JP6502510B2 - 臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成するための方法 - Google Patents

臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6502510B2
JP6502510B2 JP2017538950A JP2017538950A JP6502510B2 JP 6502510 B2 JP6502510 B2 JP 6502510B2 JP 2017538950 A JP2017538950 A JP 2017538950A JP 2017538950 A JP2017538950 A JP 2017538950A JP 6502510 B2 JP6502510 B2 JP 6502510B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brominated
polymer
conjugated diene
halo
units
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017538950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018507286A (ja
Inventor
ジョン・ダブリュ・ハル・ジュニア
シャリ・クラム
マイケル・エリザベス・ポーター
ウィリアム・ジー・ストービー
Original Assignee
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー, ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー filed Critical ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Publication of JP2018507286A publication Critical patent/JP2018507286A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6502510B2 publication Critical patent/JP6502510B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/12Incorporating halogen atoms into the molecule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/18Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/18Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
    • C08F8/20Halogenation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/18Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
    • C08F8/20Halogenation
    • C08F8/22Halogenation by reaction with free halogens
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2309/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons
    • C08J2309/06Copolymers with styrene

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、臭素化及びハロ水和化(halohydrated)ポリマーを作製するための方法に関する。
最近では、臭素化スチレン−ブタジエンブロックコポリマーが、有機ポリマーのための難燃剤として開発されている。これらの生成物は、火災状態でHBrを発することにより機能する。したがって、これらの臭素化ポリマー中の炭素−臭素結合の不安定さが能力の鍵となる。炭素−臭素結合があまりに熱安定している場合、HBrは完全な火災状態でもゆっくりと遊離し、臭素化コポリマーは十分に発揮されない。芳香族性結合型臭素にはこの問題が伴う。対照的に、炭素−臭素結合が熱不安定である場合、HBrまたは臭素は、有機ポリマーを有用である物品に形成するために使用される溶融加工作業において早期に放出される。臭素を早期に損失することは、環境問題、潜在的健康問題及び安全上の問題、加工機器の腐食、架橋、ならびに難燃剤の効果の損失を含む無数の問題を引き起こす。第三級炭素及び/またはアリル炭素に結合する臭素原子は、典型的な溶融加工条件において熱不安定である傾向がある。
難燃剤として臭素化スチレン−ブタジエンブロックコポリマーが最近台頭し始めたのは、芳香環上、ならびに第三級炭素原子及びアリル炭素原子での臭素化をほぼ完全に回避する高選択的臭素化方法の開発のためである。これらの方法は、臭素化剤としての三級アンモニウムトリブロミド及び三級ホスホニウムトリブロミド化合物を基とする。例えば、WO200/021418及びWO2010/021906を参照されたい。それらの選択性に加えて、これらの臭素化剤を使用する方法は、ブタジエンの単位の高転換を可能にする。
臭素化スチレン−ブタジエンコポリマーは、臭素化プロセスの選択性に因り、臭素原子自体以外の任意の官能基をほとんど有さない疎水性材料である。他の官能基、特にヒドロキシル基の存在は、様々な理由で利点になり得る。ヒドロキシル基は、いくつかの極性または親水性特徴をポリマーに与え得る。それは有利に、ポリマーと特定のポリマーまたは発泡剤との適合性に影響を与え得、それにより、ポリマー系の種類を拡大し、臭素化コポリマーが有用となり、ならびにいくつかの事例においてそれらの能力を改善する。より極性の臭素化コポリマーは、ポリマー断熱発泡体及び半透性皮膜のような特定の用途に利点となるように、ポリマー膜を通る気体の透過性を改変し得る。より高い極性は、ポリマーに、水または他の極性溶媒中でのより容易な分散性を付与し得る。さらに、いくつかの事例において、ヒドロキシル基のような官能基は、さらなる化学現象が行われ得る反応部位として作用して、臭素化コポリマーを具体的な用途に適合し得る。
WO2011/008417は、(他の化合物の中でも)臭素化及びエポキシ化スチレン−ブタジエンブロックコポリマーを作製するための方法を記載する。臭素化及びエポキシ化反応は、いずれかの順で、順番に行われる。比較例は、メタ−クロロ過安息香酸との反応後、臭素元素と臭素化されることによるスチレン−ブタジエンコポリマーのエポキシ化を記載する。この生成物は、臭化水素の発生により、初期のエポキシ化反応で形成されたエポキシ基にわたって反応する残りのエポキシ基を有さない。臭化水素/エポキシ反応は、ヒドロキシル基を生成する。しかし、大量の臭素も第三級炭素原子及びアリル炭素原子に結合することになり、これは、生成物の熱安定性に不利な影響を有する。
所望されるのは、臭素が第三級炭素原子またはアリル炭素原子に結合することがほとんどない、ヒドロキシル基も含有する高臭素化ブタジエンポリマーを生成するための方法である。
本発明は、一態様において、(a)少なくとも1つの共役ジエンの開始ポリマーを四級アンモニウムトリブロミド、四級ホスホニウムトリブロミド化合物、または四級アンモニウムトリブロミド及び四級ホスホニウムトリブロミドの両方と反応させ、開始ポリマー中の共役ジエンの繰り返し単位の50%〜98%を臭素化し、部分的に臭素化されたポリマーを形成することと、次いで、(b)水及び部分的に臭素化されたポリマーのための水混和性溶媒系の存在下で、部分的に臭素化されたポリマーをN−ハロイミド化合物と反応させて、共役ジエンの繰り返し単位の残りの少なくとも一部をハロ水和化し、臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成することと、を含む、少なくとも1つの共役ジエンの臭素化及びハロ水和化ポリマーを調製するための方法である。
本発明の目的に関して、「ハロ水和化」は、脂肪族炭素−炭素二重結合が反応して、ハロヒドリン、すなわち、ハロゲン原子が、元々二重結合された炭素原子のうちの1つに結合し、ヒドロキシル基が、元々二重結合された炭素原子の他方に結合することになる構造、すなわち、以下の構造(I)
Figure 0006502510
の部分を形成する反応を指し、式中、Xは、ハロゲン原子を表し、X及びOH基は、互いに元々二重結合された炭素原子に結合する。用語「ハロ水和化」ポリマーは、少なくともいくつかの共役ジエンの単位が反応して、かかるハロヒドリン部分を形成するものを指す。
本方法で生成された臭素化及びハロ水和化ポリマーは、他の有機ポリマーのための難燃剤として使用するために必要な熱安定性を有する。ハロゲン原子(反応ステップの各々による)は、共役ジエンの単位の二重結合にわたってほぼ排他的に付加し、アリル炭素原子または第三級炭素原子に結合するハロゲン原子はあったとしてもほんのわずかである。開始ポリマーが、スチレンのコポリマー及び共役ジエンモノマーである好ましい事例において、環臭素化は、あったとしてもわずかしか起こらない。
ヒドロキシル基は、増加した親水性を臭素化及びハロ水和化ポリマーに加え、その増加の程度は、本方法でハロ水和化される共役ジエンの単位の割合に応じて変化する。少ない割合のヒドロキシル基でさえも、水及び二酸化炭素などの特定の発泡剤とポリマーとの適合性に著しく影響を与え得る。これは、同様に、臭素化及びハロ水和化ポリマーが、別の有機ポリマーとブレンドされ、次いで、発泡されるとき、利点となる効果を有することを示す。気泡サイズは、ポリマーが臭素化されるが、ハロ水和化されない事例と比較してより大きくなる傾向があり、このより大きな気泡サイズは、発泡体のより効率的な膨張に関する。ヒドロキシル基は、臭素化及びハロ水和化ポリマーの膜を通る気体透過性にも影響を与え、よって、半透性皮膜を生成するための機構を供給する。
