JP6513421B2 - 鉛蓄電池用スペーサー及び鉛蓄電池の段積み構造 - Google Patents

鉛蓄電池用スペーサー及び鉛蓄電池の段積み構造 Download PDF

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Description

本発明は、多段に積み重ねられた鉛蓄電池の各段の間に介在させる鉛蓄電池用スペーサーに関し、特に、鉛蓄電池のガス抜き穴の閉塞を阻止することで鉛蓄電池容器の膨れを防止すると共に、欠けや割れが生じ難い耐久性に優れた鉛蓄電池用スペーサー、及び該鉛蓄電池用スペーサーを用いた鉛蓄電池の段積み構造に関するものである。
鉛蓄電池は、正極(陽極板)に二酸化鉛、負極(陰極板)には海綿状の鉛、電解液として希硫酸を用いた二次電池である。近年、二酸化炭素削減のためアイドリングストップ車の増加、太陽光や風力発電などのクリーンエネルギー設備の導入およびその大型化が進んでおり、これに伴い、高充電受け入れ性に優れた鉛蓄電池の需要が高まっている。鉛蓄電池は、容器内に電解液が充填され、容器上部に電極端子、電解液を充填するためのキャップが設けられ、そのキャップには、電解液の分解により発生する水素ガスなどを容器外に排出するためのガス抜き穴が設けられている。
鉛蓄電池の保管や運搬は、倉庫スペースの有効活用やトラックの積載量を増やすため、鉛蓄電池を並べたパレットを複数段積み重ねた形態とするのが一般的である。この際、鉛蓄電池の電極端子等を保護する目的で、積み重ねた鉛蓄電池の間に合成樹脂発泡体からなる板状のスペーサーを介在させることが行われており、この合成樹脂発泡体からなるスペーサーは、複数回繰り返し使用される。
しかしながら、合成樹脂発泡体からなるスペーサーを積み重ねた鉛蓄電池の間に介在させた場合、該スペーサーが圧縮力により変形して鉛蓄電池のキャップに形成されたガス抜き穴を塞ぎ、保管状態によっては鉛蓄電池容器の側面がガスの圧力により膨れてしまうことがあった。容器が膨れると、見た目が悪いと共に、充填した電解液の液面が変化して性能低下の原因となる。この現象は、鉛蓄電池の段積み保管中、輸送工程中において発生し、より大きな荷重がかかる下段ほど顕著に現れていた。
本発明は、上述した背景技術が有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、鉛蓄電池のガス抜き穴の閉塞を阻止することで鉛蓄電池容器の膨れを防止できる鉛蓄電池用スペーサー、及び該鉛蓄電池用スペーサーを用いた鉛蓄電池の段積み構造を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明は、次の(1)〜()に記載した鉛蓄電池用スペーサー及び鉛蓄電池の段積み構造とした。
(1)多段に積み重ねられた鉛蓄電池の各段の間に介在させる合成樹脂発泡体からなる板状のスペーサーであって、上記スペーサーを形成する合成樹脂発泡体が、見かけ密度20〜80kg/m 3 のオレフィン系樹脂発泡体または見かけ密度10〜80kg/m 3 のスチレン改質オレフィン系樹脂発泡体であり、該板状のスペーサーの少なくとも鉛蓄電池のキャップに設けられたガス抜き穴を覆う部分に、鉛蓄電池の段積み時において、ガス抜き穴を閉塞せず、かつ通気路を形成する突起が設けられており、上記突起の幅が鉛蓄電池のガス抜き穴の最小径未満であり、上記突起の高さが0.005mm以上であることを特徴とする、鉛蓄電池用スペーサー。
(2)上記突起が、鉛蓄電池の段積み時において、上記スペーサーに0.01MPaの面荷重が生じた際に、ガス抜き穴を閉塞せず、かつ通気路を形成するものであることを特徴とする、上記(1)に記載の鉛蓄電池用スペーサー。
(3)上記突起が、上記スペーサーのガス抜き穴を覆う板面側の略全域に設けられていることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の鉛蓄電池用スペーサー。
(4)上記突起が、半球形状であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサー。
)上記スペーサーを形成する合成樹脂発泡体が、見かけ密度10〜80kg/m3のスチレン改質エチレン系樹脂発泡体であり、該スチレン改質エチレン系樹脂発泡体を構成するエチレン系樹脂の含有量が10〜60質量部、スチレン系樹脂の含有量が40〜90質量部(ただし、両者の合計が100重量部である)であることを特徴とする、上記(1)〜()のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサー。
