JP6505235B2 - リポソームを用いるアミロイド斑のmriイメージング - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年10月8日出願の米国仮特許出願第62/061,514号、および2015年2月2日出願の同第62/111,057号の優先権を主張するものであり、その各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
アルツハイマー病(「AD」)は、記憶喪失および他の認知障害を特徴とする神経変性疾患である。ADは、認知症の最も一般的な形態であり、65歳を上回る8人に1人および85歳を上回る2人に1人に影響を与え、米国における死亡の第6番目の主要原因である。550万人を上回るアメリカ人がADを患い、年間で推定2000億米国ドルの費用がかかる。2050年までには、ADは、1.1兆米国ドルの年間費用で(2011年のドルで)2000万人を上回るアメリカ人に影響を与えると推定される。世界中で、2011年の推定数字は、600億ドル(米国ドル)を上回る関連費用で、3700万を上回る患者数であった。
ADの有効な診断試験が当技術分野で必要とされている。現時点では、ADは、典型的には、死後の組織病理学的分析によってのみ確証的に診断される。生存対象における診断は、主に、認知障害を検出するための精神科の試験に依存している。しかしながら、ADの主要な神経病理学的特徴である細胞外アミロイド−β(「Αβ」)斑沈着物および細胞内神経原線維濃縮体は、臨床症状が識別できるはるか前から現れる。Αβ沈着物はまた、出血性脳卒中の主要な危険因子である。
アミロイド斑に特異的に結合する2つの陽電子放射断層撮影(PET)イメージング剤が、最近、FDAにより承認され、アミロイド斑の検出に使用することができる。しかしながら、それらの空間分解能は、PETモダリティの分解能によって制限され、画像で利用可能な任意の解剖学特異的情報を5〜10mmのオーダーに制限している。PETイメージングはまた、放射性同位体の使用を必要とし、著しい放射線のリスクを有する:典型的な頭部CTが約2mSvであり得るので、アミロイドスキャンは、数回のCTスキャンとほぼ同等の約7mSvの放射線量を患者に暴露すると推定される。PET用放射性薬剤の利用可能性はまた、それらの短い半減期による課題が残ったままである。タウ濃縮体などの同族因子の同時検出は、診断検査の特異性を改善する可能性があり、現在、タウを検出するためのいくつかのPETイメージング剤が開発されている。現在のPETイメージング剤が有する分布の課題と放射線量の問題の両方に対処し、タウイメージング剤と組み合わせて、おそらくADの診断を構成する、非放射性アミロイドイメージング剤が大きな関心である。
非放射性アミロイド標的MRI剤の開発におけるいくつかの以前の努力は、主に、プロトンT2(酸化鉄ナノ粒子のT2緩和を使用する)、または19Fイメージング(内因性Fシグナルの不在により達成可能な高いシグナル対ノイズ比を用いる)のいずれかに焦点を当てていた。高いT2緩和は全体的なシグナルの抑制をもたらし、本来の低強度領域からの検出および差別化を困難にし、ならびに画像の定量化を不確かにする。さらに、内因性のMR可視フッ素の不在はまた、19F画像において何らの解剖学的ランドマークが存在しないことを意味する。
他の以前の研究は、チオフラビンアナログであるメトキシ−XO4によってアミロイド斑を標的とするリポソームが、血液脳関門(BBB)を貫通し、ADのAPP/PSEN1マウスモデルにおいて大部分のアミロイド斑にうまく結合することを実証した。しかしながら、メトキシ−XO4を含む既存のアミロイド結合リガンドは疎水性である。リポソーム製剤において、それらは脂質二重層に干渉する。MRI T1コントラスト用のGdキレートを添加した場合には、メトキシ−XO4標的化リポソームは、Gdキレートの高い内部濃度によって作られた浸透勾配に不安定であり、不安定化された。
本出願は、アミロイド沈着物の検出が挑戦的な努力であり得ることを認識する。
一実施形態において、リポソーム組成物が提供される。リポソーム組成物は、膜を含み得る。膜は、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートを含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分において、Xは、−R−O−または−R−N(R)−であり得る。Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、−O−アルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
別の実施形態において、対象中のアミロイド沈着物を画像化する方法が提供される。本方法は、検出可能な量のリポソーム組成物を対象中へ導入することを含み得る。本方法は、リポソーム組成物が1個以上のアミロイド沈着物と結合するのに十分な時間を与えることを含み得る。本方法は、1個以上のアミロイド沈着物と結合したリポソーム組成物を検出することを含み得る。本方法のリポソーム組成物は、膜を含み得る。非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤は、膜によってカプセル化されたものか膜に結合したもののうちの少なくとも1つであり得る。膜は、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートを含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分において、Xは、−R−O−または−R−N(R)−であり得る。Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、−O−アルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
一実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートが提供される。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分において、Xは、−R−O−または−R−N(R)−であり得る。Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、−O−アルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
別の実施形態において、構造式II:R−Ar−R−Het(II)によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。式IIによって表される化合物において、Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、水素、ヒドロキシル、H−R−、HO−R−、H−R−N(R)−、またはHO−R−N(R)−であり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。構造式IIによって表される化合物は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、−O−アルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
別の実施形態において、対象中のアミロイド沈着物を画像化するためのキットが提供される。キットは、説明書およびリポソーム組成物を含み得る。説明書は、検出可能な量のリポソーム組成物を対象中へ導入するようにユーザーに指示し得る。説明書は、リポソーム組成物が1個以上のアミロイド沈着物と結合するのに十分な時間を与えるようにユーザーに指示し得る。説明書は、1個以上のアミロイド沈着物と結合したリポソーム組成物を検出するようにユーザーに指示し得る。キットのリポソーム組成物は、膜を含み得る。非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤は、膜によってカプセル化されたものか膜に結合したもののうちの少なくとも1つであり得る。膜は、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートを含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分において、Xは、−R−O−または−R−N(R)−であり得る。Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、−O−アルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
以下に提供される詳細な説明と共に、請求される本発明の例示的な実施形態を説明する化学式、化学構造、および実験データが添付図面に与えられる。
様々な化合物のCLogP値および構造を示す表である。 様々な化合物のCLogP値および構造を示す表である。 様々な化合物のCLogP値および構造を示す表である。 原線維への化合物iiの結合を示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットした結合プロファイルである。 原線維への化合物iiiの結合を示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットした結合プロファイルである。 原線維へのMeXO4(以前の化合物)の結合を示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットした結合プロファイルである。 化合物iiおよびiiiがアミロイド線維へ結合することを示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットしたグラフである。 それぞれがクリサミン−Gと競合して懸濁液中の原線維に安定して結合する、化合物iiおよびiiiの結合を示し、結合%対μΜのクリサミン−G濃度としてプロットした競合結合プロファイルである。 化合物iiiが、AD剖検例の前頭皮質からのヒト脳組織の切片中のアミロイド斑を特異的に染色することを示す蛍光顕微鏡画像である。 化合物iiiが、高齢犬の脳組織における脳アミロイド血管障害を標識することを示す蛍光顕微鏡画像である。 以前の化合物MeXO4およびリポソームMeXO4のそれぞれがクリサミン−Gと競合して原線維に結合することを示し、結合%対μΜでのクリサミン−Gの濃度としてプロットした競合結合プロファイルである。 20μΜの原線維に結合したDSPE−PEG−化合物iiiのコンジュゲートの量を示し、リポソーム組成物中のDSPE−PEG−化合物iiiの濃度に対してプロットした、化合物標識リポソーム結合プロファイルのグラフである。 =5.0μΜでの化合物iiの原線維結合データおよび原線維への化合物iiの結合定数の推定のために計算された適合度を示すグラフである。 =5.0μΜでの化合物iiiの原線維結合データおよび原線維への化合物iiiの結合定数の推定のために計算された適合度を示すグラフである。 =3.3μΜでのリポソーム含有DSPE−PEG−化合物iiiの原線維結合データおよび原線維へのリポソーム含有DSPE−PEG−化合物iiiの結合定数の推定のために計算された適合度を示すグラフである。 MeXO4標的リガンド、化合物iiiで調製したリポソーム、およびリガンドを含まないPEG化リポソームの平均直径ならびに多分散指数を示す表である。 二重層中にDSPE−PEG−XO4を含むリポソームの陰性染色TEM画像を示す。 非標的化リポソーム(MeXO4を含まない同一の二重層構造)を含むリポソームの陰性染色TEM画像を示す。 遊離Gdキレートと比較した低磁場強度での例示的なリポソームの高いGdモル緩和を示す棒グラフである。 得られた粒子が、粒子単位で非常に高い緩和を有していることを示すグラフである。 15ヶ月齢のTetO/APPswe−indマウスについての結果を示す。 図11Aのマウスのプレインジェクションスキャンの結果を示す。 9ヶ月齢のTg2576マウス(APPswe)についての結果を示す。 図11Cのマウスのプレインジェクションスキャンの結果を示す。 非標的(非アミロイド結合)粒子を注射したTg2576マウスについての結果を示す。 アミロイド標的粒子を注射した図11Eのマウスの非トランスジェニック同胞についての結果を示す。 4G8抗体を用いた免疫組織化学によるアミロイド病理スコア、使用したイメージング剤(化合物iii標的化または対照の非標的化)、マウス脳内の個々のナノ粒子の存在の測定を示す表である。 系統TetO/APP 5756、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 5756、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 7110、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 7110、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 5785、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 5785、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 5633、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 5633、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 6949、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP 6949、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP XX21、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP XX21、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP XXXX、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統TetO/APP XXXX、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576(対照1)、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576(対照1)、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576(対照2)、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576(対照2)、遺伝子型APP−のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG1、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG1、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG2、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG2、遺伝子型APP+のマウス、および化合物iii標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG3、遺伝子型APP+のマウス、および非標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG3、遺伝子型APP+のマウス、および非標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG4、遺伝子型APP+のマウス、および非標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 系統Tg2576 TG4、遺伝子型APP+のマウス、および非標的粒子についての、それぞれコントラスト後3〜4日の画像ならびにコントラスト前の画像である。 非トランスジェニック対照(図14B参照)と比較した場合APP+脳においてより高い局在性を示す、トランスジェニックマウスの皮質および海馬において増強したICGシグナルを有するTg2576マウスの脳切片の共焦点イメージングを示す。 図14Aと同じ治療および測定条件下での非トランスジェニック対照の脳切片の共焦点イメージングを示す。 TetO/APP+マウスの全脳が、それらのAPP−同胞対照(図14D参照)よりも高い近赤外蛍光を示したことを示す画像である。 TetO/APP+マウスの全脳が、それらのAPP−同胞(図14C参照)よりも高い近赤外蛍光を示したことを示す画像である。 アミロイド沈着物の特徴的な点状構造を示す図14Aの高倍率バージョンである。 図14Bの高倍率バージョンである。 (緑)3つのアミロイド斑のクラスターに結合した蛍光標識4G8抗体を示す。 (赤)3つのアミロイド斑のクラスターに結合したICGを示す。 (青)3つのアミロイド斑のクラスターに結合した化合物iiiを示す。 図14G1、14G2、および14G3の組み合わせを示す。 (緑色)単一斑に結合した蛍光標識4G8抗体を示す。 (赤)単一斑に結合したICGを示す。 (青)単一斑に結合した化合物iiiを示す。 図14G1、14G2、および14G3の組み合わせを示す。
