JPH11184619A - 密着イメージセンサ - Google Patents

密着イメージセンサ

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JPH11184619A
JPH11184619A JP35470497A JP35470497A JPH11184619A JP H11184619 A JPH11184619 A JP H11184619A JP 35470497 A JP35470497 A JP 35470497A JP 35470497 A JP35470497 A JP 35470497A JP H11184619 A JPH11184619 A JP H11184619A
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light
electrode
image sensor
sensor
illuminance
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JP35470497A
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Yasuhiro Yoshida
育弘 吉田
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリクス状に構成した透過型2次元密着セ
ンサは、センサを構成する遮光電極の影が原稿上に生ず
るため、原稿からの反射光が位置ごとに不均一になる。
そのため、画素内部に環流電流を生じ、出力電流の低下
を招く。 【解決手段】 センサの遮光部分に微小な光透過用の貫
通穴4をあけ、原稿上に生ずるセンサを構成する遮光電
極の影の影響を緩和して、反射光の強度を増し、また位
置ごとの強度不均一を是正して、総合的な出力電流の増
大と読み取りS/Nの向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像情報や手書
き情報をコンピュータに入力するために用いる機能とし
ては座標入力装置、用途としては情報入力装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】2次元マトリクス状に光電池を形成し、
この光電池を感光要素として光によって手書き情報や画
像情報をコンピュータへ入力する装置が種々提案されて
いる。
【0003】特願昭60−262236号公報には、図
13に示すような座標入力装置が開示されている。10
5はガラス基板、106はCdS焼結体よりなるCdS
層であり、ガラス基板105上にストライプ状に形成さ
れており、x座標検出用電極および、光電池のn形半導
体として作用する。108は、CdTe焼結体よりなる
CdTe層で、上記CdS層106からなるX座標検出
用電極及び、後述するY座標検出用電極の引き出し部を
除く、CdS層106上と、CdS層106が形成され
ていないガラス基板105上に形成されており、光電池
のp形半導体として作用する。107は、上記CdTe
焼結体108上に、上記CdS層106に対して、直角
に積層されたストライプ状のカーボン電極層で、y座標
検出用電極および、上記CdTe焼結体108へのドー
プ材としても作用する。そして、上記CdS層106と
カーボン電極層107との交点に光電池が形成される。
【0004】このような座標入力装置の利用方法につい
て、例えば、共立出版発行、「センサと信号処理」の1
989年第2版第2刷の170頁付近に、フォトダイオ
ードを用いた半導体イメージセンサが示されている。図
14に示す、m=383個、n=489個の2次元フォ
トダイオード100nでは、(m、n)=(0、0)の
フォトダイオード1000から(383、0)のフォト
ダイオードへ走査されて、次に(0、1)のフォトダイ
オードから(383、1)のフォトダイオードへ走査さ
れ、以下順次、(383、489)のフォトダイオード
100nまで同様の走査が繰り返される。このようにし
て、どのフォトダイオードに光が入射しているかを検出
して、情報入力装置として利用する。ところで、図13
に示す座標入力装置は、ガラス基板105と、ガラス基
板105上に互いに直交してストライプ状に形成された
