詳細説明
本書で説明した実施形態は、静脈系への選択的な自動逆行性灌流を実現するために有用な装置、システム、および方法が示されている。 更に、本開示でいう装置およびシステムの種々の実施形態においては、当該の装置および/またはシステムを利用して静脈系の血管新生制御を達成することができる。本開示の原理の理解を促進するため、図面に示された実施形態について説明するために援用がなされているほか、同じものを説明するために特定の用語が使用される。ただし、これらは本開示の範囲の限定を意図するものでは決してない。
本書に開示される装置、システムおよび方法は、静脈血管にかかる負担を軽減して破裂を防ぐことで、静脈血管の新生を安全かつ選択的に実現するために使用することができる。従って、装置、システムおよび方法を使用して、本明細書に開示された冠状静脈系を経由する酸素化血液の長期自動逆行性灌流を実現し、酸素を豊富に含んだ血液を組織または器官の虚血領域に連続的に供給することが可能となる。本明細書に開示される装置、システムおよび方法はすべて心臓系に関連するものであるが、これらの装置、システムおよび方法は単独で心臓への適用に限定されるものではなく、同様に酸素を豊富に含んだ血液の供給を必要とする任意の虚血組織に関連して使用してもよい。
選択的自動逆行性灌流(SARP)は、慢性および急性の適用の双方に有効(本明細書で更なる詳細を援用)で、それに関連して例示的なカテーテル10および/またはシステム100を使用することができる。SARP適用における「急性」とは、本開示でいう例示的なカテーテル10および/または本開示のシステム100を任意の患者に使用してもよい時間量を示すために一般的に用いられてる。少なくとも1つの実施形態では、カテーテル10および/またはシステム100、またはその一部は滅菌かつ一回使い捨てとされる。 急性の適応に関連して有用なシステム100の少なくとも1つの実施形態では、システム100の使用は24時間を超えないよう限定される。
図1を参照して、カテーテル10の側面図が示される。カテーテル10は、動脈血管内配置用に構成され、近位端12、遠位端14、および近位端12と遠位端14の間に延伸する少なくとも1つの内腔15を有する柔軟な、細長いチューブを含む。カテーテル10の寸法は、特定の患者のまたはカニューレを挿入された動脈に関する詳細に依存してもよい。例えば、これには限られないが、カテーテル10が冠状静脈洞の自動逆行性灌流のシステムで使用される場所でカテーテル10は約2.7ミリメートルから約4ミリメートルの直径を含んでもよい(約8Frから約12Fr)。その上、カテーテル10の少なくとも1つの内腔15は血液がそこを通って流れることができるように、十分な直径を含む。更に、カテーテル10は、これには限られないがポリウレタンまたはシリコンゴムを含む任意の適切な材料から構成されてもよい。その上、カテーテル10は、凝固による血流の抑制なしに長期間血管にカテーテル10を留置できるように、へパリンまたはその他の適切な抗凝血剤でコーティングされてもよい。カテーテル10の遠位端14は、動脈血がそこを通ってカテーテル10の少なくとも1つの内腔15に流れることが出来るように構成される。同様に、カテーテル10の近位端12は、少なくとも1つの内腔15内の血液がカテーテル10から流れることが出来るように構成される。同様に、カテーテル10の近位端12は少なくとも1つの内腔15の動脈血がカテーテル10から流れ出るように構成される。従って、カテーテル10が動脈血管に配置されたとき、酸素を豊富に含んだ血液は、カテーテル10の遠位端14を通りカテーテル10に流れ入り、少なくとも1つの内腔15を通り、カテーテル10の近位端12を通りカテーテル10から流れ出ることができる。この様に、血管内のカテーテル10の配置は、血管を通る血流を抑制しないし、血管内の血流の圧力に実質的に影響もしない。
図1に示されるように、カテーテル10の近位端12から延伸しカテーテル10とともにY形構成を形成する突出カニューレ16を更に含む。突出カニューレ16は血管内挿入に適切で、血管壁の穴内の配置に適した材料の可撓管を含む。その上、突出カニューレ16は少なくとも1つの内腔18、近位端20、および遠位端22を含む。突出カニューレ16の遠位端22は、カテーテル10の本体と結合され、突出カニューレ16の内腔18がカテーテル10の少なくとも1つの内腔15の少なくとも1つと連通するのを許容するように構成される。従って、血液がカテーテル10の少なくとも1つの内腔を通って流れると、血流の1部分は、突出カニューレ16の遠位端22を通り突出カニューレ16の内腔18に入って、突出カニューレ16の近位端20から流れ出る。この様に、カテーテル10はそれが挿入された血管を通じ、血流を分岐でき且つ1部の血流を血管外の他の場所に送れる。突出カニューレ16とカテーテル10の本体の寸法を操作することによって突出カニューレ16および/またはカテーテル10の近位端12を通る血流圧を変更するためにこの分岐を利用できる。例えば、これには限られないが、突出カニューレ16の直径がカテーテル10の少なくとも1つの内腔15の直径未満であれば、血液の大部分がカテーテル10の近位端12を通り流れ、より小さい突出カニューレ16を通って流れる残りの血液の圧力は必ず減少する。予想すると、突出カニューレ16の内腔18の直径が小さければ小さいほど、突出カニューレ16の内腔18を通って流れる血液の達成できる圧力降下はより大きくなる。従って、自動逆行性灌流療法へのカテーテル10の適用に関して、同時に動脈系と非動脈血化静脈系の間の別ルートで送られた血液の必要な圧力降下を達成する一方、動脈から静脈へ血流を別ルートで送達するのに突出カニューレ16を使用できる。そのうえ、カテーテル10は突出カニューレ16を通って別ルートで送られなかった動脈血が、カテーテル10の近位開口端12を通り流れて、正常な順行性で動脈に戻ることができるとき、それが収容される動脈を通り実質的に正常な血流を維持できる。
突出カニューレ16の構成とそれ構成する材料のため、突出カニューレ16は折りたたまれた位置と延伸位の間を蝶番に接続されてカテーテル10の本体に対して動くことができる。図の2Aと2Bを参照して、突出カニューレ16が折りたたまれた位置(図の2A)および延伸位(図の2B)に示される。突出カニューレ16が折りたたまれた位置にあるとき、突出カニューレ16は実質的にカテーテル10の本体に平行に配置される。代替的に突出カニューレ16が延伸位にあるとき、突出カニューレ16がカテーテル10の近位端12で角度θを形成するように突出カニューレ16は配置される。カテーテル10の所望の適用によって、角度θの値は選択されてもよい。例えば、少なくとも1つの実施態様では、角度θは約15度と約90の間に及ぶ任意の値を含んでもよい。突出カニューレ16が延伸位にあるとき、別の例では、角度θは約45度を含んでもよい。突出カニューレ16は偏向されているので、それが下向きの力を被りやすくないときに、突出カニューレ16は延伸位置に静止している。逆に、下向きの力が導入器その他を通って突出カニューレ16に適用されるときに、突出カニューレ16は、移動し、下向きの力が取り除かれるまで折りたたまれた位置に残る。この様に、突出カニューレ16は、導入器またはシャフトの使用で折りたたまれた位置の血管に導入可能で、カテーテル10が血管内に適切に配置され導入器またはシャフトが取り除かれた時、延伸位置に移動する。
オプションで、図1に示される通り、 カテーテル10は、拡張可能なバルーン58がカテーテル10と突出カニューレ18の遠位端22を包むようにカテーテル10の外部の表面中間部分に結合された拡張可能なバルーン58を更に含んでもよい。拡張可能なバルーン58は、血管内挿入に適切な任意の拡張可能なバルーン58であってもよく、ポリエチレン、ラテックス、ポリエステルウレタン、ポリウレタン、シラスティック、シリコンゴム、またはそれらの組み合わせを含むこの機能に適した任意の材料もこれには限られないが含んでもよい。操作において、拡張可能なバルーン58を血管壁の所望の位置にカテーテル10を据えつけるのに使用でき、拡張可能なバルーンは突出カニューレ16が横断する血管壁の穴からの漏出を防ぐ。臨床医は、拡張可能なバルーン58を適切なサイズに拡張し、および/または、空気を抜くことができるように制御できる。拡張可能なバルーン58のサイズ処理は患者と適用の間で異なる。拡張可能なバルーン58は、突出カニューレ16の内腔18内で二次内腔60を通じバルーン膨張ポート62と流体連通であってもよい。あるいはまた、図1に示されるように、拡張可能なバルーン58は、突出カニューレ16の内腔18に配置されたチューブまたは手段を通じてバルーン膨張ポート62と流体連通であってもよい。カテーテル10が血管内に配置されるとき臨床医が容易にバルーンポート62にアクセスできるようにバルーンポート62は皮下またはその他の場所に置かれてもよい。この様に、臨床医は皮下的、経皮的、またはその他の方法でバルーンポート62にアクセスでき、患者への侵襲なしにまたは最小の侵入で拡張可能なバルーン58を膨らませるか、または萎ませるのにバルーンポート62を使用できる。
