JP6500658B2 - 方法、装置及び測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、方法、装置及び測定装置に関する。
従来、X線を試料に照射して、試料の物性を測定することが行われている。例えば、X線が照射された試料から放射される蛍光X線を検出して、試料に含まれる元素の分析が行われている。
また、X線が照射された試料から放射される電子を検出して、検出される電子に基づく電流を測定することにより、試料の表面付近の情報を取得することが提案されている。具体的には、試料が含む元素の内殻電子を励起するための特定のエネルギー(吸収端エネルギー)以上のエネルギーを持つX線を試料に照射し、内殻電子を励起させて、試料の表面から外部に放出されるオージェ電子を検出する。オージェ電子に基づいた試料の分析は、特に表面近傍の情報を得ることに適している。
さて、上述したX線を用いて測定される試料として、金属又は金属酸化物等が表面に被膜(コーティング)されたミクロンサイズの微粒子がある。微粒子の表面に被覆層を設けることにより、新たに触媒機能や導電性機能をもたせたり、耐食性又は耐摩耗性を向上させたりするパウダーコーティング技術が利用されるようになってきている。このような技術を用いて形成された微粒子材料は、電池電極材料、光触媒、抗菌材料等の幅広い分野に応用されている。
このような被膜層を有する微粒子材料の開発及び製造では、被膜層の膜厚等の測定が行われて、微粒子材料の機能との関係が調べられている。
特開2002−213935号公報 特開昭63−25540号公報
また、被覆層を有する第1粒子と、被覆層を有さない第2粒子とが混合された微粒子材料が提案されている。このような微粒子材料に対して、第1粒子の被覆層の厚さを測定することと、第2粒子の大きさを測定することが求められている。
このような微粒子材料を測定する方法としては、走査型電子顕微鏡(SEM)観察とエネルギー分散型X線(EDX)分析を組み合わせた方法がある。SEM観察によれば、電子線を絞った電子ビームを試料表面上に走査させて照射し、試料表面から放出される二次電子又は反射電子を検出することで、試料の表面が観察される。また、EDX分析によれば、二次電子又は反射電子と同時に放射される特性X線を検出して元素が分析される。この方法では、粒子の寸法及び粒子の表面における被膜層の構造を測定することが可能である。また、この方法では、粒子の元素分布を同時に測定することにより、測定された元素分布に基づいて、第1粒子と第2粒子とを識別することができる。
しかし、上述したSEM観察とEDX分析を利用すると、微粒子の被膜層の一部を剥ぐ等、試料の調整に時間と手間がかかるという問題がある。また、測定により得られる情報は、観察された試料の一部に基づいているので、試料全体の統計的な情報を得ることが困難である。
また、基板上に薄膜が形成されている試料に対して、X線を照射して、薄膜の厚さを測定することが提案さているが、上述したような第1粒子の被覆層の厚さを測定することと、第2粒子の大きさを測定することには適用できない。
本明細書では、上述した粒子材料の測定における問題を解決し得る方法を提供することを課題とする。
また、本明細書では、上述した粒子材料の測定における問題を解決し得る装置を提供することを課題とする。
更に、本明細書では、上述した粒子材料の測定における問題を解決し得る測定装置を提供することを課題とする。
本明細書に開示する方法の一形態によれば、第1元素を含む第1粒子と、上記第1元素とは異なる第2元素を含む内部粒子と、上記第1元素を含み、上記内部粒子の表面を覆う被覆層と、を有する第2粒子と、を有する試料に対して、X線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1蛍光X線強度と、上記試料に対して、上記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1電流と、を測定し、上記第1蛍光X線強度の測定値と、上記第1蛍光X線強度及び上記被覆層の厚さの関係とに基づいて、上記被覆層の厚さを求め、上記第1電流の測定値と、上記第2粒子に対して上記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1基準電流及び上記被覆層の厚さの関係とに基づいて、上記被覆層の見かけの厚さを求め、上記第1粒子の表面積と上記第2粒子の表面積との和と、上記被覆層が上記見かけの厚さを有するとした時の上記第2粒子の見かけの表面積との関係に基づいて、上記第1粒子の大きさを求める。
また、本明細書に開示する装置の一形態によれば、第1元素を含む第1粒子と、上記第1元素とは異なる第2元素を含む内部粒子と、上記第1元素を含み、上記内部粒子の表面を覆う被覆層と、を有する第2粒子と、を有する試料に対して、X線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1蛍光X線強度の測定値と、上記第1蛍光X線強度及び上記被覆層の厚さの関係とに基づいて、上記被覆層の厚さを求め、上記試料に対して、上記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1電流の測定値と、上記第2粒子に対して上記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1基準電流及び上記被覆層の厚さの関係とに基づいて、上記被覆層の見かけの厚さを求め、上記第1粒子の表面積と上記第2粒子の表面積との和と、上記被覆層が上記見かけの厚さを有するとした時の上記第2粒子の見かけの表面積との関係に基づいて、上記第1粒子の大きさを求める演算部と、を備える。
