以下、図1乃至図11を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また本明細書において、「基材」、「シート」や「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基材」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「矩形」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本実施の形態においては、複数のトランジスタを含む第1シート20と、第1シート20に重ね合わせられた第2シート40とを少なくとも含む積層体50を、包装部材10の収容部14に収容することにより、表示装置やセンサ装置を構成する例について説明する。ここでは特に、第2シート40が、感圧体を含む感圧シートであり、感圧シートと第1シート20とを組み合わせることによって、加えられる圧力に応じた検出信号を生成する圧力センサ1が構成される例について説明する。
(圧力センサ)
まず図1および2により、圧力センサ1全体について説明する。図1は、圧力センサ1を示す平面図である。また図2は、図1に示す圧力センサをII−II方向において切断した場合を示す断面図である。図2に示すように、圧力センサ1は、第1シート20と、第1シート20に重ね合わされた第2シート40と、第2シート40に重ね合わされた第3シート45と、を含む積層体50と、積層体50を収容する収容部14が形成された包装部材10と、を備えている。
(包装部材)
包装部材10は、収容部14を外部から密封することができるよう構成されている。例えば包装部材10は、図示はしないが、収容部14を包装部材10の外部に連通させる開口部が形成された袋状の部材であってもよい。この場合、開口部は、開口部を介して積層体50を収容部14の内部に収容した後に封止される。収容部14を外部から密封することができる限りにおいて、包装部材10の開口部を封止する方法が特に限られることはない。例えば、包装部材10を構成する後述する第1フィルム11や第2フィルム12などのフィルムの内面が熱可塑性樹脂層によって構成されている場合、フィルムの内面同士を熱溶着させることによって、開口部を封止することができる。なおフィルムの「内面」とは、積層体50を収容する収容部14に面する側の面である。また後述する「外面」とは、内面の反対側に位置する面である。
図2に示すように、包装部材10は、積層体50のうち第1シート20が位置する側から積層体50に接する第1フィルム11と、積層体50のうち第2シート40が位置する側から積層体50に接する第2フィルム12と、を有している。なお「積層体50のうち第1シート20が位置する側から積層体50に接する」とは、積層体50の表面のうち第2シート40よりも第1シート20に近接する側の表面50aに、第1フィルム11が接していることを意味している。また「積層体50のうち第2シート40が位置する側から積層体50に接する」とは、積層体50の表面のうち第1シート20よりも第2シート40に近接する側の表面50bに、第2フィルム12が接していることを意味している。以下の説明において、積層体50の表面50aのことを第1面50aとも称する。また、積層体50の表面50bのことを第2面50bとも称する。
少なくとも部分的に第1シート20および第2シート40に接することができる限りにおいて、第1フィルム11および第2フィルム12の構成が特に限られることはない。例えば第1フィルム11および第2フィルム12は、互いに別体のフィルムであってもよい。この場合、例えば、第1フィルム11と第2フィルム12とを外縁に沿って熱溶着などによって互いに結合させることにより、収容部14が形成された包装部材10を得ることができる。また第1フィルム11および第2フィルム12は、一枚のフィルムを折り返すことによって構成されていてもよい。
収容部14を外部から適切に密閉することができる限りにおいて、第1フィルム11および第2フィルム12を構成する材料や、第1フィルム11および第2フィルム12の層構成が特に限られることはない。例えば第1フィルム11および第2フィルム12は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンやナイロン等を含む基材層を有していてもよい。また、上述のように熱溶着によって開口部の封止や第1フィルム11と第2フィルム12との結合が実施される場合、第1フィルム11および第2フィルム12は、ポリエチレンやポリプロピレン等を含む熱可塑性樹脂層を有していてもよい。その他にも、第1フィルム11および第2フィルム12は、包装部材10のバリア性や強度を高めるための中間層をさらに含んでいてもよい。第1フィルム11および第2フィルム12の厚みは、例えば1μm〜2000μmの範囲内になっている。