様々な態様において、リポソーム組成物が提供される。リポソーム組成物は、膜を含み得る。膜は、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートを含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分において、Xは、−R−O−または−R−N(R)−であり得る。Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、−O−アルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートが提供される。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表され得るか、またはその薬学的に許容される塩であり得、式中、変数、例えば、X、Ar、R、およびHetなどは、本明細書に記載のリポソーム組成物の構造式Iまたは化合物の構造式IIでのように同じ部分を表し得る。
いくつかの実施形態において、構造式II:R−Ar−R−Het(II)によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩が提供され、式中、変数、例えば、Ar、R、Het、およびRなどは、本明細書に記載の構造式Iのリポソーム組成物または構造式Iのリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートでのように同じ部分を表し得る。
構造式IIにおいて、Rは、水素、ヒドロキシル、H−R−、HO−R−、H−R−N(R)−、またはHO−R−N(R)−であり得る。いくつかの実施形態において、Rは、ヒドロキシル、H−R−、HO−R−、H−R−N(R)−、またはHO−R−N(R)−であり得る。Rは、H−R−、HO−R−、H−R−N(R)−、またはHO−R−N(R)−であり得る。Rは、H−R−またはH−R−N(R)−であり得る。Rは、HO−R−またはHO−R−N(R)−であり得る。Rは、H−R−またはHO−R−であり得る。
構造式IおよびIIの様々な実施形態において、Rは、Cアルキルまたはアルケニルであり得る。例えば、Rは、C−Cアルケニルであり得る。Rは、トランスまたはシス配置、例えば、トランスのC−Cアルケニルであり得る。Rは、トランス1,2−エテニルであり得る。
構造式IおよびIIのいくつかの実施形態において、ArおよびHetが含むヘテロ芳香環の1、2、3、または4個の環原子のそれぞれは、独立して、N、O、またはSのうちの1つであり得る。例えば、Hetによって表されるヘテロ芳香環の2個の環原子のそれぞれは、N、O、またはSのうちの1つであり得る。Hetおよび/またはArは、それぞれ、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、ジアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、およびトリアゾールからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。Hetおよび/またはArは、それぞれ、例えば、フェニル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、ジアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、ベンゾフラン、インドール、ベンゾチオフェン、チエノピリミジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサジアゾール、またはベンゾチアジアゾールのうちの1つを含み得る。例えば、Hetは、ピリジン、ピリミジン、チエノピリミジン、またはベンゾチアゾールのうちの1つを含み得る。Arは、フェニルまたはインドールのうちの1つを含み得る。
構造式IおよびIIのいくつかの実施形態において、ArおよびHetは、独立して、F、Cl、Br、I、アルキル、アリール、−OH、−O−アルキル、−O−アリール、−NH、−NH−アルキル、−N−ジアルキル、カルボキシル、スルホニル、カルバモイル、およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
構造式IおよびIIの様々な実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、−O−Ar−R−Hetによって表され得る。化合物は、H−O−Ar−R−Hetによって表され得る。Hetおよび/またはArは、−O−アルキルによって置換され得る。Hetおよび/またはArは、メトキシによって置換され得る。Hetは単環式であり得る。Hetが含むヘテロ芳香環の1または2個の環原子は、Nであり得る。
構造式Iのいくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。Rは、H、ヒドロキシル、H−R−、HO−R−、H−R−N(R)−、またはHO−R−N(R)−であり得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。Rは、H、ヒドロキシル、H−R−、HO−R−、H−R−N(R)−、またはHO−R−N(R)−であり得る。いくつかの実施形態において、Rはヒドロキシルであり得る。例えば、化合物は、
Figure 0006505235
であり得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、
Figure 0006505235
によって表され得る。変数nは、約10〜約100、例えば、約60〜約100、約70〜約90、約75〜約85、および約77などの任意の整数であり得る。変数mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。例えば、nは77であり得、mは14であり得る。別の例において、nは77であり得、mは16であり得る。
様々な実施態様において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、−R−N(R)−Ar−R−Hetによって表され得る。Arは、非置換であり得る。Arは、単環式であり得る。Arは、炭素環式芳香環を含み、例えば、Arはフェニル環であり得る。Arはインドールであり得る。例えば、Arは、非置換の1,4−フェニレンまたは非置換の1,5−インドリルであり得る。Hetは単環式であり得る。Hetが含むヘテロ芳香環の1個または2個の環原子は、Nであり得る。Rは、ゼロ個、または1個以上の−OHで置換され得る。Rは、−OHおよび1個以上の−OHで任意に置換されたアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換されたC−Cアルキルであり得る。例えば、Rは、C−Cアルキルまたはヒドロキシアルキルであり得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。ピリミジンPは、−OH、−O−アルキル、および−NHのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。例えば、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。ピリミジンPは、−OH、−OMe、および−NHのうちのゼロ個、1個、または2個によって置換され得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。R’は、水素またはヒドロキシルであり得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。R’は、水素またはヒドロキシルであり得る。例えば、化合物は、
Figure 0006505235
のうちの1つであり得る。
様々な態様において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。変数nは、約10〜約100、例えば、約60〜約100、約70〜約90、約75〜約85、または約77の任意の整数であり得る。変数mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。例えば、nは77であり得、mは14であり得る。別の例において、nは77であり得、mは16であり得る。
いくつかの実施形態において、Hetは、二環式ヘテロ芳香族基を含み得る。例えば、Hetが含む二環式ヘテロ芳香族基の1、2、3、または4個の環原子のそれぞれは、N、O、またはSのうちの1つであり得る。例えば、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。さらに、例えば、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。R’は、水素またはヒドロキシルであり得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。R’は、水素またはヒドロキシルであり得る。例えば、化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、
Figure 0006505235
によって表され得る。変数nは、約10〜約100、例えば、約60〜約100、約70〜約90、約75〜約85、または約77の任意の整数であり得る。変数mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。例えば、nは77であり得、mは14であり得る。別の例において、nは77であり得、mは16であり得る。
様々な態様において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。R’は、水素またはヒドロキシルであり得る。上記の構造において、RはHであり得る。Rは、−OHで任意に置換されたアルキルであり得る。−ORは、−OHで任意に置換された−(O−アルキレン)1−6であり得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。
同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。R’は、水素またはヒドロキシルであり得る。例えば、化合物は、
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、
Figure 0006505235
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。変数nは、約10〜約100、例えば、約60〜約100、約70〜約90、約75〜約85、または約77の任意の整数であり得る。変数mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。例えば、nは77であり得、mは14であり得る。別の例において、nは77であり得、mは16であり得る。
様々な態様において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。RはHであり得る。Rは、−OHで任意に置換されたアルキルであり得る。−ORは、−OHで任意に置換された−(O−アルキレン)1−6であり得る。同様に、構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。R’は、水素またはヒドロキシルであり得る。さらに、例えば、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
Figure 0006505235
によって表され得る。構造式IIの化合物は、
Figure 0006505235
によって表され得る。
リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、
Figure 0006505235
によって表され得る。変数nは、約60〜約100の整数であり得;かつmは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。
様々な態様において、化合物は、化合物i〜xiiiのいずれか1つを含み得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のリン脂質部分は、以下の構造式:
Figure 0006505235
によって表され得る。変数mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。例えば、mは、14または16であり得る。様々な実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のリン脂質部分は、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、または1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DPPE)のうちの1つであり得る。適切なリン脂質はまた、本明細書に開示されるものを含み、さらに、Annapragadaらに発行され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,785,568号に開示されているものを含み得る。適切なポリマー誘導体化リン脂質は、本明細書に開示されるものを含み、さらに、米国特許第7,785,568号に開示されているものを含み得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のポリマー部分は、親水性ポリマー、例えば、ポリ(アルキレンオキシド)を含み得る。親水性ポリ(アルキレンオキシド)は、約10と約100の間の繰り返し単位を含み、例えば、500〜10,000ダルトンの範囲の分子量を有し得る。親水性ポリ(アルキレンオキシド)は、例えば、ポリ(エチレンオキシド)、およびポリ(プロピレンオキシド)などを含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のポリマー部分は、アミド基またはカルバメート基を介してリン脂質部分にコンジュゲートされ得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のポリマー部分は、アミド、カルバメート、ポリ(アルキレンオキシド)、トリアゾール、およびそれらの組み合わせなどを介して芳香族部分にコンジュゲートされ得る。例えば、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のポリマー部分は、以下の構造式:
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。変数nは、約10〜約100、例えば、約60〜約100、約70〜約90、約75〜約85、または約77の任意の整数であり得る。
いくつかの実施形態において、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のリン脂質−ポリマー部分は、以下の構造式:
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。変数nは、約10〜約100、例えば、約60〜約100、約70〜約90、約75〜約85、または約77の任意の整数であり得る。変数mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。例えば、nは77であり得、mは14であり得る。別の例において、nは77であり得、mは16であり得る。
様々な実施形態において、リポソーム組成物は、膜によってカプセル化されたものか膜に結合したもののうちの少なくとも1つであり得る非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤をさらに含み得る。例えば、非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤は、例えば、デュアルコントラスト剤リポソームを提供するために、膜によってカプセル化されたものと膜に結合したものの両方であり得る。リポソーム組成物は、約100,000、125,000、150、000、165,000、180,000、190,000、および200,000のうちの少なくとも約1つ以上のmM−1−1の粒子あたりの緩和により特徴付けられ得る。リポソーム製剤の検出には、例えば、約1T〜約3.5T、または約1.5〜約3Tの磁場の範囲で磁気共鳴イメージングを用いる検出を含み得る。非放射性MRIコントラスト増強剤は、ガドリニウムを含み得る。例えば、非放射性MRIコントラスト増強剤は、(ジエチレントリアミン五酢酸)−ビス(ステアリルアミド)ガドリニウム塩(Gd−DTPA−BSA)を含み得る。GdDTPA、GdDOTA、GdHPDO3A、GdDTPA−BMA、およびGdDTPA−BSAなどのガドリニウム常磁性キレートが、MRIコントラスト剤として知られている。Klavenessらに発行され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,676,928号を参照されたい。
いくつかの実施形態において、膜は、1種以上の安定化賦形剤を含み得る。1種以上の安定化賦形剤は、ステロール、例えば、コレステロール、または脂肪酸を含み得る。
いくつかの実施形態において、膜は、第1のリン脂質を含み得る。膜は、第2のリン脂質を含み得る。第2のリン脂質は、例えば、親水性ポリ(アルキレンオキシド)を含み得る親水性ポリマーで誘導体化され得る。親水性ポリ(アルキレンオキシド)は、約10と約100個の間の繰り返し単位を含み得る。親水性ポリ(アルキレンオキシド)は、例えば、ポリ(エチレンオキシド)、およびポリ(プロピレンオキシド)などを含み得る。本明細書で使用される場合、「第1のリン脂質」、「第2のリン脂質」のそれぞれの、およびリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートの中のリン脂質部分は、独立して選択される。
様々な実施形態において、リポソーム組成物の膜は、DPPC;コレステロール;ジエチレントリアミン五酢酸)−ビス(ステアリルアミド)のガドリニウム塩;および1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](「DSPE−mPEG−2000」;CAS番号147867−65−0)を含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、以下の構造式:
Figure 0006505235
Figure 0006505235
のうちの1つによって表され得る。
変数nは、約10〜約100、例えば、約60〜約100、約70〜約90、約75〜約85、または約77の任意の整数であり得る。変数mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つであり得る。例えば、nは77であり得、mは14であり得る。別の例において、nは77であり得、mは16であり得る。
様々な態様において、芳香族部分および本明細書に記載の化合物に加えて、1個以上の代替アミロイドリガンドは、例えば、コンゴーレッドおよびその誘導体、チオフラビンTおよびその誘導体、ならびにクリサミンGおよびその誘導体を含み得る。そのような代替アミロイドリガンドは、脂質−親水性ポリマー−アミロイドリガンドコンジュゲートを形成するために、親水性ポリマー、例えば、PEG(例えば、500〜10,000Daの範囲の分子量を有する)など、ならびに脂質、例えば、DPPC、DSPE、DSPC、およびDPPEなどとコンジュゲートされ得る。例えば、脂質−ポリマー−アミロイドリガンドコンジュゲートは、本明細書に記載のリポソーム組成物中に組み込まれ得る。
様々な実施形態において、対象中のアミロイド沈着物を画像化するための方法が提供される。本方法は、検出可能な量のリポソーム組成物を対象中へ導入することを含み得る。本方法は、リポソーム組成物が1個以上のアミロイド沈着物と結合するのに十分な時間を与えることを含み得る。本方法は、1個以上のアミロイド沈着物と結合したリポソーム組成物を検出することを含み得る。本方法のリポソーム組成物は、膜を含み得る。非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤は、膜によってカプセル化されたものか膜に結合したもののうちの少なくとも1つであり得る。膜は、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートを含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分において、Xは、−R−O−または−R−N(R)−であり得る。Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
様々な実施形態において、本方法で使用されるリポソーム組成物およびリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、リポソーム組成物およびリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートについて本明細書に記載の任意の値を含み得る。
いくつかの実施形態において、検出は、磁気共鳴イメージングを用いる検出を含み得る。別の例では、検出は、蛍光イメージング(FI)による検出を含み得る。検出は、SPECTイメージングおよび/またはPETイメージングによる検出を含み得、ならびに非放射性コントラスト増強剤は、放射性コントラスト増強剤と交換され得る。放射性コントラスト増強剤は、例えば、米国立衛生研究所の分子イメージングとコントラスト剤データベース(「MICAD」)でSPECTイメージングおよび/またはPETイメージングで使用するのに適切とみなされる薬剤を含み得る。当業者に公知の、PETイメージングを含むがこれに限定されない、イメージング方法の任意の他の適切な種類が企図される。
様々な実施形態において、本方法は、1個以上のアミロイド沈着物に結合したリポソーム組成物の検出に応じて、アルツハイマー病患者を診断することを含み得る。
いくつかの実施形態において、本方法は、1個以上のアミロイド沈着物に結合したリポソーム組成物の検出に応じて、アルツハイマー病を潜在的に有するとして患者を特定することを含み得る。本方法は、タウ神経原線維濃縮体の分析に、例えば、タウ神経原線維濃縮体のPET分析に患者を供することを含み得る。本方法は、1個以上のアミロイド沈着物に結合したリポソーム組成物の検出と組み合わせてタウ神経原線維濃縮体の存在を決定する際に、アルツハイマー病患者を診断することを含み得る。
様々な実施形態において、本方法において使用されるリポソーム組成物およびリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートは、リポソーム組成物およびリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートについて本明細書に記載の任意の値を含み得る。
様々な実施形態において、対象中のアミロイド沈着物を画像化するためのキットが提供される。キットは、本明細書に記載の任意のリポソーム組成物を含み得る。説明書は、検出可能な量のリポソーム組成物を対象中へ導入するようにユーザーに指示し得る。説明書は、リポソーム組成物が1個以上のアミロイド沈着物と結合するのに十分な時間を与えるようにユーザーに指示し得る。説明書は、1個以上のアミロイド沈着物と結合したリポソーム組成物を検出するようにユーザーに指示し得る。キットのリポソーム組成物は、膜を含み得る。非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤は、膜によってカプセル化されたものか膜に結合したもののうちの少なくとも1つであり得る。膜は、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートを含み得る。リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、構造式I:−X−Ar−R−Het(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。構造式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分において、Xは、−R−O−または−R−N(R)−であり得る。Rは、C−Cアルキルまたはアルケニルであり得る。Rは、1〜6個の炭素原子を含む連結基であり得る。Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つを含み得る。Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり得る。Arは、単環式基または多環式基であり得る。Arは、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含み得る。Hetは、単環式基または多環式基であり得る。Hetは、少なくとも1つのヘテロ芳香環を含み得る。式Iによって表されるリン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、さらに置換され得る。例えば、Rは、ヒドロキシル、C−Cアルキル、およびC−Cヒドロキシアルキルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。水素以外のAr、Het、R、およびRは、独立して、ハロゲン;−OH;−OHもしくはハロゲンで任意に置換されたアルキル、−O−アルキル、アリール、−O−アリールまたは−(O−アルキレン)1−6;−NH;−NH−アルキル;−N−ジアルキル;カルボキシル;スルホニル;カルバモイル;およびグリコシルのうちのゼロ個、または1個以上で置換され得る。
様々な実施形態において、説明書は、本明細書に記載の方法のステップのいずれかを実行するようにユーザーに指示し得る。例えば、説明書は、1個以上のアミロイド沈着物に結合したリポソーム組成物の検出に応じて、アルツハイマー病患者を診断するようにユーザーに指示し得る。
いくつかの実施形態において、説明書は、1個以上のアミロイド沈着物に結合したリポソーム組成物の検出に応じて、アルツハイマー病を潜在的に有するとして患者を特定するようにユーザーに指示し得る。説明書は、タウ神経原線維濃縮体の分析に、例えば、タウ神経原線維濃縮体のためのPET分析に患者を供するようにユーザーに指示し得る。説明書は、1個以上のアミロイド沈着物に結合したリポソーム組成物の検出に関連してタウ神経原線維濃縮体の存在を決定する際に、アルツハイマー病の患者を診断するようにユーザーに指示し得る。
実施例
特定の実施形態を、実施例の形式で以下に記載する。本発明のすべての潜在的な用途を描写することは不可能である。したがって、実施形態は、かなり詳細に記載してあるが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に、もしくは任意の特定の実施形態に制限するか、またはいかなる方法で限定することを意図するものではない。
概要:全ての試薬はSigma−Aldrich社(St.Louis,MO)から入手し、さらに精製することなく使用した。プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルを、Bruker 600 NMR分光計(Bruker,Billerica,MA)にて600MHzで記録した。カーボン核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルを、Bruker 600 NMR分光計にて150MHzで記録した。H NMRについて内部標準のアセトン(2.05ppm)、クロロホルム(7.26ppm)、またはジメチルスルホキシド(2.50ppm)からの化学シフト;および13C NMRについて残留アセトン(206.26ppm)、クロロホルム(77.00ppm)、またはジメチルスルホキシド(39.52ppm)のいずれかの内部標準からの化学シフトを、百万分率(ppm)で報告する。NMRピーク多重度を以下のように示す:s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、bs(ブロードシングレット)、dd(ダブレットのダブレット)、tt(トリプレットのトリプレット)、ddd(ダブレットのダブレットのダブレット)、およびm(マルチプレット)。カップリング定数(J)は、ヘルツ(Hz)で与えられる。高分解能質量スペクトル(HRMS)は、オハイオ州コロンバスのオハイオ州立大学の質量分析およびプロテオミクス施設から入手した;HRMSおよびマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)スペクトルはまた、テキサス州ヒューストンのライス大学のバイオサイエンス共同研究の質量分析部から入手した。薄層クロマトグラフィー(TLC)を、シリカゲル60 F254プレート(EMDケミカル社、Gibbstown,NJ)にて行い、成分を紫外線(254nm)および/またはエタノール中のリンモリブデン酸の20重量%溶液によって可視化した。SiliFlashシリカゲル(230〜400メッシュ)を、全てのカラムクロマトグラフィーのために使用した。
