JP6501442B2 - 呼吸用ガスの加温加湿器 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、水面上に浮かぶフロートに給水口(水注入口)の封止部を設けており、その封止部が、チャンバ内の水が指定水位(第1水位)を超えると給水口を封止し、指定水位よりも下方にあるときには給水口を開放して、チャンバ内の水位を一定に保つことが記載されている。
さらに、チャンバ内を清潔に保つために定期的に洗浄が行われるが、特許文献1や特許文献2に記載の加温加湿器のようなチャンバ内にフロートを設ける構成では、呼吸用ガスの経路内に配置される部品点数が多くなり、洗浄作業が煩雑になるという問題がある。
チャンバ内の水の量(水位)をセンサにより管理することができ、センサの出力に応じて給水を行うことで安定した加湿能力を維持して加温加湿器の連続的な運転を確保することができる。また、センサはチャンバの外部に配置されており、チャンバの外部から呼吸用ガスの経路内に非接触の照射光によってチャンバ内の水位を検知する構成とされているため、チャンバ内の洗浄作業を容易に行うことができる。
この場合、各受光部により異なる水位を検出することができ、より細かなチャンバ内の水位の制御が可能となる。また、各発光部の照射タイミングをずらして照射させているので、隣接する受光部が異なる高さの照射光を拾って誤認識することが防止され、安定した検出を行うことができることから、チャンバ内の水位を正確に把握することができる。
隣接するユニットの発光部が照射する照射光の照射方向が逆向きになっているので、隣接するユニットの照射光を誤認識するおそれがなく、水位の検出をより正確に行うことができる。
図1に示す本実施形態の呼吸用ガスの加温加湿器100は、例えば、自発呼吸を補助して呼吸障害を治療するためのCPAP装置等に接続されて用いられる。CPAP装置は、持続気道陽圧(CPAP:continuous positive airway pressure)と呼ばれる方式の補助喚起法を用いて患者に治療を施す装置であり、ネーザルプロング、気管挿管チューブ、鼻マスク等の患者インターフェースを介して所定量の酸素と空気との混合ガスからなる呼吸用ガスを患者に供給する。そして、加温加湿器100は、患者に供給される呼吸用ガスを適度の温度及び湿度に維持するために設けられており、CPAP装置から送られる呼吸用ガスは加温加湿器100で加温加湿され、患者に供給されるようになっている。
また、加温加湿器100の基台2には、チャンバ3内に溜められた水の水位を検出するためのセンサ20(図5参照)が設けられており、加温加湿器100の運転時にチャンバ3内の水位に応じて、給水部6から水が供給されるようになっている。その詳細は、後述する。
なお、加温加湿器100は、図1に示すように、キャスタ71により移動自在な架台7上に載置されており、架台7とともに全体を移動可能になっている。
また、チャンバ3の容器部8及び蓋部9は、例えばポリカーボネート樹脂(PC)やPMMA等のアクリル樹脂、ポリスルホン樹脂(PSU)等の透明な樹脂により形成されている。
また、蓋部8には、図1及び図2に示すように、チャンバ3の内部空間に呼吸用ガスを取り込む吸入口41と、チャンバ3内で加湿された呼吸用ガスを外部に導き出す吹出口51と、チャンバ3内に加湿用の水を供給する給水口61とが設けられている。そして、吸入口41は供給用ホース4に接続され、吹出口51はインターフェース接続ホース5に接続され、吸水口61は給水部6に接続されている。
この場合、ヒートシンク23と加熱板81とは、上方に向かうにしたがって漸次縮径するように若干のテーパ状に形成され、ヒートシンク23の外周面23aと加熱板81の内周面81bとがほぼ同じ傾斜角度に形成されていることにより、ヒートシンク23に加熱板81を嵌合したときに、加熱板81の内周面81bとヒートシンク23の外周面23aとが面接触し、ヒータ22の熱がヒートシンク23を介して加熱板81に円滑に伝えられるようになっている。
そして、この加熱板81の外周面81aに、シート状加湿部材11を有するタワーユニット10が着脱可能に取り付けられるようになっている(図6参照)。
枠体12は、タワーユニット10の長さ方向の両端に配置される円環部を4本の板状部で繋いだ形状とされており、板状部の間を塞ぐようにシート状加湿部材11が取り付けられることにより、シート状加湿部材11がほぼ円筒状に保持されている。この場合、加熱板81が若干のテーパ状に形成されていることから、この加熱板81の外周面81aにシート状加湿部材11を緊密接触できるように、枠体12の板状部及びシート状加湿部材11も加熱板81と同様に、上方に向かうにしたがって漸次縮径するように傾斜を設けた若干のテーパ状に形成されている。
