JP6500157B1 - 廃棄物処理設備及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉外へのガス漏れを防ぐことにより安全な設備運転を可能とする廃棄物処理設備及びその運転方法を提供する。【解決手段】廃棄物処理設備は、流動床式のガス化炉と、濾過媒体が充填された濾過塔と、副生成物が付着した濾過媒体を濾過塔からガス化炉に流動媒体として送るための第1搬送経路と、ガス化炉において少なくとも一部の副生成物が除去された流動媒体をガス化炉から濾過塔に濾過媒体として送るための第2搬送経路と、ガス化炉と濾過塔との間で濾過媒体及び流動媒体を循環させる循環機構と、濾過塔の前後における差圧を検知する差圧検知部と、差圧検知部により検知される差圧が予め定められた所定の範囲内に収まるように、循環機構を制御してガス化炉と濾過塔との間における濾過媒体及び流動媒体の循環量を変動させる制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物処理設備及びその運転方法に関する。
従来、固体廃棄物やバイオマスなどを熱分解して有用なガス成分に変換するガス化炉に関する研究が、廃棄物の有効利用の観点から広く行われている。ガス化炉によれば、炉内で発生させた可燃性ガス(熱分解ガス)を様々な用途で利用することができる一方、熱分解時に可燃性ガスの他に未燃炭素(チャー)、灰(ダスト)、タールなども発生するため、ガス化炉の後段においてこれらの副生成物を除去する技術が必要となる。
この種の技術が、例えば特許文献1に記載されている。この文献には、流動層を有するガス化炉と、当該ガス化炉の後段に配置されたタール吸着塔と、を備えたタール除去装置が記載されている。この装置では、ガス化炉で発生したガス化ガスが、タール吸着塔に導入される。そして、ガス化ガスがタール吸着塔内の粒子層を流通する間にガス中のタールが粒子に付着し、タールが除去されたガスが利用装置に供給される。
特開2008−260801号公報
特許文献1に記載されたタール除去装置では、タール吸着塔内の粒子へのタールの付着量が過剰になると、吸着塔の前後における差圧が異常上昇し、その結果、ガス化炉で発生するガス化ガスを吸着塔の後段から吸引できなくなる場合がある。この場合、ガス化炉内を負圧に保つことができず、炉外へのガス漏れが起こり得るため、設備の安全な運転が困難になるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、炉外へのガス漏れを防ぐことにより安全な設備運転を可能とする廃棄物処理設備及びその運転方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明の一局面に係る廃棄物処理設備は、流動媒体により形成される流動層を有し、廃棄物を可燃性ガスに熱分解する流動床式のガス化炉と、前記ガス化炉で発生した前記可燃性ガスが流入し、前記可燃性ガスに含まれる副生成物を付着させるための濾過媒体が充填された濾過塔と、前記副生成物が付着した前記濾過媒体を、前記濾過塔から前記ガス化炉に前記流動媒体として送るための第1搬送経路と、前記ガス化炉において少なくとも一部の前記副生成物が除去された前記流動媒体を、前記ガス化炉から前記濾過塔に前記濾過媒体として送るための第2搬送経路と、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路を通じて、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体を循環させる循環機構と、前記濾過塔の前後における差圧を検知する差圧検知部と、前記差圧検知部により検知される差圧が予め定められた所定の範囲内に収まるように、前記循環機構を制御して前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環量を変動させる制御部と、を備えている。
この廃棄物処理設備では、流動床式のガス化炉において多種多様な廃棄物を可燃性ガスに熱分解し、可燃性ガスを濾過塔に流通させて当該可燃性ガスに含まれる副生成物を濾過媒体に付着させることにより、副生成物が除去された可燃性ガスが得られる。そして、副生成物が付着した濾過媒体を第1搬送経路を通じてガス化炉に送り、当該ガス化炉において副生成物が除去された再生後の濾過媒体を第2搬送経路を通じて濾過塔に戻すことができる。しかも、濾過塔の前後における差圧が所定の範囲内に収まるように濾過媒体及び流動媒体の循環量を変動させるため、差圧の異常上昇を防ぐことができる。このため、ガス化炉内の可燃性ガスを濾過塔の後段から吸引不能になるのを防止し、ガス化炉内を負圧に維持することが可能になる。その結果、炉外へのガス漏れを防ぎ、設備を安全に運転することができる。
上記廃棄物処理設備において、前記制御部は、前記差圧検知部により検知される差圧が前記所定の範囲内に収まるように、前記循環機構を、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環する循環運転状態と、前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環が停止する停止状態と、に切り替えてもよい。
この構成によれば、第1搬送経路及び第2搬送経路を構成する配管の摩耗を抑制しつつ、濾過塔の前後における差圧を管理することが可能になる。
上記廃棄物処理設備において、前記制御部は、前記差圧検知部により検知される差圧が上限側切替基準値に到達するまでの間は前記循環機構を前記停止状態に維持すると共に、前記差圧が前記上限側切替基準値に到達した時に前記循環機構を前記停止状態から前記循環運転状態に切り替え、前記差圧検知部により検知される差圧が下限側切替基準値に到達するまでの間は前記循環機構を前記循環運転状態に維持すると共に、前記差圧が前記下限側切替基準値に到達した時に前記循環機構を前記循環運転状態から前記停止状態に切り替えてもよい。
