以下、本件を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、教育支援システムSの一例を説明するための図である。図1に示す教育支援システムSは、表示制御装置としての教師端末100、複数の生徒端末200、及び表示装置としてのプロジェクタ300を含んでいる。教師端末100は教師が利用する端末装置である。図1では、教師端末100の一例としてノート型のPersonal Computer(PC)が示されている。一方、生徒端末200は園児、児童、生徒などが利用する端末装置である。図1では、生徒端末200の一例としてタブレット端末が机上に示されている。また、生徒端末200の各々にはIPアドレスが割り当てられている。当該IPアドレスは教師端末100によって管理されている。尚、教師端末100や生徒端末200は図1に示す端末装置に限定されず、例えばデスクトップ型のPCやスマートフォンなどであってもよい。
プロジェクタ300はスクリーン310の所定領域AR0内に画像を表示又は投影(以下、単に表示と記載)する。プロジェクタ300は教師端末100と通信ケーブルCで接続されている。プロジェクタ300と教師端末100との接続形態は有線又は無線のLocal Area Network(LAN)であってもよい。所定領域AR0内に表示する画像は通信ケーブルCを介して教師端末100から送信される。したがって、教師端末100の画面上に表示される画像とプロジェクタ300が所定領域AR0内に表示する画像は基本的に同期する。
ここで、図1に示すように、教師がペン型の描画装置320を所定領域AR0内で移動させると、プロジェクタ300はペン先の軌道に従った描画D0を表示する。描画装置320はプロジェクタ300と超音波や赤外線などで通信している。描画装置320からペン先の座標に関する情報がプロジェクタ300に送信されると、プロジェクタ300は描画D0を所定領域AR0内に表示する。これにより、所定領域AR0内に表示される画像に対して教師は所望の描画D0を生徒に提示することができる。
教師端末100と生徒端末200はアクセスポイントAPが形成する後述の無線LANによって接続されている。詳細は後述するが、教師端末100は生徒端末200のそれぞれに対し、教師が選択した課題とその課題に対する回答を求める情報を送信する。生徒端末200が情報を受信すると、生徒は表示部200Gからそれぞれ課題に対する回答などを入力する。生徒端末200は入力された回答を回答情報として教師端末100に送信する。これにより、教師端末100には生徒端末200を操作する各生徒の課題に対する回答を収集することができる。そして、教師端末100は回答情報の受信を終えると、教師は教師端末100に特定の操作を行って回答情報をそれぞれ含む複数の領域をマトリクス状に並べてプロジェクタ300に表示させる。これにより、スクリーン310の所定領域AR0内には各生徒の回答をそれぞれ含む複数の領域がマトリクス状に並べられて画像として表示される。
尚、上述したアクセスポイントAPは例えば学校内に設置された通信ネットワーク(例えばLANなど)NWにも接続されている。また、回答を含む領域は矩形領域に限定されず、例えば多角形、楕円、真円の領域であってもよい。また、矩形領域や多角形の領域は角が丸まっていてもよい。本実施形態では、矩形領域を一例として説明する。
図2は、教育支援システムSの別の一例を説明するための図である。図2に示す教育支援システムSは、教師端末100、複数の生徒端末200、表示装置としての電子黒板400、及び表示制御装置としてのサーバ装置500を含んでいる。尚、図2に示す教育支援システムSにおける教師端末100と生徒端末200との各種情報の送受信は基本的に図1に示す教育支援システムSと同様であるため説明を省略する。
図2に示すように、教師端末100と電子黒板400とサーバ装置500とアクセスポイントAPは通信ネットワークNWに接続されている。サーバ装置500は、教師端末100から送信される各種情報を受信し、受信した各種情報に基づいて電子黒板400を制御する。例えば教師端末100がタッチパネルを備えている場合、図2に示すように、教師がタッチパネル上で描画装置320を移動させると、教師端末100はペン先の軌道に従った描画D0aを表示し、ペン先の座標に関する情報をサーバ装置500に送信する。サーバ装置500は受信した情報に基づいてペン先の軌道に従った描画D0を電子黒板400の所定領域AR0に表示させる。これにより、電子黒板400は描画D0を表示する。
このように、図1に示す教育支援システムSでは教師端末100がプロジェクタ300の表示を制御したが、図2に示す教育支援システムSでは教師端末100の一部機能がサーバ装置500に分散し、サーバ装置500が電子黒板400の表示を制御する。教師端末100と電子黒板400との間にサーバ装置500を介在させ、サーバ装置500が電子黒板400を制御するため、仮に教師端末100の仕様(スペック)が図1に示す場合と比べて低い場合であっても、電子黒板400の表示を制御することができる。
尚、図1に示すプロジェクタ300とスクリーン310のセットを電子黒板400に置き換えてもよいし、図2に示す電子黒板400をプロジェクタ300とスクリーン310のセットに置き換えてもよい。以下の説明では、プロジェクタ300とスクリーン310のセットを一例として説明するが、電子黒板400であってもスクリーン310と基本的に同様である。
次に、図3を参照して、教師端末100のハードウェア構成について説明する。尚、上述した生徒端末200及びサーバ装置500については基本的に教師端末100と同様のハードウェア構成であるため説明を省略する。
