以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る電力制御装置100は建物HMに設けられており、建物HMにおける電力の制御を行うための装置として構成されている。図1には、電力制御装置100及び建物HMの構成が模式的に示されている。
建物HMには、電力系統CPから電力が供給される。かかる電力(以下、「系統電力」とも称する)は、後述の分電盤200を介して、建物HM内に設けられた電力消費機器320や蓄電装置330、貯湯式給湯装置340へと供給される。
建物HMには、系統電力の他、太陽光発電装置310からの電力(以下、「発電電力」とも称する)も供給される。太陽光発電装置310は、太陽光のエネルギーを電力に変換し、当該電力を建物HMに供給するための装置である。太陽光発電装置310は建物HMの屋根に設置されている。太陽光発電装置310で生じた発電電力も、分電盤200を介して電力消費機器320や蓄電装置330、貯湯式給湯装置340へと供給される。
建物HMには、分電盤200と、電力消費機器320と、蓄電装置330と、貯湯式給湯装置340とが設けられている。
分電盤200は、系統電力及び発電電力の供給を受けて、これらの電力を電力消費機器320等へと分配するものである。また、分電盤200は、後述の蓄電装置330から放電された電力を受けて、当該電力を電力消費機器320や貯湯式給湯装置340へと供給することもできる。
分電盤200は、建物HMに供給される系統電力及び発電電力の値を個別に計測し、計測された電力値を電力制御装置100へと送信することができる。また、分電盤200は、電力消費機器320、蓄電装置330、貯湯式給湯装置340のそれぞれに供給される電力の値を個別に計測し、計測された電力値を電力制御装置100へと送信することもできる。更に、分電盤200には不図示のブレーカーが設けられており、電力消費機器320等への電力の供給を遮断することもできる。
電力消費機器320は、電力の供給を受けて動作する機器であって、例えば空調装置や冷蔵庫などである。尚、蓄電装置330及び貯湯式給湯装置340も「電力の供給を受けて動作する機器」に該当するのであるが、ここでいう電力消費機器320には含まれないものとする。建物HMには複数の電力消費機器が設置されているのであるが、図1及び以下の説明においては、これらを総じて「電力消費機器320」と表記することとする。電力消費機器320のそれぞれの動作は、電力制御装置100によって個別に制御される。
蓄電装置330は、供給された系統電力や発電電力を蓄電池に蓄える装置である。蓄電装置330は、蓄電池に蓄えられている電力を外部に出力し、当該電力を、分電盤200を介して電力消費機器320等に供給することもできる。以下の説明においては、蓄電装置330が蓄電池に電力を蓄える動作を示すものとして「充電」の語を用いる。また、蓄電装置330が蓄電池から電力を外部に出力する動作を示すものとして「放電」の語を用いる。更に、充電及び放電の両方を示すものとして「充放電」の語を用いる。蓄電装置330による充電及び放電は、電力制御装置100によって制御される。
貯湯式給湯装置340は、ヒートポンプユニットと貯湯タンクと(いずれも不図示)を備えた給湯装置である。ヒートポンプユニットは、供給される電力によって冷凍サイクルを動作させ、これにより水を加熱して湯を生成するものである。貯湯タンクは、ヒートポンプユニットにより生成された湯を貯えておくための大型の容器であって、建物HM近傍の屋外に設置されている。貯湯タンクに貯えられた湯は、建物HMの浴室等に供給され使用される。建物HMで湯が使用されると、貯湯タンクには水道水が下方側から供給される。
貯湯式給湯装置340では、貯湯タンクに十分な量の湯が貯えられている状態を維持するために、加熱運転が少なくとも一日一回行われる。加熱運転は、沸き上げ運転とも称されるものであって、貯湯タンクとヒートポンプユニットとの間で水を循環させながら、当該水をヒートポンプユニットにより加熱する動作である。加熱運転は、予め作成された運転計画に沿うように、電力制御装置100が行う制御によって実行される。貯湯式給湯装置340の運転計画については後に説明する。
電力制御装置100について説明する。電力制御装置100は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムとして構成されている。電力制御装置100は、機能的な制御ブロックとして、発電予測部110と、消費予測部120と、計画部130と、算出部140と、制御部150と、を有している。
発電予測部110は、発電予測データを作成する部分である。発電予測データとは、太陽光発電装置310により発電される発電電力の推移、の予測を示すデータである。図2(B)には、発電予測データの一例が示されている。
同図に示されるように、発電予測データは、一日を例えば30分間ごとの小期間に区切った上で、各小期間において建物HMに供給されると予測される発電電力の電力量を示すデータとなっている。尚、発電予測データのデータ形式はこのようなものに限られない。例えば、各小期間において予測される発電電力の平均値(単位:W)を示すようなデータであってもよい。つまり、発電予測データは、今後において予測される発電電力の推移を示すデータとなっていればよい。
発電予測データは、外部の気象サーバーCT(図1を参照)から定期的に取得される気象予測データに基づいて作成される。気象サーバーCTは、例えば気象予報会社によって運営されるサーバーである。気象予測データは、今後の天候や日照量の推移を、時間帯毎に示すデータである。発電予測部110は、気象予測データに含まれる各小期間の日照量と、太陽光発電装置310の発電性能(例えばエネルギー変換効率)とに基づいて、発電予測データの作成を行う。
