以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームとして、各々を識別可能な複数種類の特別識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する(つまり、特図の可変表示を実行する)。
例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。そして、可変表示の終了時には、可変表示結果として確定特別図柄(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)を停止表示することで、可変表示結果を導出表示(単に導出ともいう。)する。
なお、可変表示は、可変表示結果の導出表示を含む、つまり、可変表示は、可変表示結果が導出表示されると終了する(後述の飾り図柄、小図柄の可変表示なども同様)。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて導出表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。可変表示中の点灯パターンには、適宜LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、特別図柄とは異なる識別情報(各々を識別可能な複数種類の装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている(なお、これら表示エリアは、可変表示の進行に応じて画面上を移動可能になっている。)。そして、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(可変表示)(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果(確定特別図柄)が導出表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果(飾り図柄の可変表示の表示結果)となる確定飾り図柄(最終停止図柄)(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、その可変表示の終了時に可変表示結果(確定飾り図柄)を導出表示する。
また、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲーム、飾り図柄の可変表示に対応して、例えば、小図柄表示エリア5Kにて、特別図柄、飾り図柄とは異なる識別情報(各々を識別可能な複数種類の縮小識別情報)である小図柄の可変表示が実行される。
可変表示される小図柄は、可変表示される飾り図柄を縮小したものであり、飾り図柄に同期して可変表示される。この実施の形態では、図柄表示エリア5Kにて飾り図柄と同じ数の箇所(左、中(中央)、右)で小図柄の可変表示が実行される。小図柄図柄表示エリア5Kの「左」の位置で可変表示される小図柄は、「左」の飾り図柄表示エリア5Lでの飾り図柄の可変表示と同期して可変表示され、小図柄図柄表示エリア5Kの「中」のエリアで可変表示される小図柄は、「中」の飾り図柄表示エリア5Cでの飾り図柄の可変表示と同期して可変表示される。小図柄図柄表示エリア5Kの「右」の位置で可変表示される小図柄は、「右」の飾り図柄表示エリア5Rでの飾り図柄の可変表示と同期して可変表示される。
小図柄の可変表示の終了時にも可変表示結果(確定小図柄)が導出表示される。基本的には、小図柄と飾り図柄とでは可変表示結果が共通する。後述の特殊図柄が使用されるときのみ、飾り図柄と小図柄とで可変表示結果が異なる。小図柄の可変表示と飾り図柄の可変表示とは、変動しているとき(停止前)も同じ図柄が変動表示される。
なお、例えば特別図柄、飾り図柄、小図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄、小図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、実行が保留されている特図ゲームの数を特定可能とする表示が行なわれる。実行が保留されている特図ゲームは、未だ開始されていない特図ゲームであり、保留記憶として記憶される。この実施の形態では、特図ゲームを実行するための情報(後述の保留データなど)が記憶されることで、当該情報に対応する特図ゲームが保留記憶として記憶される。このため、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。また、表示エリア5Hで表示される特図ゲームの保留数を特定可能な表示のことを保留記憶表示ともいう。
特図ゲームの保留は、例えば、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞(第1始動入賞口での始動入賞を第1始動入賞といい、第2始動入賞口での始動入賞を第2始動入賞ということもある。)に基づいて発生する。すなわち、特図ゲーム(可変表示ゲーム)を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく特図ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する特図ゲームの保留が行われる。
例えば、第1始動入賞の発生により、第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞の発生により、第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図ゲームの実行が保留される。
第1特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
この実施の形態では、上記保留記憶表示を、保留されている特図ゲームと同じ個数の画像(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示画像ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示画像は、保留されている1つの特図ゲームに対応し、保留されている当該特図ゲームを示す。
第1特図ゲームに対応する保留表示画像(第1保留表示画像ともいう。)は、表示エリア5Hの左側の領域5Haに表示される。領域5Haには、第1保留表示画像の表示位置が複数設定されており、第1保留表示画像は、最も左の表示位置から順に左詰で表示される。
第2特図ゲームに対応する保留表示画像(第2保留表示画像ともいう。)は、表示エリア5Hの右側の領域5Hbに左詰で表示される。領域5Hbには、第2保留表示画像の表示位置が複数設定されており、第2保留表示画像は、最も左の表示位置から順に左詰で表示される。
なお、第1特図ゲーム実行時には、最も左の第1保留表示画像が消去される。このとき、その他の第1保留表示画像がある場合には、当該その他の第1保留表示画像それぞれは、左隣の表示位置にシフトされる。第2特図ゲーム実行時には、最も左の第2保留表示画像が消去される。このとき、その他の第2保留表示画像がある場合には、当該その他の第2保留表示画像それぞれは、左隣の表示位置にシフトされる。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、例えば、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態のときに通常開放状態となり、ソレノイド81がオン状態のときに通常開放状態よりも遊技球が第2始動入賞口に侵入しやすい拡大開放状態となるような構成であってもよい。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、第1可変状態と当該第1可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に侵入しやすい第2可変状態とに変化可能であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22A(図2参照)によって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22B(図2参照)によって検出される。
第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えばカウントスイッチ23(図2参照)によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)し、可変表示終了時に表示結果を導出表示(ここでは、停止表示によって行われる。)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、ゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図ゲームや第2特図ゲームを制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普図ゲームを制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作を行わせる機能、つまり、演出用の電気部品を制御して所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100となる1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、主基板11で使用される遊技用乱数と同様に、乱数回路124などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成され、前記パターンデータを組み合わせて構成され、後述の使用パターンとして設定される。また、そのまま演出制御パターンとなるパターンデータも記憶されており、当該パターンデータがそのまま使用パターンとなる演出制御パターンとして設定されることもある。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき)、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
例えば、演出制御用CPU120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部123に送信する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータを用いて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU120の制御(演出制御パターンなどに基づく制御)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、画像表示装置5に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される制御信号(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される制御信号(電飾信号)などが出力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU120の制御に基づいて表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示されることになる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9を点灯/消灯させたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過し、ゲートスイッチ21によって検出されたとき(ゲートスイッチ21がオンになったとき)には、この検出に基づいて、普通図柄表示器20にて普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。
普図ゲームでは、普通図柄の変動(可変表示)を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄、例えば「7」など)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄、例えば「−」など)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御(第2始動入賞口が閉鎖状態になる。)が行われる。
普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときなどに、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。また、普通図柄の可変表示期間(変動時間)も、普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入不可能である(この実施の形態では、高ベース状態のときに、第2始動入賞口が開放されやすい)。
第1特図ゲームが開始されるときや、第2特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンなどを指定するもの)の決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたとき(確定特別図柄が大当り図柄のとき)には、当該可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたとき(確定特別図柄がハズレ図柄のとき)には、当該可変表示結果が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「4」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間あるいは所定個数の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰返し実行される。
特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「確変A」、「確変B」、「突確」(突然確変)のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変A」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変B」となり、「4」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。
大当り種別が「確変A」、「確変B」の場合、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的長い第1時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。
大当り種別が「突確」の場合、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が短い第2時間(例えば0.5秒など)となる短期開放ラウンドが、2ラウンド(2回)などの所定回数分実行される。
大当り種別が「確変A」又は「確変B」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変A」のときの確変大当り遊技状態を「確変A大当り遊技状態」、大当り種別が「確変B」のときの確変大当り遊技状態を「確変B大当り遊技状態」ということもある。
大当り種別が「確変A」又は「確変B」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「確変A」のときの「大当り」を「確変A大当り」、大当り種別が「確変B」のときの「大当り」を「確変B大当り」、大当り種別が「突確」のときの「大当り」を「突確大当り」ということがある。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。
時短状態や確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
