以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<パチンコ遊技機の構造>
まず、図1〜6を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る遊技機の外観斜視図及び正面図である。図3は、本実施形態の遊技機の分解斜視図である。図4は、本実施形態の遊技機に用いられる遊技盤の正面図である。図5は、遊技盤の一部拡大斜視図である。図6は、遊技盤に設けられたLEDユニットの正面図である。
パチンコ遊技機は、図1〜3に示すように、遊技盤1と、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図3参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。本実施形態に係るパチンコ遊技機は、本体2を介して島設備(図示略)に取り付けられている。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機の正面側)に配置されており、本体枠ヒンジ2bを介して本体2に回動可能に支持されている。すなわち、ベースドア3を本体2の一方(本実施形態では正面から見て左方)の側辺端部に設けられた本体枠ヒンジ2bを軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。ベースドア3には、図3に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
ベースドア3には、スピーカ10a,10bと、遊技盤1と、液晶表示装置13と、皿ユニット8と、発射装置26と、払出装置83と、基板ユニット17とが取り付けられる。
スピーカ10a,10bは、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤1は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤1は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などを用いることができる。
遊技盤1の前面(パチンコ遊技機の正面側の表面)には、発射装置26から発射された遊技球が転動する遊技領域1pが形成される。この遊技領域1pは、ガイドレール30(具体的には後述の図4に示す外レール30A)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。さらに、遊技領域1pには、複数の遊技釘(図示略)が打ちこまれている。なお、遊技盤1(遊技領域1p)の構成については、図4及び図5を参照して後述する。
液晶表示装置13は、遊技盤1の背面側(パチンコ遊技機の正面側とは反対側)に取り付けられる。液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13Aを有する。表示領域13Aの大きさは、遊技盤1の表面の全部又は一部の領域を占めるような大きさに設定される。液晶表示装置13の表示領域13Aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤1を介して液晶表示装置13の表示領域13Aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、液晶表示装置13を適用をしているが、本発明はこれに限定されず、表示装置としては、例えば、プラズマディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどを適用してもよい。
皿ユニット8は、遊技盤1の下方に配置される。皿ユニット8は、上皿17と、その下方に配置された下皿18とを有する。上皿17及び下皿18には、図1及び図2に示すように、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20及び供給口21がそれぞれ形成される。所定の払出条件が成立した場合には、払出口20及び供給口21から遊技球が排出され、それぞれ、上皿17及び下皿18に貯留される。また、上皿17に貯留された遊技球は、発射装置26によって遊技領域1pに発射される。
皿ユニット8には、押下操作ボタン9Aやジョグダイヤル9Bが設けられる。押下操作ボタン9A及びジョグダイヤル9Bは、上皿17上に取り付けられる。本実施形態のパチンコ遊技機は、押下操作ボタン9Aあるいはジョグダイヤル9Bを用いて行う所定の演出機能を有し、この所定の演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13Aに演出操作を促す画像が表示される。
発射装置26は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。発射装置26は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26bを備え、発射ハンドル26bは、回動可能に支持される。発射装置26は、当該発射装置26をベースドア3の表面右下側に配設するためのパネル体26aと、パネル体26aの前面側に配設された発射ハンドル26bと、パネル体26aの背面側に対向したベースドア3の表面右下側に配設され、遊技球を発射するための発射駆動装置とを備えて構成されている。
図1〜3には示さないが、発射装置26には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(発射駆動装置)が設けられる。また、図1〜3には示さないが、発射ハンドル26bの周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル26bの内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル26bの回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
なお、ガラスドア4の右下側には、発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)を遊技者側に露出させるための切り欠き4pが施されている。ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)は、当該ガラスドア4の切り欠き4pを介して露出し、上記した皿ユニット8に隣接して位置付けられる。このような発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)と皿ユニット8とは、相互に連続して一体化されているかの如き美的外観を呈する。
発射ハンドル26bは、支持部(図示略)と、支持部に対して回動自在に取り付けられ、時計回り・反時計回り方向に回動可能なハンドルグップ26dと、支持部内に備えられ、遊技球の発射を停止させる発射停止スイッチ(図示略)と、発射停止スイッチをON/OFF操作する発射停止ボタン26e(操作部材ともいう)と、ハンドルグリップ26dの開口上を覆うように配設されるハンドルキャップ26hとを備えている。
発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dを時計回り方向に回動させると、その回動量(回転角度)に応じて発射駆動装置の駆動力が増減変更され、そのときの駆動力によって、上皿17に貯留されている遊技球が、遊技盤1の遊技領域1p(図4参照)に向けて打ち出される。このとき、発射停止ボタン26eを操作すると、発射駆動装置が停止制御され、これにより、遊技球の発射を停止させることができる。
なお、本実施形態において、発射停止スイッチや発射ハンドル26bの操作制御にあっては、主制御回路60(図7参照)に接続されている払出・発射制御回路82(図7参照)が行なう。発射装置26の内部には、ハンドルグリップ26dを、常時、反時計回り方向に弾性的に付勢するためのバネ部材(図示略)が設けられており、遊技者は、このバネ部材の弾性に抗してハンドルグリップ26dを時計回り方向に回動操作することにより遊技球を発射させる。
また、遊技者が遊技を中断してハンドルグリップ26dから手を離すと、ハンドルグリップ26dは、バネ部材の弾性によって開始時点位置に戻される。このとき、ハンドルグリップ26dの突起(図示略)によって発射停止ボタン26eが押されることにより、遊技球の発射が停止される。
ここで、遊技球の発射強度を増減変更させる方法として、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動量(回転角度)に応じて、発射ボリューム(図示略)の抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータ(図示略)に供給する電力を変化させることにより、遊技球の発射強度を増減変更させるものが知られているが、本実施形態の発射装置26には、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動操作に連動する図示しない発射用ばね(図示略)と、発射用ばねの巻き上げ(締め上げ)用ギヤ機構(図示略)とが設けられている。発射装置26においては、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動量によって巻き上げ用ギヤ機構の回動量が調整されて発射用ばねの巻き上げ(締め上げ)の程度を強めたり弱めたりすることにより、遊技球の発射強度が増減変更されるようになっている。
スピーカ10cは、皿ユニット8の中央に、音による演出を行うように設けられている。スピーカ10cから発せられた音は、皿ユニット8の部位(具体的には、上皿17と下皿18との間の部位)に設けられたスピーカカバー10kを通して放出されるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者の手が発射ハンドル26bのタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル26bを握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。そして、遊技者が発射ハンドル26bを把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル26bの回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿17に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール30(図4参照)に沿って案内されつつ遊技盤1の遊技領域1pに放出される。
払出装置83及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出装置83には、貯留ユニットから遊技球が供給される。払出装置83は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿17又は下皿18に払い出す。基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路60や副制御回路70(図7参照)などが設けられる。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤1の前面側に配置され、遊技盤1を覆う大きさを有する。ガラスドア4の前面において、スピーカ10a,10bと対向する上部領域には、スピーカカバー10kが設けられる。その他、ガラスドア4には、保護ガラス7、皿ユニット8、操作ユニット9、各種装飾部材(トップ飾り14、右側装飾部材15、左側装飾部材16)などが設けられる。例えば、皿ユニット8は、係止構造を介してガラスドア4にそれぞれのカバー部材(上皿上部カバー8a、下皿カバー8bなど)が取り付けられる。
ガラスドア4の中央部において、遊技盤1の遊技領域1pと対向する領域には、少なくとも遊技領域1pを露出させるような大きさの開口4aが形成される。この開口4aは、光透過性を有する保護ガラス7が取り付けられる。これにより、ガラスドア4の開口4aは塞がれる。したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス7は、遊技盤1の少なくとも遊技領域1pに対面するように配置される。
ガラスドア4の表面(前面)には、開口4aを囲むように美観を向上させるための装飾部材14〜16などが設けられている。装飾部材の一例として、開口4aの上側には、後述するパトランプ役物を内蔵したトップ飾り14が設けられているとともに、開口4aの左右には、発光表示態様を変化させることが可能な右側装飾部材15(例えば、右上レンズ15a、右中レンズ15b、右パネルカバー15cなど)と、左側装飾部材16(例えば、左アウターレンズ16aなど)とが設けられている。
右側装飾部材15および左側装飾部材16の内方には、後述する副制御回路70(図7参照)によって制御される発光手段(例えば、ランプ・LED27等)が設けられている(図7参照)。ランプ・LED27から発せられた光は、右側装飾部材15および左側装飾部材16を透過し、当該右側装飾部材15および左側装飾部材16から美観に優れた例えば放射光や拡散光などとして感知される。これにより、光による表示態様に変化を与えることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、ガラスドア4の開口4aの下側には、皿ユニット8が配置される。皿ユニット8は、貸出球や賞球を貯留するための上皿17と、上皿17の下方側に設けられ、例えば上皿17が満杯時に溢れた遊技球などを貯留可能な下皿18とが設けられている。
下皿18は、遊技球を貯留可能な下皿本体18pと、下皿本体18pの上部を覆うように取り付けられた下皿カバー8bとを備えている。一方、上皿17は、遊技球を貯留可能な上皿本体17pと、上皿本体17pの上部を覆うようにベースドア3に対して着脱可能に取り付けられた上皿上部カバー8aと、上皿17の美観を向上させるための上皿装飾部材とを備えている。なお、上皿装飾部材の一例として、上皿本体17pには、上皿上部カバー8aを囲むように、上皿左飾り17a、上皿前飾り17cなどが設けられており、上皿前飾り17cは、上皿上部カバー8aの左側から前側を経由し、右側へ向かう途中から下皿18に向けて屈曲した形状を成している。
皿ユニット8には、遊技球を上皿17に払い出すための払出口20と、上皿17に貯留された遊技球をベースドア3の背面側に排出する排出口(図示略)と、排出口から排出された遊技球を下皿18に供給する供給口21とが設けられている。ベースドア3の背面側には、払出装置83(図3参照)から払い出される遊技球の球通路や、排出口と供給口21とを連通させて球通路を構成する球通路カバー(図示略)が設けられている。払出装置83から遊技球が払い出されると、当該遊技球が払出口20を介して上皿17へと送られる一方、遊技球が払い出されるものの払出口20付近に遊技球が滞留するほど上皿17が満杯状態にあるときや、上皿上部カバー8aに設けられた球抜きボタン22が押されると、上皿17に貯留された遊技球が排出口から球通路、供給口21を介して下皿18へと送られる。
本実施形態では、遊技機の前面の装飾にメッキ部材を使用しており、上皿17の前面部分を装飾する上皿前飾り17cにもメッキ部材17bを使用している。このメッキ部材17bの使用により遊技機外観デザインの装飾効果を高めて遊技者の興趣の向上を図っている。
上皿上部カバー8aには、球貸しを受けるための球貸ボタン23、図示しない遊技球を貸し出すためのカードユニット84(図7参照)からカードを返却するための返却ボタン24などのほか、所定の遊技中に遊技者が操作(押圧操作、回転操作)することで各種演出の表示態様に変化を与えるための操作ユニット9が設けられている。なお、操作ユニット9の配置構成(位置、向き)について、特に制限はないが、図面では一例として、上皿上部カバー8aから垂直方向に押下操作ボタン9Aが突出させられ、押下操作ボタン9Aの外周にジョグダイヤル9Bが配置されるように構成された操作ユニット9を示している。
なお、ガラスドア4については、その表面(前面)のうち、遊技者側から向かって左側(すなわち、本体2に回動可能に支持されている側)における部分に、例えばピアノ線などの不正部材を侵入させ、その部分の裏側近傍における当該ガラスドア4の裏面に構築された各種構成に対して、当該不正部材による不正行為が行われる事態を想定することができる。
そこで、かかる不正行為を未然に防止するために、ガラスドア4の裏面において、上記した不正部材による侵入行為が行われる部分には、配線保持機能付きカバー部材(図示略)が設けられている。配線保持機能付きカバー部材は、ハーネス等の配線を保持する配線保持部と、ガラスドア4の裏面に構築された基板を被覆する基板被覆部と、例えばピアノ線等の不正部材の侵入を防止する不正防止部とを一体化させて構成されている。これによれば、配線保持、基板被覆部、不正防止の3つの機能を兼ね備えた単体の配線保持機能付きカバー部材を実現することができるため、これら各機能毎の部材をそれぞれ別個に用意する必要がなくなり、その分だけ低コスト化を図ることができる。
[遊技盤]
遊技盤1は、保護ガラス7の後方に位置するように、ベースドア3の前方に配設され、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1p(図4参照)を有している。なお、遊技盤1は、透光性を有する材質(例えば、ポリカーボネート等)で形成されているが、例えば、ベニヤ板等のように透光性を有しない材質で形成されていてもよい。
図3〜6に示すように、遊技盤1は、ガイドレール30、ステージ31、第1始動口32、第2始動口33、第2始動口33を開閉する羽根部材34、通過ゲート35、第1大入賞口36、第2大入賞口37、第1大入賞口36を開閉する第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口37を開閉する第2大入賞口シャッタ37A、第2大入賞口37の下方側に位置する特定領域38A及び非特定領域38B、特定領域38Aを開閉する変位部材39、複数の一般入賞口40、アウト口41、上側可動演出部材42A、下側可動演出部材42B、カバー部材43、液晶表示装置13、及びLEDユニット5を備える。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1始動口32、第2始動口33、通過ゲート35、第1大入賞口36、第2大入賞口37、特定領域38A、及び一般入賞口40により入賞領域が形成される。なお、図4は、カバー部材43を取り外した状態を示している。
ガイドレール30は、外レール30Aと内レール30Bとによって構成されている。外レール30Aは、遊技領域1p全体を囲むように配置されている。内レール30Bは、外レールとともに遊技球を遊技盤1の上部に案内するためのものであり、遊技盤1の左側において外レール30Aの内側に配設されている。なお、遊技盤1は、本体2に対してその背面側から取り付けられている。
ステージ31は、遊技領域1pにおける遊技球の流化領域を振り分けるものであり、液晶表示装置13の表示領域13Aの下縁部に沿って配置されている。
発射装置26によって発射された遊技球は、遊技盤1に打ち込まれた遊技釘(図示略)やステージ31等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤1の下方に向かって流下する。この過程において、遊技球は、第1始動口32、第2始動口33、第1大入賞口36、第2大入賞口37、一般入賞口40のいずれかに入賞することで回収され、また、入賞しなかった場合や、通過ゲート35を通過してその後入賞しなかった場合にアウト口41から排出されることで回収される。
なお、入賞とは、遊技球が入賞領域を通過すること、又は入賞領域に入球することを意味する。具体的には、遊技球が入賞領域を通過又は入賞領域に入球することにより、遊技者にとって有利な状況(例えば、後述する第2始動口33の開放、図柄抽選、賞球など)を付与することを意味する。この際、遊技球による入賞領域の通過は、単なる通過を意味し、遊技球による入賞領域の入球は、アウト口41とは別に遊技球を回収することを意味するが、何れの場合も後述するセンサスイッチにより遊技球が通過することで入賞が検出されることから、通過も入球も実質的には同義である。したがって、入賞領域に対する遊技球の通過も入球も入賞につながるため、以下の説明においては、特に断りのある場合を除き、「入賞」で統一する。また、遊技球が特定領域38Aを通過することについては、「V入賞」という場合がある。
発射ハンドル26bの回転角度が比較的小さい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が総じて小さいため、遊技球は、主としてステージ31の左側を流下する。また、発射ハンドル26bの回転角度が比較的大きい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が総じて大きいため、遊技球は、主としてステージ31の右側を流下する。なお、一般に、ステージ31の左側に遊技球を流下させる打ち方は、「左打ち」と呼ばれ、ステージ31の右側に遊技球を流下させる打ち方は、「右打ち」と呼ばれている。
第1始動口32及び第2始動口33は、遊技球が入賞することを条件に抽選の契機を与えるとともに、抽選の結果をLEDユニット5や液晶表示装置13の表示領域13Aに表示させる契機を与えるものである。
第1始動口32は、遊技盤1の中央で概ね下方位置に設けられている。第1始動口32に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が払出口20又は供給口21を介して上皿17又は下皿18に払い出される。第1始動口32への遊技球の入賞は、第1始動口スイッチ320(図7参照)により検出される。
第2始動口33は、第1始動口32の直下に設けられている。第2始動口33に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が払出口20又は供給口21を介して上皿17又は下皿18に払い出される。第2始動口33は、普通電動役物としての羽根部材34によって入賞困難性が決定される。第2始動口33への遊技球の入賞は、第2始動口スイッチ330(図7参照)により検出される。
羽根部材34は、遊技盤1の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作するものであり、第2始動口33への遊技球の入賞を可能とする開放状態と、第2始動口33への遊技球の入賞を不可能又は困難とする閉鎖状態とを切り替える、いわゆる普通電動役物である。羽根部材34は、羽根部材ソレノイド340(図7参照)により駆動される。
なお、普通電動役物としては、羽根部材34を前後方向に開閉するように動作させるものに限らず、例えば遊技盤1の左右方向に回動することで始動口を拡開するいわゆる電動チューリップ型のものや、遊技盤1の前後方向に水平移動することで始動口を開閉する舌状部材であってもよい。
通過ゲート35は、第2始動口33を開放する契機を与えるものである。通過ゲート35への遊技球の入賞は、通過ゲートスイッチ350(図7参照)により検出される。なお、この通過ゲート35に遊技球が入賞しても、賞球は発生しない。
第1大入賞口36及び第2大入賞口37は、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態)のときに開放される。第1大入賞口36は、第1始動口32の概ね右側にあって、通過ゲート35の直下に設けられている。第2大入賞口37は、第2始動口33の概ね右側にあって、第1大入賞口36の直下に設けられている。なお、第1大入賞口36及び第2大入賞口37が配置される位置については、上述した位置に限らず、遊技機の仕様などに応じて適宜変更することができる。
第1大入賞口36は、複数の遊技球が同時に入賞し得るように比較的横長寸法が大きい開口として遊技盤1に形成されている。第1大入賞口36の近傍には、これを開閉するための第1大入賞口シャッタ36Aが設けられている。第1大入賞口36への遊技球の入賞は、第1大入賞口カウントスイッチ360(図7参照)により検出される。
第2大入賞口37は、遊技球が1個ずつ入賞し得るように比較的縦横寸法が小さい開口としてカバー部材43の上端面一部に形成されている。第2大入賞口37の近傍には、これを開閉するための第2大入賞口シャッタ37Aが設けられている。第2大入賞口37への遊技球の入賞は、第2大入賞口カウントスイッチ370(図7参照)により検出される。
第1大入賞口シャッタ36Aは、遊技盤1の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作することにより、第1大入賞口36を開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第1大入賞口36を覆うように配置されている。すなわち、第1大入賞口シャッタ36Aは、第1大入賞口36への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第1大入賞口ソレノイド360A(図7参照)により駆動される。
第2大入賞口シャッタ37Aは、遊技盤1の前後方向に水平移動することにより、第2大入賞口37を開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第2大入賞口37を覆うように配置されている。すなわち、第2大入賞口シャッタ37Aは、第2大入賞口37への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第2大入賞口ソレノイド370A(図7参照)により駆動される。
特定領域38A及び非特定領域38Bは、第2大入賞口37に入賞した遊技球がその後通過可能な領域であり、カバー部材43で覆われている。第2大入賞口37から特定領域38A及び非特定領域38Bに至る遊技球の球通路は、カバー部材43の内面に設けられた仕切り壁(図示略)により形成される。第2大入賞口37に入賞した遊技球は、特定領域38A及び非特定領域38Bのいずれか一方を通過した後、遊技盤1の背後へと導かれて回収される。第2大入賞口37から特定領域38A及び非特定領域38Bへと至るまでの球通路の途中位置には、第2大入賞口カウントスイッチ370が配置されている。特定領域38Aには、特定領域スイッチ380Aが配置されており、特定領域38Aへの遊技球のV入賞は、特定領域スイッチ380Aにより検出される。非特定領域38Bには、非特定領域スイッチ380Bが配置されており、非特定領域38Bへの遊技球の通過は、非特定領域スイッチ380Bにより検知される。また、特定領域38Aの近傍には、これを開閉するための変位部材39が設けられている。
変位部材39は、遊技盤1の前後方向に水平移動することにより、特定領域38Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態では特定領域38Aを覆うように位置する。すなわち、変位部材39は、特定領域38Aへの遊技球のV入賞が容易な開放状態と、V入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように変位部材ソレノイド390(図7参照)により駆動される。特定領域38Aが閉鎖状態にある場合、V入賞が不可能となった遊技球は、非特定領域38Bを通過することとなる。
本実施形態のパチンコ遊技機において、第1大入賞口36、第1大入賞口シャッタ36A、第1大入賞口ソレノイド360A、及び第1大入賞口カウントスイッチ360は、第1可変入賞装置を構成している。第2大入賞口37、第2大入賞口シャッタ37A、第2大入賞口ソレノイド370A、及び第2大入賞口カウントスイッチ370は、第2可変入賞装置を構成している。
一般入賞口40は、遊技盤1の適宜位置に複数設けられている。これらの一般入賞口40に遊技球が入賞すると、抽選が行われないものの、払出装置83(図7参照)により所定数の賞球が払い出される。一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口スイッチ400A,400Bにより検出される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、図8に示すように、後述する主制御回路60により制御される遊技状態として、非確変・非時短遊技状態(非確変かつ非時短である通常遊技状態)と、特別図柄抽選の当選確率や普通図柄抽選の当選確率が非確変・非時短遊技状態よりも高くなる確変・時短遊技状態(確変かつ時短である遊技状態)と、普通図柄抽選の当選確率のみが非確変・非時短遊技状態よりも高くなる非確変・時短遊技状態(非確変かつ時短である遊技状態)とが存在し、これらの遊技状態において特別図柄抽選に当選した場合、大当り遊技状態(特別遊技)に移行する。また、遊技状態は、特別図柄抽選の結果に基づいて小当り遊技状態に移行する場合もある。なお、本実施形態においては、確変・非時短遊技状態(確変かつ非時短である遊技状態)が存在しないが、確変・非時短遊技状態を設けてもよい。
時短遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となるため、普通電動投物としての羽根部材34のサポートによって第2始動口33への入賞が容易となる。この状態は、いわゆる「電サポ」と呼ばれる状態であり、後述する特別図柄ゲームの保留球が貯まり易くなるとともに、第2始動口33への入賞により遊技球の目減りを抑制することができる。具体的にいうと、時短遊技状態とは、普通図柄抽選の当選確率が相対的に高い状態(時短遊技状態1)、特別図柄や普通図柄の変動時間が相対的に短い状態(時短遊技状態2)、普通電動役物としての羽根部材34の開放時間が相対的に長い状態(時短遊技状態3)のうち少なくともいずれか一の状態を意味する。例えば、時短遊技状態には、上記時短遊技状態1、時短遊技状態2、及び時短遊技状態3が任意の組み合わせをもって同時進行する状態も含まれる。このような時短遊技状態においては、大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
大当り遊技状態において特定領域38AへのV入賞に成功した当該大当り遊技状態の終了後は、確変・時短遊技状態に必ず移行し、非確変・非時短遊技状態に移行しないようになっている。一方、特定領域38AへのV入賞に成功することなく(非V入賞ともいう)、そのまま大当り遊技状態が終了した場合は、当該大当り遊技状態の終了後、非確変遊技状態かつ時短遊技状態である遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施形態では、大当り遊技状態の終了後、例えば確変・時短遊技状態で190回の特別図柄抽選(190回の特別図柄の変動表示又は停止表示)が行われたことを契機に、非確変・非時短遊技状態に移行するようになっている。さらに、大当り遊技状態の終了後、例えば非確変・時短遊技状態で100回又は4回の特別図柄抽選(100回又は4回の特別図柄の変動表示又は停止表示)が行われたことを契機に、非確変・非時短遊技状態に移行するようになっている。なお、大当り遊技状態の終了後、次の大当り遊技状態に移行するまで、確変・時短遊技状態を維持するようにしてもよい。なお、以下の説明において、本実施形態のような所定回数の特別図柄抽選を行うことで終了する確変遊技状態のことを、ST(Specia1 Time)遊技状態とも記載する。
上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bは、非作動時に遊技盤1の背後に退避した状態にあり、所定の演出を行うときに液晶表示装置13の表示領域13Aの前方に出現するように配置されている。上側可動演出部材42Aは、所定の演出が行われる場合に表示領域13Aの中央部の前方に出現し、回転動作及び発光を行う。下側可動演出部材42Bは、所定の演出が行われる場合に表示領域13Aの下部の前方に出現し、発光を行う。
カバー部材43は、第2大入賞口37を形成するために設けられており、第1大入賞口36の下方に取り付けられている。カバー部材43は、その上端面の一部を開口することによって第2大入賞口37を形成している。カバー部材43が遊技盤1に取り付けられた状態において、第2大入賞口37に対応する開口には、変位部材39が位置する。また、カバー部材43の上端面の前側縁部には、遊技球を第2大入賞口37の方へと案内するためのガイド片43aが設けられている。カバー部材43の内部には、第2大入賞口37に対応する開口から第2大入賞口カウントスイッチ370を経て特定領域38A及び非特定領域38Bへと球通路が形成されている。このようなカバー部材43は、第2大入賞口カウントスイッチ370や特定領域スイッチ380A及び非特定領域スイッチ380Bを覆うように配置される。
LEDユニット5は、各遊技状態や抽選結果を遊技者に報知するものであり、図6に示すように、普通図柄表示部51、普通図柄保留表示部52、第1特別図柄表示部53、第2特別図柄表示部54、第1特別図柄保留表示部55、第2特別図柄保留表示部56、及びラウンド表示部59を有している。なお、特に図示しないが、遊技盤1等に配置されたランプ・LED27(図7参照)には、キャラクタ出現報知ランプに対応するものが含まれており、大当り遊技状態への移行が確定した遊技状態において特別図柄の変動時の一部や、大当り遊技状態中において液晶表示装置13の表示領域13Aにキャラクタ画像等が出現したときに点灯(又は点滅)するようになっている。
普通図柄表示部51は、通過ゲート35に遊技球が入賞したことを契機に普通電動役物としての羽根部材34を駆動して第2始動口33を開放するか否かを決定する「普通図柄ゲーム」に対する抽選結果を表示するものである。普通図柄表示部51は、1つのLEDランプ511を含んでいる。LEDランプ511は、例えば赤色の点灯及び青色の点灯が可能であり、普通図柄ゲームにおいて、当選の場合に赤色で点灯する一方、普通図柄ゲームにおいてハズレの場合に青色で点灯する。普通図柄表示部51におけるLEDランプ511の点灯態様として例えば赤色の点灯態様となったときには、羽根部材34が所定のパターンで開閉駆動され、第2始動口33への遊技球の入賞を許容する。なお、普通図柄ゲームの当選及びハズレに応じた点灯態様としては、他の点灯態様であってもよく、例えば当選の場合に点灯状態あるいは点滅状態になる一方、ハズレの場合に消灯状態となるようにしてもよい。
普通図柄保留表示部52は、4つのLEDランプ521,522,523,524の点灯又は消灯によって、普通図柄表示部51が変動表示を行っている最中に新たな遊技球が通過ゲート35に入賞した場合に次回以降の普通図柄表示部51による変動表示を行うために保留された普通図柄の変動表示の実行可能回数を表示する。4つのLEDランプ521,522,523,524は、普通図柄表示部51の左側に位置し、LEDランプ511とともに列状に並んで配置されている。LEDランプ521,522,523,524による保留表示において、例えば、保留数が「1」の場合には、LEDランプ521が点灯し、LEDランプ522,523,524が消灯する。保留数が「2」の場合には、LEDランプ521,522が点灯し、LEDランプ523,524が消灯する。保留数が「3」の場合には、LEDランプ521,522,523が点灯し、LEDランプ524が消灯する。保留数が「4」の場合には、LEDランプ521,522,523,524の全てが点灯する。