図3は、教師端末100のハードウェア構成の一例である。図3に示すように、教師端末100は、少なくともCentral Processing Unit(CPU)100A、Random Access Memory(RAM)100B、Read Only Memory(ROM)100C及びネットワークI/F(インタフェース)100Dを含んでいる。また、教師端末100は、入力部100F及び表示部100Gも含んでいる。入力部100Fとしては、例えばキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなどがある。表示部100Gとしては、例えば液晶ディスプレイがある。さらに、教師端末100は、必要に応じて、Hard Disk Drive(HDD)100E、入出力I/F100H、ドライブ装置100Iの少なくとも1つを含んでいてもよい。CPU100A、・・・、ドライブ装置100Iは、内部バス100Jによって互いに接続されている。少なくともCPU100AとRAM100Bとが協働することによってコンピュータが実現される。
入出力I/F100Hには、上述した描画装置320や半導体メモリ730が接続される。半導体メモリ730としては、例えばUniversal Serial Bus(USB)メモリやフラッシュメモリなどがある。入出力I/F100Hは、半導体メモリ730に記憶されたプログラムやデータを読み取る。入出力I/F100Hは、例えばUSBポートを備えている。
ドライブ装置100Iには、可搬型記録媒体740が挿入される。可搬型記録媒体740としては、例えばCompact Disc(CD)−ROM、Digital Versatile Disc(DVD)といったリムーバブルディスクがある。ドライブ装置100Iは、可搬型記録媒体740に記録されたプログラムやデータを読み込む。
ネットワークI/F100Dは、例えばポートとPhysical Layer Chip(PHYチップ)とを備えている。教師端末100は、ネットワークI/F100Dを介して無線LAN10と接続される。
上述したRAM100Bには、HDD100Eに記憶されたプログラムがCPU100Aによって格納される。RAM100Bには、可搬型記録媒体740に記録されたプログラムがCPU100Aによって格納される。格納されたプログラムをCPU100Aが実行することにより、後述する各種の機能が実現され、また、後述する各種の動作が実行される。尚、プログラムは後述するフローチャートに応じたものとすればよい。
次に、図4から図8までを参照して、教師端末100及び生徒端末200の機能の詳細について説明する。
図4は、教師端末100及び生徒端末200の機能ブロック図の一例である。図5(a)は、生徒情報テーブルT1の一例である。図5(b)は、課題情報テーブルT2の一例である。図6は、領域座標テーブルT3の一例である。図7は、回答情報テーブルT4の一例である。図8は、描画情報テーブルT5の一例である。
教師端末100は、図4に示すように、生徒情報記憶部101、課題情報記憶部102、領域座標記憶部103、回答情報記憶部104、描画情報記憶部105及び処理手段としての第1情報処理部106を含んでいる。また、生徒端末200はそれぞれ第2情報処理部201を含んでいる。教師端末100と生徒端末200の各々は無線LAN10を介して接続されている。
生徒情報記憶部101は、園児、児童、生徒に関する生徒情報を記憶する。具体的には、図5(a)に示すように、生徒情報記憶部101は、生徒情報テーブルT1により生徒情報を管理する。本実施形態では8名の生徒情報が管理されている。生徒情報は、生徒ID、生徒名及び生徒端末IPアドレスを構成要素として含んでいる。生徒IDは生徒を識別する識別情報である。生徒IDは事前に各生徒に付与されている。生徒IDとしては例えば出席番号や学籍番号などがある。生徒端末IPアドレスは生徒端末200の各々に割り当てられたIPアドレスである。尚、生徒情報は生徒情報記憶部101に事前に(例えば授業前など)登録される。
課題情報記憶部102は、課題に関する課題情報を記憶する。具体的には、図5(b)に示すように、課題情報記憶部102は、課題情報テーブルT2により課題情報を管理する。本実施形態では4つの課題情報が管理されている。課題情報は、課題ID、課題内容及び回答制限時間を構成要素として含んでいる。課題IDは課題を識別する識別情報である。課題IDは第1情報処理部106によって付与される。より詳しくは、教師端末100に課題内容及び回答制限時間のセットが登録される度に第1情報処理部106がそのセットに課題IDを付与する。回答制限時間はその課題に対する回答を制限する時間である。尚、課題情報は課題情報記憶部102に事前に(例えば授業前などに)登録される。
領域座標記憶部103は、回答を含む矩形領域である回答領域及び回答領域を拡張した拡張領域の所定領域AR0上での座標に関する領域座標を記憶する。具体的には、図6に示すように、領域座標記憶部103は、領域座標テーブルT3により領域座標を管理する。本実施形態では8つの回答領域及び拡張領域の領域座標が管理されている。領域座標は、領域ID並びに回答領域及び拡張領域の左上、左下、右上及び右下の座標を構成要素として含んでいる。領域IDは左上、左下、右上及び右下の座標によって特定される回答領域及び拡張領域を識別する識別情報である。領域IDは座席の順序に対応付けて登録されている。
具体的には、図1及び図2において、前列左端の座席には座席を識別する識別情報として座席ID「1」が予め割り当てられている。以降、右に1つ移るにつれて座席ID「2」及び座席ID「3」が順に割り当てられ、前列右端の座席には座席ID「4」が割り当てられている。同様に、後列左端の座席には座席ID「5」が割り当てられている。以降、右に1つ移るにつれて座席ID「6」及び座席ID「7」が順に割り当てられ、後列右端の座席には座席ID「8」が割り当てられている。領域座標もまた領域座標記憶部103に事前に(例えば授業前に)登録される。尚、詳細は後述するが、本実施形態において回答領域及び拡張領域を特定する各座標の原点は、領域ID「5」の回答領域の左下の座標であり、図1を参照して説明した所定領域AR0上で下段左端に表示される回答領域の左下の座標に対応する。
回答情報記憶部104は、回答に関する回答情報を記憶する。具体的には、図7に示すように、回答情報記憶部104は、回答情報テーブルT4により回答情報を課題毎に管理する。本実施形態の課題の1つでは8名分の回答情報が管理される。回答情報は賛否及び意見内容を構成要素として含み、生徒ID及び領域IDが回答情報に関連付けられている。詳細は後述するが、賛否及び意見内容には第1情報処理部106が生徒端末200から受信した回答情報に含まれる賛成又は反対のいずれかと意見が登録される。また、領域IDは第1情報処理部106によって登録されたり割り振られたりする。
