JP6511118B1 - 浮沈式生簀及びそれを使用した魚介類の飼育方法 - Google Patents

浮沈式生簀及びそれを使用した魚介類の飼育方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な操作により生簀の水平を維持したまま、沈下及び浮上することができる浮沈式生簀を提供する。【解決手段】浮力体12を有する海上の生簀のワイヤ巻取機13と電気ケーブル19にて接続され、各ワイヤ巻取機13を駆動制御する制御部と、制御部に対して各種指令を行う操作部が船上又は陸上に設けられ、制御部には複数のワイヤ巻取機13の各正逆駆動モータをワイヤ巻き取り方向の正方向又はワイヤ引き出し方向の逆方向に同時にオンオフ制御可能な同時オンオフ手段が設けられ、操作部に設けられた同時駆動スイッチを以って複数の正逆駆動モータを正方向又は逆方向に同時にオン又はオフすることにより、生簀を海中において水平姿勢を維持した状態で沈下及び浮上可能に構成する。【選択図】図4

Description

本発明は、魚介類の養殖等に用いられる浮沈式生簀及びそれを使用した魚介類の飼育方法に関するものである。
従来、この種の浮沈式生簀は、特許文献1に示すように、海面上にフロートによりフレームを浮かせ、該フレームに生簀を取り付け、フロートの空気を排出又は注入することにより、生簀を浮沈可能とするものが提案されている。
また、特許文献2に示すように、海底にアンカーを固定し、該アンカーと海上に浮かぶ生簀を支持した基本フレームとの間をワイヤにて接続し、該ワイヤを上記基本フレーム上の電動ウインチにて巻き取ることにより、上記基本フレームを海中に沈める構成の浮沈式生簀が提案されている。
特開2003−52273号公報 特開2014−82997号公報
ところで、特許文献1の生簀のように、フロートへの空気の排出、注入を行ってフレームの浮沈を行うものは、複数個所での空気の注入と排出を均等に行うことが非常に難しく、フレームを水平に維持した状態で生簀を昇降させることが難しいという課題があった。
また、特許文献2の生簀では、3台の電動ウインチを同時に駆動することで、基本フレームを沈下又は浮上するものであるが、より簡易な操作により生簀の浮沈動作が可能な浮沈式生簀が望まれている。
一方、海上に浮上している際は、基本フレームが波等により大きく揺れることもあるが、基本フレーム自体はできるだけ波の影響を受けずに水平に維持しておくことが、生簀にとっても好ましい。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な操作により生簀の水平を維持したまま、沈下及び浮上をすることができ、しかも、波による影響を極力抑止して水平を維持することのできる浮沈式生簀及びそれを使用した魚介類の飼育方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、生簀が支持されると共に浮力体により水上に水平に浮かぶように構成された基本フレームと、該基本フレームに水平バランスが取れるように均等位置に設けられた防水機能付の複数のワイヤ巻取機と、上記各ワイヤ巻取機に対応して水底に固設された複数のアンカーと、上記各ワイヤ巻取機と対応する上記各アンカーとがワイヤにて接続された浮沈式生簀であって、上記各ワイヤ巻取機と電気ケーブルにて接続され、上記各ワイヤ巻取機を駆動制御する制御部と、該制御部に対して各種指令を行う操作部が船上又は陸上に設けられ、上記制御部には、複数の上記ワイヤ巻取機の各正逆駆動モータをワイヤ巻き取り方向の正方向又はワイヤ引き出し方向の逆方向に同時にオンオフ制御可能な同時オンオフ手段が設けられ、上記操作部に設けられた同時駆動スイッチを以って複数の上記正逆駆動モータを正方向又は逆方向に同時にオン又はオフすることにより、上記生簀を水中において水平姿勢を維持した状態で沈下及び浮上を行うものであり、上記制御部に、上記各ワイヤ巻取機の上記各正逆駆動モータを個別に上記正方向又は上記逆方向にオンオフ制御可能な個別オンオフ手段が設けられ、上記操作部に上記各正逆駆動モータ毎に個別駆動スイッチが設けられ、上記操作部における上記個別駆動スイッチと上記同時駆動スイッチを以って、上記制御部の上記同時オンオフ手段と上記個別オンオフ手段とを各別に操作可能としたものであり、かつ、上記基本フレームに傾斜センサが設けられ、該傾斜センサが電気ケーブルにて上記制御部に接続されており、上記制御部には、上記傾斜センサからの信号に基づいて、上記個別オンオフ手段を以って上記基本フレームの姿勢を水平に制御する水平維持手段が設けられており、上記水平維持手段は、上記操作部において水平であることの表示を行うものである浮沈式生簀により構成される。
上記水上とは例えば海上、上記水底とは例えば海底である。上記浮力体は例えばフロート(12)により構成することができる。上記電気ケーブルは接続ケーブル(19)により構成することができる。上記ワイヤ巻取機は例えば電動ウインチ(13)により構成することができる。上記正逆駆動モータは例えば電動モータ(14〜14)により構成することができる。上記操作部は操作パネル(35)により構成することができる。このように構成すると、同時駆動スイッチをオン又はオフするだけで、複数の正逆駆動モータを介して複数のワイヤ巻取機を同時に駆動して、ワイヤ巻き取り動作又は引き出し動作を同時に行うことができ、水平姿勢を維持した状態での生簀の浮沈動作を、極めて簡単な操作で行うことができる。このように構成すると個別駆動スイッチにより、正逆駆動モータを駆動することにより、特定のワイヤ巻取機のみの巻取り又は引き出し動作を行うことができ、例えば、水底が水平ではなく、生簀を水平にするためには特定のワイヤの長さを短く又は長くする必要がある場合においても、何ら支障なく、生簀を水平に設置することができる。このように構成すると、水平維持手段を常時動作状態にすることにより、基本フレームの水平姿勢を常時維持することができ、波或いは風等の影響による基本フレームの揺動を極力抑制することができる。
