JP6509973B2 - 符号化方法、符号化装置、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、音響信号の符号化技術に関する。特に、音響信号に由来するサンプル列を利得で除算して得られる系列の符号化技術に関する。
低ビット(例えば10kbit/s〜20kbit/s程度)の音声信号や音響信号の符号化方法として、DFT(離散フーリエ変換)やMDCT(変形離散コサイン変換)などの直交変換係数に対する適応符号化が知られている。例えば非特許文献1の標準規格技術であるAMR-WB+(Extended Adaptive Multi-Rate Wideband)は、TCX(transform coded excitation:変換符号化励振)符号化モードを持つ。TCX符号化においては、フレームごとに与えられた総ビット数での符号化が行えるように、周波数領域の音響信号系列をパワースペクトル包絡系列によって正規化して得られる係数列について、係数列中の各係数を利得で除算して得られる系列を所定のビット数で符号化できるように利得を決定する。
<符号化装置500>
従来のTCX符号化のための符号化装置500の構成例を図1に例示する。以下、図1の各部について説明する。
<周波数領域変換部5001>
周波数領域変換部5001は、所定の時間区間であるフレーム単位で、入力された時間領域の音声音響ディジタル信号(以下、入力音響信号)を周波数領域のN点のMDCT係数列X(1),・・・,X(N)に変換して出力する。ただし、Nは正整数である。
<パワースペクトル包絡系列計算部5002>
パワースペクトル包絡系列計算部5002は、フレーム単位で入力音響信号に対する線形予測分析を行って線形予測係数を求め、その線形予測係数を用いてN点の入力音響信号のパワースペクトル包絡系列W(1),・・・,W(N)を得て出力する。また、線形予測係数は例えば従来的な符号化技術によって符号化されて予測係数符号が復号側へ伝送される。
<重み付け包絡正規化部5003>
重み付け包絡正規化部5003は、パワースペクトル包絡系列計算部5002が得たパワースペクトル包絡系列W(1),・・・,W(N)の各値を用いて、周波数領域変換部5001が得たMDCT係数列の各係数X(1),・・・,X(N)の各値を正規化し、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)を出力する。ここでは聴覚的に歪が小さくなるような量子化の実現のために、重み付け包絡正規化部5003は、パワースペクトル包絡を鈍らせた重み付けパワースペクトル包絡系列を用いて、フレーム単位でMDCT係数列の各係数を正規化する。この結果、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)は、入力されたMDCT係数列X(1),・・・,X(N)ほどの大きな振幅の傾きや振幅の凹凸を持たないが、入力音響信号のパワースペクトル包絡系列と類似の大小関係を有するもの、すなわち、低い周波数に対応する係数側の領域にやや大きな振幅を持ち、ピッチ周期に起因する微細構造をもつもの、となる。
<利得調整符号化部5100>
利得調整符号化部5100は、入力された重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)の各係数を利得gで割り算し、その結果を量子化した整数値による系列である量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化して得られる整数信号符号のビット数が、予め配分されたビット数である配分ビット数B以下、かつ、なるべく大きな値、となるような利得gに対応する利得符号と、整数信号符号と、を出力する。
利得調整符号化部5100は、初期化部5104、周波数領域系列量子化部5105、可変長符号化部5106、判定部5107、利得下限設定部5108、第1分岐部5109、第1利得更新部5110、利得拡大部5111、利得上限設定部5112、第2分岐部5113、第2利得更新部5114、利得縮小部5115、切り捨て部5116、利得符号化部5117、により構成される。
<初期化部5104>
初期化部5104は、利得gの初期値を設定する。利得の初期値は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)のエネルギーと可変長符号化部5106が出力する符号に予め配分されたビット数などから決めることができる。以下、可変長符号化部5106が出力する符号に予め配分されたビット数を配分ビット数Bと呼ぶ。また、初期化部5104は、利得の更新回数の初期値として0を設定する。
<周波数領域系列量子化部5105>
周波数領域系列量子化部5105は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN (N)の各係数を利得gで割り算して得られる値を量子化して、整数値による系列である量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を得て出力する。
<可変長符号化部5106>
可変長符号化部5106は、入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を可変長符号化して符号を得て出力する。この符号を整数信号符号と呼ぶ。この可変長符号化には、例えば、量子化正規化済係数系列中の複数の係数を纏めて符号化する方法を用いる。また、可変長符号化部5106は、可変長符号化で得た整数信号符号のビット数を計測する。以下では、このビット数を消費ビット数cと呼ぶ。
<判定部5107>
判定部5107は、利得の更新回数が予め定めた回数の場合、または可変長符号化部5106が計測した消費ビット数cが配分ビット数Bである場合は、利得、整数信号符号、消費ビット数cを出力する。
利得の更新回数が予め定めた回数未満である場合は、可変長符号化部5106が計測した消費ビット数cが配分ビット数Bより多い場合には利得下限設定部5108が、可変長符号化部5106が計測した消費ビット数cが配分ビット数Bより少ない場合には利得上限設定部5112が、次の処理を行うように制御する。
<利得下限設定部5108>
利得下限設定部5108は、今回の利得gの値を利得の下限値gminとして設定する(gmin←g)。この利得の下限値gminは、少なくとも利得の値はこれ以上であるべきことを意味する。
<第1分岐部5109>
次に第1分岐部5109は、利得の上限値gmaxが既に設定されている場合には第1利得更新部5110が、そうでない場合には利得拡大部5111が、次の処理を行うように制御する。また、第1分岐部5109は、利得の更新回数に1を加算する。
<第1利得更新部5110>
第1利得更新部5110は、例えば、今回の利得gの値と利得の上限値gmaxの平均値を新たに利得gの値として設定する(g←(g+gmax)/2)。これは、最適な利得の値は、今回の利得gの値と利得の上限値gmaxとの間に存在するからである。今回の利得gの値は利得の下限値gminとして設定されているので、利得の上限値gmaxと利得の下限値gminの平均値を新たに利得gの値として設定するとも言える(g←(gmax+gmin)/2)。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部5105に入力される。
<利得拡大部5111>
利得拡大部5111は、今回の利得gの値より大きな値を新たな利得gの値として設定する。例えば、今回の利得gの値に予め定めた正値である利得変更量Δgを加算したものを新たな利得gの値として設定する(g←g+Δg)。また例えば、利得の上限値gmaxが設定されずに、消費ビット数cが配分ビット数Bより多い状態が複数回続いている場合には、予め定めた値より大きな値を利得変更量Δgとして用いる。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部5105に入力される。
<利得上限設定部5112>
利得上限設定部5112は、今回の利得gの値を利得の上限値gmaxと設定する(gmax←g)。この利得の上限値gmaxは、少なくとも利得の値はこれ以下であるべきことを意味する。
<第2分岐部5113>
次に第2分岐部5113は、利得の下限値gminが既に設定されている場合には第2利得更新部5114が、そうでない場合には利得縮小部5115が、次の処理を行うように制御する。また、第2分岐部5113は、利得の更新回数に1を加算する。
<第2利得更新部5114>
第2利得更新部5114は、例えば、今回の利得gの値と利得の下限値gminの平均値を新たな利得gの値として設定する(g←(g+gmin)/2)。これは、最適な利得の値は、今回の利得gの値と利得の下限値gminとの間に存在するからである。今回の利得gの値は利得の上限値gmaxとして設定されているので、利得の上限値gmaxと利得の下限値gminの平均値を新たに利得gの値として設定するとも言える(g←(gmax+gmin)/2)。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部5105に入力される。
<利得縮小部5115>
利得縮小部5115は、今回の利得gの値より小さな値を新たな利得gの値として設定する。例えば、今回の利得gの値から予め定めた正値である利得変更量Δgを減算したものを新たな利得gの値として設定する(g←g−Δg)。また例えば、利得の下限値gminが設定されずに、消費ビット数cが配分ビット数Bより少ない状態が複数回続いている場合には、予め定めた値より大きな値を利得変更量Δgとして用いる。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部5105に入力される。
<切り捨て部5116>
切り捨て部5116は、判定部5107が出力した消費ビット数cが配分ビット数Bより多い場合には、判定部5107が出力した整数信号符号のうち、消費ビット数cが配分ビット数Bを上回る分だけの符号を、高い周波数側の量子化正規化済係数に対応する符号から取り除いたものを、新たな整数信号符号として出力する。例えば切り捨て部5116は、消費ビット数cの配分ビット数Bに対する上回り分c−Bに対応する高い周波数側の量子化正規化済係数に対応する符号を整数信号符号から取り除くことで得られる、残りの符号を、新たな整数信号符号として出力する。一方、判定部5107が出力した消費ビット数cが配分ビット数Bより多くない場合には、切り捨て部5116は、判定部5107が出力した整数信号符号を出力する。
<利得符号化部5117>
利得符号化部5117は、判定部5107が出力した利得を所定のビット数で符号化して利得符号を得て出力する。
一方、整数信号を効率良く可変長符号化する方法として、特許文献1に記載された周期性を利用した符号化方法がある。この方法では、量子化正規化済係数系列を、基本周波数に対応するサンプルを含む一つまたは連続する複数のサンプルおよび、基本周波数の整数倍に対応するサンプルを含む一つまたは連続する複数のサンプルが集まるように並べ替え、並べ替え後のサンプル列を可変長符号化して整数信号符号を得る。これにより、隣接するサンプルの振幅の変化が少なくなり、可変長符号化の効率を高めることが可能となっている。
また、特許文献1には、周期性を利用した符号化方法である並べ替え後のサンプル列を可変長符号化して整数信号符号を得る方法と、周期性を利用しない符号化方法である並べ替え前のサンプル列を可変長符号化して整数信号符号を得る方法とのうち、整数信号符号のビット数が少なくなる方法、または、整数信号符号のビット数が少なくなると期待される方法、を選択して整数信号符号を得る方法も記載されている。これにより、同じ符号化歪のもとでのビット数が少ない整数信号符号を得ることが可能となっている。
国際公開第2012/046685号
3rd Generation Partnership Project(3GPP), Technical Specification (TS) 26.290, "Extended Adaptive Multi-Rate - Wideband (AMR-WB+) codec; Transcoding functions", Version 10.0.0 (2011-03)
特許文献1に記載された従来の技術では、周期性を利用した符号化方法または周期性を利用しない符号化方法の何れを用いて整数信号符号を得る場合であっても、可変長符号化を行なう前に利得を決定している。このため、同じ歪のもとで整数信号符号のビット数を少なくすることはできるが、与えられたビット数以内に符号量を保つという条件の下で、可変長符号化によるビット削減、と、できるだけ小さい利得値を使うことで量子化歪を低減することとを両立させることは考慮されていない。
可変長符号化による歪を低減するためには、特許文献1に記載された従来の技術に、非特許文献1に記載された従来の技術を組み合わせる必要がある。しかし、この組み合わせた方法では、周期性を利用した符号化方法と、周期性を利用しない符号化方法と、のそれぞれにおいて上記の利得調整符号化部の処理を行う必要があり、演算処理量が非常に多くなるという問題がある。
所定の時間区間ごとの音響信号に由来する周波数領域のサンプル列を得、周波数領域のサンプル列の周期性の程度を示す指標を算出する。
指標が「周期性が高いこと」に対応する場合に、周波数領域のサンプル列の各サンプルを利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である整数値系列と、当該整数値系列を「周期性を利用した符号化方法」で符号化すると仮定したときの符号量の推定値または「周期性を利用した符号化方法」で符号化して得られる符号とを、ループ処理により利得の値を調整して得、さらに当該整数値系列を、「周期性を利用しない符号化方法」で符号化すると仮定したときの符号量の推定値または「周期性を利用しない符号化方法」で符号化して得られる符号を得、符号量またはその推定値が小さくなる符号化方法で当該整数値系列を符号化して得られる整数信号符号を出力する。
指標が「周期性が高いこと」に対応しない場合に、周波数領域のサンプル列の各サンプルを利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である整数値系列と、当該整数値系列を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化すると仮定したときの符号量の推定値または「周期性を利用しない符号化方法」で符号化して得られる符号と、をループ処理により利得の値を調整して得、さらに当該整数値系列を、「周期性を利用した符号化方法」で符号化すると仮定したときの符号量の推定値または「周期性を利用した符号化方法」で符号化して得られる符号を得、符号量またはその推定値が小さくなる符号化方法で当該整数値系列を符号化して得られる整数信号符号を出力する。
本発明によれば、与えられたビット数以内に符号量を保つという条件の下で、できるだけ小さい利得の値を使うことで量子化歪を低減することと、符号化して得られる整数信号符号の符号量を少なくすることと、を少ない演算処理量で両立させることが可能となる。
従来の符号化装置の構成を例示したブロック図。 第1実施形態の符号化装置の構成を例示したブロック図。 第1実施形態の周期性利用利得調整符号量推定部の構成を例示したブロック図。 第1実施形態の周期性非利用利得調整符号量推定部の構成を例示したブロック図。 第2実施形態の符号化装置の構成を例示したブロック図。 第2実施形態の周期性利用利得調整符号化部の構成を例示したブロック図。 第2実施形態の周期性非利用利得調整符号化部の構成を例示したブロック図。
図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、重複する構成要素には同じ参照符号を当てて重複説明を省略する。
[第1実施形態]
<符号化装置100(図2)>
図2から4を参照して第1実施形態の符号化装置100の構成および処理を説明する。
図2に例示するように、第1実施形態の符号化装置100は、周波数領域変換部1001、パワースペクトル包絡系列計算部1002、重み付け包絡正規化部1003、周期性分析部1004、周期性利用利得調整符号量推定部1100、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120、周期性非利用利得調整符号量推定部1200、第2周期性利用可変長符号量推定部1220、比較選択符号化部1300、および伝送利得符号化部1400を有する。符号化装置100は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)やRAM(random-access memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータに、所定のプログラムが読み込まれて構成される装置である。CPUは電子回路(circuitry)の一種であるが、符号化装置100を構成する一部またはすべての処理部がその他の電子回路(circuitry)によって構成されていてもよい。
<周波数領域変換部1001>
周波数領域変換部1001は、所定の時間区間であるフレーム単位で、入力された時間領域の音響ディジタル信号(以下、入力音響信号)を周波数領域のN点のMDCT係数列X(1),・・・,X(N)に変換して出力する。ただし、Nは正整数である。
<パワースペクトル包絡系列計算部1002>