本実施の形態において、包装部材10の収容部14の圧力は、包装部材10の周囲の圧力よりも低くなっている。例えば、包装部材10の周囲の圧力から包装部材10の収容部14の圧力を引いた値は、500Pa以上になっている。この場合、包装部材10の周囲の圧力と収容部14の圧力との差を利用して、包装部材10の第1フィルム11を積層体50の第1面50aに対して強固に密着させ、かつ、第2フィルム12を積層体50の第2面50bに対して強固に密着させることができる。また、第1フィルム11を介して積層体50の第1面50aが押圧され、かつ第2フィルム12を介して積層体50の第2面50bが押圧されることにより、第2シート40を第1シート20に対して強固に密着させることができる。これによって、圧力センサ1の安定した感度や精度を実現することができる。なお「周囲の圧力」とは、包装部材10の外部から、包装部材10を構成する第1フィルム11や第2フィルム12などのフィルムの外面に加えられる圧力のことである。
好ましくは、図2に示すように、包装部材10には、第1フィルム11の内面と第2フィルム12の内面とが接する接触領域13が形成されている。このような接触領域13を形成することにより、収容部14を外部からより強固に密閉することができる。また、第1フィルム11に対して第2フィルム12が相対的に移動することを抑制することができ、このため、包装部材10に対する積層体50の位置をより安定に維持することができる。
図1に示す圧力センサ1において、接触領域13に対応する部分にはハッチングが施されている。また、積層体50の法線方向に沿って圧力センサ1を見た場合の接触領域13の幅が符号wで示されている。接触領域13の幅wは、第1フィルム11に対して第2フィルム12が相対的に移動することを適切に抑制することができるよう定められる。例えば接触領域13の幅wの平均値は、0.1mm〜50mmの範囲内になっている。
包装部材10が複数の直線状の辺を含む外形を有している場合、接触領域13は、好ましくは、包装部材10の複数の辺のうちの少なくとも1辺にわたって形成されている。例えば包装部材10が矩形状の外形を有している場合、接触領域13は、包装部材10の4辺のうちの少なくとも1辺にわたって形成されている。また好ましくは、図1に示すように、積層体50の法線方向に沿って圧力センサ1を見た場合に積層体50が接触領域13によって囲まれるよう、包装部材10が構成されている。これによって、収容部14を外部からより強固に密閉することができる。
ところで本実施の形態においては、上述のとおり、包装部材10の収容部14の圧力が包装部材10の周囲の圧力よりも低くなっている。このため接触領域13においては、圧力差に基づいて第1フィルム11が第2フィルム12に対して押圧され、かつ第2フィルム12が第1フィルム11に対して押圧されている。従って、単に二枚のフィルムを重ねた場合に比べて、第1フィルム11および第2フィルム12を含む接触領域13の強度や剛性を高めることができる。これによって、圧力センサ1全体としての強度や剛性を高めることができ、このことにより、衝撃や落下に対する圧力センサ1の耐性を高めることができる。なお、圧力センサ1が、包装部材10や積層体50をロール状に丸めた形態で利用される場合、接触領域13や圧力センサ1の強度や剛性が高すぎると、包装部材10や積層体50をロール状に丸めることが困難になってしまう。従って、圧力センサ1の用途によっては、接触領域13の強度や剛性が高くなり過ぎないよう、包装部材10の収容部14の圧力と包装部材10の周囲の圧力との差を調整することが好ましい。
(ケーブル)
図1に示すように、包装部材10の収容部14に収容された積層体50の例えば第1シート20には、収容部14から包装部材10の外部に至るケーブル55が接続されていてもよい。このようなケーブル55を介して、圧力センサ1に加えられる圧力に応じて第1シート20に生成される検出信号を取り出したり、積層体50の第1シート20に制御信号や電力を印加したりすることができる。
ケーブル55は、収容部14の密封を妨げないように構成されていることが好ましい。例えばケーブル55として、フラットケーブルやフレキシブルケーブルなどの薄型のケーブルを用いることができる。
(積層体)
次に図3乃至図5を参照して、積層体50を構成する各シート20,40,45について説明する。ここでは、第1シート20が、複数のトランジスタ30を含むトランジスタシートである場合について説明する。図3は、積層体50を第2面50b側から見た場合を示す平面図である。また図4は、図3に示す積層体50の第1シート20を示す平面図である。
はじめに第1シート20について説明する。図4に示すように、第1シート20は、基材21と、基材21上に形成された複数のトランジスタ30と、基材21の外縁22に沿って並べられ、トランジスタ30に電気的に接続された複数の端子部24と、を有している。図4に示すように、基材21は、第1方向D1に沿って延びる一対の第1辺22aと、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延びる一対の第2辺22bと、を含む矩形状の外形を有している。また複数のトランジスタ30は、第1方向D1および第2方向D2に沿ってマトリクス状に配置されている。
図3および4において、符号W1〜Wmが付された点線は、各トランジスタ30を順にオン状態にするための制御信号を伝達するために設けられたワードラインを表している。ワードラインW1〜Wmはそれぞれ、第1方向D1に沿って並ぶ複数のトランジスタ30の後述するゲート電極31に電気的に接続されている。例えばワードラインW1は、図3および4の紙面において最も下側に位置付けられ、第1方向D1に沿って並ぶ複数のトランジスタ30のゲート電極31に電気的に接続されている。このため、トランジスタ30がP型である場合、トランジスタ30のソース電極33に対するゲート電極31の電圧が負になるようにワードラインW1に電圧を印加することにより、ワードラインW1に接続された複数のトランジスタ30を同時にオン状態にすることができる。