この実施の形態では、確変A大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、確変状態となるが時短状態にはならない。この実施の形態では、確変B大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。この実施の形態では、突確大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、この実施の形態では、突確大当り遊技状態のラウンド遊技の期間は、0.5秒など極端に短く設定されており、また、突確大当り遊技状態のラウンド数も少ない。このため、突確大当り遊技状態は、実質的に賞球は得られず、すぐに終了してしまう。しかし、突確大当り遊技状態の後に確変状態になるので、遊技者は、突確大当り遊技状態に制御されることがあると、突然確変状態が到来したように感じる。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。
例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
上記制御のように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5R、では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるときには、当該導出表示のタイミングに同期して、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が終了するとともに、可変表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)が導出表示(停止表示)される。また、確定特別図柄が導出表示されるときには、小図柄表示エリア5Kにおける3カ所での小図柄の可変表示も終了するとともに、可変表示結果となる確定小図柄(3つの小図柄の組合せ)が導出表示(停止表示)される。
飾り図柄の可変表示や小図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄や小図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄や小図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「6」を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出は、飾り図柄や小図柄の表示態様や変動態様を変化させたり、飾り図柄や小図柄とは別に画像表示装置5の画面上にキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄や小図柄とは別に動画像を再生表示させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。
この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)、及び、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。この実施の形態では、各リーチ演出が実行されたときの大当り期待度は、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。リーチ演出には、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などにおける点灯動作などによる演出が含まれていてもよい(他の演出についても同じ)。
大当り期待度は、例えば、特別図柄の可変表示結果が「大当り」(ここでは、「確変大当り」)となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」(「確変大当り」)となる割合でもある。以下では、特図ゲームの大当り期待度といった場合、当該大当り期待度は、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」(確変大当りのときの大当り組合せとなる「大当り」)となる割合をいう。
なお、飾り図柄や小図柄の可変表示中には、上記リーチ演出以外にも各種演出が行われる。例えば、後述の突確のチャンス目において特殊図柄を表示する演出や飾り図柄表示態様変化演出、可変表示中における飾り図柄の移動などを実行する(詳しくは後述する)。なお、飾り図柄の可変表示や小図柄の可変表示も演出の一種である。
特別図柄の可変表示結果が「確変大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、大当り種別が「確変A」か「確変B」かに応じて、停止表示される飾り図柄が異なってもよい。なお、小図柄の可変表示の可変表示結果は、飾り図柄の可変表示結果と一致する。
特別図柄の可変表示結果が「突確大当り」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示結果として、非リーチのチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非リーチチャンス目となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特別図柄の可変表示結果が「突確大当り」となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、上記大当り組合せとは異なるチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、リーチチャンス目となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。なお、チャンス目には、後述の特殊図柄が含まれることがある(小図柄のチャンス目には、特殊図柄は使用されない。)。小図柄の可変表示の可変表示結果は、飾り図柄の可変表示結果は一致するときと、一致しないとき(飾り図柄のチャンス目に後述の特殊図柄が使用されるとき)がある。
なお、この実施の形態では、突確大当り遊技状態中や、確変大当り遊技状態中にも、各種の演出が適宜行われる。例えば、突確大当り遊技状態中には、このあとの遊技状態が確変状態となることを報知する演出(但し、演出時間は短くなり、これによって、遊技者は、突然に確変となることが報知されるように感じる。)を行う。確変大当り遊技状態中には、大当り遊技状態が到来したことを報知する演出や、その後の遊技状態において時短状態が付くか否かを煽る(高確高ベースになるか高確低ベースになるかを煽る)バトル演出を実行する。
特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄や小図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示結果として、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非リーチ組合せ(上記非リーチチャンス目とは異なる組合せ)となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、飾り図柄や小図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、リーチハズレ組合せ(上記リーチチャンス目とは異なる組合せ)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。なお、小図柄の可変表示の可変表示結果は、飾り図柄の可変表示結果と一致する。
次に、主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。主基板11は、遊技の進行を制御する。そして、主基板11は、遊技の進行に応じて演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する。演出制御基板12は、主基板11から送信される演出制御コマンドに基づいて画像表示装置5などを制御する演出制御を実行することで各種演出を行う。このようなことによって、主基板11によって実行される遊技と、演出制御基板12によって実行される各種演出との同期が取られることになる。以下、図3に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特図の可変表示を開始するのか第2特図の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。変動開始指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示(特図ゲーム)や飾り図柄及び小図柄の可変表示についての変動パターン(特図や飾り図柄や小図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄や小図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、各変動パターン(詳しくは後述する。)に対応する数値が設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあってもよい。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、可変表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、当該コマンド中の「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変A大当り」なら「01」など)。表示結果指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄や小図柄の可変表示(変動)を終了するとともに表示結果を導出表示することを指定するものである。図柄確定指定コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンド95XX(H)は、現在の遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態に応じて可変表示中の演出モードが変更される(例えば、各演出モードでは、演出画像の背景が異なる。)。このため、当該遊技状態指定コマンドは、遊技状態を指定するものでもある。当該コマンド中の「XX」には、遊技状態(演出モード)に対応する数値が設定される(例えば、通常状態なら「00」、高確高ベース状態なら「01」など)。遊技状態指定コマンドは、遊技状態が変更され得るタイミング(大当り終了時、可変表示結果導出時など)、特図ゲーム開始時などに送信される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される演出であり、大当り遊技状態になったことを報知する演出などである。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される演出であり、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
なお、突確大当り遊技状態は、賞球が実質的に得られずにすぐに終了するので、突確大当り遊技状態時の演出は、ファンファーレ、エンディングを含めて、このあとの遊技状態が確変状態となることを報知する演出とする。突確大当り遊技状態時のファンファーレやエンディングも、確変大当り遊技状態のときと同様に、大当り遊技状態になったこと又は大当り遊技状態が終了することを報知する演出としてもよい。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを始動入賞指定コマンドと総称することがある。始動入賞指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞が発生して第1特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞が発生して第2特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数加算指定コマンド)である。これらコマンドを特図保留記憶数加算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数加算指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC200(H)は、第1特図ゲームが実行されることで第1特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2特図ゲームが実行されることで第2特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数減算指定コマンド)である。これらコマンドを特図保留記憶数減算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数減算指定コマンドは、特図ゲーム開始時に送信される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始(電断後の再開も含む。)されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって例えば遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定などを行う。
遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、例えば、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理を実行する。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定し、判定結果をRAM102の所定領域に格納する処理である。RAM102の所定領域に格納された判定結果は、後述の特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変A」、「確変B」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、詳しくは後述するが、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や、大当り種別や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理においてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果や変動パターン(変動時間などを指定するパターンなど)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行するとともに普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が「普図当り」の場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の開放状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンとなったか否かを判定する(ステップS201)。例えば、スイッチ処理において第1始動口スイッチ22Aがオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合などに第1始動口スイッチ22Aがオンとなっていると判定すればよい。第1始動口スイッチ22Aがオンとなっている場合(ステップS201;Yes)、第1特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンとなったか否かを判定する(ステップS204)。例えば、スイッチ処理において第2始動口スイッチ22Bがオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合などに第2始動口スイッチ22Bがオンとなっていると判定すればよい。第2始動口スイッチ22Bがオンとなっていると判定した場合(ステップS204;Yes)、第2特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入する第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(RAM102の所定領域に設けられる。)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図6(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図6(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第1特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(ここでは「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、このようにして、未だ開始されていない第1特図ゲーム(ここでは、この第1特図ゲームを実行するための数値データ)が保留記憶として記憶される。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第2特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(ここでは「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、このようにして、未だ開始されていない第2特図ゲーム(ここでは、この第2特図ゲームを実行するための数値データ)が保留記憶として記憶される。
