以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。遊技盤YBの盤面には、正面視ほぼ円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaには、パチンコ遊技機10の前面に配設された発射ハンドルHDを遊技者が操作することによって打ち出された遊技球が流下案内されるようになっている。また、遊技領域YBaのほぼ中央には、画像表示部GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11では、飾り図柄(演出図柄)を用いた図柄変動ゲームなど、画像を用いた各種演出が表示される。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の音を出力し、音声演出を行うスピーカ(音出力部)Spが設けられている。
図2に示すように、遊技盤YBの遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が配設されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、普通入賞口16,17と、を含む。
第1始動口12は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において第1始動口12は、演出表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動口12には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1始動口12に入球した遊技球を検知する手段(図4に示す始動口スイッチ(センサ)S1)が配設されている。
第2始動口13は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において第2始動口13は、第1始動口12の右方に位置している。第2始動口13は、所定条件(普通図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができない、若しくは入球し難いように閉鎖されている。そして、第2始動口13は、所定条件(普通図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。第2始動口13は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において第2始動口13を開放させるアクチュエータは、図4に示すアクチュエータAC1である。また、第2始動口13には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2始動口13に入球した遊技球を検知する手段(図4に示す始動口スイッチ(センサ)S2)が配設されている。
第1大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において第1大入賞口14は、演出表示装置11の右上方に位置している。第1大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、第1大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。第1大入賞口14は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において第1大入賞口14を開放させるアクチュエータは、図4に示すアクチュエータAC2である。また、第1大入賞口14には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1大入賞口14に入球した遊技球を検知する手段(図4に示すカウントスイッチ(センサ)S3)が配設されている。
第2大入賞口15は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において第2大入賞口15は、演出表示装置11の右下方であって、第1大入賞口14よりも遊技球の流下経路の下流側に位置している。第2大入賞口15は、所定条件(特別図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、第2大入賞口15は、所定条件(特別図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。第2大入賞口15は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において第2大入賞口15を開放させるアクチュエータは、図4に示すアクチュエータAC3である。
また、第2大入賞口15には、入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2大入賞口15に入球した遊技球を検知する手段(図4に示すカウントスイッチ(センサ)S4)が配設されている。また、この実施形態の第2大入賞口15は、球通路として図示しない一般領域に遊技球を導く一般球通路と、第2大入賞口15の下方に位置する特定領域15aに繋がる図示しない特定球通路と、を有する。そして、特定球通路には遊技球を検知する手段(図4に示す特定領域スイッチ(センサ)S5)が配設されている。
また、第2大入賞口15には、入球した遊技球を一般球通路又は特定球通路の何れかに振り分ける図示しない振分部材が配設されている。そして、この実施形態のパチンコ遊技機10は、特定球通路に振り分けられた遊技球が特定領域スイッチS5で検知されることにより、後述する確率変動状態の付与条件が成立する。なお、カウントスイッチS4は、特定領域スイッチS5よりも球通路の上流側に配設されている。このため、カウントスイッチS4では第2大入賞口15に入球した全ての遊技球が検知される一方で、特定領域スイッチS5では特定球通路へ振り分けられた遊技球のみが検知される。
大当り遊技は、第1大入賞口14又は第2大入賞口15への遊技球の入球を許容するラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技中における入球個数、又はラウンド遊技の経過時間によってラウンド遊技の終了条件が満たされることで終了する。この実施形態において、ラウンド遊技の終了条件が満たされる入球個数は「8球」であり、ラウンド遊技の終了条件が満たされるラウンド遊技の経過時間は「25秒」である。なお、入球個数は、カウントスイッチS3又はカウントスイッチS4で検知された遊技球の個数である。
そして、大当り遊技が生起される場合、最初のラウンド遊技が開始する前にオープニング時間が設定され、そのオープニング時間中には大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、大当り遊技が生起される場合、最終のラウンド遊技が終了するとエンディング時間が設定され、そのエンディング時間中には大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。
普通入賞口16,17は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において普通入賞口16,17は遊技領域YBaの左方の領域と右方の領域のそれぞれに位置している。また、普通入賞口16,17は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。
左方の普通入賞口16は、主に第1始動口12を狙って発射された遊技球が入球可能な位置にあり、第1大入賞口14及び第2大入賞口15を狙って発射された遊技球は入球不能な位置にある。この実施形態において左方の領域には、複数の普通入賞口16が設けられている。そして、左方の各普通入賞口16には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には各普通入賞口16に入球した遊技球を検知する手段(図4に示す普通口スイッチ(センサ)S7)が配設されている。左方の普通入賞口16に連設された球通路は、各普通入賞口16に入球した遊技球を受け入れる複数の分岐通路と、各分岐通路を案内された遊技球を受け入れる集合通路によって構成されており、当該集合通路に単一の普通口スイッチS7が配設されている。
右方の普通入賞口17は、主に第1大入賞口14及び第2大入賞口15を狙って発射された遊技球が入球可能な位置にあり、第1始動口12を狙って発射された遊技球は入球不能な位置にある。つまり、右方の普通入賞口17は、第1大入賞口14や第2大入賞口15を狙って発射された遊技球が入球可能な位置に配置されている。この実施形態において右方の領域には、単数の普通入賞口17が設けられている。そして、右方の普通入賞口17には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には普通入賞口17に入球した遊技球を検知する手段(図4に示す普通口スイッチ(センサ)S8)が配設されている。
この実施形態において上記した第1始動口12、第2始動口13、第1大入賞口14、第2大入賞口15及び普通入賞口16,17は、何れの入賞口も遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入賞口である。なお、第2大入賞口15については、カウントスイッチS4の検知によって賞球の払出条件が成立する。この実施形態では、第1始動口12の賞球数を[4球]に、第2始動口13の賞球数を[1球]に、第1大入賞口14及び第2大入賞口15の各賞球数を[15球]に、普通入賞口16,17の各賞球数を[5球]に定めている。第1始動口12、第2始動口13、第1大入賞口14、第2大入賞口15及び普通入賞口16,17は、遊技球の入球によって賞球払出しの対象となる入球装置であり、パチンコ遊技機10には前述したような賞球払出しの対象なる入球装置が複数備えられている。
また、遊技領域YBaには、作動ゲート18が配設されている。この実施形態において作動ゲート18は、遊技領域YBaの右方の領域であって、第2始動口13や第2大入賞口15の上方に位置している。作動ゲート18には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口18aが開口されている。ゲート口18aには、入球し、通過する遊技球を検知する手段(図4に示すゲートスイッチ(センサ)S6)が配設されている。作動ゲート18のゲート口18aは、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。第2始動口13は、作動ゲート18へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選に当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄変動ゲームで導出された後、閉鎖態から開放状態へ動作する。なお、作動ゲート18は、遊技球の入球によって賞球払出しの対象となる入球装置ではなく、作動ゲート18を遊技球が入球しても賞球の払出条件は成立しない。
この実施形態において、遊技者は、発射ハンドルHDの発射強度の強弱を調整することで、左方の領域及び右方の領域に遊技球を打ち分け、第1始動口12、第2始動口13、第1大入賞口14、第2大入賞口15、普通入賞口16,17又は作動ゲート18へ遊技球を入球させることが可能となる。具体的には、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、右打ち)、遊技球は、右方の領域に流下案内され易く、第2始動口13、第1大入賞口14、第2大入賞口15、右方の普通入賞口17、又は作動ゲート18へ入球する可能性がある。なお、右打ちは、遊技球を右方の領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度若しくは最大強度よりも若干弱い強度で調整して行う。