消費予測部120は、消費予測データを作成する部分である。消費予測データとは、電力消費機器320により消費される電力の推移、の予測を示すデータである。図2(A)には、消費予測データの一例が示されている。
同図に示されるように、消費予測データは、一日を例えば30分間ごとの小期間に区切った上で、各小期間において電力消費機器320により消費されると予測される電力の電力量を示すデータとなっている。尚、消費予測データのデータ形式はこのようなものに限られない。例えば、各小期間において電力消費機器320により消費されると予測される電力の平均値(単位:W)を示すようなデータであってもよい。つまり、発電予測データは、今後において電力消費機器320により消費されると予測される電力、の推移を示すデータとなっていればよい。ただし、消費予測データのデータ形式(小期間の区切り方や、各予測値の単位)は、発電予測データのデータ形式と同一にしておくことが望ましい。
消費予測データは、過去において電力消費機器320で消費された電力の推移に基づいて、例えば自己回帰モデル等の手法を用いることによって作成される。
計画部130は、充放電計画を作成する部分である。充放電計画とは、蓄電装置330が今後において充電や放電を行う予定を示すデータである。図3(D)には、充放電計画の一例が示されている。
同図に示されるように、充放電計画は、一日を例えば30分間ごとの小期間に区切った上で、各小期間において充電又は放電されると予測される電力の電力量を示すデータとなっている。図3(D)では、充電される電力量の値が正の値として示されており、放電される電力量の値が負の値として示されている。尚、充放電計画のデータ形式はこのようなものに限られない。例えば、各小期間において充電又は放電されると予測される電力の平均値(単位:W)を示すようなデータであってもよい。つまり、充放電計画は、今後において蓄電装置330により充電又は放電されると予測される電力、の推移を示すデータとなっていればよい。ただし、充放電計画のデータ形式(小期間の区切り方や、各予測値の単位)は、発電予測データや消費予測データのデータ形式と同一にしておくことが望ましい。
このような充放電計画は、発電予測データと消費予測データとに基づいて計画部130により作成される。その具体的な作成方法については後に説明する。
計画部130は、上記のような充放電計画の作成を行うことに加えて、貯湯式給湯装置340により加熱運転が行われるスケジュール(以下「運転計画」とも称する)の作成をも行う。運転計画の作成については、後に説明する。
算出部140は、必要加熱時間を算出する部分である。必要加熱時間とは、一日において、貯湯式給湯装置340の加熱運転を行うべき時間の長さのことである。必要加熱時間は、過去において行われた加熱運転の履歴や、建物HMで使用された湯量の履歴等に基づいて、例えば自己回帰モデル等の手法を用いることによって算出される。貯湯式給湯装置340の運転計画は、一日に行われる加熱運転の時間の累計が、上記の必要加熱時間に一致するように作成される。
制御部150は、計画部130で作成された充放電計画に沿って充放電が行われるように、蓄電装置330を制御する部分である。また、制御部150は、計画部130で作成された運転計画に沿って加熱運転が行われるように、貯湯式給湯装置340を制御する部分でもある。
貯湯式給湯装置340の運転計画を作成するために行われる処理の概要について、図2乃至図4を参照しながら説明する。当該処理は、一日一回、0時となる直前のタイミングにおいて実行される。当該処理が行われた後、0時から翌日の0時までの期間(以下、当該期間のことを「制御対象期間」とも称する)において、作成された運転計画に沿って加熱運転が行われる。
先ず、電力制御装置100は、制御対象期間についての発電予測データと、制御対象期間についての消費予測データとを作成する。既に述べたように、発電予測データは図2(B)に示されるようなデータであり、消費予測データは図2(A)に示されるようなデータである。
続いて、電力制御装置100は過不足データを作成する。過不足データとは、建物HMの電力需要に対する発電電力の不足分の推移、の予測を示すデータである。特定の時間帯における過不足データの値が正の値であれば、当該時間帯では発電電力が不足するということになる。逆に、特定の時間帯における過不足データの値が負の値であれば、当該時間帯では発電電力が余剰となることになる。
本実施形態では、消費予測データから発電予測データを差し引くことによって過不足データが作成される。つまり、制御対象期間に含まれるそれぞれの小期間について、対応する消費予測データから対応する発電予測データを差し引くことにより、過不足データが作成される。図2(C)には、過不足データの一例が示されている。この過不足データは、図2(A)に示される消費予測データから、図2(B)に示される発電予測データを差し引くことによって得られたものである。図2(C)に示される例では、太陽光発電が行われる日中の時間帯において、過不足データは負の値となっている。また、太陽光発電が行われない夜間の時間帯においては、過不足データは正の値となっている。
ところで、23時から翌朝7時までの期間は、kWHあたりの電気料金が比較的安い安価時間帯TM1となっている。また、7時から当日の23時までの期間は、kWHあたりの電気料金が、安価時間帯TM1の電気料金よりも高い高価時間帯TM2となっている。
