JP6513734B2 - 合成樹脂製包装用袋 - Google Patents

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本発明は、再開閉機能の安定性を保持しつつ長期間にわたって適切な帯電防止効果を発揮するようにした合成樹脂製包装用袋(開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋)に関するものである。本発明は、また、触感・製作難度の緩和・低コストなどをも満足させるようにした合成樹脂製包装用袋(開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋)に関するものである。
合成樹脂製の包装用袋が各種の分野で広く採用されていることは、周知のとおりである。とくに合成樹脂製包装用袋で開閉具(チャック)付きのものは、袋の開口部を随時開閉することができるので、実用面で高い評価を受けている。
包装の技術分野においては、また、合成樹脂製包装用袋なども含めて、これらの静電気対策が重要視されるに至っている。それは、下記(1)〜(3)で略述するようなことが原因で不測のトラブルを惹き起こしかねないからである。
(1) 摩擦・分離・移動などの取り扱いにともなって電気絶縁性袋(合成樹脂製袋)が静電気を帯びてしまい、これが原因で袋に粉塵が付着する。
(2) 粉塵汚染の生じた電気絶縁性袋(合成樹脂製袋)で電子部品が包装されると、その電子部品にも粉塵が付着する。
(3) 電子部品に付着した粉塵に起因し、情報・電子・精密分野などにある電子系の各機器が誤作動(システム障害)を惹き起こす。
上記静電気対策の一つとして、袋の原材料である熱可塑性合成樹脂に低分子型界面活性剤など低分子型の帯電防止剤を添加することがすでに実施されている。ちなみに、低分子型界面活性剤など低分子型帯電防止剤入りの熱可塑性合成樹脂でつくられた袋の場合は、応分の帯電防止効果を発揮するので、上述したような不測のトラブルは起こりがたくなる。しかも、低分子型界面活性剤を活用するこの技術内容のものは、簡易に対策を講じることができて低コストでもある。
その反面、低分子型帯電防止剤入り合成樹脂製袋には、帯電防止効果が経時的に消失するという欠点や、界面活性剤が袋の外部表面や内部表面にブリードアウトするという難点がある。
上記静電気対策の他の一つとして、下記特許文献1に開示された包装用フィルムや下記特許文献2に開示された包装用袋などは、イオン性(アニオン・カチオン・両性)やノニオン性(非イオン)の高分子型帯電防止剤を熱可塑性合成樹脂(フィルムや袋の原材料)に添加することで、粉塵付着などの原因となる帯電を防止するようにしている。この高分子型帯電防止剤が望ましいのは、低分子型界面活性剤にみられるようなブリードアウト現象が起きないことや、良好な帯電防止効果を長期間にわたって発揮することである。したがって、高分子型帯電防止剤は、包装用フィルムや包装用袋の帯電防止剤として低分子型界面活性剤に代わり得るといえる。
熱可塑性合成樹脂の添加剤となる高分子型帯電防止剤については、このほか、下記の特許文献3ないし8にも開示されている。
しかしながら高分子型帯電防止剤も、これを開閉具付き合成樹脂製包装用袋の添加剤として用いるというときに、いくつかの課題を解決しておかねばならない。それは袋と開閉具とを押出成形手段で成形する場合に下記(4)(5)のような問題が発生するからである。
(4) 特殊な形状をした雌雄一対の開閉具、しかも、緻密で高度の咬み合い精度が要求される雌雄一対の開閉具については、成形性のきわめて良好な樹脂材料(熱可塑性合成樹脂)が不可欠である。これに反して開閉具用の熱可塑性合成樹脂は、帯電防止に必要な量の高分子型帯電防止剤を含有したことで物性が変化し、成形性がかなり低下する。この不適合に起因して開閉具部分の成形仕上がりが悪くなり、包装用袋の良品歩留りが低下する。
(5) 上記開閉具対策として、開閉具を成形性のよい別途材料でテープ状に成形し、これを高分子型帯電防止剤入りの袋内面に加熱接着(ヒートシール)するということが提案できる。しかしながらこれも、袋用熱可塑性合成樹脂が高分子型帯電防止剤を含有していることから、ヒートシール手段による袋内面への開閉具接着が十分でなくなり、その結果、袋内面と開閉具内面の間に気密性を阻害するような隙間が生じたりする。
特許文献2に開示された包装用袋は、上記の課題を解決するために、二重袋構造を採用している。それは高分子型帯電防止剤を含む内袋(熱可塑性合成樹脂)と高分子型帯電防止剤を含まない外袋(熱可塑性合成樹脂)とによる二重袋構造のものである。この特許文献2の技術によるときは、高分子型帯電防止剤を含有しない外袋の開口部内面に開閉具を接着しているので、隙間の生じるような接着不良が起こらない。したがって、この文献技術の場合、開閉具の接着性という観点からは良好な成果をおさめていることになる。しかしながら、包装用袋全体を考察すると、特許文献2の技術にも下記(6)(7)のような問題がある。
(6) 内袋と外袋という二つの袋を要するので、材料費が嵩んでしまい、そのために製品のコストがアップする。
(7) 内袋をつくる工程・外袋つくる工程・二つの袋を合体する工程など、製造面からみた工程数がきわめて多いため、生産性が低いものになる。それに両袋の合体工程などは難易度が高い。もちろん、こうしたことも製品のコストアップ要因になる。
特開2008−138116号公報 特開2007−284114号公報 特開平08−027344号公報 特開平08−104787号公報 特開平10−152528号公報 特開2010−132927号公報 特開2013−189503号公報 特開2013−194230号公報
本発明は上記のような技術課題に鑑み、ブリードアウト現象や経時的な消失現象の起こりがたい帯電防止性、開閉具の機能保持、開閉具の定着性、製造の簡易性、コストダウンなどを満足させることのできる合成樹脂製包装用袋(帯電防止型合成樹脂製包装用袋)を提供しようとするものである。
本発明に係る合成樹脂製包装用袋は、所期の目的を達成するための課題解決手段として、下記第1項ないし第3項に記載された技術内容を特徴とするものである。
<第1項>
袋本体が高分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その袋本体の表面固有抵抗値が10Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
雌雄一対の開閉具が高分子型帯電防止剤を含有しない熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体の上端部側に近接してその袋本体の内面に一体形成されていること、および、
被包装物を入れる前の未使用の上記袋本体について、上記袋本体の上端部に閉鎖されたトップシール部が形成されているとともに、上記袋本体の下端部がその袋本体内に上記被包装物を入れるために開放されていること、および、
上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具下には、上記袋本体の一方の内面を接着相手とする低接着層を一方の片面側に備えていたり上記袋本体の他方の内面を接着相手とする高接着層を他方の片面側に備えていたりする積層構造のものであって帯状をなす加熱接着用のシール部材が、上記袋本体の両側部にわたり介在され、かつ、当該シール部材による袋内シール部が上記袋本体内の積層接着構造体として雌雄一対の上記開閉具下に設けられていること、および、
雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに分離した別々のものからなること、および、
上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間には密閉空間部が介在しており、かつ、雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間に介在する当該密閉空間部によって、雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに離れていること、および、
上記袋本体の他方の内面を接着相手とする上記シール部材の高接着層については、その接着相手である上記袋本体と同一の熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
上記袋内シール部における上記シール部材の低接着層は、上記袋本体の一方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長非接着部と下位の横長弱接着部とを有していて、このうちの横長弱接着部を介して上記袋本体の一方の内面と弱接着しており、かつ、上記袋本体の一方の内面に対する上記横長弱接着部の弱接着が易剥離性のある接着であること、および、
上記袋内シール部における上記シール部材の高接着層は、上記袋本体の他方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長強接着部と下位の横長非接着部とを有していて、このうちの横長強接着部を介して上記袋本体の他方の内面と強接着しており、かつ、上記袋本体の他方の内面に対する上記横長強接着部の強接着によって、当該横長強接着部が上記袋本体の他方の内面と接着一体化していること、および、
雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体のシールされた上端部と上記袋内シール部との間に封じ込められていること、および、
上記シール部材の低接着層については、当該低接着層における横長非接着部と横長弱接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長弱接着部]となっており、かつ、上記シール部材の高接着層については、当該高接着層における横長強接着部と横長非接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長強接着部]となっていること、および、
上記袋本体を上下反転させたときの上記シール部材について、当該シール部材が上記袋本体内に底面部を形成するものであること、および、
上記シール部材で形成される底面部は、開口状態にある下端部側から上記被包装物を袋入れすべく上記袋本体を膨らませたときに、上記横長弱接着部・上記両横長非接着部・上記横長強接着部がクランク曲がり状態を呈して、その両横長非接着部がほぼ水平なフラット面を形成するものであり、かつ、上記シール部材の他方の片面にある上記高接着層の横長非接着部が上記袋本体の下端開放面側を向くものであること、および、