描画情報記憶部105は、描画に関する描画情報を記憶する。具体的には、図8に示すように、描画情報記憶部105は、描画情報テーブルT5により描画情報を管理する。本実施形態では複数の描画情報が管理されている。描画情報は、表示順フラグ、描画ID、始点座標、終点座標、経過座標及び個人意見フラグを構成要素として含んでいる。表示順フラグは、描画が行われた際の回答領域の表示順が座席順であったか多答順であったかを示すフラグである。フラグ「Z」は座席順であったことを示し、フラグ「T」は多答順であったことを示す。描画IDは描画を識別する識別情報である。描画IDは第1情報処理部106によって生成される。より詳しくは、描画が開始されると第1情報処理部106が描画IDを生成し、生成した描画IDを後述の始点座標、終点座標、経過座標に関連付ける。始点座標は描画を開始した座標である。終点座標は描画を終了した座標である。経過座標は始点座標から終点座標に至るまで経過した座標である。したがって、始点座標から終点座標まで経過座標上をたどれば、行われた描画と同じ描画を表すことができる。個人意見フラグは、行われた描画が個々の回答領域に対して行われたか複数の回答領域に跨って行われたかを示すフラグである。フラグ「1」は個々の回答領域に対して行われたことを示す。すなわち、フラグ「1」の描画は生徒個人の意見に対して行われた描画であることを示す。フラグ「0」は複数の回答領域に跨って行われたことを示す。すなわち、フラグ「0」の描画は複数生徒の意見に対して行われた描画であることを示す。
第1情報処理部106は、複数の回答領域の表示順の変更に基づいて、複数の回答領域に跨らずに個々の回答領域に対して行われた描画を、個々の領域とその描画との位置関係を保って変更後の回答領域に表示させ、複数の回答領域に跨って行われた描画を表示対象から除外する。また、第1情報処理部106は、変更前の回答領域の表示位置を特定する4つの座標(図6参照)のいずれか(例えば左上の座標)と変更後の回答領域の表示位置を特定する4つの座標の対応座標(例えば左上の座標)に基づいて、変更後の回答領域に表示させる描画の表示位置を特定する座標を算出する。その他、第1情報処理部106は、表示順が座席順から多答順に変更された場合に、複数の回答領域を矩形波の形状に従って並び替えたり、表示順が元の表示順に変更された場合、複数の回答領域に跨って行われた描画を変更前の回答領域に表示させたりする。
第2情報処理部201は、教師端末100から送信された各種情報を受信したり、各種画面を生徒端末200の表示部200G(図1参照)に表示させたり、教師端末100に各種情報を送信したりする。例えば、第2情報処理部201が教師端末100から送信された課題内容などを受信すると、その課題内容に対する回答の入力を求める回答画面を表示部200Gに表示させる。また、第2情報処理部201は、入力された回答を教師端末100に送信する要求を受信すると、入力された回答を含む回答情報を教師端末100に送信する。
続いて、図9から図12までを参照して、教師端末100及び生徒端末200の動作について説明する。
図9は、教師端末100の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、ログイン画面の一例である。図11は、生徒端末200の動作の一例を示すフローチャートである。図12は、回答情報テーブルT4の別の一例である。
まず、教師端末100では、図9に示すように、第1情報処理部106がログイン画面を生徒端末200に送信する(ステップS101)。具体的には、教師が授業開始時などに教師端末100に対し特定の操作を行うと、第1情報処理部106は生徒情報記憶部101(図5(a)参照)から全ての生徒端末IPアドレスを取得する。そして、第1情報処理部106は取得した生徒端末IPアドレスに向けてログイン画面を送信する。第1情報処理部106はログイン画面を送信した後、生徒情報記憶部101から全ての生徒IDを取得し、回答情報記憶部104に登録する。これにより、回答情報記憶部104は生徒IDを記憶する(図7参照)。第1情報処理部106は生徒IDを回答情報記憶部104に登録した後、生徒IDと座席IDを受信したと判断するまで待機する(ステップS102:NO)。
生徒端末200では、図11に示すように、第2情報処理部201がログイン画面を受信するまで待機し(ステップS201:NO)、ログイン画面を受信すると(ステップS201:YES)、ログイン画面を表示部200Gに表示させ(ステップS202)、生徒IDと座席IDの入力があるまで待機する(ステップS203:NO)。ログイン画面は、図10に示すように、生徒IDを入力する第1の入力欄B1と座席IDを入力する第2の入力欄B2と生徒ID及び座席IDを教師端末100に送信するボタンBt1を含んでいる。生徒は第1の入力欄B1及び第2の入力欄B2にそれぞれ生徒ID及び座席IDを入力する。そして、生徒がボタンBt1を手指FGで押下すると、第2情報処理部201は生徒IDと座席IDの入力があったと判断し(ステップS203:YES)、生徒IDと座席IDを教師端末100に送信する(ステップS204)。第2情報処理部201は生徒IDと座席IDを送信した後、課題IDと課題内容を受信したと判断するまで待機する(ステップS205:NO)。
教師端末100では、図9に示すように、第1情報処理部106が生徒IDと座席IDを受信したと判断すると(ステップS102:YES)、次いで、受信した座席IDを領域IDとして回答情報記憶部104に登録する(ステップS103)。より詳しくは、第1情報処理部106は、回答情報記憶部104が既に記憶する生徒IDと受信した生徒IDとが一致する領域IDに対して受信した座席IDを登録する。図10に示すように、本実施形態では、生徒ID「1001」及び座席ID「1」を受信しているため、図12に示すように、回答情報記憶部104では生徒ID「1001」と領域ID「1」とが関連付けられる。尚、本実施形態では、座席IDと領域IDとが同様の値として利用しているが、座席IDと異なる領域IDを事前に対応付けておき、第1情報処理部106が座席IDに対応する領域IDを取得し、取得した領域IDを回答情報記憶部104に登録するようにしてもよい。
