティビット)を用いたパリティチェックを行う。なお、電力供給停止処理においてRAM102のデータについてチェックサムを算出してRAM102に格納しておき、ステップS15にてRAM102のデータについて電力供給停止時処理と同一の処理によってチェックサムを算出し、ステップS15で両チェックサムを比較することで、データチェックを行ってもよい。
不測の停電等の電力供給停止(電断)が生じた後に電力供給が再開した場合には、RAM102のデータはバックアップされているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップデータが、電力供給の停止時(電断時)のデータとは異なっていることになる。データチェックが異常(不一致)の場合(ステップS15;No)、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を実行する。
チェック結果が正常(一致)であれば(ステップS15;Yes)、電断による電力供給の停止及び再開があったと判定できるので、CPU103は、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時(電断発生時)の状態に復旧するための復旧処理を行う(ステップS16)。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルを参照して、バックアップ時設定テーブルの内容をRAM102に設定する。当該RAM102はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、RAM102の記憶内容のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。バックアップ時設定テーブルの内容をRAM102に設定することで、RAM102のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容(バックアップのデータ)がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止時(電断開始時)の遊技状態を示すデータ(後述の、特図プロセスフラグ、大当りフラグ、時短フラグ、確変フラグなどの各種フラグの状態や、特図保留記憶数、変動特図指定バッファ値、大当り種別バッファ設定値などの各種の値や、可変表示結果などの各種データや、遊技制御プロセスタイマなどの各種タイマのタイマ値、残回数カウント値、保留記憶(後述の第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に保留データとして記憶される乱数値)などの、遊技制御に必要なデータなど)、I/O105の出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
なお、バックアップされる可変表示結果は、電断時において特図ゲームが実行中であれば、実行中の特図ゲームの可変表示結果を示し、特図ゲームが実行されていない状態であれば、直近の特図ゲームの可変表示結果を示す(下記の特別図柄プロセス処理などでは、次の特図ゲームが開始されるまで、可変表示結果がRAM102に記憶され保持される)。なお、直近の特図ゲームがない場合には、可変表示結果は、ハズレを示すものであってもよい。
この実施の形態では、電源復旧した場合には、ステップS16の処理のあとに実行される後述の特別図柄プロセスや普通図柄プロセス処理などにて、バックアップデータ(電力供給停止時(電断開始時)の遊技状態を示すデータ)が用いられ(通常時と同様にそのまま用いられることになる)、遊技制御が実行(再開)されるので、電断後の電力供給の再開時に、電断の発生時(電力停止時)の状態での処理が再開され、電力停止時に停止された状態からの遊技制御が再開される(電源復旧がなされる)。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータチェックとの双方を用いてRAM102のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとデータチェックとのいずれかを、ステップS16の処理を実行するための契機としてもよい。
ステップS16の処理あと、CPU103は、復旧処理によって電源復旧された復旧後のパチンコ遊技機1の状態(復旧された内部状態)に応じて、電源復旧時コマンドを送信する(ステップS17)(図6参照)。なお、図6において「○」が送信されるコマンドを示す。「×」のコマンドは送信されない。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの実行中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「2」で、変動特図指定バッファ値が「1」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ及び時短フラグの状態によって背景(遊技状態)を特定すればよい)と、復旧状態指定コマンド(第1特図ゲーム実行中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及びバックアップされている第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、残回数指定コマンド(バックアップされている残回数カウント値が示す残回数(連チャン範囲で実行可能な特図ゲームの残り回数)を指定するコマンド)と、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの実行中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「2」で、変動特図指定バッファ値が「2」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ及び時短フラグの状態によって背景(遊技状態)を特定すればよい)と、復旧状態指定コマンド(第2特図ゲーム実行中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及びバックアップされている第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、残回数指定コマンド(バックアップされている残回数カウント値が示す残回数(連チャン範囲で実行可能な特図ゲームの残り回数)を指定するコマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で、変動特図指定バッファ値が「1」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンドであるが、ここでは「大当り」なので、バックアップデータによらず「大当り」のコマンドとしてもよい。)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ及び時短フラグの状態によって背景(遊技状態)を特定すればよいが、大当り遊技状態中は通常状態になるので、バックアップデータによらず通常モードの背景を指定するコマンドとしてもよい。)と、復旧状態指定コマンド(第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及びバックアップされている第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、残回数指定コマンド(バックアップされている残回数カウント値が示す残回数(連チャン範囲で実行可能な特図ゲームの残り回数)を指定するコマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で、変動特図指定バッファ値が「2」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンドであるが、ここでは「大当り」なので、バックアップデータによらず「大当り」のコマンドとしてもよい。)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ及び時短フラグの状態によって背景(遊技状態)を特定すればよいが、大当り遊技状態中は通常状態になるので、バックアップデータによらず通常モードの背景を指定するコマンドとしてもよい。)と、復旧状態指定コマンド(第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及びバックアップされている第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、残回数指定コマンド(バックアップされている残回数カウント値が示す残回数(連チャン範囲で実行可能な特図ゲームの残り回数)を指定するコマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が上記以外のその他の状態である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「0」、「1」、「3」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(バックアップされている確変フラグ及び時短フラグの状態によって背景(遊技状態)を特定すればよい)と、復旧状態指定コマンド(「その他」を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及びバックアップされている第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、残回数指定コマンド(バックアップされている残回数カウント値が示す残回数(連チャン範囲で実行可能な特図ゲームの残り回数)を指定するコマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
電源復旧時コマンドの各コマンドは、1回で送信するようにしてもよいし、後述のタイマ割り込み設定(ステップS22)後、複数回のタイマ割り込み毎に送信されてもよい(つまり、複数回に分けて送信されてもよい)。図6に記載の各コマンドは、左から順に送信されるようにする。
上記のように、復旧時には、特図ゲームのうち実行されていない方に対応する図柄確定指定コマンドが送信される。具体的には、第1特図ゲームが実行されていない場合には、第1図柄確定指定コマンドが送信され、第2特図ゲームが実行されていない場合には、第2図柄確定指定コマンドが送信される。一方、実行中の特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンドは送信されない。具体的には、第1特図ゲームが実行されている場合には、第1図柄確定指定コマンドは送信されず、第2特図ゲームが実行されている場合には、第2図柄確定指定コマンドは送信されない。
また、電源復旧時には、残回数カウント値が「0」(残回数が「0回」)であるか否かに係わらず、残回数指定コマンドが送信される(特に、残回数カウント値が「0」(残回数が「0回」)であるかの判定無しに送信される)。
ステップS17の処理によって、電源復旧後(電源復旧時)の復旧された状態を演出制御基板12に通知できる。
ステップS17のあとは、ステップS21の処理が実行される。
ステップS18では、CPU103は、初期化処理を行う。例えば、RAM102のクリア処理を行う。当該クリア処理によって、所定のデータは0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルを参照し、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM102に設定する。このようにして、各種フラグの状態、各種タイマの値、各種データなどが初期化される。
その後、CPU103は、初期化指定コマンドを送信する(ステップS19)。例えば、演出制御基板12側では、初期化指定コマンドを受信すると、画像表示装置50において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行うようにしてもよい。
ステップS21では、CPU103は、乱数回路104の初期設定(動作設定を含む)を行う(なお、その他、遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられた各種回路の初期設定を行ってもよい。)。
その後、タイマ割り込みの設定を行う(ステップS22)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行い、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103が定期的に後述の遊技制御用タイマ割込処理を実行することができるようにする。
ステップS22のあとは、ループ処理に入り、タイマ割込を禁止したあとに(ステップS23)、乱数回路104などにおける乱数を更新する処理を行って(ステップS24)、タイマ割込を許可する設定を行い(ステップS25)、再度ステップS23の処理を行うようにする。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、例えば、図7に示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理(ステップS51)、メイン側エラー処理(ステップS52)、情報出力処理(ステップS53)、遊技用乱数更新処理(ステップS54)、特別図柄プロセス処理(ステップS55)、普通図柄プロセス処理(ステップS56)、コマンド制御処理(ステップS57)といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターン(乱数値MR3に基づいて決定された変動カテゴリに属する変動パターン)のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や、大当り種別や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態(進入容易状態)などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる(図5でのコマンド送信についても同様)。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図8は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図9は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入する第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図10(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図10(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図10(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第1特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する(バックアップデータとして記憶される)。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図ゲームの実行が保留されていることを示し、大当り遊技状態に制御する(可変表示結果を「大当り」とする)と決定されるか否かや大当り種別などを先読み判定可能にする保留記憶情報にもなっている。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、基本的に対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示領域5Haの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、表示エリア5Hにおける向かって第1保留表示領域5Haの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図10(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第2特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する(バックアップデータとして記憶される)。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図ゲームの実行が保留されていることを示し、大当り遊技状態に制御する(可変表示結果を「大当り」とする)と決定されるか否かや大当り種別などを先読み判定可能にする保留記憶情報にもなっている。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、基本的に対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5Hbの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5Hbの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を行う(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の先読み判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1及びMR2に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か及び大当り種別を判定する処理である。入賞時乱数値判定処理は、後で詳述する。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図11(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図9のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図8のステップS110)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や大当り種別の決定が行われる。入賞時乱数値判定処理では、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、当該タイミングで抽出された乱数値(ステップS209で抽出された乱数値)の実行対象の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になるか否かや「大当り」となる場合の大当り種別についての先読み判定などを行う(所謂「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前(特図ゲームの開始条件成立前)に、特図表示結果が「大当り」となることや、大当り種別を予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告などを実行することができる。
図11(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。
CPU103は、その後、今回の始動入賞が第2始動入賞(第2始動口への入賞)であるか否かを始動口バッファ値などに基づいて判定する(ステップS402A)。今回の始動入賞が第2始動入賞である場合(始動口バッファ値が「2」のとき)(ステップS402A;Yes)、ステップS401で特定した遊技状態が高確高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS402B)。今回の始動入賞が第2始動入賞でない場合(始動口バッファ値が「1」のとき)(ステップS402A;No)、高確高ベース状態でない場合(ステップS402B;No)、ステップS410の処理を実行する。
遊技状態が高確高ベース状態である場合(始動口バッファ値が「2」のとき)(ステップS402B;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS403)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の特図表示結果決定テーブル(図13参照)のうち、ステップS401で特定した現在の遊技状態に対応して特図表示結果の「大当り」に割り当てられた決定値の範囲を、大当り決定範囲として設定する。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8000」〜「9899」が大当り決定範囲として設定され、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8000」〜「8189」が大当り決定範囲として設定される(図13参照)。
その後、ステップS209で抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS403の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS404)。そして、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定(先読み判定)する(ステップS405)。
なお、ステップS405では、例えば、ステップS210で特図保留記憶部に格納した乱数値MR1を読み出し、読み出した乱数値MR1を使用して前記判定を行えばよい。また、ステップS210とは別に乱数値MR1をRAM102の所定領域(特図保留記憶部以外の領域)やCPU103の記憶領域などに保持しておき、CPU103は保持した乱数値に基づいて前記判定を行ってもよい。なお、前記所定領域も、結局は、未だ開始されていない特図ゲームについての保留データ(乱数値)を記憶するものであるので、図10で例示した特図保留記憶部と同様の特図保留記憶部として捉えることができる。結局CPU103は、先読み判定において、未だ開始されていない特図ゲーム(ここでは、特図ゲームについての乱数値のデータである保留データ)を保留記憶として記憶する記憶部に記憶された保留記憶に基づいて先読み判定を行うことになる。このようなことは、先読み判定に使用される他の乱数値について同じである。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS405;Yes)、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の大当り種別決定テーブル(図14参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS407)。詳しくは後述するが、大当り種別決定テーブルは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS407のあと、大当り種別の判定を行う(ステップS408)。例えば、ステップS209で抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定した大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別を判定結果とする判定を行う(ステップS408)。乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別が「確変」であれば大当り種別を「確変」と判定し、「非確変」であれば、大当り種別を「非確変」と判定する。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内でないと判定されたときや(ステップS405;No)、ステップS408の処理のあとは、ステップS410の処理を行う。
ステップS410の処理では、CPU103は、ステップS402A、402B、S405、ステップS408の判定結果などに応じた内容の始動入賞時コマンドの送信設定を行い(ステップS417)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図11(B)に示すように、始動入賞時コマンドは、先読み判定の対象が第1始動入賞による第1特図ゲームである場合(ステップS402AでNoと判定された場合)には、第1始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、から構成される。始動入賞時コマンドは、先読み判定の対象が第2始動入賞による第2特図ゲームである場合(ステップS402AでYesと判定された場合)には、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、から構成される。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