上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記低接着層については、当該低接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して下向きに折れ曲がって上記袋本体の一方内面と接着していること、および、
上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記高接着層については、当該高接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して上向きに折れ曲がって上記袋本体の他方内面と接着していること
を特徴とする合成樹脂製包装用袋。
<第2項>
袋本体が高分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その袋本体の表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
雌雄一対の開閉具が高分子型帯電防止剤を含有した静電気減衰性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その雌雄一対の開閉具の表面固有抵抗値が1011Ω/Sq以上かつ1013Ω/Sq未満であること、および、
雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体の上端部側に近接してその袋本体の内面に一体形成されていること、および、
被包装物を入れる前の未使用の上記袋本体について、上記袋本体の上端部に閉鎖されたトップシール部が形成されているとともに、上記袋本体の下端部がその袋本体内に上記被包装物を入れるために開放されていること、および、
上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具下には、上記袋本体の一方の内面を接着相手とする低接着層を一方の片面側に備えていたり上記袋本体の他方の内面を接着相手とする高接着層を他方の片面側に備えていたりする積層構造のものであって帯状をなす加熱接着用のシール部材が、上記袋本体の両側部にわたり介在され、かつ、当該シール部材による袋内シール部が上記袋本体内の積層接着構造体として雌雄一対の上記開閉具下に設けられていること、および、
雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに分離した別々のものからなること、および、
上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間には密閉空間部が介在しており、かつ、雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間に介在する当該密閉空間部によって、雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに離れていること、および、
上記袋本体の他方の内面を接着相手とする上記シール部材の高接着層については、その接着相手である上記袋本体と同一の熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
上記袋内シール部における上記シール部材の低接着層は、上記袋本体の一方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長非接着部と下位の横長弱接着部とを有していて、このうちの横長弱接着部を介して上記袋本体の一方の内面と弱接着しており、かつ、上記袋本体の一方の内面に対する上記横長弱接着部の弱接着が易剥離性のある接着であること、および、
上記袋内シール部における上記シール部材の高接着層は、上記袋本体の他方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長強接着部と下位の横長非接着部とを有していて、このうちの横長強接着部を介して上記袋本体の他方の内面と強接着しており、かつ、上記袋本体の他方の内面に対する上記横長強接着部の強接着によって、当該横長強接着部が上記袋本体の他方の内面と接着一体化していること、および、
雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体のシールされた上端部と上記袋内シール部との間に封じ込められていること、および、
上記シール部材の低接着層については、当該低接着層における横長非接着部と横長弱接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長弱接着部]となっており、かつ、上記シール部材の高接着層については、当該高接着層における横長強接着部と横長非接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長強接着部]となっていること、および、
上記袋本体を上下反転させたときの上記シール部材について、当該シール部材が上記袋本体内に底面部を形成するものであること、および、
上記シール部材で形成される底面部は、開口状態にある下端部側から上記被包装物を袋入れすべく上記袋本体を膨らませたときに、上記横長弱接着部・上記両横長非接着部・上記横長強接着部がクランク曲がり状態を呈して、その両横長非接着部がほぼ水平なフラット面を形成するものであり、かつ、上記シール部材の他方の片面にある上記高接着層の横長非接着部が上記袋本体の下端開放面側を向くものであること、および、
上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記低接着層については、当該低接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して下向きに折れ曲がって上記袋本体の一方内面と接着していること、および、
上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記高接着層については、当該高接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して上向きに折れ曲がって上記袋本体の他方内面と接着していること
を特徴とする合成樹脂製包装用袋。
<第3項>
袋本体が高分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その袋本体の表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
雌雄一対の開閉具が低分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その雌雄一対の開閉具の表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体の上端部側に近接してその袋本体の内面に一体形成されていること、および、
被包装物を入れる前の未使用の上記袋本体について、上記袋本体の上端部に閉鎖されたトップシール部が形成されているとともに、上記袋本体の下端部がその袋本体内に上記被包装物を入れるために開放されていること、および、
上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具下には、上記袋本体の一方の内面を接着相手とする低接着層を一方の片面側に備えていたり上記袋本体の他方の内面を接着相手とする高接着層を他方の片面側に備えていたりする積層構造のものであって帯状をなす加熱接着用のシール部材が、上記袋本体の両側部にわたり介在され、かつ、当該シール部材による袋内シール部が上記袋本体内の積層接着構造体として雌雄一対の上記開閉具下に設けられていること、および、
雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに分離した別々のものからなること、および、
上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間には密閉空間部が介在しており、かつ、雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間に介在する当該密閉空間部によって、雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに離れていること、および、
上記袋本体の他方の内面を接着相手とする上記シール部材の高接着層については、その接着相手である上記袋本体と同一の熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
上記袋内シール部における上記シール部材の低接着層は、上記袋本体の一方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長非接着部と下位の横長弱接着部とを有していて、このうちの横長弱接着部を介して上記袋本体の一方の内面と弱接着しており、かつ、上記袋本体の一方の内面に対する上記横長弱接着部の弱接着が易剥離性のある接着であること、および、
上記袋内シール部における上記シール部材の高接着層は、上記袋本体の他方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長強接着部と下位の横長非接着部とを有していて、このうちの横長強接着部を介して上記袋本体の他方の内面と強接着しており、かつ、上記袋本体の他方の内面に対する上記横長強接着部の強接着によって、当該横長強接着部が上記袋本体の他方の内面と接着一体化していること、および、
雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体のシールされた上端部と上記袋内シール部との間に封じ込められていること、および、
上記シール部材の低接着層については、当該低接着層における横長非接着部と横長弱接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長弱接着部]となっており、かつ、上記シール部材の高接着層については、当該高接着層における横長強接着部と横長非接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長強接着部]となっていること、および、
上記袋本体を上下反転させたときの上記シール部材について、当該シール部材が上記袋本体内に底面部を形成するものであること、および、