その後、始動入賞時コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。ステップS211では、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であれば、始動入賞時コマンドとして、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行い、始動口バッファ値が「2」であれば、始動入賞時コマンドとして、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行う。
ステップS211の入賞時乱数値判定処理のあと、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値(始動口バッファ値)を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値(始動口バッファ値)を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図7は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、現在が非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)には、図8(A)に示す第1特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、現在が確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)には、図8(B)に示す第2特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。各特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図8に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR1を示す数値データに基づいて、使用テーブルとしてセットした第1又は第2特図表示結果決定テーブルを参照し、参照する第1又は第2特図表示結果決定テーブルにおいて乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」又は「ハズレ」を今回の特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)として決定すればよい。乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグ(RAM102に設けられ、確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合(確変状態のとき)には、第2特図表示結果決定テーブルを参照して特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、第1特図表示結果決定テーブルを参照して特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図8に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変A」又は「確変B」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、現在が確変状態であるときには、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
その後、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、変動特図指定バッファ値が「1」のとき(これから実行する特図ゲームが第1特図ゲームのとき)は、図9(A)に示す第1大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。CPU103は、例えば、変動特図指定バッファ値が「2」のとき(これから実行する特図ゲームが第2特図ゲームのとき)は、図9(B)に示す第2大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。
各大当り種別決定テーブルでは、例えば、図9に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「確変A」、「確変B」、「突確」に割り当てられていればよい。但し、第2大当り種別決定テーブルでは、決定結果として「突確」はない。つまり、第2特図ゲームのときには、「突確大当り」が発生しない。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照し、参照する大当り種別決定テーブルにおいて乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた「確変A」、「確変B」、「突確」のいずれかを今回の大当り種別として決定すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、前で決定した大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「確変A」の場合には「0」、「確変B」の場合には「1」、「突確」の場合には「2」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合(大当りフラグがオフ状態のとき)には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(例えば、「−」)を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合(大当りフラグがオン状態のとき)には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれか(例えば、「確変A大当り」のときは「3」、「確変B大当り」のときは「7」、「突確大当り」のときは「4」)を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、ステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)の開始を指定する演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示開始指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、デモ表示開始指定コマンドが送信されてくると、デモ画面表示を行う。
図4のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。図10は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、大当り用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を参照して大当り時変動パターンを決定する(ステップS262)。大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、ハズレ用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を参照してハズレ時変動パターンを決定する(ステップS263)。
図12は、本実施形態における変動パターンの具体例を示している。この実施の形態では、ハズレ時変動パターン(可変表示結果が「ハズレ」となるときに選択される変動パターン)として、変動パターンPA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4が用意されている。また、確変大当り時変動パターン(可変表示結果が「確変大当り」となるときに選択される変動パターン)として、変動パターンPB3−2〜PB3−4が用意されている。また、突確大当り時変動パターン(可変表示結果が「突確大当り」となるときに選択される変動パターン)として、変動パターンPC1−1、PC3−2が用意されている。
ハズレ時変動パターンのうちの変動パターンPA1−1、PA2−1は、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならず、可変表示結果が非リーチ組合せになること)を指定する非リーチ変動パターンである。変動パターンPA2−1は、特図変動時間が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)の非リーチ変動パターンである。ハズレ時変動パターンのうちの変動パターンPA3−2〜PA3−4は、リーチ(可変表示態様がリーチ態様になって、可変表示結果がリーチハズレ組合せになること)を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。
確変大当り時変動パターンのうちの変動パターンPB3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。
突確大当り時変動パターンのうちの変動パターンPC1−1は、非リーチチャンス目(可変表示態様がリーチ態様にならないが、可変表示結果がチャンス目になること)を指定する非リーチチャンス目変動パターンである。変動パターンPC3−2は、ノーマルの実行及びリーチチャンス目(可変表示態様がリーチ態様になり、可変表示結果がチャンス目になること)を指定するリーチチャンス目変動パターンである。
なお、この実施の形態では、上記変動パターンのうち、変動パターンPA1−1と、変動パターンPC1−1とは、対応した変動パターンとなっており、可変表示の開始から途中(例えば可変表示結果の導出直前)までは同じ演出が実行可能になっている。これによって、前記途中のタイミングまでは、可変表示結果が「ハズレ」になるか、「突確大当り」になるかが分からないようになっている。同様に、変動パターンPA3−2と、変動パターンPB3−2と、変動パターンPC3−2とは、対応した変動パターンとなっており、可変表示の開始から途中(例えば可変表示結果の導出直前)までは同じ演出が実行可能になっている。これによって、前記途中のタイミングまでは、可変表示結果が「ハズレ」になるか、「突確大当り」になるか、「確変大当り」になるかが分からないようになっている。同様に、変動パターンPA3−3と、変動パターンPB3−3とは、対応した変動パターンとなっており、変動パターンPA3−4と、変動パターンPB3−4とは、対応した変動パターンとなっており、可変表示の開始から途中(例えば可変表示結果の導出直前)までは同じ演出が実行可能になっている。これによって、前記途中のタイミングまでは、可変表示結果が「ハズレ」になるか、「確変大当り」になるかが分からないようになっている。
ステップS262では、例えば、図12に示す大当り用変動パターン決定テーブルが参照される。具体的には、ステップS243で記録した大当り種別(大当り種別バッファ設定値によって特定すればよい)が、「確変A」又は「確変B」の場合(非突確のとき)には、図12(A)の第1大当り用変動パターン決定テーブルが参照され、「突確」の場合には、図12(B)の第2大当り用変動パターン決定テーブルが参照される。
図12に示すように、各大当り用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果となる確変大当り時変動パターンのいずれか(変動パターンPB3−2〜PB3−4のいずれか)又は突確大当り時変動パターンのいずれか(変動パターンPC1−2、PC3−2のいずれか)に割り当てられていればよい。
ステップS262において、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、第1大当り用変動パターン決定テーブル又は第2大当り用変動パターン決定テーブルを参照し、参照する大当り用変動パターン決定テーブルにおいて乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンのいずれかを今回の大当り時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
なお、図12では、決定値の範囲の代わりに決定割合が記載されている。実際のテーブルでは、図12の決定割合に応じた範囲の決定値が各変動パターンに対して割り当てられていればよい。例えば、図12(A)であれば、変動パターンPB3−2の決定割合は10/100で、変動パターンPB3−3の決定割合は20/100で、変動パターンPB3−4の決定割合は70/100なので、変動パターンPB3−2には乱数値MR3と比較される決定値1〜10(10%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−3には乱数値MR3と比較される決定値11〜30(20%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−4には乱数値MR3と比較される決定値31〜100(70%の範囲)が割り当てられる。このようなことは、決定割合を記載した他のテーブルや後述の決定例についても同様である。
ステップS263では、現在の遊技状態が非時短状態の場合(時短フラグがオフ状態の場合)には、例えば、図13(A)に示す第1ハズレ用変動パターン決定テーブルを参照する。現在の遊技状態が時短状態の場合(時短フラグがオン状態の場合)には、例えば、図13(B)に示す第2ハズレ用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットする。時短フラグは、時短状態のときにオン状態になるフラグであり、RAM102の所定領域に設けられている。
図13に示すように、第1〜第2ハズレ用変動パターン決定テーブルでは、例えば、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果となるハズレ時変動パターンのいずれか(変動パターンPA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか、又は、変動パターンPA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか)に割り当てられていればよい。
ステップS263において、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットされた第1又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルのいずれかを参照し、参照する第1又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルにおいて乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンのいずれかを今回のハズレ時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図13に示すハズレ用変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときに特図変動時間の短い変動パターンPA2−1が選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