CdS焼結体よりなるCdS層106と、カーボン電極
層107と、CdTe焼結体よりなるCdTe層108
とからなる。すなわち、ガラス基板105上に、さらに
3層の構成層を有する構造となっている。このうちガラ
ス基板105は、いうまでもなく光学的に高い透過率を
有する。ところが、ガラス基板105上に構成された3
層の内の2層は、カドニウム系焼結体であり光透過率が
極めて低い。そのため、図13に示す座標入力装置は、
イ面側(ガラス面側)からロ面側(光電池形成面側)、
あるいは逆に、ロ面側(光電池形成面側)からイ面側
(ガラス面側)への光透過率が極めて低いという問題が
あった。
【0005】このような問題を解決するために、光電池
形成面側とガラス面側との間に、高い光透過率を有する
座標入力装置を特開平9−73356号公報に開示され
ている。図17は、上記特開平9−73356号公報に
開示されている座標入力装置を示す一部拡大平面図、図
15は、図17のA−A断面図である。
【0006】図15に示すように、透明基板115上
に、光学的に透過率の高い材質で形成されたストライプ
状の複数の第1の電極111と、前記第1の電極111
上に直交して、ストライプ状に積層されたアモルファス
シリコン層112と、前記アモルファスシリコン層11
2上に、光学的に透過率の低い材質で形成されたストラ
イプ状の複数の第2の電極113とで、2次元マトリク
ス状に光電池を形成し、この光電池を感光要素として光
によって情報入力を行うようにしているが、このとき、
上記アモルファスシリコン層112が、上記第1の電極
111と、第2の電極113とが交差する部位に島状に
存在するように、上記透明基板110上にストライプ状
に形成された第1の電極111の上に積層されるように
している。
【0007】このように構成することにより、第2の電
極113側から入射した光は、図17に示すように、ス
トライプ状に形成された第2の電極113とアモルファ
スシリコン層112のストライプの空隙を通過し、さ
らに第1の電極111と透明基板115を通過して裏面
へ透過する。このようにして、光透過率の高い座標入力
装置が提供されている。この技術と、上記共立出版発行
の「センサと信号処理」に記載されている技術とを組み
合わせて、2つの電極の交点に形成された光電池からの
情報を読み出して情報入力装置として利用するのであ
る。
【0008】ところで、このような情報入力装置は次の
ようにして利用される。先に述べたような光透過率の高
い座標入力装置に、図形情報が書かれた反射原稿の図形
情報の書かれた面を、上記座標入力装置のガラスなどの
透明基板面に密着させ、他方の面から光を入射し、上記
入射した光が上記座標入力装置を透過して上記反射原稿
に到達し、反射原稿に描かれた図形の濃淡情報に応じて
強度変調を受けて反射した光を、透明基板、透明導電膜
を経てアモルファスシリコン層で検出して、この反射原
稿に書かれた図形情報を読み取るのである。
【0009】この様子を図15に基づいて、詳しく説明
する。図15において、透明基板115に反射原稿11
0を密着させて、情報を入力する。この反射原稿110
には、インクで図形情報が書かれており、透明基板11
5の反射原稿110と反対側の面から光a、bを入射さ
せると、前記入射した光a、bが、上記座標入力装置を
透過し、上記反射原稿110によって反射された光が検
出されるようになっている。
【0010】このとき、光aのように、反射原稿110
に図形情報が書かれているところに入射した光は、イン
ク116に吸収されるのでその反射光は弱くなり、逆に
光bのように何も書かれていないところに入射した光か
らは、強い反射光cが得られる。そこで、この光の強弱
を上記座標入力装置の光電池の起電力を電流に変換すれ
ば、書かれた図形情報を読み取ることができるはずであ
る。
【0011】しかし、第2の電極113は、光透過率が
低いので、図15或いは、図17のに示すような場所
は、第2の電極113側から光を照射しても光電池11
4は、この光には応答しない。一方、座標入力装置を透
過した光が反射原稿110で反射して、透明基板115
や第1の電極111を通過した場合には、光電池114
はこの光には反応する。したがって、照明光には影響さ
れずに、反射原稿110からの反射光の強弱のみを検出