上記シール部材で形成される底面部は、開口状態にある下端部側から上記被包装物を袋入れすべく上記袋本体を膨らませたときに、上記横長弱接着部・上記両横長非接着部・上記横長強接着部がクランク曲がり状態を呈して、その両横長非接着部がほぼ水平なフラット面を形成するものであり、かつ、上記シール部材の他方の片面にある上記高接着層の横長非接着部が上記袋本体の下端開放面側を向くものであること、および、
上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記低接着層については、当該低接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して下向きに折れ曲がって上記袋本体の一方内面と接着していること、および、
上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記高接着層については、当該高接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して上向きに折れ曲がって上記袋本体の他方内面と接着していること
を特徴とする合成樹脂製包装用袋。
本発明に係る合成樹脂製包装用袋は、下記<01>〜<12>のような効果を有するものである。
<01> 本発明における袋本体は、高分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1010Ω/Sq未満というものである。このような帯電防止性を有する袋本体は、全く帯電しないか、または、きわめて帯電しがたいものである。したがって、この袋本体を主体にして構成される合成樹脂製包装用袋の場合、静電気の影響を受けることのない物品包装を期すというときに、これに十分に応えることができる。
<02> 本発明において、帯電防止を企図して袋本体に添加されるのは上記の高分子型帯電防止剤である。この高分子型帯電防止剤の場合、ブリードアウト現象がほとんど起きず、帯電防止効果が経時的に消失することもない。したがって、この袋本体を主体にして構成される合成樹脂製包装用袋の場合、長期間にわたり、安定した帯電防止機能を奏して設定レベルの帯電防止効果を定常的に発揮するようになる。
<03> 高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性合成樹脂の成形についていうと、フィルムやシートなど単純な形状のものを成形をするときは問題ないが、精密で高度な形状のものを成形をするときには成形不良が起こりがちとなる。ちなみに、袋本体の内面に一体形成される開閉具(雌雄一対)の場合は、閉鎖時の気密性や開閉操作時の円滑性が要求されるので、精密で高度な成形物に属する。本発明での雌雄一対の開閉具は、その一実施形態として高分子型帯電防止剤を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる。このような材質の開閉具は、高分子型帯電防止剤を含有しないことで成形性がよくなり、精密で高度な開閉具であっても、これを良好に成形して袋本体の内面に一体化させることができる。ゆえに袋本体に対する開閉具が定着性がよく、その高い成形性により、開閉具は閉鎖時の気密性や開閉操作時の円滑性をも満足させるものとなる。
<04> 他の一実施形態として、本発明における雌雄一対の開閉具は高分子型帯電防止剤を含有した静電気減衰性の熱可塑性合成樹脂からなるが、その表面固有抵抗値は1011Ω/Sq以上かつ1013Ω/Sq未満というものである。この静電気減衰性熱可塑性合成樹脂は、電気絶縁性の熱可塑性合成樹脂と比べ、所定の電気的特性を有する点で静電気対策上望ましいものである。その反面、この熱可塑性合成樹脂の成形性が低下するかにみえる。しかしながら、表面固有抵抗値が1011Ω/Sq以上かつ1013Ω/Sq未満である熱可塑性合成樹脂の場合、少ない添加量の高分子型帯電防止剤でこの表面固有抵抗値を得ることができるので、高分子型帯電防止剤が樹脂の成形性に与える影響は小さい。したがって、たとえ精密で高度な開閉具であっても、成形不良をきたすことなくこれを成形することができる。
<05> 上記以外の他の一例として、本発明における雌雄一対の開閉具は低分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、かつ、その表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満というものである。この界面活性剤入り熱可塑性合成樹脂製の開閉具は、当該開閉具をも含む袋全体の静電気対策上、電気絶縁性を有する熱可塑性合成樹脂製開閉具よりも望ましく、また、開閉具の成形性については、高分子型帯電防止性を有する熱可塑性合成樹脂製開閉具よりも望ましい。その反面、この界面活性剤入り熱可塑性合成樹脂の場合は経時的な変化でブリードアウト現象が起きるといえる。しかしながら、界面活性剤入りの当該熱可塑性合成樹脂を構成材料とするのは雌雄一対の開閉具という小部材(細長い部材)に局限され、しかもそれが、袋本体の内部に存するというのであるから、たとえブリードアウト現象が発生するとしても、これによる影響はきわめて小さいものにとどまる。もちろん袋表面側には、ブリードアウト現象が生じるようなことはない。したがって、袋本体内に設けられた一対の開閉具が界面活性剤入り熱可塑性合成樹脂からなるものも、静電気の影響を排除して物品を包装する場合に用いることができる。
<06> 本発明に係る合成樹脂製包装用袋が被包装物を入れる前の状態にあるとき(未使用状態のとき)の袋本体は、通常、被包装物を入れるために下端部が開放されていて上端部が加熱接着(ヒートシール)で閉鎖されている。本発明の一例では、上端部閉鎖かつ下端部開放というこの袋本体において、袋本体内の開閉具下に袋内シール部が形成されているのである。これについて一対の開閉具を基準にしていうと、この一対の開閉具は、閉鎖された袋上端部と袋内シール部との間に封じ込められて外部から遮断されているのである。このように封じ込められた一対の開閉具は、たとえ電気絶縁体であっても帯電しがたく、静電気に起因した粉塵吸着なども起こりがたい。一対の開閉具が静電気減衰性の熱可塑性合成樹脂や界面活性剤入りの熱可塑性合成樹脂からなる場合は、かかる効果がより顕著になる。
<07> 袋本体内の開閉具下に形成された袋内シール部の場合、少なくとも片面が、これと対応する上記袋本体の内部片面に弱接着されている。これは袋の上端部を切り裂いた後、一対の開閉具の開けながら袋内シール部(弱接着)を開封するというとき、弱接着ゆえにこの開封を容易に行うことができる。
<08> 袋本体の開閉具下にある袋内シール部は、その一実施形態において、帯状をなす加熱接着用のシール部材を主体にして形成される。この場合の加熱接着用シール部材の一実施形態はつぎのとおりである。すなわち加熱接着用のシール部材は、その一方の片面に上位の横長非接着部と下位の横長弱接着部とを有し、その他方の片面に上位の横長強接着部と下位の横長非接着部とを有しているのである。そして当該シール部材の一方の片面がその横長弱接着部を介して袋本体の一方の内面に弱接着され、かつ、当該シール部材の他方の片面がその横長強接着部を介して袋本体の他方の内面に強接着されることにより、袋内シール部が形成されるのである。さらにいうと、上端部閉鎖かつ下端部開放という上下反転状態の袋本体において、その袋本体の開閉具下に形成された袋内シール部がこのようなものであるとき、かかる袋内シール部は、上下反転状態にある袋本体の内底となりながら、一対の開閉具に対する遮蔽型防護壁となって当該開閉具を防護する。したがって、開放された下端部から袋本体内に被包装物を入れたり詰め込んだりするときに、その被包装物が一対の開閉具に衝突してこれを開放するとか、微細な被包装物が一対の開閉具間に食い込むとかいう不具合の発生を回避することができる。
<09> 袋本体と一体に形成される一対の開閉具はつぎの点で望ましい。はじめに、高分子型帯電防止剤を含有しない一対の開閉具についていうと、これは成形性がよくて袋本体との定着性もよい。つぎに、低分子型帯電防止剤を含有する一対の開閉具についていうと、これも成形性がよくて袋本体との定着性もよい。さらに、102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満の表面固有抵抗値を満たすように高分子型帯電防止剤を含有する一対の開閉具も、その高分子型帯電防止剤の含有量が抑制されているので、上記に準ずる程度の成形性や定着性がある。
<10> 袋本体と開閉具との一体化をも含めた樹脂成形が材料面やその他で安定したことにより、袋の製作難度が緩和される。これによって良品率が高まり、ひいては歩留まりを向上させることができる。
<11> 袋本体に含有される高分子型帯電防止剤は、経時的にみて、ブリードアウト現象が皆目といってよいほど発生しがたいものである。したがって袋本体の場合、その表面などが粘つくようなことはなく、良好な触感を保つことができる。
<12> 上述した歩留まりの向上が製品のコストダウンにつながる。また、袋本体に添加される高分子型帯電防止剤の場合、超廉価な剤ではないが、袋本体中におけるその含有率を16wt%前後の少量に抑制しても十分な帯電防止性を発揮するので、これがコストプュシュ要因になることもない。したがって製品を低コスト化についても、これを満足させることができる。
本発明に係る合成樹脂製包装用袋の一実施形態について、その袋を上下反転させて示した正面図(図A)と断面図(図B)である。 本発明に係る合成樹脂製包装用袋の他の一実施形態について、その袋を上下反転させて略示した中間部省略状態の正面図(図A)と中間部省略状態の断面図(図B)とシール部材の断面図(図C)である。
本発明に係る開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1(A)(B)に例示された開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋において、11は熱可塑性合成樹脂からなる袋本体を示し、31x・31yは熱可塑性合成樹脂からなる雌雄一対の開閉具を示す。この場合の熱可塑性合成樹脂は熱可塑性のプラスチックと称されることがある。したがって、「合成樹脂」と「プラスチック」の両語は、本発明において同義である。他方において、雌雄一対の開閉具31x・31yの場合は、これがチャック・ファスナー(ファスナ)・ジッパー(ジッパ)などと称されることもある。