ハロ水和化単位の割合を増加することにより、臭素化及びハロ水和化ポリマーは、水及び/または極性溶媒中での溶解性または少なくとも分散性を付与され得る。これは、臭素化材料のみよりもかなり幅広い用途で、材料が難燃剤として使用されることを可能にする。例えば、かかる臭素化及びハロ水和化ポリマーは、水及び/または極性溶媒中に溶解または分散され得、多様な基材上にそれを噴霧、あるいはコーティングすることにより局所難燃剤として適用され得る。また、臭素化及びハロ水和化ポリマーは、いくつかの実施形態において、ウレタン配合物中で有用であるポリオールなどのヒドロキシル基を有する化合物と十分に適合し、よって、ポリウレタンポリマー中に組み込まれて、そこに難燃特性を提供し得る。
臭素化及びハロ水和化ポリマー上のヒドロキシル基は、様々な化学反応が行われ得る官能基を表す。これは、臭素化及びハロ水和化ポリマーが他のポリマー及び分子上にグラフト化されることを潜在的に可能にし、ヒドロキシル基での1つ以上の反応により材料のさらなる官能化を可能にする。臭素化及びハロ水和化生成物は、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、またはポリカルボン酸などの硬化剤との接触により結合、分岐、及び/または架橋することが可能である。ヒドロキシル基は、また、塩基を用いた処理により、エポキシ基に転換し得る。エポキシ基は、ポリマーを官能化及び/もしくは結合、分岐、または架橋するための様々な化学反応が行われ得る追加の部位である。
また、本発明は、少なくとも1つの共役ジエンの臭素化及びハロ水和化ポリマーであり、ポリマーの共役ジエンの単位の2〜50%がハロ水和化され、共役ジエンの単位の50〜98%が臭素化され、共役ジエンの単位の0〜10%が反応せず、臭素化及びハロ水和化ポリマーが、少なくとも250℃の5%重量減少温度を有する。
共役ジエンモノマーの好適なポリマーは、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50重量%の重合共役ジエンの単位を含有する。このポリマーは、例えば、1つの共役ジエンのホモポリマー、2つ以上の共役ジエンのコポリマー、または少なくとも1つの共役ジエンのコポリマー、及び共役ジエンではない少なくとも1つの他のモノマーであり得る。重合共役ジエンの単位は、共役ジエンモノマーが重合されたときに形成された繰り返し単位である。かかる繰り返し単位は、臭素化及びハロ水和化の影響を受けやすい脂肪族炭素−炭素二重結合を含有する。脂肪族炭素−炭素二重結合は、「末端」型、すなわち、形態
Figure 0006502510
を有するか、または形態−R−CH=CH−R−を有する「内部」型であり得、式中、各事例のR基は、隣接する−CH=部分への炭素−炭素一重結合を形成する。共役ジエンモノマーがブタジエンである好ましい事例において、末端及び内部ブタジエンの単位はそれぞれ、形態
Figure 0006502510
及び−CH2−CH=CH−CH2−を有する。共役ジエンのポリマーは、炭素−炭素二重結合の内部及び末端型の両方を含有し得る。例えば、最も市販されているポリブタジエンホモポリマー及びスチレン/ブタジエンブロックコポリマーを含む最も市販されているブタジエンポリマーは、様々な割合で両方の型のブタジエンの単位を有する傾向にある。ポリマー中の共役ジエンの繰り返し単位の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%、最大99%、より好ましくは最大80%が末端型であることが好ましい。
共役ジエン以外の好適なモノマーは、共役ジエンモノマー(複数可)と無作為に及び/またはブロック共重合され得るか、あるいは共役ジエンモノマー(複数可)とのコポリマーまたはそれらのポリマーを(例えば、グラフト化することにより)形成し得るものである。ビニル芳香族モノマーは、好ましい型であり、スチレンは、特に好ましいコモノマーである。他のモノマーには、エチレン及びプロピレンなどのオレフィン、メチルメタクリレートなどのアクリレートまたはアクリルモノマー、メチルアクリレート、アクリル酸などが含まれる。
開始ポリマーは、熱安定性であるべきであり、したがって、180℃未満の温度で、臭素化及びハロ水和化ポリマーを著しく退化または分解させる構造を含有するべきではない。開始ポリマー(ならびに本方法で生成された臭素化及びハロ水和化ポリマー)は好ましくは、金属及び半金属原子不含である。好ましい開始ポリマーは、元素である炭素、水素、及び任意に酸素を、各々が開始ポリマーの総重量の最大1%を構成する全ての他の元素と共に含有する。
ブタジエンホモポリマー及びスチレン/ブタジエンコポリマー(特にブロックコポリマー)が、開始材料として得に興味深い。星型ブロック及び左右非対象ブロック構造などの他の構造を有するブロックコポリマーが有用であるが、スチレン/ブタジエンジブロック及びトリブロックコポリマーが最も好ましい。
共役ジエンモノマーの好適なポリマーには、少なくとも1000g/molの重量平均分子量(M)を有するものが含まれる。重量平均分子量は、少なくとも2000、少なくとも5000、少なくとも10,000、少なくとも20,000、または少なくとも40,000であり得る。分子量は、例えば、500,000の高さか、200,000の高さか、100,000の高さか、または85,000の高さである場合がある。本発明の目的に関して、約2,000以上の分子量が、ポリスチレン標準物に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される場合の明確な分子量である。GPC分子量判定は、連続して接続される2つのPolymer Laboratories PLgelの5マイクロメートルのMixed−Cカラムを備え付けたAgilent 1100シリーズの液体クロマトグラフ及びAgilent G1362A屈折率検出器を使用し、溶離液として1mL/分の速度で流動し、35℃の温度に加熱されるテトラヒドロフラン(THF)を用いて行われ得る。
開始ポリマーは、四級アンモニウムトリブロミド及び/または四級ホスホニウムトリブロミドとの反応により部分的に臭素化される。この部分的な臭素化ステップは、開始ポリマーの共役ジエンの単位の少なくとも50%が臭素化されるまで行われる。約50%未満がこのステップで臭素化される場合、大量の架橋及び/または他の副反応が、後のハロ水和化ステップにおいて起こる傾向がある。これらの副反応を最小限に抑えるために、共役ジエンの単位の少なくとも75%、及びより好ましくは少なくともその85%を臭素化することがより好ましい。共役ジエンの単位の最大98%が、このステップで臭素化され得る。いくつかの実施形態において、共役ジエンの単位の最大95%、上90%、最大85%、または最大80%が、このステップで臭素化される。相応して、共役ジエンの単位の少なくとも2%が、本方法のこのステップで臭素化されないままである。
本発明の目的に関して、臭素の2つの原子が、−CHBr−CHBr−Y部分を形成するために二重結合にわたって添加されるとき、脂肪族炭素−炭素二重結合は、「臭素化」されていると言われ、式中、Yは、ポリマー中の別の繰り返し単位であるか、または、末端基の場合、水素である。
不飽和開始材料を四級アンモニウムトリブロミドまたは四級ホスホニウムトリブロミドで臭素化するための好適な方法は、例えば、WO2008/021418及びWO2010/021906に記載される。ピリジニウムトリブロミド、フェニルトリアルキルアンモニウムトリブロミド、ベンジルトリアルキルアンモニウムトリブロミド、及びテトラアルキルアンモニウムトリブロミドは、好適な四級アンモニウムトリブロミドである。具体的な例には、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、テトラメチルアンモニウムトリブロミド、テトラエチルアンモニウムトリブロミド、テトラプロピルアンモニウムトリブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムトリブロミド、またはそれらの任意の2つ以上の混合物が含まれる。好適な四級ホスホニウムトリブロミドは、式Rにより表され得る四級ホスホニウム基を含有し、式中、各Rは、炭化水素基である。四級ホスホニウムトリブロミドは、R基の各々がアルキルである事例においてテトラアルキルホスホニウムトリブロミドであり得る。4つのR基は、全て同じであり得る。あるいは、2つ、3つ、またはさらに4つの異なるR基がリン原子に結合している場合がある。R基は各々、好ましくは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。R基は、より好ましくは、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基である。具体的な四級ホスホニウムトリブロミドの例には、テトラメチルホスホニウムトリブロミド、テトラエチルホスホニウムトリブロミド、テトラ(n−プロピル)ホスホニウムトリブロミド、テトラ(n−ブチル)ホスホニウムトリブロミド、テトラヘキシルホスホニウムトリブロミド、テトラオクチルホスホニウムトリブロミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムトリブロミド、またはそれらの任意の2つ以上の混合物が含まれる。
四級アンモニウムまたはホスホニウムトリブロミド臭素化剤は、対応する四級アンモニウムまたはホスホニウムモノブロミド塩を臭素元素と混合することにより調製され得る。モノブロミド塩は通常、水溶性であるため、トリブロミドを作製する簡便な方法は、臭素元素をモノブロミド塩の水溶液に添加することである。
