一例として示すサウナ室用蒸気発生装置10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかるサウナ室用蒸気発生装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、サウナ室用蒸気発生装置10Aの斜視図であり、図3は、サウナ室用蒸気発生装置10Aとヒーター装置12とを含むロウリュサウナシステム13Aの正面図である。図4は、ヒーター装置12のバーナー31およびファン35を示すロウリュサウナシステム13Aの側面図であり、図5,6は、蓋16を開けた状態で示すサウナ室用蒸気発生装置10Aの斜視図である。
図1,2では、蓋16を閉め、ケーシング14の頂部開口15が閉鎖された状態で示す。図3では、ガード柵の図示を省略し、サウナ室11の椅子に腰掛けた利用者を二点鎖線で示すとともに、ケーシング14のサウナストーン収容空間25に収容されたサウナストーン17を点線で示す。図4では、バーナー31およびファン35の具体的な図示を省略し、バーナー31およびファン35を概念的に示す。図3,4では、燃焼ガスの流動を矢印L1で示し、図4では、赤外線の放射を矢印L2で示す。図5,6では、高温蒸気の放出を矢印L3で示す。図3,4では、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示し、前後方向を矢印Cで示す。
サウナ室用蒸気発生装置10Aは、サウナ室11の室内に設置され、燃焼ガスの熱をサウナ室11の室内に放熱するヒーター装置12に接続される(図3参照)。蒸気発生装置10Aは、ヒーター装置12によって生成された燃焼ガスの熱を利用して高温蒸気を発生し、高温蒸気をサウナ室11の室内に放出する。なお、蒸気発生装置10Aは、ヒーター装置12とともにロウリュサウナシステム13Aを形成している。
サウナ室用蒸気発生装置10Aは、上下方向へ長い所定容積のケーシング14と、ケーシング14の頂部開口15を開閉可能な蓋16(ハッチ)と、ケーシング14の内部(収容空間25)に収容された複数のサウナストーン17と、ケーシング14に接続された燃焼ガス流入管18および燃焼ガス流出管19と有する。蒸気発生装置10Aは、既存のリンク機構を利用して蓋16を開閉する足踏み開閉式であるが、モーターを設置した自動開閉式であってもよい。
ケーシング14は、鉄やステンレス等の金属から作られ、所定の厚み寸法を有する前後板20,21および両側板22,23と、所定の厚み寸法を有する台座24とを有し、上下方向へ長い角柱状に成形されている。ケーシング14には、それら壁20〜23に囲繞されたサウナストーン収容空間25が画成されているとともに、それら壁20〜23の上端縁に囲繞されて上方へ向かって開口する頂部開口15が画成されている。台座24には、足踏みペダル26が設置されている。燃焼ガス流入管18は、ケーシング14の頂部27に接続されている。燃焼ガス流出管19は、ケーシング14の底部29に接続されている。
ケーシング14では、ペダル26を足で踏む込むことで蓋16が開いて頂部開口15が開放され、ペダル26への踏み込みを解除することで蓋16が閉まって頂部開口15が閉鎖される。蓋16が閉まった状態では、ケーシング14の頂部開口15が気密に密閉される。それらサウナストーン17は、ケーシング14の底部29から頂部27に向かって収容空間25に密に収容されている。それらサウナストーン17は、燃焼ガスによって高温に加熱される。
ヒーター装置12は、気体燃料(天然ガスや石油分解ガス、液化石油ガス、水素ガス等)または液体燃料(軽油や灯油、重油等)を燃焼させて所定温度(高温)の燃焼ガスを作り、その燃焼ガスの熱を後記する放射管32,33によってサウナ室11の室内に放熱するとともに、燃焼ガスをサウナ室用蒸気発生装置10Aに送る。
ヒーター装置12は、上下方向へ長い所定容積のハウジング30と、燃焼ガスを作るバーナー31と、バーナー31につながって燃焼ガスの熱(赤外線)をサウナ室11の室内に放射する熱第1放射管32と、蒸気発生装置10Aから流出した燃焼ガスの熱(赤外線)をサウナ室11の室内に放射する熱第2放射管33と、熱第2放射管33につながって燃焼ガスを外気に排気する排気口34と、燃焼ガスを流動させるファン35とを有する。気体燃料を使用する場合は、ガス栓に連結されたガス供給ホース(図示せず)からヒーター装置12のバーナー31に気体燃料(ガス)が供給される。液体燃料を使用する場合は、ヒーター装置12に接続された燃料タンク(図示せず)からバーナー31に液体燃料(油)が供給される。
ハウジング30は、サウナ室11の室内に設置されている。ハウジング30は、鉄やステンレス等の金属から作られ、所定の厚み寸法を有する頂壁36および底壁37(台座)と、所定の厚み寸法を有する後壁38と、所定の厚み寸法を有する両側壁39,40とを有する。ハウジング30には、それら壁36〜40に囲繞されて前方へ向かって開口する開口部41が画成されている。開口部41には、図示はしていないが、金属から作られたガード柵が嵌め込まれている。
バーナー31は、サウナ室11の壁とハウジング30の後壁38とを貫通し、サウナ室11の壁を隔ててサウナ室11の室内と室外とに跨って設置されている。バーナー31には、図示はしていないが、制御装置が設置されているとともに、ヒーター装置12の発停(ON/OFF)やヒーター装置12における温度の調節(温度の高低)、ヒーター装置12の稼働時間の調節(タイマー)等を指示する操作パネルが設置されている。
なお、図示はしていないが、バーナー31には、燃焼用空気の給気口が作られている。また、気体燃料を使用する場合、バーナー31に気体燃料を供給する燃料供給ホースを接続するホース接続口が作られる。液体燃料を使用する場合、液体燃料を供給する燃料タンクがバーナー31の内部に接続される。バーナー31は、燃焼用空気と気体燃料または液体燃料との混合気(混合ガス)を作り、その混合気に点火して燃焼させ、高温の燃焼ガスを生成し、その燃焼ガスを熱第1放射管32や熱第2放射管33、蒸気発生装置10Aに供給する。
制御装置は、操作パネルから入力されたON/OFF信号に従って、ヒーター装置12の発停を行い、操作パネルから入力された設定温度信号に従って、バーナー31に供給する燃料の供給量やファン35の回転数(出力)を調節し、ヒーター装置12の燃焼量(熱第1放射管32や熱第2放射管33から放射される赤外線の温度)を制御する。
