JP6500386B2 - 表示体、並びにこれを備えた転写箔及び物品 - Google Patents

表示体、並びにこれを備えた転写箔及び物品 Download PDF

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Description

本発明は、偽造防止効果、装飾効果、及び/又は美的効果を有する表示体に関する。特に、紙幣、ID、BP用セキュリティデバイスに応用することが可能な、偽造防止効果を有する表示体に関する。
有価証券、証明書、ブランド品、電子機器及び個人認証媒体などの物品には、偽造が困難であることが望まれる。そのため、このような物品には、偽造防止効果に優れた表示体を支持させることがある。
このような表示体の多くは、回折格子、ホログラム及びレンズアレイ等の微細構造を含んでいる。これらの微細構造は、例えば観察角度の変化に応じて、色の変化を生じる。また、これらの微細構造は、解析及び偽造することが困難である。それゆえ、このような表示体は、比較的高い偽造防止効果を有する。
しかしながら、現在ではホログラム作製技術が普及したことによって、上記した表示体の偽造防止効果が小さくなりつつある。
このため、より高い偽造防止効果を実現するために、例えば、特許文献1には、表示体の主面の法線と交差する斜め方向からの観察により画像を表示させる機能に加えて、透過光による観察により画像を表示させる機能を備えた表示体が開示されている。
国際公開第2013/084960号パンフレット
しかしながら、当該表示体を、その主面の法線と交差する斜め方向からの観察する場合に、透過光による観察時に表示されるべき画像が浮き出てしまうことがある。
このため、従来の表示体をさらに改善する余地がある。
本発明の目的は、表示体を斜め方向から観察する条件で、透過光による観察時に表示される画像が浮き出にくい優れた偽造防止効果、装飾効果、及び/又は美的効果を有する表示体、並びにこれを備えた転写箔及び物品を提供することである。
本発明は、複数の画素を具備する表示体であって、当該複数の画素の少なくとも1つは、レリーフ構造形成層と、第1層と、第2層とをこの順で積層した積層構造を含むとともに、ホログラム画像領域及び透かし画像領域を有し、当該透かし画像領域はさらに、第1領域及び第2領域を有し、当該レリーフ構造形成層は、その一方の面に複数の凹部及び/又は凸部を備え、ここで、当該ホログラム画像領域では、当該表示体の主面の法線と交差する斜め方向から当該表示体を観察する条件で所定の色を表示するように当該複数の凹部及び/又は凸部が設けられており、当該第1領域では、当該第1領域の拡散反射率と、当該表示体を取り付ける基材の拡散反射率が等しくなるように当該複数の凹部及び/又は凸部が設けられており、当該第2領域では、当該ホログラム画像領域及び当該第1領域とは異なる当該複数の凹部及び/又は凸部が設けられており、当該第1層は、当該レリーフ構造形成層の材料とは屈折率が異なる第1材料から形成され、当該レリーフ構造形成層の凹部及び/又は凸部に対応する形状で当該ホログラム画像領域及び第1領域に設けられており、当該第2層は、当該第1材料とは異なる第2材料から形成され、当該第1層上に設けられており、当該表示体は、当該斜め方向から当該表示体を観察する条件において当該ホログラム画像領域の分布に基づいた画像を表示すると共に、当該表示体を透過光によって観察する条件において当該第2領域の分布に基づいた画像を表示する表示体に関する。
また本発明は、上記表示体と、当該表示体を剥離可能に支持した支持体層とを具備した転写箔に関する。
さらに本発明は、上記表示体と、これを支持した物品とを具備した表示体付き物品を包含する。
本発明の表示体は、表示体を斜め方向から観察する条件で、透過光による観察時に表示される画像が浮き出にくい。このため当該表示体、並びにこれを備えた転写箔及び物品は、優れた偽造防止効果、装飾効果、及び/又は美的効果を有する。
本発明に係る表示体の一部を拡大して示す平面図である。 本発明に係る表示体の画像を構成する画素を概略的に示す平面図である。 本発明に係る表示体の画像を構成する画素の一例を示す平面図である。 本発明に係る表示体の画像を構成する画素の一例を示す平面図である。 図3に示す画素のA−A線に沿った断面図である。 図5に示す表示体の製造方法の一例を示す工程図である。 第2領域R2に設けられる複数の凹部及び/又は凸部構造として採用可能な構造を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る表示体の画像を構成する画素の一例を示す平面図である。 光散乱領域の一例を概略的に示す平面図である。 本発明に係る表示体の一例を示した概略図である。 図10に示す表示体が回折光による画像を表示しているところを示した概略図である。 図10に示す表示体が透過光による画像を表示しているところを示した概略図である。 本発明に係る転写箔の一例を拡大して示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において適宜図面を参照するが、図面に記載された態様は本発明の例示であり、本発明はこれらの図面に記載された態様に制限されない。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
<表示体>
本発明の表示体は、画素を複数具備する。すなわち、本発明の表示体に表示される画像は、複数の画素から構成されている。
図1は、本発明に係る表示体の一部を拡大して示す平面図である。図1では、表示体100の主面に平行であり且つ互いに直交する軸をX軸及びY軸とし、表示体100の主面に垂直な軸をZ軸としている。
図1に示す例では、表示体100の画像を構成する複数の画素PEが、X軸及びY軸に沿って正方格子状に配列しているが、このような配列様式に限られない。例えば、これら複数の画素PEは、三角格子状、矩形格子状、又は六角格子状に配列することができる。
図2は、本発明に係る表示体の画像を構成する画素を概略的に示す平面図である。
図2に示すとおり、本発明の表示体の画像を構成する複数の画素の少なくとも1つ(以下、単に「画素」とも称する)は、ホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wを有し、透かし画像領域Wはさらに、第1領域R1及び第2領域R2を有する。
本明細書において、「ホログラム画像領域」は、表示体の主面(画像表示面)の法線と交差する斜め方向から表示体を観察する条件(以下、単に「斜め方向から観察する条件」とも称する)において、所定の色を表示する画像を作り出すための画素中の領域をいい、「透かし画像領域」は、表示体の画像表示面とは反対の裏面側からの透過光によって表示体を観察する条件(以下、単に「透過光によって観察する条件」とも称する)において、所定の画像を作り出すための画素中の領域をいう。
ホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wの配置は、特に限定されず、例えば、横並び又は縦並びにすることができる。図2では、ホログラム画像領域Hと透かし画像領域Wが横並びに配置されている。
画素における、ホログラム画像領域Hと透かし画像領域Wの面積比は、特に限定されるものではないが、5:95〜95:5が好ましく、50:50〜80:20がより好ましい。
透かし画像領域Wを構成する第1領域R1及び第2領域R2の配置は、特に限定されず、例えば、横並び、縦並び、或いは第2領域R2が第1領域R1に囲まれるようにすることができる。図2では、第1領域R1と第2領域R2が縦並びに配置されている。
第1領域R1と第2領域R2の面積比は、所望の画像を表示するために、任意に設定することができる。
以下に、ホログラム画像領域Hに所定の中心間距離で規則的に配列した複数の凸部又は凹部からなる回折構造を有する画素を備えた表示体について説明する。
図3及び4はそれぞれ、本発明に係る表示体の画像を構成する画素の一例を示す平面図である。図3では、ホログラム画像領域Hと透かし画像領域Wが横並びに配置され、図4では、ホログラム画像領域Hと透かし画像領域Wが縦並びに配置されている。