なお、複数のコマンドが送信設定された場合、各コマンドは、1回のタイマ割り込み(1回のコマンド制御処理)で送信されてもよいし、複数回のタイマ割り込み(複数回のコマンド制御処理)で分けて送信されてもよい(他のコマンドについても同じ)。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)であり、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
また、送信設定する図柄判定結果指定コマンドは、ステップS407の先読み判定結果が大当り決定範囲内であって(ステップS405でYesと判定された場合)、ステップS408にて先読み判定された大当り種別が「確変」であるときには、可変表示結果の判定結果が「確変大当り」であることを指定するコマンド(「確変大当り」に対応した「03」のEXTデータを含むコマンド)となる。また、送信設定する図柄判定結果指定コマンドは、ステップS407の先読み判定結果が大当り決定範囲内であって(ステップS405でYesと判定された場合)、ステップS408にて先読み判定された大当り種別が「非確変」であるときには、可変表示結果の判定結果が「非確変大当り」であることを指定するコマンド(「非確変大当り」に対応した「04」のEXTデータを含むコマンド)となる。また、送信設定する図柄判定結果指定コマンドは、ステップS407の先読み判定結果が大当り決定範囲外であるときには(ステップS405でNoと判定された場合)、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを指定するコマンド(「ハズレ」に対応した「02」のEXTデータを含むコマンド)となる。また、送信設定する図柄判定結果指定コマンドは、先読み判定の対象が第2始動入賞による第2特図ゲームであるが(ステップS402AでYesと判定された場合)、遊技状態が高確高ベース状態でないとき(ステップS402BでNoと判定されたと場合)には、可変表示結果の判定結果が「判定無し」であることを指定するコマンド(「判定無し」に対応した「01」のEXTデータを含むコマンド)となる。
入賞時乱数値判定処理では、上記のようにして、今回ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3に対応する特図ゲームについて、当該特図ゲームの可変表示結果(大当り種別を含む)が判定される。つまり、所謂先読みが行われる。なお、この実施の形態では、先読みの対象が第1特図ゲームではなく第2特図ゲームになっており、また、高確高ベース状態時にのみ先読み判定がなされ、それ以外の遊技状態では判定無しとなる。
図8に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。また、可変表示結果(「ハズレ」、「確変大当り」、「非確変大当り」)もRAM102の所定領域に格納される。当該可変表示結果は、次の特図ゲームが実行されるまで、RAM102の所定領域に保持される(バックアップデータとしても保持される)。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図12は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図13に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図13に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図13に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図8に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図14に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図14に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別を今回の大当り種別として決定すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。また、このとき、決定した今回の可変表示結果(「ハズレ」、「確変」の「大当り」、「非確変」の「大当り」のいずれか)もRAM102の所定領域に格納される。当該可変表示結果は、次の特図ゲームが実行されるまで、RAM102の所定領域に保持される(バックアップデータとしても保持され、電源復旧時コマンドの送信時などで使用される。)。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)の開始を指定する演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示開始指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、デモ表示開始指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。デモ表示開始指定コマンドが送信済みであるかは、RAM102の所定領域に設けられた所定のフラグ(当該コマンドを送信したときにオンするフラグ)によって判定すればよい。なお、当該所定のフラグは、バックアップされないようにしてもよい。これによって、電源復旧時に、改めてデモ表示開始指定コマンドを送信できる。
図8のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される(このように、変動パターンは、特図変動時間を指定するものともいえる)。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含む。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図15(A)は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、残回数カウント値に応じた大当り用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を選択して使用パターンにセットし(ステップS262A)、使用パターンにセットした大当り用変動パターン決定テーブルを参照して大当り時変動パターンを決定する(ステップS262B)。大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、残回数カウント値及び遊技状態に応じたハズレ用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を選択して使用パターンにセットし(ステップS263A)、使用パターンにセットしたハズレ用変動パターン決定テーブルを参照してハズレ時変動パターンを決定する(ステップS263B)。
図16は、本実施形態における変動パターンの具体例を示している。この実施の形態では、ハズレ時変動パターンとして、変動パターンPA1−1、PA2−1、PA3−1〜PA3−4が用意されている。また、大当り時変動パターンとして、変動パターンPB3−1〜PB3−4が用意されている。
変動パターンPA1−1、PA2−1は、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定する非リーチ変動パターンである。変動パターンPA2−1は、特図変動時間が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)の非リーチ変動パターンである。
変動パターンPA3−1〜PA3−4は、リーチ(可変表示態様がリーチ態様になること)を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−1は、連チャン範囲において実行される可変表示用の変動パターン(残回数カウント値が1以上のときの変動パターン)である。変動パターンPA3−1の特図変動時間は非常に短く設定されており、変動パターンPA3−1は、可変表示開始後、すぐにリーチを成立させ、その後、特にリーチ演出などを実行せずにすぐに可変表示結果を導出表示することを指定する。変動パターンPA3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。
変動パターンPB3−1は、連チャン範囲において実行される可変表示用の変動パターン(残回数カウント値が1以上のときの変動パターン)である。変動パターンPB3−1の特図変動時間は、PA3−1と同様に、非常に短く設定されており、変動パターンPB3−1は、可変表示開始後、すぐにリーチを成立させ、その後、特にリーチ演出などを実行せずにすぐに可変表示結果を導出表示することを指定する。変動パターンPB3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。
ステップS262Aでは、残回数カウント値(RAM102の所定領域に設けられた残回数カウンタのカウント値)が1〜4のいずれかである場合(つまり、今回の可変表示が連チャン範囲内に実行される可変表示である場合)には、例えば、図17(A)に示す第1大当り用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットし、残回数カウント値が0である場合(つまり、今回の可変表示が連チャン範囲内に実行される可変表示でない場合)には、例えば、図17(B)に示す第1大当り用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットする。
図17に示すように、第1〜第2大当り用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、大当り時変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。ステップS262Bにおいて、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットされた第1〜第2大当り用変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の大当り時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
なお、図17では、決定値の範囲の代わりに決定割合が記載されている。実際のテーブルでは、図17の決定割合に応じた範囲の決定値が各変動パターンに対して割り当てられていればよい。決定割合は、乱数値MR3が取り得る値の全範囲(1〜100)を100とした割合である。例えば、図17(B)であれば、変動パターンPB3−2の決定割合は10で、変動パターンPB3−3の決定割合は20で、変動パターンPB3−4の決定割合は70なので、変動パターンPB3−2には乱数値MR3と比較される決定値1〜10(10%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−3には乱数値MR3と比較される決定値11〜30(20%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−4には乱数値MR3と比較される決定値31〜100(70%の範囲)が割り当てられる。このようなことは、決定割合を記載した他のテーブルについても同様である。
ステップS263Aでは、残回数カウント値が1〜4のいずれかである場合には、例えば、図18(A)に示す第1ハズレ用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットし、残回数カウント値が0である場合であって、現在の遊技状態が非時短状態の場合(時短フラグがオフ状態の場合)には、例えば、図18(B)に示す第2ハズレ用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットする。さらに、残回数カウント値が0である場合であって、現在の遊技状態が時短状態の場合(時短フラグがオン状態の場合)には、例えば、図18(C)に示す第3ハズレ用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットする。
図18に示すように、第1〜第3ハズレ用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、ハズレ時変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。ステップS263Bにおいて、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットされた第1〜第3ハズレ用変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回のハズレ時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図17及び図18に示すように、残回数カウント値が1〜4のいずれかである場合(つまり、今回の可変表示が連チャン範囲内に実行される可変表示である場合)には、連チャン範囲において実行される可変表示用の変動パターンPA3−1又はPB3−1のみが選択されるようになっている。つまり、連チャン範囲内に実行される特図ゲームの特図変動時間は非常に短くなっている。これによって、保留内連チャンがある場合に、複数回の大当り遊技状態それぞれの間隔を短くでき、保留内連チャンによる「大当り」発生までの特図ゲームに対応して保留内連チャン演出(演出制御基板12側で実行される)を実行することで、複数回の大当り遊技状態を1回の大当り遊技状態に見せることができる。また、変動パターンPA3−1又はPB3−1を連チャン範囲専用とすることで、連チャン範囲内に実行される特図ゲームと連チャン範囲外に実行される特図ゲームとで差別化することができる。
図18に示すハズレ用変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときに特図変動時間の短い変動パターンPA2−1が選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
図17及び図18を参照すると、大当り時には、スーパーリーチBを実行する変動カテゴリPB3−4の決定割合が最も高くなっており、スーパーリーチAを実行する変動パターンPB3−3、ノーマルリーチを実行する変動パターンPB3−2の順に決定割合が徐々に低くなっている。ハズレ時には、各変動パターンの決定割合はその逆になっている。このようなことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
ここで、図19を参照して、この実施の形態において参照される変動パターン決定テーブルを説明する。
図19(A)のように、確変大当り遊技状態終了後に連チャン範囲の期間(特図ゲーム4回分)が到来する。連チャン範囲内に実行される特図ゲームの変動パターンの決定では、第1大当り用変動パターン決定テーブル又は第1ハズレ用変動パターン決定テーブルが参照される(このときの遊技状態は、高確高ベース状態である)。その後、連チャン範囲が終了したあと(残回数カウント値=0になったとき)に実行される特図ゲームの変動パターンの決定では、高確高ベース時に、第2大当り用変動パターン決定テーブル又は第3ハズレ用変動パターン決定テーブルが参照され、高確低ベース時に(確変大当り遊技状態の終了後100回の特図ゲームの実行で終了する。)、第2大当り用変動パターン決定テーブル又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルが参照される。
図19(B)のように、非確変大当り遊技状態終了後には連チャン範囲の期間は到来しない(遊技状態は低確高ベース状態となる)。このため、非確変大当り遊技状態終了後は、残回数カウント値は最初から「0」となっているため、低確高ベース時には、第2大当り用変動パターン決定テーブル又は第3ハズレ用変動パターン決定テーブルが参照され、低確低ベース時に(非確変大当り遊技状態の終了後100回の特図ゲームの実行で終了する。)、第2大当り用変動パターン決定テーブル又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルが参照される。
図15に戻り、ステップS262B又はS263Bを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される(可変表示終了時)までの所要時間である。特図変動時間は、図16に示すように、各変動パターンによって指定され、CPU103は、ステップS262B又はS263Bの処理で選択した変動パターンが指定する特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図ゲームを開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図ゲームを開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
その後、残回数カウント値が「0」であるかを判定し(ステップS268)、残回数カウント値が「0」でない場合(ステップS268;No)、残回数カウント値によって特定される残回数(連チャン範囲内で実行可能な特図ゲームの残り回数であり、今回実行される特図ゲームも1回として数えられる。)を指定する残回数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS269)。なお、この実施の形態では、残回数カウント値=残回数の値となっている(残回数カウント値が「3」なら、残回数は「3回」など)。ステップS269のあと、残回数カウント値を1減算する(ステップS270)。このように、この実施の形態では、前記残回数が「0回」(残カウント値が「0」)のときには、残回数指定コマンドは送信されず、前記残回数が「0」でないとき(残カウント値が「1」〜「4」のとき)に残回数指定コマンドが送信される。
ステップS268で残回数カウント値が「0」の場合(ステップS268;No)又はステップS270の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS271)。例えば、図15(B)に示すように、変動特図指定バッファ値が「1」である場合、第1特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、第1特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS262B又はS263Bで決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、背景指定コマンド(確変フラグ及び時短フラグの状態に応じたEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合、第2特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、第2特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS262B又はS263Bで決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、背景指定コマンド(確変フラグ及び時短フラグの状態に応じたEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS271の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS272)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS272にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図8のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。図20は、特別図柄変動処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する(ステップS301)。ステップS301では、例えば、ステップS111で初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので(ステップS301;No)、特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い(ステップS302)、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには(ステップS301;Yes)、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)(ステップS303)、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い(変動特図指定バッファ値が「1」であれば第1図柄確定指定コマンドを送信設定し、変動特図指定バッファ値が「2」であれば第2図柄確定指定コマンドを送信設定する。)(ステップS304)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する(ステップS305)。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。なお、第1特図と第2特図とのうちのどちらを変動させるか及びどちらに特図表示結果を表示するかは、変動特図指定バッファ値などで特定すればよい。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の背景(遊技状態)を指定する背景指定コマンド(ここでは通常状態の背景を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、この実施の形態の大当り遊技状態での演出画面の背景は遊技状態に依らないので、ここで背景指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるか又は時短カウンタのカウント値が「0」以外であるかを判定し、オン状態である場合又は「0」以外である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、確変フラグの状態に基づいて背景指定コマンド(ここでは確変フラグに応じた遊技状態(高確低ベース又は低確低ベース)の背景を指定するコマンド)を送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合又は時短カウンタのカウント値が「0」以外である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、背景指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、大入賞口開放指定コマンド(第1ラウンドを指定するコマンド)の送信設定などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、大入賞口閉鎖指定コマンド(ラウンド数カウンタのカウント値に応じたラウンド数を指定するコマンド)の送信設定、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、大入賞口開放指定コマンド(ラウンド数カウンタのカウント値に応じたラウンド数を指定するコマンド)の送信設定などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、図21(A)の処理を実行する。CPU103は、大当り種別が「確変」か否かを判定し(ステップS1502)、確変であれば(ステップS1502)、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに(ステップS1503)、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」(図21(B)参照)を設定する(ステップS1504)。その後、残回数カウンタの残回数カウント値に初期値として「4」(図21(B)参照)を設定する(ステップS1505)。これによって、特図ゲーム4回分の期間となる連チャン範囲が設定される。大当り種別が「非確変」であれば(ステップS1502;No)、時短フラグのみをオン状態とするとともに(ステップS1506)、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する(ステップS1507)。また、残回数カウント値を「0」に設定する(ステップS1508)。このように、非確変大当り遊技状態後は、連チャン範囲は到来しない。ステップS1505又はS1508のあと、確変フラグ又は時短フラグの設定に応じた遊技状態(背景)を指定する背景指定コマンドを送信する送信設定を行い(ステップS1509)、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS1510)。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、例えば、図22に例示する所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリア(RAM122はバックアップRAMではないので、クリアが行われる。)や各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、第4図柄の表示するための第4図柄制御処理(詳しくは後述する。)を実行し(ステップS76)、演出用乱数更新処理(ステップS77)を実行する。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定(ステップS72)が再度実行される。