ここで、教師端末100では、図9に示すように、第1情報処理部106が全生徒から受信済であるか否かを判断する(ステップS104)。例えば、第1情報処理部106は回答情報記憶部104を参照し、全ての生徒IDに対して領域IDが登録されているか否か確認する。第1情報処理部106は、全ての生徒IDに対して領域IDが登録されていないことを確認した場合、全生徒から受信済でないと判断し(ステップS104:NO)、ステップS102及びステップS103の処理を繰り返す。これにより、第1情報処理部106は、全ての生徒IDに対応する領域IDを回答情報記憶部104に登録する。
一方、図12に示すように、第1情報処理部106は、全ての生徒IDに対して領域IDが登録されていることを確認した場合、全生徒から生徒IDと座席IDとが受信済であると判断する(ステップS104:YES)。第1情報処理部106は、全生徒から受信済であると判断すると、後述する回答収集処理を実行し(ステップS105)、回答表示処理を実行する(ステップS106)。
次に、図13から図16までを参照して、上述した回答収集処理について説明する。
図13は、回答収集処理の一例を示すフローチャートである。図14は、課題選択画面の一例である。図15は、回答画面の一例である。図16は、回答情報テーブルT4の別の一例である。
上述したように、ステップS104の処理において、第1情報処理部106が全生徒から生徒IDと座席IDとが受信済であると判断すると、図13に示すように、第1情報処理部106は課題選択画面を表示部100Gに表示させ(ステップS301)、いずれかの課題が選択された後で、送信ボタンが押下されたと判断するまで待機する(ステップS302:NO)。より詳しくは、第1情報処理部106は課題情報記憶部102から課題情報を抽出して課題選択画面を生成し、生成した課題選択画面を表示させて待機する。課題選択画面は、図14に示すように、課題を選択する選択ボタンBt2と、抽出した課題情報に含まれる課題ID及び課題内容と、課題内容を生徒端末200に送信する送信ボタンBt3と、キャンセルボタンBt4とを含んでいる。教師は選択ボタンBt2にチェックを入力し、送信ボタンBt3をポインタPtで押下すると、第1情報処理部106は送信ボタンが押下されたと判断し(ステップS302:YES)、課題IDと課題内容を生徒端末200に送信する(ステップS303)。具体的には、第1情報処理部106はチェックを入力した選択ボタンBt2に関連付けられた課題IDと課題内容を送信する。ステップS303の処理が完了すると、第1情報処理部106は経過時間を測定し(ステップS304)、回答情報を受信したか否かを判断する(ステップS305)。
ここで、生徒端末200では、図11に示すように、第2情報処理部201が課題IDと課題内容を受信したと判断すると(ステップS205:YES)、第2情報処理部201は回答画面を表示部200Gに表示させる(ステップS206)。第2情報処理部201は回答画面を表示させた後、賛否の選択と意見の入力があったと判断するまで待機する(ステップS207:NO)。
回答画面は、図15に示すように、受信した課題IDと課題内容を含んでいる。また、回答画面は、賛否を選択する選択ボタンBt5、課題に対する意見を入力するための意見欄20、回答情報を教師端末100に送信するボタンBt6、及び意見クリアボタンBt7を含んでいる。回答情報は、選択された賛成又は反対、入力された意見、及び生徒IDを含んでいる。生徒は選択ボタンBt5のいずれかにチェックを入力することで賛成又は反対を選択し、意見欄20に意見を入力する。そして、生徒は送信ボタンBt6を手指FGで押下すると、図11に示すように、第2情報処理部201は賛否の選択と意見の入力があったと判断し(ステップS207:YES)、回答情報を教師端末100に送信する(ステップS208)。
教師端末100では、図13に示すように、第1情報処理部106が回答情報を受信したと判断すると(ステップS305:YES)、第1情報処理部106は回答情報記憶部104に回答情報を登録する(ステップS306)。より詳しくは、第1情報処理部106は回答情報に含まれる生徒IDに対応する賛否及び意見内容に、その回答情報に含まれる賛成又は反対と意見とをそれぞれ登録する。
一方、第1情報処理部106が回答情報を受信しなかったと判断した場合(ステップS305:NO)、又はステップS306の処理が完了した場合、第1情報処理部106は回答制限時間を経過したか否かを判断する(ステップS307)。尚、回答制限時間はチェックを入力した選択ボタンBt2に関連付けられた制限時間である。回答制限時間は課題情報を抽出した際に取得されている。
ここで、ステップS307の処理において、第1情報処理部106が回答制限時間を経過していないと判断した場合(ステップS307:NO)、ステップS305の処理に戻る。一方、第1情報処理部106が回答制限時間を経過したと判断した場合(ステップS307:YES)、第1情報処理部106は回答収集処理を終了する。この結果、回答制限時間内に本実施形態に係る生徒全員が生徒端末200から教師端末100に回答情報を送信していれば、図16に示すように、回答情報記憶部104は生徒全員の回答情報を記憶する。
次に、図17及び図18を参照して、上述した回答表示処理について説明する。
図17は、回答表示処理の一例を示すフローチャートである。図18は、描画が行われている最中の回答領域の表示例である。第1情報処理部106が回答収集処理を実行し終えると、図17に示すように、第1情報処理部106は回答情報記憶部104から回答情報と領域IDを抽出する(ステップS401)。その後、第1情報処理部106は領域IDに応じた座標を領域座標記憶部103(図6参照)から抽出する(ステップS402)。より詳しくは、第1情報処理部106は領域IDに応じた回答領域座標を抽出する。次いで、第1情報処理部106は、座標により特定される領域内に回答情報を投入する(ステップS403)。すなわち、第1情報処理部106は回答領域座標により特定される回答領域内に賛成又は反対と意見とを生徒毎に投入する。これにより、各回答領域に各生徒の賛否と意見が反映される。