本発明に係る表示体は、図3及び図4に示すように、画素が、ホログラム画像領域Hにおいて、サブ画素として赤色表示用画素PERと、緑色表示用画素PEGと、青色表示用画素PEBとを備えていてもよい。これら画素PER、PEG及びPEBは、典型的には、面積が互いに等しい。
赤色表示用画素PERは、赤色領域Rと、平坦領域Fとを備えていてもよい。赤色領域Rは、斜め方向から観察する条件において、赤色に対応した波長の回折光を射出する複数の凹部又は凸部からなる回折構造を備えている。
緑色表示用画素PEGは、緑色領域Gと、平坦領域Fとを備えていてもよい。緑色領域Gは、斜め方向から観察する条件において、緑色に対応した波長の回折光を射出する複数の凹部又は凸部からなる回折構造を備えている。
青色表示用画素PEBは、青色領域Bと、平坦領域Fとを備えていてもよい。青色領域Bは、斜め方向から観察する条件において、青色に対応した波長の回折光を射出する複数の凹部又は凸部からなる回折構造を備えている。
図5は、図3に示す画素のA−A線に沿った断面図である。画素は、図5に示すように、レリーフ構造形成層110と、第1層120’と、第2層130’とをこの順で積層した積層構造を含む。
レリーフ構造形成層110には、その一方の面に複数の凹部又は凸部が設けられている。第1層120’は、レリーフ構造形成層110の凹部又は凸部に対応する形状でホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wの第1領域R1に設けられており、第2層130’は、第1層120’上に設けられている。なお、この画素PEの構造等については、以下に詳しく説明する。
次に、図6を参照しながら、表示体100(を構成している画素PE)の製造方法について説明する。
図6は、図5に示す表示体の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、図6(a)に示すように、ホログラム画像領域Hの赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域B、並びに透かし画像領域Wの第1領域R1及び第2領域R2に、所定の凹構造及び/又は凸構造を有し、ホログラム画像領域Hの平坦領域Fに平坦構造を有するレリーフ構造形成層110を準備する。
赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bの複数の凹部又は凸部は、例えばストライプ状に配置されていてもよい。これら凹部又は凸部の長さ方向に垂直な断面の形状は、例えば、V字形状及びU字形状等の先細り形状とするか又は矩形状とすることができる。図6(a)には、一例として、上記の断面形状がV字形状である場合を描いている。
赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bの凹部又は凸部の中心間距離は、所望の回折光の色に応じて、500〜1000nmの範囲内で適宜設定することができる。
具体的には例えば、赤色領域Rに設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、860nm〜880nmとすることができる。緑色領域Gに設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、755nm〜775nmとすることができる。青色領域Bに設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、735nm〜755nmとすることができる。
また、これら複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、例えば0.5以下とし、典型的には0.05〜0.3の範囲内とすることができる。
なお、本明細書において、「中心間距離」とは、隣り合った凹部間の距離、又は、隣り合った凸部間の距離を意味している。
透かし画像領域Wを構成する第1領域R1には、第1領域R1の拡散反射率と、表示体を取り付ける基材の拡散反射率が等しくなるように複数の凹部及び/又は凸部が設けられている。
ここで、「表示体を取り付ける基材」とは、例えば、表示体を物品に取り付ける場合に、当該物品に用いられている基材を指す。
表示体を取り付ける基材の拡散反射率は、拡散反射率計により測定することができ、次いで、当該測定値に基づいて、第1領域R1の拡散反射率が表示体を取り付ける基材の拡散反射率と等しくなるように、第1領域R1における凹部及び/又は凸部の形状及び配置を決定することができる。なお、第1領域R1における凹部及び/又は凸部の形状及び配置は、基材の拡散反射率と等しくなるようなものであれば特に制限されない。
透かし画像領域Wを構成する第2領域R2には、ホログラム画像領域H及び第1領域R1とは異なる凹構造及び/又は凸構造が設けられている。これら凹構造及び凸構造は、それぞれ、複数の凹部及び複数の凸部からなる。これら複数の凹部又は凸部は、例えば、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部を備えていてもよい。
図7は、第2領域R2に設けられる複数の凹部及び/又は凸部構造として採用可能な構造を拡大して示す斜視図である。図7には、第2領域R2に設けられる構造として円錐形状からなる複数の凸部を備えている場合を描いているが、第2領域R2に設けられる複数の凹部及び/又は凸部の構造は、これには限られない。
例えば、第2領域R2に設けられる複数の凹部及び/又は凸部は、四角錐形状又は三角錐形状を有していてもよい。また、これら複数の凹部又は凸部は、切頭錐形状を有していてもよい。或いは、これら複数の凹部又は凸部は、底面積が異なる複数の四角柱をその底面積が大きなものから順に積み重ねた構造を有していてもよい。なお、四角柱の代わりに、円柱や三角柱などの四角柱以外の柱状体を積み重ねてもよい。
また、図7には、複数の凸部が正方格子状に配列している場合を描いているが、複数の凹部又は凸部の配列様式は、これには限られない。例えば、これら複数の凹部又は凸部は、矩形格子状、三角格子状、又は六角格子状に配列することができる。
第2領域R2は、ホログラム画像領域H及び第1領域R1のそれぞれと比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きいことが好ましい。
なお、本明細書において、領域の「見かけ上の面積」とは、当該領域に平行な平面への当該領域の正射影の面積、即ち、凹構造及び凸構造を無視した当該領域の面積を意味することとする。また、領域の「表面積」とは、凹構造及び凸構造を考慮した当該領域の面積を意味することとする。
第2領域R2の複数の凹部又は凸部は、典型的には、ホログラム画像領域H及び第1領域R1のそれぞれの複数の凹部又は凸部と比較して、凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値がより大きいことが好ましい。図6(a)に示す例では、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部は、赤色領域R、緑色領域G、青色領域B及び第1領域R1に設けられた複数の凹部又は凸部と比較して、中心間距離に対する深さ又は高さの比がより大きいことが好ましい。
第2領域R2に設ける凹部又は凸部の中心間距離は、500nm以下が好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。
第2領域R2に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、0.8〜2.0の範囲が好ましく、0.8〜1.2の範囲がより好ましい。この値が過度に大きいと、レリーフ構造形成層110の生産性が低下する場合がある。
レリーフ構造形成層110は、例えば、微細な凸部を設けた金型を樹脂に押し付けることにより形成することができる。この際、これら凸部の形状は、ホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wの双方に設ける凹部の形状に対応した形状とする。