図12及び図13を参照すると、確変大当り時には、スーパーリーチBを実行する変動パターンPB3−4、スーパーリーチAを実行する変動パターンPB3−3、ノーマルリーチを実行する変動パターン(ノーマルリーチからスーパーリーチに発展しない変動パターン)PB3−2の順に決定割合が高い(図12参照)。ハズレ時における各変動パターンの決定割合の高低はその逆になっている。このようなことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」(ここでは、「確変大当り」)となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
ステップS262又はS263を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される(可変表示終了時)までの所要時間である。特図変動時間は、各変動パターンによって指定され(図11参照)、CPU103は、ステップS262又はS263の処理で選択した変動パターンが指定する特図変動時間を設定することにより、特別図柄、飾り図柄、及び、小図柄の可変表示の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。
一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。
なお、CPU103は、第1特図ゲームを開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。また、CPU103は、第2特図ゲームを開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
その後、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS271)。
例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合、第1特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(今回の変動パターンを指定するコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示す指定コマンド)、遊技状態指定コマンド(現在の遊技状態(時短フラグ及び確変フラグによって特定できる。)に応じたコマンド)、第1特図保留記憶数減算指定コマンドを順次送信するための送信設定を行う。
他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合、第2特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(今回の変動パターンを指定するコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示す指定コマンド)、遊技状態指定コマンド(現在の遊技状態に応じたコマンド)、第2特図保留記憶数減算指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。
上記各コマンドは、このあとのコマンド制御処理にて1回のタイマ割り込みで順次送信される。
ステップS271の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS272)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS272にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、ステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。
特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する。例えば、ステップS111で初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図又は第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。
一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定した確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。
特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。
大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として、大当り種別が「確変A」又は「確変B」のときは「15」、大当り種別が「突確」のときは「2」を設定する。大当り種別は、大当り種別バッファ設定値によって特定すればよい。その後、当り開始指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、ここで、遊技状態は変更される場合があるので、遊技状態指定コマンドを送信設定してもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合(可変表示結果が「ハズレ」の場合)には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、確変フラグの状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。
この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。
減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。
減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒又は0.5秒)に対応するタイマ初期値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。前記上限は、大当り種別が「確変A」又は「確変B」のときに「29秒」、大当り種別が「突確」のときに「0.5」となる。大当り種別は、大当り種別バッファ設定値によって特定すればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。
この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理においてカウントスイッチ23がオンしたと判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間、なお、大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて閉鎖期間を異ならせてもよい。)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新され、大当り開放中処理を終了する。
1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。
タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。
この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒(「確変A」又は「確変B」のとき)又は0.5秒(「突確」のとき))に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。
1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、CPU103は、大当り種別バッファ設定値に基づいて、今回の「大当り」の大当り種別が「確変A」、「確変B」、「突確」を特定し、「確変A」であれば、確変フラグのみをオン状態とする(時短回数カウンタのカウント値は「0」のままとし、時短フラグもオフ状態のままとする。)。
今回の「大当り」の大当り種別が「確変B」、「突確」であれば、確変フラグ及び時短フラグをオン状態とし、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。これによって、大当り種別が「確変A」のときの「確変A大当り遊技状態」のあとの遊技状態は、高確低ベース状態となり、大当り種別が「確変B」のときの「確変B大当り遊技状態」のあとの遊技状態は、高確高ベース状態となり、大当り種別が「突確」のときの「突確大当り遊技状態」のあとの遊技状態は、高確高ベース状態となる(図9参照)。
時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定した後は、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
なお、上記一連の処理において、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の可変表示等が終了したことになるので、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値、各種フラグの状態などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、例えば、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、演出制御メイン処理とは別に実行されるタイマ割込処理にて、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、所定時間(例えば、画像表示装置5の画像の表示周期に対応した33ms)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。このため、後述のコマンド解析処理や演出制御プロセス処理などは、タイマ割り込みが発生するごと(33msごと)に実行されることになる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。
演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。
演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。
その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている演出制御コマンドを読み出して解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド(上記コマンド解析処理で解析されたコマンド)等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理を実行する。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
次に、コマンド解析処理について説明する。コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。なお、演出制御コマンド受信用バッファに複数の受信コマンドが格納されているときには、各受信コマンドについて解析などを行う。
図14に、解析によって特定された演出制御コマンド(演出制御コマンド名)と、その演出制御コマンドに対応する処理内容と、の関係を示す。なお、図14における各コマンド受信フラグ及び各コマンド格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、各コマンド受信フラグをセットするとは、当該フラグをオン状態にすることである。なお、各コマンド受信フラグの状態や各コマンド格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい(フラグの状態やコマンドを確認する必要がもうなくなったタイミングでリセット又は消去されればよい。)。
また、図14に示すように、コマンド解析処理では、遊技状態指定コマンドの受信時には、当該遊技状態指定コマンドが指定する遊技状態に応じて、高確フラグ(高確時にオンとなるフラグであり、RAM122の所定領域に設けられる。)の状態や高ベースフラグ(高ベース時にオンとなるフラグであり、RAM122の所定領域に設けられる。)の状態を切り替える。遊技状態指定コマンドが確変状態を指定している場合には、高確フラグをオン状態とする(すでにオン状態であれば、その状態を維持する)。遊技状態指定コマンドが時短状態を指定している場合には、高ベースフラグをオン状態とする(すでにオン状態であれば、その状態を維持する)。
また、コマンド解析処理にて解析されたコマンドが第1特図保留記憶数加算指定コマンドであったときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって、表示エリア5Hの領域5Haに第1保留表示画像を新たに表示させる処理を行う。コマンド解析処理にて解析されたコマンドが第2特図保留記憶数加算指定コマンドであったときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって、表示エリア5Hの領域5Hbに第2保留表示画像を新たに表示させる処理を行う。このようなことによって、第1始動入賞の発生に基づいて第1特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第1保留表示画像が1つ増やされる。また、第2始動入賞の発生に基づいて第2特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第2保留表示画像が1つ増やされる。
次に演出制御プロセス処理を説明する。図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS171〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS171の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。
この可変表示開始待ち処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。なお、当該判定は、コマンド解析処理にて制御される変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態になっているか否かによって判定すればよい。このようなことは、他のコマンドの受信確認についても、例えば、受信確認の対象のコマンドに対応する受信フラグの状態に基づいて行えばよい。なお、各受信確認後は、各受信フラグ(変動開始指定コマンド受信フラグを含む。)を適宜のタイミングでオフするとよい。
変動開始指定コマンドを受信している場合(第1又は第2変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態の場合)、特図ゲームの開始に同期して飾り図柄、小図柄の可変表示を開始するため、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから、可変表示開始待ち処理は終了する。
変動開始指定コマンドを受信していない場合、可変表示開始待ち処理はそのまま終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図16は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、今回の可変表示の可変表示結果が「突確大当り」であるか否かを判定する(ステップS311)。可変表示結果は、主基板11から送信され表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドに基づいて特定すればよい(以下同じ。)。
