JP6509547B2 - 害虫駆除剤ならびにこれを用いた害虫駆除方法 - Google Patents

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Description

本発明は、害虫駆除剤、特に一般家庭の屋外における雨水枡、汚水槽、側溝、排水溜り、庭の窪地、廃タイヤ、植木鉢の水うけや、家屋内の排水口やユニットバスの下等の小水系を処理するため又は匍匐害虫を駆除するための害虫駆除剤、ならびにこれを用いた害虫駆除方法に関するものである。
害虫駆除方法には、害虫の卵や幼虫を対象とする発生源対策と成虫駆除がある。前者は、市町村や業者が中心となって害虫をトータル的に駆除しようとするもので、策定どおりいけば効率的な方法と言えるが、現実にはこの方法で卵や幼虫を完全に撲滅するのは不可能であり、発生してくる害虫の駆除を後者に委ねているのが現状である。
また、発生源対策として、例えば、浄化槽等の幼虫駆除用に幼若ホルモンが使用されているが、一般的に効果の発現が極めて遅く、一般家庭での個人防除に使い勝手のよいものではない。このように、これまで害虫の卵や幼虫を対象とした害虫駆除剤は一般家庭では馴染みの薄いものであった。
近年、雨水枡、汚水槽、側溝、排水溜り、庭の窪地、廃タイヤ、植木鉢の水うけ等を発生源とする蚊や、排水口やユニットバスの下等に発生するチョウバエなど、一般家庭の屋内外の小水系で発生する害虫に対して、その対策を求めるニーズが高まっている。発生した成虫を殺虫成分を含む蒸散剤や噴霧剤等を用いて駆除するという従来の個人防除方法は必ずしも効果的とは言えず、一方、前述のとおり、家庭用に則した発生予防薬もなかった。
かかる現状を踏まえ、本発明者らは、殺虫成分の安全性に対する懸念から実質的に殺虫成分を含まない害虫駆除剤が要望されている背景を考慮しつつ、かつ、上記一般家庭の小水系に発生する害虫を駆除する場合、発生予防薬が有効であるとの前提にたって各種試験を実施した。その検討過程で、特定の界面活性剤が家屋内の小水系の害虫に対し短時間で高い殺虫効力示すことを認め、しかる後、成虫が散発的に家屋に侵入し繁殖するのを防ぐためには発生源自体を清潔にしておくことも重要であることを知見して本発明を完成するに至ったものである。
更に本知見を用いて特定の界面活性剤を使用することで、匍匐害虫に対して特異的に効力が認められることを見出した。
ところで、非イオン系界面活性剤の一種であるポリオキシエチレンアルキルエーテルの殺虫作用については、例えば、特開2008−19226号公報(特許文献1)において、POEラウリルエーテル[ポリエチレングリコール(ポリオキシエチレン)ラウリルエーテル]がコバエ類防除組成物の有効成分として記載されているが、多数ある界面活性剤の一つとして羅列されているのみで、ポリオキシエチレン基のモル数については何ら言及されていない。また、特開2001−199808号公報(特許文献2)は、平均モル数が3〜5のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、平均モル数が7〜11のポリオキシエチレンアルキルエーテルを共に含有する害虫防除成分の効力増強剤を開示する。しかしながら、特許文献2のポリオキシエチレンアルキルエーテルはあくまで害虫防除成分の効力増強作用を趣旨とし、それ自体の殺虫作用はほとんど無いものと見なされているので本発明の参考とはなり得なかった。
特開2008−19226号公報 特開2001−199808号公報
本発明は、一般家庭の屋外における雨水枡、汚水槽、側溝、排水溜り、庭の窪地、廃タイヤ、植木鉢の水うけや、家屋内の排水口やユニットバスの下等の小水系を処理するにあたり、実質的に殺虫成分を含まない害虫駆除剤であるにも拘らず、短時間の処理で害虫の発生源を駆除することができ、好ましくは、家屋内の小水系については、発生源自体を清潔にして害虫の発生を予防可能な、又は匍匐害虫を駆除するため害虫駆除剤ならびにこれを用いた害虫駆除方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)一般式(I)
−O−(CHCHO)−H (I)
(式中、Rは炭素数が10〜16のアルキル基を表し、nは1〜7の平均モル数を示す)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物に、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アルキルジアミノエチルグリシンナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1種の殺菌剤を加えたものを有効成分として含有する水系処理用ハエ目幼虫駆除剤。