一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、左打ち)、遊技球は、左方の領域に流下案内され易く、第1始動口12、又は左方の普通入賞口16へ入球する可能性がある。また、左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないので、発射させた遊技球が右方の領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。なお、この実施形態では、右打ちを行った場合、第1始動口12や左方の普通入賞口16に遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。なお、遊技部品は、右打ちを行ったときには第1始動口12や左方の普通入賞口16への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちを行ったときに比べて第1始動口12や左方の普通入賞口16へ入球し難い(入球する確率を極めて低くする)ように配置されていてもよい。
この実施形態において「左方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。また、この実施形態において「右方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに前記中心線Cよりも右側に位置する領域である。パチンコ遊技機10において発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技盤YBを正面視したときの左側に位置する打出通路19で案内され、その打出通路19の最下流に位置する逆戻り防止弁20を通過して遊技領域YBaに到達される。このため、「左方の領域」とは打出通路19寄りの領域でもあり、その逆に「右方の領域」とは打出通路19から離れた領域でもある。そして、左方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する演出表示装置11の左側をとおり、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口21へ向かう。また、右方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する演出表示装置11の右側をとおり、前記アウト口21へ向かう。
また、遊技盤YBには、図4に示す、特図表示装置23、保留表示装置24、普図表示装置25が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。例えば、これらの表示装置は、遊技盤YBの遊技領域に配設されている飾り部材や、遊技盤YBのコーナー飾り部材などに配設されている。
特図表示装置23は、特別図柄を用いた図柄変動ゲームを行い、当該図柄変動ゲームにおいて大当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が導出される。特図表示装置23には、第1特別図柄の図柄変動ゲームを行う第1特図表示装置と、第2特別図柄の図柄変動ゲームを行う第2特図表示装置と、がある。第1始動口12に遊技球が入球し、検知された場合は、第1特別図柄の図柄変動ゲームの始動条件が成立する。一方、第2始動口13に遊技球が入球し、検知された場合は、第2特別図柄の図柄変動ゲームの始動条件が成立する。第1特別図柄と第2特別図柄では、始動条件の成立を契機に大当り抽選が行われるが、その大当り抽選に当選する確率は同一確率である。その一方で、第1特別図柄と第2特別図柄では、大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類や同一種類の大当りの決定割合を異ならせている。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄では、大当り抽選に当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、入球率向上状態の付与期間など)を異ならせている。
また、始動条件が成立した場合には、大当り抽選の抽選結果を導出するために特図表示装置23で特別図柄の図柄変動ゲームが行われるとともに、当該図柄変動ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する図柄変動ゲームが演出表示装置11においても飾り図柄を用いて行われる。
特図表示装置23は、発光体を備えた表示装置である。特別図柄の図変動ゲームでは、表示装置を構成する発光体を任意に組み合わせたものが特別図柄として導出される。特別図柄には、大当り抽選に当選した場合に導出される大当り図柄と大当り抽選に当選しなかった場合に導出されるはずれ図柄とを含む。一方、飾り図柄を用いた図柄変動ゲームでは、複数列の飾り図柄の組み合わせが導出される。飾り図柄は、例えばアラビア数字を模した意匠で構成されている。そして、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄となる組み合わせを大当り抽選に当選したことを特定可能な大当りの組み合わせとし、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄とならない組み合わせを大当り抽選に当選しなかったことを特定可能なはずれの組み合わせとしている。
飾り図柄の図柄変動ゲームで導出される結果は、特別図柄の図柄変動ゲームで導出される結果に対応する。このため、特別図柄の図柄変動ゲームでは大当り抽選の抽選結果を特別図柄で導出させる一方で、飾り図柄の図柄変動ゲームにおいても大当り抽選の抽選結果を特定可能な情報が飾り図柄で導出される。なお、第1特別図柄の図柄変動ゲームと第2特別図柄の図柄変動ゲームは同時に実行されず、演出表示装置11では実行されている特別図柄に対応する飾り図柄の図柄変動ゲームが行われる。
保留表示装置24は、実行が保留されている特別図柄の図柄変動ゲームの数(始動保留数)を表示する。保留表示装置24には、第1特別図柄の始動保留数を表示する第1保留表示装置と、第2特別図柄の始動保留数を表示する第2保留表示装置と、がある。普図表示装置25は普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームを行い、当該普通図柄変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の抽選結果に応じた普通図柄が導出される。
また、図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する球皿(貯留皿)として上皿26aと下皿26bとを備えている。上皿26aは、主に発射ハンドルHDの操作によって遊技領域YBaに発射される遊技球であって、機内に取り込まれる遊技球を貯留する貯留皿である。また、下皿26bは、主にパチンコ遊技機10から払出される遊技球であって、上皿26aから溢れ出た遊技球を貯留する貯留皿である。
上皿26aの上面には、遊技者が操作可能な球貸操作部TSが設けられている。球貸操作部TSは、球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部と、を有する。度数表示部には、例えばパチンコ遊技機10に並設される遊技球の貸出装置に挿入されたカードの度数が表示される。遊技者は、貸出装置に挿入されたカードの度数(残数)の範囲内で貸し球を貸し受けることができる。球貸しボタンは、貸し球を貸し受ける際に操作される。返却ボタンは、貸出装置に挿入されたカードの返却を求める際に操作される。
また、上皿26aの上面には、遊技者が操作可能な演出ボタンBTが設けられている。演出ボタンBTは、押しボタン式である。演出ボタンBTは、飾り図柄の図柄変動ゲーム中に行われる操作演出などで操作可能である。操作演出としては、例えば遊技者に演出の種類を選択させる演出や、予告表示を実行させる演出がある。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機10は、演出用の可動体Kを備えている。可動体Kは、飾り図柄の図柄変動ゲーム中に、例えば大当り予告として可動演出を行う。具体的に例示すれば、可動体Kは、非可動時に待機している初期位置から画像表示部GHの前面に重なる可動位置まで可動する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠WSと、各種の遊技用構成部材をセットする中枠WN及び前枠WMと、を備えている。外枠WSは、パチンコ遊技機10を遊技場の遊技機設置設備(所謂、島設備)へ設置する際の設置枠でもある。中枠WNは、外枠WSの開口前面側に開放及び着脱自在に組み付けられている。中枠WNには、遊技用構成部材として各種の制御基板や、遊技球を払出すための各種部材(球タンク、中枠払出通路29、図4に示す払出ユニットHSなど)がセットされている。なお、パチンコ遊技機10には、遊技機設置設備を通じて遊技球が供給されるようになっており、この供給された遊技球が例えば賞球の払出条件の成立時に賞球として払出される。前枠WMは、遊技盤YBの前面を覆うように、中枠WNの前面側に開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠WMには、遊技盤YBを保護する図示しないガラスが支持されている。前枠WMには、遊技用構成部材として、払出ユニットHSから払出された遊技球を上皿26aや下皿26bに案内する払出通路としての前枠側払出通路27や、発射ハンドルHDを含む遊技球を発射させるための発射ユニット28などがセットされている。前枠WMの前面側には、遊技用構成部材として、スピーカSp、枠用の装飾ランプLa、上皿26a、下皿26bなどがセットされている。
前枠WMの樹脂ベースWMaの上部には、前枠WMの開放を検知する上扉開放スイッチS10が配設されている。また、前枠WMの樹脂ベースWMaの下部には、前枠WMの開放を検知する下扉開放スイッチS11が配設されている。上扉開放スイッチS10及び下扉開放スイッチS11は、何れも樹脂ベースWMaの前面から出没可能なピンを有しており、中枠WNに対して前枠WMを閉じた状態ではピンが押込まれて前枠WMの閉鎖が検知されるようになっている。一方、中枠WNに対して前枠WMを開いた状態ではピンが突出位置に戻って前枠WMの開放が検知されるようになっている。
中枠WNに対して前枠WMを閉じた状態では、前枠側払出通路27の通路口は、中枠WNの中枠払出通路29の通路口に整合される。これにより、前枠側払出通路27と中枠払出通路29は1本の通路として繋がる。また、前枠側払出通路27は、下皿26bに繋がる下皿通路27aを有し、下皿通路27aには下皿26bが満杯状態であることを検知する満杯スイッチS12が配設されている。下皿通路27aには、当該通路の一部を構成する可動片27bが配設されている。可動片27bは、下皿26bの球抜き孔26cから排出されずに下皿通路27aに滞留した遊技球の自重によって押込まれるようになっている。そして、満杯スイッチS12では、可動片27bが押込まれることによって満杯状態であることが検知されるようになっている。