この構成によれば、濾過媒体及び流動媒体の循環及びその停止を切り替える回数を減らして設備への負担を抑えつつ、濾過塔の前後における差圧を管理することが可能になる。
上記廃棄物処理設備は、前記ガス化炉から流出した前記可燃性ガスを前記濾過塔に導くためのガス導入経路と、前記ガス導入経路から分岐する第1分岐経路と、前記可燃性ガスの一部を前記副生成物と共に前記ガス導入経路から前記第1分岐経路に抜くガス抜き機構と、をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、可燃性ガスと共に濾過塔に流入する副生成物の量自体を減らし、ガス化炉と濾過塔との間の循環系の外に副生成物を抜き出すことができる。これにより、濾過塔内における副生成物の堆積量が過剰になるのを防ぎ、濾過塔の前後における差圧を容易に管理することができる。
上記廃棄物処理設備は、前記第1搬送経路から分岐する第2分岐経路と、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環している状態において、前記副生成物が付着した前記濾過媒体を前記第1搬送経路から前記第2分岐経路に抜く濾過媒体抜き機構と、をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、ガス化炉と濾過塔との間の循環系から濾過媒体と共に副生成物を抜くことができる。これにより、濾過塔内における副生成物の堆積量が過剰になるのを防ぎ、濾過塔の前後における差圧を容易に管理することができる。
上記廃棄物処理設備において、前記濾過媒体及び前記流動媒体は、珪砂、オリビン砂、酸化カルシウム、ドロマイト及びスラグからなる群より選択される少なくともいずれか一つを含んでいてもよい。
珪砂は、流動層に用いられる最も一般的なものであり、安価に入手可能である。オリビン砂は、硬度が高く、また高温下においても使用可能である。酸化カルシウム及びドロマイトは、廃棄物のガス化時に触媒として機能し、またガス化時における未燃炭素(チャー)やタールの発生量を低減させることができる。スラグは、硬度が高く、また廃棄物のガス化時に生じる灰分を溶融させることにより得られるため、安価に入手可能である。
本発明の他の局面に係る廃棄物処理設備の運転方法は、流動媒体により形成される流動層を有し、廃棄物を可燃性ガスに熱分解する流動床式のガス化炉と、前記ガス化炉で発生した前記可燃性ガスが流入し、前記可燃性ガスに含まれる副生成物を付着させるための濾過媒体が充填された濾過塔と、前記副生成物が付着した前記濾過媒体を、前記濾過塔から前記ガス化炉に前記流動媒体として送るための第1搬送経路と、前記ガス化炉において少なくとも一部の前記副生成物が除去された前記流動媒体を、前記ガス化炉から前記濾過塔に前記濾過媒体として送るための第2搬送経路と、を備えた廃棄物処理設備を運転する方法である。この方法は、前記濾過塔の前後における差圧が予め定められた所定の範囲内に収まるように、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路を通じた前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環量を変動させることを含む。
この方法では、流動床式のガス化炉において多種多様な廃棄物を可燃性ガスに熱分解し、可燃性ガスを濾過塔に流通させて当該可燃性ガスに含まれる副生成物を濾過媒体に付着させることにより、副生成物が除去された可燃性ガスが得られる。そして、副生成物が付着した濾過媒体を第1搬送経路を通じてガス化炉に送り、当該ガス化炉において副生成物が除去された再生後の濾過媒体を第2搬送経路を通じて濾過塔に戻すことができる。しかも、濾過塔の前後における差圧が所定の範囲内に収まるように濾過媒体及び流動媒体の循環量を変動させるため、差圧の異常上昇を防ぐことができる。このため、ガス化炉内の可燃性ガスを濾過塔の後段から吸引不能になるのを防止し、ガス化炉内を負圧に維持することが可能になる。その結果、炉外へのガス漏れを防ぎ、設備を安全に運転することができる。
上記廃棄物処理設備の運転方法は、前記濾過塔の前後における差圧が前記所定の範囲内に収まるように、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環する循環運転状態と、前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環が停止する停止状態と、の間で切り替えることを含んでいてもよい。
この方法によれば、第1搬送経路及び第2搬送経路を構成する配管の摩耗を抑制しつつ、濾過塔の前後における差圧を管理することが可能になる。
上記廃棄物処理設備の運転方法において、前記濾過塔の前後における差圧が上限側切替基準値に到達するまでの間は前記停止状態を維持すると共に、前記差圧が前記上限側切替基準値に到達した時に前記停止状態から前記循環運転状態に切り替え、前記濾過塔の前後における差圧が下限側切替基準値に到達するまでの間は前記循環運転状態を維持すると共に、前記差圧が前記下限側切替基準値に到達した時に前記循環運転状態から前記停止状態に切り替えてもよい。
この方法によれば、濾過媒体及び流動媒体の循環及びその停止を切り替える回数を減らして設備への負担を抑えつつ、濾過塔の前後における差圧を管理することが可能になる。