図3を参照して、自動逆行性灌流システム100は、動脈血が心臓101の冠状静脈洞を潅注するのを許容するために配置された状態で示される。心臓101に関して、自動逆行性灌流システム100は、心筋梗塞の治療に患者の心拍に同期させて冠状静脈洞に動脈血を注ぐことによって、使用されてもよい。その上、動脈血流が最初に静脈系に取り入れられるとき、別ルートで送られた動脈血流の圧力は、より薄い静脈血管を保護するために、減少するように自動逆行性灌流システム100はそれが静脈血管に入る時、動脈血流の圧力を制御できる。この様に、静脈系は徐々に動脈血化できる。更に、選択された静脈血管が十分動脈血化した後に、自動逆行性灌流システム100は別ルートで送られた動脈血流の圧力への影響を抑制または中止することができるので、標準動脈血流圧力は、その後、動脈血化している静脈血管に流れることができる。
自動逆行性灌流システム100はカテーテル10、第2カテーテル150およびコネクタ170を含む。カテーテル10は、動脈血管に配置のためにあって、上に図1-2Bで説明されるように構成される。第2カテーテル150は静脈系への配置のために構成される。コネクタ170は、カテーテル10とカテーテル150の間に吻合を形成するために構成され、更にそこを通って流れる様々なデータポイントを監視する更なる機能を形成する。更に、少なくとも1つの実施態様では、コネクタ170は動脈血がそこを通って流れる圧力を制御できる。第2カテーテル150は静脈血管壁114への配置のために構成され、近位端152、遠位端154と近位端152と遠位端154の間を延伸する少なくとも1つの内腔156を有する可撓管を含む。第2カテーテル150の近位端152と遠位端154は開いていて、少なくとも第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156と連通し、それにより血液は近位端152を通り少なくとも1つの内腔156へと流れおよび遠位端154から出て静脈血管114に戻れる。第2カテーテル150は、静脈系を通り脈管内挿入と前進ができる業界で知られた任意のカテーテルであってもよく、これには限られないが、ポリウレタンまたはシリコンゴムを含む任意の適切な材料も含んでもよい。少なくとも1つの実施態様では、静脈血管114の所望の位置への第2カテーテル150の遠位端154の脈管内配送を容易にするために、第2カテーテル150は少なくとも1つの内腔156を通って、ガイドワイヤー510を受け取るように構成される(図4Aと4Bを参照)。その上、カテーテル10と同様に、第2カテーテル150は、静脈血管114内への第2カテーテル150の延伸配置を容易にするために挿入の前に、へパリンか任意の他の適切な抗凝血剤でコーティングされてもよい。従って、自動逆行性灌流システム100は、長期の逆行性灌流処置を体の虚血領域に送達するのに使用されてもよい。
図4Aと4Bは静脈血管壁114に配置された第2カテーテル150の遠位端154の側面図を示す。図4Aに示される通り、第2カテーテル150の遠位端154は、第2カテーテル150の外部の表面に結合された拡張可能なバルーン158を更に含んでもよい。操作において、静脈血管壁114内の所望の位置の第2カテーテル150の遠位端154を据えつけるのに拡張可能なバルーン158を使用できる。拡張可能なバルーン158は、血管内への挿入に適切な任意の拡張可能なバルーンであってもよく、これには限られないがポリエチレン、ラテックス、ポリエステルウレタン、ポリウレタン、シラスティック、シリコンゴム、またはそれらの組み合わせを含むこの機能に適した任意の材料で形成できる。
臨床医は拡張可能なバルーン158を適切なサイズに拡張および/または収縮できるように制御できる。拡張可能なバルーン158のサイズ処理は患者と適用の間で異なり、第2カテーテル150の遠位端154が血管壁114の所望の位置にしっかりと据えつけられることを確実にするために拡張可能なバルーン158の適切なサイズを決定することは、しばしば重要である。拡張可能なバルーン158の正確なサイズは、生体外でまたは生体内で拡張可能なバルーン158のコンプライアンスを測定することによってこれには限られないが業界で知られた任意の技術で決定できる。加えて、第2カテーテル150の遠位端154は業界で知られたように関心の血管の断面積を正確に測定できる複数の電極を更に含んでもよい。例えば、複数の電極は、参照で全体として本明細書に組み入れられる2007年8月14日出願の「System and Method for Measuring Cross-Sectional Areas and Pressure Gradients in Luminal Organs(内腔器官における断面積と圧力勾配を測定するためのシステムおよび方法)」と題する現在係属中の米国特許出願番号11/891,981に詳細に説明されているように、励磁電極と検出電極の組み合わせを含んでもよい。少なくとも1つの実施態様では、そのような電極は、インピーダンスとコンダクタンス電極を含み、血管からの流体の吸気、および/または、血管内流体注入用のポートに関して使用されてもよい。拡張可能なバルーン158は第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156に配置された二次内腔160と流体連通であってもよい。この例では、二次内腔160は、第2カテーテル150の近位端152から延伸するバルーンポート162に結合される(図3を参照)。従って、自動逆行性灌流システム100は患者に配置されるとき、臨床医は皮下的、経皮的、またはその他の方法でバルーンポート162にアクセスでき、患者への侵襲なしにまたは最小の侵襲で拡張可能なバルーン158を拡張または収縮させるのにバルーンポート162を使用できる。
図4Aと4Bに示される通り、第2カテーテル150の遠位端154はそこに結合された少なくとも1つのセンサ166を更に含んでもよい。少なくとも1つの実施態様では、少なくとも1つのセンサ166は拡張可能なバルーン158について遠位で第2カテーテル150の遠位端154に配置される。しかしながら、少なくとも1つのセンサ166が第2カテーテル150の遠位端154の任意の位置に配置されるかもしれない事が理解される。少なくとも1つのセンサ166は監視目的に使用され、例えば、第1カテーテル150の少なくとも1つの内腔156を通り、または第2カテーテル150が挿入される静脈血管14を通り流れる血流の圧力を定期的にまたは継続的に監視できる。更に、少なくとも1つのセンサ166の1つは、血液のpH、または二酸化炭素、乳酸、または心臓の酵素の濃度を監視するために使用されてもよい。その上、情報が臨床医によってリアルタイムベースその他で容易にアクセスできるように少なくとも1つのセンサ166は、遠隔測定法の技術の使用、インターネット、または他の無線手段で集めた情報を遠隔モジュールに無線通信できる。
図3を参照し、自動逆行性灌流システム100は更にコネクタ170を含む。コネクタ170は動脈系からの酸素を豊富に含んだ血液が静脈系に流れることができるように動脈と静脈の間で吻合を形成できる医療技術で知られた任意のコネクタまたはクイックコネクタを含む。例えば、コネクタ170はカテーテル10の突出カニューレ16の近位端20に結合でき、且つ第2カテーテル150の近位端152に結合できる輪状のコネクタを含んでもよいので、動脈血はカテーテル10の1つの内腔15から第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156へ継続的に流れることができる。コネクタ170はこれには限られないがシリコンゴム、ポリテトラフルオロエテンおよび/またはポリウレタンを含む業界で知られた任意の適切な材料で形成できる。自動逆行性灌流システム100のコネクタ170はそこを通って移動する血液の流速、そこを通って移動する血液の圧力、および/または吻合を通って流れる血液に関する他のデータを測定できる圧力/流量調整弁ユニットを含んでもよい。また、コネクタ170はそのように集められたデータを脈管内に配置されたリードを通り、または代替的に遠隔測定法または他の無線手段で遠隔モジュール180に送信できる。遠隔モジュール180はコネクタ170によって集められたデータを受信し、同様のものを表示できる任意の装置も含んでもよい。例えば、およびこれには限られないが、遠隔モジュール180は業界で知られた任意のディスプレイ装置またはコンピュータ、マイクロプロセッサ、携帯用のコンピュータ装置または他の処理手段を含んでもよい。