「突確大当り」のときには(ステップS311;Yes)、今回の可変表示の変動パターン(今回の変動パターン)に応じて最終停止図柄を決定する(ステップS312)。変動パターンは、主基板11から送信され変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドに基づいて特定すればよい(以下同じ。)。
ステップS312では、図17に示すように、今回の変動パターンがPC1−1(非リーチの場合)の場合には、「1 2 3」の非リーチチャンス目を、今回実行する飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示の最終停止図柄(確定小図柄、確定飾り図柄)として決定する。今回の変動パターンがPC3−2(リーチの場合)の場合には、「6 4 6」のリーチチャンス目を、今回実行する飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示の最終停止図柄(確定小図柄、確定飾り図柄)として決定する。
ステップS312のあとは、チャンス目からなる確定飾り図柄として特殊図柄を使用するか否か(チャンス目を、特殊図柄を有するチャンス目とするか否か)を決定する(ステップS313)。ステップS313では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される特殊図柄の使用有無の決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR1に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された特殊図柄使用決定テーブルを参照して特殊図柄の使用の有無を決定する。
特殊図柄使用決定テーブルでは、例えば、乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「特殊図柄使用有り」又は「特殊図柄使用無し」に割り当てられていればよい(各決定結果に割り当てられる決定値の範囲は、ここでは、図18のような決定割合を実現するような範囲とする)。
演出制御用CPU120は、特殊図柄使用決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR3に合致する決定値に割り当てられた決定結果が「特殊図柄使用有り」であるときには、特殊図柄を使用すると決定し、割り当てられた決定結果が「特殊図柄使用無し」であるときには、特殊図柄を使用しないと決定する。図18に示すように、この実施の形態では、特殊図柄が使用されることが多い。
ステップS313のあと、演出制御用CPU120は、ステップS313で特殊図柄を使用するか否かを判定し(ステップS314)、使用する場合(ステップS314;Yes)、ステップS312で決定した飾り図柄のチャンス目のうち、「中」の飾り図柄を特殊図柄に差し替える処理を行う(ステップS315)。なお、小図柄については、この差し替えを行わない。
確定飾り図柄がリーチチャンス目であるときには、図19のように、リーチチャンス目の確定飾り図柄(「6 4 6」)のうち、「中」の飾り図柄(ここでは、「4」)を「突確」の「突」の字をロゴ化した特殊図柄に差し替える処理を行う。確定飾り図柄が非リーチチャンス目であるときには、図示はしないが、非リーチチャンス目からなる最終飾り図柄(「1 2 3」)のうち、「中」の飾り図柄(ここでは、「2」)を「突確」の「突」の字をロゴ化した特殊図柄(例えば、図19(B)と同じ図柄。)に差し替える処理を行う。なお、ここでは、特殊図柄も飾り図柄の1つとし、差し替え後の確定飾り図柄(停止表示される飾り図柄の組合せ)も突確時のチャンス目の1つとする。
今回の可変表示結果が「突確大当り」でないときには(ステップS311;No)、演出制御用CPU120は、今回の変動パターン、可変表示結果に応じて最終停止図柄を決定する(ステップS316)。
例えば、可変表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA2−1)であるときには、非リーチ組合せとなる最終停止図柄を確定飾り図柄及び確定小図柄として決定する(図柄の組合せは、小図柄と飾り図柄で共通)。非リーチ組合せは、上記非リーチチャンス目とは異なるものとする。可変表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンが、「リーチ」を指定するリーチ変動パターン(PA3−2〜PA3−4)であるときには、リーチハズレ組合せとなる最終停止図柄の組合せを確定飾り図柄及び確定小図柄として決定する(図柄の組合せは、小図柄と飾り図柄で共通)。リーチハズレ組合せは、上記リーチチャンス目とは異なるものとする。可変表示結果が「確変大当り」であり、変動パターンが、「リーチ」を指定するリーチ変動パターン(PB3−2〜PB3−4)であるときには、大当り組合せとなる最終停止図柄を確定飾り図柄及び確定小図柄として決定する(図柄の組合せは、小図柄と飾り図柄で共通)。なお、この実施の形態では、大当り組合せは、「6 6 6」とする。飾り図柄や小図柄の停止順序は、「左」→「右」→「中」なので、上記リーチハズレ組合せやリーチチャンス目となる前のリーチ状態で停止される「左」及び「右」の飾り図柄及び小図柄は「6」になる(図28参照)。
各確定飾り図柄及び確定小図柄の組合せ(特に非リーチ組合せ及びリーチハズレ組合せ)は、固定であってもよいが、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値と、ROM121に予め記憶された決定用テーブルとを用いて、予め用意された確定飾り図柄及び確定小図柄(停止図柄の組合せ)からランダムに決定するとよい。
ステップS315又はS316のあと、特殊図柄の使用が無い場合(ステップS314;No)、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンがリーチの実行を指定しているか(変動パターンが、PA3−2〜3−4、PB3−2〜PB3−4、PC3−2のいずれかであるか)を判定する(ステップS323)。今回の変動パターンがリーチの実行を指定している場合(ステップS323;Yes)、飾り図柄表示態様変化演出の実行の有無を決定する(ステップS324)。飾り図柄表示態様変化演出は、飾り図柄の表示態様を変化させる演出である。この実施の形態では、飾り図柄表示態様変化演出は、停止中の飾り図柄を回転させることで表示態様を変化させる演出である(図26参照)。飾り図柄表示態様変化演出は、リーチ成立後に実行される。
ステップS324では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される飾り図柄表示態様変化演出の実行有無の決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR2に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された飾り図柄表示態様変化演出実行決定テーブルを参照して飾り図柄表示態様変化演出の実行の有無を決定する。
飾り図柄表示態様変化演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、今回の可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる範囲(ここでは、図20の決定割合を実現する数値範囲)で、決定結果となる「実行有り」又は「実行無し」に割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、飾り図柄表示態様変化演出実行決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR2に合致する決定値に、今回の可変表示結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行有り」であるときには、飾り図柄表示態様変化演出を実行すると決定し、今回の可変表示結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行無し」であるときには、飾り図柄表示態様変化演出を実行しないと決定する。
図20に示すように、飾り図柄表示態様変化演出は、可変表示結果が「大当り」のときの方が、「ハズレ」のときよりも実行されやすくなっており、飾り図柄表示態様変化演出が実行されるときは、当該演出が実行されないときよりも、大当り期待度(確変大当りの期待度)が高い。
ステップS324のあと、又は、今回の変動パターンがリーチの実行を指定していない場合(ステップS323;No)、変動パターン、遊技状態、上記決定結果、初期出目などを反映した演出制御パターンの設定を行う(ステップS325)。遊技状態は、高確フラグ及び高ベースフラグによって特定すればよい。ここで設定する演出制御パターンは、例えば、今回の変動パターンで指定された可変表示や各種演出(リーチ演出を含む。)などを、遊技状態に応じた演出モード(背景など)で実行し、飾り図柄表示態様変化演出を実行する場合には、飾り図柄表示態様変化演出を実行することを実現するパターンである。そして、前記の今回の変動パターンで指定された可変表示は、例えば、現在設定されている初期出目(後述の処理で設定されるが、電源投入直後は、予め設定された初期出目を使用すればよい。)で可変表示を開始し、最後に前記で決定した最終停止図柄(特殊図柄への差し替えがあったときには、差し替え後のチャンス目)を導出する飾り図柄や小図柄の可変表示である。
ステップS325のあとには、演出制御用CPU120は、例えば今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマに初期値として設定する(ステップS326)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄、小図柄の変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS327)。このときには、例えばステップS538にて使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて現在設定されている前記初期出目から飾り図柄の変動を開始させたり、小図柄表示エリア5Kにて現在設定されている前記初期出目から小図柄の変動(「左」、「中」、「右」それぞれでの変動)を開始させたりする(このとき、各種演出や背景表示も開始するようにしてもよい。)。
その後、保留表示画像の表示の更新設定を行う(ステップS328)。例えば、第1特図保留記憶数減算指定コマンドを受信しているときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって、表示エリア5Hの左の領域5Haの最も左の第1保留表示画像を消去し、他の第1保留表示画像それぞれを左隣の表示位置にシフトさせる(第1保留表示画像が一つのときは、当該第1保留表示画像の消去のみが行われる。)。例えば、第2特図保留記憶数減算指定コマンドを受信しているときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって、表示エリア5Hの右の領域5Hbの最も左の第2保留表示画像を消去し、他の第2保留表示画像それぞれを左隣の表示位置にシフトさせる(第2保留表示画像が一つのときは、当該第2保留表示画像の消去のみが行われる。)。
その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS329)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図21は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、今回の変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、現在が小図柄強調表示期間であるかを判定する(ステップS552)。当該期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。この実施の形態では、変動しているときや停止しているときの小図柄の表示態様としては、通常の通常表示態様と、小図柄を目立たせた強調表示態様とがあり(図25等参照)、当該期間は、小図柄の表示態様を強調表示態様で表示する期間である。小図柄強調表示期間は、飾り図柄を確認しにくいときや小図柄を確認しにくいときの期間であり、具体的には、飾り図柄表示態様変化演出の実行期間(図27参照。このときは、飾り図柄の表示態様が変化しており飾り図柄を確認しにくい。)や、変動又は停止している小図柄の表示領域と、変動又は停止している飾り図柄の表示領域とが重なる期間などがある(飾り図柄と小図柄とが重畳する期間(図27参照))。これら期間において小図柄を強調表示することで、小図柄で可変表示の進行を確認できる。なお、小図柄強調表示期間は、スーパーリーチの期間は除かれる(後述のように、スーパーリーチを目立たせる等のため)(図27参照)。
現在が小図柄強調表示期間である場合(ステップS553;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって小図柄の表示態様を強調表示態様にする演出動作制御を行う。なお、小図柄強調表示期間以外では、通常表示態様で、変動又は停止している小図柄を表示するように、演出制御用CPU120は動作する。
ステップS553のあと、現在が小図柄強調表示期間でない場合(ステップS553;No)、演出制御用CPU120は、現在が飾り図柄表示態様変化演出(図26参照)を実行するための飾り図柄表示態様変化演出実行期間であるかを判定する(ステップS554)。当該実行期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該実行期間である場合(ステップS554;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、現在設定されている演出制御パターンに含まれる、飾り図柄表示態様変化演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データなど)のうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに基づいて、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって演出画像(飾り図柄の表示態様を変化させる演出画像)を画像表示装置5に表示させる演出動作制御を行う(ステップS555)。なお、このとき、演出制御実行データに従って、音声制御基板13に対する所定の制御信号(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する所定の制御信号(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9などに点灯/消灯駆動を行なわせることといった演出動作制御を行ってもよい。タイマ割り込み毎にステップS555が繰り返し実行されることで、飾り図柄表示態様変化演出の実行が実現される。
ステップS555のあと、現在が飾り図柄表示態様変化演出実行期間でない場合(ステップS554;No)、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出実行期間であるかを判定する(ステップS556)。当該実行期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該実行期間である場合(ステップS556;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、現在設定されている演出制御パターンに含まれる、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)のうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに基づいて、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって演出画像(リーチ演出の画像)を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する所定の制御信号(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する所定の制御信号(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9などに点灯/消灯駆動を行なわせることといった、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS557)。タイマ割り込み毎にステップS557が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現される。