図3および4において、符号B1〜Bnが付された点線は、各トランジスタ30に接続された後述する感圧体38の電気抵抗や静電容量に関する情報を含む検出信号を伝達するために設けられたビットラインを表している。ビットラインB1〜Bnはそれぞれ、第2方向D2に沿って並ぶ複数のトランジスタ30のソース電極33に電気的に接続されている。例えばビットラインB1は、図3および4の紙面において最も左側に位置付けられ、第2方向D2に沿って並ぶ複数のトランジスタ回路のソース電極33に電気的に接続されている。この場合、ビットラインB1には、ビットラインB1に接続された複数のトランジスタ30のうち、ワードラインW1〜Wmからの制御信号によってオン状態になっている1つのトランジスタ30から取り出された検出信号が伝達される。
図4に示す第1シート20によれば、ワードラインW1〜WmやビットラインB1〜Bnの本数がトランジスタ30の数よりも少ない場合であっても、ビットラインB1〜BnとワードラインW1〜Wmとをマトリクス状に配置することにより、任意のトランジスタ30からの検出信号を取り出すことができる。このため、基材21に設けられるラインの本数を削減することができる。図3および4に示すように、ビットラインB1〜BnおよびワードラインW1〜Wmはそれぞれ、対応する端子部24に接続されている。また上述のケーブル55も、対応する端子部24に接続されている。
トランジスタ30や端子部24を適切に支持することができる限りにおいて、基材21を構成する材料が特に限られることはない。例えば基材21は、可撓性を有するフレキシブル基板であってもよく、可撓性を有しないリジット基板であってもよい。
次に図5を参照して、第1シート20のトランジスタ30、並びに第2シート40および第3シート45について説明する。図5は、積層体50のうち第1シート20に含まれる1つのトランジスタ30に対応する部分を示す断面図である。
図5に示すように、トランジスタ30は、基材21の第1面21a上に設けられたゲート電極31と、ゲート電極31を覆うよう基材21の第1面21a上に設けられたゲート絶縁膜32と、一定の間隔を空けて対向するようゲート絶縁膜32上に設けられたソース電極33およびドレイン電極34と、ソース電極33およびドレイン電極34に接するようにソース電極33とドレイン電極34との間に設けられた半導体層35と、を含んでいる。また、ソース電極33、ドレイン電極34および半導体層35を覆うように絶縁層36が設けられている。また絶縁層36上には第1電極37が設けられており、この第1電極37は、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aを介してソース電極33またはドレイン電極34に電気的に接続されている。図5に示す例においては、貫通孔36aがドレイン電極34上に形成されており、この貫通孔36aを介してドレイン電極34と第1電極37とが電気的に接続されている。なお第1電極37は、貫通孔36a内の全域に充填されていてもよく、若しくは貫通孔36aの壁面上にのみ設けられていてもよい。
ゲート電極31、ゲート絶縁膜32、ソース電極33、ドレイン電極34、絶縁層36や第1電極37を構成する材料としては、トランジスタにおいて用いられる公知の材料が用いられる。例えば、特開2010−79196号公報において開示されている材料を用いることができる。
半導体層35を構成する材料としては、無機半導体材料または有機半導体材料のいずれが用いられてもよいが、好ましくは有機半導体材料が用いられる。有機半導体材料は一般に、無機半導体材料に比べて低い温度で基材上に形成され得る。このため、トランジスタ30を支持する基材21を構成する材料として、可撓性を有するプラスチックなどの材料を利用することができる。このことにより、機械的衝撃に対する安定性を有し、かつ軽量なトランジスタシートを提供することが可能となる。また、印刷法等の塗布プロセスを用いて有機半導体材料を基材21上に形成することができるので、無機半導体材料が用いられる場合に比べて、多数の有機トランジスタを基材21上に効率的に形成することが可能となる。このため、トランジスタシートの製造コストを低くすることができる可能性がある。
有機半導体材料としては、ペンタセン等の低分子有機半導体材料や、ポリピロール類等の高分子有機半導体材料が用いられ得る。より具体的には、特開2013−21190号公報において開示されている低分子系有機半導体材料や高分子有機半導体材料を用いることができる。ここで「低分子有機半導体材料」とは、例えば、分子量が10000未満の有機半導体材料を意味している。また「高分子有機半導体材料」とは、例えば、分子量が10000以上の有機半導体材料を意味している。