ステップS403の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は回答情報を含む各領域をマトリクス状に並べて表示させる(ステップS404)。すなわち、第1情報処理部106は表示位置が特定されている各回答領域をマトリクス状にプロジェクタ300に表示させる。これにより、図18に示すように、スクリーン310上の所定領域AR0には各生徒の回答をそれぞれ含む複数の回答領域AR1、AR2、・・・、AR8がマトリクス状に並べられて表示される。例えば、領域ID「1」の座標(0,60)、(0,30)、(40,60)、(40,30)により特定される回答領域AR1には生徒ID「1001」の生徒「田中さん」の賛否及び意見が反映されて表示される。そのほか、第1情報処理部106は回答領域を多答順に変更するボタンBt8及び回答領域の表示を終了するボタンBt9をプロジェクタ300に表示させる。尚、図18に示す座標軸及び拡張領域AR9を表す破線枠は本実施形態の説明のために示すものであり、所定領域AR0には表示されない。
ステップS404の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は画面上でマークの描画が行われたか否かを判断する(ステップS405)。例えば、第1情報処理部106は、図18に示すように、所定領域AR0上で描画装置320によりマークの描画D−M1が行われたか否かを判断する。ここで、第1情報処理部106は画面上でマークの描画が行われたと判断した場合(ステップS405:YES)、描画登録処理を実行し(ステップS406)、描画表示処理を実行する(ステップS407)。尚、描画登録処理及び描画表示処理の詳細については後述する。
一方、第1情報処理部106が画面上でマークの描画が行われなかったと判断した場合(ステップS405:NO)、又はステップS407の描画表示処理が完了した場合、第1情報処理部106は多答順に変更されたか否かを判断する(ステップS408)。また、第1情報処理部106は多答順に変更されなかったと判断した場合(ステップS408:NO)、第1情報処理部106は終了要求を受信したか否かを判断する(ステップS409)。
すなわち、例えば図18に示すボタンBt8に描画装置320のペン先が触れた場合、第1情報処理部106は多答順に変更されたと判断し(ステップS408:YES)、後続の処理を実行する。一方、例えば図18に示すボタンBt9に描画装置320のペン先が触れた場合、第1情報処理部106は終了要求を受信したと判断し(ステップS409:YES)、処理を終了する。逆に、ボタンBt8,Bt9のいずれにも描画装置320のペン先が触れなかった場合(ステップS409:NO)、第1情報処理部106はステップS405の処理に移行する。すなわち、第1情報処理部106は画面に対する描画を待機する。このように、1つの描画が行われる度に第1情報処理部106はステップS406及びS407の処理を実行する。そして、図18に示すように、描画D−M2又は描画D−M3のいずれかが行われると、再び、第1情報処理部106はステップS406及びS407の処理を実行する。
ここで、図19を参照して上述した描画登録処理の詳細について説明する。
図19は、描画登録処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、ステップS405の処理において、第1情報処理部106が画面上で描画が行われたと判断した場合、新規の描画IDを生成し(ステップS501)、プロジェクタ300から描画の始点座標と終点座標と経過座標を取得する(ステップS502)。ステップS502の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は描画情報記憶部105に描画IDと各座標を対応付けて登録する(ステップS503)。
さらに、第1情報処理部106は描画情報記憶部105に現在の表示順を登録する(ステップS504)。例えば所定領域AR0に表示されている複数の回答領域AR1〜AR8の現在の表示順が座席順である場合、第1情報処理部106はステップS503の処理で登録された描画IDにフラグ「Z」を対応付けて描画情報記憶部105に登録する。例えばその表示順が多答順である場合、第1情報処理部106はステップS503の処理で登録された描画IDにフラグ「T」を対応付けて描画情報記憶部105に登録する。
ここで、第1情報処理部106は描画情報が複数の回答領域に跨るか否かを判断する(ステップS505)。すなわち、第1情報処理部106は始点座標、終点座標、及び経過座標のすべてにより特定される描画が複数の回答領域に跨るか否かを判断する。そして、第1情報処理部106は描画情報が複数の回答領域に跨ると判断した場合(ステップS505:YES)、描画情報記憶部105に複数意見を表すフラグ「0」を登録し(ステップS506)、処理を終了する。
一方、第1情報処理部106は描画情報が複数の回答領域に跨らないと判断した場合(ステップS505:NO)、さらに、第1情報処理部106は描画情報が個々の拡張領域に含まれるか否かを判断する(ステップS507)。すなわち、第1情報処理部106は始点座標、終点座標、及び経過座標のすべてにより特定される描画が個々の拡張領域に含まれるか否かを判断する。そして、第1情報処理部106は描画情報が個々の拡張領域に含まれると判断した場合(ステップS507:YES)、描画情報記憶部105に個人意見を表すフラグ「1」を登録し(ステップS508)、処理を終了する。
一方、第1情報処理部106は描画情報が個々の拡張領域に含まれないと判断した場合(ステップS507:NO)、ステップS508の処理をスキップし、処理を終了する。すなわち、回答領域及び拡張領域以外の領域に対して行われた描画に対しては描画情報記憶部105にフラグが登録されない。このように、フラグが登録されなかった描画情報については、第1情報処理部106は表示順の変更の有無に関わらず描画をそのまま残して表示させる。以上の処理により、描画情報記憶部105は描画ID、描画の始点座標、終点座標、経過座標、表示順を表すフラグ及び個人意見を表すフラグを互いに関連付けて記憶する(図8参照)。
