JP6500405B2 - 接触型2次元イメージセンサ素子およびセンサ装置 - Google Patents

接触型2次元イメージセンサ素子およびセンサ装置 Download PDF

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Description

本発明は、密着型2次元イメージセンサ素子、センサ装置に関する。さらにセンサ装置における読み取りイメージのボケ誤差補正方法も含む。
近年のコンピュータ技術、デバイス・実装技術およびネットワーク技術などの発達は、個人が超小型で多機能のコンピュータ装置を携帯し、時と場所を選ばずにこれを利用することを可能にしている。企業体だけではなく個人レベルで、様々な情報を何時でも何処でも入手しおよび発信することが可能となり、個人が発する大量の情報をビッグデータとして取り扱う新たな産業さえ生まれている。
スマートフォンやタブレット型端末のような超小型のコンピュータ装置をより効率的に利用するために、情報の入力装置に対しても幅広い利用形態が望まれている。コンピュータや通信機器に対して情報を入力・伝達する手段として、キーボード、タッチパネルによって文字等を直接入力する方法や音声認識技術を使った方法に加え、イメージング技術を使ったスキャナ、デジタルカメラなど利用する方法が広く利用されている。スキャナ、デジタルカメラなどのイメージ入力装置は、写真、画像や手書きまたは印字された文書などをコンピュータがとり扱うことのできるデータに変換するツールとして利用されてきた。イメージ入力装置に用いられる画像入力デバイスは、その機能から大別すると、レンズなどを含む光学系部、光から電気信号への変換を行う素子を含む画素構成部、および、各画素からの電気信号の位置および強度情報を決まった順番で取り出す電子回路部の各構成要素から成っている。
最近の超小型のコンピュータ装置において、写真、画像や文字などの2次元画像を取り込むイメージ入力装置で最も広く利用されているのは、装置内に既に組み込まれているデジタルカメラである。デジタルカメラでは、レンズ光学系を用いて、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)センサのような検出素子(センサ素子)が画素として2次元に配列されたセンサアレイ(画素構成部)上に、検出物を結像させる。また、従来広く利用されているコピー機、ファクシミリおよびフラットベット型のスキャナ等では、光源および/またはセンサを機械的に移動させながら、検出物からの反射散乱光を、レンズ等の光学系部によって1次元(リニア)光学アレイセンサ上に導き、結像させる。いずれも、光学系部や画素構成部を機械的な走査(スキャニング)する機構を含む。特に画素構成部にCCDセンサを用いる場合には、検出物(原稿)の大きさからCCD素子のサイズへ縮小する大きな光学系部が必須となる。
上述のような光学系部や画素構成部の機械的に走査する機構を含まないイメージ入力装置として、密着型2次元センサが知られている。密着型2次元イメージセンサは、検出物をセンサアレイの構成面に実質的に密着させて動作させるため、レンズ光学系の部品や、光源またはセンサを機械的に走査するための機構部品が不要であって、センサモジュールを薄い板状に構成することができるなどの利点を持っている。また、密着型2次元イメージセンサは、デジタルカメラなどに必要とされるフォーカス調整や、周囲環境に合わせた露出補正などが不要である。さらに、密着型2次元イメージセンサは、コピー機、フラットベットスキャナ等と比較して、機械的な走査を行わない為、取り込み速度が速いという特徴も持っている。
図1は、密着型2次元イメージセンサの概略的な構成を説明する図である。図1では一例として、ガラス基板の上に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を構成した密着型2次元イメージセンサの構成を概念的に示している。密着2次元イメージセンサ10は、ガラス基板4上に形成され2次元に配置された複数のTFTセンサ要素3、複数のセンサ要素3上の全体を覆う保護膜2を備える。ガラス基板4の、TFTセンサ要素構成面とは反対の面側には光源5が備えられ、光源5から保護膜2の上に置かれた検出物1に向かってバックライト光6が照射される。バックライト光6は、例えば文字などが記載された紙などの検出物1の表面で反射散乱をして、検出物上のイメージ形状を反映した反射散乱光7が各々のTFTセンサ要素7によって検出される。複数のTFTセンサ要素3の1つ1つがセンサの画素を構成する。
既に述べたように、TFTイメージセンサは、センサ素子のタイプからMOS型イメージセンサとも呼ばれ、もう一つのタイプのCCDセンサとともに、広く利用されている。TFTイメージセンサは、結晶Si基板やガラス基板などの上にフォトダイオードやフォトトランジスタを形成して画素を構成される。TFTイメージセンサは、同様の素子構成および液晶技術を組み合わせることでイメージディスプレイとしても利用することができる。とりわけ、安価なガラス基板上に水素化アモルファスシリコン(以下、aシリコン)薄膜を形成したイメージ表示デバイスは、近年の大型テレビに使用されている液晶ディスプレイに代表されるように、様々な関連する量産技術とともに大型化と高精細化が進んでいる。利用されるガラス基板の大型化は著しく、TFTを用いたイメージ表示デバイスの低価格化も進んでいる。
ガラス基板上にaシリコン薄膜を形成して構成したTFTイメージセンサには、これまで指紋センサとしての応用が知られている。特許文献1では、aシリコン薄膜を利用したTFTセンサの基本的な構成の一例が開示されている。また、特許文献2では、aシリコン薄膜を利用したTFTセンサを用いた指紋センサが開示されている。
図2は、TFT回路で構成された従来技術の密着型2次元イメージセンサを用いた指紋認証装置の構成を示す図である。図2の(a)は2次元イメージセンサ20の上面図を示し、図2の(b)は上面図の線分A−A´で基板に垂直に切った断面図を示す。センサ基板21の上面に2次元のセンサアレイ領域22が形成されている。センサ基板21として、安価なガラス基板を利用して、aシリコンから成る薄膜で構成されたTFTセンサ素子を含むセンサアレイ領域22を構成することができる。aシリコンから成る薄膜は、画素であるTFTをスイッチとしての機能をさせるには十分な移動度が得られる。しかしながら、このaシリコン薄膜では、画素を駆動するためのデータ線駆動回路やゲート線用駆動回路などを構成することが困難である。したがって、これらの駆動回路を搭載したドライバLSI23がセンサ基板21にフェイスダウンでバンプ電極を介し接続されている。
さらに、センサ基板21の端部には、ドライバLSI23の動作を制御する信号を供給し、センサ基板21の外部のセンサ装置の制御部などと接続を行うためのフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuits)24が実装されている。図2の(b)の断面図に示されているように、ドライバLSI23はセンサ基板22に対し、LSI側に形成された1以上のバンプ接続端子25によってフェイスダウン接続されている。図には示していないが、バンプ接続端子25の各々からは、センサアレイ領域22の各画素まで、および、FPC24の各接続端子までに、各種の配線が形成されている。
図2の(a)、(b)に示した指紋認証装置は、大規模なレンズ光学系部や、光源またはセンサを機械的に走査するための機構部品が不要である密着型2次元イメージセンサの特徴を利用したものである。しかしながら、利用できる製造技術の制限から決まっていたガラス基板のサイズに応じて、数cm角のサイズの小型なものとしての利用に留まっており、より大型な汎用イメージスキャナへの適用の例は非常に少なかった。aシリコン薄膜を形成したTFT素子は、イメージディスプレイとしては液晶ディスプレイのように、既に非常に大型なデバイスが利用されている。しかし、密着型2次元イメージセンサとしての利用は着目されてこなかった。最近のスマートフォンやタブレット型端末のような超小型コンピュータ装置と組み合わせて利用する形態で、指紋認証装置よりも大きなサイズの密着型2次元イメージセンサの利用が新たに期待されている。基板1枚の薄さで実現できる汎用の密着型2次元イメージセンサは、薄型の端末装置と組み合わせて利用する場合、可搬性の良さから親和性も高い。