臭素化は、開始ポリマーを四級アンモニウム及び/またはホスホニウムトリブロミドに接触させることによりもたらされる。四級アンモニウムトリブロミド及び/または四級ホスホニウムトリブロミドの量は、上述されるような開始ポリマー中の共役ジエンの単位の割合を臭素化するために提供される。概して、緩やかな条件のみが、臭素化をもたらすために必要とされる。臭素化温度は、−20〜100℃の範囲であり得、好ましくは0〜85℃である。必ずしも必要ではないが、100℃より高い温度が使用され得、選択性の損失及び/または副産物の増加を引き起こし得る。四級アンモニウムまたはホスホニウムトリブロミド臭素化剤は、反応が進むと、対応する四級アンモニウムまたはホスホニウムモノブロミド塩に転換することになる。
反応の時間は、前述されるように共役ジエンの単位の割合を臭素化するのに十分である。臭素化の程度はしばしば、プロトンNMR方法を使用して判定され得る。
臭素化反応後、部分的に臭素化されたポリマーは、使用される任意の溶媒から回収され得、単離された材料は精製されて、残留の臭素、臭素化剤、溶媒、及び副産物が除去され得る。
次いで、部分的に臭素化されたポリマーは、水及び部分的に臭素化されたポリマーのための水混和性溶媒系の存在下で、N−ハロイミド化合物と反応して、共役ジエンの繰り返し単位の残りの少なくとも一部をハロ水和化し、臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成する。共役ジエンの繰り返し単位のハロ水和化は、上記の構造Iにより表されるハロ水和化部分の形成をもたらす。構造Iにおいて、Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり得る。
N−ハロイミド化合物は、少なくとも1つの
Figure 0006502510
部分を有するものであり、式中、Xは、前述のようなハロゲン原子を示す。中でも、好適なN−ハロイミド化合物は、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、及びN−ヨードスクシンイミドなどのN−ハロスクシンイミド化合物である。
ハロ水和化は、部分的に臭素化されたポリマーのための水混和性溶媒系中で行われる。溶媒系は、部分的に臭素化されたポリマーが反応中に存在する相対比率で溶解する1つ以上の液体である。「水混和性」により、以下に記載されるように、水が反応混合物中に存在する相対比率で、溶媒系中で溶解することを意味する。溶媒系は、水及び部分的に臭素化されたポリマーの両方が溶解する単一の溶媒を含み得る。溶媒などの例は、テトラヒドロフランである。他の実施形態において、溶媒系は、互いに溶解する2つ以上の溶媒の混合物である。かかる事例において、溶媒のうちの少なくとも1つは、それ自体で、部分的に臭素化されたポリマーのための溶媒である非極性材料であり、溶媒のうちの少なくとも1つは、それ自体で水溶性である。溶媒系溶媒は好ましくは、ハロ水和化反応の条件下で液体であり、部分的に臭素化されたポリマーまたはN−ハロイミド化合物と不必要に反応しない。溶媒の例には、四塩化炭素、クロロホルム、ジブロモメタン、ジクロロメタン、及び1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化アルカン、シクロヘキサン及びトルエンなどの炭化水素、ならびにブロモベンゼン、クロロベンゼン、及びジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族化合物が含まれ、それら自体で、部分的に臭素化されたポリマーのための溶媒である。水のための溶媒には、例えば、ジアルキルエーテル及び環状アルキレンエーテルなどの様々なエーテル化合物が含まれる。例には、ジ−t−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジグリム、ジイオスプロピル(diiospropyl)エーテル、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、1,4−ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン、及びモルフォリンが含まれる。
溶液に提供される部分的に臭素化されたポリマーの濃度は、部分的に臭素化されたポリマーと溶媒系とを組み合わせた重量に基づいて、例えば、1〜50重量パーセントであり得る。好ましい量は、同重量に基づいて、2〜25、2〜20、または3〜15重量パーセントである。水の重量は、この濃度を計算する上で溶媒系の重量に含まれない。少なくとも1モルのN−ハロイミド化合物及び少なくとも1モルの水が、ハロ水和化される非共役ジエンの単位の1モル当たり提供される。所望される場合、過剰なN−ハロイミド化合物及び/または水が提供され得る。特に、水はかなり過剰に提供され得る。例えば、水は、溶媒系1重量部当たり、0.1〜1部または0.25〜1重量部などの量で提供され得る。
いくつかの実施形態において、溶媒系及び相対量の溶媒系、部分的に臭素化されたポリマー、水、及びN−ハロイミドが一緒に選択されるため、反応の開始において反応混合物は透明である(しかし、色がついている可能性もある。)
初期の部分的な臭素化反応のように、緩やかな条件のみが、ハロ水和化反応のために必要とされる。反応温度が部分的な臭素化に関して記載される、好適であり、好ましい温度は0〜40℃であることが好ましい。圧力は、溶媒及び水を液体中で凝集状態に維持するのに十分である。N−ハロイミド及び部分的に臭素化されたポリマーが反応すると、特に、N−ブロモイミドまたはN−ヨードイミドがハロ水和化剤である事例において、反応混合物は、色を発生させ得る。ハロ水和化反応を行うために必要とされる時間は、例えば、反応温度、特定の反応物質、反応物質の濃度など、ならびに行われるハロ水和化の量を含む複数の要因に応じる。概して、ハロ水和化反応は、1分〜10時間の間行われ得、5分〜6時間が典型的である。
ハロ水和化反応の間、N−ハロイミド化合物、水、及び脂肪族炭素−炭素二重結合が反応して、ハロヒドリン基、すなわち、上記の構造Iにより表される基が生成される。共役ジエンの単位の少なくとも0.5パーセント(開始ポリマー中の数に基づく)がハロ水和化される。
臭素化及びハロ水和化反応は合わせて、開始ポリマーの共役ジエンの単位の二重結合の好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、及びさらにより好ましくは少なくとも98%を消費する。生成物中の残留二重結合は、特に、生成物が押出成形された物品(発泡体、膜、繊維、塑造物など)を製造するためにバルクポリマーとブレンドされるとき不必要な架橋反応を引き起こし得る。架橋は、ゲル形成及び加工機器の汚損を引き起こし得る。ゲルの存在は、欠陥のある物理的特性、傷のある表面もしくは光学特性、または増加した色形成を引き起こし得る。ゲルは、特にブレンドが発泡されるとき、ブレンドを溶融加工する能力に影響を与え得る。
所望される場合、臭素化ステップで臭素化されなかった共役ジエンの単位の全ては、開始ポリマーの共役ジエンの単位の全てが本発明の方法で臭素化またはハロ水和化される事例において、ハロ水和化され得る。
いくつかの実施形態において、共役ジエンの単位の2〜50%はハロ水和化され、共役ジエンの単位の50〜98%は臭素化され、共役ジエンの単位の0〜10%、0〜5%、または0〜2%は反応しない。いくつかの実施形態において、共役ジエンの単位の5〜35%はハロ水和化され、共役ジエンの単位の65〜95%は臭素化され、0〜10%、0〜5%、または0〜2%は反応しない。他の実施形態において、共役ジエンの単位の75〜98%は臭素化され、共役ジエンの単位の2〜25%はハロ水和化され、0〜10%、0〜5%、または0〜2%は反応しない。さらに他の実施形態において、共役ジエンの単位の80〜95%は臭素化され、5〜20%はハロ水和化され、0〜10%、0〜5%、または0〜2%は反応しない。
臭素化及びハロ水和化ポリマーは好ましくは、元素である炭素、水素、酸素、臭素、及び任意に窒素、ならびにフッ素、塩素、またはヨウ素のうちの1つ以上を、各々が本化合物の総重量の最大1%を構成する全ての他の元素と共に含有する。より好ましくは、臭素化及びハロ水和化ポリマーは、炭素、水素、酸素、及び臭素を、各々が本化合物の総重量の最大1%を構成する全ての他の元素と共に含有する。
ハロ水和化反応後、臭素化及びハロ水和化ポリマーは、使用される任意の溶媒から回収され得、単離された材料は、精製されて、溶媒、試薬、及び副産物が除去され得る。
そのように生成された臭素化及びハロ水和化ポリマーは典型的に、高い熱安定性を特徴とする。臭素化及びハロ水和化ポリマーの熱安定性は、本発明の目的に関して、5%重量減少温度を評価することにより判定される。5%重量減少温度は、以下の方法または同等の方法を使用して、熱重量分析により評価される。10ミリグラムの試料は、室温(名目上25℃)〜600℃の範囲にわたって、TA InstrumentsモデルHi−Res TGA 2950または同等のデバイスを使用して分析され、気体窒素が1分当たり60ミリリットル(mL/分)で流動し、加熱速度は10℃/分である。加熱ステップの間、試料の質量減少が監視され、試料がその初期重量の5%を損失する温度が、5%重量減少温度(5%WLT)とされる。約100℃以下で起こる重量減少が概して無視されるのは、それらの損失が、臭素化及びハロ水和化ポリマーの分解ではなく、むしろ揮発、または残留溶媒もしくは他の不純物を反映するためである。この試験による臭素化及びハロ水和化ポリマーの5%重量減少温度は、少なくとも250℃であるはずであり、好ましくは、少なくとも260℃である。