熱第1放射管32は、鉄やステンレス等の金属から作られ、円筒形に成形されている。放射管32の表面全域には、耐熱遠赤外線放射塗料が塗布されている。放射管32は、ハウジング30の内部に収容されてバーナー31に連結され、ハウジング30の内部において上下方向へ蛇行して延びている。放射管32は、その一部がハウジング30の側壁40を貫通し、蒸気発生装置10Aの燃焼ガス流入管18に連結されている。放射管32は、バーナー31で作られた燃焼ガスの熱エネルギー(赤外線)をサウナ室11の室内に放射するとともに、燃焼ガスを蒸気発生装置10A(燃焼ガス流入管18)に流入させる。
熱第2放射管33は、鉄やステンレス等の金属から作られ、円筒形に成形されている。放射管33の表面全域には、耐熱遠赤外線放射塗料が塗布されている。放射管33は、ハウジング30の内部に収容されてハウジング30の内部において上下方向へ蛇行して延びている。放射管33は、その一部がハウジング30の側壁40を貫通し、蒸気発生装置10Aの燃焼ガス流出管19に連結されている。放射管33は、ハウジング39の後壁38とサウナ室11の壁とを貫通してサウナ室11の室外に延びる排気部42を有する。放射管33は、蒸気発生装置10Aから流出した燃焼ガスの熱エネルギー(赤外線)をサウナ室11の室内に放射する。熱第1放射管32の長さは、熱第2放射管33の長さの略半分である。なお、放射管32の長さが放射管33の長さの半分以下であってもよい。
排気口34は、サウナ室11の室外に設置され、熱第2放射管33の排気部42につながっている。排気口34は、放射管33を流動した燃焼ガスをサウナ室11の室外(外気)に排気する。ファン35は、サウナ室11の室外に配置され、放射管33の排気部42に設置されている。ファン35は、バーナー31に燃焼用空気を給気するとともに、熱第1放射管32の内部や熱第2放射管33の内部、蒸気発生装置10Aの内部(ケーシング14の内部)を負圧に保持し、燃焼ガスをバーナー31から排気口34に向かって流動させる。
図1〜図6に基づいてサウナ室用蒸気発生装置10Aにおける高温蒸気の放出を説明すると、以下のとおりである。操作パネルにおいてスイッチをONにし、ロウリュサウナシステム10Aを起動する。スイッチをONにすると、入力されたON信号に従って制御装置がヒーター装置12を起動させる。なお、ヒーター装置12の起動時では、蒸気発生装置10Aの蓋16が閉められ、ケーシング14の頂部開口15が蓋16によって閉鎖されている。ヒーター装置12が起動すると、ファン35によって燃焼用空気が給気口からバーナー31に給気されるとともに、燃料がバーナー31に供給される。バーナー31は、燃焼用空気と燃料とを混合した混合気に点火し、混合気を燃焼させて燃焼ガスを生成する。
バーナー31によって作られた燃焼ガスは、バーナー31から熱第1放射管32に流入し、図3に矢印L1で示すように、熱第1放射管32を流動した後、放射管32から燃焼ガス流入管18に流入する。燃焼ガスが熱第1放射管32を流動する過程において、その燃焼熱(熱エネルギー)が放射管32の表面全域に伝達され、図4に矢印L2で示すように、燃焼熱が赤外線となって放射管32の表面全域からハウジング30の前方へ放射されるとともに燃焼ガス流入管18の表面全域から放射され、燃焼ガスの熱エネルギー(赤外線)がサウナ室11の室内に放射される。
燃焼ガス流入管18に流入した燃焼ガスは、ケーシング14の頂部36からケーシング14のサウナストーン収容空間25(蒸気発生装置10Aの内部)に流入し、ケーシング14の頂部27から中間部28に向かって流動するとともに、中間部28から底部29に向かって流動した後、ケーシング14の底部29からケーシング31の外部(蒸気発生装置10Aの外部)に流出し、燃焼ガス流出管19に流入する。
サウナ室用蒸気発生装置10Aでは、蓋16を閉めてケーシング14の頂部開口15を閉鎖した状態で、燃焼ガスがケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動することで、頂部27に位置するサウナストーン17から底部29に位置するサウナストーン17に向かってそれらサウナストーン17が高温に加熱される。蒸気発生装置10Aでは、ケーシング14の頂部27に位置するサウナストーン17がケーシング14の中間部28および底部29に位置するサウナストーン17よりも高い温度に加熱されている。
ケーシング14から燃焼ガス流出管19に流入した燃焼ガスは、流出管19から熱第2放射管33に流入し、図3に矢印L1で示すように、放射管33を流動した後、放射管33の排気部42に流入する。燃焼ガスが熱第2放射管33を流動する過程において、その燃焼熱(熱エネルギー)が放射管33の表面全域に伝達され、図3に矢印L2で示すように、燃焼熱が赤外線となって放射管33の表面全域からハウジング30の前方へ放熱されるとともに燃焼ガス流出管19の表面全域から放射され、燃焼ガスの熱エネルギーがサウナ室11の室内に放熱される。放熱やサウナストーン17の加熱によって熱エネルギーが低下(温度が低下)した燃焼ガスは、排気部42に流入した後、ファン35を通って排気口34からサウナ室11の室外(外気)に排気される。
蒸気発生装置10Aにおいて高温蒸気を発生させる場合、足踏みペダル26を踏んで蓋16を開け、ケーシング14の頂部開口15を開放した後、頂部開口15からケーシング14の収容空間25に収容されたそれらサウナストーン17に注水する。水は、柄杓(図示せず)を利用して注水される。なお、水を注水するときには、燃焼ガスの流動が停止していることが必要である。サウナストーン17に注水すると、ケーシング17の頂部27に位置するサウナストーン17が高温に加熱されているから、水がケーシング17の頂部27において瞬時に気化し、図5,6に矢印L3で示すように、頂部開口15から大量の高温蒸気がサウナ室11の室内に一気に放出され、高温蒸気がサウナ室11の室内に充満する。
ケーシング14の頂部開口15からの高温蒸気の放出が終了した後、ペダル26の踏み込みを解除して蓋16を閉め、ケーシング14の頂部開口15を閉鎖する。頂部開口15を閉鎖した後、燃焼ガスをケーシング14の頂部27から中間部28に向かって流動させるとともに中間部28から底部29に向かって流動させることでそれらサウナストーン17を再加熱する。
それらサウナストーン17の再加熱では、ケーシング14の頂部27に位置するサウナストーン17が中間部28に位置するサウナストーン17よりも先に加熱され、ケーシング14の中間部28に位置するサウナストーン17が底部29に位置するサウナストーン17よりも先に加熱され、頂部27に位置するサウナストーン17が中間部28や底部29に位置するサウナストーン17よりも高い温度に加熱される。それらサウナストーン17を再加熱した後、蓋16を開けてケーシング14の頂部開口15を開放し、頂部開口15からケーシング14の収容空間25に収容されたそれらサウナストーン17に注水することで、頂部開口15から大量の高温蒸気をサウナ室11の室内に再び放出させることができる。