このように構成すると、水平維持手段を動作状態にすることにより、基本フレームの水平姿勢を維持することができ、波或いは風等の影響による基本フレームの揺動を極力抑制することができる。
に、上記基本フレームに深度センサが設けられており、該深度センサが電気ケーブルにて上記制御部に接続され、上記操作部に深度入力部が設けられ、上記制御部には、上記深度センサからの信号に基づいて、上記同時オンオフ手段を以って上記各ワイヤ巻取機を駆動することにより、上記生簀を上記深度入力部から入力された所定の深度に沈下又は浮上させる深度制御手段が設けられているものである上記第1に記載の浮沈式生簀により構成される。
上記深度入力部は例えばテンキー(42)により構成することができる。このように構成すると、例えば生簀に飼育する魚類に適した深度を深度入力部から入力するだけで、生簀を所定の深度に沈下又は浮上させることができる。
に、上記第記載の浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法であり、上記深度入力部から、飼育する魚介類の種類に適した深度を入力し、上記制御部は、入力された深度に基づいて、上記各ワイヤ巻取機を駆動して、上記基本フレームを所定の深度に沈下又は浮上させ、上記生簀を当該深度に維持することを特徴とする浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法により構成される。
このように構成すると、例えば海上において、魚介類を生簀にて飼育するにおいて、魚介類の種類に応じた最適の深度に生簀を容易に沈下又は浮上させることができる。
に、上記第記載の浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法であり、水上の船舶又は陸上から上記生簀内に到達する導入管を設け、上記導入管を通して上記生簀内の魚介類に餌を散布することを特徴とする浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法により構成される。

上記導入管は例えばフレキシブルホース(46)により構成することができる。このように構成すると、例えば生簀が深度の深い水中にあっても、導入管により、生簀の内部に餌を投入することができ、餌を無駄にすることなく、魚介類を効率的に飼育することができる。
本発明は以上のように、同時駆動スイッチをオン又はオフするだけで、複数の正逆駆動モータを介して複数のワイヤ巻取機を同時に駆動して、ワイヤ巻き取り動作又は引き出し動作を同時に行うことができ、水平姿勢を維持した状態での生簀の浮沈動作を、極めて簡単な操作で行うことができる。
また、正逆駆動モータを駆動することにより、特定のワイヤ巻取機のみの巻き取り又は引き出し動作を行うことができ、例えば、水底が水平ではなく、生簀を水平にするためには特定のワイヤの長さを短く又は長くする必要がある場合等においても、何ら支障なく、生簀を水平に設置することができる。
また、水平維持手段を動作状態にすることにより、基本フレームの水平姿勢を維持することができ、波或いは風等の影響による基本フレームの揺動を極力抑制することができる。
また、例えば生簀に飼育する魚介類に適した深度を深度入力部から入力するだけで、生簀を所定の深度に沈下又は浮上させることができる。
また、例えば海上において、魚介類を生簀にて飼育するにおいて、魚介類の種類に応じた最適の深度に生簀を容易に沈下又は浮上させることができる。
また、例えば生簀が深度の深い水中にあっても、導入管により、生簀の内部に餌を投入することができ、餌を無駄にすることなく、魚介類を効率的に飼育することができる。
本発明に係る浮沈式生簀の平面図である。 同上生簀の側面図である。 図1のX−X線断面図である。 同上生簀を海上に設置した状態の側面図である。 同上生簀を海上に設置した状態の生簀沈下状態の側面図である。 同上生簀を海上に設置した状態の斜視図である。 同上生簀の電気的ブロック図である。 同上生簀を制御する制御部の機能ブロック図である。 同上制御部のフローチャートを示す図である。 同上制御部のフローチャートを示す図である。 同上制御部のフローチャートを示す図である。 同上制御部のフローチャートを示す図である。 (a)は同上生簀の傾斜センサの側面図、(b)は傾斜センサの特性図である。 同上生簀の他の実施形態の平面図である。 同上生簀の他の実施形態の側面図である。
以下、本発明における浮沈式生簀及び魚介類の飼育方法について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、内周側の円形フレーム1と、同径の円形フレーム2とを上下に所定間隔Tを以って同心に配置し、これらのフレーム1,2の円周に沿う複数か所において、上下方向の垂直棒状部材3にて上記フレーム1,2を接続し、かつ上記下側のフレーム2と同一水準位置に、該フレーム2より直径大の外周側の外周円形フレーム4を同心に配置し、かつ上記垂直棒状部材3の設置位置において、半径方向の水平棒状部材5にて上記円形フレーム2と上記外周円形フレーム4とを同心に接続し、さらに上記垂直棒状部材3の設置個所において、上記上側の円形フレーム1から上記外周円形フレーム4に向けて傾斜棒状部材6にて上記円形フレーム1と上記外周円形フレーム4とを接続し、トラス構造による高強度の円環状の基本フレーム10を形成する。尚、上記各フレーム1,2,4等の基本フレーム10の構成素材は耐腐食性の点で亜鉛メッキ鋼管を使用することが好ましい。