上述の方法から得られた臭素化及びハロ水和化ポリマーは、いくつかの実施形態において、3重量パーセント以下、及びより好ましくは1重量パーセント以下のゲル材料を含有する熱可塑性材料である。ゲル材料は、未架橋ポリマーのための溶媒中で溶解しない架橋臭素化及びハロ水和化ポリマーである。
上述の方法を実行して、架橋、特に定義された粒子サイズの架橋粒子を生成することも本発明の範囲内である。かかる架橋粒子は、いくつかの用途において有益性を有する。例えば、以下に記載される難燃剤用途において、臭素化及びハロ水和化ポリマーを架橋粒子の形態で提供することは、特定のシステムで特に利点となる具体的な粒子サイズでポリマーを提供することを可能にする。また、架橋は、様々な加工作業を受ける間の粒子をサイズ変更または変形に対して強くさせる。難燃剤として使用される場合、架橋臭素化及びハロ水和化ポリマーの粒子は、例えば、100nm〜50μm、500nm〜25μm、またはいくつかの例の場合、1〜10μmの範囲の直径を有するように調製され得る。粒子の直径は、粒子と同じ体積を有する球の直径とされる。粒子サイズは、ふるい分けまたは光散乱方法により測定され得る。
臭素化及びハロ水和化ポリマーは、多様な他のポリマーのための難燃剤として有用であり、それらは、便宜上、本明細書では「バルク」ポリマーと称される。最も興味深いバルクポリマーは、溶融加工作業により有用である物品に加工される熱可塑性材料である。したがって、バルクポリマーは、250℃以下の温度で溶融加工されることができる任意の熱可塑性ポリマーであり得る。バルクポリマー及び臭素化及びハロ水和化ポリマーは、臭素化及びハロ水和化ポリマーが溶融されたバルクポリマーと適合するように、一緒に選択されるべきである。臭素化及びハロ水和化ポリマーは、それが、存在する相対比率でバルクポリマー中で混和性である場合、またはそれがバルクポリマー内で分散され、精密に分散されたドメインを形成し得る場合、本発明の目的に関してバルクポリマーと適合すると見なされる。これらのドメインは好ましくは、主に25ミクロン未満、及びより好ましくは10ミクロン未満のサイズであるが、いくつかのより大きなドメインが存在し得る。溶融加工された生成物中の臭素化及びハロ水和化ポリマーの主に巨視的(約100ミクロン以上の規模)なドメインの形成は、かかる適合性の欠如を示す。
バルクポリマーとして興味深い熱可塑性ポリマーには、ビニル芳香族ポリマー(ビニル芳香族ホモポリマー、ビニル芳香族コポリマー、または1つ以上のビニル芳香族ホモポリマー及び/もしくはビニル芳香族コポリマーのブレンドを含む)、ならびに臭素化及びハロ水和化ポリマーが溶解するかまたは分散され、主に25μm未満、好ましくは10μm未満のサイズのドメインを形成し得る他の有機ポリマーが含まれる。スチレンのポリマー及びコポリマーが好ましい。エチレン、プロピレン、アクリル酸、無水マレイン酸、及び/またはアクリロニトリルを有するポリスチレンホモポリマー及びスチレンのコポリマーが最も好ましい。ポリスチレンホモポリマーが最も好ましい。上述のポリマーのうちの任意の2つ以上のブレンド、または上述のポリマーのうちの1つ以上と別の樹脂とのブレンドもバルクポリマーとして使用され得る。
バルクポリマーとして興味深い熱可塑性ポリマーには、例えば、ペレットの形態または乳液の形態で提供され得るポリアクリル及びポリメタクリレートポリマーも含まれる。かかる樹脂は、メチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ブチルアクリレート、及び2−ヒドロキシルエチルアクリレートのうちの1つ以上のポリマーまたはコポリマーであり得る。ポリアクリレート及び/またはポリメタリレート(polymetharylate)ポリマーの例には、Luciteにより商品名Elvacite(商標)で市販されるものが含まれる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂は、興味深い他のバルクポリマーである。これらには、The Dow Chemical Companyにより商品名Pelathane(商標)及びIsoplast(商標)で販売されるものが含まれる。
バルクポリマーは、溶融加工を可能にするのに十分に高い分子量を有するべきである。概して、少なくとも10,000の数平均分子量が好適である。
臭素化及びハロ水和化ポリマーは、バルクポリマーとブレンドされて、有機ポリマー組成物が形成される。典型的に、有機ポリマー組成物の総重量に基づいて、0.1重量パーセント〜25重量パーセントの範囲内で臭素含有量を有する有機ポリマー組成物を提供するために十分な臭素化及びハロ水和化ポリマーが存在する。有機ポリマー組成物(臭素化及びハロ水和化ポリマーにより提供される)中の好ましい臭素濃度は、0.25〜10重量パーセントであり、より好ましい量は、0.5〜5重量パーセントであり、さらにより好ましい量は、1〜3重量パーセントである。所定の臭素含有量をブレンドに提供するために必要とされる臭素化及びハロ水和化ポリマーの量は、言うまでもなく、その臭素含有量に少なくとも部分的に応じるであろう。しかし、概して、約0.15重量部ほどに少ない臭素化及びハロ水和化ポリマーが、樹脂の100重量部バルク当たり(pphr)提供され得る。少なくとも0.4pphrまたは少なくとも0.8pphrの臭素化及びハロ水和化ポリマーが、提供され得る。最大100pphrの臭素化及びハロ水和化ポリマーがブレンド中に存在し得るが、より好ましい最大量は、40pphrであり、より好ましい最大量は、20pphrであり、さらにより好ましい最大量は、10pphrまたはさらに6pphrである。
前述されるように、臭素化及びハロ水和化ポリマーは、好ましくは定義された粒子サイズの架橋粒子に形成され得、その後、バルクポリマーとブレンドされる。架橋は、本発明の臭素化及びハロ水和化方法の間に行われ得る。架橋を導入する別の方法は、ヒドロキシル基を、例えば、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステルなどであるがこれらに限定されない2つ以上のヒドロキシル反応性基を含有する硬化剤と反応させることである。粒子は、例えば、臭素化及びハロ水和化ポリマーが液体相中で分散される間に反応を行うことによるか、加熱軟化された臭素化及びハロ水和化ポリマーと硬化剤との混和混合物を形成することによるか、または架橋ポリマーを形成し、次いで、磨砕などの機械的方法によりそれを粒子に形成することにより形成され得る。粒子は、例えば、ワックスまたはポリマー材料でカプセル封入され得る。カプセル封入は、高温または封止剤のための溶媒の存在などの具体的な一連の条件においてのみ、臭素化及びハロ水和化ポリマーを活性化することを可能にすることにより遅延した活性を加え得る。
いくつかの実施形態において、臭素化及びハロ水和化ポリマーとバルクポリマーとのブレンドは、1つ以上の安定剤及び/または脱酸素剤も含有する。中でも、これらは、“Plastic Additive Handbook”,edited by H.Zweifel,5thEd.,p.441(2001)に記載されるような亜りん酸アルキル、様々なエポキシ化合物、ピロリン酸テトラナトリウム、ヒドロカルマイト、ヒドロタルサイト、及びヒドロタルサイトの様な粘土;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、もしくはマンニトール、またはそれらの部分的なエステルなどの1000以下の分子量を有するポリヒドロキシル化合物;ならびに親アリル性(allylophilic)及び/または親ジエン性(dieneophilic)であり得る有機スズ安定剤である。有機スズ化合物には、例えばチオグリコール酸アルキルスズ、メルカプトプロピオン酸アルキルスズ、アルキルスズメルカプチド、マレイン酸アルキルスズ、及びアルキルスズ(マレイン酸アルキル)(ここでは、アルキルは、メチル、ブチル、及びオクチルから選択される)が含まれる。好適な有機スズ化合物は、Ferro Corporation(すなわち、Thermchek(商標)832、Thermchek(商標)835)、及びBaerlocher GmbH(すなわち、Baerostab(商標)OM 36、Baerostab(商標)M25、Baerstab(商標)MSO、Baerostab(商標)M63、Baerostab(商標)OM 710S)から市販されている。
他の、任意の成分は、特定の溶融加工作業に関して必要に応じて、または所望される場合、存在し得る。
有機ポリマー組成物は典型的に、有用な物品を形成するために溶融加工される。本発明の目的に関して、溶融加工は、バルクポリマーと、臭素化及びハロ水和化ポリマーとの溶融体を形成し、溶融体をいくつかの形状に形成し、次いで、溶融体を冷却してそれを凝固し、物品を形成することを伴う。押出成形、注入塑造、圧縮塑造、流延などの様々な溶融加工作業は、本発明の範囲内である。最も興味深い溶融加工作業は、押出成形発泡である。各事例において、溶融加工作業は、任意の簡便な手法で実行され得る。臭素化及びハロ水和化ポリマーの存在を除いて、溶融加工作業は、全く従来の手法で行われ得る。
溶融加工作業中に存在し得る他の添加剤には、例えば、ステアリン酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛などの潤滑剤;UV安定剤、顔料、造核剤、可塑剤、FR相乗剤、カーボンブラック及び黒鉛などのIRブロック剤などが含まれる。