特許第3019632号 明細書 特許第3898330号 明細書
しかしながら、図2の(a)および(b)に示したように、密着型2次元イメージセンサを指紋認証装置の対象である指紋の大きさを越えて汎用的なイメージセンサとして利用しようとする場合、次に述べるような問題があった。図2の(b)に示したように、指紋認証を行う場合には、認証の対象となる指27をセンサアレイ領域と密着させるのは比較的容易である。しかしながら、図2の(c)に示したように、密着型2次元イメージセンサを汎用のイメージセンサとして使う場合、センサ基板21上のセンサアレイ領域22と同一面上にあるドライバLSI23やFCP24と、検出物28とが物理的に干渉する問題がある。例えば、様々な大きさの原稿から文字を読み取るOCR(Optical Character Recognition)アプリケーションとイメージセンサを組み合わせて利用する場合、ドライバLSI23の上に検出物28の一部が掛かると、センサアレイ領域22と検出物27の間に隙間29が生じてしまう。LSI32やFCP24の上面が、センサアレイ領域の上面よりも高ければ、検出物28とセンサアレイ領域22との密着性が十分に得られず、取得される検出されたイメージに不均一なボケが生じる。図2の(c)では、便宜的に基板21を図2の(b)の指紋認証装置と同じ程度の大きさのように描かれているが、例えば、A4サイズの汎用イメージセンサを実現する場合、ガラス基板21の端部にあるLSI23などの出っ張り部分と原稿が干渉する状態が起こり得る。
安価なガラス基板とともにaシリコン薄膜を利用したTFTを画素として利用する場合、ドライバLSI23をガラス基板21上に設けることは必須である。LSI23をガラス基板21上に搭載する場合、センサアレイ領域よりも高い出っ張り部分を生じることは避けがたい。LSI基板23は、汎用のシリコン基板を利用する場合でも0.3mm程度の厚さがある。LSIを作製後に研磨ポリシングする場合でも、最低0.15mm程度の出っ張りがガラス基板上に生じる。FPC24も0.02mm程度の厚さを持っている。
従来広く利用されているコピー機、ファクシミリおよびフラットベット型のスキャナ等では、イメージ光をレンズ等の光学系部によって1次元光学アレイセンサ上に導き、結像させていたため、センサアレイ領域の近傍にあるドライバLSIやFPCなどの障害物の突出部分(出っ張り)による検出イメージのボケの問題点は何ら認識されていなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、密着型2次元イメージセンサ素子、イメージセンサ装置において、センサアレイ領域と同一面にある突出部分(出っ張り)による、対象物の検出イメージのボケの問題を解消することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項に記載の発明は、密着型2次元イメージセンサ、中央制御装置(CPU)および記憶手段を少なくとも含むセンサ装置で、対象物のイメージに生じる像ボケを補正する方法において、前記密着型2次元イメージセンサは、基板と、前記基板の一方の面上に形成され、複数のセンサ素子が配列されたセンサアレイ領域と、前記基板の前記一方の面と同じ側に搭載され、前記センサアレイ領域よりも高い上面を持ち、前記複数のセンサ素子を動作させる電子回路素子が構成された回路基板と、少なくとも前記センサアレイ領域全体を覆い、少なくともその上面の一部が前記回路基板の前記上面と等しいかまたは高い位置にあるように構成されたカバー層とを備え、前記カバー層の前記上面は、前記複数のセンサ素子によって前記カバー上に配置された検出物からの反射散乱光から得られるイメージの像ボケが均一化されるように平坦化されており、前記方法は、前記カバー層が存在しない場合に、単一または複数の要素パターンを配列した標準パターンから前記複数のセンサ素子で得られるイメージデータ計算値を備えるステップと、前記カバー層が組み込まれた状態で、前記標準パターンのイメージデータ実測値を取得するステップと、前記イメージデータ計算値と前記イメージデータ実測値とを比較して、前記像ボケを減らすために利用されることになる補正量データを求め、前記補正量データを前記記憶手段へストアするステップと、前記記憶手段にストアされた前記補正量データを利用して、検出物のイメージに生じる前記像ボケの補正演算処理を実行するステップとを備えることを特徴とする方法である。
請求項に記載の発明は、請求項の方法であって、前記カバー層の前記上面は、前記基板の前記一方の面に対して平行であるか、または、傾斜しており、並びに、前記カバー層は、前記センサアレイ領域上に固定されたフィルム、または、前記センサアレイ領域および前記回路基板を埋没させるように形成された薄膜であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項またはの方法であって、前記基板はガラス基板であり、前記センサ素子は、アモルファスシリコン薄膜によって形成された薄膜トランジスタ(TFT)であり、前記回路基板は前記TFTを駆動するドライバ回路またはその一部を含むことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、基板、前記基板の一方の面上に形成され、複数のセンサ素子が配列されたセンサアレイ領域、前記基板の前記一方の面と同じ側に搭載され、前記センサアレイ領域よりも高い上面を持ち、前記複数のセンサ素子を動作させる電子回路素子が構成された回路基板、および、少なくとも前記センサアレイ領域の全体を覆い、少なくともその上面の一部が前記回路基板の前記上面と等しいかまたは高い位置にあるように構成され、前記上面が、前記複数のセンサ素子によって得られるイメージの像ボケが均一化されるように平坦化されているカバー層を有する密着型2次元イメージセンサと、記憶手段と、中央制御装置(CPU)であって、前記カバー層が存在しない場合に、単一または複数の要素パターンを配列した標準パターンから前記複数のセンサ素子で得られるイメージデータ計算値を前記記憶手段に備え、前記カバー層が組み込まれた状態で、前記標準パターンのイメージデータ実測値を取得し、前記イメージデータ計算値と前記イメージデータ実測値とを比較して、前記像ボケを減らすために利用されることになる補正量データを求め、前記補正量データを前記記憶手段へストアし、前記記憶手段にストアされた前記補正量データを利用して、検出物のイメージに生じる前記像ボケの補正演算処理を実行するよう構成されたCPUとを備えたことを特徴とするセンサ装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項4のセンサ装置であって、前記カバー層は、前記センサアレイ領域の上に固定されたフィルム、または、前記センサアレイ領域および前記回路基板を埋没させるように形成された薄膜であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5のセンサ装置であって、前記基板はガラス基板であり、前記センサ素子は、アモルファスシリコン薄膜によって形成された薄膜トランジスタ(TFT)であり、前記回路基板は前記TFTを駆動するドライバ回路またはその一部を含むことを特徴とする。
以上説明したように、本発明の密着型2次元イメージセンサ素子、イメージセンサ装置において、センサアレイ領域と同一面にある突出部分(出っ張り)による、対象物の検出イメージのボケの問題を解消ことができる。