レリーフ構造形成層110は、例えば、基材上に熱可塑性樹脂を塗布し、これに上記の凸部が設けられた原版を、熱を加えながら押し当てる方法により形成してもよい。この場合、上記の熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、これらの混合物、又は、これらの共重合物を使用することができる。
或いは、レリーフ構造形成層110は、基材上に熱硬化性樹脂層を塗布し、これに上記の凸部が設けられた原版を押し当てながら熱を加え、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。この場合、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、これらの混合物、又は、これらの共重合物を使用することができる。なお、このウレタン樹脂は、例えば、反応性水酸基を有したアクリルポリオール及びポリエステルポリオール等に、架橋剤としてポリイソシアネートを添加して、これらを架橋させることにより得ることができる。
或いは、レリーフ構造形成層110は、基材上に放射線硬化樹脂を塗布し、これに原版を押し当てながら紫外線等の放射線を照射して上記材料を硬化させ、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。或いは、レリーフ構造形成層110は、基材と原版との間に上記組成物を流し込み、放射線を照射して上記材料を硬化させ、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。
放射線硬化樹脂は、典型的には、重合性化合物と開始剤とを含んでいる。
重合性化合物としては、例えば、光ラジカル重合が可能な化合物を使用することができる。光ラジカル重合が可能な化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合又はエチレン性不飽和基を有したモノマー、オリゴマー又はポリマーを使用することができる。或いは、光ラジカル重合が可能な化合物として、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート及びポリエステルアクリレート等のオリゴマー、又は、ウレタン変性アクリル樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂等のポリマーを使用してもよい。
重合性化合物として光ラジカル重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を使用することができる。この光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物、アントラキノン及びメチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−アミノアセトフェノン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等のフェニルケトン系化合物、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、又は、ミヒラーズケトンを使用することができる。
或いは、重合化合物として、光カチオン重合が可能な化合物を使用してもよい。光カチオン重合が可能な化合物としては、例えば、エポキシ基を備えたモノマー、オリゴマー若しくはポリマー、オキセタン骨格含有化合物、又は、ビニルエーテル類を使用することができる。
重合性化合物として光カチオン重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光カチオン重合開始剤を使用してもよい。この光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩又は混合配位子金属塩を使用することができる。
或いは、重合性化合物として、光ラジカル重合が可能な化合物と光カチオン重合が可能な化合物との混合物を使用してもよい。この場合、開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤との混合物を使用することができる。或いは、この場合、光ラジカル重合及び光カチオン重合の双方の開始剤として機能し得る重合開始剤を使用してもよい。このような開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩又は芳香族スルホニウム塩を使用することができる。
なお、放射線硬化樹脂に占める開始剤の割合は、例えば、0.1〜15質量%とすることが好ましい。
放射線硬化樹脂は、増感色素、染料、顔料、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、タレ止め剤、付着向上剤、塗面改質剤、可塑剤、含窒素化合物、エポキシ樹脂等の架橋剤、離型剤又はこれらの組み合わせを更に含んでいてもよい。また、放射線硬化樹脂には、その成形性を向上させるべく、非反応性の樹脂を更に含有させてもよい。この非反応性の樹脂としては、例えば、上記の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を使用することができる。
レリーフ構造形成層110の形成に用いる上記の原版は、例えば、電子線描画装置又はナノインプリント装置を用いて製造することで、上述した複数の凹部又は凸部を高い精度で形成することができる。なお、原版の凹凸構造を転写して反転版を製造し、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を製造してもよい。そして、必要に応じ、複製版を原版として用いて反転版を製造し、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を更に製造することができる。実際の製造では、通常、このようにして得られる複製版を使用することが多い。
レリーフ構造形成層110は、基材と、その上に形成された樹脂層とを含んでいてもよい。この基材としては、典型的には、フィルム基材を使用することができる。このフィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム及びポリプロピレン(PP)フィルム等のプラスチックフィルムを使用することができる。或いは、基材として、紙、合成紙、プラスチック複層紙又は樹脂含浸紙を使用してもよい。なお、基材は、省略してもよい。
樹脂層は、例えば、上述した方法により形成される。樹脂層の厚みは、例えば0.1μm〜10μmとすることが好ましい。この厚みが過度に大きいと、加工時の加圧等による樹脂のはみ出し及び/又は皺の形成が生じ易くなる。この厚みが過度に小さいと、所望の凹構造及び/又は凸構造の形成が困難となる場合がある。また、樹脂層の厚みは、その主面に設けるべき凹部又は凸部の深さ又は高さと等しくするか又はそれより大きくすることができる。この厚みは、例えば、凹部又は凸部の深さ又は高さの1〜10倍、好ましくは、3〜5倍とすることができる。
なお、レリーフ構造形成層110の形成は、例えば、特許第4194073号公報に開示されている「プレス法」、実用新案登録第2524092号公報に開示されている「キャスティング法」、又は、特開2007−118563号公報に開示されている「フォトポリマー法」を用いて行ってもよい。
次に、図6(b)に示すように、レリーフ構造形成層110の材料とは屈折率が異なる第1材料を、ホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wの全体に対して気相堆積させる。これにより、レリーフ構造形成層110の赤色領域R、緑色領域G、青色領域B、及び平坦領域F並びに第1領域R1及び第2領域R2を含んだ主面上に、反射材料層120を形成する。
この第1材料としては、例えば、レリーフ構造形成層110の材料と屈折率が異なる材料を用いる。具体的にはレリーフ構造形成層110との界面において光を反射することができるものであればよく、金属材料を使用することができる。また屈折率の実数部分の差が0.2以上である材料を使用することが好ましい。この差が小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120’との界面における反射が生じ難くなる場合がある。