サウナ室11の室内は、ヒーター装置12の熱第1放射管32や熱第2放射管33から放射された赤外線と対流放熱とによって、ロウリュウサウナに適する温度(約70〜約80℃)に加熱され、蒸気発生装置10Aから放出された高温蒸気によって、ロウリュウサウナに適する熱気流環境になる。サウナ室用蒸気発生装置10Aは、ケーシング14の頂部開口15からそれらサウナストーン17に注水することで、頂部開口15から大量の高温蒸気が一気に放出されるから、サウナ室11の室内に大量の高温蒸気を短時間に放出かつ充満させることができ、サウナ室11をロウリュウサウナに適する熱気流環境にすることができる。
サウナ室用蒸気発生装置10Aは、ケーシング14の頂部27から底部29に向かって燃焼ガスを流動させ、燃焼ガスの熱を利用してサウナストーン17を加熱することで、特に頂部27に位置するサウナストーン17が高温に加熱されるから、ケーシング14の頂部開口15から注水することで頂部27に位置するそれらサウナストーン17において水が瞬時に気化し、ケーシング14の頂部開口15から大量の高温蒸気をサウナ室11の室内に一気に放出させることができ、サウナ室11を速やかにロウリュウサウナに適する熱気流環境にすることができる。
サウナ室用蒸気発生装置10Aは、ケーシング14の頂部開口15から注水して高温蒸気を発生させると、頂部27に位置するサウナストーン17の温度が真っ先に低下するが、燃焼ガスをケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動させることで、頂部27に位置するそれらサウナストーン17が速やかに再加熱されるとともに、中間部28や底部29に位置するサウナストーン17が速やかに再加熱されるから、蒸気発生装置10Aにおける高温蒸気の発生サイクルを短くすることができ、蒸気発生装置10Aから大量の高温蒸気を短い時間間隔で発生させることができる。
燃焼ガスの熱をサウナ室11の室内に放熱するヒーター装置12と燃焼ガスの熱を利用してサウナ室11の室内に高温蒸気を放出する蒸気発生装置10Aとから形成されたロウリュサウナシステム13Aは、ヒーター装置12の熱第1放射管32(燃焼ガス流入管18を含む)および熱第2放射管33(燃焼ガス流出管19)から燃焼ガスの熱(熱エネルギー)を赤外線放射と対流放熱とによって、サウナ室11をロウリュウサウナに適する温度(約70〜約80℃)に加熱することができ、蒸気発生装置10Aから大量の高温蒸気を発生させることによって、サウナ室11の室内に大量の高温蒸気を放出かつ充満させることができるとともに、サウナ室11を速やかにロウリュウサウナ環境にすることができる。
ロウリュサウナシステム13Aは、熱第1放射管32の長さが熱第2放射管33の長さの略半分であり、放射管32の長さを短くすることで放射管32における燃焼ガスの熱エネルギーの損失を防ぎ、燃焼ガスの熱エネルギーを蒸気発生装置10Aにおいて十分に利用することで、蒸気発生装置10Aのサウナストーン17を高温に加熱することができ、サウナストーン17に注水することでそのサウナストーン17において水を瞬時に気化させることができる。ロウリュサウナシステム13Aは、熱第2放射管33の長さを長くすることで、放射管33からサウナ室11を加熱する赤外線放射と対流放熱とを発生させることができ、サウナ室11の温度を設定温度に加熱かつ保持することができる。
図7は、蓋16を閉めた状態の他の一例として示すサウナ室用蒸気発生装置10Bの斜視図であり、図8は、サウナ室用蒸気発生装置10Bとヒーター装置12とを含むロウリュサウナシステム13Bの正面図である。図9は、蓋16を閉めた状態のサウナ室用蒸気発生装置10Bにおける燃焼ガスの流れを示す模式図であり、図10は、蓋16を開けた状態で示すサウナ室用蒸気発生装置10Bの斜視図である。図11は、蓋16を開けた状態のサウナ室用蒸気発生装置10Bにおける燃焼ガスの流れを示す模式図である。図8では、ガード柵の図示を省略し、サウナ室11の椅子に腰掛けた利用者を二点鎖線で示すとともに、ケーシング14に収容されたサウナストーン17を点線で示す。図7〜図11では、燃焼ガスの流動を矢印L1で示す。図10では、高温蒸気の放出を矢印L3で示す。図8では、上下方向を矢印Aで示し、横方向を矢印Bで示す。
図7に示すサウナ室用蒸気発生装置10Bが図1のそれと異なるところは燃焼ガスバイパス管43、第1〜第3モーターダンパ44〜46、コントローラ47を含む点にあり、その他の構成は図1のサウナ室用蒸気発生装置10Aのそれらと同一であるから、その他の構成については図1の蒸気発生装置10Aと同一の符号を付すとともに、蒸気発生装置10Aについての説明を援用することで、その他の構成の詳細な説明は省略する。コントローラ47には、ディスプレイおよびタッチパネルを備えた制御盤が設置されている。ディスプレイには、蓋閉鎖中、蓋開放中、蓋開放可、蓋閉鎖可が表示される。タッチパネルには、蓋開放ボタンが表示される。
サウナ室用蒸気発生装置10Bは、図1のそれと同様に、サウナ室11の室内に設置され、燃焼ガスの熱をサウナ室11の室内に放熱するヒーター装置12に接続される(図8参照)。蒸気発生装置10Bは、ヒーター装置12によって生成された燃焼ガスの熱を利用して高温蒸気を発生し、高温蒸気をサウナ室11の室内に放出する。なお、蒸気発生装置10Bは、ヒーター装置12とともにロウリュサウナシステム13Bを形成している。なお、ロウリュサウナシステム10Bは、図3のそれと同様に、所定温度の燃焼ガスを利用してサウナ室11を加熱するとともに高温蒸気で満たし、サウナ室11にロウリュサウナ環境を実現にする。
サウナ室用蒸気発生装置10Bは、上下方向へ長い角柱状に成形された所定容積のケーシング14と、ケーシング14の頂部開口15を開閉可能な蓋16(ハッチ)と、ケーシング14の収容空間25(内部)に収容された複数のサウナストーン17と、ケーシング14の頂部27に連結された燃焼ガス流入管18と、ケーシング14の底部29に連結された燃焼ガス流出管19とを有する。蒸気発生装置10Bには、図示はしていないが、蓋16の開閉を検知して開閉信号を出力する開閉センサが設置されている。
燃焼ガス流入管18は、熱第1放射管32に接続され、燃焼ガス流出管19は、熱第2放射管33に接続されている。燃焼ガスバイパス管43は、鉄やステンレス等の金属から作られ、円筒形に成形されている。バイパス管43は、燃焼ガス流入管18と燃焼ガス流出管19とに接続され、流入管18と流出管19とを連結している。
