JP6510480B2 - 長さ測定装置 - Google Patents

Description

本発明は、引き出し可能に巻き取られる巻尺を備える長さ測定装置に関する。

従来、目盛りの付いた巻尺やデジタルノギスを用いて測定対象の高さや直径などの長さを測定することが行われている。また、測定対象の長さを測定し、この測定された長さの情報を制御装置やサーバに送信する長さ測定装置が知られている（例えば特許文献１及び２）。

特開２０１５−２５７０８公報 特開２００８−１０１９８８号公報

ところで、圃場やハウス等における植物の生育における生長の状態は、出荷時期を管理する上で重要な要素である。生長の状態は、例えば、成長点の高さ（茎の高さ）、茎の直径、葉の大きさなどの長さである。

これらの長さは、目盛りの付いた巻尺を用いて人が目視で測定すると、特に、茎などの直径が小さいものや、茎や葉などの安定しないものは、測定する作業が困難である。これにより、測定される長さが不正確なものになりやすい。また、測定される長さは、測定する人の違いによってもばらつきが生じる。そして、デジタルノギスは、直径を測定するのには向いていても、茎の高さなどの長いものを測定するためには大型化しなければならない。

なお、上述の測定長さの不正確さや、測定する人の違いによる測定長さのばらつきは、植物の生育における生長の状態に限らず、身体などの他の測定対象を測定する際にも同様に生じる。

本発明の目的は、簡素な構成で正確に長さを測定することができる長さ測定装置を提供することである。

１つの態様では、長さ測定装置は、引き出し可能に巻き取られる巻尺と、前記巻尺に対し当該巻尺の長手方向にスライド可能に設けられ、前記巻尺の長手方向における任意の位置に固定可能なスライド部と、前記巻尺の長手方向における前記スライド部の位置情報を取得する位置情報取得部と、を備える。

前記態様によれば、簡素な構成で正確に長さを測定することができる。

一実施の形態に係る長さ測定装置を示す斜視図である。 一実施の形態に係る長さ測定装置のスライド部を示す図である。 図２のIII−III断面図（固定状態）である。 図２のIII−III断面図（固定解除状態）である。 一実施の形態に係る長さ測定装置を説明するための制御ブロック図である。

以下、本発明の実施の形態に係る長さ測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図１は、一実施の形態に係る長さ測定装置１を示す斜視図である。

図２は、長さ測定装置１のスライド部２０を示す図である。
図３Ａ及び図３Ｂは、図２のIII−III断面図である。
図４は、長さ測定装置１を説明するための制御ブロック図である。

図１に示す長さ測定装置１は、巻尺１０と、スライド部２０と、筐体３０と、を備える。
巻尺１０は、例えば、筐体３０内の図示しないゼンマイバネによって、引き出し可能に巻き取られる。巻尺１０は、例えば紐状であり、図２に示す直径Ｒが１０ｍｍ以下、好ましくは５ｍｍ以下であるとよい。但し、巻尺１０は、目盛りの付いた帯状などの他の形状であってもよい。なお、巻尺１０は、ナイロン樹脂からなるなど、濡れや汚れへの耐久性がある材料からなることが望ましい。

図３Ａ及び図３Ｂに示すように、スライド部２０は、本体２１と、押しボタン２２と、例えば２つの圧縮バネ２３と、を有する。
本体２１及び押しボタン２２には、巻尺１０の長手方向Ｄに延びる貫通孔２１ａ，２２ａが設けられている。巻尺１０は、これらの貫通孔２１ａ，２２ａに挿入されている。

巻尺１０は、本体２１の内部に設けられた圧縮バネ２３によって、押しボタン２２が固定方向（図３Ａにおける右方向）に付勢されることで、本体２１の貫通孔２１ａと押しボタン２２の貫通孔２２ａとによって挟持される。これにより、スライド部２０は、巻尺１０の長手方向Ｄにおける任意の位置に固定可能となっている。

図３Ｂに示すように、ユーザが押しボタン２２を圧縮バネ２３の付勢力に抗して固定解除方向（図３Ｂにおける左方向）に押した状態では、押しボタン２２の貫通孔２２ａが本体２１の貫通孔２１ａに近づく方向に移動し、貫通孔２１ａ，２２ａによる巻尺１０の挟持が解除される。そのため、ユーザは、押しボタン２２を押したままスライド部２０を巻尺１０の長手方向Ｄに沿ってスライドさせることができる。このように、スライド部２０は、巻尺１０に対し、巻尺１０の長手方向Ｄにスライド可能に設けられている。