第1材料としては典型的には、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Ag及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1つの金属材料を使用することができる。
或いは、透明性が比較的高い第1材料として、以下に列挙するセラミック材料又は有機ポリマー材料を使用してもよい。なお、以下に示す化学式又は化合物名の後に記載した括弧内の数値は、各材料の代表的な屈折率の値を意味している。
即ち、セラミック材料としては、例えば、Sb2O3(3.0)、Fe2O3(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、WO3(2.2)、SiO2(1.45)、Si2O3(2.5)、In2O3(2.0)、PbO(2.6)、Ta2O3(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.4)、MgO(1.72)、MgF2(1.37)、又はAl2O3(1.6〜1.8)等を使用することができる。
有機ポリマー材料としては、例えば、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)又はポリスチレン(1.60)を使用することができる。
第1材料の気相堆積は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法又は化学蒸着法(CVD法)により行うことができる。
この気相堆積は、レリーフ構造形成層110の主面に平行な面内方向について均一な密度で行う。具体的には、この気相堆積は、ホログラム画像領域Hの見かけ上の面積に対するホログラム画像領域Hの位置における第1材料の量の比と、透かし画像領域Wの見かけ上の面積に対する透かし画像領域Wの位置における第1材料の量の比とが、互いに等しくなるようにして行う。
また、この気相堆積では、典型的には、レリーフ構造形成層110の主面が平坦面のみからなると仮定した場合の膜厚(以下、設定膜厚という)を、以下のように定める。即ち、この設定膜厚は、反射材料層120が以下の要件を満足するようにして定める。
第1に、反射材料層120は、ホログラム画像領域Hに対応した部分が、レリーフ構造形成層110の当該領域における表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図6(b)に示す例では、反射材料層120は、レリーフ構造形成層110の赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bに設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状並びにレリーフ構造形成層110の平坦領域Fに対応した表面形状を有している。
第2に、反射材料層120は、透かし画像領域Wの第1領域R1に対応した部分が、レリーフ構造形成層110の当該領域における表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図6(b)に示す例では、反射材料層120は、レリーフ構造形成層110の第1領域R1に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有している。
第3に、反射材料層120は、透かし画像領域Wの第2領域R2に対応した部分が、当該領域におけるレリーフ構造形成層110の表面形状に対応した表面形状を有するか、又は、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口しているようにすることができる。図6(b)に示す例では、反射材料層120は、レリーフ構造形成層110の第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有している。
なお、上述したように、第2領域R2は、ホログラム画像領域H及び第1領域R1と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きいことが好ましい。従って、反射材料層120がホログラム画像領域H、第1領域R1、及び第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するように上記の設定膜厚を定めた場合、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分は、ホログラム画像領域H及び第1領域R1に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さいことが好ましい。
なお、本明細書において、層の「平均膜厚」とは、当該層の一方の面上の各点と当該層の他方の面に下ろした垂線の足との間の距離の平均値を意味する。
また、上記の設定膜厚を更に小さな値に定めることにより、ホログラム画像領域H及び第1領域R1に対応した部分では、ホログラム画像領域H及び第1領域R1の表面形状にそれぞれ対応した表面形状を有しており且つ第2領域R2に対応した部分では複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口した反射材料層120を形成することができる。
反射材料層120の設定膜厚は、典型的には、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さいことが好ましい。
具体的には、反射材料層120の設定膜厚は、例えば5nm〜500nm、好ましくは、30nm〜300nmである。この設定膜厚が過度に小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120’との界面における反射が生じ難くなる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、反射材料層120を上記の要件を満足するように形成することが困難となる場合がある。
反射材料層120の平均膜厚は、例えば5nm〜500nm、好ましくは30nm〜300nmである。この平均膜厚が過度に小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120’との界面における反射が生じ難くなる場合がある。この平均膜厚が過度に大きいと、表示体100の生産性が低下する場合がある。
次いで、図6(c)に示すように、反射材料層120の材料とは異なる第2材料を、反射材料層120に対して気相堆積させる。これにより、反射材料層120を間に挟んでレリーフ構造形成層110と向き合ったマスク層130を形成する。
この第2材料としては、典型的には、無機物を使用することができる。この無機物としては、例えば、MgF2、Sn、Cr、ZnS、ZnO、Ni、Cu、Au、Ag、TiO2、MgO、SiO2及びAl2O3が挙げられる。特に、第2材料としてMgF2を使用した場合、基材の曲げや衝撃に対する第2層130’(マスク層130)の追従性及び耐擦傷性を更に向上させることができる。
或いは、この第2材料として、有機物を使用してもよい。この有機物としては、例えば、重量平均分子量が1500以下の有機物を使用することができる。このような有機物としては、例えば、アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の重合性化合物と開始剤とを混合し、放射線硬化樹脂と気相堆積した後に、放射線照射によって重合させたものを使用してもよい。
或いは、第2材料として、金属アルコキシドを使用してもよい。或いは、第2材料として、金属アルコキシドを気相堆積した後、これを重合させたものを使用してもよい。この際、気相堆積の後、重合させる前に、乾燥処理を行ってもよい。
第2材料の気相堆積は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法又はCVD法により行ってもよい。
