JP6511600B1 - ペットボトル分別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 センサ類や動力等の無い簡単な機構で、空きペットボトル91を、空き缶(スチール缶95,アルミ缶96)から分別できるようにする。【解決手段】 横向きで落下するペットボトル91の口部が当接し且つ本体部側は非当接となる上端部を備え、当該ペットボトル91の軸芯方向と上面視で直交方向へ向けて下り傾斜で延設された第1傾斜路1と、第1傾斜路1の側縁11から外れて落下するペットボトル91が当接するべき位置に上端部が設けられ、第1傾斜路1と反対方向へ向けて下り傾斜で延設された第2傾斜路2とを有し、第2傾斜路2の上端部の縁20は、該縁20に当接したペットボトル91が、該縁20を越えて跳ね返される位置に設けられているペットボトル分別装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、使用済みのペットボトルを、センサ類や動力等を用いない簡単な機構で、空き缶(アルミ缶,スチール缶)から分別できるようにした分別装置に関する。
飲料用の容器として、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶等が用いられている。それらの容器をリサイクルするためには、まず、それらを分別する必要がある。
使用済みのペットボトルと、空き缶(スチール缶、アルミ缶)とを分別するペットボトル分別装置が、特許第6163626号公報(特許文献1)に記載されている。
特許文献1に記載のペットボトル分別装置では、ペットボトルが落下される下方位置にロッド(一時掛止手段の掛止部)20を設けており、該ロッド20に、ペットボトルの口部付近を一時的に掛止した後に離脱させることにより回転させ、その回転を利用して、ペットボトルを、アルミ缶やスチール缶とは異なる方向へ落下させて分別を行っている。ここで、上記ロッドの符号「20」は、特許文献1内の符号である。
特許第6163626号公報
本発明は、空きペットボトルを空き缶(アルミ缶やスチール缶)から低コストで分別できる装置、つまり、センサ類や動力を用いない簡単な機構で分別できる装置であって、分別機構要部の微妙な調整が不要な、頑丈な装置を提供することを目的とする。
即ち、特許文献1では、ロッド20によりペットボトルの口部付近を一時掛止した後に離脱させることにより回転させ、それにより、空き缶とは異なる方向へ落下させているのであるが、ロッド20は、長期間(例:1年間程度)の多数回の使用により劣化もしくは変形等して、当初の分別精度を維持できなくなる場合がある。また、分別精度を維持させようとすると、微妙な調整が必要になる場合がある。
本発明は、このような事情にも鑑みたものであり、センサ類や動力を用いない簡単な機構で分別できる装置であって、分別機構要部の調整が不要な、頑丈な装置を提供することを目的とする。
本発明の構成を、下記[1]〜[5]に記す。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号や図番号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
[1]構成1
投入されたペットボトル91を横向きで落下させる受入部と、
前記受入部から落下するペットボトル91の口部91bが当接し且つ当該ペットボトル91の本体部91a側は非当接となる上端部を備え、当該ペットボトル91の軸芯方向と上面視で交叉方向へ向けて下り傾斜で延設された第1傾斜路1と、
前記受入部から落下するペットボトル91の口部91bが前記第1傾斜路1に当接する 時に当該ペットボトル91の本体部91aは当接しない高さに前記受入部直下の部位が位 置するとともに、前記第1傾斜路1の側縁11から外れて落下するペットボトル91が当接するべき位置に上端部が設けられ、前記第1傾斜路1と反対方向へ向けて下り傾斜で延設された第2傾斜路2と、