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動機能を備えている。確率変動機能は、大当り遊技終了後に大当りの当選確率を低確率(通常確率)から高確率に変動させる確率変動状態を付与することができる機能である。確率変動状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が低確率である非確変状態に比して、大当り抽選に当選し易く、遊技者にとって有利な遊技状態である。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り遊技中、特定のラウンド遊技で特定領域15aに遊技球を入球させることによって大当り遊技の終了後に確率変動状態を付与するパチンコ遊技機(V確変機)である。なお、V確変機は、大当りの種類を複数種類有しているが、これらの大当りは例えば特定のラウンド遊技における第2大入賞口15の開放パターンを異ならせることにより、特定領域15aへの入球のし易さに差を生じさせている。具体的に例示すれば、第1大当り遊技における特定のラウンド遊技において第2大入賞口15は長開放パターンで作動することで特定領域15aへ入球し易くなっている。一方、第2大当り遊技における特定のラウンド遊技において第2大入賞口15は長開放パターンに比して特定のラウンド遊技中の開放時間が短い短開放パターンで作動することで特定領域15aへ入球し難くなっている。なお、第2大入賞口15は特定のラウンド遊技で開放される大入賞口であり、第1大入賞口14は特定のラウンド遊技以外の非特定のラウンド遊技で開放される大入賞口である。
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、第2始動口13への単位時間当たりの遊技球の入球率が向上される入球率向上状態を付与することができる機能である。入球率向上状態は、所謂「電サポ状態」、「高ベース状態」である。なお、以下の説明では、入球率向上状態が付与されていない状態を「非入球率向上状態」と示す場合がある。非入球率向上状態は、所謂「非電サポ状態」、「低ベース状態」である。
入球率向上状態は、例えば次に示す4つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行すること、又は複数の制御を組み合わせて実行すること、により実現できる。第1の制御は、普通図柄変動ゲームの変動時間を、非入球率向上状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、非入球率向上状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく第2始動口13の合計開放時間を、非入球率向上状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく第2始動口13の開放回数を、非入球率向上状態のときよりも多くする制御、及び普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく第2始動口13の1回の開放時間を非入球率向上状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。第4の制御は、特別図柄変動ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非入球率向上状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、入球率向上状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。
入球率向上状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで、又は、入球率向上状態が付与されてから規定上限回数(例えば100回)の特別図柄の図柄変動ゲームが実行されるまで、若しくは規定上限回数に到達する前に大当り抽選に当選するまで付与される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とを用いるパチンコ遊技機10の場合、規定上限回数は第1特別図柄の図柄変動ゲームと第2特別図柄の図柄変動ゲームとの合算回数である。
また、パチンコ遊技機10には、図4に示すように、主基板30、払出基板31、サブ統括基板32を含む各種基板が搭載されている。
主制御手段としての主基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムなどの制御用情報を格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主基板30は、乱数生成回路30dを有する。
主基板30には、始動口スイッチS1,S2、カウントスイッチS3,S4、特定領域スイッチS5、ゲートスイッチS6、普通口スイッチS7,S8が接続されている。そして、主制御用CPU30aは、上記した各スイッチS1〜S9からの検知信号を受信可能である。また、主制御用CPU30aは、各種表示装置(特図表示装置23、保留表示装置24、普図表示装置25など)の表示内容を制御するとともに、アクチュエータAC1〜AC3の動作を制御する。
主制御用ROM30bには、遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラム、特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)を特定する情報や、各種の判定値などが格納されている。メイン変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が確定停止表示される迄の間の変動時間(演出時間)を特定可能である。メイン変動パターンは、大当り変動用の変動パターンと、はずれ変動用の変動パターンとに分類可能である。また、各種の判定値には、大当り抽選に用いる大当り判定値、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ、始動保留数など)が記憶される。
主制御用CPU30aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。ソフトウェア乱数には、特別図柄の大当り図柄を決定するときに用いる大当り図柄乱数、メイン変動パターンを振り分けるときに用いる変動パターン振分乱数などを含む。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。ハードウェア乱数は、特別図柄の大当り抽選に用いる大当り乱数や、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り乱数となる。
払出制御手段としての払出基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる払出制御用CPU31aと、払出制御用CPU31aの制御プログラムなどの制御用情報を格納する払出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる払出制御用RAM31cと、を有する。払出基板31は、中継端子板37を介して主基板30に接続されている。主基板30と払出基板31は、双方向に情報(制御信号)が送信されるように電気的に接続されている。払出基板31は、主基板30から送信される賞球の払出しを指示する賞球信号をもとに払出ユニットHSを駆動させ、所定個数の賞球を払出す。
主基板30から払出基板31に送信される賞球信号(賞球指定コマンド)は、賞球払出しの対象となる入賞口へ入球したことにより、その入賞口に対応する賞球数を特定可能に構成されている。例えば、第1始動口12へ入球した場合の賞球信号は賞球数として[4球]を特定可能に構成されている。なお、例えば、主基板30において払出すべき賞球数を合算した賞球総数を管理している場合、賞球信号は1球の賞球の払出しを指示するような構成とし、必要な回数分(賞球総数が零になるまで)、1球の賞球の払出しを指示する賞球信号を払出基板31に送信するようにしてもよい。賞球信号は、2バイトのデータから構成されており、1バイト目のデータと2バイト目のデータの一方が賞球の払出しを指示していることを示すデータであり、他方が賞球数を示すデータである。
パチンコ遊技機10には、電源ユニット38が搭載されている。電源ユニット38は、遊技場の主電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧(V1)に変換するとともに、その変換後の電源電圧(V1)を主基板30や払出基板31などの各制御基板へ供給すべき電源電圧(V2)にさらに変換する。電源ユニット38は、複数本の電源供給線を介して各制御基板(主基板30や払出基板31)と接続されており、各制御基板は電源供給線を通じて電力供給を受けることによって動作する。
払出基板31には、アウトスイッチS9が接続されている。アウトスイッチ(センサ)S9は、アウト口21へ入球した遊技球(所謂、アウト球)を検知するスイッチである。払出制御用CPU31aは、アウトスイッチS9からの検知信号を受信可能である。また、払出基板31には、エラー表示器39とエラー解除手段としての解除スイッチSWが接続されている。エラー表示器39は、遊技球の払出しに関するエラーを報知する表示器である。この実施形態においてエラー表示器39は7セグメントLEDで構成されており、発生したエラーの種別に対応する数字を表示させる。また、解除スイッチSWは、遊技球の払出しに関するエラーのうち、特定のエラーの発生状態を強制的に解除させる際に操作するスイッチである。
エラー表示器39は、中枠WNを開放させたときに表示内容を確認できるように例えば払出基板31に実装されている。解除スイッチSWは、中枠WNを開放させたときに操作できるように例えば払出基板31に実装されている。パチンコ遊技機10は、図1に示すように、施錠装置SSによって施錠されており、施錠装置SSを解除しなければ本体内部にアクセスできないように構成されている。施錠装置SSを解錠するための鍵は、遊技場の管理者などによって管理されており、遊技者はエラー表示器39の表示内容を視認できないとともに解除スイッチSWを操作することはできない。なお、遊技球の払出しに関して発生するエラーの種別については後述する。
パチンコ遊技機10には、外部接続手段としての外部端子板40が搭載されている。外部端子板40は、払出基板31に接続されている。払出基板31と外部端子板40は、払出基板31から一方向で情報(信号)が送信されるように払出基板31と電気的に接続されている。外部端子板40は、遊技場に設置された各パチンコ遊技機の動作状態を管理するために遊技場の管理室などに設置されるホールコンピュータ(外部装置)HCとパチンコ遊技機10とを接続する基板である。外部端子板40は、複数の入力端子と複数の出力端子とを備える。そして、外部端子板40の入力端子には、払出基板31から送信される複数種類の信号を別々に受信可能となるように別々の信号線が接続されている。また、外部端子板40の出力端子には、受信した各信号を別々に送信可能となるように別々の信号線が接続される。
ここで、外部端子板40を通じてホールコンピュータHCへ送信可能な情報(信号)について説明する。
この実施形態のパチンコ遊技機10では、外部端子板40を通じて情報信号と、扉開放信号と、セキュリティ信号と、賞球予定信号と、賞球情報信号と、を送信可能である。
情報信号は、パチンコ遊技機10の遊技に関する情報を特定可能とした信号である。例えば、これらの情報としては、大当り遊技などの遊技状態、始動口(第1始動口12、第2始動口13)へ遊技球が入球したこと、図柄変動ゲーム及び普通図柄変動ゲームが終了したこと、アウト口21へ入球したこと、などである。扉開放信号は、パチンコ遊技機10の前枠WMが開放されたことを特定可能とした信号である。セキュリティ信号は、パチンコ遊技機10で発生したエラーを特定可能とした信号である。例えば、エラーとしては、RAMクリア、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、及び普通電動役物不正入賞エラーなどである。賞球予定信号は、払出ユニットHSにより賞球の払出動作が行われたか否かに拘わらず、予め定めた一定数単位(例えば10球)の賞球としての遊技球を払出す予定がある旨を特定可能とした信号である。賞球予定信号は、賞球信号の受信を契機に計数した賞球予定球数(払出予定球数)が一定数(規定数)以上となった場合にオンとなり、その賞球予定球数が一定数未満となった場合にオフとなる。賞球情報信号は、予め定めた一定数単位(例えば10球)の賞球としての遊技球を払出した旨を特定可能とした信号である。賞球情報信号は、一定数単位の賞球としての遊技球の払出しが完了した場合にオンとなり、払出しが完了していない場合にオフとなる。