更に、本明細書に開示する測定装置の一形態によれば、第1元素を含む第1粒子と、上記第1元素とは異なる第2元素を含む内部粒子と、上記第1元素を含み、上記内部粒子の表面を覆う被覆層と、を有する第2粒子と、を有する試料に対して、X線を照射するX線照射部と、X線が照射された上記試料から放射される電子を検出する電流検出器と、X線が照射された上記試料から放射される蛍光X線を検出する蛍光X線検出器と、上記試料に対して、X線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1蛍光X線強度の測定値と、上記第1蛍光X線強度及び上記被覆層の厚さの関係とに基づいて、上記被覆層の厚さを求め、上記試料に対して、上記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1電流の測定値と、上記第2粒子に対して上記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された上記第1元素に基づく第1基準電流及び上記被覆層の厚さの関係とに基づいて、上記被覆層の見かけの厚さを求め、上記第1粒子の表面積と上記第2粒子の表面積との和と、上記被覆層が上記見かけの厚さを有するとした時の上記第2粒子の見かけの表面積との関係に基づいて、上記第1粒子の大きさを求める演算部と、を有する装置と、を備える。
上述した本明細書に開示する方法の一形態によれば、第1粒子の大きさと共に、第2粒子の被覆層の厚さを求めることができる。
また、上述した本明細書に開示する装置の一形態によれば、第1粒子の大きさと共に、第2粒子の被覆層の厚さを求めることができる。
更に、上述した本明細書に開示する測定装置の一形態によれば、第1粒子の大きさと共に、第2粒子の被覆層の厚さを求めることができる。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。
前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
本明細書に開示する一実施形態の測定装置を示す図である。 本明細書に開示する一実施形態の測定装置により測定される試料を示す図である。 本明細書に開示する一実施形態の測定装置により測定される試料の他の例を示す図である。 検出電流と入射ネルギーとの関係を示す図である。 蛍光X線強度比と第1粒子の割合との関係を示す図である。 蛍光X線強度比と被覆層の厚さとの関係を示す図である。 第1電流と被覆層の厚さとの関係を示す図である。 第2電流と被覆層の厚さとの関係を示す図である。 本明細書に開示する一実施形態の測定装置の動作を示すフローチャート(その1)である。 本明細書に開示する一実施形態の測定装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
以下、本明細書で開示する測定装置の好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図1は、本明細書に開示する一実施形態の測定装置を示す図である。図2は、本明細書に開示する一実施形態の測定装置により測定される試料を示す図である。
本実施形態の測定装置10は、微粒子材料である試料30における被覆層の厚さ及び大きさを測定する。
図2に示すように、測定装置10によって測定される試料30は、複数の第1粒子31と、複数の第2粒子32とが混合された微粒子材料である。第1粒子31は、第1元素を含む。第2粒子32は、第1元素とは異なる第2元素を含む内部粒子32aと、第1元素を含み、内部粒子32aの表面を覆う被覆層32bを有する。ここで、第1元素及び第2元素は、既知である。
本実施形態の試料30では、第1粒子31は、Ni化合物を用いて形成される。また、内部粒子32aは、Co化合物を用いて形成される。被覆層32bは、第1粒子31と同じNi化合物を用いて形成される。
典型的な試料30では、第2粒子の直径T2は、1〜100μm程度であり、被覆層32bの厚さT3は、高々数100nmである。第1粒子31の直径T1は、通常、被覆層32bの厚さT3よりも大きく、第2粒子の直径T2よりも小さい。
試料30には、第1粒子31が、第2粒子32に対して既知の割合で含まれており、内部粒子32aの大きさ(半径又は直径T4)も既知である。
第1粒子31の大きさ(半径又は直径T1)と、被覆層32bの厚さT3は、試料30の機能との関係しており、試料30の状態を特定する物性値である。
そこで、測定装置10は、第1粒子31の大きさ(半径又は直径T1)と、被覆層32bの厚さT3を求める。
第2粒子32の被覆層32bの厚さは、図2に示すように均一とは限らない。例えば、図3に示すように、被覆層32bの厚さは、不均一に内部粒子32aを覆っている場合もある。
被覆層32bの厚さの均一性は、試料30の機能と関係しており、試料30の状態を特定する物性値の1つである。
そこで、測定装置10は、被覆層32bの厚さの均一性も求める。