を有し、
前記第2傾斜路2の上端部の縁20は、当該上端部又はその縁20に当接したペットボトル91が、当該上端部の縁20を越えて反第2傾斜路側へ跳ね返される位置に設けられている、
ことを特徴とするペットボトル分別装置。
[2]構成2
構成1に於いて、
前記第1傾斜路1は、前記ペットボトル91の軸芯方向と上面視で直交方向へ向けて下り傾斜で延設されている、
ことを特徴とするペットボトル分別装置。
[3]構成3
投入されたペットボトル91を横向きで落下させる受入部と、
前記受入部から落下するペットボトル91の口部91bを傾斜面で受けることにより転動させるとともに本体部91aは受けずに落下させるように設けられた第1傾斜路1と、
前記受入部から落下するペットボトル91の口部91bが前記第1傾斜路1に当接する 時に当該ペットボトル91の本体部91aは当接しない高さに前記受入部直下の部位が位 置するとともに、前記第1傾斜路1の傾斜面の反対方向へ下る傾斜面を成すように延設され、前記第1傾斜路1の側縁11から外れて落下するペットボトル91を、上記反対方向へ下る傾斜面の上端部又はその縁20で跳ね返すことにより、該上端部の縁20を越えて落下させる第2傾斜路2と、
を有することを特徴とするペットボトル分別装置。
[4]構成4
構成1〜構成3の何れかに於いて、
前記第1傾斜路1及び第2傾斜路2は、前記第1傾斜路1の側縁11から外れて落下するペットボトル91が、前記第2傾斜路2の上端部の縁20に、当該ペットボトル91の重心位置Gより底部側で当接するように設けられている、
ことを特徴とするペットボトル分別装置。
[5]構成5
構成1〜構成4の何れかに於いて、さらに、
前記受入部は、所定の受入口から投入されたペットボトル91を横向きとし、且つ、当該ペットボトル91の口部01bが前記第1傾斜路1へ落下するように規制する規制手段36(360,361〜363,365)、
を有することを特徴とするペットボトル分別装置。
構成1は、投入されたペットボトル91を横向きで落下させる受入部と、前記受入部から落下するペットボトル91の口部91bが当接し且つ当該ペットボトル91の本体部91a側は非当接となる上端部を備え、当該ペットボトル91の軸芯方向と上面視で交叉方向へ向けて下り傾斜で延設された第1傾斜路1と、前記受入部から落下するペットボトル 91の口部91bが前記第1傾斜路1に当接する時に当該ペットボトル91の本体部91 aは当接しない高さに前記受入部直下の部位が位置するとともに前記第1傾斜路1の側縁11から外れて落下するペットボトル91が当接するべき位置に上端部が設けられ、前記第1傾斜路1と反対方向へ向けて下り傾斜で延設された第2傾斜路2とを有し、前記第2傾斜路2の上端部の縁20は、当該上端部又はその縁20に当接したペットボトル91が、当該上端部の縁20を越えて反第2傾斜路側へ跳ね返される位置に設けられていることを特徴とするペットボトル分別装置であるため、センサ類や動力を用いることなく、低コストで、空きペットボトルを空き缶(アルミ缶やスチール缶)から分別できる。また、分別を、第2傾斜路2の上端部又はその縁でペットボトルを跳ね返すことによって行うため、長期間・多数回使用しても、当初の分別精度を維持することができる。
構成2は、構成1に於いて、前記第1傾斜路1は、前記ペットボトル91の軸芯方向と上面視で直交方向へ向けて下り傾斜で延設されていることを特徴とするペットボトル分別装置であるため、良好な性能を有する分別装置の具体的な構成を提供できる。