以下の方法は、図1A、1B、および1Cに示すように、化合物i〜xiiiを合成するために使用または適合され得る。
実施例1A:化合物iの調製
Figure 0006505235
化合物iは、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(466mg、3.06ミリモル)を、N,N−ジメチルホルムアミド(24mL)中の4−メチルピリミジン(140μL、1.53ミリモル)およびカリウムtert−ブトキシド(687mg、6.12ミリモル)と反応させることによって調製した。反応混合物をセライトを通して濾過し、化合物iを、酢酸エチル/メタノール/ヘキサン混合溶媒を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した。(E)−2−メトキシ−4−[2−(ピリミジン−4−イル)ビニル]フェノール(化合物i):H NMR(DMSO−d6,600MHz) δ 9.51(bs,OH),9.08(d,J=1.2Hz,1H),8.70(d,J=5.4Hz,1H),7.86(d,J=16.2Hz,1H),7.54(dd,J=5.4,1.2Hz,1H),7.35(d,J=1.5,Hz,1H),7.15(dd,J=8.0,1.5Hz,1H),7.12(d,J=16.2Hz,1H),6.83(d,J=8.0Hz,1H),3.89(s,3H);13C NMR(DMSO−d6,150MHz) δ 162.16,158.38,157.39,148.46,147.93,137.25,126.98,122.53,122.21,118.48,115.60,110.71,55.62;C13H12N2O2+m/z(M+H)+についてのHRMS計算値229.0972、測定値229.0981。
机上の実施例1B:アルコキシル化誘導体の調製
Figure 0006505235
様々なO−およびN−ヒドロキシエチル化合物ならびに誘導体を以下のように調製できる。例えば、化合物iをエチレンカーボネートで処理して対応するアルコキシル化誘導体を生成できる。さらに、例えば、化合物ii、iv、およびvは、対応するアニリン誘導体をエチレンオキシドと反応させることによって調製でき、式中、R=R=アルキル、例えば、メチルである。この反応は、酸、またはルイス酸の添加を含み得る。この反応は、周囲温度を上回る反応温度を含み得る。化合物iiiおよびviなどのジアルコキシル化化合物の調製は、2当量のエポキシドを含んでよく、式中、例えば、R=Hであり、Rは、第2のヒドロキシエチル基(CHCHOH)であり得る。あるいは、O−もしくはN−ヒドロキシエチル化合物または誘導体のいずれかは、2−ブロモエタノールなどのβ−ヒドロキシハライドによるアルキル化によって調製できる(図示せず)。O−およびN−ヒドロキシエチル化合物は、実施例7に記載のように対応するグリセロール誘導体の基質として使用できる。
Figure 0006505235
N−ヒドロキシエチル化合物ii−viは、もう1つの方法として、水素およびPd/Cなどの触媒の存在下で、2−ヒドロキシエタナール(グリコールアルデヒド)を用いる還元的アミノ化によって調製できる。公認誘導体は、3−ヒドロキシプロパナール(n=2)、4−ヒドロキシブタナール(n=3)、5−ヒドロキシペンタナール(n=4)、または6−ヒドロキシヘキサナール(n=5)などの適切なヒドロキシアルデヒドを用いて、同様の条件下で容易に調製できる。
実施例2:化合物iiの調製
Figure 0006505235
一例において、化合物iiを、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−アミノベンズアルデヒド(200mg、1.12ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の4−メチルピリミジン(112μL,1.23ミリモル)およびカリウムtert−ブトキシド(376mg、3.35ミリモル)と80℃で4時間反応させることによって調製した。得られた混合物を周囲温度に冷却し、セライトを通して濾過し、濃縮した。酢酸エチル/メタノール/ヘキサンの溶媒勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより、化合物ii(E−異性体)(184mg、0.72ミリモル、64%)、Z異性体(18mg、0.07ミリモル、6%)、およびE/Z異性体混合物(39mg、0.15ミリモル、14%)を得た。(E)−2−{メチル[4−(2−(ピリミジン−4−イル)ビニル)フェニル]アミノ}エタノール(化合物ii):H NMR(CDCl3、600MHz) δ 8.91(d,J=1.2Hz,1H),8.45(d,J=5.4Hz,1H),7.70(d,J=15.6Hz,1H),7.41(d,J=6.6Hz,2H),7.26(dd,J=6.6,1.2Hz,1H),6.75(d,J=15.6Hz,1H),6.67(d,J=6.6Hz,2H),3.69(t,J=6.6Hz,2H),3.46(t,J=6.6Hz,2H),3.98(s,3H);13C NMR(DMSO−d6,150MHz) δ 163.80,157.60,155.80,150.59,139.19,129.54,123.21,119.48,117.83,115.13,111.91,59.13,54.35,38.82;C15H17N3O+m/z(M+H)+についてのHRMS計算値256.1444、測定値256.1372。
実施例3:化合物iiiの調製
Figure 0006505235
一例において、化合物iiiを、4−(ビス(ヒドロキシエチル)アミノ)ベンズアルデヒド(234mg、1.12ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の−4−メチルピリミジン(112μL,1.23ミリモル)およびカリウムtert−ブトキシド(376mg、3.35ミリモル)と80℃で12時間反応させることによって調製した。得られた混合物を周囲温度に冷却し、セライトを通して濾過し、濃縮した。化合物iiiを、酢酸エチル/メタノール/ヘキサン溶媒系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって混合物の主成分として単離した。(E)−2,2’−{[4−(2−(ピリミジン−4−イル)ビニル)フェニル]アザンジイル}ジエタノール(化合物iii):H NMR(MeOD,600MHz) δ 9.02(d,J=1.2Hz,1H),8.61(d,J=5.4Hz,1H),7.88(d,J=15.6Hz,1H),7.58(d,J=8.7Hz,2H),7.53(dd,J=6.0,1.2Hz,1H),6.98(d,J=15.6Hz,1H),6.88(d,J=8.7Hz,2H),3.71(t,J=6.0Hz,4H),3.57(t,J=6.0Hz,4H);13C NMR(DMSO−d6,150MHz) δ 165.23,159.17,157.76,149.72,139.99,130.84,125.87,121.64,119.42,113.66,51.36,50.08;C16H19N3O2+m/z(M+H)+のHRMS計算値286.1550、測定値286.1546。
実施例4:アジドの調製:化合物A
Figure 0006505235
化合物Aを、4−トルエンスルホニルクロリド(301mg、1.58ミリモル)を0℃でピリジン(10mL)中の化合物iii(300mg、1.05ミリモル)の溶液に添加することにより調製し、混合物を一晩室温に温めた。ピリジンを減圧下で除去し、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)を粗トシレート残留物に加えた。アジ化ナトリウム(410mg、6.31ミリモル)を溶液に加え、得られた混合物を60℃で一晩加熱した。N,N−ジメチルホルムアミド溶媒を減圧下で除去し、得られたスラリーを酢酸エチルで希釈し、ブライン(15mL)で洗浄した。水層を酢酸エチルで3回逆抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物A(122mg、0.40ミリモル、38%)および望ましくないジアジド生成物(123mg、0.37ミリモル、35%)を酢酸エチル/メタノール/ヘキサン(9.5:9.5:1)溶媒混合物を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した。実施例4Aおよび4Bに記載の手順を化合物ii、iv、v、またはviなどの他のヒドロキシアルキル化合物に適用して、対応するアジドを生成できる。
実施例5:化合物ivの調製
Figure 0006505235
一例において、化合物ivを、4−(ビス(ヒドロキシエチル)アミノ)ベンズアルデヒド(250mg、1.20ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中のベンゾチアゾール(178mg、1.32ミリモル)およびカリウムtert−ブトキシド(404mg、3.6ミリモル)とを密閉ボンベ中で5時間反応させることにより調製した。反応混合物をセライトを通して濾過した。化合物iv(89mg、0.26ミリモル、22%)を、酢酸エチル/メタノール/ヘキサン混合溶媒を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した。
実施例6:化合物v、vi、vii、viii、およびixの調製
Figure 0006505235
化合物v、vi、vii、およびviiiを、標準的なTakai条件(例えば、0℃で3時間、テトラヒドロフラン中のトリヨードメタン(ヨードホルム)、クロムジクロリド)下で、対応する4−アミノベンズアルデヒドを最初に反応させることによって容易に調製でき、対応するヨウ化ビニルを得る。Suzuki条件(例えば、Pd(0)触媒、炭酸セシウム、トルエン/エタノール/水(4:4:1)、12時間、70℃)下で(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)ボロン酸とヨウ化ビニルを反応させ、その後、酢酸エチル/メタノール/ヘキサン混合溶媒を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって、化合物v、vi、vii、およびviiiを生成できる。
机上の実施例7:グリセロール誘導体の合成
Figure 0006505235
アジド化合物E1およびE2は、化合物ii、iii、iv、v、またはviのうちの1つなどの対応するアルコールをトシレート、メシレート、トリフレート、またはハライドなどの適切な脱離基へと変換することによって調製できる。グリセロールとの反応は、適切な脱離基を置換してグリセロール置換化合物Bを生成できる。もう1つの方法として、化合物Bは、化合物ii、iii、iv、v、またはviの2−オキシランメタノールとの反応によって直接調製できる。例えば、トシル化、メシル化、トリフレート化、またはハロゲン化による、化合物B中のより反応性のある第一級アルコールの化学選択的官能化は、化合物Cおよび/またはエポキシド化合物Dを提供できる。アジ化ナトリウムなどのアジド源で化合物CまたはDを処理すると、主なアジ化合物E1が得られる。化合物E2は、シリルエーテルなどの化合物B中の第一級アルコールの化学選択的保護から始まる一連の反応により調製できる。続いて、遊離第二級アルコールをトシレートなどの適切な脱離基へと変換し、その後、アジ化ナトリウムによって置換することにより、脱保護後に化合物E2を得ることができる。もう1つの方法として、保護基は、実施例8に示すように、コンジュゲーション後に、例えば、[3+2]環化反応を介するコンジュゲート後に除去できる。
実施例8:3+2「クリック」ケミストリーを用いるコンジュゲートの調製
Figure 0006505235
DSPE−PEG34K−NH(1.0g、0.24ミリモル)、ピリジン(5mL、62.1ミリモル)、およびクロロホルム(5mL)の溶液に、プロパルギルクロロホルメート(50μL、0.51ミリモル)を添加した。得られた混合物を周囲温度で一晩撹拌した。クロロホルムを減圧下で除去し、得られた残留物を1:4のEtOH:HO溶液(20mL)で希釈した。粗カルバメートを含有する溶液を2000 MWCO透析バッグ中に入れ、12時間、MES緩衝液(50mM、5L)に対して透析し、水(5L)に対してそれぞれ12時間、2回透析した。溶液を凍結乾燥し、生成物(1.08g、定量)を灰色粉末として得、その分子量をMALDIによって確認した。
続いて、生成物(600mg、0.14ミリモル)を、メタノール(10mL)中の化合物A(84mg、0.27ミリモル)に添加し、その後、THF(3mL)および水(2mL)を加えた。続いて、アスコルビン酸ナトリウム(27mg、0.14ミリモル)および酢酸銅(II)(2.7mg、0.014ミリモル)を添加し、得られた混合物を周囲温度で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物を1:4のEtOH:HO溶液(20mL)で希釈した。粗製トリアゾールを含有する溶液を2000 MWCO透析バッグ中に入れ、それぞれ12時間、MES緩衝液(50mM、5L)に対しおよび水(5L)に対し2回透析した。溶液を凍結乾燥し、対応するコンジュゲート(565mg、0.12ミリモル、87%)を無色粉末として得た。
実施例9:化合物i〜xiiiは従来の化合物と比較して親水性である
図1A、1B、および1Cは、化合物i〜xiii、および既知の化合物MeXO4、SB−13およびフロルベタピルを含む様々な化合物のCLogP値および構造を表形式で示す。CLogPは、Log[オクタノール中の濃度/水中の濃度]としての、オクタノール中の化合物の水に対する相対濃度についての分配係数の対数である。より低いCLogP値は、より高い親水性に相当する。MeXO4はアミロイド斑に対する高い親和性を示したが、発明者らはSB−13および臨床に使用されるフロルベタピル中のスチルベン構造が結合における感度および特異性を提供し得ると判断した。発明者らはさらに、ベンゾチアゾールまたはピリミジル部分が既知の化合物と比較してより低いCLogPおよび増加したH結合能を有する類似体を生成し得ると判断した。加えて、ヒドロキシエチル基(複数可)で窒素をキャッピングすると、さらに親水性が増加し、リポソームの脂質二重層中への挿入の代わりに、リポソームの外部の水性媒質中でリガンドが浮遊するのを維持する能力を高めることができた。したがって、i〜xiiiなどの化合物は、ゆえに、スチルベンコアの親水性を増加して二重層を不安定にすることなくリポソーム表面上に提示されるリガンドの能力を増強すると一般的に予想される側鎖修飾を用いて考案した。化合物i〜xiiiはそれぞれ、以前の化合物MeXO4よりも数桁親水性である。理論に束縛されるものではないが、より高い親水性は、例えば、リポソーム外の親水性環境中の、結合に利用可能な構成での対応する化合物の存在を増加させることによって、およびアミロイドβ線維との結合相互作用を増加させることなどによって、アミロイドβ線維との相互作用ならびに結合を促進できると考えられる。
イオン性の増加がBBBの透過性を減少させ得るという懸念から、イオン性を増加させることなく親水性を促進するように、ヒドロキシおよびメトキシなどの非イオン性基を選択した。化合物i、ii、およびiiiは、3つの最低のCLogP値(それぞれ、1.56、1.80、および1.06)を有した。分光蛍光試験により、化合物iiおよびiiiの両方は、404nmおよび550nmで吸収極大ならびに発光極大を有したが、化合物iは、可視発光極大がなく、346nmで吸収極大を表したことが示された。化合物iiおよびiiiは、蛍光および比較的低いCLogP値による検出の容易さのために使用され得る。