第1粒子31は、第2粒子32の内部粒子32aを形成する第2元素を含まないことが、第1粒子31の大きさと、被覆層32bの厚さT3と、被覆層32bの厚さの均一性とを精確に測定する上で好ましい。
また、第2粒子32の被覆層32bは、第2粒子32の内部粒子32aを形成する第2元素を含まないことが、第1粒子31の大きさと、被覆層32bの厚さT3と、被覆層32bの厚さの均一性とを精確に測定する上で好ましい。
更に、第2粒子32の内部粒子32aは、第1粒子31を形成する第1元素を含まないことが、第1粒子31の大きさと、被覆層32bの厚さT3と、被覆層32bの厚さの均一性とを精確に測定する上で好ましい。なお、第2粒子32の内部粒子32aが、第1粒子31を形成する第1元素を5質量%程度、最大で10質量%程度含んでいても、第1粒子31の大きさと、被覆層32bの厚さT3と、被覆層32bの厚さの均一性とを測定する測定精度に影響を与えないことを確認している。
次に、測定装置10の構成について、図1を参照しながら、以下に詳述する。
測定装置10は、白色X線を出力する白色X線源11と、分光器12と、X線強度検出器13と、検出容器14と、蛍光X線検出器15と、電流検出器16と、入射エネルギー制御部17と、カウンタタイマ18と、解析装置20を備える。
白色X線源11は、所定の範囲の連続スペクトルを有する白色X線を、分光器12に対して出力する。
分光器12は、入力した白色X線を分光して単色X線を生成し、生成した単色X線を、X線強度検出器13を介して、検出容器14内に配置された試料30に照射する。分光器12は、互いに対向して配置される第1の平板結晶12a及び第2の平板結晶12bを使用し、白色X線を2枚の平板結晶12a、12bでブラッグ反射させて、特定のエネルギーの単色X線を出力する。第1の平板結晶12aに対する白色X線の入射角度θ及び第2の平板結晶12bに対するX線の入射角度θが、入射エネルギー制御部17により調整されることにより、単色X線のエネルギーが制御される。通常、角度θ及び角度θは、等しくなるように制御される。入射エネルギー制御部17は、解析装置20により制御される。
白色X線源11と分光器12は、試料30に対して、X線を照射するX線照射部を形成する。
X線強度検出器13は、内部を透過する単色X線のX線強度を検出して、電気信号としてカウンタタイマ18へ出力する。カウンタタイマ18は、入力した電気信号をX線強度に変換して、解析装置20へ出力する。単色X線は、X線の波長によって強度が変化する場合があるので、X線強度検出器13を用いて単色X線の強度を測定して、測定結果を解析する時に、試料30に照射されたX線強度の規格化を行う。
検出容器14は、内部の試料台上に試料30を載置する。検出容器14は、X線を透過する窓部(図示せず)を有しており、単色X線が、窓部を透過して、試料30へ照射するようになされている。
蛍光X線検出器15は、単色X線が照射された試料30から放射される蛍光X線を検出する。蛍光X線は、特定の元素の内殻電子を励起するために特定のエネルギー(吸収端エネルギー)以上のエネルギーを持つX線を試料に照射した時、内殻電子が励起されて生じた空孔に、外殻の電子が遷移する際に放出されるX線である。第1元素及び第2元素それぞれに対する吸収端エネルギー以上の入射エネルギーを有する単色X線を試料30に照射し、蛍光X線検出器15は、それぞれの元素に対する蛍光X線強度を検出して、電気信号としてカウンタタイマ18へ出力する。カウンタタイマ18は、入力した電気信号を蛍光X線強度に変換して、解析装置20へ出力する。
電流検出器16は、単色X線が照射された試料30から放出された電子を検出する。
電流検出器16は、試料30に対して、第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有する単色X線を照射して検出された第1元素に基づく第1電流を検出する。また、電流検出器16は、第2元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有する単色X線を照射して検出された第2元素に基づく第2電流を検出する。
電流検出器16として、例えば、転換電子収量法を用いた検出器が使用される。試料30が含む元素の内殻電子を励起するための吸収端エネルギー以上のエネルギーを持つX線を試料に照射して内殻電子を励起させると、試料の表面から外部にオージェ電子が放出される。検出容器14内にはX線検出用のガスが導入されており、外部に放出されたオージェ電子がガス原子をイオン化し、イオン化したガス原子が電極16aに到達することにより、電流が検出される。この方法では、試料によるX線の吸収量と放出される電子数がほぼ比例するため、電流量によってX線の吸収量を評価することが可能である。粒子から放出されるオージェ電子を検出することにより、粒子の表面からの深さ数十nm〜数百nmの情報を得ることができる。電流検出器16は、検出した電流を、電気信号としてカウンタタイマ18へ出力する。カウンタタイマ18は、入力した電気信号を電流に変換して、解析装置20へ出力する。