構成3は、投入されたペットボトル91を横向きで落下させる受入部と、前記受入部から落下するペットボトル91の口部91bを傾斜面で受けることにより転動させるとともに本体部91aは受けずに落下させるように設けられた第1傾斜路1と、前記受入部から 落下するペットボトル91の口部91bが前記第1傾斜路1に当接する時に当該ペットボ トル91の本体部91aは当接しない高さに前記受入部直下の部位が位置するとともに前記第1傾斜路1の傾斜面の反対方向へ下る傾斜面を成すように延設され、前記第1傾斜路1の側縁11から外れて落下するペットボトル91を、上記反対方向へ下る傾斜面の上端部又はその縁20で跳ね返すことにより、該上端部の縁20を越えて落下させる第2傾斜路2とを有することを特徴とするペットボトル分別装置であるため、構成1と同様の作用効果を奏することができる。
構成4は、構成1〜構成3の何れかに於いて、前記第1傾斜路1及び第2傾斜路2は、前記第1傾斜路1の側縁11から外れて落下するペットボトル91が、前記第2傾斜路2の上端部の縁20に、当該ペットボトル91の重心位置Gより底部側で当接するように設けられていることを特徴とするペットボトル分別装置であるため、ペットボトル91を確実に前記第2傾斜路2の上端部の縁20を越えて落下させることができ、より確実に構成1〜3の作用効果を奏することができる。
構成5は、構成1〜構成4の何れかに於いて、さらに、前記受入部は、所定の受入口から投入されたペットボトル91を横向きとし、且つ、当該ペットボトル91の口部01bが前記第1傾斜路1へ落下するように規制する規制手段36(360,361〜363,365)を有することを特徴とするペットボトル分別装置であるため、ペットボトル91の口部91bを確実に第1傾斜路1の傾斜面上に落下させることができ、さらに、より確実に構成1〜4の作用効果を奏することができる。
実施の形態のペットボトル分別装置を備えた飲料容器回収箱を模式的に示し、(A)は上面図、(B)は(C)内矢視1Bで見た側面透視図、(C)は(A)内矢視1Cで見た正面透視(一部切断端面)図。 図1の飲料容器回収箱の原理を説明する模式図。(A1)(A2)はペットボトルを投入した場合の動作を示し、(A1)は上面図、(A2)は(A1)内矢視2A2で見た正面透視(一部切断端面)図。(B1)(B2)はスチール缶/アルミ缶を投入した場合の動作を示し、(B1)は上面図、(B2)は(B1)内矢視2B2で見た正面透視(一部切断端面)図。 図1の飲料容器回収箱の要部を説明する模式図。(A)は容器投入口付近を示す上面図、(B)は正面透視(一部切断端面)図、(C)は右側面から見た切断端面図。何れもペットボトルを投入した場合を示す。 (A1)(A2)はペットボトルを投入すべき位置を模式的に示し、(A1)は上面図、(A2)は正面から見た切断端面図。(B)はペットボトルが適切な投入位置に到達するように規制する機構の一例を模式的に示す説明図。 (A1)(A2)は投入されたペットボトルの運動を模式的に示し、(A1)は上面図、(A2)は正面透視(一部切断端面)図。(B1)(B2)はペットボトルが第2傾斜路2の上端部の縁20を越えて反第2傾斜路側(第2傾斜路2の反対側)へ跳ね返される様子を示す模式図であり、(B1)は上面図、(B2)は正面透視図。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(1)飲料容器回収箱
図1(A)(B)(C)は、それぞれ、実施の形態のペットボトル分別装置を備えた飲料容器回収箱の上面視、矢視1B((C)内)からの左側面視、矢視1C((A)内)からの正面視を示す模式図である。図示の飲料容器回収箱は、直方体形状の箱体3内に、第1傾斜路1、第2傾斜路2、ペットボトル回収箱51、スチール缶回収箱52、アルミ缶回収箱53、ガイド板4、を配して成る。
プラスチック製の箱体3は、天板31、側板32a〜32d(前方側板32a、後方側板32b、手前側板32c、奥側板32d)、及び、底板33から成る。
天板31には、空き容器の投入孔310が開口されており、その外形は、ペットボトルを横置きしたときの形状が模られている。即ち、長方形状の一方の短辺(図1(A)で下方側=第1傾斜路1寄りの短辺)の中央位置に、ペットボトル91の口部91b(図2参照)に対応する投入孔キャップ部311が、外方へ突出するように設けられている。投入孔310(及び投入孔キャップ部311)のサイズとしては、この例では、標準的なサイズのペットボトル(500cc容器;自動販売機用に多く扱われているサイズ)を模ったサイズが採用されている。