(2)前記一般式(I)において、nが1〜5の平均モル数を示すエチレングリコールアルキルエーテル系化合物である(1)に記載の水系処理用ハエ目幼虫駆除剤。
(3)前記一般式(I)において、R1が炭素数12のアルキル基を表すエチレングリコールラウリルエーテル系化合物である(1)又は(2)に記載の水系処理用ハエ目幼虫駆除剤。
本発明の害虫駆除剤は、一般家庭の屋外における雨水枡、汚水槽、側溝、排水溜り、庭の窪地、廃タイヤ、植木鉢の水うけや、家屋内の排水口やユニットバスの下等の小水系を処理するにあたり、実質的に殺虫成分を含まない害虫駆除剤であるにも拘らず、短時間の処理で害虫の発生源を駆除することができ、好ましくは、家屋内の小水系については、発生源自体を清潔にして害虫の発生を予防可能であり、更には匍匐害虫駆除剤として極めて実用性が高い。そして、これを用いた害虫駆除方法も特にハエ目の害虫に対して効率的な駆除効果を奏するものである。
本発明の害虫駆除剤は、有効成分として一般式(I)
−O−(CHCHO)−H (I)
(式中、Rは炭素数が10〜16のアルキル基を表し、nは1〜7の平均モル数を示す)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物、又はこれに殺菌剤を加えたものを使用することを特徴とする。
ここで、一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物のアルキル基としては、炭素数10のデシル基、11のウンデシル基、12のラウリル(ドデシル)基、13のトリデシル基、14のミリスチル基、15のペンタデシル基、16のパルミチル(ヘキサデシル)基又はこれらが任意に混合したアルキル基が挙げられ、一方、エチレングリコール(オキシエチレン)基の平均モル数としては1〜7、好ましくは1〜5に特定される。
エチレングリコールアルキルエーテル系化合物は、殺虫成分を含有する水性製剤、例えば乳剤を調製する際の乳化剤として汎用されている化合物であるが、その殺虫作用についてはあまり検討されていない。わずかな文献として特開2008−19226号公報(特許文献1)があり、POEラウリルエーテル[ポリエチレングリコール(ポリオキシエチレン)ラウリルエーテル]がコバエ類防除組成物の有効成分として記載されている。しかしながら、POEラウリルエーテルは、多数ある界面活性剤の一つとして羅列されているのみで、本発明の本質であるエチレングリコール基のモル数については何ら言及されていない。すなわち、POEラウリルエーテルであっても、平均モル数が1〜7、好ましくは1〜5の化合物群と、平均モル数が1〜7の範囲を外れた化合物群の間に殺虫効力の点で驚くべき差異があることを特許文献1は何ら示唆しないのである。
また、特開2001−199808号公報(特許文献2)は、アルキル基が8〜16であって、平均モル数が3〜5のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、平均モル数が7〜11のポリオキシエチレンアルキルエーテルを共に含有する害虫防除成分の効力増強剤を開示する。しかしながら、特許文献2のポリオキシエチレンアルキルエーテルはあくまで害虫防除成分の効力増強作用を趣旨とし、それ自体の殺虫作用はほとんど無いものと見なされている。当該特許公報明細書の段落[0025]の表1によれば、比較例1(害虫防除成分としてのペルメトリン5%含有)と比較例4(ペルメトリン5%と平均モル数が3のポリオキシエチレンアルキルエーテル1.8%含有)の致死効力は共に95%で、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの殺虫作用は読み取れない。これは、害虫防除成分の殺虫効力がポリオキシエチレンアルキルエーテルに較べて高いことの帰結であるが、而して特許文献2もまた本発明を促す動機付けとは到底なり得ないのである。
一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物の配合量は、駆除対象とする害虫の種類にもよるが、害虫駆除剤全体量に対し0.001〜10w/v%程度が適当である。0.001w/v%未満では所望の駆除効果が得られず、一方、10w/v%以上配合することは、製剤の物性に影響を及ぼす可能性があり好ましくない。
本発明では、有効成分として一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物に加え殺菌剤を含有するのが好ましい。