第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54は、「特別図柄ゲーム」に対する当り抽選の結果を示すものであり、例えば、7セグメントLEDを含んでいる。第1特別図柄表示部53は、第1始動口32への遊技球の入賞を契機として識別情報となる図柄(以下において、「第1特別図柄」と称する)の変動表示を行うとともに、第1始動口32への入賞に基づく当り抽選の結果を第1特別図柄に係る停止図柄として停止表示するものである。第2特別図柄表示部54は、第2始動口33への遊技球の入賞を契機として識別情報となる図柄(以下において、「第2特別図柄」と称する)の変動表示を行うとともに、第2始動口33への入賞に基づく当り抽選の結果を第2特別図柄に係る停止図柄として停止表示するものである。
第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54による図柄の変動表示は、例えば、7セグメントLED等を用い、各セグメントが個別に点灯・消灯を繰り返すことにより行われる。当り抽選の結果は、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の各セグメントの点灯・消灯によって形成されるセグメントパターン(図柄)によって表示される。この際、第1特別図柄で表示される複数の当り図柄と第2特別図柄で表示される複数の当り図柄とは、それぞれ異なる態様となっている。第1特別図柄の当り図柄としては、大当り遊技状態への移行契機となる図柄であって、当該大当り遊技状態終了後に確変遊技状態に移行し得ることを示す「確変1」、「確変2」といった名目の大当り図柄と、当該大当り遊技状態終了後に非確変かつ時短遊技状態に移行することを示す「時短1」、「時短2」といった名目の大当り図柄とがある(図10参照)。第2特別図柄の当り図柄としては、大当り遊技状態への移行契機となる図柄であって、当該大当り遊技状態終了後に確変遊技状態に移行し得ることを示す「確変1」〜「確変10」といった名目の大当り図柄と、いわゆる小当り遊技状態への移行契機となる「小当り」といった名目の小当り図柄とがある(図10参照)。すなわち、第1特別図柄の当り図柄には、小当り遊技状態への移行契機となる小当り図柄がなく、第2特別図柄の当り図柄には、大当り遊技状態終了後に時短遊技状態に移行することを示す大当り図柄がない。なお、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54は、7セグメントLED等に限定されず、例えば2つ以上のLEDランプの点灯・消灯の組み合わせによるものでもよい。
第1特別図柄保留表示部55は、4つのLEDランプ551,552,553,554を含んでおり、これらのLEDランプ551,552,553,554の点灯又は消灯によって、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が特別図柄ゲームに対する図柄の変動表示中に第1始動口32に新たな遊技球が入賞した場合の次回以降の特別図柄ゲームに対する第1特別図柄の変動表示のために保留された第1特別図柄表示部53の変動表示の実行可能回数(保留数)を表示する。第2特別図柄保留表示部56は、4つのLEDランプ561,562,563,564を含んでおり、これらのLEDランプ561,562,563,564の点灯又は消灯によって、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が特別図柄ゲームに対する図柄の変動表示中に第2始動口33に新たな遊技球が入賞した場合の次回以降の特別図柄ゲームに対する図柄の変動表示のために保留された第2特別図柄表示部54の変動表示の実行可能回数(保留数)を表示する。第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56のそれぞれは、上下に並んで配置されており、普通図柄保留表示部52の上側に位置する。第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56での保留数の表示態様は、普通図柄保留表示部52による保留数の表示態様と同一である。
第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が変動表示しているときに、第1始動口32へと通じる球通路に設けられた第1始動口スイッチ320(図7参照)、又は第2始動口33へと通じる球通路に設けられた第2始動口スイッチ330(図7参照)によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54の変動表示の実行(開始)を保留する。第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において変動表示されていた図柄が停止表示された場合は、保留されていた第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54における図柄の変動表示が開始される。
ここで、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施形態においては、第1始動口32及び第2始動口33への遊技球の入賞による第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の変動表示の保留数は、それぞれ最大で4個としている。第1特別図柄表示部53に対する第1特別図柄ゲームが4回分保留されている場合には、変動中の第1特別図柄表示部53に対応する第1特別図柄ゲームの情報が、メインRAM63(図7参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶(始動記憶情報)として記憶され、保留されている4回分の第1特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。第2特別図柄ゲームについても同様に、4回分保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する第2特別図柄ゲームの情報が、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回分の第2特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。したがって、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の双方、すなわち第1始動口32及び第2始動口33への入賞保留数は、合計で最大8個となる。
なお、第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56に代えて、あるいは第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56に加えて、液晶表示装置13において、第1始動口32への入賞の保留及び第2始動口33への入賞の保留を表示するようにしてもよい。
ラウンド表示部59は、当り図柄停止中に点灯するものであり、大当り遊技状態が実行される際の後述するラウンドゲームに関する回数として、ラウンド数を示すものである。ラウンド表示部59は、3つのLEDランプ591,592,593を含んでおり、これらのLEDランプ591,592,593の点灯又は消灯によって、大当り遊技状態が実行される際のラウンド数を示す。本実施形態では、例えばラウンド数が16ラウンド(以下において、「16R」と表記する場合がある)の場合、LEDランプ591が点灯し、LEDランプ592,593が消灯する。ラウンド数が12ラウンド(以下において、「12R」と表記する場合がある)の場合、LEDランプ592が点灯し、LEDランプ591,593が消灯する。ラウンド数が11ラウンド(以下において、「11R」と表記する場合がある)の場合、LEDランプ593が点灯し、LEDランプ591,592が消灯する。なお、ラウンド数(回数)は、ラウンドゲーム(ラウンド遊技)が実行される回数全体を意味する場合と、ラウンドゲームが順次実行される際の順番を示す順序数を意味する場合とがある。ラウンド数について、前者を意味する場合は、例えば「16ラウンド」あるいは「16R」、「12ラウンド」あるいは「12R」等と記し、後者を意味する場合は、例えば「16R目」、「12R目」等と記す。また、以下の説明においては、「ラウンド遊技」を単に「ラウンド」という場合もある。
液晶表示装置13は、図4に示すように、遊技盤1の後方に配置されるとともに、その略中央に遊技者が目視可能となるように表示領域13Aが配設されており、第1始動口32及び第2始動口33への遊技球の入賞に基づく当り抽選の結果のほか、遊技に関する各種の画像、例えば演出用の識別図柄、通常遊技状態での演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ表示用の演出画像等を表示するものである。すなわち、液晶表示装置13は、遊技球が第1始動口32又は第2始動口33に入賞したことを条件に識別情報の変動表示を行うようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機において、液晶表示装置13は、表示手段を構成している。また、液晶表示装置13、スピーカ10a,10b,10c、及びランプ・LED27は、報知手段として用いられる。
[遊技機の電気的構成]
次に、図7を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の制御回路について説明する。なお、図7においては、「スイッチ」を「SW」と略記し、「ソレノイド」を「SOL」と略記している。
図7に示すように、パチンコ遊技機は、遊技の制御を行う主制御手段としての主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御手段としての副制御回路70とを有する。
主制御回路60は、メインCPU61、読み出し専用メモリであるメインROM62、読み書き可能メモリであるメインRAM63、初期リセット回路64、I/Oポート65、コマンド送信手段としてのコマンド出カポート66、リセット用クロックパルス発生回路67、及び遊技情報出力回路68を備えている。主制御回路60は、LEDユニット5を含む各種のデバイス(機器やスイッチ等)と接続されている。
メインCPU61は、メインROM62及びメインRAM63と接続されており、メインROM62に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。
主制御回路60には、第1始動口32の後方に配置された第1始動口スイッチ320が接続されている。第1始動口スイッチ320によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
主制御回路60には、第2始動口33の後方に配置された第2始動口スイッチ330が接続されている。第2始動口スイッチ330によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
これらの第1始動口スイッチ320及び第2始動口スイッチ330は、第1始動口32及び第2始動口33に遊技球が入球したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。
主制御回路60には、通過ゲート35の後方に配置された通過ゲートスイッチ350が接続されている。通過ゲートスイッチ350によって遊技球が検出された場合、通過ゲート35に遊技球が入賞したとして、普通図柄抽選が行われる。この普通図柄抽選の結果は、普通図柄表示部51において表示される。なお、普通図柄表示部51において特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選の結果が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置13の表示領域13Aに表示されるようにしてもよい。
通過ゲートスイッチ350は、通過ゲート35を遊技球が通過したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。これにより、通過ゲートスイッチ350は、第2始動口33を開放する契機を与えるものである。
主制御回路60には、遊技盤1の左側及び右側に位置する一般入賞口40の後方に配置された一般入賞口左スイッチ400A及び一般入賞口右スイッチ400Bが接続されている。一般入賞口左スイッチ400A及び一般入賞口右スイッチ400Bによって遊技球が検出されると、払出装置83により予め設定されている数の賞球が行われる。
主制御回路60には、第1大入賞口36の奥方に配置された第1大入賞口カウントスイッチ360が接続されている。第1大入賞口カウントスイッチ360は、第1大入賞口36への遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第1大入賞口カウントスイッチ360により遊技球の入賞が検出されると、払出装置83は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口20又は供給口21を通じて上皿17又は下皿18に払い出しを行う。
主制御回路60には、第2大入賞口37の奥方に配置された第2大入賞口カウントスイッチ370が接続されている。第2大入賞口カウントスイッチ370は、第2大入賞口37への遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第2大入賞口カウントスイッチ370により遊技球の入賞が検出されると、払出装置83は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口20又は供給口21を介して上皿17又は下皿18に払い出しを行う。
これらの第1大入賞口カウントスイッチ360及び第2大入賞口カウントスイッチ370は、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を遊技球が通過した場合に、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。
主制御回路60には、特定領域38A及び非特定領域38Bに配置された特定領域スイッチ380A及び非特定領域スイッチ380Bが接続されている。特定領域スイッチ380Aは、大当り遊技状態において特定領域38Aを遊技球が通過したことを検出した場合にV入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。非特定領域スイッチ380Bは、大当り遊技状態において非特定領域38Bを遊技球が通過したことを検出した場合に非V入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。
主制御回路60は、第1大入賞口36を開閉する第1大入賞口シャッタ36Aを駆動する第1大入賞口ソレノイド360Aと、第2大入賞口37を開閉する第2大入賞口シャッタ37Aを駆動する第2大入賞口ソレノイド370Aとを排他的に制御する。これにより、第1大入賞口シャッタ36Aは、第1大入賞口36への遊技球の入賞が容易な開放状態(第1態様)と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態(第2態様)とに変動するように駆動され、第1大入賞口36が少なくとも閉鎖状態とされる状況において、第2大入賞口シャッタ37Aは、第2大入賞口37への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変動するように駆動される。このような第1大入賞口シャッタ36A及び第2大入賞口シャッタ37Aによる第1大入賞口36及び第2大入賞口37の開放駆動は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
主制御回路60は、羽根部材34を開閉する羽根部材ソレノイド340を制御する。これにより、普通図柄表示部51において所定の発光態様で普通図柄が停止表示されたときに、羽根部材34が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、第2始動口33に遊技球を入りや易くなる。
例えば、本実施形態の普通図柄ゲームにおいて、時短遊技状態ではない遊技状態(本実施形態では「非確変・非時短遊技状態」)における普通図柄の当り確率は、1/256であり、羽根部材34が開放されることはない。一方、高確率状態(時短遊技状態)における普通図柄の当り確率は、例えば255/256であり、これに当選した場合に、羽根部材34が例えば1.3秒間、3回開放される。また、普通図柄ゲームにおいて当り図柄となる普通図柄の数は1個であり、第2始動口33の開放時に上限となる入賞カウント数は10カウント(10個)である。
主制御回路60は、特定領域38Aの変位部材39を開閉するように動作させる変位部材ソレノイド390を制御する。これにより、大当り遊技状態において後述するラウンドゲームを実行中にある場合に、変位部材39が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、特定領域38Aに対して遊技球が通過し易くなる。一方、大当り遊技状態であっても変位部材39が閉鎖状態となる場合は、特定領域38Aを遊技球が通過不可能又は困難となり、非特定領域38Bを遊技球が通過し易くなる。
第1特別図柄保留表示部55は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が変動表示しているときに、第1始動口スイッチ320によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口32への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第1特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第1特別図柄に係る保留数として保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。
第2特別図柄保留表示部56は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が変動表示しているときに、第2始動口スイッチ330によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口33への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第2特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄に係る保留数として保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機において、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の優先順位は、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも優先するように設定されているが、第1始動口32及び第2始動口33への入賞順にしたがって、対応する第1特別図柄及び第2特別図柄を入賞順通りに変動表示させるようにしてもよい。
また、特別図柄の変動表示の実行が保留される保留数には、先述したように上限が設定されており、本実施形態において、メインCPU61は、第1始動口32及び第2始動口33に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ320及び第2始動口スイッチ330によって遊技球が検出されたときの第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留数を、それぞれ最大で4個(すなわち、4検出回数)まで記憶させており、5個目以降は保留数として記憶させないようになっている。この際、特別図柄の変動表示の終了により保留数が減った時には、再び保留数が4個を上限として加算される。
第1特別図柄表示部53における第1特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第1特別図柄表示部53に対応する特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として順次記憶される。
第2特別図柄表示部54における第2特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第2特別図柄表示部54に対応する第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として順次記憶される。
したがって、第1始動口32及び第2始動口33への入賞に伴う特別図柄ゲームに係る遊技球の保留数は、合計で最大8個となり、第1特別図柄保留表示部54及び第2特別図柄保留表示部55のLED551〜554及びLED561〜564による保留表示数もそれぞれ4個となる。
第1大入賞口シャッタ36Aによる第1大入賞口36の開放状態は、第1大入賞口カウントスイッチ360によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第1大入賞口シャッタ36Aの開放時間が経過した場合は、第1大入賞口シャッタ36Aが第1大入賞口36を閉鎖するように駆動される。
第2大入賞口シャッタ37Aによる第2大入賞口37の開放状態も同様に、第2大入賞口カウントスイッチ370によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第2大入賞口シャッタ37Aの開放時間が経過した場合は、第2大入賞口シャッタ37Aが第2大入賞口37を閉鎖するように駆動される。
大当り遊技状態では、後述する予め設定された大入賞口開閉パターン(当り開閉パターン)に基づき、第1大入賞口36及び第2大入賞口37の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。大当り遊技状態において、第1大入賞口36及び第2大入賞口37のそれぞれが後述する大入賞口開閉パターン(当り開閉パターン)に基づいて複数回数を含む所定回数にわたり開放状態及び閉鎖状態となる遊技は、「ラウンドゲーム(ラウンド遊技)」という。ラウンドゲーム(ラウンド遊技)は、単にラウンドという場合もある。1回のラウンドゲームにより第1大入賞口36又は第2大入賞口37が閉鎖状態とされてから、次回のラウンドゲームとして第1大入賞口36又は第2大入賞口37が開放状態となるまでの状態については、「ラウンド間ゲーム」又は「ラウンド間インターバル」あるいは単に「インターバル」ともいう。1回のラウンドゲームにおいては、第1大入賞口36及び第2大入賞口37のそれぞれが複数回にわたり開放状態及び閉鎖状態となる場合がある。また、1回のラウンドゲームでは、第1大入賞口36及び第2大入賞口37の開閉状態が排他的に制御される。すなわち、1回のラウンドゲームにおいては、一方の大入賞口が所定回数繰り返し開放状態となる間、他方の大入賞口が継続して閉鎖状態とされる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機には、大当り遊技状態とは異なる性質の遊技状態として、いわゆる小当り遊技状態が設けられている。小当り遊技状態は、大当り遊技状態とは異なりラウンドゲームという概念によって規定されず、本実施形態の小当り遊技状態では、第2大入賞口37が所定回数繰り返し開放状態とされるように規定されている。もちろん、小当り遊技状態においては、任意あるいは特定の大入賞口を1回あるいは複数回数にわたり繰り返し開放状態となるように制御してもよい。この小当り遊技状態とは、特別図柄抽選による小当りの当選を契機に移行する遊技状態である。小当り遊技状態に移行する前とその終了後においては、基本的に遊技状態が変化しない。例えば、非確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、小当り遊技状態に移行する前の非確変遊技状態のままであり、確変遊技状態に移行することはない。同様に、確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変遊技状態のゲーム数が残存する限り、小当り遊技状態に移行する前の確変遊技状態のままであり、非確変遊技状態に移行することもない。
ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンドのようにラウンド数(回数)として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する場合がある。以下の説明(説明に伴い参照する図面を含む)において、1ラウンドあるいは第1ラウンド等の数字付の「ラウンド」に関しては、例えば、1R、2R、4R、16R、等のように、単に「R]の文字で省略する場合がある。また、1回のラウンドゲームにおいて、第1大入賞口36又は第2大入賞口37が所定回数開放状態となる前に、1ラウンドあたりの上限入賞数に到達した場合は、第1大入賞口36及び第2大入賞口37が閉鎖状態となり、残りの開放回数分について第1大入賞口36及び第2大入賞口37が開放状態とされることなく、当該ラウンドゲームが終了させられる。
また、大当り遊技状態において第2大入賞口37が開放状態となる特定のラウンドゲームでは、後述する予め設定された作動パターン(変位部材作動パターン)に基づき、変位部材39が制御される。これにより、特定領域38Aは、大当り遊技状態の特定のラウンドゲームにおいて、開放状態及び閉鎖状態となる。すなわち、特定のラウンドゲームにおいては、特定領域38Aを遊技球が通過してV入賞となる可能がある一方、特定のラウンドゲーム以外のラウンドゲームでは、仮に第2大入賞口37に遊技球が入賞したとしても、特定領域38Aを遊技球が通過不可能又は困難な状態となる。すなわち、大当り遊技状態の種類には、特定のラウンドゲームを含む大当り遊技状態と、特定のラウンドゲームを含まない大当り遊技状態とがある。
液晶表示装置13の表示領域13Aには、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54で表示される特別図柄の変動表示中において、特定の場合を除いて、液晶表示装置13の表示領域13Aには、数字からなる図柄(装飾図柄)、例えば、「0」、「1」、「2」・・・「7」のような数字が3列変動表示される。
一方、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54において変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、液晶表示装置13の表示領域13Aにおいても装飾図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54において、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様である場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置13の表示領域13Aにおいて表示される。
具体的には、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54のいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な「大当り」に対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置13の表示領域13Aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組み合わせが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄がすべて揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置13の表示領域13Aにおいて表示される。
このような主制御回路60のメインCPU61は、遊技領域1pにおける所定の領域(第1始動口32、第2始動口33)を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技状態)を実行するか否かを抽選可能な抽選手段を実現している。
メインCPU61の制御の具体例については、後述する。
メインROM62は、後述する各種の処理をメインCPU61に実行させるためのプログラムや、各種テーブルを記憶している。
メインRAM63は、メインCPU61の一時記憶領域として、種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶する機能を有する。メインCPU61の一時記憶領域としては、メインRAM63に代えて、他の読み書き可能な記憶媒体を用いることもできる。
初期リセット回路64は、電源投入時においてリセット信号を生成するものであり、メインCPU61に接続されている。
I/Oポート65は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU61に、メインCPU61からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出カポート66は、メインCPU61からの各種コマンドを副制御回路70に送信するものである。
リセット用クロックパルス発生回路67は、後述するシステムタイマ割込処理(図37参照)を実行するためのクロックパルスを所定の周期(たとえば2msec)毎に発生するものである。
遊技情報出力回路68は、外部接続されたホールコンピュータ100や外部情報表示装置101に各種の情報を出力するためのものである。
主制御回路60に接続される各種のデバイスには、第1大入賞口ソレノイド360A、第2大入賞口ソレノイド370A、羽根部材ソレノイド340、変位部材ソレノイド390、及び外部端子板80が含まれる。
外部端子板80は、略して外端板と称され、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示するといった機能を有する図示しない外部情報表示装置101、あるいはホールに設置された複数のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ100等の外部機器との間でデータ通信するためのものである。
主制御回路60に接続される各種のスイッチには、第1始動口スイッチ320、第2始動口スイッチ330、通過ゲートスイッチ350、第1大入賞口カウントスイッチ360、第2大入賞口カウントスイッチ370、特定領域スイッチ380A、非特定領域スイッチ380B、一般入賞口左スイッチ400A、一般入賞口右スイッチ400B、バックアップクリアスイッチ81、及び振動検知センサ86が含まれる。
バックアップクリアスイッチ81は、電断時等における主制御回路60及び後述する払出・発射制御回路82のバックアップデータを、ホール管理者の操作に応じてクリアするものである。
振動検知センサ86は、不正動作などに伴う振動を検知し、その旨を示す振動検知信号をメインCPU61に出力するものである。なお、不正動作を検知する手段としては、不正な電磁波を検知する電波センサ、遊技機本体内への異物の侵入を検知する近接センサやタッチセンサ等を適用してもよい。また、ガラスドアの開閉を検出する開閉スイッチを不正動作を検知する手段として適用してもよい。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路82を介して、発射装置26、払出装置83、及びカードユニット84が接続されている。
主制御回路60は、払出・発射制御回路82に賞球制御コマンドを送信する。払出・発射制御回路82は、主として発射装置26及び払出装置83を制御するものであり、発射装置26、払出装置83、及びカードユニット84が接続されている。本実施形態のパチンコ遊技機において、払出・発射制御回路82及び払出装置83は、遊技価値付与手段を実現している。
カードユニット84は、遊技者の操作に応じて遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル85と接続されており、この球貸し操作パネル85との間で信号を送受信可能である。
払出・発射制御回路82は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンドと、カードユニット84から供給される貸し球制御信号とを受け取り、払出装置83に対して所定の信号を送信することにより、払出装置83に遊技球を払い出させる。払出装置83は、例えば、第1始動口32又は第2始動口33への入賞1個あたり賞球数として3個の遊技球を払い出し、一般入賞口40や第1大入賞口36又は第2大入賞口37への入賞1個あたり賞球数として10個の遊技球を払い出す。
払出・発射制御回路82は、発射装置26の発射ハンドル26bが遊技者によって握持され、かつ、時計回りの方向へ回動操作された場合に、その回動量に応じて発射ソレノイド(図示略)に電力を供給し、遊技球を遊技領域1pに向けて発射させる制御を行う。
メインCPU61は、後述するメイン処理の実行中であっても、メイン処理を中断し割込処理としてのシステムタイマ割込処理(図37参照)を実行する。システムタイマ割込処理は、所定時間(例えば、2ms)毎に発生する割込条件を契機として実行される。
副制御回路70は、主制御回路60に接続されており、主制御回路60から各種のコマンドが供給されるように構成されている。
副制御回路70は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御を行うものであり、サブCPU71、プログラムROM72、ワークRAM73、コマンド入力ポート74、リアルタイムクロック(以下、「RTC:Real−Time Clock」という)75、表示制御回路76、音声制御回路77、ランプ制御回路78、及び可動演出装置制御回路79を有する。表示制御回路76には、液晶表示装置13が接続されている。音声制御回路77には、スピーカ10a,10b,10cが接続されている。ランプ制御回路78には、ランプ・LED27が接続されている。可動演出装置制御回路79は、上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bを駆動するモータや機構などを備えた可動演出装置42が接続されている。
また、副制御回路70は、押下操作ボタン9Aに設けられた押下操作ボタンスイッチ90Aが接続されているとともに、ジョグダイヤル9Bに設けられたジョグダイヤルスイッチ90Bが接続されている。押下操作ボタンスイッチ90Aは、押下操作ボタン9Aの操作を検知するものであり、ジョグダイヤルスイッチ90Bは、ジョグダイヤル9Bの回転方向や回転角度を識別するものである。副制御回路70には、押下操作ボタンスイッチ90Aから押下操作信号が供給され、ジョグダイヤルスイッチ90Bから回転操作信号が供給される。