図5に示すように、第1電極37上には、感圧体38を含む第2シート40が設けられている。感圧体38は、感圧体38に加えられる圧力に応じて、圧力が加えられた方向ここでは厚み方向における感圧体38の電気抵抗値が変化するよう構成されたものである。すなわち本実施の形態において、感圧体38は、いわゆる感圧導電体として構成されている。感圧導電体は例えば、シリコーンゴムなどのゴムと、ゴムに添加されたカーボンなどの複数の導電性を有する粒子と、を含んでいる。
また図5に示すように、感圧体38上には、第2電極39を含む第3シート45が設けられている。第2電極39が導電性を有し、かつ感圧体38に接触することができる限りにおいて、第2電極39を構成する材料や、第3シート45の構成が特に限られることはない。例えば第3シート45は、ポリエチレンテレフタレート等を含む基材層46と、基材層46の表面のうち第2シート40に面する側の表面に形成された金属層を含む第2電極39と、を含んでいてもよい。
次に、上述の包装部材10および積層体50を用いて構成した圧力センサ1の応用例について説明する。図6は、複数のトランジスタ30を含む圧力センサ1の一部分を示す縦断面図である。図6に示すように、上述の第2シート40の感圧体38、並びに第3シート45の第2電極39および基材層46は、複数のトランジスタ30に跨って連続的に設けられていてもよい。すなわち感圧体38並びに第2電極39および基材層46は、複数のトランジスタ30において共通に使用されるものであってもよい。
図6に示す例において、圧力センサ1の一部分においてペン60などを介して包装部材10の第1フィルム11側から圧力センサ1に圧力が加えられると、圧力を加えられた部分において、感圧体38が厚み方向において圧縮される。この結果、厚み方向において感圧体38内の粒子が互いに接触し、厚み方向における感圧体38の電気抵抗値が感圧体38の一部分で低くなる。このため、圧力が加えられた感圧体38の一部分に接続されたトランジスタ30においては、ソース電極33およびドレイン電極34に流れる電流が増加する。従って、各トランジスタ30に流れる電流値を検出することにより、圧力センサ1に加えられている圧力の分布を算出することができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、はじめに、圧力センサ1の製造方法について説明する。次に、積層体50を包装部材10から取り出す取出方法について説明する。
(圧力センサの製造方法)
はじめに、収容部14が形成された包装部材10を準備する。また、上述の第1シート20、第2シート40および第3シート45を含む積層体50を準備する。次に図7に示すように、包装部材10の図示しない開口部を介して積層体50を収容部14の内部に配置する。なお図示はしないが、積層体50を構成する各シート20,40,45を順に包装部材10の収容部14の内部に配置して各シート20,40,45を積層させることにより、収容部14の内部で積層体50を作製してもよい。
その後、図示しない排気装置等を用いて、包装部材10の収容部14の内部の気体を包装部材10の外部へ排出する。これによって、包装部材10の収容部14の圧力を、包装部材10の周囲の圧力よりも低くする。このことにより、図2に示すように、包装部材10の第1フィルム11を積層体50の第1面50aに対して強固に密着させ、かつ、第2フィルム12を積層体50の第2面50bに対して強固に密着させることができる。また、第1フィルム11を介して積層体50の第1面50aが圧力差に基づいて押圧され、かつ第2フィルム12を介して積層体50の第2面50bが圧力差に基づいて押圧されることにより、第2シート40を第1シート20に対して強固に密着させることができる。これによって、圧力センサ1の安定した感度や精度を実現することができる。また、第3シート45を第2シート40に対して強固に密着させることもできる。
また本実施の形態によれば、包装部材10の収容部14の圧力と包装部材10の周囲の圧力との差を利用することにより、第2シート40および第1シート20に働く押圧力が場所によってばらつくことを抑制することができる。このため、第2シート40と第1シート20との間の密着力の均一性を高めることができる。このことも、圧力センサ1の安定した感度や精度に寄与することができる。
また本実施の形態によれば、圧力差に基づいて第2シート40を第1シート20に対して強固に密着させることができるので、従来とは異なり、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤を介在させる必要がない。
一般に粘着剤は、特に粘着剤が乾燥した状態において、高い剛性を有するようになる。また第2シート40を第1シート20に対して強固に密着させようとすると、粘着剤の厚みが大きくなってしまう。例えば、粘着剤の厚みが、本実施の形態で採用される包装部材10の第1フィルム11や第2フィルム12の厚みよりも大きくなることが考えられる。
これに対して本実施の形態によれば、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤を介在させる必要がないので、包装部材10および積層体50を含む圧力センサ1をより容易に湾曲させたりロール状に丸めたりすることができる。このため、圧力センサ1を様々な分野や状況で利用することが可能になる。例えば、圧力センサ1を円柱状の構造物に貼り付けて利用することができる。