図1は、密着型2次元イメージセンサの概略的な構成を説明する図である。 図2は、TFT回路で構成された従来技術の密着型2次元イメージセンサを用いた指紋認証装置の構成を示す図である。 図3は、本発明の密着型2次元イメージセンサの実施例1の基本的な構成を示す図である。 図4は、密着型2次元イメージセンサにおける像ボケの概念を説明する図である。 図5は、本発明の密着型2次元イメージセンサを含むセンサ装置の構成の概要を示す図である。 図6は、本発明の密着型2次元イメージセンサを含む別のセンサ装置の構成の概要を示す図である。 図7は、本発明の密着型2次元イメージセンサの実施例2の断面構成を示す図である。 図8は、本発明の密着型2次元イメージセンサの実施例3の断面構成を示す図である。 図9は、記憶手段にスペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報をストアする場合に使用できる標準パターンの一例を示す図である。
本発明の密着型2次元イメージセンサ素子およびセンサ装置は、センサ基板上に形成されたセンサアレイ領域上に、センサ基板面と同一面上にあってセンサアレイ領域の各々のセンサ素子を駆動する部品(例えばLSI)と同等の厚さを持つカバー層を備えている。カバー層は例えばスペーサフィルムであり得る。スペーサフィルムは、センサアレイ領域全体を覆うとともに、センサ素子を駆動する部品の近傍まで広がっているのが好ましい。また、カバー層は、センサ素子を駆動する部品を埋め込むようにして、センサアレイ領域およびセンサ素子を駆動する部品の両方を覆う平坦化膜として構成されても良い。カバー層は、センサ基板の全面を覆うような平坦化膜として構成されることもできる。
本発明の密着型2次元イメージセンサ素子およびセンサ装置では、上述のスペーサフィルムまたは平坦化膜などのカバー層により、センサ素子との密着性が低下し検出イメージに像ボケが生じる可能性がある。しかし、スペーサフィルムまたは平坦化膜などのカバー層の存在を反映した情報を利用することで、予測可能な一様な像ボケを、画像処理技術によって軽減または解消することが可能となる。スペーサフィルムまたは平坦化膜などのカバー層の存在を反映した情報は、一例を挙げれば、スペーサフィルムまたは平坦化膜が無い場合のセンサ素子構造に関連するパラメータ、バックライト光に関連するパラメータ、または、スペーサフィルムもしくは平坦化膜の厚さ・構造・材料などに関連するパラメータの値を含む。
本発明の密着型2次元イメージセンサ素子および装置で、実際にイメージ処理をする際に、これらのパラメータ値を変更することによって、ボケを低減または解消する画像演算処理を実行することができる。上記のパラメータではなくて、像ボケを低減または解消する画像演算処理で使用する「補正量データ」として、他の種類のパラメータを利用しても良い。すなわち、「補正量データ」は、本発明の密着型2次元イメージセンサが実際に使用されるときに、対象物のイメージに生じる像ボケの低減または解消のための画像演算処理に利用可能なものであれば良い。
上述のパラメータの変更されたパラメータ値、像ボケを補正する画像演算処理で使用する「補正量データ」、または、他の「スペーサフィルムまたは平坦化膜などのカバー層の存在を反映した情報」を、センサ装置またはイメージセンサデバイスの記憶手段にストアできる。パラメータの変更された値または補正量データは、センサ素子またはセンサ装置の製造時に、または、使用時にストアまたは更新することができる。したがって、本発明は、2次元密着型イメージセンサの調整方法としての側面も持っている。以下、本発明の密着型2次元イメージセンサ素子および装置の詳細について、図面を用いながら説明する。
[実施例1]
図3は、本発明の密着型2次元イメージセンサの実施例1の基本的な断面構成を示す図である。本発明の密着型2次元イメージセンサ30の基本構成は、図2の(a)の上面図、(b)の断面図に示した従来技術の密着型2次元イメージセンサの構成と概ね同じである。すなわち、センサ基板31の上面に2次元のセンサアレイ領域32が形成されている。センサ基板31として、ガラス基板を利用して、画素としてaシリコンから成る薄膜で構成されたTFT素子を含むセンサアレイ領域32を利用することができる。画素を駆動するためのデータ線駆動回路やゲート線用駆動回路を搭載したでドライバLSI33が、センサ基板31に隣接して実装されている。センサ基板31の端部には、ドライバLSI33の動作を制御する信号を供給し、センサ基板31の外部のセンサ装置の制御部などと接続を行うためのフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuits)34が実装されている。ドライバLSI33はセンサ基板31に対し、LSI側に形成された1以上のバンプ接続端子35によってフェイスダウン接続されている。図には示していないが、バンプ接続端子35の各々からは、センサアレイ領域32の各画素まで、および、FPC34の各接続端子まで、各種の電気配線が形成されている。
本発明の密着型2次元イメージセンサ30は、センサアレイ領域32上にLSI33と同等またはより厚いカバー層38備えている点で、従来技術の構成と相違している。カバー層の一例として、スペーサフィルム38を利用することができる。スペーサフィルム38を備えることによって、検出物37と、センサアレイ領域32との間の距離は、スペーサフィルム38の膜厚tに等しくなる。膜厚tは、LSI33の厚さ0.15〜0.3mmと同等以上となるため、検出物37と、センサアレイ領域32とは密着していない。しかしながら、スペーサフィルム38が均一の厚さを持っていれば、センサアレイ領域32の構成面と検出物37との距離は一定となるため、センサアレイ領域32の構成面と検出物37との距離のために検出イメージに像ボケが生じても、その像ボケの程度は一様となる。すなわち、本発明の密着型2次元イメージセンサ30では、スペーサフィルム38を備えることで、予め像ボケの程度を予測または実測して既知とすることで、検出イメージに既存のボケ補正技術を適用することができる。スペーサフィルムによって、像ボケ発生の程度が一様化・均一化されるため、画像補正技術を一律に検出イメージに適用することが可能である。とりわけ、本発明の密着型2次元イメージセンサをOCRアプリケーションと組み合わせて利用する場合では、エッジ検出技術などを利用して鮮明なイメージを得ることができる。
したがって、本発明の密着型2次元イメージセンサ30は、基板31と、前記基板の一方の面上に形成され、複数のセンサ素子が配列されたセンサアレイ領域32と、前記基板の前記一方の面と同じ側に搭載され、前記センサアレイ領域よりも高い上面を持ち、前記センサ素子を動作させる電子回路素子が構成された回路基板33と、少なくとも前記センサアレイ領域全体を覆い、少なくともその上面の一部が前記回路基板の前記上面と等しいかまたは高いように構成されたカバー層38とを備え、前記カバー層38の上面は、前記複数のセンサ素子によって前記平坦化層上に配置された検出物37からの反射散乱光から得られるイメージの像ボケが均一化されるように平坦化されているものとして実施できる。
スペーサフィルムは、少なくとも可視光の波長帯域で光学的に十分に透明な材料であって、センサ素子のイメージ検出性能に影響が無いものであれば、どのようなものでも良い。例えば、複屈折の無い、TAC:トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose)がある。本発明のイメージセンサではセンサ特性に複屈折は影響しない為、光学透過性と、常温での物理的・化学的安定性、低価格にすぐれたPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を筆頭として、光学透過性を有するあらゆるフィルムが適用可能である。また、TFT素子を形成後、貼り付けることができるフィルム状の材料が利用しやすいが、スペーサフィルムの製法や、基板上に固定する方法にはなんら制限が無い。図3に戻れば、スペーサフィルム38がセンサアレイ領域32の全体を少なくとも覆い、LSI33の上面とスペーサフィルム38の上面とが概ね同一面上にあるように構成できる限り、スペーサフィルムの製法および固定方法は問わない。したがって、フィルム状のものを貼り付けるのではなく、液体状の物を固化させて平坦な膜を形成しても良いし、何らかの方法で膜状のものを堆積させて形成しても良い。