加えて、コネクタ170は更に吻合を通る血流を調節するための手段を含んでもよい。首尾よく逆行性灌流療法を配送する上での主な課題の1つは、静脈壁のより薄くて、よりもろい解剖学上の理由のため、静脈に導入される前に、動脈圧は減少しなければならないということである。実際に、非動脈血化した静脈血管を、動脈血流の高い圧力へ晒すと、通常静脈血管の破裂という結果となる。従って、逆行性灌流療法では、静脈血管が動脈血流の調節されない圧力にかけられる前に動脈血化させることができるように、動脈血流の圧力は少なくとも初めは制御されることを確認することは非常に重要である。少なくとも1つの実施態様では、コネクタ170は、吻合を通り移動する血液の流速の制御を容易にするために外部圧縮装置を含んでもよい。あるいはまた、業界で知られた他の手段は、コネクタ170によって形成された吻合を通り流れる血液の流れと圧力を調節するために使われてもよい。少なくとも1つの実施態様では、コネクタ170によって形成された吻合を通る血流を調節するための手段は吻合を通り流れる血液の圧力、および/または、流速を調節できる。例えば、約50mg Hgの圧力降下が動脈血管と静脈血管の間の血流で起きることを確認するように血流を調節するための手段を調整できる。
コネクタ170は、遠隔モジュール180にデータを送達するだけではなく、遠隔モジュール180からコマンドを受け取って、そのようなコマンドに従い血流を調節する手段を調整できる。従って、自動逆行性灌流システム100は逆行性灌流療法のために患者に配置されるとき、臨床医は、コネクタ170によって集められた血流データを見て、吻合を通り所望の圧力、および/または、流れを達成するように非侵襲的にコネクタ170を調節するため遠隔モジュール180を使用できる。臨床医が静脈の動脈血化プロセス中および/または静脈血管の動脈血化後外科的介入なしに血流のコネクタ170の調節をだんだん減少させるかもしれないので、コネクタ170のそのような遠隔操作は特に役に立つ。更に、遠隔モジュール180がコンピュータまたは他の処理手段を含む場合、遠隔モジュール180はまた、コネクタ170から受け取られたデータを自動的に分析するようにプログラムでき、その結果に基づいて、最適の結果を達成するためにコネクタ170の血流を調節する手段を調整する方法を示し、および/または、コネクタ170の血流を調節する手段を自動的に調整するようにプログラムできる。例えばこれには限られないが、自動逆行性灌流システム100が患者に据えつけられ吻合が先ず実施される時、遠隔モジュール180は、遠隔モジュール180により受け取られた最初の血流データに基づいてコネクタ170の血流を調節するための手段を自動的に調整できる。この様に、動脈系と静脈系の間の所望の圧力降下はすぐに達成され且つ静脈の破裂の危険はかなり減少する。
あるいはまた、自動逆行性灌流システム100のコネクタ170が血流を調節するための手段を含まない場合に、業界で知られた他の技術で静脈血管のゆるやかな動脈血化を達成できる。例えば、少なくとも1つの実施態様では、自動逆行性灌流システム100は関心の静脈を少なくとも部分的に塞ぐように設計されたコイルを更に含む。この様に、圧力はコイルによって少なくとも部分的に閉塞された静脈の一部の正面に設定することができて、静脈は徐々に動脈血化する。この少なくとも1つの実施態様では、コイルは、金属メモリコイル(ニチノール、ステンレスまたは放射線不透過である他の受容可能な材料で作られている)を含んでもよく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタンまたは医療技術で利用可能な任意の他の保護被覆で覆われている。更に、第2カテーテル150によりゆるやかな動脈血化を実施できる。自動逆行性灌流システム100のこの実施態様では、動脈血が狹窄部を通り、静脈系に流れるので、第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156は所望の圧力降下を容易にするために最適の狹窄部形状を提供するように設計される。例えばこれには限られないが、本明細書に参照で本明細書に組み入れられる2006年7月28日に出願の「Devices and Methods for Controlling Blood Perfusion Pressure Using a Retrograde Cannula(逆行カニューレを用いる血液潅流圧を制御するための装置と方法)」と題するPCT国際特許出願番号PCT/US2006/029223に開示されたように少なくとも1つの内腔156は内部バルーンまたは再吸収可能狹窄部を含む。
少なくとも1つの実施態様では、狹窄部は第2カテーテル150の内腔156に配置された内部拡張可能バルーン(図示せず)を含む。この少なくとも1つの実施態様では、目標静脈のゆるやかな動脈血化を達成するために必要である動脈系と静脈系の間の圧力降下を提供するために内部拡張可能バルーンを使用できる。第2カテーテル150の内部拡張可能バルーンと外部拡張可能バルーン158は同心に配置されるか、あるいはまた、内部拡張可能バルーンと拡張可能なバルーン158は第2カテーテル150の異なった部分に結合されてもよい。内部拡張可能バルーンは、ポリエチレン、ラテックス、ポリエステルウレタン、ポリウレタン、シラスティック、シリコンゴム、またはそれの組み合わせをこれに限られないが含む医療技術で適切な任意の材料も含んでもよい。更に、内部拡張可能バルーンは第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156に配置された三次内腔(図示せず)と流体連通してもよい。この実施態様において、三次内腔はまた、第2カテーテル150の近位端152から延伸する内部バルーンポートと流体連通する。従って、システム100が操作中であるとき、臨床医は皮下的、経皮的、またはその他の方法で内部バルーンポートにアクセスでき、患者への不快感なしにまたは最小の不快感で拡張可能なバルーン58を拡張または収縮させるのに内部バルーンポートを使用できる。あるいはまた、内部拡張可能バルーンは第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156と流体連通であってもよい。この例では、少なくとも1つの内腔156を通る動脈血流は、心拍の心臓収縮および心臓拡張成分に関連して内部拡張可能バルーンを膨らませ且つ萎ませるように機能する。
内部拡張可能バルーンは、所望の狹窄部を達成するために特定構成の大きさにされてもよい。1つの実施態様では、内部拡張可能バルーンが膨らんでいる間に少なくとも1つのセンサ166を持つ第2カテーテル150の遠位端156の先端における圧力を測定することによって、所望の狹窄部の大きさを得ることができる。いったん所望の中間圧力が得られると、次に、内部拡張可能バルーン容積が最終決定され、その後、定義された期間修正された圧力で静脈を動脈血化させることができる。規定された期間(通常約2-3週間)の終わりに、内部拡張可能バルーンは第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156から取り外されてもよい。システム100からの内部拡張可能バルーンの挿入、および/または、取り外しは第2カテーテル150の内部バルーンポートおよび関連する三次内腔を通り達成されてもよい。例えば、静脈の動脈血化が実質的に完全であるので、内部拡張可能バルーンが静脈系の圧力を制御するためにもう必要でないなら、内部拡張可能バルーンを内部バルーンポートの使用で収縮させることができ、三次内腔と内部バルーンポートを通じシステム100から抜去することができる。
圧力降下が狹窄部を通り流れる血液で達成されるようにシステム100の他の実施態様は第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156内に狹窄部を提供する他の適切な手段を含んでもよい。例えば、内部拡張可能バルーンの膨張で狹窄部を押しつけることができるが、狹窄部はまた第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156に再吸収可能材料を配置することで押しつけられてもよい。再吸収可能狹窄部はマグネシウム合金およびマンニトールや、ソルビットやマルチトールなどのポリオルを、例えば、これらには限られないがこれらを含むさまざまな材料から成ってもよい。結果として起こる再吸収可能狹窄部の劣化率は、再吸収可能狹窄部を作るためにどんな材料が選択されるかおよび所望の効果を達成するために何が操作されたかに少なくとも部分的に依存し、同様のものを所望の効果を達成するために操作できる。
