JP6504667B2 - パスポートのデータページ用ヒンジシート、パスポート用データページ及びパスポートのデータページ用ヒンジシートの製造方法 - Google Patents

パスポートのデータページ用ヒンジシート、パスポート用データページ及びパスポートのデータページ用ヒンジシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合シート材及び同複合シート材の製造方法に関する。
従来、自動車用シートや建材、製本など、実に様々な物品の製造分野において、より高い耐久性を有するシート状の材料が求められている。
このような材料が求められる物品の一例として、例えば製本分野に着目すると、5年や10年といった比較的長期に亘り使用され続けるパスポートが挙げられる。
特に、国籍や性別、写真、名前などの個人情報が記録されたデータページは、パスポートに個人認証機能を付与する上で重要なページであり、優れた耐久性や繰り返しの折り曲げに対する抵抗性が必要とされる。
そこで、このような要求を満たすべく、例えば、縦横に糸を配して構成した編織シートの表裏に、データシートとして耐久性に優れたポリカーボネート製のシートを加圧熱融着し、これらを積層させて形成したデータページが提案されている。
このようなデータページによれば、加圧熱融着に伴って軟化したデータシートの一部を編織シートの表裏側より織目内部に進入させ、一面側から進入させたデータシートの軟化部分と他面側から進入させた軟化部分とを連結させることにより、強固な積層構造を構築することができ、優れた耐久性を実現できるとしている。なお、以下の説明において、所定の樹脂シートを編織シートの表裏より加熱圧着し、軟化した樹脂シートの一部を編織シートの織目に進入させることにより、一面側から進入した樹脂シートの軟化部分と他面側から進入した軟化部分とが織目内で結合させた構造を「開口アンカー構造」と称し、編織シートの表裏側に配置され編織シートの開口に軟化状態で進入させる樹脂シートを「アンカーシート」と称する。
ところが、このようなデータページの製造方法は、ポリカーボネート製のデータシート自体をアンカーシートとしていることから、編織シートの耐熱性等との関係上熱融着時の温度制御がシビアであり、厳密且つ均一に所定の温度で融着できない場合、十分な強度の開口アンカー構造が構築されず、編織シートから容易にデータシートが剥離してしまうという問題がある。
このことは、データページ部分にレーザーマーキングにより書き込まれた個人情報やIC-Chipまでもが、偽造者により容易に偽造可能であることを意味しており、パスポートが有する個人認証機能の根幹に関わる問題となる。
そこで近年、熱可塑性ポリウレタンエラストマーや水添スチレン系エラストマーなどの熱可塑性樹脂シートをアンカーシートとして編織シートに対し開口アンカー構造を構築してヒンジシートを形成し、同ヒンジシートの表裏にポリカーボネート製のデータシートを加熱圧着するデータページの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、形成されたヒンジシートの表裏側に、所定の個人情報等が記載される複数枚のポリカーボネート製データシートで構成されたデータシート群をそれぞれ配置し、各データシート間や、データシート群とヒンジシートとの間を真空加熱圧縮成形機にて190〜200℃の温度で強固に熱融着し一体化することでデータページを製造する。
そして、このようにして製造されたデータページでは、アンカーシートがポリカーボネート製ではなく、熱可塑性ポリウレタンエラストマーや水添スチレン系エラストマーなどの熱可塑性樹脂を用いているため、積層のための熱融着を堅実に行いやすく、しかも、これら熱可塑性樹脂はポリカーボネート製のシートと十分な強度で熱融着可能であることから、剥離に十分に耐えうるデータページを形成できるとしている。
特開2011−079285号公報
ところが、上記特許文献1に記載の製造技術にあっては、編織シートの開口率を50%以上80%以下とする必要があり、またこの開口率を確保するために、細径のモノフィラメント糸により構成していることから、引き裂き耐性の点で未だ改良の余地が残されていた。
すなわち、パスポートの編綴部位からデータページを引き裂いて取り外し、偽造が行われてしまう可能性を有していた。
また、前記したとおりデータページの製造工程には、各データシートやヒンジシートを真空加熱圧縮成形機を用いて190〜200℃の温度で強固に熱融着する工程(以下、「データページ融着形成工程」と称する。)があるところ、上記特許文献1に記載の製造技術にあっては、編織シートを形成する糸としてポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンが採用されており、このうちポリプロピレンはその融点が130℃であることから加熱積層温度である190〜200℃よりも低い融点のポリマー糸を使用した編織シートでは溶融してしまい、糸の強度が極端に低下する。
その結果、ヒンジシートの重要な機能である引き裂き耐性、繰り返し曲げ耐久性等の強度特性が発揮できないという大きな問題点が存在することとなっていた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、柔軟性、繰り返し曲げ疲労耐久性、耐光性、加熱融着性、加工性、寸法精度に優れるのは勿論のこと、高い耐久性、特に高い引き裂き耐性を有すパスポートのデータページ用ヒンジシート、パスポート用データページ及びパスポートのデータページ用ヒンジシートの製造方法を提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係るパスポートのデータページ用ヒンジシートでは、(1)織目を有する編織シートと、同編織シートの表裏を被覆する熱可塑性エラストマー層(ただし、無黄変タイプ又は難黄変タイプ以外の熱可塑性ポリウレタンエラストマー層を除く。)とを備え、前記織目を介して前記表裏の熱可塑性エラストマー層が互いに連結しているパスポートのデータページ用ヒンジシートにおいて、前記編織シートは、融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製で線径が40〜100μφの糸よりなり、織目の開口率が50%未満であって、前記熱可塑性エラストマー層は、表面硬度がJIS Aで40以上85未満であることとした。
また、本発明に係るパスポート用データページでは、以下の点にも特徴を有する。
(2)パスポート本体に編綴するための綴じ代部を備えた上述のヒンジシートと、同ヒンジシートの前記綴じ代部を除く両面外層側に配された印刷用、レーザマーキング用、保護用のポリカーボネート層からなるデータシートと、を備え、同データシートは、前記ヒンジシートの少なくともいずれか一方の面に圧着されていること。
(3)前記ヒンジシートのいずれか他方の面側は、インレットシートを介してデータシートが圧着されていること。