スペーサフィルム38の厚さは、LSI33の高さと同等かやや厚めであれば良い。すなわち、検出物をイメージセンサ上に配置するときに、LSIが物理的な障害となって、検出物37とイメージセンサとの間に隙間などが生じなければ良い。
図4は、密着型2次元イメージセンサにおける像ボケの概念を説明する図である。図4の(a)は、密着型2次元イメージセンサ40においてスペーサフィルムが存在せず、検出物41が基板44上を覆う保護膜42−1と密着している状態を示す。図4の複数のセンサ素子43および保護膜42−1が、一体として図3におけるセンサアレイ領域32を構成している。図4の(a)に示した状態が、検出物41とイメージセンサと2次元イメージセンサとの理想的関係として想定している状態である。このときの基板44と検出物41との間の距離は、t1である。光源45からのバックライト光46は、検出物41で反射散乱して、反射散乱光47が各センサ素子43に入射する。
図4の(b)は、本発明の密着型2次元イメージセンサ40において、スペーサフィルムが存在し、このときの基板44と検出物41との間の距離がt1からt2に増えた場合を示す。したがって、基板44と検出物41との間の領域42−2は、保護膜42−1およびスペーサフィルムが基板44の厚さ方向に重なって充たされている領域となる。本発明の密着型2次元イメージセンサのようにスペーサフィルムを備えている場合、基板44と検出物41との間の距離はt1からt2に増加する。このため、検出物41とセンサアレイ領域とが密着した本来の状態からずれて、検出物41からの反射散乱光は点線の矢印48で示したようにより広い範囲に広がる。検出物41からの反射散乱光は、本来受光すべきセンサ素子に隣接するセンサ素子、この隣接センサ素子に隣接する素子、さらに離れたセンサ素子へまで到達する。これによって、像ボケが生じることになる。尚、図4の(a)および(b)では、t1およびt2の厚さ、TFTセンサ素子43の厚み、およびセンサ素子の間隔などは、説明のために実寸とは異なる関係に描かれている点に留意されたい。複数のTFT素子を物理的および静電破壊から守るための保護膜42−1は、高々0.2μm程度の厚さであって、本発明で利用されるカバー層であるスペーサフィルムが150μm〜数100μmであるのと比べて、非常に薄い。
図4の(b)に示した本発明の密着型2次元イメージセンサにおいて生じる像ボケは、容易に補正することが可能である。本発明の密着型2次元イメージセンサのスペーサフィルムは、均一の厚さを持つため、センサアレイ領域32内のいずれの場所においても、発生する像ボケの程度は同じであって、像ボケの態様が均一となっている。すなわちスペーサフィルムの幾何的な構成が一定性・均一性を持っているため、生じる像ボケがセンサアレイ領域32内で一様であって、この一様な像ボケを一律の画像処理技術によって軽減または解消することが可能となる。
像ボケを解消するための画像技術処理は様々な手法を利用することが可能であって、デコンボリューションフィルタを適用して像ボケをキャンセルする技術や、一般的なエッジ検出処理技術などを利用できる。密着型2次元イメージセンサでは、各センサ素子から得られる電荷のレベルを利用して検出物のイメージを反映した強度の電気信号を得ることが可能であって、この電気信号または電気信号をデジタル値に変換した後のデジタル値に対して、TFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値に基づいて、信号処理を行うことができる。本発明の密着型2次元イメージセンサにおいて、TFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値は、スペーサフィルムを形成することによって、スペーサフィルムが存在しない状態と比べて変化する。したがって、スペーサフィルムを形成することによって生じた情報またはスペーサフィルムを形成することによって変化した情報を利用して、画像処理を行うことができれば良い。言い換えると、カバー層であるスペーサフィルムの存在を反映した情報を利用することで、一様な像ボケを一律の画像処理技術によって軽減または解消することが可能となる。
例えば、カバー層(スペーサフィルム)の存在を反映した情報として、スペーサフィルムが存在することによって変化したTFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値を個々の2次元イメージセンサと対応付けて、記憶手段にストアしておくことができる。上述のパラメータ値だけではなく、像ボケの補正演算処理に用いるための「補正量データ」をストアすることもできる。この記憶手段は、ガラス基板を含む密着型2次元イメージセンサと関連付けたり、密着型2次元イメージセンサを搭載するセンサ装置と関連付けたりすることができる。
図5は、本発明の密着型2次元イメージセンサを含むセンサ装置の構成の概要を示す図である。センサ装置50は、図3に示した密着型2次元イメージセンサ51を含み、中央処理ユニット(CPU)53、CPU53によって制御されるイメージセンサ制御部52、記憶手段54、センサ装置50の外部との間で情報を入出力するI/O部55を含んでいる。密着型2次元イメージセンサ51は、基板上に形成された複数のセンサ素子を含むセンサアレイ領域57およびの同一基板上に搭載されたLSI56を含んでいる。センサアレイ領域57上には、本発明のスペーサフィルムが配置されており、スペーサフィルムの上面の高さ(厚さ)がLSI56の上面高さ(厚さ)と概ね同一の高さまたはより高くなっている。このため、検出物をイメージセンサ上に配置するときに、LSI56は物理的な障害とはならず、検出物とイメージセンサとの間に隙間などは生じない。
CPU53は、センサ装置50がイメージ入力装置として通常動作するときの全体の動作を制御するとともに、カバー層(スペーサフィルム)が存在することによって変化したTFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値の記憶手段54への書き込み、変更などを行う。また、記憶されたパラメータ値を使って、取得2次元イメージのデータに対して画像処理も行うこと可能である。イメージセンサ制御部52は、CPU53の監視の下でドライバLSIを制御して2次元イメージ電気信号をデジタルデータに変換したり、記憶手段に記憶された各種のパラメータ値に基づいて像ボケの補正のための画像処理演算を実行したりすることができる。イメージセンサ制御部52の機能の少なくとも一部は、CPUによって実行することも可能である。また、密着型2次元イメージセンサ51内のLSI56の中にイメージセンサ制御部52の少なくとも一部を組み込むことも可能である。したがって、イメージセンサ制御部52の機能ブロックなしで、直接CPU53によって密着型2次元イメージセンサ51を制御するような構成も取り得る。さらに、CPU53をLSI56の中に構成しても良い。センサ装置50内の各機能ブロックは、説明のために別個のものとして描いてあるのであって、密着型2次元イメージセンサ51以外の機能ブロックを1つの集積回路で構成することもできる。
このセンサ装置では、記憶手段54として例えば書換え可能なメモリを利用できる。記憶手段54の中に、カバー層(スペーサフィルム)の存在を反映した情報をストアしておくことができる。記憶手段に記憶する、スペーサフィルムが存在することによって変化したTFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値などの情報のより具体例については、センサ2次元イメージセンサの他の構造を説明したあとで、さらに説明する。
図6は、本発明の密着型2次元イメージセンサを含む別のセンサ装置の構成の概要を示す図である。センサ装置60は、密着型2次元イメージセンサ61上に記憶手段68を備えている点で、図5に示した構成と相違している。図6において、記憶手段68はドライバLSI66と別個のものとして表しているが、記憶手段68とドライバLSI66を一体のものとしても構成できる。この構成では、密着型2次元イメージセンサと、記憶されたスペーサフィルムが存在することによって変化したTFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値とが、一体のものとして取り扱える。