自動逆行性灌流システム100の前述の部品に加え、自動逆行性灌流システム100は図3に示されるように、第1移植片185と第2第1移植片190を更に含んでもよい。この実施態様において、第1移植片185は突出カニューレ16 (外部動脈壁116を貫き延伸する) の近位端20とコネクタ170に結合される。更に、二次移植片190は、第2 カテーテル150 (静脈血管壁114に配置された) の近位端152とコネクタ170に結合される。従って、この少なくとも1つの実施態様では、吻合が密封されていて、血流は吻合化された静脈114から漏れることを許されない方法で二次移植片190は静脈血管壁114を横断できる。この様に、第1および第2第1移植片185、190は、静脈および動脈血管114、116の間で細長い吻合の構成を容易にして、その結果、その間に形成された吻合のため2つの血管114、116に加えられる任意の圧力を軽減する。例えばこれには限られないが、少なくとも1つの実施態様では、移植片185、190とコネクタ170の結合した長さは約6センチメートルである。しかしながら、吻合が適用可能な血管と完全に展開された血流の間に形成できる大きさが動脈から関心の静脈血管に達成される限り、移植片185、190は任意の長さも含んでもよいことが理解される。
あるいはまた、自動逆行性灌流システム100がカテーテル10、第2カテーテル150とコネクタ170に加えて第2移植片190を含むだけであってもよい。この実施態様では、コネクタ170は突出カニューレ16の近位端20と第2移植片190に結合される。その上、第2移植片190が静脈血管壁114の開口部を横断するように第2移植片190は、第2 カテーテル150の近位端152に結合される(図5を参照)。移植片185、190は、周囲の組織を支持するために必要な強さを有する任意の生体親和性の、非再吸収可能な材料も含んでもよく、それらの移植片を通る血流によってもたらされた圧力に耐える。その上、移植片185、190は、カテーテル10と第2カテーテル150がそれぞれ収容される静脈と動脈の間に吻合を形成するために必要な柔軟性を示さなければならない。例えばこれには限られないが、移植片185、190は合成および天然の補綴物、移植片等を含む任意の従来のインプラントも含んでもよい。また、移植片185、190は、異種性組織、相同の組織、高分子材料、ダクロン(Dacron)、フッ素重合体、ポリウレタンなどの天然および合成物をこれに限られないが含む吻合手順で従来的に使用されるものを含むさまざまな適切な材料を含んでもよい。例えばこれに限られないが、第1および第2移植片185、190はGORE-TEX(ゴアテックス)(ポリテトラフルオロエチレン)などの材料を含んでもよい。移植片185、190はへパリンか任意の他の適切な抗凝血剤でコーティングされてもよい。従って、第1移植片185および第2移植片190は、凝固による血流抑制なしに長期間血管内に配置されまたはそれらの移植片を通り、血流を流させることができる。
自動逆行性灌流システム100の少なくとも1つの実施態様において、システム100の部品はパッケージで利用可能である。また、ここで、パッケージはカテーテル10の拡張可能なバルーン58を膨らませるためにバルーンポート62に注入されるべき流体を含む少なくとも1つの殺菌した注射器、および/または第2カテーテル150の拡張可能なバルーン158を膨らませるためにバルーンポート162を含んでもよい。その上、また、パッケージは静脈および動脈のアクセス装置、配送カテーテル、ガイドワイヤーおよび/またはマンドレル、配送中およびコイルが興味のある静脈を動脈血化させるのに使用される実施態様において、折りたたまれた位置でカテーテル10を維持する導入器、業界で知られたプッシャーバーなどの自動逆行性灌流システム100の配送を容易にする装置を含んでもよい。ガイドワイヤーは、以前はよくその構成部品に支援を提供することによって、血管に自動逆行性灌流システム100の配送を容易にしていた。ガイドワイヤーは業界で知られた任意のガイドワイヤーも含んでもよい。その上、ガイドワイヤーの遠位端はインピーダンス技術の使用を通じガイドワイヤーが挿入される血管の大きさについて寸法を取ることができる複数のインピーダンス電極を含んでもよい。更に、少なくとも1つの実施態様では、インピーダンス電極は、第2カテーテル150の遠位端154の少なくとも1つのセンサ166と同様な方法で遠隔測定法または他の無線手段を通じて遠隔モジュール180にそのような測定値を更に通信できてもよい。少なくとも1つの実施態様において、ガイドワイヤーの遠位端は最遠端に配置されたインピーダンス電極の2つの4極性セットを含んでもよい。
インピーダンス電極によって集められた情報に基づき、臨床医は血管の選択的領域の正確な寸法を得ることができる。この様に、第2カテーテル150の遠位端154に結合された拡張可能なバルーン158は適切な大きさに作られ、拡張可能なバルーン158を膨らませるのに必要である流体または気体の量を、第2カテーテル150を静脈に導入する前に決定できる。例えば、臨床医は、冠状静脈洞のサブ分岐の大きさおよび形状の測定値を得るためにガイドワイヤーの複数のインピーダンス電極を使用できる。インピーダンス電極の仕様と使用に関する詳細は複数の電極は、参照で全体として本明細書に組み入れられる2004年2月19日出願の「System and Method for Measuring Cross-Sectional Areas and Pressure Gradients in Luminal Organs(内腔器官における断面積と圧力勾配を測定するためのシステムおよび方法」)と題する現在係属中の米国特許出願番号10/782,149に詳細に記述される。図5を参照して、同時選択的自動逆行性灌流システム300の部品は示される。同時選択的自動逆行性灌流システム300(「SSAシステム300」) は静脈血管壁114内配置用に構成された第3カテーテル350およびYコネクタ320を更に含むことを除いて自動逆行性灌流システム100と同様に構成される。特に、SSAシステム300はカテーテル10、第2カテーテル150、第3カテーテル350、コネクタ170、およびYコネクタ320を含む。また、SSAシステム300は自動逆行性灌流システム100に関係して記述されたように、第1移植片185および/または第2移植片190、および遠隔モジュール180を含むことができる事が理解される。第3カテーテル350は静脈血管壁114内の配置用に第2カテーテル150に隣接して構成される。第3カテーテル350は、第2カテーテル150と同一に構成され、近位端352を有する可撓管、遠位端354および近位端352と遠位端354の間を延伸する少なくとも1つの内腔356を含む。第3カテーテル350の近位端352および遠位端354は開いていて、第3カテーテル350の少なくとも1つの内腔356と連通し、それにより血液が近位端352を通り少なくとも1つの内腔356に流れ、遠位端354から静脈血管114へ戻ることができる。第3カテーテル350はいずれかが静脈系を通じ脈管内挿入と前進が可能な業界で知られた任意のカテーテルであってもよい。第3カテーテル350は、これには限られないが、ポリウレタンまたはシリコンゴムを含んだ任意の適切な材料を含んでもよい。少なくとも1つの実施態様おいて、第3カテーテル350は静脈血管114の所望の位置に第3カテーテル350の遠位端354の脈管内配送を容易にするために少なくとも1つの内腔356を通りガイドワイヤー310を受けるように構成される (図5と6参照)。更に、第3カテーテル350は、挿入の前に静脈血管114の内に第3カテーテルの延伸配置を容易にするためにへパリンまたは任意の他の適切な抗凝血剤でコーティングされる。
図5に示す通り、第3カテーテル350の遠位端354は第3カテーテル350の外表面に結合された拡張可能なバルーン358を更に含む。操作において、静脈血管壁114内の所望の位置に第3カテーテル350の遠位端354を据えつけるために拡張可能なバルーン358を使用できる。拡張可能なバルーン358は、血管内の挿入に適切な任意の拡張可能なバルーンであって、ポリエチレン、ラテックス、ポリエステルウレタン、ポリウレタン、シラスティック、シリコンゴム、またはそれらの組み合わせをこれには限られないが含むこの機能に適した任意の材料で形成できる。第2カテーテル150の拡張可能なバルーン158と同様に、拡張可能なバルーン358は適切な大きさに拡張および/または収縮させることができるように臨床医によって制御可能できる。拡張可能なバルーン358の適切なサイズは生体外または生体内で拡張可能なバルーン358のコンプライアンスの測定をこれには限られないが含む業界で知られた任意の技術で決定できる。更に、ガイドワイヤー310が静脈血管壁114内の所望の位置へ第3カテーテル350の遠位端354の配送を容易にするために使用されるとき、静脈血管114に挿入の前に拡張可能なバルーン358を正確な大きさにすることができるように静脈血管114の断面積を正確に測定するためにガイドワイヤー310の遠位端の電極を使用してもよい。この少なくとも1つの実施態様において、拡張可能なバルーン358は第3カテーテル350の少なくとも1つの内腔356に配置された二次内腔360と流体連通である。この例では、二次内腔360は第3カテーテル350の近位端352から延伸するバルーンポート362に結合される。従って、SSAシステム300が患者に配置されたとき、臨床医は皮下的、経皮的、またはその他の方法でバルーンポート362に容易にアクセスでき、患者への侵襲なしにまたは最小の侵襲で拡張可能なバルーン358を拡張または収縮させるのにバルーンポート362を使用できる。