図1において、袋本体11の構成材料として面状をなす熱可塑性合成樹脂は、一例として単層フィルムからなり、他の一例として複数枚の単層フィルムが貼り合わされた複層フィルムからなるものである。単層フィルムからなる面状の熱可塑性合成樹脂は、厚さが50〜250μm程度のものであり、複層フィルムからなる面状の熱可塑性合成樹脂は、厚さが150〜750μm程度のものである。さらに、この場合における熱可塑性合成樹脂層としては、下記<21>〜<49>に例示するもののうちから任意のものが採用される。その代表的一例として、低密度ポリエチレンが袋本体11の構成材料として採用される。一方、雌雄一対の開閉具31x・31yについても、下記<21>〜<49>に例示するもののうちから任意のものが採用される。その代表的一例として、低密度ポリエチレンが両開閉具31x・31yの構成材料として採用される。袋本体用の熱可塑性合成樹脂や開閉具用の熱可塑性合成樹脂については、双方の熱可塑性合成樹脂の種類が異なることもあるが、通常は、双方の熱可塑性合成樹脂として同じ種類のもの、または、同系のものが用いられる。袋本体11や両開閉具31x・31yの構成材料である熱可塑性合成樹脂層については、このほか、下記<21>〜<49>に例示するもののうちから任意に選択された二種類以上のものが混合された混合樹脂からなることもある。袋本体11や両開閉具31x・31yの構成材料である熱可塑性合成樹脂層には、もちろん、帯電防止剤をはじめとする所要の添加剤が添加される。これらの添加剤については、あとで詳述する。
<21> 高密度ポリエチレン(HDPE)/ポリエチレン(PE)
<22> 中密度ポリエチレン(MDPE)/ポリエチレン(PE)
<23> 低密度ポリエチレン(LDPE)/ポリエチレン(PE)
<24> ポリプロピレン(PP)
<25> ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
<26> ポリ塩化ビニル(PVC)
<27> ポリスチレン(PS)
<28> ポリ酢酸ビニル(PVAc)
<29> ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
<30> ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
<31> AS樹脂(SAN)
<32> アクリル樹脂(PMMA)
<33> ポリアミド(PA)/商品名ナイロン
<34> ポリアセタール(POM)
<35> ポリカーボネート(PC)
<36> 変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)
<37> ポリブチレンテレフタレート(PBT)
<38> ポリエチレンテレフタレート(PET)
<39> 環状ポリオレフィン(COP)
<40> ポリフェニレンスルファイド(PPS)
<41> ポリサルフォン(PSF)
<42> ポリエーテルサルフォン(PES)
<43> 非晶ポリアリレート(PAR)
<44> 液晶ポリマー(LCP)
<45> ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
<46> 熱可塑性ポリイミド(PI)
<47> ポリアミドイミド(PAI)
<48> 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
<49> フッ素樹脂(PTFE)
既述のとおり、袋本体11や両開閉具31x・31yの場合は、所要の特性を持たせるためにそれに応じた添加剤が添加される。それは有機系の添加剤であったり無機系の添加剤であったりする。これら添加剤の一部について具体例をあげると、帯電防止剤・紫外線吸収剤・酸化防止剤・遮光剤などがある。ちなみに紫外線吸収剤・酸化防止剤・遮光剤などは耐候性剤という上位概念語でくくることもできる。したがって、耐候性剤というとき、それは紫外線吸収剤・酸化防止剤・遮光剤のうちから選択されるいずれか一つ以上の添加剤機能を有するものである。また、同一ないし同種の物質が添加剤として二つ以上の機能を有することもある。以下の具体的な添加剤例においてそのような物質は、複数箇所に掲げられている。添加剤に関する他の具体例として、ガスバリヤ剤・可塑剤・耐候性剤・滑剤・耐ブロッキング剤・保香剤・難燃剤・防曇剤・分散剤・離型剤・重合添加剤(重合開始剤)・流動性向上剤などをあげることができ、そしてこれらも、袋本体用や開閉具用の熱可塑性合成樹脂に添加されることもある。以下に掲げる各種の添加剤はいずれも公知ないし周知のものである。
袋本体11にとって帯電防止剤は不可欠のものであるから、袋本体用の熱可塑性合成樹脂には帯電防止剤が必ず添加される。しかも、この袋本体用帯電防止剤の場合、高分子型帯電防止剤であることを要するので、たとえば、低分子型界面活性剤のような低分子型帯電防止剤は採用されないのである。袋本体用の熱可塑性合成樹脂に添加される高分子型帯電防止剤の場合、イオン性(アニオン性・カチオン性・両性)であっても、また、ノニオン性(非イオン性)であってもよい。これらの具体例はつぎのようなものである。アニオン性高分子型帯電防止剤として「ポリスチレンスルホン酸型」をあげることができる。カチオン性高分子型帯電防止剤として「第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体型」をあげることができる。両性高分子型帯電防止剤として「スルホベタイン型」をあげることができる。とくに、イオン性高分子型帯電防止剤については、「アイオノマー組成物(イオンポリマー)」からなるもの、なかでも「カリウムアイオノマー」からなるものがよく採用される。一方、非イオン性高分子型帯電防止剤としては「ポリエチレンオキシド系」や「エチレンオキシド−エピクロルヒドリン型」をあげることができる。このほか、袋本体用の熱可塑性合成樹脂に添加される帯電防止剤は、それが高分子型であるかぎり、その高分子型界面活性剤も採用されたりする。
一対の開閉具31x・31yは、一例として帯電防止剤を添加剤として含まない。この帯電防止剤を含まない両開閉具31x・31yの場合、帯電防止剤以外の添加剤が添加されることによって導電性をもつこともある。また、両開閉具31x・31yが電気絶縁性を示すこともある。帯電防止剤を含まない開閉具31x・31yについては、その表面固有抵抗値が1013Ω/Sq未満において導電性を示すものであり、その表面固有抵抗値が1013Ω/Sq以上において電気絶縁性を示すものである。
一対の開閉具31x・31yは、他の一例として帯電防止剤を添加剤として含むものである。開閉具用の熱可塑性合成樹脂に添加される帯電防止剤は二通りある。その一つは高分子型帯電防止剤であり、他の一つは低分子型帯電防止剤である。開閉具用の熱可塑性合成樹脂に添加される高分子型帯電防止剤については、袋本体用の熱可塑性合成樹脂で説明した上記高分子型帯電防止剤と同じものが採用される。ただし、開閉具用の熱可塑性合成樹脂に添加される高分子型帯電防止剤の場合、当該開閉具の樹脂成形性を維持するため、その添加量が袋本体用の熱可塑性合成樹脂に比して大幅に減量される。ちなみに、袋本体用熱可塑性合成樹脂への高分子型帯電防止剤の添加量を「1」とした場合、開閉具用熱可塑性合成樹脂に対する高分子型帯電防止剤の添加量は「1/20」〜「1/5」の範囲内で設定される。この範囲内で高分子型帯電防止剤を添加された開閉具用熱可塑性合成樹脂の場合、その表面固有抵抗値が1011Ω/Sq以上かつ1013Ω/Sq未満であり、静電気減衰性を有するものとなる。開閉具用の熱可塑性合成樹脂に添加される低分子型帯電防止剤も、イオン性(アニオン性・カチオン性・両性)のものやノニオン性(非イオン性)のものが任意に採用される。これらは低分子型界面活性剤であることが多い。イオン性やノニオン性の低分子型帯電防止剤について具体的なものをあげると、つぎのとおりである。
[アニオン性低分子型帯電防止剤(低分子型界面活性剤)]
アルキルスルホン酸塩
アルキルベンゼンスルホン酸塩
アルキルオスフェート酸塩
[カニオン性低分子型帯電防止剤(低分子型界面活性剤)]
テトラアルキルアンモニウム塩
トリアルキルベンジルアンモニウム塩
[両性低分子型帯電防止剤(低分子型界面活性剤)]
アルキルベタイン
アルキルイミダゾリウムベタイン
[非イオン性低分子型帯電防止剤(低分子型界面活性剤)]
グリセリン脂肪酸エステル
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
アルキルジエタールアミン
ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン
ポリオキシエチレンアルキルアミン
ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル
脂肪酸ジエタノールアミド
袋本体用の熱可塑性合成樹脂には、下記に示すような有機系添加剤や無機系添加剤が任意に選択されて添加される。もちろん複数種の添加剤を添加するというときは、原則として、添加剤相互の効果が減殺ないし打ち消されることのないような組み合わせや、添加剤相互が機能的に対立することのないような組み合わせが選定される。開閉具用の熱可塑性合成樹脂にも、その成形性を阻害しない範囲内において下記に示すような添加剤が任意に選択されて添加されたりする。ただし、開閉具用熱可塑性合成樹脂の場合、紫外線吸収剤・紫外線散乱剤・遮光剤などは添加を省略されることが多い。このほか、下記に示す添加剤がブリードアウトの生じるものであるときは、樹脂への添加が省略されたりする。ただし、袋本体11が三層構造の積層フィルムからなる場合、その中間層のフィルムには、ブリードアウトの生じる添加剤も添加されることがある。
[紫外線吸収剤(紫外線散乱剤)]
・低分子のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(分子量200〜400)
・低分子のトリアジン系紫外線吸収剤(分子量200〜400)
・低分子のベンゾエート系紫外線吸収剤(分子量200〜400)
・高分子のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(分子量10000以上)
・高分子のトリアジン系紫外線吸収剤(分子量10000以上)
・高分子のベンゾエート系紫外線吸収剤(分子量10000以上)
・酸化亜鉛(微粒子)
・シリコーンによる表面処理を施された酸化亜鉛(微粒子)
・セラミックによる表面処理を施された酸化亜鉛(微粒子)
・酸化チタン(ルチルの微粒子)
・酸化チタン(アナターゼの微粒子)
・メトキシケイヒ酸オクチル
・ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
・t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン
・オクチルトリアゾン
・パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル
[酸化防止剤]
・フェノール系酸化防止剤(ラジカル補捉剤)
・イオウ系酸化防止剤(過酸化物分解剤)
・リン系酸化防止剤(過酸化物分解剤)
・貴金属微粒子(白金、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムなど)
・鉄粉(噴霧鉄粉、海面鉄粉、電解鉄粉、鉄研削粉、粉砕鉄など)を主剤として、ハロゲン化金属(アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、臭化物、沃化物など)を配合したもの
[耐候性剤]
・有機ポリシラン
・ポリフィリン化合物
・ポリシランやポリフィリン化合物の金属錯体
・酸化第二セリウム
・フェノール系化合物
・ヒンダードフェノール系化合物
・ヒンダードアミン系化合物
・ハイドロタルサイト様化合物
・白色顔料(酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、アンチモン白、リトポン ・オル亜鉛華、石膏、バライト、胡粉、塩基性炭酸鉛など)
・他の顔料(炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、アルミノシリケート、珪藻土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム=アルミナ、酸化マグネシウム=マグネシアなど)
[遮光剤]
・有機系の染料(スチリル系染料、アントラキノン系染料、インドアニリン系染料)
・有機系の顔料(アゾレーキ系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、
キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、ペリノン系、チオインジコ系、ペリレン系など)
・光吸収性無機顔料(カーボンブラック、鉄黒、カーボンバルーン、酸化鉄など)
・光反射性無機顔料(酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、亜鉛粉末、アルミニウム粉末、炭酸カルシウム、シラスバルーン、ガラスバルーン、シリカ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、酸化クロム、ジルコニア、チタニア、アルミナ、マグネシア、クレー、カオリン、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス球など)
[滑剤]
・シリコーン系化合物
・炭化水素系化合物
・高級アルコール系化合物
・高級脂肪酸系化合物
袋本体用熱可塑性合成樹脂の添加剤としてはガスバリヤ剤・可塑剤・耐候性剤・耐ブロッキング剤・保香剤・難燃剤・防曇剤・分散剤・離型剤・流動性向上剤・重合用添加剤なども、現時点で公知ないし周知のものが採用可能であり、かつ、その公知ないし周知のもののうちから適宜選択採用される。これらの添加剤は、開閉具用の熱可塑性合成樹脂にも必要に応じて採用される。
上記における主な添加剤の添加量については、樹脂100重量部に対し、下記のような範囲内で設定される。
有機系紫外線吸収剤=0.001〜15重量部
無機系紫外線吸収剤=0.01〜50重量部
酸化防止剤=0.001〜3重量部
遮光剤=0.05〜10重量部
ガスバリヤ剤=1〜15重量部
可塑剤=10〜90重量部
耐候性剤=0.01〜50重量部
帯電防止剤=0.1〜20重量部
滑剤=0.005〜5重量部
耐ブロッキング剤=0.01〜40重量部
保香剤=0.001〜10重量部
難燃剤=0.01〜100重量部
防曇剤=0.5〜5重量部
分散剤=0. 05〜5重量部
離型剤=0.001〜5重量部
流動性向上剤=0. 05〜5重量部
重合添加剤(重合開始剤)=0.1〜5重量部
発泡剤(化学発泡剤)=0.1〜20重量部
袋本体用の熱可塑性合成樹脂や開閉具用の熱可塑性合成樹脂に添加するために選択される下記の添加剤は、一つの剤が複数の添加剤を兼ねるものである。
[グリセリン脂肪酸エステル/モノグリセライド]
滑剤、帯電防止剤、防曇剤、可塑剤、分散剤、離型剤、アンチブロッキング剤、流動性向上剤、重合用添加剤
[グリセリン脂肪酸エステル/アセチル化モノグリセライド]
可塑剤、流動性向上剤
[グリセリン脂肪酸エステル/有機酸モノグリセライド]
滑剤、帯電防止剤、防曇剤、離型剤
[グリセリン脂肪酸エステル/中鎖脂肪酸トリグリセライド]
可塑剤、流動性向上剤
[ポリグリセリン脂肪酸エステル]
滑剤、帯電防止剤、防曇剤、分散剤、離型剤、アンチブロッキング剤、流動性向上剤、重合用添加剤
[ソルビタン脂肪酸エステル]
滑剤、帯電防止剤、防曇剤、可塑剤、分散剤、離型剤、アンチブロッキング剤、流動性向上剤、重合用添加剤
[プロピレングリコール脂肪酸エステル]
滑剤、可塑剤、離型剤、流動性向上剤
[特殊脂肪酸エステル]
滑剤、分散剤、離型剤、アンチブロッキング剤、流動性向上剤
[高級アルコール脂肪酸エステル]
滑剤、分散剤、離型剤、流動性向上剤
[エチレンオキサイド付加物/ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル]
帯電防止剤、防曇剤、分散剤
[エチレンオキサイド付加物/ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル]
帯電防止剤、防曇剤、分散剤
上述した添加剤は、周知の「練り込み」手段で熱可塑性合成樹脂に添加されるものである。これに際しては、あらかじめマスターバッチをつくる。すなわち、粉体からなる添加剤を所定割値でレジンに混ぜてマスターバッチをつくる。そして押出成型機において樹脂を溶融混練するときにマスターバッチを加えて樹脂全体を均質化し、それを押し出すことで、袋表地フィルムや袋裏地フィルムなど袋本体用のフィルムをつくる。さらにこのとき、周知の共押出法で所定の樹脂を押し出しながらその成形物を合流させることにより、雌型開閉具31xや雄型開閉具31yを袋表地フィルムや袋裏地フィルムの各内面にそれぞれ一体させて雌型開閉具付きフィルムや雄型開閉具付きフィルムを成形する。以下は周知のとおり、このような各フィルムを生産ラインに供給して開閉具付き包装用袋をライン生産する。
本発明に係る開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋の一実施形態として図1に例示されたものは、つぎのような袋構造を具備している。
図1(A)(B)について、袋本体11は上下反転状態で示されているが、通常の袋姿勢はこの図示と上下が逆になるものである。図1(A)(B)を参照して明らかなように、袋本体11は、たとえば、袋表地用と袋裏地用というような表裏一対のフィルム12x・12yや、開閉自在な雌雄一対の開閉具31x・31yを主たる構成とするものである。両フィルム12x・12yと両開閉具31x・31yとの関係では、一例として、袋表地フィルム12xの内面に雌型開閉具31xが一体形成されており、袋裏地フィルム12yの内面に雄型開閉具31yが一体形成されている。これについては、袋表地フィルム12xの内面に雄型開閉具31yが一体形成されたり、また、袋裏地フィルム12yの内面に雌型開閉具31xが一体形成されたりすることもある。
図1(A)(B)に例示された袋本体11について、さらにいうと、これは互いに重ね合わされた両フィルム12x・12yの両側部に加熱接着手段(ヒートシール手段)でサイドシール部13a・13bが形成されたり、さらには、互いに重ね合わされた両フィルム12x・12yの上端部に加熱接着手段(ヒートシール手段)でトップシール部(アッパシール部)14が形成されたりすることによって、袋状の構造物に仕上げられているものである。このときの雌雄一対の開閉具31x・31yは、互いに咬み合って閉鎖状態にある。一方、袋本体11の下端部については、ここから袋本体11の内部に被包装物を入れるために開放されている。袋本体11の開放状態にある下端部については、図1(A)(B)に略示されているように、袋本体11の内部に被包装物PKを入れた後、加熱接着手段(ヒートシール手段)でシール(閉鎖)される。したがって、袋本体11の下端部には、被包装物を袋詰めした後に、ボトムシール部(アンダシール部)15が形成されることとなる。
図1に例示された両フィルム12x・フィルム12yは、不可欠の添加剤として高分子型帯電防止剤を含有し、他にも、既述の添加剤のうちから選択された任意数の添加剤を含有しているものである。高分子型帯電防止剤を含有する両フィルム12x・フィルム12yには自明の帯電防止性があり、この両フィルム12x・フィルム12yで構成される袋本体11にも帯電防止性がある。袋本体11の表面固有抵抗値は102Ω/Sq以上かつ1010Ω/Sq未満である。袋本体11の帯電防止性については、高分子型帯電防止剤の含有量を多くした場合に高上し、かつ、高分子型帯電防止剤の含有量少なくした場合に低下するので、これを踏まえて袋本体11の表面固有抵抗値が所望値に設定される。
図1における雌雄一対の開閉具31x・31yは、一例として帯電防止性のものである。かかる帯電防止性の開閉具31x・31yは、これに含まれる帯電防止剤が高分子であるか、または、低分子であるかにより、その表面固有抵抗値が異なる。ちなみに、高分子帯電防止剤を含有する帯電防止性の開閉具31x・31yの場合は、その表面固有抵抗値が1011Ω/Sq以上かつ1013Ω/Sq未満であり、また、低分子帯電防止剤を含有する帯電防止性の開閉具31x・31yの場合は、その表面固有抵抗値が袋本体11と同じく、102Ω/Sq以上かつ1010Ω/Sq未満である。他の一例として電気絶縁性の熱可塑性樹脂からなる開閉具31x・31yの場合、その表面固有抵抗値は1013Ω/Sq以上である。
本発明に係る開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋の他の一実施形態として図2に例示されたものの場合、基本的には図1のものと同様の袋構造を具備しているが、下記の点で図1のものと相違するものである。