上記廃棄物処理設備の運転方法において、前記廃棄物処理設備は、前記ガス化炉から流出した前記可燃性ガスを前記濾過塔に導くためのガス導入経路をさらに備えていてもよい。当該運転方法は、前記ガス導入経路を流通する前記可燃性ガスの一部を、前記副生成物と共に前記ガス導入経路から抜くことを含んでいてもよい。
この方法によれば、可燃性ガスと共に濾過塔に流入する副生成物の量自体を減らし、ガス化炉と濾過塔との間の循環系の外に副生成物を抜き出すことができる。これにより、濾過塔内における副生成物の堆積量が過剰になるのを防ぎ、濾過塔の前後における差圧を容易に管理することができる。
上記廃棄物処理設備の運転方法は、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環している状態において、前記濾過塔から前記ガス化炉に向かって前記第1搬送経路内を流動する前記副生成物が付着した前記濾過媒体を前記第1搬送経路から抜くことを含んでいてもよい。
この方法によれば、ガス化炉と濾過塔との間の循環系から濾過媒体と共に副生成物を抜くことができる。これにより、濾過塔内における副生成物の堆積量が過剰になるのを防ぎ、濾過塔の前後における差圧を容易に管理することができる。
上記廃棄物処理設備の運転方法において、前記濾過媒体及び前記流動媒体として、珪砂、オリビン砂、酸化カルシウム、ドロマイト及びスラグからなる群より選択される少なくともいずれか一つを用いてもよい。各媒体を用いることによる利点は、上述した通りである。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、炉外へのガス漏れを防ぐことにより安全な設備運転を可能とする廃棄物処理設備及びその運転方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る廃棄物処理設備の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る廃棄物処理設備の運転方法を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態2に係る廃棄物処理設備の運転方法を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態3に係る廃棄物処理設備の運転方法を説明するためのタイムチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る廃棄物処理設備及びその運転方法について詳細に説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る廃棄物処理設備1の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態に係る廃棄物処理設備1は、例えばごみ、下水汚泥、産業廃棄物又は木質チップなどの各種廃棄物を可燃性ガスG1に熱分解するガス化炉10を備えており、当該可燃性ガスG1を様々な用途に利用することができる。図1に示すように、廃棄物処理設備1は、ガス化炉10と、濾過塔20と、ガス導入経路30と、ガス導出経路31と、差圧検知部40と、第1搬送経路50と、第2搬送経路51と、循環機構60と、制御部70と、を主に備えている。以下、これらの構成要素についてそれぞれ詳細に説明する。
ガス化炉10は、流動媒体101により形成される流動層100を有し、廃棄物を可燃性ガスG1に熱分解する流動床式の炉である。具体的には、炉床から流動層100に常時送り込まれる空気により流動媒体101が流動しており、ガス化炉10内に投入されて流動媒体101により撹拌されると共に解砕された廃棄物が熱分解され、一酸化炭素(CO)などを含む可燃性ガスG1が発生する。ガス化炉10は、例えば円筒形状を有する炉であるが、形状は特に限定されない。
図1に示すように、ガス化炉10において発生した可燃性ガスG1は、当該ガス化炉10の上部からガス導入経路30に流出する。またガス化炉10における廃棄物の熱分解においては、可燃性ガスG1の他に、未燃炭素(チャー)、灰(ダスト)及びタールなどを含む副生成物が発生し、当該副生成物も可燃性ガスG1に同伴されて炉外へ(ガス導入経路30へ)流出する。
流動床式のガス化炉10においては、固定床式のガス化炉に比べて炉内の温度を均一に保つことができ、処理可能な廃棄物の種類の制約が少なく、多種多様な廃棄物をガス化することができる。しかし一方で、流動床式のガス化炉10においては、チャー、ダスト、タールなどの副生成物が多量に発生する。このため、可燃性ガスG1が所定のガス利用先へ供給される前に、ガス化炉10の後段に配置された濾過塔20に可燃性ガスG1を通過させることにより、当該可燃性ガスG1に含まれる副生成物が除去される。
流動媒体101としては、珪砂、オリビン砂、酸化カルシウム、ドロマイト及びスラグからなる群より選択される少なくともいずれか一つを用いることができる。上記群より選択される一種類の媒体が流動媒体101として用いられてもよいし、上記群より選択される複数種の媒体を混合したものが流動媒体101として用いられてもよい。また流動媒体101は、上記群より選択される媒体に限定されるものではない。
濾過塔20は、ガス化炉10で発生した可燃性ガスG1が流入する塔であり、当該可燃性ガスG1に含まれる副生成物(チャー、ダスト、タール)を付着させるための濾過媒体102が充填されている。この濾過媒体102により、可燃性ガスG1を濾過するための濾過層103が形成されている。濾過塔20によれば、可燃性ガスG1に同伴される副生成物を濾過媒体102により捕捉し、副生成物が除去された可燃性ガスG1を塔外へ排出することができる。なお、可燃性ガスG1が濾過層103を通過する経路が、図1中の破線矢印により示されている。