尚、安価時間帯TM1におけるkWhあたりの電気料金は、安価時間帯TM1において常に同じである必要はない。例えば安価時間帯TM1の一部において、kWhあたりの電気料金が更に安くなるような時間帯があってもよい。同様に、高価時間帯TM2におけるkWhあたりの電気料金は、高価時間帯TM2において常に同じである必要はない。例えば高価時間帯TM2の一部において、kWhあたりの電気料金が更に高くなるような時間帯があってもよい。
上記のような過不足データを作成した後、電力制御装置100は充放電計画を作成する。本実施形態では、蓄電装置330への充電が安価時間帯TM1において開始され、高価時間帯において蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量(つまり満充電)となるように、充放電計画が作成される。安価時間帯TM1においては、蓄電装置330には系統電力が充電される。高価時間帯TM2においては、蓄電装置330には発電電力が充電される。
図3(D)には、上記のように作成された充放電計画の一例が示されている。図3(D)の例では、2時から7時までの期間において系統電力による充電が途中まで行われ、その後は、発電電力のうち余剰となった分の電力による充電が行われる。「充電が途中まで行われ」とは、蓄電装置330が満充電状態となるよりも前に充電が停止されることを意味する。充電が停止したときにおける蓄電装置330のSOC(100%よりも小さな値である)は、後に説明する放電許可時刻の設定に対応して定まることとなる。
図2(C)に示されるように、余剰となった分の電力は9時以降に生じている。このため、図3(D)の例では、高価時間帯TM2における充電が9時以降に行われる。
計画部130で作成される充放電計画には、放電許可時刻が含まれている。放電許可時刻とは、その直前において蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量となり、以降は蓄電装置330からの放電のみが許可された状態(つまり、放電を行い得る状態)となる時刻、として設定されるものである。図3(D)の例では、符号t10により示される13時が、放電許可時刻として設定されている。
つまり、計画部130は、予め定められた放電許可時刻において蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量となっているように、過不足データに基づいて充放電計画の作成を行う。例えば、安価時間帯TM1において充電が開始される時刻(図3(D)の例では2時)を調整することにより、蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量となるタイミングを、放電許可時刻又はその直前のタイミングに一致させることができる。
系統電力による充電量と、発電電力による充電量との比率は、放電許可時刻の設定に応じて定まる。また、放電許可時刻以降において生じる余剰電力を電力会社に買い取らせること、すなわち売電が可能な場合には、売電により得られる金額も放電許可時刻の設定に応じて定まる。
このため、放電許可時刻を変化させると、それに伴い、電気料金も変化することとなる。ここでいう電気料金は、買電により電力会社に支払われる金額と、売電により得られる金額と、の両方を考慮した料金のことである。(ただし、売電が行えない場合には、前者のみを考慮した料金のことである。)本実施形態では、電気料金が最も安くなるように放電許可時刻が設定される。その設定方法については後に説明する。
放電許可時刻以降においては、必要に応じて蓄電装置330からの放電が行われる。つまり、建物HMにおける電力需要が発電電力を上回るような時間帯において蓄電装置330からの放電が行われ、これにより系統電力の使用が抑制される。図3(D)に示される充放電計画の例では、16時以降の時間帯、すなわち、図2(C)の過不足データに示される電力量が正の値となるような時間帯において、蓄電装置330からの放電が行われる予定となっている。
上記のように充放電計画を作成した後、電力制御装置100は、充放電計画に沿って蓄電装置330からの充放電が行われることを考慮しながら、過不足データを改めて作成しなおす。つまり、図2(C)に示される当初の過不足データに対し、蓄電装置330に充電される系統電力の電力量の推移を加算し、蓄電装置330から放電される電力量の推移を減算することにより、過不足データが再作成される。図3(E)は、このように再作成された過不足データの例である。同図に示されるように、2時から6時までの期間においては系統電力による充電が行われるので、同期間における過不足データの値は図2(C)に示される当初の値よりも大きくなっている。また、16時以降の期間においては蓄電装置330からの放電が行われるので、同期間における過不足データの値は0となっている。
続いて、電力制御装置100は、貯湯式給湯装置340の運転計画を作成する。図4には、運転計画の一例が示されている。尚、図4に示される点線DLは、図3(E)に示されたものと同一の過不足データを示すものである。
図4においては、貯湯式給湯装置340の加熱運転で消費される電力量の推移が、符号P1及び符号P2が付された領域として示されている。図4に示されるように、本実施形態では、加熱運転の一部が安価時間帯TM1において行われ(符号P1)、加熱運転の残部が高価時間帯TM2において行われる(符号P2)ように運転計画が作成される。