上記下側の円形フレーム2と上記外周円形フレーム4との間において、円周に沿う9か所に、各々一対のフロート保持部材11,11を両フレーム2,4間に半径方向に接続固定し、上記各フロート保持部材11,11の下方に樹脂製のフロート12(9個)を各々接続固定する。
上記フロート12は、軽量の樹脂を同形同大の円筒中空に加工し、内部に空気その他の気体を充填し、同一の浮力を有するものであり、これらのフロート12を上記基本フレーム10の外周に一定角度(40度毎)を以って均等に配置することにより、上記基本フレーム10を海上にバランスよく水平に浮上させることができる。即ち、上記基本フレーム10が水面上に水平に浮かぶように複数のフロート(浮力体)12を上記基本フレーム10に沿って均等に設置する。
このフロート12は樹脂製に限らず、発砲スチロール製のフロート等、各種の浮力体を使用することができる。但し、上記基本フレーム10に配置される各フロート12は同一種(同形同大)のもので、各フロート12が有する浮力が同一のものを使用する。
13は上記円形フレーム2と上記外周円形フレーム4との間に固定された防水機能を有する電動ウインチであり、上記外周円形フレーム4の周方向に一定角度毎の3か所、即ち、120度の角度差を持った3か所に固定されている。即ち、上記基本フレーム10に沿って当該フレーム10の水平バランスの取れる複数個所(3か所)に複数の電動ウインチ(ワイヤ巻取機)13を固設する。
これらの電動ウインチ13は、それらの設置個所において、上記円形フレーム2と上記外周円形フレーム4との間に固定底板13’を掛け渡して両フレーム2,4に固定されており、これらの固定底板13’上に上記各電動ウインチ13が各々固設されている。
これらの電動ウインチ13は、防水機能を有する正逆回転可能の電動モータ14と、該電動モータ14のプーリに接続されたワイヤ巻取軸15を有しており、上記ワイヤ巻取軸15にはワイヤ16の一端が接続固定されており、当該ワイヤ16の他端は、海底28に設置(固設)されたアンカー17に接続固定されている。また、上記3台の電動モータ14は、同一回転数(同一回転速度)で回転する同一特性のものであり、同時にオンオフすることにより、同一タイミングで回転開始及び回転停止するものである。
上記アンカー17は例えばコンクリート製の頭部を水平にカットした四角錐形の重量物であり、海底28に大径部を下に向けて載置可能な重さを有するものである。これらのアンカー17は、上記電動ウインチ13の設置個所に対応する海底28の3か所に上記外周円形フレーム4と同心の仮想円Pに沿って120度の角度差を以って各々載置固定されている。
そして、これらアンカー17の上面にはワイヤ固定用リング18が各々固定されており、当該リング18と上記ワイヤ巻取軸15との間に、各々ワイヤ16を接続固定する。そして、上記ワイヤ巻取軸15を正方向に回転(電動モータ14を正方向に回転)することで、上記各ワイヤ16を当該各巻取部15にて巻き取り可能に構成する。また、上記各ワイヤ巻取軸15を逆方向に回転(電動モータ14を逆方向に回転)することで、上記各ワイヤ16を各ワイヤ巻取部15から引き出し可能に構成する。
上記各ワイヤ巻取軸15には周知のラチェット機構が設けられており、上記ワイヤ16を巻き取る際、上記ワイヤ巻取軸15は、巻き取り方向(正方向)に回転するが、逆方向には歯止めによってロックが掛かかるように構成されている。従って、ワイヤ16を所定距離巻き取った時点で電動ウインチ13の駆動を停止することで、上記ワイヤ巻取軸15の回転をロックし得るように構成している。また、上記電動ウインチ13を逆方向に駆動するときは、上記ラチェット機構の歯止めによるロックが解除され、上記ワイヤ巻取軸15を逆方向に回転して上記ワイヤ16を引き出し可能とする。
上記各電動ウインチ13と上記各アンカー17間の3本のワイヤ16の長さは同一とし、上記電動ウインチ13の非動作状態において、上記各フロート12の浮力により、上記各ワイヤ16が伸長状態となって上記基本フレーム10が水平に海上に浮かぶように構成する。そして、上記3台の電動ウインチ13を同時に駆動して、同一回転速度で各電動モータ14を同一方向(正方向)に回転駆動することにより、上記3本の各ワイヤ16を同じ速度で各ワイヤ巻取軸15に同一方向に同時に巻き取り可能に構成されている。従って、上記3台の電動ウインチ13のワイヤ16の巻き取り量は同一となる。
このように上記3本のワイヤ16を上記3か所の電動ウインチ13にて同時に巻き取ることにより、上記基本フレーム10をその水平状態を保持したまま、上記フロート12の浮力に抗して、各電動ウインチ13共々バランス良く海中に沈めることができる。
また、海中に沈めた状態の上記基本フレーム10には上記各フロート12の浮力が均等に常時作用しているため、上記電動ウインチ13を同時に同一速度で逆方向に回転することにより、上記各ワイヤ16を上記各ワイヤ巻取軸15から同時に引き出して、上記基本フレーム10をその水平状態を維持したまま、上記各フロート12の浮力によって海上に浮上させることができる。従って、上記3台の電動ウインチ13のワイヤ16の引き出し量は同一となる。
かかる基本フレーム10の浮上時においても、当該基本フレーム10にはフロート12の浮力が常時均等に作用しているので、上記引き出された各ワイヤ16は伸張状態を維持しながら、上記基本フレーム10をバランスよく水平に浮上させることができる。
上記各電動ウインチ13の駆動部(モータ、減速機、ワイヤ巻取軸等)は完全防水、防塩の筺体(防水ケース)内に収納された防水機能付のものであり、上記各電動ウインチ13自体が海中に沈んでも何ら問題ないように構成されている。また、各電動ウインチ13の減速ギアの潤滑剤は水溶性で無毒無害のグリコール系のものを使用することが好ましい。