また、本発明に係るパスポートのデータページ用ヒンジシートの製造方法では、()融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製で線径が40〜100μφの糸よりなり織目の開口率が50%未満である編織シートの表裏に、表面硬度がJIS Aで40以上85未満である熱可塑性エラストマーフィルム(ただし、無黄変タイプ又は難黄変タイプ以外の熱可塑性ポリウレタンエラストマーフィルムを除く。)をそれぞれ配置し、両熱可塑性エラストマーフィルムの外方より加圧しながら加熱して軟化した熱可塑性エラストマーを前記編織シートの織目内に進入させつつ表裏の熱可塑性エラストマーフィルムを連結させ、その後冷却して一体的なヒンジシートとすることとした。
本発明に係る複合シート材によれば、柔軟性、繰り返し曲げ疲労耐久性、耐光性、加熱融着性、加工性、寸法精度に優れるのは勿論のこと、高い耐久性、特に高い引き裂き耐性を有する複合シート材を提供することができる。
また特に、所謂電子パスポートのデータページにおけるヒンジシートとして用いることにより、極めて耐偽造性の高いデータページやパスポートを提供することができる。
また、前記編織シートは、40〜100μφの線径を有する前記糸で構成され、80〜200μmの厚みを有し、前記熱可塑性エラストマー層は、単一の熱可塑性エラストマー樹脂又は複数種の熱可塑性エラストマー樹脂の混合物にて構成され、20〜200μmの厚みを有し、全体の厚みを100〜280μmとすれば、比較的薄手でありながらも、高い各種耐久性を備えた複合シート材とすることができる。
また、前記編織シートは、平織構造、綾織構造、三軸構造から選ばれる少なくともいずれか1つの編織構造を有する織物であり、前記糸を構成する高分子は、ポリエステル、ポリアミド、アラミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリアリレート、ビニロンから選ばれる少なくともいずれか1つであることとすれば、高い各種耐久性をより堅実に生起可能な複合シート材とすることができる。
また、編織構造を構成する糸は1本の単糸であっても良いが、複数の単糸を1本の糸と見立てて経糸や緯糸等として使用することで、編織シートの強度を更に向上させることができる。
また、複数の単糸を1本の糸と見立てて経糸や緯糸等として使用する場合、これら複数の単糸を弛緩状態の甘撚りとした撚糸にして用いることも可能である。このような構成とすることにより、柔軟性が高く、より耐久性に優れた複合シート材とすることができる。
また、本発明に係る複合シート材の製造方法によれば、融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製の糸よりなり織目の開口率が50%未満である編織シートの表裏に、表面硬度がJISAで40以上85未満である熱可塑性エラストマーフィルムをそれぞれ配置し、両熱可塑性エラストマーフィルムの外方より加圧しながら加熱して軟化した熱可塑性エラストマーを前記編織シートの織目内に進入させつつ表裏の熱可塑性エラストマーフィルムを連結させ、その後冷却して一体的な複合シート材とすることとしたため、柔軟性、繰り返し曲げ疲労耐久性、耐光性、加熱融着性、加工性、寸法精度に優れるのは勿論のこと、高い耐久性、特に高い引き裂き耐性を有する複合シート材の製造方法を提供することができる。
編織シートの開口率に関する説明図である。 編織シートの開口率に関する説明図である。 電子パスポートにおけるデータページの基本構成を示した説明図である。 電子パスポートにおけるデータページの基本構成を示した説明図である。 柔軟性試験の方法を示した説明図である。 引裂強度試験のサンプル構成を示した説明図である。 引裂強度試験のサンプル構成を示した説明図である。 融着強度試験のサンプル構成を示した説明図である。 融着強度試験のサンプル構成を示した説明図である。
本発明は、柔軟性と高強度を有する高機能複合シート材に関するものであり、特に、柔軟性と繰り返し曲げ耐性を有し、耐引き裂き性、耐破断抵抗性及び耐久性と加熱接着性に優れ、自動車内装シート、製本綴じ部のヒンジシート、などに様々な分野において利用可能な複合シート材を提供するものである。
近年、様々な技術分野において、薄くて柔軟性に優れ、かつ高い強度や耐久性に優れたシート・フィルムの要求が高まっている。
例えば、自動車のシート用部材などでは、車のシート座席の形状にフィットするための柔軟性や、擦れ等の耐摩擦抵抗性、引裂強度など高い強度を有し、更に夏場の車内温度の耐えられる耐熱性や自動車に求められる長期耐光性、耐変色性が要求される。
また、各種製本用途では、ミシン綴じ可能でありながら、柔軟性や繰り返し曲げ耐性を有するヒンジシートが有用視されている。
特に、パスポート用途では5年間や10年間といった長期耐久性が求められるのは勿論であるが、セキュリティ機能を向上させた電子パスポートにおいては、偽造防止の観点から、優れた引裂強度等の強度を有していることがヒンジシートに求められる。
すなわち、電子パスポートに備わる個人情報を書き込んだICチップや個人画像などのデータページが偽造者にはぎとられ、偽造者のデータページとすり替えられることを抑制するために、高い引き裂き強度がヒンジシートには求められる。
これらのような要望の高まりは、2001年9月に発生した世界同時多発テロ事件が発端であり、各国の出入国管理を厳しくするために、国連の専門機関であるICAO(International Civil Aviation Organization)が標準規格を制定し、電子パスポート導入の取り組みが開始され、既に多くの国がICチップを搭載した電子パスポートの発給を行っている。
しかし、そのうちの大半の国はIC-Chipを搭載しているものの、個人画像などは紙に印刷したデータページを使用しているなど、セキュリティ機能ははなはだ不十分と言わざるを得ない現状である。
このセキュリティ機能を強化した電子パスポートの要求は非常に高まっており、データページ素材も耐熱性や耐久性に優れたポリカーボネート樹脂フィルムの採用する国が増えてきており、それに合わせてヒンジ部材もミシン綴じ可能で柔軟性と繰り返し曲げ耐性と長期耐久性に加えてポリカーボネート樹脂フィルムとの加熱積層による高い融着強度が求められている。
このような要求に対し、前述のように、編織シートの表裏に、耐久性に優れたポリカーボネート製のシートをデータシートとして加圧熱融着し積層させてデータページを形成する方法や、開口率を50%以上80%以下とした編織シートの表裏に、表面硬度がJIS Aで85以上の熱可塑性ポリウレタンエラストマーや水添スチレン系エラストマーなどの熱可塑性樹脂をアンカーシートとして熱融着することでアンカー構造を形成しつつヒンジシートと成し、このヒンジシートの表裏にデータシート群をそれぞれ配置し真空加熱圧縮成形機にて190〜200℃の温度で強固に熱融着し一体化することでデータページを製造する方法などが提案されているが、いずれも耐久性の観点、特に引き裂き耐性の観点において未だ改良の余地が残されていた。
そこで、本発明者は鋭意研究を行うことにより、柔軟性、繰り返し曲げ疲労耐久性、耐光性、加熱融着性、加工性、寸法精度に優れるのは勿論のこと、製本分野に限られることなく種々の分野において利用可能でありながら、高い耐久性、特に高い引き裂き耐性を有する複合シート材を提供すべく本発明を完成させた。