殺菌剤としては、カチオン系界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)、両性界面活性剤(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩、ポリアルキルアミノジエチルグリシン塩酸塩等)、塩素系殺菌剤(ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸塩等)、グアニジン系殺菌剤(クロルヘキシジングルコン酸塩等)、フェノール系殺菌剤(イソプロピルメチルフェノール、クレゾール等)、アルデヒド系殺菌剤(グルタールアルデヒド等)、イミダゾール系殺菌剤(ベンズイミダゾール、チアベンダゾール等)、ヨウ素系殺菌剤(ヨードホルム等)、有機酸系殺菌剤(安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸等)、ヒドロキシ安息香酸エステル類(p−オキシ安息香酸メチルエステル、p−オキシ安息香酸エチルエステル、p−オキシ安息香酸プロピルエステル、p−オキシ安息香酸ブチルエステル等)、アルコール系殺菌剤(ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クロルブタノール等)、ポリリジン等があげられるが、これらに限定されない。なかでも、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が性能的に好ましく、特に具体的には、塩化ベンザルコニウム及び/又は塩化ベンゼトニウムが好適である。かかる殺菌剤を有効成分として含有すれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの優れた害虫防除効果を相乗的に高め得るとともに、発生源自体を清潔にして害虫の発生を予防可能とするので極めて有用である。
殺菌剤の配合量は、用いる殺菌剤の種類にもよるが、害虫駆除剤全体量に対し0.001〜10w/v%程度が適当である。0.001w/v%未満では殺虫効力の増強効果が期待できないし、一方、10w/v%以上配合することは、製剤の物性に影響を及ぼす可能性があり好ましくない。
本発明では、界面活性剤に該当し一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物に加え、本発明の趣旨に支障を来さない限りにおいて、必要ならば他の界面活性剤を配合することもできる。例示すれば、ノニオン系界面活性剤[一般式(I)で表される化合物以外のポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ラウリルアミンオキサイド、ステアリルアミンオキサイド等の高級脂肪酸アミンオキサイド類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等]、カチオン系界面活性剤(塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等)、アニオン系界面活性剤(α−スルホ脂肪酸メチルエステル、α−オレフィンスルフォン酸塩、直鎖ベンゼンスルフォン酸塩、ラウリル硫酸塩、ラウリル硫酸エステルトリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エステル塩等)や、両性界面活性剤(ミリスチルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等)があげられる。なお、両性界面活性剤は、起泡性を付与できるというメリットを有している。
本発明の害虫駆除剤は、更に必要限度の殺虫成分を配合し、一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物による殺虫効力を補強して駆除効果を確実にすることができる。本害虫駆除剤は主に水系で使用されるため殺虫成分としては低魚毒性であることが要求され、合致するものとして、エトフェンプロックスやシラフルオフェン等のピレスロイド様化合物、あるいは、ジノテフラン、イミダクロプリド、クロチアニジン、アセタミプリド、チアメトキサム、ニテンピラムやチアクロプリド等のネオニコチノイド系化合物があげられる。
これらの化合物は、一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。本発明では、速効的な殺虫効力に優れたエトフェンプロックスが使いやすい。
殺虫成分の含有量は、害虫駆除剤あたり0.5w/v%以下に抑えるのが適当である。0.5w/v%を超えると、実質的に殺虫成分を含まない害虫駆除剤を目指す本発明の趣旨に合致しないからである。