ケーシング14と燃焼ガスバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流入管18には、第1モーターダンパ44が設置されている。ケーシング14と燃焼ガスバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流出管19には、第2モーターダンパ45が設置されている。燃焼ガスバイパス管43には、第3モーターダンパ46が設置されている。なお、それらモーターダンパ44〜46に替えて手動ダンパを使用することもできる。
第1〜第3モーターダンパ44〜46は、モジュトロールモーターと、そのモーターの駆動力によって旋回する旋回羽根と、旋回羽根の旋回によって開閉される空気流路と、旋回羽根の旋回を制御する制御部とを有する。第1〜第3モーターダンパ44〜46の制御部は、インターフェイス48を介してコントローラ47に接続されている。蒸気発生装置10Bに設置された開閉センサは、インターフェイス48を介してコントローラ47に接続されている。
第1〜第3モーターダンパ44〜46の制御部は、コントローラ47から出力された開閉信号によってモジュトロールモーターが回転し、それによって旋回羽根の旋回角度(ダンパ開度)を変更することで、空気流路を開放または閉鎖する。コントローラ47から開信号が出力され、それらモーターダンパ44〜46の空気流路が開放されると、燃焼ガスが蒸気発生装置10Bまたは燃焼ガスバイパス管43に流入する。コントローラ47から閉信号が出力され、それらモーターダンパ44〜46の空気流路が閉鎖されると、蒸気発生装置10Bまたは燃焼ガスバイパス管43への燃焼ガスの流入が遮断される。
ヒーター装置12は、上下方向へ長い所定容積のハウジング30と、燃焼ガスを作るバーナー31と、バーナー31につながって燃焼ガスの熱(赤外線)をサウナ室11の室内に放熱する熱第1放射管32と、蒸気発生装置10Bから流出した燃焼ガスの熱(赤外線)をサウナ室11の室内に放熱する熱第2放射管33と、熱第2放射管33の排気部42につながって燃焼ガスを外気に排気する排気口34(図2援用)と、燃焼ガスを流動させるファン35(図2援用)とを有する。
図7〜図11に基づいてサウナ室用蒸気発生装置10Bにおける高温蒸気の放出を説明すると、以下のとおりである。操作パネルにおいてスイッチをONにすると、入力されたON信号に従って制御装置がヒーター装置12を起動させる。ヒーター装置12が起動すると、ファン35によって燃焼用空気が給気口からバーナー31に給気されるとともに、燃料がバーナー31に供給される。バーナー31は、燃焼用空気と燃料とを混合した混合気に点火し、混合気を燃焼させて燃焼ガスを生成する。
バーナー31によって作られた燃焼ガスは、バーナー31から熱第1放射管32に流入し、図8に矢印L1で示すように、熱第1放射管32を流動した後、放射管32から燃焼ガス流入管18に流入する。燃焼ガスが熱第1放射管32を流動する過程において、その燃焼熱(熱エネルギー)が放射管32の表面全域に伝達され、燃焼熱が赤外線となって放射管32の表面全域からハウジング30の前方へ放熱されるとともに燃焼ガス流入管18の表面全域から放熱され、燃焼ガスの熱エネルギー(赤外線)がサウナ室11の室内に放熱される(図2参照)。
蓋16が閉められ、ケーシング14の頂部開口15が閉鎖された状態では、開閉センサから閉信号がコントローラ47に出力され、コントローラ47は頂部開口15が閉鎖されていると判断し、開信号を第1および第2モーターダンパ44,45の制御部に出力するとともに、閉信号を第3モーターダンパ46の制御部に出力する。
図9に示すように、コントローラ47から開信号を受信した第1および第2モーターダンパ44,45の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を開放し、または、既にする空気流路が開放されている場合はその状態を維持する。コントローラ47から閉信号を受信した第3モーターダンパ46の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を閉鎖し、または、既にする空気流路が閉鎖されている場合はその状態を維持する。なお、手動ダンパを使用する場合は、燃焼ガス流入管18および燃焼ガス流出管19に設置されたダンパを手動で開け、バイパス管43に設置されたダンパを手動で閉める。コントローラ47の制御盤のディスプレイには、蓋閉鎖中が表示される。
図7,9の状態において熱第1放射管32から燃焼ガス流入管18に流入した燃焼ガスは、燃焼ガスバイパス管43に流入することなく、燃焼ガス流入管18を通ってケーシング14の頂部27からケーシング14の収容空間25(蒸気発生装置10Bの内部)に流入し、ケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動した後、ケーシング14の底部29からケーシング14の外部(蒸気発生装置10Bの外部)に流出し、燃焼ガス流出管19に流入する。蒸気発生装置10Bでは、蓋16を閉めてケーシング14の頂部開口15を閉鎖した状態で、燃焼ガスがケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動し、頂部27に位置するサウナストーン17から底部29に位置するサウナストーン17に向かってそれらサウナストーン17が高温に加熱される。
ケーシング14(蒸気発生装置10B)から流出した燃焼ガスは、図7に矢印L1で示すように、燃焼ガス流出管19を流動した後、熱第2放射管33に流入し、放射管33を流動した後、放射管33から排気部42に流入する。燃焼ガスが熱第2放射管33を流動する過程において、その燃焼熱(熱エネルギー)が放射管33の表面全域に伝達され、燃焼熱が赤外線となって放射管33の表面全域からハウジング30の前方へ放熱されるとともに燃焼ガス流出管19の表面全域から放熱され、燃焼ガスの熱エネルギーがサウナ室11の室内に赤外線と対流放熱との形で放熱される(図2参照)。放熱やサウナストーン17の加熱によって熱エネルギーが低下(温度が低下)した燃焼ガスは、排気部42に流入した後、ファン35を通って排気口34からサウナ室11の室外(外気)に排気される。
蒸気発生装置10Bにおいて高温蒸気を発生させる場合、コントローラ47の制御盤のタッチパネルに表示された蓋開放ボタンを押す。蓋開放ボタンを押すと、蓋開放要求信号がコントローラ47に転送され、コントローラ47が閉信号を第1および第2モーターダンパ44,45の制御部に出力するとともに、開信号を第3モーターダンパ46の制御部に出力する。図11に示すように、コントローラ47から閉信号を受信した第1および第2モーターダンパ44,45の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を閉鎖する。コントローラ47から開信号を受信した第3モーターダンパ46の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を開放する。