サブCPU71は、プログラムROM72に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。液晶表示装置13は、表示手段として機能する。特に、サブCPU71は、主制御回路60から供給される各種のコマンドにしたがって、副制御回路70全体の制御を行う。
プログラムROM72は、サブCPU71が主として各種演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
ワークRAM73は、サブCPU71の一時記憶領域として種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶するものである。
コマンド入力ポート74は、主制御回路60のメインCPU61から送信された各種コマンドを受信し、サブCPU71へと伝えるものである。
RTC75は、現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号をサブCPU71に入力する。RTC75は、通常、遊技機本体に電源が供給されているときには遊技機本体からの電源によって動作し、遊技機本体の電源が切られているときには、電源基板(図示略)に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。これにより、RTC75は、遊技機本体の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC回路は、副制御回路上に設けた電池によって動作するようにしてもよい。また、RTC回路に代わるものとしては、バックアップRAMとしての機能を有するワークRAMに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時する手段として用いてもよい。
表示制御回路76は、サブCPU71から供給されるデータに応じて、液晶表示装置13における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データを一時記憶するフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、表示制御回路76の構成は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
表示制御回路76は、サブCPU71から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置13の表示領域13Aに表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路76は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータ(図示略)に供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置13に供給する。液晶表示装置13の表示領域13Aには、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて画像が表示される。
音声制御回路77は、スピーカ10a,10b,10cから発生させる音声などに関する制御を行うためのものであり、例えば音声などに関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。なお、音声制御回路77の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
音源ICは、スピーカ10a,10b,10cから発生させる音声の制御を行うものであり、サブCPU71から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択することができる。
また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅器に供給する。なお、この増幅器は、音声信号を増幅させ、スピーカ10a,10b,10cから音声を発生させる。
ランプ制御回路78は、装飾ランプ等を含むランプ・LED27の制御を行うためのものであり、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。なお、ランプ制御回路78の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
可動演出装置制御回路79は、例えば、大当り遊技状態において、操作ユニット9に対する操作の有効期間中に押下操作ボタン9Aの操作等によって上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bを作動(揺動等でもよい)させる等の演出動作を制御する。
[遊技機の遊技状態及び演出モード]
次に、図8を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技状態や演出モードについて説明する。なお、基本的に、遊技状態は、メインCPU61により制御されるものであり、演出モードは、サブCPU71により制御されるものであるが、これらを特に区別することなく一つのCPUが制御するようにしてもよい。
図8に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技状態として、通常遊技状態(非確変・非時短遊技状態)、確変・時短遊技状態、非確変・時短遊技状態、大当り遊技状態、及び小当り遊技状態を実行可能である。通常遊技状態は、非確変かつ非時短となる遊技状態である。非確変・時短遊技状態は、いわゆる時短回数が相対的に少ない回数(例えば時短回数4回)まで継続される場合と、時短回数が相対的に多い回数(例えば時短回数100回)まで継続される場合とがある。確変・時短遊技状態は、いわゆる確変回数及び時短回数がいずれも例えば190回まで継続される遊技状態である。また、本実施形態のパチンコ遊技機には、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態に対応する演出モードとして、スーパービッグボーナス、チャレンジボーナス、上乗せボーナス、及びVチャレンジがある。なお、本実施形態においては、確変・非時短遊技状態が実行されないようになっているが、確変・非時短遊技状態を実行可能としてもよい。
通常遊技状態は、例えば電源投入時に実行され、特別図柄抽選の結果として大当り当選の結果が得られるまで継続される。通常遊技状態において、例えば特別図柄として当り図柄「1−1」又は「2−1」が停止表示された場合、16R大当りに該当する大当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン1が選択される(図10参照)。また、当り図柄「1−1」及び「2−1」に応じた大当り遊技状態においては、対応する演出モードとして「スーパービッグボーナス」が実行される。一方、通常遊技状態において、例えば特別図柄として当り図柄「1−2」〜「1−4」のいずれかが停止表示された場合、12R大当りに該当する大当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン2又は3が選択される(図10参照)。また、当り図柄「1−2」〜「1−4」に応じた大当り遊技状態においては、対応する演出モードとして「チャレンジボーナス」が実行される。
非確変・時短遊技状態は、大当り遊技状態において最終的に非V入賞となった場合、当該大当り遊技状態の終了後に実行される。なお、図8においては、便宜上、チャレンジボーナスの大当り遊技状態から非V入賞を条件として非確変・時短遊技状態に移行することを示しているが、これに限らず、本実施形態においては、他の大当り遊技状態でも最終的に非V入賞となった場合に、当該大当り遊技状態の終了後に非確変・時短遊技状態に移行するようになっている。例えば、通常遊技状態において第1特別図柄の「時短1」に該当する当り図柄「1−3」が停止表示された場合、この当り図柄「1−3」に応じた大当り遊技状態の終了後に実行される非確変・時短遊技状態では、時短回数として比較的多い100回が付与される。これにより、当り図柄「1−3」に応じた非確変・時短遊技状態は、基本的に100回の特別図柄ゲームが消化されるまで継続され、100回を消化すると、通常遊技状態に移行する。一方、通常遊技状態において第1特別図柄の「時短2」に該当する当り図柄「1−4」が停止表示された場合、この当り図柄「1−4」に応じた大当り遊技状態の終了後に実行される非確変・時短遊技状態では、時短回数として比較的少ない4回が付与される。これにより、当り図柄「1−4」に応じた非確変・時短遊技状態は、基本的に4回の特別図柄ゲームが消化されるまで継続され、4回を消化すると、通常遊技状態に移行する。
非確変・時短遊技状態において、100回あるいは4回の時短回数を消化するまでに、例えば特別図柄として当り図柄「1−1」又は「2−1」が停止表示された場合、16R大当りに該当する大当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン1が選択される(図10参照)。当り図柄「1−1」及び「2−1」に応じた大当り遊技状態では、対応する演出モードとして「スーパービッグボーナス」が実行される。一方、非確変・時短遊技状態において、例えば特別図柄として当り図柄「2−2」〜「2−9」のいずれかが停止表示された場合、11R又は16R大当りに該当する大当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン4〜11のいずれかが選択される(図10参照)。また、当り図柄「2−2」〜「2−9」に応じた大当り遊技状態においては、対応する演出モードとして「上乗せボーナス」が実行される。また、非確変・時短遊技状態において、例えば特別図柄として当り図柄「2−10」又は「2−11」が停止表示された場合、突確大当り又は小当りに該当する当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン12又は13が選択される(図10参照)。また、当り図柄「2−10」、「2−11」に応じた当り遊技状態においては、対応する演出モードとして「Vチャレンジ」が実行される。
確変・時短遊技状態は、最終的にV入賞となった大当り遊技状態の終了後に実行されるものである。確変・時短遊技状態では、確変回数及び時短回数として例えば190回が付与され、基本的に190回の特別図柄ゲームが消化されるまで確変・時短遊技状態が継続される。すなわち、190回を消化すると、確変・時短遊技状態が通常遊技状態に移行する。
確変・時短遊技状態においても、確変回数及び時短回数として190回を消化するまでに、例えば特別図柄として当り図柄「1−1」又は「2−1」が停止表示された場合、16R大当りに該当する大当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン1が選択される(図10参照)。当り図柄「1−1」及び「2−1」に応じた大当り遊技状態では、対応する演出モードとして「スーパービッグボーナス」が実行される。また、確変・時短遊技状態において、例えば特別図柄として当り図柄「2−2」〜「2−9」のいずれかが停止表示された場合、11R又は16R大当りに該当する大当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン4〜11のいずれかが選択される(図10参照)。当り図柄「2−2」〜「2−9」に応じた大当り遊技状態においては、対応する演出モードとして「上乗せボーナス」が実行される。さらに、確変・時短遊技状態において、例えば特別図柄として当り図柄「2−10」又は「2−11」が停止表示された場合、突確大当り又は小当りに該当する当り遊技状態となり、第1大入賞口36及び第2大入賞口37を開閉させる大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン12又は13が選択される(図10参照)。当り図柄「2−10」、「2−11」に応じた当り遊技状態においては、対応する演出モードとして「Vチャレンジ」が実行される。
スーパービッグボーナスは、16Rのいわゆるフルオープンとなる大当り遊技状態に連動して実行され、この大当り遊技状態を印象付ける演出モードとして実行される。16Rフルオープンの大当り遊技状態は、後述する大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン1が生じるように制御される遊技状態である(図10及び図16参照)。このような16Rフルオープンの大当り遊技状態において、V入賞があった場合、その大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、確変・時短遊技状態となる。なお、図8において特に図示しないが、16Rフルオープンの大当り遊技状態において、最終的にV入賞がない場合も可能性としてあり、このような場合、大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、非確変・時短遊技状態に移行することとなる。なお、この場合に付与される時短回数は、例えば100回又は4回として予め規定しておいてもよいし、抽選によりいずれかを決定するようにしてもよい。
チャレンジボーナスは、12Rの大当り遊技状態に連動して実行され、この大当り遊技状態を印象付ける演出モードとして実行される。なお、チャレンジボーナスは、複数種類用意されており、チャレンジボーナスが実行される序盤のラウンド(例えば、1R〜2R)において、遊技者が押下操作ボタン9Aやジョグダイヤル9Bを操作することによってチャレンジボーナスの種類を選択可能としてもよい。12Rの大当り遊技状態は、後述する大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン2,3のいずれかが生じるように制御される遊技状態である(図10及び図16参照)。このような12Rの大当り遊技状態において、V入賞があった場合にも、その大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、確変・時短遊技状態となる。一方、12Rの大当り遊技状態において、最終的にV入賞がなかった場合、大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、非確変・時短遊技状態に移行する。
上乗せボーナスは、11R又は16Rの大当り遊技状態に連動して実行され、この大当り遊技状態を印象付ける演出モードとして実行される。この11R又は16Rの大当り遊技状態は、後述する大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン4〜11のいずれかが生じるように制御される遊技状態である(図10及び図16参照)。このような11R又は16Rの大当り遊技状態において、V入賞があった場合にも、その大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、確変・時短遊技状態となる。なお、図8において特に図示しないが、11R又は16Rの大当り遊技状態において、最終的にV入賞がない場合も可能性としてあり、このような場合、大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、非確変・時短遊技状態に移行することとなる。なお、この場合に付与される時短回数も、例えば100回又は4回として予め規定しておいてもよいし、抽選によりいずれかを決定するようにしてもよい。
Vチャレンジは、第1大入賞口36及び第2大入賞口37への入賞が可能なラウンドとして、V入賞が容易となるラウンド(第2大入賞口37への入賞が容易となるラウンドゲーム)が1Rだけ含まれる11Rの大当り遊技状態(「突確」とも称する)、又は小当り遊技状態に連動して実行される演出モードである。突確の大当り遊技状態は、後述する大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン12が生じるように制御される遊技状態であり、小当り遊技状態は、後述する大入賞口開閉パターンとして当り開閉パターン13が生じるように制御される遊技状態である(図10及び図16参照)。このような突確の大当り遊技状態において、V入賞があった場合、その大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、確変・時短遊技状態となる。なお、図8において特に図示しないが、突確の大当り遊技状態において、最終的にV入賞がない場合もあり、このような場合、大当り遊技状態終了後の遊技状態としては、非確変・時短遊技状態に移行することとなる。また、小当り遊技状態においては、演出モードとしてVチャレンジが実行される一方、V入賞に関係なく小当り遊技状態が終了すると、基本的に小当り遊技状態が実行される前の遊技状態や演出モードに移行することとなる。
なお、通常遊技状態において第2特別図柄が大当り図柄又は小当り図柄となり、それに応じて大当り遊技状態又は小当り遊技状態へと移行する場合や、確変・時短遊技状態や非確変・時短遊技状態において第1特別図柄が大当り図柄となり、それに応じて大当り遊技状態へと移行する場合には、それらの当り図柄に対応する演出モードが実行されるようになっている。すなわち、通常遊技状態から上乗せボーナス又はVチャレンジの当り遊技状態に移行することもあるし、確変・時短遊技状態や非確変・時短遊技状態からスーパービッグボーナス又はチャレンジボーナスの大当り遊技状態に移行することもある。
[遊技機のスペック]
次に、図9を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技特性に関するスペックについて説明する。
図9に示すように、本実施形態において、特別図柄が大当り図柄となる当選確率は、低確率時(非確変遊技状態)にあっては1/250、高確率時(確変遊技状態)にあっては1/85となっている。小当り遊技状態となる小当り確率は、第1特別図柄では0であり、第2特別図柄では1/300となっている。図9において特に図示しないが、第1特別図柄及び第2特別図柄の消化順序は、第2特別図柄による抽選を優先して消化するようになっている。確率変動性能(確変遊技状態の仕様)は、確変回数(確変遊技状態のゲーム回数)として最大190回まで継続するように設定されている。時短性能は、時短回数(時短遊技状態のゲーム回数)として確変遊技状態に連動する最大190回、100回、又は4回まで継続するように設定されている。
普通図柄の当選確率は、低確率時(非時短遊技状態)において1/256となり、高確率時(時短遊技状態)において255/256となるように設定されている。大入賞口カウント数は、1ラウンドあたりの上限入賞数として、第1大入賞口36及び第2大入賞口37のいずれも10個まで計数するように設定されている。図9において特に図示しないが、賞球数は、例えば、始動口(第1始動口32及び第2始動口33)への入賞1個あたり3個となり、一般入賞口40への入賞1個あたり10個となり、大入賞口(第1大入賞口36及び第2大入賞口37)への入賞1個あたり10個となるように設定されている。第2始動口33の開放時における入賞カウント数は、上限として10個まで計数するように設定されている。
[当り種別決定テーブル]
次に、図10を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の当り種別決定テーブルについて説明する。当り種別決定テーブルは、メインCPU61により参照されるテーブルであり、メインROM62に格納されている。なお、テーブルには、所定の乱数範囲から抽出(抽選)した抽選値(乱数値)に基づいて大当りや小当りあるいはハズレを決定付けるための抽選値(乱数値)情報を規定した当り抽選用のテーブルもあり(図示略)、この当り抽選用のテーブルを用いて大当り又は小当りが決定された場合に当り種別決定テーブルが参照される。
図10に示すように、当り種別決定テーブルは、特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)、当り図柄(「1−1」〜「1−4」、「2−1」〜「2−11」)、当り種別(確変1〜10、時短1,2、小当り)、大入賞口開閉パターン(当り開閉パターン1〜13)、ラウンド数(16R、12R、11R)、当り時の内容、振分率を規定している。なお、当り種別の「確変1〜10」は、V入賞が容易なラウンドが少なくとも1ラウンド実行されることで確変遊技状態に移行する可能性が高いことを示すために便宜上付されたものであり、確変遊技状態の移行が必ず確定することを意味するものではない。また、ラウンド数末尾の括弧内に示すラウンド数などは、実質的に大入賞口に入賞容易となる内数(実質ラウンド数)を示している。例えば、12R(9R)は、12ラウンドのうち実質ラウンド数が9ラウンドあることを示し、11R(突確)は、11ラウンドのうち実質ラウンド数が1ラウンドしかないことを示す。振分率は、大当りあるいは小当りの場合の当り図柄について第1特別図柄及び第2特別図柄ごとに振り分けられる確率を規定したものである。
図10に示すように、例えば、第1特別図柄の当り図柄「1−1」及び第2特別図柄の当り図柄「2−1」では、当り種別が「確変1」で当り開閉パターン1となり、ラウンドゲームのラウンド数として16R(そのうち実質ラウンド数は16R)が付与され、大当り遊技状態の演出モードの内容としては、スーパービッグボーナス16Rが実行される。第1特別図柄の当り図柄として「1−1」となる振分率(確率)は、5/100であり、第2特別図柄の当り図柄として「2−1」となる振分率は、10/100である。
第1特別図柄の当り図柄「1−2」では、当り種別が「確変2」で当り開閉パターン2となり、ラウンドゲームのラウンド数として12R(そのうち実質ラウンド数は9R)が付与され、大当り遊技状態の演出モードの内容としては、チャレンジボーナス(成功)12Rが実行される。第1特別図柄の当り図柄として「1−2」となる振分率(確率)は、25/100である。
第1特別図柄の当り図柄「1−3」及び「1−4」では、当り種別が「時短1」及び「時短2」で当り開閉パターン3となり、ラウンドゲームのラウンド数として12R(そのうち実質ラウンド数は9R)が付与され、大当り遊技状態の演出モードの内容としては、チャレンジボーナス(失敗)12Rが実行される。第1特別図柄の当り図柄として「1−3」となる振分率(確率)は、25/100であり、「1−4」となる振分率は、45/100である。
第2特別図柄の当り図柄「2−2」〜「2−9」では、それぞれ当り種別が「確変2」〜「確変9」で当り開閉パターン4〜11となり、ラウンドゲームのラウンド数として16R(そのうち実質ラウンド数は15R又は12R)あるいは11R(そのうち実質ラウンド数は10R、8R、6R、又は4R)が付与され、大当り遊技状態の演出モードの内容としては、上乗せボーナス16R、上乗せボーナス8R後復活16R、上乗せボーナス4R後復活16R、あるいは上乗せボーナス11Rが実行される。第2特別図柄の当り図柄として「2−2」となる振分率(確率)は、8/100であり、「2−3」となる振分率は、1/100であり、「2−4」となる振分率は、1/100であり、「2−5」となる振分率は、4/100であり、「2−6」となる振分率は、11/100であり、「2−7」となる振分率は、30/100であり、「2−8」となる振分率は、5/100であり、「2−9」となる振分率は、20/100である。
第2特別図柄の当り図柄「2−10」では、当り種別が「確変10」で当り開閉パターン12となり、ラウンドゲームのラウンド数として11R(そのうち実質ラウンド数は突確による1R)が付与され、大当り遊技状態の演出モードの内容としては、Vチャレンジ成功が実行される。第2特別図柄の当り図柄として「2−10」となる振分率(確率)は、10/100である。
第2特別図柄の当り図柄「2−11」では、当り種別が「小当り」で当り開閉パターン13となり、ラウンドゲームという概念がない小当り遊技状態が実行され、小当り遊技状態の演出モードの内容としては、Vチャレンジ失敗が実行される。小当りとなる場合において第2特別図柄の当り図柄が「2−11」となる振分率(確率)は、100/100となる。
[基本開閉パターン]
次に、図11を用いて、大入賞口の基本的な開閉パターン(基本開閉パターン)について説明する。なお、同図に示す基本開閉パターンは、あくまでも一例にすぎず、設計変更や仕様に応じてパターン数やパターン内容を適宜変更することができる。
図11に示すように、基本開閉パターンa〜gは、第1大入賞口36及び第2大入賞口37等を開閉制御する際に用いられるものであり、開閉時の基本動作時間を規定したものである。なお、同図には、便宜上、各基本開閉パターンa〜gを矩形波状のものとして示すが、基本開閉パターンa〜gは、図中の基準線(細線)に沿うローレベルの線分が閉鎖時間に相当するとともに、基準線よりハイレベルの線分が開放時間に相当するものとして基本動作時間のみを規定している。例えば、基本開閉パターンeは、実際には破線枠内に示すように、矩形波の立ち上がり部分や立ち下がり部分に相当する時間を規定しておらず、ハイレベルに沿う開放時間とローレベルに沿う閉鎖時間を規定している。他の基本開閉パターンも同様である。また、本実施形態において、基本開閉パターンb、gは、特定領域38Aを開閉する変位部材39を開閉制御する際に用いられる。
基本開閉パターンa、f、gは、開放時間のみを規定しており、それぞれ開放時間を、例えば27.222s、0.102s、29.688sとして規定している。基本開閉パターンb〜eは、開放時間とそれに続く閉鎖時間とを規定している。基本開閉パターンb〜eは、それぞれ開放時間及び閉鎖時間を、例えば0.102s及び2.898s、0.102s及び1.2s、0.102s及び0.15s、0.198s及び0.15sとして規定している。後述するラウンド開閉パターンは、これらの基本開閉パターンa〜gを組み合わせたものとして構成される。基本開閉パターンa〜gのうち、開放時間のみを規定した(閉鎖時間を規定しない)基本開閉パターンa、f、gは、ラウンド開閉パターンの最後に実行可能とされる一方、開放時間及び閉鎖時間を規定した基本開閉パターンb〜eは、ラウンド開閉パターンの最後に実行されることはない。
[ラウンド開閉パターン]
次に、図12〜15を用いて、1ラウンド分の大入賞口の開閉パターン(ラウンド開閉パターン)について説明する。なお、図12及び図13に示すラウンド開閉パターンは、あくまでも一例にすぎず、設計変更や仕様に応じてパターン数やパターン内容を適宜変更することができる。
図12及び図13に示すように、ラウンド開閉パターンA〜Jは、1ラウンドに相当する時間にわたり第1大入賞口36及び第2大入賞口37等を開閉制御する際に用いられるものであり、先述した基本開閉パターンa〜gを適宜組み合わせることにより構成される。なお、ラウンド開閉パターンGは、小当り時の第2大入賞口37の開閉パターンに相当するものであり、厳密には1ラウンドに相当するものではないが、便宜上ラウンド開閉パターンとして規定されている。また、ラウンド開閉パターンJは、大当り時に特定領域38Aを開閉する変位部材39を開閉制御するためのものである。
図12に示すように、ラウンド開閉パターンAは、第1大入賞口36に対応し、基本開閉パターンaのみで構成される。ラウンド開閉パターンBは、第2大入賞口37に対応し、基本開閉パターンbと、それに続く例えば79回分の基本開閉パターンeと、さらに最後の基本開閉パターンfとで構成される。ラウンド開閉パターンCは、第1大入賞口36に対応し、基本開閉パターンfのみで構成される。ラウンド開閉パターンDは、第1大入賞口36に対応し、基本開閉パターンcと、それに続く最後の基本開閉パターンfとで構成される。ラウンド開閉パターンEは、第1大入賞口36に対応し、例えば2回分の基本開閉パターンcと、それに続く最後の基本開閉パターンfとで構成される。
図13に示すように、ラウンド開閉パターンFは、第2大入賞口37に対応し、基本開閉パターンfのみで構成される。ラウンド開閉パターンGは、第2大入賞口37に対応し、例えば4回分の基本開閉パターンeと、それに続く最後の基本開閉パターンfとで構成される。ラウンド開閉パターンHは、第1大入賞口36に対応し、例えば3回分の基本開閉パターンcと、それに続く最後の基本開閉パターンaとで構成される。ラウンド開閉パターンIは、第2大入賞口37に対応し、例えば79回分の基本開閉パターンeと、それに続く最後の基本開閉パターンfとで構成される。ラウンド開閉パターンJは、特定領域38Aの変位部材39に対応し、基本開閉パターンbと、それに続く最後の基本開閉パターンgとで構成される。
なお、本実施形態においては、ラウンド開閉パターンA〜Jが第1大入賞口36や第2大入賞口37などに分けて個別に対応するようになっているが、第1大入賞口や第2大入賞口などのいずれにも対応するラウンド開閉パターンを設けてもよい。例えば、ラウンド開閉パターンCと同一パターンのラウンド開閉パターンFを不要とし、ラウンド開閉パターンCを第1大入賞口36及び第2大入賞口37の双方に対応するものとしてもよい。このように複数の大入賞口のいずれにも対応するラウンド開閉パターンを設けることによれば、ラウンド開閉パターン全体のデータ量を抑えることができ、メモリ容量の削減や空き容量の十分な確保を図ることができる。
ラウンド開閉パターンは、図14の(A)に一例として示すように、インデックスとなる制御順序ごとに、基本開閉パターンの種別と、繰り返し回数とを規定したテーブル構成の駆動制御データとしてメインROM62の所定領域に記憶されており、大当り時や小当り時にメインROM62から読み出されてメインRAM63の所定領域に格納される。同図を参照して具体的に説明すると、例えばラウンド開閉パターンBは、後述する制御順序カウンタの値に基づき特定される制御順序が最初の1番目では、繰り返し回数として規定された1回だけ基本開閉パターンbに基づき第2大入賞口37について開閉制御を行い、それに続いて制御順序が2番目では、繰り返し回数として規定された79回にわたり基本開閉パターンeに基づき第2大入賞口37について繰り返し開閉制御を行い、制御順序が最後の3番目では、繰り返し回数として規定された1回だけ基本開閉パターンfに基づき第2大入賞口37について開閉制御を行うように規定されている。他のラウンド開閉パターンも同様に、制御順序、繰り返し回数、及び基本開閉パターンを規定したテーブル構成とされている。なお、本実施形態においては、ラウンド開閉パターンA〜Jが第1大入賞口36や第2大入賞口37などに対して個別に対応するので、開閉の対象となる大入賞口などを特に指定しなくても、ラウンド開閉パターンのみで開閉制御の対象となる大入賞口等を特定することができる。
図14の(B)に示すように、所定の大当り状態における所定のラウンドでは、ラウンド開閉パターンBに基づいて第2大入賞口37が開閉制御される際に、ラウンド開閉パターンJに基づいて特定領域38Aの変位部材39が開閉制御される場合がある。この場合、基本開閉パターンbに基づき第2大入賞口37が単発的に開放状態となるタイミングと、基本開閉パターンbに基づき特定領域38Aが単発的に開放状態となるタイミングとが概ね一致するが、基本開閉パターンbに基づく開放時間が極めて短い時間(本実施形態では0.102s)のため、V入賞が困難あるいは不可能とされる。その一方、基本開閉パターンeに基づき第2大入賞口37が繰り返し開放状態となる区間と、基本開閉パターンgに基づき特定領域38Aが連続的に開放状態となる区間とが十分重なるようになっていることから、概ねこれらが重なる区間ではV入賞が容易とされる。また、特定の大当り状態における特定のラウンドでは、ラウンド開閉パターンFに基づいて第2大入賞口37が開閉制御される際に、ラウンド開閉パターンJに基づいて特定領域38Aの変位部材39が開閉制御される場合がある。この場合、基本開閉パターンfに基づき第2大入賞口37が開放状態となるタイミングと、基本開閉パターンbに基づき特定領域38Aが開放状態となるタイミングとが単発的に一度一致するだけであるので、V入賞が困難あるいは不可能とされる。
図15に一例として示すように、ラウンド開閉パターンJは、基本開閉パターンbに基づく開放時間及び閉鎖時間が0.102s及び2.898sであり、それに続く基本開閉パターンgに基づく開放時間が29.688sである。最後の基本開閉パターンgに基づく開閉制御の実行後は、次のラウンドゲームを開始するまで閉鎖状態を継続するようにラウンド間インターバルに移行する。このようなラウンド開閉パターンJは、開放時間を合算したトータル開放時間が29.790sであり、開放時間及び閉鎖時間を合わせたラウンドゲームの合計時間が32.688sとなる。
ラウンド開閉パターンBは、基本開閉パターンbに基づく開放時間及び閉鎖時間が0.102s及び2.898sであり、それに続く79回分の基本開閉パターンeに基づく開放時間及び閉鎖時間が15.642s及び10.35sであり、さらに最後の基本開閉パターンfに基づく開放時間が0.102sである。このようなラウンド開閉パターンBは、開放時間を合算したトータル開放時間が15.846sであり、開放時間及び閉鎖時間を合わせたラウンドゲームの合計時間が29.094sとなる。ラウンド開閉パターンBに基づいて最後の基本開閉パターンfに基づく開閉制御の実行後には、ラウンド間インターバルに移行する。
ラウンド開閉パターンFは、基本開閉パターンfのみで構成され、この基本開閉パターンfに基づく開放時間が0.102sである。このようなラウンド開閉パターンFは、トータル開放時間も0.102sであり、ラウンドゲームの合計時間も0.102sとなり、ラウンド開閉パターンFに基づいて最初と最後にもなる単に1回の基本開閉パターンfに基づく開閉制御の実行後には、ラウンド間インターバルに移行する。
[大入賞口開閉パターンテーブル及びインターバル時間テーブル]
次に、図16を用いて、大入賞口開閉パターンテーブル及びインターバル時間テーブルについて説明する。大入賞口開閉パターンテーブル及びインターバル時間テーブルは、大当り時あるいは小当り時にメインCPU61により参照されるテーブルであり、メインROM62に格納されている。
図16に示すように、大入賞口開閉パターンテーブルは、複数の当り開閉パターン1〜13を規定している。また、インターバル時間テーブルは、ラウンド間インターバルのパターンとしてインターバルパターンx及びインターバルパターンyを規定している。ラウンド間インターバルは、一のラウンドにおいて大入賞口が最後に閉鎖状態となった後、次のラウンドにおいて最初に大入賞口が開放状態となるまでの大入賞口が閉鎖状態となる区間に相当する。インターバルパターンxは、閉鎖状態となる時間(閉鎖時間)が1200msであり、インターバルパターンyは、閉鎖時間が2520msである。