害虫駆除剤の剤型としては、スプレーの形態で用いられる液剤、乳剤、水溶剤、マイクロエマルジョンやエアゾール等の外、粉剤、錠剤、粒剤、ベイト剤等の固形剤があげられる。
スプレー形態の害虫駆除剤を調製するために用いる溶剤としては、水の外に、n−パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素系溶剤、エタノール、イソプロパノール(IPA)やn−プロパノール(nPA)等の炭素数が1〜3の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数3〜6のグリコール類やグリコールエーテル類、ケトン系溶剤、エステル系溶剤などを適宜使用しても差し支えない。 なお、エアゾール形態の場合、エアゾール容器にエアゾール原液を入れ、噴射剤としてのジメチルエーテル、液化石油ガス(LPG)、HFO−1234ze、圧縮ガス(窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等)等を加圧充填して製すればよい。
また、粉剤、粒剤、錠剤等の固形剤の調製には、増量や賦形を目的として、ケイ酸、カオリン、タルク等の各種鉱物質粉末、木粉、小麦粉等の各種植物質粉末、分散剤、ポリビニルアルコール、アルギン酸、カラギーナン等のゲル化剤などが適宜用いられる。調製された固形剤は水系で処理された際、適度な水解性を有することが要求される。
本発明では、前記成分のほか、本発明の効果に支障を来たさない限りにおいて必要に応じ、ピレスロイド共力剤、発泡剤、分散剤、粘結剤、安定化剤、pH調整剤、害虫忌避香料、消臭剤、着色剤等を適宜配合してもよい。
ピレスロイド共力剤としては、ピペロニルブトキサイドやN−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等があげられる。また、発泡剤としては、クエン酸や炭酸水素ナトリウム等を例示できる。
スプレー形態の害虫駆除剤が充填される容器は、その用途、使用目的、使用場面等に応じて、適宜バルブ、噴口、ノズル、散布口等の形状を選択すればよい。例えば、広角ノズル付きのトリガースプレータイプを用いれば、一度の操作で広い範囲を処理することが可能となり便利である。施用量についても適宜決定すればよいが、例えば、屋外の小水系で使用する場合、10〜100mL/m2程度が適当である。
一方、粒剤や錠剤等の固形剤にあっては、5〜50g/m2程度を目安に上記小水系で散布、もしくは載置して用いられ、水解して害虫駆除効果を発揮する。
こうして得られた本発明の害虫駆除剤は、一般家庭の屋外における雨水枡、汚水槽、側溝、排水溜り、庭の窪地、廃タイヤ、植木鉢の水うけや、家屋内の排水口やユニットバスの下等の小水系などにスプレー、もしくは散布、載置することにより、アカイエカ、チカイエカ等の蚊類、チョウバエ(オオチョウバエ、ホシチョウバエ等)、ショウジョウバエ、イエバエ等のハエ類、ゴキブリ、ユスリカ等の卵、幼虫、蛹や成虫の各ステージに対して実用的な致死効果を示し、特に、害虫の幼虫、なかでもハエ目幼虫に対して優れた駆除処理が実現される。しかも、家屋内の処理にあっては、殺菌剤の作用で発生源自体が清潔となり、長期間にわたって成虫の発生を予防することから極めて実用的である。
また、匍匐害虫に対しても同様に極めて高い駆除効果が認められた。
本発明でいう匍匐害虫とは、ゴキブリ類(ワモンゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリ)、トコジラミ(ナンキンムシ)、アリ類(クロアリ、アカアリ、アミメアリ等を含む)、チャタテムシ、シバンムシ、コクゾウムシ、カツオブシムシ、ダニ類、ムカデ、ヤスデ、ダンゴムシ、ワラジムシ、ゲジ等が挙げられる。
次に具体的な実施例に基づき、本発明の害虫駆除剤について更に詳細に説明する。一般式(I)で表される化合物並びに他の界面活性剤の代表例を下記に記し、以降併記した略記号にて表記する。
[一般式(I)で表されるノニオン系]
・エチレングリコールドデシルエーテル:和光純薬工業製試薬[N−1]
・ブラウノンEL−1502.2:POE(2.2)ラウリルエーテル[N−2]
・ブラウノンEL−1505:POE(5)ラウリルエーテル[N−3]
・ブラウノンEL−1507:POE(7)ラウリルエーテル[N−4]
・ノニオンT−203:POE(3)トリデシルエーテル[N−5]
・ノニオンM−203:POE(3)ミリスチルエーテル[N−6]
[他のノニオン系]
・ブラウノンEL−1509:POE(9)ラウリルエーテル[N−7]
・ブラウノンEL−1512P:POE(12)ラウリルエーテル[N−8]
・ブラウノンEL−1515:POE(15)ラウリルエーテル[N−9]