)上記スペーサーを形成する合成樹脂発泡体の25%圧縮強度が、0.07MPa以上であることを特徴とする、上記(1)〜()のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサー。
)多段に積み重ねられた鉛蓄電池の各段の間に、合成樹脂発泡体からなる板状のスペーサーを介在させた鉛蓄電池の段積み構造であって、前記鉛蓄電池の各段の間に介在させるスペーサーが、上記(1)〜()のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサーであることを特徴とする、鉛蓄電池の段積み構造。
上記した本発明に係る鉛蓄電池用スペーサーによれば、鉛蓄電池のキャップに設けられたガス抜き穴を覆う部分に、ガス抜き穴の閉塞を阻止するための流路を形成する複数の突起を設けたため、該スペーサーを積み重ねた鉛蓄電池の間に介在させた状態で鉛蓄電池を保管、輸送等しても、ガス抜き穴はスペーサーによって閉塞されることはなく、鉛蓄電池の電解液の分解により発生する水素ガスなどをガス抜き穴から容器外に排出させることができ、鉛蓄電池容器の膨れを防止することができる。
鉛蓄電池の一例を示した外観斜視図である。 鉛蓄電池に設けられたキャップの一例を示した図であって、(a)は平面図、(b)は半断面側面図である。 鉛蓄電池の段積み構造の一例を示した斜視図である。 本発明に係る鉛蓄電池用スペーサーの一例を示した図であって、(a)はガス抜き穴を覆う板面側を示した図、(b)は他方の板面側を示した図である。 本発明に係る鉛蓄電池用スペーサーに形成された突起の一例を示した部分拡大斜視図である。 本発明に係る鉛蓄電池用スペーサーに形成された突起の他の例を示した部分拡大斜視図である。 本発明に係る鉛蓄電池用スペーサーに形成された突起の更に他の例を示した部分拡大斜視図である。 試験例1において用いた成形体に形成された突起を概念的に示した図であって、(a)は拡大平面図、(b)は拡大縦断面図である。 試験例2において用いた成形体に形成された突起を概念的に示した図であって、(a)は拡大平面図、(b)は拡大縦断面図である。 試験例3において用いた成形体に形成された突起を概念的に示した図であって、(a)は拡大平面図、(b)は拡大縦断面図である。 ガス抜き穴閉塞性の試験に使用した装置の概念図である。 電極部の突き刺し試験(耐久性)の状態を示した概念図である。
以下、本発明に係る鉛蓄電池用スペーサーの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
鉛蓄電池1は、正極(陽極板)に二酸化鉛、負極(陰極板)には海綿状の鉛、電解液として希硫酸を用いた二次電池である。その外観は、図1に示したように、略直方体形状であり、ポリプロピレン等の合成樹脂製の容器2の天板部3に、正極と負極の2本の電極4および電解液を充填する複数個のキャップ5が、それぞれ上方に突出した状態で設けられている。またキャップ5には、図2に示したように、電解液から発生する水素ガスなどを抜くための直径1mm程度のガス抜き穴6が設けられている。
鉛蓄電池1は、図3に示したように、パレット10上に複数個並べられ、その並べられた鉛蓄電池1上にはスペーサー20が置かれ、これをひとつの単位として複数段(図示したものは4段)積み重ねられ、その状態で保管や運搬がなされる。このとき、スペーサー20には、上部からの荷重により、鉛蓄電池1の電極4に位置する部分は破壊されて凹み、また、キャップ5に位置する部分にも大きな圧縮荷重がかかるため、キャップ5に設けられたガス抜き穴6にスペーサー20が食い込み、ガス抜き穴6を閉塞させる虞があった。
本発明に係るスペーサー20は、合成樹脂発泡体からなり、鉛蓄電池1のキャップ5に設けられたガス抜き穴6を覆う部分に、鉛蓄電池の段積み時において、ガス抜き穴6を閉塞せず、かつ通気路を形成する複数の突起21が設けられている。この突起21は、スペーサー20の少なくともガス抜き穴6を覆う部分に設けられていればよいが、鉛蓄電池1には様々な大きさのものがあり、ガス抜き穴6の位置も一定とはならないことから、スペーサーとしての汎用性、及びガス抜き穴の閉塞阻止効果の信頼性等を考慮し、図4に示したように、スペーサー20のガス抜き穴6を覆う板面側の略全域に、突起21を設けることが好ましい。なお、本発明における略全域とは、板面周部を除く領域である。
スペーサー20を形成する合成樹脂発泡体としては、スチレン系樹脂発泡体、オレフィン系樹脂発泡体、スチレン改質オレフィン系樹脂発泡体等を挙げることができるが、中でもオレフィン系樹脂発泡体、スチレン改質オレフィン系樹脂発泡体が好ましい。オレフィン系樹脂発泡体或いはスチレン改質オレフィン系樹脂発泡体は、靭性や圧縮復元性に優れ、耐久性を有するために好ましい。