以下の説明においては、安価時間帯TM1において加熱運転が行われる期間のことを「第1期間」と称し、第1期間の長さのことを第1時間と称する。また、高価時間帯TM2において加熱運転が行われる期間のことを「第2期間」と称し、第2期間の長さのことを第2時間と称する。第1時間と第2時間との合計は、算出部140で算出された必要加熱時間となっている。
第1期間においては、安価な系統電力を用いて貯湯式給湯装置340の加熱運転を行うことができる。また、第2期間においては、余剰電力を用いて貯湯式給湯装置340の加熱運転を行うことができる。このため、第2期間の開始時刻や第2時間を変化させると、それに伴い電気料金も変化することとなる。ここでいう電気料金は、買電により電力会社に支払われる金額と、売電により得られる金額と、の両方を考慮した料金のことである。(ただし、売電が行えない場合には、前者のみを考慮した料金のことである。)本実施形態では、電気料金が最も安くなるように、第2期間の開始時刻及び第2時間がそれぞれ設定される。図4に示される例では、余剰電力が生じている13時から15時までの期間において加熱運転が行われるように、第2期間の開始時刻及び第2時間が設定されている。第2期間の開始時刻及び第2時間の具体的な設定方法については後に説明する。
以上に説明した運転計画の作成などを行うために、電力制御装置100で実行される処理の具体的な内容について、図5を参照しながら説明する。図5に示される一連の処理は、一日一回、0時となる直前のタイミングにおいて実行される。つまり、制御対象期間が始まる直前のタイミングにおいて実行される。
最初のステップS01では、発電予測部110によって発電予測データが作成される。既に述べたように、発電予測データは、外部の気象サーバーCTからの気象予測データに基づいて作成される。
ステップS01に続くステップS02では、消費予測部120によって消費予測データが作成される。既に述べたように、消費予測データは、過去において電力消費機器320で消費された電力の推移に基づいて作成される。
ステップS02に続くステップS03では、算出部140によって必要加熱時間が算出される。既に述べたように、必要加熱時間は、過去において行われた加熱運転の履歴や、建物HMで使用された湯量の履歴等に基づいて算出される。
ステップS03に続くステップS04では、各小期間における必要累計時間の算出が行われる。必要累計時間とは、貯湯式給湯装置340の貯湯タンク内に貯えられた湯が使い果たされた状態となること、すなわち湯切れが生じることを防止するために、それぞれの小期間において必要となる加熱運転時間の累計値のことである。
図6には、制御対象期間おける必要累計時間の推移の一例が示されている。図6の例では、14時の時点における必要累計時間が時間T14となっており、18時の時点における必要累計時間が時間T18となっている。つまり、14時までに加熱運転が行われた時間の累計が時間T14に満たない場合や、18時までに加熱運転が行われた時間の累計が時間T18に満たない場合には、湯切れが生じる可能性が高いことが示されている。このような必要累計時間の推移は、建物HMで使用された湯量の履歴や、貯湯式給湯装置340が備える貯湯タンクの容量等に基づいて算出される。
図5に戻って説明を続ける。ステップS04に続くステップS05では、過不足データが作成される。既に述べたように、過不足データは、制御対象期間に含まれるそれぞれの小期間について、対応する消費予測データから対応する発電予測データを差し引くことにより作成される。
ステップS05に続いては、計画部130によってループL1が実行される。ループL1では、放電許可時刻を設定するための処理が行われる。ループL1では、最初に、仮値Aの初期値として、安価時間帯TM1の終了時刻(本実施形態では7時)が設定される。仮値Aとは、放電許可時刻を決定するにあたり、放電許可時刻についての仮の値が格納される変数である。
ループL1では、ステップS06乃至ステップS08の処理が繰り返し行われる。ステップS06では充放電計画が作成される。ここでは、放電許可時刻が仮値Aに設定されているという条件の下で充放電計画が作成される。つまり、仮値Aの時刻において蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量となるような充放電計画が作成される。
ステップS06に続くステップS07では、上記充放電計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われた場合における、制御対象期間の電気料金が算出される。当該電気料金は、買電により電力会社に支払われる金額と、売電により得られる金額と、の両方を考慮した料金のことである。(売電が行えない場合には、前者のみを考慮した料金のことである。)算出された電気料金は、このときの仮値Aの値と共に、電力制御装置100が備えるRAMに記憶される。
ステップS07に続くステップS08では、仮値Aに30分が加算される。つまり、当初の仮値Aに設定されていた時刻から30分後の時刻が、仮値Aの新たな値として設定される。
以降は、ステップS06からステップS08までの処理が繰り返し実行される。ループL1は、仮値Aに設定されている時刻が23時となるまで、すなわち、高価時間帯TM2が終了する時刻となるまで、繰り返し実行される。このように、計画部130は、放電許可時刻についての仮値Aを所定範囲で変化させながら、それぞれの仮値に対応する電気料金を算出して行く。
ループL1が終了するとステップS09に移行する。ステップS09では、ステップS07で算出された電気料金が最も安かったとき、において仮値Aに格納されていた時刻が、放電許可時刻として設定される。これにより、電気料金が最も安くなるように放電許可時刻が設定される。