図1に示すように、濾過塔20は、内径が略一定の筒形状を有する塔本体部21と、当該塔本体部21の下部に接続されると共に下方に向かって縮径する塔底部22と、塔本体部21内において上下に延びる仕切り部23と、を含む。塔底部22の最下部には、濾過媒体102を塔外へ抜き出すための抜き口22Aが設けられている。仕切り部23は、上端が塔本体部21の上部に接続されると共に、下端が塔底部22まで至らずに塔本体部21内に位置するように配置されている。
濾過媒体102は、塔底部22内の空間全体に充填されると共に、濾過層103の上面が仕切り部23の下端よりも上方に位置するように塔本体部21内の空間に充填されている。これにより、濾過層103を通過する前の可燃性ガスG1が流通する一次側ガス空間20Aと、濾過層103を通過した後の可燃性ガスG1が流通する空間であって仕切り部23及び濾過層103により一次側ガス空間20Aに対して隔離された二次側ガス空間20Bと、が濾過塔20内にそれぞれ形成されている。図1中の破線矢印で示す通り、可燃性ガスG1は、一次側ガス空間20Aに流入した後下向きに流通し、仕切り部23の下端において流通方向を上向きに変更した後、二次側ガス空間20Bを通過して塔外へ流出する。
ここで、濾過媒体102の充填高さは、濾過層103の上面と仕切り部23の下端との間の高さ距離により定義される。濾過層103による副生成物の除去率は、充填高さが大きくなるに従って増加する一方、当該充填高さが所定値以上になると飽和する傾向がある。したがって、充填高さが当該所定値となる量だけ、濾過媒体102を濾過塔20内に充填すればよい。
濾過媒体102は、流動媒体101と同じものであり、珪砂、オリビン砂、酸化カルシウム、ドロマイト及びスラグからなる群より選択される少なくともいずれか一つを含む。上記群より選択される一種類の媒体が濾過媒体102として用いられてもよいし、上記群より選択される複数種の媒体を混合したものが濾過媒体102として用いられてもよい。また濾過媒体102は、上記群より選択される媒体に限定されるものではない。
ガス導入経路30は、ガス化炉10から流出した可燃性ガスG1を濾過塔20に導くための経路である。図1に示すように、ガス導入経路30は、上流端がガス化炉10の上部に形成されたガス流出口11に接続されると共に、下流端が濾過塔20の上側側部に形成されたガス流入口24に接続されている。これにより、ガス化炉10において発生した可燃性ガスG1を、ガス流入口24を通じて濾過塔20内(一次側ガス空間20A)に流入させることができる。
ガス導出経路31は、濾過塔20から流出する可燃性ガスG1を、ガス利用先(例えば発電ユニットのガスエンジンなど)へ導くための経路である。図1に示すように、ガス導出経路31は、上流端が濾過塔20の上側側部(ガス流入口24が形成された部分と反対側の部分)に形成されたガス流出口25に接続されると共に、下流端がガス利用先に接続されている。これにより、濾過層103により濾過された後の可燃性ガスG1を二次側ガス空間20Bからガス流出口25を通じてガス導出経路31に流入させ、当該ガス導出経路31を通じて所定のガス利用先に供給することができる。なお、ガス利用先の種類に応じて、可燃性ガスG1を洗浄、改質するための装置がガス導出経路31に配置されていてもよい。
また図1に示すように、ガス導出経路31には、ガス誘引装置32が配置されている。このガス誘引装置32は、例えば送風機(ファン)により構成されており、当該ガス誘引装置32よりも上流側のガス(ガス化炉10、ガス導入経路30及び濾過塔20内のガス)を吸引することができる。これにより、ガス化炉10内を負圧に保持し、炉外へのガスの漏洩を防ぐことができる。
差圧検知部40は、濾過塔20の前後における差圧を検知するためのセンサである。差圧検知部40は、濾過層103よりも上流側における圧力を検知する一次側圧力検知部41と、濾過層103よりも下流側における圧力を検知する二次側圧力検知部42と、を含む。本実施形態では、図1に示すように、一次側圧力検知部41がガス導入経路30に設置されていると共に、二次側圧力検知部42がガス導出経路31に設置されている。なお、一次側圧力検知部41及び二次側圧力検知部42をそれぞれ設置する位置は、図1に示す位置に限定されない。
第1搬送経路50は、濾過塔20内において副生成物が付着した濾過媒体102を、濾過塔20からガス化炉10に流動媒体101として送るための経路である。図1に示すように、第1搬送経路50は、濾過塔20の最下部に配置された循環機構60(第1搬送スクリュ61)に上流端が接続されていると共に、下流端がガス化炉10に接続されている。
副生成物が付着した濾過媒体102は、副生成物が付着していない濾過媒体102に比べて重量が大きいため、濾過塔20の抜き口22Aから塔外へ流出する。そして、当該濾過媒体102は、循環機構60を構成する第1搬送スクリュ61の回転により切り出された後、第1搬送経路50を構成するシュートを通じてガス化炉10内へ向かって自由落下することにより、流動媒体101としてガス化炉10に送られる。また他の搬送方法としては、濾過媒体102が第1搬送スクリュ61の回転により切り出された後、第1搬送経路50に設けられたコンベヤによりガス化炉10に向かって搬送されてもよい。
そして、流動媒体101に付着した副生成物の少なくとも一部が、ガス化炉10において熱分解により除去される。つまり、濾過塔20から送られた濾過媒体102を、ガス化炉10において流動媒体101として用いると共に、副生成物を除去して再生することができる。