オレフィン系樹脂発泡体としては、プロピレン系樹脂発泡体を用いることが好ましく、その見かけ密度は20〜80kg/m3であることが好ましく、より好ましくは25〜40kg/m3である。ポリプロピレン系樹脂発泡体は、靭性に優れるために割れや欠けが生じ難く、また復元性にも優れるため高い耐久性が得られ、繰り返し使用することができる。また、プロピレン系樹脂発泡体の見かけ密度を上記範囲とすることで、作業性に優れ、十分な剛性による耐久性を有すると共に、圧縮歪量が小さくなることでガス抜き穴6の閉塞を効果的に抑制することができる。なお、本明細書における見かけ密度は、発泡体の質量と体積を測定し、下記の式により算出することができる。
見かけ密度(kg/m3)=発泡体の質量(kg)/発泡体の体積(m3
スチレン改質オレフィン系樹脂発泡体としては、スチレン改質エチレン系樹脂発泡体を用いることが好ましく、その見かけ密度は10〜80kg/m3であることが好ましく、より好ましくは15〜30kg/m3である。スチレン改質エチレン系樹脂発泡体は、やはり靭性に優れるために割れや欠けが生じ難く、また復元性にも優れるため高い耐久性が得られ、繰り返し使用することができる。また、スチレン改質エチレン系樹脂発泡体の見かけ密度を上記範囲とすることで、作業性に優れ、十分な剛性による耐久性を有すると共に、圧縮歪量が小さくなることでガス抜き穴6の閉塞を効果的に抑制することができる。
上記スチレン改質エチレン系樹脂発泡体は、該スチレン改質エチレン系樹脂発泡体を構成するエチレン系樹脂の含有量が10〜60質量部、スチレン系樹脂の含有量が40〜90質量部(但し、両者の合計が100重量部である)であることが好ましく、エチレン系樹脂の含有量が15〜40質量部、スチレン系樹脂の含有量が60〜85質量部がより好ましい。エチレン系樹脂及びスチレン系樹脂の含有量を上記範囲とすることで、靭性、復元性、剛性に優れた発泡体となる。
スペーサー20を形成する合成樹脂発泡体の25%圧縮強度は、0.07MPa以上であることが好ましく、0.1MPa以上であることが更に好ましい。25%圧縮強度が上記値以上のものとすることにより、スペーサー20は潰れ難いものとなり、ガス抜き穴6の閉塞を抑制することができる。
なお、上記25%圧縮強度は、JIS K7220(2006)に準拠して測定したものである。
具体的には、スペーサー20から、複数の突起21を除いた縦50mm、横50mm、厚み25mmの板状の試験片を切出し、圧縮速度10mm/minで試験片を圧縮して、圧縮歪みが25%の時の圧縮応力を測定することで、25%圧縮強度を求めた。なお、スペーサーの厚みが薄く、厚み25mmの板状の試験片を切出せない場合は、同様に切り出した板状の試験片を複数枚重ねることで厚みを25mmとし、その25%圧縮強度を求めるものとする。
本発明に係るスペーサー20において、ガス抜き穴6を覆う部分に設けられる突起21は、鉛蓄電池の段積み時において、ガス抜き穴6を閉塞せず、かつ通気路を形成する複数の突起21であり、好ましくは鉛蓄電池の段積み時において、スペーサー20に0.01MPaの面荷重が生じた際に、ガス抜き穴を閉塞せず、かつ通気路を形成する複数の突起である。突起21としては次のものが有効である。
突起21の形状としては、円柱形状、三角、四角、五角、六角等の角柱形状、先端が切られた半球形状、先端が切られた円錐形状、先端が切られた三角、四角、五角、六角等の角錐形状、縦断面が正方形、長方形等の矩形、台形或いは先端が切られた半円形等の帯形状などの、突起上部に面を有する突起が挙げられる。これらの突起上部に面を有する形状である場合は、その突起の幅は、0.001mm以上、ガス抜き穴の最小径未満であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1mm、更に好ましくは0.03〜1mmである。突起上部の幅を上記範囲とすることで、突起を正確に形成しやすくなり、破損に耐え得る十分な強度を有すると共に、ガス抜き穴の閉塞を効果的に阻止することができる。なお、前記突起の幅とは、突起上面の最短径であり、それを任意に30点個測定し、測定した値の算術平均値を突起上部の幅[mm]とする。
また、上記の場合の突起の高さは、0.005〜10mmであることが好ましく、0.01〜3mmがより好ましい。突起の高さを上記範囲とすることで、スペーサー20の型内成形時において、発泡樹脂粒子の充填性や成形体の離型性に優れると共に、突起によるガス抜き穴の閉塞や突起の破損を効果的に阻止することができる。なお、前記突起の高さとは、突起縦断面における、突起の垂直高さであり、それを任意に30点測定し、測定した値の算術平均値を突起の高さ[mm]とする。