ステップS09に続くステップS10では、過不足データが再作成される。既に述べたように、ここでは、図2(C)に示される当初の過不足データに対し、蓄電装置330に充電される系統電力の電力量の推移を加算し、蓄電装置330から放電される電力量の推移を減算することにより、図3(E)に示される過不足データが再作成される。
ステップS10に続いては、計画部130によってループL2が実行される。ループL2の中では、計画部130によって更にループL3が実行される。ループL2及びループL3では、第2期間の開始時刻、及び第2期間の長さである第2時間、のそれぞれを設定するための処理が行われる。
ループL2では、最初に、仮値Bの初期値として放電許可時刻が設定される。仮値Bとは、第2期間の開始時刻を決定するにあたり、当該開始時刻についての仮の値が格納される変数である。
その後、ループL3が実行される。ループL3では、最初に、仮値Yの初期値として0が設定される。仮値Yとは、第2期間の長さである第2時間を決定するにあたり、第2時間についての仮の値が格納される変数である。
ループL3では、ステップS11乃至ステップS14の処理が繰り返し行われる。ステップS11では、貯湯式給湯装置340の運転計画が作成される。ここでは、第2期間の開始時刻が仮値Bに設定されており、第2時間が仮値Yに設定されているという条件の下で運転計画が作成される。
具体的には、必要加熱時間から仮値Yの時間を差し引いた長さの時間が第1時間として設定された上で、1回目の加熱運転(図4の符号P1)が安価時間帯TM1の終了時刻に終了するように運転計画が作成される。また、2回目の加熱運転(図4の符号P2)が仮値Bの時刻から開始され、仮値Yの時間だけ行われるように運転計画が作成される。
ステップS11に続くステップS12では、ステップS11で作成された運転計画に沿って加熱運転が行われた場合に、貯湯式給湯装置340の湯切れが発生するか否かが判定される。当該判定は、ステップS11で作成された運転計画と、ステップS04で算出された必要累計時間とに基づいて判定される。
例えば、制御対象期間の全ての時刻において、それぞれの時刻までに行われる加熱運転の累計時間が、当該時刻における必要累計時間(図6)よりも少ない場合には、制御対象期間において湯切れが発生すると判定される。いずれの時刻においても、加熱運転の累計時間が必要累計時間以上となっている場合には、制御対象期間において湯切れが発生しないと判定される。
湯切れが発生しないと判定された場合には、ステップS13に移行する。ステップS13では、作成された運転計画に沿って加熱運転が行われた場合における、制御対象期間の電気料金が算出される。当該電気料金は、買電により電力会社に支払われる金額と、売電により得られる金額と、の両方を考慮した料金のことである。(売電が行えない場合には、前者のみを考慮した料金のことである。)算出された電気料金は、このときの仮値Bの値及び仮値Yの値と共に、電力制御装置100が備えるRAMに記憶される。その後、ステップS14に移行する。
ステップS12において、湯切れが発生すると判定された場合には、ステップS13を経ることなくステップS14に移行する。
ステップS14では、仮値Yに5分が加算される。つまり、当初の仮値Yに設定されていた時刻から5分後の時刻が、仮値Yの新たな値として設定される。
以降は、ステップS11からステップS14までの処理が繰り返し実行される。ループL3は、第2期間の終了時刻が日没の時刻となるまで繰り返し実行される。第2期間の終了時刻とは、仮値Bに設定された時刻から、仮値Yに設定された時間が経過した時刻のことである。本実施形態では、日没の時刻として17時が設定されている。
このように、計画部130は、第2時間についての仮値Yを所定範囲で変化させながら、それぞれの仮値に対応する電気料金を算出して行く。
ループL3が終了するとステップS15に移行する。ステップS15では、仮値Bに30分が加算される。つまり、当初の仮値Bに設定されていた時刻から30分後の時刻が、仮値Bの新たな値として設定される。
ループL2では、以上に説明したループL3及びステップS15の処理が繰り返し実行される。ループL2は、仮値Bに設定されている時刻が日没の時刻(上記のように、本実施形態では17時である)となるまで繰り返し実行される。
ループL2が終了するとステップS16に移行する。ステップS16では、ステップS13で算出された電気料金が最も安かったとき、において仮値Bに格納されていた時刻が、第2期間の開始時刻として設定される。また、そのときにおいて仮値Yに格納されていた時間が、第2時間として設定される。これにより、湯切れが生じないという条件の下で電気料金が最も安くなるように、第2期間の開始時刻(高価時間帯TM2における加熱運転の開始時刻)、及び第2時間(第2期間の長さ)が設定される。
その後、制御対象期間の開始時刻になると、制御部150は、充放電計画に沿って充放電が行われるように蓄電装置330を制御する。また、制御部150は、運転計画に沿って加熱運転が行われるように貯湯式給湯装置340を制御する。ただし、上記とは異なる方法で算出された充放電計画が採用される場合もある。これについては後に説明する。
以上に説明したように、本実施形態に係る電力制御装置100では、安価時間帯TM1において系統電力による蓄電装置330の充電が途中まで行われ、その後、高価時間帯TM2において、蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量となるまで、発電電力による蓄電装置330の充電が行われるように、蓄電装置330の充放電計画が作成される。