また、パチンコ遊技機10には、貸出装置接続端子板41、発射基板42、及び前枠信号基板43が搭載されている。
貸出装置接続端子板41は、遊技球の貸出装置、払出基板31及び球貸操作部TSを搭載した球貸し操作基板44に電気的に接続されており、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んで払出基板31に送信するものである。発射基板42は、発射ユニット28と電気的に接続されている。発射ユニット28は、図示しない発射ソレノイドと発射ソレノイドに連結されている打球杆を備えている。そして、上皿26aから取り込んだ遊技球は、発射基板42による発射ソレノイドのON/OFF制御に応じて打球杆が作動することによって遊技盤YBへ向けて発射される。
前枠信号基板43には、上扉開放スイッチS10、下扉開放スイッチS11、満杯スイッチS12が接続されている。これらの各スイッチS10〜S12の検知信号は、前枠信号基板43及び発射基板42を通じて払出基板31に送信される。これにより、払出制御用CPU31aは、上記した各スイッチS10〜S12からの検知信号を受信可能である。
図4に示すように、サブ統括基板32は、主基板30から一方向で情報(制御信号)が送信されるように主基板30と電気的に接続されている。サブ統括基板32は、何れも図示しないCPUと、ROMと、RAMと、を有する。サブ統括基板32のCPUは、ROMに格納されている制御プログラムにしたがって制御動作を所定の手順で実行するとともに、RAMには制御動作で生じたデータが一時的に格納される。
また、サブ統括基板32には、演出表示装置11の表示内容を制御する演出表示基板46と、各種の装飾ランプLaや賞球ランプLAなどの発光を制御するとともにスピーカSpの音声出力を制御する音声・ランプ基板47と、が接続されている。賞球ランプLAは、賞球が払出されている時に発光するランプであって、前枠WMに配設されている。例えば、賞球ランプLAは、図1に図示するように前枠WMの上部に配設されている。なお、賞球ランプLAの配置は任意に変更可能であり、例えば前枠WMの左右の何れかに配設されていてもよい。また、サブ統括基板32には演出ボタンBTが接続されており、演出ボタンBTからの操作信号を受信可能である。また、サブ統括基板32には可動体Kが接続されており、可動体Kの駆動を制御する。
この実施形態のパチンコ遊技機10では、サブ統括基板32と、演出表示基板46と、音声・ランプ基板47と、により、主基板30から送信される制御信号をもとに主に遊技演出の制御を司る副制御手段を構成する。
主基板30の主制御用CPU30aは、始動口スイッチS1,S2からの検知信号を受信した場合の入力処理において、特別図柄の図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や大当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。そして、主制御用CPU30aは、入力処理で記憶した保留をもとに特別図柄の図柄変動ゲームを開始させる変動開始処理を行う。変動開始処理において主制御用CPU30aは、大当り抽選の抽選結果をもとに図柄変動ゲームの変動時間を特定可能なメイン変動パターンを選択し、そのメイン変動パターンを指定する制御信号(制御コマンド)をサブ統括基板32に送信する。
一方、サブ統括基板32を含む副制御手段は、主基板30から送信される制御信号をもとに所定の制御を行う。例えば、変動の開始(ゲームの開始)を指示する制御信号を受信した場合には、演出表示装置11において飾り図柄の図柄変動ゲームを行わせるように表示内容を制御する。また、副制御手段は、飾り図柄の図柄変動ゲームの開始に伴い、当該図柄変動ゲームに付随する発光演出や音声演出を行わせるように装飾ランプLaの発光態様やスピーカSpの音声出力態様を制御する。
なお、演出表示装置11の制御において演出表示基板46のCPU(図示しない)は、実行させる画像演出を選択し、その選択した画像演出に必要なデータをROM(図示しない)から読み出す。なお、演出表示基板46には、演出表示装置11に表示させるキャラクタ画像データ、具体的には人物、文字、図形又は記号(飾り図柄を含む)を予め格納したキャラクタROMを備え、キャラクタROMから必要なデータを読み出してもよい。そして、演出表示基板46のCPUは、読み出したデータをVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力する。VDPは、入力されたデータに基づいて表示制御を実行し、画像表示部GHに画像を表示させる。
また、主制御用CPU30aは、始動口スイッチS1,S2、カウントスイッチS3,S4、普通口スイッチS7,S8からの検知信号を受信した場合の入力処理において、所定個数の賞球を払出すための賞球処理を行う。賞球処理では、払出基板31に送信する賞球指定コマンドを生成して、送信する。また、主制御用CPU30aは、ゲートスイッチS6からの検知信号を受信した場合の入力処理において、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や普通当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。
以下、図5〜図8にしたがって、このパチンコ遊技機10における賞球の払出しに関する制御を具体的に説明する。
主基板30と払出基板31とは、制御信号を送受信する複数本の情報信号線によって電気的に接続されている。パチンコ遊技機10は、情報信号線として、主基板30から払出基板31へ制御信号を一方向で送信する情報信号線L1と、払出基板31から主基板30へ制御信号を一方向で送信する情報信号線L2と、払出基板31から主基板30に制御信号としての送信許可信号を一方向で送信する情報信号線L3と、を有する。情報信号線L1は、主基板30を基準としたとき、主基板30から払出基板31に制御信号を送信する送信線である。情報信号線L2は、主基板30を基準としたとき、主基板30が払出基板31の送信した制御信号を受信する受信線である。送信許可信号は、払出基板31が賞球信号を受付け可能な状態であることを主基板30に伝達する信号である。送信許可信号は、第1状態(例えばHiレベル)と第2状態(例えばLowレベル)とを取り得る2値の信号である。また、パチンコ遊技機10は、情報信号線として、情報信号線L1〜L3に加え、制御信号を送受信する単数又は複数の情報信号線L4を有する。
この実施形態のパチンコ遊技機10では、情報信号線L1と、情報信号線L2と、情報信号線L3とを用いて、主基板30と払出基板31との間で賞球の払出しに関する制御信号を送受信する。なお、情報信号線L1と情報信号線L2は、シリアル通信線である。また、この実施形態のパチンコ遊技機10では、情報信号線L4を用いて、主基板30と払出基板31との間で賞球の払出し以外に関する制御信号を送受信する。賞球の払出し以外に関する制御信号には、アウトスイッチS9の検知結果を特定可能とした制御信号、上扉開放スイッチS10や下扉開放スイッチS11の検知結果を特定可能とした制御信号、パチンコ遊技機10の遊技に関する情報を特定可能とした制御信号(外部端子板40へ送信される制御信号)などがある。
主基板30の主制御用CPU30aは、賞球の払出しに関する主側賞球払出処理を実行する。主側賞球払出処理には、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を払出基板31に送信する処理を含む。この実施形態において賞球払出しの対象とする入球装置は、第1始動口12、第2始動口13、第1大入賞口14、第2大入賞口15及び普通入賞口16,17である。
払出基板31の払出制御用CPU31aは、賞球の払出しに関する払出側賞球払出処理を実行する。払出側賞球払出処理には、受信した賞球信号から特定可能な遊技球数分の賞球を払出ユニットHSに払出させる処理や、主基板30に賞球信号の送信を許可する第1状態(許可状態)であるか、又は賞球信号の送信を不許可とする第2状態(不許可状態)であるかを伝達する処理などを含む。
主制御用CPU30aは、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知したときに、払出制御用CPU31aから送信される送信許可信号が第1状態であって、賞球信号の送信が許可されている場合に賞球信号を出力する。一方、払出制御用CPU31aは、第1状態の送信許可信号を送信しているときに賞球信号を受信すると、当該賞球信号から特定可能な遊技球数分の賞球を払出させるように払出ユニットHSを動作させる。
上記のように、この実施形態のパチンコ遊技機10における賞球の払出しに関する制御では、払出基板31から主基板30へ送信される送信許可信号が第1状態、すなわち払出制御用CPU31aが賞球信号を受付け可能であるときには賞球信号を送信できる。換言すれば、主制御用CPU30aは、送信許可信号が第2状態、すなわち払出制御用CPU31aが賞球信号を受付け不能であるときに主制御用CPU30aは賞球信号を送信できない。これにより、主制御用CPU30aから送信された賞球信号が払出制御用CPU31aに受付けられず、その送信した賞球信号が消失(無効化)されてしまうことを抑制し得る。なお、送信許可信号は、電源投入時、CPUリセット時や払出制御用CPU31aが遊技球の払出しに関するエラーを検出しているときに第1状態から第2状態を取り得る。
ここで、払出しに関するエラーについて説明する。
前記エラーには、払出停止中エラー[0]と、満杯エラー[1]と、払出ユニット球切れエラー[2]と、払出ユニットエラー1[3]と、払出ユニット球詰りエラー[4]と、払出ユニットエラー2[5]と、過剰払出しエラー[6]と、がある。また、前記エラーには、払出し通信エラー1[7]と、払出し通信エラー2[8]と、貸出装置未接続エラー[9]と、がある。なお、エラーの種別に並記した[1]〜[9]の数字は、エラー表示器39で報知されるエラー種別に対応する数字である。これらのエラーは、払出基板31で管理されるエラーである。
払出停止中エラーは、遊技球の払出しが停止していることを特定可能なエラー状態である。払出停止中エラーは、電源投入時やCPUリセット時に発生する。満杯エラーは、下皿26bが満杯のとき、すなわち満杯スイッチS12が満杯状態を検知していることを特定可能なエラー状態である。払出ユニット球切れエラーは、次に払出すべき遊技球が払出ユニットHSにセットされていないことを特定可能なエラー状態である。払出ユニットエラー1,2は、払出ユニットHS自体に故障が発生していることを特定可能なエラー状態である。払出ユニット球詰りエラーは、次に払出すべき遊技球が払出ユニットHSにセットされているが、払出ユニットHSを作動させても遊技球が払出ユニットHSから排出されないことを特定可能なエラー状態である。
払出ユニットHSは、次に払出すべき遊技球のセット位置で遊技球を検知する第1センサ(払出制御センサ)と、払出ユニットHSを作動させることによって前述したセット位置にセットされていた遊技球が払出ユニットHSから排出される排出位置で遊技球を検知する第2センサ(払出計数センサ)と、を有する。このため、払出ユニットHSは、作動前には第1センサが遊技球を検知しており、かつ第2センサが遊技球を検知しておらず、作動後は第1センサが遊技球を検知しておらず、かつ第1センサが遊技球を検知していると、正常に払出し動作を行ったことになる。そして、払出ユニット球切れエラーは、第1センサが連続して遊技球を検知しないことで発生する。また、払出ユニット球詰りエラーは、第2センサが連続して遊技球を検知することで発生する。また、払出ユニットエラー1,2は、第1センサと第2センサの検知結果から払出ユニットHSが正常な払出し動作を行っていることを検知できないことで発生する。