この気相堆積は、レリーフ構造形成層110の主面に平行な面内方向について均一な密度で行うことができる。具体的には、この気相堆積は、ホログラム画像領域Hの見かけ上の面積に対するホログラム画像領域Hの位置における第2材料の量の比と、透かし画像領域W(第1領域R1及び第2領域R2)の見かけ上の面積に対する透かし画像領域Wの位置における第2材料の量の比とが、互いに等しくなるようにして行う。
また、この気相堆積では、マスク層130の設定膜厚を、以下のように定める。即ち、この設定膜厚は、マスク層130が以下の要件を満足するようにして定める。
第1に、マスク層130は、ホログラム画像領域Hに対応した部分が、反射材料層の当該領域における表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図6(c)に示す例では、マスク層130は、反射材料層の赤色領域R、緑色領域G及び青色領域Bに設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状並びに反射材料層120の平坦領域Fに対応した表面形状を有している。
第2に、マスク層130は、透かし画像領域Wの第1領域R1に対応した部分が、反射材料層の当該領域における表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図6(c)に示す例では、マスク層130は、反射材料層の第1領域R1に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有している。
第3に、マスク層130は、透かし画像領域Wの第2領域R2に対応した部分が、当該領域における反射材料層の表面形状に対応した表面形状を有するか、又は、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口しているようにする。図6(c)に示す例では、マスク層130は、反射材料層120上で第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口した不連続膜を形成している。
なお、上述したように、第2領域R2は、ホログラム画像領域H及び第1領域R1と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きいことが好ましい。従って、マスク層130がホログラム画像領域H、第1領域R1、及び第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するように上記の設定膜厚を定めた場合、マスク層130のうち第2領域R2に対応した部分は、ホログラム画像領域H及び第1領域R1に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さいことが好ましい。
また、上記の設定膜厚を更に小さな値に定めることにより、ホログラム画像領域H及び第1領域R1に対応した部分では、ホログラム画像領域H及び第1領域R1の表面形状にそれぞれ対応した表面形状を有しており且つ第2領域R2に対応した部分では複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口したマスク層130を形成することができる。
マスク層130の設定膜厚は、典型的には、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さいことが好ましい。また、マスク層130の設定膜厚は、典型的には、反射材料層120の設定膜厚と比較してより小さいことが好ましい。
具体的には、マスク層130の設定膜厚は、例えば0.3nm〜200nm、好ましくは3nm〜80nmである。この設定膜厚が過度に小さいと、マスク層130のうちホログラム画像領域H及び第1領域R1のそれぞれに対応する部分の平均膜厚が過度に小さくなり、反射材料層120のうちホログラム画像領域H及び第1領域R1のそれぞれに対応する部分のマスク層130による保護が不十分となる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分のマスク層130による保護が過剰となる場合がある。
マスク層130のうちホログラム画像領域H及び第1領域R1のそれぞれに対応する部分の平均膜厚は、典型的には、反射材料層120のうちホログラム画像領域H及び第1領域R1のそれぞれに対応する部分の平均膜厚と比較してより小さいことが好ましい。
マスク層130のうちホログラム画像領域H及び第1領域R1に対応した部分の平均膜厚は、例えば0.3nm〜200nm、好ましくは3nm〜80nmである。
続いて、マスク層130を、反射材料層120の材料との反応を生じ得る反応性ガス又は液に曝す。そして、少なくとも第2領域R2の位置で、反射材料層120の材料との上記反応を生じさせる。
ここでは、反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を溶解可能なエッチング液を使用する場合について説明する。このエッチング液としては、典型的には、水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液及び水酸化カリウム溶液等のアルカリ性溶液を使用することができる。或いは、エッチング液として、塩酸、硝酸、硫酸及び酢酸等の酸性溶液を使用してもよい。
図6(c)に示すように、マスク層130のうちホログラム画像領域H及び第1領域R1に対応した部分は連続膜を形成しているのに対し、第2領域R2に対応した部分は、部分的に開口した不連続膜を形成していてもよい。反射材料層120のうちマスク層130によって被覆されていない部分は、反射材料層120のうちマスク層130によって被覆された部分と比較して、反応性ガス又は液と接触しやすい。従って、前者は、後者と比較してよりエッチングされ易い。
また、反射材料層120のうちマスク層130によって被覆されていない部分が除去されると、反射材料層120には、マスク層130の開口に対応した開口が生じる。エッチングを更に続けると、反射材料層120のエッチングは、各開口の位置で面内方向に進行する。その結果、第2領域R2では、反射材料層120のうちマスク層130を支持している部分が、その上のマスク層130と共に除去される。
従って、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、図6(d)に示すように、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分のみを除去することができる。これにより、ホログラム画像領域H及び第1領域R1のみを被覆した第1層120’が得られる。
なお、反射材料層120とマスク層130との双方がホログラム画像領域H及び透かし画像領域W(第1領域R1及び第2領域R2)の表面形状に対応した表面形状を有した構成を採用する場合、或いは反射材料層120とマスク層130との双方が、ホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wの第1領域R1では、ホログラム画像領域H及び第1領域R1の表面形状にそれぞれ対応した表面形状を有しているが、第2領域R2では、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口している構成を採用した場合においても、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、本発明に係る表示体100を製造することが可能である。
また、上掲では、反射材料層120及びマスク層130のうち第2領域R2に対応した部分を完全に除去する場合について説明したが、これら部分の一部が残存するようにしてもよい。
また、上掲では、反応性ガス又は液としてエッチング液を使用する場合について説明したが、反応性ガス又は液はこれには限られない。例えば、反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を気化させ得るエッチングガスを使用してもよい。
或いは、反応性ガス又は液として、第1材料との反応により、反射材料層120の一部を第1材料とは異なる材料からなる層に変化させ得るガス又は液を使用してもよい。この場合、例えば、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分を除去する代わりに、当該部分を第1材料とは異なる材料からなる層に変化させることが可能となる。