解析装置20は、カウンタタイマ18からの入力に基づいて、第1元素に基づく第1蛍光X線強度の測定値Fと、第2元素に基づく第2蛍光X線強度の測定値Fを得る。また、解析装置20は、カウンタタイマ18からの入力に基づいて、試料30に対して第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された第1元素に基づく第1電流の測定値Iを得る。更に、解析装置20は、カウンタタイマ18からの入力に基づいて、試料30に対して第2元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された第2元素に基づく第2電流の測定値Iを得る。
そして、解析装置20は、上述した測定値に基づいて、第1粒子31の大きさと、第2粒子32の被覆層32bの厚さと、被覆層32bの厚さの均一性を求める。
解析装置20は、演算部21と、記憶部22と、入力部23と、表示部24と、通信部25を有する。
演算部21は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを実行することにより、解析装置20の各機能を実現する。所定のプログラムは、例えば通信部25を用いて、ネットワーク(図示しない)を介して記憶部22に記憶することができる。解析装置20は、通信部25を用いて、入射エネルギー制御部17又はカウンタタイマ18と通信する。入力部23は、ユーザにより、処理に必要な情報等を入力する。表示部24は、演算部21が処理した結果を表示する。
測定装置10は、第1電流の測定値I及び第2電流の測定値Iを、以下のように測定する。
図4は、電流検出器16によって検出された検出電流と入射ネルギーとの関係を示す図である。図4の縦軸の検出電流は、X線吸収量に対応しており、図4は、試料30のいわゆるX線吸収スペクトルを示す。
図4に示す試料30のX線吸収スペクトルは、以下の手順で測定される。まず、ある入射エネルギーを有する単色X線における試料30のX線吸収量を測定した後に、分光器12を調整して、試料30に照射される単色X線のエネルギーが変更される。次に、変更された入射エネルギーを有する単色X線における試料30のX線吸収量が測定される。この動作が繰り返され、所定の範囲の入射エネルギーに対するX線吸収量が測定されて、図4に示す試料30のX線吸収スペクトルが得られる。
図4に示す例では、第1元素であるCoの吸収端エネルギーEは、第2元素であるNiの吸収端エネルギーEよりも低い。試料30では、元素Co、Niの他の元素にもX線が照射されるので、それらの元素のX線吸収スペクトルも取得されるが、図4では、Co、Ni以外の元素に由来するX線吸収スペクトルは除かれている。
解析装置20は、第1元素の吸収端エネルギーE付近の検出電流の変化量を、第1電流の測定値Iとして求める。また、解析装置20は、第2元素の吸収端エネルギーE付近の検出電流の変化量を、第2電流の測定値Iとして求める。
また、測定装置10は、第1元素に基づく第1蛍光X線強度の測定値Fと、第2元素に基づく第2蛍光X線強度の測定値Fを、以下のように測定する。
第1蛍光X線強度を測定するX線の入射エネルギーは、第1元素の吸収端エネルギーよりも高い値を用いる。また、第2蛍光X線強度を測定するX線の入射エネルギーは、第2元素の吸収端エネルギーよりも高い値を用いる。
そこで、測定装置10は、図4に示すX線吸収スペクトルを測定するのに用いたX線の入射エネルギーの内の最も高い値を用いて、第1蛍光X線強度及び第2蛍光X線強度を測定する。なお、予め定められたX線の入射エネルギーで第1蛍光X線強度及び第2蛍光X線強度を測定した後に、第1電流の測定値I及び第2電流の測定値Iを測定してもよい。
次に、測定装置10が、第1蛍光X線強度の測定値F及び第2蛍光X線強度の測定値Fに基づいて、第2粒子32の被覆層32bの厚さを求めることについて、以下に説明する。
図5は、蛍光X線強度比と第1粒子の割合との関係を示す図である。具体的には、第1蛍光X線強度の測定値Fと第2蛍光X線強度の測定値Fとの比と、試料30における第1粒子の割合(モル%)との関係を示す。縦軸として、第1蛍光X線強度の測定値Fと第2蛍光X線強度の測定値Fとの比を用いる理由は、横軸が試料30の単位質量当たりの第1粒子31の相対的な割合なので、規格化するためである。例えば、横軸を第1粒子の絶対的な割合で示す場合には、縦軸を、第1蛍光X線強度の測定値Fで示してもよい。
図5において、カーブC1は、試料30において、第2粒子32が被覆層を有さない場合の関係を示しており、カーブC2は、第2粒子32が、所定の厚さの被覆層32bを有する場合の関係を示す。
第1蛍光X線強度の測定値Fは、試料30中の第1元素の量(例えば第1元素を含む化合物の体積)に比例する。即ち、第1蛍光X線強度の測定値Fは、第1粒子31の量と、第2粒子32の被覆層32bの厚さに依存する。従って、蛍光X線強度比F/Fは、第1粒子の割合が増加するのと共に増大する。
同様に、第2蛍光X線強度の測定値Fは、試料30中の第2元素の量(例えば第2元素を含む化合物の体積)に比例する。即ち、第2蛍光X線強度の測定値Fは、第2粒子32の内部粒子32aの量に依存する。従って、蛍光X線強度比F/Fは、第1粒子の割合が増加するのと共に減少する。
図5に示すように、蛍光X線強度比F/Fは、第2粒子32が有する被覆層32bの厚さに対応して増加するが、蛍光X線強度比F/Fの増加する量は、第1粒子の割合には依存しておらず、ほぼ一定である。本実施形態における被覆層32bの厚さの測定精度に対しては、蛍光X線強度比F/Fの増加する量は、第1粒子の割合が変化しても一定であるとみなすことができる。