ステップS557のあと、又は、リーチ演出実行期間でない場合(ステップS556;No)、演出制御用CPU120は、現在設定されている演出制御パターンに従ったその他の演出動作制御(例えば、飾り図柄や小図柄の可変表示を実行するための演出動作制御など)を行う(ステップS558)。ステップS558のあと、可変表示中処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(対応する受信フラグがオンであるか否かなど)を判定する(ステップS571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合(対応する受信フラグがオンのときなど)には(ステップS571;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示や小図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS572)。最終停止図柄は、ステップS171で決定した確定飾り図柄(特殊図柄の差し替え処理が行われたときには特殊図柄を含むチャンス目となる確定飾り図柄)と、ステップS171で決定した確定小図柄(特殊図柄への差し替えはない。)と、である。なお、導出表示の制御内容は例えば演出制御パターンにて規定されていればよいが、例えば最終停止図柄のデータをRAM122に保持しておき、保持したデータに基づいて最終停止図柄を導出表示してもよい。ステップS572のあとには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS574)、可変表示中処理を終了する。
タイマ割り込み毎にステップS172が繰り返し実行されることで、飾り図柄の可変表示、小図柄の可変表示、リーチ演出などの各種演出の実行が実現する(図26〜29の演出など)。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。図22は、特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。
特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドの受信があったか否か(対応する受信フラグがオンであるか否かなど)を判定する(ステップS602)。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合(対応する受信フラグがオンであるときなど)には(ステップS602;Yes)、今回の可変表示結果が「確変大当り」であるか否かを判定する(ステップS603)。
今回の可変表示結果が「確変大当り」である場合には(ステップS603;Yes)、確変の種類に応じた大当り中演出の実行設定を行う(ステップS604)。当該大当り中演出は、確変大当り遊技状態中に実行される演出のうちファンファーレ開始からエンディングの前までの演出である。当該大当り中演出は、大当り遊技状態が到来したことを報知する演出(ファンファーレ)と、その後の遊技状態において時短状態が付くか否かを煽る(高確高ベースになるか高確低ベースになるかを煽る)バトル演出(図29参照)とから構成される。ステップS604では、今回の可変表示結果における確変の種類が「確変A」のとき(その後に高確低ベースになるとき)には、バトル演出にて最終的に味方キャラクタが負けて、時短状態が付かないことを報知する大当り中演出の実行設定がなされ、確変の種類が「確変B」のとき(その後に高確高ベースになるとき)には、バトル演出にて最終的に味方キャラクタが勝ち、時短状態が付くことを報知する大当り中演出の実行設定がなされる。
今回の可変表示結果が「確変大当り」でない場合には(ステップS603;No)、突確の大当り中演出の実行設定を行う(ステップS605)。当該大当り中演出は、大当り遊技状態中に実行される演出のうちファンファーレ開始からエンディングの前までの演出であり、このあとの遊技状態が確変状態となることを報知する演出である。
ステップS604及びS605での大当り中演出の実行設定では、例えば、上記大当り中演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定し、使用パターンとして設定した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS604及びS605のあとは、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には(ステップS602;No)、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する(ステップS607)。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。
1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので(ステップS607;No)、そのまま本処理を終了する。
1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので(ステップS607;Yes)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、ステップS572で導出表示した最終停止図柄(例えば、最終停止図柄の決定時や導出表示時に最終停止図柄の情報をRAM122に保持し、保持した情報に基づいて最終停止図柄を特定するとよい。)を次回実行される可変表示の初期出目(ステップS325で使用される。)として設定し(ステップS608)、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し(ステップS609)、本処理を終了する。
なお、ステップS608では、例えば、最終停止図柄の情報をRAM122に保持することで、初期出目を設定する。ステップS325では、保持された情報を参照することで、初期出目を特定できる。このようなことは、他のタイミングでの初期出目の設定でも同様である。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。
当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、演出動作制御(表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する所定の制御信号(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する所定の制御信号(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9などに点灯/消灯駆動を行なわせることなど。以下同じ)を行う。
当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。
なお、上記更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして設定し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。エンディングの演出制御パターンは、予め設定されていればよい。
例えば、突確大当りのときのエンディングの演出制御パターンとして、大当り中演出とエンディングとで一連の演出(このあとの遊技状態が確変状態となることを報知する演出)となるようなエンディングを実行する演出制御パターンを用意する。例えば、確変大当りのときのエンディングの演出制御パターンとして、大当り遊技状態が終了する旨を報知するエンディングを実行する演出制御パターンを用意する。なお、バトル演出がエンディング期間内にまで続くようにしてもよく、バトル演出の結果(味方キャラクタの勝ち負け(時短状態が付くか否か))を報知するようにしてもよい(この場合には、例えば、確変の大当り中演出の演出制御パターンについては、確変の種類によらず1つとし、エンディングの演出制御パターンを確変の種類に応じて複数用意して選択するようにすればよい)。
タイマ割り込み毎にステップS174(特に上記演出動作制御)が繰り返し実行されることで、ステップS173で実行設定した大当り中演出の実行が実現する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。図22は、エンディング処理の一例を示すフローチャートである。
エンディング処理において、演出制御用CPU120は、エンディング実行期間が経過したかを判定する(ステップS601)。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、エンディング期間が経過したかを判定する。
前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードでなく、エンディング実行期間が経過していない場合(ステップS701;No)、使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、前記で1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、エンディングの演出動作制御を行い(ステップS707)、本処理を終了する。
前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであり、エンディング実行期間が経過した場合(ステップS701;Yes)、今回の可変表示結果が「確変大当り」であるかを判定する(ステップS702)。
可変表示結果が「確変大当り」であるときは(ステップS702;Yes)、可変表示結果の確変の種類に応じた出目を次回実行される可変表示の初期出目として設定する(ステップS703)。ステップS703では、演出制御用CPU120は、可変表示結果の大当り種別が「確変A」のとき(「確変A大当り」のとき)には、初期出目として、「3
4 5」を設定し、可変表示結果の大当り種別が「確変B」のとき(「確変B大当り」のとき)には、初期出目として、「5 4 3」を設定する(図24参照)。
可変表示結果が「確変大当り」でないときは(ステップS702;No)、ステップS572で導出表示した最終停止図柄(例えば、最終停止図柄の決定時や導出表示時に最終停止図柄の情報をRAM122に保持し、保持した情報に基づいて最終停止図柄を特定するとよい。)を次回実行される可変表示の初期出目(ステップS325で使用される。)として設定する(ステップS704)。
ステップS703又はS704のあと、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し(ステップS605)、本処理を終了する。
タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、当り中処理で実行設定されたエンディングの演出の実行が実現する。
なお、上記一連の処理において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
なお、突確大当り遊技状態時の演出(ファンファーレやエンディングを含んで、このあとの遊技状態が確変状態となることを報知する一連の演出)は、突確大当り遊技状態自体の期間が短いため、すぐに終了する演出となる。非確変状態時に「突確大当り」が発生したときには、この演出が実行されることによって、遊技者は、突然確変到来したと認識し、確変状態時に「突確大当り」が発生したときには、この演出が実行されることによって、遊技者は、確変継続したと認識する。なお、突確大当り遊技状態時の演出は、「確変大当り」の発生時の遊技状態が非確変状態であるか確変状態であるかに応じて異なる演出としてもよい(例えば、高確フラグ及び高ベースフラグによって特定する)。「確変大当り」の発生時の遊技状態が非確変状態であったときには、突確大当り遊技状態時の演出を突然確変状態が開始する旨を報知する演出とし、「確変大当り」の発生時の遊技状態が確変状態であったときには、突確大当り遊技状態時の演出を確変状態が継続する旨を報知する演出としてもよい。
次にこの実施の形態で実現される可変表示中の演出画面や演出の実行タイミングなどを、図25〜27を参照して説明する。なお、図の画像表示装置5の表示領域内の下向きの太線矢印は、図柄が変動していることを示す(以下、他の図でも同じ。)。
特図ゲーム(図25では第1特図ゲーム)の開始により、飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示が開始される(図25(A))。なお、変動中(停止前)の飾り図柄と小図柄とは、変動が早く視認できないときがあるが、基本的には「左」、「中」、「右」それぞれで同じ図柄となる。以降、飾り図柄の可変表示と小図柄の可変表示とは互いに同期して実行される(変動速度や、停止タイミングなども同じとなる。)。その後、リーチが成立すると(図25(B)、ここでは、「左」及び「右」で「6」のリーチが成立する。)、ノーマルリーチの実行が開始される(図27)。
ノーマルリーチ開始後、ノーマルリーチのリーチ演出の一部として、「左」の飾り図柄表示エリア5Lが下方に移動し、「右」の飾り図柄表示エリア5Rが上方に移動することによって、停止している「左」の飾り図柄「6」が下方に移動し、停止している「右」の飾り図柄「6」が上方に移動する(図25(C))。このとき、小図柄は移動しない。また、このときは、停止している「右」の飾り図柄「6」が、停止している「左」の小図柄「6」と重なるので、小図柄は強調表示態様で表示され強調表示される(図25(C)、図では、小図柄は白抜きによって強調表示されている)。この重なる期間(重畳期間)が、小図柄強調表示期間であり、このときに小図柄が強調表示される(図27)。その後、「左」の飾り図柄表示エリア5L及び「右」の飾り図柄表示エリア5Rは元の位置に戻り、停止している各飾り図柄「6」も元の位置に戻る(図25(D)。このとき、停止している「右」の飾り図柄「6」が、停止している「左」の小図柄「6」とは重畳しなくなり、小図柄強調表示期間も終了し、小図柄は通常表示態様で表示される(図27)。
その後、ノーマルリーチのリーチ演出の一部として、飾り図柄表示態様変化演出が実行され、停止している「左」、「右」の各飾り図柄「6」は回転する(図26(E))。このとき、小図柄は表示態様は変化しない(非回転のまま)。飾り図柄表示態様変化演出が開始すると、小図柄強調表示期間も開始し、このときに小図柄が強調表示される(図26(E)、図27)。その後、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展するが、飾り図柄表示態様変化演出は所定タイミングまで継続される(図26(E)、図27)。但し、スーパーリーチの発展によって、小図柄強調表示期間は終了して、小図柄は通常表示態様で表示される(図26(E)、図27)。
なお、ノーマルリーチからスーパーリーチへの発展が無い場合には、飾り図柄表示態様変化演出は、ノーマルリーチの実行期間中に終了する。
次に最終停止図柄について、図28を参照して説明する。「6」でのリーチ成立後(図28(A))、「中」の飾り図柄や小図柄が停止するが、「中」の停止図柄が、「1」などであれば、可変表示結果が「ハズレ」となる(図28(B))。「中」の停止図柄が、「6」であれば、可変表示結果が「大当り」となる(図28(C))。「中」の停止図柄が、「突」の特殊図柄又は「4」であれば、可変表示結果が「突確」となる(図28(D)又は(E))。なお、「突」の特殊図柄は、例えば、「中」の飾り図柄が停止する直前に登場して停止表示されればよい。または、「突」の特殊図柄は、「4」が一端停止したあと、又は、「1」などのハズレを構成する図柄が一端停止したあとに、停止した図柄が「突」の特殊図柄に変化して表示されてもよい。なお、「突」の特殊図柄は、小図柄には使用されない。なお、突確大当りのときは、非リーチチャンス目(「1 2 3」)が導出されることがある。