29は、上記各電動ウインチ13の筐体又は円形フレーム1に水平に固定された1軸の傾斜センサであり(図1、図13参照)、上記3台の電動ウインチ13の各筐体又は円形フレーム1の各々に設置されている(全3個)。この傾斜センサ29は、各々円形フレーム2の中心P’の方向に向けて固定され、その回転軸29a(図13参照)は上記円形フレーム2の上記中心P’に向かう直線Lに直交して設けられている。従って、上記円形フレーム2が中心P’の方向に傾斜すると、即ち、上記傾斜センサ29が中心P’方向(−方向)に傾斜すると、傾斜角度に比例したマイナスの電圧を出力し、上記円形フレーム2が中心P’は逆方向に傾斜すると、即ち、上記傾斜センサ29が中心P’とは逆方向(+方向)に傾斜すると、傾斜角度に比例したプラスの電圧を出力するように構成されている。尚上記傾斜センサ29は水平状態を保っている場合は「0」の出力電圧を示す。
これらの3台の傾斜センサ13は各々接続ケーブル31(電気ケーブル)にて上記船上又は陸上の制御部34に接続されている(図4、図7参照)。
さらに上記円形フレーム2の外周円形フレーム4の1箇所には深度センサ30が固定されている。この深度センサ30は水圧を感知して水深に比例した電圧を出力するものである。この深度センサ30は接続ケーブル32にて上記船上又は陸上の上記制御部34に接続されている(図4、図7参照)。
上記各電動ウインチ13、上記各傾斜センサ29及び深度センサ30は、接続ケーブル(電気ケーブル)19,31,32によって水中ケーブル(電気ケーブル)20に接続され、当該水中ケーブル20は海上に浮かぶ水上中継ボックス21に接続されている(図4参照)。
そして、上記水上中継ボックス21と海上の船22の操作盤23又は陸上の操作盤23とを接続ケーブル(電気ケーブル)25で接続し、上記船22上又は陸上の制御室22’の発電機24と上記操作盤23とを電気的に接続する。これにより、上記船22上又は陸上の上記制御室22’の発電機24を駆動し、上記操作盤23を介して電源を上記接続ケーブル25、水上中継ボックス21、水中ケーブル20、接続ケーブル19,31,32を介して、上記3台の各電動ウインチ13、3個の傾斜センサ29、上記深度センサ30に供給し得るように構成されている。上記水上中継ボックス21は海に浮かぶようにフロートを具備しており、上記接続ケーブル25、上記水中ケーブル20を着脱し得るコネクタを有している。
上記円形フレーム2には 下方向けて、その全周に亘り生簀用の網(金網)26が取り付けられており、当該網26は上記円形フレーム2から円筒形状に下方に垂下した状態となっている。この網26は、その底面にも同様の網(金網)26aが形成され、当該網26aにより閉鎖されており、上面26bは通常開口しているが、上記上面26bを網で閉鎖することもできるように構成されている。
図6に示すものは、本発明に係る浮沈式生簀を海上に設置した状態を示す図であり、当該実施形態では、電動ウインチ13を基本フレーム10の90度毎の4か所に均等角度毎に設け、海底28には上記4つの電動ウインチ13に対応して4つのアンカー17を設置し、各電動ウインチ13と上記各アンカー13とを4本のワイヤ16にて接続したものである。
次に、上記各電動ウインチ13等の駆動制御構成について説明する。
図7は、本発明に係る制御部34のブロック図であり、当該制御部34は、上記船22の制御盤23内、又は陸上の制御室22’の制御盤23内に設けられている。当該制御部34には、上記3台の電動モータ14が、各電動モータ14に対応するドライバとしての3台の駆動回路33を介して上記接続ケーブル19により接続されており、かつ、上記3個の傾斜センサ29が上記接続ケーブル31により接続され、さらに上記深度センサ30が上記接続ケーブル32により接続され、かつ操作パネル35が接続されている。尚、当該ブロック図においては中継ボックス21は便宜上省略する(図8においても同じ)。
上記制御部34はCPU等を具備するプログラマブルコントローラから構成されており、上記操作パネル35から入力される指示に従って上記電動モータ14を制御すると共に、図9〜図12に示すプログラムに沿って処理を実行するものである。
上記各駆動回路33は上記制御部34に隣接した制御盤23内に設けられている。尚、上記電気モータ14、駆動回路33、傾斜センサ29等、複数存在するものについては、個別に指し示す場合は14、33等の下付数字を付して示す。
上記操作パネル35には(図8参照)、電動モータ14を同時にオンオフする同時駆動スイッチ40が設けられている。この同時駆動スイッチ40は正方向(ワイヤの巻き取り)スイッチ(+)と、逆方向(ワイヤの引き出し)スイッチ(−)の2つで構成されており、何れも、スイッチの押圧時に、駆動回路33を介して3台の電動モータ14が同時に駆動され、スイッチから手を離すと、駆動回路33を介して3台の電動モータ14が同時に駆動停止されるように構成されている(図9参照)。
また上記操作パネル35には、電動モータ14〜14を個別にオンオフする個別駆動スイッチ41〜41が設けられている。この個別駆動スイッチ41〜41は、各電動モータ14〜14を個別にオンオフするものであり、何れも正方向(ワイヤの巻き取り)スイッチ(+)と、逆方向(ワイヤの引き出し)スイッチ(−)の2つで構成されている。何れも、スイッチの押圧時に、駆動回路33〜33を介してスイッチ41〜41に対応する電動モータ14〜14の何れかが駆動され、スイッチから手を離すと、駆動回路33〜33を介して駆動された電動モータが停止されるように構成されている(図10参照)。
さらに、上記操作パネル35には、深度を指定するためのテンキー42が設けられており、当該テンキー42から生簀を沈下する際の水面からの深度を任意に設定し得るように構成されている(図11参照)。