また従来のように、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤が介在される場合、通常は、粘着剤は、第1シート20と第2シート40との間の全域にわたって設けられるのではなく、第1シート20と第2シート40との間に部分的に設けられる。例えば、第2シート40の四隅において、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤が設けられる。このため、圧力センサ1を湾曲させたりロール状に丸めたりする場合に、粘着剤およびその他の部分に曲げ応力が不均一に生じると考えられる。例えば、曲げ応力が粘着剤に集中的に生じることが考えられる。従って、仮に粘着剤の粘着力が不十分であると、圧力センサ1を湾曲させたりロール状に丸めたりする際に、粘着剤が第1シート20または第2シート40から剥離されてしまう。一方、剥離を防ぐために粘着剤の分量や粘着力を増大させると、粘着剤に剥離や変形が生じることは回避できるが、その分だけ粘着剤以外の部分に大きな曲げ応力が生じてしまい、この結果、粘着剤以外の部分にシワやダメージが生じてしまうと考えられる。いずれの場合であっても、圧力センサ1の湾曲の程度が制限されることになる。
これに対して本実施の形態によれば、圧力差に基づいて第2シート40を第1シート20に対して均一に密着させるので、圧力センサ1を湾曲させたりロール状に丸めたりする場合に、包装部材10や積層体50に生じる曲げ応力が不均一になることを抑制することができる。このため、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤が介在される場合に比べて、圧力センサ1の湾曲の許容範囲を大きくすることができる。
なお、圧力センサ1を湾曲させたりロール状に丸めたりすることが想定される場合、包装部材10や積層体50の厚みは、より小さいことが好ましい。例えば、包装部材10の第1フィルム11および第2フィルム12の厚みは、1μm〜600μmの範囲内になっている。また、積層体50の第1シート20がトランジスタシートであり、第2シート40が感圧体38を含むものであり、第3シート45が第2電極39を含むものである場合、好ましくは、第1シート20の厚みは1μm〜300μmの範囲内になっており、第2シート40の厚みは1μm〜500μmの範囲内になっており、第3シート45の厚みは1μm〜300μmの範囲内になっている。また、積層体50全体の厚みは、好ましくは4μm〜2300μmの範囲内になっており、さらに好ましくは4μm〜1000μmの範囲内になっている。
(積層体の取出方法)
次に、包装部材10から積層体50を取り出す方法の一例について説明する。はじめに、包装部材10の一部を破断させて、包装部材10の周囲と収容部14とを連通させる。例えば図8に示すように、包装部材10の接触領域13を切断して取出口15を形成する。これによって、包装部材10の周囲の圧力と収容部14の圧力とが等しくなる。この結果、積層体50の第1面50aが第1フィルム11を介して受けていた押圧力が低減される。同様に、積層体50の第2面50bが第2フィルム12を介して受けていた押圧力が低減される。このため、積層体50を容易に包装部材10の収容部14から外部へ取り出すことができる。
その後、図9に示すように、第2シート40および第3シート45を第1シート20から分離してもよい。ここで本実施の形態によれば、上述のように、また本実施の形態によれば、包装部材10の収容部14の圧力と包装部材10の周囲の圧力との差を利用することにより、第1シート20と第2シート40との間の密着力が実現されている。このため、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤を設ける必要がない。従って、積層体50を包装部材10の収容部14から取り出した後、第2シート40を容易に第1シート20から分離させることができる。
以下、第2シート40を第1シート20から分離させることを容易化することの利点について説明する。
図11は、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤が介在されている場合に、第2シート40を第1シート20から分離させる工程の一例を示す図である。図11に示す例においては、粘着剤の粘着力に打ち勝つ力を第2シート40に加えるため、第2シート40が第1シート20に対して成す角度θが90度以上になるまで第2シート40を折り曲げて第2シート40を第1シート20から引き離している。このため、第1シート20から分離された第2シート40には、伸びや湾曲などの変形が生じてしまう。この結果、第2シート40を再利用することが困難になってしまう。
これに対して本実施の形態によれば、第1シート20と第2シート40との間に粘着剤を設ける必要がない。このため図10に示すように、第2シート40を第1シート20から分離させる際、第2シート40が第1シート20に対して成す角度θを90度未満に維持することができる。これによって、第1シート20から分離された第2シート40に、伸びや湾曲などの変形が生じてしまうことを抑制することができる。このため、第1シート20に故障が生じてしまった場合であっても、故障が生じた第1シート20から分離された第2シート40を再利用することの可能性を高めることができる。