このような反応性ガス又は液としては、例えば、第1材料を酸化させ得る酸化剤を使用することができる。この酸化剤としては、例えば、酸素、オゾン、若しくはハロゲン、又は、二酸化塩素、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、次ハロゲン酸、過ハロゲン酸、及びその塩などのハロゲン化物、過酸化水素、過硫酸塩類、ペルオキソ炭酸塩類、ペルオキソ硫酸塩類、及びペルオキソリン酸塩類などの無機過酸化物、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、過蟻酸、過酢酸、及び過安息香酸などの有機過酸化物、セリウム塩、Mn(III)、Mn(IV)及びMn(VI)塩、銀塩、銅塩、クロム塩、コバルト塩、重クロム酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸塩、過フタル酸マグネシウム、塩化第二鉄、及び塩化第二銅などの金属又は金属化合物、又は、硝酸、硝酸塩、臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、及びヨウ素酸塩などの無機酸若しくは無機酸塩を使用することができる。
例えば、反射材料層120の材料としてCuを使用した場合、反射材料層120のうち少なくとも第2領域R2に対応した部分を酸化剤と反応させることにより、当該部分をCu酸化物からなる層に変化させることができる。或いは、反射材料層120の材料としてAlを使用した場合、反射材料層120のうち少なくとも第2領域R2に対応した部分を酸化剤と反応させることにより、当該部分をベーマイト等のAl酸化物からなる層に変化させることができる。
或いは、上記の反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を還元させ得る還元剤を使用してもよい。この還元剤としては、例えば、硫化水素、二酸化硫黄、フッ化水素、アルコール、カルボン酸、水素ガス、水素プラズマ、遠隔水素プラズマ、ジエチルシラン、エチルシラン、ジメチルシラン、フェニルシラン、シラン、ジシラン、アミノシラン、ボラン、ジボラン、アラン、ゲルマン、ヒドラジン、アンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、1−n−ブチル−1−フェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1−ナフチルヒドラジン、4−クロロフェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、アセチルヒドラジン又はベンゾイルヒドラジンを使用することができる。
なお、図6を参照しながら説明した方法において、エッチング処理等によって第1層120’を形成した後、第2層130’を除去してもよい。この第2層130’の除去は、例えば、第1材料と第2材料とのイオン化傾向の差異に基づいた第1材料のイオン化が懸念される場合に有効である。
以上のようにして、本発明に係る表示体100を得ることができる。
本発明の表示体は、所望の画像を表示するために、ホログラム画像領域Hにおける赤色領域、緑色領域、及び青色領域の占める割合、並びに透かし画像領域Wにおける第2領域R2の占める割合を種々変化させることができる。
図8に示すように、赤色表示用画素PER、緑色表示用画素PEG、青色表示用画素PEBに、それぞれ赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bが略等しい面積で略全面に設けられ、透かし表示用画素PEWの略全面に第2領域R2が設けられる場合には、この画素では斜め方向から観察する条件において最大輝度の白色回折光を表示すると共に、比較的多くの光を透過するものとなる。
なお、上述した本発明の実施形態では、画素中のホログラム画像領域Hに、赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bを備える場合を説明したが、本発明に係る表示体は、赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bのうちいずれかを備えていなくてもよく、或いは、他の公知の回折構造を備えていてもよい。
また、本発明の表示体は、画素中のホログラム画像領域Hにおいて、回折構造と一緒に又は回折構造に代えて光散乱構造を備えていてもよい。その例を以下に説明する。
本発明の表示体は、画素中のホログラム画像領域Hが、方向の揃った複数の直線状の凸部及び/又は凹部を備える、当該方向が互いに異なる複数の領域(以下、「光散乱領域」とも称する)を含む光散乱構造を有していてもよい。この複数の領域を法線方向から照明した場合、この領域は、直線状の凸部及び/又は凹部の長手方向に垂直な面内には最も広い射出範囲で散乱光を射出し、直線状の凸部及び/又は凹部の長手方向に平行であり且つ先の領域の主面に垂直な面内には最も狭い射出各範囲で散乱光を射出する。
ここで、図9を参照して、複数の光散乱領域で得られる視覚効果について説明する。図9は、光散乱領域の一例を概略的に示す平面図である。図9に示す光散乱領域200は、複数の凸部及び/又は凹部210を含んでいる。凸部及び/又は凹部210は、各々が直線状であり、各光散乱領域200内で方向が揃っている。すなわち、各光散乱領域200において、凸部及び/又は凹部210はほぼ平行に配列している。
なお、各光散乱領域200において、凸部及び/又は凹部210は完全に平行に配列していなくてもよい。光散乱領域200が十分な光散乱能異方性を有している限り、その光散乱領域200において、例えば、一部の凸部及び/又は凹部210の長手方向と他の一部の凸部及び/又は凹部210の長手方向とが交差していても良い。以下、光散乱領域200の主面に平行な方向のうち、光散乱領域200が最小の光散乱能を示す方向を「配向方向」と呼び、光散乱領域200が最大の光散乱能を示す方向を「光散乱軸」と呼ぶ。
図9に示す光散乱領域200では、矢印220で示す方向は配向方向であり、矢印230で示す方向は光散乱軸である。例えば配向方向220に垂直な斜め方向から光散乱領域200に光を当て、光散乱領域200を正面から観察すると、光散乱領域200は、その高い光散乱能に起因して、比較的明るく見える。一方、光散乱軸230に垂直な斜め方向から光散乱領域200に光を当て、光散乱領域200を正面から観察すると、光散乱領域200は、その低い光散乱能に起因して、比較的暗く見える。
これから明らかなように、例えば、光散乱領域200を斜め方向から照明して、これを正面から観察した場合、光散乱領域200をその法線方向の周りで回転させると、その明るさが変化する。それゆえ、例えば、上記した複数の光散乱領域(例えば、2つの光散乱領域)に同一の構造を採用し、それらの領域間で光散乱軸230の方向のみを異ならしめた場合、一方の領域が最も明るく見えるときには他方の領域は比較的暗く見え、当該一方の領域が最も暗く見えるときには当該他方の領域は比較的明るく見える。
すなわち、2つの光散乱領域で光散乱軸230を異ならしめることにより、それらの間に明るさの差を生じさせることができる。したがって、これにより、像を表示することができる。特に、2つの光散乱領域200の光散乱軸230の角度差を十分とする(例えば、30°以上)、あるいはそれぞれの光散乱異方性を十分大きくすることにより、それぞれの領域で表示された像をそれぞれ別の観察条件で観察することができる。
なお、ここでは簡単に説明したが、上記した光散乱構造としては特開2008−107472号公報に公開されているものを用いることができる。
更に、本発明の表示体は、画素中のホログラム画像領域Hにおいて、上面が基材面と略平行である複数の凸部、又は底面が基材面と略平行である複数の凹部と、基材面と略平行な平坦部が配置されている構造を有していてもよい。当該構造によれば、照明光の入射に応じて複数の波長の光から構成される色を表示可能である。つまり、レリーフ型の回折構造のように照明の位置や観察者の位置の変化に応じて虹色に色変化することがなく、当該回折構造を利用した偽造防止媒体とは異なる視覚効果を実現できる。