すなわち、本発明では、織目を有する編織シートと、同編織シートの表裏を被覆する熱可塑性エラストマー層とを備え、前記織目を介して前記表裏の熱可塑性エラストマー層が互いに連結している複合シート材において、前記編織シートは、融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製の糸よりなり、織目の開口率が50%未満であって、前記熱可塑性エラストマー層は、表面硬度がJIS Aで40以上85未満である点に特徴を有している。
本実施形態に係る複合シート材において、その構成の一部である編織シートは、強度が大で高い融点または軟化点を有する高分子製の経糸と緯糸の複数本の糸から構成された二軸構造や三軸構造を有し、特定の開口率を有するものである。
二軸構造とは、経糸と緯糸との2つの軸線方向へ走行する糸により編織された構造であり、二軸構造を有する編織シートとしては、例えば、1本の経糸と緯糸を使用して平織、綾織、等の織り方で作られる織物、2本の経糸と緯糸を使用して平織、綾織、等の織り方で作られる織物、更には、2本の経糸と緯糸のうち、少なくとも1本が他の経糸と緯糸とは異なる高分子製糸を使用した平織、綾織、等の織り方で作られる織物、などが挙げられる。
また、三軸構造(Tri-axial Woven Fabric)は、3つの軸線方向へ走行する糸により編織された構造であり、例えば前述の経糸や緯糸に加え、斜め方向など第3の軸線方向へ走行する糸を交えて編織した構造であったり、0度方向に走向する緯糸と、+60度方向に走行する経糸と、−60度方向に走行する経糸との3つの糸を交えて編織した構造などを挙げることができる。特に、編織シートの編織構造を三軸構造とすることにより、例えばデータページの引き裂きが行われた場合において、その引き裂き力を3つの軸線方向へそれぞれ分散させることができ、より引き裂き耐性の高い複合シート材を提供することが可能となる。
また編織シートを構成するにあたり、各軸方向に通す糸は1本の単糸であっても良いが、複数の単糸を1本の糸と見立てて通すようにしても良い。このような構成とすることにより、編織シートの強度を更に向上させることができる。
また、複数の単糸を1本の糸として経糸や緯糸、又は三軸目の糸として使用する場合、これら複数の単糸を弛緩状態の甘撚りとした撚糸にして用いることも可能である。
ここで甘撚りとは、1mあたり約300回以下の撚り数である撚り方であり、普通撚り(約500〜600回)や強撚り(約800回以上)よりも、撚り数の少ない撚り方である。
本実施形態に係る複合シート材では、編織シートの表裏に熱可塑性エラストマー層を備えており、またパスポート等のデータページの場合には、複合シート材の表裏にポリカーボネートシートを配した上で前述のデータページ融着形成工程に供されるのであるが、真空プレス機での加熱積層にあたっては、例えば、常温→190℃まで余熱(圧力ほぼゼロ、約10〜15分)→加圧(3〜5分)→加圧状態のまま常温まで冷却(40〜50分)という過程を経る。
上記過程で加圧するとき、軟化温度の低い熱可塑性エラストマー層には、軟化温度の高いポリカーボネートシートに比べて大きな力が負荷され、軟化した熱可塑性エラストマー層は、面方向へ流動し延ばされる。
従って、編織シートを構成する経糸や緯糸は、熱可塑性エラストマー層の軟化流動による面方向への力を受けて、同じく面方向に延伸応力が負荷されることとなる。
このようにして延伸応力が負荷された経糸や緯糸は、その加圧力を保ったまま冷却され固定化することとなるが、冷却により応力緩和が生じるため、延伸状態は多少緩和される。
このとき、経糸や緯糸が甘撚りの撚糸でない場合、糸に延伸力(延伸ひずみ)が残留することとなるが、経糸や緯糸を前述した甘撚りの撚糸としている場合には、糸に伸び代があり延伸ひずみが残留しない。すなわち、甘撚りの撚糸を採用した場合には、編織シート強度を更に向上させることができる。
また、甘撚りとしておくことにより、糸に対して熱可塑性エラストマーが良く絡み、開口アンカー構造に加えて編織シートと熱可塑性エラストマー層との間にも強固な結着力を生起させることができる。
更には、編織シート自体が撚糸で構成された強靱なシートでありながらも、甘撚りによる極めて優れた柔軟性を有することとなるため、複合シート材やデータページ自体にも優れた柔軟性(可撓性)を付与することができる。
編織シートを構成する高分子製の糸(高分子糸)は、例えば、ポリエステル、ポリアミド、アラミド、PBO(Poly(P-Phenylene benzo bis oxazol))、PAR(Polyarylate)、ビニロン(PVA; Polyvinylalcohol)等で構成された糸とすることができる。
また高分子糸は、融点または軟化点が200℃以上で、糸強度が3.8〜20.3cN/dtex、より好ましくは3.8-5.3 CN/dtex、例えば4CN/dtexであり、糸の直径が40〜100μφである高分子糸とするのが望ましい。このような高分子糸を経糸や緯糸等として用いることにより、柔軟でありながらも引き裂き耐性に優れた複合シート材を形成することができる。なお、このような構成は、複数の単糸よりなる糸の場合、それぞれの単糸に適用しても良く、また、複数の単糸よりなる糸自体に適用しても良い。
また、190〜200℃よりも高い融点または軟化点を有する高分子製の経糸や緯糸等からなる編織シートを使用することにより、本実施形態に係る複合シート材を例えば電子パスポートのデータページ製造工程にて使用する場合は、190〜200℃の温度で加圧熱融着するデータページ融着形成工程に供した場合であっても、糸が溶けることにより編織シートの形状を保持できなくなって得られた高機能ヒンジシートの強度が大幅に低下してしまうことが防止され、優れた強度が発揮できることになる。
また、編織シートの開口率は、例えば平織りの場合、図1及び図2に示すように、編織シート全体の面積に対する開口部面積の割合である。開口部は、二軸構造を有する編織シートの場合には、経糸と緯糸の複数本の糸から形成される穴であり、その内部(領域)が間隙となっている部分、所謂織目の部分である。
また、開口部の形状は、二軸構造を有する編織シートでは、正方形、長方形等の矩形状のものを挙げることができる。このような正方形、長方形等の矩形状の開口部であれば、開口部の周囲が、経糸と緯糸により境界付けられることになり、その内部が間隙となっている。なお、開口部の大きさは広い方が軟質熱可塑性エラストマーが容易に侵入できるが強度が不十分であることから、開口率を制限することが非常に重要である。
具体的には、編織シートの開口率Xは、例えば0%<X<50%、より好ましくは10%≦X<50%、更に好ましくは20%≦X≦40%とすることで織物へのアンカーシートの軟化侵入性と十分な強度の両立を得ることができる。
このような編織シートを使用することにより、柔軟性と優れた強度とが両立した複合シート材とすることができる。
すなわち、開口部が編織シート上に上記開口率を満たす割合で多数存在することによって、後述する軟質熱可塑性エラストマーフィルム一部が、開口部に十分に侵入でき、開口部の全てを閉塞・充填しやすくなる。具体的には、軟質熱可塑性エラストマーフィルムを軟化させ編織シートの開口部に加圧して侵入させることにより、編織シートの開口部に軟質熱可塑性エラストマーが侵入し編織シートの開口部を閉塞させた平坦な表面を有する高機能ヒンジシートが得られる。