[実施例2]
図7は、本発明の密着型2次元イメージセンサの実施例2の断面構成を示す図である。図3に示した実施例1の構成ではセンサ基板上のセンサアレイ領域32の上のみにスペーサフィルムを備えていたのに対して、本実施例の構成ではセンサ基板71の全面上に、カバー層として平坦化膜78を備えている。したがって、本実施例の密着型2次元イメージセンサは、センサ素子のドライバ回路などを含むLSI73およびFCP74が、平坦化膜78の中に埋没している構造と成る。このような構造は、センサ基板71上にセンサアレイ領域72を形成し、さらにLSI73およびFPC74を搭載した後で、LSI73の高さと同等またはより高い位置まで平坦化膜78を形成すれば良い。
カバー層である平坦化膜78は、実施例1のスペーサフィルム38とその作製方法が異なり得るだけで、その機能は同一である。すなわち、平坦化膜78によって、検出物77と、センサアレイ領域72との間の距離は、平坦化膜78の膜厚tに等しくなる。膜厚tは、LSI73の厚さ0.15〜0.3mmと同等以上となるため、検出物77と、センサアレイ領域72とは密着していない。しかしながら、平坦化膜78が均一の厚さを持っていれば、センサアレイ領域72の構成面と検出物77との距離は一定となるため、センサアレイ領域72の構成面と検出物77との距離のために検出イメージに像ボケが生じても、その像ボケの程度は一様となる。すなわち、本発明の密着型2次元イメージセンサ70は、平坦化膜78を備えることで、予め像ボケの程度を予測または実測して既知とすることで、検出イメージに既存のボケ補正技術を適用することができる。平坦化膜によって、像ボケ発生の程度が一様化・均一化されるため、画像補正技術を一律に検出イメージに適用することが可能である。
上述のように本発明の密着型2次元イメージセンサでは、基板上の少なくもセンサアレイ領域の上に幾何学的に、単純な断面形状を持つカバー層であるスペーサフィルムまたは薄膜を構成して、同一基板上に搭載されるLSIやFPCと検出物の物理的干渉をなくしている。スペーサフィルムまたは薄膜が均一の厚さをもっているため、その断面形状は単純な矩形となる。すなわち、本発明の密着型2次元イメージセンサにおけるカバー層(38、78)は、センサアレイ領域(32、72)上に固定されたフィルム38、または、前記センサアレイ領域および前記回路基板73を埋没させるように形成された薄膜78として実施できる。
カバー層であるスペーサフィルムまたは薄膜が存在するために、検出物とセンサアレイ領域との密着性が低下しても、対象物のイメージに生じる像ボケの程度を均一化できることで、既存の画像処理技術を利用して像ボケを低減または解消できる。対象物のイメージに生じる像ボケの態様がセンサアレイ領域内において均一であるため、像ボケの程度を定量化することが簡単であって、画像処理技術もし易くなる。
上述のように本発明の密着型2次元イメージセンサでは、対象物のイメージに生じる発生する像ボケを均一化または単純化することでより像ボケを効果的に解消するよう動作できるので、次の実施例のように、平坦化膜の厚さを必ずしも一定とする必要性はない。
[実施例3]
図8は、本発明の密着型2次元イメージセンサの実施例3の断面構成を示す図である。実施例1の構成ではセンサ基板上のセンサアレイ領域32の上のみにスペーサフィルムを備えていたのに対して、本実施例の構成では実施例2と同様にセンサ基板81の全面上にカバー層である平坦化膜88を備えている。したがって、本実施例でも、センサ素子のドライバ回路などを含むLSI83およびFCP84が、カバー層である平坦化膜88の中に埋没している構造と成る。このような構造は、センサ基板81上にセンサアレイ領域82を形成し、さらにLSI83およびFPC84を搭載した後で、LSI73の高さと同等またはより高い位置まで平坦化膜88を形成すれば良い。
本実施例における平坦化膜88は、実施例2の平坦化膜78とは異なり、その厚さは均一でなく、LSI83のある側の基板端部から反対側の端部にかけて傾斜している。したがって、平坦化膜88の基板に垂直な面における断面形状は、台形となる。このような傾斜をした平坦化膜88であっても、断面形状が幾何学的に比較的単純な形状をしている限り、像ボケの態様は比較的単純である。像ボケの程度は、センサアレイ領域82内の位置に応じて推定することが簡単であって、像ボケの補正のための演算処理も比較的単純に行える。すなわち、本実施例の密着型2次元イメージセンサ80でも、カバー層として傾斜した平坦化膜88を備えることで、予め像ボケの程度を予測しまたは実測をして既知のものとすることで、検出物のイメージに既存のボケ補正技術を適用することができる。平坦化膜88によって、像ボケ発生の程度が予測可能であって像ボケの変化率が一様化・均一化されるため、画像補正技術を一律に検出イメージに適用することが可能である。
上述のように本発明の密着型2次元イメージセンサでは、基板上の少なくもセンサアレイ領域の上に、カバー層として一定の幾何学的に単純な断面形状のスペーサフィルムまたは薄膜などを構成して、同一基板上に搭載されるLSIやFPCと検出物の物理的干渉をなくすことができる。したがって、発明の密着型2次元イメージセンサにおけるカバー層(38、78、88)の上面は、基板(31、71)の前記一方の面に対して平行である(実施例1、2)か、または、傾斜している(実施例3)ものとして実施できる。
スペーサフィルムまたは薄膜が均一のまたは傾斜した厚さをもっているため、その断面形状は幾何学的に単純となる。スペーサフィルムまたは薄膜のために検出物とセンサアレイ領域との密着性が低下しても、検出物のイメージに生じる像ボケを予測可能化できることで、既存の画像処理技術を利用して像ボケを低減または解消できる。生じる像ボケの態様がセンサアレイ領域内において予測可能であり、像ボケの程度を定量化することが簡単であって、画像処理技術もし易くなる。
次に、像ボケの補正方法について、より具体的に述べる。
[実施例4]
本発明は、図5および図6に示したように、上述の実施例1〜3の構成の密着型2次元イメージセンサを含むセンサ装置としての側面も含む。図5および図6に示したセンサ装置において実行される像ボケの補正について本実施例で説明する。以下説明する像ボケの補正方法は、実施例1〜3のいずれの構成の密着型2次元イメージセンサを用いても同様に実施できる。したがって、実施例1の密着型2次元イメージセンサを例として、以下説明する。
図4とともに説明をしたように、本発明のセンサ装置では、像ボケを解消するための画像技術処理は様々な手法を利用することが可能である。個々のセンサ素子から得られる電気信号または電気信号をデジタル値に変換した後のデジタル値に対して、TFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値に基づいて、信号処理を行うことができる。本発明の密着型2次元イメージセンサにおいて、TFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値は、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜などを形成することによって、スペーサフィルムまたは平坦化膜が存在しない状態と比べて変化する。したがって、スペーサフィルムまたは平坦化膜を形成することによって生じた情報またはスペーサフィルムまたは平坦化膜を形成することによって変化した情報を利用して、画像処理を行うことができれば良い。言い換えると、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報を利用することで、予測可能な一様な像ボケを画像処理技術によって軽減または解消することが可能となる。
ここで、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報として、スペーサフィルムが存在することによって変化したTFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値がある。パラメータ値は、大別して、TFTイメージセンサ素子の物理的・光学的な構成パラメータ、バックライト光に関するパラメータ、センサアレイ領域上に付加されるスペーサフィルムまたは平坦化膜の構造的・光学的なパラメータが少なくとも含まれる。