第1および第2モーターダンパ44,45の空気流路が閉鎖されると、ケーシング14と燃焼ガスバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流入管18が閉鎖されるとともに、ケーシング14とバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流出管19が閉鎖され、ケーシング14の頂部27から収容空間25(内部)への燃焼ガスの流入が遮断される。燃焼ガスバイパス管43が開放されると、燃焼ガスが燃焼ガス流入管18からバイパス管43を通って燃焼ガス流出管19に流入する。なお、手動ダンパを使用する場合は、燃焼ガス流入管18や燃焼ガス流出管19に設置されたダンパを手動で閉め、バイパス管43に設置されたダンパを手動で開ける。
第1および第2モーターダンパ44,45の空気流路が閉鎖され、第3モーターダンパ46の空気流路が開放されると、コントローラ47のディスプレイには、蓋開放可が表示される。蓋開放可メッセージを確認した後、足踏みペダル26を踏んで蓋16を開け、ケーシング14の頂部開口15を開放させる。なお、蓋16が自動開閉式である場合、蓋16が自動的に開けられる。蓋16が開き、ケーシング14の頂部開口15が開放されると、開閉センサから開信号がコントローラ47に出力される。コントローラ47は、頂部開口15が開放されたと判断し、ディスプレイに蓋開放中を表示するとともに、蓋閉鎖可を表示する。
ケーシング14の頂部開口15を開放した後、柄杓を利用し、頂部開口15からケーシング14の収容空間25に収容されたそれらサウナストーン17に注水する。水を注水するときには、ヒーター装置12のバーナー31やファン35が稼働し、燃焼ガスが生成され、燃焼ガスが熱第1放射管32→燃焼ガス流入管18→燃焼ガスバイパス管43→燃焼ガス流出管19→熱第2放射管33の順で流動し、それら管18,19,32,33,43から熱エネルギーが放熱されている。サウナストーン17に注水すると、ケーシング14の頂部27に位置するサウナストーン17が高温に加熱されているから、水がケーシング14の頂部27において瞬時に気化し、図10に矢印L3で示すように、頂部開口15から大量の高温蒸気がサウナ室11の室内に一気に放出され、高温蒸気がサウナ室11の室内に充満する。
ケーシング14の頂部開口15からの高温蒸気の放出が終了した後、ペダル26の踏み込みを解除して蓋16を閉め、頂部開口15を閉鎖する。蓋16が閉められ、ケーシング14の頂部開口15が閉鎖されると、開閉センサから閉信号がコントローラ47に出力され、コントローラ47は頂部開口15が閉鎖されていると判断し、開信号を第1および第2モーターダンパ44,45の制御部に出力するとともに、閉信号を第3モーターダンパ46の制御部に出力する。なお、蓋16が自動開閉式の場合、タッチパネルに蓋閉鎖ボタンが表示され、その閉鎖ボタンを押す。閉鎖ボタンを押すと、蓋16が自動的に閉まる。
コントローラ47から開信号を受信した第1および第2モーターダンパ44,45の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を開放し、コントローラ47から閉信号を受信した第3モーターダンパ46の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を閉鎖する。なお、手動ダンパを使用する場合は、燃焼ガス流入管18や燃焼ガス流出管19に設置されたダンパを手動で開け、バイパス管43に設置されたダンパを手動で閉める。コントローラ47の制御盤のディスプレイには、蓋閉鎖中が表示される。
燃焼ガスバイパス管43が閉鎖されると、燃焼ガス流入管18からバイパス管43への燃焼ガスの流入が遮断される。第1および第2モーターダンパ44,45の空気流路が開放されると、ケーシング14とバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流入管18が開放されるとともに、ケーシング14とバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流出管19が開放され、燃焼ガスが流入管18を通ってケーシング14の頂部27から収容空間25へ流入し、ケーシング14の底部29からケーシング14の外部へ流出して燃焼ガス流出管19に流入する(図9参照)。
頂部開口15が閉鎖された後、燃焼ガスをケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動させることでそれらサウナストーン17が再加熱される。それらサウナストーン17の再加熱では、ケーシング14の頂部27に位置するサウナストーン17が中間部28に位置するサウナストーン17よりも先に加熱され、ケーシング14の中間部28に位置するサウナストーン17が底部29に位置するサウナストーン17よりも先に加熱され、頂部27に位置するサウナストーン17が中間部28および底部29に位置するサウナストーン17よりも高い温度に加熱される。それらサウナストーン17を再加熱した後、蓋16を開けてケーシング14の頂部開口15を開放し、頂部開口15からケーシング14の収容空間25に収容されたそれらサウナストーン17に注水することで、頂部開口15から大量の高温蒸気をサウナ室11の室内に再び放出させることができる。
サウナ室11の室内は、ヒーター装置12の熱第1放射管32および熱第2放射管33からの放熱や流入管18および流出管19からの放熱によって、ロウリュウサウナに適する温度(約70〜約80℃)に加熱され、蒸気発生装置10Bから放出された高温蒸気によって、サウナ室11をロウリュウサウナに適する熱気流環境になる。
サウナ室用蒸気発生装置10Bは、図1の蒸気発生装置10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。蒸気発生装置10Bは、たとえば燃焼ガスバイパス管43が設置されていない状態でケーシング14の頂部開口15が開放されると、頂部開口15から空気(外気)がケーシング14の収容空間25(内部)へ進入するとともに空気が燃焼ガス流出管19から熱第2放射管33に進入し、熱第1放射管32やバーナー35を負圧に保持することができず、燃焼ガスをバーナー35から排気口34に向かって円滑に流動させることができないが、バイパス管43を設置することで、ケーシング14の頂部開口15が開放されたときに燃焼ガスがバイパス管43に流入するから、熱第2放射管33に空気(外気)が進入することはなく、熱第1放射管32やバーナー35を負圧に保持することができ、燃焼ガスをバーナー35から排気口34に向かって円滑に流動させることができる。
