JP6499888B2 - トコフェリルリン酸及び/又はその塩を含有する化粧料 - Google Patents

トコフェリルリン酸及び/又はその塩を含有する化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP6499888B2
JP6499888B2 JP2015053079A JP2015053079A JP6499888B2 JP 6499888 B2 JP6499888 B2 JP 6499888B2 JP 2015053079 A JP2015053079 A JP 2015053079A JP 2015053079 A JP2015053079 A JP 2015053079A JP 6499888 B2 JP6499888 B2 JP 6499888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tocopheryl phosphate
cosmetic
phosphate
tocopheryl
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015053079A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016172698A (ja
Inventor
亜希子 庄司
亜希子 庄司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fancl Corp
Original Assignee
Fancl Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fancl Corp filed Critical Fancl Corp
Priority to JP2015053079A priority Critical patent/JP6499888B2/ja
Publication of JP2016172698A publication Critical patent/JP2016172698A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6499888B2 publication Critical patent/JP6499888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、トコフェリルリン酸塩を含む化粧料に関する。
トコフェリルリン酸塩は、近年皮膚外用剤に広く使用されている。トコフェリルリン酸塩を含有する肌荒れを防ぐ効果に優れる皮膚外用剤(特許文献1)、美白用皮膚外用剤(特許文献2)、皮膚外用シワ防止剤(特許文献3)が知られている。またトコフェリルリン酸塩を乳化補助剤、乳化剤とする皮膚外用組成物(特許文献4、特許文献5)が知られている。特許文献6には、トコフェリルリン酸塩とアスコルビルグルコシドを含有するべたつきの少ない水中油型乳化組成物の発明が開示されている。特許文献7には、トコフェリルリン酸エステルやその塩を含む化粧水などの水溶液の白濁や沈殿を防止するために、ポリオキシプロピレン基を有する水溶性物質と2−アミノ−2−メチル−1,3プロパンジオール又は水酸化カリウムを含有し、pHを8.2以上にする技術が開示されている。
特開2003−128531号公報 特開2004−26817号公報 特開2008−7428号公報 特開2004−149445号公報 特開2005−68026号公報 特許5525264号公報 特許5528875号公報
トコフェリルリン酸又はその塩は、上記のとおり皮膚外用剤として様々な薬効が期待されている。しかしながら、トコフェリルリン酸又はその塩を化粧水などの水溶液中に溶解させて配合した場合、安定性に欠けることが指摘されている。特に経時変化や温度によって変色や結晶化が起こりやすいという問題がある。
本発明は、トコフェリルリン酸又はその塩を含む化粧料の安定性を高める技術を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は次の通りである。
(1)トコフェリルリン酸換算で1〜3質量%のトコフェリルリン酸ナトリウムと、アルギニン0.2〜2質量%と、水を含む化粧料であって、さらにクエン酸、リン酸二水素カリウム、乳酸、リン酸から選択される1以上の物質を含み、pHが7〜8である化粧料
(2)エン酸、リン酸二水素カリウム、乳酸、リン酸から選択される1以上の物質を0.1〜2質量%含む(1)に記載の化粧料。
本発明により、トコフェリルリン酸又はその塩を含有する化粧料において、トコフェリルリン酸又はその塩に由来する変色や沈殿の生じない透明な製品を得ることができる。また本発明により、変色や沈殿の生じない、トコフェリルリン酸又はその塩を溶解させた化粧料を得ることができる。さらにまた、特許文献7に開示された化粧液のpH8.2以上という、アルカリ側ではなく、中性領域で安定化させることができるため、皮膚外用剤として用いるのにより適したものとなる。
本発明によって、化粧水や乳液、クリーム、ジェル等の化粧料において、経時的に黄色く着色していくために配合しにくかったトコフェリルリン酸及び/又はその塩を配合する技術が提供される。
以下に本発明の実施形態を更に詳細に説明する。
本発明に用いるトコフェリルリン酸又はその塩は、次の化学式(I)で表されるトコフェリルリン酸又はその塩である。
Figure 0006499888
〔式中のR、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基を表す。〕
化学式(I)について、R、Rともにメチル基の場合はα−トコフェロール、Rが水素原子、Rがメチル基の場合はβ−トコフェロール、Rがメチル基、Rが水素原子の場合は、γ−トコフェロール、R、Rともに水素原子の場合はδ−トコフェロールのリン酸エステル化合物を表す。 化学式(I)のトコフェリルリン酸はオキシ三塩化リンとトコフェロールをピリジン触媒で反応させて得ることができる。
トコフェリルリン酸は二価の酸なので、アルカリ金属塩としては、一アルカリ金属塩、二アルカリ金属塩が存在するが、いずれの塩を用いても良く、それらの混合物を用いても良い。また、アルカリ土類金属塩やその他の塩基との塩を用いても良い。市販品としては、昭和電工製のDL−α−トコフェリルリン酸ナトリウム(製品名:ビタミンEリン酸ナトリウム(TPNa))を用いることができる。TPNaはDL−α−トコフェリルリン酸のモノナトリウム塩とジナトリウム塩の混合物である。