手前側の側板32cには、下部に開閉可能な扉が設けられている。図1(C)中、一点鎖線320cで示す位置が、扉の上縁を示す。この扉を開くことで、箱体3内に図示のように配されているペットボトル回収箱51、スチール缶回収箱52、アルミ缶回収箱53を、手前へ引き出すことが可能である。
投入孔キャップ部311の下方で、且つ、投入孔310の下方から外れた位置には、第1傾斜路1が、前方(図1(A)(B)での左方;以下、「前方」「後方」として同じ定義を用いる。)へ下る傾斜で設けられている。第1傾斜路1の延設方向は、上面視で、投入孔310の長辺方向と直交する方向である。なお、投入されたペットボトル91の口部91b(図2(C)参照)を受けて傾斜面上を転動させ得る方向であれば、必ずしも直交方向でなくてもよい。即ち、交叉方向であってもよい。
また、投入孔310の下方で、且つ、第1傾斜路1の下端部より低い位置には、第2傾斜路2が、第1傾斜路1とは反対の方向(後方)へ下る傾斜で設けられている。この第2傾斜路2の下端部の下面には磁石21が設けられており、下端部の縁からは樹脂シート片25が下垂されている。この樹脂シート片25は、両矢印aのように揺動自在である。
また、第2傾斜路2の上方で、且つ、投入孔310の後方側の下方となる位置には、ガイド板4が、第2傾斜路2の傾斜面と所定の間隔(第2傾斜路2の傾斜面を転がる空き缶が支障なく通過できる間隔)を空けて、垂直に設けられている。このガイド板4の板面の方向は、上面視で、第2傾斜路2の延設方向と直交する方向である。
これら、第1傾斜路1、第2傾斜路2、ガイド板4として、本例では、プラスチック板を用いている。また、これら、第1傾斜路1、第2傾斜路2、ガイド板4を、箱体3内で上述の如く設ける支持構造としては、投入孔310から投入されるペットボトル91、スチール缶95、アルミ缶96の分別動作(原理は後述)を妨げない構造であれば、任意である。本例では、第1傾斜路1は手前側板32cにより支持し、第2傾斜路2は奥側板32dにより支持し、ガイド板4は天板31により支持しているが、前方側板32a、後方側板32b、底板33等による支持に切り換え、又は、併用してもよい。
(2)ペットボトル91の分別原理
図2(A1)(A2)は、それぞれ、ペットボトル91の分別原理を模式的に示す上面図、矢視2A2((A1)内)で見た正面透視(一部端面)図である。また、図2(C)は、(A1)(A2)内や後述の図5でのペットボトル91の動作を説明するために用いる簡略化図の説明図である。
ペットボトル91は、天板31の投入孔310から、図2(A1)の如く、ペットボトル91の口部91b(図2(C)参照)が投入孔キャップ部311(図1(A)参照)に位置された状態で、投入される。
投入されたペットボトル91は、図2(A1)(A2)に2点鎖線で示すように移動する。即ち、口部91bは、第1傾斜路1の上端部に当接して、該第1傾斜路1の傾斜面上を転動する。一方、本体部91a(図2(C)参照)は、第1傾斜路1によって受けられず、また、第2傾斜路2によっても受けられないため、落下する。このように、口部91bが第1傾斜路1上を転動するとともに、本体部91aが落下しつつ口部91bを引く結果、ペットボトル91は、ついには、口部91bが第1傾斜路1の側縁11から外れて支えを失い、図2(A1)の如く回転しつつ、図2(A2)の如く落下状態となる。
こうして、支えを失って落下するペットボトル91は、その本体部91aが、第2傾斜路2の上端部又はその縁20に当接して跳ね返され、その結果、上端部の縁20を越えた側、つまり、第2傾斜路2の傾斜面とは反対の側(反第2傾斜路側)へ落下し、その下方位置に設けられているペットボトル回収箱51(図1(C))内に収容される。