また、編織シートは、その全厚みを80〜200μm程度とするのが望ましい。上述してきた構成に加え、このような厚みに編織シートを構成することにより、複合シート材を形成した際、薄くても十分な耐引裂性を得ることができ、例えば電子パスポート用のヒンジシートとして使用する場合では、柔軟性を有し、引張破断強度、引裂強度、繰り返し曲げ疲労性、及び、耐久性、加熱融着性、加工性、寸法精度が十分となる。
また、本実施形態に係る複合シート材の熱可塑性エラストマー層を構成する軟質熱可塑性エラストマーは、表面硬度がショアAで40以上85未満のものを採用することができ、更には、耐光性や熱融着性、溶融押出成形性に優れた軟質熱可塑性エラストマーを採用するのがより望ましい。
このような熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性アクリルエラストマー、及びこれらの軟質熱可塑性エラストマーの2種以上の混合物、又はこれらの軟質熱可塑性エラストマーと他の熱可塑性ポリマーとの混合物等を挙げることができる。
ただし、熱可塑性ポリウレタンエラストマーは無黄変タイプ及び難黄変タイプでなければならない。
また、一般的なポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の熱可塑性ポリウレタンエラストマーは耐光性に劣るために本目的には使用困難である。
また、2種以上を混合して使用する際の混合割合は、特に限定されるものではないが、混合物も表面硬度がショアAで40以上85未満とすべきである。
表面硬度がショアAで85以上の軟質熱可塑性エラストマーは、高機能ヒンジシートの柔軟性が劣ることとなり好ましくない。また、表面硬度がショアAで40未満の軟質熱可塑性エラストマーは、ほとんど市販されておらず入手性が悪いこともあるが、その様な軟質熱可塑性エラストマーにより薄いフィルムを成形することは技術的にも困難であり、更には得られた複合シート材に表面粘着性が生起するため好ましくない。
また、軟質熱可塑性エラストマーには、その機能を阻害しない範囲内で、無機フィラー、有機フィラー、等を混合してもよい。
また更には、滑剤、安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料などの着色剤等を添加、混合することもできる。具体的には、無機フィラーとしては、雲母、マイカ、ミクロマイカ、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。有機フィラーとしては、ポリエステル、ポリアミド、アラミド、PBO(Poly(P-Phenylene benzo bis oxazol))、PAR(Polyarylate)、ビニロン(PVA; Polyvinylalcohol)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマー層は、編織シートの表裏側に熱可塑性エラストマーフィルムを配置し、熱ラミネート装置で加熱加圧ラミネート加工を施すことにより行うのであるが、この時使用する熱可塑性エラストマーフィルムのフィルム厚は、例えば20〜200μmとすることができる。
また、加熱加圧ラミネート加工を経て形成した複合シート材の厚みは、用途等に応じて必ずしもこの数値範囲に限定されるものではないが、例えば100〜280μm、より好ましくは100〜200μm、更に好ましくは100〜150μmである。
例えば、複合シート材を電子パスポートのヒンジシートとして使用する場合、複合シート材の厚みは100〜200μmとするのが望ましい。
ここで電子パスポートの基本的な構成について説明すると、パスポートとしての個人認証機能を担保するデータページ10は、図3に示すように専ら複数のシートを積層させた構造を備えている。
まず、最も内部に位置するヒンジシート11は、パスポート本体にデータページ10が編綴されるためのヒンジ部材の役割を果たすシートであり、ミシン綴じ可能な綴じ代部11aが形成されるようデータページ10の一側辺から突出させた状態で配置される。
ヒンジシート11の外層側両面に配された印刷用ポリカーボネート層12は、固定画像が印刷される層であり、記載フォームや顔写真が印刷されたポリカーボネート製のシートにより形成される層である。
印刷用ポリカーボネート層12の外層側両面に配されたレーザマーキング用ポリカーボネート層13は、パスポート所有者の名前やサイン、生年月日、性別など、所有者によって異なる情報をレーザにより書き込みするための層であり、所定のレーザ光に反応して可視化される感光材料が含まれたポリカーボネート製のシートにより形成される層である。
そして、レーザマーキング用ポリカーボネート層13の外層側両面には、上述のレーザマーキング用ポリカーボネート層13や印刷用ポリカーボネート層12、ヒンジシート11を保護するための、透明のポリカーボネート製シートにより形成された保護用ポリカーボネート層14が備えられる。
また、このような基本構成を有しつつ、現在のところ電子パスポートは、「e-CARD」と称されるタイプと、「e-Cover」と称されるタイプの大略2方式に分けられる。
e-CARDタイプのパスポートは、図4(a)に示すようにデータページ10aにおいて、IC-Chip及びアンテナが収容されたインレットシート15が、ヒンジシート11と印刷用ポリカーボネート層12との間に備えられており、これら電子デバイスと、ヒンジシート11、印刷用ポリカーボネート層12、レーザマーキング用ポリカーボネート層13、保護用ポリカーボネート層14とが一体化され1枚のデータページとして形成されているタイプのパスポートである。なお、一般的な構成の一例ではあるが、データページ10aの構成の理解のために各層の厚みについて言及するならば、図4(a)においてヒンジシート11の厚みDa5は140μm、インレットシート15の厚みDa4は300μm、印刷用ポリカーボネート層12の厚みDa3は100μm、レーザマーキング用ポリカーボネート層13の厚みDa2は70μm、保護用ポリカーボネート層14の厚みDa1は50μmであり、データページ10aの全厚みDaは880μm程度である。
また、e-Coverタイプのパスポートは、図4(b)に示すようにデータページ10bにおいて前述した基本構成と同様の構成を備えるものであり、データページ10b自体にはIC-Chip及びアンテナは配設されておらず、IC-Chip及びアンテナは電子パスポートのカバーに配設されているタイプのパスポートである。また、データページ10bにおける一般的な各層の厚みは、ヒンジシート11の厚みDb4は140μm、印刷用ポリカーボネート層12の厚みDb3は100μm、レーザマーキング用ポリカーボネート層13の厚みDb2は70μm、保護用ポリカーボネート層14の厚みDb1は50μmであり、データページ10bの全厚みDbは580μm程度である。
特に、前者のe-CARDタイプでは、IC-Chipとアンテナを配設したインレットシート15が必須のため、データページの総厚みが大略800〜900μmにて形成される。それゆえ、データページの総厚みの増加を可及的抑制するためには、強度や柔軟性等を勘案すると、ヒンジシートとしての複合シート材の厚みを100〜200μmとするのが良い。
すなわち、複合シート材の厚みが200μmを超えるとデータページの総厚みが厚くなりすぎ、また高機能ヒンジシートの柔軟性が低下してしまうため好ましくない。また、100μm未満では引裂強度などの強度の低下を生じるためセキュリティ上堅牢性の観点から問題である。