また、バイパス管43が設置されていない状態でケーシング14の頂部開口15が開放されると、発生した高温蒸気が熱第2放射管33を通って排気口34からサウナ室11の室外に放出されてしまうが、バイパス管43を設置することで、ケーシング14の頂部開口15が開放されたときに燃焼ガスがバイパス管43に流入し、燃焼ガスがケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動することはなく、発生した高温蒸気をケーシング14の頂部開口15からサウナ室11の室内に確実に放出させることができる。
さらに、ケーシング14の収容空間25に空気が進入すると、燃焼ガスに空気が混合されて燃焼ガスの熱エネルギーが低下し、熱第2放射管33から高い熱エネルギーを放熱させることができないが、頂部開口15の開放中に燃焼ガスがバイパス管43を通って燃焼ガス流出管19に流入するから、頂部開口15の開放中における燃焼ガスの熱エネルギーの低下を防ぐことができ、熱第2放射管33を介して十分な熱エネルギーをサウナ室11の室内に放熱させることができ、サウナ室の温度をロウリュウサウナに適する約70〜約80℃に加熱かつ保持することができる。なお、頂部開口15の開放中に燃焼ガスが頂部開口15から漏出して燃焼ガスによる不測の事故が起こる場合があるが、頂部開口15の開放中に燃焼ガスが頂部開口15から漏出する心配はなく、燃焼ガスによる不測の事故を防ぐことができる。
燃焼ガスの熱エネルギーをサウナ室11の室内に放熱するヒーター装置12と燃焼ガスの熱を利用してサウナ室11の室内に高温蒸気を放出する蒸気発生装置10Bとから形成されたロウリュサウナシステム13Bは、ロウリュサウナシステム13Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。ロウリュサウナシステム10Bは、蓋16を閉めてケーシング14の頂部開口15を閉鎖すると、バイパス管43が閉鎖され、ケーシング14とバイパス管47との間に延びる燃焼ガス流入管18が開放されるとともに、ケーシング14とバイパス管47との間に延びる燃焼ガス流出管19が開放され、直ちに燃焼ガスがケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動するから、ケーシング14の頂部開口15が閉鎖された後、燃焼ガスをケーシング14の収容空間25に流動させることができ、サウナストーン17を速やかに再加熱することができる。
図12は、サウナ室用蒸気発生装置10Cとヒーター装置12とを含むロウリュサウナシステム13Cの正面図であり、図13は、蓋16を閉めた状態のサウナ室用蒸気発生装置10Cにおける燃焼ガスの流れを示す模式図である。図14は、蓋16を開けた状態のサウナ室用蒸気発生装置10Cにおける燃焼ガスの流れを示す模式図である。図12では、ガード柵の図示を省略し、サウナ室11の椅子に腰掛けた利用者を二点鎖線で示すとともに、ケーシング14に収容されたサウナストーン17を点線で示す。図12〜図14では、燃焼ガスの流動を矢印L1で示し、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示す。
図12に示すサウナ室用蒸気発生装置10Cが図1のそれと異なるところは、燃焼ガスバイパス管43、第1〜第3モーターダンパ44〜46、コントローラ47を含むとともに、燃焼ガス流入管18がケーシング17の底部29に接続され、燃焼ガス流出管19がケーシング17の頂部27に接続されている点にあり、その他の構成は図1のサウナ室用蒸気発生装置10Aのそれらと同一であるから、その他の構成については図1の蒸気発生装置10Aと同一の符号を付すとともに、蒸気発生装置10Aについての説明を援用することで、その他の構成の詳細な説明は省略する。
サウナ室用蒸気発生装置10Cは、図1や図7のそれらと同様に、サウナ室11の室内に設置され、燃焼ガスの熱をサウナ室11の室内に放熱するヒーター装置12に接続される。蒸気発生装置10Cは、ヒーター装置12によって生成された燃焼ガスの熱を利用して高温蒸気を発生し、高温蒸気をサウナ室11の室内に放出する。なお、蒸気発生装置10Cは、ヒーター装置12とともにロウリュサウナシステム13Cを形成している。なお、ロウリュサウナシステム10Cは、図3や図8のそれらと同様に、所定温度の燃焼ガスを利用してサウナ室11を加熱するとともに高温蒸気で満たし、サウナ室11にロウリュサウナ環境を実現にする。
サウナ室用蒸気発生装置10Cは、上下方向へ長い角柱状に成形された所定容積のケーシング14と、ケーシング14の頂部開口15を開閉可能な蓋16(ハッチ)と、ケーシング14の収容空間25(内部)に収容された複数のサウナストーン17と、ケーシング14の底部29に連結された燃焼ガス流入管18と、ケーシング14の頂部27に連結された燃焼ガス流出管19とを有する。蒸気発生装置10Cには、図示はしていないが、蓋16の開閉を検知して開閉信号を出力する開閉センサが設置されている。
燃焼ガス流入管18は、熱第1放射管32に接続されているとともに、ケーシング17の底部29に接続されている。燃焼ガス流出管19は、熱第2放射管33に接続されているとともに、ケーシング17の頂部27に接続されている。燃焼ガスバイパス管43は、燃焼ガス流入管18と燃焼ガス流出管19とに接続され、流入管18と流出管19とを連結している。
ケーシング14と燃焼ガスバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流入管18には、第1モーターダンパ44が設置されている。ケーシング14と燃焼ガスバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流出管19には、第2モーターダンパ45が設置されている。燃焼ガスバイパス管43には、第3モーターダンパ46が設置されている。第1〜第3モーターダンパ44〜46は、図7のサウナ室用蒸気発生装置10Bに使用したそれらと同一である。なお、それらモーターダンパ44〜46に替えて手動ダンパを使用することもできる。
ヒーター装置12は、上下方向へ長い所定容積のハウジング30と、燃焼ガスを作るバーナー31と、バーナー31につながって燃焼ガスの熱(赤外線)をサウナ室11の室内に放熱する熱第1放射管32と、蒸気発生装置10Cから流出した燃焼ガスの熱(赤外線)をサウナ室11の室内に放熱する熱第2放射管33と、熱第2放射管33の排気部42につながって燃焼ガスを外気に排気する排気口34(図2援用)と、燃焼ガスを流動させるファン35(図2援用)とを有する。