押出成形発泡は、バルクポリマー、臭素化及びハロ水和化ポリマー、発泡剤、ならびに有用であり得るような他の添加剤を含有する加圧溶融体を形成することにより行われる。原料が混合され、ポリマーが溶融されると、得られたゲルが開口部を通してより低圧の区域に押し込まれ、そこで発泡剤が膨張し、ポリマーが凝固して発泡体を形成する。押出成形された発泡体は、シート(最大1/2インチ(12mm)の厚さを有する)、厚板もしくはボードストック(1/2インチ(12mm)〜12インチ(30cm)以上の厚さを有する)、または他の簡便な形状の形態になり得る。発泡体は、所望される場合、癒合されたストランド発泡体を形成するために押出成形され得る。様々な原料は、個別にまたは様々な組み合わせで、加工機器中に供給され得る。予備混合物は、バルクポリマーの粒子と、臭素化及びハロ水和化ポリマーの粒子との乾燥ブレンドの形態であり得る。代替的に、または加えて、バルクポリマー、ならびに臭素化及びハロ水和化ポリマーは、溶融ブレンドされ得、その後、溶融加工作業され、ブレンドの溶融された混合物または粒子が溶融加工作業に導入され得る。ポリマー材料が溶融された後に、発泡剤を別の流れとして導入することが概して好ましい。
押出成形発泡プロセスにおける発泡剤は、発熱(化学)型または吸熱(物質的)型であり得る。二酸化炭素、様々な炭化水素、ハイドロフルオロカーボン、水、アルコール、エーテル、及びハイドロクロロフルオロカーボンなどの物質的発泡剤が、特に好適である。臭素化及びハロ水和化ポリマーが幾分か親水性(臭素化のみされる類似のポリマーと比較して)であるため、水及び/または少なくとも1つのアルコールを含有する発泡剤混合物が、特に興味深い。
臭素化及びハロ水和化ポリマーとバルクポリマーとのブレンドは、前述される5%WLT試験により示される場合、適切な化合物として良好な熱安定性を示す。熱安定性の幾分かより厳しい試験は、240℃開始時間試験であり、これは、バルクポリマー中の臭素化及びハロ水和化ポリマーのブレンドが、測定可能な重量減少が見られるまで240℃の温度に堪え得る時間を評価する。臭素化及びハロ水和化ポリマーは、ブレンドが1.8%の臭素を含有する割合でポリスチレンホモポリマーとブレンドされる。試料は、前述されるように、熱重量分析装置で窒素下、240℃まで加熱され、試料が測定可能な重量減少を示すまでその温度に保たれる。測定可能な重量減少が見られるまでに経過する時間が、240℃開始時間である。240°開始時間は、いくつかの実施形態において、少なくとも7分であり、特にバルクポリマーが、スチレンのホモポリマーまたはコポリマーである事例において、好ましくは少なくとも9分である。
溶融加工作業で生成された物品は、他の溶融加工作業で作製された類似の物品と同じ手法で使用され得る。物品が発泡体であるとき、発泡体は好ましくは、最大80kg/m、より好ましくは最大64kg/m、及びさらにより好ましくは最大48kg/mの密度を有する。断熱材として使用される発泡体は好ましくは、24〜48kg/mの密度を有するボードストックの形態である。ビレット発泡体は好ましくは、24〜64kg/m、より好ましくは28〜48kg/mの密度を有する。発泡体は好ましくは、ASTM D3576による、0.1mm〜4.0mm、特に0.1〜0.8mmの範囲の平均気泡サイズを有する。発泡体は、主に閉鎖セルであり得、すなわち、ASTM D6226−05による、30%以下、好ましくは10%以下、及びさらにより好ましくは5%以下の開放セルを含有し得る。より高い開放セル発泡体も、本発明に従って生成され得る。
本発明に従って作製されるボードストック発泡体は、屋根、壁、または床組立体の部品である建築発泡体断熱材として有用である。本発明に従って作製される他の発泡体は、装飾的ビレット、管断熱として使用され得、成型コンクリート基礎用途で使用され得る。
臭素化及びハロ水和化ポリマーは、イソシアネート系ポリマーのための難燃剤としても有用である。イソシアネート系ポリマーは、ポリイソシアネートと、それ自体(ポリイソシアヌレート及び/またはポリカルボジイミドを形成するため、及び/もしくはポリオールなどのイソシアネート反応性材料(ポリウレタンまたはポリウレタン−イソシアヌレートを形成するため)、水もしくはポリアミン(ポリ尿素を形成するため)、またはかかるイソシアネート反応性材料の混合物(例えば、ポリウレタン尿素、ポリウレタン尿素イソシアヌレートなどを形成するため)との反応で生成されたポリマーである。臭素化及びハロ水和化ポリマーのヒドロキシル基は、イソシアネート基と反応して、臭素化及びハロ水和化ポリマーをイソシアネート系ポリマー構造中に組み込み、よって、難燃剤が滲み出すか、あるいは漏れる傾向を低減するか、またはさらには排除する。ヒドロキシル基は、また、イソシアネート系ポリマーを作製するのに頻繁に使用されるため、ポリオール化合物との適合性を与える。これは、臭素化及びハロ水和化ポリマーが、1つ以上のポリオール化合物、ならびに架橋剤、鎖延長剤、触媒、界面活性剤、及び発泡剤などの任意の構成成分とブレンドされるのを可能にして、ポリイソシアネート化合物との反応のための配合されたポリオール構成成分を生成して、イソシアネート系ポリマーを形成する。臭素化及びハロ水和化ポリマーの増加した適合性は、保管及び輸送中の沈降を低減し、イソシアネート系ポリマーの生成中の均一性を増加する。臭素化及びハロ水和化ポリマーは、過剰なポリイソシアネート化合物と反応して、上述されるようにさらに反応してイソシアネート系ポリマーを生成し得るイソシアネート末端プレポリマーを形成し得る。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、その範囲を限定することを意図しない。全ての部及び割合は、別途示されない限り重量による。
46%の重合されたスチレン及び54%の重合されたブタジエンを含有するスチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマーを、ブタジエンの単位のおよそ82%が臭素化されるように、WO200/021418に記載される一般的な方法に従って、テトラエチルアンモニウムトリブロミドとの反応により部分的に臭素化する。ポリマーを反応溶媒から回収し、乾燥させる。6.13gの部分的に臭素化されたポリマーを、200mLのテトラヒドロフラン中で溶解する。攪拌しながら、16.35gの脱イオン化水を、溶液が濁る点で添加する。さらに50mLのテトラヒドロフランを入れて攪拌して、透明な溶液を生成する。3.54gのN−ブロモスクシンイミドを添加して攪拌し、その後、さらに80mLのテトラヒドロフランを添加して攪拌する。次いで、さらに6.1gの脱イオン化水を添加して、透明な溶液を生成する。透明な溶液を室温で4時間攪拌する。この間、溶液は、徐々にオレンジ色に変わっていく。
375mLの2−プロパノールを、20分の時間にわたって反応溶液に添加する。溶液から臭素化及びハロ水和化ポリマーの沈殿物をろ過し、2−プロパノールで洗浄し、ジクロロメタン中に再溶解し、2−プロパノールの添加により再度沈殿させる。再沈殿した生成物を60℃で乾燥させて、6.45gの恒量にする。
乾燥させた生成物を赤外スペクトルにかける。OH伸縮に関連する強力なバンドが、3572cm−1で見られる。このバンドは、ハロ水和化ステップの前に部分的に臭素化されたポリマーから無くなる。カルボニル基は、本質的に存在しない。プロトンNMRは、炭素−炭素二重結合の不在及びヒドロキシル化炭素原子の存在を示す。この生成物の5%重量減少温度は、約264℃である。
実施例1に記載されるのと同じスチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマーを、ブタジエンの単位のおよそ91%が臭素化されるように、WO200/021418に記載される一般的な方法に従って、テトラエチルアンモニウムトリブロミドとの反応により部分的に臭素化する。部分的に臭素化されたポリマーを反応溶媒から回収し、乾燥させる。40gの部分的に臭素化されたポリマーを、1250mLのテトラヒドロフランと、103.7gの脱イオン化水と、20gのN−ブロモスクシンイミドとの混合物中に溶解して、時間の経過と共にオレンジ色に変わる透明な反応溶液を形成する。溶液を室温で24時間攪拌する。臭素化及びハロ水和化ポリマーを、実施例1に記載されるのと同じ手法で回収する。
プロトンNMRは、約3.5ppmでのヒドロキシル化炭素の存在、及び開始材料の脂肪族炭素−炭素二重結合のおよそ2%が未反応のままであることを示す。この生成物の5%重量減少温度は、約256℃である。
臭素化及びハロ水和化ポリマーの一部を、25トンの圧力下で5分間、180℃で加硫プレス上で圧縮成形し、プレス上で20℃に冷却する。圧縮成形された材料から、約7.5×7.5×1.5mmの寸法を有する長方形の試料を切り取る。封止された50mLのバッチ発泡機内で、試料を125℃に加熱する。二酸化炭素を、1000psiの圧力までチャンバ中に注入し、試料を、二酸化炭素がその中に溶解するのを可能にする温度及び圧力で3.5時間維持する。次いで、加熱されたチャンバ内に圧力を放出して、試料を急速に減圧して、それを膨張させ、冷却し、発泡構造を生成する。試料をすぐに除去する。
発泡構造を切り取り、セル構造に曝露する。曝露された表面を黒色のインクで黒くして対比を強調し、次いで、光学顕微鏡下で検査する。画像において各セルの直径を、その最も長い軸に沿って測定する。平均気泡サイズ及び標準偏差を計算する。
比較のために、部分的に臭素化されたポリマーの試料を、ハロ水和化ステップの前に取り、同じ手法で発泡体に形成する。発泡された臭素化及びハロ水和化ポリマーの気泡サイズは、発泡された部分的に臭素化された(しかし、ハロ水和化されていない)材料の気泡サイズより著しく大きい。これは、ヒドロキシル基の存在に因る、二酸化炭素の溶解性の著しい増加を示す。より大きなセル(より多くのより小さいセルの代わりに)の形成が、より効率的な発泡体の膨張と相互に関連するため、増加した気泡サイズは利点となり、これは、所定の量の発泡剤でより低い発泡体の密度及びより大きな断面を生成する容易さの改善をもたらす。
臭素化及びハロ水和化ポリマーの一部をトルエン中で溶解して、10重量%の溶液を形成する。この溶液の、水に対する界面エネルギーを、Du Nouyリング方法を使用して測定する。最大力を、電子力検出器を備え付けた張力計を使用して測定し、界面張力σをσ=F/(L−cosθ)として計算し、式中、Fは、測定された力であり、Lは、環のぬれ長さ(内部及び外部円周の合計として計算する)であり、θは、接触角度である。白金−イリジウム環材料に関して、Cosθ=1である。