なお、前述のように編織シートについて推奨される最大厚みは200μm、熱可塑性エラストマーフィルムについて推奨される最大厚みは200μmであり、1枚の編織シートと、表裏2枚の熱可塑性エラストマーフィルムとの合計厚みは最大で600μmに達することとなるが、加熱加圧ラミネート加工によって開口空隙等へ熱可塑性エラストマーが充填されること等によって複合シート材の厚みが最終的に前述の数値範囲内に収まることとなれば良い。
このように、本実施形態に係る複合シート材は、厚さが20〜200μmの軟質熱可塑性エラストマーフィルムと編織シートとが熱ラミネートによって一体化されたものであり、軟質熱可塑性エラストマー/編織シートの2層、または、軟質熱可塑性エラストマー/編織シート/軟質熱可塑性エラストマーの3層構造を備えるものであると言える。
また、本発明は、複合シート材の製造方法を提供するものでもある。ここで、本実施形態における複合シート材の製造法としては、具体的には、融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製の糸よりなり織目の開口率が50%未満である編織シートの表裏に、表面硬度がJISAで40以上85未満である熱可塑性エラストマーフィルムをそれぞれ配置し、両熱可塑性エラストマーフィルムの外方より加圧しながら加熱して軟化した熱可塑性エラストマーを前記編織シートの織目内に進入させつつ表裏の熱可塑性エラストマーフィルムを連結させ、その後冷却して一体的な複合シート材とすることを特徴としている。
このような製造方法における現実的な一例としては、例えば、軟質熱可塑性エラストマーを溶融押出成形によりフィルム化して熱可塑性エラストマーフィルムを得た後、加熱ロールと冷却ロールを用いて編織シートと熱ラミネートする方法を挙げることができる。
また、熱ラミネートを行うにあたり、熱可塑性エラストマーフィルムは、必ずしも固化している必要はなく、溶融押出成形により押し出した溶融状態の軟質熱可塑性エラストマーフィルムと編織シートとを加熱ロールや冷却ロールにより圧着するようにしても良い。
また、熱ラミネートするに際しては、編織シートを構成する経糸や緯糸に対して予めコロナ処理やプラズマ処理、プライマー塗布などを行ってもよい。こうすることにより編織シートと軟質熱可塑性エラストマーフィルムとの接着性を更に向上させることができる。
上述してきたように、本実施形態に係る複合シート材は、柔軟性、繰り返し曲げ疲労耐久性、耐光性、加熱融着性、加工性、寸法精度に優れるのは勿論のこと、高い耐久性、特に高い引き裂き耐性を有し、製本や自動車用シート、建材などをはじめ、実に様々な物品の製造分野において極めて有用なものであるが、特に、所謂電子パスポートのデータページにおけるヒンジシートとして用いることにより、極めて耐偽造性の高いデータページやパスポートを提供することが可能である。
すなわち、本実施形態に係る複合シート材は、個人を特定し得るデータ等を備えた電子パスポート用レーザーマーキングシートを、電子パスポートに綴じ易くするために用いることができる。
本実施形態に係る複合シート材をヒンジシートとして利用する場合、同ヒンジシートの形状や大きさ等は、電子パスポート用レーザーマーキング多層シートの綴じ込みが容易であれば特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択することができる。
ところで、電子パスポートのデータページの加熱積層において、例えば編織シートのみをヒンジシートとして使用した場合、編織シートの上下にポリカーボネート製データシート配置して真空加熱圧縮成形機により190〜200℃に加熱・加圧したとしても、かなり大きな圧力を積層体に加えない限り軟化したポリカーボネート製データシートを編織シートの開口部内へ侵入させるのは困難であり、開口アンカー構造の形成が不十分となる場合がたびたび生じる。
言い換えれば、積層体へ負荷する加圧力の変動により、ヒンジシートである編織シートの開口部へのポリカーボネート樹脂の軟化侵入度合に変動が生じることになる。
従って、編織シートのみをヒンジシートとして使用した場合は、ヒンジシート(編織シート)とデータシートとの間で剥離が発生することになり、個人情報が記録されたデータシートが、偽造を企図する者により電子パスポートのデータページ部分から容易に剥がされてしまうこととなる。
一方、本実施形態に係る複合シートをヒンジシートとした場合においては、複合シートを構成する軟質熱可塑性エラストマー層が、データシート等のポリカーボネート樹脂に対し良好な加熱融着性(接着性)を示し、更には編織シートの開口部に軟質熱可塑性エラストマーが十分軟化侵入して開口アンカー構造を形成しているため、剥離の発生を極めて効果的に抑制することができる。
以下、本実施形態に係る複合シート材、及び同複合シート材の製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、便宜上、まずは各種評価・試験方法について説明を行い、その後実施例や比較例について説明する。
〔評価・試験方法について〕
追って言及する実施例や比較例における各種の評価や測定は、下記方法により実施した。
[1]軟質熱可塑性エラストマーフィルム
〔1−1〕表面硬度:JIS-K6301に準拠して測定した。
〔1−2〕耐光性:スガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度=63℃)にて600hrs後の引張破断強度の保持率にて評価した。尚、引張破断強度はJIS-K7311に準拠して測定した。
[2]高機能ヒンジシート:
〔2−1〕柔軟性:
図5(a)に示すような幅10cm×長さ30cmのカットシート20を、図5(b)に示すように水平台21に配置し、水平台21より10cmの長さで張り出させた後、張り出させたシート部分の垂れを測定しA〜Cの3段階にランク付けた。
〔2−2〕引裂強度:
図6(a)及び図6(b)に示すように、長さ15cm、幅12cm、厚み140μmのヒンジシート材30と、長さ15cm、幅5cmの厚み200μmの4枚のポリカーボネート製白シート31とを用い、合計5枚のシートを重ねて真空加熱圧縮成形機にて加熱温度190℃にて加熱加圧した後冷却して加熱積層体を得た。その後、図7(a)に示すように加熱積層体を長さ15cm、幅8cmとなるよう細長破線の位置で切断し、試験片を作製した。
更に、図7(b)にて太破線で示すように、この積層体のヒンジシート材30及びポリカーボネート製白シート31の境界部において長さ8cmの切込みを入れた後、試験速度200mm/minにて引裂強度を測定した。
〔2−3〕融着強度:
図8に示すように、長さ15cm、幅15cm、厚み140μmのヒンジシート材30と、同寸法の厚み200μmの4枚のポリカーボネート白シート31を用い、内2枚のポリカーボネート白シート31の一部に黒マジックインクを塗った後(インク塗布部32)、合計5枚のシートを重ねて真空加熱圧縮成形機にて加熱温度195℃にて加熱加圧した後冷却して加熱積層体34を得た。
その後、図9(a)に示す様に2cm幅にて切断して試験片33を作製した。そして、この試験片33を用いて図9(b)に示す様に試験速度200mm/minにて剥離試験を行った。
〔実施例及び比較例〕