当り開閉パターン1は、規定のラウンド数及びその内の実質入賞容易となる実質ラウンド数が、いずれも16Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン1では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜10R目がラウンド開閉パターンA、11R目がラウンド開閉パターンI、12〜16R目がラウンド開閉パターンAとなり、1R目と2R目とのラウンド間、11R目と12R目とのラウンド間、13〜16R目の各ラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン1が選択された場合は、1〜16Rの全てにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの1R目及び11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン2は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が12R及び9Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン2では、1R目がラウンド開閉パターンF、2〜9R目がラウンド開閉パターンA、10R目がラウンド開閉パターンC、11R目がラウンド開閉パターンB、12R目がラウンド開閉パターンCとなり、1R目と2R目とのラウンド間、11R目と12R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン2が選択された場合は、2〜9R、11Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン3は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が12R及び9Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン3では、1R目がラウンド開閉パターンF、2〜9R目がラウンド開閉パターンA、10R目がラウンド開閉パターンC、11R目がラウンド開閉パターンF、12R目がラウンド開閉パターンAとなり、1R目と2R目とのラウンド間、11R目と12R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン3が選択された場合は、2〜9R、12Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、1R目及び11R目のいずれにおいても特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行されない。
当り開閉パターン4は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が16R及び15Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン4では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜10R目がラウンド開閉パターンA、11R目がラウンド開閉パターンF、12〜16R目がラウンド開閉パターンAとなり、1R目と2R目とのラウンド間、11R目と12R目とのラウンド間、13〜16R目の各ラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン4が選択された場合は、2〜16Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン5は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が16R及び15Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン5では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜4R目がラウンド開閉パターンA、5R目がラウンド開閉パターンH、6〜10R目がラウンド開閉パターンA、11R目がラウンド開閉パターンF、12〜16R目がラウンド開閉パターンAとなり、1R目と2R目とのラウンド間、11R目と12R目とのラウンド間、13〜16R目の各ラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン5が選択された場合は、2〜16Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン6は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が16R及び15Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン6では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜8R目がラウンド開閉パターンA、9R目がラウンド開閉パターンH、10R目がラウンド開閉パターンA、11R目がラウンド開閉パターンF、12〜16R目がラウンド開閉パターンAとなり、1R目と2R目とのラウンド間、11R目と12R目とのラウンド間、13〜16R目の各ラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン6が選択された場合は、2〜16Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン7は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が16R及び12Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン7では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜8R目がラウンド開閉パターンA、9R目がラウンド開閉パターンH、10R目がラウンド開閉パターンA、11R目がラウンド開閉パターンF、12、13R目がラウンド開閉パターンA、13〜16R目がラウンド開閉パターンDとなり、1R目と2R目とのラウンド間、11R目と12R目とのラウンド間、15R目と16R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン7が選択された場合は、2〜13Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン8は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が11R及び10Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン8では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜10R目がラウンド開閉パターンA、11R目がラウンド開閉パターンFとなり、1R目と2R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン8が選択された場合は、2〜11Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン9は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が11R及び8Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン9では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜8R目がラウンド開閉パターンA、9、10R目がラウンド開閉パターンE、11R目がラウンド開閉パターンFとなり、1R目と2R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン9が選択された場合は、2〜8、11Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン10は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が11R及び6Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン10では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜6R目がラウンド開閉パターンA、7、8R目がラウンド開閉パターンD、9、10R目がラウンド開閉パターンC、11R目がラウンド開閉パターンFとなり、1R目と2R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン10が選択された場合は、2〜6、11Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン11は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が11R及び4Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン11では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜4R目がラウンド開閉パターンA、5〜10R目がラウンド開閉パターンC、11R目がラウンド開閉パターンFとなり、1R目と2R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン11が選択された場合は、2〜4、11Rにおいて入賞容易なラウンド遊技が実行され、そのうちの11R目において特定領域38AへのV入賞が容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン12は、規定のラウンド数及び実質ラウンド数が11R及び1Rとなる開閉パターンである。当り開閉パターン12では、1R目がラウンド開閉パターンB、2〜〜10R目がラウンド開閉パターンC、11R目がラウンド開閉パターンFとなり、1R目と2R目とのラウンド間がインターバルパターンyとなり、その他のラウンド間がインターバルパターンxとなる。すなわち、当り開閉パターン12が選択された場合は、11RのみにおいてV入賞容易なラウンド遊技が実行される。
当り開閉パターン13は、小当り遊技状態の開閉パターンであり、第2大入賞口37が1度だけ開閉するようにラウンド開閉パターンGが規定されている。すなわち、当り開閉パターン13が選択された場合は、第2大入賞口37に対して遊技球が入賞する可能性があり、特定領域38AへのV入賞もあり得るが、仮に特定領域38AへのV入賞があったとしても確変遊技状態に移行できないものとして実行される。
ところで、図17に一例として示すように、当り開閉パターン5の5R目のラウンド開閉パターンHと、当り開閉パターン11の5R目から7R目までは、開閉パターンが部分的に一致している。具体的にいうと、ラウンド開閉パターンHの序盤においては、基本開閉パターンcに基づき0.102sの開放と1.2sの閉鎖が3回繰り返し実行されるが、これは、当り開閉パターン11の5R目から7R目まで基本開閉パターンfとインターバルパターンxとに基づき0.102sの開放と1.2sの閉鎖が3回繰り返し実行された場合と同じ動作パターンとなる。これにより、例えば当り開閉パターン5に基づいて開閉制御が行われる場合、遊技者は、5R目に入ると、第1大入賞口36の実質ラウンド遊技が当り開閉パターン11に基づき4R目で終了したかのような錯覚が生じさせられ、当り開閉パターン5か当り開閉パターン11かを区別し難くなる。そして、5R目があたかも終了したような開閉動作が行われた後、比較的長い基本開放パターンaに基づく開放状態が発生することにより、遊技者は、実質ラウンドが復活したような印象を受けることができる。このような当り開閉パターン5に基づく開閉動作時には、5R目後半の基本開閉パターンaに基づく動作に連動して例えば画面上に表示されたキャラクタが勝ちとなるような演出を実行する一方、当り開閉パターン11に基づく開閉動作時には、8R目以降の動作に連動して画面上のキャラクタが負けとなるような演出を実行することができる。そうした場合、実質ラウンドが復活したり復活に失敗したような状況を遊技者に対してより確実に分かり易く知らしめることができる。
[ラウンド開閉パターン記憶構造の変形例]
図18に示すように、ラウンド開閉パターンは、以下のような記憶構造の変形例によって記憶するようにしてもよい。
図18(A)に示すように、ラウンド開閉パターンは、ラウンド遊技の最後に実行される基本開閉パターンを除いて制御順に、基本開閉パターンの種別(α、β、γ)と、各基本開閉パターンを繰り返し用いる回数(N1、N2、N3)とを規定し、さらにこれらを一つの動作単位として繰り返し用いる回数(TN)を規定したテーブル構成としてもよい。
また、図18(B)に示すように、ラウンド開閉パターンは、図18(A)に示す基本開閉パターンα、β、γを、基本1〜3からなる開閉パターンをそれぞれn1、n2、n3回繰り返し用いるパターンに置き換えたテーブル構成としてもよい。例えば、図18(C)に一例として示すように、基本1、2の開閉パターンを基本開閉パターンc、eとし、n1及びn2を2回及び4回とし、N1及びN2を1回及び2回とし、TNを3回とし、最後の基本開閉パターンをfとした場合、図18(D)に示すようなラウンド開閉パターンとなる。
図18(D)に示すように、図18(C)のテーブル構成で記憶されたラウンド開閉パターンによれば、パターンαにより基本開閉パターンcに基づく開閉制御が繰り返し2回実行され、パターンβ×2により基本開閉パターンeに基づく開閉制御が繰り返し計8回実行され、これらパターンαとパターンβ×2をまとめた単位パターンμが繰り返し3回実行された後、最後に基本開閉パターンfに基づいて開閉制御が行われる。このようなラウンド開閉パターンの記憶構造によれば、ラウンド開閉パターンをより多様化しつつもデータ量を抑制することができ、メモリ容量の削減や空き容量の十分な確保をより効果的に図ることができる。なお、図18(B),(C)のテーブル構成では、1種類のTNによりラウンド開閉パターンを規定しているが、さらに別のTNで規定される基本開閉パターン群を有し、複数種類のTNを用いてラウンド開閉パターンを規定するようにしてもよい。
[不正動作報知タイミング]
次に、図19〜23を用いて、不正動作の報知タイミングについて説明する。
図19に示すように、振動検知センサ86は、例えば所定振幅レベル以上の振動を検知すると、図中の基準線(細線)よりハイレベルとなる状態をオン状態として振動検知信号を出力する。
ソフト監視処理1では、振動検知信号のオンエッジ(立ち上がり部分)からt1(例えば40ms)経過しても振動検知信号がオン状態にある場合、振動検知フラグをオンにセットする。その後、ソフト監視処理1では、振動検知信号のオフエッジ(立ち下がり部分)からt2(例えば600ms)経過しても振動検知信号がオフ状態にある場合、振動検知フラグをオフにセットする。図19においては、図中の基準線(細線)よりハイレベルの状態が振動検知フラグのオンを示し、基準線に沿うローレベルの状態が振動検知フラグのオフを示している。このようなソフト監視処理1は、主としてメインCPU61による振動検出処理(図41参照)に相当し、これについては後述する。
このとき、大当り遊技状態であると、メインCPU61からは、図中の基準線(細線)よりハイレベルとなる状態をオン状態として大当り作動中信号が出力される。大当り作動中信号は、大当り遊技状態に移行してから大当り遊技状態が終了するまでオン状態として出力される。
また、大当り遊技状態の実行中には、ラウンド遊技が実行される。このとき、メインCPU61からは、図中の基準線(細線)よりハイレベルとなる状態をオン状態として大入賞口作動中信号が出力される。大入賞口作動中信号は、ラウンド遊技に移行してからラウンド遊技が終了してラウンド間インターバルに移行するまでオン状態として出力される。
また、ラウンド遊技の実行中には、大入賞口ソレノイドを駆動することで大入賞口が開放状態とされる。このとき、メインCPU61からは、図中の基準線(細線)よりハイレベルとなる状態をオン状態として大入賞口ソレノイドを動作させるための制御信号が出力される。この制御信号は、大入賞口を開放状態としてから閉鎖状態とするまでオン状態として出力される。
また、ラウンド遊技の実行中には、特定領域38Aが開放される場合がある。本実施形態においては、1R目あるいは11R目のラウンド遊技に伴い、特定領域作動中として特定領域38Aが開放される。すなわち、1R目あるいは11R目において、メインCPU61からは、図中の基準線(細線)よりハイレベルとなる状態をオン状態として特定領域作動中信号が出力される。特定領域作動中信号は、ラウンド遊技に移行してからラウンド遊技が終了しても、第2大入賞口37から第2大入賞口カウントスイッチ370に至るまでの球通路に残存する残留球を監視するための所定の監視処理時間が経過するまでオン状態として出力される。
また、特定領域作動中には、変位部材ソレノイド390を駆動することで特定領域38Aが開放状態とされる。このとき、メインCPU61からは、図中の基準線(細線)よりハイレベルとなる状態をオン状態として変位部材ソレノイド390を動作させるための制御信号が出力される。この制御信号は、変位部材39を開放状態としてから閉鎖状態とするまでオン状態として出力される。
ソフト監視処理2では、上記各種の信号等のうち、ソフト監視処理1による振動検知フラグの値と特定領域作動中信号とを監視している。具体的に、ソフト監視処理2においては、ソフト監視処理1による振動検知フラグがオンの場合に、特定領域作動中信号がオン状態になると、不正動作に関連する処理(不正関連処理)が実行される。その後、ソフト監視処理2においては、ソフト監視処理1による振動検知フラグがオフになると、特定領域作動中信号がオン状態であっても、不正関連処理が実質的に実行されない状態となる。図19においては、図中の基準線(細線)よりハイレベルの状態がソフト監視処理2により不正関連処理が実行されるオン状態を示し、基準線に沿うローレベルの状態が不正関連処理が実質的に実行されないオフ状態を示している。なお、ソフト監視処理2においては、例えば特定領域作動中信号に代えて変位部材ソレノイド390を動作させるための制御信号を監視し、この制御信号がオン状態の場合に不正関連処理を実行するようにしてもよい。このようなソフト監視処理2による不正関連処理は、主としてメインCPU61による不正判定処理(図42参照)に相当し、これについては後述する。
不正関連処理がオン状態の場合、メインCPU61は、コマンド送信を「ON」として、サブCPU71に不正動作を示す情報を含むコマンドを送信する。不正関連処理がオフ状態になると、メインCPU61は、コマンド送信を「OFF」として、不正動作を示す情報を含むコマンドの送信を停止する。このようなコマンドを受信したサブCPU71は、コマンドを受信しない状態となっても、コマンド受信から例えば30sが経過するまで「警告 台を叩かないでください。」といった警告メッセージあるいは警告画像を液晶表示装置13の表示領域13Aに表示させる(図51参照)。また、メインCPU61は、コマンド送信が「ON」になると、不正動作に関するセキュリティ信号をオン状態として例えば60sにわたり外部端子板80を通じて外部出力する。このようなセキュリティ信号を受信したホールコンピュータ100などでは、セキュリティ信号に基づいて警告メッセージや警告画像が表示される。また、ホールコンピュータ100などでは、セキュリティ信号に基づいて不正動作がある旨の情報が日時などと対応付けて履歴情報として生成・取得され、この履歴情報を用いて不正動作の有無が管理される。
また、図20に示すように、特定領域作動中信号がオン状態にあるときにソフト監視処理1による振動検知フラグがオンとなった場合でも、ソフト監視処理2においては、不正関連処理が実行される。その後、特定領域作動中信号がオン状態であっても、ソフト監視処理1による振動検知フラグがオフになると、ソフト監視処理2では、不正関連処理が実質的に実行されない状態となる。不正関連処理がオン状態でコマンド送信が「ON」になると、メインCPU61は、不正動作を示す情報を含むコマンドを送信するとともに、セキュリティ信号をオン状態として外部出力することとなる。
また、図21に示すように、ソフト監視処理2による不正関連処理が実質的に実行されない状態となり、コマンド送信が「OFF」になっても、サブCPU71は、コマンドを受信してから例えば30sが経過するまで警告メッセージや警告画像を液晶表示装置13の表示領域13Aに表示させる。また、ホールコンピュータ100なども、コマンド送信が「OFF」でセキュリティ信号を受信しない状態となっても、セキュリティ信号を受信してから例えば60sが経過するまで警告メッセージや警告画像が表示される。
なお、図22に示すように、ソフト監視処理1による振動検知フラグがオン/オフとなるタイミングと、特定領域作動中信号のオン状態とによっては、ソフト監視処理2による不正関連処理が2回以上繰り返し実行され、サブCPU71へのコマンド送信が2回以上行われる場合もある。このような場合に対処すべく、変形例としては、サブCPU71が警告メッセージや警告画像を表示させる時間を、例えば10sといったより短い時間としてもよい。そうした場合、サブCPU71は、コマンドを受信する毎に比較的短い10s間隔で複数回にわたり警告メッセージや警告画像を繰り返し表示させることができ、ある程度間隔をおいて振動が与えられる際に注意喚起度を高めることができる。
また、図23に示すように、特定領域作動中信号がオン状態にあるときにソフト監視処理1による振動検知フラグがオンである場合でも、大当り作動中信号がオフ状態にある場合、すなわち、大当り遊技状態ではなく小当り遊技状態の場合、ソフト監視処理2では、不正関連処理が実質的に実行されない。この場合には、小当り応じて第2大入賞口37や特定領域38Aが開放する際に振動を与えても、不正動作を示す情報を含むコマンドやセキュリティ信号が送信されないこととなる。
[メインCPUによる処理]
次に、図24〜44を用いて、メインCPU61により実行される処理について以下に説明をする。
[メインCPUによる主制御回路メイン処理]
図24及び図25は、メインCPU61により実行される主制御回路メイン処理を示すフローチャートである。この主制御回路メイン処理は、以下のステップ単位に実行される。図24に示すように、S10において、メインCPU61は、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理を終了した場合、S11に処理を移す。
S11において、メインCPU61は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理を終了した場合、S12に処理を移す。
S12において、メインCPU61は、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、電断検知信号がHIGH(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がHIGHでない場合には電断検知状態であると判定してS12に処理を移し、電断検知信号がHIGHである場合には電断検知状態でないと判定してS13に処理を移す。
S13において、メインCPU61は、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU61は、副制御回路70が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理を終了した場合、S14に処理を移す。
S14において、メインCPU61は、メインRAM63への書き込みを許可する処理を行う。この処理を終了した場合、S15に処理を移す。
S15において、メインCPU61は、バックアップクリアスイッチ81(図7参照)がONであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、バックアップクリアスイッチ81がONであると判定した場合には、S24に処理を移し、バックアップクリアスイッチ81がONでないと判定した場合には、S16に処理を移す。
S16において、メインCPU61は、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、電断検知フラグがあると判定した場合には、S17に処理を移し、電断検出フラグがないと判定した場合には、S24に処理を移す。
S17において、メインCPU61は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理を終了した場合、S18に処理を移す。
S18において、メインCPU61は、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、S19に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値でないと判定した場合には、S24に処理を移す。
S19において、メインCPU61は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S20に処理を移す。
S20において、メインCPU61は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理を終了した場合、S21に処理を移す。
S21において、メインCPU61は、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。具体的に、メインCPU61は、確変遊技状態の場合に、大当りの当選確率が高確率状態であることを報知する表示が行われるようにする。この処理を終了した場合、S22に処理を移す。なお、報知する表示は、電源投入後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
S22において、メインCPU61は、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、副制御回路70に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理を終了した場合、S23に処理を移す。
S23において、メインCPU61は、メインCPU61周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理を終了した場合、メインCPU61は、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する。
S24において、メインCPU61は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S25に処理を移す。
S25において、メインCPU61は、当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理を終了した場合、S26に処理を移す。
S26において、メインCPU61は、全作業領域クリア処理を行う。この処理を終了した場合、図25のS27に処理を移す。
図25に示すように、S27において、メインCPU61は、当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S28に処理を移す。
S28において、メインCPU61は、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理を終了した場合、S29に処理を移す。
S29において、メインCPU61は、メインRAM63の初期化時のコマンドを副制御回路70に送信する処理を行う。また、副制御回路70において、メインCPU61は、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理を終了した場合、S30に処理を移す。
S30において、メインCPU61は、メインCPU61周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理を終了した場合、S31に処理を移す。
S31において、メインCPU61は、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU61は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理を終了した場合、S32に処理を移す。
S32において、メインCPU61は、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU61は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理を終了した場合、S33に処理を移す。
S33において、メインCPU61は、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU61は、割込処理を許可する処理を行う。この処理を終了した場合、S34に処理を移す。
S34において、メインCPU61は、演出用乱数を更新する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理を終了した場合、S35に処理を移す。
S35において、メインCPU61は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、S36に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、S31に処理を移す。
S36において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理を終了した場合、S37に処理を移す。
S37において、メインCPU61は、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU61は、主制御回路60と副制御回路70との同期をとるための待ち時間タイマ、大当り又は小当りが発生した際に開放する大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ、不正動作があったと検出された場合にメインCPU61から外部端子板80を介してホールコンピュータ100などに出力されるセキュリティ信号の最低出力期間を計測するためのセキュリティ信号出力タイマ等、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理を終了した場合には、S38に処理を移す。
S38において、メインCPU61は、特別図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU61は、第1始動入賞口スイッチ320、第2始動入賞口スイッチ330からの検出信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを抽出し、メインROM62に記憶される大当り判定テーブル(図示略)を参照し、特別図柄抽選(大当り及び小当りの抽選)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM63に記憶する処理を行う。この特別図柄制御処理については、図26を用いて後述する。この処理を終了した場合、S39に処理を移す。
S39において、メインCPU61は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、通過ゲートスイッチ350からの検出信号に応じて、普通図柄判定用乱数値及び普通図柄決定用乱数値を抽出し、抽出した普通図柄判定用乱数値とメインROM62に記憶される普通図柄当選テーブル(図示略)とに基づいて、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、この判定の結果と普通図柄決定用乱数値とメインROM62に記憶される普通図柄決定テープル(図示略)とに基づいて、ハズレ図及び当り図柄の何れにするかを判定し、判定の結果を記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合は当り図柄を示す判定の結果が記憶され、非当選の場合にはハズレ図柄を示す判定の結果が記憶される。当り図柄を示す判定の結果が記憶された場合、羽根部材34は、所定の開閉パターンに従って開閉する。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合、羽根部材34が開放するようになっており、羽根部材34が開放状態になると第2始動口33に遊技球が入賞し易くなる。この処理を終了した場合、S40に処理を移す。
S40において、メインCPU61は、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、S38、S39でメインRAM63に記憶された特別図柄制御処理の結果、普通図柄制御処理の結果に応じて、液晶表示装置13を駆動するための制御信号をメインRAM63に記憶する処理を行う。メインCPU61は、制御信号をLEDユニット5に送信する。LEDユニット5は、受信した制御信号に基づき第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54にて第1特別図柄又は第2特別図柄を変動表示及び停止表示する。また、LEDユニット5は、受信した制御信号に基づき普通図柄表示部51にて普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理を終了した場合、S41に処理を移す。
S41において、メインCPU61は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU61は、ホールコンピュータ100や外部情報表示装置101に送信するための遊技情報信号に関する遊技情報データを生成し、メインRAM63に記憶する処理を行う。この遊技情報データ生成処理については、図43を用いて後述する。この処理を終了した場合、S42に処理を移す。
S42において、メインCPU61は、図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU61は、後述するタイマ割込処理における特別図柄関連スイッチチェック処理及び普通図柄関連スイッチチェック処理(図38のS241,S242)にて検出される第1始動口スイッチ320、第2始動口スイッチ330、及び通過ゲートスイッチ350からの検出信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM63に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、第1特別図柄保留表示部55、第2特別図柄保留表示部56及び普通図柄保留表示部52を駆動するための制御信号をメインRAM63に記憶する処理を行う。この処理を終了した場合、S43に処理を移す。
S43において、メインCPU61は、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU61は、上記各処理によりメインRAM63に記憶された制御信号を各ポートから出力する処理を行う。具体的には、メインCPU61は、外部端子板80を介したホールコンピュータ100等へのセキュリティ信号の出力及びLED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1大入賞口シャッタ36A及び第2大入賞口シャッタ37Aの開閉や羽根部材34の開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源の供給を行う。このポート出力処理については、図44を用いて後述する。この処理を終了した場合、S44に処理を移す。
S44において、メインCPU61は、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理を終了した場合には、S45に処理を移す。