エラー種別の説明に戻り、過剰払出しエラーは、所定個数(例えば15球)以上の遊技球を余分に払出したことで発生する。払出し通信エラー1,2は、主基板30と払出基板31との間の通信エラーが生じることで発生する。具体的に言えば、払出し通信エラー1は、第2状態の送信許可信号が送信されているときに主基板30からの賞球信号を受信したことで発生する。払出し通信エラー1の発生時には、送信許可信号を送信する情報信号線L3の異常が考えられる。払出し通信エラー2は、払出し通信エラー2を解除してから累積で所定回数(例えば10回)の通信エラーを検知することで発生する。払出し通信エラー2の発生時には、シリアル通信線である情報信号線L1や情報信号線L2の異常が考えられる。貸出装置未接続エラーは、パチンコ遊技機10と貸出装置とが未接続であることで発生する。
図5に示すように、払出基板31(払出制御用CPU31a)は、送信許可信号を第2状態(Lowレベル)としたとき、エラー表示器39でエラー表示(例えば払出停止中エラー[0])を行わせている。
主制御用CPU30aは、第2状態(Lowレベル)の送信許可信号を受信しているとき、払出制御用CPU31aに賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信する。通信確認信号の送信により、主制御用CPU30aは払出しを復帰させる処理を実行させる。
払出制御用CPU31aは、送信許可信号を第2状態としているときに通信確認信号を受信したとき、主制御用CPU30aに受信した通信確認信号に応答する確認応答信号を送信する。主制御用CPU30aは、通信確認信号の送信後に確認応答信号を受信すると、払出制御用CPU31aに遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を送信する。払出制御用CPU31aは、確認応答信号の送信後に開始信号を受信すると、主制御用CPU30aとの間の通信状態が正常であることを認識し、第2状態(Lowレベル)の送信許可信号を第1状態(Hiレベル)の送信許可信号とする。このように送信許可信号を第2状態から第1状態とすることにより、払出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aに通信状態が正常であることを報知する。一方で、主制御用CPU30aは、第1状態の送信許可信号を受信することにより、正常であることを認識する。
以上のように、送信許可信号が第2状態のときに主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとの間で信号を送受信し、お互いが必要な信号を受信することによってエラー状態(払出停止中エラー)が解除される。なお、払出停止中エラーは、前述したように主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとの間で必要な信号が送受信されることをエラー解除条件とするエラーであり、解除スイッチSWの操作によっては解除できないエラーである。
図5の説明に戻り、前述したように払出停止中エラーが解除されて払出しが復帰した場合、主制御用CPU30aは、賞球払出しの対象となる入球装置への入球によって賞球の払出しを指示する必要がある場合、第1状態の送信許可信号を受信していることによって払出制御用CPU31aに賞球信号を送信する。賞球信号を受信した払出制御用CPU31aは、賞球信号に応じて賞球を払出すための処理を行う。この処理は、払出制御用CPU31aが実行する払出側賞球払出処理に含む。賞球を払出すための処理において払出制御用CPU31aは、受信した賞球信号をもとに払出すべき賞球総数が1個以上となった時点で、主制御用CPU30aに賞球の払出しを開始することを報知する開始報知信号を送信する。なお、払出制御用CPU31aは、賞球信号を受信する毎に、当該賞球信号から特定される賞球数を払出制御用RAM31cに記憶保持している賞球総数に累積加算する。そして、払出制御用CPU31aは、賞球総数が[0(零)]になるまで払出ユニットHSを作動させて遊技球を払出す。なお、払出制御用CPU31aは、払出ユニットHSの第2センサ(払出計数センサ)が遊技球を検知する毎に送信する検知信号を受信することによって賞球総数を1減算する。
主制御用CPU30aは、開始報知信号を受信すると、賞球ランプLAによる賞球払出しの報知を指示する払出報知信号を副制御手段(サブ統括基板32→音声・ランプ基板47)に送信する。払出報知信号を受信した音声・ランプ基板47は、賞球ランプLAを点灯させることによって賞球払出しの報知を開始させる。
主制御用CPU30aは、第1状態の送信許可信号を受信しているとき、賞球払出しの対象となる入球装置への入球が発生する毎に賞球信号を送信する。払出制御用CPU31aは、賞球信号を受信する毎に賞球総数を加算し、賞球総数が[0(零)]になるまで賞球を払出すための処理を行う。そして、払出制御用CPU31aは、賞球総数が「0(零)」、すなわち主制御用CPU30aから指示された賞球の払出しを完了すると、主制御用CPU30aに賞球の払出しを終了することを報知する終了報知信号を送信する。主制御用CPU30aは、終了報知信号を受信すると、賞球ランプLAによる賞球払出しの報知の終了を指示する払出報知終了信号を副制御手段(サブ統括基板32→音声・ランプ基板47)に送信する。払出報知終了信号を受信した音声・ランプ基板47は、賞球ランプLAを消灯させることによって賞球払出しの報知を終了させる。
次に、図6を用いて、賞球の払出しに関する制御を具体的に説明する。
図6は、図5と同様に主制御用CPU30aが第2状態(Lowレベル)の送信許可信号を受信しているときに払出しを復帰させる処理を実行するが、主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとの間で通信エラーが生じた場合を例示している。
主制御用CPU30aは、図5の例示と同様、払出制御用CPU31aに通信確認信号を送信する。通信確認信号の送信により、主制御用CPU30aは払出しを復帰させる処理を実行させる。
払出制御用CPU31aは、送信許可信号を第2状態としているときに通信確認信号を受信したとき、図5の例示で説明したように主制御用CPU30aに確認応答信号を送信するが、主制御用CPU30aからの制御信号を正常に受信できなかったときにはエラーと判定する。この場合のエラーは、主制御用CPU30aが送信した通信確認信号に異常が生じていることによって生じている。
払出制御用CPU31aは、前述のように主制御用CPU30aからの制御信号を正常に受信できなかったときには主制御用CPU30aの指示に対して制御信号を送信することなく、何の応答もしない。つまり、この場合は、主制御用CPU30aが送信した通信確認信号に応答する確認応答信号を送信しない。そして、払出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aからの制御信号を破棄する。それとともに、払出制御用CPU31aは、エラーと判定したことにより、払出制御用RAM31cに記憶保持しているエラー回数を1加算し、エラー回数を計数する。
一方、通信確認信号を送信した主制御用CPU30aは、図5の例示で説明したように払出制御用CPU31aからの確認応答信号を受信することによって次の処理に移行するが、通信確認信号の送信後、所定時間としての第1時間T1(例えば500ms)を経過しても確認応答信号を受信できない場合は再度、通信確認信号を送信する。つまり、主制御用CPU30aは、再度、通信確認信号を送信することにより、払出しを復帰させる処理を再度実行する。第1時間T1は、主制御用CPU30aが次の処理に移行するまで待機する時間である。
払出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが再度、通信確認信号を送信しても、依然として主制御用CPU30aからの制御信号を正常に受信できなかったときには前述同様に何の応答もせずに制御信号を破棄するとともにエラー回数を1加算する。一方で、主制御用CPU30aは、第1時間T1を経過しても確認応答信号を受信できない場合はさらに通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を繰り返す。その結果、主制御用CPU30aが通信確認信号を繰り返し送信しても、払出制御用CPU31aからの確認応答信号を受信できない場合、主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとの間の通信に関するエラー回数が累積される。すなわち、払出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aからの制御信号を正常に受信できずにエラーと判定する毎にエラー回数を計数し続ける。
一方、払出制御用CPU31aは、前述のように主制御用CPU30aが繰り返し通信確認信号を送信している状況で通信確認信号を正常に受信できたときには確認応答信号を主制御用CPU30aに送信する。それとともに、払出制御用CPU31aは、エラー回数をリセットする([0]にクリアする)。そして、主制御用CPU30aは確認応答信号を受信すると、払出制御用CPU31aに開始信号を送信する。払出制御用CPU31aは、開始信号を受信すると、第2状態(Lowレベル)の送信許可信号を第1状態(Hiレベル)の送信許可信号とする。これにより、賞球の払出しを行うことができる状態に復帰する。以降の処理は、図5の例示で説明したとおりである。なお、詳細には記載しないが、払出制御用CPU31aは、開始信号を正常に受信できなかった場合も、通信確認信号を正常に受信できなかったときと同様に処理を行う。
また、図6に例示するように、主基板30から払出基板31への制御信号の送信線である情報信号線L1が断線している場合、主制御用CPU30aが送信した通信確認信号は払出制御用CPU31aに受信されない。つまり、払出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから制御信号(この場合は通信確認信号)が送信されていること自体を認識することができず、エラーの判定も行っていない。その結果、払出制御用RAM31cに記憶保持されているエラー回数は、計数されない。
また、図6に例示するように、払出基板31から主基板30への制御信号の受信線である情報信号線L2が断線している場合、通信確認信号を送信した主制御用CPU30aは、払出制御用CPU31aからの確認応答信号を受信できない。このため、主制御用CPU30aは、第1時間T1を経過しても確認応答信号を受信できない場合、再度通信確認信号を送信する。一方、確認応答信号を送信した払出制御用CPU31aは、確認応答信号の送信後、再度通信確認信号を受信した場合、エラーと判定する。そして、払出制御用CPU31aは、受信した通信確認信号に応答する確認応答信号を再度送信しないとともに通信確認信号を送信したことを特定可能な送信情報を破棄する。それとともに、払出制御用CPU31aは、エラーと判定したことにより、エラー回数を1加算し、エラー回数を計数する。
主制御用CPU30aは、確認応答信号を受信できない場合はさらに通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を繰り返す。その結果、主制御用CPU30aが通信確認信号を繰り返し送信しても、払出制御用CPU31aからの確認応答信号を受信できない場合、主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとの間の通信に関するエラー回数が累積される。すなわち、払出制御用CPU31aは、確認応答信号を送信したにも拘わらず、主制御用CPU30aからの通信確認信号を繰り返し受信することでエラーと判定する毎にエラー回数を計数し続ける。