パワースペクトル包絡系列計算部1002は、フレーム単位で入力音響信号に対する線形予測分析を行って線形予測係数を求め、その線形予測係数を用いてN点の入力音響信号のパワースペクトル包絡系列W(1),・・・,W(N)を得て出力する。N点のパワースペクトル包絡系列の各係数W(1),・・・,W(N)は、線形予測係数を周波数領域に変換して得ることができる。例えば、全極型モデルであるp次自己回帰過程により(ただしpは正整数)、時刻tでの入力音響信号x(t)は、p時点まで遡った過去の自分自身の値x(t-1),・・・,x(t-p)と予測残差e(t)と線形予測係数α1,・・・,αpによって式(1)で表される。このとき、パワースペクトル包絡系列の各係数W(n)[1≦n≦N]は式(2)で表される。exp(・)はネイピア数を底とする指数関数、jは虚数単位、σ2は予測残差エネルギーである。
Figure 0006509973
なお、パワースペクトル包絡系列計算部1002が線形予測係数を求めるのではなく、符号化装置100内の図示しない他の手段が線形予測係数を求めてもよい。また、復号装置でも符号化装置100で得られた値と同じ値を得る必要があるため、量子化された線形予測係数および/またはパワースペクトル包絡系列が利用される。以後の説明において、特に断りが無い限り、「線形予測係数」ないし「パワースペクトル包絡系列」は量子化された線形予測係数ないしパワースペクトル包絡系列を意味する。また、線形予測係数は例えば従来的な符号化技術によって符号化されて予測係数符号が復号側へ伝送される。従来的な符号化技術とは、例えば、線形予測係数そのものに対応する符号を予測係数符号とする符号化技術、線形予測係数をLSPパラメータに変換してLSPパラメータに対応する符号を予測係数符号とする符号化技術、線形予測係数をPARCOR係数に変換してPARCOR係数に対応する符号を予測係数符号とする符号化技術、などである。
<重み付け包絡正規化部1003>
重み付け包絡正規化部1003は、周波数領域変換部1001が得たMDCT係数列X(1),・・・,X(N)の各値を、パワースペクトル包絡系列計算部1002が得たパワースペクトル包絡系列の各値W(1),・・・,W(N)を用いて正規化し、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)(すなわち、所定の時間区間ごとの音響信号に由来する周波数領域のサンプル列)を得て出力する。ここでは聴覚的に歪が小さくなるような量子化の実現のために、重み付け包絡正規化部1003は、パワースペクトル包絡を鈍らせた重み付けパワースペクトル包絡系列の各値を用いて、MDCT係数列の各係数を正規化する。この結果、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)は、周波数領域変換部1001が得たMDCT係数列X(1),・・・,X(N)ほどの大きな振幅の傾きや振幅の凹凸を持たないが、入力音響信号のパワースペクトル包絡系列と類似の大小関係を有するもの、すなわち、低い周波数に対応する係数側の領域にやや大きな振幅を持ち、ピッチ周期に起因する微細構造をもつもの、となる。
[重み付け包絡正規化処理の具体例]
ここでは、重み付け包絡正規化処理の具体例として二つの例を示すが、本発明ではこれらの例に限定されるものではない。
<例1>
重み付け包絡正規化部1003は、MDCT係数列の各係数X(1),・・・,X(N)を当該各係数に対応するパワースペクトル包絡系列の各値W(n)の補正値Wγ(n)の平方根sqrt(Wγ(n))で除算することによって、重み付け正規化MDCT係数列の各係数XN(1)=X(1)/sqrt(Wγ(1)),・・・,XN(N)=X(N)/sqrt(Wγ(N))を得る処理を行う。補正値Wγ(n)[1≦n≦N]は式(3)で与えられる。但し、γは1以下の正の定数であり、パワースペクトル係数を鈍らせる定数である。
Figure 0006509973
<例2>
重み付け包絡正規化部1003は、MDCT係数列の各係数X(n)を当該各係数に対応するパワースペクトル包絡系列の各値W(n)のβ乗(0<β<1)の値W(n)βの平方根sqrt(W(n)β)で除算することによって、重み付け正規化MDCT係数列の各係数XN(1)=X(1)/sqrt(W(1)β),・・・,XN(N)=X(N)/sqrt(W(N)β)を得る処理を行う。
この結果、フレーム単位の重み付け正規化MDCT係数列が得られるが、重み付け正規化MDCT係数列は周波数領域変換部1001が得たMDCT係数列ほどの大きな振幅の傾きや振幅の凹凸を持たないが、周波数領域変換部1001が得たMDCT係数列のパワースペクトル包絡と類似の大小関係を有するもの、すなわち、低い周波数に対応する係数側の領域にやや大きな振幅を持ち、ピッチ周期に起因する微細構造をもつもの、となる。
なお、重み付け包絡正規化処理に対応する逆処理、つまり、重み付け正規化MDCT係数列からMDCT係数列を復元する処理が復号側にて行われるため、パワースペクトル包絡系列から重み付けパワースペクトル包絡系列を算出する方法を符号化側と復号側で共通の設定にしておくことが必要である。
<周期性分析部1004>
周期性分析部1004は、重み付け包絡正規化部1003が出力した重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)を入力とし、それらの周期性の程度を示す指標S(すなわち、周波数領域のサンプル列の周期性の程度を示す指標)と、当該重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)の周期Tとを得て出力する。
また周期性分析部1004は、周期Tを符号化して周期Tに対応する符号である周期符号を得て出力する。周期Tの符号化方法は、復号装置で周期符号から周期Tと同じ値を復号できるものであれば何でもよい。さらに周期性分析部1004は、指標Sを符号化して指標Sに対応する符号である指標符号を得て出力してもよい。指標Sの符号化方法は、復号装置で指標符号から指標Sと同じ値を復号できるものであれば何でもよい。なお、復号装置で指標符号を用いることなく指標Sを計算できるのであれば、周期性分析部1004が指標符号を得たり出力したりしなくてもよい。
周期性の程度を示す指標Sは、重み付け正規化MDCT係数の振幅が周期的に大きくなる程度を示す指標である。つまり、Sの値が大きいほど周期性の程度が大きい(周期性が高い)ことを示す指標であれば何でもよい。周期性の程度を示す指標Sは、比較選択符号化部1300へ入力される。また、指標Sに対応する指標符号が生成される場合、指標符号は復号装置へ送られる。
周期Tは、重み付け正規化MDCT係数が周期的に大きな値となる間隔に対応する情報である。周期Tは正値である。周期Tは、整数であってもよいし、小数(例えば、5.0、5.25、5.5、5.75)であってもよい。周期Tは、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい場合(H:指標Sが「周期性が高い」ことに対応する場合、すなわち周期性が高い場合)には、周期性利用利得調整符号量推定部1100と比較選択符号化部1300へ入力され、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下の場合(L:指標Sが「周期性が高い」ことに対応しない場合、すなわち「周期性が低い」ことに対応する場合、言い換えると周期性が低い場合)には、第2周期性利用可変長符号量推定部1220と比較選択符号化部1300へ入力される。この判定は、周期性分析部1004で行ってもよいし、図示していないその他の手段で行われてもよい。周期Tに対応する周期符号は復号装置へ送られる。
以下、周期性の程度を示す指標Sの一例を示す。重み付け正規化MDCT係数XN(i) (i=1,2,…,N)におけるiを重み付け正規化MDCT係数のインデックスとよぶ。重み付け正規化MDCT係数の振幅が周期的に大きくなるということは、所定の間隔をTf(ただしTfは正整数)として、Tfの整数倍のインデックスに対応する係数XN(V×Tf)(ただしVは正整数)の値が他のインデックスに対応する係数よりも大きいことを意味する。結果として、周期性の程度が高いほど、Tfの整数倍の値をインデックスとする重み付け正規化MDCT係数の振幅の絶対値の総和が大きくなる。よって、周期性の程度を示す指標Sを、例えば
Figure 0006509973

により得る。ここで、G1(Tf)は、「Tfの整数倍のインデックスの集合」、つまり、G1(Tf)={Tf, 2Tf, 3Tf, …, Vmax×Tf}である(区分基準1)。ただし、VmaxはVmax×Tf≦Nを満たす正整数である。Vmax×Tf≦Nを満たす最大の正整数がVmaxであってもよいし、Vmax×Tf≦Nを満たす最大の正整数よりも小さな正整数がVmaxであってもよい。また、|XN(k)|はXN(k)の絶対値を表す。振幅の絶対値の代わりに、振幅の二乗(エネルギー)の総和を指標Sとして用いてもよい。
Figure 0006509973
振幅の絶対値の総和やエネルギーの総和が大きいということはその平均値も大きいので、振幅の平均を指標Sとして用いてもよい。
Figure 0006509973

ここで、card(G1(Tf))は集合G1(Tf)の要素数、つまり、G1(Tf)に含まれるインデックスの総数を表す。その他、G1(Tf)に含まれるインデックスに対応する振幅XN(k)の大きさの単調増加関数値の総和や平均や重み付け和を指標Sとしてもよい。これらの指標Sはいずれも値が大きいほど周期性の程度が高いことに対応する指標である。
なお、周期性の程度が高いときには、Tfの整数倍のインデックスの近傍のインデックスの係数、例えば、XN(V×Tf-1)やXN(V×Tf +1)も、それ以外のインデックスの係数と比較して振幅が大きくなる可能性が高い。よって、G1(Tf)の中に、Tfの整数倍のインデックス(すなわち、Tf, 2Tf, 3Tf, …, Vmax×Tf)だけではなく、Tfの整数倍の近傍のインデックスも含めてもよい(区分基準2)。例えば、G1(Tf)={Tf-1, Tf, Tf+1, 2Tf-1, 2Tf, 2Tf+1,…, Vmax×Tf-1, Vmax×Tf, Vmax×Tf+1}であってもよい。なお、Tfの整数倍のインデックスの近傍のインデックスは、V×Tf以上、V×Tf+δ以下の整数である。ただし、δ,δは正整数であり、δ=δであってもδ≠δであってもよい。その他、Tfの整数倍のインデックスとTfの整数倍のインデックスの近傍のインデックスとからなる集合の一部のインデックスからなる集合をG1(Tf)としてもよい(区分基準3)。例えば、Tfの整数倍のインデックスの一部とTfの整数倍のインデックスの近傍のインデックスの一部とからなる集合をG1(Tf)としてもよいし、Tfの整数倍のインデックスの一部のみからなる集合をG1(Tf)としてもよいし、Tfの整数倍のインデックスの近傍のインデックスのみからなる集合をG1(Tf)としてもよいし、Tfの整数倍のインデックスの近傍のインデックスの一部のみからなる集合をG1(Tf)としてもよい。この場合の「インデックスの一部」の選択方法に限定はなく、例えば、所定の周波数に対応するインデックス以下のインデックス(例えば、所定の周波数以下の周波数に対応するインデックス)を「インデックスの一部」としてもよいし、所定の周波数に対応するインデックス以上のインデックス(例えば、所定の周波数以上の周波数に対応するインデックス)を「インデックスの一部」としてもよい。
また、Tfが正の小数であってもよい。この場合には、上述の何れかの区分基準の「Tf」を「Tfの小数点以下の値を四捨五入した値R(Tf)」に置換した区分基準に則って集合G1(Tf)を設定してもよい(以下、αの小数点以下の値を四捨五入した値をR(α)と表現する)。上述の何れかの区分基準の「Tfの整数倍」を「Tfの整数倍の小数点以下の値を四捨五入した値」に置換した区分基準に則って集合G1(Tf)を設定してもよい。上述の何れかの区分基準の「Tfの整数倍」および「Tfの整数倍の近傍」をそれぞれ「Tfの整数倍の小数点以下の値を四捨五入した値」および「Tfの整数倍の近傍の小数点以下の値を四捨五入した値」に置換した区分基準に則って集合G1(Tf)を設定してもよい。例えば、G1(Tf)={R(Tf), 2R(Tf), 3R(Tf), …, Vmax×R(Tf)}であってもよいし、G1(Tf)={R(Tf), R(2Tf), R(3Tf), …, R(Vmax×Tf)}であってもよいし、G1(Tf)={R(Tf)-1, R(Tf), R(Tf)+1, 2R(Tf)-1, 2R(Tf), 2R(Tf)+1,…, Vmax×R(Tf)-1, Vmax×R(Tf), Vmax×R(Tf)+1}であってもよいし、G1(Tf)={R(Tf)-1, R(Tf), R(Tf)+1, R(2Tf)-1, R(2Tf), R(2Tf)+1,…, R(Vmax×Tf)-1, R(Vmax×Tf), R(Vmax×Tf)+1}であってもよいし、G1(Tf)={R(Tf-1), R(Tf), R(Tf+1), R(2Tf-1), R(2Tf), R(2Tf+1),…, R(Vmax×Tf-1), R(Vmax×Tf), R(Vmax×Tf+1)}であってもよい。
Tfは、周波数領域でのピッチ周期に対応する。周波数領域でのピッチ周期は正の整数であってもよいし、正の小数であってもよい。符号化装置100内の図示しない手段により周波数領域のピッチ周期Tpが求まっている場合はTpを周期Tとして出力するとともに、TpをTfとして上述の指標Sを得て出力すればよい。符号化装置100内の図示しない手段により周波数領域の基本周波数fが求まっている場合は、サンプリング周波数をfsとして、T=fs/fまたはT=R(fs/f)を周期Tとして出力するとともに、このTをTfとして用いて上述の指標Sを得て出力すればよい。また、符号化装置100内の図示しない手段により時間領域の基本周波数やピッチ周期が求まっている場合には、それを周波数領域の周期に換算して得た換算間隔T’を周期Tとして出力するとともに、このT(=T’)をTfとして用いて上述の指標Sを得て出力すればよい。例えば、換算間隔T’は、以下の式(7)または(8)によって計算できる。
T’=N×2/L‐1/2 (7)
T’=INT(N×2/L) (8)
ただし、Lは時間領域のピッチ周期であり、「INT()」は()内の数値の小数点以下を切り捨てた値を表す。ここで、式(7)によって得られる換算間隔T’は整数とは限らない。一方、式(8)は式(7)に1/2を加えて小数点以下を切り捨てることで小数点以下を四捨五入したものである。よって、式(8)によって得られる換算間隔T’は整数である。
また、時間領域で求めた基本周波数やピッチ周期を周波数領域に換算して得た換算間隔T’の整数倍U’×T’や、周波数領域で求めたピッチ周期Tpの整数倍U×Tpのそれぞれを周期の候補として、各候補をTfとして上述の指標Sを算出し、その中の最大値を周期性の程度を示す指標Sとして出力するとともに、最大値を与える候補を周期Tとして出力してもよい。ただし、UおよびU’は正整数である。具体的には、以下のような処理を行ってもよい。
まず周期性分析部1004は、例えば、予め定められた範囲に属するUおよび/またはU’について、U’×T’および/またはU×Tpを周期の候補とする。「予め定められた範囲」は1を含んだ範囲であってもよいし、1を含まない範囲であってもよい。例えば、予め定められた範囲が1以上8以下である場合、T’,2T’,3T’,4T’,5T’,6T’,7T’,8T’および/またはTp,2Tp,3Tp,4Tp,5Tp,6Tp,7Tp,8Tpが周期の候補となり、予め定められた範囲が3以上8以下である場合、3T’,4T’,5T’,6T’,7T’,8T’および/または3Tp,4Tp,5Tp,6Tp,7Tp,8Tpが周期の候補となる。次に、周期性分析部1004は、各周期の候補をそれぞれTfとして集合G1(Tf)を決定し、それぞれの候補に対して例えば上述のように指標Sを求める。その後、周期性分析部1004は、求めた指標Sのうち最大のものを選択し、それを周期性の程度を示す指標Sとして出力するとともに、最大値を与える候補を周期Tとして出力する。
他の例として、換算間隔T’とその整数倍U’×T’および/またはピッチ周期Tpとその整数倍U×Tpだけではなく、それらの値の近傍をも周期の候補とし、各候補をTfとして上述の指標Sを算出し、その中の最大値を周期性の程度を示す指標Sとして出力するとともに、最大値を与える候補を周期Tとして出力してもよい。例えば、予め定められた範囲が1以上8以下である場合、T’-1,T’,T’+1,2T’-1,2T’,2T’+1,3T’-1,3T’,3T’+1,4T’-1,4T’,4T’+1,5T’-1,5T’,5T’+1,6T’-1,6T’,6T’+1,7T’-1,7T’,7T’+1,8T’-1,8T’,8T’+1および/またはTp-1,Tp,Tp+1,2Tp-1,2Tp,2Tp+1,3Tp-1,3Tp,3Tp+1,4Tp-1,4Tp,4Tp+1,5Tp-1,5Tp,5Tp+1,6Tp-1,6Tp,6Tp+1,7Tp-1,7Tp,7Tp+1,8Tp-1,8Tp,8Tp+1を周期の候補としてもよい。あるいは、換算間隔T’とその整数倍U’×T’および/またはピッチ周期Tpとその整数倍U×Tpを除く、これらの近傍を周期の候補としてもよい。例えば、予め定められた範囲が1以上8以下である場合、T’-1,T’+1,2T’-1,2T’+1,3T’-1,3T’+1,4T’-1,4T’+1,5T’-1,5T’+1,6T’-1,6T’+1,7T’-1,7T’+1,8T’-1,8T’+1および/またはTp-1,Tp+1,2Tp-1,2Tp+1,3Tp-1,3Tp+1,4Tp-1,4Tp+1,5Tp-1,5Tp+1,6Tp-1,6Tp+1,7Tp-1,7Tp+1,8Tp-1,8Tp+1を周期の候補としてもよい。その他、換算間隔T’とその整数倍U’×T’および/またはピッチ周期Tpとその整数倍U×Tp、ならびに、それらの値の近傍からなる集合の一部の要素のみを周期の候補としてもよい。また、「予め定められた範囲」は1個の区間からなる範囲であってもよいし、複数個の区間からなる範囲であってもよい。例えば、1以上3以下の区間および7以上10以下の区間からなる範囲を予め定められた範囲としてもよい。