実施例10:Αβ線維の合成
Αβ線維を、全体の教示が参照により本明細書に組み込まれるKlunkら、Ann Neurol,2004;55:306−19の方法に従って合成した。簡潔に述べると、Αβ(1−40)ペプチド(rPeptide,Bogart,GA)を433μg/mL(100μΜ)の最終濃度にpH7.4のリン酸緩衝生理食塩水中に溶解した。この溶液を室温で4時間、700rpmで磁気撹拌棒を用いて撹拌して原線維の形成を促進した。原液を等分し、将来の使用のために−80℃で保存した。原線維の均質な懸濁液を維持するために、結合アッセイ用のアリコートを取り出す前に、ストック溶液を十分に撹拌した。原線維の均質な懸濁液を確実にするために、結合アッセイ用のアリコートを取り出す前にストック溶液を十分に撹拌した。
実施例11:化合物ii、化合物iii、およびDSPE−PEG−化合物iiiのコンジュゲートの結合アッセイ
結合アッセイ:化合物または化合物−標識リポソームのアミロイド線維との結合親和性を、以下の方法によって測定した。競合アッセイ用のリガンド−標識リポソーム、リガンドストック溶液、およびクリサミンGを10mMのTris−HCl、pH7.4で500nMに希釈した。原線維ストック溶液を、200μLの反応混合物中の化合物のストック溶液または化合物標識リポソームと混合し、0.0625〜2.0μΜの試験化合物を有する原線維の最終濃度(20μΜ)を得た。結合混合物を室温で1時間インキュベートした。続いて、インキュベートした結合混合物を16,400rpmで20分間遠心分離して原線維を分離した。原線維沈殿物をTris−HClで2回洗浄した。次いで、蛍光を、それぞれ405nmおよび535nmの励起波長ならびに発光波長を用いて、FilterMax F−5マルチモードプレートリーダー(Molecular devices,Sunnyvale,CA)で測定した。競合結合アッセイは、20μΜの原線維、1.0μΜの試験化合物および様々な量の非蛍光競合物質のクリサミンGを使用し、1時間インキュベートした。
図2は、原線維への化合物iiの結合を示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットした結合プロファイルである。図3は、原線維への化合物iiiの結合を示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットした結合プロファイルである。
図4は、原線維へのMeXO4(以前の化合物)の結合を示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットした結合プロファイルである。その手順が本発明の化合物、コンジュゲートおよびリポソーム組成物と共に使用でき、従来の化合物MeXO4および他の関連化合物を用いる合成、コンジュゲート、リポソーム製剤、および結合については、Annapragadaらの米国特許公開第13/441,816号に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
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図2〜4に示すように、化合物iiおよびiiiは、従来の化合物MeXO4と比較してはるかに高い結合を示した。例えば、1μΜの濃度で、化合物iiは35m RFUで結合し、化合物iiiは400k RFUで結合するが、以前の化合物MeXO4は100k未満のRFUで結合した。
図5A〜Dは、化合物iiおよびiiiの結合の態様を示す。図5Aは、化合物iiおよびiiiがアミロイド線維へ結合することを示し、相対蛍光単位(RFU)対μΜの濃度としてプロットしたグラフである。図5Bは、それぞれがクリサミン−Gと競合して懸濁液中の原線維に安定に結合する化合物iiおよびiiiの結合を示し、チオフラビン結合部位への特異性と一致する、結合%対μΜのクリサミン−G濃度としてプロットした競合結合プロファイルである。これは、化合物iiおよびiiiが、比較的親水性であっても、アミロイド斑に実際に結合できることを示す。
図5Cは、化合物iiiがAD剖検例の前頭皮質からのヒト脳組織の切片中のアミロイド斑を特異的に染色することを示す、蛍光顕微鏡画像である。
図5Dは、化合物iiiが高齢犬の脳組織における脳アミロイド血管障害を標識することを示す、蛍光顕微鏡画像である。画像を、ブロードパス(broadpass)フィルタを使用してオリンパスBX−51落射蛍光顕微鏡で収集した。緑の標識は化合物iiiを表し、黄色は、非特異的自己蛍光を表す。スケールバーは、長さ50μmを表す。
PBS中の化合物iii溶液を、88歳のAD患者(ケンタッキー大学の治験審査委員会が、本研究のためにヒト組織の使用を承認した;インフォームドコンセントを剖検前に得た)および12.3歳の老犬の剖検から得た前頭皮質組織とインキュベートした。ヒトと犬の両組織は、以前の研究から確認されたアルツハイマー病のアミロイド病理を有していた。50μmの厚さのフリーフローティング切片をスライド上にマウントし、一晩乾燥させた。次いで、スライドをPBS(5分、3回)中で洗浄し、化合物iii溶液(1mM)中で2時間インキュベートし、次いで、再びPBS中で5分、3回洗浄し、DAPI(Vector Laboratories,Burlingame,CA)を含むVectashieldマウンティングメディウム中でカバーガラスをかぶせた。切片を、ブロードパスフィルタを備えるオリンパスBX−51顕微鏡(Olympus Corporation of the Americas,Center Valley,PA)で画像化した。
図6は、以前の化合物MeXO4およびリポソームMeXO4のそれぞれがクリサミン−Gと競合して原線維へ結合することを示し、結合%対μΜでのクリサミン−Gの濃度としてプロットした競合結合プロファイルである。図5A、図5B、および図6に示すように、化合物iiおよびiiiは、従来の化合物MeXO4またはリポソームMeXO4と比較してクリサミン−Gに対してはるかに高い競合結合を示す。例えば、1μΜのクリサミン−G濃度で、化合物iiは約45%結合し、化合物iiiは約55%結合した。対照的に、従来の化合物MeXO4は約20%結合し、リポソームMeXO4は約5%結合した。
図7Aは、20μΜ原線維に結合したDSPE−PEG−化合物iiiのコンジュゲートの量を示し、リポソーム組成物中のDSPE−PEG−化合物iiiの濃度に対してプロットした、化合物標識リポソーム結合プロファイルのグラフである。
図7Bは、K=5.0μΜでの化合物iiの原線維結合データおよび原線維への化合物iiの結合定数の推定のために計算された適合度を示すグラフである。図7Cは、K=5.0μΜでの化合物iiiの原線維結合データおよび原線維への化合物iiiの結合定数の推定のために計算された適合度を示すグラフである。図7Dは、K=3.3μΜでのリポソーム含有DSPE−PEG−化合物iiiの原線維結合データおよび原線維へのリポソーム含有DSPE−PEG−化合物iiiの結合定数の推定のために計算された適合度を示すグラフである。原線維への結合は、洗浄した原線維へ結合するそれぞれの薬剤の蛍光を測定することにより定量した。データを、単層結合方程式;K=1/Kに当てはめた。
実施例12:親水性リガンドは安定したリポソームを促進する
粒径を測定するために、押出プロセスからの定期的な試料および透析濾過後の最終試料をPBSで希釈し、自己相関システムに取り付けられたゴニオメータベースの動的光散乱システム(BI−90,Brookhaven Instruments Corporation,Holtsville,NY)で測定した。532nmの固体レーザーを光源として使用し、90℃で、光電子増倍管で判別検出されるまで調整された試料の濃度から、毎秒約100kカウント(kcps)を得た。相関関数を、相関ビンの指数関数的に離間したセットを使用して測定し、相関関数の初期の指数関数的な降下を捕捉する少なくとも10チャネル、および長期残光を捕捉する10チャネルを確実にした。ダストの特徴である大きな粒径の混入を示す、ベースラインよりも有意に高い長期相関関数を示した相関関数スライスを排除するダスト識別アルゴリズムを用いて、各試料について2分間の相関関数を平均した。得られた平均相関関数を、CONTINアルゴリズムを用いて分析し、体積平均分布を使用して、平均サイズおよび標準偏差を推定した。全ての分布は実質的に単峰性であった(主ピークにおける体積の99%以上)。
PBSおよび再構成ウシ血漿(RBP)中の製剤の安定性を測定した。調製物のアリコートをPBSまたはRBPのいずれかで10倍希釈し、200μLの希釈材料を透析バッグ中に入れ、次に200mLのPBS中に入れ、24時間ゆっくりと撹拌した。外部バッファの試料を、24時間の期間中に定期的に採取し、ICP−AESによってGd含有量についてアッセイした。ウシ血漿における漏れは、緩衝液とウシ血漿の両方において5%未満であった。
図8は、MeXO4標的リガンド、化合物iiiのうちの一方と共に調製したリポソーム、またはリガンドを含まないPEG化リポソームの平均直径および多分散指数を示す表である。全てのリポソームは、二重層中にビス−ステアリルアミド−DTPA−Gd、リポソームコア内部中のにGd−BOPTA(ガドベン酸ジメグルミン)、DPPC(55%)、およびコレステロール(40%)を含んでいた。リポソームは、例えば、リガンドを含まないPEG化リポソームによって示されるように、約100〜150nmの平均直径および低い多分散指数を得ることを目的に、400/200nmの膜を通す5回押出通過および100nmの膜を通す5回押出通過を含む、トラックエッチ膜を通す押出により調製した。
しかしながら、MeXO4リポソームは、陰性染色電子顕微鏡によって確認されるように、MeXO4リガンドの二重層との干渉と一致する、より大きな直径および多分散性を示す(図9Aも参照されたい)。化合物iiiでのXO4リガンドの置換により、低い多分散性を有し、直径が約150nm未満のリポソームが得られた。24時間、37℃での再構成ウシ血漿とのインキュベーション(血漿漏れ試験)で、Gdは粒子と実質的に100%結合したままであり、修飾リガンドが安定な二重層をもたらしたことが確認された。MeXO4のような疎水性リガンドは、得られた粒子のより大きな直径に反映されるように、二重層に再び入り、その完全性を損なうと考えられる。化合物iiiのようなより親水性のリガンドは、押出後の二重層の完全性および粒径をより良好に維持する。
リポソームの調製:1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)およびコレステロールは、Lipoid社、米国ニュージャージー州ニューアークから購入した。DSPE−PEG3400−化合物iiiを、上記のように調製した。1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−MPEG2000)は、Corden Pharma社、Liestahl、スイスから購入した。DPPC、コレステロール、DSPE−MPEG2000、ビス−ステアリルアミン−DTPA−Gd(BSA−DTPA−Gd)、およびDSPE−PEG3400−化合物iii(モル比で、DPPC:BSA−DTPA−Gd:コレステロール:DSPE−MPEG2000:DSPE−PEG3400−化合物iiiは、31:25:40:2:2である)を、エタノール中に溶解し、総濃度を150mMにした。500mMのガドベン酸ジメグルミン中65μΜのICG溶液を作製した。脂質のエタノール溶液を、30分間65℃で、10倍過剰量のICG/ガドベン酸ジメグルミン溶液で水和し、多層リポソームを形成させた。次いで、混合物を、200nmのポリカーボネートトラックエッチフィルタ(10回通過)、続いて、100nmのポリカーボネートフィルター(10回通過)を用いて、10mLのライペックス押出機(Northern Lipids社、Burnaby、Canada)で押出した。次いで、懸濁液を、MICROKROS(登録商標)(Spectrum Laboratories社、Rancho Dominguez、CA)クロスフロー透析濾過用カートリッジ(500kDカットオフ)を用いて透析濾過し、15体積交換用のリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.2)と外部緩衝液を交換した。
体積交換ごとに透析濾過液中のICG含有量を近赤外蛍光(励起780nm/発光820nm)により測定し、最初の体積交換後には、実際にICGは検出されなかった。残余分から失われたICGの大半は、最初の体積交換中に存在していた。出発ICGのうち、約95%はリポソームと結合したままであると推定された。
透析濾過した生成物のリンおよびGd含有量を、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)を用いて測定した。出発Gdのうち、実質的に100%がリポソームと結合したままであった。
二重層のMeXO4リガンドとの干渉を、陰性染色電子顕微鏡により確認した。図9Aは、二重層中にリポソームを含有するDSPE−PEG−XO4の陰性染色TEM画像を示す。図9Bは、非標的化リポソーム(MeXO4を含まない同一の二重層構造)を含有するリポソームの陰性染色TEM画像を示す。使用した陰性染色は、1%酢酸ウラニルであった。二重層と干渉し二重層を破壊するMeXO4リガンドと一致して、左側の画像における退縮した不完全なスフェロイドに留意されたい。これとは対照的に、MeXO4の不在および化合物iiiの存在は、リポソームに典型的な一貫性のある球状構造をもたらす。
MeXO4リガンドの化合物iiiでの置換により、直径が100nmに近い、低い多分散性を有するリポソームが再び得られた。さらに、24時間、37℃での再構成ウシ血漿とのインキュベーション後に、Gdは粒子と実質的に100%結合したままであり、修飾リガンドが安定した二層を生じたことが確認された。
実施例13:例示的なリポソームは低磁場強度で高いGdモル緩和を示す
脂質二重層の表面上に表面Gdキレートで装飾したリポソームを調製した(ビス−ステアリル鎖がリポソームの二重層中に挿入するようにGdキレートが脂質アンカーBSA−DTPA−Gdにコンジュゲートされる)。図10Aに示すように、これらのリポソームは、低磁場強度で高いGdモル緩和を示した。図10Aにおいて、例示的なリポソームを、より低い磁場強度で遊離Gdキレート(GadobenateDimelglumine、MULTIHANCE(商標)、Bracco Imaging、Monroe Township、NJ)と比較しているが、その差は、遊離キレートが表面提示よりも緩和的である9.4Tでの点まで、より高い磁場強度で徐々に失われる。
しかしながら、より高い磁場強度で、緩和のこの増強は低減され、試験した最も高い磁場強度(9.4T)で、表面Gdは遊離キレートよりも緩和が低い。低磁場強度での緩和増強を利用して、発明者らは、BSA−DTPA−Gdからなる最大25%のリポソーム二重層を有する製剤を試験した。リポソームは安定しており、最大8週間、冷蔵条件下で保存した際に測定可能なGd損失を示さなかった。図10Bに示すように、得られた粒子は、粒子単位で非常に高い緩和を有する。粒子に基づいて、約190,000mM−1−1の緩和を1Tで達成した。