第2搬送経路51は、ガス化炉10において少なくとも一部の副生成物が除去された流動媒体101を、ガス化炉10から濾過塔20に濾過媒体102として送るための経路である。図1に示すように、第2搬送経路51は、ガス化炉10の底部近傍に配置された分級装置63に上流端が接続されていると共に、下流端が濾過塔20の上部に接続されている。これにより、ガス化炉10において副生成物が除去された流動媒体101を、循環機構60を構成する第2搬送スクリュ62の回転により切り出し、分級装置63において金属類の除去を行った後、第2搬送経路51を構成する循環エレベータによって上方に搬送することにより、濾過媒体102として濾過塔20に戻すことができる。
循環機構60は、第1搬送経路50及び第2搬送経路51を通じて、ガス化炉10と濾過塔20との間で濾過媒体102及び流動媒体101を循環させるためのものである。具体的に、循環機構60は、濾過塔20の底部から濾過媒体102を塔外へ抜くための第1搬送スクリュ61と、ガス化炉10の底部から流動媒体101を炉外へ抜くための第2搬送スクリュ62と、を含む。第1搬送スクリュ61を回転させることにより濾過塔20内の濾過媒体102が第1搬送経路50へ抜き出され、第2搬送スクリュ62を回転させることによりガス化炉10内の流動媒体101が第2搬送経路51へ抜き出される。第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62の動作は、制御部70によりそれぞれ制御される。
制御部70は、差圧検知部40により検知される差圧が予め定められた所定の範囲内に収まるように、循環機構60を制御してガス化炉10と濾過塔20との間における濾過媒体102及び流動媒体101の循環量を変動させる。具体的には、制御部70は、差圧検知部40により検知される差圧が当該所定の範囲内に収まるように、循環機構60を、ガス化炉10と濾過塔20との間で濾過媒体102及び流動媒体101が循環する循環運転状態と、ガス化炉10と濾過塔20との間における濾過媒体102及び流動媒体101の循環が停止する停止状態と、に切り替える。制御部70は、差圧検知部40により検知される差圧が上限側切替基準値に到達するまでの間は循環機構60を停止状態に維持すると共に、当該差圧が上限側切替基準値に到達した時に循環機構60を停止状態から循環運転状態に切り替える。また制御部70は、差圧検知部40により検知される差圧が下限側切替基準値に到達するまでの間は循環機構60を循環運転状態に維持すると共に、当該差圧が下限側切替基準値に到達した時に循環機構60を循環運転状態から停止状態に切り替える。
制御部70には、一次側圧力検知部41及び二次側圧力検知部42による検知結果がそれぞれ入力される。そして、各圧力検知部による検知値の差により求められる差圧が所定の範囲内に収まるように、制御部70は、第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62の動作をそれぞれ制御する。なお、制御部70による濾過媒体102及び流動媒体101の循環量の制御については後に詳述する。
廃棄物処理設備1は、第1分岐経路80と、ガス抜き機構81と、第2分岐経路90と、濾過媒体抜き機構91と、濾過媒体戻し経路92と、濾過媒体戻し機構93と、焼却部94と、をさらに備えている。なお、これらは本発明の廃棄物処理設備において必須の構成要素ではなく、省略されてもよい。
第1分岐経路80は、ガス導入経路30から分岐する経路であり、ガス抜き機構81が配置されている。ガス抜き機構81は、可燃性ガスG1の一部を副生成物と共にガス導入経路30から第1分岐経路80に抜くためのものであり、例えば送風機(ファン)であってもよい。これにより、可燃性ガスG1に同伴されて濾過塔20に流入する副生成物の量を減らし、ガス化炉10と濾過塔20との間の循環系の外に副生成物を抜き出すことができる。第1分岐経路80に抜き出された可燃性ガスG1には、除塵、焼却などの処理が行われる。
第2分岐経路90は、第1搬送経路50から分岐する経路であり、濾過媒体抜き機構91が配置されている。濾過媒体抜き機構91は、例えば搬送スクリュからなり、これを回転させることにより、ガス化炉10と濾過塔20との間で濾過媒体102及び流動媒体101が循環している状態において、副生成物が付着した濾過媒体102を第1搬送経路50から第2分岐経路90に抜くことができる。
このようにして第1搬送経路50から抜かれた濾過媒体102は、焼却部94に送られ、当該焼却部94において焼却処理される。これにより、濾過媒体102に付着した副生成物がガス化して除去される。
濾過媒体戻し経路92は、焼却部94と第1搬送経路50(第2分岐経路90の分岐部よりも下流側の部位)とを接続しており、濾過媒体戻し機構93が配置されている。濾過媒体戻し機構93は、濾過媒体抜き機構91と同様に例えば搬送スクリュからなり、これを回転させることにより、副生成物が除去された後の濾過媒体102を濾過媒体戻し経路92を通じて第1搬送経路50に戻すことができる。これにより、ガス化炉10と濾過塔20との間の循環系において媒体(濾過媒体102、流動媒体101)の量が減るのを防ぎつつ、副生成物を当該循環系の外へ抜き出すことができる。
次に、上記廃棄物処理設備1の運転方法について、図2のタイムチャートに従って説明する。図2の上段のタイムチャートは、廃棄物処理設備1の運転時間t(横軸)と、濾過塔20の前後における差圧ΔP(縦軸)と、の関係を示している。また図2の下段のタイムチャートは、当該運転時間(横軸)と、濾過媒体102及び流動媒体101の循環量(縦軸)と、の関係を示している。
まず、ガス化炉10内に廃棄物が投入され、当該廃棄物を熱分解することにより可燃性ガスG1を発生させる。図1に示すように、ガス化炉10で発生した可燃性ガスG1は、ガス導入経路30を通じて濾過塔20に流入し、濾過層103を通過することにより副生成物(チャー、ダスト、タール)が除去される。そして、濾過処理後の可燃性ガスG1が、ガス導出経路31を通じて所定のガス利用先に供給される。