次に、実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)複合シート材〔X−01〕
表面硬度(JIS-A)80のポリエーテル系無黄変熱可塑性ポリウレタンエラストマー(BASFジャパン製、エラストランNY80A10)をTダイ付押出機に投入し200℃にて溶融押出成形により厚さ35μmの軟質フィルム(NY-TPU1)を得た。
この軟質フィルム(NY-TPU1)を用いて、スガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃)にて試験時間600時間前後の引張破断強度をJISK7311に準拠して求め、下式1により引張破断強度の保持率を求めた。
Figure 0006504667
本実施例の引張破断強度の保持率の結果を、表1の実施例1に示す。
Figure 0006504667
表1に示すように、NY-TPU1は引張破断強度の保持率98%と優れた耐光性を有していることを確認した。
編織シートは、表1に示すように、糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製高分子糸を用いた平織、開口率34%、厚さ120μmtのPET織物(PET-1、編織構造は図1参照)を用い、このPET-1と軟質フィルム(NY-TPU1)を用いて加熱ロールと冷却ロールを有する熱ラミネート装置(例えば、大成ラミネーター株式会社製ファーストラミネーター)により加熱ロール温度160℃にてNY-TPU1/ PET-1/NY-TPU1の3層加熱加圧ラミネートを行い、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−01〕を得た。
(実施例2)複合シート材〔X−02〕
表1に実施例2として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製高分子糸を用いた平織、開口率42%、厚さ120μmtのPET織物(PET-2、編織構造は図1参照)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−02〕を得た。
(実施例3)複合シート材〔X−03〕
表1に実施例3として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製高分子糸を経糸及び緯糸に2本並べて平織にて、開口率29%、厚さ145μmtのPET織物(PET-3、編織構造は図2参照)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−03〕を得た。
(実施例4)複合シート材〔X−04〕
表1に実施例4として示した糸強度と融点を有する線径54μmφのポリエステル製高分子糸を経糸及び緯糸に2本並べて平織にて、開口率41%、厚さ125μmtのPET織物 (PET-4、編織構造は図2参照)を編織シートとして用いた他は、実施例1同様にして厚さ140μmの熱ラミシート〔X−04〕を得た。
(実施例5)複合シート材〔X−05〕
表1に実施例5として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリアミド製高分子糸を用いて平織にて、開口率42%、厚さ130μmtのポリアミド織物(Nylon6-1、編織構造は図1参照)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−05〕を得た。
(実施例6)複合シート材〔X−06〕
表1に実施例6として示した、糸強度と融点を有する線径50μmφのアラミド製高分子糸を用いて平織にて、開口率44%、厚さ100μmtのアラミド織物(Aramid-1、編織構造は図1参照)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−06〕を得た。
(実施例7)複合シート材〔X−07〕
表2に実施例7として示した糸強度と融点を有する線径50μmφのPVA(商品名、高強度ビニロン)製高分子糸を用いて平織にて、開口率44%、厚さ100μmtのPVA織物(PVA-1、編織構造は図1参照)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−07〕を得た。
Figure 0006504667
(実施例8)複合シート材〔X−08〕
表面硬度(JIS-A)90のポリカーボネート系無黄変熱可塑性ポリウレタンエラストマー(日本ミラクトラン株式会社製、ミラクトランXN-2002)と表面硬度(JIS-A)45のポリエステル系熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製 プリマロイA1400)を用いて、XN-2002/A1400重量混合比=80/20及び滑剤としてステアリン酸亜鉛をエラストマー100重量部に対して0.05重量部をミキサーにて混合した後、二軸押出機を用い押出温度200℃にて溶融混錬ペレットを作製した後、Tダイ付押出機に投入し200℃にて溶融押出成形により厚さ35μmの軟質フィルム(NY-TPU2)を得た。
この軟質フィルム(NY-TPU2)を用いてスガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃)にて試験時間600時間前後の引張破断強度をJISK7311に準拠して求め、前述の式1により引張破断強度の保持率を求めた。その結果を、表2の実施例8に示す。
また、この軟質フィルム(NY-TPU2)を用いた他は、実施例1同様にして厚さ140μmの熱ラミシート〔X−08〕を得た。
(実施例9)複合シート材〔X−09〕
表面硬度(JIS-A)65の熱可塑性アクリルエラストマー(クラレ株式会社製、クラリティLA2250)と表面硬度(JIS-A)95の同エラストマー(クラレ株式会社製、クラリティLA4285)を用いて、LA2250/LA4285重量混合比=50/50及び滑剤としてステアリン酸亜鉛をエラストマー100重量部に対して0.05重量部をミキサーにて混合した後、二軸押出機を用い押出温度180℃にて溶融混錬ペレットを作製した後、Tダイ付押出機に投入し180℃にて溶融押出成形により厚さ35μmの軟質フィルム(Acrylic-1)を得た。
この軟質フィルム(Acrylic-1)を用いてスガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃)にて試験時間600時間前後の引張破断強度をJISK7311に準拠して求め、前述の式1により引張破断強度の保持率を求めた。その結果を、表2の実施例9に示す。
軟質フィルム(Acrylic-1)は引張破断強度の保持率98%と優れた耐光性を有していることを確認した。
また、この軟質フィルム(Acrylic-1)を用いた他は、実施例1同様にして厚さ140μmの熱ラミシート〔X−09〕を得た。
(実施例10)複合シート材〔X−10〕
表面硬度(JIS-A)82の熱可塑性ポリエステルエラストマー(東洋紡株式会社製、ペルプレンP40BU)をTダイ付押出機に投入し180℃にて溶融押出成形により厚さ35μmの軟質フィルム(TPEE-1)を得た。