1.5、3、4.7、7および9.4Tの測定を個々のMRI装置で行った。1.4Tの測定をBrukerミニスペックMQ60緩和計(Bruker社、Billerica MA)で行った。1T測定をアスペクトM2永久磁石MRI装置(Aspect Imaging社、Shoham Israel)で行った。緩和計にてT1測定を37℃で行ったが、MRI装置での測定を標準温度(18〜20℃)で行った。
ベイラー医科大学で行った全ての動物実験は、ベイラー施設内動物管理使用委員会によって承認された。MDアンダーソン癌センターでの全ての動物実験は、MDA施設内動物管理使用委員会によって承認された。全ての研究は、NC3RS−ARRIVE基準に準拠していた。Tg2576マウスを、Taconic Biosciences社、ニューヨーク州ハドソンから購入した。TetO/APPマウスは、ベイラー医科大学のJoanna Jankowsky博士から厚意により提供された。全てのAPP−対照動物は、本研究でAPP+動物の年齢をマッチさせた非トランスジェニック同腹子であった。全てのTG2576マウスを、MDアンダーソン癌センターの1.0T Bruker Iconシステム(Bruker Instruments社、Billerica、MA)上で画像化した。全てのTetO/APPマウスを、1.0TアスペクトM2システム(Aspect Imaging社、Shoham、Israel)上で画像化した。これらの2つのスキャナー装置は、同一のハードウェア上に構築され、両方ともAspect Imaging社によって製造されたことに留意されたい。ソフトウェアインタフェースのみが異なる。全てのイメージングパラメータは2台の装置で同一であった。
麻酔を、空気中5%イソフルランを使用して、イソフルラン吸入ボックス中に誘導した。マウスを次いで、吸入による継続的な麻酔送達(空気中1.5〜3%イソフルラン)のために一体型フェースコーンを備えたカスタム製造スレッド上に置き、磁石キャビティに移した。脳のコントラスト前の画像を、2Dマルチスライススピンエコーシーケンスを用いて、以下のパラメータ:TE=32ms、TR=770ms、スライス厚=1.2mm、FOV=30×30mm、マトリックス=156×156、24スライスA〜P、およびNEX=2を用いて取得した。次いで、マウスを目覚めさせ、ケージに戻した。コントラスト前の画像の24時間後に、試験群におけるAPP+マウスおよびAPP−マウスに、化合物iii標的化リポソーム(150mMの総脂質濃度、37.5mMのGd総濃度、注射量4μL/g体重、0.15ミリモルのGd/kg)を注射し、対照群のAPP+マウスに、同一のパラメータを有する非標的(すなわち、化合物iiiが存在しない)リポソームを注射した。注射の4日後に、マウスを麻酔し、同一のシーケンスを使用して再び画像化した。本研究で調製したPEG化リポソームの半減期は約18〜24時間であり、バックグラウンドシグナルを減少させるために、4日の間隔を選んで血流からの未結合剤のクリアランスを促進した。
0.25〜1.0mMのGd濃度を有する試料を、PBSでリポソーム製剤を希釈することによって調製した。次いで、T1緩和測定を、60HzのブルカーミニスペックMQベンチトップ緩和計(Bruker Instruments、Billerica、MA)で行った。縦緩和時間(T1)を、反転回復シーケンスを用いて得た。Gd濃度に対する緩和速度(1/T1)のプロットから、T1緩和(r1)として定義した傾きの直線が得られた。より高い磁場強度(1.5T〜9.4T)での緩和測定については、T1加重高速スポイルグラジエントエコー(FSPGR)シーケンスを用いて、対応するMRI装置上で同じ試料を画像化した。1/T1対濃度プロットの傾きを用いて各磁場強度での緩和を推定した。
実施例14:MRIによるマウスにおける例示的リポソーム画像のアミロイド斑
化合物iiiのリガンドを使用してアミロイド斑を標的とするデュアルGdリポソームを、したがって、マウス中のアミロイド斑を画像化するそれらの能力について試験した。デュアルGd/化合物iiiリポソームをマウス内に静脈内注射し、1T MRIスキャナーでT1加重スピンエコーシーケンス(TE=32ms、TR=770ms)を用いて4日後にスキャンした。デュアル−Gd/化合物iiiリポソームは、アミロイド保有マウスの2つの異なる系統(15ヶ月齢のTetO/APPswe−indおよび9ヶ月齢のTg2576)において、アミロイド沈着に特徴的なパターンでシグナル増強をもたらした。同じマウスの注射前スキャンおよび同様に注射したアミロイド陰性マウス、ならびに同じ粒子の非標的バージョン(すなわち、化合物iiiを含まない)を注射したアミロイド陽性マウスでは、比較してシグナルは得られなかった。未結合リポソームが循環から除去されるように、4日の遅延を計画した。PEG化リポソームは約24時間の循環半減期を有しており、過去の経験から、4日の遅延が血液プールからのリポソームのほぼ完全な除去に十分であることが示唆された。
組織学:4日後の画像を取得した直後に、マウスを生理食塩水、続いて10%ホルマリンで灌流して屠殺し、脳を摘出して24時間10%ホルマリンに浸漬し、次いで、30%スクロースに移し、脳が沈むまで(通常は約72時間)冷蔵した。脳全体のNIRイメージングをこの段階で行った。次いで、この脳をOCT溶液中に包埋し−80℃で保存して、その後連続切片にした。切片を30μmの厚さに切断し、0.2%Tweenを含むトリス緩衝生理食塩水中で洗浄した。アミロイド抗体染色については、切片を1時間、5%正常ロバ血清中でインキュベートし、続いて、3%NDS中の抗アミロイドβ抗体(4G8、Sigma−Aldrich社、St.Louis,MOから)と4℃で一晩インキュベートした。次いで、切片を洗浄し、FITCまたはCy5タグ付きdylight649抗マウスIgG二次抗体とインキュベートし、Vectashieldマウンティングメディウム(Vector Laboratories,Burlingame CA)を用いてマウントしカバースライドをかぶせ、適切なフィルターセットを用いて画像化した。
この研究からの例示的な画像を図11A〜Fに示す。ナノ粒子MR剤の静脈注射の前および4日後の、マウスモデルにおけるアミロイド斑のT1加重MRイメージング。2Dスピンエコーシーケンス(TE=32ms、TR=770ms、スライス厚=1.2mm、FOV=30×30mm、マトリックス=156×156、およびNEX=2)を用いた。皮質および海馬を通じて脳の冠状2Dスライスを示す。図11Aは、15ヶ月齢のTetO/APPswe−indマウスの結果を示し、ここでAPP生成は食事中のドキシサイクリンによって生後6週まで抑制された。図11Bは、図11Aのマウスの注射前スキャンの結果を示す。図11C、Dはそれぞれ、9ヶ月齢のTg2576マウス(APPswe)および同じマウスの注射前スキャンの結果を示す。図11Eは、非標的(非アミロイド結合)粒子を注射したTg2576マウスの結果を示す。図11Fは、アミロイド標的粒子を注射した図11Eのマウスの非トランスジェニック同胞の結果を示す。総シグナルを、Osirixソフトウェアを用いて「レインボー」カラーマップにマッピングした(http://www.osirix−viewer.com/からオンラインで入手できる)。優勢な青色の背景から緑色の前景の範囲は、2倍超のシグナル増加を表す。緑色から黄色の範囲は、さらなる2倍の増加を示す。9ヶ月齢のTg2576マウスは、より年をとったTetO/APPマウス(広範な皮質および海馬のシグナル、脳室はシグナルなし)と比較して、非常に異なる標識パターンを示し(軟膜、海馬およびある程度のシグナルが脳室中にあった)、Tg2576例におけるCSFからの遅いクリアランスを示唆する。各群において6/6の動物がこれらの画像と一致したが、Tg2576 APP+動物は例外で、その2/6がこの増強パターンを示した。残りの4/6は増強を示さず、非トランスジェニック同胞動物とは区別できなかった。しかしながら、Αβへの4G8抗体を用いた免疫組織化学により、増強を示さなかった4匹の動物は、脳に重要なアミロイド病理も有していなかったことが明らかになった。
したがって、図12の表形式にまとめたように、アミロイド沈着物の存在と陽性MRIシグナルとの間に完全な対応があった。図12は、4G8抗体を用いた免疫組織化学、使用したイメージング剤(化合物iii標的化または対照非標的化)およびマウス脳での個々のナノ粒子の存在の測定によるアミロイド病理スコアを示す。Αβ斑の半定量的スコアリングは、0(なし)、1(まばら)、2(中等度)、および3(重度/頻繁)の4層のスケールによった。ICG、リガンド、およびMRIの陽性シグナルの存在は、「X」によって示され、不在は「−」によって示される。免疫組織化学の結果とナノ粒子の存在の測定のそれぞれとの間には、ほぼ100%の相関があった。標的剤で処置したいずれかの系統のAPP+マウス(TetO/APPswe、またはTg2576)は、MRI、免疫組織化学およびナノ粒子の存在の蛍光マーカーにおいて陽性シグナルを示したが、非標的剤で処置したいずれかの系統のAPP+マウスは全くシグナルを示さず、APP−マウスは、処置にかかわらずシグナルを示さなかった。このデータは、アミロイド斑に近づき結合できる標的剤と一致し、結合がないと排除されるが、標的リガンドが存在しないと結合は生じない。
図13A〜13Zは、図12にまとめたデータの代表的な13ペアのMRI画像を表す。各ペアの画像について、右側の画像はコントラスト前のものであり、左側の画像は、コントラスト後3〜4日の時点のものである。類似のまたは同一のカラーマップを提供するために、全ての画像のペアを同一のウィンドウレベルおよび幅で配置した。各画像のペアを、マウス(系統(TetO/APPまたはたTg2576)、遺伝子型(APP+またはAPP−)、および処置(化合物iii標的粒子、または非標的粒子)によって識別する。
実施例15:マウスにおけるIR蛍光による例示的リポソーム画像のアミロイド斑
リポソームはまた、近赤外イメージングのために、二重層に約0.6モル%のインドシアニングリーン(ICG)を含有していた。図14A〜H4は、死後のマウスの脳の近赤外イメージングの結果を示す。Tg2576マウスの脳切片の共焦点イメージングにより、トランスジェニックマウスの皮質および海馬におけるICGシグナルの増強が明らかになり、非トランスジェニック対照(図14B)と比較した場合APP+脳において局在性がより高い(図14A)ことが示された。高倍率では、図14Eが、図14Aに対応するアミロイド沈着物の特徴的な点状構造を明らかにした;図14Fは、図14Bの対照に相当する。
TetO/APP+マウスの全脳は、APP−同胞対照(図14D)よりも高い近赤外蛍光を示した(図14C)。血管漏出位置に相当する所々に存在するホットスポットを有するAPP−陰性脳における全体的に低いシグナル(図14D)と比較して、APP−陽性脳では均一に増加したICGシグナルが局在した(図14C)。
3つの斑のクラスター(図13G1〜G4)および個々の斑(図13H1〜H4)に対して、アミロイド斑に対する蛍光標識4G8抗体を用いて、抗体(緑、図14G1)、ICG(赤)および化合物iii(青)の共局在が示された。MRIシグナルの場合と同様に、蛍光シグナルはまた、図12にまとめたようなアミロイド病理の存在の免疫組織化学的測定と一致した。これらの結果は、化合物iii標的デュアル−GdリポソームがBBBを貫通し、アミロイド斑を探し求め、臨床磁場強度でMRIを用いて検出するのに十分なシグナル増強をもたらすことができることを確認するものである。
考察
合成の取り組みは、図1A〜1B中の最低のCLogP値を有する3つの化合物(化合物ii、化合物iおよび化合物iii)に焦点を当てた。合成および精製は効率的であり、全収率は約90%であった。化合物iiおよび化合物iiiを、アミロイド線維の結合および特異性について試験し、非常に類似した結果が得られたことから、アミロイド結合能力は、これらの分子の比較的高い親水性によって顕著に影響されないことが示唆された。実際には、MeXO4で行った類似の研究と比較して本分子はMeXO4よりも非常に強くアミロイド線維に結合するようであり、クリサミン−Gで置換された結合種はMeXO4での80%超と比較して、わずか約60%である。化合物iiiを、そのより低いCLogP値およびわずかにより高いアミロイド結合能力に基づいて、リード候補として選択した。
図8に示すように、化合物iiiの親水性は、二重層を損なうことなく、安定なリポソームの形成をもたらした。二重層中に飽和脂質およびコレステロールを有するリポソームは、100nmの膜を通して押出された場合に、約100nmの直径を有するリポソームをもたらす。100nmよりもかなり大きい粒径は、図8および図9においてMeXO4リポソームで実証されたように、二重層の不安定化、小胞融合、およびマルチラメラ構造の形成と関連する。比較的疎水性のMeXO4リガンドは、柔軟なPEGテザーによってリポソーム表面上に係留された場合に、図8および図9AにおいてMeXO4リポソームで実証されたように、二重層中に分配し、二重層の安定性を損なう原因となると考えられる。より親水性の化合物iiiリガンドでMeXO4リガンドを置換すると、リガンドが二重層中に分配する傾向は排除または低減され、これにより化合物iii標的化リポソームについて観察された図8のデータによって実証される二重層の完全性が保持される。
アミロイド病理を結合する化合物iiiの能力を、88歳のヒトAD患者の剖検から得たヒト脳組織を用いて試験した。化合物iiiは、アミロイド斑の染色と一致する病巣パターンでヒト組織を明瞭に染色する(図5C)。老犬はΒ−アミロイド沈着の天然モデルであり、12.3歳の老犬のビーグルからの前頭皮質の切片を化合物iii中でインキュベートしても、CAA標識が示された(図5D)。
アミロイド斑の可視化を可能にするのに十分なT1シグナルを有するナノ粒子を構築するために、発明者らは、Gd緩和の増強を誘導することが以前に実証されたデュアル−Gdプレゼンテーションを採用した。二重層中に挿入されたビス−ステアリルアミドのアンカーへのGdキレートのコンジュゲートはGd原子の回転相関を遅らせ、それによって、回転相関時間τを増加させることができる。Gdキレートの回転相関時間の増加は、約1Tの低磁場強度でT1緩和にピークをもたらすが、この増強は7T超のより高い磁場強度で大幅に低減され、最終的には元に戻され得る。これは、観察された挙動と一致する(図10A)。リポソーム表面GdのT1緩和(GDモルベースで)は、1.4Tおよび1.5Tでの遊離分子キレートのそれよりも2.5倍高かったが、より高い磁場では、遊離分子キレートはより高い緩和を示した。したがって、緩和およびインビボイメージングを、低い(1T)磁場強度で試験した。
標的化リポソーム(本明細書で考慮される化合物iii標的化リポソームなど)が分子標的(アミロイド斑のベータシート構造など)に結合できる場合、それぞれの分子標的はリポソーム全体と結合でき、MR画像中の対応するシグナルは、リポソーム全体に起因し得る。したがって、リポソームモルベースでの緩和は、分子標的に結合したシグナルに線形に関連し得る。したがって、表面Gdリポソームの緩和を、リポソーム二重層中の増加するGdキレート濃度の関数として、リポソームモルベースで測定した。図10Bの結果は、二重層中のGdキレートの数に対する、緩和の予想される線形依存性を示す。Gdキレートを担持する二重層分子の25%で、粒子単位のT1緩和は約190,000mM−1S−1であると推定された。約120nmの直径の粒子については、緩和は粒子当たりおおよそ48,000のGdキレートに対応し得、その半分はリポソーム二重層の外側リーフレット上に存在し、半分は内部リーフレット上に存在し得る。内部リーフレットGdはT1緩和に対して実質的に活性でないが、外側リーフレットのキレートは活性であると仮定すると、1.4T緩和計を用いて測定された桁と同じ桁の、Gd単位でおおよそ8mM−1S−1のモル緩和が示唆される(図10A)。