なお、ここでは簡単に説明したが、上記した光散乱構造としては特開2011−218648号公報に公開されているものを用いることができる。
本発明の表示体は、複数の複数の画素の少なくとも1つが、ホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wを有しているが、その他の画素として、ホログラム画像領域H及び透かし画像領域Wの一方を備えない画素を備えていてもよい。
図10は、本発明に係る表示体の一例を示した概略図であり、図11は、図10に示す表示体が回折光による画像を表示しているところを示した概略図であり、図12は、図10に示す表示体が透過光による画像を表示しているところを示した概略図である。
本発明に係る表示体は、画素がホログラム画像領域Hと透かし画像領域Wとに区分けされているため、図11に示す回折光による画像と図12に示す透過光による画像をそれぞれ表示することができる。
回折光による画像(フルカラーポジ画像)は、画素のホログラム画像領域Hに設けた複数の凹部及び/又は凸部の回折構造に起因して作り出され、透過光による画像(モノクロネガ画像)は、光を透過しない第1層120’を有する部分と、光を透過する第1層120’が除去された部分、すなわち第2領域R2とにより作り出される。
従来の表示体においては、透かし画像領域Wの第1領域R1が平坦な構造(鏡面構造)で形成されていた。このため、当該表示体を物品の基材に取り付けて、その主面の法線と交差する斜め方向から表示体を観察する場合に、第2領域R2から視認される基材の色と第1領域R1の鏡面色とのコントラストが大きく、透過光による観察時に表示されるべき画像が浮き出てしまうことがあった。
これに対し、本発明の表示体は、第1領域R1において、第1領域R1の拡散反射率と、表示体を取り付ける基材の拡散反射率が等しくなるように複数の凹部及び/又は凸部が設けられているため、第2領域R2から視認される基材の色と第1領域R1の鏡面色とのコントラストがほとんどなく、上記の問題は生じない。このため、本発明の表示体は斜め方向から表示体を観察する条件及び透過光により表示体を観察する条件の両方で明瞭な画像を表示することができる。
<転写箔>
以上において説明した表示体100は、例えば、(粘着)ステッカ、転写箔、ラミネートフィルム又はスレッドの一部として使用してもよい。或いは、この表示体100は、ティアテープの一部として使用してもよい。
図13は、本発明に係る転写箔の一例を拡大して示す断面図である。図13に示す転写箔300は、先に説明した表示体100として、レリーフ構造形成層110、第1層120’、及び第2層130’をこの順で積層した積層構造体と、当該積層構造体のレリーフ構造形成層110側に、剥離層52と、表示体100を剥離可能に支持した支持体層50とをこの順に備え、上記積層構造体の第2層130’側に接着層54を備えている。
支持体層50としては、例えば、樹脂からなるフィルム又はシートを用いることができる。支持体層50の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は塩化ビニル樹脂を使用することができる。
剥離層52は、転写箔200を被転写体に転写する際の支持体層50の剥離を容易にする役割を担っている。剥離層52の材料としては、例えば、樹脂を使用することができる。剥離層52は、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス及びシリコーンなどの添加剤を更に含んでいてもよい。なお、剥離層52の厚みは、例えば0.5μm〜5μmの範囲とすることができる。
接着層54の材料としては、例えば、反応硬化型接着剤、溶剤揮散型接着剤、ホットメルト型接着剤、電子線硬化型接着剤及び感熱接着剤などの接着剤を使用することができる。
反応硬化性接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン及びアクリルウレタンなどのポリウレタン系樹脂、又は、エポキシ樹脂を使用することができる。
溶剤揮散型接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂及びウレタン樹脂などを含んだ水性エマルジョン型接着剤、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂などを含んだラテックス型接着剤を使用することができる。
ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂及びポリウレタン樹脂などをベース樹脂として含んだものを使用することができる。
電子線硬化型接着剤としては、例えば、アクリロイル基、アリル基及びビニル基などのビニル系官能基を1個又は複数個有したオリゴマーを主成分として含んだものを使用することができる。例えば、電子線硬化型接着剤として、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエーテルアクリレート又はポリエーテルメタクリレートと、接着付与剤との混合物を使用することができる。この接着付与剤としては、例えば、リンを含んだアクリレート若しくはその誘導体、又は、カルボキシ基を含んだアクリレート若しくはその誘導体を使用することができる。
感熱接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を使用することができる。
接着層54は、例えば、上述した樹脂を、グラビアコータ、マイクログラビアコータ及びロールコータなどのコータを用いて表示体100の背面上に塗付することにより得ることができる。
この転写箔300は、例えば、ロール転写機又はホットスタンプによって、被転写体に転写することができる。この際、剥離層52において剥離を生じると共に、表示体100が、被転写体に、接着層54を介して貼付される。
<表示体付き物品>
本発明に係る表示体100は、表示体100を物品に取り付けた表示体付き物品として用いることができる。例えば、表示体を取り付ける物品としては、磁気カード、IC(integrated circuit)カード、無線カード及びID(identification)カードなどのカード、商品券及び株券などの有価証券などが挙げられる。或いは、真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるべきタグ、ラベルであってもよい。或いは、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体又はその一部であってもよい。
表示体付き物品は、物品の基材に、接着層を介して表示体を固定したものであってもよい。例えば、表示体を粘着ステッカとして又は転写箔として準備しておき、これを基材に固定したものであってもよい。
物品がその基材上に例えば印刷層を備えている場合には、基材の印刷層上に表示体が固定されたものであってもよい。この表示体付き物品は、表示体の光学効果を印刷層のそれと比較することにより、表示体の光学効果を際立たせることができる。
表示体を基材に固定する場合、例えば、基材として紙を使用ときには、表示体を紙に漉き込み、表示体に対応した位置で紙を開口させてもよい。また、物品の内部に表示体を埋め込んでもよい。
表示体100は、偽造防止以外の目的で使用してもよい。例えば、表示体100は、玩具、学習教材、及び装飾品などとしても利用することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。
<表示体、転写箔及び表示体付き物品の作製>
(版の作製)