また、上記の場合の突起の間隔は、0.001〜30mmであることが好ましく、0.01〜10mmがより好ましく、0.1〜5mmが更に好ましい。突起の間隔を上記範囲とすることで、突起によるガス抜き穴の閉塞を効果的に阻止できる。なお、前記突起の間隔とは、突起上面の辺または円周上の一点から最隣接する突起上面の辺または円周上の一点までの最短距離であり、それを任意に30点測定し、測定した値の算術平均値を突起の間隔[mm]とする。
また、突起21の形状としては、半球形状、円錐形状、三角、四角、五角、六角等の角錐形状、縦断面が三角形或いは半円形等の帯形状等の、突起上部に点或いは線状の頂部を有する突起が挙げられる。これらの突起上部に点或いは線状の頂部を有する形状である場合は、突起の幅は、0.001mm以上、ガス抜き穴の最小径未満であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1mm、更に好ましくは0.03〜1mmである。突起の幅を上記範囲とすることで、突起を正確に形成しやすくなり、破損に耐え得る十分な強度を有すると共に、ガス抜き穴の閉塞を効果的に阻止することができる。なお、突起の幅とは、突起底面における最短径であり、それを任意に30点測定し、測定した値の算術平均値を突起の幅[mm]とする。
また、上記の場合の突起の高さは、0.01〜15mmであることが好ましく、0.02〜5mmがより好ましい。突起の高さを上記範囲とすることで、スペーサー20の型内成形時において、発泡樹脂粒子の充填性や成形体の離型性に優れると共に、突起によるガス抜き穴の閉塞や突起の破損を効果的に阻止することができる。なお、前記突起の高さとは、突起縦断面における、突起の垂直高さであり、それを任意に30点測定し、測定した値の算術平均値を突起の高さ[mm]とする。
また、上記の場合の突起の間隔は、0.001〜30mmであることが好ましく、0.01〜10mmがより好ましく、0.1〜5mmが更に好ましい。突起の間隔を上記範囲とすることで、突起によるガス抜き穴の閉塞を効果的に阻止できる。なお、前記突起の間隔とは、突起底面の辺または円周上の一点から最隣接する突起底面の辺または円周上の一点までの最短距離であり、それを任意に30点測定し、測定した値の算術平均値を突起間の間隔[mm]とする。
突起21の形状は、上記した半球形状、円錐形状、角錐形状、円柱形状、角柱形状、先端が切られた半球形状、先端が切られた円錐形状、先端が切られた角錐形状、縦断面が三角形或いは半円形等の帯形状、縦断面が矩形、台形或いは先端が切られた半円形等の帯形状等とすることができるが、上記の突起の幅、突起の高さ、突起の間隔の条件を満たせば、上記以外の形状のもとしてもよい。
図5〜図7に、スペーサー20の板面に形成した突起21の実施形態の数例を示す。図5は、円錐形状の突起を示し、図6は、先端が切られた四角錐形状の突起を示す。また図7は、縦断面が台形の帯形状の突起を示したものである。
スペーサー20の縦・横寸法は、何ら限定されるものではないが、縦90〜130cm、横90〜130cmのものであることが、スペーサーとしての取扱性、実用性等の観点から好ましい。また、スペーサー20の厚みとしては、鉛蓄電池の電極4の高さを超える厚みを有することが好ましく、より好ましくは25〜100mm、さらに好ましくは30〜80mmである。
上記したスペーサー20の形成方法としては、例えば、金型内面にスペーサーに付与したい突起の転写が可能な突起形状加工がなされた金型を用意し、該金型を用いて発泡樹脂粒子を型内成形することで、突起を一体的に有するスペーサーを形成することができる。また、ブロックからの切断或いは成形により板状に形成された発泡樹脂粒子成形体の板面に、切削加工等により突起を形成し、突起を一体的に有するスペーサーを形成することとしてもよい。
試験例
−試験例1−
(1)発泡性熱可塑性樹脂粒子の一次発泡
発泡性スチレン改質エチレン系樹脂粒子(株式会社JSP製、エレンポールNEO ND100T)を見かけ密度0.02g/ml(発泡倍率50倍)に一次発泡した後、成形まで18時間、通気性のよいサイロに保管した。
(2)一次発泡粒子の成形
MDXー10VS自動成型機(日立化成工業株式会社製)を用いて発泡粒子成形体を作製した。一次発泡粒子を片面に下記の突起の転写が可能な突起形状加工が施された寸法700mm×500mm×50mmの金型に充填し、元圧0.08MPaの蒸気を金型内に導入して25秒間加熱して発泡粒子を融着させ、真空冷却したのち、成形体を金型から取り出した。