そして、タワーユニット10を容器部8の加熱板81に取り付けた状態では、シート状加湿部材11が加熱板81の外周面81aに面接触するように配置されるとともに、仕切り板13によりチャンバ3の内部空間を内側と外側との二重のリング状空間に区画する。したがって、チャンバ3の内部空間は、シート状加湿部材11が配置される内側の加湿空間31と、その加湿空間31に隣接する予熱空間32とに区画されることとなる。
この場合、タワーユニット10の下端部が水に浸漬するとともに、加熱板81の下端部も水に浸漬して設けられるが、タワーユニット10及び加熱板81の大部分は水面上に露出して設けられる。このため、加熱板81によってチャンバ3内の水を加熱することができるとともに、チャンバ3内の空間を温めることができ、チャンバ3の内部空間の湿度を高めることができる。
なお、シート状加湿部材11は、枠体12に接着することにより取り付けることができるが、予め枠体12の成形時に金型内にシート状加湿部材11を挿入しておくことで、枠体12と一体化して設けることもできる。
給水ホース63は、チャンバ3の蓋部9に設けられた給水口61に接続されており、後述するセンサ20の出力結果を受け、チャンバ3内に貯留された水の水位に応じて、給水用バッグ62からチャンバ3内に水が供給されるようになっている。
また、図示は省略するが、加温加湿器100には、チャンバ3内に呼吸用ガスを送り込むためのガス供給機(例えば、CPAP装置)が接続される。
発光部26には、例えば赤外線領域の波長光を発光するLED光源が用いられる。なお、光源の波長域はこれに限定されるものではなく、他の領域の光源を使用することも可能である。また、受光部27には、発光部26の光源の波長域に対応する感度を有する各種のフォトダイオードが用いられる。
そして、各発光部26は、図7に示すように、基板26B上に高さ方向に間隔をあけて均等に配置されている。また、各受光部27も基板27B上に、発光部26と同様の間隔をあけて高さ方向に均等に並べられており、ユニットごとに発光部26と受光部27とが同じ高さになるように配置されている。そして、受光部27は、各ユニットの発光部26から照射された照射光Lの照射方向に対してチャンバ3に貯留された水を経由することで屈折した方向に進行する照射光L1を、受光可能な位置に設けられている。
このように、センサ20は、発光部26から照射された照射光Lを受光部27で検出できるか否かで、チャンバ3内の水位がセンサ20の取り付け高さよりも高いか低いかを検出することができるようになっている。
例えば、最も下側に配置された受光部26aと発光部27aとからなるユニットが照射光Lを検出しているが、中央に配置された発光部26bと受光部27bとからなるユニットが照射光Lを検出できない状態であれば、チャンバ3内の水位は、下側のユニットと中央のユニットとの間の高さにあることがわかる。また、下側のユニット及び中央のユニットが照射光Lを検出しているが、発光部26cと受光部27cとからなる上側のユニットが照射光Lを検出できない状態であれば、チャンバ3内の水位は、中央のユニットと上側のユニットとの間の高さにあることがわかる。したがって、これら3段階の高さに配置されたユニットの検出結果に基づき、チャンバ3内の水位を細かく検出することができるようになっている。
そして、センサ20の検出結果(受光部26a〜26cの検出結果)に基づいてチャンバ3内の水位が判定され、チャンバ3内の水位が標準位置よりも下側であると判定されると、給水部6から水が自動給水されるようになっている。
さらに、本実施形態の加温加湿器100においては、チャンバ3の周囲に立設される壁面29に、光の反射率が低く遮光性能を有する植毛紙が貼り付けることで、予定された照射光L以外の光を植毛紙で遮断し、外乱光が開口部28内に入り込むことがないようにしている。なお、植毛紙以外にも、壁面29に艶消し塗装を施すことによっても同様の効果を得ることができる。
また、発光部26と受光部27とを間欠駆動しておき、各発光部26の発光タイミングと各受光部27の受光タイミングとを一致させることで、外乱光の影響を低減することができる。
チャンバ3内に呼吸用ガスを供給する前に、給水用バッグ62からチャンバ3内に給水を行う。これにより、シート状加湿部材11の下端部が水面下に浸漬され、シート状加湿部材11が水を吸い上げて湿潤状態となる。そして、この状態でガス供給機を駆動することにより、呼吸用ガスを吸入口41からチャンバ3内に供給する。