第2カテーテル150と同様に、第3カテーテル350の遠位端354はそれに結合された少なくとも1つのセンサ366を含む。少なくとも1つのセンサ366は第2カテーテル150の少なくとも1つのセンサ166に同一に構成されてもよく、従って、少なくとも1つのセンサ366は第3カテーテル350の少なくとも1つの内腔356または静脈血管114を通る血流の圧力を監視するために使用されてもよい。また、少なくとも1つのセンサ366は、血液のpH、または二酸化炭素濃度、乳酸、または心臓の酵素の濃度を監視するために使用されてもよい。その上、臨床医が集められた情報にリアルタイムベースその他で容易にアクセスできるように少なくとも1つのセンサ366は、無線技術の使用で集めたデータを遠隔モジュールに無線通信できる。少なくとも1つの実施態様では、少なくとも1つのセンサ366は拡張可能なバルーン358の遠位側で第3カテーテル350の遠位端354に配置される。 しかしながら、少なくとも1つのセンサ366が第3カテーテル350の遠位端354の任意の位置に配置されてもよい事が理解される。SSAシステム300のYコネクタ320は、可撓性材料を含み、近位端322、遠位端324および近位端と遠位端322、324の間に延伸する少なくとも1つの内腔326を有する。Yコネクタ320の近位端322は開いており、しっかりと移植片190に結合されるように構成される。Yコネクタ320の遠位端324はYコネクタ320のボディーから実質的にY形構成で延びる2個の開放端を含む。その結果、Yコネクタ320の遠位端324の2個の開放端は少なくとも1つの内腔326を2個の別々のチャンネルに分割し、その結果、少なくとも1つの内腔326を通り流れる血液は、再び、分岐される。第2カテーテル150の近位端152はYコネクタ320の遠位端324の2個の開放端の1つに結合され、その結果、Y-コネクタの少なくとも1つの内腔326を通り流れる血流の1部分を受け入れる。同様に、第3カテーテル350の近位端352はYコネクタ320の遠位端324の他の開放端と結合され、その結果、第3カテーテルはY-コネクタの少なくとも1つの内腔326を通り流れる血流の1部分を受け入れる。この様に、同時に体の1以上虚血領域に逆行性灌流するためSSAシステム300を使用できる。
適用において、第2カテーテル150および第3カテーテル350は、図5に示されるように、静脈血管壁114に互いに隣接して配置される。その上、第2と第3カテーテル150、350の遠位端154、354は、虚血組織の選択的部分に動脈血を送達するように、異なった静脈にそれぞれ配置されてもよい。例えば、図6に示されるように、 少なくとも1つの実施態様では、同時に2つの別々の冠状静脈、またはサブ分岐に動脈血供給を提供するためにSSAシステム300を心臓314に適用できる。この少なくとも1つの実施態様では、第2と第3カテーテル150、350の遠位端154、354は冠状静脈洞370を通りともに進められる。冠状静脈洞370の直径は約10から約20ミリメートルに亘るので、第2と第3カテーテル150、350の両方がある冠状静脈洞370のカニューレ挿入は、そこを通る血液の正常な順行性流動を閉塞しない。関心の静脈かサブ分岐に達すると、第2と第3カテーテル150、350の遠位端154、354は関心の静脈にそれぞれ独自に位置決めされる。図6に示される例において、カテーテル150は心室間静脈374に配置され、第3カテーテル350の遠位端354は中央心臓の静脈376に配置される。自動逆行性灌流システム100のように拡張可能なバルーン158、358はバルーンポート162、362を通じそれぞれ拡張させられる (図5に示される)ので, 第2と第3カテーテル150、350の遠位端154、354は関心の静脈内の所望の位置にしっかりと据えつけられる。この様に、SSAシステム300は制御された動脈血を心臓314の2つの領域に同時に配送することができその結果、動脈血化することができる。
SSAシステム300の少なくとも1つの実施態様において、システム300の部品はパッケージで利用可能である。ここで、パッケージはまた、それぞれ拡張可能なバルーン158、358を膨らませるためにバルーンポート162、362に注入されるべき流体を持つ殺菌した注射器を含んでもよい。その上、また、パッケージはまた静脈および動脈のアクセス装置、配送カテーテル、少なくとも2つのガイドワイヤー(自動逆行性灌流システム100の配送に関して説明されるように構成される)、配送中およびコイルが興味のある静脈を動脈血化させるのに使用される実施態様において、折りたたまれた位置でカテーテル10を維持する導入器、業界で知られたプッシャーバー(pusher bar)などのSSAシステム300の配送を容易にする装置を含んでもよい。図7を参照して、システム100を使用することで自動逆行性灌流を実施するための方法400のフローチャートは示される。本方法400は本明細書に冠状静脈洞のカーテル法で心臓を治療することに関して記述されるが、本方法400が逆行性灌流処置を必要とする任意の器官または組織に自動逆行性灌流を実施するために使用されてもよい事が理解される。方法400およびその実施態様は、局部麻酔で実施でき、どんな動脈の縫合も必要としない。更に、一度据え付けられると、システム100が長期間患者の血管系に留置することができるので、システム100は、長期的治療を患者に提供できる。この様に、オプションがない患者を治療して、彼らの生活の質を大いに高めるのにシステム100と方法400を使用できる。図7に示されるように、方法400への1つのアプローチでは、ステップ402で、従来の動脈アクセス装置または業界で知られた別の方法で関心の動脈502に局部麻酔で経皮的に穴をあける。例えばこれには限られないが、少なくとも1つの実施態様において、18ゲージ針は大腿動脈または鎖骨下動脈に挿入される。ステップ404で、導入器504内に折りたたまれた位置で収容されたカテーテル10(図8Aを参照)は関心の動脈502に挿入される。カテーテル10の遠位端14が動脈502内の所望の位置に位置決めされた後に、導入器504はカテーテル10がそこに配置されたままで図8Bに示されるように、動脈502から近位方向に抜去される。
少なくとも1つの実施態様において、突出カニューレ16は、導入器504が近位方向に抜去されるとき、突出カニューレ16の近位端20が導入器504から開放される前に、カテーテル10の近位端12が導入器504から開放されるように構成される。この様に、図8Cに示されるように、突出カニューレ16が導入器504の内部に収容されたままに残る一方、カテーテル10の近位端12は動脈壁502の内部に配送される。その上、導入器504はもうカテーテル10の近位端12に対し突出カニューレ16に下方への圧力を適用しないので、突出カニューレ16は、折りたたまれた位置から延伸した位置に移行でき、従って、動脈502またはカテーテル10の本体について平行でない方向に伸びる。この様に、図8Cと8Dに示される通り、突出カニューレ16の近位端20は導入器504によって動脈壁502に形成された開口部を通り導かれる。従って、カテーテル10が動脈502に配置されたとき、動脈血の一部だけが突出カニューレ16を通り関心の静脈506に別ルートで送られるが、順行性動脈血流は、カテーテル10の近位端12を通り動脈502を通り流れ続くことができる。この様に、動脈502を通る正常な血流は自動逆行性灌流システム100の操作で抑制されない。その上、動脈502を通じ流れる血液の分岐に加えて、動脈壁502を横断する突出カニューレ16は動脈502内の所望の位置にカテーテル10を据えつけるように更に機能する。
カテーテル10が更に拡張可能なバルーン58を含む (図1を参照) 実施態様において,ステップ404は、バルーンポート62に流体を注ぐことによって拡張可能なバルーン58を所望のサイズに膨らませるステップを更に含んでもよい。この様に、拡張可能なバルーン58は動脈502内の所望の位置にカテーテル10を据えつけて、突出カニューレ16が突出する動脈502の開口部を密封するように更に機能する(図8Eを参照)。ステップ406において、関心の静脈506は、従来の静脈アクセス装置または業界で知られた別の方法で、局部麻酔下で経皮的に穴をあけられる。例えばこれには限られないが、少なくとも1つの実施態様において、18ゲージ針は大腿静脈または鎖骨下静脈に挿入される。・BR>Xテップ408では、配送カテーテル508は、冠静脈洞入口部にカテーテルを挿入するために静脈506に挿入され静脈506を通り進められる。ガイドワイヤー510は次に、ステップ410で配送カテーテル510に挿入されて、配送カテーテル510の遠位端を通り静脈506の内腔に進められる。その上、ガイドワイヤー510はエックス線(すなわち、蛍光透視検査)の使用、直接ビジョン、経食道心エコー図、他の適切な手段または可視化技術で関心領域に進められる。