<周期性利用利得調整符号量推定部1100(図2)>
周期性利用利得調整符号量推定部1100の処理は、周期性分析部1004等で、指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)と判定された場合に実行される。周期性利用利得調整符号量推定部1100の処理は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)および周期Tを入力とし、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)および第1周期性利用符号量推定値cH1を、利得ループ処理(すなわち、ループ処理)により利得gの値を調整して求めて出力する。なお、ループ処理(loop process)は、反復収束処理(iterative convergence process)やrate-loopと言い換えることができる。
利得gとは、重み付け正規化MDCT係数列の各係数XN(1),・・・,XN(N)を正規化するための値であり、重み付け正規化MDCT係数XN(n)と量子化正規化済係数XQ(n)との比に相当する(n=1,2,…,N)。なお、1つの重み付け正規化MDCT係数列に含まれる各係数XN(1),・・・,XN(N)は、共通の利得gを用いて正規化するものとする。すなわち、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)の各係数XN(n)を共通の利得gで除算した値XN(n)/gを整数値に量子化した値XQ(n)の系列である。この量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、「周波数領域のサンプル列の各サンプルを利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である整数値系列」に相当する。第1周期性利用符号量推定値cH1は、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)(すなわち、整数値系列)を、周期性を利用した符号化方法で符号化すると仮定したときの量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)の符号量の推定値である。利得ループ処理とは、例えば、利得下限設定部1105、第1分岐部1106、第1利得更新部1107、利得拡大部1108により利得の値を大きくしたり、利得上限設定部1109、第2分岐部1110、第2利得更新部1111、利得縮小部1112により利得の値を小さくしたりしながら繰り返される処理である。前述の非特許文献1のAMR-WB+等でも利得ループ処理の一例が用いられている。
周期性利用利得調整符号量推定部1100は、周期性分析部1004が出力した量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)および周期Tを入力とし、利得ループ処理で利得gを調整することにより、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)が「周期性を利用した符号化方法」で符号化されると仮定したときの符号量の推定値(推定ビット数)が、予め配分されたビット数である配分ビット数B以下、かつ、なるべく大きな値、となるような量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N) (すなわち、整数値系列)を求めて出力する。また、このときの推定ビット数を出力する。周期性利用利得調整符号量推定部1100が出力する推定ビット数は周期性を利用した符号化方法の符号量の推定値であるので、「第1周期性利用符号量推定値cH1」と呼ぶ。
周期性利用利得調整符号量推定部1100の詳細構成を図3に例示する。周期性利用利得調整符号量推定部1100は、例えば初期化部1101、周波数領域系列量子化部1102、第1周期性利用可変長符号量推定部1103、判定部1104、利得下限設定部1105、第1分岐部1106、第1利得更新部1107、利得拡大部1108、利得上限設定部1109、第2分岐部1110、第2利得更新部1111、利得縮小部1112、により構成される。
<初期化部1101(図3)>
初期化部1101は、利得gの初期値を設定する。利得の初期値は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)のエネルギーと比較選択符号化部1300が出力する符号に予め配分されたビット数などから決めることができる。利得gの初期値は正値である。以下、比較選択符号化部1300が出力する整数信号符号に予め配分されたビット数を配分ビット数Bと呼ぶ。また、初期化部1101は、利得の更新回数の初期値として0を設定する。
<周波数領域系列量子化部1102>
周波数領域系列量子化部1102は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)の各値を利得gで割り算して得られる値XN(1)/g,・・・,XN(N)/gを量子化して、整数値による系列である量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を得て出力する。出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は第1周期性利用可変長符号量推定部1103に入力される。
<第1周期性利用可変長符号量推定部1103>
第1周期性利用可変長符号量推定部1103は、周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」により可変長符号化すると仮定して、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号の符号量の推定値(推定ビット数)cを求め、当該推定ビット数cと量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)とを出力する。第1周期性利用可変長符号量推定部1103から出力された推定ビット数cと量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、判定部1104に入力される。
[周期性を利用した符号化方法]
「周期性を利用した符号化方法」により可変長符号化する方法を例示する。周期性を利用した符号化方法では、例えば、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)のうちの周期Tの整数倍に対応する係数(以下、サンプルとも呼ぶ)を含む一つまたは連続する複数のサンプル、の全部または一部のサンプルによるサンプル群Gr1と、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)のうちのサンプル群Gr1に含まれないサンプルによるサンプル群Gr2と、が異なる符号化基準に従って(区別して)符号化される。
≪サンプル群Gr1,Gr2の具体例≫
サンプル群Gr1は、例えば、G1(Tf)をTf=Tとした集合G1(T)に含まれるインデックスk∈G1(T)に対応するサンプルXQ(k)からなる集合{XQ(k)|k∈G1(T) and k∈{1,・・・,N}}である。この場合のサンプル群Gr2は、インデックスの集合{1,・・・,N}のうち集合G1(T)に含まれないインデックスi∈{1,・・・,N}\G1(T)に対応するサンプルXQ(i)からなる集合{XQ(i)|i∈{1,・・・,N}\G1(T)}である。
例えば、周期Tが整数であり、G1(T)={T, 2T, 3T,・・・,Vmax×T}である場合、Gr1={XQ(T), XQ(2T), XQ(3T),・・・,XQ(Vmax×T)}であり、Gr2={XQ(1),・・・,XQ(T-1), XQ(T+1),・・・,XQ(2T-1), XQ(2T+1),・・・,XQ(Vmax×T-1), XQ(Vmax×T+1),・・・,XQ(N)}である。例えば、周期Tが整数であり、G1(T)={T-1, T, T+1, 2T-1, 2T, 2T+1,・・・,Vmax×T-1, Vmax×T , Vmax×T+1}である場合、Gr1={XQ(T-1), XQ(T), XQ(T+1), XQ(2T-1), XQ(2T), XQ(2T+1),・・・,XQ(Vmax×T-1), XQ(Vmax×T), XQ(Vmax×T+1)}であり、Gr2={XQ(1),・・・,XQ(T-2), XQ(T+2),・・・,XQ(2T-2), XQ(2T+2),・・・,XQ(Vmax×T-2), XQ(Vmax×T+2),・・・,XQ(N)}である。例えば、周期Tが正の小数であり、G1(T)={R(T), R(2T), R(3T),・・・,R(Vmax×T)}である場合、Gr1={XQ(R(T)), XQ(R(2T)), XQ(R(3T)),・・・,XQ(R(Vmax×T))}であり、Gr2={XQ(1),・・・,XQ(R(T)-1), XQ(R(T)+1),・・・,XQ(R(2T)-1), XQ(R(2T)+1),・・・,XQ(R(Vmax×T)-1), XQ(R(Vmax×T)+1),・・・,XQ(N)}である。例えば、周期Tが正の小数であり、G1(T)={R(T-1), R(T), R(T+1), R(2T-1), R(2T), R(2T+1),・・・,R(Vmax×T-1), R(Vmax×T), R(Vmax×T+1)}である場合、Gr1={XQ(R(T-1)), XQ(R(T)), XQ(R(T+1)), XQ(R(2T-1)), XQ(R(2T)), XQ(R(2T+1)),・・・,XQ(R(Vmax×T-1)), XQ(R(Vmax×T)), XQ(R(Vmax×T+1))}であり、Gr2={XQ(1),・・・,XQ(R(T-1)-1), XQ(R(T+1)+1),・・・,XQ(R(2T-1)-1), XQ(R(2T+1)+1),・・・,XQ(R(Vmax×T-1)-1), XQ(R(Vmax×T+1)+1),・・・,XQ(N)}である。
なお、指標Sを得る際の集合G1(Tf)と同じ区分基準に則って集合G1(T)が設定されてもよいが、指標Sを得る際の集合G1(Tf)と異なる区分基準に則って集合G1(T)が設定されてもよい。例えば、G1(Tf)が区分基準1に則って設定され、G1(T)が区分基準2に則って設定されてもよい。すなわち、G1(Tf)が{Tf, 2Tf, 3Tf,・・・,Vmax×Tf}である場合に、G1(T)が{T-1, T, T+1, 2T-1, 2T, 2T+1,・・・,Vmax×T-1, Vmax×T, Vmax×T+1}であってもよい。あるいは、前述したのと異なる方法で指標Sを得、前述の何れかの区分基準に則って集合G1(T)が設定されてもよい。その他、サンプル群Gr1を構成する各サンプル群に含まれるサンプルの個数やサンプルインデックスを可変としてもよいし、サンプル群Gr1を構成する各サンプル群に含まれるサンプルの個数とインデックスの組み合わせが異なる複数の選択肢の中から選択された一つを表す情報が補助情報として出力されてもよい。
≪周期性を利用した符号化方法の具体例≫
サンプル群Gr1に含まれるサンプルはサンプル群Gr2に含まれるサンプルよりも平均的に振幅が大きい。このとき、例えば、サンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応する符号化基準に従ってサンプル群Gr1に含まれるサンプルを可変長符号化し、サンプル群Gr2に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応する符号化基準に従ってサンプル群Gr2に含まれるサンプルを可変長符号化する。このような構成とすることで、サンプル列に含まれる全てのサンプルを同じ符号化基準に従って可変長符号化する場合よりも、サンプルの振幅の推定精度をあげることができるので、可変長符号の平均符号量を少なくすることできる。すなわち、サンプル群Gr1とサンプル群Gr2とを互いに異なる符号化基準に従って符号化すれば、サンプル列の符号量を少なくする効果が得られる。振幅の大きさの例は、振幅の絶対値、振幅のエネルギーなどである。
≪ライス符号化の例≫
可変長符号化として1サンプルごとのライス符号化を用いる例を説明する。
この可変長符号化では、サンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応するライスパラメータを用いてサンプル群Gr1に含まれるサンプルを1サンプルごとにライス符号化する。また、サンプル群Gr2に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応するライスパラメータを用いてサンプル群Gr2に含まれるサンプルを1サンプルごとにライス符号化し、ライス符号化によって得られた符号列と、ライスパラメータを特定するための補助情報とを出力する。
例えば、各フレームでサンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさの平均から、当該フレームでのサンプル群Gr1のライスパラメータを求める。例えば、各フレームでサンプル群Gr2に含まれるサンプルの振幅の大きさの平均から、当該フレームでのサンプル群Gr2のライスパラメータを求める。ライスパラメータは0以上の整数である。各フレームで、サンプル群Gr1のライスパラメータを用いてサンプル群Gr1に含まれるサンプルをライス符号化し、サンプル群Gr2のライスパラメータを用いてサンプル群Gr2に含まれるサンプルをライス符号化する。これによって平均符号量を削減できる。このことを詳細に説明する。
まず、サンプル群Gr1に含まれるサンプルを1サンプルごとにライス符号化する場合を例にとる。サンプル群Gr1に含まれるサンプルXQ(k)を1サンプルごとにライス符号化して得られる符号は、サンプル群Gr1のライスパラメータsに対応する値でサンプルXQ(k)を除算して得られる商q(k)をアルファ符号化したprefix(k)と、その剰余を特定するsub(k)とを含む。すなわち、この例でのサンプルXQ(k)に対応する符号はprefix(k)とsub(k)とを含む。なお、ライス符号化対象となるサンプルXQ(k)は整数表現されたものである。
以下にq(k)およびsub(k)の算出方法を例示する。
ライスパラメータs>0の場合、以下のように商q(k)が生成される。ただし、floor(χ)はχ以下の最大の整数である。
q(k)=floor(XQ(k)/2s-1) (for XQ(k)≧0) (B1)
q(k)=floor{(-XQ(k)-1)/2s-1} (for XQ(k)<0) (B2)
ライスパラメータs=0の場合、以下のように商q(k)が生成される。
q(k)=2×XQ(k) (for XQ(k)≧0) (B3)
q(k)=-2×XQ(k)-1 (for XQ(k)<0) (B4)
ライスパラメータs>0の場合、以下のようにsub(k)が生成される。
sub(k)= XQ(k)-2s−1×q(k)+2s-1(for XQ(k)≧0) (B5)
sub(k)=(-XQ(k)-1)-2s-1×q(k) (for XQ(k)<0) (B6)
ライスパラメータs=0の場合、sub(k)はnullである(sub(k)=null)。
式(B1)〜(B4)を共通化して商q(k)を表現すると以下ようになる。ただし、|・|は・の絶対値を示す。
q(k)=floor{(2×|XQ(k)|-z)/2s} (z=0 or 1 or 2) (B7)
ライス符号化の場合、prefix(k)は商q(k)をアルファ符号化した符号であり、その符号量は、式(B7)を用いて以下のように表現できる。
floor{(2×|XQ(k)|-z)/2s}+1 (B8)
ライス符号化の場合、式(B5)(B6)の剰余を特定するsub(k)はsビットで表現される。よって、サンプル群Gr1に含まれるサンプルXQ(k)に対応する符号(prefix(k)およびsub(k))の総符号量C(s,XQ(k),Gr1)は、以下のようになる。
Figure 0006509973

ここでfloor{(2×|XQ(k)|-z)/2s}=(2×|XQ(k)|-z)/2sと近似すると、式(B9)は以下のように近似できる。ただし、|Gr1|は、1フレームでのサンプル群Gr1に含まれるサンプルXQ(k)の個数を表す。
Figure 0006509973
式(B10)のsについての偏微分結果を0にするsをs’と表現する。
s’=log2{ln2×(2×D/|Gr1|-z)} (B11)
D/|Gr1|がzよりも十分大きいならば、式(B11)は以下のように近似できる。
s’=log2{ln2×(2×D/|Gr1|)} (B12)
式(B12)で得られるs’は整数化されていないため、s’を整数に量子化した値をライスパラメータsとする。このライスパラメータsは、サンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさの平均D/|Gr1|に対応し(式(B12)参照)、サンプル群Gr1に含まれるサンプルXQ(k)に対応する符号の総符号量を最小化する。