図23は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド(第2特図ゲームの場合))の受信があったかを判定する(ステップS651)。
始動入賞時コマンドを受信したときには(ステップS651;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS652)。始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンドを第1始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)に格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンドを第2始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)に格納する。
図24(A)は、第1始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンドを順番に記憶させる。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの始動入賞時コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した始動入賞時コマンドを、各コマンドの受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図24(B)は、第2始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンドを順番に記憶させる。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの始動入賞時コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した始動入賞時コマンドを、各コマンドの受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。具体的には、保留表示番号と保留表示図柄の表示位置とが対応しており、これによって、始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。保留表示番号は、第1及び第2特図保留記憶部の保留番号とも基本的に対応する。
例えば、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第1保留表示領域5Haの左から1番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第1保留表示領域5Haの左から2番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第1保留表示領域5Haの左から3番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第1保留表示領域5Haの左から4番目の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第2保留表示領域5Hbの左から1番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第2保留表示領域5Hbの左から2番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第2保留表示領域5Hbの左から3番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に始動入賞時コマンドが格納されると、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の表示位置に保留表示図柄が表示される。このとき、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「3」にも始動入賞時コマンドが格納されているはずなので、第2保留表示領域5Hbの左から1番目〜3番目の表示位置にも保留表示図柄が表示されている。
なお、第2始動入賞時コマンドバッファには、ターゲットフラグが各保留表示番号に対応して設けられている。詳しくは後述するが、ターゲットフラグは、保留表示番号とともに当該フラグに対応する始動入賞時コマンドに対応する第2特図ゲームが保留表示予告のターゲットになったときにオン状態になる(図29参照)。
図24(B)の例では、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」に対応する始動入賞時コマンドに対応する第2特図ゲームがターゲットになっており、このターゲットの保留表示図柄の表示態様が変更されて保留表示予告が実行されていることが示されている。
この実施の形態では、主基板11側で、ステップS110(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数−1)、ステップS101(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数+1、及び、始動入賞時コマンド送信)、ステップS111(変動開始時コマンド送信)の順で処理が行われる可能性があり、このような場合には、演出制御基板12側では、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドが5つになってしまう可能性がある。このため、この実施の形態では、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに、保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域を設けているが、主基板11側と演出制御基板12側とでタイマ割り込みの間隔を変更するなどするとともに、保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域や保留表示番号「1」〜「6」以上に対応する格納領域を設けてもよい。
ステップS652のあと、又は、始動入賞時コマンドを受信していないときには(ステップS651;No)、電源復旧指定コマンドの受信があったかを判定し(ステップS653)、受信有りの場合(ステップS653;Yes)、電源復旧画面の表示開始設定を行い(ステップS654)、電源復旧フラグをオン状態とする(ステップS655)。電源復旧画面は、電源復旧(電力供給の再開)があったこと(電断時の状態から遊技制御が再開されること)を報知する画面で、例えば、周りが暗く、「電源復旧」の文字を表示した画面である(図40などを参照)。ステップS654では、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、画像表示装置5に電源復旧画面を表示させることを開始させる。電源復旧フラグは、電源復旧画面を表示しているときにオン状態となるフラグであって、RAM122の所定領域に設けられる。ステップS655のあとは、RAM122の所定領域に設けられた先読み制限カウンタのカウント値である先読み制限カウント値に初期値を設定する(ステップS656)。この実施の形態では、電断復旧時に特図ゲームが4回(第2保留記憶数の上限値)実行されるまで、保留表示予告の実行が制限される。先読み制限カウント値は、この制限が終わるまでの特図ゲームの実行回数をカウントするための値である。なお、保留表示予告の実行の制限は行われなくてもよい。
電源復旧指定コマンドの受信が無い場合(ステップS653;No)、又は、ステップS656のあと、電源復旧指定コマンドとともに第1及び第2特図保留記憶数指定コマンドを受信しているかを判定する(ステップS657)。ステップS657の判定は、例えば、同じ割り込み内で3つのコマンドを受信したか又は過去所定期間内(過去所定回数内の割り込み時)に電源復旧指定コマンドをすでに受信しているかなどの判定によって行うことができる。同じ割り込み内で3つのコマンドを受信している又は過去所定期間内に電源復旧指定コマンドをすでに受信している場合、電源復旧指定コマンドとともに第1及び第2特図保留記憶数指定コマンドを受信しているといえる(ステップS657;Yes)。この場合のコマンド受信は、電源復旧時の受信なので、この時点では保留表示図柄は表示されていない。そこで、電源復旧指定コマンドとともに第1及び第2特図保留記憶数指定コマンドを受信している場合(ステップS657;Yes)、保留表示図柄の表示再開を行う処理を行う。具体的には、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、第1特図保留記憶数指定コマンドによって特定される第1特図保留記憶数分の個数の保留表示図柄を第1保留表示領域5Haに表示し、第2特図保留記憶数指定コマンドによって特定される第2特図保留記憶数分の個数の保留表示図柄を第2保留表示領域5Hbに表示する。また、このとき、第1始動入賞時コマンドバッファに第1特図保留記憶数分の始動入賞時コマンドのデータを格納し(当然保留表示番号の小さい順に格納していく。)、第2始動入賞時コマンドバッファに第2特図保留記憶数分の始動入賞時コマンド(図柄判定結果指定コマンドは、ハズレを指定するものであればよい。)のデータを格納していく(当然保留表示番号の小さい順に格納していく。)。これによって、電断時の状態が略再現される。
電源復旧指定コマンドとともに第1及び第2特図保留記憶数指定コマンドを受信していない場合(ステップS657;No)、又は、ステップS658のあと、演出制御用CPU120は、残回数指定コマンドを受信したかを判定し(ステップS659)、受信している場合(ステップS659;Yes)、残回数指定コマンドが指定する残回数が「0回」であるかを判定する(ステップS660)。
残回数が「0回」でない場合は(ステップS660;No)、当該残回数指定コマンドが電源復旧時に送信されたものであるか(ステップS17参照)、通常の処理(電源復旧時以外の通常行われる処理)(ステップS268〜S270参照)によって送信されたものであるか分からない。一方、残回数が「0回」の場合(ステップS660;Yes)、当該残回数コマンドは電源復旧時に送信されたものと分かる。電源復旧時でない図15のステップS268〜S270では、残回数が「0」の場合、残回数指定コマンドは送信されず、また、復旧時には、残回数カウント値が「0」(残回数が「0回」)であるか否かに係わらず、残回数指定コマンドが送信されるからである。
残回数が「0回」でない場合(ステップS660;No)、RAM122の所定領域に設けられた連チャン範囲内フラグがオンされているかを判定する(ステップS661)。連チャン範囲内フラグは、連チャン範囲内で特図ゲームや飾り図柄の可変表示を実行するときにオンとなっているフラグである。連チャン範囲内フラグがオンとなっている場合(ステップS661;Yes)、今回受信した残回数指定コマンドは、電源復旧時に送信されたものでないと分かる。一方で、連チャン範囲内フラグがオフとなっている場合(ステップS661;No)、今回受信した残回数指定コマンドは、電源復旧時に送信されたものであるか(RAM122はバックアップRAMでないので電断時に連チャン範囲内フラグの状態はオフ状態にリセットされるため)、残回数カウント値に初期値が設定されて最初に送信設定されたものであると分かる。
連チャン範囲内フラグがオフとなっている場合であっても(ステップS661;No)、現在は残回数が「0回」でなく連チャン範囲の期間内なので、連チャン範囲内フラグをオン状態とする(ステップS663)。ステップS663のあとはステップS664Aが行われる。また、連チャン範囲内フラグがオン状態となっている場合(ステップS661;Yes)や残回数が「0回」の場合(ステップS660;Yes)、連チャン範囲内フラグをオンする必要がないので(すでにオンになっているか、連チャン範囲の期間外であるため)、ステップS6634Aの処理を行う。また、残回数指定コマンドの受信がないときも(ステップS659;No)、ステップS664Aの処理を行う。
ステップS664Aでは、図柄確定指定コマンドの受信があったかを判定し、受信有りの場合(ステップS664A;Yes)、当該図柄確定指定コマンドを電源復旧指定コマンドとともに受信したかを判定する(ステップS664B)。ステップS664Bの判定は、例えば、同じ割り込み内で両方のコマンドを受信したか又は過去所定期間内(過去所定回数内の割り込み時)に電源復旧指定コマンドをすでに受信しているかなどの判定によって行うことができる。
同じ割り込み内で両方のコマンドを受信していない又は過去所定期間内に電源復旧指定コマンドを受信していないなどして、当該図柄確定指定コマンドを電源復旧指定コマンドとともに受信していないと判定する場合(ステップS664B;No)、当該図柄確定指定コマンドは、電源復旧時ではなく、特図ゲーム終了時に正常に送信されたものなので(ステップS304参照)、先読み制限カウント値が「0」であるかを判定し(ステップS665)、「0」でない場合には、先読み制限カウント値を1減じる(ステップS666)。これによって、特図ゲームの終了に伴って、保留表示予告が制限される特図ゲームの回数が1回減らされる。
図柄確定指定コマンドの受信がない場合(ステップS664A;No)、同じ割り込み内で両方のコマンドを受信している又は過去所定期間内に電源復旧指定コマンドをすでに受信しているなどして図柄確定指定コマンドを電源復旧指定コマンドとともに受信している場合(ステップS664B;Yes)、先読み制限カウント値が「0」の場合(保留表示予告の制限がない場合)(ステップS665;No)、ステップS666のあと、演出制御用CPU120は、復旧状態指定コマンドを受信したかを判定し(ステップS667)、受信有りの場合(ステップS667;Yes)、復旧状態指定コマンドの内容に応じた画面復旧条件(電源復旧画面から通常の演出画面に復帰されるときの条件)を設定する(ステップS668)。
演出制御用CPU120は、ステップS668において、例えば、図25に示すような画面復旧条件を設定する。なお設定された画面復旧条件が満たされたかは、ステップS671にて判定される。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)が第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行中であれば、背景指定コマンドと、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドとの全ての受信を当該条件(以下、第1復旧条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第1画面復旧条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS669などにおいて、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドの受信の有無を判定するとともに、受信していると判定したときに当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS671において、第1画面復旧条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグが全てオフ状態となっているかを判定し、全てオフ状態となっている場合に、第1復旧条件が成立したと判定する(ステップS671;Yes)。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)が大当り遊技状態中であれば、大入賞口開放指定コマンドと、大入賞口閉鎖指定コマンドと、当り終了指定コマンドと、変動開始時コマンド(第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、又は、変動パターン指定コマンドなど、変動開始時コマンドのうちのいずれかのコマンドのみとしてもよい。)と、デモ表示開始指定コマンドとのいずれかの受信を当該条件(以下、第2復旧条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第2画面復旧条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS669などにおいて、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドの受信の有無を判定するとともに、受信していると判定したときに当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS671において、第2画面復旧条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグのいずれかがオフ状態となっているかを判定し、いずれかがオフ状態となっている場合に、第2復旧条件が成立したと判定する(ステップS671;Yes)。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)がその他の状態(上記状態とは異なる状態)であれば、変動開始時コマンド(第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、又は、変動パターン指定コマンドなど、変動開始時コマンドのうちのいずれかのコマンドのみとしてもよい。)と、デモ表示開始指定コマンドとのいずれかの受信を当該条件(以下、第3復旧条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第3画面復旧条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS669などにおいて、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドの受信の有無を判定するとともに、受信していると判定したときに当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS671において、第3画面復旧条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグのいずれかがオフ状態となっているかを判定し、いずれかがオフ状態となっている場合に、第3復旧条件が成立したと判定する(ステップS671;Yes)。
復旧状態指定コマンドの受信が無い場合(ステップS667;No)、又は、ステップS668のあと、その他の解析処理(ステップS669)を行い、電源復旧フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS670)、オンの場合(ステップS670;Yes)、ステップS668で設定した画面復旧条件が成立したか否かを判定し(ステップS671)、成立している場合(ステップS671;Yes)、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、画像表示装置5における電源復旧画面の表示を終了させる(ステップS672)。ステップS671についての説明は、上述した通りである。
ステップS672のあと、画面復旧条件の成立させる受信コマンドに応じて演出制御プロセスフラグの値などの設定を行う(ステップS673)。ステップS673では、例えば、図26に示すような設定を行う。
背景指定コマンド、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンドの全てを受信して画面復旧条件(第1復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「0」に設定する(「3」に設定してもよい。)。大入賞口開放指定コマンド又は大入賞口閉鎖指定コマンドを受信して画面復旧条件(第2復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「4」に設定するとともに、受信コマンドに応じて大当り遊技状態の演出(開放時と閉鎖時とで演出が変化する)を途中(大入賞口開放時又は閉鎖時)から再開する演出制御パターンを設定する(ラウンド数を報知する場合には、受信コマンドが示すラウンド数の報知から演出を再開する演出制御パターンを設定してもよい。)。当り終了指定コマンドを受信して画面復旧条件(第2復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「5」に設定する。変動開始時コマンドを受信して画面復旧条件(第2復旧条件又は第3復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「1」に設定する(なお、変動開始時コマンドについては、変動開始時コマンドの各コマンドにそれぞれ対応して受信確認フラグを設け、各受信確認フラグが全てオフ状態となったときに変動開始時コマンドの受信による画面復旧条件が成立したと扱うようにしてもよい。)。デモ表示開始指定コマンドを受信して画面復旧条件(第3復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「0」に設定する(このときに、デモ表示を開始する制御を行ってもよい)。このような設定によって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。なお、通常の演出画面への復帰を行えるように、適宜必要な演出制御パターンの設定などが行われてもよい。また、例えば、第1復旧条件を満たす場合、最後に受信するのは、通常第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンドのいずれかであるので、ステップS562から処理を実行するようにしてもよい(これによって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える)。なお、最終停止図柄は、例えば、電断用に予め定められた図柄(例えば、星印など電源復旧後専用の図柄などであってもよい。)であってもよいし、電源復旧時コマンドとして送信された表示結果指定コマンドが指定する表示結果指定コマンドに応じて予め定められた図柄としてもよい。このように、画面復旧条件の成立させるコマンドを受信したときには、演出制御プロセス処理のステップS170〜ステップS175内の処理において当該コマンドを受信したことで実行される処理から処理を実行するようにしてもよい。また、このような場合、本来必要なデータが電断などによってRAM122に格納されていないときには、予めROM121に用意したデータなどで代用するようにしてもよいし、他のコマンドに基づいてデータを補うようにしてもよい。ステップS673では、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行えるような適宜の処理が行われればよい。特に、受信コマンドに応じて、通常時において実行される処理から処理実行を再開することで、処理負担が大きくならずに電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。