血流中への注射投与の際に、化合物iii標的化リポソームは、血液脳関門を横断しアミロイド斑に強く結合するように思われた(図11A〜F)。血液脳関門のこのような透過性は、ADのAPP/PSEN1マウスモデルにおいてBBBを横断しアミロイド斑を標識するMeXO4標的化リポソームの能力の過去の観測と一致した。過去の観測はまた、ADのTetO/APPモデルにおいてBBBを横断する非標的化リポソームの能力を実証し、年齢依存的およびアミロイド依存的にBBBを横断する顕著な漏れを実証した。試験した全てのマウスは脈絡叢の漏れを示したが、老いた(14ヶ月齢を超える)マウスは主要な血管に沿って顕著により高い漏れを示し、一方でAPP+マウスは大脳皮質においてより多くの漏れを示した。本研究のTetO/APPマウスは全て14ヶ月齢を超えており脳内でより広範なシグナルを示したが、Tg2576マウスは全て9〜10ヶ月齢であり、軟膜および皮質血管の周囲に集中してより低いシグナルを示した。さらに、TetO/APPマウスの6/6は脳内に明瞭なシグナルを示し、標的剤の局在と一致したが、Tg2576動物の2/6のみが明瞭な脳のシグナルを示した。しかしながら、免疫組織化学的には、Tg2576動物の同じ2/6はアミロイド病理を示したが、残りの4/6は示さなかった。
アミロイド斑への粒子の局在は、図14A〜H4のデータから確認される。インドシアニン標識を可視化する全脳の近IR画像(図14C〜D)は、APP−脳と比較して、APP+脳における局在の増加と一致した。APP+およびAPP−マウスの皮質ならびに海馬を通るスライス(図14A〜B)は、APP+脳において顕著な局在を示し、大脳皮質および海馬の部分で最大強度が観察された。顕著な染色が視床でも観察され、同じマウスのMR画像における視床シグナルと一致した(図14C)。大脳皮質の高倍率(図14E〜F)下では、APP+マウスの脳におけるICGシグナルは、病巣斑の標識と一致して点状であり、かつCAA標識と一致して血管壁に沿っていることが観察された。
大脳皮質内の個々の病巣斑(図14G1〜H4)の詳細な組織学的検査により、リガンド標的粒子は斑の密集部分と拡散部分の両方を標識するようであることが明らかにされる。図14G1〜H4において、FITCで可視化した4G8抗体は緑色で標識され、ICGは赤色で標識され、化合物iiiリガンドは青色で標識される。図14G1〜G4は、目に見える3つの病巣斑を有する領域を示す。その領域には、アミロイド沈着の周囲により拡散したパターンも存在する。4G8抗体は、これらの実体の両方を標識する。病巣斑は中央で比較的均一なアミロイド密度を有し、かつ周辺により高い密度を有するように思われ、抗体およびチオフラビンS染色を用いたマウスにおける斑の多数の他の観察と一致した。ICGおよび化合物iiiの標識(それぞれ赤色および青色)は、互いにおよび抗体標識と十分に相関し、斑の中央に低密度の結合を示し、周辺に高密度の小結節を示したので、リポソーム粒子が斑にそのまま結合し、高密度病巣斑とより低い密度の拡散した斑の両方を標識することは疑いの余地はない。
TetO/APPマウスとTG2576マウスの間でMRIシグナルパターンにいくつかの違いが認められ、前者は大脳皮質、海馬、および線条体にシグナルを示し、CaMkIIαプロモーターの異質な活性によりこれらの領域に優先的にアミロイド沈着が存在することと一致した。より完全な沈着パターンがTg2576マウスで観察され、より均一な斑の沈着と一致した。Tg2576マウスはまた、血管外遊出されるリポソームの推定輸送媒体である、脳脊髄液中の薬剤の継続的な存在が原因であり得る強い脳室シグナルを示した。
リポソームは、以前に集合的に実証され、かつ3種類の異なるマウスモデルのAPP/PSEN1、TetO/APPP、およびTg2576について本明細書で実証されたように、アミロイド沈着およびアルツハイマー病のマウスモデルにおいてBBBを貫通する。以前の研究は単なるPEG化リポソームが容易にBBBを通って輸送されることを実証したので、このBBB貫通は任意の能動輸送機構を必要としない。しかしながら、アミロイド沈着の部位におけるリポソームの長時間の保持は、分子標的への結合に依存する。発明者らの以前の研究での結合リガンドとしてのMeXO4の使用により、アミロイド斑への結合および顕微鏡による生体外での可視化が実証された。本明細書で化合物iiiを用いて実証されたように、新規の標的リガンドの使用は二重層の完全性が改善されたリポソームをもたらし、結果として大量のGdキレートがカプセル化される。これらのGdキレートは、リポソームの表面上に提示され、低い(約1T)磁場強度で超緩和し、T1重み付けMRIを用いてインビボでそれらの可視化を可能にするのに十分な約190,000mM−1s−1の粒子あたりの緩和を提供した。このように、2種類の異なるマウスモデル(Tg2576およびTetO/APP)においてアミロイド斑が可視化された。
本発明の方法、リガンド、コンジュゲートおよびリポソームは、ヒトにおいてBBBを横断するのを容易に促進すると考えられる。ADおよびMCI患者で行なわれたMRI研究から、BBBが実際に損なわれており損害の程度はアミロイド負荷に依存しないことが知られている。また、DCE−MRIを用いた最近の研究により、高齢のヒトの海馬においてBBBが破壊され浸透性になることが確認された。この薬剤がマウス過剰発現モデル以外のアミロイド病理を結合することの確認は、イヌ脳およびヒトの脳切片におけるインビトロでのアミロイド沈着物への結合を試験することによって本明細書で実証される。したがって、本発明の方法、リガンド、コンジュゲートおよびリポソームは、ヒトにおいて機能し得る。
本出願は、臨床的に許容される磁場強度での齧歯類モデル内のアミロイド斑のMRI画像を示し、これはヒトにおける斑の解析およびADの診断へと拡大されると考えられる。記載のMRIイメージングは、PETイメージングなどの現在の非侵襲的イメージング技術を上回る、可用性の向上、コストの低下、および高解像度を含むいくつかの実質的な利点を提供できる。アミロイド斑のイメージングのための既知の、承認されたPET薬剤の利用可用性は限られており、大規模な学術医療センターに制限され得る。これとは対照的に、本明細書に記載の研究は、世界中に可用性を提供できる。さらに、T1剤は、それらの陽性シグナルのために非常に魅力的であり、シグナル解釈の信頼の増加につながり得る。本明細書に記載の研究は、ヒトのイメージングのための最先端のMRIスキャナーと一致して、低磁場(1〜3T)スキャナーでの使用を目的としている。
アミロイド斑の分析に加えて、本明細書に記載の研究は、ADを診断するために、神経原線維のタウ濃縮体の識別などの第2のマーカーと組み合わせて使用できる。
用語「含む(include)」または「含む(including)」は、本明細書または特許請求の範囲において使用される程度まで、用語「含む(comprising)」が特許請求の範囲において移行語として使用された場合に解釈されるのと同様に包括的であることが意図される。さらに、用語「または」が使用される程度まで(例えば、AまたはB)、それは、「AまたはBまたは両方」を意味することが意図される。「AまたはBのみだが、両方ではない」が意図される場合には、用語「AまたはBのみだが、両方ではない」が採用されるであろう。したがって、本明細書において用語「または」の使用は、包括的な使用であり、排他的な使用ではない。本明細書および特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その」は、複数を含む。最後に、用語「約」が数と組み合わせて使用される場合には、数の±10%を含むことが意図される。例えば、「約10」は、9〜11を意味し得る。
一般に、「置換」は、以下に定義されるような有機基(例えば、アルキル基)を指し、その中に含有される水素原子への1個以上の結合は、非水素または非炭素原子への結合によって置き換えられる。置換基はまた、炭素(複数可)または水素(複数可)の原子への1個以上の結合が、二重または三重結合を含む1個以上の結合によってヘテロ原子へ置き換えられる基を含む。このように、特に断りのない限り、置換基は、1個以上の置換基によって置換される。いくつかの実施形態において、置換基は、1、2、3、4、5、または6個の置換基によって置換される。置換基の例としては、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、およびI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;尿素;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;イミン;ニトロ基;およびニトリル(すなわち、CN)などが挙げられる。
置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基などの置換された環基はまた、水素原子への結合が炭素原子への結合で置き換えられる環および環系を含む。したがって、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基はまた、以下に定義されるような、置換されているか、または置換されていないアルキル、アルケニル、およびアルキニル基によって置換され得る。
アルキル基は、1〜12個の炭素原子、典型的には1〜10個の炭素、または、いくつかの実施形態において、1〜8、1〜6、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖のアルキル基を含む。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチル基などの基が挙げられる。分岐アルキル基の例としては、イソプロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2−ジメチルプロピル基が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、上記のものなどの置換基で1回以上置換され、限定されないが、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、およびカルボキシアルキルなどを含み得る。
シクロアルキル基は、環(複数可)に3〜12個の炭素原子を有するか、またはいくつかの実施形態において、3〜10、3〜8、または3〜4、5、もしくは6個の炭素原子を有する単環式、二環式または三環式アルキル基を含む。例示的な単環式シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜8個の環員を有するが、他の実施形態において、環炭素原子数は、3〜5、3〜6、または3〜7に及ぶ。二環式および三環式環系には、限定されないが、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、アダマンチル、およびデカリニルなどの架橋シクロアルキル基および縮合環の両方が含まれる。置換シクロアルキル基は、上記で定義したような非水素および非炭素基で1回以上置換され得る。しかしながら、置換シクロアルキル基はまた、上記で定義されるような直鎖または分枝鎖のアルキル基によって置換された環も含む。代表的な置換シクロアルキル基は、モノ置換であるか、または複数回置換され、例えば、限定されないが、上記に列挙したものなどの置換基によって置換され得る2,2−、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−二置換シクロヘキシル基などであり得る。
アリール基は、ヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素である。アリール基は、本明細書では、単環式、二環式および三環式環系を含む。このように、アリール基には、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、およびナフチル基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリール基は、基の環部分に6〜14個の炭素を含有し、他の実施形態において、6〜12またはさらには6〜10個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、アリール基は、フェニルまたはナフチルである。語句「アリール基」は、縮合芳香族−脂肪族環系など(例えば、インダニル、およびテトラヒドロナフチルなど)の縮合環を含有する基を含むが、これは、環員の1つに結合した、アルキルまたはハロ基などの他の基を有するアリール基を含まない。むしろ、トリルなどの基は置換アリール基と呼ばれる。代表的な置換アリール基は、モノ置換であるか、または複数回置換され得る。例えば、モノ置換アリール基には、上記に列挙したものなどの置換基によって置換され得る2−、3−、4−、5−、もしくは6−置換フェニル基またはナフチル基が含まれるが、これらに限定されない。
アラルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が上記で定義したようなアリール基への結合で置き換えられた、上記で定義したようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、アラルキル基は、7〜16個の炭素原子、7〜14個の炭素原子、または7〜10個の炭素原子を含有する。置換アラルキル基は、基のアルキル部分、アリール部分またはアルキル部分とアリール部分の両方によって置換され得る。代表的なアラルキル基には、4−インダニルエチルなどのベンジルおよびフェネチル基ならびに縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アラルキル基は、上記に列挙したものなどの置換基で1回以上置換され得る。
複素環基は、1個以上が、限定されないが、N、O、およびSなどのヘテロ原子である3個以上の環員を含有する芳香環(ヘテロアリールとも呼ばれる)ならびに非芳香環化合物を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する。いくつかの実施形態において、複素環基は、3〜16個の環員を有する単環式、二環式および三環式環を含み、他のそのような基は、3〜6、3〜10、3〜12、または3〜14個の環員を有する。複素環基は、例えば、イミダゾリル、イミダゾリニルおよびイミダゾリジニル基などの芳香環系、部分不飽和環系および飽和環系を包含する。語句「複素環基」には、例えば、ベンゾトリアゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、およびベンゾ[1,3]ジオキソリルなどの、縮合芳香族基ならびに非芳香族基を含むものを含む縮合環種を含む。この語句はまた、限定されないがキヌクリジルなどのヘテロ原子を含有する架橋多環式環系を含む。しかしながら、この語句は、環員の1つに結合したアルキル、オキソまたはハロ基などの他の基を有する複素環基を含まない。むしろ、これらは、「置換複素環基」と呼ばれる。複素環基には、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンゾオキサチイニル(benzoxathiinyl)、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンゾイミダゾリル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフチル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、およびテトラヒドロキノリニル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換複素環基は、モノ置換であるか、または複数回置換され得、2−、3−、4−、5−、もしくは6−置換であるか、または上記に列挙したものなどの様々な置換基によって置換されている、限定されないがピリジルまたはモルホリニル基などであり得る。