加湿空間31に取り込まれた呼吸用ガスは、流れの向きを上向きに変えて上部の吹出口51に向かって流れる。この際、呼吸用ガスは、加熱板81によって温められた湿潤状態のシート状加湿部材11の表面をなぞるようにその表面に沿って流れることにより、シート状加湿部材11に含まれる水分を気化させ、その水蒸気が取り込まれることで加湿される。そして、加湿された呼吸用ガスは、吹出口51から外部へと取り出される。
また、チャンバ3内の水が消費されることに伴い水位が低下するが、加温加湿器100においては、センサ20の出力結果(受光部27の検出結果)に基づいてチャンバ3内の水位が判定されるようになっており、チャンバ3内の水位が標準位置よりも下側であると判定されると、給水部6から水が自動給水されるようになっている。
したがって、センサ20の出力に応じて給水を行うことでチャンバ3内の水位を所定の範囲内で管理することができ、安定した加湿能力を維持して加温加湿器100の連続的な運転を確保することができる。
具体的には、センサ20の中央の高さに配置される発光部26bと受光部27bとからなるユニットにおいて、照射光Lが検出されない状態となると水が供給され、照射光Lが検出されると水の供給が停止されるようになっている。
この場合、チャンバ3内の水位がセンサ20の取り付け高さよりも低い場合に、受光部27で照射光Lを検出することができるが、水位がセンサ20の取り付け高さよりも高い場合は、照射光Lがチャンバ3内の水を経由する際に屈折して進行方向が曲げられるために受光部27で照射光Lを検出することができなくなる。したがって、この場合においても、上記実施形態の加温加湿器100と同様に、照射光Lを受光部27で検出できるか否かで、チャンバ3内の水位がセンサ20の取り付け高さよりも高いか低いかを検出することができる。
なお、反射方式では、チャンバ3の傷や汚れにより誤検出のおそれがあるが、屈折透過方式では、その誤検出のおそれが少ない。
隣接するユニットの発光部26が照射する照射光の照射方向が逆向きになっているので、隣接するユニットの照射光を受光部27で誤認識するおそれがなく、チャンバ3内の水位の検出をより正確に行うことができる。
また、センサ20はチャンバの外部に配置されており、チャンバの外部から呼吸用ガスの経路内に非接触の照射光Lによってチャンバ3内の水位を検知する構成とされているため、チャンバ3内の洗浄作業を容易に行うことができる。
2 基台
3 チャンバ
4 供給用ホース
5 インターフェース接続ホース
6 給水部
7 架台
8 容器部
9 蓋部
10 タワーユニット
11 シート状加湿部材
12 枠体
13 仕切り板
20 センサ
21 凹部
22 ヒータ
23 ヒートシンク
24 ヒンジ機構部
25 ロック部
26,26a〜26c 発光部
26B,27B 基板
27,27a〜27c 受光部
28 開口部
29 壁面
31 加湿空間
32 予熱空間
33 連通部
34 下側連通部
35 上側連通部
41 吸入口
51 吹出口
61 給水口
62 給水用バッグ
63 給水ホース
64 送水ポンプ
71 キャスタ
81 加熱板
100 呼吸用ガスの加温加湿器
Claims (2)
- 水を溜めたチャンバ内に呼吸用ガスを流通させて加温加湿する呼吸用ガスの加温加湿器であって、発光部から水平方向に照射された照射光を該発光部と同じ高さに配置された受光部で受光することにより前記チャンバ内に溜められた水の水位を検出するセンサを備えており、前記発光部及び前記受光部は前記チャンバの外部に設けられるとともに、前記受光部は前記照射光の照射方向に対して前記チャンバ内の水を経由することで屈折した方向に進行する照射光を受光可能な位置に設けられており、
前記センサは、一対の発光部と受光部とからなるユニットを2組以上備えており、
各ユニットは、高さ方向に間隔をあけて配置され、各ユニットの発光部の照射タイミングをずらして照射光を照射する構成とされ、
各ユニットにおいて、受光部で照射光が検出されない状態となると水が供給され、照射光が検出されると水の供給が停止されることを特徴とする呼吸用ガスの加温加湿器。 - 各ユニットの発光部と受光部とが隣接するユニットごとに照射方向が逆向きとなるように交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載の呼吸用ガスの加温加湿器。
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