ステップS673のあとは、電源復旧フラグをオフ状態とする(ステップS674)。
電源復旧フラグがオフ状態であったり(ステップS670;No)、画面復旧条件が成立していなかったり(ステップS671;No)、ステップS674のあと、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
図27は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。処理内容中のステップ番号は、上述で説明した同じステップ番号における処理が行われることを示す。他の処理内容は、例えば、ステップS669で行われる処理である。なお、電源復旧時コマンドとして受信したコマンドも表の処理が行われる。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。受信フラグの状態や格納領域に格納されたコマンドを参照することによって、どのコマンドを受信しているかや受信コマンドの指定内容などを特定することができる(例えば、演出制御プロセス処理で利用される)。
演出制御用CPU120は、背景指定コマンドを受信しているときには、受信した背景指定コマンドが指定する背景(遊技状態)に基づいて、高確フラグ(確変フラグがオンになったとき(確変状態になったとき)にオンするフラグ)と、高ベースフラグ(時短フラグがオンになったとき(時短状態になったとき)にオンするフラグ)と、のオン状態・オフ状態を切り替える。これらフラグは、例えば、RAM122の所定領域に設けられる。演出制御用CPU120は、前記フラグの状態(つまり遊技状態)に応じた背景の演出画面を表示する表示制御を行う。なお、背景は、各遊技状態それぞれで異なるものとしてもよいし、低確高ベースと低確低ベースとで共通など複数の遊技状態で共通であってもよい。
初期化指定コマンドの受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、画像表示装置50において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
デモ表示開始指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、デモ表示を開始する制御を行うが、背景指定コマンドが指定する背景(遊技状態に応じた背景)でのデモ表示を行うようにしてもよい。また、デモ表示は、背景指定コマンド(遊技状態)によらず、共通のデモ表示としてもよい。このような設定によって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。
図28は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、保留表示設定処理を実行する(ステップS161)。
図29は、保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す保留表示設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファをチェックし(ステップS501)、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が保留表示番号「1」〜「4」のいずれかに対応する格納領域に格納されているかを判定する(ステップS502)。新たな受信コマンドが格納されていない場合には(ステップS502;No)、保留表示設定処理を終了する。
新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が保留表示番号「1」〜「4」のいずれかに対応する格納領域に格納されている場合には(ステップS502;Yes)、現在が連チャン範囲内保留表示を表示中であるかを判定する。例えば、連チャン範囲内保留表示を表示しているとき(つまり、連チャン範囲において飾り図柄の可変表示が実行されているときでもある。)にオン状態となるフラグなどをRAM122に設け、当該フラグがオン状態であれば、現在が連チャン範囲内保留表示を表示中であると判定してもよいし、後述のように、連チャン範囲内保留表示は演出制御パターンによって表示されるので、現在連チャン範囲内保留表示を表示する演出制御パターンに基づいて演出を実行しているときに、現在が連チャン範囲内保留表示を表示中であると判定してもよい。
連チャン範囲内保留表示が表示中である場合(ステップS502;Yes)、連チャン範囲内保留表示を更新する制御を行う(ステップS513)。例えば、現在使用中の演出制御パターンを書き換える又は表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドが第1始動入賞時コマンドバッファに格納されているときには、第1特図保留記憶数を表す数字を1増やす制御を行い、新たな受信コマンドが第2始動入賞時コマンドバッファに格納されているときには、第2特図保留記憶数を表す数字を1増やす制御を行う。なお、連チャン範囲内保留表示の表示中は保留表示図柄が表示されないので、ここでは、保留表示図柄の表示態様を変更する保留表示予告は実行されないようになっている。ステップS513のあと、本処理は終了する。
連チャン範囲内保留表示が表示中である場合(ステップS502;Yes)、保留表示予告実行中フラグ(RAM122の所定領域に設けられ、保留表示予告が実行されているときにオン状態となるフラグ)がオン状態であるかを判定する(ステップS504A)。保留表示予告実行中フラグがオン状態のときには(ステップS504A;Yes)、すでに保留表示予告が実行されているということ(他の保留表示図柄の表示態様が非予告の態様から変更されているということ)なので、保留表示予告を実行しないように、非予告の態様で保留表示図柄を表示するステップS512の処理を実行する。
保留表示予告実行中フラグがオフ状態のときには(ステップS504A;No)、先読み制限カウント値が「0」であるかを判定する(ステップS504B)。「0」でない場合(ステップS504B;No)、保留表示予告は制限されるので、ステップS512の処理を実行する。例えば電断前に保留表示予告が実行されていた可能性があるので、このような制限によって、先読み制限カウント値が「0」になるまで、つまり、電断時に保留記憶される可能性のある最大回数の4回の第2特図ゲームが実行されるまで保留表示予告を制限でき、これによって、実質同時に保留表示予告が2つ実行されること(一方は電断前に実行されていたものである)を防ぐことができる。
「0」である場合には(ステップS504B;Yes)、保留表示予告は制限されないので、次に、新たな受信コマンドについて始動入賞時判定(先読み判定)が無いか判定する(ステップS504C)。新たな受信コマンドが第1始動入賞時コマンドバッファに格納されている場合(受信コマンドに図柄判定結果指定コマンドが含まれない場合)には、そもそも先読み判定がされないので、始動入賞時判定(先読み判定)が無いと判定する(ステップS504C;Yes)。また、新たな受信コマンドが第2始動入賞時コマンドバッファに格納されていても(受信コマンドに図柄判定結果指定コマンドが含まれていても)、図柄判定結果指定コマンドが「判定無し」を指定するものである場合には、先読み判定がされていないので、始動入賞時判定(先読み)が無いと判定する(ステップS504C;Yes)。始動入賞時判定が無いと判定した場合(ステップS504C;Yes)、保留表示予告を実行しないように、ステップS512の処理を実行する。
新たな受信コマンドに図柄判定結果指定コマンドが含まれており、当該図柄判定結果指定コマンドが、「ハズレ」、「確変大当り」、「非確変大当り」のいずれかを指定している場合には、先読み判定があったので、始動入賞時判定有りと判定する(ステップS504C;No)。この場合、保留表示予告を実行できるので、保留表示予告の実行の有無などを決定する(ステップS507)。
ステップS507では、保留表示予告決定テーブルが参照される。新たな受信コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドが、「確変大当り」又は「非確変大当り」を指定しているときには、図30(A)に示す保留表示予告決定テーブルを参照し、新たな受信コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドが、「ハズレ」を指定しているときには、図30(B)に示す保留表示予告決定テーブルを参照する。
各保留表示予告決定テーブルは、ROM121に予め記憶されて用意される。保留表示予告決定テーブルには、決定結果となる「実行無し」(保留表示予告を実行しない決定結果)、「実行有り(赤)」(保留表示図柄の表示態様(ここでは色)を赤にする保留表示予告を実行する決定結果)、「実行有り(金)」(保留表示図柄の表示態様(ここでは色)を金にする保留表示予告を実行する決定結果)に、乱数値SR1と比較される決定値が割り当てられている。ステップS507では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。そして、演出制御用CPU120は、乱数値SR1のデータに基づいて、図柄判定結果指定コマンドに応じた保留表示予告決定テーブルを参照し、乱数値SR1に合致する決定値に割り当てられている決定結果によって保留表示予告の実行の有無及び実行する場合の保留表示予告の態様(赤にするか金にするか)を決定する。
図30(決定値の代わりに決定割合が記載されている。)に示すように、図30(A)のテーブルが参照されるとき(判定結果が「大当り」のとき)にのみ「実行有り(金)」が選択されるので、保留表示図柄を金色にする保留表示予告は、基本的に大当り確定の保留表示予告となる(先読み判定は現在の遊技状態に基づいて大当り判定範囲が設定されるので、ターゲットの消化までの間に非確変の大当りが入ると判定結果が間違ったものになる可能性がある)。また、図30(A)のテーブルを参照したときには、「実行有り(赤)」が選択されやすく、「実行無し」が選択されにくくなっている。また、図30(B)のテーブルを参照したときには、「実行有り(赤)」が選択されにくく、「実行無し」が選択されやすくなっている。このようなことから、保留表示予告を実行しないときはターゲットの大当り期待度が一番低く、保留表示図柄(ターゲットの保留表示図柄)を金色にする保留表示予告が実行されたときはターゲットの大当り期待度が一番高く、保留表示図柄(ターゲットの保留表示図柄)を赤色にする保留表示予告が実行されたときのターゲットの大当り期待度は保留表示予告を実行しないときよりも高くなる。
ステップS507のあと、演出制御用CPU120は、保留表示予告を実行すると決定したかを判定し(ステップS508)、実行しないと判定した場合(ステップS507で「実行無し」が選択された場合)(ステップS508;No)、保留表示予告は実行されないので、ステップS512の処理を実行する。
保留表示予告を実行すると判定した場合(ステップS507で「実行有り(赤)」又は「実行有り(金)」が選択された場合)(ステップS508;Yes)、保留表示予告を実行するため、決定結果に応じた予告保留表示図柄(表示態様を保留表示予告によって変更した保留表示図柄)を今回保留された保留表示図柄として当該新たな受信コマンドの保留表示番号に対応する位置に表示開始する(ステップS509)。決定結果が「実行有り(金)」であれば、金の予告保留表示図柄を表示し、決定結果が「実行有り(赤)」であれば、赤の予告保留表示図柄を表示する。演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドの保留表示番号に対応する表示位置に予告保留表示図柄を表示することを開始する。
ステップS509のあと、保留表示予告実行中フラグをオンし(ステップS510)、当該新たな受信コマンドに対応するターゲットフラグをオン状態とし(ステップS511)、本処理は終了する。
ステップS512では、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドの保留表示番号に対応する表示位置に非予告の保留表示図柄(表示態様が変更されていない通常の保留表示図柄であり、ここでは、白の保留表示図柄)を表示することを開始する。ステップS512のあと、本処理は終了する。
図28に戻り、ステップS161のあと、演出制御用CPU120は、電源復旧フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS162)、オン状態のときには(ステップS162;Yes)、演出制御プロセス処理を終了する。これによって、電源復旧画面の表示中(電源復旧して間もない期間中)は、演出制御を制限できる。電源復旧フラグがオフ状態のときは(ステップS162;No)、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出制御プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出制御プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図31は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送され受信した表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送され受信した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA2−1)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。なお、同一の飾り図柄は、大当り種別によって異ならせてもよい(例えば、確変大当りなら「7」、非確変大当りなら「4」など)。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン等設定処理を実行する(ステップS530)。図32は、演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御パターン設定処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファから始動入賞時コマンドを読み出す(ステップS701)。演出制御用CPU120は、第1図柄変動開始指定コマンドを受信している場合には、第1始動入賞時コマンドバッファのうちの保留表示番号のうち最上位の「1」に対応する始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態を読み出す。演出制御用CPU120は、第2図柄変動開始指定コマンドを受信している場合には、第2始動入賞時コマンドバッファのうちの保留表示番号のうち最上位の「1」に対応する始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態を読み出す。
次に、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを読み出した方の始動入賞時コマンドバッファの記憶内容を1つずつ上位にシフトさせる。具体的には、保留表示番号「2」〜「5」に対応して記憶された始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態をそれぞれ、保留表示番号「1」〜「4」にシフトさせる(ステップS702)。
その後、演出制御用CPU120は、ステップS701で読み出したターゲットフラグの状態がオン状態であるかを判定し(ステップS703)、オン状態である場合には(ステップS703;Yes)、保留表示予告が実行されていることが分かり、かつ、今回実行される特図ゲームや飾り図柄の可変表示が今回の保留表示予告のターゲットであるので(つまり、当該ターゲットが消化されることで保留表示予告が終了するので)、保留表示予告実行中フラグをオフ状態とする(ステップS704)。
ターゲットフラグの状態がオフ状態である場合(ステップS703;No)、ステップS704のあと、演出制御用CPU120は、連チャン範囲内フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS705)。連チャン範囲内フラグがオン状態である場合(ステップS705;Yes)、今回実行される可変表示が連チャン範囲内での実行になり、次に、連チャンフラグがオン状態であるかを判定する(ステップS706)。連チャンフラグは、RAM122の所定領域に設けられ、保留内連チャン(確変大当り発生時に保留されている第2特図ゲームの中に可変表示結果が大当りとなる第2特図ゲームがあり、かつ、直近の大当りが確変大当りであること、つまり、確変大当り発生時に保留されている第2特図ゲームにおいて確変大当りが発生し、大当りとして確変大当りが連続すること)が発生して保留内連チャン演出を実行するときにオンするフラグである(保留内連チャンがあったときに実行されるステップS765Cでオンされる。)。
連チャンフラグがオン状態である場合(ステップS706;Yes)、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターン(ここでは、PA3−1かPB3−1になる)やステップS524やS525で決定した最終停止図柄(確定飾り図柄)などに応じた、保留内連チャン演出(図38(E1))を実行する演出制御パターン(例えば、最終的に前記で決定した最終停止図柄が導出されるような可変表示などを実行する演出制御パターン)を使用パターンに設定する(ステップS708)。なお、当該演出制御パターンは、第1及び第2特図保留記憶数をそれぞれ数字で表す連チャン範囲内保留表示(図38(E1))を表示させるパターンでもある(各特図保留記憶数は、各特図保留記憶数指定コマンドによって特定すればよい)。なお、特図保留記憶数が増加したときには、ステップS513で表示が更新されればよい。
連チャンフラグがオフ状態である場合(ステップS706;No)、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターン(ここでは、PA3−1かPB3−1になる)やステップS524やS525で決定した最終停止図柄(確定飾り図柄)などに応じた、連チャン範囲内における演出(例えば、すぐに終了する可変表示中演出など)(図38(E−2))を実行する演出制御パターン(例えば、最終的に前記で決定した最終停止図柄が導出されるような可変表示などを実行する演出制御パターン)を使用パターンに設定する(ステップS707)。なお、当該演出制御パターンは、第1及び第2特図保留記憶数をそれぞれ数字で表す連チャン範囲内保留表示(図38(E2−1))を表示させるパターンでもある(各特図保留記憶数は、各特図保留記憶数指定コマンドによって特定すればよい)。なお、特図保留記憶数が増加したときには、ステップS513で表示が更新されればよい。
ステップS707又はS708のあと、演出制御用CPU120は、受信があった残回数指定コマンドが指定する残回数が「1」であるかを判定し(ステップS709)、「1」でなければ(ステップS709;No)、本処理を終了し、「1」であれば、今回実行される可変表示の終了で連チャン範囲も終了するので、連チャン範囲内フラグをオフ状態にして(ステップS710)、本処理を終了する。
連チャン範囲内フラグがオフ状態である場合(ステップS705;No)、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターン(ここでは、PA3−1かPB3−1以外の変動パターンになる)やステップS524やS525で決定した最終停止図柄(確定飾り図柄)などに応じた演出(可変表示中演出など)を実行する演出制御パターン(例えば、最終的に前記で決定した最終停止図柄が導出されるような可変表示やリーチ演出などを実行する演出制御パターン)を使用パターンに設定する(ステップS715)。その後、本処理は終了する。
なお、演出制御パターンの設定に必要なデータはROM121などに予め用意されている(他のタイミングで設定される演出制御パターンについても同じ。)。また、上記で使用される演出制御パターンは、高確フラグや高ベースフラグによって特定される遊技状態に応じた背景(つまり、背景指定コマンドで指定される背景)の演出画面を表示するパターンとなっている。
図31に戻り、ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい(このとき、実行される特図ゲームや可変表示に対応する保留表示図柄を消去して、他の保留表示図柄をシフトさせるなどの処理を行うようにしてもよい。連チャン範囲内保留表示の場合には、表示する特図保留記憶数が今回の可変表示の実行分の1回がすでに減らされたものとなっている)。その後、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS536)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図33は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、設定されている演出制御パターンに従った演出動作制御を行う(ステップS560)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う(演出動作制御の内容の説明は他の部分でも同様である)。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、リーチ演出、飾り図柄の可変表示動作などの実行が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。この制御内容は演出制御パターンにて規定されていてもよい。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。図34は、特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS751)。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には(ステップS751;Yes)、受信している表示結果指定コマンドが指定する表示結果が「確変大当り」であるかを判定する(ステップS762)。「確変大当り」のときには(ステップS762;Yes)、保留内連チャンが発生する可能性があるので、第2始動入賞時コマンドバッファに格納された図柄判定結果指定コマンドをチェックし(ステップS763)、保留内連チャンがあるか否かを判定する(ステップS764)。例えば、第2始動入賞時コマンドバッファに格納された図柄判定結果指定コマンドに大当りを指定する図柄判定結果指定コマンドが1つ以上あり、かつ、そのうち最も小さい保留表示番号に対応して格納されている大当りを指定する図柄判定結果指定コマンドが「確変大当り」を指定している場合に保留内連チャンがあると判定し、それ以外の場合には保留内連チャンはないと判定する。このような場合、確変大当り発生時に保留されている第2特図ゲームで大当りとして確変大当りが連続して発生することになる(間にハズレが挟まれることはあるが、非確変大当りが挟まれることはない。)。
保留内連チャン有りの場合(ステップS764;Yes)、連チャンフラグがオンされているかを判定し(ステップS765A)、連チャンフラグがオフのときには(ステップS765A;No)、保留内連チャン演出が未だ実行されていないので、これから保留内連チャン演出が実行される特別な大当り遊技状態が到来すること(大当り遊技状態が長くみえる特別な大当り遊技状態が到来すること)を報知するファンファーレ(図38(B1))を含む大当り中演出(エンディングの前まで)を実行するための初回連チャン用の大当り中の演出制御パターンを使用パターンに設定する(ステップS765B)。その後、連チャンフラグをオンにする(ステップS765C)。
連チャンフラグがオンのときには(ステップS765A;No)、保留内連チャン演出がすでに実行されているので、保留内連チャン演出に続く大当り中演出(図38(G1))を実行するための2回目以降連チャン用の大当り中の演出制御パターンを使用パターンに設定する(ステップS765D)。この場合、連チャンフラグをオンにしたままである。