ヘテロアリール基は、5個以上の環員を含有する芳香環化合物であり、そのうちの1個以上が、限定されないが、N、O、およびSなどのヘテロ原子である。ヘテロアリール基には、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル(ピロロピリジニル)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾピリジニル(アザベンズイミダゾリル)、ピラゾロピリジニル、トリアゾロピリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソオキサゾロピリジニル、チアナフチル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニル基などの基が含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、全ての環がインドリル基などの芳香族である縮合環化合物を含み、環の1つのみが2,3−ジヒドロインドリル基などの芳香族である縮合環化合物を含む。語句「ヘテロアリール基」は、縮合環化合物を含むが、この語句は、アルキル基などの環員の1つに結合した他の基を有するヘテロアリール基を含まない。むしろ、そのような置換を有するヘテロアリール基は、「置換ヘテロアリール基」と呼ばれる。代表的な置換ヘテロアリール基は、上記に列挙したものなどの様々な置換基で1回以上置換され得る。
ヘテロアラルキル基は、アルキル基の水素結合または炭素結合が上記で定義したようなヘテロアリール基への結合と置き換えられる上記で定義したようなアルキル基である。置換ヘテロアラルキル基は、基のアルキル部分、ヘテロアリール部分またはアルキル部分とヘテロアリール部分の両方によって置換され得る。代表的な置換ヘテロアラルキル基は、上記に列挙したものなどの置換基で1回以上置換され得る。
本技術の化合物中に2個以上の付着点(すなわち、二価、三価、または多価)を有する本明細書に記載の基は、接尾語「エン」を使用することによって命名される。例えば、二価のアルキル基はアルキレン基であり、二価のアリール基はアリーレン基であり、二価のヘテロアリール基はヘテロアリーレン基である、などである。本技術の化合物への1個の付着点を有する置換基は、「エン」命名を使用して呼ばれない。したがって、例えば、クロロエチルは、本明細書においてクロロエチレンと呼ばれない。
アルコキシ基は、水素原子への結合が、上記で定義したような置換もしくは非置換のアルキル基の炭素原子への結合によって置き換えられたヒドロキシル基(−OH)である。直鎖アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、およびヘキソキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。分岐アルコキシ基の例としては、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペントキシ、およびイソヘキソキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルコキシ基の例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、およびシクロヘキシルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な置換アルコキシ基は、上記に列挙したものなどの置換基で1回以上置換され得る。
本明細書で使用する用語「アミン」(または「アミノ」)は、NR基を指し、式中、RおよびRは、独立して、水素、または本明細書で定義されるような置換されているかもしくは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルアルキルまたはヘテロシクリル基である。いくつかの実施形態において、アミンは、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、またはアルキルアリールアミノである。他の実施形態において、アミンは、NH、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、フェニルアミノ、またはベンジルアミノである。用語「アルキルアミノ」は、NRとして定義され、式中、RおよびRのうちの少なくとも1つはアルキルであり、他方はアルキルまたは水素である。用語「アリールアミノ」は、NRとして定義され、式中、RおよびRのうちの少なくとも1つはアリールであり、他方はアリールまたは水素である。
本明細書で使用する用語「ハロゲン」または「ハロ」は、臭素、塩素、フッ素、またはヨウ素を指す。いくつかの実施形態において、ハロゲンはフッ素である。他の実施形態において、ハロゲンは塩素または臭素である。
上述したように、本出願は、実施形態の説明により例示されており、それらの実施形態をかなり詳細に説明してきたが、本出願は、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限するか、またはいかなる方法で限定することを意図するものではない。当業者は、本出願の利益を有する追加の利点および修正が容易に思い付くであろう。したがって、本出願は、そのより広い態様において、示された特定の詳細および例示的な実施例に限定されるものではない。逸脱は、一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細および実施例からなされ得る。

Claims (15)

  1. リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートを含む膜を含む、リポソーム組成物であって、
    前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分が、
    Figure 0006505235

    によって表され、
    前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のリン脂質−ポリマー部分が、
    Figure 0006505235
    によって表され、式中、
    は、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つである1〜6個の炭素原子を含む連結基であり;
    は、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり、且つ、水素以外のRは、0個、1個または複数の−OHで置換されており;
    ピリミジンPは、−OH、−O−アルキルおよび−NHのうちの0個、1個または複数で置換されており;
    nは、約60〜約100の整数であり;
    mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つである、
    リポソーム組成物。
  2. 前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分が、
    Figure 0006505235
    (ピリミジンPは、−OH、−O−Me、または−NHのうちの0個、1個または複数で置換されている)
    によって表される、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  3. 前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分が、
    Figure 0006505235
    のうちの1つによって表される、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  4. 前記膜によってカプセル化されたものまたは前記膜に結合したもののうちの少なくとも1つである非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤をさらに含む、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  5. 前記膜が、第1のリン脂質および第2のリン脂質をさらに含み、前記第2のリン脂質が、親水性ポリマーで誘導体化されている、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  6. 前記膜が、
    DPPC;
    コレステロール;
    ジエチレントリアミン五酢酸)−ビス(ステアリルアミド)のガドリニウム塩;
    1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]
    をさらに含み、
    前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートが、以下の構造式:
    Figure 0006505235
    (nは、約70〜約90の整数であり;mは、14または16である)のうちの1つによって表される、
    請求項1に記載のリポソーム組成物。
  7. 患者中のアミロイド沈着物画像化における使用のためのリポソーム組成物であって、
    記リポソーム組成物が、リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート(前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
    Figure 0006505235
    によって表され、前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のリン脂質−ポリマー部分は、
    Figure 0006505235
    によって表され、式中、Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つである1〜6個の炭素原子を含む連結基であり;Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり、且つ、水素以外のRは、0個、1個または複数の−OHで置換されており;ピリミジンPは、−OH、−O−アルキルおよび−NHのうちの0個、1個または複数で置換されており;nは、約60〜約100の整数であり;mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つである)を含む膜と、前記膜によってカプセル化されたものまたは前記膜に結合したもののうちの少なくとも1つである非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤と、を含
    前記使用が、
    検出可能な量の前記リポソーム組成物を前記患者中に導入するステップ;
    前記リポソーム組成物が1個以上のアミロイド沈着物と結合するのに十分な時間を与えるステップ;および
    1個以上のアミロイド沈着物と結合したリポソーム組成物を検出するステップ、
    を含む
    リポソーム組成物
  8. 前記検出するステップが、磁気共鳴イメージングを用いて検出することを含む、請求項7に記載のリポソーム組成物
  9. 前記非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤が、前記膜によってカプセル化されており、且つ、前記膜に結合している、請求項7に記載のリポソーム組成物
  10. 前記リポソーム組成物が、約100,000、125,000、150,000、165,000、180,000、190,000、および200,000のうちの少なくとも約1つ以上のmM−1−1の粒子あたりの緩和により特徴付けられる、請求項9に記載のリポソーム組成物
  11. 前記膜が、
    DPPC;
    コレステロール;
    ジエチレントリアミン五酢酸)−ビス(ステアリルアミド)のガドリニウム塩;
    1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]
    をさらに含み、
    前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲートが、以下の構造式:
    Figure 0006505235
    (nは、約70〜約90の整数であり;mは、14または16である)のうちの1つによって表される、
    請求項7に記載のリポソーム組成物
  12. 前記使用が、前記1個以上のアミロイド沈着物結合したリポソーム組成物の検出に応じて前記患者をアルツハイマー病と診断することをさらに含む、請求項7に記載のリポソーム組成物
  13. 前記使用が、
    前記1個以上のアミロイド沈着物結合したリポソーム組成物の検出に応じて、アルツハイマー病を潜在的に有するとして前記患者を特定すること;
    タウ神経原線維濃縮体の分析に前記患者を供すること;および
    前記1個以上のアミロイド沈着物結合したリポソーム組成物の検出と共にタウ神経原線維濃縮体の存在を決定したら、前記患者をアルツハイマー病と診断すること、
    をさらに含む、請求項7に記載のリポソーム組成物
  14. 患者中のアミロイド沈着物を画像化するためのキットであって、
    リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート(前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中の芳香族部分は、
    Figure 0006505235
    によって表され、前記リン脂質−ポリマー−芳香族コンジュゲート中のリン脂質−ポリマー部分は、
    Figure 0006505235
    によって表され、式中、Rは、アルキレンまたはアルコキシアルキレンのうちの1つである1〜6個の炭素原子を含む連結基であり;Rは、水素、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシアルキルであり、且つ、水素以外のRは、0個、1個または複数の−OHで置換されており;nは、約60〜約100の整数であり;mは、12、13、14、15、16、17、または18のうちの1つである)を含む膜と、前記膜によってカプセル化されたものまたは前記膜に結合したもののうちの少なくとも1つである非放射性磁気共鳴イメージング(MRI)コントラスト増強剤と、を含むリポソーム組成物;ならびに
    説明書であって、
    検出可能な量の前記リポソーム組成物を前記患者中へ導入し;
    前記リポソーム組成物が1個以上のアミロイド沈着物と結合するのに十分な時間を与え;
    1個以上のアミロイド沈着物と結合したリポソーム組成物を検出する
    ようにユーザーに指示する説明書、
    を含むキット。
  15. 前記説明書が、1個以上のアミロイド沈着物と結合したリポソーム組成物の検出に応じて前記患者をアルツハイマー病と診断するように前記ユーザーにさらに指示する、請求項14に記載のキット。
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