なお、スライド部２０の上述の構造は一例に過ぎず、スライド部２０は、巻尺１０に対し巻尺１０の長手方向Ｄにスライド可能に設けられ、巻尺１０の長手方向Ｄにおける任意の位置に固定可能なものであればよい。例えば、押しボタン２２が、押下されるごとにスライド部２０の固定状態と固定解除状態とに入れ替わるオルタネイト式の押しボタンを用いた構造などの他の構造であってもよい。

また、単一の巻尺１０に対して複数のスライド部２０が設けられていてもよい。この場合、ユーザが複数のスライド部２０を複数の測定位置までスライドさせることで、後述する位置情報取得部４０が複数のスライド部２０の位置情報を取得することができる。そのため、測定される複数の長さの情報を同時に取得することができる。

図１に示す筐体３０には、巻尺１０の巻き取り口及び引き出し口となる開口部３１が設けられている。この開口部３１が、スライド部２０を通過させる大きさである場合、巻尺１０は全体が筐体３０に収容されるまで巻き取られることになる。そのため、後述する位置情報取得部４０は、筐体３０内でスライド部２０の位置情報を取得することになる。

一方、開口部３１が、スライド部２０を通過させない大きさである場合、巻尺１０が巻き取られる途中で、スライド部２０が開口部３１において止まることで、巻尺１０は一部のみが筐体３０に収容されるように巻き取られることになる。そのため、後述する位置情報取得部４０は、巻尺１０が巻き取られた長さから、スライド部２０の位置情報を取得することができる。

筐体３０には、送信ボタン３２と、電源ボタン３３と、電源インジケータ３４と、が更に設けられている。また、筐体３０には、ストラップ７０が設けられているとよい。このストラップ７０は、例えば、長さ測定装置１をユーザの首からぶら下げるために用いられる。

なお、筐体３０には、巻尺１０を巻き取るための操作が行われる図示しない巻き取り操作部が設けられていてもよい。また、筐体３０には、測定長さを表示する表示部が設けられていてもよい。この表示部は、例えば、後述する制御部６０によって、位置情報取得部４０により取得されるスライド部２０の位置情報に基づき、測定長さの表示制御を行われる。

送信ボタン３２は、後述する送信部５０によるスライド部２０の位置情報の送信のための送信操作がユーザによって押下されることで行われる。送信ボタン３２は、送信操作部の一例である。

電源ボタン３３は、長さ測定装置１の電源をＯＮ／ＯＦＦするための操作部である。
電源インジケータ３４は、長さ測定装置１の電源がＯＮであるかＯＦＦであるかを表すランプである。

位置情報取得部４０は、巻尺１０の長手方向Ｄにおけるスライド部２０の位置情報を取得する。上述のように、開口部３１が、スライド部２０を通過させない大きさである場合、巻尺１０の巻き取られた長さから、スライド部２０の位置情報を取得することができる。巻尺１０の巻き取られた長さは、例えば、巻尺１０の巻き取り軸の回転量などを検出することで取得することができる。

また、開口部３１が、スライド部２０を通過させる大きさである場合、巻尺１０が巻き取られた後でスライド部２０の位置情報を取得することになる。そのため、位置情報取得部４０は、例えば、スライド部２０の位置を光学センサなどで検出することで取得すればよい。

なお、ユーザは、長さ測定を行う場合、巻尺１０の長手方向Ｄにおけるスライド部２０の中心ではなく、スライド部２０のうち巻尺１０の長手方向Ｄにおける引き出し方向（巻尺１０の先端側）の端部が測定対象の測定位置に一致するように、スライド部２０をスライドさせることが考えられる。

そのため、開口部３１がスライド部２０を通過させない大きさである場合には、巻尺１０の長手方向Ｄにおけるスライド部２０の巻き取り方向（巻尺１０の巻き取り軸側）の端部が開口部３１に接触することを考慮し、取得される値から巻尺１０の長手方向Ｄにおけるスライド部２０の幅を引いて位置情報を取得するとよい。一方、開口部３１がスライド部２０を通過させる大きさである場合には、巻尺１０が巻き取られた後に、スライド部２０の検出位置（例えば長手方向Ｄにおける中心）から引き出し方向の端部までの長さを引いて位置情報を取得するとよい。