でき、反射原稿110上に書かれた図形情報を読みとる
ことができるのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術を用いて情報入力を行うためには、透明基板の厚
さを十分薄くしなければならない。これは、密着型セン
サ一般に言えることであるが、原稿とセンサ、即ち、光
電池との距離が開くと、それに応じて原稿からの反射光
が分散し、センサでその光を検出する際に、解像度の低
下として影響するからである。しかし、解像度低下を意
識して、センサと原稿間の距離を十分に小さくすると、
ガラス基板そのものを薄くしなければならないため、製
品の強度確保が難しくなり、コストが上昇するという問
題があった。
【0013】また、センサと原稿との距離が近づくと、
センサを構成する遮光電極の影が原稿上に生ずると考え
られる。そして、その影の部分では、原稿からの反射光
も生じないから、原稿からの反射光は、センサの直下の
影の部分では弱く、センサ以外の光透過部分では強くな
る。このことは濃度分布のない一様な原稿を用いても、
反射光に強度分布を生じ、センサに到達する光強度に分
布を生ずることを意味する。つまり、第1の電極と第2
の電極の交点部分に形成されている光電池を微視的に分
解してみれば、その微視的な各部分(以下、微小センサ
という)反射光の強度が異なっているのである。
【0014】ところで、光電池は、電極の各交点に一つ
ゞつ形成される。また、それぞれの光電池は、たとえば
アモルファスシリコンなどでp層、i層、n層などをC
VD装置などを用いて順に積層して形成される。そし
て、一方の電極からアモルファスシリコンp層、i層、
n層などを経て、他方の電極から光強度に応じて得られ
た電流が取り出されて、全体で密着イメージセンサとし
て機能する。なお、上記の積層構造は、細かく見れば、
オーミックな接合をn層と金属電極との間に、効率よく
作るためのp+層なども含んでいるが、ここでは説明を
簡略化するために省略する。
【0015】先に述べたように、各光電池に入射する光
の強度が微小センサごとで異なっていると、上記した、
一方の電極からアモルファスシリコンp層、i層、n層
などを経て、他方の電極から電流が取り出されるという
電流路を流れる電流値も微小センサごとに異なることに
なる。この結果、各光電池は、微小センサごとに、異な
る電極へ出力電流の値の総和を出力するように動作す
る。
【0016】ところで、光電池に用いられるn層の抵抗
率は、一般に他の層に比較して1000分の1から10
000分の1程度低いという特徴がある。このため、上
記したように、微小センサごとに外部の電極へ出力され
る電流の値が異なるように動作するのみならず、各光電
池内部では、微小センサを単位として、隣接する部分間
で、n層を伝った内部の環流電流を生ずるようになる。
図16は、一つの光電池、つまり、透明電極と金属電極
の一つの交点の電気的等価回路を、微小センサに分解し
てその集合として表した図である。図16を用いて上記
の現象を説明する。尚、以下の説明では、上記一つの光
電池のことを画素という。図16においては、アモルフ
ァスシリコンによるpin各層の積層構造を、太陽電池
と見立て、ダイオード121と電流源122との並列構
造で示している。
【0017】また、p+層を単純な直列抵抗123で書
き表した。ここで、各ダイオード121間を横方向に接
続する抵抗124は、他の層に比較して低いn層の抵抗
を表す。
【0018】ここで、すべての微小センサ120に均等
に光が当たっている場合には、各微小センサ120の電
流源は皆同じ値の電流を出力するので、n層を表す抵抗
124には電流が流れない。しかし、光が不均一になる
と、隣接する微小センサごとに電流源が出力する電流値
が異なるために、抵抗124に電流が流れるようにな
る。このようにして、画素114′内部に環流電流が流
れる。このことは、微小センサ120を単位として、画
素114′内部で電力消費を生ずることを意味する。そ
のような電力消費は、結果として電極125及び、電極
126に出力される電流値の低下につながり、ひいては
センシング感度が低下するという問題があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の本発明の密着イメージセンサは、