ここで、図5に示すカーブC1又はカーブC2は、実際の試料30を測定しても求めても良いし、又は、計算により求めてもよい。
図6は、蛍光X線強度比と被覆層の厚さとの関係を示す図である。
図6は、第1粒子の割合第2粒子32の被覆層32bの厚さを変化させて試料30を調整して、蛍光X線強度比F/Fとの関係を調べて作成されたものである。なお、試料30における第1粒子は所定の割合である。蛍光X線強度比F/Fは、第2粒子32の被覆層32bの厚さが増加するのと共に増大する。図6に示す関係は、解析装置20の記憶部22に記憶される。
解析装置20は、測定された蛍光X線強度比F/Fと、図6に示す関係に基づいて、第2粒子32の被覆層32bの厚さdを求める。
以上が、解析装置20が、第2粒子32の被覆層32bの厚さdを求めることの説明である。
次に、測定装置10が、第2粒子32の被覆層32bの見かけの厚さdを求めることについて、以下に説明する。この被覆層32bの見かけの厚さdは、後述する第1粒子の大きさを求める時に使用される。被覆層32bの見かけの厚さdは、第1電流の測定値Iと、第2粒子32に対して第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された第1元素に基づく第1基準電流及び上記被覆層の厚さの関係とに基づいて、求められる。この第1基準電流については後述する。
図7は、試料に対して第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有する単色X線を照射して検出された第1元素に基づく第1電流の測定値と被覆層の厚さとの関係を示す図である。図7に示すカーブD1は、試料30が第1粒子を含まない時、即ち試料30が第2粒子32だけを含む時の第1電流の測定値と被覆層の厚さとの関係を示す。一方、カーブD2は、試料30が第1粒子31及び第2粒子32を含む時の第1電流の測定値と被覆層の厚さとの関係を示す。
ここで、カーブD1が示す第1電流の測定値は、試料30が第2粒子32だけを含む時の第1電流なので、以後、第1基準電流I1bともいう。試料30が第2粒子32だけを含む時の第1基準電流I1bの測定方法は、試料30が第1粒子31及び第2粒子32を含む時の第1電流の測定方法と同じである。第1基準電流I1bは、下記の式(1)で表される。
Figure 0006500658
ここで、aは比例係数であり、λは、被覆層32b内を電子が移動する時の減衰長である。dは、被覆層32bの厚さである。
第1基準電流I1bは、被覆層32bの厚さdが減衰長λよりも小さい時は、厚さの増加と共にゆるやかに増加する。第1基準電流I1bは、被覆層32bの厚さdが減衰長λよりも大きくなるとほぼ一定の値となる。
解析装置20は、図7のカーブD1に示す第1基準電流及び上記被覆層の厚さの関係を、記憶部22に記憶している。
解析装置20は、第1電流の測定値Iと、図7のカーブD1に示す第1基準電流及び被覆層の厚さの関係とに基づいて、被覆層32bの見かけの厚さdを求める。
以上が、解析装置20が、被覆層32bの見かけの厚さdを求めることの説明である。
実際の試料30には、第1元素を含む第1粒子31も含まれているので、カーブD2に示す第1電流は、カーブD1に示す第1基準電流よりも大きくなる。従って、図7のカーブD1に示す関係に基づいて求められた見かけの厚さdは、実際の被覆層32bの厚さdよりも大きい値を示す。
第1電流は、粒子の表面から放出されたオージェ電子に起因しているので、第1粒子の表面積及び第2粒子の表面積に依存する。
ここで、試料30中の第2粒子32に対する第1粒子31の割合をkとし、既知である内部粒子32aの半径をrとし、未知である第1粒子31の半径をrとする。また、図6に示す関係に基づいて求められた被覆層32bの厚さをdとし、被覆層の見かけの厚さをdとする。
この場合、第1粒子31の表面積と第2粒子32の表面積との和と、被覆層32bが見かけの厚さdを有するとした時の第2粒子の見かけの表面積との関係は、下記の式(2)により表される。
Figure 0006500658
ここで、bは比例係数である
第1粒子31の表面積(図7中の電流S2に対応)と第2粒子32の表面積(図7中の電流S1に対応)との和は、式(2)の左辺に対応する。被覆層32bが見かけの厚さdを有するとした時の第2粒子の見かけの表面積(第1電流の測定値I)は、式(2)の右辺に対応する。
解析装置20は、式(2)の関係に基づいて、第1粒子31の半径rを求める。なお、式(2)に基づいて、第1粒子31の直径又は体積を求めるようにしてもよい。
以上が、測定装置10が第1粒子31の半径rを求めることの説明である。
次に、解析装置20が、被覆層の厚さの均一性を求めることについて、以下に説明する。
図8は、試料に対して第2元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有する単色X線を照射して検出された第2元素に基づく第2電流の測定値と被覆層の厚さとの関係を示す図である。
カーブG1は、図2に示すように、第2粒子32の被覆層32bの厚さが均一である時の第2電流の測定値と被覆層の厚さとの関係を示す。ここで、カーブG1が示す第2電流の測定値は、第2粒子32の被覆層32bの厚さが均一である時の第2電流なので、以後、第2基準電流I2bともいう。