なお、上述した各実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した各実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の各実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した各実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
上述の本実施の形態においては、トランジスタ30がいわゆるボトムゲート型となっている例を示した。しかしながら、トランジスタ30のタイプがボトムゲート型に限られることはない。例えば図12に示すように、トランジスタ30は、ゲート電極31がソース電極33、ドレイン電極34および半導体層35よりも基材21から遠い位置に配置される、いわゆるトップゲート型となっていてもよい。
また上述の本実施の形態においては、トランジスタ30が感圧体38に接触している例を示した。具体的には、トランジスタ30のドレイン電極34に物理的に接続された第1電極37が、感圧体38にも接触している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図13に示すように、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aなどの開口部を間に挟んで第1電極37と感圧体38とが対向していてもよい。この場合、圧力センサ1に圧力が加えられていない状態においては、第1電極37と感圧体38とは非接触であることが保証される。このため、圧力センサ1に圧力が加えられていない状態において、ノイズの発生を抑制することができる。そして、一定値以上の圧力が感圧体38の厚み方向において感圧体38に加えられてはじめて、貫通孔36aに押し入れられた感圧体38の一部が第1電極37と接触するようになる。すなわち、感圧体38に圧力が加えられた時にドレイン電極34が感圧体38に電気的に接続されるようになっている。このため、第1電極37に対して押し付けられる感圧体38の圧力を、従来に比べて低減することができる。これによって、大きな圧力が感圧体38に加えられる場合であっても、過剰な電流が第1電極37および感圧体38に流れてしまうことを抑制することができる。このことにより、トランジスタ30の消費電力や、トランジスタ30を駆動するための外部の駆動回路の消費電力が増大してしまうことを抑制することができる。また、トランジスタ30を駆動するための外部の駆動回路に過剰な負荷がかかってしまうことを抑制することができる。
なお図13においては、ドレイン電極34に接続された第1電極37が、開口部を間に挟んで感圧体38と対向する例を示した。しかしながら、図示はしないが、ドレイン電極34が開口部を間に挟んで感圧体38と対向していてもよい。
また図13においては、ボトムゲート型のトランジスタ30において、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aなどの開口部を間に挟んで第1電極37と感圧体38とが対向するように構成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、トップゲート型のトランジスタ30において、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aなどの開口部を間に挟んで第1電極37と感圧体38とが対向するように配置されていてもよい。
また上述の本実施の形態においては、感圧体38が、感圧体38に加えられる圧力に応じて感圧体38の電気抵抗が変化するよう構成されたもの、いわゆる感圧導電体である例を示した。しかしながら、感圧体に加えられる圧力に応じた情報を取り出すことができる限りにおいて、感圧体38の具体的な構成が特に限られることはない。例えば感圧体38は、感圧体38に加えられる圧力に応じて感圧体38の静電容量が変化するよう構成されたものであってもよい。
また上述の本実施の形態においては、感圧体38が、トランジスタ30を含む第1シート20とは別体の第2シート40に含まれる例を示した。すなわち、積層体50が包装部材10の収容部14から取り出された後、感圧体38が第1シート20から容易に分離され得る例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、感圧体38は第1シート20に含まれる構成要素であってもよい。例えば、感圧体38を構成する材料を絶縁層36や第1電極37上に塗布することにより、感圧体38が形成されていてもよい。この場合、第1シート20は、複数のトランジスタ30に対応する感圧体38を含んでいると言える。すなわち第1シート20においては、複数のトランジスタ30と感圧体38とが一体的に構成されていると言える。また図14に示すように、この場合、第2シート40は、第1シート20の複数のトランジスタ30に対応する感圧体38に接触する第2電極39を含むものとして定義されてもよい。すなわち、第2電極39を含む第2シート40が、一体的に構成された複数のトランジスタ30および感圧体38を含む第1シート20に重ね合わされてもよい。その他にも、後述する遮光シート、帯電防止シートやクッションシートが、第1シート20に重ね合わされる第2シート40であってもよい。