突起形状は、図8に示した先端が切られた四角錐形状の突起であり、寸法は次のものであった。なお、突起形状の寸法測定は、突起の拡大写真を撮影し、その30点を測定して平均値を代表値とした(他の試験例においても同様である。)。
突起の幅(W):0.08mm
突起の高さ(H):0.017mm
突起の間隔(G):0.077mm
得られた成形体について、以下のようにしてガス抜き穴閉塞性、圧縮強度などの評価を行った。その評価結果を、表1に記載する。
(3)評価方法
−ガス抜き穴閉塞性の評価(閉塞性〕−
空の鉛蓄電池に付随している直径1.2mmの円形のガス抜き穴を備えたキャップ6個のうち、両サイドのキャップを外し、片側にはエアーを通すゴムチューブを、もう片方には圧力計を装着した。このとき、エアチューブ、圧力計装着部、および残りのキャップ装着部はエアーが漏れないようシールを行った。また、容器内部の隔壁に6mmの穴を空けた。次いでキャップ4個の上に、120×190mmカットした上記発泡成形体を突起が下側となる状態で乗せ、さらに発泡成形体の上に24kgの錘を乗せた(0.01MPa)。この装置の概念図を、図11に示す。
容器内に0.02MPaに調圧した空気を送入し、容器内の圧力を0.02MPaまで上昇させたのちバルブを閉じ、30分後の容器内圧を測定した。
ガス抜き穴の閉塞性の評価は、30分後の容器内圧が0MPaの場合を◎、0MPa超、0.01MPa未満の場合を○、0.01MPa以上、0.02MPa未満の場合を△、0.02MPa以上の場合を×と評価した。その評価結果を表1に記載する。
−電極部の突き刺し試験(耐久性)−
図12に示すように、鉛蓄電池を2台並べ、その上に250×250×t50mmの発泡成形体を乗せた。次いで発泡体の上部から発泡体が10mm圧縮されるまで荷重をかけ、10分間保持した。除荷後、電極部分の挫屈(割れ)状態を目視で確認した。
発泡体の電極部が挫屈(割れ)していた場合を△、挫屈していない場合を○と評価した。その評価結果を表1に記載する。
−25%圧縮強度−
上記発泡成形体を用い、JIS K7220(2006)に準拠して測定を行った。その測定結果を表1に記載する。
−曲げたわみ量−
上記発泡成形体を用い、JIS K7221−1(2006)に準拠して測定を行った。その測定結果を表1に記載する。
−試験例2−
上記試験例1と同様の方法で得られた一次発泡粒子を用い、突起形状加工のみが異なる金型を用いて上記試験例1と同様の一次発泡粒子の成形を行い、図9に示した半球形状の突起を有する成形品を得た。
突起の幅(W):0.038mm
突起の高さ(H):0.011mm
突起の間隔(G):0.018mm
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例3−
上記試験例1と同様の方法で得られた一次発泡粒子を用い、突起形状加工のみが異なる金型を用いて上記試験例1と同様の一次発泡粒子の成形を行い、図10に示した縦断面が台形の帯形状の突起を有する成形品を得た。
突起の幅(W):0.038mm
突起の高さ(H):0.018mm
突起の間隔(G):0.021mm
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例4−
一次発泡粒子の見かけ密度を2段発泡により0.0125g/ml(発泡倍率80倍)とした以外は、上記試験例1と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例5−
一次発泡粒子の見かけ密度を0.050g/ml(発泡倍率20倍)とした以外は、上記試験例1と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例6−
原料を発泡性スチレン系樹脂粒子(株式会社JSP製、スチロダイアJQ250NX)とした以外は、上記試験例1と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例7−
一次発泡粒子をプロピレン系樹脂粒子(株式会社JSP製、ピーブロック用)、見かけ密度0.020g/ml(発泡倍率45倍))とした以外は、上記試験例1と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例8−
突起形状加工が施されていない金型を用いた以外は、上記試験例1と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例9−