一方、カーブG2は、図3に示すように、第2粒子32の被覆層32bの厚さが非均一である時の第2電流の測定値と被覆層の厚さとの関係を示す。第2基準電流I2bの測定方法は、被覆層32bの厚さが非均一である時の試料30の第2電流の測定方法と同じである。実際の試料30では、被覆層32bの厚さは、多少の非均一性を有する。
被覆層32bの厚さが均一である時に試料30に対して第2元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された第2元素に基づく第2基準電流I2bと被覆層32bの厚さdとの関係は、下記の式(3)により表される。
Figure 0006500658
ここで、cは比例係数であり、λBAは、内部粒子32aから放出された電子が被覆層32bを移動する時の減衰長であり、μは、被覆層32bによるX線の吸収係数である。なお、減衰長は、電子が有する運動エネルギーに依存しており、吸収端エネルギーE付近における減衰長λBAは、吸収端エネルギーE付近における減衰長λ(式1参照)よりも大きな値となる。
第2粒子32の内部粒子32aが含む第2元素に起因する第2基準電流I2bは、内部粒子32aから放出された電子が被覆層32bを通過することにより、検出される電流である。従って、被覆層32bが非常に厚くなると、被覆層32bを通過する電子は指数関数的に少なくなり、第2基準電流I2bはごくわずかとなるとともに、見かけ上のX線吸収量はゼロとなる。
実際に作成される表面の被覆層32bをもつ第2粒子32は、図3に示すように、被覆層32bは大なり小なり理想的な場合に比べて凹凸を持ち、被覆層32bには薄い部分と厚い部分が存在する。また、内部粒子32aから放出された電子は被覆層32bの厚さに対し、厚くなるほど指数関数的に減少する。
このため、被覆層32bに凹凸が存在した場合、第2元素に起因する第2電流は、厚い部分よりも薄い部分の領域に支配され、凹凸が存在しない場合に比べてより多くの電流が流れる。このため、被覆層32bに凹凸が存在した場合、見かけ上、内部粒子32aによるX線のエネルギー吸収量が増加するので、上記式(3)で表されるX線吸収量(第2基準電流I2b)の理想的なカーブG2に比べて、実際に観測されるX線吸収量(第2電流I)は、カーブG2に示すように多くなる。
従って、理想的な膜厚均一性を有する被覆層32bの膜厚を有する第2粒子32に比べ、見かけ上どれだけ第2電流が増加したか(ΔI)を評価することにより、表面の被覆層32bの凹凸を、被覆層の厚さの均一性として評価することが可能である。また、被覆層32bの厚さが非常に薄い場合、この被覆層の厚さの均一性は、被覆層32bの被膜率というパラメータに置き換えることも可能である。
ΔIが小さい程、被覆層32bの厚さの均一性が良く、ΔIが大きい程、厚さの均一性が劣ることになる。
解析装置20は、被覆層32bの厚さの均一性を、第2電流の測定値Iと、図6に示す関係に基づいて求められた被覆層32bの厚さdにおける第2基準電流I2bの値とに基づいて決定する。例えば、被覆層32bの厚さの均一性を、第2電流の測定値Iと第2基準電流I2bの値との比(電流増加率)で表してもよい。
次に、測定装置の動作例を、図9及び図10に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。本動作例は、製品である試料を測定し、その測定結果に基づいて、製品の仕様と比較して、製品の合格又は不合格を判定する測定装置の動作である。
まず、ステップS10において、試料30に対して、X線を照射して、X線吸収スペクトルを測定する。解析装置20の記憶部22には、図4に示すX線吸収スペクトルが記憶される。
次に、ステップS12において、解析装置20は、X線吸収スペクトルに基づいて、第1電流の測定値I及び第2電流の測定値Iを求める。
次に、ステップS14において、解析装置20は、試料30に対して、X線を照射して検出された第1元素に基づく第1蛍光X線強度Fと、X線を照射して検出された第2元素に基づく第2蛍光X線強度Fとを測定する。
次に、ステップS16において、解析装置20は、第1蛍光X線強度Fと第2蛍光X線強度Fとの比F/Fが適正か否かを判断する。第1蛍光X線強度Fは、被覆層32bの厚さに対応しており、被覆層32bの厚さが製品の仕様の範囲内にあるか否かを、比F/Fに基づいて判断する。比F/Fが適正であれば、被覆層32bの厚さが製品の仕様の範囲内にあると判断して、ステップS18へ進む。一方、比F/Fが適正でない場合には、ステップS26へ進む。
ステップS26へ進んだ場合には、製品は、被覆層の厚さに異常があることを理由として、製品は不合格であると判定される。
一方、ステップS18へ進んだ場合には、解析装置20は、測定された蛍光X線強度比F/Fと、図6に示す関係に基づいて、第2粒子32の被覆層32bの厚さdを求める。
次に、ステップS20において、解析装置20は、第1電流の測定値Iと、図7のカーブD1に示す第1基準電流及び被覆層の厚さの関係とに基づいて、被覆層32bの見かけの厚さdを求める。
次に、ステップS22において、解析装置20は、第1粒子31の表面積と第2粒子32の表面積との和と、被覆層32bが見かけの厚さdを有するとした時の第2粒子32の見かけの表面積との関係に基づいて、第1粒子31の半径rを求める。