次にバトル演出、初期出目などについて、図29を参照して説明する。飾り図柄及び小図柄について「左」、「中」、「右」で、「6」が揃うと、「確変大当り」となる(図29(A))。このときは、確変大当り遊技状態に移行し、ファンファーレ後にバトル演出が実行される(図29(B))。バトル演出では、味方キャラクタC1と適キャラクタC2とが戦う。そして、当該「確変大当り」が「確変A大当り」のときには、味方キャラクタC1が負け、次回の可変表示からの演出モードが高確低ベースのときの演出モード(例えば、背景が高確低ベース用になる。)になり、確変大当り遊技状態後最初に実行される可変表示の初期出目として、低ベース用の「3 4 5」が表示される(図29(C)、飾り図柄と小図柄で共通)。当該「確変大当り」が「確変B大当り」のときには、味方キャラクタC1が負け、次回の可変表示からの演出モードが高確高ベースのときの演出モード(例えば、背景が高確高ベース用になる。)になり、確変大当り遊技状態後最初に実行される可変表示の初期出目として、高ベース用の「5 4 3」が表示される(図29(D)、飾り図柄と小図柄で共通)。なお、それ以外のときは、飾り図柄と小図柄とのそれぞれについて、前の可変表示の最終停止図柄を初期出目とする。なお、特殊図柄が使用されたときには、特殊図柄への差し替え前の最終停止図柄を初期出目としてもよい。
次にこの実施の形態の効果を説明する。
この実施の形態では、小図柄を場合によって強調表示することで、小図柄の視認性を良くすることができ、適切に小図柄を確認しやすくすることができる。特に、飾り図柄と小図柄とが重なるときには、小図柄が見えにくくなる場合があるが(この場合、小図柄を確認しやすくする必要がある。)、強調表示することで、小図柄を見やすくできる(小図柄を確認しやすい)。また、飾り図柄表示態様変化演出によって、飾り図柄を回転させるなどして表示態様を変化させると、停止している飾り図柄や変動している飾り図柄がどのようなものであるかを確認し難くなるが(この場合、可変表示の進行(どの図柄が停止しているか、停止図柄が何かなど)を確認させるため、この場合、小図柄を確認しやすくする必要がある。)、小図柄を強調表示することで、小図柄を注目させやすくし、小図柄を見やすくできる(小図柄を確認しやすい)。この場合、小図柄の可変表示によって、可変表示の進行(ここでは、飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示の進行)が確認しやすくなる。これらのように、強調表示態様によって、小図柄を確認しやすくする必要があるとき(小図柄が見にくくなるときや、飾り図柄で可変表示が確認し難いとき)に適切に小図柄を確認しやすくすることができる。また、飾り図柄表示態様変化演出が実行されても、小図柄の表示態様を変化させないので、小図柄の可変表示によって、可変表示の進行(ここでは、飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示の進行)が確認しやすくなる。また、スーパーリーチのときは、飾り図柄表示態様変化演出の実行中であっても、遊技者はスーパーリーチに集中するため、小図柄を強調表示しない。これによって、スーパーリーチの演出効果を小図柄の強調表示によって低下させることを防止できる。
この実施の形態では、突確のチャンス目を最終停止図柄とする場合に、飾り図柄の最終停止図柄(確定飾り図柄)のみ特殊図柄を用い、小図柄の最終停止図柄(確定小図柄)には特殊図柄を用いないので、小図柄のチャンス目について特殊図柄を表示するための処理が不要になるので、処理負担の軽減になる。特に上記実施の形態では、一端チャンス目を決定し、その後に飾り図柄については特殊図柄に差し替える処理を行っているが、小図柄の最終停止図柄(確定小図柄)には特殊図柄を用いないことで、小図柄について特殊図柄に差し替える処理を実行しなくてよいので、処理負担の軽減になる。
この実施の形態では、「確変大当り」時の最終停止図柄(確定飾り図柄や確定小図柄)と、当該「確変大当り」による確変大当り遊技状態で実行される演出(バトル演出など)後の最初の可変表示(つまり、「確変大当り」時が発生した次に実行される可変表示)開始時の初期出目(飾り図柄、小図柄それぞれの初期出目)とを、異なる図柄の組合せ(「6 6 6」に対して「3 4 5」又は「5 4 3」)にしているので、可変表示開始時の初期出目として「確変大当り」時の最終停止図柄「6 6 6」(つまり、1つの前の可変表示における確定飾り図柄や確定小図柄)が表示されるときよりも、初期出目が適切になっており(「6 6 6」が初期出目であると、例えば、前の可変表示を引きずっているようで適切でない。)、可変表示の見栄えがよくなる。特に「6 6 6」で開始すると、遊技者は、その後の遊技状態が遊技者にとってより有利であると思うことがある。このようなとき、その後の遊技状態が高確高ベースであれば問題はないが、その後の遊技状態が高確低ベースで時短状態が付かないときには、遊技者は落胆してしまう恐れがある。しかし、「確変大当り」時の最終停止図柄と、その次の可変表示の初期出目とを異なる組合せの図柄とすることで、このような落胆を抑制できる(初期出目が適切になっており、落胆を抑制できる見栄えを得られ、可変表示の見栄えがよくなる。)。このようなことは、1つの前の可変表示における確定飾り図柄や確定小図柄が一般的に良い図柄の組合せと認識されている「7 7 7」となったときに特に言える。
この実施の形態では、確変大当り遊技状態で実行される演出(バトル演出など)後の最初の可変表示(つまり、「確変大当り」時が発生した次に実行される可変表示)開始時の初期出目(飾り図柄、小図柄それぞれの初期出目)を、高ベースか低ベースかで異なる図柄の組合せ(低ベース時は「3 4 5」、高ベース時は「5 4 3」)にしているので、初期出目が共通になっているときよりも、初期出目が適切になっており、可変表示の見栄えがよい。特に初期出目が共通になっていると、遊技者は、その後の遊技状態が高確低ベースで時短状態が付かないのに、その後の遊技状態が高確低ベースで時短状態が付くと誤認してしまう恐れがあるが、上記のように、初期出目を高ベースか低ベースかで異なる図柄の組合せとすることによって、このような誤認の発生を抑制できる(初期出目が適切になっており、誤認の発生を抑制できる見栄えを得られ、可変表示の見栄えがよくなる。)。
(上記実施の形態を一例とする遊技機の構成)
上記実施の形態では、上記構成によって、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、装飾識別情報(例えば、飾り図柄など)の可変表示を実行する装飾可変表示実行手段(例えば、ステップS172によって飾り図柄の可変表示を実行する演出制御用CPU120など)と、装飾識別情報の可変表示に対応して、装飾識別情報よりも小さい縮小識別情報(例えば、小図柄など)の可変表示を実行する縮小可変表示実行手段(例えば、ステップS172によって小図柄の可変表示を実行する演出制御用CPU120など)と、を備える遊技機が構成される。
装飾識別情報は、上記実施の形態では、数字を図柄化したもの(飾り図柄)であるが、アルファベット、記号、文字などを図柄化したものであってもよい。各装飾識別情報は、自身を他の装飾識別情報と区別できる(識別できる)画像などであればよい。装飾識別情報は、例えば、数字、アルファベット、記号、文字、その後の遊技の進行、その後に実行される演出などの情報を示す情報である。その後の遊技の進行を示す装飾識別情報としては、例えば、リーチになる旨を示す特殊図柄や、上記「突確」の特殊図柄などがある。その後に実行される演出を示す装飾識別情報としては、例えば、擬似連(図柄を仮停止して、再度変動させる演出)によって再変動が行われることを示す特殊図柄などがある。
装飾識別情報の可変表示では、基本的に複数の装飾識別情報が変動し、表示結果が導出表示される。表示結果として導出される装飾識別情報は、変動中に表示されている装飾識別情報(例えば、「1」〜「9」の図柄)であってもよいし、変動中には表示されず、表示結果の導出タイミングや最終的な表示結果の導出前の装飾識別情報の停止(仮停止含む。)タイミングで新たなに登場する装飾識別情報(上記特殊図柄がこれに当たる。)であってもよい。
縮小識別情報は、上記実施形態では、装飾識別情報(飾り図柄)を縮小したもの(小図柄)であるが、縮小識別情報は、完全に縮小したものでなくてもよい。例えば、1つの縮小識別情報は、1つの装飾識別情報が示す情報(数字、アルファベット、記号、文字、その後の遊技の進行、その後に実行される演出)と同じ情報を示すが、当該縮小識別情報は、当該装飾識別情報の図柄化の態様とは異なる態様で図柄化されたものであってもよい。このように、1つの縮小識別情報は、1つの装飾識別情報と対応しているものとするとよい。なお、表示可能な縮小識別情報と装飾識別情報とがそれぞれ複数ある場合、各縮小識別情報と各装飾識別情報とが一対一で対応していなくてもよい。例えば、少なくとも一部の縮小識別情報それぞれと、少なくとも一部の装飾識別情報それぞれと、が一対一で対応していればよい。なお、変動する縮小識別情報と装飾識別情報とは、一対一で対応しているとよい。
縮小識別情報の可変表示は、装飾識別情報の可変表示に対応して実行されるものであればよく、例えば、ともに演出制御側(演出制御基板12側)で対応するように実行されるものであればよい。例えば、両可変表示は、演出画面上で対応して実行されるものであればよく、見た目上対応していればよい。上記では、画像表示装置5で両可変表示が実行されているが、複数の画像表示装置で表示される複数の画面上で両可変表示を実行してもよい(例えば、装飾識別情報の可変表示はメインの画面で行い、縮小識別情報の可変表示はサブの画面で行うなど)。両可変表示は、例えば、特図の可変表示以外で可変表示の進行(特に、少なくとも、可変表示の開始、リーチ成立、可変表示の終了)を確認できるように、縮小識別情報の可変表示と装飾識別情報の可変表示とが実行されればよい。例えば、両可変表示は、同時期に実行され、開始と終了が同じタイミングとなればよい。また、縮小識別情報の可変表示が複数箇所(上記では、「左」、「中」、「右」のエリア)で実行され、装飾識別情報の可変表示も複数箇所(縮小識別情報の可変表示の表示箇所と同じ数の箇所、上記では、「左」、「中」、「右」のエリア)で実行される場合、両可変表示で、一カ所ずつが対応し、識別情報の停止タイミングも同時期であるとよい。なお、例えば、装飾識別情報の可変表示において仮停止などがあったとき、縮小識別情報の可変表示では、仮停止させず、変動をそのまま続行してもよい。縮小識別情報の可変表示は、例えば、複数の縮小識別情報が変動し、表示結果が導出表示されるものであればよいが、一の縮小識別情報が変動するものであってもよい(装飾識別情報も同じ。)。表示結果として導出される縮小識別情報は、変動中に表示されている縮小識別情報(例えば、「1」〜「9」の図柄)であってもよいし、変動中には表示されず、表示結果の導出タイミングや最終的な表示結果の導出前の縮小識別情報の停止(仮停止含む。)タイミングで新たなに登場する縮小識別情報(後述の小図柄用の特殊図柄がこれに当たる。)であってもよい。
なお、上記実施の形態では、特図ゲームの実行中において、小図柄(縮小識別情報)の可変表示と飾り図柄(装飾識別情報)の可変表示とは常に表示されているが(図30(A))、小図柄(縮小識別情報)の可変表示を必要に応じて表示したり(図30(B))、飾り図柄(縮小識別情報)の可変表示を表示しないときに小図柄の可変表示を表示したりしてもよい(図30(C))。図30(C)の例として、例えば、スーパーリーチなどの実行にともなって飾り図柄の可変表示が縮小表示されたときは、この縮小表示された飾り図柄の可変表示が小図柄の可変表示に相当する。なお、飾り図柄(縮小識別情報)の可変表示と小図柄(縮小識別情報)の可変表示とのうち、少なくともいずれかは表示されていることが望ましい。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、前記縮小可変表示実行手段は、縮小識別情報を、通常表示態様(例えば、通常表示態様など)と前記通常表示態様よりも視認しやすい特殊表示態様(例えば、強調表示態様など)とのいずれかで表示可能である(例えば、図25〜図26参照)、ことになる。
特殊表示態様は、例えば、上記白抜きの他、縮小識別情報が点滅する態様、縮小識別情報が光る態様、縮小識別情報の色を通常表示態様とは異なる目立つ色(例えば、赤など)にする態様、通常表示態様とは異なる形状にする態様、通常表示態様で縮小識別情報が枠で囲われていない場合には、縮小識別情報を枠で囲う態様、縮小識別情報に下線を付す態様、縮小識別情報を拡大した態様(但し、装飾識別情報よりは小さくする)などの通常態様よりも遊技者の目につきやすい、又は、目立つ態様になっている態様などであればよい。なお、特殊表示態様は、特殊表示態様にする期間において、縮小識別情報が通常表示態様よりも視認しやすいものであればよい。例えば、縮小識別情報と装飾識別情報とが通常では同じ色であり、重なるとき(重畳するとき)に縮小識別情報を他の色にすることで縮小識別情報を目立たせるときには、縮小識別情報と装飾識別情報とが重畳しないときに当該他の色が通常の色よりも目立たない色であっても、当該他の色が特殊表示態様となる。縮小識別情報を強調表示態様にするのは、例えば、縮小識別情報が他の演出などによって見にくくなるときや、装飾識別情報で可変表示の進行が確認し難いときであればよい。
なお、通常態様又は特殊表示態様で表示される縮小識別情報は、停止(仮停止含む。)している縮小識別情報及び変動中の縮小識別情報のいずれであってもよい。なお、変動中の縮小識別情報は、視認できないときがあってもよい。このときには、例えば、少なくとも視認できる縮小識別情報を、通常表示態様又は特殊表示態様で表示すればよい。前記縮小可変表示実行手段は、通常態様と特殊表示態様とは異なる表示態様で縮小識別情報を可変表示する場合があってもよい。
前記構成によれば、適切に縮小識別情報を確認しやすくすることができる。なお、縮小図柄は、上記実施の形態のような小図柄強調表示期間以外の期間に特殊表示態様となってもよい。上記実施の形態では、強調表示態様によって、小図柄を確認しやすくする必要があるとき(小図柄が見にくくなるときや、飾り図柄で可変表示の進行が確認し難いとき)に適切に小図柄を確認しやすくすることができる。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、遊技者に有利な有利状態に制御されるか否かを示唆する特定示唆演出(例えば、スーパーリーチの演出など)を実行する特定示唆演出実行手段(例えば、ステップS172によってスーパーリーチの演出を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、前記縮小可変表示実行手段は、前記特定示唆演出の実行中は、縮小識別情報を前記通常表示態様で表示する(例えば、図26参照)、ことになる。
特定示唆演出は、スーパーリーチの演出の他、予告演出、先読み演出、ステップアップ予告などであってもよい。
前記構成によれば、縮小識別情報によって特定示唆演出の演出効果を妨げないようにすることができる。特に、大当り期待度(遊技者にとって有利な特定状態になる可能性)が異なる複数種類の特定示唆演出を用意し、大当り期待度が高い特定示唆演出の実行中は、縮小識別情報を前記通常表示態様で表示し、大当り期待度が低い特定示唆演出の実行中は、縮小識別情報を前記特殊表示態様で表示してもよい。大当り期待度が高い特定示唆演出は、遊技者に特に注目させたいので、このような構成によって、効果的に特定示唆演出の演出効果を妨げないようにすることができる。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、前記装飾可変表示実行手段は、装飾識別情報の表示態様を変化させることが可能であり(例えば、ステップS172によって飾り図柄表示態様変化演出を実行する演出制御用CPU120など)、前記縮小可変表示実行手段は、装飾識別情報の表示態様が変化しても縮小識別情報の表示態様を維持する(例えば、図26参照)、ことになる。
装飾識別情報の表示態様を変化させる態様としては、装飾識別情報を立体的に表示したり、奥行きのある画像に変更したり、回転させたり、半透明にしたり、光らせたり、装飾識別情報の画像にエフェクト処理をかけたりする態様がある。