図2(A)(B)においても、袋本体11は上下反転状態で示されているが、通常の袋姿勢はこの図示と上下が逆になる。図2(A)(B)を参照して明らかなように、袋本体11内にある両開閉具31x・31yの下位には、帯状をなす加熱接着用のシール部材51が袋本体11の両側部にわたり介在されており、このシール部材51の両面と袋本体11の内部両面(両フィルム12x・12yの内面)とが加熱接着(ヒートシール)されて袋内シール部52が形成されている。この場合の接着態様についていうと、袋内シール部52を形成しているシール部材51の片面は、これと対応する袋本体11の内部片面(袋表地フィルム12xの内面)に弱接着されている。また、袋内シール部52を形成しているシール部材51の他の片面については、これと対応する袋本体11の内部片面(袋裏地フィルム12yの内面)に対して、弱接着あるいは強接着されている。そしてこの実施形態での雌雄一対の開閉具31x・31yは、袋本体11のシールされた上端部(トップシール部14)と袋内シール部52との間に封じ込められているのである。
加熱接着用の部材であるところの上記帯状のシール部材51について、図2(C)を参照して詳述すると、以下のとおりである。
シール部材51の層数は単数複数いずれでもよいが、両フィルム12x・12yとの接着性を考慮する場合に複層のものが優先して用いられることが多い。複層のシール部材51は自明のとおり、二層以上の積層構造を有するものである。ちなみに図2(C)に例示されたシール部材51は積層構造が三層のものである。その三層のうちでは、一つが横長帯状の低接着層53、他の一つが横長帯状の高接着層54、さらに他の一つが横長帯状の中間層55である。この三層については、低接着層53と高接着層54との間に中間層55を介在させた態様でこれらが積層一体化されている。シール部材51における各層の場合、それぞれの一層あたりの厚さは一例として100〜200μm程度である。三層構造からなるシール部材51の合計厚さは、約300〜800μm程度になる。また、実施態様によっては、各層の合計厚さが300μm未満のシール部材51もあり、各層の合計厚さが800μm超過のシール部材51もある。もちろんシール部材51については二層の積層構造もある。二層構造からなるシール部材51の一例としては、たとえば、上記三層構造からなるシール部材51において、中間層55が省略されて低接着層53と高接着層54とが直接積層されるものである。
合成樹脂を材料とする上記積層構造のシール部材51は、押出ラミネート法・ドライラミネート法・共押出法のいずれか、または、これら以外のラミネート法、あるいは、これら各方法の併用により作製されるものである。この種のラミネート法には、ホットメルトラミネート・コーティングポリラミネート・ウェットラミネート・サーマルラミネートなどの各法も含まれる。さらに、非合成樹脂系材料と合成樹脂系材料との組み合わせからなるシール部材51の場合は、たとえば、非合成樹脂系材の層の表面に合成樹脂系材料の層が接着形成または塗布形成されて、積層構造のシール部材51がつくられることとなる。
上記低接着層53と上記高接着層54と上記中間層55とからなる図2(C)の合成樹脂製シール部材51について、それぞれの層53・54・55は以下のようなものである。
低接着層53はシール部材51の易剥離性(弱接着性)を決定づける重要な要素である。シール部材51の低接着層53が合成樹脂製、かつ、これと弱接着対応する一方のフィルム(12xまたは12y)の内面側も合成樹脂製であるとき、合成樹脂製フィルム(12xまたは12y)の内面に対する合成樹脂製の低接着層53は、層間剥離タイプ・凝集剥離タイプ・界面剥離タイプなど、このいずれかの剥離タイプになるように接着されるものである。より具体的にいうと、低接着層53は、常温圧着手段(加圧接着手段)や、熱溶着手段(加圧加熱溶着手段)で相手側に接着されるものである。常温圧着手段で合成樹脂製フィルム(12xまたは12y)の内面に接着される低接着層53は、代表的一例として合成樹脂製で粘着剤系の接着材料からなる。熱溶着手段で合成樹脂製フィルム(12xまたは12y)の内面に接着される低接着層53の場合は、複数の異種高分子がブレンドされたブレンドポリマーを主体にしたものからなる。この後者の低接着層53の場合、層間剥離タイプ・凝集剥離タイプ・界面剥離タイプなどいずれの剥離タイプにするかで、配合するポリマーの組み合わせ(異種のポリマーブレンド)や各ポリマーの配合割合が設定されて所要のものになる。この後者の低接着層53に関する相手側合成樹脂製フィルムとの接着強度(易剥離性)は、また、合成樹脂製フィルム(12xまたは12y)と同種のポリマーをどの程度含むか、換言すると、そのフィルム(12xまたは12y)に対して異種となるポリマーをどの程度含むかでも定まるものである。さらに、この後者の低接着層53は、合成樹脂製フィルムと熱溶着するときの温度・加圧力・加圧時間などを調整することで熱溶着後のその易剥離性を種々変化させることができる。このように、上記後者の低接着層53については、その易剥離性(弱接着性)を決定づけるパラメータが多くあるから、その一部または全部に基づいて易剥離性を設定することとなるが、異種のポリマーブレンドという観点からは、上記両フィルム12x・12yにおいて熱可塑性合成樹脂として各種掲げたもののうちから、種類の異なる二つの合成樹脂成分、または、種類の異なる三つ以上の合成樹脂成分を含んだものからなる。この低接着層53の具体的な例をあげると、ポリエチレン系の樹脂とポリプロピレン系の樹脂とが適当割合で配合されたもの、ポリエチレン系の樹脂とポリプロピレン系の樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合樹脂とが適当割合で配合されたものなどなどであるが、もちろん低接着層53についてはこのような例のみに限定されず、既述の熱可塑性合成樹脂のうちから二種以上の樹脂系が選択されてブレンドされるものである。
シール部材51における高接着層54の主たる役割は、接着相手のフィルムに対してシール部材51を確実かつ安定に定着させることである。したがって高接着層54の材料については、これと接着対応する上記いずれかのフィルム(12xまたは12y)に対して強力に接着されるものであるか、あるいは、完全に接着一体化されるものであることが望ましい。ちなみに高接着層54が接着相手のフィルム(12xまたは12y)と同一の合成樹脂製であれば、既述の熱溶着手段で高接着層54とフィルム(12xまたは12y)とを接着することにより、この両者がほぼ完全に接着一体化されることとなる。かかる理由から、高接着層54の材料としては、接着相手のフィルム(12xまたは12y)と同一の熱可塑性合成樹脂が用いられる。その際の具体的な熱可塑性合成樹脂は、両フィルム12x・12yの前記材料説明で述べたものと同じであるので、それを参照することで説明を省略する。
シール部材51における中間層55の主な役割は、柔軟性・弾性・剛性・強度・耐熱性・加工安定性・その他を含めたシール部材51の物性とくに機械的特性や化学的特性を調整することである。この中間層55の材料も、低接着層53や高接着層54が熱可塑性合成樹脂製である場合には、熱可塑性合成樹脂が用いられる。中間層55の材料として用いられるものも、両フィルム12x・12yの前記材料説明として掲げたもののうちから採用される。その具体例をいくつかあげれば、ポリエチレンテレフタレートとかポリイミドとかの熱可塑性合成樹脂である。低接着層53と高接着層54との間に介在される当該中間層55は、単層でもよいし複層でもよいものである。しかしながらこの層数を過剰に増やしたりすると、コストアップをきたすだけでなく、シール部材51のレベルで望ましくない嵩張り・強張りなどが生じる。したがって中間層55の層数は1ないし2程度でよい。
積層構造のシール部材51は、二層構造の場合でも、また、三層以上の積層構造の場合でも、貼り合わせ・コーティング・共押出などいずれかの手段でつくられるものである。しかも、シール部材51は帯状をしている。このようにしてつくられるシール部材51が低接着層53と高接着層54とによる二層構造からなる場合は、低接着層53と高接着層54とが弱接着されたものであっても強接着されたものであっても構わない。さらにまた、シール部材51が低接着層53と高接着層54と中間層55とによる多層構造(三層以上の積層構造)からなる場合も、上記と同様、低接着層53と中間層55とは弱接着されたものでも強接着されたものでも構わない。積層構造で帯状をなすシール部材51は、その一方の帯状面に低接着層53の片面(層表面)が露出しており、その他方の帯状面に高接着層54の片面(層表面)が露出しているものである。このような露出した各層表面は両フィルム12x・12yに対する接着面になる。この場合において、一方のフィルム12x(内面)とシール部材低接着層53とを接着するときや、他方のフィルム12y(内面)とシール部材高接着層54とを接着するときには、その接着態様が「一部接着かつ残部非接着」になる。または、一方のシール部材面(片面)の接着態様として「全面接着」が採用されたり、他方のシール部材面(片面)の接着態様として「一部接着かつ残部非接着」が採用されることもある。
図2(A)(B)の実施形態では、シール部材51による袋内シール部52が、袋本体11内の積層接着構造体として両開閉具31x・31y下に設けられるのである。すなわち、この実施形態の場合、袋内部の幅方向にわたってシール部材51が介在配置された袋本体11において、フィルム12xの内面と低接着層53の層表面とが相対接着され、かつ、フィルム12yの内面と高接着層54の層表面とが相対接着されているのである。こうして形成される袋内シール部52の場合、低接着層53とフィルム12xとの接着が易剥離性のある前記弱接着となり、高接着層54とフィルム12yとの接着が接着強度の高い前記強接着となるのである。
この袋内シール部52について、図2(A)(B)(C)を参照してさらにいうと、つぎのとおりである。シール部材51について上下反転していない図2(C)の状態を基準にした場合、シール部材51の一方の片面(低接着層53)は、相対的上位の横長非接着部NLと相対的下位の横長弱接着部WLとを有している。このようなシール部材51の一方の片面は、横長弱接着部WLを介して袋本体11の一方の内面(例:袋表地フィルム12xの内面)と弱接着される。これに対して、シール部材の他方の片面(高接着層54)も、上下反転していない図2(C)の状態を基準にした場合に、上位の横長強接着部SLと下位の横長非接着部MLとを有している。このようなシール部材51の他方の片面は、横長強接着部SLを介して袋本体11の他方の内面に強接着される。かくて袋本体11内には、シール部材51を主体にした袋内シール部52が形成されるのである。