TFTイメージセンサ素子に関するパラメータは、図4を参照すれば、センサ素子の形状サイズのパラメータ、センサ素子間の距離、センサ素子の繰り返し間隔、センサ素子の幾何学的配置方法(素子の繰り返し最小配置が正方形、正六角形など)などが含まれる。センサ素子の形状サイズのパラメータは、例えば、ボトムゲート(逆スタガー)型のフォトトランジスタのゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、チャネルの構造、膜質及び界面状態パラメータなどを含む。また、センサ素子の光学パラメータとして、センサ素子のフォトリアクティブな受光部としての開口率(NA)などを含む。さらに、センサ素子の周辺の配線やキャパシタの構造パラメータを含み得る。これらのTFTイメージセンサ素子に関するパラメータは、図4の(b)において、どのくらい離れた隣接センサ素子まで検出物からの反射散乱光が入り込むかの程度を反映し、センサアレイ領域上に付加されるカバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜によって生じる像ボケを補正する処理を行う上での情報を与える。
バックライト光に関するパラメータは、バックライト光の強度や含まれる波長成分、面内分布、配光特性などがあり得る。尚、図4では、バックライト6は、バックライト光を供給する領域として抽象的に示しており、具体的には、LEDと導光板で形成される場合や、EL素子の面状発光体も利用可能である。例えば有機EL素子の場合、基板31の表面上に直接形成が可能であり、本発明の薄型形状の特徴をより活かすことができる。バックライト光の具体的な供給方法に応じて、センサアレイ領域上に付加されるスペーサフィルムまたは平坦化膜の有無により変化する独自パラメータを含むことができる。
センサアレイ領域上に付加されるスペーサフィルムまたは平坦化膜の構造的・光学的なパラメータは、例えば、スペーサフィルムまたは平坦化膜の厚さ、厚さの面内変化(実施例3の場合)、材料の透明度、散乱度(ヘイズ)などを含む。尚、スペーサフィルムまたは平坦化膜と比べて非常に薄いが、図4の(a)に示した従来からセンサ素子の直接覆う保護膜42−1の構造的・光学的なパラメータについても、本発明におけるカバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜と同様に考慮に加える。
上述の3種類の各パラメータは、いずれも、本発明のTFTイメージセンサにおいて検出物から反射散乱光を検出する機構に直接関連し、対象物のイメージに生じる像ボケの発生の程度を定量化することに関連する。同時に、様々な画像処理技術を利用して、発生した像ボケの補正のためにも利用できる。本発明の密着型2次元イメージセンサでは、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜を備えることで、検出物とセンサアレイ領域の周辺のLSIやFPCなどとの間の物理的干渉を避けることができる。同時に、スペーサフィルムまたは薄膜が存在するために検出物とセンサアレイ領域との密着性が低下しても、対象物のイメージに生じる像ボケを均一化できることで、既存の画像処理技術を利用して像ボケを低減または解消できる。
図5および図6において示した本発明のセンサ装置は、記憶手段54、68を備えているので、像ボケを低減または解消するための画像処理のために利用する、スペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報をストアしておくことができる。この情報は、様々な種類の情報であり得る。例えば、上述のTFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値をストアできる。通常は、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜が存在しない場合のTFTイメージセンサパラメータに基づいて、センサ装置の通常のイメージング処理のための具体的な設計が行われる。本発明の密着型2次元イメージセンサでは、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜を備えているので、スペーサフィルムまたは平坦化膜が付加されることによって変化した上述のTFTイメージセンサに関連する各種のパラメータ値(変更された値)をストアできる。変更されたパラメータ値は、対象物のイメージに生じる像ボケの解消のための画像処理に必要なものが含まれていれば良い。また、上述のパラメータ値そのものではなくて、像ボケの補正のための画像処理に使用するための、TFTイメージセンサに関連するパラメータとは異なる種類の値(後述する補正量データ)を、記憶手段にストアしても良い。すなわち、上述のパラメータ値および変更されたパラメータ値から2次的に求められる、イメージ補正のための他のデータ(補正量データ)を利用することもできる。したがって、ストアされたスペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報によって、像ボケの低減または解消の処理に利用できる限り、最も利用をしやすいデータを記憶手段にストアすれば良い。
したがって、本発明のセンサ装置は、実施例1〜3に示した密着型2次元イメージセンサと、カバー層が存在しないときの複数のセンサ素子の構造もしくは光学特性に関連するパラメータ、検出物に照射する光に関連するパラメータ、ならびに、前記カバー層の構造もしくは材料に関連するパラメータを含む2次元イメージセンサのパラメータの内の少なくとも1つ以上の値が、前記カバー層が存在することによって変化した場合の、変更されたパラメータ値、または、前記2次元イメージセンサのパラメータのうちの1つ以上の値もしくはその変更されたパラメータ値に基づいた、前記像ボケを減らすために利用されることになる補正量データをストアする記憶手段と、前記記憶された前記変更されたパラメータ値または前記補正量データを利用して、検出物のイメージに生じる像ボケの補正演算処理を実行する中央制御装置(CPU)とを備えたものとして実施できる。
図5および図6において示したセンサ装置の記憶手段に、スペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報をストアするのは、本発明の密着型2次元イメージセンサをセンサ装置に組み込むときに製造・調整の工程の1つとして実行することもできるし、完成したセンサ装置において何らかの理由で密着型2次元イメージセンサを交換する場合、何らかの理由で密着型2次元イメージセンサの状態が変化したときなどに、センサ装置の利用中に実行することもできる。記憶手段54、64、68へのスペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報のストアは、センサ装置内のCPUまたはI/O部55、56を介して外部から制御して行うことができる。
スペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報は、一例を挙げれば、所定の絵柄を持つ標準画像パターンを決めておき、この標準画像パターンから求められる、スペーサフィルムまたは平坦化膜がない場合のイメージデータと、実際にスペーサフィルムまたは平坦化膜を含む本発明の密着型2次元イメージセンサから実測されるイメージデータとの差分から、ストアする情報を決定できる。