このため、例えば、高価時間帯TM2において発電された電力のうち余剰分が有効に利用されるように、系統電力による充電量と、発電された電力による充電量とのバランスを調整することができる。これにより、系統電力のみによる充電が行われる場合よりも電気料金を抑制することが可能となる。このような調整を行うにあたっては、使用者に定期的な判断や操作を行わせる必要が無い。また、充放電計画の作成は、発電予測データと消費予測データとに基づいて行われるので、使用者の利便性を損ねてしまうことは防止される。
充放電計画は、高価時間帯TM2の放電許可時刻において蓄電量が最大蓄電量となるように作成される。また、充放電開始時刻以降においては、必要に応じて蓄電装置330の放電のみが行われる。このため、一日あたりに行われる充放電のサイクルは1回のみとなっている。充放電が頻繁に繰り返されることが無いので、蓄電装置330が早期に劣化してしまうことが防止される。
充放電計画に含まれる充放電許可時刻は、電気料金が最も安くなるように設定される。また、充放電計画の後に作成される運転計画も、電気料金が最も安くなるように作成される。このため、電力制御装置100によれば、使用者による操作を必要とすることなく、電気料金が安くなるような制御が自動的に行われる。
ところで、実際の発電電力の推移が発電予測データとは異なるものになってしまったり、電力消費機器320により実際に消費される電力の推移が消費予測データとは異なるものになってしまったりすることがある。このように予測が外れてしまった場合には、例えば、系統電力の消費量が増加してしまったり、発電電力の利用率が低下してしまったりする可能性がある。その結果、電気料金の節約のために以上のような制御を行ったにも拘らず、電気料金が逆に高くなってしまうようなことも生じ得る。
そこで、本実施形態に係る電力制御装置100では、電気料金が逆に高くなってしまうような場合には、必要に応じて充放電計画を変更するように構成されている。具体的には、図3(D)に示されるような充放電計画とは別に複数種類の充放電計画を予め作成し、これらのうち最も適切な充放電計画に基づいて蓄電装置330の充放電を制御するように構成されている。
以下の説明においては、これまでに説明したような制御に用いられる充放電計画(すなわち、図5に示される処理により作成される充放電計画)のことを「第1計画」とも表記する。つまり、第1計画とは、安価時間帯TM1において、系統電力による蓄電装置330の充電が途中まで行われた後、高価時間帯TM2において、蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量となるまで、発電電力による蓄電装置330の充電が行われるような充放電計画のことである。
計画部130は、第1計画とは別の充放電計画である第2計画も作成する。第2計画は、安価時間帯TM1における系統電力のみによって蓄電装置330の充電が行われるような充放電計画である。図7には、このような第2計画の一例が示されている。図7の例では、安価時間帯TM1が終了する時刻である7時に、蓄電装置330の蓄電量が最大蓄電量となるよう充電が行われる。このため、図3(D)に示される第1計画とは異なり、日中の時間帯には蓄電装置330への充電が行われない。尚、本実施形態においては、貯湯式給湯装置340の加熱運転が、安価時間帯TM1における系統電力のみによって行われるという条件の下で、図7に示されるような第2計画が作成される。
更に、計画部130は、第1計画及び第2計画とは別の充放電計画である第3計画も作成する。第3計画は、高価時間帯TM2における発電電力のみによって蓄電装置330の充電が行われるような充放電計画である。図8には、このような第3計画の一例が示されている。図8の例では、図3(D)に示される第1計画とは異なり、安価時間帯TM1においては蓄電装置330への充電が行われない。代わりに、日中の時間帯において充電される電力が、図3(D)に示される例よりも大きくなっている。尚、本実施形態においては、貯湯式給湯装置340の加熱運転が、高価時間帯TM2における発電電力のみによって行われるという条件の下で、図8に示されるような第3計画が作成される。
このように、本実施形態では3種類(第1計画、第2計画、及び第3計画)の充放電計画が作成される。これらのうち、適切な充放電計画を採用するために行われる具体的な処理について、図9を参照しながら説明する。図9に示される一連の処理は、図5に示される一連の処理に続いて行われるものである。
最初のステップS21では、第2計画及び第3計画の作成が行われる。尚、図9に示される一連の処理が開始される直前には、図5に示される一連の処理により第1計画が既に作成されている。このため、ステップS21が行われると、第1計画、第2計画、及び第3計画の3つが揃った状態となる。
ステップS21に続くステップS22では、制御対象期間の開始と同時に(すなわち、ステップS21の後で時刻が0時になると同時に)、第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が制御される。また、当該制御対象期間では、運転計画に沿って貯湯式給湯装置340の加熱運転も制御される。
このとき、電力制御装置100は、制御対象期間において電力消費機器320で実際に消費された電力の推移を計測し、小期間毎の電力量の値として記憶する。このとき記憶されるデータの形式は、例えば図2(A)に示されるような消費予測データの形式と同一である。