図9と10は心臓500に適用される方法400の概略図を示す。特に、少なくともこの1つの実施態様において、ステップ402および404において図9では鎖骨下動脈を含む動脈502は穴をあけられ、カテーテル10はそこに挿入され配置される。更にステップ406において図9では鎖骨下動脈を含む動脈506は穴をあけられ、ステップ408において配送カテーテル508は上大静脈518を通り冠状静脈洞520の冠動脈入口部に進められる。図10に示すように、 ステップ410において、ガイドワイヤー510は冠状静脈洞520を通りこの少なくとも1つの実施態様では、心臓500の後静脈522を含む関心の静脈に進められる。
図7を参照して、ステップ410で静脈506に挿入されたガイドワイヤー510は、上述の本明細書に説明されるように、複数のインピーダンス電極を更に含んでもよい。このアプローチでは、ガイドワイヤー510は、その上に配置された複数のインピーダンス電極の使用による関心の血管のサイズを決定するために任意のステップ411で使用されてもよい。この様に、臨床医は、第2カテーテル150に関する使用のために適切な大きさにされた拡張可能なバルーン158を選択するためにインピーダンス電極で発生する測定を使用できる。正確な大きさにされた拡張可能なバルーン158と膨張容積を使用することによって、臨床医は、第2カテーテル150の遠位端154が静脈血管壁に過度の力をかけずに関心の血管にしっかりと据えつけられる事を確認できる。ガイドワイヤー510がステップ410で関心の血管に進められ、且つ選択的に関心の血管の寸法がステップ411で任意に測定された後に、方法400はステップ412に進む。ステップ412では、第2カテーテル150の遠位端154はガイドワイヤー510の上の配送カテーテル508に挿入される。ステップ412では、第2の遠位端154に、カテーテル150はガイドワイヤー510の上の配送カテーテル508に挿入される。従って、ガイドワイヤー510は第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156によって摺動自在に受け取られる。次に第2カテーテル150の遠位端154はガイドワイヤー510を通り関心領域へ進められ、第2カテーテル150の拡張可能なバルーン158は、目標血管に遠位端154を据えつけるために拡張させられる。図11は ステップ412が終了した後に心臓500に適用されるような方法400の概略図を示す。第2カテーテル150の遠位端154が目標血管の所望の位置に置かれて、据えつけられた後どの時点であっても、配送カテーテル508とガイドワイヤー510が関心の静脈から抜去されるかもしれない事が理解される。第2カテーテル150の遠位端154が目標血管に固定された後、ステップ414では、静脈506と動脈502の間に吻合は形成される。特に、少なくとも1つのアプローチでは、カテーテル10の突出カニューレ16の近位端20はコネクタ170を通り第2カテーテル150の近位端152に結合される。第1移植片185と第2移植片190を含むシステム100の少なくとも1つの実施態様では、コネクタ170は細長い吻合を形成するために第1移植片185と第2移植片190を経由してカテーテル10と第2カテーテル150に結合されてもよい。あるいはまた、更に別のアプローチでは、コネクタ185は突出カニューレ16の近位端20経由でカテーテル10に結合され、且つ第2移植片190だけを経由して第2カテーテル150に結合されてもよい。カテーテル10、第2カテーテル150、第1移植片185および第2移植片190の任意の組み合わせは静脈506と動脈502の間で所望の吻合を形成するためにコネクタ170と関係して使用されてもよい事が理解される。
吻合が形成され、動脈血が吻合を通りその結果、コネクタ170を通り流れたことができた後に、ステップ416では、コネクタ170は、流速、圧力、および動脈血流の任意の他の所望のデータを測定する。コネクタ170は脈管内に配置されたリード線でまたは無線で遠隔モジュール180に集められたデータを遠隔測定法または他の手段で送信する。この様に、臨床医は、容易に遠隔モジュール180に関する血流データを見ることができ、静脈506を維持し、徐々に動脈血化するのに必要な圧力降下の程度を算定できる。ステップ418で、システム100を通る動脈血流の圧力は、所望の圧力を静脈系に伝えるように変更される。このステップ418では、臨床医が遠隔手段を通じコネクタ170の血流を調節する手段の変更を通じ圧力変更を達成できる。またはシステム100の少なくとも1つの実施態様では、第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156を通る動脈血の流れを部分的に塞ぐために内部バルーンポートを用い第2カテーテル150の内部拡張可能バルーンを膨らませることにより圧力変更を達成できる。その上、システム100の少なくとも1つの代替の実施態様では、臨床医は業界で知られた手段で第2カテーテル150の少なくとも1つの内腔156に必要な圧力降下を達成するように構成された再吸収可能狹窄部を配送してもよい。あるいはまた、上述の自動逆行性灌流システム100に関係して記述されるように、遠隔モジュール180は、コネクタ170から受け取られたデータを自動的に分析するようにプログラム可能なコンピュータまたは他の処理手段を更に含んでもよく、そのようなデータに基づいて吻合を通り流れる血液の圧力に必要な適切な度合いの調整を決定できる。この実施態様において、ステップ418では、遠隔モジュール180は最適の圧力降下を達成するためにコネクタ170の血流を調節する手段を自動的に調整する。この様に、動脈系と静脈系の間の所望の圧力降下はすぐに達成され、静脈の破裂の危険はかなり減少する。ステップ420で 方法400はある期間静脈506を洗浄する変更された圧力を有する動脈血を許容するので、静脈506は適切に動脈血化する。例えばこれに限られないが、患者の静脈系は、静脈506がそれを通り流れる高い血液の圧力に順応できるように約14日間の減少動脈圧を受ける可能性がある。静脈506の動脈血化を達成した後に、ステップ422では、患者は冠状静脈バイパス移植手術を任意に経験し自動逆行性灌流システム100の部品を取り除かれる可能性がある。しかしながら、上述のように、適切に動脈血化した静脈506を有していても、逆行性灌流療法を必要とする多数の患者は、まだ冠状静脈バイパス移植手術の候補でない可能性がある
万一患者がそのような手順に耐えられない場合、ステップ420で静脈506が動脈血化した後、方法400は直接ステップ424に進むことができる。ステップ424で、第2カテーテル150を通り流れる動脈血の圧力変更は停止する。従って、あらかじめ動脈血化している静脈506は吻合と第2カテーテル150を通る流れる全動脈血流圧にさらされる。少なくとも1つの実施態様では、臨床医は、コントローラ170を調整することによって、圧力変更を停止できる。あるいはまた、遠隔モジュール180で自動的にコントローラ170を調整できる少なくとも1つの実施態様では、遠隔モジュール180は、静脈506があらかじめ動脈血化した後コントローラ170を自動的に調整できる。更に、圧力降下が第2カテーテルの少なくとも1つの内腔156に配置された内部拡張可能バルーンの使用で達成される場合、臨床医は、内部のバルーンポートを通じ内部拡張可能バルーンを萎ませ、その後、第2カテーテルと内部のバルーンポートの三次内腔を通り萎んだ内部拡張可能バルーンを抜去してもよい。動脈血が第2カテーテル150を通り流れるのに従って動脈血の圧力降下を達成するために再吸収可能狹窄部が使用される更に別の実施態様では、所望の期間の後に溶けるように再吸収可能狹窄部を構成でき、その結果、徐々に、時間経過の間に第2カテーテルの少なくとも1つの内腔156を通る血流圧に関し再吸収可能狹窄部が有する影響を減少させる。従って、自動逆行性灌流システム100は長期間、組織の目標領域に酸素を豊富に含む血液を送達するために患者に長期的に据え付けたままにできる。