さらに、図20及び図21を参照して上述した描画表示処理の詳細について説明する。
図20は、描画表示処理の一例を示すフローチャートである。図21は、実施形態に係る描画の表示例である。上述したようにステップS406の描画登録処理が終了すると(図17参照)、図20に示すように、第1情報処理部106は個人意見を表すフラグ「1」の描画情報を抽出する(ステップS601)。ステップS601の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は描画情報の表示順フラグを確認する(ステップS602)。ここで、第1情報処理部106は現在の表示順と異なるか否かを判断する(ステップS603)。例えば所定領域AR0に現在表示されている複数の回答領域AR1〜AR8の表示順が座席順である場合に、抽出した描画情報に含まれる表示順のフラグが「Z」であると、第1情報処理部106は現在の表示順と同じであると判断する(ステップS603:NO)。一方、例えば所定領域AR0に現在表示されている複数の回答領域AR1〜AR8の表示順が座席順である場合に、抽出した描画情報に含まれる表示順のフラグが「T」であると、第1情報処理部106は現在の表示順と異なると判断する(ステップS603:YES)。
ステップS603の処理において、第1情報処理部106が現在の表示順と同じであると判断した場合、第1情報処理部106は抽出した描画情報が有する座標で個人意見の描画をプロジェクタ300に表示させる(ステップS604)。これにより、図21に示すように、回答領域AR1,AR2のそれぞれに対して行われたマークの描画D−M1,D−M3が表示される。
次いで、第1情報処理部106は複数意見を表すフラグ「0」の描画情報を抽出する(ステップS605)。ステップS605の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は描画情報の表示順フラグを確認する(ステップS606)。ここで、再び第1情報処理部106は現在の表示順と異なるか否かを判断する(ステップS607)。
ステップS607の処理において、第1情報処理部106が現在の表示順と同じであると判断した場合(ステップS607:NO)、第1情報処理部106は抽出した描画情報が有する座標で複数意見の描画をプロジェクタ300に表示させる(ステップS608)。これにより、図21に示すように、複数の回答領域AR1,AR2,AR5,AR6に跨って行われたマークの描画D−M2が表示される。尚、ステップS603及びステップS607の処理において、第1情報処理部106が現在の表示順と異なると判断した場合に実行される後続の処理については後に詳しく説明する。
次に、図22から図24までを参照して、多答順に変更された場合の回答表示処理の詳細について説明する。
図22は、回答表示処理の別の一例を示すフローチャートである。図23は、回答情報テーブルT4の別の一例である。図24は、実施形態に係る描画の他の表示例である。上述したように、ステップS408の処理において(図17参照)、第1情報処理部106が多答順に変更されたと判断した場合、図22に示すように、第1情報処理部106は回答情報記憶部104から回答情報を抽出する(ステップS701)。ステップS701の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は回答情報に領域IDを割り振る(ステップS702)。より詳しくは、第1情報処理部106は、まず抽出した回答情報から賛否の数が多い方の回答情報を選択し、次に選択した回答情報に対して生徒IDの登録順にその回答情報を含む回答領域が矩形波の形状に従って並んで表示されるように領域IDを割り振る。賛否の数が少ない方の回答情報も同様である。これにより、図23に示すように、賛否に「賛成」が登録された回答情報に対し生徒IDの登録順に領域ID「1」、「5」、「6」、「2」、「3」、「7」が割り振られ、次に、賛否に「反対」が登録された回答情報に対し生徒IDの登録順に領域ID「8」、「4」が割り振られる。
ステップS702の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は領域IDに応じた座標を領域座標記憶部103(図6参照)から抽出する(ステップS703)。より詳しくは、第1情報処理部106は領域IDに応じた回答領域座標を抽出する。次いで、第1情報処理部106は、座標により特定される領域内に回答情報を投入する(ステップS704)。すなわち、第1情報処理部106は回答領域座標により特定される回答領域内に賛成又は反対と意見とを生徒毎に投入する。これにより、各回答領域に各生徒の賛否と意見が反映される。
ステップS704の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は回答情報を含む各領域をマトリクス状に並べて表示させる(ステップS705)。すなわち、第1情報処理部106は表示位置が特定されている各回答領域をマトリクス状にプロジェクタ300に表示させる。これにより、図24に示すように、スクリーン310上の所定領域AR0には各生徒の回答をそれぞれ含む複数の回答領域AR1、AR2、・・・、AR8がマトリクス状に並べられて表示される。特に、複数の回答領域AR1、AR2、・・・、AR8は矩形波の形状に従って表示される。このため、例えば、領域ID「8」の座標(120,30)、(120,0)、(160,30)、(160,00)により特定される回答領域AR2には生徒ID「1002」の生徒「山田さん」の賛否及び意見が反映されて表示される。そのほか、第1情報処理部106は回答領域を座席順に変更するボタンBt10及び回答領域の表示を終了するボタンBt11をプロジェクタ300に表示させる。