まず、斜め方向から観察する条件及び透過光によって観察する条件の各々において、表示体に所望の像を表示可能とする描画データを作成した。なお、ホログラム画像領域Hについては、赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bと、これらの領域をそれぞれ囲むように配置された平坦領域Fとを設け、赤色領域R、緑色領域G、及び青色領域Bのそれぞれが所定の回折構造を有するように描画データを作成した。透かし画像領域Wの第1領域R1については、作製した表示体を取り付ける基材(用紙)の拡散反射率をあらかじめ拡散反射率計により測定し、次いで、この測定値から、1μmを平均とする0.3から2.0μmのランダムな径を有する円形の凸部もしくは凹部を0から62,500個/mm2の密度でランダムに位置配置することを決定し、これを描画データとした。透かし画像領域Wの第2領域R2については2000本/mmのクロスグレーティングで描画データを作成した。そして、電子線レジスト上に、上記データに対応した形状を、電子線を用いて描画した。このレジストを現像し、所望の凹部又は凸部を形成した。その後、気相堆積法により導電層を成膜し、ニッケルスパッタで各凹部又は凸部の表面に導通をとり、ニッケル電鋳により金型を作製した。このようにして、版を作製した。
(複製)
次に、#19のポリエチレンテレフタレート(PET)基材上に、グラビアコーティング法により、アクリル樹脂からなる剥離層、UV硬化型樹脂からなる層をこの順に形成した。層の厚みはそれぞれ、1μmであった。このようにして、原反を作製した。
続いて、上記原反の樹脂からなる層側の面に、100℃の熱及び1MPaの圧力で上記版を押し付けた。このようにして、原反の一方の主面に複数の凹部又は凸部を備えたレリーフ構造形成層110を得た。
なお、赤色領域Rに対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離が870nm、緑色領域Gに対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離が765nm、青色領域Bに対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離が745nmであった。そして、第2領域R2に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を250nmとした。
次いで、レリーフ構造形成層110の上に、アルミニウムを蒸着させた。このようにして、反射材料層120を得た。反射材料層120の厚みは、50nmであった。
続いて、反射材料層120の上に、MgF2を蒸着させた。マスク層130の厚みは、20nmであった。
このようにして、レリーフ構造形成層110、反射材料層120、マスク層130をこの順で積層した積層体を得た。
次に、当該積層体をNaOH(5%、50℃)溶液中に浸漬して、エッチングを行い、第1層120’及び第2層130’を形成し、表示体を得た。
その後、表示体の第2層130’側の面にアクリル系樹脂をグラビアコーティング法で2μmの厚さで塗付して、接着層54を形成した。以上のようにして、転写箔を得た。
(転写)
次いで、転写箔を光透過性のある被転写用紙に150℃の温度及び10MPaの圧力で転写した。このようにして、表示体付き物品として、表示体付きの用紙を得た。
この用紙を表示体の主面の法線と交差する斜め方向から観察すると、赤色領域R、緑色領域G及び青色領域Bからの回折光により、写真画質のフルカラーホログラム画像を観察することができた。この際、透過光による観察時に表示される画像は浮き出てこなかった。また、透過光による観察を行うと、第2領域R2の分布に基づいた透かし画像を観察することができた。
このように本発明の表示体は、斜め方向から観察する条件において、透過光による観察時に表示される画像が浮き出にくく、所望のフルカラーホログラム画像を明瞭に表示することができる。このため、このため当該表示体、並びにこれを備えた転写箔及び物品は、優れた偽造防止効果、装飾効果、及び/又は美的効果を有する。
50 支持体層
52 剥離層
54 接着層
100 表示体
110 レリーフ構造形成層
120 反射材料層
120’ 第1層
130 マスク層
130’ 第2層
300 転写箔
PE 画素
H ホログラム画像領域
W 透かし画像領域
R1 第1領域
R2 第2領域

Claims (9)

  1. 複数の画素を具備する表示体であって、
    前記複数の画素の少なくとも1つは、レリーフ構造形成層と、第1層と、第2層とをこの順で積層した積層構造を含むとともに、ホログラム画像領域及び透かし画像領域を有し、前記透かし画像領域はさらに、第1領域及び第2領域を有し、
    前記レリーフ構造形成層は、その一方の面に複数の凹部及び/又は凸部を備え、ここで、前記ホログラム画像領域では、前記表示体の主面の法線と交差する斜め方向から前記表示体を観察する条件で所定の色を表示するように前記複数の凹部及び/又は凸部が設けられており、前記第1領域では、前記第1領域の拡散反射率と、前記表示体を取り付ける基材の拡散反射率が等しくなるように前記複数の凹部及び/又は凸部が設けられており、前記第2領域では、前記ホログラム画像領域及び前記第1領域とは異なる前記複数の凹部及び/又は凸部が設けられており、
    前記第1層は、前記レリーフ構造形成層の材料とは屈折率が異なる第1材料から形成され、前記レリーフ構造形成層の凹部及び/又は凸部に対応する形状で前記ホログラム画像領域及び第1領域に設けられており、
    前記第2層は、前記第1材料とは異なる第2材料から形成され、前記第1層上に設けられており、
    前記表示体は、前記斜め方向から前記表示体を観察する条件において前記ホログラム画像領域の分布に基づいた画像を表示すると共に、前記表示体を透過光によって観察する条件において前記第2領域の分布に基づいた画像を表示することを特徴とする、表示体。
  2. 前記レリーフ構造形成層に設けられた前記複数の凹部及び/又は凸部が、前記ホログラム画像領域において、回折構造及び/又は光散乱構造を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の表示体。
  3. 前記第2領域は、当該第2領域における見かけ上の面積に対する表面積の比が、前記ホログラム画像領域及び第1領域のそれぞれにおける見かけ上の面積に対する表面積の比と比較して、より大きいことを特徴とし、前記見かけ上の面積は、当該領域に平行な平面への当該領域の正射影の面積、即ち、凹構造及び/又は凸構造を無視した当該領域の面積を意味し、前記表面積とは、凹構造及び/又は凸構造を考慮した当該領域の面積を意味する、請求項1又は2に記載の表示体。
  4. 前記レリーフ構造形成層に設けられた前記複数の凹部及び/又は凸部は、前記第2領域において、500nm以下の中心間距離で二次元的に配置されていると共に各々が順テーパ形状を有していることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の表示体。
  5. 前記レリーフ構造形成層に設けられた前記複数の凹部及び/又は凸部が、前記ホログラム画像領域において、500nm〜1000nmの中心間距離で設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の表示体。
  6. 前記ホログラム画像領域は、前記斜め方向から前記表示体を観察する条件において、赤色を表示するように構成された赤色領域と、緑色を表示するように構成された緑色領域と、青色を表示するように構成された青色領域とを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の表示体。
  7. 前記ホログラム画像領域は、前記赤色領域、前記緑色領域、及び前記青色領域と、当該3つの領域のそれぞれを囲むように配置された平坦領域とを備え、
    前記透かし画像領域は、第1領域と、当該第1領域に囲まれるように配置された前記第2領域とを備えることを特徴とする、請求項6に記載の表示体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の表示体と、前記表示体を剥離可能に支持した支持体層とを具備した転写箔。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の表示体と、これを支持した物品とを具備した表示体付き物品。
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