ガラス基板上に、一方向に並列する複数の一方の電極を
透明導電膜で形成し、前記透明導電膜からなる電極と、
直交して並列する複数の他方の電極は遮光性を有する金
属で形成し、上記それぞれ複数の電極の各交点部分に光
電変換膜を介挿して、光電池を形成した密着イメージセ
ンサにおいて、上記光電池の中央付近に、上記遮光性を
有する金属からなる金属電極と、上記光電変換膜とに光
を透過する貫通穴を設ける。
【0020】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の密着イメージセンサにおいて、上記貫通穴の大きさ
を、上記金属電極及び透明導電膜の狭い方の幅の1/6
以上、広い方の幅の1/6以下の正方形又は、長方形と
する。請求項3に記載の本発明は、請求項1又は、請求
項2に記載の密着イメージセンサにおいて、上記金属電
極の幅が60±5μm、上記透明導電膜の幅が100±
5μm、上記貫通穴の大きさが10±1μm角とする。
【0021】請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項3に記載の密着イメージセンサにおいて、上記光
電池の配置密度が200dpi、入力原稿と上記光電池
との距離が100μm以上とする。請求項5に記載の本
発明は、請求項3に記載の密度イメージセンサにおい
て、上記ガラス基板の厚さを120±5μmとする。
【0022】上記のように構成することによって、図1
5及び図17に示した座標入力装置の使用において、照
明光は貫通穴を通過するので、原稿上にはセンサの影が
生じなくなる。また、貫通穴の大きさを金属電極及び透
明導電膜の、狭い方の幅の1/6以上、広い方の幅の1
/6以下としたので、光電池の起電力が殆ど低下しな
い。さらに、金属電極の幅を60±5μm、透明導電膜
の幅を100±5μm、光電池の配置密度を200dp
i、ガラス基板の厚さが120±5μmとしたので、解
像度と影の関係をもっとも効率よく回避することが可能
になる。
【0023】
【発明の実施の形態】発明者は、本発明を実験するに際
し、200dpi密度のセンサを適切に動作させるため
に必要な、センサと原稿間との距離(以下ガラス厚)に
ついて計算機シュミレーションを行ったので、この内容
について説明する。図2は光量と、ガラス厚と、ボケと
の関係のシュミレーション結果を示す。上記シュミレー
ションでは、はじめに光学シュミレーションソフトを用
いて、ガラス厚をパラメータとして、まず、ぼけ特性と
センサ部の平均光量について評価した。単純化したモデ
ルを用いて、ガラス厚100μmで、200dpi白黒
交番原稿に対するボケを求めたところ、ボケによる6d
Bの信号減少があり、ガラス厚に応じたローパスフィル
タの特性に書けることが分かった。遮光電極の影の影響
で平均光量は変化し、ガラス厚97μmの時、最大照度
と最大コントラストが得られることが分かった。
【0024】次いで、200dpi白黒交番原稿につい
て、信号処理によるS/N劣化と、平均光量変化による
S/N変化をパラメータにして、総合S/Nを最大にす
るガラス厚を求めたところ、96μmが最適値であると
いう結果を得た。次に、光学シュミレーションソフトの
説明をする。ソフトの動作、基本データの説明、プログ
ラムの前半部、後半部から、それぞれ得られる特徴的な
データの説明、200dpiにおける最適ガラス厚の検
討、まとめの順に説明を行う。
【0025】図4は、光学解析計算の3次元モデルを示
す図である。光学シュミレーションソフトの構成につい
て、この光学シュミレーションソフトは、図4に示すよ
うに、透過型光センサへ入射した光が原稿10に到達
し、原稿10から反射した光がセンサに入射するとい
う、一連の動作を計算機上に再現したものである。説明
を簡略化するため、図4ではセンサを反転配置している
が、実際には請求項に述べた光電池(センサ)構造のシ
ュミレーションとしている。光源は散乱放射光を仮定、
また、紙面(原稿)反射は、ユールニールセン効果を考
慮した完全散乱反射を仮定している。tは距離、nは屈
折率である。
【0026】上記光学シュミレーションソフトは、大き
く前半部と後半部に分かれている。前半部は、透過型光
センサへ入射した光が原稿10へ至る過程を扱い、フレ