図12を参照して、 SSAシステム300を使用することで同時選択的逆行性灌流を実施するための方法600のフローチャートは示される。方法600は冠状静脈洞520のカーテル法を通じ心臓500を治療することに関して本明細書に記述されるが、方法600は逆行性灌流処置を必要とする任意の器官や組織に自動逆行性灌流を実施するために使用されてもよい事が理解される。方法400の記述に含まれる方法600のステップを特定するために使われる参照数字は2つの方法400と600の間のステップのように指定する。そのようなものとして、2つの方法400と600の間のステップのように、方法600に関して詳細に400、600について記述されず、方法400の記述を通じそのような記述を得ることができる事が理解される。方法600およびその実施態様は、局部麻酔で実施でき動脈縫合を必要としない。更に、一度据え付けられると、システム300を患者の血管系に長期間にわたって残し、選択的に静脈506の1つ以上のサブ分岐を逆行性灌流することができるので、SSAシステム300は複数の虚血性部位に同時に長期的処置を送達することができる。方法600は、方法400に関して上述のように、ステップ402から410に進行する。ガイドワイヤー510が冠状静脈洞520を通り関心の第1静脈へ進められた後に、第2ガイドワイヤー610はステップ602でガイドワイヤー510に隣接する配送カテーテル508に挿入され、配送カテーテル510の遠位端を通り静脈506の内腔に進められる。その後第2ガイドワイヤー610はエックス線(すなわち、蛍光透視検査)の使用、直接ビジョン、経食道心エコー図、他の適切な手段または可視化技術で第2の関心領域に進められる。第2のガイドワイヤー610はガイドワイヤー510と同様に構成され、同様に機能できる。
図13は心臓500に適用されるような方法600の概略図を示す。特にこの少なくとも1つの実施態様において、図13はガイドワイヤー510が心臓500の後部静脈522を含む関心の第1静脈に挿入され、第2のガイドワイヤー610が心臓500の心室間の静脈622を含む関心の第2の静脈に挿入されるステップ602での方法600を示す。図12を参照して、ステップ602で関心の第2の静脈に挿入されたガイドワイヤー610は、ガイドワイヤー510に関し上述のように、複数のインピーダンス電極を更に含んでもよい。この実施態様では、ガイドワイヤー610は、その上に配置された複数のインピーダンス電極の使用を通じて関心の第2の血管のサイズを決定するために任意のステップ603で使用されてもよい。この様に、臨床医は、インピーダンス電極により発生する測定値を使用でき、第3カテーテル350に関連する使用のための適切な大きさにされた拡張可能なバルーン358を選択する。正確な大きさにされた拡張可能なバルーン358と膨張容積を使用することによって、臨床医は、第3カテーテル350の遠位端354が過度の力を静脈血管壁にかけずに関心の第2の血管にしっかりと据えつけられる事を確認できる。ガイドワイヤー610がステップ602で関心の第2の血管に進められ、任意に、関心の第2の血管の寸法がステップ603で測定された後に、方法600は、方法400に関して説明されるように、第2カテーテル150がガイドワイヤー510の上に挿入されるステップ412に進む。ステップ604で、第3カテーテル350の遠位端354は第2のガイドワイヤー610の上の配送カテーテル508に挿入される。従って、第2のガイドワイヤー610は第3カテーテル350の少なくとも1つの内腔356によって摺動自在に受け取られる。次に第3カテーテル350の遠位端354はガイドワイヤー610を越え第2の関心領域へ進められ、第3カテーテル350の拡張可能なバルーン358は目標血管に遠位端354を据えつけるように拡張させられる。図14 は心臓500に適用されるようなステップ604での方法600の概略図を示す。第2と第3カテーテル150、350の遠位端154、354が目標血管内の所望の位置に位置決めされて、据えつけられた後の任意な時点では、配送カテーテル508とガイドワイヤー510、610が静脈506から抜去されてもよい事が理解される。第2カテーテル150の遠位端154と第3カテーテル350の遠位端354の両方が目標血管に固定された後、方法600は、方法400に関して説明されるように、吻合が静脈506と動脈502の間で形成されるステップ414に進む。その後、方法600は、方法400に関して説明されるように、ステップ416から424を通り進む。その上、ステップ418では、内部拡張可能バルーンがカテーテル150、350または再吸収可能狹窄部の一方か両方で使用されるかまたは再吸収可能吻合が第2と第3カテーテル150、350の少なくとも1つの内腔156、356に使われる場合、臨床医が第2と第3カテーテル150、350を通じ独自に圧力降下を調整できる事が認識される。あるいはまた、コントローラ170が吻合を通る血流を調節するための手段を含む少なくとも1つの実施態様では、第2と第3カテーテル150、350の両方を通り流れる動脈血の圧力は実質的に同じである可能性がある。本明細書に説明されるように、方法600は、1つのごく低侵襲の処置または非侵襲的処置の使用で、組織の2つの異なった虚血領域を同時に且つすぐに治療するために使用されてもよい。その上、方法600は、うっ血性心不全、糖尿病および薬物療法に対する禁忌とは関連づけられない、実施可能な治療法の選択肢を、オプションがない患者に対して提供できる。本開示の灌流システム100の更なる実施形態は、図15に示されている。図15に示すように、システム100は、遠位端1002と近位端1004を有し、内部に内腔1006(少なくとも一部が、心臓や静脈など患者の体内に挿入されている)を備えた第1のカテーテル 1000を有する。第1のカテーテル1000は、患者の静脈または心臓内に挿入した後、例えば以下のように患者の動脈から動脈血液(酸素および他の栄養素が比較的豊富である)を、内腔1006を介して近位カテーテルの開口部1008および遠位カテーテル開口部1010へと移送および供給することが可能である。このようにして、例えばシステム100は外付けポンプが不要であること(患者自身の心臓がポンプとして機能するように)、かつそのような使用に関して灌流が逆行性を有するために、自動逆行性灌流システム100と呼ぶことができる。典型的な用途は、本明細書に詳細に記載されるように、患者の大腿静脈、内頸静脈、鎖骨下静脈、および/または上腕橈側皮静脈に、システム100を使用して動脈血を提供することである。例示的な実施形態では、第1のカテーテル1000は患者への挿入を容易にするために、遠位端部1002に向かって先細設計となる場合がある。システム100の少なくとも一つの実施形態において、図15および16に示されるように、システム100は出口ポート1013と1つまたは複数の追加ポートを有する結合器1012 を有しており、患者の身体外での接続を容易に行うことができる。例えば、図15および16に示されるように、結合器1012は膨張ポート1014を備えており、膨張ポート1014に導入される流体および/または気体を利用して、第1のカテーテル1000の遠位端 1004またはその近傍に第1のカテーテル1000に沿って配置された拡張可能なバルーン1016を膨張させることができる。図に示されるように、かつ少なくとも1つの実施形態において、膨張チューブ1018は膨張チューブ1018の遠位端1020にて膨張ポート1014に結合される場合もある。これにより膨張チューブ1018にオプションの流量調整器1022を設置し、膨張チューブ1018の内腔1024内外からの流体および/または気体の圧力を調整して拡張可能なバルーン1016の膨張および収縮を行うことが可能となる。膨張チューブ1018は、更に、膨張チューブ1018の近位端1028またはその近傍に近位コネクタ1026を配置し、それを通じて流体/気体供給源(図示なし)からの流体および/または気体を受け取ることなどもできる。拡張可能なバルーン1016を膨張させて、例えば、患者の内腔臓器内の任意の位置に第1のカテーテル1000を固定することも可能である。 本開示における例示的な結合器1012は、更に、例えば動脈血チューブ1032(動脈血チューブ1032 の遠位端1034またはその近傍それに結合される)から送られる動脈/酸素化血液を受容するように構成された動脈血ポート1030を有する場合もある。図15および図16に示すように、血流調整弁1036を血液チューブ1032と相対的に配置し、動脈および動脈/酸素血流を通る流れおよび/または圧力を調整するよう動作させることもできる。少なくとも1つの実施形態では、血流調節弁1036には、動脈血管1032の内腔1038を通る流れ、および/または血液の圧力を調節するために適用でき、および /または動脈血管1032への/からの圧力を除去するために回転が可能な回転式ダイヤルが含まれ、その中に同定された血圧測定値に基づいて圧力を調整することができる。血液流量調整弁1036は、例えば、患者の内腔臓器(患者の静脈系および/または心筋など)への損傷を抑制する、および/または同じ内腔に対 する潜在的な浮腫を最小限に抑えるために使用することができる。動脈血チューブ1032は、更に、動脈血チューブ1032の近位端1040またはその近傍に配置された近位コネクタ1040を通じて血液供給から動脈/ 酸素化血液を受容することなどもできる。図17に示すシステム100の構成要素ブロック図にあるとおり、結合器カテーテル1042は、本明細書に記載されるように、動脈血チューブ1032を血液供給源1044に結合させ、患者の心臓をポンプとして用いて患者自身の動脈として機能させるか、または動脈血チューブ1032に血液を供給する外部電源として、同様に患者から血液を除去するための装置と組み合わせて使用してもよい。