その他にも、第2シート40は、一体的に構成された感圧体38と第2電極39とを含んでいてもよい。例えば、蒸着やスパッタリングによって感圧体38上に第2電極39を形成することによって、トランジスタ30を含む第1シート20に重ね合わされる第2シート40が構成されていてもよい。
その他にも、第1シート20は、一体的に構成された複数のトランジスタ30、感圧体38および第2電極39を含んでいてもよい。この場合、後述する遮光シート、帯電防止シートやクッションシートが、第1シート20に重ね合わされる第2シート40であってもよい。
また上述の本実施の形態においては、感圧体38に接続される第2電極39が、感圧体38よりも基材21から遠い位置に配置される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、第2電極39を、感圧体38よりも基材21から近い位置に配置してもよい。この場合、積層体50は、複数のトランジスタ30を含む第1シート20と、第1シート20に重ね合わされ、感圧体38を含む第2シート40と、を含むが、第3シート45を含んでいなくてもよい。この場合であっても、包装部材10の周囲の圧力と収容部14の圧力との差を利用して第2シート40を第1シート20に対して強固に密着させる、という効果は達成され得る。このように本実施の形態による積層体50は、包装部材10の周囲の圧力と収容部14の圧力との差を利用して強固に密着され得る第1シート20および第2シート40を少なくとも含んでいればよい。
一方で、包装部材10の周囲の圧力と収容部14の圧力との差を利用して強固に密着されるシートの数が特に限られることもない。例えば、上述のように第2電極39が感圧体38よりも基材21から近い位置に配置されている場合であっても、第2電極39以外の構成要素を含む第3シート45が第2シート40上に配置されていてもよい。また図示はしないが、更なるシートが第3シート45上に配置されていてもよい。また図15に示すように、第3シート45は、第2シート40との間で第1シート20を挟むように配置されていてもよい。
また、第1シート20がトランジスタ30を含む限りにおいて、その他の第2シート40、第3シート45や更なるシートに含まれる構成要素が特に限られることはない。上述した感圧体38や第2電極39以外の構成要素を含む、第2シート40、第3シート45や更なるシートの例としては、以下のようなシートを挙げることができる。
例えば、黒色を呈する黒色層や、金属を含む金属層などの遮光性を有する層を有する遮光シートを挙げることができる。その他にも、導電性を有する粒子を含み、圧力センサ1が帯電してしまうことを抑制することができる帯電防止シートや、圧力センサ1に加えられる圧力を分散させることができるクッションシートなどを挙げることができる。クッションシートを構成する材料としては、ウレタン、ポリエチレン、発泡材などを挙げることができる。これらのシートも、積層体50を包装部材10から取り出すことによって、第1シート20などのその他のシートから容易に分離され得る。
また上述の本実施の形態においては、第1シート20が一枚の基材21を含む例を示したが、これに限られることはない。例えば図16に示すように、第1シート20は、複数のトランジスタシート25と、隣接する2つのトランジスタシート25を電気的に接続する接続部材26と、を有していてもよい。トランジスタシート25は、基材21と、基材21上に形成された複数のトランジスタ30と、を含むものである。このように第1シート20が複数のトランジスタシート25を含むことにより、第1シート20や圧力センサ1の大型化を容易に実現することができる。
図16に示す変形例においても、第1シート20は、包装部材10の周囲の圧力と収容部14の圧力との差によって第2シート40に密着する。また、積層体50を包装部材10から取り出すことによって、第2シート40を容易に第1シート20から分離することができる。このため、第1シート20を構成する複数のトランジスタシート25のうち不具合や欠陥が生じたトランジスタシート25を個別に交換することができる。
また上述の実施の形態においては、積層体50を利用して、外部から加えられた圧力の分布を検出するための圧力センサ1を構成する例を示した。しかしながら、積層体50によって検出される物理量が圧力に限られることはなく、光の強度、電磁場の強度、温度などの物理量であってもよい。また、積層体50の具体的な用途がセンサ装置に限られることもない。例えば積層体50は、有機ELや電子ペーパーなどの表示装置などとして利用されてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(トランジスタシートの作製)
はじめに、0.1mmの厚さのポリエチレンナフタレートのフィルムを、基材として準備した。次に、基材上に、ネガ型の感光性樹脂をスピンコートによって塗布し、150度で30分間の焼成を実施して、基材上に平坦化層を形成した。