保留内連チャンがないと判定した場合(ステップS764;No)、連チャンフラグがオンされているかを判定し(ステップS765F)、連チャンフラグがオンのときには(ステップS765F;Yes)、保留内連チャン演出が実行されているが連チャンがもうないので、連チャン終了を報知するような演出を実行するための連チャン終了用の大当り中の演出制御パターンを使用パターンに設定する(ステップS765G)。その後、連チャンフラグをオフにする(ステップS765H)。
確変大当りでない場合(ステップS762;No)、連チャンフラグがオフの場合(ステップS765F;No)、連チャン用ではない通常用の大当り中の演出制御パターンを使用パターンに設定する(ステップS766)。
ステップS765C、S765D、S765H、S766のあと、保留記憶表示が表示されないように制限設定を行い(ステップS767)、演出制御プロセスフラグを4に更新して(ステップS768)、本処理を終了する。ステップS767では、保留表示図柄を表示しているレイヤーを大当り遊技状態中の演出画像を表示するレイヤーよりも背面に位置されて、保留記憶表示を遊技者に見えなくする(保留表示図柄が大当り遊技状態中の演出画像を表示するレイヤーの画像に隠れるようになる)。このような場合、保留記憶表示についての処理は内部的に実行できる。また、ステップS768を実行するときなどは、使用パターンとして設定した演出制御パターンの実行時間(各演出制御パターンについて共通とするとよい。)に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には(ステップS751;No)、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する(ステップS752)。ステップS752では、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので(ステップS752;No)、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので(ステップS752;Yes)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の当り中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。
なお、当り中処理では、例えば図35の処理を実行する。演出制御用CPU120は、大入賞口開放指定コマンドの受信があったかを判定し(ステップS771)、受信有りの場合(ステップS771;Yes)、コマンド内容に応じた演出動作制御を行う(ステップS772)。例えば、大入賞口の開放やラウンド数(コマンドによって指定されるラウンド数)などを報知する演出を実行開始するための演出動作制御を行う。受信無しの場合(ステップS771;No)、ステップS772のあと、大入賞口閉鎖指定コマンドの受信があったかを判定し(ステップS773)、受信有りの場合(ステップS773;Yes)、コマンド内容に応じた演出動作制御を行う(ステップS774)。例えば、大入賞口の閉鎖やラウンド数(コマンドによって指定されるラウンド数)などを報知する演出を実行開始するための演出動作制御を行う。
当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。なお、図示はしていないが、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。エンディングの演出制御パターンは、大当り中の演出制御パターンの種類に応じて設定されればよい。例えば、初回連チャン用の演出制御パターン(ステップS765B)や2回目以降連チャン用の演出制御パターン(ステップS765D)が使用されている場合には、大当り遊技状態が続行することを報知するような演出(図38(D1))を実行するエンディングの演出制御パターンを設定する。また、連チャン終了用の演出制御パターン(ステップS765G)が使用されている場合には、大当り遊技状態が終了することを報知するような演出を実行するエンディングの演出制御パターンを設定する。また、通常用の演出制御パターン(ステップS766)が使用されている場合には、大当り遊技状態が終了することを報知するような通常の演出(図38(D2))を実行するエンディングの演出制御パターンを設定する。連チャンフラグのオンオフに応じた演出制御パターンを設定するようにして、連チャンの有無に応じたエンディングを実行するようにしてもよい。
ステップS175のエンディング処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、図示しないが、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、図36の処理を実行する。具体的には、保留表示制限解除設定を行う(ステップS783)。具体的には、保留表示図柄を表示するレイヤー(保留表示図柄以外は透明のレイヤー)を前面に移動させ、保留表示図柄を視認可能とする。
次に、図37を参照して、第4図柄制御処理を説明する。第4図柄制御処理において、演出制御用CPU120は、変動開始時コマンドの受信があるかを判定し(ステップS901)、受信有りの場合に(ステップS901;Yes)、変動開始する特図に対応する第4図柄の表示開始の制御を行う(ステップS902)。変動開始時コマンドに第1変動開始指定コマンドが含まれている場合には、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5F(図39など)に第4図柄を表示させる(領域5Fの円が塗り潰される)。変動開始時コマンドに第2変動開始指定コマンドが含まれている場合には、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5G(図39など)に第4図柄を表示させる(領域5Gの円が塗り潰される)。
変動開始時コマンドの受信が無い場合(ステップS901;No)、ステップS902のあと、第1図柄確定指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS903)、受信有りの場合(ステップS903;Yes)、第1特図ゲームに対応する第4図柄の表示終了制御を行う(ステップS904)。受信無しの場合(ステップS903;No)、ステップS908に進む。ステップS904では、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5F(図39など)における第4図柄の表示を終了させる(領域5Fの円の塗り潰しを解除する)。その後、復旧状態指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS905)、受信有りの場合(ステップS905;Yes)、当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第2特図ゲーム実行中又は第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であるかを判定し(ステップS906)、第2特図ゲーム実行中又は第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(ステップS906;Yes)、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がないので、ステップS908に進む(この場合、表示結果は表示されない)。復旧状態指定コマンドの受信が無い場合(ステップS905;No)、通常の第1特図ゲームの終了であり、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。また、当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第2特図ゲーム実行中と第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中とのいずれでもない場合(ステップS906;No)も第2特図ゲームが実行されてなく、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。これらの場合、表示結果指定コマンド(電源復旧時は、電源復旧時コマンドとして送信されたコマンドであり、それ以外は変動開始時コマンドとして送信されたコマンドである)が示す可変表示結果に応じた表示結果を表示する制御を行う(例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、可変表示結果に応じた色で領域5Fの円を塗り潰す)(ステップS907)。ステップS907のあとは、ステップS908に進む。
ステップS908では、第2図柄確定指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS908)、受信有りの場合(ステップS908;Yes)、第2特図ゲームに対応する第4図柄の表示終了制御を行う(ステップS909)。受信無しの場合(ステップS908;No)、ステップS913に進む。ステップS909では、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5G(図61など)における第4図柄の表示を終了させる(領域5Gの円の塗り潰しを解除する)。その後、復旧状態指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS910)、受信有りの場合(ステップS910;Yes)、当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第1特図ゲーム実行中又は第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であるかを判定し(ステップS911)、第1特図ゲーム実行中又は第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(ステップS911;Yes)、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がないので、ステップS913に進む(この場合表示結果は表示されない。)。復旧状態指定コマンドの受信が無い場合(ステップS913;No)、通常の第2特図ゲームの終了であり、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第1特図ゲーム実行中と第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中とのいずれでもない場合(ステップS911;No)も第2特図ゲームが実行されてなく、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。これらの場合、表示結果指定コマンド(電源復旧時は、電源復旧時コマンドとして送信されたコマンドであり、それ以外は変動開始時コマンドとして送信されたコマンドである)が示す可変表示結果に応じた表示結果を表示する制御を行う(例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、可変表示結果に応じた色で領域5Gの円を塗り潰す)(ステップ912)。ステップS912のあとは、ステップS913に進む。
なお、ステップS907又はステップS912で表示された表示結果は所定時間(又は次の特図ゲームが実行されるまで)、表示するようにすればよい。
ステップS913では、電源復旧指定コマンドの受信があったかを判定し、電源復旧指定コマンドの受信があった場合には(ステップS913;Yes)、2つの第4図柄の表示を開始する制御を行う(ステップS914)。例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、可変表示結果に応じた色で領域5F及び5Gの円を塗り潰して、第4図柄を表示させる。
なお、上記処理によって、第1特図ゲームの実行に対応して、領域5Fに第4図柄が表示され、第1特図ゲームの終了時(可変表示結果導出時)に第4図柄の表示の表示結果(可変表示結果に対応した表示結果)が表示(導出)される。第2特図ゲームの実行に対応して、領域5Gに第4図柄が表示され、第2特図ゲームの終了時(可変表示結果導出時)に第4図柄の表示の表示結果(可変表示結果に対応した表示結果)が表示(導出)される。第4図柄の表示の終了は、図柄確定指定コマンドの受信を契機としている。また、特図ゲームが実行されていないときなどには、直近の特図ゲームの可変表示結果に対応する表示結果が、第4図柄の表示の表示結果として表示されることがある。また、電源復旧後には、一旦2つの第4図柄が両方表示される。そして、その後、復旧時に実行されていない特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンドが送信されてくることによって、対応する第4図柄の表示が終了する。電源復旧時、第1特図ゲームが実行されていないときには、第1図柄確定指定コマンドが送信され、領域5Fの第1特図ゲームに対応する第4図柄の表示が終了する。電源復旧時、第2特図ゲームが実行されていないときには、第2図柄確定指定コマンドが送信され、領域5Gの第2特図ゲームに対応する第4図柄の表示が終了する。電源復旧時、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームが実行されていないときには、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドが送信され、領域5F及び5Gの各第4図柄の表示が終了する。なお、第1特図ゲームも第2特図ゲームも実行されていないときには、直近の特図ゲームの可変表示の表示結果に対応する表示結果が第4図柄の表示終了時に表示される。例えば、大当り遊技状態中では、領域5F及び5Gのいずれか(大当り遊技状態の契機となる大当りが第1特図ゲームであれば領域5F、第2特図ゲームであれば領域5G)で、大当りに対応する表示結果が表示される。デモ中では、領域5F及び5Gのいずれかにおいても、直近の特図ゲームの可変表示結果に対応する表示結果が表示される(本実施の形態では、直近の特図ゲームが第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかわからないため)。
次に、上記一連の処理によって表示される演出画像を説明する。
図38(A)のように、飾り図柄の可変表示中(矢印は、可変表示されている飾り図柄を示す。)において、第1保留表示領域5Haには、第1特図ゲームについて保留されている可変表示などに対応する保留表示図柄Hが表示され、第2保留表示領域5Hbには、第2特図ゲームについて保留されている可変表示などに対応する保留表示図柄Hが表示される。第4図柄の表示も領域5F又は5Gで行われる。可変表示結果が確変大当りとなり、かつ、保留内連チャンがある場合には、ファンファーレで特別な大当り遊技状態が開始されることを報知するような演出(「スペシャル大当り!!」の表示)が実行される(図38(B1))。なお、この実施の形態では、保留内連チャンの判定に必要な先読み判定が高確高ベース状態のときに行われるので、高確高ベース状態のときの第2特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったときに図38(B1)の演出が実行され得る。その後、ラウンドを報知する大当り中の演出(「大当り中」「残り14R!」などの表示)が実行される(図38(C1))。なお、大当り中には、獲得賞球(図38ではポイント(Pt)を単位としている)が表示されてもよい。この場合、主基板11は、賞球個数を演出制御基板12に演出制御コマンドなどによって通知し、演出制御基板12側では、通知された賞球個数を累積してポイントして表示するようにすればよい。図38(C1)のあと、エンディングでは、大当り遊技状態が継続するかのような報知(上乗せだ!!)を行う(図38(D1))。その後、エンディングと同様の演出を行う保留内連チャン演出が連チャン範囲内の可変表示において実行される(図38(E1))。このときには、飾り図柄の可変表示が右下で目立たないように実行され、連チャン範囲内保留表示として、第1特図保留記憶数を数字で表す表示H1と第2特図保留記憶数を数字で表す表示H2とが左下に表示される。また、第4図柄なども表示される。保留内連チャン演出は非常に短時間で終わり、かつ、確変大当利遊技状態のエンディングと同様の演出となるため、その前の確変大当り遊技状態から次の確変大当り遊技状態(又は連チャンが終了するまでの確変大当り遊技状態)まで、1つの大当り遊技状態に見せることができる。なお、連チャン範囲内保留表示では、特図保留記憶数が0であれば何も表示されない(図38(F1))。その後、連チャンの確変大当りが発生すると(図38(F1))、連チャンにおける2回目以降用のファンファーレ(大当り中の画面の表示)を行う大当り中の演出が実行され(図38(G1))、その後、連チャンが継続なら図38(C1)以降の画面に遷移し、連チャン終了なら図38(C2)以降の画面に遷移する。保留内連チャンがないときなどは、図38(B2)〜(D2)のように通常の大当り中の演出が実行され、確変大当りの場合には、連チャン範囲内での可変表示が実行される(図38(E2−1))。このとき、連チャン範囲内保留表示で特図保留記憶数が表示される。非確変大当りの場合には、連チャン範囲は設定されず、通常の可変表示が実行される(図38(E2−2))
図39のように、第4図柄は、第2特図用の第4図柄(第2特図ゲームに対応した第4図柄)は、画像表示装置5の左上の領域5Gに表示される。領域5Gは、第4図柄の非表示時には、中が塗り潰されていない円で表され、第4図柄の表示時に、その円の中が塗り潰されることで、領域5Gに第4図柄が表示される(当該塗り潰された円の図形が第4図柄である)(図39(A))。第2特図ゲームの終了時(飾り図柄の可変表示終了時)には、第4図柄の表示も終了し、表示結果が表示(導出)される(この実施の形態では、第2図柄確定指定コマンドの受信を契機として表示結果(表示結果指定コマンドで指定される。)が表示される)。表示結果は、飾り図柄の可変表示結果(第2特図ゲームの表示結果)に対応している。例えば、可変表示結果がハズレ(図39では「787」)の場合には、領域5Gの円が黒で塗り潰された表示結果が表示され(図39(C))、可変表示結果が大当り(図39では「777」)の場合には、領域5Gの円が赤で塗り潰された表示結果が表示される(図39(B))。第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示が実行されているときには、第1特図用の第4図柄が表示される(領域5Fが塗り潰される。)。第1特図用の第4図柄及び表示結果は、第2特図用の第4図柄及び表示結果と同様のものであり、領域5Fに表示される。
また、図40のように、電源復旧したときには、電源復旧がなされたことを示す電源復旧画面が表示されるとともに、一旦2つの第4図柄が両方表示される(電源復旧指定コマンドに基づいて表示される)(図40(A))。なお、この実施の形態では、電源復旧画面において保留表示図柄の表示も復旧される。そして、電源復旧後の状態が特図ゲームの実行中であれば(ここでは、第1特図ゲームが実行中)、その後、復旧時に実行されていない(電断時に実行されていなかった)特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンド(ここでは、第2図柄確定指定コマンド)が送信されてくることによって、対応する第4図柄(ここでは、領域5Gに表示した第4図柄)の表示が終了する(なお、表示の終了は、第4図柄の表示からすぐに行われることになり、遊技者が認識できないこともある。)(図40(B))。復旧時に実行されている(電断時に実行されていた)特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンドは送信されないので、実行されている特図ゲームに対応する第4図柄の表示(ここでは、領域5Fの第1特図用の第4図柄の表示)は継続される(図40(B))。このような第4図柄の表示によって、遊技者は、どちらの特図ゲームが実行されているかを容易に認識できる。その後、実行されている特図ゲーム(ここでは、第1特図ゲーム)の終了時(図柄確定指定コマンドの送信時)に、第4図柄の表示(ここでは、領域5F)も終了して表示結果を表示(導出)する(表示結果は特図ゲーム(ここでは、第1特図ゲーム)の表示結果(表示結果指定コマンドで指定される。)に対応したものとなる。)(図40(C))。電源復旧後の状態が第2特図ゲームの実行中である場合には、第2特図用の第4図柄及び表示結果は、第1特図用の第4図柄及び表示結果と同様のものであり、領域5Gに表示される(この場合、領域5Gの第2特図用の第4図柄の表示はすぐに終了する)。
また、図41のように、電源復旧後の状態が大当り遊技状態(ここでは、第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態)中の場合には、一旦、領域5F及び5Gにおいて第4図柄が表示されるが(図41(A))、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームが実行されていないので、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドが送信されてくることによって、各第4図柄の表示が終了する(なお、表示の終了は、第4図柄の表示からすぐに行われることになり、遊技者が認識できないこともある。)(図41(B))。そして、当該大当り遊技状態は、第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態なので、領域5Gに表示結果(大当りの表示結果)が、直近(最も最近)に実行された特図ゲームの表示結果に対応する表示結果として表示される。
また、図42のように、電源復旧後の状態がデモ中の場合には、一旦、領域5F及び5Gにおいて第4図柄が表示されるが(図42(A))、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームが実行されていないので、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドが送信されてくることによって、各第4図柄の表示が終了する(なお、表示の終了は、第4図柄の表示からすぐに行われることになり、遊技者が認識できないこともある。)(図42(B))。そして、直近の特図ゲームの表示結果に対応する表示結果が領域5F及び領域5Gに表示される(表示結果は、表示結果指定コマンドによって指定されるが、どちらの特図ゲームの表示結果かを特定できないため、領域5F及び領域5Gそれぞれに表示結果を表示する)。
次に電源復旧画面から通常の演出画面に復帰するタイミングについて説明する。
図43(A)のように、第1特図ゲームの実行中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンド(第1図柄確指定コマンドを含まない)を受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後に、第1特図ゲームの終了があると(第1図柄確定指定コマンドの受信があると)画像表示装置5の演出画面は、電源復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示などが行われる。)。
図43(B)のように、第2特図ゲームの実行中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンド(第2図柄確指定コマンドを含まない)を受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後に、第2特図ゲームの終了があると(第2図柄確定指定コマンドの受信があると)画像表示装置5の演出画面は、電源復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示などが行われる。)。
図43(C)のように、大当り遊技状態(エンディング前の期間)中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後、大当り遊技状態中の次の処理(大入賞口開放、大入賞口閉鎖、エンディング開始のいずれか)が実行されてコマンド(大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれか)が送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(当該処理に対応する演出画面の表示が開始される)。