以上のように主基板30と払出基板31との間で通信エラーが生じている場合、主制御用CPU30aは、送信許可信号が第1状態(Hiレベル)にならないことにより、賞球払出しの対象となる入球装置への入球が発生しても、その入球に伴う賞球信号を払出制御用CPU31aに送信することはできない。その結果、払出制御用CPU31aに送信すべき賞球信号は主制御用RAM30cに記憶保持される。
パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。この実施形態において主基板30と払出基板31は、バックアップ機能を搭載している。バックアップ機能を搭載したパチンコ遊技機10は、電力供給が停止した場合でも遊技制御に関する情報を所定期間保持し、電力供給が開始されたときには前記情報に基づいて復帰可能である。
遊技に関する情報には、特別図柄の図柄変動ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報を含む。特別図柄の図柄変動ゲームに関する情報としては、例えば大当り抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別図柄の図柄変動ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別図柄の図柄変動ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、確率変動状態であるかを特定可能な情報や入球率向上状態であるかを特定可能な情報などである。賞球の払出しに関する情報としては、未送信の賞球信号を特定可能な情報などである。また、所定期間は、パチンコ遊技機10に搭載されているバックアップ用電源(例えば電気二重層コンデンサ)が放電され、そのバックアップ用電源が電力供給不能になるまでの期間である。
そして、パチンコ遊技機10に電源を供給して起動させると(復電時を含む)、主制御用CPU30a及び払出制御用CPU31aは、RAMの初期化指示を受けていない場合、記憶内容が正常であるかを確認し、正常であるときには記憶されている遊技制御に関する情報(記憶内容)に基づいて復帰させる処理を行う。これにより、パチンコ遊技機10は、RAMの記憶内容(電源遮断時における遊技制御に関する情報)に基づいて復帰される。記憶内容が正常であるか、異常であるかの確認は、例えばバックアップフラグの状態確認とチェックサムの一致確認によって行われる。なお、RAMの記憶内容が異常であるときにはRAMの初期化を行って初期値を設定し、RAMの初期化指示を受けたときと同様に制御を開始する。RAMの初期化指示は、例えば電源ユニット38に搭載されているRAMクリアスイッチの操作によって行うことができる。
図7は、図6で例示した通信エラーが発生したときのエラー報知及びエラー解除の事例を示す。
この実施形態において払出制御用CPU31aは、図6で説明したようにエラー回数を計数し、その計数後のエラー回数が所定回数(実施形態では10回)に達したことによってエラー報知を実行させる。この実施形態では、エラー回数が所定回数に達することによってエラー報知の実行条件が成立する。そして、この場合に発生しているエラーは、払出し通信エラー2である。このため、払出制御用CPU31aは、エラー表示器39に払出し通信エラー2に対応する[8]を表示させる。
一方、主制御用CPU30aは、図6で説明したようにエラーが発生している場合であっても、払出制御用CPU31aに通信確認信号を継続して送信する。つまり、主制御用CPU30aは、通信確認信号の送信によって払出しを復帰させる処理を繰り返す。そして、主制御用CPU30aは、払出制御用CPU31aから確認応答信号を受信すると、開始信号をさらに送信する。払出制御用CPU31aは、開始信号を受信すると、主制御用CPU30aとの間の通信状態が正常であることを認識し、第2状態の送信許可信号を第1状態の送信許可信号とする。これにより、主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとの間の通信状態は正常に戻り、払出しが復帰する。しかしながら、払出制御用CPU31aは、エラー回数が所定回数に達してから払出しが復帰したときであっても、エラー表示器39によるエラー報知を継続させる。つまり、エラー回数が所定回数に達した場合には、エラー表示器39によるエラー報知の内容を維持させる。
前述した払出し通信エラー2の発生によるエラー報知([8])は、パチンコ遊技機10の電源を投入する第1解除条件、又は解除スイッチSWの操作による第2解除条件の何れか一方が成立することによって解除することができる。この実施形態において解除スイッチSWの操作による第2解除条件は、エラー報知の実行中に解除スイッチSWを一定時間である第2時間T2(実施形態では2秒)の間、継続して押下(所謂、長押し)することによって成立する。そして、払出制御用CPU31aは、解除スイッチSWからの検知信号を入力し、その検知結果から第2解除条件を満たす態様で操作が行われたことを検知できる場合、エラー解除を行う。すなわち、払出制御用CPU31aは、エラー回数をリセット(0(零)にクリア)するとともにエラー表示器39によるエラー報知を終了させる。なお、エラーが発生していないときのエラー表示器39には、[−(バー)]が表示される。
なお、払出制御用CPU31aは、エラー回数が所定回数に達していないときには解除スイッチSWが第2時間T2の間、継続して操作されていてもエラー回数をリセットせずにエラー回数の計数を継続する。そして、払出制御用CPU31aは、エラー報知の前に既に解除スイッチSWが操作されていた場合、エラー報知後、第2時間T2を経過して解除スイッチSWが継続して操作されていれば第2解除条件を満たす態様の操作としてエラー解除を行う。一方、払出制御用CPU31aは、エラー解除後、再度、エラー報知の実行条件が成立したときにはエラー報知を実行させる。このとき、払出制御用CPU31aは、最初のエラー解除後から解除スイッチSWが継続して操作されている場合であって、エラー報知後、第2時間T2を経過して解除スイッチSWが継続して操作されても、エラー解除を行わない。つまり、払出制御用CPU31aは、解除スイッチSWによる次回のエラー解除は、一旦、解除スイッチSWの非操作を検知し、その後に第2時間T2、操作された場合に行う。
なお、この実施形態のパチンコ遊技機10は、前述したように10種類の払出しに関するエラー報知を行う。そして、払出ユニットエラー1,2及び払出し通信エラー2については、パチンコ遊技機10の電源を投入する第1解除条件、又は解除スイッチSWの操作による第2解除条件の何れか一方が成立することによって解除される。満杯エラーは、満杯スイッチS12が所定の時間(例えば1秒)の間、連続して満杯状態を検知しなくなると解除される。払出ユニット球切れエラーは、払出ユニットHSの第1センサが所定の時間(例えば2秒)の間、連続して遊技球を検知すると解除される。払出ユニット球詰りエラーは、払出ユニットHSの第2センサが所定の時間(例えば2秒)の間、連続して遊技球を検知しなくなると解除される。過剰払出しエラーと払出し通信エラー1は、パチンコ遊技機10の電源を投入する第1解除条件が成立することによって解除される。払出停止中エラーは、図5に例示したように払出しが復帰することで解除される。
図8は、賞球信号を払出制御用CPU31aが受信したときの送信許可信号の状態に応じて行う処理を例示している。
払出制御用CPU31aは、送信許可信号を第1状態としている場合に賞球信号を受信したとき、その賞球信号を受付け、賞球の払出しを行う。
また、払出制御用CPU31aは、エラーの発生やCPUのリセットなどによって送信許可信号を第1状態から第2状態とする。そして、払出制御用CPU31aは、送信許可信号が第1状態から第2状態へ変わるタイミングで賞球信号を受信する場合がある。この場合、払出制御用CPU31aは、送信許可信号を第2状態としてから予め定めた許容期間(第3時間T3)内に賞球信号を受信したときには受信した賞球信号を受付け、賞球の払出しを行う。
一方、払出制御用CPU31aは、前述した許容期間(第3時間T3)を経過してから賞球信号を受信したときには主制御用CPU30aに賞球信号の送信を不許可としているときに送信したことを特定可能とした不許可受信エラー信号を送信する。それとともに、払出制御用CPU31aは、エラー表示器39に払出し通信エラー2に対応する[8]を表示させる。この場合は、送信許可信号を送信する情報信号線L3に異常があり、主制御用CPU30aが送信許可信号を第1状態と誤認識している可能性がある。このため、払出制御用CPU31aは、情報信号線L2から不許可受信エラー信号を送信することによって送信許可信号の状態を伝達する。なお、払出制御用CPU31aは、許容期間を経過して受信した賞球信号を受付け、賞球の払出しを行う。
不許可受信エラー信号を受信した主制御用CPU30aは、賞球信号の送信を停止する。つまり、主制御用CPU30aは、不許可受信エラー信号の受信後、送信すべき賞球信号を保持している場合、及び賞球払出しの対象となる入球装置への入球が生じた場合も、賞球信号を送信しない。
なお、主基板30から送信される通信確認信号と開始信号は、2バイトのデータで構成されるコマンドである。一方、払出制御用CPU31aから送信される確認応答信号、満杯エラーの信号、払出しエラーの信号、不許可時受信エラー信号、開始報知信号、終了報知信号は、1バイトのデータで構成されるコマンドである。
以上、図5〜図8を用いて説明したように、この実施形態の主制御用CPU30aは、送信許可信号をもとに払出制御用CPU31aが賞球信号の送信を許可しているか、許可していないかを確認した上で賞球信号を送信することになる。これにより、例えば主基板30と払出基板31との間で通信エラーが生じているときに、払出制御用CPU31aが賞球信号を受信できない状況において主制御用CPU30aが賞球信号を送信してしまうことが抑制される。つまり、賞球払出しの対象となる入球装置への入球によって払出すべき賞球が発生したときに、主制御用CPU30aから払出制御用CPU31aへ送信された賞球信号が消失して賞球が払出されない事態の発生が抑制される。
また、この実施形態では、送信許可信号が第2状態のとき、主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとの間で互いに制御信号を送受信し、正常に通信が行えることを確認できた場合に送信許可信号を第1状態として主制御用CPU30aが賞球信号を送信可能な状態とする。つまり、主制御用CPU30aと払出制御用CPU31aとで払出しを復帰できる構成である。
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、上扉開放スイッチS10からの検知信号及び下扉開放スイッチS11からの検知信号を、払出基板31で受信できるように構成されている。そして、払出制御用CPU31aは、上扉開放スイッチS10又は下扉開放スイッチS11によって前枠WMの開放が検知された場合、払出しを停止させる処理を行う。具体的に言えば、払出制御用CPU31aは、賞球信号を受信しても当該賞球信号に基づく賞球の払出しを行わないように払出ユニットHSを作動させない。そして、払出制御用CPU31aは、上扉開放スイッチS10又は下扉開放スイッチS11によって前枠WMの閉鎖が検知された場合、賞球の払出しを再開させる。
特に、この実施形態のパチンコ遊技機10では、満杯スイッチS12を前枠WMの下皿通路27aに配置している。このため、前枠WMを開放していないときには満杯スイッチS12が満杯状態を検知したことを契機として払出しを停止させることができるが、前枠WMを開放させたときには満杯スイッチS12からの検知信号を契機として払出しを停止させる処理を行うことができない。したがって、前枠WMが開放されたときには、上扉開放スイッチS10又は下扉開放スイッチS11からの検知信号を契機とすることで払出しを停止させることが可能となる。