図8は上記制御部34の機能ブロック図であり、当該制御部34は、上記同時駆動スイッチ40の押圧に基づいて上記駆動回路33〜33を介して上記電動モータ14〜14を同時に正逆駆動、駆動停止する同時オンオフ手段39、上記個別駆動スイッチ41〜41の押圧に基づいて上記駆動回路33〜33を介して上記電動モータ14〜14を各個別に正逆駆動、駆動停止する各電動モータ毎の個別オンオフ手段36〜36、上記傾斜センサ29〜29からの傾斜信号に基づいて、対応する電動モータ14〜14を正逆駆動、駆動停止すると共に、水平状態か否かを判断して基本フレーム10を水平に維持する水平維持手段37、深度センサ30からの深度信号と、上記テンキー42から入力する深度とを比較し、上記同時オンオフ手段39を以って、入力された所定深度まで基本フレーム10(生簀)を沈下又は浮上させる深度制御手段38とを具備している。尚、上記水平維持手段37は、上記傾斜センサ29〜29からの信号が全て「0」(水平)になったとき、操作パネル25の水平表示部44を点灯させる等して、上記基本フレーム10が水平であることを操作者に表示する機能を有している。
本発明の浮沈式生簀は上述のように構成されるものであるから、次にその動作を説明する。
まず、図4に示すように、基本フレーム10をフロート12により海面27に浮かべて、網26を海中に垂下した状態で、上記3つの電動ウインチ13に対応する位置の海底28の3か所にアンカー17を固定し、上記各アンカー17と上記各電動ウインチ13のワイヤ巻取軸15との間にワイヤ16を各々接続し、これらのワイヤ16を同一長さとして上記基本フレーム10を上記海面27上に水平に浮かべた状態とする。
各電動ウインチ13の各接続ケーブル19、さらに上記傾斜センサ29の接続ケーブル31、深度センサ30の接続ケーブル32に接続された上記水中ケーブル20を海面27又は海中を介して水上中継ボックス21に接続し、一方、船22の操作盤23に接続された接続ケーブル25を上記水上中継ボックス21に接続する。この状態において、網26内において魚類(例えば、ハマチ、ブリ、カンパチ等)の養殖を行うことができる。
上記網26を海中に沈める必要が生じた場合は、上記操作盤23の操作パネル35の同時駆動スイッチ40の正方向スイッチを押圧すれば良い(図9P1参照)。すると、制御部34の同時オンオフ手段39が駆動回路33〜33を介して電動モータ14〜14を同時に正方向に駆動するため(図9P2,P3参照)、3台の電動ウインチ13が正方向に同一回転速度で同時に回転駆動される。
すると、上記3台の各電動ウインチ13のワイヤ巻取軸15が正方向に同時に同一回転速度で回転駆動するので、上記3本のワイヤ16を同時に同一速度で巻き取り開始する。これにより、上記基本フレーム10は電動ウインチ13の存在する円周方向の均等の3か所(図6の実施形態では均等の4か所)にて上記各ワイヤ16が同一速度で均等に巻き取られて行くため、上記基本フレーム10は、水平状態を保持したまま、各電動ウインチ13共々各フロート12の浮力に抗して下方に海中に沈んで行く。
そして、例えば図5に示すように、上記基本フレーム10の上側の円形フレーム1が海面27から所定の深度まで海中に完全に沈んだ位置において、上記同時駆動スイッチ40の正方向スイッチの押圧動作を停止すれば良い(図9P3参照)。すると、上記電動モータ14〜14の駆動が同時に停止するため、上記各電動ウインチ13の駆動が同時に停止する。
即ち、各電動ウインチ13の各ワイヤ巻取軸15が同時に停止され(図9P4参照)、各ワイヤ巻取軸15がロックされて上記各ワイヤ16の巻き取りが同時に停止する。このとき、3本の上記各ワイヤ16は同じ長さだけ上記ワイヤ巻取軸15に巻き取られているため、ワイヤ巻取後においても、上記基本フレーム10は水平状態を維持したまま、図5に示すように海中に沈んだ状態を維持することができる。
このとき、上記基本フレーム10には上記9個のフロート12によってその全周に沿って垂直上向きの浮力が均等に作用するが、上記各電動ウインチ13の各ワイヤ巻取軸15が停止してその回転をロックしているので、上記基本フレーム10は浮上することなく、図5に示す海中に沈下した状態を維持する。また、上記各電動ウインチ13及び各ワイヤ16は基本フレーム10の水平バランスの取れる120度毎の3か所に設けられているので、上記浮力に対する垂直下向きの反力が上記基本フレーム10に対して均等に作用し、従って、基本フレーム10は水平状態を維持したまま、海中に沈下した状態を維持することができる。
尚、上記基本フレーム10が図5のように水中に沈下した状態から基本フレーム10を海上に浮上させるには、上記同時駆動スイッチ40の逆方向スイッチ(−)を押圧すれば良い(図9P1参照)。すると、同様に、逆方向スイッチを押している間、3台の電動モータ13が同時に同一回転速度で逆方向に駆動され、3台の電動ウインチ13から同時にワイヤ16が引き出されていく(図9P1〜P3参照)。上記基本フレーム10には、常時上記フロート12による浮力が均等に作用しているので、上記ワイヤ16の引き出しにより、基本フレーム10は上記フロート12の浮力により水平を維持したまま浮上していく。
そして上記逆方向スイッチの押圧を解除すれば、3台の上記電動モータ14が同時に停止するため(図9P4参照)、当該浮上位置で各ワイヤ巻取軸15がロックされ、当該浮上位置にて生簀を水平状態で停止維持することができる。
また、上記電動モータ14〜14は、個別駆動スイッチ41〜41により、個別に駆動することもできる。例えば、海底に凹凸があり、アンカー17の位置に高低がある場合、基本フレーム10の水平を維持するには、各ワイヤ16の長さを異ならせる必要がある。このため、上記電動ウインチ13を個別に駆動する必要がある。