図2に例示されたシール部材51の場合、その一方の片面における横長非接着部NLと横長弱接着部WLとの寸法や、その他方の片面における横長強接着部SLと下位の横長非接着部MLとの寸法関係は、[横長非接着部NL>横長弱接着部WL]や[横長非接着部ML>横長強接着部SL]となっているが、これらについては、[横長非接着部NL=横長弱接着部WL]または[横長強接着部SL>横長非接着部ML]とか、[横長非接着部ML=横長強接着部]または[横長強接着部SL>横長非接着部ML]とかであってもよい。
図2の実施形態における袋内シール部52は、トップシール部14と協働して袋本体11内に密閉空間部56を形成している。したがって、この密閉空間部56内にある雌雄一対の開閉具31x・31yの場合、被包装物PKを袋詰めされたりボトムシール部15が施されたりしてから、被包装物PKの取り出しのためにトップシール部14が切除されるまでの間、密閉空間部56内に封じ込められて、塵埃付着汚染などから防護されることとなり、ひいては、それが被包装物PKの汚染対策に通じることとなる。
図2の実施形態において袋内シール部52を形成しているシール部材51は、袋本体11が同図のような上下反転状態にあるときに、一時的ないし暫定的な底面部57となるものである。それはシール部材51が横長弱接着部WLや横長強接着部SLを介して両フィルム12x・12yの内面と接着されていることによる。すなわち、このようなシール部材51で形成される底面部57の場合、開口状態にある下端部側から被包装物PKを袋入れすべく袋本体11を膨らませたときに、横長弱接着部WL・横長非接着部NL(ML)・横長強接着部SLなどがクランク曲がり状態を呈し、その横長非接着部NL(ML)がほぼ水平なフラット面を形成するからである。このような底面部57が得られるときは、被包装物PKの袋入れに際して袋本体11が無理なく膨らむので、また、被包装物PKの袋詰めに際し、袋本体11内に投入された被包装物PKが閉じ状態の両開閉具31x・31yに衝突することもないので、被包装物PKの袋詰め時に両開閉具31x・31yが開けられてしまうこともない。
図1の実施形態や図2の実施形態で示された開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋において、袋本体11や両開閉具31x・31yは、一例として、つぎのような材料ないし配合材料でつくられる。
[袋本体11について]
・主原料(低密度ポリエチレン)
51〜65重量%
・流動剤(グリセリン脂肪酸エステル系)
0.2〜0.6重量%
・メタロセンポリエチレン
15〜25重量%
・帯電防止剤(商標名エンティラ)
8〜24重量%
・滑剤(グリセリン脂肪酸エステル系)
2.5〜7.5重量%
・アンチブロッキング用滑剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル系)
0.3〜1.0重量%
[雌雄一対の開閉具31x・31yについて]
・主原料(低密度ポリエチレン)
90〜100重量%
・残部(任意の添加物)
0〜10重量%
上記におけるより具体的な一例は、下記のようになる。
[袋本体11について]
・主原料(低密度ポリエチレン) 58.2 重量%
・流動剤 0.4 重量%
・メタロセンポリエチレン 20.0 重量%
・滑剤 4.9 重量%
・帯電防止剤(商標名エンティラ) 16.0 重量%
・アンチブロッキング用滑剤 0.5 重量%
[雌雄一対の開閉具31x・31yについて]
・主原料(低密度ポリエチレン) 100 重量%
上記の具体的一例において、主原料の低密度ポリエチレンは、成形性やコスト面で有利なものである。メタロセンポリエチレンは、ヒートシール強度を確保したり衝撃に対する強度を確保したりすることができる。帯電防止剤(商標名エンティラ)は、コストアップを回避しながら袋内面の表面抵抗値を1010Ω/Sq以下にすることができる。滑剤は両フィルム12x・12yを成形生産する際のフィルムの滑りをよくするものである。アンチブロッキング用滑剤は、両フィルム12x・12yを成形生産する際にフィルムが成形型内で焼き付くのを防止したりフィルムの滑りをよくしたりするものである。
本発明に係る開閉具付き帯電防止型合成樹脂製包装用袋は、とくに袋本体に添加された帯電防止剤を依拠して高度の帯電防止性を発揮するものである。したがって、高度の帯電防止性を満足させて被包装物を包装するという分野において有用かつ有益なものとなる。よって、産業上の利用可能性が高いといえる。
11 袋本体
12x 袋表地フィルム
12y 袋裏地フィルム
13a サイドシール部
13b サイドシール部
14 トップシール部
15 ボトムシール部
31x 雌型開閉具
31y 雄型開閉具
51 シール部材
52 袋内シール部
53 低接着層
54 高接着層
55 中間層
56 密閉空間部
57 底面部
NL 横長非接着部
WL 横長弱接着部
ML 横長非接着部
SL 横長強接着部
PK 被包装物

Claims (3)

  1. 袋本体が高分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その袋本体の表面固有抵抗値が10Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
    雌雄一対の開閉具が高分子型帯電防止剤を含有しない熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
    雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体の上端部側に近接してその袋本体の内面に一体形成されていること、および、
    被包装物を入れる前の未使用の上記袋本体について、上記袋本体の上端部に閉鎖されたトップシール部が形成されているとともに、上記袋本体の下端部がその袋本体内に上記被包装物を入れるために開放されていること、および、
    上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具下には、上記袋本体の一方の内面を接着相手とする低接着層を一方の片面側に備えていたり上記袋本体の他方の内面を接着相手とする高接着層を他方の片面側に備えていたりする積層構造のものであって帯状をなす加熱接着用のシール部材が、上記袋本体の両側部にわたり介在され、かつ、当該シール部材による袋内シール部が上記袋本体内の積層接着構造体として雌雄一対の上記開閉具下に設けられていること、および、
    雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに分離した別々のものからなること、および、
    上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間には密閉空間部が介在しており、かつ、雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間に介在する当該密閉空間部によって、雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに離れていること、および、
    上記袋本体の他方の内面を接着相手とする上記シール部材の高接着層については、その接着相手である上記袋本体と同一の熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
    上記袋内シール部における上記シール部材の低接着層は、上記袋本体の一方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長非接着部と下位の横長弱接着部とを有していて、このうちの横長弱接着部を介して上記袋本体の一方の内面と弱接着しており、かつ、上記袋本体の一方の内面に対する上記横長弱接着部の弱接着が易剥離性のある接着であること、および、
    上記袋内シール部における上記シール部材の高接着層は、上記袋本体の他方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長強接着部と下位の横長非接着部とを有していて、このうちの横長強接着部を介して上記袋本体の他方の内面と強接着しており、かつ、上記袋本体の他方の内面に対する上記横長強接着部の強接着によって、当該横長強接着部が上記袋本体の他方の内面と接着一体化していること、および、
    雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体のシールされた上端部と上記袋内シール部との間に封じ込められていること、および、
    上記シール部材の低接着層については、当該低接着層における横長非接着部と横長弱接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長弱接着部]となっており、かつ、上記シール部材の高接着層については、当該高接着層における横長強接着部と横長非接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長強接着部]となっていること、および、
    上記袋本体を上下反転させたときの上記シール部材について、当該シール部材が上記袋本体内に底面部57を形成するものであること、および、
    上記シール部材で形成される底面部57は、開口状態にある下端部側から上記被包装物を袋入れすべく上記袋本体を膨らませたときに、上記横長弱接着部・上記両横長非接着部上記横長強接着部がクランク曲がり状態を呈して、その両横長非接着部がほぼ水平なフラット面を形成するものであり、かつ、上記シール部材の他方の片面にある上記高接着層の横長非接着部が上記袋本体の下端開放面側を向くものであること、および、
    上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記低接着層については、当該低接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して下向きに折れ曲がって上記袋本体の一方内面と接着していること、および、
    上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記高接着層については、当該高接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して上向きに折れ曲がって上記袋本体の他方内面と接着していること
    を特徴とする合成樹脂製包装用袋。
  2. 袋本体が高分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その袋本体の表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