この軟質フィルム(TPEE-1)を用いてスガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃)にて試験時間600時間前後の引張破断強度をJISK7311に準拠して求め、前述の式1により引張破断強度の保持率を求めた。その結果を、表2の実施例10に示す。
軟質フィルム(TPEE-1)は引張破断強度の保持率98%と優れた耐光性を有していることを確認した。
また、この軟質フィルム(TPEE-1)を用いた他は実施例1同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−10〕を得た。
(実施例11)複合シート材〔X−11〕
表3に実施例11として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製高分子糸を用いた綾織り、開口率34%、厚さ120μmtのPET織物(PET-8)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−11〕を得た。
Figure 0006504667
(実施例12)複合シート材〔X−12〕
表3に実施例12として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製高分子糸を用いた三軸織り、開口率33%、厚さ140μmtのPET織物(PET-9)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−12〕を得た。
(実施例13)複合シート材〔X−13〕
表3に実施例13として示した糸強度と融点を有する線径54μmφのポリエステル製高分子糸2本を単糸として用いた綾織り、開口率41%、厚さ125μmtのPET織物(PET-10)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−13〕を得た。
(実施例14)複合シート材〔X−14〕
表3に実施例14として示した糸強度と融点を有する線径54μmφのポリエステル製高分子糸2本を単糸として用いた三軸織り、開口率33%、厚さ145μmtのPET織物(PET-11)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−14〕を得た。
(実施例15)複合シート材〔X−15〕
表3に実施例15として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製甘撚り撚糸を用いた平織り、開口率34%、厚さ125μmtのPET織物(PET-12)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−15〕を得た。
(実施例16)複合シート材〔X−16〕
表3に実施例16として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製甘撚り撚糸を用いた綾織り、開口率34%、厚さ125μmtのPET織物(PET-13)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−16〕を得た。
(実施例17)複合シート材〔X−17〕
表3に実施例17として示した糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製甘撚り撚糸を用いた三軸織り、開口率33%、厚さ145μmtのPET織物(PET-14)を編織シートとして用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔X−17〕を得た。
(比較例1)比較用シート材〔Y−01〕
表4に示す糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製高分子糸を用いた平織、開口率56%、厚さ120μmtのPET織物(PET-5、図1参照)を用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔Y−01〕を得た。
Figure 0006504667
(比較例2)比較用シート材〔Y−02〕
表4に示す糸強度と融点を有する線径34μmφのポリエステル製高分子糸を用いた平織、開口率41%、厚さ50μmtのPET織物(PET-6、図1参照)を用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔Y−02〕を得た。
(比較例3)比較用シート材〔Y−03〕
表4に示す糸強度と融点を有する線径54μmφのポリエステル製高分子糸を経糸及び緯糸に2本並べて平織にて、開口率53%、厚さ125μmtのPET織物(PET-7、図2参照)を用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔Y−03〕を得た。
(比較例4)比較用シート材〔Y−04〕
表4に示す糸強度と融点を有する線径86μmφのポリプロピレン製高分子糸を用いた平織、開口率39%、厚さ180μmtのPPT織物(PP-1、図1参照)を用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔Y−04〕を得た。
(比較例5)PET製編織シート〔Y−05〕
表4に示す糸強度と融点を有する線径71μmφのポリエステル製高分子糸を用いた平織、開口率34%、厚さ120μmtのPET織物(PET-2、編織構造は図1参照)単独を用いた。
このPET織物(PET-1)を用いてスガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃)にて試験時間600時間前後の引張破断強度をJISK7311に準拠して求め、前述の式1により引張破断強度の保持率を求め、結果を表4に示した。PET-は引張破断強度の保持率70%であり、耐光性が不十分といえる。
(比較例6)比較用シート材〔Y−06〕
表面硬度(JIS-A)80のポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンエラストマー(BASFジャパン株式会社製、エラストラン1180A)をTダイ付押出機に投入し200℃にて溶融押出成形により厚さ35μmの軟質フィルム(TPU-1)を得た。
この軟質フィルム(TPU1)を用いてスガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃)にて試験時間600時間前後の引張破断強度をJISK7311に準拠して求め、前述の式1により引張破断強度の保持率を求め、結果を表4に示した。TPU-1は引張破断強度の保持率75%であり、耐光性が不十分といえる。
また、この軟質フィルム(TPU-1)を用いた他は実施例1同様にして厚さ140μmの熱ラミシート〔Y−06〕を得た。
(比較例7)比較用シート材〔Y−07〕
表面硬度(JIS-A)90のポリカーボネート系無黄変熱可塑性ポリウレタンエラストマー(日本ミラクトラン株式会社製、ミラクトランXN-2002)をTダイ付押出機に投入し200℃にて溶融押出成形により厚さ35μmの軟質フィルム(NY-TPU3)を得た。