例えば、基本フレーム10の水平を保つためには、電動ウインチ13(電動モータ14)のワイヤ16のみを若干短くする必要がある場合は、個別駆動スイッチ41の正方向スイッチを押圧すれば良い(図10P1参照)。すると、対応する個別オンオフ手段36が駆動回路33を介して電動モータ14を正方向に駆動するため(図10P2,P3参照)、電動ウインチ13のワイヤ16のみが巻き取られ、当該ワイヤ16のみを短くすることができ、これにより基本フレーム10の水平を保つことができる。尚、上記正方向スイッチの押圧を解除すれば、同様に、上記ワイヤ16の巻き取り動作は停止する。
逆に、電動ウインチ13のワイヤ16のみを若干長くする必要がある場合は、個別駆動スイッチ41の逆方向スイッチ(−)を押圧すれば良く、同様の動作により、電動ウインチ13にワイヤ16を引き出すことができる(図11P1〜P4参照)。
このように、電動ウインチ13を各個別に駆動できるように構成されているため、海底の地形に拘わらず、基本フレーム10を水平に維持することができるものである。また、このとき、操作パネル35の操作者は、基本フレーム10が水平となったことは操作パネル35の水平表示部44が点灯等するので、容易に確認することができる。このように、上記制御部34の上記同時オンオフ手段39と上記個別オンオフ手段36とを各別に操作可能としたものである。
次に、生簀を所定の深度に沈めたい場合は、上記操作パネル35のテンキー42から希望する深度を入力すれば良い。ここでは、海面から10mの位置に基本フレーム10を沈下させるべく、上記テンキー42から「10m」を入力する(図11P1参照)。すると制御部34の深度制御手段38(検知手段38a)は、深度センサ30からの深度信号を検出し、現状の基本フレーム10の深度を認識する。本実施形態の場合は、基本フレーム10は海面上(深度0m)に存在するので、深度制御手段38(比較手段38b)は現状の深度(0m)と入力された深度(10m)とを比較し、入力された深度は現状の深度より深いと判断し(図11P2)、上記同時オンオフ手段39に3台の電動モータ14を正方向に回転(巻き取り)するように指令する(図11P3参照)。
すると、上記同時オンオフ手段39は、3台の電動モータ14を同時に正方向に駆動し、その結果3台の電動ウインチ13がワイヤ16を同時に巻き取っていく(図11P3参照)。よって、基本フレーム10は水平を維持した状態で沈下していくが、上記深度制御手段38(検知手段38a)は上記深度センサ30からの深度信号を検知しており(図11P5参照)、上記深度が入力された深度(10m)に一致した時点で、3台の上記電動モータ14の駆動を同時に停止する(図11P6,P7参照)。すると、上記ワイヤ巻取軸15が同時にロックされ、上記基本フレーム10が深度10mに達した時点で、水平状態を維持したまま停止する。
生簀の深度は、生簀にて飼育する魚介類の種類に応じて任意の深度に設定することができ、例えば海面から10mの位置、海面から20mの位置、海面から30mの位置等、任意に設定することが可能である。
餌やり等において、生簀を浮上させる必要が生じた場合は、上記テンキー42から例えば海面からの深度3mを入力すれば良い(図11P1参照)。すると、深度制御手段38(深度演算手段38c)は、現状の深度(10m)と入力された深度「3m」を比較演算し、深度「3m」に設定するには7m浮上すれば良いと判断し(図11P2参照)、上記同時オンオフ手段39に3台の電動モータ14を逆方向(−)に回転するように指令する(図11P4参照)。
すると、上記同時オンオフ手段39は、3台の電動モータ14を同時に逆方向に駆動し、その結果3台の電動ウインチ13がワイヤ16を同時に引き出していく(図11P4参照)。よって、基本フレーム10は水平を維持した状態で浮上していくが、上記深度制御手段38(検地手段38a)は上記深度センサ30からの深度信号を検知しており(図11P5参照)、上記深度が入力された深度(3m)に一致した時点で、3台の上記電動モータ14の駆動を同時に停止する(図11P6,P7参照)。すると、上記ワイヤ巻取軸15が同時にロックされ、上記基本フレーム10が深度3mに達した時点で、水平状態を維持したまま停止する。このように、テンキー42から希望する深度を入力するだけで、生簀を所定の深度に設定することができる。
次に、生簀が自動的に水平を維持する動作を説明する。
上記制御部34の水平維持手段37は、3個の上記傾斜センサ29〜29から傾斜信号を受けており、各々傾斜信号のプラス又はマイナスに応じて電動モータ14〜14を各個別に駆動制御している(図12参照)。
例えば水平維持手段37の動作は、傾斜センサ29からの傾斜信号が例えばマイナス(中心P’側への傾斜)である場合はそれを検出し(図12P1,P2参照)、対応する電動モータ14を正方向に回転駆動し、そのワイヤ16のみを巻き取る動作を行う(図12P3)。また、傾斜センサ29からの傾斜信号が例えばプラス(中心P’とは反対側への傾斜)である場合はそれを検出し(図12P1)、対応する電動モータ14を逆方向に回転駆動し、そのワイヤ16のみを引き出す動作を行う(図12P4参照)。
その後、水平維持手段37は上記傾斜センサ29からの信号が水平時の「0」になったか否かを検出し、「0」になっていなければ、ステップP1に戻って同様の動作を繰り返し行う(図12P1〜P4,P13参照)。上記傾斜センサ29及び他の傾斜センサ29,29からの信号が全て「0」になった場合は、水平表示部44への表示後(図12P14)、処理を終了するか否かの判断を行い(図12P15)、処理が終了していない場合は、ステップP1に戻って再び同様の動作を繰り返す。
尚、上記水平維持手段37は、傾斜センサ29、傾斜センサ29からの信号も受信しており、各々、同様に傾斜振動がマイナスかプラスかによって、電動ウインチ13,13の巻き取り又は引き出しを行い(図12P5〜P8参照、同図P9〜P12参照)、最終的に水平か否かを検出し(図12P13参照)、最終的に処理が終了するまで同様の動作を繰り返し行う。従って、上記水平維持手段37は上記傾斜センサ29〜29の全てのセンサにおいて出力電圧が「0」となり、全てのセンサにおいて水平と判断された場合に、上記水平表示部44に水平である旨の表示、例えば水平表示部44の点灯を行う。