図43(D)のように、大当り遊技状態(エンディング時)中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後、デモ表示開始指定コマンド又は変動開始時コマンドが送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特図ゲームの実行に対応した演出などが行われる。)。
図43(E)のように、デモ中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。デモ表示開始指定コマンド(電源復旧時コマンドとして送信されるかその後に送信される)又は変動開始時コマンドが送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特図ゲームの実行に対応した演出などが行われる。)。
この実施の形態では、電源復旧時には、一旦、第1特図に対応する第4図柄と第2特図に対応する第4図柄との両者を表示させ、その後に、第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドを送信することで、電断時に可変表示が実行されていなかった方の特図に対応する第4図柄の表示を終了させることができるので、電源供給が再開されたあとに第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうちのどちらが実行されているかを分かりやすくすることができる。さらに、図柄確定指定コマンドという通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給が再開されたあとの遊技機の状態(第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうちのどちらが実行されているか)を分かりやすくすることができる。
さらに、この実施の形態では、電源復旧時コマンドとして送信される表示結果コマンドによって電断があっても第4図柄の表示の表示結果を正確に導出できる。また、電源復旧時コマンドとして送信される表示結果コマンドによって電断があっても直近に実行された特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を第4図柄の表示の表示結果として正確に表示できる。
さらに、この実施の形態では、上記画面復旧条件(図24参照)を満たしたときに画像表示装置5の画面を電源復旧画面から通常の演出画面に復帰させるので、うまく通常の演出画面を表示できない期間に電源復旧画面の表示を終了させることを防止でき、通常の演出画面への復帰タイミングを最適化できる。
さらにこの実施の形態では、電源復旧時以外の通常時では、残回数カウント値が「0」でない「1」〜「4」のとき(残回数が1回〜4回のとき)に残回数指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に送信するが、残回数カウント値が「0」のとき(残回数が0回のとき)には残回数指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に送信しないようになっている(図15(A)のステップS268〜S270)。一方で、電源復旧時には、残回数カウント値(残回数)にかかわらず残回数指定コマンドを送信している(図5のステップS17)。この実施の形態では、残回数カウント値を特図ゲームが実行されるごとに1減算するように更新されるが(ステップS270)、1減算する前に残回数カウント値が0でないかの判定を行う(ステップS268)。このような判定を行うので、残回数カウント値が「0」でないときにのみ、残回数を示す残回数指定コマンドを送信することで、残回数カウント値が「0」のときにまで残回数指定コマンドを送信する処理を省くことができる。一方で、電源復旧時は、残回数カウント値を更新するタイミングではないので、前記通常時のように残回数カウント値が「0」であるかの判定を行う必要がない(当該判定を行うだけ処理が増えてしまう)。このため、電源復旧時ではそのまま残回数指定コマンドを送信するようにしている。本実施形態では、このような処理によって、CPU103(主基板11)の処理負担を軽減できる。
また、この実施の形態では、残回数カウント値が「0」以外のとき(連チャン範囲のとき)に特別の先読み予告として保留内連チャン演出が実行されるので、遊技の興趣が向上している。
また、特に保留内連チャンがあるときに、特別の先読み予告として保留内連チャン演出を実行することで、保留内連チャン演出を特別のものとすることができる。また、非確変大当りの保留がある場合に残回数カウント値が「0」以外であっても保留内連チャン演出の実行が制限されるので、保留内連チャン演出が実行されたにもかかわらず非確変大当りが導出されて遊技者ががっかりすることを防止でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
また、残回数カウント値が「0」であるときと、「0」でないときとで、変動パターンの決定割合が異なるようになっているので、遊技の興趣が向上する。
また、電源復旧時には、電源復旧画面が表示され、演出の実行が制限されるので、演出の正確性を保持でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。また、先読みカウント制限値が「0」になるまで保留表示予告の実行を制限するので、保留表示予告が電断前と電源復旧後とで異なるターゲットについて二重に実行されてしまうことを抑制でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
また、残回数指定コマンドで特定される残回数カウント値(残回数)が「0」であるときと「0」以外のときとで、保留記憶表示の態様が変わるので(残回数が「0」のときは、保留表示図柄が表示され、残回数が「1」〜「4」のときは連チャン範囲フラグがオンとなり連チャン範囲内保留表示が表示される)、遊技の興趣を向上させることができる。
この実施の形態では、上記構成によって、識別情報(例えば、第1特図や第2特図など)の可変表示を実行して表示結果を導出する可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bなど)に特定表示結果(例えば、大当り図柄など)が導出されたときに特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)が構成される。
また、この実施の形態では、上記構成によって、遊技の進行を制御し、当該遊技の進行に応じて情報を送信する遊技制御手段(例えば、主基板11など)と、前記遊技制御手段から送信される情報に基づいて演出を実行する演出実行手段(演出制御基板11など)と、が構成される。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記遊技制御手段は、未だ開始されていない識別情報の可変表示を保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1又は第2特図保留記憶部など)と、前記特定遊技状態に制御されてから所定条件が成立するまでに実行可能な識別情報の可変表示の回数(例えば、残回数など)を特定可能な回数情報(例えば、残回数カウント値など)を記憶し、かつ、前記遊技機への電力供給が停止しても当該回数情報を所定期間記憶可能な回数情報記憶手段(例えば、バックアップRAMとしてのRAM102など)と、前記回数情報が特定値(例えば、「0」など)であるかを判定する判定手段(例えば、ステップS268の処理を実行するCPU103など)と、前記回数情報を特定可能な特定情報(例えば、残回数指定コマンドなど)を送信する特定情報送信手段(例えば、残回数指定コマンドを送信する処理を行うCPU103など)と、を備えることになる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出実行手段は、前記保留記憶に基づく先読み演出(例えば、先読み予告など)を実行可能であることになる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記特定情報送信手段は、識別情報の可変表示が実行されるときに、前記判定手段によって前記回数情報が前記特定値でないと判定された場合には前記特定情報を送信するが、前記判定手段によって前記回数情報が前記特定値であると判定された場合には前記特定情報を送信せず(例えば、ステップS268〜S270など)、前記遊技機への電源供給が再開されたときに、前記判定手段による判定を行うことなく前記特定情報を送信する(例えば、ステップS17など)、ことになる。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出実行手段は、前記特定情報によって特定される前記回数情報が前記特定値でないときに前記先読み演出として特別な先読み演出(例えば、残回数カウント値が「1」〜「4」のときに実行される保留内連チャン演出など)を実行可能である、ことになる。
前記保留記憶手段が保留記憶して記憶する識別情報の可変表示とは、可変表示に関する情報であればよく、上記実施形態のように可変表示の実行に使用される乱数値の他、可変表示の表示結果や可変表示の態様(変動時間などを含む)などが特定可能な情報であればよい。
前記回数情報は、この実施の形態では、識別情報の可変表示が実行されるごとに減算される残回数カウント値(数値情報)としているが、識別情報の可変表示が実行されるごとに加算される数値情報であってもよい。この場合、連チャン範囲で4回の特図ゲームが実行可能であれば「4」が特定値となる。また、回数情報の数値と回数の数値とは一定の関係があれば同じでなくてもよい。また、残回数カウント値のデータと、残回数指定コマンドのうちの残回数を特定するEXTデータとを共通化し(残回数が「0回」なら、残回数カウント値のデータとEXTデータとを「00」とし、残回数が「1回」なら、残回数カウント値のデータとEXTデータとを「01」とし、・・・残回数が「4回」なら、残回数カウント値のデータとEXTデータとを「04」」とするなど)、残回数指定コマンド送信時には、残回数カウント値のデータをそのままEXTデータとした残回数指定コマンドを送信するようにするとよく、これによって、コマンド送信設定時の処理を簡単にできる。
この実施の形態では、回数情報が更新されるタイミングが識別情報の可変表示の開始時(特図ゲームの開始時)としているが、終了時(例えば、可変表示結果の導出時など)などとしてもよい。前記特定情報送信手段が特定情報を送信するタイミングや、前記判定手段による判定のタイミングも、識別情報の可変表示が開始される場合の任意のタイミングでよく、例えば、識別情報の可変表示の開始時(特図ゲームの開始時)や、終了時(例えば、可変表示結果の導出時など)などとしてもよい。例えば、ステップS268〜ステップS270の処理のうちの少なくとも一部をステップS112の処理中(特に変動が終了するとき)やステップS113の処理中に実行するようにしてもよい。
図15(A)のステップS269とステップS270の順序を逆にしてもよい。この場合、回数情報が特定値となったときに1回だけ特定情報が送信されるが、特定情報送信手段は、このような構成であってもよい。
前記所定条件の成立は、この実施の形態では、変動パターン決定テーブルが切り替わること(残回数カウント値が0になることであり、連チャン範囲が終了すること)であるが、他の条件の成立を採用してもよい。例えば、時短状態の終了を所定条件の成立としてもよいし、確変状態を時短状態と同様に回数切りとし、確変状態の終了を所定条件の成立としてもよい。なお、時短状態を次の大当りまで継続するようにしてもよい。また大当り種別に応じて時短状態の終了タイミングを変えてもよい。例えば、「確変」では、次の大当りまで時短状態を継続させ、「非確変」では、大当り無しの100回の特図ゲームの実行で時短状態を終了させる。このような場合、大当り種別に応じて時短回数カウンタに初期値を設定する。次の大当りまで時短状態を継続させる場合、例えば、初期値として10万回など通常大当り無しで連続実行され得ない回数を設定することで、次の大当りまで時短状態を継続させるようにする。また、例えば、特図ゲーム終了時に、時短回数カウンタのカウント値が1以上であるかを判定し、1以上である場合にカウント値を1減算し、減算後のカウント値が0となったときに時短フラグをオフとして時短状態を終了させる処理を採用し、次の大当りまで時短状態を継続させる場合には、初期値として0を設定するようにしてもよい(上記処理では、カウント値が0のときには時短フラグの状態が変更されないので、次の大当りまで時短フラグのオン状態が継続されることになる)。
変動パターンを決定するときに参照される変動パターン決定テーブル(図17及び図18)は、残回数が0回になったときの他、例えば、大当り遊技状態とは有利度又はその後の遊技状態などが異なる小当り遊技状態を設け、表示結果として「小当り」が導出されることを契機として切り替わってもよい。また、切り替わるまでの特図ゲームの実行回数は、4回に限らず他の回数であってもよい。例えば、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの実行順序を入賞順とする場合には、切り替わるまでの特図ゲームの実行回数は8回(合計特図保留記憶数の上限値)としてもよい。
内容の異なる変動パターン決定テーブルを所定数設け、残回数カウント値や変動開示の保留数などによって、参照する変動パターン決定テーブルを変えてもよい(切り替えてもよい)。例えば、連チャン範囲内では、保留記憶数(合計保留記憶数でもよいし、変動する方の特図保留記憶数であってもよい。)によっては参照する変動パターン決定テーブルを変えないようにし(この実施の形態参照)、連チャン範囲後は、保留数によって参照する変動パターン決定テーブルを変化させるようにしてもよい。また、低ベース時は、保留数によって参照する変動パターン決定テーブルを変え、高ベース時は、保留数によっては変動パターン決定テーブルを変えないようにしてもよい。また、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで、参照する変動パターン決定テーブルを変えてもよい。例えば、第1特図ゲームの「大当り」の方が、第2特図ゲームの「大当り」よりも、不利な当り(例えば、非確変大当りであり、有利な大当りを確変大当りとする)になる割合が高くなるように大当り種別の決定割合を設定したとすると、高ベース時の第1特図ゲームでは、選択される変動パターンの特図変動時間が一律長いものとなっている変動パターン決定テーブルを参照するようにする。これによって、第1特図ゲームの実行中に第2特図ゲームの保留記憶が貯まりやすくなる。また、高ベース中は、第2特図ゲームは保留数によって特図変動時間が短くなるように変動パターン決定テーブルを参照し、第1特図ゲームでは保留数によらず一律長い特図変動時間の変動パターンが選択されるように変動パターン決定テーブルを参照してもよい。上記少なくともいずれかの切替(段階的に変動パターン決定テーブルを変化させる場合には、そのうちの少なくとも1つの特定の変動パターン決定テーブルへの切替などを含む。)を所定条件の成立としてもよい。
なお、前記保留記憶に基づく先読み演出として、この実施の形態では、先読み予告が用意されている。特に、主基板11にて保留記憶(保留データ)に基づく先読み判定(ステップS211)を行い、演出制御基板12にて先読み判定結果に基づいて先読み予告を実行しているが、先読み判定は、演出制御基板12側で行ってもよい。また、上記実施の形態では、先読み判定を高確高ベース時に限って実行しているが、他の遊技状態(例えば、通常時や低確高ベース時など)のときにおいても実行してもよい。通常状態などでは、第1特図ゲームについても先読み判定を行ってもよい。また、上記では、可変表示結果に基づいて先読み予告を実行しているが、変動パターン(特定のリーチ演出が実行されるか否か)などに基づいて先読み予告を実行してもよい。保留記憶に基づく先読み演出は、保留記憶に基づく判定を行う判定手段の判定結果に基づいて実行され、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(スーパーリーチなど)になる可能性や、大当りとなる可能性などを予告(又は示唆)するものなどであればよい。
特別な先読み演出は、この実施の形態では、保留内連チャン演出であるが他の先読み演出(例えば、ステップアップ予告など)であってもよい。また、保留内連チャン演出の態様は、前の確変大当り遊技状態と後の確変大当り遊技状態とを一連又は一つの大当り遊技状態と見せるような態様であればよい。例えば、前の確変大当り遊技状態のエンディングの演出(ラウンド遊技中の演出が加わってもよい。)と、後の確変大当り遊技状態のファンファーレの演出と、保留内連チャン演出と、で同様の背景や画面を表示する。また、保留内連チャン演出や前と後の大当り遊技状態での演出で、前と後の大当り遊技状態のラウンド数を足したラウンド数を報知したり、途中で後の大当り遊技状態のラウンド数が追加されたように見せる演出(例えば、「+15R」などの表示)を実行するようにしてもよい。また、保留内連チャン演出では、飾り図柄の可変表示や保留記憶表示、第4図柄の表示などを目立たないようにして(又は表示させないようにしてもよい。)、前の確変大当り遊技状態と後の確変大当り遊技状態とを一連又は一つの大当り遊技状態と見せやすいようにしてもよい。保留内連チャン演出は、残回数に応じて異なる態様となってもよい(例えば、残回数コマンドによって残回数を特定し、残回数に応じたカウントダウンをする演出を実行するか、確変大当り判定までの特図ゲームの実行回数を特定し、実行回数に応じたカウントダウンをする演出を実行するなど)。
上記の構成によれば、遊技制御手段の処理負担を軽減することができる。また、特別な先読み演出によって遊技の興趣が向上する。
なお、この実施の形態では、保留記憶表示として、保留表示図柄と、連チャン範囲内保留表示と、が用意されているが、保留表示図柄と、連チャン範囲内保留表示とについて、連チャン範囲内保留表示の方を目立たない表示とし(この実施の形態でもこのようになっている。)、例えば、連チャン範囲内保留表示と保留表示図柄とを基本的には同時に表示し(表示位置は、重ならないようにずらす)、所定の期間では連チャン範囲内保留表示のみを表示するようにしてもよい。例えば、演出制御基板12は、連チャン範囲内保留表示のレイヤー(連チャン範囲内保留表示以外は透明のレイヤー)と保留表示図柄のレイヤー(連チャン範囲内保留表示以外は透明のレイヤー)とを生成しておき、所定の期間以外には、2つのレイヤーを前面に持って行き、保留表示図柄及び連チャン範囲内保留表示を表示し、所定期間中は、保留表示図柄のレイヤーを再背面に移動させて保留表示図柄が他の演出画像に隠れるようにする。所定期間であるか否かは、例えば、所定期間中にオンになるフラグなどを設けてもよいし、主基板11側で所定期間の開始時と終了時とのそれぞれで互いに異なるコマンドを送信して、所定期間を主基板11から演出制御制御基板12に通知してもよい。所定の期間は、大当り遊技状態中、連チャン範囲内の期間中、リーチ演出の期間中、可動役物を設けて動作させる期間の少なくとも1つなどであればよい。このように、所定の演出を目立たせたいときに、保留表示図柄を表示せずに、連チャン範囲内保留表示のみを表示することで、保留記憶表示を目立たなくし、所定の演出を目立たせ、遊技の興趣を向上させるとよい。また、所定期間は、連チャン範囲のうち、保留内連チャン演出を実行する期間のみとしてもよい。つまり、保留内連チャン演出を実行する連チャン範囲には、連チャン範囲内保留表示のみを表示し、保留内連チャン演出を実行しない連チャン範囲には、両表示を表示するようにしてもよい。なお、前記所定の期間において、保留記憶表示を全て表示させないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、上記構成によって、遊技機は、前記遊技機への電源供給が再開されたときに前記先読み演出の実行を制限する制限手段(例えば、電源復旧画面を表示して先読み予告の実行を制限する、又は、先読み制限カウント値が「0」になるまで保留表示予告の実行を制限する演出制御基板12など)をさらに備える。この構成によれば、遊技の興趣の低下を抑制できる。
なお、先読み演出として、例えば、ターゲット前の飾り図柄の可変表示の実行中に実行される先読み予告演出などを用意して、当該演出を制限するようにしてもよい。また、制限は、主基板11側で行ってもよい。例えば、演出制御基板12側と同様の先読み制限カウンタ(特図ゲームの実行毎に先読み制限カウント値が更新されるカウンタ)を設け、図11の処理において当該カウンタのカウント値が0以外であれば、先読み判定を行わないようにしてもよい(この場合、図柄判定結果指定コマンドは、判定無しを指定するとよい。)。なお、先読み演出の実行を制限するとは、実行しないことと、実行割合を下げることとの両者を含む(制限について他でも同じ)。また、上記画面復旧条件は、先読み制限カウント値が「0」になったことで条件成立とするものであってもよい。
また、電源供給が再開されたとき(電源復旧時)は、残回数指定コマンドが指定する残回数がいずれの回数であっても、先読み演出を制限し、電源復旧時に送信された残回数指定コマンドが指定する残回数が「1」〜「4」回のときには、残回数指定コマンドが送信されなくなるまで、先読み演出を制限してもよい。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出実行手段は、前記特定情報によって特定される前記回数情報が前記特定値であるときと前記特定値でないときとで異なる割合で所定演出を実行可能である(例えば、残回数カウント値が「0」であるときに保留表示図柄を表示し、「0」でないときに連チャン範囲フラグをオンとして連チャン範囲内保留表示を表示するなど)、ことになる。この構成によれば、遊技の興趣の向上させることができる。
なお、この構成は、前記回数情報が前記特定値であるときと前記特定値でないときとで異なる演出を実行することを含む。前記回数情報が前記特定値であるときと前記特定値でないときとで、例えば、飾り図柄の大きさを変えたり(上記のように残回数カウント値が1〜4では小さくする。)、背景の種類を変えたり、保留表示の態様を変えたり(上記のように、残回数カウント値が0のときは、保留表示図柄の表示を行い、残回数カウント値が1〜4のときは、連チャン範囲内保留表示の表示を行う。)、すればよい。なお、残回数指定コマンドを受信した時点で演出制御基板12側は、当該コマンドが指定する残回数(残回数カウント値)に応じた保留表示などを行うようにしてもよい(電源復旧画面が表示されていても、保留表示の態様を変更してもよい。)。例えば、コマンド解析処理や演出制御パターン等設定処理などにおいて、残回数カウント値が0のときは、保留表示図柄の表示を行い、残回数カウント値が1〜4のときは、連チャン範囲内保留表示の表示を行う。この場合、正常時(電源復旧がないとき)においては、残回数指定コマンドを受信するタイミングなのに当該コマンドを受信しなくなったときに、残回数カウント値が0になったとして、保留表示を連チャン範囲内保留表示の表示から保留表示図柄の表示に変更するようにしてもよい。
また、上記構成の一例として、大当り期待度などを予告又は示唆する予告演出又は示唆演出などを用意し、前記回数情報が前記特定値であるときと前記特定値でないときとで異なる割合で予告演出や示唆演出を実行するようにしてもよい。異なる割合とは、一方又は他方を10割又は0割とすることを含む(割合が異なることについては、他でも同じ)。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出実行手段は、前記特定情報によって特定される前記回数情報が前記特定値でないときに演出の実行を制限可能である(例えば、残回数カウント値が「1」〜「4」であっても、保留内連チャンがないときには保留内連チャン演出を実行しないなど)、ことになる。この構成によれば、遊技の興趣を向上できる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出実行手段は、前記特定情報によって特定される前記回数情報が前記特定値でなく、特別な条件が成立しているときに、前記特別な先読み演出を実行可能である(例えば、残回数カウント値が「1」〜「4」のときであって、保留内連チャンがあるときに保留内連チャン演出を実行可能など)、ことになる。この構成によれば、遊技の興趣を向上できる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出実行手段は、前記特定情報によって特定される前記回数情報が前記特定値でなく、前記保留記憶手段が前記保留記憶として記憶している識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果のうちの第1の特定表示結果(例えば、確変大当りなど)であるときに、前記先読み演出を実行可能であり(例えば、残回数カウント値が「1」〜「4」のときであって、保留内連チャンがあるときに保留内連チャン演出を実行可能など)、前記特定情報によって特定される前記回数情報が前記特定値でなく、前記保留記憶手段が前記保留記憶として記憶している識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果のうちの第2の特定表示結果(例えば、非確変大当りなど)であるときに、前記先読み演出の実行を制限する(例えば、残回数カウント値が「1」〜「4」のときであっても、保留内連チャンがないとき(非確変大当りの第2特図ゲームの保留があるときも含む)に保留内連チャン演出を実行しないなど)、ことになる。この構成によれば、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