実施例2で生成された臭素化及びハロ水和化材料に対する界面張力は、約27mN/mである。比較のために、臭素化されているがハロ水和化はされていないポリマーの界面系を同じ手法で測定すると、29mN/mを超えることが分かる。これらの結果は、臭素化及びハロ水和化ポリマー上のヒドロキシル基の存在が、材料の親水性に影響を与えることを示す。
(態様)
(態様1)
少なくとも1つの共役ジエンの臭素化及びハロ水和化(halohydrated)ポリマーを調製するための方法であって、(a)少なくとも1つの共役ジエンの開始ポリマーを四級アンモニウムトリブロミド、四級ホスホニウムトリブロミド化合物、または四級アンモニウムトリブロミド及び四級ホスホニウムトリブロミドの両方と反応させ、前記開始ポリマー中の前記共役ジエンの繰り返し単位の50%〜98%を臭素化して、部分的に臭素化されたポリマーを形成することと、次いで、(b)水及び前記部分的に臭素化されたポリマーのための水混和性溶媒系の存在下で、前記部分的に臭素化されたポリマーをN−ハロイミド化合物と反応させて、前記共役ジエンの繰り返し単位の残りの少なくとも一部をハロ水和化し、臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成することと、を含む、方法。
(態様2)
前記N−ハロイミドが、N−ハロスクシンイミドである、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記N−ハロイミドが、N−ブロモイミドである、態様1または2に記載の方法。
(態様4)
前記共役ジエンの単位の65〜95%がステップ(a)で臭素化され、前記共役ジエンの単位の5〜35%がステップ(b)でハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、態様1〜3のいずれかに記載の方法。
(態様5)
前記共役ジエンの単位の75〜98%がステップ(a)で臭素化され、前記共役ジエンの単位の2〜25%がステップ(b)でハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、態様1〜3のいずれかに記載の方法。
(態様6)
前記共役ジエンの単位の80〜95%がステップ(a)で臭素化され、前記共役ジエンの単位の5〜20%がステップ(b)でハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、態様5に記載の方法。
(態様7)
ステップ(b)において、前記水混和性溶媒系中の前記部分的に臭素化されたポリマーの濃度が、部分的に臭素化されたポリマーと溶媒系とを組み合わせた重量に基づいて、2〜25重量パーセントである、態様1〜6のいずれかに記載の方法。
(態様8)
ステップ(b)において、水が、前記溶媒系の1重量部当たり0.25〜1重量部の量で存在する、態様1〜7のいずれかに記載の方法。
(態様9)
前記開始ポリマーが、ポリスチレン標準物に対するゲル浸透クロマトグラフィーによって、少なくとも20,000の重量平均分子量を有するスチレン及びブタジエンのコポリマーである、態様1〜8のいずれかに記載の方法。
(態様10)
前記方法から得られた前記臭素化及びハロ水和化ポリマーが、3重量パーセント以下のゲル材料を含有する熱可塑性材料である、態様1〜9のいずれかに記載の方法。
(態様11)
前記臭素化及びハロ水和化が、ステップ(b)または後のステップで架橋している、態様1〜9のいずれかに記載の方法。
(態様12)
前記臭素化及びハロ水和化ポリマーが、粒子に形成される、態様1〜11のいずれかに記載の方法。
(態様13)
態様1〜12のいずれかに記載の方法に従って作製される、臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様14)
少なくとも1つの共役ジエンの臭素化及びハロ水和化ポリマーであって、前記ポリマーの前記共役ジエンの単位の2〜50%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の50〜98%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜10%が反応せず、臭素化及びハロ水和化ポリマーが、少なくとも250℃の5%重量減少温度を有する、臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様15)
前記共役ジエンの単位の5〜35%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の65〜95%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、態様13に記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様16)
前記共役ジエンの単位の2〜25%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の75〜98%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、態様13に記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様17)
前記共役ジエンの単位の5〜20%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の80〜95%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、態様16に記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様18)
3重量パーセント以下、及びより好ましくは1重量パーセント以下のゲル材料を含有する熱可塑性材料である、態様14〜17のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様19)
架橋している、態様14〜17のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様20)
500nm〜25μmの直径を有する粒子の形態である、態様14〜19のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
(態様21)
少なくとも1つのポリオールと、態様14〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーと、を含む、ポリオール組成物。
(態様22)
態様14〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーを含有する、イソシアネート系ポリマー。
(態様23)
バルクポリマーと、態様14〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーと、を含有する、押出成形されたポリマー発泡体。
(態様24)
前記バルクポリマーと、前記臭素化及びハロ水和化ポリマーと、二酸化炭素、水、及びアルコールのうちの少なくとも1つを含有する発泡剤とを含有する加圧溶融体を形成することと、前記溶融体を、開口部を通してより低圧の区域に押し込み、そこで前記発泡剤が膨張し、前記バルクポリマーが凝固して発泡体を形成することと、を含む、態様23に記載の押出成形されたポリマー発泡体を作製するための方法。
(態様25)
スチレンの1つ以上のポリマーもしくはコポリマー、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレートポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の混合物であるバルクポリマーと、態様1〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーと、を含む、ポリマーブレンド。

Claims (25)

  1. 少なくとも1つの共役ジエンの臭素化及びハロ水和化(halohydrated)ポリマーを調製するための方法であって、(a)少なくとも1つの共役ジエンの開始ポリマーを四級アンモニウムトリブロミド、四級ホスホニウムトリブロミド化合物、または四級アンモニウムトリブロミド及び四級ホスホニウムトリブロミドの両方と反応させ、前記開始ポリマー中の前記共役ジエンの繰り返し単位の50%〜98%を臭素化して、部分的に臭素化されたポリマーを形成することと、次いで、(b)水及び前記部分的に臭素化されたポリマーのための水混和性溶媒系の存在下で、前記部分的に臭素化されたポリマーをN−ハロイミド化合物と反応させて、前記共役ジエンの繰り返し単位の残りの少なくとも一部をハロ水和化し、臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成することと、を含む、方法であって、ここで前記ハロ水和化とは、脂肪族炭素−炭素二重結合−C=C−とBr−OHとが反応して、−C(−Br)(−H)−C(−OH)(−H)−を生成する反応をいう、方法。