S45において、メインCPU61は、払出処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1始動口32、第2始動口33、第1大入賞口36、第2大入賞口37、一般入賞口40に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路82に送信する。この処理を終了した場合、S31に処理を移す。
[特別図柄制御処理]
図26は、メインCPU61により実行される特別図柄制御処理を示すフローチャートである。この特別図柄制御処理は、以下のステップ単位に実行される。なお、図26において、S51からS58の側方に示す数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM63における制御状態フラグの記憶領域に記憶されている。メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップを実行する。これにより、特別図柄ゲームが進行することになる。
図26に示すように、最初のS50において、メインCPU61は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグをメインRAM63から読み出す。この処理を終了した場合、S51に処理を移す。
なお、後述するS51からS58において、メインCPU61は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S51からS58における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU61は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前において、メインCPU61は、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。また、メインCPU61は、所定の周期でタイマ割込み処理も実行する。
S51において、メインCPU61は、特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理については、図27を用いて後述する。この処理を終了した場合、S52に処理を移す。
S52において、メインCPU61は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、S53の処理を実行するように設定する。特別図柄変動時間管理処理については、図29を用いて後述する。この処理を終了した場合、S53に処理を移す。
S53において、メインCPU61は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当り又は小当りか否かを判定する。メインCPU61は、大当り又は小当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、S54の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU61は、大当り又は小当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、S58の処理を実行するように設定する。特別図柄表示時間管理処理については、図30を用いて後述する。この処理を終了した場合、S54に処理を移す。
S54において、メインCPU61は、当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM62から読み出された第2大入賞口シャッタ37A及び変位部材39を開放させるためのラウンド開閉パターンに係る駆動制御データをメインRAM63に記憶する。そして、メインCPU61は、図25のS43の処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶された第2大入賞口シャッタ37A及び変位部材39を開放させるためのラウンド開閉パターンに係る駆動制御データを読み出し、第2大入賞口シャッタ37Aを開閉動作させる旨の信号や変位部材39を開閉動作させる旨の信号を、第2大入賞口ソレノイド370A及び変位部材ソレノイド390に供給する。これにより、メインCPU61は、第2大入賞口37及び特定領域38Aの開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(1つのラウンドが開始してインターバルに至る期間として、1R目に第2大入賞口37及び特定領域38Aが遊技球を受け入れ易い開放状態や受け入れ難い閉鎖状態とに変動する遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを所定回繰り返し行う当り遊技状態が実行されることになる。当り開始インターバル管理処理については、図31を用いて後述する。この処理を終了した場合、S55に処理を移す。なお、この場合には、第2大入賞口37のみが1回だけ開閉する小当り遊技状態が実行されることもある。また、本実施形態においては、最初に必ず第2大入賞口37が開閉されるようになっているが、最初に第1大入賞口36を開閉させるようにしてもよく、あるいは最初に第1大入賞口36又は第2大入賞口37を任意に選択して開閉させるようにしてもよい。
S55において、メインCPU61は、大入賞口開放処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間を大入賞口開放時間タイマにセットする。この処理については、図32を用いて後述する。この処理を終了した場合、S56に処理を移す。
S56において、メインCPU61は、大入賞口開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバル(インターバルパターンx,y)に対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU61は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S55の処理を再び実行するように設定する。この処理において、メインCPU61は、変位部材39を開閉制御するための処理も行う場合がある。大入賞口開放前待ち時間管理処理については、図34を用いて後述する。この処理を終了した場合、S57に処理を移す。
S57において、メインCPU61は、当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、S58の処理を実行するように設定する。当り終了インターバル処理については、図35を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S58に処理を移す。
S58において、メインCPU61は、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、S51の処理を実行するように設定するのである。特別図柄ゲーム終了処理については、図36を用いて後述する。この処理を終了した場合には、特別図柄制御処理ルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU61は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU61は、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(00H)、(01H)、(02H)、(07H)と順にセットすることにより、図26に示すS51、S52、S53、S58の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU61は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU61は、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを(00H)、(01H)、(02H)と順にセットすることにより、図26に示すS51、S52、S53の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらに、メインCPU61は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを(03H)、(04H)、(05H)と順にセットすることにより、図26に示すS54、S55、S56の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を実行することとなる。なお、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、(04H)、(06H)、(07H)と順にセットすることにより、図26に示すS55、S57、S58の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を終了することになる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図27は、メインCPU61により実行される特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャートである。この特別図柄記憶チェック処理は、以下のステップ単位に実行される。
図27に示すように、S60において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判定した場合、S61に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)でないと判定した場合には、この特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
S61において、メインCPU61は、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合、S62に処理を移す。一方、メインCPU61は、始動記憶があると判定した場合、S63に処理を移す。
S62において、メインCPU61は、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が「0」になった状態が所定時間(例えば、30s)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU61は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71にデモ表示コマンドとして供給される。これにより、デモ表示が液晶表示装置13の表示領域13Aにおいて実行されることとなる。この処理を終了した場合、特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
S63において、メインCPU61は、第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合、S64に処理を移す。第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されている判定した場合、S65に処理を移す。
S64において、メインCPU61は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM63の所定領域にセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S66に処理を移す。
S65において、メインCPU61は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM63の所定領域にセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S66に処理を移す。
S66において、メインCPU61は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S67に処理を移す。
S67において、メインCPU61は、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理を終了した場合、S68に処理を移す。
S68において、メインCPU61は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、遊技状態フラグが確変遊技状態を示しているか否かに応じて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる図示しない複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。すなわち、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値である場合、大当り判定値の数が多い高確率用の大当り判定テーブルが参照され、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値でない場合、大当り判定値が少ない非確変遊技状態用の大当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値である場合、つまり遊技状態が特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行し易い遊技状態としての確変遊技状態である場合、大当り遊技状態に移行する確率は、確変遊技状態よりも大当り遊技状態に移行し難い非確変遊技状態よりも向上することとなる。
そして、メインCPU61は、遊技球の入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU61は、当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合、大当りであると判定する。つまり、メインCPU61は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。
なお、通常遊技状態の第1始動口32への入賞による大当り確率は、第2始動口33への入賞による大当り確率よりも、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。通常遊技状態の第1始動口32への入賞による大当り確率は、第2始動口33への入賞による大当り確率よりも、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
このように、S68の処理では、特別図柄ゲームの結果として大当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理を終了した場合、S69に処理を移す。
S69において、メインCPU61は、S68の大当り判定処理において大当りに当選していないと判定された場合に、小当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、遊技状態フラグに関係なく小当りとなる判定値(小当り判定値)を規定した小当り判定テーブルを選択する。
そして、メインCPU61は、遊技球の入賞時に抽出され、第2特別図柄始動記憶領域(0)においてセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された小当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU61は、当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合、小当りであると判定する。
なお、小当りは、第2特別図柄のみでしか発生し得ないため、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値に基づいてのみ小当り判定処理が行われるが、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値に基づいて小当り判定処理を行うようにしてもよい。
このように、S69の処理では、特別図柄ゲームの結果として小当り、ハズレのいずれかが決定され、S68の大当り判定処理及びS69の小当り判定処理の双方において当選していない場合に、特別図柄ゲームの判定結果としてハズレが決定されることとなる。この処理を終了した場合、S70に処理を移す。
S70において、メインCPU61は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、大当り判定の結果が大当り当選の場合、大当り図柄を決定し、小当り判定の結果が小当り当選の場合、小当り図柄を決定し、大当り及び小当りのいずれについてもハズレの場合、ハズレ図柄を決定する処理を行う。特別図柄決定処理については、図28を用いて後述する。この処理を終了した場合、S71に処理を移す。
S71において、メインCPU61は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、S70の処理において決定された特別図柄と、S68,S69の処理において決定された大当り判定及び小当り判定の結果と、確変回数カウンタの値と、に基づいて、異なる変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択する。そして、メインCPU61は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM63の所定領域に記憶する。ここで、確変遊技状態、通常遊技状態では、それぞれ異なる変動パターン決定テーブルを有している。メインCPU61は、このような変動パターンが示すデータに基づいて、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、LEDユニット5の第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54に供給される。これによって、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路70のサブCPU71は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理を終了した場合、S72に処理を移す。
S72において、メインCPU61は、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU61は、決定した特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理を終了した場合、S73に処理を移す。
S73において、メインCPU61は、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM63にセットする処理を行う。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。サブCPU71は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始することとなる。この処理を終了した場合、S74に処理を移す。
S74において、メインCPU61は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理を終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
[特別図柄決定処理]
図28は、メインCPU61により実行される特別図柄決定処理を示すフローチャートである。この特別図柄決定処理は、以下のステップ単位に実行される。
図28に示すように、S90において、メインCPU61は、大当りであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、大当りであると判定した場合には、S91に処理を移す。一方、メインCPU61は、大当りでないと判定した場合には、S96に処理を移す。
S91において、メインCPU61は、S90で判定した大当りの変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)である場合にはS92に処理を移す。一方、メインCPU61は、変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)でない場合、すなわち、変動状態番号が第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)の場合にはS94に処理を移す。
S92において、メインCPU61は、当り図柄決定用乱数値に基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と大当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄(図10に示す当り図柄1−1(確変1)、当り図柄1−2(確変2)、当り図柄1−3(時短1)、当り図柄1−4(時短2)の何れに該当する図柄)であるかを決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S93に処理を移す。
S93において、メインCPU61は、決定した第1特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第1特別図柄表示部53に供給する。第1特別図柄表示部53は、第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、メインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が大当り停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S99に処理を移す。
S94において、メインCPU61は、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と大当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄(図10に示す当り図柄2−1〜2−10(確変1〜確変10)の何れに該当する図柄)であるかを決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S95に処理を移す。
S95において、メインCPU61は、決定した第2特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部54に供給する。第2特別図柄表示部54は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、メインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が大当り停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S99に処理を移す。
S96において、メインCPU61は、小当り判定処理(図27のS69)で判定した結果が小当りの当選であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、小当りの当選である場合にはS97に処理を移す。一方、メインCPU61は、小当りの当選でない場合にはS101に処理を移す。
S97において、メインCPU61は、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と小当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の小当り図柄(図10に示す当り図柄2−11(小当り))を決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S98に処理を移す。
S98において、メインCPU61は、決定した第2特別図柄の小当り図柄のデータセット及び小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、小当り図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部54に供給する。第2特別図柄表示部54は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、メインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が小当り停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S99に処理を移す。
S99において、メインCPU61は、当り図柄に対応する当り開始インターバル表示時間データセット処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄又は小当り図柄に対応する当り開始インターバル表示時間データをメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S100に処理を移す。
S100において、メインCPU61は、大入賞口開放回数関連データセット処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口36及び第2大入賞口37の開放回数に関する大入賞口開放回数関連データ、すなわち、第1特別図柄による当り図柄、あるいは第2特別図柄による当り図柄、若しくは小当り図柄に対応するデータをメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、この特別図柄決定処理ルーチンを終了する。
一方、S101において、メインCPU61は、S90において大当りでなく、S96において小当りでもない、すなわち、ハズレであると判断した場合には、ハズレ図柄のデータセット及びハズレ図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54に供給する。第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54は、特別図柄を変動表示させて、特別図柄のハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)がハズレ停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、この特別図柄決定処理ルーチンを終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
図29は、メインCPU61により実行される特別図柄変動時間管理処理を示すフローチャートである。この特別図柄変動時間管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図29に示すように、S110において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、S111に処理を移す。一方、メインCPU61は、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
S111において、メインCPU61は、待ち時間タイマが「0」であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、待ち時間タイマが「0」であると判定した場合には、S112に処理を移す。待ち時間タイマが「0」でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
S112において、メインCPU61は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を特別図柄制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行い、S113に処理を移す。
S113において、メインCPU61は、特別図柄演出停止コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM63にセット(記憶)する処理を行う。そして、特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に図柄停止コマンドとして供給されることにより、副制御回路70が図柄停止を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S114に処理を移す。
S114において、メインCPU61は、メインRAM63における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図30は、メインCPU61により実行される特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートである。この特別図柄表示時間管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図30に示すように、S120において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、S121に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)でないと判定した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S121において、メインCPU61は、特別図柄表示時間管理処理に対応する待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」である場合にはS122に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」でない場合にはS124に処理を移す。
S122において、メインCPU61は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、大当りであると判定した場合にはS123に処理を移す。一方、メインCPU61は、大当りでないと判定した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S123において、メインCPU61は、遊技状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、メインCPU61は、遊技状態フラグに通常遊技状態(非確変・非時短)を示す値(00H)をセットする処理を実行する。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S124において、メインCPU61は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、大当りであると判定した場合にはS131に処理を移す。一方、メインCPU61は、大当りでないと判定した場合には、S125に処理を移す。
S125において、メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタは、時短遊技状態における残りのゲーム回数(図柄変動回数)を計数するためのカウンタである。メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」である場合にはS130に処理を移す。一方、メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」でない場合には、S126に処理を移す。
S126において、メインCPU61は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S127に処理を移す。
S127において、メインCPU61は、再び時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」である場合にはS128に処理を移す。一方、メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」でない場合には、S130に処理を移す。
S128において、メインCPU61は、時短回数フラグをクリアにする処理を行う。この処理を終了した場合には、S129に処理を移す。
S129において、メインCPU61は、時短終了コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、時短遊技状態の終了を示す時短終了コマンドをメインRAM63にセット(記憶)する処理を行う。そして、時短終了コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に遊技状態を示すコマンドとして供給されることにより、副制御回路70が時短遊技状態の終了を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S130に処理を移す。なお、特に図示しないが、メインCPU61は、確変回数カウンタについても同様の処理を行い、確変回数カウンタの値が「0」である場合には確変回数フラグをクリアし、確変遊技状態の終了を示す確変終了コマンドをメインRAM63にセット(記憶)する処理を行うように構成されている。確変終了コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に遊技状態を示すコマンドとして供給されることにより、副制御回路70が確変遊技状態の終了を認識するようになる。
S130において、メインCPU61は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、小当りであると判定した場合にはS131に処理を移す。一方、メインCPU61は、小当りでないと判定した場合にはS136に処理を移す。
S131において、メインCPU61は、当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をメインRAM63の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S132に処理を移す。
S132において、メインCPU61は、特別図柄に対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値を、メインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S133に処理を移す。
S133において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値として、「FFH」をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S134に処理を移す。ここで、大入賞口開放回数カウンタの値として「FFH」をセットすることは、「−1」をセットしたことに相当する。
S134において、メインCPU61は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM63にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S135に処理を移す。