同様に、電力制御装置100は、制御対象期間において太陽光発電装置310で実際に発電された発電電力の推移を計測し、小期間毎の電力量の値として記憶する。このとき記憶されるデータの形式は、例えば図2(B)に示されるような発電予測データの形式と同一である。
更に、電力制御装置100は、制御対象期間において建物HMに実際に供給された系統電力(すなわち、買電又は売電された電力)の推移を計測し、小期間毎の電力量の値として記憶する。このとき記憶されるデータの形式は、例えば図2(C)に示されるような過不足データの形式と同一である。
制御対象期間が終了すると、ステップS23に移行する。ステップS23では、制御対象期間において建物HMに供給された系統電力の推移等に基づいて、先の制御対象期間における電気料金を算出する。当該電気料金は、第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われた日の実際の電気料金、ということができる。以下では、この実際の電気料金のことを「第1料金」とも表記する。
ステップS23に続くステップS24では、先の制御対象期間における蓄電装置330の充放電が、仮に第2計画に沿って行われたとした場合における電気料金が算出される。当該電気料金は、貯湯式給湯装置340の加熱運転が安価時間帯TM1の系統電力のみによって行われるという条件の下で算出される。以下では、この仮の電気料金のことを「第2料金」とも表記する。第2料金は、先の制御対象期間において電力消費機器320で消費された電力の推移、及び、太陽光発電装置310で発電された発電電力の推移に基づいて算出される。
ステップS24に続くステップS25では、先の制御対象期間における蓄電装置330の充放電が、仮に第3計画に沿って行われたとした場合における電気料金が算出される。当該電気料金は、貯湯式給湯装置340の加熱運転が高価時間帯TM2の発電電力のみによって行われるという条件の下で算出される。以下では、この仮の電気料金のことを「第3料金」とも表記する。第3料金は、第2料金の場合と同様に、先の制御対象期間において電力消費機器320で実際に消費された電力の推移、及び、太陽光発電装置310で実際に発電された発電電力の推移、に基づいて算出される。
ステップS25に続くステップS26では、第1料金が、第2料金にマージンMを加えた金額よりも高いか否かが判定される。マージンMは、任意に設定される固定の値である。マージンMには0以上の値が設定される。第1料金が、第2料金にマージンMを加えた金額以下である場合には、ステップS27に移行する。ステップS27では、変数であるカウンタC2の値が0にリセットされる。カウンタC2については後に説明する。
ステップS27に続くステップS28では、第1料金が、第3料金にマージンNを加えた金額よりも高いか否かが判定される。マージンNは、マージンMと同様に、任意に設定される固定の値である。マージンNには0以上の値が設定される。マージンNの値は、マージンMと同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。第1料金が、第3料金にマージンNを加えた金額以下である場合には、ステップS29に移行する。ステップS29では、変数であるカウンタC3の値が0にリセットされる。カウンタC3については後に説明する。
ステップS29の後は、ステップS30に移行する。ステップS30に移行したということは、第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われた場合において、電気料金が最も安くなる可能性が高いということである。このため、ステップS30では、翌日においても第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われるように設定される。尚、ここでいう「翌日」とは、ステップS22において制御が行われた制御対象期間に続く、次の制御対象期間のことである。
ステップS26において、第1料金が、第2料金にマージンMを加えた金額よりも高い場合には、ステップS31に移行する。ステップS31では、カウンタC2がインクリメントされる。つまり、カウンタC2にそれまで記憶されていた値に1を加えた値が、カウンタC2の新たな値として設定される。また、ステップS31では、カウンタC3の値が0にリセットされる。
つまりカウンタC2は、第1料金が、第2料金にマージンMを加えた金額よりも高くなってしまうような日が、連続して生じた回数を記憶するための変数ということになる。
ステップS31に続くステップS32では、カウンタC2の値が、所定の閾値Dよりも大きいか否かが判定される。本実施形態では、閾値Dの値は3に設定されている。カウンタC2の値が閾値D以下であった場合には、先に説明したステップS30に移行する。カウンタC2の値が閾値Dよりも大きい場合には、ステップS33に移行する。
ステップS33に移行したということは、第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われると電気料金が逆に高くなってしまうような状況が、複数日に亘り続いたということである。このため、ステップS33では、翌日においては第2計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われるように設定される。