前記構成によれば、装飾識別情報の表示態様の変化にともなって、縮小識別情報の表示態様を変化させないことになるので、適切に縮小識別情報を確認しやすくすることができる。なお、上記実施の形態では、装飾識別情報の表示態様を変化させるときに(飾り図柄表示態様変化演出実行時に)、縮小識別情報を特殊表示態様で表示することで、縮小識別情報の可変表示を確認しやすくしている。なお、前記各効果は、特に、装飾識別情報の表示態様の変化によって、装飾識別情報が、通常の表示態様のときよりも、視認し難くなる(例えば、当該装飾識別情報が示す情報を確認し難くなる)ときに有効である。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、装飾識別情報前記縮小可変表示実行手段は、装飾識別情報と縮小識別情報とが重畳して表示されているときに、縮小識別情報を前記特殊表示態様で表示する(例えば、図25参照)、ことになる。
前記構成によれば、適切に縮小識別情報を確認しやすくすることができる。なお、重畳とは、装飾識別情報の一部と縮小識別情報の一部とが重畳することと、縮小識別情報全部が装飾識別情報に重畳することとの両者を含む。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、前記装飾可変表示実行手段は、特殊識別情報(例えば、特殊図柄など)を停止表示可能であり(例えば、ステップS172によって確定飾り図柄として特殊図柄を含むチャンス目を導出表示する演出制御用CPU120など)、前記縮小可変表示実行手段は、前記特殊識別情報が停止表示されるときに当該特殊識別情報に対応して、当該特殊識別情報が停止表示されないときに停止表示される縮小識別情報を停止表示する(例えば、図28参照)、ことになる(ステップS315なども参照)。
特殊識別情報は、上記実施の形態のように、1つ停止表示されることで、何かの結果(大当り発生、突確発生、突時(突然時短)発生、モード移行、リーチの発生、擬似連の実行など)を示すものであってもよいし、複数停止表示されることで、何かの結果(大当り発生、突確発生、突時(突然時短)発生、モード移行、リーチの発生、擬似連の実行などの、その後の遊技の進行や、その後に実行される演出の情報など)を示すものであってもよい。特殊識別情報は、変動中の装飾識別情報に含まれても含まれないものであってもよい。上述のように、特殊識別情報は、変動中には表示されず、表示結果の導出タイミングや最終的な表示結果の導出前の縮小識別情報の停止(仮停止含む。)タイミングで表示されるものであってもよい。特殊識別情報は、装飾識別情報の一種であってもよいし、縮小識別情報の一種であってもよい。
前記停止表示は、仮停止を含む。仮停止は、例えば、飾り図柄や小図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄、確定小図柄が導出表示されるまでの可変表示中に、飾り図柄や小図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄や小図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることである。例えば、仮停止(仮停止表示ともいう。)は、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄や小図柄の変動が進行していないことを遊技者に認識させるものである。なお、仮停止には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄や小図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
前記構成によれば、縮小識別情報の表示についての処理の負担を軽減できる。例えば、小図柄について、特殊図柄の差し替え処理を不要にでき、小図柄用の特殊図柄のデータも削減できる。
なお、上記実施の形態では、チャンス目を決定してから、特殊図柄の差し替えを行っているが、最初から特殊図柄を含むチャンス目を最終停止図柄として決定してもよい(この場合には、別途小図柄のチャンス目を決定する。特殊図柄以外の図柄は、小図柄と飾り図柄とで対応するものとするとよい。)。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、装飾識別情報の可変表示において停止表示される装飾識別情報を前記特殊識別情報に差し替える差替手段(例えば、ステップS315の処理を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、前記縮小可変表示実行手段は、前記特殊識別情報が停止表示されるときに、差し替え前の装飾識別情報に対応する縮小識別情報を停止表示する(例えば、図28参照)、ことになる。なお、特殊識別情報に差し替えるタイミングは、可変表示結果を導出表示するタイミングであってもよい。
この構成によれば、特殊識別情報が停止するときでも、普段と同じ処理で縮小識別情報の表示を行える。
なお、前記装飾可変表示実行手段は、特殊識別情報(例えば、特殊図柄など)を停止表示可能であり(例えば、ステップS172によって、確定飾り図柄として特殊識別情報を含むチャンス目を導出表示する演出制御用CPU120など)、前記縮小可変表示実行手段は、前記特殊識別情報が停止表示されるときに、当該特殊識別情報に対応しかつ当該特殊識別情報よりも装飾度合いが低い特別識別情報(例えば、小図柄用の特殊図柄など)を停止表示する(例えば、図31参照)、ようにしてもよい。
例えば、小図柄用の特殊図柄(装飾度合いが低いもの)を用意しておき、ステップS315において、小図柄についても差し替えを行うようにすればよい。なお、特殊図柄を使用するときには、小図柄及び装飾図柄について、最初から、特殊図柄を用いたチャンス目を最終停止図柄として決定してもよい。そして、例えば、特殊図柄表示時には、飾り図柄用の特殊図柄(「突」を装飾した図柄)と、小図柄用の特殊図柄(「突」の図柄)と、を互いに対応する位置(両方とも「中」の位置)に、互いに対応させて表示する(図30参照)。
特殊識別情報と特別識別情報とは、例えば、同じ情報を示すものとする。両者は、例えば、数字、アルファベット、記号、文字、その後の遊技の進行、その後に実行される演出などの情報を示せばよい。
前記装飾度合いは、識別情報の画像の複雑さ(色の数や、図柄などを構成する線の複雑さ、図柄を構成する柄などの細かさ)などであればよい(例えば、特別識別情報は、特殊識別情報よりも簡易な構成であることによって、特殊識別情報よりも装飾度合いが低いものとしてもよい。)。特に、特別識別情報は、装飾度合いが低いことによって、例えば、画像が小さいときに、画像の内容を把握し難くなること(例えば、画像が細かすぎてつぶれてしまうなど)を軽減できればよい。
前記構成によれば、特別識別情報の装飾度合いを低くしたので、特別識別情報が見づらくなることを抑制できる。特に、特殊識別情報をそのまま縮小すると、処理負担(縮小する処理の負担)が増えたり、画像が細かすぎてつぶれてしまって画像の内容を把握し難くなる(特別識別情報が見づらい)ことなどの不都合が生じるが、特別識別情報を用いることで、このような不都合を防止できる。
なお、前記特殊識別情報を対象とする特定演出(例えば、特殊図柄表示演出など)を実行する特定演出実行手段をさらに備え、前記特別識別情報を対象とする特定演出を実行しない(例えば、図32参照)、ようにしてもよい。この構成によれば、無駄な演出の実行を防止できる。
例えば、図32に示すように、飾り図柄用の特殊図柄を表示する直前(チャンス目を一旦仮停止したあと、図32(A))に、特殊図柄の枠部分E(図32(B))を表示して特殊図柄が表示されるか否かを煽る特殊図柄表示演出を実行するようにしてもよい。特殊図柄表示演出が成功の場合には、特殊図柄を最終的に表示し(図32(C))、失敗の場合には、通常の飾り図柄を表示する(図32(D))。なお、特殊図柄表示演出が成功の場合には、小図柄用の特殊図柄も表示されるが、特殊図柄表示演出は、小図柄用の特殊図柄が表示されるか否かは煽らない。小図柄用は小さいので、小図柄を対象とした特殊図柄表示演出を実行しても注目度が低い。このため、前記構成のように、小図柄を対象とした特殊図柄表示演出を実行しないことで、無駄な演出の実行を防止できる。
なお、特定演出は、特殊識別情報が表示されるか否かを示唆する演出などであればよい。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、複数箇所それぞれで装飾識別情報(例えば、飾り図柄など)の可変表示を実行する装飾可変表示実行手段(例えば、ステップS172によって、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄を可変表示する演出制御用CPU120など)と、所定演出(例えば、バトル演出など)を実行する所定演出実行手段(例えば、ステップS172でバトル演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備える遊技機が構成されることになる(各構成の説明は、上記参照)。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、複数箇所それぞれでの装飾識別情報の可変表示の表示結果として特定の組合せの装飾識別情報(例えば、大当り組合せとなる確定飾り図柄など)が停止表示されたときに前記所定演出を実行し(例えば、ステップS174によってバトル演出を実行する演出制御用CPU120など)、前記装飾可変表示実行手段は、前記特定の組合せとは異なる装飾識別情報の組合せを、前記所定演出の後に実行される前記複数箇所それぞれでの装飾識別情報の可変表示の開始時に表示する(例えば、図29参照)、ことになる。
なお、特定の組合せは、大当り組合せの他、上記の特殊図柄のような特定の図柄を含めばよい組合せ、各種チャンス目(突確のときのチャンス目や、先読み演出で停止されるチャンス目、擬似連の再変動時のチャンス目)などであってもよい。また、停止表示は、仮停止を含む。
所定演出は、特定の組合せの装飾識別情報が停止表示されたことを契機として実行される演出などであればよく、特定の組合せに応じて種々の演出とすればよい。例えば、特定の組合せが「突」の特殊画像を含むチャンス目の場合には、所定演出は、突確大当り遊技状態時の演出となる。特定の組合せが、先読み演出で停止されるチャンス目であれば、所定演出は、チャンス目停止後、次回の可変表示前に実行される演出などとなる。特定の組合せが、擬似連の再変動時のチャンス目であれば、所定演出は、チャンス目停止後、再変動開始前に実行される演出などとなる。
この構成によれば、可変表示の開始時の装飾識別情報の組合せを所定演出前の可変表示で停止表示された組合せと異ならせるので、可変表示開始時の初期出目を適切にでき(例えば、実行を開始する可変表示が所定演出前の可変表示とは切り離されていることを遊技者に認識させることができる。)、可変表示の見栄えを良くすることができる。
なお、前記のようなことは、小図柄についても言える(前記装飾識別情報を小図柄に当てはめてもよい。)。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、複数箇所それぞれで装飾識別情報(例えば、飾り図柄など)の可変表示を実行する装飾可変表示実行手段(例えば、ステップS172によって、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄を可変表示する演出制御用CPU120など)と、所定条件の成立(例えば、「確変大当り」の発生)に基づいて、第1遊技状態(例えば、非時短状態など)と、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(例えば、時短状態など)とのいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、ステップS117によって、大当り種別によって時短フラグをオン/オフするCPU103など)と、前記所定条件の成立に基づいて、所定演出(例えば、バトル演出など)を実行する所定演出実行手段(例えば、ステップS172でバトル演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備える遊技機が構成される(各構成の説明は、上記参照)。
また、上記実施の形態では、上記構成によって、前記装飾可変表示実行手段は、前記所定演出の後の遊技状態が前記第1遊技状態であるか前記第2遊技状態であるかに応じて、前記所定演出の後に実行される前記複数箇所それぞれでの装飾識別情報の可変表示の開始時の装飾識別情報の組合せを異ならせる(例えば、図29参照)、ことになる。
第1遊技状態及び第2遊技状態は、一方を確変状態とし、他方を非確変状態としてもよい(この場合、確変状態となる大当りと、確変状態とならない大当りとを用意すればよい。)。第1遊技状態及び第2遊技状態それぞれは、例えば、高確状態と、低確状態と、低ベース状態と、高ベース状態とのうちの1以上の状態を組合せたもの(複数の状態の場合は、組合せ可能な状態を組み合わせたもの、高確高ベース、低確高ベース、高確低ベース、低確低ベースなど)であればよく、互いに異なる任意の遊技状態であればよい(例えば、必要に応じて、その遊技状態になる大当り種別を用意すればよい。)。また、例えば、第1遊技状態と第2遊技状態との違いは、確変及び/又は時短が継続する期間(実行可能な可変表示の最大回数)が異なる点であってもよい(前記継続期間が異なる複数の大当り種別を用意すればよい。)。所定演出は、大当り時の演出の他、所定条件がどのような条件であるかに応じて各種の演出とすればよい。例えば、所定演出は、確変状態や時短状態が終了するか否かを煽る転落抽選演出などであってもよい。
所定条件の成立が「突確大当り」の発生で、所定演出が突確大当り遊技状態のときに実行される演出であるときの演出例を図33に示す。図33の例では、突確として、時短が付かない突確Aと、時短が付く突確Bとが用意されている。突確のチャンス目が停止表示されたあと(図33(A))、突確大当り遊技状態のときに実行される演出として、高ベース状態のときの演出モードと、低ベース状態のときの演出モードとのうちのいずれかに移行するかを報知するモード移行演出が実行される(図33(B))。そして、大当り種別が突確Aか突確Bか(つまり、その後の遊技状態が高確高ベースか高確低ベースか)で異なる出目を次回の可変表示の初期出目として表示する(図33(C)、(D))
この構成によれば、遊技状態に応じて可変表示開始時の装飾識別情報の組み合わせを変更するので、可変表示開始時の初期出目を適切にでき、初期出目による遊技状態の誤認も抑制できることになり、装飾識別情報の可変表示の見栄えを良くすることができる。
なお、前記のようなことは、小図柄についても言える(前記装飾識別情報を小図柄に当てはめてもよい。)。
なお、図33のように、前記縮小可変表示実行手段は、複数箇所それぞれで縮小識別情報の可変表示を実行し、前記特殊識別情報が停止表示されるときに停止表示する縮小識別情報の組合せとは異なる縮小識別情報の組合せを、当該特殊識別情報が停止表示された後に実行する前記複数箇所それぞれでの縮小識別情報の可変表示の開始時に表示する(例えば、図33参照)、ようにすることで、上記装飾識別情報の場合と同様、見栄えの低下を抑制できる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
識別情報(特図、飾り図柄、小図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示であってもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出表示することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
(変形例2)
大当り組合せ、各種チャンス目等は複数用意してもよい。最終停止図柄を決定するときは、一括で組み合わせを決定する他、ハズレ時などの各停止図柄をランダムで決定してもよい。
(変形例3)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例4)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。