この実施の形態では、保留されている特図ゲームの可変表示結果が不利な大当り(非確変大当り)となっていることを契機としては、保留内連チャン演出を実行しないようにしているが、例えば、大当り種別を複数設け、有利度が最も高い大当りがあることを契機として保留内連チャン演出を実行し、それ以外の大当りがあることを契機としてはて保留内連チャン演出を実行しないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記遊技制御手段は、識別情報の可変表示のパターンである可変表示パターン(例えば、変動パターンなど)を複数種類のいずれかに決定する可変表示パターン決定手段(例えば、ステップS111の処理を実行するCPU103など)をさらに備え、前記可変表示パターン決定手段は、前記回数情報が前記特定値であるか否かに応じて異なる割合で可変表示パターンを決定する(例えば、残回数カウント値に応じて変動パターン決定テーブルを切り替えるなど)、ことになる。この構成によれば、遊技の興趣を向上できる。
この構成は、前記回数情報が前記特定値であるか否かに応じて全く異なる可変表示パターンが選択されることの他、前記回数情報が前記特定値であるか否かに応じて選択可能な可変表示パターンが一部重複する場合、前記回数情報が前記特定値であるか否かに応じて選択可能な可変表示パターンが全部重複するが少なくとも一部の可変表示パターンの決定割合が前記回数情報が前記特定値であるか否かに応じて異なる場合なども含む。
なお、連チャン範囲内保留表示の表示中であっても、裏で保留表示予告を行ってもよい。例えば、保留表示図柄のレイヤーを最背面に持っていき保留表示図柄を隠し、可変表示時の演出画像によって、連チャン範囲内保留表示を表示する。
なお、連チャン範囲内フラグは、演出制御パターン等設定処理などにおいて、残回数指定コマンドが指定する残回数(残回数カウント値)が「4」であるときにオンされてもよい。また、図32のステップS707又は708のあとに保留表示を連チャン範囲内保留表示に切り替える設定を行ってもよい。この場合、可変表示終了時又は当り待ちのときなどに保留表示を保留表示図柄の表示に切り替える。
なお、ステップS669の処理や図27のステップ番号以外の処理は、コマンド解析処理の最初に行ってもよい。
図23のステップS659〜S663を含む、残回数をチェックする処理は、タイマ割り込み内で行えばよい。また、演出制御基板12側でも、残回数を特定可能なカウンタを設け、残回数をカウントするようにしてもよい(カウンタのカウント値は演出に使用すればよい。例えば、カウント値(残回数)を報知する演出の実行などに使用されればよい。)。
保留表示図柄は、保留記憶されている特図ゲームに対応して表示されるが、例えば、画像表示装置5の表示領域に今回保留表示領域を設け、表示されていた保留表示図柄に対応する特図ゲームが実行されるときには、当該保留表示図柄を今回保留表示領域に表示してもよい。この場合、保留表示図柄の表示態様は、今回保留表示領域に表示されたときにも引き継がれるようにしてもよい。この場合、保留表示予告実行中フラグは、図32のステップS704ではなく、保留表示予告の終了時(飾り図柄の可変表示中の所定タイミング又は可変表示終了時)などにオフすればよい(ステップS701で読み出したターゲットフラグの状態を前記タイミングまで保持しておき、オン状態のときには当該タイミングでオフすればよい。)。
保留内連チャンが無いときの連チャン範囲内で実行される飾り図柄の可変表示時では、演出画像の背景を通常状態などとは異なる特殊な背景としたり(保留内連チャン演出と同様の特殊背景としてもよい)、その前の大当り遊技状態のエンディングが継続しているような演出を実行したり、高確高ベース状態に実行される演出(例えば、ストーリー演出など)の紹介や説明をする一連の演出(複数の可変表示にまたがって実行される演出)を実行したりしてもよい。特に、大当り遊技状態で実行されるような演出を当該保留内連チャンが無いときの連チャン範囲内で実行される飾り図柄の可変表示時に例えば可変表示中演出として実行してもよい。このとき、飾り図柄は小さくして、目立たないようにするとよい。
この実施の形態では、保留表示予告が実行される場合、当該保留表示予告が終了するまで(ターゲットに対応する保留表示図柄が消去されるまで)、他の保留表示予告の実行が制限されるが、当該制限はなくてもよい。例えば、保留表示予告実行中フラグは必要ない。この場合、複数の保留表示図柄が保留表示予告のターゲットとなりうる。先のターゲットが大当り判定(あるいは確変大当りの判定)であるときには、その後に実行される特図ゲームのターゲットについての保留表示予告の実行割合を高めてもよい(このとき、保留表示予告の大当り期待度を低くするあるいは高くするようにしてもよい。)。また、保留内連チャン(確変大当りの連チャンであってもよいし、大当り種別を問わない連チャンであってもよい。以下、他の場合も同じ。)があるときに連チャンする大当りのうちの後の大当りの特図ゲームをターゲットとして保留表示予告を実行するようにしてもよい(例えば、保留表示予告の実行を保留表示図柄の表示時とはせず、保留記憶数が所定数以上のときに、始動入賞時コマンドバッファを参照して、保留内連チャンがあるか否かを判定し、判定結果に応じて所定タイミング(例えば変動開始時)で保留表示予告を実行してもよい)。また、保留内連チャンがあるときに、先の大当りの特図ゲームに対して保留表示予告をしている場合には、後の大当りの特図ゲームまでに実行される特図ゲームについて保留内連チャン演出を実行せずに、連チャン無しの連チャン範囲内の可変表示の演出(可変表示演出、図38(E2−1))などを実行するようにしてもよい。また、このような主基板11側で連チャン範囲を設定せずに(ステップS117で残回数カウント値を「0」とする)、保留内連チャン演出の実行を制限してもよい。
保留内連チャン演出を実行し、先の確変大当り遊技状態から後の確変大当り遊技状態(保留内連チャンによる大当り)の終了までを1回の大当り遊技状態に見せる(又は一連の大当り遊技状態に見せてもよい)場合、ラウンド数を当該1回の大当り遊技状態の累積ラウンド数としてもよいが(ラウンド数をカウントアップとする。)、このような場合、大当り遊技状態について遊技者に誤解を与えることなどの不都合があるので、ラウンド数は残りラウンド数とした方がよい(連チャンするたびにラウンド数を新たに上乗せ等する。)。但し、1回の大当り遊技状態においては、ラウンド数をカウントアップして報知してもよい。また、ラウンド表示は、図柄などのオブジェクトを変化させることで行ってもよい。例えば、中が塗り潰された黒丸表示を残りのラウンド数分表示し、ラウンド遊技が消化されるごとに当該黒丸表示を白抜きの白丸表示にしていく(なお、連チャンするごとに黒丸表示を増加させるようするとよい)。
この実施の形態では、通常状態から最初に確変大当りがあったときには、確変大当り前に発生した保留について先読み判定が行われないので、高確高ベースになったあとの確変大当りの発生で保留内連チャン演出が実行され得るが、例えば、通常状態のときにも、先読み判定を現在の大当り遊技状態が確変状態であると仮定して行い、通常状態から最初に確変大当りがあったときにも保留内連チャン演出が実行され得るようにしもてよい。この場合、保留表示予告については先読み判定が不正確になるので、実行しないようにしてもよいし、保留表示予告用に現在の遊技状態に基づく判定を行うようにしてもよい。
この実施の形態では、上記の構成によって、第1識別情報(例えば、第1特図など)の可変表示を実行して表示結果を導出する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置4Aなど)と、第2識別情報(例えば、第2特図など)の可変表示を実行して表示結果を導出する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置4Bなど)と、のいずれかにおいて特定表示結果(例えば、大当り図柄など)が導出されたときに特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)となる遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、遊技の進行を制御し、当該遊技の進行に応じてコマンドを送信する遊技制御手段(例えば、遊技制御を行う主基板11など)と、前記遊技制御手段から送信されるコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御を行う演出制御基板12など)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)が構成されている。特に、遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示や第2識別情報の可変表示の実行を制御する。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに特定コマンド(例えば、電源復旧指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS17で電源復旧指定コマンドを送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記特定コマンドに基づいて第1特定表示(例えば、第1特図に対応した第4図柄など)と第2特定表示(例えば、第1特図に対応した第4図柄など)とを共に表示する(例えば、ステップS76の処理を実行して電源復旧指定コマンドを受信したときに領域5F及び5G両者に第4図柄を表示する部分など)、ことになる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、前記遊技機への電力供給の停止時に第1識別情報の可変表示が実行されておらず第2識別情報の可変表示が実行されていた場合には、前記遊技機への電力供給が再開されたときに第1終了コマンドを送信し(例えば、電断時に第2特図ゲームが実行されている場合にステップS17で第1図柄確定指定コマンドを送信する部分など)、前記遊技機への電力供給の停止時に第2識別情報の可変表示が実行されておらず第1識別情報の可変表示が実行されていた場合には、前記遊技機への電力供給が再開されたときに第2終了コマンドを送信する(例えば、電断時に第1特図ゲームが実行されている場合にステップS17で第2図柄確定指定コマンドを送信する部分など)、ことになる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記演出制御手段は、前記特定コマンドに基づいて前記第1特定表示と前記第2特定表示とを共に表示したときにおいて、前記第1終了コマンドに基づいて前記第1特定表示の表示を終了し、前記第2終了コマンドに基づいて前記第2特定表示の表示を終了する(例えば、ステップS76の処理を実行して、第1図柄確定指定コマンドを受信したときに領域5Fの第4図柄の表示を終了し、第2図柄確定指定コマンドを受信したときに領域5Gの第4図柄の表示を終了する部分など)、ことになる。
第1特定表示及び第2特定表示は、この実施の形態では、画像表示装置5に表示された円形の画像(第4図柄)であるが、他の形状の画像であってもよい。また、第1特定表示及び第2特定表示は、LEDなどの発光手段による発光によって表示されるものであってもよい。
第1特定表示や第2特定表示の表示は、この実施の形態では、画像表示装置5に表示された円形の画像(第4図柄)の表示(点滅表示であっても、点滅させない常時表示であってもよい。)で行われるが、複数の図形(識別情報)などの変動表示(可変表示)で行われてもよい。例えば、第1特図ゲームに対応して「○」と「×」とを可変表示することを、第1特定表示を表示するとしてもよい。例えば、第2特図ゲームに対応して「○」と「×」とを可変表示することを、第2特定表示を表示するとしてもよい。
この実施の形態では、上記第1特定表示や第2特定表示(総称して特定表示ということがある。)の表示は、表示結果の表示前(表示結果の表示時と捉えてもよい)までを言う。第1特定表示や第2特定表示の表示結果は表示(導出)されなくてもよい。
上記第1終了コマンドや第2終了コマンドとして、この実施の形態では、通常時(パチンコ遊技機1が異常無く正常に動作しているとき)においても第1特定表示の表示(及び飾り図柄の可変表示)を終了させる第1図柄確定指定コマンド及び第2特定表示の表示(及び飾り図柄の可変表示)を終了させる第2図柄確定指定コマンドを用いているが、第1終了コマンドや第2終了コマンドは、電源復旧時に実行されていない特図ゲームを特定する専用のコマンドとしてもよい。
この実施の形態では、上記のような構成によって、例えば、電源供給が再開されたあとの遊技機の状態(第1識別情報の可変表示と第2識別情報の可変表示とのうちのいずれが実行されているかなど)を分かりやすくすることができる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記演出制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該電力供給の再開を表す再開画面(例えば、電源復旧画面など)を表示装置(例えば、画像表示装置5など)に表示し、所定条件(例えば、画面復旧条件など)が成立したときに当該表示装置の画面を当該再開画面から通常時の演出画面に復帰させる表示画面制御手段(例えば、ステップS689〜692などの処理を行って画面復旧条件が成立したと判定したときに電源復旧画面の表示を終了させ、ステップS75を実行して演出画面を表示する部分など)を備える、ことになる。これによって、例えば、電源供給が再開されたあとの画面復旧のタイミングを適切にできる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示が開始されるときに第1開始コマンド(例えば、第1特図ゲームの開始時に送信される変動開始時コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS268で変動開始時コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、第1識別情報の可変表示が終了するときに前記第1終了コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS304で第1図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、第2識別情報の可変表示が開始されるときに第2開始コマンド(例えば、第2特図ゲームの開始時に送信される変動開始時コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS268で変動開始時コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、第2識別情報の可変表示が終了するときに前記第2終了コマンド(例えば、第2図柄確定指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS304で第2図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記第1開始コマンドに基づいて第1特定表示の表示を開始し、前記第1終了コマンドに基づいて当該第1特定表示の表示を終了し(例えば、ステップS76の処理を実行して、第1特図の可変表示に対応して領域5Fに第4図柄の表示する部分など)、前記第2開始コマンドに基づいて第2特定表示の表示を開始し、前記第2終了コマンドに基づいて当該第2特定表示の表示を終了する(例えば、ステップS76の処理を実行して、第2特図の可変表示に対応して領域5Gに第4図柄の表示する部分など)、ことになる。
なお、主基板11における、第1開始コマンドと第2開始コマンドとを送信する部分を開始コマンド送信手段とし、主基板11における、通常時及び電源復旧時に第1終了コマンドと第2終了コマンドとを送信する部分を終了コマンド送信手段としてもよい。
上記第1終了コマンドや第2終了コマンドとして、この実施の形態では、通常時においても第1特定表示の表示(及び飾り図柄の可変表示)を終了させる第1図柄確定指定コマンド及び第2特定表示の表示を終了させる第2図柄確定指定コマンドを用いているが、これらコマンドは、確認のために送信されてもよい。例えば、演出制御基板12は、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンに基づいて、その表示開始時(変動開始時)において、表示時間(ここでは特図変動時間でもある)などを設定し、当該表示時間の経過まで第4図柄を表示(又は飾り図柄の可変表示を実行)してもよい(このとき、表示結果指定コマンドが指定する表示結果に基づいて、表示時間設定時や電源復旧時などに、第4図柄の表示の表示結果及び可変表示結果を設定してもよい)。このような場合、設定された表示時間経過前に、第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドを演出制御基板12側で受信したときには、第4図柄の表示や飾り図柄の可変表示を強制的に終了するようにする。これによって、コマンドの誤認識などによって、本来の第4図柄の表示時間(又は飾り図柄の可変表示の実行時間)よりも長い時間が第4図柄の表示時間(又は飾り図柄の可変表示の実行時間)として設定されてしまったときであっても、確認用の第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドによって、第4図柄の表示や飾り図柄の可変表示を特図ゲームに同期させることができる(第4図柄の表示などの終了時期を適切なものとすることができる)。なお、このような場合(第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドを可変表示終了の確認のために送信する場合)であっても、結局第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドに基づいて飾り図柄の可変表示や第4図柄の表示は終了する。第1終了コマンドに基づいて第1特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了することや、第2終了コマンドに基づいて第2特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了することは、例えば、上記実施の形態のように通常時であっても第1終了コマンドや第2終了コマンドによって第1特定表示の表示や第2特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了させることのほか、前記のように、コマンドの誤認識など正常でないときに第1終了コマンドや第2終了コマンドによって第1特定表示の表示や第2特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了させること(正常のときは終了させない)も含む。
上記構成のように、上記第1終了コマンド及び第2終了コマンドとして、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドなどの通常時において特定表示を終了するときに送信されるコマンドを用いることで、コマンド数を増やすことなく、通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給が再開されたあとの遊技機の状態(第1識別情報の可変表示と第2識別情報の可変表示とのうちのいずれが実行されているかなど)を分かりやすくすることができる。また、上記実施の形態の第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドなどのように、特定表示の終了を通常時及び電源復旧時両者において第1終了コマンド及び第2終了コマンドに基づいて行う場合(つまり、特定表示の終了を正常のときも第1終了コマンドや第2終了コマンドで行う場合)、通常時及び電源復旧時両者で同じコマンドが用いられることで、通常時と同様の処理内容で電源復旧時に第1特定表示又は第2特定表示のうち実行されていない識別情報の可変表示に対応する特定表示の表示を終了させることができる。
さらに、上記第1終了コマンド及び第2終了コマンドとして、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドなどの通常時(パチンコ遊技機1が異常無く正常に動作しているとき)において特定表示を終了するときに送信されるコマンドを用いることで、電力供給の再開後において他のコマンドを用いるときよりも簡単に第1特定表示又は第2特定表示の終了を実現できる(変動パターン指定コマンドなどを用いると、どちらの特定表示を終了させるか否かの判定などが必要になってしまったり、演出制御基板12側で特図ゲームが始まったと認識されたりすることがあり、不都合がある)。
第1開始コマンドや第2開始コマンドは、第1識別情報の可変表示や第2識別情報の可変表示が開始されるタイミングで送信されるコマンドであればよい(第1識別情報の可変表示や第2識別情報の可変表示の開始を特定可能なコマンドであればよい)。第1開始コマンドは、例えば、第1変動開始指定コマンド、第1特図保留減算指定コマンド(第1特図ゲームが実行されるときに保留記憶数が1減算されたことを示すコマンドで、変動開始時に送信される。)、変動パターン指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)、表示結果指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)などのいずれかであってもよく、演出制御基板12側では、これらいずれかのコマンドに基づいて第1特定表示の表示を開始してもよい。第2開始コマンドは、例えば、第2変動開始指定コマンド、第2特図保留減算指定コマンド(第2特図ゲームが実行されるときに保留記憶数が1減算されたことを示すコマンドで、変動開始時に送信される。)、変動パターン指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)、表示結果指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)などのいずれかであってもよく、演出制御基板12側では、これらいずれかのコマンドに基づいて第2特定表示の表示を開始してもよい。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記第1特定表示は、第1識別情報の可変表示に対応して表示され、前記第2特定表示は、第2識別情報の可変表示に対応して表示され(例えば、領域5Fや5Gに表示される第4図柄を参照)、前記遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示又は第2識別情報の可変表示の表示結果を特定可能な表示結果コマンド(例えば、表示結果指定コマンドなど)を送信する表示結果コマンド送信手段(例えば、ステップS304で第1又は第2図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)を備え、前記演出制御手段は、前記表示結果コマンドに基づいて前記第1特定表示又は前記第2特定表示の表示終了時に表示結果を表示可能であり(例えば、ステップS76の処理を実行して、表示結果指定コマンドに応じて第4図柄の表示の表示結果を導出する部分など)、前記表示結果コマンド送信手段は、前記遊技機への電力供給の停止時に第1識別情報の可変表示又は第2識別情報の可変表示が実行されていた場合には、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該実行していた可変表示の表示結果を特定可能な前記表示結果コマンドを送信し(例えば、ステップS17の処理で電源復旧時コマンドとして表示結果指定コマンドを送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記特定コマンドに基づいて前記第1特定表示と前記第2特定表示とを共に表示するときにおいて、前記第1終了コマンドを受信していないときには前記第1特定表示の表示を継続し、前記第2終了コマンドを受信していないときには前記第2特定表示の表示を継続し(例えば、ステップS76の処理を実行して、第1図柄確定指定コマンドを受信していないときに領域5Fの第4図柄の表示を継続し、第2図柄確定指定コマンドを受信していないときに領域5Gの第4図柄の表示を継続する部分など)、継続する前記第1特定表示又は前記第2特定表示の表示終了時に、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記表示結果コマンド送信手段から送信される前記表示結果コマンドに基づいて、表示結果を表示する(例えば、ステップS76の処理を実行して、表示結果指定コマンドに応じて第4図柄の表示の表示結果を導出する部分など)、ことになる。