図3に示すように、このパチンコ遊技機10は、払出ユニットHSから払出された遊技球が中枠払出通路29を通って前枠側払出通路27へ案内されるようになっている。このため、前枠WMが開放されているときに払出しが行われると、払出された遊技球は中枠払出通路29で滞留することになり、特に大当り遊技中であれば多量の遊技球が滞留することになる。その結果、遊技球の払出しを停止させなかった場合には、払出ユニットHSの故障に繋がったり、中枠払出通路29から機外に遊技球が溢れ出たりしてしまう虞があるが、このような事態の発生を抑制できる。
次に、主基板30のエラー報知について説明する。
エラー報知の対象となるエラー状態には、RAMクリア、主制御基板エラー、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、普通電動役物不正入賞エラー、断線エラー、扉開放、満杯エラー、払出しエラーなどがある。これらのエラー状態は一例であり、パチンコ遊技機10は、仕様(スペック)に応じて様々なエラー状態を検知する機能を搭載している。RAMクリアは、主制御用RAM30cの記憶内容が初期化される状態である。主制御基板エラーは、ハードウェア乱数の更新に異常が生じた状態である。磁気エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された磁気センサによって所定の強さ以上の磁気が検知された状態である。誘導磁界検知エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された誘導磁界検知センサ(電波センサ)によって特定の周波数帯の電波が検知された状態である。大入賞口不正入賞エラーは、大当り遊技が生起されていないとき(特別電動役物装置の未作動時)に、大入賞口への入賞が検知された状態である。普通電動役物不正入賞エラーは、普通電動役物装置の未作動時に第2始動口13への入賞が検知された状態である。また、断線エラーは、基板のスイッチ類の接続などに異常が生じた状態である。扉開放は、パチンコ遊技機10の前枠WMが開放された状態である。満杯エラーは、貯留皿(下皿26b)が満杯の状態である。払出しエラーは、払出基板31側で払出しに関するエラーが発生した状態である。
これらのエラー状態が生じた場合、主制御用CPU30aは、エラー報知を指示するエラー報知信号を副制御手段(サブ統括基板32→演出表示基板46、音声・ランプ基板47)に送信する。そして、エラー報知信号を受信した副制御手段は、所望の報知形態でエラー報知を実行させる。報知形態には、演出表示装置11の画面表示による報知、装飾ランプLaの発光による報知、スピーカSpからの音声出力による報知がある。
払出制御用CPU31aは、払出しに関するエラーのうち、満杯エラーが発生したときにはその旨を特定可能な制御信号を主制御用CPU30aに送信する。また、払出制御用CPU31aは、払出しに関するエラーのうち、払出ユニット球切れエラー、払出ユニットエラー1,2、払出ユニット球詰りエラー、過剰払出しエラー、払出し通信エラー1,2が発生したときにはその旨を特定可能な制御信号を主制御用CPU30aに送信する。このときに送信される制御信号は、発生したエラー種別を特定可能な信号でもよいし、これらのエラーの何れかが発生したことを特定可能な信号でもよい。また、払出制御用CPU31aは、前枠WMが開放されたときにはその旨を特定可能な制御信号を主制御用CPU30aに送信する。
したがって、この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)賞球の払出しに関し、主基板30は、払出基板31が賞球信号を受信可能な状態であるかを確認し、受信可能である場合に賞球信号を送信する。このため、払出基板31が賞球信号を受信できず、賞球の払出しを行うことができないといった事態の発生を回避できる。したがって、賞球の払出しを良好に行うことができる。
(2)また、払出基板31は、送信許可信号を主基板30に送信することによって賞球信号を受信可能であるかを伝達する。このため、主基板30は、払出基板31の状況を把握した上で賞球の払出しに関する制御を行うことができる。
(3)送信許可信号が第2状態(賞球信号を受信できない状態)のときは、主基板30と払出基板31とが互いに制御信号を送受信することによって払出しを復帰させる処理を行う。このため、パチンコ遊技機10内で払出しを自動的に復帰する仕組みが構築され、賞球の払出しを良好に行うことができる。また、払出しを早期に復帰させることが可能となる。
(4)また、主基板30は、払出しを復帰させる処理を繰り返し行う構成であるから、パチンコ遊技機10内で払出しを自動的に復帰する仕組みが構築され、賞球の払出しを良好に行うことができる。
(5)また、払出しを復帰させる処理において主基板30と払出基板31との間で制御信号が正常に送受信できない場合にはエラー回数を計数することで、主基板30と払出基板31との間の通信エラーの検出を行うこともできる。このため、パチンコ遊技機10の故障などを早期に発見することができ、賞球の払出しを良好に行うことができる。
(6)通信エラーを検出しても払出しを復帰することができた場合には、払出しを行わせることから、遊技を中断させてしまうといった事態の発生を回避でき、遊技者に不快な思いをさせないようにすることができる。
(7)その一方で、エラー回数が所定回数に達している場合は、払出しが復帰してもエラー報知を継続させることから、パチンコ遊技機10で起こり得たエラーを遊技場の管理者に把握させることができる。その結果、パチンコ遊技機10の不具合の早期発見に寄与することができる。
(8)解除スイッチSWによってエラー解除を行うことができるので、エラー報知が継続することによって遊技者に不快な思いをさせないようにすることができる。一方で、解除スイッチSWによるエラー解除には、解除スイッチSWを解除条件で満たす態様で操作させること、エラー報知が行われてからしかエラー解除できないこと、2回目以降の解除には改めて解除条件を満たす態様で操作することなどの制約を設けている。このため、エラーが発生していることを遊技場の管理者に強く認識させることができ、その後の対処を促すことができる。
(9)送信許可信号が第2状態になってから第3時間T3(許容期間)が経過する前に送信された賞球信号は、払出基板31で受け付けるように構成している。このため、送信許可信号が第1状態から第2状態へ変わった直後などに送信された賞球信号に対する賞球の払出しを行うことができる。
(10)また、払出基板31は、第3時間T3の経過後に賞球信号を受信したときには主基板30に不許可時受信エラーを送信し、賞球信号の送信を停止させるようにした。このため、賞球信号の消失などを抑制することができる。
(11)賞球ランプLAによって、遊技者や遊技場の管理者に賞球の払出しが行われていることを報知することができる。このため、例えば賞球ランプLAは報知を行っているが、球詰まりなどによって賞球が払出されてないというような事態を発見することができる。
(12)また、賞球ランプLAの報知は、報知の開始と終了を指示する制御としたので、例えば賞球を払出す毎に報知を指示する場合などに比して制御を簡素化することができる。
(13)上扉開放スイッチS10又は下扉開放スイッチS11の検知信号を払出基板31に送信することにより、前枠WMの開放が検知された場合に払出しを停止させることができる。特に、実施形態のように満杯スイッチS12を前枠WMに配置した場合でも、前枠WMの開放によって払出しを停止させることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・情報信号線L1と情報信号線L2とを1本の信号線とし、その信号線を用いて主基板30と払出基板31とで双方向のシリアル通信を行ってもよい。
・エラー報知を行うエラー回数は任意に変更してもよい。
・解除スイッチSWの配置は任意に変更してもよい。
・解除スイッチSWは押しボタン式、レバー式、ダイアル式など、その構成は任意に変更してもよい。
・解除スイッチSWによる解除条件を満たす操作は任意に変更してもよい。例えば1回の操作や複数回の操作を、解除条件を満たす操作としてもよい。
・賞球ランプLAの報知形態は、報知開始から報知終了まで点灯してもよいし、点滅してもよい。
・賞球ランプLAは、主制御用CPU30aが制御してもよいし、払出制御用CPU31aが制御してもよい。払出制御用CPU31aが制御する場合は、開始報知信号及び終了報知信号の送信は不要となる。また、賞球ランプLAによる報知自体を省略してもよい。
・賞球ランプLAによる報知に代えて又は加えて、演出表示装置11による報知や音による報知を行ってもよい。
・送信許可信号は、第1状態をLowレベルとし、第2状態をHiレベルとしてもよい。
・払出基板31で管理される払出しに関するエラーは任意に変更してもよい。例えば、貸出装置を接続しないパチンコ遊技機10であれば貸出装置未接続エラーが検出されなくてもよい。つまり、払出しに関するエラーの種別はパチンコ遊技機の仕様(スペック)に応じて任意に変更可能である。
・実施形態で説明した払出しを復帰させる処理は、パチンコ遊技機10の状態に拘わらず実行することができる。状態には、大当り遊技状態、確率変動状態、入球率向上状態、確率変動状態や入球率向上状態が付与されていない通常状態(電源投入時を含む)がある。つまり、払出しを復帰させる処理は、送信許可信号が第2状態であるときに実行することができる。
・払出しに関するエラーが発生したことを特定可能な情報を、外部端子板40を通じて外部に送信してもよい。例えば、払出し通信エラー1,2が発生したことを特定可能な情報を外部に送信してもよい。
・実施形態のパチンコ遊技機10を、遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の当りに当選するまで確変状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確変状態を付与する仕様(転落機)、あるいは予め定めた回数分の図柄変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様(ST機)がある。また、確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確変状態を付与する仕様(V確変機)がある。実施形態のパチンコ遊技機10は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。
・パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、「ヒコーキタイプ」とも言われる第2種に分類されるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
・サブ統括基板32を音声・ランプ基板47が兼用し、音声・ランプ基板47に演出表示基板46を接続してもよい。サブ統括基板32と、演出表示基板46と、音声・ランプ基板47とを統合した副制御基板を設けてもよい。
・払出ユニットHSは、遊技球を1球ずつ払出す構成でもよいし、複数球(予め定めた単位個数)を一度に払出す構成でもよい。また、払出ユニットHSの駆動力は、ソレノイドで付与してもよい、モータで付与してもよい。
・満杯スイッチS12を中枠WNに配置してもよい。この場合であっても、前枠WMの開放を検知することによって払出しを停止させてもよい。
・前枠WMの開放を検知する検知手段を単数としてもよく、上扉開放スイッチS10又は下扉開放スイッチS11の何れかを設けてもよい。
・遊技球の貯留皿は1つでもよい。すなわち、上皿26aと下皿26bを兼用している構成としてもよい。