次に、ステップS24において、解析装置20は、製品の仕様と比較して、第1粒子31の半径rが適正か否かを判断する。第1粒子31の半径rが適正であれば、ステップS30へ進む。一方、第1粒子31の半径rが適正でない場合には、ステップS28へ進む。
ステップS28へ進んだ場合には、製品は、第1粒子31の半径rに異常があることを理由として、製品は不合格であると判定される。
一方、ステップS30へ進んだ場合には、解析装置20は、式(3)に示す関係に基づいて、第2粒子32の被覆層32bの厚さがdの時の第2基準電流I2bを求める。
次に、ステップS32において、解析装置20は、第2電流の測定値Iが、第2基準電流I2bと、上限値Ithとの間の範囲に含まれているか否かを判断する。上限値Ithは、製品の被覆層の厚さの均一性の仕様に基づいて決定される。第2電流の測定値Iが、第2基準電流I2bと、上限値Ithとの間の範囲に含まれている場合には、ステップS34へ進む。一方、第2電流の測定値I2が、第2基準電流I2bと、上限値Ithとの間の範囲に含まれていない場合には、ステップS36へ進む。
ステップS34へ進んだ場合には、製品は、合格であると判定される。
一方、ステップS36へ進んだ場合には、被覆層32bの厚さの均一性に異常があることを理由として、製品は不合格であると判定される。
上述した本実施形態の測定装置10によれば、第1粒子の大きさと共に、第2粒子の被覆層の厚さを求めることができる。また、本実施形態の測定装置10によれば、第2粒子の被覆層の厚さの均一性を測定することもできる。試料に照射されるX線のビーム径は、通常数mmあるので、測定結果の統計的な信頼性が高い。
更に、本実施形態の測定装置10によれば、上述した測定結果に基づいて、試料の製品としての良否判定を容易に行うことができる。従って、製品の仕様を定量的に評価して、製品の製造工程の工程能力の改善又は製造工程の変更を行うことができる。
本発明では、上述した実施形態の方法、装置及び測定装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、読者が、発明者によって寄与された発明及び概念を技術を深めて理解することを助けるための教育的な目的を意図する。ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、そのような具体的に述べられた例及び条件に限定されることなく解釈されるべきである。また、明細書のそのような例示の機構は、本発明の優越性及び劣等性を示すこととは関係しない。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、その様々な変更、置き換え又は修正が本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り行われ得ることが理解されるべきである。
10 測定装置
11 白色X線源
12 分光器
12a、12b 平板結晶
13 X線強度検出器
14 検出容器
14a 試料台
15 蛍光X線検出器
16 電流検出器
16a 電極
17 入射エネルギー制御部
18 カウンタタイマ
20 解析装置
21 演算部
22 記憶部
23 入力部
24 表示部
25 通信部
30 試料
31 第1粒子
32 第2粒子
32a 内部粒子
32b 被覆層

Claims (9)

  1. 第1元素を含む第1粒子と、
    前記第1元素とは異なる第2元素を含む内部粒子と、前記第1元素を含み、前記内部粒子の表面を覆う被覆層と、を有する第2粒子と、
    を有する試料に対して、X線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1蛍光X線強度と、
    前記試料に対して、前記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1電流と、
    を測定し、
    前記第1蛍光X線強度の測定値と、前記第1蛍光X線強度及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の厚さを求め、
    前記第1電流の測定値と、前記第2粒子に対して前記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1基準電流及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の見かけの厚さを求め、
    前記第1粒子の表面積と前記第2粒子の表面積との和と、前記被覆層が前記見かけの厚さを有するとした時の前記第2粒子の見かけの表面積との関係に基づいて、前記第1粒子の大きさを求める方法。
  2. 更に、前記試料に対して、X線を照射して検出された前記第2元素に基づく第2蛍光X線強度を測定し、
    前記第2蛍光X線強度の測定値で規格化された前記第1蛍光X線強度の測定値と、前記第2蛍光X線強度で規格化された前記第1蛍光X線強度及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の厚さを求める請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2粒子に対して前記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1基準電流I1b及び前記被覆層の厚さdの関係は、下記の式により表され、
    Figure 0006500658