上記水平維持動作により、常時、傾斜センサ29〜29からの信号を検知しており、上記傾斜信号に基づいて、各電動モータを正逆駆動することにより、3本のワイヤ16の巻き取り及び引き出しを常時行うことにより、上記基本フレーム10の水平を維持することができる。従って、上記基本フレーム10は、波、或いは風等の影響により常時、何れかの方向に傾斜して揺動を繰り返しているものであるが、上記の水平姿勢制御を行うことにより、上記揺動(揺れ)を極力少なくして、生簀の水平な姿勢を維持することができる。
尚、上記水平姿勢制御(図12の制御)は、上記操作パネル35に水平姿勢制御スイッチ45を設け、当該スイッチ45をオンしているときにのみ行うようにしても良い。
また、上記本発明に係る浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法としては、上記テンキー42から、飼育する魚介類(例えばハマチ、ブリ等)の種類に適した深度を入力する。すると上記制御部34(深制御手段38)は、入力された深度に基づいて、同時オンオフ手段39が各ワイヤ巻取機(3台、電動モータ14〜14)を同時に駆動して、上記基本フレーム10を所定の深度に沈下又は浮上させ、上記生簀を上記魚介類に適した当該深度に維持することができる。
このように構成すると、例えば海上において、魚類を生簀にて飼育(養殖を含む)するにおいて、魚介類の種類に応じた最適の深度に生簀を容易に沈下又は浮上させることができる。
また、本発明に係る浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法としては、水上の船舶又は陸上から上記生簀内に到達する導入管(例えばフレキシブルホース46、図6参照)を設け、上記フレキシブルホース46を通して上記生簀内の魚介類に餌を散布することができる。
このように構成すると、例えば生簀が深度の深い水中にあっても、フレキシブルホース46により、生簀の内部に餌を投入することができ、餌を無駄にすることなく、魚介類を効率的に飼育することができる。
本発明は、上述のように、浮沈式生簀を海中に沈めることにより、魚介類の適性適温の水位(任意の深度)に生簀を維持することができ、適切な条件にて養殖を行うことができる。
また、台風時、荒天時等、波浪の激しい天候時等において、一時的に短時間だけ生簀を海中に沈下させることもできる。
また、波、風等の影響の少ない海中に沈下させた状態で魚介類の飼育(養殖を含む)を行うことができるので、従来不適とされていた波、風の影響が大きい海上(沖合等)での飼育等を可能とすることができる。
また、海面より約3m以下に生簀を沈下させることにより、網に付着するアオサ、藻等の発生を少なくすることができる。
さらに重油等の流出事故、赤潮等(海表面上)が生じても、海中に生簀を沈下させた状態を維持することにより、重油等による被害を少なくすることができる。
また、本発明における浮沈式生簀は船上又は陸上から電気的に制御することができるので、本発明に係る浮沈式生簀を海上に複数設置し、船上又は陸上にて複数の浮沈式生簀を集中的に浮沈制御することもできる。
図14、図15に示すものは、本発明の浮沈式生簀の他の実施形態である。この浮沈式生簀は、牡蠣43等の貝類の養殖に使用するものである。この浮沈式生簀は、上記実施形態と基本的構造は同じであるので、対応部分には同一符号を付している。上記実施形態と相違する部分は、基本フレーム10が方形である点、及び、電動ウインチ13が基本フレーム(方形フレーム)10の中央部(重心位置)に1つだけ設けられており、当該電動ウインチ13に対応する海底にアンカー17が1つだけ設けられ、上記一つのアンカー17と上記一つの電動ウインチ13とが1本のワイヤ16にて接続されている点である。
また、養殖すべき牡蠣43は、外周方形フレーム4に沿って複数の紐(貝類養殖用線状体)47を垂下し、当該紐47に沿って牡蠣を生育するものである。
また上記基本フレーム10の外周方形フレーム4の内側には、複数本の支持フレーム48が平行に配置固定されており、その中央の一対の支持フレーム48,48間に固定底板13’が固定されており、当該固定底板13’上に上記電動ウインチ13が固定されており、上記ワイヤ16は上記固定底板13’に設けられた開口13”から下方向けて垂下されている。尚、49は上記固定底板13’の支持フレームである。
上記電動ウインチ13の駆動制御構成は上記実施形態と同様であり、上記船22上又は陸上の制御室の操作盤23から接続ケーブル25、水上中継ボックス21、水中ケーブル20等を介して上記電動ウインチ13が上記発電機24に接続されている。そして、上記操作盤23によって上記電動ウインチ13の駆動停止の制御を行う。
かかる実施形態の浮沈式生簀においても、上記電動ウインチ13を正逆回転駆動することにより、当該生簀を海中に沈下することができ、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。このとき、上記電動ウインチ13は基本フレーム10の重心位置に位置しているので、沈下するとき基本フレーム10は、フロート12の浮力に抗して水平状態を維持しながらバランスよく沈下させることができるし、電動ウインチ13を逆回転させることで、基本フレーム10の水平状態を維持しながら上記フロート12の浮力によってバランス良く浮上させることができる。また、深度センサ30を設置し、図8の実施形態のように、所定の深度に沈下又は浮上するように構成することもできる。
また、この実施形態によると、電動ウインチ13、ワイヤ16、アンカー17は各1つで良いため、簡単な構造であるし、少ない電力で浮沈式生簀を実現することができる。