・第2始動口13、第1大入賞口14、第2大入賞口15の開放機構は、羽根タイプでもよいし、扉タイプでもよい。
・実施形態のパチンコ遊技機10を、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、実施形態のパチンコ遊技機10を、複数の大入賞口を有するパチンコ遊技機、単一の始動口を有し、単一の特別図柄を用いるパチンコ遊技機、若しくは複数の始動口を有し、単一の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。すなわち、パチンコ遊技機10の構成、特に遊技盤YBの具体的な構成は任意に変更してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(1−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行する遊技機。
(1−2)前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記通信確認信号を受信したときには当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信する前記(1−1)に記載の遊技機。
(2−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記送信許可信号を第2状態としている場合に前記主制御手段からの制御信号を正常に受信できなかったときにはエラー回数として計数し、受信した制御信号を破棄する遊技機。
(2−2)前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記送信許可信号を第2状態としている場合に前記主制御手段からの制御信号を正常に受信し、その受信した制御信号が前記通信確認信号であるときは当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記通信確認信号を送信した前記主制御手段は、前記通信確認信号の送信後、所定時間経過しても前記確認応答信号を受信できない場合は前記所定時間の経過後に再度、前記通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を再度実行する前記(2−1)に記載の遊技機。
(2−3)前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信する前記(2−1)又は(2−2)に記載の遊技機。
(3−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記送信許可信号を第2状態としている場合に前記主制御手段からの制御信号を正常に受信できなかったときにはエラー回数として計数し、受信した制御信号を破棄し、前記主制御手段と前記払出制御手段とは、前記主制御手段から前記払出制御手段へ前記制御信号を送信する送信線で接続されており、前記送信線が断線しているときには、前記払出制御手段で管理される前記エラー回数が計数されない遊技機。
(3−2)前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記送信許可信号を第2状態としている場合に前記主制御手段からの制御信号を正常に受信し、その受信した制御信号が前記通信確認信号であるときは当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記主制御手段は、前記通信確認信号の送信後、所定時間経過しても前記確認応答信号を受信できない場合は前記所定時間の経過後に再度、前記通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を再度実行する前記(3−1)に記載の遊技機。
(3−3)前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信する前記(3−1)又は(3−2)に記載の遊技機。
(4−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記通信確認信号を受信したときには当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記確認応答信号の送信後に前記通信確認信号を再度受信したときにはエラー回数として計数し、前記確認応答信号を再度送信しない遊技機。
(4−2)前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信する前記(4−1)に記載の遊技機。
(5−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記通信確認信号を受信したときには当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信し、前記主制御手段は、前記払出しを復帰できないときには前記払出しを復帰させる処理を繰り返し、前記払出制御手段は、前記払出しを復帰させる処理において制御信号の送受信を正常に行えないときにはエラー回数として計数し、前記払出しが復帰したときには払出しを行わせる遊技機。
(5−2)前記払出制御手段は、計数後のエラー回数が所定回数に達したことによってエラー報知の実行条件が成立している場合には前記エラー回数が前記所定回数に達してから前記払出しが復帰したときであってもエラー報知を継続させる前記(5−1)に記載の遊技機。
(6−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記通信確認信号を受信したときには当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信し、前記払出制御手段は、前記払出しを復帰させる処理において制御信号の送受信を正常に行えないときにはエラー回数として計数し、計数後のエラー回数が所定回数に達したことによってエラー報知の実行条件が成立し、前記エラー報知の実行中に前記遊技機が備えるエラー解除手段が解除条件を満たす態様で操作されることによって前記エラー報知を終了させるとともに前記エラー回数をリセットするエラー解除を行うことができる遊技機。
(6−2)前記主制御手段は、前記払出しを復帰できないときには前記払出しを復帰させる処理を繰り返し、前記払出制御手段は、前記払出しを復帰させる処理において制御信号の送受信を正常に行えないときにはエラー回数として計数し、計数後のエラー回数が所定回数に達したことによってエラー報知の実行条件が成立している場合には前記エラー回数が前記所定回数に達してから前記払出しが復帰したときであってもエラー報知を継続させる前記(6−1)に記載の遊技機。
(6−3)前記払出制御手段は、前記エラー回数が前記所定回数に達していないときには前記エラー解除手段が解除条件を満たす態様で操作されても前記エラー回数をリセットせずに、前記払出しを復帰させる処理において制御信号の送受信を正常に行えないときにはエラー回数として計数する前記(6−1)又は(6−2)に記載の遊技機。
(6−4)前記払出制御手段は、前記エラー解除を行った後も前記エラー解除手段が継続して操作され、前記エラー解除手段が継続して操作されているときに再度、前記エラー報知の実行条件が成立したときの前記エラー報知の実行中は前記エラー解除を行わない前記(6−1)〜(6−3)の何れかに記載の遊技機。
(6−5)前記払出制御手段は、前記エラー解除手段が継続して操作されているときに再度、前記エラー報知の実行条件が成立したときの前記エラー報知の実行中は前記エラー解除手段の非操作を検出し、その後に解除条件を満たす態様で操作されることによって前記エラー解除を行う前記(6−4)に記載の遊技機。
(8−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記送信許可信号を第1状態としている場合に前記主制御手段からの制御信号を正常に受信できなかったときには前記送信許可信号を第2状態とし、前記第2状態としてから予め定めた許容期間内に前記賞球信号を受信したときには当該賞球信号を受付け、賞球の払出しを行い、前記許容期間を経過してから前記賞球信号を受信したときには前記主制御手段に不許可時受信エラー信号を送信する遊技機。
(8−2)前記主制御手段は、前記不許可時受信エラー信号を受信した場合、前記送信許可信号が第1状態になるまで前記賞球信号の送信を停止する前記(8−1)に記載の遊技機。
(8−3)前記主側賞球払出処理において主制御手段は、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記通信確認信号を受信したときには当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信する前記(8−1)又は(8−2)に記載の遊技機。
(8−4)前記払出制御手段は、前記不許可時受信エラー信号を送信したことを報知するエラー報知を実行させる前記(8−1)〜(8−3)の何れかに記載の遊技機。
(9−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記払出側賞球払出処理において前記払出制御手段は、前記通信確認信号を受信したときには当該通信確認信号に応答する確認応答信号を前記主制御手段に送信し、前記確認応答信号の送信後、前記主制御手段から送信される信号であって、遊技球の払出しを開始させることを特定可能な開始信号を受信することによって前記第1状態の送信許可信号を送信し、前記賞球信号の受信によって払出すべき賞球の個数が零個から1個以上の個数になったときに賞球の払出し報知を開始させる処理を行う遊技機。
(9−2)前記払出制御手段は、払出すべき賞球の個数が零個になったときに賞球の払出し報知を終了させる処理を行う前記(9−1)に記載の遊技機。
(9−3)前記賞球の払出し報知を開始させる処理には前記主制御手段に前記払出し報知の開始を指示する開始報知信号を送信することを含み、前記賞球の払出し報知を終了させる処理には前記主制御手段に前記払出し報知の終了を指示する終了報知信号を送信することを含み、前記払出し報知は、前記主制御手段が前記開始報知信号を受信してから前記終了報知信号を受信するまで継続される前記(9−2)に記載の遊技機。
(9−4)前記賞球の払出し報知は、前記遊技機が備える報知手段によって実行される前記(9−1)〜(9−3)の何れかに記載の遊技機。
(10−1)主制御手段と、前記主制御手段からの賞球信号を受信して賞球の払出しを行う払出制御手段と、を備え、前記主制御手段と前記払出制御手段とは双方向で情報を送受信可能とした遊技機において、前記主制御手段は、賞球払出しの対象とする入球装置への入球を検知することによって賞球の払出しを指示する賞球信号を前記払出制御手段に送信する処理を含む主側賞球払出処理を実行し、前記払出制御手段は、前記賞球信号の送信を許可する第1状態であるか、又は前記賞球信号の送信を不許可とする第2状態であるかを特定可能とした送信許可信号を前記主制御手段に送信する処理を含む払出側賞球払出処理を実行し、前記主側賞球払出処理において前記主制御手段は、前記第1状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号を送信する一方で、前記第2状態の送信許可信号を受信しているときには前記払出制御手段に前記賞球信号の送信許可を求める通信確認信号を送信して、払出しを復帰させる処理を実行し、前記遊技機が備える遊技盤の前面を覆う前枠の開放を検知する開放検知手段を備え、前記払出制御手段は、前記開放検知手段からの検知信号を受信し、前記前枠が開放されているときには払出しを停止させる処理を行う遊技機。
(10−2)前記遊技機が備える球皿の満杯状態を検知する満杯検知手段を備え、前記前枠には、払出された遊技球を前記球皿に案内する払出通路が設けられており、前記満杯検知手段は、払出通路を通る遊技球を検知可能に設けられている前記(10−1)に記載の遊技機。