本発明に用いるトコフェリルリン酸又はその塩の配合量は、トコフェリルリン酸換算で1〜3質量%である。ここでトコフェリルリン酸換算とは、トコフェリルリン酸塩の配合量についてはトコフェリルリン酸の配合量として換算することを意味する。具体的には、トコフェリルリン酸塩溶液を液体クロマトグラフィー法で分析し、検出されるトコフェリルリン酸量に基づいてトコフェリルリン酸換算量を求めた。例えば、2質量%トコフェリルリン酸ナトリウム溶液から、液体クロマトグラフィー分析により1.92質量%のトコフェリルリン酸が検出されれば、溶液中のトコフェリルリン酸換算のトコフェリルリン酸ナトリウムの濃度は1.92質量%である。
本発明には、アミノ酸の一種であるアルギニンを0.2〜2質量%配合する。本発明に用いるアルギニンは、合成品であっても良いし、アミノ酸醗酵によって得られたものであってもかまわない。L−アルギニンが好ましい。アルギニンは、塩基性のアミノ酸であって、トコフェリルリン酸又はその塩を溶解している水溶液を安定に保つとともに、下記に記載するクエン酸、リン酸カリウム、乳酸、リン酸との組み合わせで、水溶性化粧料のpHを一定にする緩衝作用を果たしている。
また、トコフェリルリン酸又はその塩を溶解している化粧料溶液中で安定に保つためには、さらに化粧料溶液のpHに注意する必要がある。本発明の化粧料を皮膚に使用することを考慮し、pHを弱酸性から弱アルカリ性の範囲になるように配合する。トコフェリルリン酸の沈殿・結晶析出・着色を防ぎ、皮膚外用剤として使用するために、pHは、好ましくは7〜8、特に好ましくは7〜7.6になるように配合する。
本発明には、さらにクエン酸、リン酸二水素カリウム、乳酸、リン酸から選択される1以上の物質を0.1〜2質量%配合することが好ましい。これらの物質は、それぞれを単独で配合しても複数種を混合してもよいが、この場合も配合する量が0.1〜2質量%の範囲を超えないように配合しなければならない。また、これらの物質を配合するに当たっては、上記のように化粧料のpHに注意する必要がある。本発明の化粧料を皮膚に使用することを考慮し、これらの物質を配合する場合のpHを弱酸性から弱アルカリ性の範囲になるように配合する。トコフェリルリン酸の沈殿・結晶析出・着色を防ぎ、皮膚外用剤として使用するために、該化粧料のpHは、好ましくは7〜8、特に好ましくは7〜7.6になるように配合する。
本発明の化粧料は、医薬部外品や医薬品として使用することができる。特に、トコフェリルリン酸の主作用である美白、又は肌荒れ防止用化粧料あるいは医薬部外品として有用である。化粧料としては化粧水、乳液、クリーム、ジェル等の形態をとることができる。
本発明の化粧料は、通常の化粧料を調製する方法で調製することができる。
また、本発明の化粧料は、上述した成分を必須の構成成分とするが、本発明の目的を損なわない範囲で、化粧料や外用剤に配合する他の成分、例えば、エタノール、多価アルコールなどのアルコール類、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸などの高分子類、塩類、色素、ビタミン類、ホルモン剤、香料、抗酸化剤、中和剤、pH調整剤、防腐剤、キレート剤等の成分を適宜配合することができる。
以下に、実施例、比較例、試験例を示し、本発明を詳細に説明する。
表1に示す組成の化粧料溶液を調製し、50℃で2週間保存し、配合したトコフェリルリン酸ナトリウムを含む水溶液の着色、透明性の変化を観察した。
比較例には塩基性アミノ酸であるL−アルギニンに代えて、L−アルギニンと同等のアルカリ度を示すように水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを添加し、さらにpHをクエン酸、リン酸二水素カリウム、乳酸、リン酸を用いて実施例と同じになるように調整した。
各化粧料溶液の着色度(色味)、透明性については専門の官能評価員によって、次の基準に基づいて4段階評価した。なお、実施例、比較例とも公知の情報に基づいてトコフェリルリン酸ナトリウムの化粧水溶液中の沈殿や着色発生が抑制されるpHである7.3〜8.8になるように調整している。
着色(色味)
◎ 色調の変化が無い
〇 わずかに黄変が観察される
△ 黄変が観察される
× 強い黄変が観察される
透明性(濁り)
◎ 透明で濁りが観察されない
〇 透明であるが、わずかに濁りがある
△ 明らかな濁りがある
× 不透明な沈殿が発生
Figure 0006499888
実施例1の化粧料溶液は、50℃2週間の保存試験において、トコフェリルリン酸ナトリウムに由来する色調の変化は、ほとんど観察されなかった。また沈殿もほとんど発生しなかった。一方、比較例においては、すべてに顕著な変色が観察された。実施例、比較例の化粧料溶液の保存試験の結果から、pHの調整のみでは、トコフェリルリン酸ナトリウムを含む化粧料溶液の変色を抑制できないこと、そしてL−アルギニンの配合によって変色が抑制できることが明らかとなった。なお、pH8.8に調整し、L−アルギニンを含まない比較例1の化粧料溶液は、顕著な沈殿が発生した。
試験例1
L−アルギニンによる着色、沈殿の抑制効果を確認するため、L−アルギニンを0.2〜2質量%の濃度で添加して、その効果を試験した。
試験組成を下記の表2に示す。
Figure 0006499888
実施例、比較例と同様に50℃で2週間保存して、化粧料溶液の着色度(色味)、透明性を専門の官能評価員によって判定した。
表2に示すとおり、L−アルギニン0.2〜2.0質量%の濃度範囲で変色を抑制した。
試験例2
L−アルギニンによる着色、沈殿の抑制効果とpHによる影響を確認するため、pH7〜8.6の範囲で試験試料を調整し、影響を試験例1と同様に評価した。
試験組成を及び評価結果を下記の表3に示す。
Figure 0006499888
L−アルギニンを配合した試験例2の2〜6の化粧料溶液は、いずれも40℃1ヶ月の保存試験で着色がまったく認められなかった。一方試験例2の1の化粧料溶液は、黄色に変色していた。
また、透明性はほぼ維持していたが、4の組成が着色度、透明性とも優れていた。
この試験から、L−アルギニンのトコフェリルリン酸ナトリウム化粧料溶液の安定化作用はpH7〜8で発揮されるものと考えられた。
実施例1〜4、試験例1の1〜9、試験例2の2〜6の化粧料溶液は、皮膚刺激がなく、着色や沈殿もなく、使用感の良好な化粧水として提供できた。