この実施の形態では、上記のような構成によって、例えば、通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給が再開されたあとに表示が継続される第1特定表示又は第2特定表示の表示終了時の表示結果を正確にすることができる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、前記遊技機への電力供給の停止時に第1識別情報の可変表示及び第2識別情報の可変表示が実行されていない場合に、前記遊技機への電力供給が再開されたときにおいて、前記再開前最後に実行された第1識別情報の可変表示又は第2識別情報の可変表示の表示結果を特定可能な前記表示結果コマンド(例えば、表示結果指定コマンドなど)を送信する表示結果コマンド送信手段(例えば、ステップS17の処理で電源復旧時コマンドとして表示結果指定コマンドを送信する部分など)をさらに備え、前記演出制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記表示結果コマンド送信手段から送信される前記表示結果コマンドに基づいて、前記第1終了コマンド及び前記第2終了コマンドに基づく前記第1特定表示及び前記第2特定表示の表示終了時に表示結果を表示する(例えば、ステップS76の処理を実行して、表示結果指定コマンドに応じて第4図柄の表示の表示結果を導出する部分など)、ことになる。
この実施の形態では、上記のような構成によって、例えば、通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給再開前の状態(直近の表示結果)を電源供給再開後に分かりやすく報知することができる。
なお、上記の構成は、例えば、以下のような構成を含む。例えば、この実施の形態では、上記表示結果は所定期間だけ表示されているが、第1特定表示についての表示結果は、次の第1識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示し、第2特定表示についての表示結果は、次の第2識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示するようにしてもよい。例えば、領域5Fに表示した第4図柄の表示結果は、次回の第1特図ゲームの実行まで表示が継続するように演出制御用CPU120によって表示制御され、領域5Gに表示した第4図柄の表示結果は、次回の第2特図ゲームの実行まで表示が継続するように演出制御用CPU120によって表示制御されるようにしてもよい。
また、例えば、第1特図ゲームの表示結果を、次回の第1特図ゲームの実行まで、第1特図ゲームの表示結果であることを特定可能にRAM122に保存し、第2特図ゲームの表示結果を、次回の第2特図ゲームの実行まで、第2特図ゲームの表示結果であることを特定可能にRAM122にバックアップデータとして保存するようにしてもよい(例えば、第1特図ゲーム用と第2特図ゲーム用とで可変表示結果の格納領域を別にするなど)。電源供給再開時(電源復旧時)には、上記バックアップデータに基づいて、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームそれぞれの可変表示結果(実行中の場合には、実行中の特図ゲームの可変表示結果、実行中でない場合には、直近に実行された特図ゲームの可変表示結果)を特定するコマンドを電源復旧時コマンドの表示結果指定コマンド(例えば、表示結果指定コマンドを第1特図用と第2特図用として2種類用意するか、EXTデータの内容で第1特図ゲーム及び第2特図ゲームのいずれの可変表示結果であるかを特定してもよい。又は第1特図ゲームの表示結果と第2特図ゲームの表示結果の組合せに応じたEXTデータを設定してもよい。)として送信してもよい(例えば、第1特図用と第2特図用で2つコマンドを送信する)。そして、演出制御基板12では、実行されていない特図ゲームに対応する特定表示の表示を終了する際(両方の特定表示の表示を終了してもよい。)に、表示結果指定コマンドに基づいて各表示結果を表示するようにしてもよい。電源復旧時に、領域5Fの第1特図に対応する第4図柄の表示を終了する場合には、第1特図用の表示結果指定コマンドに基づいて表示結果を表示し、電源復旧時に、領域5Gの第2特図に対応する第4図柄の表示を終了する場合には、第2特図用の表示結果指定コマンドに基づいて表示結果を表示するようにする。このようにすることで、例えば、図70の演出画面では、領域5F及び領域5Gそれぞれに、直近に実行された第1特図ゲームの可変表示結果を示す表示結果及び直近に実行された第2特図ゲームの可変表示結果を示す表示結果それぞれを表示することができる。また、図68の演出画面では、領域5Gに、直近に実行された第2特図ゲームの可変表示結果を示す表示結果を示す表示結果を表示することができる。このように、電源復旧時において表示を終了させる第4図柄(電断時に実行されていない特図ゲームに対応する第4図柄)に対応する特図ゲームであって、直近で実行された特図ゲームの表示結果を電源復旧時において演出制御基板12側が特定できるようにし、特定した表示結果に対応する第4図柄の表示の表示結果を表示することで、電源復旧時(特に、電源復旧画面を表示しているときなど)において表示遊技者は、電源復旧前に実行され終了した直近の特図ゲームの表示結果を確認できる。なお、このような構成は、特に、第1特定表示についての表示結果は、次の第1識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示し、第2特定表示についての表示結果は、次の第2識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示するときにおいて有用であり、このような構成によって、電源復旧時の表示結果の表示を通常時と同様に行える。
また、例えば、電源復旧時などにおいて、直近の特図ゲームがどちらの特図ゲームであったかを演出制御基板12側で特定可能にし(例えば、第1特図用と第2特図用で2つコマンドを送信するようにしてもよいし、直近の特図ゲームがどちらの特図ゲームのものであるかを示す情報を主基板11側で記憶しておき、電源復旧時に当該情報(バックアップされている。)に対応するコマンドを送信するようにしてもよい。)、電源復旧時においてどちらの特図ゲームも実行されていない場合(第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドを受信したとき)に、表示結果指定コマンドや直近の特図ゲームがどちらかであったかなどに基づいて、直近の特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を当該直近の特図ゲームに対応する第4図柄の表示結果のみとして表示してもよい。例えば、図70などにおいて、直近の特図ゲームが第1特図ゲームであった場合(電断前最後に実行された特図ゲームが第1特図ゲームであった場合)、領域5Fに当該直近の第1特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を表示する。直近の特図ゲームが第2特図ゲームであった場合(電断前最後に実行された特図ゲームが第2特図ゲームであった場合)、領域5Fに当該直近の第2特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を表示する。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出制御手段は、前記遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示が終了するときに前記第1終了コマンドを送信し、第2識別情報の可変表示が終了するときに前記第2終了コマンドを送信し(例えば、ステップS304で第1又は第2図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記第1終了コマンドに基づいて当該第1特定表示の表示を終了し、前記第2終了コマンドに基づいて当該第2特定表示の表示を終了し(例えば、ステップS76の処理を実行して、領域5F又は5Gに表示した第4図柄の表示を終了する部分など)、前記演出制御手段は、表示装置(例えば、画像表示装置5など)に演出画面を表示させる制御を行う表示画面制御手段(例えば、画像表示装置5に演出画面を表示させる部分など)を備え、前記遊技制御手段は、前記遊技機の状態を特定可能な状態コマンド(例えば、背景指定コマンドなど)を送信する状態コマンド送信手段(例えば、ステップS268で背景指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)を備え、前記状態コマンド送信手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記状態コマンドを送信し、前記表示画面制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該電力供給の再開を表す再開画面(例えば、電源復旧画面など)を前記表示装置に表示し、前記状態コマンドと前記第1終了コマンドと前記第2終了コマンドとが前記遊技制御手段から送信されたときに当該表示装置の画面を当該再開画面から通常時の演出画面に復帰させる(例えば、ステップS689〜692などの処理を行って画面復旧条件のうちの第1復旧条件が成立したと判定したときに電源復旧画面の表示を終了させ、ステップS75を実行して演出画面を表示する部分など)、ことになる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出制御手段は、表示装置(例えば、画像表示装置5など)に演出画面を表示させる制御を行う表示画面制御手段(例えば、画像表示装置5に演出画面を表示させる部分など)をさらに備え、前記遊技制御手段は、遊技の進行状況を特定可能な進行状況コマンド(例えば、復旧状態指定コマンド、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドなど)を遊技の進行に応じて送信する進行状況コマンド送信手段(例えば、ステップS17で電源復旧時コマンドとして復旧状態指定コマンドを送信する部分や、ステップS115、S116などで大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)をさらに備え、前記進行状況コマンドには、現在の遊技の進行状況が前記特定遊技状態中であることを特定可能な第1コマンド(例えば、復旧状態指定コマンドなど)と、前記特定遊技状態における複数タイミング(例えば、大入賞口の開放タイミング又は閉鎖タイミング)それぞれに応じて用意され、現在の遊技の進行状況が前記複数のタイミングのいずれかに達したことをそれぞれが特定可能な複数の第2コマンド(例えば、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドなど)と、が含まれ、前記進行状況コマンド送信手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該再開時の遊技の進行状況を特定可能な前記進行状況コマンド(例えば、復旧状態指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS17で電源復旧時コマンドとして復旧状態指定コマンドを送信する部分など)、前記表示画面制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該電力供給の再開を表す再開画面を前記表示装置に表示するとともに、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記進行状況コマンド送信手段から送信された前記進行状況コマンドが前記第1コマンドであるときには、当該第1コマンドの受信後に前記第2コマンドを受信したときに当該表示装置の画面を当該再開画面から通常時の演出画面に復帰させる(例えば、ステップS689〜692などの処理を行って画面復旧条件のうちの第2復旧条件(特に、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信する条件)が成立したと判定したときに電源復旧画面の表示を終了させ、ステップS75を実行して演出画面を表示する部分など)、ことになる。
この実施の形態では、上記のような各構成によって、例えば、電源供給が再開されたあとの画面復旧のタイミングを適切にできる。なお、再開画面は電力供給の再開を直接的にメッセージで表してもよいし、再開の旨を他の表現で間接的に表してもよい。再開画面はどのような画面であってもよい。また、再開画面から通常時の演出画面に復帰するとは、再開画面の表示終了直後から演出画面が表示される場合の他、再開画面の表示終了時から所定時間経過後に通常の演出画面を表示することも含む(例えば、復旧の処理の都合上、一時何も表示されない期間があってもよい。)。
再開画面(例えば、電源復旧画面など)は、電源供給再開時に表示開始されるもので、上記実施形態では、電源復旧指定コマンドによって表示が開始されているが、当該再開画面の表示は、電源復旧時コマンドとして送信される他のコマンドを受信したときに開始してもよい。また、再開画面の表示開始の契機となるコマンドは、電源復旧のときに主基板11から送信されるコマンドであればどのようなコマンド(1又は複数のコマンド)であってもよい。
特定表示の表示開始や表示終了、通常の演出画面への復帰など、各種の演出開始(通常の演出画面への復帰も含む。)又は終了の契機となる上記各種コマンドなど(第1開始コマンド、第2開始コマンド、第1終了コマンド、第2終了コマンド、特定コマンド、表示結果コマンド、状態コマンド、進行状況コマンドなど)は、複数のコマンドから構成されるものであってもよい。
電源復旧時コマンドとして第1図柄確定指定コマンドと第2図柄確定指定コマンドとのうちのどちら(又は両方)を送信するかは、電源復旧時(電源復旧時コマンド送信時)に決定してもよいし、電断時に決定してもよい。電源復旧時に決定する場合は、例えば、上記実施の形態のように、電断時に実行していない特図ゲーム(再開する特図ゲームでない特図ゲーム)を電源復旧時において特定し、特定した特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンド(第1特図ゲームなら第1図柄確定指定コマンド、第2特図ゲームなら第2図柄確定指定コマンド、両者なら両方のコマンド)を送信すると決定する。電断時に決定する場合には、電断時に実行していない特図ゲーム(復旧後に再開する特図ゲーム)に対応する図柄確定指定コマンドの種類を特定可能なデータ(コマンドを直接特定するデータ、実行中又は実行していない特図ゲームを特定するデータなど)をバックアップデータとしてRAM102に保存しておき、電源復旧時に当該バックアップデータに基づいて当該バックアップデータに対応した図柄確定指定コマンドを送信すると決定する(第1特図ゲームが実行されていない場合には第1図柄確定指定コマンドを送信すると決定し、第2特図ゲームが実行されていない場合には第2図柄確定指定コマンドを送信すると決定し、両者が実行されていない場合には両コマンドを送信すると決定する)。
また、可変表示結果として、「大当り」とは異なる「小当り」(特別表示結果)を用意してもよい。この場合には、乱数値MR1と比較される決定値の所定範囲が「小当り」に割り当てられていればよい。また、このような場合、変動開始時には、乱数値MR1と、表示結果の決定結果としての「大当り」に割り当てられた決定値の範囲(大当り範囲)と、の比較(大当り判定)を実行し、乱数値MR1が大当り範囲内でなければ、当該乱数値MR1と、表示結果の決定結果としての「小当り」に割り当てられた決定値の範囲(小当り範囲)と、の比較(小当り判定)を実行するようにしてもよい。一方で先読み判定時は、小当り判定を行ってから大当り判定を行うようにしてもよい。このように、先読み時と変動開始時とで判定順序を変えてもよい。変動開始時に小当り判定を先にやるとノイズなどで本来大当りであるのに、小当りと判定してしまうことがある。一方で、先読み判定時に大当り判定を先にやると、本当は「小当り」と判定すべきなのに「大当り」と判定として先読み予告をしてしまい問題がある。変動開始時は大当り判定を行ってから小当り判定を行い、先読み判定時は小当り判定を行ってから大当り判定を行うことで、この問題を解消できる。
また、大当り終了からの特図ゲームの実行回数に応じた実行回数コマンドを変動開始時又は終了時に送信するようにしてもよい。例えば、大当り終了から4回(一方の特図の保留記憶の上限値に対応している。)実行される特図ゲームの実行回数をカウントするように、最初の特図ゲームの開始時又は終了時にあと3回を示す実行回数コマンドを送信し、2回目の特図ゲームの開始時又は終了時にあと2回を示す実行回数コマンドを送信し、3回目の特図ゲームの開始時又は終了時にあと1回を示す実行回数コマンドを送信し、4回目以降の特図ゲームの開始時又は終了時には、当該実行回数コマンドを送信しないようにしてもよい。また、電源復旧時は、残り0回を示す実行回数コマンドを送信するようにしてもよい。このようにすることで、残り0回を示す実行回数コマンドを電源復旧時の専用コマンドとして利用できる。
また、主基板11は、大当り種別(大当りの種類)を決定して記憶するときに、決定された大当りの種類を示す数値に現在の遊技状態に応じた数値を演算(例えば加算)して記憶するようにしてもよい。例えば、大当り種別が「確変」のときの値を「1」、「非確変」のときの値を「10」として、低ベースを「1」、高ベースを「5」とする。そして、高ベース時の「確変」の大当りのときは、「1」+「5」で「6」を記憶し、低ベース時の「非確変」の大当りのときは、「1」+「10」で「11」を記憶する。これによって、後の処理において、記憶している値を見るだけで、遊技状態と大当り種別との両者を特定できる。
また、ラウンド数の異なる大当り遊技状態を複数用意した場合において、大当り遊技状態中の最後のラウンド遊技を特定可能なコマンドを用意してもよい。例えば、実際のラウンド数に係わらず最終ラウンドを示す値をEXTデータに設定した大入賞口開放指定コマンドを用意して、最終ラウンドの大入賞口の開放時には、当該大入賞口開放指定コマンドを送信するようにしてもよい。これによって、演出制御基板12側で最終ラウンドを容易に認識でき、最終ラウンドの表示なども容易にできる。
また、大当り遊技状態中と、それ以外のときとで、遊技球を打ち分けるようにしてもよく(例えば、大当り中は右打ちで、それ以外は左打ちなど)、この場合に、電力供給再開時において、復旧状態指定コマンドが大当たり中であることを示す場合に、電源復旧画面にて遊技球の打ち方(右打ちなど)を表示するようにしてもよい。
第4図柄や表示結果、領域5Fや5Gの円などを表示するレイヤーと他の演出画像を表示するレイヤーとを別とし、第4図柄などを表示するレイヤー(領域5Fや5Gの円や塗り潰された部分以外の部分を透明とするレイヤー)を他の演出画像を表示するレイヤーの上に重畳表示するようにしてもよい。復旧時の第4図柄は、特図ゲームが実行されていることなどを分かりやすく知らせるために、大きくしたり、色を変えたりして目立つようにしてもよい。また、第4図柄や表示結果を表示していないときの領域5Fや5Gに、何も表示しないようにしてもよく(上記レイヤーを透明とする。)、このような場合などでは、電源復旧時にどちらの特図に対応する第4図柄が表示されているか分からないことがあるので、第4図柄を表示するときにどちらの特図に対応した第4図柄であるかの情報を表示してもよい。例えば、第4図柄の色を異ならせたり、「1」又は「2」を第4図柄とともに表示したりする。特に電源復旧画面の背景が真っ暗のときには、どっちの特図に対応する第4図柄が表示されているか分からないことがあるので、上記表示が有用である。
この実施の形態では、クリアスイッチが押されたときなど、RAM102のデータがクリア(初期化)されるときには、電源復旧時コマンドの送信がないので、上記再開画面(電源復旧画面)は表示されないことになる。
また、通常、図柄確定指定コマンドを送信した場合、主基板11は、特図ゲームが1回実行されたことを示す情報を外部(ホールコンピュータなど)に出力するが、図柄確定指定コマンドを電源復旧時コマンドとして送信するとき、主基板11は、特図ゲームが1回実行されたことを示す情報を外部に出力しないようにする。これによって、特図ゲームの実行回数を正確に外部に出力できる(特図ゲームの実際の実行回数に対応した回数分、図柄確定指定コマンドを送信できる)。
復旧状態指定コマンドは、例えば、背景指定コマンドなどの遊技機の状態を示すコマンドで代用するようにしてもよい。
背景指定コマンド(状態コマンド)は、遊技状態、演出モード、背景などが切り替わるとき(例えば、切り替えタイミング時)に送信されるものであってもよい。
演出制御基板12側では、デモ表示開始指定コマンドを受信した直後からデモ表示を開始するのではなく、所定時間経過後にデモ表示を開始してもよい(タイマ割り込みごとにタイマ値を更新して所定のタイマ値になったらデモ表示を開始するなど)。
電源復旧フラグについての判定(ステップS161)は、演出制御プロセス処理(ステップS75)内で行うのではなく、電源復旧フラグがオン状態のときには、そもそもステップS75の処理を行わないようしてもよい。
電源復旧フラグがオンであっても(ステップS161;Noなど)、ステップS162の処理を実行するようにしてもよい(例えば、ステップS161とステップS162との順序を逆にするなど)。なお、この場合、電源復旧画面を表示している場合であっても、保留表示図柄が表示されることになる。このとき、電源復旧後に送信された特図保留記憶数指定コマンドに基づいて、当該コマンドに応じた数の保留表示図柄を表示すればよい。また、電源復旧時コマンドとして送信された背景指定コマンド(又は、確変モードフラグの状態など)に応じた保留表示図柄(演出モードに応じた図柄)を表示するようにしてもよい。また、保留表示図柄の表示態様(表示色)を変更することを、例えば、電源復旧画面表示を表示している期間(例えば、電源復旧フラグがオン状態のとき)中は制限するか、電源復旧後所定期間(例えば、一方の特図ゲームの保留記憶数の上限(例えば4)又は両方の特図ゲームの保留記憶数の上限の合計(例えば8)の回数分の特図ゲームが実行されるまで(例えば実行終了するまでの)の期間など)中は制限するようにしてもよい。なお、電源復旧画面を表示している期間中に保留表示図柄を変更するようにしてもよく、このような場合には、作用演出などは実行せずに、保留表示図柄の表示態様のみを、例えば特図ゲーム開始時などに変更するようにするとよい。
ステップS905、ステップS906、ステップS910、ステップS911などの処理を実行せずに、図柄確定指定コマンドを受信したときには、復旧状態指定コマンドの受信の有無や当該コマンドの内容によらず(つまり、パチンコ遊技機1の状態によらず)、表示結果指定コマンドに基づいて表示結果を表示するようにしてもよい。例えば、ステップS904(又はS909)のあと、ステップS907(又はS912)の処理を実行するようにする。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。