この軟質フィルム(NY-TPU3)を用いてスガ試験機製サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃)にて試験時間600時間前後の引張破断強度をJISK7311に準拠して求め、前述の式1により引張破断強度の保持率を求め、結果を表4に示した。NY-TPU3は引張破断強度の保持率98%であり、耐光性に優れている。
また、この軟質フィルム(NY-TPU3)を用いた他は実施例1と同様にして、厚さ140μmの熱ラミシート〔Y−07〕を得た。
上述の実施例1〜17、比較例1〜7につき、前述の〔2−1〕〜〔2−3〕の各種評価を行った。その結果についても表1〜表4に示す。
〔考察〕
表1、2に示すように、実施例1〜10の複合シート材は、耐光性に優れ、柔軟性、引裂強度及びポリカーボネート製のシートとの融着強度に優れた性能を有している。
また、表3に示すように、実施例11〜17の複合シート材についても、優れた耐光性、柔軟性及びポリカーボネートシートとの融着強度を有するに加えて特に引裂強度に優れた性能を有していることが示された。特に、平織、綾織、三軸織のいずれにおいても、甘撚りの撚糸を用いた場合は、用いない場合に比して引裂強度の向上が認められた。
これに対して、表4に示すように、比較例1の熱ラミシートでは、耐光性、柔軟性、ポリカーボネート製シートとの融着強度に優れる反面、PET織物の開口率が56%と広いことに起因した引裂強度が劣ることから、電子パスポートデータページの重要な性能の1つである偽造者が電子パスポートからデータページをはぎ取られる事を抑制するための強度が不十分であるために実用困難である。
比較例2の熱ラミシートも、耐光性、柔軟性、ポリカーボネート製シートとの融着強度に優れる反面、PET織物の線径が34μφと細いことに起因した引裂強度が劣ることから、比較例1同様、強度が不十分であるために実用困難である。
比較例2の熱ラミシートも、耐光性、柔軟性、ポリカーボネート製シートとの融着強度に優れる反面、PET糸を経糸と緯糸に2本づつ並べて平織でPET織物を形成しているが開口率が53%と広いことに起因した引裂強度が劣ることから、比較例1同様、強度が不十分であるために実用困難である。
比較例4の熱ラミシートでは、耐光性、柔軟性、ポリカーボネート製シートとの融着強度に優れる反面、PP製の高分子糸を使用したPP織物を使用していることから、データページの加熱積層工程において真空加熱圧縮成形機内の加熱温度195℃において、PPの融点160〜165℃をはるかに超えた加熱温度故に、PP製の高分子糸が融解してしまったことに起因した引裂強度が劣ることから、比較例1同様、強度が不十分であるために実用困難である。
比較例5はPET織物を単独し使用した例であるが、このものは耐光性も不十分であることに加えて、ポリカーボネート製シートとの融着強度にも劣り、やはり電子パスポートデータページの重要な性能の1つである偽造者が電子パスポートからデータページをはぎ取られる事を抑制するためのポリカーボネートシート層とヒンジ層間の融着強度が大きく劣ることから実用困難である。
比較例6の熱ラミシートでは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーに無黄変タイプではなく汎用タイプを使用したために耐光性が不十分であり、電子パスポートの長期耐久性が不十分であることから実用困難である。
比較例7の熱ラミシートでは、表面硬度の大な無黄変タイプ熱可塑性ポリウレタンエラストマーを使用したために、耐光性、引裂強度柔軟性、ポリカーボネート製シートとの融着強度に優れる反面、柔軟性に劣ることから、このヒンジシートを用いた電子パスポートは剛直で実用に支障をきたす懸念が大である。
これらの結果から、本実施形態に係る複合シート材は、柔軟性、繰り返し曲げ疲労耐久性、耐光性、加熱融着性、加工性、寸法精度に優れるのは勿論のこと、高い耐久性、特に高い引き裂き耐性を有することが示された。
上述してきたように、本実施形態に係る複合シート材によれば、織目を有する編織シートと、同編織シートの表裏を被覆する熱可塑性エラストマー層とを備え、前記織目を介して前記表裏の熱可塑性エラストマー層が互いに連結している複合シート材において、前記編織シートは、融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製の糸よりなり、織目の開口率が50%未満であって、前記熱可塑性エラストマー層は、表面硬度がJISAで40以上85未満であることとしたため、柔軟性、繰り返し曲げ疲労耐久性、耐光性、加熱融着性、加工性、寸法精度に優れるのは勿論のこと、高い耐久性、特に高い引き裂き耐性を有する複合シート材を実現することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
10 データページ
10a データページ
10b データページ
11 ヒンジシート
11a 綴じ代部
12 印刷用ポリカーボネート層
13 レーザマーキング用ポリカーボネート層
14 保護用ポリカーボネート層
15 インレットシート
20 カットシート
21 水平台
30 ヒンジシート材
31 ポリカーボネート製白シート
32 インク塗布部
33 試験片
34 加熱積層体
X 開口率

Claims (4)

  1. 織目を有する編織シートと、同編織シートの表裏を被覆する熱可塑性エラストマー層(ただし、無黄変タイプ又は難黄変タイプ以外の熱可塑性ポリウレタンエラストマー層を除く。)とを備え、前記織目を介して前記表裏の熱可塑性エラストマー層が互いに連結しているパスポートのデータページ用ヒンジシートにおいて、
    前記編織シートは、融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製で線径が40〜100μφの糸よりなり、織目の開口率が50%未満であって、
    前記熱可塑性エラストマー層は、表面硬度がJIS Aで40以上85未満であることを特徴とするパスポートのデータページ用ヒンジシート
  2. パスポート本体に編綴するための綴じ代部を備えた請求項1に記載のヒンジシートと、
    同ヒンジシートの前記綴じ代部を除く両面外層側に配された印刷用、レーザマーキング用、保護用のポリカーボネート層からなるデータシートと、を備え、
    同データシートは、前記ヒンジシートの少なくともいずれか一方の面に圧着されていることを特徴とするパスポート用データページ。
  3. 前記ヒンジシートのいずれか他方の面側は、インレットシートを介してデータシートが圧着されていることを特徴とする請求項2に記載のパスポート用データページ。
  4. 融点または軟化点が200℃以上であって3.8〜20.3cN/dtexの引張強さを有する高分子製で線径が40〜100μφの糸よりなり織目の開口率が50%未満である編織シートの表裏に、表面硬度がJIS Aで40以上85未満である熱可塑性エラストマーフィルム(ただし、無黄変タイプ又は難黄変タイプ以外の熱可塑性ポリウレタンエラストマーフィルムを除く。)をそれぞれ配置し、両熱可塑性エラストマーフィルムの外方より加圧しながら加熱して軟化した熱可塑性エラストマーを前記編織シートの織目内に進入させつつ表裏の熱可塑性エラストマーフィルムを連結させ、その後冷却して一体的なヒンジシートとするパスポートのデータページ用ヒンジシートの製造方法。
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