以上のことは、サンプル群Gr2に含まれるサンプルをライス符号化する場合についても同様である。従って、各フレームで、サンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさの平均からサンプル群Gr1のためのライスパラメータを求め、サンプル群Gr2に含まれるサンプルの振幅の大きさの平均からサンプル群Gr2のためのライスパラメータを求め、サンプル群Gr1とサンプル群Gr2とを区別してライス符号化を行うことで、総符号量を最小化できる。
なお、近似された式(B10)による総符号量C(s,XQ(k),Gr1)の評価は、サンプルXQ(k)の振幅の大きさの変動が小さいほど適切なものとなる。そのため、特にサンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさがほぼ均等であり、なおかつ、サンプル群Gr2に含まれるサンプルの振幅の大きさがほぼ均等である場合に、より大きな符号量削減効果が得られる。
[周期性を利用した符号化方法で可変長符号化すると仮定したときの整数信号符号の推定ビット数の算出方法]
次に、周期性を利用した符号化方法で可変長符号化すると仮定したときの整数信号符号の推定ビット数cの算出方法を例示する。例えば可変長符号化として1サンプルごとのライス符号化を用いる場合、実際に可変長符号化せずとも、サンプル群Gr1に対して好ましいライスパラメータs1とサンプル群Gr2に対して好ましいライスパラメータs2とを計算し、サンプルの値が或る指数分布に従うと仮定することによって、ライスパラメータとサンプル数から総符号量を推定することができる。具体的には、式(B10)におけるDを、サンプル群Gr1に含まれるサンプルXQ(k)の値が指数分布に従うと仮定したときの推定値D1に置き換え、sをs1に置き換えて得られるC(s1,XQ(k),Gr1)を、サンプル群Gr1の符号量の推定値とすればよい。例えば、推定値D1は、上記の指数分布に従ったサンプルの値の期待値にサンプル群Gr1に含まれるサンプルXQ(k)の個数を乗じた値である。サンプル群Gr2の符号量の推定値も同様の方法で、式(B10)におけるGr1をGr2に置き換え、Dを、サンプル群Gr2に含まれるサンプルXQ(k)の値が指数分布に従うと仮定したときの推定値D2に置き換え、sをs2に置き換えて得られる推定値C(s2,XQ(i),Gr2)をサンプル群Gr2の符号量の推定値とすればよい。例えば、推定値D2は、上記の指数分布に従ったサンプルの値の期待値にサンプル群Gr2に含まれるサンプルXQ(i)の個数を乗じた値である。そのため、入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」で符号化すると仮定したときの量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)の符号量の推定値(推定ビット数c)は、例えば、これらの符号量の推定値の和、C(s1,XQ(k),Gr1)+C(s2,XQ(i),Gr2)である(ただし、XQ(k)∈Gr1 and XQ(i)∈Gr2)。
<判定部1104>
判定部1104は、利得の更新回数が予め定めた回数の場合、または第1周期性利用可変長符号量推定部1103で出力した推定ビット数cが配分ビット数Bである場合は、第1周期性利用可変長符号量推定部1103から入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)と推定ビット数cを出力する。判定部1104が出力する推定ビット数cが、「第1周期性利用符号量推定値cH1」である。
判定部1104から出力される量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120と比較選択符号化部1300に入力される。また、判定部1104から出力される推定ビット数である第1周期性利用符号量推定値cH1は比較選択符号化部1300に入力される。
利得の更新回数が予め定めた回数未満である場合、判定部1104は、第1周期性利用可変長符号量推定部1103が出力した推定ビット数cが配分ビット数Bより多い場合には利得下限設定部1105が、当該推定ビット数cが配分ビット数Bより少ない場合には利得上限設定部1109が、それぞれ次の処理を行うように制御する。
<利得下限設定部1105>
利得下限設定部1105は、今回の利得gの値を利得の下限値gminとして設定する(gmin←g)。この利得の下限値gminは、少なくとも利得の値はこれ以上であるべきことを意味する。
<第1分岐部1106>
利得下限設定部1105での処理の次に、第1分岐部1106は、利得の上限値gmaxが既に設定されている場合には第1利得更新部1107が、そうでない場合には利得拡大部1108が、次の処理を行うように制御する。また、第1分岐部1106は、利得の更新回数に1を加算する。
<第1利得更新部1107>
第1利得更新部1107は、例えば、今回の利得gの値と利得の上限値gmaxの平均値を新たに利得gの値として設定する(g←(g+gmax)/2)。これは、最適な利得の値は、今回の利得gの値と利得の上限値gmaxとの間に存在するからである。今回の利得gの値は利得の下限値gminとして設定されているので、利得の上限値gmaxと利得の下限値gminの平均値を新たに利得gの値として設定するとも言える(g←(gmax+gmin)/2)。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部1102に入力される。
<利得拡大部1108>
利得拡大部1108は、今回の利得gの値より大きな値を新たな利得gの値として設定する。例えば、今回の利得gの値に予め定めた正値である利得変更量Δgを加算したものを新たな利得gの値として設定する(g←g+Δg)。また例えば、利得の上限値gmaxが設定されずに、推定ビット数cが配分ビット数Bより多い状態が複数回続いている場合には、予め定めた値より大きな値を利得変更量Δgとして用いる。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部1102に入力される。
<利得上限設定部1109>
利得上限設定部1109は、今回の利得gの値を利得の上限値gmaxと設定する(gmax←g)。この利得の上限値gmaxは、少なくとも利得の値はこれ以下であるべきことを意味する。
<第2分岐部1110>
利得上限設定部1109の処理の次に、第2分岐部1110は、利得の下限値gminが既に設定されている場合には第2利得更新部1111が、そうでない場合には利得縮小部1112が、次の処理を行うように制御する。また、第2分岐部1110は、利得の更新回数に1を加算する。
<第2利得更新部1111>
第2利得更新部1111は、例えば、今回の利得gの値と利得の下限値gminの平均値を新たな利得gの値として設定する(g←(g+gmin)/2)。これは、最適な利得の値は、今回の利得gの値と利得の下限値gminとの間に存在するからである。今回の利得gの値は利得の上限値gmaxとして設定されているので、利得の上限値gmaxと利得の下限値gminの平均値を新たに利得gの値として設定するとも言える(g←(gmax+gmin)/2)。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部1102に入力される。
<利得縮小部1112>
利得縮小部1112は、今回の利得gの値より小さな値を新たな利得gの値として設定する。例えば、今回の利得gの値から予め定めた正値である利得変更量Δgを減算したものを新たな利得gの値として設定する(g←g−Δg)。また例えば、利得の下限値gminが設定されずに、推定ビット数cが配分ビット数Bより少ない状態が複数回続いている場合には、予め定めた値より大きな値を利得変更量Δgとして用いる。新たに設定された利得gは周波数領域系列量子化部1102に入力される。
<第2周期性非利用可変長符号量推定部1120(図2)>
第2周期性非利用可変長符号量推定部1120の処理は、周期性分析部1004等で周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)と判定された場合に実行される。第2周期性非利用可変長符号量推定部1120は、周期性利用利得調整符号量推定部1100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)(すなわち、周期性利用利得調整符号量推定部1100で求めた整数値系列)を、周期性を利用しない符号化方法で可変長符号化すると仮定して、当該量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号の符号量の推定値(推定ビット数)を求め、当該推定ビット数を出力する。第2周期性非利用可変長符号量推定部1120が出力する推定ビット数は周期性を利用しない符号化方法の符号量推定値であるので、「第2周期性非利用符号量推定値cL2」と呼ぶ。第2周期性非利用可変長符号量推定部1120から出力される推定ビット数である第2周期性非利用符号量推定値cL2は比較選択符号化部1300に入力される。
[周期性を利用しない符号化方法で可変長符号化すると仮定したときの整数信号符号の推定ビット数の算出方法]
周期性を利用しない符号化方法で可変長符号化すると仮定したときの整数信号符号の推定ビット数の算出方法を例示する。ここでは、入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)をライス符号化により符号化すると仮定したときの符号量の推定値を求める例を示す。例えば、式(B10)におけるサンプル群Gr1を入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)からなるサンプル列全体Grに置換し、Dを入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に含まれるサンプルXQ(n)(ただし、n=1,・・・,N)の値が指数分布に従うと仮定したときの推定値Dに置き換え、サンプル列全体Grに対して好ましいライスパラメータをsとして得られるC(s,XQ(n),Gr)を符号量の推定値(整数値系列を、周期性を利用しない符号化方法で符号化すると仮定したときの整数信号符号の符号量の推定値)とすればよい。例えば、推定値Dは、上記の指数分布に従ったサンプルの値の期待値にサンプル列全体Grに含まれるXQ(n)の個数Nを乗じた値である。
<周期性非利用利得調整符号量推定部1200(図2)>
周期性非利用利得調整符号量推定部1200の処理は、周期性分析部1004等で、指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)と判定された場合に実行される。周期性非利用利得調整符号量推定部1200は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)を入力とし、利得ループ処理で利得gを調整することにより、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化すると仮定したときの符号量の推定値(推定ビット数)が予め配分されたビット数である配分ビット数B以下、かつ、なるべく大きな値、となるような量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を求めて出力する。この量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、「周波数領域のサンプル列の各サンプルを利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である整数値系列」に相当する。また、周期性非利用利得調整符号量推定部1200は、このときの推定ビット数(すなわち、整数値系列を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化すると仮定したときの整数信号符号の符号量の推定値)を出力する。周期性非利用利得調整符号量推定部1200が出力する推定ビット数は、周期性を利用しない符号化方法の符号量の推定値であるので、「第1周期性非利用符号量推定値cL1」と呼ぶ。つまり、周期性利用利得調整符号量推定部1100では「周期性を利用した符号化方法を仮定したときの推定ビット数」を得るのに対し、周期性非利用利得調整符号量推定部1200では「周期性を利用しない符号化方法を仮定したときの推定ビット数」を得る点が異なる。
周期性非利用利得調整符号量推定部1200の詳細構成を図4に例示する。周期性非利用利得調整符号量推定部1200は、周期性利用利得調整符号量推定部1100の「第1周期性利用可変長符号量推定部1103」を「第1周期性非利用可変長符号量推定部1203」に置き換え、「判定部1104」を「判定部1204」に置き換えたものである。これに伴い、残りの各部では「第1周期性利用可変長符号量推定部1103」から出力される符号量の推定値(周期性利用符号量推定値)の代わりに、「第1周期性非利用可変長符号量推定部1203」から出力される符号量の推定値(周期性非利用符号量推定値)が用いられる点が異なるものの、機能は周期性利用利得調整符号量推定部1100の各部と全く同じである。よって、周期性利用利得調整符号量推定部1100と原理的に同じ処理を行う処理部については同じ名称及び参照符号を用いる。ただし、同じ名称及び参照符号が割り当てられている処理部は、物理的に同一の処理部であってもよいし、物理的に異なる処理部であってもよい。以下、周期性利用利得調整符号量推定部1100と異なる処理を中心に説明する。
<第1周期性非利用可変長符号量推定部1203(図4)>
第1周期性非利用可変長符号量推定部1203は、周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」により可変長符号化すると仮定して、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号の符号量の推定値(推定ビット数)cを求め、当該推定ビット数cと量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)とを出力する。第1周期性非利用可変長符号量推定部1203から出力された推定ビット数cと量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、判定部1104に入力される。なお、周期性を利用しない可変長符号化方法の具体例は、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120で説明したものと同じである。
第1周期性非利用可変長符号量推定部1203は、符号量の推定対象が周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)であるのに対し、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120は、符号量の推定対象が周期性利用利得調整符号量推定部1100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)である点、及び第1周期性非利用可変長符号量推定部1203では推定ビット数cに加えて、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)も出力する点が異なる。
<判定部1204>
判定部1204は、利得の更新回数が予め定めた回数の場合、または第1周期性非利用可変長符号量推定部1203が出力した推定ビット数(周期性非利用符号量推定値)cが配分ビット数Bである場合は、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)と推定ビット数cを出力する。ここで出力される推定ビット数cが「第1周期性非利用符号量推定値cL1」である。
判定部1204から出力される量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、第2周期性利用可変長符号量推定部1220と比較選択符号化部1300に入力される。また、判定部1204から出力される推定ビット数である第1周期性非利用符号量推定値cL1は比較選択符号化部1300に入力される。
利得の更新回数が予め定めた回数未満である場合、判定部1204は、第1周期性非利用可変長符号量推定部1203が出力した推定ビット数cが配分ビット数Bより多い場合には利得下限設定部1105が、当該推定ビット数cが配分ビット数Bより少ない場合には利得上限設定部1109が、それぞれ前述の処理を行うように制御する。その後の利得下限設定部1105、第1分岐部1106、第1利得更新部1107、利得拡大部1108、利得上限設定部1109、第2分岐部1110、第2利得更新部1111、および利得縮小部1112によって行われる処理は、前述の周期性利用利得調整符号量推定部1100(図2)の欄で説明した通りである。
<第2周期性利用可変長符号量推定部1220(図2)>