ネルの法則、透明電極やガラスの透過率の影響、遮光電
極の陰の影響などを考慮している。一方後半部は、原稿
10から反射した光がセンサに入射する過程を扱ってお
り、ユールニールセン効果を考慮した紙面の光反射、フ
レネルの法則、ガラスと透明電極の透過率などを考慮し
ている。
【0027】上記光学シュミレーションソフトの動作に
ついて、全体を通じて、基本的にチューニングは行わ
ず、考慮した現象や仮定の検証を行うという立場から動
作確認を行った。図5に、測定に使用した、試作80d
pi(約3dot/mm)センサから得られた実測出力値
と、前後半部を通したシュミレーション結果との比較を
示す。なお、原稿とセンサとの間隔は、1.1mmとし
た。数種類の原稿ピッチ、ユニットステップについて比
較を行ったところ、良好な一致を見ており、異なる画素
ピッチのセンサを試作する際の動作予測に用いることが
できると考えられる。
【0028】センサ動作に関する基本的なデータとその
検討について、このセンサの動作の基本的な考え方を検
討するデータを図6、図7及び図8に示す。図6は、白
色原稿を均一な照度で照明したときに、原稿面から距離
hμmだけ離れた点Hにおける、原稿からの反射光によ
る照度W/m2を示したものである。垂線を基準に、原
稿を臨む角度をθdeg.としている。図6より、角度θが
増すにしたがって、角度θに依存して点Hの照度は増加
することがわかる。点Hの照度は、原稿を見込む角度に
支配されているといえる。
【0029】図6より、距離hが増すと、同一見込み角
に対してもより広い範囲からの原稿反射光を受光するこ
とになり、分解能が低下することがわかる。このこと
は、ガラス厚による距離hが、画像に対しローパスフィ
ルタの効果を生ずること、つまり、ガラス厚が厚いほ
ど、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを挿入し
たのと同様の効果があることを意味する。
【0030】図7は、このことを確認する目的で行った
シュミレーション結果である。白黒濃淡原稿を均一な照
度で照明したときに、原稿からの距離50μm、85μ
m、110μmにあるセンサ面の照度を計算した。ここ
では、センサは200dpi(125μmピッチ)密度
とし、原稿はユニットステップ状に白→黒変化するもの
と、センサ画素毎に白黒が交番するものを用いた。白黒
交番原稿を用いた結果より、ガラスの厚みが、厚くなる
ほど原稿反射光によるセンサ面の照度分布の振幅が減少
することがわかる。距離約100μmで、振幅6dBダ
ウンとなっている。
【0031】ところで、この交番原稿は、密度200d
piのセンサに対するナイキスト周波数に相当する空間
周波数を有する原稿であるから、距離が約100μmの
時、光学的なサンプルホールドを行ったのと、ほぼ等価
なローパスフィルタを挿入したことになる。このような
考え方で距離毎に換算したローパスフィルタの特性を図
8に示す。ガラス厚が100μmでは、200dpiの
原稿に対し、約6dBダウンし、ガラス厚が1.1mmで
は、−6dBのとき、約20dpiとなる。
【0032】プログラム前後半部それぞれから得られる
特徴的なデータとその検討について、プログラム前半部
から得られる基本的なデータを、図9及び、図10に、
後半部から得られる基本データを図11に示す。図9
は、フレネルの法則を考慮した、空気(n=1.0、但
し、nは屈折率)から、ガラス基板(n=1.6)を光
が透過の際の、透過率の入射角依存性を示すグラフであ
る。入射角が浅くなるほど透過率は減少し、θが70度
を越えると透過率は大きく低下しはじめる。上記図6の
検討と合わせると、センサ面照度に影響を与えるのは、
センサへの入射光線の角度(原稿を見込む角度)が、6
0度程度までと考えられる。
【0033】図10は、センサ密度200dpi、画素
サイズ125μm角としたときの遮光電極の陰の影響を
考慮した、原稿面の照度分布を示す図である。図10の
A−A’断面、および、B−B’断面について、遮光電
極13と原稿との距離(ガラス厚とほぼ同一)が100
μmの場合を示している。また、図中ハッチング部は、
a−Si受光素子14である。図10より、遮光電極1
3のある部分の照度は、無い部分の照度に比較して大幅