尚、図2の実施形態において網26に代えて貝類養殖用線状体(紐)47を用いても良いし、図9の実施形態において紐47に代えて円筒状の網26を用いても良い。
本発明は上述のように、同時駆動スイッチ40をオン又はオフするだけで、複数の正逆駆動モータ14を介して複数のワイヤ巻取機13を同時に駆動して、ワイヤ巻き取り動作又は引き出し動作を同時に行うことができ、水平姿勢を維持した状態での生簀の浮沈動作を、極めて簡単な操作で行うことができる。
また、正逆駆動モータ14を駆動することにより、特定のワイヤ巻取機13のみの巻取り又は引き出し動作を行うことができ、例えば、水底が水平ではなく、生簀を水平にするためには特定のワイヤ16の長さを短く又は長くする必要がある場合においても、何ら支障なく、生簀を水平に設置することができる。
また、水平維持手段37を常時動作状態にすることにより、基本フレーム10の水平姿勢を常時維持することができ、波或いは風等の影響による基本フレーム10の揺動を極力抑制することができる。
また、例えば生簀に飼育する魚介類に適した深度を深度入力部42から入力するだけで、生簀を所定の深度に沈下又は浮上させることができる。
また、例えば海上において、魚介類を生簀にて飼育するにおいて、魚介類の種類に応じた最適の深度に生簀を容易に沈下又は浮上させることができる。
また、例えば生簀が深度の深い水中にあっても、導入管により、生簀の内部に餌を投入することができ、餌を無駄にすることなく、魚介類を効率的に飼育することができる。
本発明に係る浮沈式生簀によると、天候、海水温度、海流等に左右されずに設置が可能であるため、養殖すべき魚介類にとって最適な環境に浮沈式生簀を設置することができるものである。
10 基本フレーム
12 フロート(浮力体)
13 電動ウインチ(ワイヤ巻取機)
14 電動モータ(正逆駆動モータ)
16 ワイヤ
17 アンカー
19,31,32 接続ケーブル(電気ケーブル)
20 水中ケーブル
29 傾斜センサ
30 深度センサ
34 制御部
35 操作パネル(操作部)
36 個別オンオフ手段
37 水平維持手段
38 深度制御手段
39 同時オンオフ手段
40 同時駆動スイッチ
41 個別駆動スイッチ
42 テンキー(深度入力部)
46 フレキシブルホース(導入管)

Claims (4)

  1. 生簀が支持されると共に浮力体により水上に水平に浮かぶように構成された基本フレームと、該基本フレームに水平バランスが取れるように均等位置に設けられた防水機能付の複数のワイヤ巻取機と、上記各ワイヤ巻取機に対応して水底に固設された複数のアンカーと、上記各ワイヤ巻取機と対応する上記各アンカーとがワイヤにて接続された浮沈式生簀であって、
    上記各ワイヤ巻取機と電気ケーブルにて接続され、上記各ワイヤ巻取機を駆動制御する制御部と、該制御部に対して各種指令を行う操作部が船上又は陸上に設けられ、
    上記制御部には、複数の上記ワイヤ巻取機の各正逆駆動モータをワイヤ巻き取り方向の正方向又はワイヤ引き出し方向の逆方向に同時にオンオフ制御可能な同時オンオフ手段が設けられ、
    上記操作部に設けられた同時駆動スイッチを以って複数の上記正逆駆動モータを正方向又は逆方向に同時にオン又はオフすることにより、上記生簀を水中において水平姿勢を維持した状態で沈下及び浮上を行うものであり
    上記制御部に、上記各ワイヤ巻取機の上記各正逆駆動モータを個別に上記正方向又は上記逆方向にオンオフ制御可能な個別オンオフ手段が設けられ、
    上記操作部に上記各正逆駆動モータ毎に個別駆動スイッチが設けられ、
    上記操作部における上記個別駆動スイッチと上記同時駆動スイッチを以って、上記制御部の上記同時オンオフ手段と上記個別オンオフ手段とを各別に操作可能としたものであり、
    かつ、上記基本フレームに傾斜センサが設けられ、該傾斜センサが電気ケーブルにて上記制御部に接続されており、
    上記制御部には、上記傾斜センサからの信号に基づいて、上記個別オンオフ手段を以って上記基本フレームの姿勢を水平に制御する水平維持手段が設けられており、
    上記水平維持手段は、上記操作部において水平であることの表示を行うものである浮沈式生簀
  2. 上記基本フレームに深度センサが設けられており、該深度センサが電気ケーブルにて上記制御部に接続され、
    上記操作部に深度入力部が設けられ、
    上記制御部には、上記深度センサからの信号に基づいて、上記同時オンオフ手段を以って上記各ワイヤ巻取機を駆動することにより、上記生簀を上記深度入力部から入力された所定の深度に沈下又は浮上させる深度制御手段が設けられているものである請求項1記載の浮沈式生簀。
  3. 請求項2載の浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法であり、
    上記深度入力部から、飼育する魚介類の種類に適した深度を入力し、
    上記制御部は、入力された深度に基づいて、上記各ワイヤ巻取機を駆動して、上記基本フレームを所定の深度に沈下又は浮上させ、上記生簀を当該深度に維持することを特徴とする浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法。
  4. 請求項2記載の浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法であり、
    水上の船舶又は陸上から上記生簀内に到達する導入管を設け、
    上記導入管を通して上記生簀内の魚介類に餌を散布することを特徴とする浮沈式生簀を使用した魚介類の飼育方法。
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