  2. 前記N−ハロイミドが、N−ハロスクシンイミドである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記N−ハロイミドが、N−ブロモイミドである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記共役ジエンの単位の65〜95%がステップ(a)で臭素化され、前記共役ジエンの単位の5〜35%がステップ(b)でハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記共役ジエンの単位の75〜98%がステップ(a)で臭素化され、前記共役ジエンの単位の2〜25%がステップ(b)でハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記共役ジエンの単位の80〜95%がステップ(a)で臭素化され、前記共役ジエンの単位の5〜20%がステップ(b)でハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、請求項5に記載の方法。
  7. ステップ(b)において、前記水混和性溶媒系中の前記部分的に臭素化されたポリマーの濃度が、部分的に臭素化されたポリマーと溶媒系とを組み合わせた重量に基づいて、2〜25重量パーセントである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ステップ(b)において、水が、前記溶媒系の1重量部当たり0.25〜1重量部の量で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記開始ポリマーが、ポリスチレン標準物に対するゲル浸透クロマトグラフィーによって、少なくとも20,000の重量平均分子量を有するスチレン及びブタジエンのコポリマーである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記方法から得られた前記臭素化及びハロ水和化ポリマーが、3重量パーセント以下のゲル材料を含有する熱可塑性材料である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記臭素化及びハロ水和化ポリマーが、ステップ(b)で架橋る、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  12. 前記臭素化及びハロ水和化ポリマーが、粒子に形成される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法に従って作製される、臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  14. 少なくとも1つの共役ジエンの臭素化及びハロ水和化ポリマーであって、前記ポリマーの前記共役ジエンの単位の2〜50%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の50〜98%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜10%が反応せず、臭素化及びハロ水和化ポリマーが、少なくとも250℃の5%重量減少温度を有する、臭素化及びハロ水和化ポリマーであって、ここで前記臭素化及びハロ水和化ポリマーとは、脂肪族炭素−炭素二重結合−C=C−とBr−OHとが反応して生成された−C(−Br)(−H)−C(−OH)(−H)−を含むポリマーをいう、臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  15. 前記共役ジエンの単位の5〜35%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の65〜95%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、請求項1に記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  16. 前記共役ジエンの単位の2〜25%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の75〜98%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、請求項1に記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  17. 前記共役ジエンの単位の5〜20%がハロ水和化され、前記共役ジエンの単位の80〜95%が臭素化され、前記共役ジエンの単位の0〜5%が反応しない、請求項16に記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  18. 3重量パーセント以下のゲル材料を含有する熱可塑性材料である、請求項14〜17のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  19. 架橋している、請求項14〜17のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  20. 500nm〜25μmの直径を有する粒子の形態である、請求項14〜19のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマー。
  21. 少なくとも1つのポリオールと、請求項14〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーと、を含む、ポリオール組成物。
  22. イソシアネート系ポリマーおよび請求項14〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーを含有する、ポリマー組成物
  23. バルクポリマーと、請求項14〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーと、を含有する、押出成形されたポリマー発泡体。
  24. 前記バルクポリマーと、前記臭素化及びハロ水和化ポリマーと、二酸化炭素、水、及びアルコールのうちの少なくとも1つを含有する発泡剤とを含有する加圧溶融体を形成することと、前記溶融体を、開口部を通してより低圧の区域に押し込み、そこで前記発泡剤が膨張し、前記バルクポリマーが凝固して発泡体を形成することと、を含む、請求項23に記載の押出成形されたポリマー発泡体を作製するための方法。
  25. スチレンの1つ以上のポリマーもしくはコポリマー、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレートポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の混合物であるバルクポリマーと、請求項13〜20のいずれかに記載の臭素化及びハロ水和化ポリマーと、を含む、ポリマーブレンド。
JP2017538950A 2015-01-30 2016-01-27 臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成するための方法 Active JP6502510B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562109777P 2015-01-30 2015-01-30
US62/109,777 2015-01-30
PCT/US2016/015216 WO2016123263A1 (en) 2015-01-30 2016-01-27 Method for producing brominated and halohydrated polymers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018507286A JP2018507286A (ja) 2018-03-15
JP6502510B2 true JP6502510B2 (ja) 2019-04-17

Family

ID=55361966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017538950A Active JP6502510B2 (ja) 2015-01-30 2016-01-27 臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成するための方法

Country Status (7)

Country Link
US (2) US10457751B2 (ja)
EP (1) EP3250613B1 (ja)
JP (1) JP6502510B2 (ja)
CN (1) CN107207631B (ja)
CA (1) CA2975380C (ja)
ES (1) ES2743445T3 (ja)
WO (1) WO2016123263A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3625310B1 (de) 2017-05-17 2021-04-28 Basf Se Bromierte flammschutzmittel
US11248080B2 (en) 2017-05-17 2022-02-15 Basf Se Brominated flame retardant
EA202191140A1 (ru) 2018-12-27 2021-09-28 Публичное акционерное общество "СИБУР Холдинг" Модифицированный (со)полимер, способ его получения и применение
WO2020139114A1 (en) 2018-12-27 2020-07-02 Public Joint Stock Company "Sibur Holding" Modified diene-containing (co)polymer, method for preparing thereof and use of the same as flame retardant