に低い値になっていることが分かる。これは、a−Si
受光素子14および、遮光電極13の影の影響が現れて
いるものと考えられる。
【0034】図11は、図9及び、図10に示す、シュ
ミレーションプログラムの前半部を経て、センサ透過光
が原稿を照明して得られる原稿からの反射光を計算し、
実際のセンサ面の照度分布を計算した例を示す。図11
のA−A’断面、B−B’断面、およびC−C’断面に
ついて、ガラス厚が100μmの場合を示している。
【0035】なお、センサ密度は、200dpi.画素
サイズは125μm角とした。また、図中ハッチング部
は、a−Si受光素子14である。原稿は白黒縦縞模様
とし、各画素に対応して配置した。図11より、センサ
面の照度分布は、原稿の濃淡に一致してなめらかに分布
することが分かる。これは隣接画素からの反射光のクロ
ストークの影響であると考えられる。図6や図9より、
主として60度以下の角度からの原稿照明光がセンサ面
の照度を決めると予想されるので、図11にはこれらの
範囲のクロストークが生じているものと考えられる。ま
た、C−C’断面やB−B’断面より、白原稿に対応し
た画素内部の照度を見ると、反射光の振幅が低下してい
ることがわかる。これは、上記90度から入射光の角度
θを差し引いた値の60度の関係で、画素内部にまで反
射光が届かないためであると考えられる。このことは、
画内部は、原稿の濃淡検出(反射光の強弱検出)には有効
に寄与しないことを意味する。
【0036】200dpiにおける最適ガラス厚の検討
について、以上の基本データ解析の上に、実際の200
dpiセンサを試作した場合のシュミレーションを行っ
た。ガラスの厚みを厚くすると、図8に示すように、急
峻なローパスフィルタを挿入したことになってボケが生
ずる一方、実際にセンサを透過した光で照明された原稿
で生ずる影の影響(図10)は減少して、図11に示す
ように、光検出に寄与しない画素の無効部分を減らす結
果となる。前者は画像処理によるS/N劣化を引き起こ
すが、後者では、信号増大によるS/N向上を期待でき
る。この最適値を求めるという観点から、ガラス厚の最
適値を求める。
【0037】まず前者について、雑音が白色性であると
仮定し、ガラス厚毎に図8のローパスフィルタを逆補正
してボケ補正する場合のS/N劣化を計算した。補正に
よる信号電力の変化はないものとした。一般に、少なく
とも雑音のスペクトル分布は既知である(測定可能)の
で、最小自乗フィルタなど、画質的により有効な方法を
用いたボケ補正も検討できるが、ここでは簡略化のた
め、単純な逆フィルタを用いている。これらへの発展に
は、実機を用いた実験が必要である。
【0038】図12は、最適ガラス厚さの計算例を示
す。密度が200dpiの原稿に対し、ガラス厚50μ
mではS/N劣化はほとんど生じず、100μm、20
0μmとガラス厚が増大するに伴って劣化が生じること
が分かる。一方後者について、ガラス厚に応じて、原稿
の白黒毎にセンサ面の照度を計算した。センサ面照度
は、図10のように画素内部であっても位置に応じて変
化するので、画素内部の全面積の平均照度を計算して、
評価の指標として用いた。結果を、併せて図12に示
す。ガラス厚98μmのとき、白原稿に対する平均照度
が最大となる。
【0039】ここで、ガラス厚を薄くすることによる平
均照度の変化は急峻である。一方厚くすることに対する
影響はブロードである。平均照度は信号出力に比例する
から、その低下はS/Nの低下に比例する。図12に示
すように、ガラス厚75μmではS/Nが9dB劣化す
るが、分厚くする方向では、100μmから200μm
まで大きな変化はない。このような差は、先に述べた電
極の影や光入射角60度のために生ずると考えられる。
尚、図示していないが、98μmのとき、同時に最大コ
ントラストが得られることが分かっている。
【0040】図12は、前者の問題、後者の問題それぞ
れについて、S/N最大の場合からガラス厚に応じてど
の程度S/N低下するかを示したものである。前者と後
者とは独立して扱えるので、総合S/N最大をとる点
は、これら2つのS/N低下の加算値が極値を取る点で
ある。図12中に、この加算値を点線でプロットした。
これより、総合的にみて最もS/N低下の少ないガラス
厚は、96μmであると考えられる。