本実施形態に係る廃棄物処理設備の運転方法では、濾過塔20の前後における差圧ΔPが予め定められた所定の範囲内に収まるように、第1搬送経路50及び第2搬送経路51を通じたガス化炉10と濾過塔20との間における濾過媒体102及び流動媒体101の循環量を変動させる。より具体的には、濾過塔20の前後における差圧ΔPが当該所定の範囲内に収まるように、ガス化炉10と濾過塔20との間で濾過媒体102及び流動媒体101が循環する循環運転状態と、ガス化炉10と濾過塔20との間における濾過媒体102及び流動媒体101の循環が停止する停止状態と、の間で切り替えを行う。以下、この制御内容について、図2を参照して詳細に説明する。
図2中において、差圧ΔPの管理範囲である「所定の範囲」に斜線が付されている。図2に示すように、廃棄物処理設備1の運転開始時(時点t0)においては、差圧ΔPが下限値ΔPであり、且つ濾過媒体102及び流動媒体101の循環量が0となっている。当該下限値ΔPは、濾過媒体102に副生成物が付着する前の状態における差圧ΔPであり、濾過層103による副生成物の除去率との関係で予め決定される基準値である。
そして、ガス化炉10において発生した可燃性ガスG1が濾過塔20において濾過され、濾過媒体102への副生成物(チャー、ダスト、タール)の付着量が増加するに従って、差圧ΔPが当該所定の範囲の下限値ΔPから当該所定の範囲の上限値ΔPに向かって直線的に増加する(図2上段)。そして、差圧ΔPが下限値ΔPから上限値ΔPに到達するまでの間は、循環機構60が停止状態に維持される。つまり、時点t0(運転開始時)から時点t1(上限値ΔPへの到達時)までの間は、第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62の回転は停止する。
次に、差圧ΔPが上限値ΔPに到達した時に(時点t1)、制御部70が循環機構60を停止状態から循環運転状態に切り替える。つまり、本実施形態では、上限値ΔPが「上限側切替基準値」に相当する。これにより、第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62がそれぞれ回転し、副生成物が付着した濾過媒体102が濾過塔20から第1搬送経路50を通じてガス化炉10に送られ、ガス化炉10において副生成物が除去されて再生した後に第2搬送経路51を通じて濾過塔20に戻される。これにより、濾過塔20内における副生成物の堆積量が次第に減少し、差圧ΔPが上限値ΔPから下限値ΔPに向かって直線的に減少する(図2上段)。
差圧ΔPが上限値ΔPから下限値ΔPに到達するまでの間は、循環機構60が循環運転状態に維持される。この間、濾過媒体102及び流動媒体101の循環量C0は、一定に維持される。
そして、差圧ΔPが下限値ΔPに到達した時に(時点t2)、制御部70が循環機構60を循環運転状態から停止状態に切り替える。つまり、本実施形態では、下限値ΔPが「下限側切替基準値」に相当する。これにより、第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62の回転が停止し、ガス化炉10と濾過塔20との間における濾過媒体102及び流動媒体101の循環が停止する。その後、濾過媒体102への副生成物の付着に伴って、差圧ΔPが再び上限値ΔPに向かって上昇する。
このようにして、濾過塔20の前後における差圧ΔPが所定の範囲内に収まるように、ガス化炉10と濾過塔20との間における濾過媒体102及び流動媒体101の循環量を変動させる。図2に示すように、時点t2以降においても、時点t0〜t2までと同様に、制御部70が循環機構60を停止状態と循環運転状態との間で交互に切り替えることにより、差圧ΔPが所定の範囲内に維持される。
また廃棄物処理設備1の運転中にガス抜き機構81を作動させることにより、ガス導入経路30を流通する可燃性ガスG1の一部を、副生成物と共にガス導入経路30から常時抜いてもよい。また上記循環運転状態において、濾過媒体抜き機構91及び濾過媒体戻し機構93をそれぞれ作動させることにより、濾過塔20からガス化炉10に向かって第1搬送経路50内を流動する副生成物が付着した濾過媒体102を第1搬送経路50から抜くと共に、焼却部94にて副生成物が除去された濾過媒体102を濾過媒体戻し経路92を通じて第1搬送経路50に戻してもよい。これにより、ガス化炉10と濾過塔20との間の循環系において、媒体(濾過媒体102、流動媒体101)の量が減るのを防ぎつつ、当該循環系の外へ副生成物を抜き出すことができる。これにより、濾過塔20内に副生成物が過剰に堆積するのが抑制され、差圧ΔPを容易に管理することができる。
以上の通り、本実施形態に係る廃棄物処理設備1及びその運転方法によれば、濾過塔20の前後における差圧ΔPが所定の範囲内に収まるように、濾過媒体102及び流動媒体101の循環量を変動させることができる。具体的には、差圧ΔPが上限値ΔPに達した時に、循環機構60が停止状態から循環運転状態に切り替わる。これにより、差圧ΔPの異常上昇に起因してガス化炉10内の可燃性ガスG1をガス誘引装置32により吸引不能になる事態が避けられるため、ガス化炉10内を負圧に保持することができる。したがって、ガス化炉10からのガスの漏洩を防ぎ、廃棄物処理設備1を安全に運転することが可能になる。