・ブラウノンCH308:POE(8)セチルエーテル[N−10]
・ノニオンS−207:POE(7)ステアリルエーテル[N−11]
・ノニオンE−202S:POE(2)オレイルエーテル[N−12]
・ブラウノンEN−1507:POE(7)オレイルエーテル[N−13]
・スタホームF:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)[N−14]
・アロモックスDM10D−W:デシルジメチルアミンオキサイド[N−15]
・アロモックスDM12D−W:ラウリルジメチルアミンオキサイド[N−16]
・アロモックスDM14D−N:ミリスチルジメチルアミンオキサイド[N−17]
・アロモックスDMC−W:ヤシアルキルジメチルアミンオキサイド[N−18]
[カチオン系]
・カチオーゲンTML:塩化ラウリルトリメチルアンモニウム[K−1]
・レボンTM−16:塩化セチルトリメチルアンモニウム[K−2]
[アニオン系]
・モノゲンY−500:ラウリル硫酸ナトリウム塩[A−1]
・サンベース:α―スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩[A−2]
・リポランPB−800:α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム塩[A−3]
[両性]
・ニッサンアノンBL−SF:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン[B−1]
・リカビオンA−200:ミリスチルジメチルベタイン[B−2]
・エナジコールC−30B:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン[B−3]
殺虫効力評価に用いた試験方法は以下のとおりである。
(1)アカイエカ幼虫に対する殺虫効力試験
プラスチック容器(860B、φ12cm×高さ10.5cm)に、供試薬剤の濃度として0.0025w/v%になるように調整した水溶液を入れた(全量200mL)。そこにアカイエカ8日齢幼虫を放ち、処理1日後に致死虫を計数し、致死率を算出した。
(2)オオチョウバエ幼虫に対する殺虫効力試験
プラスチック容器(200B、φ10cm×高さ4.4cm)に、供試薬剤の濃度として0.05w/v%になるように調整した水溶液を入れた(全量20mL)。そこにオオチョウバエ4令幼虫を放ち、2時間放置後清潔な容器に回収した。1日後に致死虫を計数し、致死率を算出した。
(3)ノミバエ及びカスリショウジョウバエ幼虫に対する殺虫効力試験
ガラス製シャーレ(φ4cm)に、供試薬剤の濃度として0.05w/v%となるように調整した水溶液を入れた(全量2mL)。そこにノミバエ及びカスリショウジョウバエ終令幼虫を放ち、処理1日後に致死虫を計数し、致死率を算出した。
各種界面活性剤につき、必要ならば水溶性溶剤を用いて所定濃度の供試薬液を調製し、上記(1)〜(3)に示す殺虫効力試験を実施した結果を表1に示す。

試験の結果、一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物は、アカイエカ幼虫、オオチョウバエ幼虫、ノミバエ及びカスリショウジョウバエ幼虫のいずれに対しても高い致死率を示した。これに対し、エチレングリコールアルキルエーテル系化合物であっても、一般式(I)の範囲を外れるものや他のタイプのノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤ならびに両性界面活性剤は殺虫効力が劣った。一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物が、広範な界面活性剤の中で特異的に際立った殺虫効力を示すという結果は、従来技術から予想し得ない驚くべき知見である。
POE(2.2)ラウリルエーテル[N−2](製品名:ブラウノンEL−1502.2)を1.0w/v%、塩化ベンザルコニウムを0.2w/v%、ラウリルジメチルアミンオキサイド[N−16](製品名:アロモックスDM12D−W)を5.0w/v%、及び水(残部)を混合し、液剤タイプの本発明の害虫駆除剤を調製した。
得られた液剤200mLをボウフラが発生した屋外の排水溜りに散布した。本剤は、およそ2週間にわたりアカイエカ等の幼虫駆除と発生予防をより効果的に実現できると共に、排水溜りの清潔化にも役立った。