【0041】ところで、ガラス厚がここで求めた値より
厚くなった場合の影響について検討する。まず、前者の
観点から、ボケが発生する。補正には自ずと限界がある
が、どの程度まで補正できるかについては検討が必要で
ある。ここで述べたような単純な逆補正では、ガラス厚
ローパスフィルタによるボケ解消に伴って生ずる別の画
質劣化も問題となろう。実際のハードウエアを用いてノ
イズの性質を測定した上で、最適補正を試みるのが有効
であると思われる。
【0042】次に後者の観点からは、ガラス厚を厚くし
ても影響はブロードであることが分かっており、いわゆ
るS/Nという観点からは大きな問題は生じない。結
局、ガラス厚を厚くせざるを得ない場合には、ボケ補正
の性能がシステム全体の解像度とS/Nを決めるといえ
る。結論として、画素密度200dpiのセンサでは、
ガラス厚96μmが最適値となること、ガラス厚を厚く
せざるを得ない場合には、ハードウエアを用いたボケ補
正の最適化を行う必要があることが分かった。
【0043】次に、本発明の密度イメージセンサの実施
形態について説明する。これまでの説明では、図3に示
すような貫通穴をあけないセンサの形状を仮定して計算
してきた。しかし、ガラス厚の最適値は、電極形状によ
って変化する。
【0044】尚、右下がりの斜線部分は透明電極、左下
がりの斜線部分は金属(遮光)電極、ドットを施した部
分はアモルファスシリコンである。例えば、図1に示す
ように、センサ中央部に小さな貫通穴(図1では10×
10μm)をあけた場合について計算すると、 センサの全(有効)面積;105×55=5,775(μm2) 貫通穴の面積 ; 20×20= 400(μm2) センサ面積減少率 ;400÷5,775×100= 7% 光量増加分 ; 26%(+2dB) 総合改善度 ; 19%(+1.5dB) となり、特に、センサ面照度が大きく変化する。
【0045】この結果を図2に示す。図2は図12と同
じような図であるが、図12に比較して、プロットが2
dB上昇し、ガラス厚を薄くしたときの変化がブロード
になっていることが分かる。これは、貫通穴により平均
光量が増加し、かつ、先にも述べた電極の影や光入射角
60度の影響によるセンサ面照度の不均一分布が改善で
きるためである。このことは、遮光性の電極の中央付近
に貫通穴を設ければ、S/N低下を緩やかにできること
を意味する。
【0046】図2の状態で最高S/Nが得られるのは、
先の説明と同じとすれば、ガラス厚92μm程度の時で
ある。しかし、平均照度2dB上昇と有効面積減少を考
慮に入れると、貫通穴をあけないものと同一S/Nで動
作させるには、先に述べた極値から、さらにそのプロッ
トに沿ってS/Nを1.5dB低下した点を用いればよ
いと考えられる。
【0047】このような考えによれば、ガラス厚が同一
であれば、貫通穴をあけることにより、平均照度上昇2
dB分だけ、全体のS/Nが向上する。あるいは逆に、
ガラス厚を約120μmまで厚くすることができる。ま
た、センサ面照度の不均一が防止できるので、画素内部
での電力消費も減少し、結果的に出力信号が向上して、
情報読みとりのS/Nが向上する。
【0048】なお、図1は貫通穴の一例であり、さら
に、別の電極形状も考えられる。要するに本発明では、
光の透過性の悪い電極に貫通穴をあけて影の影響を減ら
すことにより、センサ面照度の向上と不均一を防止する
こと、或いは、ガラス厚を厚くすることを目的とするの
で、それに見合った穴をあけることはすべて本発明に含
まれる。
【0049】
【発明の効果】本発明では、光の透過性の悪い電極に穴
をあけて光を透過させることにより、センサ自身の影の
影響を減らして、センサ面照度の向上をはかることがで
きる。それにより、個々の光電池の出力電流の向上と、
S/Nの向上を図ることができる。また、本発明では、
センサ面照度の不均一が防止できるので、画素内部での
電力消費も減少し、結果的に出力信号が向上して、情報
読みとりのS/Nが向上する。さらに、本発明では、従
来100μm以下であったガラスの厚みを120μmま
で厚くすることができるので、製造上問題となるガラス
基板の強度保持が容易になり、全体的にみて解像度向上
とコストダウンを同時に達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密着イメージセンサに係る貫通穴の実