その後、平坦化層の全面に、スパッタリングによって、厚み200nmのアルミニウム層を形成した。次に、アルミニウム層上に、ポジ型の感光性樹脂をスピンコートによって塗布してレジスト層を形成した。その後、フォトマスクを用いてレジスト層を露光した後、レジスト層を現像することにより、ゲート電極およびワードラインに対応するパターンにレジスト層をパターニングした。次に、レジスト層によって覆われていないアルミニウム層を、エッチングによって除去した。その後、アルミニウム層上に残っているレジスト層を除去した。このようにして、平坦化層上に、アルミニウム層からなるゲート電極およびワードラインを形成した。
次に、平坦化層およびゲート電極の上に、紫外線に対する感光性を有するアクリル系樹脂をスピンコートによって塗布した。その後、フォトマスクを用いてアクリル系樹脂層を露光した後、アクリル系樹脂層を現像した。次に、アクリル系樹脂層に対して、150度で30分間の焼成を実施して、アクリル系樹脂層を硬化させた。このようにして、アクリル系樹脂からなり、1μmの厚さを有するゲート絶縁膜を形成した。
次に、ゲート絶縁膜の上に、スパッタリングによって、厚み40nmの銀の層を形成した。その後、銀の層上に、ポジ型の感光性樹脂をスピンコートによって塗布してレジスト層を形成した。その後、フォトマスクを用いてレジスト層を露光した後、レジスト層を現像することにより、ソース電極、ドレイン電極およびビットラインに対応するパターンにレジスト層をパターニングした。次に、レジスト層によって覆われていない銀の層を、エッチングによって除去した。その後、銀の層上に残っているレジスト層を除去した。このようにして、ゲート絶縁膜上に、銀の層からなるソース電極、ドレイン電極およびビットラインを形成した。
次に、チオフェン系ポリマーをキシレンに、固形分濃度1wt%にて溶解させることにより、有機半導体材料を含むキシレン溶液を準備した。その後、ソース電極、ドレイン電極およびビットラインが形成されているゲート絶縁膜上に、キシレン溶液をスピンコートによって塗布して、厚み50nmの半導体層を、基材の全面にわたって形成した。次に、半導体層の上に、ポジ型の感光性樹脂をスピンコートによって塗布してレジスト層を形成した。その後、フォトマスクを用いてレジスト層を露光した後、レジスト層を現像した。次に、波長172nm、照度3mW/cm2の真空紫外線を60秒間照射することにより、半導体層のうちレジスト層によって覆われていない部分を除去した。その後、半導体層上に残っているレジスト層を除去した。このようにして、ソース電極とドレイン電極との間に位置する半導体層を形成した。
次に、ソース電極、ドレイン電極、ビットラインおよび半導体層が形成されているゲート絶縁膜上に、紫外線に対する感光性を有するアクリル系樹脂をスピンコートによって塗布した。その後、フォトマスクを用いてアクリル系樹脂層を露光した後、アクリル系樹脂層を現像した。次に、アクリル系樹脂層に対して、150度で30分間の焼成を実施して、アクリル系樹脂層を硬化させた。このようにして、アクリル系樹脂からなり、絶縁層として機能するパッシベーション層を形成した。なお露光は、ドレイン電極と第1電極とを接続するための貫通孔がパッシベーション層に形成されるよう、実施した。
このようにして、複数のトランジスタを含むトランジスタシートを作製した。
(シートの積層)
次に、厚み0.3mmの感圧ゴムからなる感圧体を含む感圧シートと、厚み0.1mmの第2電極を含む電極シートと、を準備した。その後、上述のトランジスタシート上に、感圧シートおよび電極シートを順に積層して、積層体を作製した。また、トランジスタシートに形成されている端子部に、厚み70μmのフレキシブル基板を含むケーブルを接続した。トランジスタシートの端子部には、上述のワードラインやビットラインが電気的に接続されている。
次に、厚み0.1mmのポリエチレンフィルムを準備した。その後、上述の積層体を、ポリエチレンフィルムで挟みこんだ。次に、積層体の一方の側に位置するポリエチレンフィルムと、積層体の他方の側に位置するポリエチレンフィルムとの間における圧力が100〜200Paになるまで、一方のポリエチレンフィルムと他方のポリエチレンフィルムとの間に存在する気体を、ポリエチレンフィルムによって構成される包装部材の外部に排出した。その後、一方のポリエチレンフィルムの内面と他方のポリエチレンフィルムの内面とを熱溶着することによって、ポリエチレンフィルムからなる袋状の包装部材を作製した。このようにして、ポリエチレンフィルムからなる袋状の包装部材と、包装部材の内部に収容された積層体と、を備える圧力センサを作製した。
(圧力センサの評価)
上述のようにして作製された圧力センサにおいて、包装部材に収容されている感圧シートおよび電極シートが、トランジスタシートに対して固定されていることを確認した。また、圧力センサを、直径100mmの円柱状の構造物に貼り付けた場合に、圧力センサが、加えられる圧力に応じた検出信号を生成できることを確認した。
(積層体の取出性の評価)
圧力センサのうち、一方のポリエチレンフィルムの内面と他方のポリエチレンフィルムの内面とが接触している接触領域に、カッターを用いて切れ込みを形成し、これによって、包装部材の内部における真空状態を開放した。その後、包装部材に収容されていた積層体を取り出した。この際、トランジスタシート、感圧シートおよび電極シートを破壊することなく、積層体を取り出すことができた。