図12〜図14に基づいてサウナ室用蒸気発生装置10Cにおける高温蒸気の放出を説明すると、以下のとおりである。操作パネルにおいてスイッチをONにすると、入力されたON信号に従って制御装置がヒーター装置12を起動させる。ヒーター装置12が起動すると、ファン35によって燃焼用空気が給気口からバーナー31に給気されるとともに、燃料がバーナー31に供給される。バーナー31は、燃焼用空気と燃料とを混合した混合気に点火し、混合気を燃焼させて燃焼ガスを生成する。
バーナー31によって作られた燃焼ガスは、バーナー31から熱第1放射管32に流入し、図12に矢印L1で示すように、熱第1放射管32を流動した後、放射管32から燃焼ガス流入管18に流入する。燃焼ガスが熱第1放射管32を流動する過程において、その燃焼熱(熱エネルギー)が放射管32の表面全域に伝達され、燃焼熱が赤外線となって放射管32の表面全域からハウジング30の前方へ放熱されるとともに燃焼ガス流入管18の表面全域から放熱され、燃焼ガスの熱エネルギー(赤外線)がサウナ室11の室内に放熱される(図2参照)。
蓋16が閉められ、ケーシング14の頂部開口15が閉鎖された状態では、開閉センサから閉信号がコントローラ47に出力され、コントローラ47は頂部開口15が閉鎖されていると判断し、開信号を第1および第2モーターダンパ44,45の制御部に出力するとともに、閉信号を第3モーターダンパ46の制御部に出力する。
図13に示すように、コントローラ47から開信号を受信した第1および第2モーターダンパ44,45の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を開放する。コントローラ47から閉信号を受信した第3モーターダンパ46の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を閉鎖する。なお、手動ダンパを使用する場合は、燃焼ガス流入管18および燃焼ガス流出管19に設置されたダンパを手動で開け、バイパス管43に設置されたダンパを手動で閉める。コントローラ47の制御盤のディスプレイには、蓋閉鎖中が表示される。
図13の状態において熱第1放射管32から燃焼ガス流入管18に流入した燃焼ガスは、燃焼ガスバイパス管43に流入することなく、燃焼ガス流入管18を通ってケーシング14の底部29からケーシング14の収容空間25(蒸気発生装置10Cの内部)に流入し、ケーシング14の底部29から頂部27に向かって流動した後、ケーシング14の頂部27からケーシング14の外部(蒸気発生装置10Cの外部)に流出し、燃焼ガス流出管19に流入する。蒸気発生装置10Cでは、蓋16を閉めてケーシング14の頂部開口15を閉鎖した状態で、燃焼ガスがケーシング14の底部29から頂部27に向かって流動し、底部29に位置するサウナストーン17から頂部27に位置するサウナストーン17に向かってそれらサウナストーン17が高温に加熱される。
ケーシング14(蒸気発生装置10C)から流出した燃焼ガスは、図12に矢印L1で示すように、燃焼ガス流出管19を流動した後、熱第2放射管33に流入し、放射管33を流動した後、放射管33から排気部42に流入する。燃焼ガスが熱第2放射管33を流動する過程において、その燃焼熱(熱エネルギー)が放射管33の表面全域に伝達され、燃焼熱が赤外線となって放射管33の表面全域からハウジング30の前方へ放熱されるとともに燃焼ガス流出管19の表面全域から放熱され、燃焼ガスの熱エネルギー(赤外線)がサウナ室11の室内に放熱される(図2参照)。放熱やサウナストーン17の加熱によって熱エネルギーが低下(温度が低下)した燃焼ガスは、排気部42に流入した後、ファン35を通って排気口34からサウナ室11の室外(外気)に排気される。
蒸気発生装置10Cにおいて高温蒸気を発生させる場合、コントローラ47の制御盤のタッチパネルに表示された蓋開放ボタンを押す。蓋開放ボタンを押すと、コントローラ47が閉信号を第1および第2モーターダンパ44,45の制御部に出力するとともに、開信号を第3モーターダンパ46の制御部に出力する。図14に示すように、コントローラ47から閉信号を受信した第1および第2モーターダンパ44,45の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を閉鎖する。コントローラ47から開信号を受信した第3モーターダンパ46の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を開放する。
第1および第2モーターダンパ44,45の空気流路が閉鎖されると、ケーシング14と燃焼ガスバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流入管18が閉鎖されるとともに、ケーシング14とバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流出管19が閉鎖され、ケーシング14の底部29から収容空間25(内部)への燃焼ガスの流入が遮断される。燃焼ガスバイパス管43が開放されると、燃焼ガスが燃焼ガス流入管18からバイパス管43を通って燃焼ガス流出管19に流入する。なお、手動ダンパを使用する場合は、燃焼ガス流入管18や燃焼ガス流出管19に設置されたダンパを手動で閉め、バイパス管43に設置されたダンパを手動で開ける。
第1および第2モーターダンパ44,45の空気流路が閉鎖され、第3モーターダンパ46の空気流路が開放されると、コントローラ47のディスプレイには、蓋開放可が表示される。蓋開放可メッセージを確認した後、足踏みペダル26を踏んで蓋16を開け、ケーシング14の頂部開口15を開放させる。なお、蓋16が自動開閉式である場合、蓋16が自動的に開けられる。蓋16が開き、ケーシング14の頂部開口15が開放されると、開閉センサから開信号がコントローラ47に出力される。コントローラ47は、頂部開口15が開放されたと判断し、ディスプレイに蓋開放中を表示するとともに、蓋閉鎖可を表示する。
ケーシング14の頂部開口15を開放した後、柄杓を利用し、頂部開口15からケーシング14の収容空間25に収容されたそれらサウナストーン17に注水する。水を注水するときには、ヒーター装置12のバーナー31やファン35が稼働し、燃焼ガスが生成され、燃焼ガスが熱第1放射管32→燃焼ガス流入管18→燃焼ガスバイパス管43→燃焼ガス流出管19→熱第2放射管33の順で流動し、それら管18,19,32,33,43から熱エネルギーが放熱されている。サウナストーン17に水を注水すると、収容空間25に収容されたサウナストーン17が高温に加熱されているから、水が瞬時に気化し、頂部開口15から大量の高温蒸気がサウナ室11の室内に一気に放出され(図10参照)、高温蒸気がサウナ室11の室内に充満する。