一方、差圧ΔPが下限値ΔPに達した時に、循環機構60が循環運転状態から停止状態に切り替わる。これにより、差圧ΔPを所定の範囲内に管理する上で濾過媒体102及び流動媒体101が必要量以上に循環するのを防止し、第1搬送経路50及び第2搬送経路51を構成する配管が濾過媒体102及び流動媒体101の流動に起因して摩耗するのを防ぐことができる。また廃棄物処理設備1からの放熱量の増大を抑制し、熱損失を抑えることもできる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る廃棄物処理設備及びその運転方法について、図3を参照して説明する。実施形態2に係る廃棄物処理設備及びその運転方法は、基本的に実施形態1と同様であるが、濾過媒体102及び流動媒体101を濾過塔20とガス化炉10との間で常時循環させている点で異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図3に示すように、実施形態2では、差圧ΔPが下限値ΔPから上限値ΔPに到達するまでの間(時点t0〜t1)は、循環機構60が、ガス化炉10と濾過塔20との間で濾過媒体102及び流動媒体101が第1循環量C1で循環する第1循環運転状態に切り替わる。この状態では、第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62の回転数が小さく、循環量がそれ程多くないため、濾過塔20内における副生成物の堆積量が増加し、差圧ΔPが上限値ΔPに向かって増加する。
そして、差圧ΔPが上限値ΔPに到達した時に(時点t1)、制御部70が循環機構60を第1循環運転状態から第2循環運転状態に切り替える。第2循環運転状態では、第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62の回転数が、第1循環運転状態での当該回転数よりも大きいため、ガス化炉10と濾過塔20との間で濾過媒体102及び流動媒体101が第1循環量C1よりも多い第2循環量C2で循環する。これにより、濾過塔20内における副生成物の堆積量が減少し、差圧ΔPが下限値ΔPに向かって減少する。
そして、差圧ΔPが下限値ΔPに到達した時に(時点t2)、循環機構60が再び第1循環運転状態に切り替わる。これにより、ガス化炉10と濾過塔20との間における濾過媒体102及び流動媒体101の循環量が第2循環量C2から第1循環量C1に減少し、差圧ΔPが再び上限値ΔPに向かって上昇する。
以上の通り、実施形態2においては、濾過媒体102及び流動媒体101をガス化炉10と濾過塔20との間で常時循環させると共にその循環量を変動させることにより、差圧ΔPを所定の範囲に収めることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る廃棄物処理設備及びその運転方法について、図4を参照して説明する。実施形態3に係る廃棄物処理設備及びその運転方法は、基本的に実施形態1と同様であるが、上限側切替基準値及び下限側切替基準値が実施形態1と異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、実施形態3では、循環機構60が停止状態から循環運転状態に切り替わる「上限側切替基準値」が、上限値ΔPではなく、当該上限値ΔPよりも小さい値ΔP1となっている。また循環機構60が循環運転状態から停止状態に切り替わる「下限側切替基準値」が、下限値ΔPではなく、当該下限値ΔPよりも大きい値ΔP2となっている。このように、差圧ΔPが上限値ΔP及び下限値ΔPに到達する前に循環機構60を切り替えることで、差圧ΔPがオーバーシュート又はアンダーシュートするのを防ぎ、差圧ΔPを所定の範囲内において確実に管理することが可能になる。なお、この実施形態3の制御は、実施形態2において適用することも可能である。
(その他実施形態)
ここで、本発明のその他実施形態について説明する。
実施形態1では、図2に示した通り、循環運転状態において媒体の循環量が一定に維持される場合について説明したが、これに限定されない。循環運転状態の間に第1搬送スクリュ61及び第2搬送スクリュ62の回転数を変更し、循環量を変動させてもよい。
一次側圧力検知部41は、濾過塔20内の一次側ガス空間20Aの圧力を検知可能な位置に配置されていてもよい。また二次側圧力検知部42は、濾過塔20内の二次側ガス空間20Bの圧力を検知可能な位置に配置されていてもよい。
実施形態1では、制御部70が循環機構60を制御することにより媒体の循環量を自動で変動させる場合について説明したが、これに限定されない。濾過媒体102及び流動媒体101の循環量を手動で変動させてもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 ガス化炉
20 濾過塔
30 ガス導入経路
40 差圧検知部
50 第1搬送経路
51 第2搬送経路
60 循環機構
70 制御部
80 第1分岐経路
81 ガス抜き機構
90 第2分岐経路
91 濾過媒体抜き機構
100 流動層
101 流動媒体
102 濾過媒体
G1 可燃性ガス
ΔP 差圧

Claims (12)

  1. 流動媒体により形成される流動層を有し、廃棄物を可燃性ガスに熱分解する流動床式のガス化炉と、
    前記ガス化炉で発生した前記可燃性ガスが流入し、前記可燃性ガスに含まれる副生成物を付着させるための濾過媒体が充填された濾過塔と、
    前記副生成物が付着した前記濾過媒体を、前記濾過塔から前記ガス化炉に前記流動媒体として送るための第1搬送経路と、
    前記ガス化炉において少なくとも一部の前記副生成物が除去された前記流動媒体を、前記ガス化炉から前記濾過塔に前記濾過媒体として送るための第2搬送経路と、
    前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路を通じて、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体を循環させる循環機構と、
    前記濾過塔の前後における差圧を検知する差圧検知部と、