図9は、記憶手段にスペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報をストアする場合に使用できる標準パターンの一例を示す図である。標準パターンは、像ボケの程度や態様を検出することができればどのようなものでも良いが、一例として、センサ素子のサイズに対応した大きさの黒い円で良い。また、単一ではなくて複数の要素パターンを配列したものも良い。例えば複数の円を配置する場合の配置パターンにも制限はない。実施例3のように平坦化膜の厚さが傾斜している場合には、センサアレイ領域内の像ボケの程度の分布を定量化するために複数の円を含んでいるのが好ましい。また、円の色は背景色と異なっていれば、像のエッジが検出できるので像ボケの程度および態様に関する情報が得られる。したがって、背景色および円の色が、白黒である必要はなく、黒以外の色でも、同系色の濃淡の差異があるものでも良い。
図9において、標準パターンの1つの円の大きさは、密着型2次元イメージセンサのセンサ素子の1つのサイズより大きい必要がある。円の大きさがセンサ素子よりも小さければ、TFTの素子部分で光が遮蔽され、円自体が検出できず、像ボケも検出できないからである。実施例3のような傾斜した平坦化膜の場合は、複数の円(要素パターン)をセンサエリア領域の全体に分布するようにして、傾斜した平坦化膜の全体の像ボケが把握できるようなパターンとすれば良い。
像ボケの低減または解消のために使用される、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報を取得することは、その後、この情報に基づいて像ボケの補正を行うことも含めると、像ボケの補正のための補正量を算出することと実質的に同じである。ここでは、簡単のため、スペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報を取得することを、像ボケの補正量算出手順と呼ぶことにする。像ボケの補正量算出手順は、一例を挙げれば以下のように実行できる。
第1に、上述の標準パターンを利用して、本発明の密着型2次元イメージセンサにおけるスペーサフィルムまたは平坦化膜が存在せず完全に密着できる場合に、標準パターンからセンサ素子で得られるデータ(標準パターンデータ)を準備する(ステップ1)。この標準パターンデータは、センサ装置内の記憶手段54、68にストアされていても良いし、像ボケの補正量算出手順を実行するプログラムの中に含まれていても良いし、補正量算出手順を実行するセンサ装置内またはセンサ装置外のプロセッサがアクセス可能なメモリにストアされていても良い。スペーサフィルムまたは平坦化膜が存在しない場合では、検出物とセンサアレイ領域が完全に密着できるので像ボケは発生しない。したがって、標準パターンデータは、像ボケが発生せず、その密着型2次元イメージセンサのTFTセンサ素子などによって取得が可能な範囲の理想的な標準状態のイメージデータが得られる。
具体的には、標準パターンデータは、標準パターンが含む複数の形状(例えば黒い円形)から得られるイメージデータである。すなわち、対応する複数のTFT素子から得られる形状イメージの反射散乱光の強度データであり得る。上述の理想的な標準状態にも関わらず、TFT素子の設計値および性能、ならびに、標準パターンの形状、明度および色彩などによっては、隣接するTFT素子に漏れる反射・散乱光が存在していても構わない。この標準パターンデータは、対象の密着型2次元イメージセンサの既知のパラメータから計算によって求めることもできるし、実際に標準パターンを実際のセンサデバイスで、スペーサフィルムまたは平坦化膜が存在しない状態で読み込んだ実測値を利用しても良い。
第2に、本発明の密着型2次元イメージセンサにおいてスペーサフィルムまたは平坦化膜が組み込まれた状態で、先のステップ1で利用したのと同じ標準パターンのイメージデータを実際に取り込む。取り込まれた実測データと、先のステップ1で得られた標準状態のイメージデータとの比較を行って、本発明の密着型2次元イメージセンサにおいて生じる像ボケを補正するために必要な「補正量データ」を算出する(ステップ2)。ここで言う「補正量データ」は、具体的な内容は問わない。すなわち、本発明の密着型2次元イメージセンサが実際に使用されるときに、像ボケの低減または解消のための画像演算処理に利用可能なものであれば良い。従って、「補正量データ」は、像ボケの補正のための画像演算処理中に使用されるパラメータ、画像演算処理中に使用されるパラメータを生成するためのパラメータなどとすることができる。
また、前述のスペーサフィルムまたは平坦化膜が存在することによって変化したTFTイメージセンサに関連する各種の変更されたパラメータ値(例えば、TFTセンサ関連のパラメータ、バックライト光のパラメータ、スペーサフィルムまたは平坦化膜に関するパラメータの3種類)自体であっても良い。これらの変更されたパラメータは、像ボケの補正の画像演算処理中に使用されるパラメータを生成するためのパラメータであり得る。これらの上述の補正量データは、スペーサフィルムまたは平坦化膜の存在を反映した情報である。したがって、変更されたパラメータ値または補正量データは、単一または複数の要素パターンを配列した標準パターンから得られるイメージデータ計算値、検出物として前記標準パターンを利用して得られたイメージデータ実測値、または、前記計算値および実測値の両方を利用して求められることになる。
第3に、上述のステップ2で得られた補正量データを、記憶手段にストアする(ステップ3)。図5、図6に示したセンサ装置50、60では、センサ装置の密着型2次元イメージセンサを使用して検出物のイメージを取り込むたびに、本発明の記憶手段54、68にストアされた補正量データを利用して、取得データに対して像ボケの補正演算処理を行う。
したがって、本発明は、密着型2次元イメージセンサ、中央制御装置(CPU)および記憶手段を少なくとも含むセンサ装置で、対象物のイメージに生じる像ボケを補正する方法として実施でき、ここで、前記密着型2次元イメージセンサは、基板と、前記基板の一方の面上に形成され、複数のセンサ素子が配列されたセンサアレイ領域と、前記基板の前記一方の面と同じ側に搭載され、前記センサアレイ領域よりも高い上面を持ち、前記センサ素子を動作させる電子回路素子が構成された回路基板と、少なくとも前記センサアレイ領域全体を覆い、少なくともその上面の一部が前記回路基板の前記上面と等しいかまたは高い位置にあるように構成されたカバー層とを備え、前記カバー層の上面は、前記複数のセンサ素子によって前記平坦化層上に配置された検出物からの反射散乱光から得られるイメージの像ボケが均一化されるように平坦化されている。
さらに本発明の方法は、前記カバー層が存在しない場合に、単一または複数の要素パターンを配列した標準パターンから前記複数のセンサ素子で得られるイメージデータ計算値を備えるステップと、前記カバー層が組み込まれた状態で、前記標準パターンのイメージデータ実測値を取得するステップと、前記イメージデータ計算値と前記イメージデータ実測値とを比較して、前記像ボケを減らすために利用されることになる補正量データを求め、前記補正量データを前記記憶手段へストアするステップと、前記記憶手段にストアされた前記補正量データを利用して、検出物のイメージに生じる像ボケの補正演算処理を実行するステップとを備えることを特徴とする方法として実施できる。
上述の像ボケの補正量算出手順の3つのステップは、製造工程において、本発明の密着型2次元イメージセンサをセンサ装置に組み込む際に実行できる。図6に示したように、密着型2次元イメージセンサ61の中に含まれた記憶手段68に補正量データがストアされば、センサ装置上で密着型2次元イメージセンサを入れ替えても、再度また像ボケの補正量算出手順を実行する必要がない。また、上述の像ボケの補正量算出手順では、スペーサフィルムまたは平坦化膜によって、像ボケ発生の程度が一様化・均一化されるため、画像補正技術を一律に検出イメージに適用可能であることを想定している。従って、ステップ2で求められる「補正量データ」が、像ボケの程度・量を示すものとして、その後のセンサ装置におけるイメージングの動作に一律に適用される。
実際のイメージセンサでは、センサエリア領域内のセンサ素子の性能に面内でばらつきが生じる場合がある。また、センサ素子以外の要因のばらつきも生じ得る。したがって、上述の像ボケの補正量算出手順において、標準パターンとして複数の要素形状を含むものを使い、センサアレイ領域内の全体に広がった要素パターンの各々によって、センサアレイ領域内の異なる位置に対応した像ボケの補正量データを求め、ストアすることもできる。このように、複数の補正量データを求め、ストアすることによって、密着型2次元イメージセンサのばらつき補正を行うこともできる。