ケーシング14の頂部開口15からの高温蒸気の放出が終了した後、ペダル26の踏み込みを解除して蓋16を閉め、頂部開口15を閉鎖する。蓋16が閉められ、ケーシング14の頂部開口15が閉鎖されると、開閉センサから閉信号がコントローラ47に出力され、コントローラ47は頂部開口15が閉鎖されていると判断し、開信号を第1および第2モーターダンパ44,45の制御部に出力するとともに、閉信号を第3モーターダンパ46の制御部に出力する。
コントローラ47から開信号を受信した第1および第2モーターダンパ44,45の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を開放し、コントローラ47から閉信号を受信した第3モーターダンパ46の制御部は、旋回羽根を旋回させて空気流路を閉鎖する。なお、手動ダンパを使用する場合は、燃焼ガス流入管18や燃焼ガス流出管19に設置されたダンパを手動で開け、バイパス管43に設置されたダンパを手動で閉める。コントローラ47の制御盤のディスプレイには、蓋閉鎖中が表示される。
燃焼ガスバイパス管43が閉鎖されると、燃焼ガス流入管18からバイパス管43への燃焼ガスの流入が遮断される。第1および第2モーターダンパ44,45の空気流路が開放されると、ケーシング14とバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流入管18が開放されるとともに、ケーシング14とバイパス管43との間に延びる燃焼ガス流出管19が開放され、燃焼ガスが流入管18を通ってケーシング14の底部29から収容空間25へ流入し、ケーシング14の頂部27からケーシング14の外部へ流出して燃焼ガス流出管19に流入する(図13参照)。
頂部開口15が閉鎖された後、燃焼ガスをケーシング14の底部29から頂部27に向かって流動させることでそれらサウナストーン17が再加熱される。それらサウナストーン17の再加熱では、ケーシング14の底部29に位置するサウナストーン17が中間部28に位置するサウナストーン17よりも先に加熱され、ケーシング14の中間部28に位置するサウナストーン17が頂部29に位置するサウナストーン17よりも先に加熱される。それらサウナストーン17を再加熱した後、蓋16を開けてケーシング14の頂部開口15を開放し、頂部開口15からケーシング14の収容空間25に収容されたそれらサウナストーン17に注水することで、頂部開口15から大量の高温蒸気をサウナ室11の室内に再び放出させることができる。
サウナ室11の室内は、ヒーター装置12の熱第1放射管32および熱第2放射管33からの放熱や流入管18および流出管19からの放熱によって、ロウリュウサウナに適する温度(約70〜約80℃)に加熱され、蒸気発生装置10Cから放出された高温蒸気によって、サウナ室11をロウリュウサウナに適する熱気流環境になる。サウナ室用蒸気発生装置10Cは、ケーシング14の頂部開口15からそれらサウナストーン17を注水することで、頂部開口15から大量の高温蒸気が一気に放出されるから、サウナ室11の室内に大量の高温蒸気を短時間に放出かつ充満させることができ、サウナ室11をロウリュウサウナに適する熱気流環境にすることができる。
サウナ室用蒸気発生装置10Cは、たとえば燃焼ガスバイパス管43が設置されていない状態でケーシング14の頂部開口15が開放されると、頂部開口15から空気(外気)がケーシング14の収容空間25(内部)へ進入するとともに空気が燃焼ガス流出管19から熱第2放射管33に進入し、熱第1放射管32やバーナー35を負圧に保持することができず、燃焼ガスをバーナー35から排気口34に向かって円滑に流動させることができないが、バイパス管43を設置することで、ケーシング14の頂部開口15が開放されたときに燃焼ガスがバイパス管43に流入するから、熱第2放射管33に空気(外気)が進入することはなく、熱第1放射管32やバーナー35を負圧に保持することができ、燃焼ガスをバーナー35から排気口34に向かって円滑に流動させることができる。
また、バイパス管43が設置されていない状態でケーシング14の頂部開口15が開放されると、発生した高温蒸気が熱第2放射管33を通って排気口34からサウナ室11の室外に放出されてしまうが、バイパス管43を設置することで、ケーシング14の頂部開口15が開放されたときに燃焼ガスがバイパス管43に流入し、燃焼ガスがケーシング14の底部29から頂部27に向かって流動することはなく、発生した高温蒸気をケーシング14の頂部開口15からサウナ室11の室内に確実に放出させることができる。
さらに、ケーシング14の収容空間25に空気が進入すると、燃焼ガスに空気が混合されて燃焼ガスの熱エネルギーが低下し、熱第2放射管33から高い熱エネルギーを放熱させることができないが、頂部開口15の開放中に燃焼ガスがバイパス管43を通って燃焼ガス流出管19に流入するから、頂部開口15の開放中における燃焼ガスの熱エネルギーの低下を防ぐことができ、熱第2放射管33を介して十分な熱エネルギーをサウナ室11の室内に放熱させることができ、サウナ室の温度をロウリュウサウナに適する約70〜約80℃に加熱かつ保持することができる。なお、頂部開口15の開放中に燃焼ガスが頂部開口15から漏出して燃焼ガスによる不測の事故が起こる場合があるが、頂部開口15の開放中に燃焼ガスが頂部開口15から漏出する心配はなく、燃焼ガスによる不測の事故を防ぐことができる。
燃焼ガスの熱エネルギーをサウナ室11の室内に放熱するヒーター装置12と燃焼ガスの熱を利用してサウナ室11の室内に高温蒸気を放出する蒸気発生装置10Cとから形成されたロウリュサウナシステム13Cは、ロウリュサウナシステム13Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。ロウリュサウナシステム10Cは、蓋16を閉めてケーシング14の頂部開口15を閉鎖すると、バイパス管43が閉鎖され、ケーシング14とバイパス管47との間に延びる燃焼ガス流入管18が開放されるとともに、ケーシング14とバイパス管47との間に延びる燃焼ガス流出管19が開放され、直ちに燃焼ガスがケーシング14の頂部27から底部29に向かって流動するから、ケーシング14の頂部開口15が閉鎖された後、燃焼ガスをケーシング14の収容空間25に流動させることができ、サウナストーン17を速やかに再加熱することができる。