第2周期性利用可変長符号量推定部1220の処理は、周期性分析部1004等で、指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)と判定された場合に実行される。第2周期性利用可変長符号量推定部1220は、周期性非利用利得調整符号量推定部1200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)および周期性分析部1004から出力された周期Tを入力とし、当該量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」で可変長符号化すると仮定して、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号の符号量の推定値(推定ビット数)を求め、当該推定ビット数を出力する。第2周期性利用可変長符号量推定部1220が出力する推定ビット数は周期性を利用した符号化方法の符号量推定値であるので、「第2周期性利用符号量推定値cH2」と呼ぶ。第2周期性利用可変長符号量推定部1220から出力される推定ビット数である第2周期性利用符号量推定値cH2は、比較選択符号化部1300に入力される。周期性を利用した符号化方法の具体例は、第1周期性利用可変長符号量推定部1103で説明したものと同じである。
第1周期性利用可変長符号量推定部1103は、符号量の推定対象が周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)であるのに対し、第2周期性利用可変長符号量推定部1220は、符号量の推定対象が周期性非利用利得調整符号量推定部1200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)である点、及び第1周期性利用可変長符号量推定部1103では第1周期性利用符号量推定値cH1に加えて、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)も出力する点が異なる。
[周期性利用利得調整符号量推定部1100及び周期性非利用利得調整符号量推定部1200の意図]
周期性利用利得調整符号量推定部1100及び周期性非利用利得調整符号量推定部1200の意図は、符号量が小さいと期待される方の符号化方法を仮定して、利得ループ処理により、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)とその符号量の推定値を決定することにある。符号量の推定の際に仮定する符号化方法は、入力音響信号の周期性の高さ(周期性の程度を示す指標S)に基づいて決定する。入力音響信号の周期性が高い場合には、周期性を利用した符号化方法の方が、符号量が小さくなる可能性が高いため、周期性利用利得調整符号量推定部1100は、周期性を利用した符号化方法を仮定して利得ループ処理を行う。入力音響信号の周期性が低い場合には、周期性を利用しない符号化方法の方が、符号量が小さくなる可能性が高いため、周期性非利用利得調整符号量推定部1200は、周期性を利用しない符号化方法を仮定して利得ループ処理を行う。
[第2周期性非利用可変長符号量推定部1120及び第2周期性利用可変長符号量推定部1220の意図]
第2周期性非利用可変長符号量推定部1120と第2周期性利用可変長符号量推定部1220の意図は、符号量が小さいと期待される符号化方法を仮定して得た量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を代用(流用)して、他方の符号化方法を仮定したときの符号量の推定値を求めることにある。利得ループ処理を行わないことで、演算量を削減することができる。
<比較選択符号化部1300>
利得ループ処理において仮定した符号化方法(すなわち、符号量が小さいと期待される符号化方法)による符号量推定値、すなわち、周期性利用利得調整符号量推定部1100または周期性非利用利得調整符号量推定部1200から出力される推定ビット数を第1符号量推定値cと呼ぶ。また、符号量が小さいと期待される符号化方法を仮定して得た量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を代用して推定された推定ビット数、すなわち、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120または第2周期性利用可変長符号量推定部1220から出力される推定ビット数を第2符号量推定値cと呼ぶ。つまり、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)場合は第1符号量推定値c=cH1であり、第2符号量推定値c=cL2である。周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)の場合は、第1符号量推定値c=cL1であり、第2符号量推定値c=cH2である。
比較選択符号化部1300には、第1符号量推定値c、第2符号量推定値c、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)、周期T、および周期性の程度を示す指標Sが入力される。比較選択符号化部1300は、入力された第1符号量推定値cと第2符号量推定値cとを比較し、小さい方の符号量推定値を得るときに仮定した符号化方法を用いて、入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化して整数信号符号を得る。
すなわち、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)場合には、比較選択符号化部1300は、周期性利用利得調整符号量推定部1100から出力された第1周期性利用符号量推定値cH1と第2周期性非利用可変長符号量推定部1120から出力された第2周期性非利用符号量推定値cL2とを比較し、小さい方の符号量推定値を得るときに仮定した符号化方法を用いて、周期性利用利得調整符号量推定部1100が出力した量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化して整数信号符号を得る。また、周期性利用利得調整符号量推定部1100が出力した量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を伝送利得符号化部1400に出力する。
また、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも小さい(周期性が低い)場合には、比較選択符号化部1300は、周期性非利用利得調整符号量推定部1200から出力された第1周期性非利用符号量推定値cL1と第2周期性利用可変長符号量推定部1220から出力された第2周期性利用符号量推定値cH2とを比較し、小さい方の符号量推定値を得るときに仮定した符号化方法を用いて、周期性非利用利得調整符号量推定部1200が出力した量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化して整数信号符号を得る。また、周期性非利用利得調整符号量推定部1200が出力した量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を伝送利得符号化部1400に出力する。
「小さい方の符号量推定値を得るときに仮定した符号化方法」とは、「小さい方の符号量推定値」が第1周期性利用符号量推定値cH1または第2周期性利用符号量推定値cH2のときは「周期性を利用した符号化方法」であり、「小さい方の符号量推定値」が第1周期性非利用符号量推定値cL1または第2周期性非利用符号量推定値cL2のときは「周期性を利用しない符号化方法」である。
すなわち、第1周期性利用符号量推定値cH1が第2周期性非利用符号量推定値cL2より大きい場合に、比較選択符号化部1300は、周期性利用利得調整符号量推定部1100で求めた量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化して整数信号符号を得る。第1周期性利用符号量推定値cH1が第2周期性非利用符号量推定値cL2より小さい場合に、比較選択符号化部1300は、周期性利用利得調整符号量推定部1100で求めた量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」で符号化して整数信号符号を得る。第1周期性非利用符号量推定値cL1が第2周期性利用符号量推定値cH2より大きい場合に、比較選択符号化部1300は、周期性非利用利得調整符号量推定部1200で求めた量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」で符号化して整数信号符号を得る。第1周期性非利用符号量推定値cL1が第2周期性利用符号量推定値cH2より小さい場合に、比較選択符号化部1300は、周期性非利用利得調整符号量推定部1200で求めた量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化して整数信号符号を得る。
なお、c=cの場合は、原理的にはどちらの符号化方法を採用してもよいが、例えば、第1符号量推定値cを得るときに仮定した符号化方法を優先的に採用することとする。
また、比較選択符号化部1300は、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化して得られた整数信号符号のビット数が配分ビット数Bより多い場合には、符号化して得られた整数信号符号のうち、ビット数が配分ビット数Bを上回る分の符号(切り捨て符号)を取り除いたものを、整数信号符号として出力する。量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化して得られた整数信号符号のビット数が配分ビット数Bより多くない場合には、比較選択符号化部1300は、符号化して得られた整数信号符号をそのまま出力する。比較選択符号化部1300から出力された整数信号符号は復号装置に送られる。
[変形例1]
前述の利得ループ処理での利得の更新回数の上限を定めた「予め定めた回数」が十分大きければ、周期性利用利得調整符号量推定部1100及び周期性非利用利得調整符号量推定部1200の処理から、第1符号量推定値cは配分ビット数Bを上回らない。一方、利得ループ処理により得た量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を代用して推定した符号量である第2符号量推定値cは配分ビット数Bを上回る場合もあり得る。
上述のように、比較選択符号化部1300では、符号化して得られた整数信号符号が配分ビット数Bを上回る場合には符号の切り捨てが生じる。切り捨てられた符号に対応する量子化正規化済係数は、復号装置では復号できないため、その分復号音響信号の品質が低下する。よって、符号の切り捨ては生じない方が好ましい。
以上のことを考慮して、比較選択符号化部1300は、第2符号量推定値cが配分ビット数Bを上回らない場合にのみ、第1符号量推定値cとの比較を行うこととしてもよい。この場合、比較選択符号化部1300の処理は以下のようになる。
比較選択符号化部1300は、第2符号量推定値cが配分ビット数B以下、かつ、第1符号量推定値cよりも小さい場合には、第2符号量推定値cを得るときに仮定した符号化方法を用いて、入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化し、整数信号符号を得て出力する。それ以外の場合は、第1符号量推定値cを得るときに仮定した符号化方法を用いて、入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化し、整数信号符号を得て出力する。つまり、周期性が高い場合と周期性が低い場合のそれぞれにおいて、以下のような処理となる。
[周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)と判定された場合]
比較選択符号化部1300は、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120から出力された第2周期性非利用符号量推定値cL2が配分ビット数B以下、かつ、第1周期性利用符号量推定値cH1よりも小さい場合には、周期性利用利得調整符号量推定部1100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を、周期性を利用しない符号化方法で可変長符号化して整数信号符号を求める。それ以外の場合には、周期性利用利得調整符号量推定部1100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を、周期性を利用した符号化方法で可変長符号化して整数信号符号を求める。
[周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)と判定された場合]
比較選択符号化部1300は、第2周期性利用可変長符号量推定部1220から出力された第2周期性利用符号量推定値cH2が配分ビット数B以下、かつ、第1周期性非利用符号量推定値cL1よりも小さい場合には、周期性非利用利得調整符号量推定部1200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を、周期性を利用した符号化方法で可変長符号化して整数信号符号を求める。それ以外の場合には、周期性非利用利得調整符号量推定部1200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を、周期性を利用しない符号化方法で可変長符号化して整数信号符号を求める。
[変形例2]
周期性を利用した符号化方法の場合には、符号化のために周期Tが必要となる。これは、復号装置においても復号のために周期Tが必要となることを意味するので、周期Tに対応する符号が復号装置に送られることになる。つまり、周期性を利用した符号化方法では、符号化により得られた整数信号符号に加えて、周期Tに対応する符号も復号装置に送られる分だけ符号量が多くなる。
このことを考慮して、比較選択符号化部1300において符号量推定値を比較する際に、周期性を利用した符号化方法を仮定して求めた符号量推定値に周期Tに対応する符号の符号量c(T)を加えたものと、周期性を利用しない符号化方法を仮定して求めた符号量推定値とを比較してもよい。
つまり、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)場合にはc+c(T)とcとを比較し、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下の(周期性が低い)場合にはcとc+c(T)とを比較してもよい。すなわち、上述した「第1周期性利用符号量推定値cH1=cが第2周期性非利用符号量推定値cL2=cより大きい場合」の処理が「第1周期性利用符号量推定値cに符号量c(T)を加えた値c+c(T)が、第2周期性非利用符号量推定値cより大きい場合」に実行され、「第1周期性利用符号量推定値cが第2周期性非利用符号量推定値cより小さい場合」の処理が「第1周期性利用符号量推定値cに符号量c(T)を加えた値c+c(T)が、第2周期性非利用符号量推定値cより小さい場合」に実行され、「c=cの場合」の処理が「c+c(T)=cの場合」に実行されてもよい。同様に、上述した「第1周期性非利用符号量推定値cL1=cが第2周期性利用符号量推定値cH2=cより大きい場合」の処理が「第1周期性非利用符号量推定値cが、第2周期性利用符号量推定値cに符号量c(T)を加えた値c+c(T)より大きい場合」に実行され、「第1周期性非利用符号量推定値cが上記第2周期性利用符号量推定値cより小さい場合」の処理が「第1周期性非利用符号量推定値cが、第2周期性利用符号量推定値cに符号量c(T)を加えた値c+c(T)より小さい場合」に実行され、「c=cの場合」の処理が「c=c+c(T)の場合」に実行されてもよい。あるいは、このように周期Tに対応する符号の符号量c(T)を考慮した符号量の比較を、変形例1で示した形態に採用してもよい。
[比較選択符号化部1300の意図]
周期性利用利得調整符号量推定部1100や周期性非利用利得調整符号量推定部1200では、推定ビット数cが配分ビット数B以下、かつ、「できるだけ大きな値」となるようにしているのに対して、比較選択符号化部1300では、推定ビット数である第1符号量推定値cと第2符号量推定値cのうち、「推定ビット数が小さい方」を選択する理由を以下に説明する。
周期性利用利得調整符号量推定部1100及び周期性非利用利得調整符号量推定部1200の目的は、量子化歪の小さい量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を求めることである。利得gの値が小さいほど量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対する符号量の推定値は大きくなる一方で、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)から量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を得るときの量子化歪は小さくなる。ゆえに、周期性利用利得調整符号量推定部1100及び周期性非利用利得調整符号量推定部1200では、推定ビット数が配分ビット数B以下で、できるだけ大きな値となるような量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を求める。