S135において、メインCPU61は、特別図柄に対応する大当り又は小当りの当り開始表示コマンドをセットする処理を行う。この処理において、当り開始表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が大当り遊技状態の開始又は小当り遊技状態の開始を認識するようになる。当り開始表示コマンドには、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の開始を示すとともに、具体的な当り開閉パターンを示すデータが含まれている。当り開始表示コマンドに含まれる当り開閉パターンを示すデータにより、サブCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態における演出パターンを決定する。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S136において、メインCPU61は、メインRAM63の制御状態フラグとして特別図柄ゲームの終了処理を示す値(07H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S137に処理を移す。
S136において、メインCPU61は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
[当り開始インターバル管理処理]
図31は、メインCPU61により実行される当り開始インターバル管理処理を示すフローチャートである。この当り開始インターバル管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図31に示すように、S140において、メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合にはS141に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)でないと判定した場合には当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
S141において、メインCPU61は、当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS142に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
S142において、メインCPU61は、図10に示す当り種別決定テーブルを参照して当り開閉パターンを決定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄の種類に応じた大入賞口開閉パターンを示す当り開閉パターンのデータをセット(記憶)する処理を行う。なお、特定領域38Aを開閉させるための当り開閉パターンのデータもここでセットされる。メインCPU61は、このS142において決定された大当り図柄又は小当り図柄に応じた当り開閉パターンに基づいてラウンド制御を行う。この処理を終了した場合には、S143に処理を移す。
S143において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大入賞口開放回数カウンタ上限値をセット(記憶)する処理を行い、S144に処理を移す。
S144において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタに「1」を加算する処理を行い、S145に処理を移す。
S145において、メインCPU61は、大当り又は小当りの確定後待ち時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S146に処理を移す。
S146において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドは、ラウンドゲームの開始を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。この処理を終了した場合には、S147に処理を移す。
S147において、メインCPU61は、メインRAM63おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S148に処理を移す。
S148において、メインCPU61は、メインRAM63の大入賞口入賞カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S149に処理を移す。
S149において、メインCPU61は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S150に処理を移す。
S150において、メインCPU61は、1R目のラウンド開閉パターンのデータをメインRAM63にセットする処理を行う。このとき、特定領域38Aを開閉させるためのラウンド開閉パターンのデータもセットされる。メインCPU61は、このS150においてセットされたラウンド開閉パターンに基づいてラウンド制御を行う。この処理を終了した場合には、S151に処理を移す。
S151において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口36又は第2大入賞口37を開放させるために、メインROM62から読み出されたデータに基づいて、メインRAM63に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、第1大入賞口ソレノイド360A又は第2大入賞口ソレノイド370Aを駆動して第1大入賞口36又は第2大入賞口37を開放状態とすることとなる。この処理を終了した場合には、当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。なお、本実施形態では、大当り遊技状態の1R目及び11R目又は小当り遊技状態の場合には、必ず第2大入賞口37が開放させられ、第2大入賞口37を開放させるためのデータがセットされる。また、ここでは特定領域38Aを開閉させるためのデータもセットしているが、この特定領域38Aを開閉させるためのデータについては、他の処理においてセットするようにしてもよい。
[大入賞口開放処理]
図32は、メインCPU61により実行される大入賞口開放処理を示すフローチャートである。この大入賞口開放処理は、以下のステップ単位に実行される。
図32に示すように、S160において、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であると判定した場合にはS161に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)でないと判定した場合には大入賞口開放処理ルーチンを終了する。
S161において、メインCPU61は、セットしたラウンド開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を実行する。この処理については、図33を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S162に処理を移す。
S162において、メインCPU61は、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM62から読み出されたデータに基づいて、メインRAM63に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、第1大入賞口ソレノイド360A又は第2大入賞口ソレノイド370Aを閉鎖状態とするものである。この処理を終了した場合には、S163に処理を移す。
S163において、メインCPU61は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、小当りであると判定した場合にはS168に処理を移す。一方、メインCPU61は、小当りでないと判定した場合にはS164に処理を移す。
S164において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数(ラウンド数)の上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている大入賞口開放回数カウンタの値と大入賞口開放回数(ラウンド数)の上限値とを比較して、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の上限値以上であるか否かを判定する。ここで、大入賞口開放回数の上限値とは、例えば、当り開閉パターン1、4〜7であれば、16Rとなる。メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が入賞口開放回数の上限値以上であると判定した場合にはS168に処理を移す。一方、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の上限値以上でないと判定した場合にはS165に処理を移す。
S165において、メインCPU61は、図16に示す大入賞口開放パターンテーブルとインターバル時間テーブルとを参照し、該当するラウンド間のインターバルパターンに応じた閉鎖時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。なお、閉鎖時間は、インターバルパターンx、yに対応する時間がセットされるが、これらとは異なる時間がセットされるようにしてもよい。この処理を終了した場合には、S166に処理を移す。
S166において、メインCPU61は、メインRAM63おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S167に処理を移す。
S167において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、ラウンド間表示コマンドをセットする処理を行う。ラウンド間表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。この処理を終了した場合には、大入賞口開放処理ルーチンを終了する。
一方、S168において、メインCPU61は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S169に処理を移す。
S169において、メインCPU61は、メインRAM63おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、当り終了インターバル処理を示す値(06H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S170に処理を移す。
S170において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドをセットする処理を行う。特別図柄当りインターバル終了表示コマンドは、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了を示すコマンドとして、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。この処理を終了した場合には、大入賞口開放処理ルーチンを終了する。
[大入賞開閉処理]
図33は、メインCPU61により実行される大入賞開閉処理を示すフローチャートである。この大入賞開閉処理は、以下のステップ単位に実行される。
図33に示すように、S180において、メインCPU61は、図16の大入賞口開閉パターンテーブルを参照し、現在実行すべきラウンド開閉パターンを取得する処理を行う。この処理を終了した場合には、S181に処理を移す。
S181において、メインCPU61は、制御順序カウンタ及び繰り返し計数カウンタをセットする処理を行う。制御順序カウンタは、ラウンド開閉パターンに含まれる基本開閉パターンの制御順序を特定するためのカウンタである。繰り返し計数カウンタは、基本開閉パターンを繰り返し実行する回数を計数するためのカウンタである。ラウンド開閉パターンにおいては、基本開閉パターンごとに制御順序や繰り返し回数が規定されており、これらの制御順序のうち最終の順序を示す数値が制御順序カウンタの初期値として規定されている(図14参照)。この処理を終了した場合には、S182に処理を移す。
S182において、メインCPU61は、最初の制御順序の基本開閉パターンと繰り返し回数をメインRAM63にセットする処理を行う。繰り返し回数は、繰り返し計数カウンタにセットされる。この処理を終了した場合には、S183に処理を移す。
S183において、メインCPU61は、現在のラウンドが1R又は11Rであるか否かを判定する処理を行う。すなわち、第2大入賞口37の開閉に伴って変位部材39が開閉するラウンドか否かを判定する。メインCPU61は、現在のラウンドが1R又は11Rである場合にはS184に処理を移す。一方、メインCPU61は、現在のラウンドが1R又は11Rのいずれでもない場合にはS185に処理を移す。
S184において、メインCPU61は、変位部材制御処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、ラウンド開閉パターンJに基づいて変位部材39を開閉させる制御を行う。すなわち、第2大入賞口37が開閉する1R目あるいは11R目には、必ず変位部材39が開閉する。この処理を終了した場合には、S185に処理を移す。
S185において、メインCPU61は、ラウンド開閉パターンに規定された基本開閉パターンに基づき大入賞口について開閉させる制御を行う。この処理を終了した場合には、S186に処理を移す。
S186において、メインCPU61は、大入賞口入賞カウンタの値が10以上であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、大入賞口入賞カウンタの値が10以上である場合には、大入賞開閉処理ルーチンを終了する。一方、メインCPU61は、大入賞口入賞カウンタの値が10以上でない(10未満である)場合には、S187に処理を移す。
S187において、メインCPU61は、今回のラウンドに係る開閉制御を終了するか否かの判定を行う。メインCPU61は、今回のラウンドに係る開閉制御を終了する場合、S188に処理を移す。一方、メインCPU61は、今回のラウンドに係る開閉制御を終了しない場合、S185に処理を移す。
S188において、メインCPU61は、繰り返し計数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S189に処理を移す。
S189において、メインCPU61は、繰り返し計数カウンタの値が0であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、繰り返し計数カウンタの値が0である場合には、S190に処理を移す。一方、メインCPU61は、繰り返し計数カウンタの値が0でない場合には、S185に処理を移す。
S190において、メインCPU61は、制御順序カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S191に処理を移す。
S191において、メインCPU61は、制御順序カウンタの値が0であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、制御順序カウンタの値が0である場合には、大入賞開閉処理ルーチンを終了する。一方、メインCPU61は、制御順序カウンタの値が0でない場合には、S192に処理を移す。
S192において、メインCPU61は、制御順序カウンタの値に基づいて該当する制御順序の基本開閉パターンと繰り返し回数をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、大入賞開閉処理ルーチンを終了する。
[大入賞口開放前待ち時問管理処理]
図34は、メインCPU61により実行される大入賞口開放前待ち時問管理処理を示すフローチャートである。この大入賞口開放前待ち時問管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図34に示すように、S200において、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)であると判定した場合にはS201に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)でないと判定した場合には大入賞口開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
S201において、メインCPU61は、ラウンド間インターバルに対応するインターバル時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU61は、インターバル時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS202に処理を移す。一方、メインCPU61は、インターバル時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には大入賞口開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
S202において、メインCPU61は、メインRAM63の大入賞口開放回数カウンタの値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S203に処理を移す。
S203において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値と図16の大入賞口開閉パターンテーブルとに基づいて、該当するラウンド開閉パターンのデータをメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S204に処理を移す。
S204において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは、ラウンドゲームの開始を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この処理を終了した場合には、S205に処理を移す。
S205において、メインCPU61は、メインRAM63における制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(04H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S206に処理を移す。
S206において、メインCPU61は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、大当りであると判定した場合にはS207に処理を移す。一方、メインCPU61は、大当りでないと判定した場合には、S208に処理を移す。
S207において、メインCPU61は、メインRAM63の大入賞口入賞カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S208に処理を移す。
S208において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、大入賞口開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
[当り終了インターバル処理]
図35は、メインCPU61により実行される当り終了インターバル処理を示すフローチャートである。この当り終了インターバル処理は、以下のステップ単位に実行される。
S210において、メインCPU61は、メインRAM63の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定した場合には、S211に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)でないと判定した場合には、当り終了インターバル処理ルーチンを終了する。
S211において、メインCPU61は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS212に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には、当り終了インターバル処理ルーチンを終了する。
S212において、メインCPU61は、メインRAM63の特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を特別図柄制御状態フラグにセットする。この処理を終了した場合には、S213に処理を移す。
S213において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄及び遊技状態に応じた駆動制御データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、当り終了インターバル処理ルーチンを終了する。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図36は、メインCPU61により実行される特別図柄ゲーム終了処理を示すフローチャートである。この特別図柄ゲーム終了処理は、以下のステップ単位に実行される。
図36に示すように、S220において、メインCPU61は、メインRAM63の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定した場合には、S221に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)でないと判定した場合には、この特別図柄ゲーム終了処理ルーチンを終了する。
S221において、メインCPU61は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S221に処理を移す。
S222において、メインCPU61は、特別図柄当り終了コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特別図柄ゲームの終了を示す特別図柄当り終了コマンドをメインRAM63にセット(記憶)する処理を行う。そして、特別図柄当り終了コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が特別図柄ゲームの終了を認識するようになる。この処理を終了した場合には、特別図柄ゲーム終了処理ルーチンを終了する。
[メインCPUによるシステムタイマ割込処理]
図37は、メインCPU61により実行されるシステムタイマ割込処理を示すフローチャートである。このシステムタイマ割込処理は、以下のステップ単位に実行される。なお、メインCPU61は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。このシステムタイマ割込処理は、リセット用クロックパルス発生回路67から所定の周期(例えば、2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて実行される。
図37に示すように、S230において、メインCPU61は、レジスタ退避処理を行う。この処理を終了した場合、S231に処理を移す。
S231において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を1加算する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理等)をシステムタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理を終了した場合、S232に処理を移す。
S232において、メインCPU61は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットするとともに、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路64に送信する。初期リセット回路64は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を開放する。なお、初期リセット回路64に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路64に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100ms)が経過すると、初期リセット回路64からメインCPU61へとシステムリセット信号が出力される。メインCPU61は、この初期リセット回路64からシステムリセット信号が入力されると、システムリセット状態となる。この処理を終了した場合、S233に処理を移す。
S233において、メインCPU61は、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU61は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU61は、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2ms毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理を終了した場合、S234に処理を移す。
S234において、メインCPU61は、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU61は、各入賞領域などに対応する各スイッチが、入賞を検出したか否かを判定する。メインCPU61は、例えば入賞を検出した場合には、入賞があったと判定した入賞領域に対応するbitを「1(ON)」にする。このスイッチ入力処理については、図38を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S235に処理を移す。
S235において、メインCPU61は、不正検出処理を行う。この処理において、メインCPU61は、振動検知センサ86からの振動検知信号に基づいて不正動作を検出する処理を行う。この不正検出処理については、図40〜42を用いて後述する。この処理を終了した場合、S236に処理を移す。
S236において、メインCPU61は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU61は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、システムタイマ割込処理ルーチンを終了する。
[スイッチ入力処理]
図38は、メインCPU61により実行されるスイッチ入力処理を示すフローチャートである。このスイッチ入力処理は、以下のステップ単位に実行される。
図38に示すように、S240において、メインCPU61は、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU61は、一般入賞口左スイッチ400A、一般入賞口右スイッチ400B、第1始動入賞口スイッチ320、第2始動入賞口スイッチ330の入力があったか否かを判定する処理を行う。一般入賞口左スイッチ400A又は一般入賞口右スイッチ400Bの入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動入賞口スイッチ320又は第2始動入賞口スイッチ330の入力があったと判定した場合には、それぞれに対応する始動口入賞カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S241に処理を移す。
S241において、メインCPU61は、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。この特別図柄関連スイッチチェック処理については、図39を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S242に処理を移す。
S242において、メインCPU61は、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU61は、通過ゲートスイッチ350の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には、この処理を終了する。上限でないと判定した場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM63の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理を終了した場合には、S243に処理を移す。
S243において、メインCPU61は、異常関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU61は、例えばガラスドア4の開閉スイッチといった異常関連スイッチからの信号に異常があったか否かを判定する。例えばガラスドア4の開閉スイッチからの信号に基づいてガラスドア4が開放されていることが検知された場合には、異常を報知するための処理を行い、異常が検知されない場合には、S244に処理を移す。なお、振動検知センサ86から振動検知信号に基づく処理としては、別途後述の不正検出処理が実行されるようになっている。
S244において、メインCPU61は、発射関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU61は、例えば発射装置26のタッチセンサからの信号に基づいて発射動作を制御するための処理を行う。この処理を終了した場合には、スイッチ入力処理ルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図39は、メインCPU61により実行される特別図柄関連スイッチチェック処理を示すフローチャートである。この特別図柄関連スイッチチェック処理は、以下のステップ単位に実行される。
図39に示すように、S250において、メインCPU61は、第1始動口32への遊技球の入賞が検出されたか否かを、第1始動口スイッチ320からの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1始動口スイッチ320からの検出信号に対応する第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」であるか否かを判定し、第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」である場合には、S251に処理を移し、第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」でない場合には、S257に処理を移す。
S251において、メインCPU61は、第1特別図柄の始動記憶の個数が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1特別図柄の始動記憶の個数、すなわち保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であると判定した場合には、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了し、保留数が4以上でないと判定した場合には、S252に処理を移す。
S252において、メインCPU61は、第1特別図柄の始動記憶の個数に「1」を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている第1特別図柄の保留数の値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S253に処理を移す。
S253において、メインCPU61は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU61は、いわゆる特別図柄抽選により当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出し、さらに、当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM63の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであり、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、第1特別図柄によって導出表示され、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動口32に遊技球が入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順次記憶される。この処理を終了した場合、S254に処理を移す。
S254において、メインCPU61は、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S255に処理を移す。
S255において、メインCPU61は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU61は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理を終了した場合、S256に処理を移す。
S256において、メインCPU61は、始動入賞コマンドをメインRAM63の所定領域にセットする。この始動入賞コマンドには、当り判定用乱数を示す情報及び当り図柄決定用乱数を示す情報が含まれている。始動入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が、遊技球の入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動入賞コマンドのデータには、S255の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理を終了した場合、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
S257において、メインCPU61は、第2始動口33への遊技球の入賞が検出されたか否かを、第2始動口スイッチ330からの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第2始動口スイッチ330からの検出信号に対応する第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」であるか否かを判定し、第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」である場合には、S258に処理を移し、第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」でない場合には、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
S258において、メインCPU61は、第2特別図柄の始動記憶の個数が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第2特別図柄の始動記憶の個数、すなわち保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であると判定した場合には、この特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了し、保留数が4以上でないと判定した場合には、S259に処理を移す。