このように、本実施形態では、多答順に変更した場合に、第1情報処理部106は複数の回答領域を矩形波の形状に従って表示させている。これにより、複数の回答領域のいずれか1つを特定するカーソルにより教師が生徒の回答を左上端から順にテンキーなどで指定して説明する際に、テンキーの1つを1度押下すれば、前に指定して説明した回答領域とは別の回答領域を指定して説明でき、回答内容(賛否)がばらばらに表示されている場合に比べ、生徒の視線を例えば右端から左端に移動させることが回避される。すなわち、このような表示形態により、教師の説明に伴う手間が省けるとともに、生徒の視線移動を減らすことができる。
ステップS705の処理が完了すると、次いで、第1情報処理部106は画面上でマークの描画が行われたか否かを判断する(ステップS706)。より詳しくは、第1情報処理部106は、多答順に並べられた複数の回答領域AR1〜AR8を含む所定領域AR0(図24参照)上で描画装置320によりマークの描画が行われたか否かを判断する。ここで、第1情報処理部106は画面上でマークの描画が行われたと判断した場合(ステップS706:YES)、描画登録処理を実行し(ステップS707)、描画表示処理を実行する(ステップS708)。
尚、多答順に並べられた複数の回答領域AR1〜AR8に対して描画が行われた場合、描画登録処理において表示順フラグにフラグ「T」が登録される(図8参照)。本実施形態では描画が行われていないものとして説明し、多答順における描画登録処理の詳細な説明は省略する。一方、多答順における描画表示処理の詳細については後に再び図20を参照して説明する。
第1情報処理部106が画面上でマークの描画が行われなかったと判断した場合(ステップS706:NO)、又はステップS708の描画表示処理が完了した場合、第1情報処理部106は座席順に変更されたか否かを判断する(ステップS709)。また、第1情報処理部106は座席順に変更されなかったと判断した場合(ステップS709:NO)、第1情報処理部106は終了要求を受信したか否かを判断する(ステップS710)。
すなわち、例えば図24に示すボタンBt10に描画装置320のペン先が触れた場合、第1情報処理部106は座席順に変更されたと判断し(ステップS709:YES)、ステップS401の処理(図17参照)を実行する。一方、例えば図24に示すボタンBt11に描画装置320のペン先が触れた場合、第1情報処理部106は終了要求を受信したと判断し(ステップS710:YES)、処理を終了する。逆に、ボタンBt10,Bt11のいずれにも描画装置320のペン先が触れなかった場合(ステップS710:NO)、第1情報処理部106はステップS706の処理に移行する。すなわち、第1情報処理部106は多答順の状態で画面に対する描画を待機する。
ここで、再び図20を参照して、多答順における描画表示処理の詳細について説明する。
上述したようにステップS707の描画登録処理(図22参照)が終了すると、図20に示すように、ステップS601の処理において、第1情報処理部106は個人意見を表すフラグ「1」の描画情報を抽出する。ステップS601の処理が完了すると、次いで、ステップS602の処理において、第1情報処理部106は描画情報の表示順フラグを確認する。ここで、ステップS603の処理において、第1情報処理部106は現在の表示順と異なるか否かを判断する。図24を参照して説明したように、本実施形態では現在多答順で複数の回答領域AR1〜AR8が表示されている。このため、確認した表示順フラグがフラグ「Z」である場合、第1情報処理部106は現在の表示順と異なると判断する。
ステップS603の処理において、第1情報処理部106が現在の表示順と異なると判断した場合、第1情報処理部106は変更前後の回答領域AR1〜AR8のいずれかの座標に基づき、変更後の描画の座標を算出する(ステップS609)。例えば、第1情報処理部106は変更前の回答領域AR2の左上の座標と変更後の回答領域AR2の左上の座標とに基づいて、座標の変化量を特定する。そして、第1情報処理部106は特定した変化量を変更前の描画の始点座標、終点座標及び経過座標のすべてに適用し、変更後の描画の座標を算出する。
ステップS609の処理が完了すると、第1情報処理部106は変更後の座標で描画を表示させる(ステップS610)。これにより、図24に示すように、変更前の回答領域AR2に対して行われたマークの描画D−M3(図21参照)は、回答領域AR2が多答順に並び替えられても、変更前と同様に、回答領域AR2の対応部分に表示される。すなわち、変更前後で回答領域AR2に対する描画D−M3の位置関係が保たれている。
ステップS610の処理が完了すると、次いで、ステップS605の処理において、第1情報処理部106は複数意見を表すフラグ「0」の描画情報を抽出する。ステップS605の処理が完了すると、次いで、ステップS606の処理において、第1情報処理部106は描画情報の表示順フラグを確認する。ここで、ステップS607の処理において、再び第1情報処理部106は現在の表示順と異なるか否かを判断する。上述したように、本実施形態では現在多答順で複数の回答領域AR1〜AR8が表示されているため、確認した表示順フラグがフラグ「Z」である場合、第1情報処理部106は現在の表示順と異なると判断する。
ステップS607の処理において、第1情報処理部106が現在の表示順と異なると判断した場合、第1情報処理部106は抽出した描画情報による描画を表示対象から除外する(ステップS611)。これにより、図24に示すように、変更前の複数の回答領域AR1,AR2,AR5,AR6に対して行われていたマークの描画D−M2(図21参照)は、複数の回答領域AR1〜AR8が多答順に並び替えられると、画面上から消去される。このように、座席順から多答順に回答領域の表示順が変更された場合、変更前に複数の回答領域に跨って行われた描画は表示されなくなるため、画面の見易さが改善する。尚、多答順から座席順に回答領域の表示順が変更された場合も同様である。
最後に、図25及び図26を参照して、実施形態に係る描画の表示例と対比する比較例について説明する。
図25は、比較例に係る描画の表示例である。図26は、比較例に係る描画の他の表示例である。上述したようにマークの描画D−M2が複数の回答領域AR1,AR2,AR5,AR6に跨って表示された状態で、表示順の変更により、個々の矩形領域に含まれるマークの描画の一部も併せて変更すると、図25に示すように、複数の回答領域AR1,AR2,AR5,AR6に跨っていたマークの描画D−M2が連続しなくなり、画面の見易さが著しく劣化する。