図5(A1)(A2)に、図2(A1)(A2)の要部を拡大して示す。
上述のように、第1傾斜路1の側縁11から外れて回転しつつ落下するペットボトル91が、第2傾斜路2の上端縁20を越えて反第2傾斜路側へ落下するためには、ペットボトル91が第2傾斜路2の上端部又はその縁20に当接するときに、ペットボトル91の本体部91a側の適切な部位が、適切な方向・衝突速度で、且つ、適切な衝突角度で、第2傾斜路2の上端部又はその縁20に当接する必要がある。
そのためには、
(イ)投入孔310から横向き(水平状態)で落下するペットボトル91の口部91bが、適切な衝突速度で、第1傾斜路1の上端部に当接する必要がある。換言すれば、投入孔310や投入孔キャップ部311と、第1傾斜路1の上端部との高さ方向の距離(両者間の高低差)uを、適切に設定する必要がある。
また、
(ロ)第1傾斜路1の上端部に当接したペットボトルの口部91bが、適切な速度で、第1傾斜路1の傾斜面上を転動する必要がある。換言すれば、第1傾斜路1の傾斜角w等を、適切に設定する必要がある。
また、
(ハ)第1傾斜路1の傾斜面上を転動するペットボトルの口部91bが、適切なタイミング・位置で第1傾斜路1の側縁11から外れる必要がある。換言すれば、第1傾斜路1の傾斜角w等を、適切に設定する必要がある。
さらに、
(ニ)第1傾斜路1の側縁11から外れたペットボトルが回転しつつ落下して、ペットボトル91の本体部91a側の適切な部位が、適切な方向・衝突速度・衝突角度で、第2傾斜路2の上端部又はその縁20に当接する必要がある。換言すれば、第1傾斜路1の側縁11を外れる位置と、第2傾斜路2の上端部またはその縁20との間の高さ方向の距離(両者間の高低差)等を、適切に設定する必要がある。なお、第1傾斜路1の側縁11を外れる位置−第2傾斜路2の上端部又はその縁20間の高低差を適切に設定することに代えて、第1傾斜路1の傾斜角wを適切に設定するとともに第1傾斜路1の下端縁−第2傾斜路2の上端縁20間の高低差vを適切に設定するようにしてもよい。
発明者は、試行錯誤して、これらを調整した結果、500ccサイズのペットボトルに関し、100回の試行中、100回とも、第2傾斜路2の上端縁20を越えて反第2傾斜路側へ落下させることができた。即ち、投入孔310や投入孔キャップ部311−第1傾斜路1の上端部間の高低差u、第1傾斜路1の傾斜角w、第1傾斜路1の下端縁−第2傾斜路2の上端縁20間の高低差vを、試行錯誤して適宜に調整・設定することにより、100%の精度を達成することができた。また、この精度は、350ccサイズのペットボトルでも、同様に得ることができた。
図5(B1)(B2)に、ペットボトル91が、第2傾斜路2の上端部又はその縁20に当接する場合の一例を図解する。
実線で示すペットボトル91(1)は、本体部91aの側面部が第2傾斜路2の上端縁20に当接する場合であり、当接時、その重心Gは、第2傾斜路2の上端縁20を越えた側に位置する。この場合、ペットボトルは、第2傾斜路2の上端部の縁20を越えて、確実に、反第2傾斜路側へ落下する。
破線で示すペットボトル91(2)は、本体部91aの底面部の周縁の一部位が、第2傾斜路2の上端部に当接する場合で、且つ、当接時、ペットボトル91(2)の軸芯が前方側(図で左方側)へ傾斜している場合である。上面視(図5(B1))で、重心Gの位置は、若干、第2傾斜路2の上端縁20よりも後方側(傾斜面側;図で右方側)へ入り込んでいるが、この場合も、ペットボトルは、第2傾斜路2の上端部の縁20を越えて、反第2傾斜路側へ落下し得る。なお、当接時のペットボトルの前方側への傾斜度合や、重心Gが上端縁20の後方側に入り込む度合によっては、上端縁20を越えられず、第2傾斜路2の傾斜面側に止まってしまう場合も生じ得る。