施形態を示す図である。
【図2】本発明の密着イメージセンサのシュミレーショ
ン結果を示す図である。
【図3】本発明の密着イメージセンサのシュミレーショ
ンに用いた、貫通穴をあけていない場合の画素の大きさ
を示す図である。
【図4】本発明の密着イメージセンサのシミュレーショ
ンに用いたソフトと実際のセンサとの関係を示す説明図
である。
【図5】本発明の密着イメージセンサの照度計算シミュ
レーションと実測データの比較を示す図である。
【図6】本発明の密着イメージセンサのシュミレーショ
ンに係る、原稿からの反射光によるセンサ面照度の計算
例を示す図である。
【図7】本発明の密着イメージセンサのシュミレーショ
ンに係るセンサ面の照度分布の計算例を示す図である。
【図8】本発明の密着イメージセンサのシュミレーショ
ンに係る換算ローパスフィルタを示す図である。
【図9】本発明の密着イメージセンサのシュミレーショ
ンに係る界面透過率の入射角依存性を示す図である。
【図10】本発明の密着イメージセンサのシュミレーシ
ョンに係る遮光電極の影響を考慮した原稿面の照度分布
を示す図である。
【図11】本発明の密着イメージセンサのシュミレーシ
ョンに係るセンサ面の原稿からの反射光照度分布の計算
例を示す図である。
【図12】本発明の密着イメージセンサのシュミレーシ
ョンに係る最適ガラス厚の計算例を示す図である。
【図13】従来の座標入力装置の要部説明図である。
【図14】従来の密着イメージセンサの走査方法の説明
図である。
【図15】従来の透過型情報入力装置の断面図である。
【図16】微小センサの動作を説明する図である。
【図17】従来の透過型情報入力装置の部分平面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明電極 2 金属(遮光)電極 3 アモルファスシリコン 4 貫通穴 5 ガラス基板 10 原稿

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上に、一方向に並列する複数
    の一方の電極を透明導電膜で形成し、前記透明導電膜か
    らなる電極と、直交して並列する複数の他方の電極は遮
    光性を有する金属で形成し、上記それぞれの複数の電極
    の各交点部分に光電変換膜を介挿して、光電池を形成し
    た密着イメージセンサにおいて、 上記光電池の中央付近に、上記遮光性を有する金属から
    なる金属電極と、上記光電変換膜とに光を透過する貫通
    穴を設けたことを特徴とする密着イメージセンサ。
  2. 【請求項2】 上記貫通穴の大きさは、上記金属電極及
    び透明導電膜の、狭い方の幅の1/6以上、広い方の幅
    の1/6以下の正方形又は、長方形であることを特徴と
    する請求項1記載の密着イメージセンサ。
  3. 【請求項3】上記金属電極の幅が60±5μm、上記透
    明導電膜の幅が100±5μm、上記貫通穴の大きさが
    10±1μm角であることを特徴とする請求項1又は、
    請求項2記載の密着イメージセンサ。
  4. 【請求項4】 上記光電池の配置密度が200dpi、
    入力原稿と上記光電池との距離が、100μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の密着イ
    メージセンサ。
  5. 【請求項5】 上記ガラス基板の厚さが120±5μm
    であることを特徴とする請求項3記載の密度イメージセ
    ンサ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103373036A (zh) * 2012-04-25 2013-10-30 盟立自动化股份有限公司 暂时性贴合方法及其贴合设备
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CN111146227A (zh) * 2019-12-30 2020-05-12 格科微电子(上海)有限公司 Cmos图像传感器的形成方法

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