第2周期性非利用可変長符号量推定部1120から出力される符号量の推定値は、周期性利用利得調整符号量推定部1100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対する符号量の推定値である。つまり、周期性利用利得調整符号量推定部1100から出力される第1周期性利用符号量推定値cH1と、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120から出力される第2周期性非利用符号量推定値cL2は、同じ量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対する符号量の推定値である。同じ量子化歪のもとでは、符号量が小さい方がより好ましいから、比較選択符号化部1300では推定ビット数が小さい方を選択するのである。
同様に、周期性非利用利得調整符号量推定部1200から出力される第1周期性非利用符号量推定値cL1と、第2周期性利用可変長符号量推定部1220から出力される第2周期性利用符号量推定値cH2は、同じ量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対する符号量の推定値であるから、比較選択符号化部1300では推定ビット数が小さい方を選択するのである。
<伝送利得符号化部1400>
伝送利得符号化部1400は、比較選択符号化部1300から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)と、重み付け包絡正規化部1003から出力された重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)と、から、伝送利得^gを算出し、算出された伝送利得^gに対応する利得符号を出力する。例えば、伝送利得符号化部1400は、
Figure 0006509973

により得られる伝送利得^gを所定のビット数で符号化して利得符号を得て、出力する。つまり、伝送利得符号化部1400は、伝送利得^gの量子化値^gに対応する符号を得て出力する。伝送利得^gは、周期性利用利得調整符号化部または周期性非利用利得調整符号化部の利得ループ処理により決定された利得の近似値(推定値)である。
[第2実施形態]
第1実施形態では、第1周期性利用可変長符号量推定部1103、第2周期性利用可変長符号量推定部1220、第1周期性非利用可変長符号量推定部1203、および第2周期性非利用可変長符号量推定部1120が符号量の推定値を出力し、比較選択符号化部1300が、入力された符号量の推定値を比較して選択した符号化方法で量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を符号化して整数信号符号を得て出力していた。しかしながら、「符号量の推定値」の代わりに「実際に符号化して得られる符号量」で比較を行うことも可能である。以下では、この「実際に符号化して得られる符号量」で比較を行う形態を説明する。
本形態の符号化装置200の構成を図5に例示する。符号化装置200は、符号化装置100の「周期性利用利得調整符号量推定部1100」「周期性非利用利得調整符号量推定部1200」「第2周期性非利用可変長符号量推定部1120」「第2周期性利用可変長符号量推定部1220」および「比較選択符号化部1300」を、それぞれ、「周期性利用利得調整符号化部2100」「周期性非利用利得調整符号化部2200」「第2周期性非利用可変長符号化部2120」「第2周期性利用可変長符号化部2220」および「比較選択部2300」に置き換えたものである。符号化装置200のその他の処理部は、周期性分析部1004が周期Tを比較選択部2300(比較選択符号化部1300から置き換え)に送る必要がない点、伝送利得符号化部1400が比較選択部2300から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を用いる点を除き、符号化装置100と同じである。以下、符号化装置100と異なる処理を中心に説明する。
<周期性利用利得調整符号化部2100>
周期性利用利得調整符号化部2100の処理は、周期性分析部1004等で、指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)と判定された場合に実行される。周期性利用利得調整符号化部2100は、周期性分析部1004が出力した量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)および周期Tを入力とし、利得ループ処理で利得gを調整することにより、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)が「周期性を利用した符号化方法」で符号化して得られる整数信号符号のビット数(符号量)が、予め配分されたビット数である配分ビット数B以下、かつ、なるべく大きな値、となるような量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)(すなわち、整数値系列)を求めて出力する。また、周期性利用利得調整符号化部2100は、このときの整数信号符号を出力する。周期性利用利得調整符号化部2100が出力する整数信号符号は、周期性を利用した符号化方法によって得られる符号であるため「第1周期性利用整数信号符号」と呼ぶ。
周期性利用利得調整符号化部2100の詳細構成を図6に例示する。周期性利用利得調整符号化部2100は、周期性利用利得調整符号量推定部1100の「第1周期性利用可変長符号量推定部1103」を「第1周期性利用可変長符号化部2103」に置き換え、「判定部1104」を「判定部1104’」に置き換えたものである。これに伴い、残りの各部では「第1周期性利用可変長符号量推定部1103」から出力される符号量の推定値(周期性利用符号量推定値)の代わりに、「第1周期性利用可変長符号化部2103」から出力される整数信号符号の符号量が用いられる点が異なるものの、機能は周期性利用利得調整符号量推定部1100の各部と全く同じである。よって、周期性利用利得調整符号量推定部1100と原理的に同じ処理を行う処理部については同じ名称及び参照符号を用いる。以下、周期性利用利得調整符号量推定部1100と異なる処理を中心に説明する。
<第1周期性利用可変長符号化部2103(図6)>
第1周期性利用可変長符号化部2103は、周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」により可変長符号化して、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号を求め、当該整数信号符号と量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)とを出力する。第1周期性利用可変長符号化部2103から出力された数信号符号と量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、判定部1104’に入力される。周期性を利用した符号化方法の具体例は、第1周期性利用可変長符号量推定部1103で説明した通りである。
<判定部1104’>
判定部1104’は、利得の更新回数が予め定めた回数の場合、または第1周期性利用可変長符号化部2103で出力した整数信号符号のビット数c’が配分ビット数Bである場合は、第1周期性利用可変長符号化部2103から入力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)と整数信号符号を出力する。ここで判定部1104’が出力する整数信号符号が「第1周期性利用整数信号符号」である。
判定部1104’から出力される量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、第2周期性非利用可変長符号化部2120と比較選択部2300に入力される。また、判定部1104’から出力される整数信号である第1周期性利用整数信号符号は比較選択部2300に入力される。
利得の更新回数が予め定めた回数未満である場合、判定部1104’は、第1周期性利用可変長符号化部2103が出力した整数信号符号のビット数c’が配分ビット数Bより多い場合には利得下限設定部1105が、当該ビット数c’が配分ビット数Bより少ない場合には利得上限設定部1109が、それぞれ前述の処理を行うように制御する。その後の利得下限設定部1105、第1分岐部1106、第1利得更新部1107、利得拡大部1108、利得上限設定部1109、第2分岐部1110、第2利得更新部1111、および利得縮小部1112によって行われる処理は、前述の周期性利用利得調整符号量推定部1100(図2)の欄で説明した通りである。
<第2周期性非利用可変長符号化部2120(図5)>
第2周期性非利用可変長符号化部2120の処理は、周期性分析部1004等で周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)と判定された場合に実行される。第2周期性非利用可変長符号化部2120は、周期性利用利得調整符号化部2100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)(すなわち、周期性利用利得調整符号化部2100で求めた整数値系列)を、周期性を利用しない符号化方法で可変長符号化して、当該量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号とその符号量(ビット数)を求め、当該整数信号符号を出力する。周期性を利用しない可変長符号化の具体例は、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120で説明した通りである。第2周期性非利用可変長符号化部2120が出力する整数信号符号は、周期性を利用しない符号化方法によって得られる符号であるため「第2周期性非利用整数信号符号」と呼ぶ。第2周期性非利用可変長符号化部2120から出力される整数信号符号である第2周期性非利用整数信号符号は、比較選択部2300に入力される。
<周期性非利用利得調整符号化部2200(図5)>
周期性非利用利得調整符号化部2200の処理は、周期性分析部1004等で、指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)と判定された場合に実行される。周期性非利用利得調整符号化部2200は、重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)を入力とし、利得ループ処理で利得gを調整することにより、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化して得られる整数信号符号の符号量(ビット数)が予め配分されたビット数である配分ビット数B以下、かつ、なるべく大きな値、となるような量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を求めて出力する。周期性非利用利得調整符号化部2200は、このときの整数信号符号を出力する。周期性非利用利得調整符号化部2200が出力する整数信号符号は、周期性を利用しない符号化方法によって得られる符号であるため「第1周期性非利用整数信号符号」と呼ぶ。つまり、周期性利用利得調整符号化部2100では「周期性を利用した符号化方法で符号化して得られる整数信号符号」を得るのに対し、周期性非利用利得調整符号化部2200では「周期性を利用しない符号化方法で符号化して得られる整数信号符号」を得る点が異なる。
周期性非利用利得調整符号化部2200の詳細構成を図7に例示する。周期性非利用利得調整符号化部2200は、周期性利用利得調整符号量推定部1100の「第1周期性利用可変長符号量推定部1103」を「第1周期性非利用可変長符号化部2203」に置き換え、「判定部1104」を「判定部1204’」に置き換えたものである。これに伴い、残りの各部では「第1周期性利用可変長符号量推定部1103」から出力される符号量の推定値(周期性利用符号量推定値)の代わりに、「第1周期性非利用可変長符号化部2203」から出力される整数信号符号の符号量(周期性非利用符号量)が用いられる点が異なるものの、機能は周期性利用利得調整符号量推定部1100の各部と全く同じである。よって、周期性利用利得調整符号量推定部1100と原理的に同じ処理を行う処理部については同じ名称及び参照符号を用いる。なお、図6と図7との間で同じ名称及び参照符号が割り当てられている処理部は、物理的に同一の処理部であってもよいし、物理的に異なる処理部であってもよい。以下、周期性利用利得調整符号量推定部1100と異なる処理を中心に説明する。
<第1周期性非利用可変長符号化部2203(図7)>
第1周期性非利用可変長符号化部2203は、周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」により可変長符号化して、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号を求め、当該整数信号符号と量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)とを出力する。第1周期性非利用可変長符号化部2203から出力された整数信号符号と量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、判定部1204’に入力される。なお、周期性を利用しない可変長符号化方法の具体例は、第2周期性非利用可変長符号量推定部1120で説明した通りである。
第1周期性非利用可変長符号化部2203は、符号化対象が周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)であるのに対し、第2周期性非利用可変長符号化部2120は、符号化対象が周期性利用利得調整符号化部2100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)である点、及び第1周期性非利用可変長符号化部2203では整数信号符号とビット数c’に加えて、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)も出力する点が異なる。
<判定部1204’>
判定部1204’は、利得の更新回数が予め定めた回数の場合、または第1周期性非利用可変長符号化部2203が出力した整数信号符号のビット数(周期性非利用符号量)c’が配分ビット数Bである場合は、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)と整数信号符号を出力する。ここで、判定部1204’が出力する整数信号符号が「第1周期性非利用整数信号符号」である。
判定部1204’から出力される量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)は、第2周期性利用可変長符号化部2220と比較選択部2300に入力される。また、判定部1204’から出力される整数信号符号である第1周期性非利用整数信号符号は、比較選択部2300に入力される。
利得の更新回数が予め定めた回数未満である場合、判定部1204’は、第1周期性非利用可変長符号化部2203が出力した整数信号符号のビット数c’が配分ビット数Bより多い場合には利得下限設定部1105が、当該ビット数c’が配分ビット数Bより少ない場合には利得上限設定部1109が、それぞれ前述の処理を行うように制御する。その後の利得下限設定部1105、第1分岐部1106、第1利得更新部1107、利得拡大部1108、利得上限設定部1109、第2分岐部1110、第2利得更新部1111、および利得縮小部1112によって行われる処理は、前述の周期性利用利得調整符号量推定部1100(図2)の欄で説明した通りである。
<第2周期性利用可変長符号化部2220(図5)>
第2周期性利用可変長符号化部2220の処理は、周期性分析部1004等で、指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)と判定された場合に実行される。第2周期性利用可変長符号化部2220は、周期性非利用利得調整符号化部2200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)および周期性分析部1004から出力された周期Tを入力とし、当該量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」で可変長符号化して、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する整数信号符号を求め、当該整数信号符号を出力する。第2周期性利用可変長符号化部2220が出力する整数信号符号は、周期性を利用した符号化方法によって得られる符号であるため「第2周期性利用整数信号符号」と呼ぶ。第2周期性利用可変長符号化部2220から出力される整数信号符号である第2周期性利用整数信号符号は、比較選択部2300に入力される。周期性を利用した符号化方法の具体例は、第1周期性利用可変長符号量推定部1103で説明したものと同じである。
第1周期性利用可変長符号化部2103は、符号化対象が周波数領域系列量子化部1102から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)であるのに対し、第2周期性利用可変長符号化部2220は、符号化対象が周期性非利用利得調整符号化部2200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)である点、及び第1周期性利用可変長符号化部2103では第1周期性利用符号量cH1’と第1周期性利用整数信号符号に加えて、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)も出力する点が異なる。