    雌雄一対の開閉具が高分子型帯電防止剤を含有した静電気減衰性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その雌雄一対の開閉具の表面固有抵抗値が1011Ω/Sq以上かつ1013Ω/Sq未満であること、および、
    雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体の上端部側に近接してその袋本体の内面に一体形成されていること、および、
    被包装物を入れる前の未使用の上記袋本体について、上記袋本体の上端部に閉鎖されたトップシール部が形成されているとともに、上記袋本体の下端部がその袋本体内に上記被包装物を入れるために開放されていること、および、
    上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具下には、上記袋本体の一方の内面を接着相手とする低接着層を一方の片面側に備えていたり上記袋本体の他方の内面を接着相手とする高接着層を他方の片面側に備えていたりする積層構造のものであって帯状をなす加熱接着用のシール部材が、上記袋本体の両側部にわたり介在され、かつ、当該シール部材による袋内シール部が上記袋本体内の積層接着構造体として雌雄一対の上記開閉具下に設けられていること、および、
    雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに分離した別々のものからなること、および、
    上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間には密閉空間部が介在しており、かつ、雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間に介在する当該密閉空間部によって、雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに離れていること、および、
    上記袋本体の他方の内面を接着相手とする上記シール部材の高接着層については、その接着相手である上記袋本体と同一の熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
    上記袋内シール部における上記シール部材の低接着層は、上記袋本体の一方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長非接着部と下位の横長弱接着部とを有していて、このうちの横長弱接着部を介して上記袋本体の一方の内面と弱接着しており、かつ、上記袋本体の一方の内面に対する上記横長弱接着部の弱接着が易剥離性のある接着であること、および、
    上記袋内シール部における上記シール部材の高接着層は、上記袋本体の他方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長強接着部と下位の横長非接着部とを有していて、このうちの横長強接着部を介して上記袋本体の他方の内面と強接着しており、かつ、上記袋本体の他方の内面に対する上記横長強接着部の強接着によって、当該横長強接着部が上記袋本体の他方の内面と接着一体化していること、および、
    雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体のシールされた上端部と上記袋内シール部との間に封じ込められていること、および、
    上記シール部材の低接着層については、当該低接着層における横長非接着部と横長弱接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長弱接着部]となっており、かつ、上記シール部材の高接着層については、当該高接着層における横長強接着部と横長非接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長強接着部]となっていること、および、
    上記袋本体を上下反転させたときの上記シール部材について、当該シール部材が上記袋本体内に底面部を形成するものであること、および、
    上記シール部材で形成される底面部は、開口状態にある下端部側から上記被包装物を袋入れすべく上記袋本体を膨らませたときに、上記横長弱接着部・上記両横長非接着部・上記横長強接着部がクランク曲がり状態を呈して、その両横長非接着部がほぼ水平なフラット面を形成するものであり、かつ、上記シール部材の他方の片面にある上記高接着層の横長非接着部が上記袋本体の下端開放面側を向くものであること、および、
    上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記低接着層については、当該低接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して下向きに折れ曲がって上記袋本体の一方内面と接着していること、および、
    上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記高接着層については、当該高接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して上向きに折れ曲がって上記袋本体の他方内面と接着していること
    を特徴とする合成樹脂製包装用袋。
  3. 袋本体が高分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その袋本体の表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
    雌雄一対の開閉具が低分子型帯電防止剤を含有した帯電防止性の熱可塑性合成樹脂からなるものであり、その雌雄一対の開閉具の表面固有抵抗値が102Ω/Sq以上かつ1011Ω/Sq未満であること、および、
    雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体の上端部側に近接してその袋本体の内面に一体形成されていること、および、
    被包装物を入れる前の未使用の上記袋本体について、上記袋本体の上端部に閉鎖されたトップシール部が形成されているとともに、上記袋本体の下端部がその袋本体内に上記被包装物を入れるために開放されていること、および、
    上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具下には、上記袋本体の一方の内面を接着相手とする低接着層を一方の片面側に備えていたり上記袋本体の他方の内面を接着相手とする高接着層を他方の片面側に備えていたりする積層構造のものであって帯状をなす加熱接着用のシール部材が、上記袋本体の両側部にわたり介在され、かつ、当該シール部材による袋内シール部が上記袋本体内の積層接着構造体として雌雄一対の上記開閉具下に設けられていること、および、
    雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに分離した別々のものからなること、および、
    上記袋本体内における雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間には密閉空間部が介在しており、かつ、雌雄一対の上記開閉具と上記袋内シール部との間に介在する当該密閉空間部によって、雌雄一対の上記開閉具と上記シール部材とが互いに離れていること、および、
    上記袋本体の他方の内面を接着相手とする上記シール部材の高接着層については、その接着相手である上記袋本体と同一の熱可塑性合成樹脂からなるものであること、および、
    上記袋内シール部における上記シール部材の低接着層は、上記袋本体の一方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長非接着部と下位の横長弱接着部とを有していて、このうちの横長弱接着部を介して上記袋本体の一方の内面と弱接着しており、かつ、上記袋本体の一方の内面に対する上記横長弱接着部の弱接着が易剥離性のある接着であること、および、
    上記袋内シール部における上記シール部材の高接着層は、上記袋本体の他方の内面と対応する接着対応面側に上位の横長強接着部と下位の横長非接着部とを有していて、このうちの横長強接着部を介して上記袋本体の他方の内面と強接着しており、かつ、上記袋本体の他方の内面に対する上記横長強接着部の強接着によって、当該横長強接着部が上記袋本体の他方の内面と接着一体化していること、および、
    雌雄一対の上記開閉具が、上記袋本体のシールされた上端部と上記袋内シール部との間に封じ込められていること、および、
    上記シール部材の低接着層については、当該低接着層における横長非接着部と横長弱接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長弱接着部]となっており、かつ、上記シール部材の高接着層については、当該高接着層における横長強接着部と横長非接着部との寸法関係が[横長非接着部>横長強接着部]となっていること、および、
    上記袋本体を上下反転させたときの上記シール部材について、当該シール部材が上記袋本体内に底面部を形成するものであること、および、
    上記シール部材で形成される底面部は、開口状態にある下端部側から上記被包装物を袋入れすべく上記袋本体を膨らませたときに、上記横長弱接着部・上記両横長非接着部・上記横長強接着部がクランク曲がり状態を呈して、その両横長非接着部がほぼ水平なフラット面を形成するものであり、かつ、上記シール部材の他方の片面にある上記高接着層の横長非接着部が上記袋本体の下端開放面側を向くものであること、および、
    上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記低接着層については、当該低接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して下向きに折れ曲がって上記袋本体の一方内面と接着していること、および、
    上下反転してない上記袋本体にあって上記シール部材がクランク曲がり状態を呈しているときの上記高接着層については、当該高接着層の接着端部側が、ほぼ水平なフラット面を形成する上記両横長非接着部に対して上向きに折れ曲がって上記袋本体の他方内面と接着していること
    を特徴とする合成樹脂製包装用袋。
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