S259において、メインCPU61は、第2特別図柄の始動記憶の個数に「1」を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている第2特別図柄の保留数の値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S260に処理を移す。
S260において、メインCPU61は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU61は、いわゆる特別図柄抽選により当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出し、さらに、当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであり、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、第2特別図柄によって導出表示され、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第2始動口33に遊技球が入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順次記憶される。この処理を終了した場合、S261に処理を移す。
S261において、メインCPU61は、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S262に処理を移す。
S262において、メインCPU61は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU61は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理を終了した場合、S263に処理を移す。
S263において、メインCPU61は、始動入賞コマンドをメインRAM63の所定領域にセットする。始動入賞コマンドは、先述した通りである。この処理を終了した場合、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
[不正検出処理]
図40は、メインCPU61により実行される不正検出処理を示すフローチャートである。この不正検出処理は、以下のステップ単位に実行される。
図40に示すように、S270において、メインCPU61は、振動検出処理を行う。この振動検出処理については、図41を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S271に処理を移す。
S271において、メインCPU61は、不正判定処理を行う。この不正判定処理については、図42を用いて後述する。この処理を終了した場合には、不正検出処理ルーチンを終了する。
[振動検出処理]
図41は、メインCPU61により実行される振動検出処理を示すフローチャートである。この振動検出処理は、以下のステップ単位に実行される。
図41に示すように、S280において、メインCPU61は、振動検知センサ86からの振動検知信号をオン状態として検出したか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、振動検知信号をオン状態として検出した場合には、S281に処理を移す。一方、メインCPU61は、振動検知信号をオン状態として検出せず、オフ状態として検出した場合には、S283に処理を移す。
S281において、メインCPU61は、振動検知信号のオンエッジから例えば40msといった時間が経過したか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、振動検知信号のオンエッジから40ms経過した場合には、S282に処理を移す。一方、メインCPU61は、振動検知信号のオンエッジから40ms経過していない場合には、S283に処理を移す。
S282において、メインCPU61は、振動検知フラグをオンとしてメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、振動検出処理ルーチンを終了する。なお、S281、S282の処理としては、例えば振動検知信号のオンエッジ及びオフエッジを所定回数以上検出した場合に振動検知フラグをオンにセットするようにしてもよい。
S283において、メインCPU61は、振動検知信号のオフエッジから例えば600msといった時間が経過したか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、振動検知信号のオフエッジから600ms経過した場合には、S284に処理を移す。一方、メインCPU61は、振動検知信号のオフエッジから600ms経過していない場合には、振動検出処理ルーチンを終了する。
S284において、メインCPU61は、振動検知フラグをオフとしてメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、振動検出処理ルーチンを終了する。
[不正判定処理]
図42は、メインCPU61により実行される不正判定処理を示すフローチャートである。この不正判定処理は、以下のステップ単位に実行される。
図42に示すように、S290において、メインCPU61は、メインRAM63の振動検知フラグがオンにセットされているか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、振動検知フラグがオンにセットされている場合には、S291に処理を移す。一方、メインCPU61は、振動検知フラグがオフにセットされている場合には、不正判定処理ルーチンを終了する。
S291において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力フラグをオンとしてメインRAM63にセットする処理を行う。セキュリティ信号出力フラグは、振動検知信号のオン状態に応じてセキュリティ信号の外部出力を許可することを示すものである。この処理を終了し場合には、S292に処理を移す。
S292において、メインCPU61は、特定領域作動中信号に基づいて特定領域作動中であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、特定領域作動中信号がオン状態として検出されることで特定領域38Aの作動中と判定した場合には、S293に処理を移す。一方、メインCPU61は、特定領域作動中信号がオフ状態として検出されることで特定領域38Aの作動中でないと判定した場合には、不正判定処理ルーチンを終了する。なお、このS292の処理においては、特定領域38Aに配置された変位部材39が実際に作動中であるか否かを判定するようにしてもよい。
S293において、メインCPU61は、サブ不正信号出力フラグをオンとしてメインRAM63にセットする処理を行う。サブ不正信号出力フラグは、振動検知信号がオン状態であり、かつ、特定領域38Aの変位部材39が作動中とされる場合に、セキュリティ信号の外部出力を許可するほか、副制御回路70のサブCPU71に不正動作を示す情報を含むコマンドの送信も許可することを示すものである。すなわち、S291の処理のみ実行された場合は、セキュリティ信号が外部出力されるだけとなるが、S291に続いてS293の処理も実行された場合には、1R目あるいは11R目の第2大入賞口37の開閉に伴い変位部材39が開閉動作する際に、セキュリティ信号が外部出力されるだけでなく、サブCPU71に対して不正動作を示す情報を含むコマンドも送信される。この処理を終了し場合には、不正判定処理ルーチンを終了する。
[遊技情報データ生成処理]
図43は、メインCPU61により実行される遊技情報データ生成処理を示すフローチャートである。この遊技情報データ生成処理は、以下のステップ単位に実行される。
図43に示すように、S300において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力フラグがオンであるか否かを判定する。メインCPU61は、セキュリティ信号出力フラグがオンであると判定した場合には、S301に処理を移し、セキュリティ信号出力フラグがオンでないと判定した場合には、S304に処理を移す。
S301において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力フラグをオフにセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、オンになっているセキュリティ信号出力フラグをオフにする。この処理を終了した場合、メインCPU61は、S302に処理を移す。
S302において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力タイマに最低出力期間をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、セキュリティ信号の出力時間である最低出力期間60sをセキュリティ信号出力タイマにセットする。なお、セキュリティ信号出力タイマにセットされる時間は、60s以外の任意の時間に変更可能である。この処理を終了した場合、メインCPU61は、S303に処理を移す。
S303において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、セキュリティ信号を生成するとともに、セットする処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU61は、S306に処理を移す。
S304において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力タイマの値が0であるか否かを判定し、セキュリティ信号出力タイマの値が0であると判定した場合には、S305に処理を移し、セキュリティ信号出力タイマの値が0でないと判定した場合には、S310に処理を移す。
S305において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力データをクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力データをクリアする。この処理を終了した場合、メインCPU61は、S306に処理を移す。
S306において、メインCPU61はサブ不正信号出力フラグがオンであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、サブ不正信号出力フラグがオンであるか否かを判定し、サブ不正信号出力フラグがオンであると判定した場合には、S307に処理を移し、サブ不正信号出力フラグがオンでないと判定した場合には、S310に処理を移す。
S307において、メインCPU61は、サブ不正信号出力フラグをオフにセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、オンになっているサブ不正信号出力フラグをオフにする。この処理を終了した場合、メインCPU61は、S308に処理を移す。
S308において、メインCPU61は、サブ不正信号出力タイマに最低出力期間をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、不正動作を示すコマンドの送信時間である最低送信期間30sをサブ不正信号出力タイマにセットする。なお、サブ不正信号出力タイマにセットされる時間は、30s以外の任意の時間に変更可能である。この処理を終了した場合、メインCPU61は、S309に処理を移す。
S309において、メインCPU61は、サブ不正信号を出力データとしてセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、サブ不正信号として不正動作を示すコマンドを生成するとともに、当該コマンドを送信コマンドとしてセットする処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU61は、遊技情報データ生成処理ルーチンを終了する。
S310において、メインCPU61は、サブ不正信号出力タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、サブ不正信号出力タイマの値が0であるか否かを判定し、サブ不正信号出力タイマの値が0であると判定した場合には、S311に処理を移し、サブ不正信号出力タイマの値が0でないと判定した場合には、遊技情報データ生成処理ルーチンを終了する。
S311において、メインCPU61は、サブ不正信号出力データをクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドをクリアする。この処理を終了した場合、メインCPU61は、遊技情報データ生成処理ルーチンを終了する。
このような処理により、メインCPU61は、セキュリティ信号出力タイマの値が0でない限り、セキュリティ信号出力データをセットし、サブ不正信号出力タイマの値が0でない限り、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドをセットするよう構成されている。これにより、メインCPU61は、セキュリティ信号出力タイマの値が0になるまで、継続してセキュリティ信号を外部出力するとともに、サブ不正信号出力タイマの値が0になるまで、継続して不正動作を示す送信コマンドをサブCPU71に対して送信する。
[ポート出力処理]
図44は、メインCPU61により実行されるポート出力処理を示すフローチャートである。このポート出力処理は、以下のステップ単位に実行される。
図44に示すように、S320において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力データがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力データがセットされていると判定した場合には、S321に処理を移し、セキュリティ信号出力データがセットされていないと判定した場合には、S322に処理に移す。
S321において、メインCPU61は、セキュリティ信号出力処理を行う。この処理において、メインCPU61は、セットされたセキュリティ信号出力データを外部出力する処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU61は、S322に処理に移す。
S322において、メインCPU61は、サブ不正信号出力データがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドがセットされていると判定した場合には、S323に処理を移し、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドがセットされていないと判定した場合には、ポート出力処理ルーチンを終了する。
S323において、メインCPU61は、サブ不正信号出力処理を行う。この処理において、メインCPU61は、セットされたサブ不正信号として不正動作を示す送信コマンドを送信する処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU61は、ポート出力処理ルーチンを終了する。
[サブCPUによる制御]
次に、図45〜50を用いて、サブCPU71により実行される処理について以下に説明をする。副制御回路70のサブCPU71は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示制御処理などの様々な処理を行う。
[サブCPUによる副制御回路メイン処理]
図45は、サブCPU71により実行される副制御回路メイン処理を示すフローチャートである。この副制御回路メイン処理は、以下のステップ単位に実行される。
図45に示すように、S330において、サブCPU71は、電源投入に応じて初期化する処理を行う。この処理を終了した場合には、S331に処理を移す。
S331において、サブCPU71は、ワークRAM73に記憶される乱数値(演出決定用乱数カウンタ値及び停止図柄決定用乱数カウンタ値等)を更新する処理を行う。この処理を終了した場合には、S332に処理を移す。
S332において、サブCPU71は、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU71は、主制御回路60から受信してワークRAM73の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う。このコマンド解析処理については、図48を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S333に処理を移す。
S333において、サブCPU71は、演出制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、例えば上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bを駆動する可動演出装置42を制御する制御処理を実行するほか、不正動作に対して報知するための制御処理を実行する。このコマンド解析処理については、図50を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S334に処理を移す。
S334において、サブCPU71は、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、液晶表示装置13の表示領域13Aにおいて表示を行うためのデータを表示制御回路76に送信する。VDP(Video Display Processor)を含む表示制御回路76は、サブCPU71からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置13の表示領域13Aに表示させる。この処理を終了した場合には、S335に処理を移す。
S335において、サブCPU71は、音・ランプ等制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、音声制御回路77を介してスピーカ10a,10b,10cから発生させる音を制御する音声制御処理や、ランプ制御回路78を介してランプ・LED27の発光(点灯・点滅)を制御するランプ制御処理を実行する。この処理を終了した場合には、S331に処理を移し、以降、S311〜S335の処理を繰り返し行う。
一方、サブCPU71は、副制御回路メイン処理を実行している状態であっても、この副制御回路メイン処理を中断させ、後述するタイマ割込処理やコマンド割込処理を実行する場合がある。以下、図46を用いてタイマ割込処理、図47を用いてコマンド割込処理について説明する。
[タイマ割込処理]
図46は、サブCPU71により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、以下のステップ単位に実行される。
図46に示すように、S340において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理を終了した場合には、S341に処理を移す。
S341において、サブCPU71は、各種のタイマ更新処理を行う。この処理を終了した場合には、S342に処理を移す。
S342において、サブCPU71は、ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU71は、押下操作ボタン9Aやジョグダイヤル9Bによる操作入力の有無を検出する処理を行う。この処理を終了した場合には、S343に処理を移す。
S343において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、S340で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、タイマ割込処理ルーチンを終了する。
[コマンド割込処理]
図47は、サブCPU71により実行されるコマンド割込処理を示すフローチャートである。このコマンド割込処理は、以下のステップ単位に実行される。
図47に示すように、S350において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムを退避させる処理を行う。この処理を終了した場合には、S351に処理を移す。
S351において、サブCPU71は、受信したコマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、メインCPU61から送信されて受信したコマンドをワークRAM73の受信バッファ領域へ格納する処理を行う。例えば、サブCPU71は、主制御回路60から送信された各種のコマンドを受信する。この処理において、格納されたコマンドは、図48に示すコマンド解析処理にて解析される。この処理を終了した場合には、S352に処理を移す。
S352において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、S350で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、コマンド割込処理ルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図48は、サブCPU71により実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理は、以下のステップ単位に実行される。
図48に示すように、S360において、サブCPU71は、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、コマンドを受信したと判定した場合には、S361に処理を移す。一方、サブCPU71は、コマンドを受信していないと判定した場合には、このコマンド解析処理ルーチンを終了する。
S361において、サブCPU71は、受信したコマンドのデータを読み出し、読み出したコマンドとして特別図柄演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り確変回数、残り時短回数のデータが含まれる。サブCPU71は、特別図柄演出開始コマンドを受信したと判定した場合には、S362に処理を移す。一方、サブCPU71は、特別図柄演出開始コマンドを受信していないと判定した場合には、S363に処理を移す。
S362において、サブCPU71は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて、装飾図柄の変動表示態様を含む演出パターン等を決定し、決定した演出パターンデータ等をワークRAM73の所定の記憶領域にセットする。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S363において、サブCPU71は、受信したコマンドのデータを読み出し、読み出したコマンドとして特別図柄演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。特別図柄演出停止コマンドには、遊技状態、特別図柄、1減算された残り変動回数や残り時短回数のデータが含まれる。サブCPU71は、特別図柄演出停止コマンドを受信したと判定した場合には、S364に処理を移す。一方、サブCPU71は、特別図柄演出停止コマンドを受信していないと判定した場合には、S365に処理を移す。
S364において、サブCPU71は、特別図柄演出停止コマンド受信時処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信した特別図柄演出停止コマンドに基づいて、対応する停止装飾図柄等を決定し、決定した停止装飾図柄データ等をワークRAM73の所定の記憶領域にセットする。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S365において、サブCPU71は、受信したコマンドのデータを読み出し、読み出したコマンドとして特別図柄当り開始コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、特別図柄当り開始コマンドを受信したと判定した場合には、S366に処理を移す。一方、サブCPU71は、特別図柄当り開始コマンドを受信していないと判定した場合には、S367に処理を移す。
S366において、サブCPU71は、特別図柄当り開始コマンド受信時処理を実行する。この処理において、サブCPU71は、受信した特別図柄当り開始コマンドに基づいて、当り時の演出パターン等を決定し、決定した演出パターンデータ等をワークRAM73の所定の記憶領域にセットする。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S367において、サブCPU71は、受信したコマンドのデータを読み出し、読み出したコマンドとして特別図柄当り終了コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、特別図柄当り終了コマンドを受信したと判定した場合には、S368に処理を移す。一方、サブCPU71は、特別図柄当り終了コマンドを受信していないと判定した場合には、S369に処理を移す。
S368において、サブCPU71は、特別図柄当り終了コマンド受信時処理を実行する。この処理において、サブCPU71は、受信した特別図柄当り終了コマンドに基づいて、当り終了時の演出パターン等を決定し、決定した演出パターンデータ等をワークRAM73の所定の記憶領域にセットする。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S369において、サブCPU71は、サブ不正信号受信時処理を実行する。このサブ不正信号受信時処理については、図49を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
[サブ不正信号受信時処理]
図49は、サブCPU71により実行されるサブ不正信号受信時処理を示すフローチャートである。このサブ不正信号受信時処理は、不正動作を示すコマンドを受信した際に実行される処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図49に示すように、S370において、サブCPU71は、不正報知実行タイマに例えば30sといった時間に相当する値をセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、ワークRAM73の不正報知実行タイマに例えば30秒に相当する値をセットする。なお、不正報知実行タイマにセットする値は、その他の秒数に相当する値でもよい。この処理をを終了した場合には、S371に処理を移す。
S371において、サブCPU71は、不正報知実行タイマの値が0にならない限り、不正報知実行フラグをオンにセットする。不正報知実行フラグは、不正動作に対して警告報知を行うことを示すものである。この処理を終了した場合には、サブ不正信号受信時処理ルーチンを終了する。
[演出制御処理]
図50は、サブCPU71により実行される演出制御処理を示すフローチャートである。なお、同図においては、主として不正動作を示すコマンドを受信した際に実行される場合の各処理を示している。この演出制御処理は、以下のステップ単位に実行される。
図50に示すように、S380において、サブCPU71は、不正報知実行フラグがオンにセットされているか否かを判定する処理を行う。サブCPU71は、不正報知実行フラグがオンにセットされている場合には、S381に処理を移す。一方、サブCPU71は、不正報知実行フラグがオフにセットされている場合には、S385に処理を移す。
S381において、サブCPU71は、不正報知設定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正動作に対して警告報知を行うための設定を行う。これにより、図51に一例として示すように、液晶表示装置13の表示領域13Aには、「警告 台を叩かないでください。」といった警告メッセージあるいは警告画像が表示される。なお、ホールコンピュータ100や外部情報表示装置101においても、セキュリティ信号に基づいて同様の警告メッセージや警告画像が表示される。この処理を終了した場合には、S382に処理を移す。
S382において、サブCPU71は、不正報知実行タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、サブCPU71は、不正報知実行タイマの値が0であるか否かを判定し、不正報知実行タイマの値が0であると判定した場合には、S383に処理を移し、不正報知実行タイマの値が0でないと判定した場合には、S385に処理を移す。
S383において、サブCPU71は、不正報知画面終了設定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、不正動作に対する警告報知の表示画面を終了させるための設定を行う。これにより、図51に表示された警告メッセージあるいは警告画像が消去される。この処理を終了した場合には、S384に処理を移す。
S384において、サブCPU71は、不正報知実行フラグをオフにセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、オンになっている不正報知実行フラグをオフにする。この処理を終了した場合、サブCPU71は、S385に処理を移す。
S385において、サブCPU71は、その他の演出制御処理を行う。この処理を終了した場合には、演出制御処理ルーチンを終了する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機や封入式遊技機にも適用することができる。また、汎用的な技術については、上記に挙げた遊技機のほか、例えばゲーミングマシン、スロットマシン、あるいはパチスロ遊技機等といった各種遊技機にも適用することができる。
また、上記実施形態で示した数値や情報、構成要素などは、あくまでも一例にすぎず、本発明の範囲内において適宜変更することができるのはいうまでもない。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
(付記Aについて)
従来のパチンコ遊技機には、例えば1ラウンドにおける大入賞口(例えば、アタッカ)の開閉パターンを複数用意し、開閉パターンごとに制御用の複数の開放データと閉鎖データとを組み合わせて持たせたものがある(例えば、特開2015−51327号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、1ラウンドにおける開放回数が多くなればなるほど、必然的に多くの開放データと閉鎖データとを持たなければならないので、制御用のデータ量を抑えながら開閉パターンの多様化を図り難いという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、制御用のデータ量を抑制しつつも開閉パターンの多様化を容易に図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記A1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
遊技球が転動する遊技領域(例えば、遊技領域1p)を有する遊技盤(例えば、遊技盤1)と、
前記遊技領域における所定の領域(例えば、第1始動口32、第2始動口33)を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを抽選可能な抽選手段(例えば、メインCPU61)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が相対的に入球容易な第1態様(例えば、開放状態)と入球困難な第2態様(例えば、閉鎖状態)とに変動可能な可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)と、
前記可動部材を駆動制御する可動部材制御手段(例えば、メインCPU61)と、
前記可動部材制御手段に前記可動部材を駆動制御させるための駆動制御データを記憶する駆動制御データ記憶手段(例えば、メインROM62、メインRAM63)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機)であって、
前記特別遊技は、所定の終了条件を満たすまでに前記可動部材が前記第1態様に少なくとも1回変動し得るラウンド遊技を、前記駆動制御データに基づいて複数回にわたり実行可能な遊技状態(例えば、大当り遊技状態)であり、
前記駆動制御データ(例えば、当り開閉パターンのデータ)は、前記ラウンド遊技ごとに前記可動部材の変動態様を制御するためのラウンド遊技制御データ(例えば、ラウンド開閉パターンのデータ)を含み、
前記ラウンド遊技制御データは、前記第1態様とする時間を規定した第1時間データ(例えば、開放時間のデータ)と前記第2態様とする時間を規定した第2時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)とを含むとともに、当該第1時間データと当該第2時間データとの組を単位制御データ(例えば、基本開閉パターンのデータ)として、当該単位制御データを繰り返し用いる回数を指定した繰り返し回数データ(例えば、基本開閉パターンに対応する繰り返し回数のデータ)を含めて構成可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技において可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)を複数回にわたり繰り返し変動させるようにしても、その際に可動部材を制御するためのラウンド遊技制御データ(例えば、ラウンド開閉パターンのデータ)としては、第1時間データ(例えば、開放時間のデータ)及び第2時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)、並びにこれらを繰り返し用いる回数を示す繰り返し回数データ(例えば、基本開閉パターンに対応する繰り返し回数のデータ)だけで構成することができるので、制御用のデータ量について繰り返し回数分持つ場合に比べて格段に抑制することができ、ひいては例えば可動部材の開閉パターンの多様化を容易に図ることができる。
(付記A2)
本発明の好ましい実施形態としては、
前記駆動制御データは、前記特別遊技における前記ラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技の開始まで前記可動部材を前記第2態様として待機させる時間を規定したラウンド間制御データ(例えば、ラウンド間インターバルのインターバルパターンのデータ)を含み、
前記可動部材制御手段は、前記特別遊技において前記ラウンド遊技制御データに基づき前記可動部材を駆動制御した後、前記ラウンド間制御データに基づき前記可動部材を前記第2態様に駆動制御可能であり、