送信部５０は、例えばブルートゥース（登録商標）などの無線通信で、位置情報取得部４０が取得したスライド部２０の位置情報を端末装置１００に送信する。この端末装置１００は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータである。端末装置１００は、長さ測定装置１の送信部５０から受信したスライド部２０の位置情報を、インターネットを介して例えばデータセンタ２００に送信するインターフェース部１１０を備える。データセンタ２００は、例えば、圃場やハウス等における植物の生育を管理するためのサーバなどを備える。

また、端末装置１００は、撮像部１２０を備えるとよい。この撮像部１２０は、測定対象の一例である植物３０１の近傍に設けられた２次元コード３０２を撮像することで、長さ測定装置１が長さを測定する植物３０１を識別する。なお、測定対象を識別するためには、例えば、測定対象の近傍に設けられたＩＣチップを長さ測定装置１又は端末装置１００が認識することで、測定対象を識別してもよい。

長さ測定装置１によって長さを測定される測定対象としては、植物３０１に限らず、身体などの他の測定対象であってもよい。測定対象が植物３０１である場合には、植物３０１の成長点の高さ（茎の高さ）、茎の直径、葉の長さなどが測定される。

制御部６０は、例えば、長さ測定装置１全体の動作を制御する演算処理装置として機能するＭＰＵ（Micro Processing Unit）であり、送信ボタン３２に送信操作が行われることで、送信部５０にスライド部２０の位置情報を送信させる制御を行う。

以上説明した本実施の形態では、長さ測定装置１は、引き出し可能に巻き取られる巻尺１０と、この巻尺１０に対し巻尺１０の長手方向Ｄにスライド可能に設けられ、巻尺１０の長手方向Ｄにおける任意の位置に固定可能なスライド部２０と、巻尺１０の長手方向Ｄにおけるスライド部２０の位置情報を取得する位置情報取得部４０と、を備える。

これにより、ユーザがスライド部２０を測定位置にスライドさせることで長さ測定を行うことができるため、例えば、茎などの直径が小さいものや、茎や葉などの安定しないものであっても、長さを測定する作業が容易になる。これにより、測定される長さが不正確になるのを防ぐことができる。更には、巻尺１０を引き出すことで長さ測定を行うため、簡素な構成で、茎の高さなどの長いものを測定することができる。よって、本実施の形態によれば、簡素な構成で正確に長さを測定することができる。

また、本実施の形態では、長さ測定装置１は、位置情報取得部４０が取得したスライド部２０の位置情報を送信する送信部５０と、送信操作が行われる送信操作部の一例である送信ボタン３２と、この送信ボタン３２に送信操作が行われることで、送信部５０に位置情報を送信させる制御を行う制御部６０と、を更に備える。これにより、測定された長さを表すスライド部２０の位置情報を端末装置１００などの他の装置で利用することができる。

また、本実施の形態では、巻尺１０は、紐状である。これにより、例えば茎などの直径が小さいものを測定する作業がより一層容易になる。したがって、より一層正確に長さを測定することができる。

１ 長さ測定装置
１０ 巻尺
２０ スライド部
２１ 本体
２１ａ 貫通孔
２２ 押しボタン
２２ａ 貫通孔
２３ 圧縮バネ
３０ 筐体
３１ 開口部
３２ 送信ボタン
３３ 電源ボタン
３４ 電源インジケータ
４０ 位置情報取得部
５０ 送信部
６０ 制御部
７０ ストラップ
１００ 端末装置
１１０ インターフェース部
１２０ 撮像部
２００ データセンタ
３０１ 植物
３０２ ２次元コード

Claims (3)

1. 引き出し可能に巻き取られる巻尺と、
   前記巻尺に対し当該巻尺の長手方向にスライド可能に設けられ、前記巻尺の長手方向における任意の位置に固定可能なスライド部と、
   前記巻尺の巻き取られた長さから、前記巻尺の長手方向における前記スライド部の位置情報を取得する位置情報取得部と、
   を備えることを特徴とする長さ測定装置。
2. 前記位置情報取得部が取得した前記スライド部の位置情報を送信する送信部と、
   送信操作が行われる送信操作部と、
   前記送信操作部に前記送信操作が行われることで、前記送信部に前記位置情報を送信させる制御を行う制御部と、
   を更に備えることを特徴とする請求項１記載の長さ測定装置。
3. 前記巻尺は、紐状であることを特徴とする請求項１又は２記載の長さ測定装置。