突起形状加工が施されていない金型を用いた以外は、上記試験例6と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例10−
突起形状加工が施されていない金型を用いた以外は、上記試験例7と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例11−
試験例1と同様の方法で得られた一次発泡粒子を用い、突起形状加工のみが異なる金型を用いて上記試験例1と同様の一次発泡粒子の成形を行い、次の突起形状を有する成形品を得た。
突起形状:先端が切られた四角錐形状
突起の幅:2.0mm
突起の高さ:0.017mm
突起の間隔:0.020mm
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例12−
試験例1と同様の方法で得られた一次発泡粒子を用い、突起形状加工のみが異なる金型を用いて上記試験例1と同様の一次発泡粒子の成形を行い、次の突起形状を有する成形品を得た。
突起形状:先端が切られた四角錐形状
突起の幅:0.08mm
突起の高さ:0.002mm
突起の間隔:0.077mm
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
−試験例13−
一次発泡粒子の見かけ密度を2段発泡により0.008g/ml(発泡倍率125倍)とした以外は、試験例1と同様の方法で成形品を得た。
得られた成形体について、上記試験例1と同様の評価を行った。その評価結果を表1に併記する。
Figure 0006513421
本発明に係る鉛蓄電池用スペーサーは、鉛蓄電池のガス抜き穴の閉塞を阻止することで鉛蓄電池容器の膨れを防止すると共に、欠けや割れが生じ難い耐久性に優れた鉛蓄電池用スペーサーであるため、多段に積み重ねられた鉛蓄電池の各段の間に介在させるスペーサーとして、広く利用することができるものである。
1 鉛蓄電池
2 容器
3 天板部
4 電極
5 キャップ
6 ガス抜き穴
10 パレット
20 スペーサー
21 突起

Claims (7)

  1. 多段に積み重ねられた鉛蓄電池の各段の間に介在させる合成樹脂発泡体からなる板状のスペーサーであって、上記スペーサーを形成する合成樹脂発泡体が、見かけ密度20〜80kg/m 3 のオレフィン系樹脂発泡体または見かけ密度10〜80kg/m 3 のスチレン改質オレフィン系樹脂発泡体であり、該板状のスペーサーの少なくとも鉛蓄電池のキャップに設けられたガス抜き穴を覆う部分に、鉛蓄電池の段積み時において、ガス抜き穴を閉塞せず、かつ通気路を形成する突起が設けられており、上記突起の幅が鉛蓄電池のガス抜き穴の最小径未満であり、上記突起の高さが0.005mm以上であることを特徴とする、鉛蓄電池用スペーサー。
  2. 上記突起が、鉛蓄電池の段積み時において、上記スペーサーに0.01MPaの面荷重が生じた際に、ガス抜き穴を閉塞せず、かつ通気路を形成するものであることを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池用スペーサー。
  3. 上記突起が、上記スペーサーのガス抜き穴を覆う板面側の略全域に設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の鉛蓄電池用スペーサー。
  4. 上記突起が、半球形状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサー。
  5. 上記スペーサーを形成する合成樹脂発泡体が、見かけ密度10〜80kg/m3のスチレン改質エチレン系樹脂発泡体であり、該スチレン改質エチレン系樹脂発泡体を構成するエチレン系樹脂の含有量が10〜60質量部、スチレン系樹脂の含有量が40〜90質量部(ただし、両者の合計が100重量部である)であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサー。
  6. 上記スペーサーを形成する合成樹脂発泡体の25%圧縮強度が、0.07MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサー。
  7. 多段に積み重ねられた鉛蓄電池の各段の間に、合成樹脂発泡体からなる板状のスペーサーを介在させた鉛蓄電池の段積み構造であって、前記鉛蓄電池の各段の間に介在させるスペーサーが、請求項1〜のいずれかに記載の鉛蓄電池用スペーサーであることを特徴とする、鉛蓄電池の段積み構造。
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