像ボケを補正する演算処理は、既存の画像処理技術を利用して行えば良い。光学系にボケ特性がある場合には、実際に得られた画像に対してデコンボリューションフィルタを適用して、像ボケをキャンセルする技術が知られている。また、画像処理やOCR技術で利用されるエッジ検出の技術を利用することもできる。
以上詳細に説明してきたように、本発明の密着型2次元イメージセンサ、センサ装置では、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜によって、センサ基板上に搭載されたドライバLSIやFPCと検出物との間の物理的干渉を避けることができる。従来広く利用されているコピー機、ファクシミリおよびフラットベット型のスキャナ等では、イメージ光をレンズ等の光学系部によって1次元光学アレイセンサ上に導き、結像させていたため、センサアレイ領域の近傍にあるドライバLSIやFPCなどの障害物の問題点は何ら認識されていなかった。
本発明の密着型2次元イメージセンサは、センサアレイ領域の周辺に障害物があるような場合に好適である。安価なガラス基板とともにaシリコン薄膜を利用したTFTを画素として利用する場合、ドライバLSIをガラス基板上に設けることは必須であり、aシリコン薄膜を利用したTFTで構成される密着型2次元イメージセンサに好適である。本発明の密着型2次元イメージセンサは、レンズなどの光学系部の要素を全く必要とせず、薄いガラス基板などの上に構成することが可能であって、薄い板状の形状を持つ最新のスマートフォンやタブレット型端末のような超小型のコンピュータ装置との利用も親和性がある。
本発明の密着型2次元イメージセンサでは、カバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜を均一の厚さとすることができるので、センサアレイ領域内のいずれの場所においても、発生する像ボケの程度は同じであって、像ボケの態様が均一となっている。すなわちカバー層であるスペーサフィルムまたは平坦化膜の幾何的な構成が一定性・均一性を持っているため、生じる像ボケがセンサアレイ領域内で一様であって、この一様な像ボケを一律の画像処理技術によって軽減または解消することが可能となる。平坦化膜が傾斜していても、同様に、生じる像ボケの程度がセンサアレイ領域内で一様に変化するため、この一様な像ボケ変化を一律の画像処理技術によって軽減または解消することが可能となる。
本発明は、一般的にイメージング機器に利用することができる。特に、密着型2次元イメージセンサ素子、センサ装置に利用できる。
1、28、37、41 検出物
2、42−1 保護膜
3、43 センサ素子
4、21、31、43、71 基板
5、26、36、45、76、86 光源
、46 バックライト光
7、47、48 反射散乱光
10、20、30、40、51、61 密着型2次元イメージセンサ
22、32、72、82 センサアレイ領域
23、33、73、83 LSI
24、34、74、84 FPC
38、78、88 カバー層
50、60 センサ装置
53、63 CPU
54、64、68 記憶手段

Claims (6)

  1. 密着型2次元イメージセンサ、中央制御装置(CPU)および記憶手段を少なくとも含むセンサ装置で、対象物のイメージに生じる像ボケを補正する方法において、
    前記密着型2次元イメージセンサは、
    基板と、
    前記基板の一方の面上に形成され、複数のセンサ素子が配列されたセンサアレイ領域と、
    前記基板の前記一方の面と同じ側に搭載され、前記センサアレイ領域よりも高い上面を持ち、前記複数のセンサ素子を動作させる電子回路素子が構成された回路基板と、
    少なくとも前記センサアレイ領域全体を覆い、少なくともその上面の一部が前記回路基板の前記上面と等しいかまたは高い位置にあるように構成されたカバー層と
    を備え、
    前記カバー層の前記上面は、前記複数のセンサ素子によって前記カバー上に配置された検出物からの反射散乱光から得られるイメージの像ボケが均一化されるように平坦化されており、
    前記方法は、
    前記カバー層が存在しない場合に、単一または複数の要素パターンを配列した標準パターンから前記複数のセンサ素子で得られるイメージデータ計算値を備えるステップと、
    前記カバー層が組み込まれた状態で、前記標準パターンのイメージデータ実測値を取得するステップと、
    前記イメージデータ計算値と前記イメージデータ実測値とを比較して、前記像ボケを減らすために利用されることになる補正量データを求め、前記補正量データを前記記憶手段へストアするステップと、
    前記記憶手段にストアされた前記補正量データを利用して、検出物のイメージに生じる前記像ボケの補正演算処理を実行するステップと
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記カバー層の前記上面は、前記基板の前記一方の面に対して平行であるか、または、傾斜しており、並びに、
    前記カバー層は、前記センサアレイ領域上に固定されたフィルム、または、前記センサアレイ領域および前記回路基板を埋没させるように形成された薄膜であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  3. 前記基板はガラス基板であり、前記センサ素子は、アモルファスシリコン薄膜によって形成された薄膜トランジスタ(TFT)であり、前記回路基板は前記TFTを駆動するドライバ回路またはその一部を含むことを特徴とする請求項またはに記載の方法。
  4. 基板、
    前記基板の一方の面上に形成され、複数のセンサ素子が配列されたセンサアレイ領域、
    前記基板の前記一方の面と同じ側に搭載され、前記センサアレイ領域よりも高い上面を持ち、前記複数のセンサ素子を動作させる電子回路素子が構成された回路基板、および、
    少なくとも前記センサアレイ領域の全体を覆い、少なくともその上面の一部が前記回路基板の前記上面と等しいかまたは高い位置にあるように構成され、前記上面が、前記複数のセンサ素子によって得られるイメージの像ボケが均一化されるように平坦化されているカバー層
    を有する密着型2次元イメージセンサと、
    記憶手段と、
    中央制御装置(CPU)であって、
    前記カバー層が存在しない場合に、単一または複数の要素パターンを配列した標準パターンから前記複数のセンサ素子で得られるイメージデータ計算値を前記記憶手段に備え、
    前記カバー層が組み込まれた状態で、前記標準パターンのイメージデータ実測値を取得し、
    前記イメージデータ計算値と前記イメージデータ実測値とを比較して、前記像ボケを減らすために利用されることになる補正量データを求め、前記補正量データを前記記憶手段へストアし、
    前記記憶手段にストアされた前記補正量データを利用して、検出物のイメージに生じる前記像ボケの補正演算処理を実行するよう構成されたCPUと
    を備えたことを特徴とするセンサ装置
  5. 前記カバー層の前記上面は、前記基板の前記一方の面に対して平行であるか、または、傾斜しており、並びに、
    前記カバー層は、前記センサアレイ領域の上に固定されたフィルム、または、前記センサアレイ領域および前記回路基板を埋没させるように形成された薄膜であることを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。
  6. 前記基板はガラス基板であり、前記センサ素子は、アモルファスシリコン薄膜によって形成された薄膜トランジスタ(TFT)であり、前記回路基板は前記TFTを駆動するドライバ回路またはその一部を含むことを特徴とする請求項4または5に記載のセンサ装置。
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