Claims (2)

  1. トコフェリルリン酸換算で1〜3質量%のトコフェリルリン酸ナトリウムと、アルギニン0.2〜2質量%と、水を含む化粧料であって、さらにクエン酸、リン酸二水素カリウム、乳酸、リン酸から選択される1以上の物質を含み、pHが7〜8である化粧料
  2. エン酸、リン酸二水素カリウム、乳酸、リン酸から選択される1以上の物質を0.1〜2質量%含む請求項1に記載の化粧料。
JP2015053079A 2015-03-17 2015-03-17 トコフェリルリン酸及び/又はその塩を含有する化粧料 Active JP6499888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015053079A JP6499888B2 (ja) 2015-03-17 2015-03-17 トコフェリルリン酸及び/又はその塩を含有する化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015053079A JP6499888B2 (ja) 2015-03-17 2015-03-17 トコフェリルリン酸及び/又はその塩を含有する化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016172698A JP2016172698A (ja) 2016-09-29
JP6499888B2 true JP6499888B2 (ja) 2019-04-10

Family

ID=57007963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015053079A Active JP6499888B2 (ja) 2015-03-17 2015-03-17 トコフェリルリン酸及び/又はその塩を含有する化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6499888B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5046756B2 (ja) * 2007-06-27 2012-10-10 富士フイルム株式会社 分散組成物及びスキンケア用化粧料並びに分散組成物の製造方法
JP5508079B2 (ja) * 2010-03-24 2014-05-28 日本メナード化粧品株式会社 皮膚外用剤
JP5528875B2 (ja) * 2010-03-26 2014-06-25 日本メナード化粧品株式会社 透明液状皮膚外用剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016172698A (ja) 2016-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10925821B2 (en) Method for producing liquid composition for oral cavity and liquid composition for oral cavity
US20140155633A1 (en) Composition for Stabilizing Ascorbic Acid Derivatives and the Application Thereof
KR102309729B1 (ko) 비타민 c 유도체를 안정적으로 함유하는 수중유형 미백용 화장료 조성물
JP2013095691A (ja) 皮膚外用剤
JP6266426B2 (ja) 皮膚外用剤
JP6499888B2 (ja) トコフェリルリン酸及び/又はその塩を含有する化粧料
JP2012246248A (ja) 化粧料
CN1909879B (zh) 化妆品
JP5138880B2 (ja) 美白用組成物
CA2662469A1 (en) Aqueous compositions containing monoester salts
JP5865623B2 (ja) 皮膚外用剤およびその製造方法
JPH0616532A (ja) 美白剤
JP5856761B2 (ja) 皮膚外用剤およびその製造方法
JP2019014672A (ja) 美白用水性ゲル状組成物
JP2003012439A (ja) L−アスコルビン酸−2−リン酸塩の着色及び臭い発生の防止方法、及び該方法を用いた皮膚外用剤
JP5525264B2 (ja) 水中油型乳化組成物
JP2006298788A (ja) 半透明化粧料の製造方法
JP6177638B2 (ja) 美白用皮膚外用剤
US9351915B2 (en) Ascorbic acid derivative composition and production method of the same, ascorbic acid derivative solution, and skin external preparation
JP2018058816A (ja) 育毛剤組成物
JP6122646B2 (ja) 皮膚外用剤
JP5650882B2 (ja) ラジカル生成抑制剤
JPH05345716A (ja) 皮膚化粧料
CN107531733B (zh) 生育酚磷酸酯盐及其制造方法、皮肤外用剂
JP5937384B2 (ja) 半透明化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6499888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250