以上より理解されるように、投入孔310や投入孔キャップ部311−第1傾斜路1の上端部間の高低差u、第1傾斜路1の傾斜角w、第1傾斜路1の下端縁−第2傾斜路2の上端縁20間の高低差v等を適切に調整・設定することにより、投入孔キャップ部311に口部91bが位置するようにして投入孔310に投入されるペットボトル91を、第2傾斜路2の上端縁20を越えて反第2傾斜路側へ落下させることができる。
(3)分別精度の向上
上述のように、第1傾斜路1と第2傾斜路2を用いることによりペットボトルを分別することは可能であるが、そのためには、ペットボトル91の口部91bが、第1傾斜路1の上端部の適切な位置に、適切な姿勢で、当接される必要がある。
図3(A)〜(C)は、投入者が、ペットボトル91の口部91bを投入孔キャップ部311に位置させることを前提として、ペットボトル91を、第1傾斜路1の上端部の適切な位置に、適切な姿勢(横向き=水平状態)で、落下させる構成の一例を示す。
図示のように、投入孔310の長辺部には、両側から、軟質樹脂製のガイドシート360が垂れ下げられている。投入されたペットボトル91は、このガイドシート360に案内されて、投入孔310の両長辺間での中央位置から水平状態で落下し、(B)(C)の如く、第1傾斜路1の上端部の適切な位置に、適切な姿勢で、口部91bが当接する。
図4(B)は、投入者が、ペットボトル91を、どのように投入孔(任意形状の不図示の投入孔;ペットボトル形状を模っていなくてもよい)に投入するかにかかわりなく、確実に、ペットボトル91の口部91bを、投入孔キャップ部311(図4(A1)等)に位置させる構成の一例を示す。
所定の投入孔(不図示)に投入され、所定のガイド機構(不図示)に案内されたペットボトル91は、導斜路361に至り、口部91bを先に向けて導斜路361上を滑り、当接板362に当接した後、導板363にガイドされて落下し、投入孔310に至る。
当接板362への当接時、ペットボトル91の口部91bは、当接板362の導キャップ孔365に突入する。このため、ペットボトル91が落下して投入孔310に至った時には、その口部91bは、投入孔キャップ部311に位置することとなる。
(4)空き缶(アルミ缶・スチール缶)の挙動
図2(B1)(B2)は、それぞれ、スチール缶95/アルミ缶96の分別原理を模式的に示す上面図、矢視2B2((B1)内)で見た正面透視(一部端面)図である。
スチール缶95/アルミ缶96は、天板31の投入孔310に、図2(B1)の如く投入される。同図では、空き缶95/96は、投入孔310内で手前側(図2(B1)で下側)の短辺寄りに在るが、必ずしも手前側の短辺寄りでなくてもよい。投入孔310内の任意の位置に投入されてよい。
投入された空き缶95/96は、第1傾斜路1ではなく、第2傾斜路2の上端部に当接して、図2(B1)(B2)に2点鎖線で示すように、第2傾斜路2上を転動する。
投入孔310−第2傾斜路2の上端部間の高低差が大きいため、第2傾斜路2への当接時の衝撃で、移動開始初期、空き缶95/96は若干跳ねるが、図2(B2)の如くガイド板4により制止されて、再び第2傾斜路2に静かに当接し、以後、第2傾斜路2上を転動して、その下端部に至る。
第2傾斜路2の下端部には、スチール缶/アルミ缶の分別機構(第2傾斜路2の裏面側の磁石21・第2傾斜路2の下端縁から下垂された樹脂シート片25)が、図示のように設けられている。これにより、スチール缶95は、磁石21に引きつけられ、しかし、樹脂シート片25の作用で磁石21に吸着されることはなく、樹脂シート片25を押し退けつつ、スチール缶収容箱52(図1(C))内に収容される。
なお、アルミ缶96は、磁石21に引きつけられることなく転動した後、そのまま落下して、アルミ缶収容箱53(図1(C))内に収容される。
なお、このように磁石や樹脂シート片を用いた構成・作用については、本願発明者・出願人の姉の特許である「特許第5792881号」にて詳述しており、また、本願発明の要旨でもないため、これ以上の説明は割愛する。