    ここで、aは比例係数であり、λは、前記被覆層内を電子が移動する時の減衰長である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記試料中の前記第2粒子に対する前記第1粒子の割合をkとし、
    前記内部粒子の半径をrとし、前記第1粒子の半径をrとし、求められた前記被覆層の厚さをdとし、前記被覆層の見かけの厚さをdとし、
    前記第1粒子の表面積と前記第2粒子の表面積との和と、前記被覆層が前記見かけの厚さを有するとした時の前記第2粒子の見かけの表面積との関係は、下記の式により表され、
    Figure 0006500658
    ここで、bは比例係数である請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. 更に、前記試料に対して前記第2元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第2元素に基づく第2電流を測定し、
    前記第2電流の測定値と、求められた前記被覆層の厚さと、前記被覆層の厚さが均一である時に前記試料に対して前記第2元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第2元素に基づく第2基準電流及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の厚さの均一性を求める請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
  6. 前記被覆層の厚さの均一性は、前記第2電流の測定値と、求められた前記被覆層の厚さにおける前記第2基準電流の値とに基づいて決定される請求項5に記載の方法。
  7. 前記被覆層の厚さが均一である時に前記試料に対して前記第2元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第2元素に基づく前記第2基準電流I2bと前記被覆層の厚さdとの関係は、下記の式により表され、
    Figure 0006500658
    ここで、cは比例係数であり、λBAは、前記内部粒子から放出された電子が前記被覆層を移動する時の減衰長であり、μは、前記被覆層によるX線の吸収係数である請求項5又は6に記載の方法。
  8. 第1元素を含む第1粒子と、
    前記第1元素とは異なる第2元素を含む内部粒子と、前記第1元素を含み、前記内部粒子の表面を覆う被覆層と、を有する第2粒子と、
    を有する試料に対して、X線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1蛍光X線強度の測定値と、前記第1蛍光X線強度及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の厚さを求め、
    前記試料に対して、前記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1電流の測定値と、前記第2粒子に対して前記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1基準電流及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の見かけの厚さを求め、
    前記第1粒子の表面積と前記第2粒子の表面積との和と、前記被覆層が前記見かけの厚さを有するとした時の前記第2粒子の見かけの表面積との関係に基づいて、前記第1粒子の大きさを求める演算部と、
    を備える装置。
  9. 第1元素を含む第1粒子と、
    前記第1元素とは異なる第2元素を含む内部粒子と、前記第1元素を含み、前記内部粒子の表面を覆う被覆層と、を有する第2粒子と、
    を有する試料に対して、X線を照射するX線照射部と、
    X線が照射された前記試料から放射される電子を検出する電流検出器と、
    X線が照射された前記試料から放射される蛍光X線を検出する蛍光X線検出器と、
    前記試料に対して、X線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1蛍光X線強度の測定値と、前記第1蛍光X線強度及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の厚さを求め、
    前記試料に対して、前記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1電流の測定値と、前記第2粒子に対して前記第1元素の吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するX線を照射して検出された前記第1元素に基づく第1基準電流及び前記被覆層の厚さの関係とに基づいて、前記被覆層の見かけの厚さを求め、
    前記第1粒子の表面積と前記第2粒子の表面積との和と、前記被覆層が前記見かけの厚さを有するとした時の前記第2粒子の見かけの表面積との関係に基づいて、前記第1粒子の大きさを求める演算部と、
    を有する装置と、
    を備える測定装置。
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