WO2020139111A1 (en) 2018-12-27 2020-07-02 Public Joint Stock Company "Sibur Holding" Modified diene-containing (co)polymer, method for producing the same and use of the same as a flame retardant
CN113260637B (zh) * 2018-12-27 2023-06-16 公共型股份公司希布尔控股 经改性的含二烯(共聚)聚合物,用于制备其的方法和作为阻燃剂的用途
WO2020139113A1 (en) 2018-12-27 2020-07-02 Public Joint Stock Company "Sibur Holding" Modified diene-containing (co)polymer, method for preparing thereof and use of the same as flame retardant
RU2741967C1 (ru) * 2019-12-26 2021-02-01 Публичное акционерное общество «СИБУР Холдинг» Способ получения модифицированного диенсодержащего (со)полимера и его применение в качестве антипирена
CN114957590B (zh) * 2022-06-29 2023-05-05 合肥安邦化工有限公司 一种水性异氰酸酯衍生物交联剂及其制备方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3534119A (en) * 1967-04-11 1970-10-13 Uniroyal Inc Crosslinking epdm rubber with dimethylol phenol
JP2001031598A (ja) * 1999-07-19 2001-02-06 Nippon Shokubai Co Ltd 含フッ素芳香族化合物およびその中間体の製造方法
US20070036358A1 (en) 2005-08-10 2007-02-15 Nguyen Bao T Secure and automatic configuration of wireless networks
AU2006315878A1 (en) * 2005-11-12 2007-05-24 Dow Global Technologies Inc. Brominated butadiene/vinyl aromatic copolymers, blends of such copolymers with a vinyl aromatic polymer, and polymeric foams formed from such blends
ES2751021T3 (es) 2006-08-16 2020-03-30 Dow Global Technologies Llc Procedimiento para bromar copolímeros de butadieno/vinilo aromático
CN102015774B (zh) * 2008-05-01 2013-01-02 陶氏环球技术公司 用于溴化丁二烯共聚物的两步法
US8613298B2 (en) * 2008-05-15 2013-12-24 The Goodyear Tire & Rubber Company Functionalized elastomers
US8372921B2 (en) * 2008-08-22 2013-02-12 Dow Global Technologies Llc Process for brominating unsaturated organic compounds using a quaternary phosphonium tribromide as the brominating agent
EP2379605B1 (en) * 2008-12-19 2014-03-12 Dow Global Technologies LLC Process for brominating butadiene polymers using ester solvent mixtures
CA2766398C (en) * 2009-06-30 2017-01-17 Dow Global Technologies Llc Brominated and epoxidized flame retardants
JP2011136924A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Sagami Chemical Research Institute 4−ヒドロキシテトラヒドロピラン誘導体およびそれらの製造方法
MY162164A (en) * 2010-01-20 2017-05-31 Lanxess Int Sa Process for production of polymer nanocomposites
CN103140508A (zh) * 2010-09-30 2013-06-05 陶氏环球技术有限责任公司 从溴化反应溶液回收溴化苯乙烯-丁二烯共聚物的方法
US9062133B2 (en) * 2010-09-30 2015-06-23 Dow Global Technologies Llc Process for brominating butadiene polymers using mixed solvents
CN103189176B (zh) * 2010-10-29 2016-05-18 陶氏环球技术有限责任公司 熔体脱挥发分挤出方法
WO2012153348A2 (en) * 2011-05-09 2012-11-15 Glenmark Generics Limited Process for preparation of prasugrel and its intermediates

Also Published As

Publication number Publication date
CA2975380C (en) 2023-08-22
CN107207631A (zh) 2017-09-26
EP3250613A1 (en) 2017-12-06
EP3250613B1 (en) 2019-06-19
WO2016123263A8 (en) 2017-08-03
US10457751B2 (en) 2019-10-29
US10781271B2 (en) 2020-09-22
US20200002442A1 (en) 2020-01-02
CN107207631B (zh) 2019-04-12
US20180002455A1 (en) 2018-01-04
ES2743445T3 (es) 2020-02-19
JP2018507286A (ja) 2018-03-15
WO2016123263A1 (en) 2016-08-04
CA2975380A1 (en) 2016-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6502510B2 (ja) 臭素化及びハロ水和化ポリマーを生成するための方法
JP6185519B2 (ja) 臭素化及びエポキシ化難燃剤
EP1957544B1 (en) Brominated butadiene/vinyl aromatic copolymers, blends of such copolymers with a vinyl aromatic polymer, and polymeric foams formed from such blends
CA2747386C (en) Stabilizers for flame retardant polymers containing aliphatically-bound bromine
JP5894188B2 (ja) ポリスチレン溶融押出し法
RU2483088C2 (ru) Бромированные полимеры в качестве пламягасителей и содержащие их полимерные системы
JP5612599B2 (ja) エステル溶媒混合物を使用するブタジエンポリマーの臭素化プロセス
JP2008525572A (ja) 難燃性発泡ポリスチレンフォーム組成物
KR100809667B1 (ko) 초저밀도 수발포 폴리우레탄 조성물 및 그 제조 방법
US8450383B2 (en) Extruded polymer foams containing esters of a sugar and a brominated fatty acid as a flame retardant additive
JP6254706B2 (ja) 有機溶媒から臭素化スチレン−ブタジエンコポリマーを回収するための方法
JP2006274074A (ja) 硬質ポリウレタン発泡体の製造方法
RU2482139C2 (ru) Экструдированные полимерные пеноматериалы, содержащие добавки, придающие огнеупорные свойства, на основе бромированных жирных кислот
EP2877525A2 (en) Foamable pvc composition and foamed pvc polymers prepared thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190320

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6502510

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250