<比較選択部2300>
利得ループ処理において仮定した符号化方法(すなわち、符号量が小さいと期待される符号化方法)によって得られた整数信号符号、すなわち、周期性利用利得調整符号化部2100または周期性非利用利得調整符号化部2200から出力される整数信号符号を第1符号と呼ぶ。また、符号量が小さいと期待される符号化方法を仮定して得た量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を代用して得られた整数信号符号、すなわち、第2周期性非利用可変長符号化部2120または第2周期性利用可変長符号化部2220から出力される整数信号符号を第2符号と呼ぶ。つまり、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)場合は、第1符号は第1周期性利用整数信号符号であり、第2符号は第2周期性非利用整数信号符号である。周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)の場合は、第1符号は第1周期性非利用整数信号符号であり、第2符号は第2周期性利用整数信号符号である。
比較選択部2300には、第1符号、第2符号、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)、周期T、および周期性の程度を示す指標Sが入力される。
比較選択部2300は、入力された第1符号と第2符号とを比較し、符号量が小さい方の整数信号符号、および量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を出力する。
すなわち、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)場合には、比較選択部2300は、周期性利用利得調整符号化部2100から出力された第1周期性利用整数信号符号と第2周期性非利用可変長符号化部2120から出力された第2周期性非利用整数信号符号とを比較し、第1周期性利用整数信号符号と第2周期性非利用整数信号符号のうちの符号量が小さい方の符号を整数信号符号とする。
また、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも小さい(周期性が低い)場合には、比較選択部2300は、周期性非利用利得調整符号化部2200から出力された第1周期性非利用整数信号符号と第2周期性利用可変長符号化部2220から出力された第2周期性利用整数信号符号とを比較し、第1周期性非利用整数信号符号と第2周期性利用整数信号符号のうちの符号量が小さい方の符号を整数信号符号とする。
すなわち、第1周期性利用符号量(第1周期性利用整数信号符号の符号量)cH1’が第2周期性非利用符号量(第2周期性非利用整数信号符号の符号量)cL2’より大きい場合に、比較選択部2300は、第2周期性非利用整数信号符号を整数信号符号として選択し、周期性利用利得調整符号化部2100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を出力する。第1周期性利用符号量(第1周期性利用整数信号符号の符号量)cH1’が第2周期性非利用符号量(第2周期性非利用整数信号符号の符号量)cL2’より小さい場合に、比較選択部2300は、第1周期性利用整数信号符号を整数信号符号として選択し、周期性利用利得調整符号化部2100から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を出力する。第1周期性非利用符号量cL1’(第1周期性非利用整数信号符号の符号量)が第2周期性利用符号量(第2周期性利用整数信号符号の符号量)cH2’より大きい場合に、比較選択部2300は、第2周期性利用整数信号符号を整数信号符号として選択し、周期性非利用利得調整符号化部2200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を出力する。第1周期性非利用符号量(第1周期性非利用整数信号符号の符号量)cL1’が第2周期性利用符号量(第2周期性利用整数信号符号の符号量)cH2’より小さい場合に、比較選択部2300は、第1周期性非利用整数信号符号を整数信号符号として選択し、周期性非利用利得調整符号化部2200から出力された量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を出力する。
なお、c’=c’の場合は、原理的にはどちらの符号を選択してもよいが、例えば、第1符号を優先的に採用することとする。
また、比較選択部2300は、第1符号と第2符号のうち符号量が小さい方の整数信号符号のビット数が配分ビット数Bより多い場合には、当該整数信号符号のうち、ビット数が配分ビット数Bを上回る分の符号(切り捨て符号)を取り除いたものを、整数信号符号として出力する。入力された第1符号と第2符号のうち符号量が小さい方の整数信号符号のビット数が配分ビット数Bより多くない場合には、当該整数信号符号をそのまま出力する。比較選択部2300から出力された整数信号符号は復号装置に送られる。
なお、上記では、周期性利用利得調整符号化部2100で第1周期性利用整数信号符号を得て、比較選択部2300は入力された第1周期性利用整数信号符号の符号量cH1’を計算して利用する構成を説明したが、周期性利用利得調整符号化部2100で第1周期性利用整数信号符号の符号量である第1周期性利用符号量cH1’を求めておき、比較選択部2300で、入力された第1周期性利用符号量cH1’を利用してもよい。第2周期性非利用符号量cL2’、第1周期性非利用符号量cL1’、第2周期性利用符号量cH2’、についても同様である、各符号化部で各符号量を求めておき、比較選択部2300で入力された各符号量を利用してもよい。
[変形例3]
前述の変形例1と同様、前述の利得ループ処理での利得の更新回数の上限を定めた「予め定めた回数」が十分大きければ、周期性利用利得調整符号化部2100及び周期性非利用利得調整符号化部2200では、切り捨て符号が生じない。一方、利得ループ処理により得た量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を代用して整数信号符号を得る第2周期性非利用可変長符号化部2120および第2周期性利用可変長符号化部2220では、切り捨て符号が生じる場合もあり得る。切り捨てられた符号に対応する量子化正規化済係数は、復号装置では復号できないため、その分復号音響信号の品質が低下する。よって、切り捨て符号は生じない方が好ましい。以上のことを考慮して、比較選択部2300は、第2周期性非利用可変長符号化部2120や第2周期性利用可変長符号化部2220で切り捨て符号が生じない場合にのみ、第1符号と第2符号の比較を行うこととしてもよい。この場合、比較選択部2300の処理は以下のようになる。
第2符号が配分ビット数B以下であり、かつ、第2符号が第1符号よりも小さい場合には、第2符号を整数信号符号として出力する。それ以外の場合は、第1符号を整数信号符号として出力する。つまり、周期性が高い場合と周期性が低い場合のそれぞれにおいて、以下のような処理となる。
[周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)と判定された場合]
比較選択部2300は、第2周期性非利用可変長符号化部2120から出力された第2周期性非利用整数信号符号のビット数が配分ビット数B以下(すなわち、切り捨て符号が生じておらず)、かつ、第2周期性非利用整数信号符号の符号量が第1周期性利用整数信号符号の符号量よりも小さい場合には、第2周期性非利用整数信号符号を出力する。それ以外の場合には、第1周期性利用整数信号符号を出力する。
[周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下(周期性が低い)と判定された場合]
比較選択部2300は、第2周期性利用可変長符号化部2220から出力された第2周期性利用整数信号符号のビット数が配分ビット数B以下(すなわち、切り捨て符号が生じておらず)、かつ、第2周期性利用整数信号符号の符号量が第1周期性非利用整数信号符号の符号量よりも小さい場合には、第2周期性利用整数信号符号を出力する。それ以外の場合には、第1周期性非利用整数信号符号を出力する。
[変形例4]
前述の変形例3と同様、比較選択部2300において符号量を比較する際に、周期性を利用した符号化方法で求めた符号量に周期Tに対応する符号の符号量c(T)を加えたものと、周期性を利用しない符号化方法で求めた符号量とを比較してもよい。
つまり、第1符号の符号量をc’とし、第2符号の符号量をc’として、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい(周期性が高い)場合にはc’+c(T)とc’とを比較し、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下の(周期性が低い)場合にはc’とc’+c(T)とを比較してもよい。すなわち、上述した「第1周期性利用整数信号符号の符号量cH1’=c’が第2周期性非利用整数信号符号の符号量cL2’=c’より大きい場合」の処理が「第1周期性利用整数信号符号の符号量c’に符号量c(T)を加えた値c’+c(T)が、第2周期性非利用整数信号符号の符号量c’より大きい場合」に実行され、「第1周期性利用整数信号符号の符号量cH1’=c’が第2周期性非利用整数信号符号の符号量cL2’=c’より小さい場合」の処理が「第1周期性利用整数信号符号の符号量c’に符号量c(T)を加えた値c’+c(T)が、第2周期性非利用整数信号符号の符号量c’より小さい場合」に実行され、「c’=c’の場合」の処理が「c’+c(T)=c’の場合」に実行されてもよい。同様に、上述した「第1周期性非利用整数信号符号の符号量cL1’=c’が第2周期性利用整数信号符号の符号量cH2’=c’より大きい場合」の処理が「第1周期性非利用整数信号符号の符号量c’が第2周期性利用整数信号符号の符号量c’に符号量c(T)’を加えた値c’+c(T)’より大きい場合」に実行され、「第1周期性非利用整数信号符号の符号量cL1’=c’が第2周期性利用整数信号符号の符号量cH2’=c’より小さい場合」の処理が「第1周期性非利用整数信号符号の符号量c’が第2周期性利用整数信号符号の符号量c’に符号量c(T)’を加えた値c’+c(T)’より小さい場合」に実行され、「c’=c’の場合」の処理が「c’=c’+c(T)の場合」に実行されてもよい。あるいは、このように周期Tに対応する符号の符号量c(T)を考慮した符号量の比較を、変形例3で示した形態に採用してもよい。
[その他の変形例等]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、利得ループ処理は上述のものに限定されない。すなわち、利得ループ処理は、入力された重み付け正規化MDCT係数列XN(1),・・・,XN(N)の各係数を利得gで割り算し、その結果XN(1)/g,・・・,XN(N)/gを量子化した整数値による系列である量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)に対応する「符号の推定ビット数」または「符号のビット数」が、予め配分されたビット数である配分ビット数B以下、かつ、なるべく大きな値、となるような利得gを探索するものであればよい。ただし、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値THよりも大きい場合(周期性が高い場合)の「符号の推定ビット数」は、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」で符号化すると仮定したときの量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)の符号量の推定値であり、「符号のビット数」は量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用した符号化方法」で符号化して得られる符号の符号量である。また、周期性の程度を示す指標Sが所定の閾値TH以下の場合(周期性が低い場合)の「符号の推定ビット数」は、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化すると仮定したときの量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)の符号量の推定値であり、「符号のビット数」は量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)を「周期性を利用しない符号化方法」で符号化して得られる符号の符号量である。このような利得ループ処理であればどのようなものであってもよい。例えば、利得gに対応する量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)のビット数(または推定ビット数)と配分ビット数Bとの差分に応じた更新量で利得gが更新されてもよい。例えば、利得gに対応する量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)のビット数または推定ビット数(以下、消費ビット数)が配分ビット数Bよりも多く、なおかつ、利得の上限値が設定されていない場合に、量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)の一部または全てのサンプル数から、消費ビット数の配分ビット数に対する上回り分に対応する切り捨て符号に対応する量子化正規化済係数を量子化正規化済係数系列XQ(1),・・・,XQ(N)から取り除いた残りのサンプル数、を減算して得られる値が大きいほど、利得gの更新前の値から更新後の値への増分が大きくなるように利得gの値が更新されてもよい。また、消費ビット数が配分ビット数Bよりも少なく、なおかつ、利得gの下限値が設定されていない場合に、配分ビット数Bから消費ビット数を減算して得られる値が大きいほど、利得の更新前の値から更新後の値への減少分が大きくなるように利得の値が更新されてもよい。また「利得ループ処理」とは、所定の条件を満たすまで、所定の処理を1回以上実行する処理を意味する。利得ループ処理では、所定の処理が反復される場合もあれば、反復されない場合もある。
上述の実施形態において、小数点以下の値を四捨五入することに代えて、小数点以下の値を切り捨てたり、切り上げたりしてもよい。また、αがβよりも大きいか否かの判定は、αとβとを比較してα>βであるか否かによって行われてもよいし、αとγ(ただし、γ>β)とを比較してα≧γであるか否かによって行われてもよい。すなわち、指標Sが周期性が高いことに対応するか否かは、指標Sが所定の閾値THよりも大きいか否か、または、指標Sが所定の閾値TH’(ただし、TH’>TH)以上であるか否か、により判断すればよい。言い換えると、上記の各実施形態およびその変形例において「指標Sが所定の閾値THよりも大きい」を「指標Sが所定の閾値TH’以上」に置き換え、「指標Sが所定の閾値TH以上」を「指標Sが所定の閾値TH’よりも大きい」に置き換えてもよい。
上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例は、非一時的な(non-transitory)記録媒体である。このような記録媒体の例は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等である。
このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録装置に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。
上記実施形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させて本装置の処理機能が実現されたが、これらの処理機能の少なくとも一部がハードウェアで実現されてもよい。
100,200 符号化装置
1100 周期性利用利得調整符号量推定部
1120 第2周期性非利用可変長符号量推定部
1200 周期性非利用利得調整符号量推定部
1220 第2周期性利用可変長符号量推定部
2100 周期性利用利得調整符号化部
2120 第2周期性非利用可変長符号化部
2200 周期性非利用利得調整符号化部
2220 第2周期性利用可変長符号化部

Claims (10)

  1. 所定の時間区間ごとの音響信号に由来する周波数領域のサンプル列を得る周波数領域サンプル列生成ステップと、