    前記差圧検知部により検知される差圧が予め定められた所定の範囲内に収まるように、前記循環機構を制御して前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環量を変動させる制御部と、を備えた、廃棄物処理設備。
  2. 前記制御部は、前記差圧検知部により検知される差圧が前記所定の範囲内に収まるように、前記循環機構を、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環する循環運転状態と、前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環が停止する停止状態と、に切り替える、請求項1に記載の廃棄物処理設備。
  3. 前記制御部は、
    前記差圧検知部により検知される差圧が上限側切替基準値に到達するまでの間は前記循環機構を前記停止状態に維持すると共に、前記差圧が前記上限側切替基準値に到達した時に前記循環機構を前記停止状態から前記循環運転状態に切り替え、
    前記差圧検知部により検知される差圧が下限側切替基準値に到達するまでの間は前記循環機構を前記循環運転状態に維持すると共に、前記差圧が前記下限側切替基準値に到達した時に前記循環機構を前記循環運転状態から前記停止状態に切り替える、請求項2に記載の廃棄物処理設備。
  4. 前記ガス化炉から流出した前記可燃性ガスを前記濾過塔に導くためのガス導入経路と、
    前記ガス導入経路から分岐する第1分岐経路と、
    前記可燃性ガスの一部を前記副生成物と共に前記ガス導入経路から前記第1分岐経路に抜くガス抜き機構と、をさらに備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃棄物処理設備。
  5. 前記第1搬送経路から分岐する第2分岐経路と、
    前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環している状態において、前記副生成物が付着した前記濾過媒体を前記第1搬送経路から前記第2分岐経路に抜く濾過媒体抜き機構と、をさらに備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の廃棄物処理設備。
  6. 前記濾過媒体及び前記流動媒体は、珪砂、オリビン砂、酸化カルシウム、ドロマイト及びスラグからなる群より選択される少なくともいずれか一つを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃棄物処理設備。
  7. 流動媒体により形成される流動層を有し、廃棄物を可燃性ガスに熱分解する流動床式のガス化炉と、前記ガス化炉で発生した前記可燃性ガスが流入し、前記可燃性ガスに含まれる副生成物を付着させるための濾過媒体が充填された濾過塔と、前記副生成物が付着した前記濾過媒体を、前記濾過塔から前記ガス化炉に前記流動媒体として送るための第1搬送経路と、前記ガス化炉において少なくとも一部の前記副生成物が除去された前記流動媒体を、前記ガス化炉から前記濾過塔に前記濾過媒体として送るための第2搬送経路と、を備えた廃棄物処理設備を運転する方法であって、
    前記濾過塔の前後における差圧が予め定められた所定の範囲内に収まるように、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路を通じた前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環量を変動させることを含む、廃棄物処理設備の運転方法。
  8. 前記濾過塔の前後における差圧が前記所定の範囲内に収まるように、前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環する循環運転状態と、前記ガス化炉と前記濾過塔との間における前記濾過媒体及び前記流動媒体の循環が停止する停止状態と、の間で切り替えることを含む、請求項7に記載の廃棄物処理設備の運転方法。
  9. 前記濾過塔の前後における差圧が上限側切替基準値に到達するまでの間は前記停止状態を維持すると共に、前記差圧が前記上限側切替基準値に到達した時に前記停止状態から前記循環運転状態に切り替え、
    前記濾過塔の前後における差圧が下限側切替基準値に到達するまでの間は前記循環運転状態を維持すると共に、前記差圧が前記下限側切替基準値に到達した時に前記循環運転状態から前記停止状態に切り替える、請求項8に記載の廃棄物処理設備の運転方法。
  10. 前記廃棄物処理設備は、前記ガス化炉から流出した前記可燃性ガスを前記濾過塔に導くためのガス導入経路をさらに備え、
    前記ガス導入経路を流通する前記可燃性ガスの一部を、前記副生成物と共に前記ガス導入経路から抜くことを含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の廃棄物処理設備の運転方法。
  11. 前記ガス化炉と前記濾過塔との間で前記濾過媒体及び前記流動媒体が循環している状態において、前記濾過塔から前記ガス化炉に向かって前記第1搬送経路内を流動する前記副生成物が付着した前記濾過媒体を前記第1搬送経路から抜くことを含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の廃棄物処理設備の運転方法。
  12. 前記濾過媒体及び前記流動媒体として、珪砂、オリビン砂、酸化カルシウム、ドロマイト及びスラグからなる群より選択される少なくともいずれか一つを用いる、請求項7〜11のいずれか1項に記載の廃棄物処理設備の運転方法。
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