ステップS28において、第1料金が、第3料金にマージンNを加えた金額よりも高い場合には、ステップS34に移行する。ステップS34では、カウンタC3がインクリメントされる。つまり、カウンタC3にそれまで記憶されていた値に1を加えた値が、カウンタC3の新たな値として設定される。
つまりカウンタC3は、第1料金が、第3料金にマージンNを加えた金額よりも高くなってしまうような日が、連続して生じた回数を記憶するための変数ということになる。
ステップS34に続くステップS35では、カウンタC3の値が、閾値Dよりも大きいか否かが判定される。尚、ステップS35における閾値は、本実施形態のようにステップS32における閾値Dと同じ値が用いられてもよいのであるが、異なる値が用いられてもよい。カウンタC3の値が閾値D以下であった場合には、先に説明したステップ30に移行する。カウンタC3の値が閾値Dよりも大きい場合には、ステップS36に移行する。
ステップS36に移行したということは、第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われると電気料金が逆に高くなってしまうような状況が、複数日に亘り続いたということである。このため、ステップS36では、翌日においては第3計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われるように設定される。
ステップS33又はステップS36に移行すると、翌日においては、第1計画とは異なる充放電計画に沿った充放電が行われる。例えばステップS33に移行すると、翌日は第2計画に沿って充放電が行われる。このとき、貯湯式給湯装置340の加熱運転は、安価時間帯TM1における系統電力のみによって行われる。また、ステップS36に移行すると、翌日は第3計画に沿って充放電が行われる。このとき、貯湯式給湯装置340の加熱運転は、高価時間帯TM2における発電電力のみによって行われる。
その後、第1計画に沿った方が、電気料金が安くなるような状況になると、再び第1計画に沿った充放電が行われるように設定される。そのために行われる処理について、図10を参照しながら説明する。図10に示される一連の処理は、ステップS33の処理が行われ、次の制御対象期間における充放電が第2計画に沿って行われた直後(当該制御対象期間が終了した直後)において実行されるものである。
最初のステップS41では、先の制御対象期間における蓄電装置330の充放電が、仮に第1計画に沿って行われたとした場合における電気料金が算出される。当該電気料金は、既に説明した第1料金に相当するものである。ただし、ここで算出される第1料金は実際の電気料金ではなく、仮の電気料金である。
ステップS41に続くステップS42では、先の制御対象期間における実際の電気料金が算出される。当該電気料金は、蓄電装置330の充放電が第2計画に沿って行われた結果としての電気料金であるから、既に説明した第2料金に相当するものである。ただし、ここで算出される第2料金は仮の電気料金ではなく、実際の電気料金である。
ステップS42に続くステップS43では、ステップS41で算出された第1料金が、ステップS42で算出された第2料金にマージンMを加えた金額、よりも高いか否かが判定される。第1料金が、第2料金にマージンMを加えた金額以下である場合には、ステップS44に移行する。
ステップS44に移行したということは、第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われた方が、第2計画に沿った場合よりも電気料金が安くなる可能性が高いということである。このため、ステップS30では、翌日(つまり、この後すぐに開始される制御対象期間)においては第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われるように設定される。
ステップS43において、第1料金が、第2料金にマージンMを加えた金額よりも高い場合には、ステップS45に移行する。ステップS45に移行したということは、第1計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われると電気料金が逆に高くなってしまうような状況が、現時点においても継続されているということである。このため、ステップS45では、翌日においても第2計画に沿って蓄電装置330の充放電が行われるように設定される。
尚、図9におけるステップS36の処理が行われ、次の制御対象期間における充放電が第3計画に沿って行われた直後においても、図10に示されるものと同様の処理が実行される。つまり、第3計画よりも第1計画に沿った方が、電気料金が安くなるような状況になると、再び第1計画に沿った充放電が行われるように設定される。
以上のように、本実施形態に係る電力制御装置100では、計画部130によって3つの充放電計画(第1計画、第2計画、及び第3計画)が作成される。制御対象期間における第1料金が、第2料金又は第3料金のいずれかよりも高いと判定されると、制御部150は、後の制御対象期間において、電気料金が第1料金よりも安くなる方の充放電計画(第2計画又は第3計画)に沿って充放電が行われるように蓄電装置330を制御する。このため、発電予測データや消費予測データの予測が大きく外れてしまった場合であっても、第1計画の採用により電気料金が高くなってしまうようなことが防止される。
第1計画、第2計画、及び第3計画のいずれを採用すべきかの判定は、使用者による操作を必要とすることなく自動的に行われる。このため、使用者に煩わしい思いをさせてしまうことが無い。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。