以上のように、本実施の形態では、第1傾斜路1でペットボトル91の口部91bを転動させるとともに、第2傾斜路2の上端部又はその縁20でペットボトル91の本体部91a側を跳ね返すことにより、ペットボトル91を、第2傾斜路2の上端縁20を越えて反第2傾斜路側へ落下させ、それにより、ペットボトル91を分別している。
分別に際して、ロッドではなく、頑丈な板材である第2傾斜路2の上端部又はその縁20で跳ね返しているため、十分な耐久性がある。
1 第1傾斜路
11 第1傾斜路の側縁
2 第2傾斜路
20 第2傾斜路の上端部の縁(上端縁)
21 磁石
25 樹脂シート片
3 箱体
31 天板
310 投入孔
311 投入孔キャップ部
32a 前方側板
32b 後方側板
32c 手前側板
320c 開き戸線
32d 奥側板
33 底板
36 規制手段
360 ガイドシート
361 導斜路
362 当接板
363 導板
365 導キャップ孔
4 ガイド板
51 ペットボトル収容箱
52 スチール缶収容箱
53 アルミ缶収容箱
91 ペットボトル
91a ペットボトルの本体部
91b ペットボトルの口部
95 スチール缶
96 アルミ缶

Claims (5)

  1. 投入されたペットボトルを横向きで落下させる受入部と、
    前記受入部から落下するペットボトルの口部が当接し且つ当該ペットボトルの本体部側は非当接となる上端部を備え、当該ペットボトルの軸芯方向と上面視で交叉方向へ向けて下り傾斜で延設された第1傾斜路と、
    前記受入部から落下するペットボトルの口部が前記第1傾斜路に当接する時に当該ペッ トボトルの本体部は当接しない高さに前記受入部直下の部位が位置するとともに、前記第1傾斜路の側縁から外れて落下するペットボトルが当接するべき位置に上端部が設けられ、前記第1傾斜路と反対方向へ向けて下り傾斜で延設された第2傾斜路と、
    を有し、
    前記第2傾斜路の上端部の縁は、当該上端部又はその縁に当接したペットボトルが、当該上端部の縁を越えて反第2傾斜路側へ跳ね返される位置に設けられている、
    ことを特徴とするペットボトル分別装置。
  2. 請求項1に於いて、
    前記第1傾斜路は、前記ペットボトルの軸芯方向と上面視で直交方向へ向けて下り傾斜で延設されている、
    ことを特徴とするペットボトル分別装置。
  3. 投入されたペットボトルを横向きで落下させる受入部と、
    前記受入部から落下するペットボトルの口部を傾斜面で受けることにより転動させるとともに本体部は受けずに落下させるように設けられた第1傾斜路と、
    前記受入部から落下するペットボトルの口部が前記第1傾斜路に当接する時に当該ペッ トボトルの本体部は当接しない高さに前記受入部直下の部位が位置するとともに、前記第1傾斜路の傾斜面の反対方向へ下る傾斜面を成すように延設され、前記第1傾斜路の側縁から外れて落下するペットボトルを、上記反対方向へ下る傾斜面の上端部又はその縁で跳ね返すことにより、該上端部の縁を越えて落下させる第2傾斜路と、
    を有することを特徴とするペットボトル分別装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
    前記第1傾斜路及び第2傾斜路は、前記第1傾斜路の側縁から外れて落下するペットボトルが、前記第2傾斜路の上端部の縁に、当該ペットボトルの重心位置より底部側で当接するように設けられている、
    ことを特徴とするペットボトル分別装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに於いて、さらに、
    前記受入部は、所定の受入口から投入されたペットボトルを横向きとし、且つ、当該ペットボトルの口部が前記第1傾斜路へ落下するように規制する規制手段、
    を有することを特徴とするペットボトル分別装置。
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