実施例2に準じ、一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物として、POE(5)ラウリルエーテル[N−3](製品名:ブラウノンEL−1505)0.025w/v%を選択し、各種殺菌剤0.01w/v%、他成分、及び水を組み合わせて表2に示す液剤タイプの各種害虫駆除剤を調製した。上記(2)オオチョウバエ幼虫に対する殺虫効力試験を実施した結果を表2に示す。
試験の結果、一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物として、POE(5)ラウリルエーテル[N−3]を選択し、これに各種殺菌剤を組み合わせることによって、オオチョウバエ幼虫に対する殺虫効力が顕著に向上することが認められた。一方、比較例で示されるように、一般式(I)の範囲を外れるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物[N−9]やアニオン系界面活性剤[A−1]と塩化ベンザルコニウムの組み合わせは効果的とは言えなかった。
殺菌剤の作用で発生源自体が清潔となり、長期間にわたって成虫の発生を予防できることを考慮すると、一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物に殺菌剤を加えた本発明の害虫駆除剤、ならびにこれを用いた害虫駆除方法はより有用、かつ実用的な実施形態といえる。
実施例2で調製した本発明の害虫駆除剤を水で10倍に希釈し、プラスチック容器(φ25cm×12cm、容積5890cm)に入れ、そこにアカイエカ幼虫約120匹を放って屋外に放置した。1日毎に200B(約350mL)カップを用いて容器内のアカイエカ幼虫をすくい取り、致死虫及び健常虫を計数して致死数を算出した。その結果、3日目までに致死率が100%までに達することが認められ、ボウフラ駆除剤として極めて有用、かつ実用的であることが実証された。また、屋外で発生したヒトスジシマカ成虫の死亡虫も混入しており、本剤が蚊成虫に対しても有効であることが分かった。
チャバネゴキブリ雄成虫に対する殺虫効力試験
記載の供試薬剤をそれぞれの濃度として水/エタノール溶液(1:1)に調製し、これをマイクロシリンジに入れて、トピカルアプリケーターにセットした。その装置を用いて、麻酔をかけていない供試昆虫に薬剤40μLを滴下し、同径のろ紙をしいたφ9cmシャーレに放した。3分間虫の様子を観察してKD虫を計数し、処理3分後のKD率を算出した。滴下後、清潔な容器に回収して、処理1日後に致死虫を計数し、致死率を算出した。
試験の結果、一般式(I)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物はチャバネゴキブリ成虫に対して、高いKD効果および致死率を示した。
チャバネゴキブリ雌成虫に対する殺虫効力試験
供試成分をそれぞれ記載の濃度となるように水/エタノール溶液(1:1)を調製し、これをスプレーボトルに入れて、供試昆虫に対して噴射した(吐出量2mL)。噴射後、2分間観察して、KD率を算出した。その後、清潔な容器に回収して、処理1日後に致死虫を計数し、致死率を算出した。
本発明の害虫駆除剤は、アカイエカ、チカイエカ等の蚊類、チョウバエ、ショウジョウバエ、イエバエ等のハエ目類を主たる対象として、一般家庭の屋内外における小水系用に適用されるだけでなく、広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。

Claims (3)

  1. 一般式(I)
    −O−(CHCHO)−H (I)
    (式中、Rは炭素数が10〜16のアルキル基を表し、nは1〜7の平均モル数を示す)で表されるエチレングリコールアルキルエーテル系化合物に、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アルキルジアミノエチルグリシンナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1種の殺菌剤を加えたものを有効成分として含有することを特徴とする水系処理用ハエ目幼虫駆除剤。
  2. 前記一般式(I)において、nが1〜5の平均モル数を示すエチレングリコールアルキルエーテル系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水系処理用ハエ目幼虫駆除剤。
  3. 前記一般式(I)において、Rが炭素数12のアルキル基を表すエチレングリコールラウリルエーテル系化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水系処理用ハエ目幼虫駆除剤。
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