前記ラウンド遊技制御データは、前記ラウンド間制御データと同一時間を規定したものとして前記第2時間データ(例えば、閉鎖時間1.2sのデータ)を有することを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技における可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)の第2態様(例えば、閉鎖状態)と、ラウンド遊技を終了して次のラウンド遊技が開始されるまでのラウンド遊技間(例えば、ラウンド間インターバル)における可動部材の第2態様とを、いずれも第2時間データ(例えば、閉鎖時間1.2sのデータ)に基づき同一時間とすることができるので、遊技者に対してラウンド遊技中かラウンド遊技間かを判別困難とすることができ、例えば可動部材の開閉パターン(例えば、当り開閉パターン)を推測困難としつつ多様化することによって遊技の興趣を高めることができる。
(付記A3)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
前記駆動制御データは、前記特別遊技における前記ラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技の開始まで前記可動部材を前記第2態様として待機させる時間を規定したラウンド間制御データ(例えば、ラウンド間インターバルのインターバルパターンのデータ)を含み、
前記可動部材制御手段は、前記特別遊技における前記ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間において、前記ラウンド間制御データに基づき前記可動部材を駆動制御可能であり、
前記ラウンド遊技制御データは、前記ラウンド遊技の最後に前記可動部材を前記第1態様とする時間を規定したものとして前記第1時間データ(例えば、基本開閉パターンfの開放時間0.102sのデータ)を有することを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技の最後には、第1時間データ(例えば、基本開閉パターンfの開放時間0.102sのデータ)に基づき可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)を第1態様(例えば、開放状態)とするだけで第2態様(例えば、閉鎖状態)とするための制御データが不要とされ、ラウンド遊技間(例えば、ラウンド間インターバル)では、ラウンド間制御データ(例えば、インターバルパターンのデータ)に基づき可動部材が第2態様で待機するように駆動制御されるので、制御用のデータ量を一段と削減しつつもラウンド遊技中からラウンド遊技間にかけて可動部材を確実に駆動制御することができる。
(付記A4)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
図柄を表示可能な表示手段(例えば、第1特別図柄表示部53、第2特別図柄表示部54)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記表示手段に停止表示させる図柄を決定する停止図柄決定手段(例えば、メインCPU61)と、
前記表示手段に図柄を変動表示させた後、前記停止図柄決定手段により決定された図柄を停止表示させることが可能な図柄表示制御手段(例えば、メインCPU61)と、を備え、
前記停止図柄決定手段は、前記抽選手段による抽選結果として前記特別遊技の実行が決定された場合、前記表示手段に停止表示させる図柄として特定図柄(例えば、当り図柄)を決定可能であり、
前記特定図柄は、複数種類(例えば、当り図柄1−1〜1−3、2−1〜2−10)設けられ、
前記特別遊技は、前記表示手段に前記特定図柄が停止表示された後に実行され、
前記単位制御データは、前記特定図柄の種類に応じて前記第1時間データ又は前記第2時間データが異なるように複数種類設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、特別遊技(例えば、大当り遊技状態)の実行を示す特定図柄(例えば、当り図柄)の種類に応じて第1時間データ(例えば、開放時間のデータ)又は第2時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)が異なる複数種類の単位制御データ(例えば、基本開閉パターンのデータ)を用いることができるので、例えば大当り中の可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)の開閉パターン(例えば、当り開閉パターン)をより一層多様化することができ、ひいては遊技の興趣を高めることができる。
(付記Bについて)
従来のパチンコ遊技機には、例えば1ラウンドにおける大入賞口(例えば、アタッカ)の開閉パターンを複数用意し、開閉パターンごとに制御用の複数の開放データと閉鎖データとを組み合わせて持たせたものがある(例えば、特開2015−51327号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、1ラウンドにおける開放回数が多くなればなるほど、必然的に多くの開放データと閉鎖データとを持たなければならないので、制御用のデータ量を抑えながら開閉パターンの多様化を図り難いという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、制御用のデータ量を抑制しつつも開閉パターンの多様化を容易に図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記B1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
遊技球が転動する遊技領域(例えば、遊技領域1p)を有する遊技盤(例えば、遊技盤1)と、
前記遊技領域における所定の領域(例えば、第1始動口32、第2始動口33)を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを抽選可能な抽選手段(例えば、メインCPU61)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が相対的に入球容易な第1態様(例えば、開放状態)と入球困難な第2態様(例えば、閉鎖状態)とに変動可能な可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)と、
前記可動部材を駆動制御する可動部材制御手段(例えば、メインCPU61)と、
前記可動部材制御手段に前記可動部材を駆動制御させるための駆動制御データを記憶する駆動制御データ記憶手段(例えば、メインROM62、メインRAM63)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機)であって、
前記特別遊技は、所定の終了条件を満たすまでに前記可動部材が前記第1態様に少なくとも1回変動し得るラウンド遊技を、前記駆動制御データに基づいて複数回にわたり実行可能な遊技状態(例えば、大当り遊技状態)であり、
前記駆動制御データ(例えば、当り開閉パターンのデータ)は、
前記ラウンド遊技ごとに前記可動部材の変動態様を制御するためのラウンド遊技制御データ(例えば、ラウンド開閉パターンのデータ)と、
前記特別遊技における前記ラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技の開始まで前記可動部材を前記第2態様として待機させる時間を規定したラウンド間制御データ(例えば、ラウンド間インターバルのインターバルパターンのデータ)と、を含み、
前記可動部材制御手段は、前記特別遊技において前記ラウンド遊技制御データに基づき前記可動部材を駆動制御した後、前記ラウンド間制御データに基づき前記可動部材を前記第2態様に駆動制御可能であり、
前記ラウンド遊技制御データは、前記第1態様とする時間を規定した第1時間データ(例えば、開放時間のデータ)と前記第2態様とする時間を規定した第2時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)とを含むとともに、前記ラウンド遊技の最後に前記可動部材を前記第1態様に駆動制御するためのデータとして前記第1時間データ(例えば、基本開閉パターンfの開放時間0.102sのデータ)を有することを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技の最後には、第1時間データ(例えば、基本開閉パターンfの開放時間0.102sのデータ)に基づき可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)を第1態様(例えば、開放状態)とするだけで第2態様(例えば、閉鎖状態)とするための制御データが不要とされ、ラウンド遊技間(例えば、ラウンド間インターバル)では、ラウンド間制御データ(例えば、ラウンド間インターバルのインターバルパターンのデータ)に基づき可動部材が第2態様で待機するように駆動制御されるので、制御用のデータ量を削減しつつもラウンド遊技中からラウンド遊技間にかけて可動部材を確実に駆動制御することができ、例えば可動部材の開閉パターンの多様化を容易に図ることができる。
(付記B2)
本発明の好ましい実施形態としては、
前記ラウンド遊技制御データは、前記第1時間データと前記第2時間データとの組を単位制御データ(例えば、基本開閉パターンのデータ)として、当該単位制御データを繰り返し用いる回数を指定した繰り返し回数データ(例えば、基本開閉パターンに対応する繰り返し回数のデータ)を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技において可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)を複数回にわたり繰り返し変動させるようにしても、その際に可動部材を制御するためのラウンド遊技制御データ(例えば、ラウンド開閉パターンのデータ)としては、第1時間データ(例えば、開放時間のデータ)及び第2時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)、並びにこれらを繰り返し用いる回数を示す繰り返し回数データ(例えば、基本開閉パターンに対応する繰り返し回数のデータ)だけで構成することができるので、制御用のデータ量について繰り返し回数分持つ場合に比べて格段に抑制することができ、ひいては例えば可動部材の開閉パターンの多様化を容易に図ることができる。
(付記B3)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
前記ラウンド遊技制御データ及び前記ラウンド間制御データは、前記第2態様とする同一の時間を規定するものとして前記第2時間データ(例えば、閉鎖時間1.2sのデータ)を有することを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技における可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)の第2態様(例えば、閉鎖状態)と、ラウンド遊技を終了して次のラウンド遊技が開始されるまでのラウンド遊技間(例えば、ラウンド間インターバル)における可動部材の第2態様とを、いずれも第2時間データ(例えば、閉鎖時間1.2sのデータ)に基づき同一時間とすることができるので、遊技者に対してラウンド遊技中かラウンド遊技間かを判別困難とすることができ、例えば可動部材の開閉パターンを推測困難としつつ多様化することによって遊技の興趣を高めることができる。
(付記B4)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
図柄を表示可能な表示手段(例えば、第1特別図柄表示部53、第2特別図柄表示部54)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記表示手段に停止表示させる図柄を決定する停止図柄決定手段(例えば、メインCPU61)と、
前記表示手段に図柄を変動表示させた後、前記停止図柄決定手段により決定された図柄を停止表示させることが可能な図柄表示制御手段(例えば、メインCPU61)と、を備え、
前記停止図柄決定手段は、前記抽選手段による抽選結果として前記特別遊技の実行が決定された場合、前記表示手段に停止表示させる図柄として特定図柄(例えば、当り図柄)を決定可能であり、
前記特定図柄は、複数種類(例えば、当り図柄1−1〜1−3、2−1〜2−10)設けられ、
前記特別遊技は、前記表示手段に前記特定図柄が停止表示された後に実行され、
前記第1時間データ又は前記第2時間データは、前記特定図柄の種類に応じて異なるように複数種類設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、特別遊技(例えば、大当り遊技状態)の実行を示す特定図柄(例えば、当り図柄)の種類に応じて第1時間データ(例えば、開放時間のデータ)又は第2時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)が異なるように複数種類組み合わせて用いることができるので、例えば大当り中の可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)の開閉パターン(例えば、当り開閉パターン)をより一層多様化することができ、ひいては遊技の興趣を高めることができる。
(付記Cについて)
従来のパチンコ遊技機には、例えば1ラウンドにおける大入賞口(例えば、アタッカ)の開閉パターンを複数用意し、開閉パターンごとに制御用の複数の開放データと閉鎖データとを組み合わせて持たせたものがある(例えば、特開2015−51327号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、1ラウンドにおける開放回数が多くなればなるほど、必然的に多くの開放データと閉鎖データとを持たなければならないので、制御用のデータ量を抑えながら開閉パターンの多様化を図り難いという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、制御用のデータ量を抑制しつつも開閉パターンの多様化を容易に図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記C1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
遊技球が転動する遊技領域(例えば、遊技領域1p)を有する遊技盤(例えば、遊技盤1)と、
前記遊技領域における所定の領域(例えば、第1始動口32、第2始動口33)を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを抽選可能な抽選手段(例えば、メインCPU61)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が相対的に入球容易な第1態様(例えば、開放状態)と入球困難な第2態様(例えば、閉鎖状態)とに変動可能な可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)と、
前記可動部材を駆動制御する可動部材制御手段(例えば、メインCPU61)と、
前記可動部材制御手段に前記可動部材を駆動制御させるための駆動制御データを記憶する駆動制御データ記憶手段(例えば、メインROM62、メインRAM63)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機)であって、
前記特別遊技は、所定の終了条件を満たすまでに前記可動部材が前記第1態様に少なくとも1回変動し得るラウンド遊技を、前記駆動制御データに基づいて複数回にわたり実行可能な遊技状態(例えば、大当り遊技状態)であり、
前記駆動制御データ(例えば、当り開閉パターンのデータ)は、前記ラウンド遊技ごとに前記可動部材の変動態様を制御するためのラウンド遊技制御データ(例えば、ラウンド開閉パターンのデータ)を含み、
前記ラウンド遊技制御データは、
前記第1態様とする時間を規定した第1時間データ(例えば、開放時間のデータ)と前記第2態様とする時間を規定した第2時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)とを含むとともに、当該第1時間データと当該第2時間データとの組を単位制御データ(例えば、基本開閉パターンcのデータ)として、当該単位制御データを繰り返し用いる回数を指定した第1繰り返し回数データ(例えば、基本開閉パターンcに対応する繰り返し回数n1のデータ)を含む第1の制御パターンデータ(例えば、図18に示すαのデータ)と、
前記第1態様とする時間を規定した第3時間データ(例えば、開放時間のデータ)と前記第2態様とする時間を規定した第4時間データ(例えば、閉鎖時間のデータ)とを含むとともに、当該第3時間データと当該第4時間データとの組を単位制御データ(例えば、基本開閉パターンeのデータ)として、当該単位制御データを繰り返し用いる回数を指定した第2繰り返し回数データ(例えば、基本開閉パターンeに対応する繰り返し回数n2のデータ)を含む第2の制御パターンデータ(例えば、図18に示すβのデータ)と、
前記第1の制御パターンデータと前記第2の制御パターンデータとを含む複数の制御パターンデータのうちいずれかを繰り返し用いる回数を指定した第3繰り返し回数データ(例えば、図18に示す繰り返し回数N1,N2のデータ)と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技において可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)を複数回にわたり繰り返し変動させるようにしても、その際に可動部材を制御するためのラウンド遊技制御データ(例えば、ラウンド開閉パターンのデータ)としては、第1〜第4時間データ(例えば、開放時間及び閉鎖時間のデータ)、及びこれらを繰り返し用いる回数を示す第1〜第3繰り返し回数データ(例えば、図18に示す繰り返し回数n1,n2、繰り返し回数N1,N2のデータ)だけで構成することができるので、制御用のデータ量について繰り返し回数分持つ場合に比べて格段に抑制することができ、ひいては可動部材の開閉パターンの多様化を容易に図ることができる。
(付記C2)
本発明の好ましい実施形態としては、
前記駆動制御データは、前記特別遊技における前記ラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技の開始まで前記可動部材を前記第2態様として待機させる時間を規定したラウンド間制御データ(例えば、ラウンド間インターバルのインターバルパターンのデータ)を含み、
前記可動部材制御手段は、前記特別遊技における前記ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間において、前記ラウンド間制御データに基づき前記可動部材を駆動制御可能であり、
前記ラウンド遊技制御データ及び前記ラウンド間制御データは、前記第2態様とする同一の時間を規定するものとして前記第2時間データ(例えば、閉鎖時間1.2sのデータ)を有することを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技における可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)の第2態様(例えば、閉鎖状態)と、ラウンド遊技を終了して次のラウンド遊技が開始されるまでのラウンド遊技間(例えば、ラウンド間インターバル)における可動部材の第2態様とを、いずれも第2時間データ(例えば、閉鎖時間1.2sのデータ)に基づき同一時間とすることができるので、遊技者に対してラウンド遊技中かラウンド遊技間かを判別困難とすることができ、例えば可動部材の開閉パターンを推測困難としつつ多様化することによって遊技の興趣を高めることができる。
(付記C3)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
前記駆動制御データは、前記特別遊技における前記ラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技の開始まで前記可動部材を前記第2態様として待機させる時間を規定したラウンド間制御データ(例えば、ラウンド間インターバルのインターバルパターンのデータ)を含み、
前記可動部材制御手段は、前記特別遊技における前記ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間において、前記ラウンド間制御データに基づき前記可動部材を駆動制御可能であり、
前記ラウンド遊技制御データは、前記ラウンド遊技の最後に前記可動部材を前記第1態様とする時間を規定するものとして前記第1時間データ(例えば、基本開閉パターンfの開放時間0.102sのデータ)を有することを特徴とする。
このような構成によれば、ラウンド遊技の最後には、第1時間データ(例えば、基本開閉パターンfの開放時間0.102sのデータ)に基づき可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)を第1態様(例えば、開放状態)とするだけで第2態様(例えば、閉鎖状態)とするための制御データが不要とされ、ラウンド遊技間(例えば、ラウンド間インターバル)では、ラウンド間制御データ(例えば、ラウンド間インターバルのインターバルパターンのデータ)に基づき可動部材が第2態様で待機するように駆動制御されるので、制御用のデータ量を削減しつつもラウンド遊技中からラウンド遊技間にかけて可動部材を確実に駆動制御することができ、可動部材の開閉パターンの多様化を容易に図ることができる。
(付記C4)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
図柄を表示可能な表示手段(例えば、第1特別図柄表示部53、第2特別図柄表示部54)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記表示手段に停止表示させる図柄を決定する停止図柄決定手段(例えば、メインCPU61)と、
前記表示手段に図柄を変動表示させた後、前記停止図柄決定手段により決定された図柄を停止表示させることが可能な図柄表示制御手段(例えば、メインCPU61)と、を備え、
前記停止図柄決定手段は、前記抽選手段による抽選結果として前記特別遊技の実行が決定された場合、前記表示手段に停止表示させる図柄として特定図柄(例えば、当り図柄)を決定可能であり、
前記特定図柄は、複数種類(例えば、当り図柄1−1〜1−3、2−1〜2−10)設けられ、
前記特別遊技は、前記表示手段に前記特定図柄が停止表示された後に実行され、
前記第1時間データ、前記第2時間データ、前記第3時間データ、及び前記第4時間データのうち少なくともいずれかは、前記特定図柄の種類に応じて異なるように複数種類設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、特別遊技の実行を示す特定図柄の種類に応じて第1〜第4時間データ(例えば、開放時間及び閉鎖時間のデータ)のうちのいずれかが異なるように複数種類適宜組み合わせて用いることができるので、例えば大当り中の可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)の開閉パターン(例えば、当り開閉パターン)をより一層多様化することができ、ひいては遊技の興趣を高めることができる。
(付記Dについて)
従来のパチンコ遊技機には、不正な動作(不正行為)を検知した場合に、外部端子板を介して外部機器や本体の表示装置などに不正が行われたことを示す不正情報(セキュリティ信号、不正検知コマンド)を出力するものがある(例えば、特開2014−140568号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、不正情報が出力される条件やタイミングが一律であり、不正の程度や遊技状態などについて特に配慮されていなかったので、不正な動作に対して臨機応変に適切な対応を行うことができないという難点があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、不正な動作に対して臨機応変に適切な対応を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記D1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU61)と、
遊技者に所定の情報を報知可能な報知手段(例えば、サブCPU71、液晶表示装置13)と、
不正動作を検知して不正検知信号を出力する不正検知手段(例えば、振動検知センサ86)と、
前記不正検知手段からの不正検知信号の入力に基づいて、不正動作があるか否かを判定する不正判定手段(例えば、メインCPU61)と、
前記不正判定手段により不正動作があると判定された場合に、前記報知手段に不正動作に関する情報を報知させることが可能な報知制御手段(例えば、メインCPU61)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機)であって、
前記遊技制御手段は、所定の条件が満たされた場合に、遊技者に有利な特定遊技(例えば、大当り時の1R目及び11R目に特定領域38Aが開閉する状態)を実行可能であり、
前記報知制御手段は、前記不正判定手段により不正動作があると判定されたときに、
前記特定遊技が実行されている場合は、前記報知手段に不正動作に関する情報を報知させ、
前記特定遊技が実行されていない場合は、前記報知手段に不正動作に関する情報を報知させないことを特徴とする。
このような構成によれば、不正検知手段(例えば、メインCPU61)によって不正動作が検知されたタイミングで一律に報知されるのではなく、不正動作が検知された際に特定遊技(例えば、大当り時の1R目及び11R目に特定領域38Aが開閉する状態)の実行中といった遊技者に有利な状態である場合に限り、不正動作に関する情報が報知されるので、不正の程度に応じた報知を行うことで遊技者との無用なトラブルを防ぐとともに、遊技店の利益に資することができ、不正動作検知時の状況に応じて臨機応変に適切な対応を行うことができる。
(付記D2)
本発明の好ましい実施形態としては、
遊技球が転動する遊技領域(例えば、遊技領域1p)を有する遊技盤(例えば、遊技盤1)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が相対的に入球容易な第1態様(例えば、開放状態)と入球困難な第2態様(例えば、閉鎖状態)とに変動可能な可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)と、を備え、
前記報知制御手段は、前記可動部材が前記第1態様に変動している際に前記不正判定手段により不正動作があると判定された場合、前記報知手段に不正動作がある旨を報知させるとともに、前記可動部材が前記第2態様に変動している際に前記不正判定手段により不正動作があると判定された場合、前記報知手段に不正動作がある旨を報知させないことを特徴とする。
このような構成によれば、例えば特定遊技(例えば、大当り時の1R目及び11R目に特定領域38Aが開閉する状態)の実行中にあって可動部材(例えば、第2大入賞口シャッタ37A)が第1態様に変動しているような特に有利な状況にあるときは、確実に不正動作を判定してその旨を報知することができるので、遊技球の流れを不正に変えるような行為を適宜のタイミングで効果的に抑制することができる。
(付記D3)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
前記不正検知手段から不正検知信号が入力された場合に、不正関連情報(例えば、セキュリティ信号)を外部出力可能な外部出力手段(例えば、外部端子板80)を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技機(例えば、パチンコ遊技機)では、不正動作検知時の状況に応じて臨機応変にその旨を報知しつつも、例えば遊技機に外部接続されたホールコンピュータでは、外部出力手段(例えば、外部端子板80)からの不正関連情報(例えば、セキュリティ信号)の入力に基づいて不正動作を漏れなく把握することができるので、不正動作を行う者に察知されることなくその者に対する注意喚起を外部において行うことができる。
(付記Eについて)
従来のパチンコ遊技機には、不正な動作(不正行為)を検知した場合に、外部端子板を介して外部機器や本体の表示装置などに不正が行われたことを示す不正情報(セキュリティ信号、不正検知コマンド)を出力するものがある(例えば、特開2014−140568号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、不正情報が出力される条件やタイミングが一律であり、不正の程度や遊技状態などについて特に配慮されていなかったので、不正な動作に対して臨機応変に適切な対応を行うことができないという難点があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、不正な動作に対して臨機応変に適切な対応を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記E1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU61)と、不正動作を検知して不正検知信号を出力する不正検知手段(例えば、振動検知センサ86)と、前記不正検知手段からの不正検知信号の入力に基づいて、不正動作があるか否かを判定する不正判定手段(例えば、メインCPU61)と、を備えた主制御部(例えば、主制御回路60)と、
遊技者に所定の情報を報知可能な報知手段(例えば、サブCPU71、液晶表示装置13)を備えた副制御部(例えば、副制御回路70)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機)であって、
前記主制御部は、
前記不正判定手段により不正動作があると判定された場合に、前記副制御部に不正関連コマンド(例えば、不正動作を示すコマンド)を送信可能なコマンド送信手段(例えば、メインCPU61)と、
前記不正判定手段により不正動作があると判定された場合に、不正関連情報(例えば、セキュリティ信号)を出力可能な外部出力手段(例えば、外部端子板80)と、をさらに備え、
前記外部出力手段は、前記不正判定手段に前記不正検知手段から不正検知信号が入力され、かつ、第1の条件が満たされた場合に、不正関連情報を含む遊技情報(例えば、セキュリティ信号)を外部出力し、
前記コマンド送信手段は、前記不正判定手段に前記不正検知手段から不正検知信号が入力され、かつ、前記第1の条件とは異なる第2の条件が満たされた場合に、不正関連コマンド(例えば、不正動作を示すコマンド)を前記副制御部に送信することを特徴とする。
このような構成によれば、不正検知手段(例えば、振動検知センサ86)によって不正動作が検知されたタイミングで一律にその旨が伝わるのではなく、例えば遊技機(例えば、パチンコ遊技機)に外部接続された機器(例えば、ホールコンピュータ100)に対しては、不正検知信号の入力とともに第1の条件を満たした場合に、外部出力手段(例えば、外部端子板80)を通じて不正関連情報(例えば、セキュリティ信号)により不正動作が伝えられる一方、副制御部(例えば、副制御回路70)に対しては、不正検知信号の入力とともに第1の条件とは異なる第2の条件を満たした場合に、コマンド送信手段(メインCPU61)を通じて不正関連コマンド(例えば、不正動作を示すコマンド)により不正動作が伝えられる。つまり、例えば、外部接続された機器では、いち早く不正関連情報に基づいて不正動作を把握し、さらにその後において第2の条件を満たすと、副制御部では、不正関連コマンドに基づいて不正動作を報知するようにすることができるので、不正動作に対して臨機応変に適切な対応を行うことができる。
(付記E2)
本発明の好ましい実施形態としては、
前記遊技制御手段は、所定の条件が満たされた場合に、遊技者に有利な特定遊技(例えば、大当り時の1R目及び11R目に特定領域38Aが開閉する状態)を実行可能であり、
前記第1の条件は、前記不正判定手段への不正検知信号の入力回数(例えば、振動検知信号のオンエッジ及びオフエッジの検出回数)が所定回数を超えること、及び前記不正判定手段への不正検知信号の入力累計時間が所定時間を超えること(例えば、振動検知信号のオンエッジから40ms経過すること)のうち、少なくともいずれか一方を条件とし、
前記第2の条件は、前記不正判定手段への不正検知信号の入力回数が所定回数を超えること、及び前記不正判定手段への不正検知信号の入力累計時間が所定時間を超えることのうち、少なくともいずれか一方で、かつ、前記特定遊技の実行中であることを条件とすることを特徴する。
このような構成によれば、第1の条件では特定遊技(例えば、大当り時の1R目及び11R目に特定領域38Aが開閉する状態)が条件に含まれない一方、第2の条件では特定遊技が条件に含まれる。すなわち、第2の条件を満たして副制御部(例えば、副制御回路70)に不正動作が伝えられるよりも、第1の条件を満たして外部接続された機器(例えば、ホールコンピュータ100)に不正動作が伝えられやすいので、例えば遊技機(例えば、パチンコ遊技機)に外部接続されたホールコンピュータでは、外部出力手段(例えば、外部端子板80)からの不正関連情報(例えば、セキュリティ信号)の入力に基づいて不正動作を漏れなく把握することができ、不正動作を行う者に察知されることなくその者に対する注意喚起を外部において行うことができる。
(付記E3)
本発明の他の好ましい実施形態としては、
遊技球が転動する遊技領域(例えば、遊技領域1p)を有する遊技盤(例えば、遊技盤1)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が相対的に入球容易な第1態様(例えば、開放状態)と入球困難な第2態様(例えば、閉鎖状態)とに変動可能な可動部材(例えば、第1大入賞口シャッタ36A、第2大入賞口シャッタ37A)と、を備え、
前記不正判定手段は、前記特定遊技の実行中において前記可動部材が前記第1態様に変動している際に前記不正検知手段から不正検知信号が入力された場合に、不正動作があると判定し、
前記副制御部は、前記不正判定手段により不正動作があると判定された場合に、前記不正関連コマンドに基づいて前記報知手段に不正動作に関する情報を報知させることが可能な報知制御手段(例えば、サブCPU71)を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、例えば特定遊技(例えば、大当り時の1R目及び11R目に特定領域38Aが開閉する状態)の実行中にあって可動部材(例えば、第2大入賞口シャッタ37A)が第1態様に変動しているような特に有利な状況にあるときは、確実に不正動作を判定してその旨を報知することができるので、遊技球の流れを不正に変えるような行為を適宜のタイミングで効果的に抑制することができる。
(その他について)
遊技機としては、例えばパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2013−13801号公報参照)。しかしながら、このパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。