また、表示順を変更しても、個々の回答領域AR1,AR2のそれぞれに対して行われたマークの描画D−M1,D−M3をそのまま残して表示させると、図26に示すように、例えば描画D−M3は回答領域AR6に表示され、変更前との整合性がとれなくなる。具体的には、生徒「山田さん」に対して行われて表示された描画D−M3が生徒「本田さん」に対して表示される。同様に、複数の回答領域AR1,AR2,AR5,AR6に跨っていたマークの描画D−M2をそのまま残して表示させると、図26に示すように、描画D−M2は複数の回答領域AR1,AR4,AR5,AR6に表示され、変更前との整合性がとれなくなる。具体的には、生徒「田中さん」、「山田さん」、「黒田さん」、「本田さん」に対して行われて表示された描画D−M2が生徒「田中さん」、「本田さん」、「山本さん」、「黒田さん」に対して表示される。本実施形態では、図25及び図26を参照して説明した画面の見易さの劣化や不整合が解消される。
以上説明したように、課題に対する回答をそれぞれ含む複数の回答領域を画面上に並べてプロジェクタ300に表示させる教師端末100は、回答領域の表示順の変更に基づいて、回答領域に跨らずに個々の回答領域に対して行われた描画を、個々の領域と描画との位置関係を保って変更後の回答領域に表示させ、複数の領域に跨って行われた描画を表示対象から除外する第1情報処理部106を含んでいる。この結果、画面の見易さを著しく改善することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上述した説明では、題の一例として課題を利用して説明したが、例えば問題、お題、宿題などを題として利用してもよい。また、表示順の一例として座席順と多答順を利用して説明したが、例えば成績順、出席番号順、学籍番号順などを利用してもよい。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)題に対する回答をそれぞれ含む複数の領域を画面上に並べて表示装置に表示させる表示制御プログラムであって、前記複数の領域を表示する順序の変更に基づいて、前記複数の領域に跨らずに個々の領域に対して行われた描画を、前記個々の領域と前記描画との位置関係を保って変更後の領域に表示させる表示制御処理と、前記複数の領域に跨って行われた描画を表示対象から除外する除外処理と、をコンピュータに実行させる表示制御プログラム。
(付記2)前記表示制御処理は、変更前の領域の表示位置を特定する第1の座標と前記変更後の領域の表示位置を特定する第2の座標に基づいて、前記変更後の領域に表示させる前記描画の表示位置を特定する第3の座標を算出する、ことを特徴とする付記1に記載の表示制御プログラム。
(付記3)前記順序は、少なくとも前記回答を行う回答者の座席順、及び同じ種類の前記回答の多さから順に並べる多答順を含む、ことを特徴とする付記1又は2に記載の表示制御プログラム。
(付記4)前記表示制御処理は、前記座席順から前記多答順に変更された場合に、前記複数の領域を矩形波の形状に従って並び替える、ことを特徴とする付記3に記載の表示制御プログラム。
(付記5)前記表示制御処理は、前記順序が元の順序に変更された場合、前記複数の領域に跨って行われた描画を変更前の領域に表示させる、ことを特徴とする付記1から4のいずれか1項に記載の表示制御プログラム。
(付記6)複数の回答を記憶する第1記憶部から読み出した前記複数の回答を、表示順序を指定する表示順種別に基づいて並べて表示する表示処理と、表示した回答に重複して描画された描画情報を受け付ける受付処理と、受け付けた前記描画情報が個々の回答領域に描画されたか、複数の回答領域に跨がって描画されたかを判定する判定処理と、前記描画情報を前記表示順種別と前記判定処理による判定結果と共に第2記憶部に記憶する記憶処理と、前記第2記憶部から、前記判定結果が個々の回答領域に描画された描画情報と、前記判定結果が複数の回答領域に跨がって描画され、かつ、前記表示処理で用いられた表示順種別と、前記第2記憶部に記憶された表示順種別とが一致する描画情報とを読み出して、表示された前記回答に対応づけて描画する描画処理とをコンピュータに実行させる表示制御プログラム。
(付記7)題に対する回答をそれぞれ含む複数の領域を画面上に並べて表示装置に表示させる表示制御方法であって、前記複数の領域を表示する順序の変更に基づいて、前記複数の領域に跨らずに個々の領域に対して行われた描画を、前記個々の領域と前記描画との位置関係を保って変更後の領域に表示させる表示制御処理と、前記複数の領域に跨って行われた描画を表示対象から除外する除外処理と、をコンピュータが実行する表示制御方法。
(付記8)題に対する回答をそれぞれ含む複数の領域を画面上に並べて表示装置に表示させる表示制御装置であって、前記複数の領域を表示する順序の変更に基づいて、前記複数の領域に跨らずに個々の領域に対して行われた描画を、前記個々の領域と前記描画との位置関係を保って変更後の領域に表示させ、前記複数の領域に跨って行われた描画を表示対象から除外する処理手段、を有する表示制御装置。
(付記9)前記処理手段は、変更前の領域の表示位置を特定する第1の座標と前記変更後の領域の表示位置を特定する第2の座標に基づいて、前記変更後の領域に表示させる前記描画の表示位置を特定する第3の座標を算出する、ことを特徴とする付記8に記載の表示制御装置。
(付記10)前記順序は、少なくとも前記回答を行う回答者の座席順、及び同じ種類の前記回答の多さから順に並べる多答順を含む、ことを特徴とする付記8又は9に記載の表示制御装置。
(付記11)前記表示制御処理は、前記座席順から前記多答順に変更された場合に、前記複数の領域を矩形波の形状に従って並び替える、ことを特徴とする付記10に記載の表示制御装置。
(付記12)前記表示制御処理は、前記順序が元の順序に変更された場合、前記複数の領域に跨って行われた描画を変更前の領域に表示させる、ことを特徴とする付記8から11のいずれか1項に記載の表示制御装置。