    上記周波数領域のサンプル列の周期性の程度を示す指標を算出する周期性分析ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第1利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第1整数値系列と、当該第1整数値系列を周期性を利用した符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第1整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第1周期性利用符号量推定値と、をループ処理により上記第1利得の値を調整して求める周期性利用利得調整符号量推定ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記第1整数値系列を周期性を利用しない符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第1整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第2周期性非利用符号量推定値を求める第2周期性非利用符号量推定ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第2利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第2整数値系列と、当該第2整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第2整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第1周期性非利用符号量推定値と、をループ処理により上記第2利得の値を調整して求める周期性非利用利得調整符号量推定ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第2整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第2周期性利用符号量推定値を得る第2周期性利用符号量推定ステップと、
    上記第1周期性利用符号量推定値に上記周期性を利用した符号化方法で符号化するための周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用符号量推定値より大きい場合に、上記第1整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化して当該第1整数値系列に対応する符号を得て出力し、
    上記第1周期性利用符号量推定値に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用符号量推定値より小さい場合に、上記第1整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化して当該第1整数値系列に対応する符号を得て出力し、
    上記第1周期性非利用符号量推定値が、上記第2周期性利用符号量推定値に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より大きい場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化して当該第2整数値系列に対応する符号を得て出力し、
    上記第1周期性非利用符号量推定値が、上記第2周期性利用符号量推定値に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より小さい場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化して当該第2整数値系列に対応する符号を得て出力する
    比較選択符号化ステップと、
    を含み、
    上記周期性を利用した符号化方法は、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの周期の整数倍に対応するサンプルを含む一つまたは連続する複数のサンプル、の全部または一部のサンプルによるサンプル群Gr1と、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの上記サンプル群Gr1に含まれないサンプルによるサンプル群Gr2と、を異なる符号化基準に従って符号化する符号化方法である
    符号化方法。
  2. 所定の時間区間ごとの音響信号に由来する周波数領域のサンプル列を得る周波数領域サンプル列生成ステップと、
    上記周波数領域のサンプル列の周期性の程度を示す指標を算出する周期性分析ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第1利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第1整数値系列と、当該第1整数値系列を周期性を利用した符号化方法で符号化して得られる符号である第1周期性利用整数信号符号と、をループ処理により上記第1利得の値を調整して求める周期性利用利得調整符号化ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記第1整数値系列を周期性を利用しない符号化方法で符号化して得られる符号である第2周期性非利用整数信号符号を求める第2周期性非利用符号化ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第2利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第2整数値系列と、当該第2整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化して得られる符号である第1周期性非利用整数信号符号と、をループ処理により上記第2利得の値を調整して求める周期性非利用利得調整符号化ステップと、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化して得られる符号である第2周期性利用整数信号符号を得る第2周期性利用符号化ステップと、
    上記第1周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期性を利用した符号化方法で符号化するための周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用整数信号符号の符号量より大きい場合に、上記第2周期性非利用整数信号符号を選択し、
    上記第1周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用整数信号符号の符号量より小さい場合に、上記第1周期性利用整数信号符号を選択し、
    上記第1周期性非利用整数信号符号の符号量が、上記第2周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より大きい場合に、上記第2周期性利用整数信号符号を選択し、
    上記第1周期性非利用整数信号符号の符号量が、上記第2周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より小さい場合に、上記第1周期性非利用整数信号符号を選択する
    比較選択ステップと、
    を含み、
    上記周期性を利用した符号化方法は、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの周期の整数倍に対応するサンプルを含む一つまたは連続する複数のサンプル、の全部または一部のサンプルによるサンプル群Gr1と、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの上記サンプル群Gr1に含まれないサンプルによるサンプル群Gr2と、を異なる符号化基準に従って符号化する符号化方法である
    符号化方法。
  3. 請求項1または2に記載の符号化方法であって、
    上記周期性を利用した符号化方法は、
    上記サンプル群Gr1については、上記サンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応する符号化基準に従って上記サンプル群Gr1に含まれるサンプルを可変長符号化し、
    上記サンプル群Gr2については、上記サンプル群Gr2に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応する符号化基準に従って上記サンプル群Gr2に含まれるサンプルを可変長符号化する
    符号化方法である
    符号化方法。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の符号化方法であって、
    上記指標が周期性が高いことに対応するか否かは、上記指標が所定の閾値より大きいか否か、または、上記指標が所定の閾値以上であるか否か、により判断する、符号化方法。
  5. 所定の時間区間ごとの音響信号に由来する周波数領域のサンプル列を得る周波数領域サンプル列生成部と、
    上記周波数領域のサンプル列の周期性の程度を示す指標を算出する周期性分析部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第1利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第1整数値系列と、当該第1整数値系列を周期性を利用した符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第1整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第1周期性利用符号量推定値と、をループ処理により上記第1利得の値を調整して求める周期性利用利得調整符号量推定部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記第1整数値系列を周期性を利用しない符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第1整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第2周期性非利用符号量推定値を求める第2周期性非利用符号量推定部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第2利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第2整数値系列と、当該第2整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第2整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第1周期性非利用符号量推定値と、をループ処理により上記第2利得の値を調整して求める周期性非利用利得調整符号量推定部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化すると仮定したときの当該第2整数値系列に対応する符号の符号量の推定値である第2周期性利用符号量推定値を得る第2周期性利用符号量推定部と、
    上記第1周期性利用符号量推定値に上記周期性を利用した符号化方法で符号化するための周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用符号量推定値より大きい場合に、上記第1整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化して当該第1整数値系列に対応する符号を得て出力し、
    上記第1周期性利用符号量推定値に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用符号量推定値より小さい場合に、上記第1整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化して当該第1整数値系列に対応する符号を得て出力し、
    上記第1周期性非利用符号量推定値が、上記第2周期性利用符号量推定値に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より大きい場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化して当該第2整数値系列に対応する符号を得て出力し、
    上記第1周期性非利用符号量推定値が、上記第2周期性利用符号量推定値に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より小さい場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化して当該第2整数値系列に対応する符号を得て出力する
    比較選択符号化部と、
    を含み、
    上記周期性を利用した符号化方法は、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの周期の整数倍に対応するサンプルを含む一つまたは連続する複数のサンプル、の全部または一部のサンプルによるサンプル群Gr1と、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの上記サンプル群Gr1に含まれないサンプルによるサンプル群Gr2と、を異なる符号化基準に従って符号化する符号化方法である
    符号化装置。
  6. 所定の時間区間ごとの音響信号に由来する周波数領域のサンプル列を得る周波数領域サンプル列生成部と、
    上記周波数領域のサンプル列の周期性の程度を示す指標を算出する周期性分析部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第1利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第1整数値系列と、当該第1整数値系列を周期性を利用した符号化方法で符号化して得られる符号である第1周期性利用整数信号符号と、をループ処理により上記第1利得の値を調整して求める周期性利用利得調整符号化部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応する場合に、上記第1整数値系列を周期性を利用しない符号化方法で符号化して得られる符号である第2周期性非利用整数信号符号を求める第2周期性非利用符号化部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記周波数領域のサンプル列の各サンプルを第2利得で除算して得られる整数値サンプルによる列である第2整数値系列と、当該第2整数値系列を上記周期性を利用しない符号化方法で符号化して得られる符号である第1周期性非利用整数信号符号と、をループ処理により上記第2利得の値を調整して求める周期性非利用利得調整符号化部と、
    上記指標が周期性が高いことに対応しない場合に、上記第2整数値系列を上記周期性を利用した符号化方法で符号化して得られる符号である第2周期性利用整数信号符号を得る第2周期性利用符号化部と、
    上記第1周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期性を利用した符号化方法で符号化するための周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用整数信号符号の符号量より大きい場合に、上記第2周期性非利用整数信号符号を選択し、
    上記第1周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値が、上記第2周期性非利用整数信号符号の符号量より小さい場合に、上記第1周期性利用整数信号符号を選択し、
    上記第1周期性非利用整数信号符号の符号量が、上記第2周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より大きい場合に、上記第2周期性利用整数信号符号を選択し、
    上記第1周期性非利用整数信号符号の符号量が、上記第2周期性利用整数信号符号の符号量に上記周期に対応する符号の符号量を加えた値より小さい場合に、上記第1周期性非利用整数信号符号を選択する
    比較選択部と、
    を含み、
    上記周期性を利用した符号化方法は、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの周期の整数倍に対応するサンプルを含む一つまたは連続する複数のサンプル、の全部または一部のサンプルによるサンプル群Gr1と、上記第1整数値系列または上記第2整数値系列のうちの上記サンプル群Gr1に含まれないサンプルによるサンプル群Gr2と、を異なる符号化基準に従って符号化する符号化方法である
    符号化装置。
  7. 請求項5または6に記載の符号化装置であって、
    上記周期性を利用した符号化方法は、
    上記サンプル群Gr1については、上記サンプル群Gr1に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応する符号化基準に従って上記サンプル群Gr1に含まれるサンプルを可変長符号化し、
    上記サンプル群Gr2については、上記サンプル群Gr2に含まれるサンプルの振幅の大きさまたはその推定値に対応する符号化基準に従って上記サンプル群Gr2に含まれるサンプルを可変長符号化する
    符号化方法である
    符号化装置。
  8. 請求項5から7の何れかに記載の符号化装置であって、
    上記指標が周期性が高いことに対応するか否かは、上記指標が所定の閾値より大きいか否か、または、上記指標が所定の閾値以上であるか否か、により判断する、符号化装置。
  9. 請求項1からの何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 請求項1からの何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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