また少なくとも1つの実施形態において、本開示でいう例示的なカプラー1012は、更 に、薬剤、生理食塩水などを受け取るように構成された薬剤ポート1046を通じて第1カテーテル1000と同様の方法でそれらを患者の体内へ導入することができる。図15および図16に示すように、薬剤ポート1046は内腔1050を通る薬剤チューブ1048を受容することができ、薬剤チューブ1048の遠位端1052を薬剤ポート1046と結合させて薬剤、生理食塩水、および/または同様の薬剤を、薬剤チューブ1048の近位端1054またはその近傍にある薬剤チューブ1052に結合された供給源(図示なし)から導入することが可能となる。例示的な薬剤としては、線維素溶解薬、強心薬、抗不整脈薬、清浄剤、冠状静脈または他の内腔臓器を介する細胞または血管新生増殖因子などが挙げられる。少なくとも1つの実施形態において、図15および16に示すとおり、薬剤チューブ1048は、薬剤チューブ1048の第2の近位端部1056が薬剤チューブ1048に相対的に配置された薬剤調整弁1058を介して薬剤を受容し、薬剤を通る流れを制御するよう分岐設計を行うことができる。更に、1つ以上の近位端部1054および第2の近位端部1056は、このような、例えば、0.035 "ガイドワイヤおよび/または0.014"圧力ワイヤのようなワイヤを受容するように構成してもよい。一般的に、本明細書中に示される任意の血液、空気、流体、薬剤、ワイヤなど(膨張ポート1014、動脈血ポート1030、および/または薬剤ポート1046 を介して結合器1012に入り、最終的に第1のカテーテルの内腔に入る)は、結合器1012上の1つないし複数のポートに入り、第1のカテーテル1000に入ると同時に出口ポート1013から排出される。上記の図17は本開示の例示的なシステム100の様々な構成要素のブロック図である。図に示すように、本開示のシステム100の例示的な実施形態は、第1のカテーテル1000、結合器1012、血流量調整弁1036が付属した動脈血チューブ1032、および血液供給1044(血液供給は正式なシステム100の一部として考慮してもしなくてもよい)と接続して構成された結合器カテーテル1042を備えている。また例示的なシステム100は、気体/液体源1060と接続して構成された膨張チューブ1018の端部が流量調整弁1022を有する膨張チューブ 1018を備えることができる。本開示でいうシステム100の様々な実施形態では、その構成要素の数は図17と比べて多少の差が発生する場合はあるが、本開示のシステム100の例示的な実施形態は、本明細書に援用されるように、カテーテル10の様々な実施形態を係合するように構成されてもよいものとする。
使用時には、例えば、システム100の第1のカテーテル1000は患者の静脈系内の患者の内腔臓器内に配置することができる。第1のカテーテル1000を固定するために拡張可能なバルーン 1016を膨張させると、患者の静脈系に酸素動脈血を提供できるだけでなく、システム100の例示的な実施形態における選択的な自動逆行性灌流および患者の静脈系の冗長性によって冠状静脈還流を許容することも可能となる。圧力上昇、浮腫、または他の望ましくない状態が拡張可能なバルーン1016またはその付近に発生した場合は、システム100のユーザ は、必要に応じて拡張可能なバルーン1016を収縮させて一時的に増大した圧力およびまたは浮腫を緩和させることができる。例えば、システム100を比較的長い時間(1時間など)使用し、拡張可能なバルーン1016 を比較的短い時間(数秒など)収縮させて圧力または浮腫の発生を緩和し、その後拡張可能なバルーン1016を再度膨張させて、患者の体内の所望の位置 に第1のカテーテル1000を固定することができる。急性適用装置の利用対象となる患者の種類は、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者、心原性ショック患者、および高リスク経皮的冠動脈形成術(PCI)患者、(左冠動脈主幹部の PCIを受ける患者など)など様々なカテゴリに分類される。STEMIは、古典的な心臓発作の症状を呈する伝統的な「緊急」の患者であり、例えば病院の緊急治療室で診断を受けた場合、患者は伝統的に、迅速に閉塞した 冠動脈を開き、血液を復元するためにカテーテル処置室に移動してPCIを受ける。これらの患者は血行動態的に不安定であるため、左心室のサポートが必要となる。
このような場合、本開示の例示的なシステム100は例えば以下のように利用することができる。(i) カテーテル処置室とPCIへの即時アクセスを有していない患者に心臓のサポートを提供する。これらの患者はカテーテル処置室の設置がない農村部や地域の病院で多くみられる。この場合は患者を適切な施設に移送するとともに、何らかの応急手当が必要となる。カテーテル処置室を有する病院においても、カテーテル処置室の人員不足や処置室の不足などによりこのような患者が発生する場合もある。このような場合において、本開示のシステム100は最終的な治療(一次PCI)が利用可能になるまでのサポートを提供するブリッジとして機能する。(ii)一次PCIの前後および途中に心臓のサポートを提供する。カテーテル処置室に搬送される多くの患者は不安定な状態であるため、バルーンの膨張および支柱などを利用すると血行動態不安定を促進させてしまう。例示的なシステム100を利用することで心臓のサポートを提供し、医師がより安定した/制御された環境での処置が可能となるよう血行動態を改善することができる。 また、一次PCIの前後および途中に発生する虚血心筋の再灌流によって、虚血事象によって損傷した心筋の量を減らすことができると考えられる。これは、臨床用語で「梗塞面積の縮小」と呼ばれる。初期の動物研究(本明細書で更に詳細に援用)では、STEMI患者に対してSARPを適用することで梗塞面積が縮小し、短期的にも長期的にも処置結果に著しい影響を与えると提唱されてきた。このグループの患者に対する梗塞面積の縮小が実現すれば、後続する心不全の進行を遅らせることができるとともに、長期入院費用の削減にも貢献すると考えられる。
心原性ショックは血圧と心拍出量の著しい低下が特徴で、拮抗されない場合は最終的に多系統の臓器不全や死につながる。心原性ショックによる患者の死亡率は60%を超える。心原性ショックの患者の容態は非常に不安定であるため、手術またはPCI処置を実施できない場合が多い。そこで、圧力および心拍出量を増加させるために薬理学的処置を用いる。大動脈内バルーンポンプ(IABP)およびその他のLVADのタイプの製品も、同様に心原性ショック患者の下方サイクルを逆転させて血行動態を改善するために用いられる。本開示の例示的なシステム100の実施形態もほぼ同様に使用することができる。高リスクPCIは、典型的に左主冠動脈の疾患、糖尿病、多枝疾患、MIの既往歴、および腎不全などを有する75歳以上の患者を対象に実施されます。これらの患者は特に重症で、PCIの前後および途中に有害事象が発生するリスクが高いと考えられている。この患者集団における死亡率と主要有害心イベント(MACE) 率は非常に高い。
IABP は一般的にこの患者集団において使用されている。この集団では、本開示のシステム100は、手術時に血行動態が不安定だと判明した高リスクPCI患者に心臓のサポートを提供することができる。これについては手術中に心臓のサポートが必要なオペレータに明示した上で本開示の例示的なシステム100を最初から稼働させることになる。患者の血行動態が改善することで、オペレータは冠動脈系での処置をより快適に行うことができる。IABPはこれらの患者においては一般的に使用されている。
本開示のシステム100はまた、心臓のサポートが処置中に必要とされ得ることが予想される場合には、この高リスク集団において使用することができる。この場合、例示的なシステム100は、サポートが必要となった時と場合に備えて事前に設置される。患者の血行動態は手術の間、終始安定した状態に保たれる。IABPは現在この方法で使用されており、一般的に心臓のサポートの予防的使用として援用されている。
急性適用:この設定では、本開示の例示的なシステム100は心臓のサポートのため、および一般的に24時間以内にわたって心筋を保護するために用いられる。SARPの必要性を沈殿させ、SARPの必要性に乗じて促進された臨床症状は一般的に24時間以内に解決され、システム100が除去される。しかしながら、本開示のシステム100の使用は24時間の使用に限定されるものではなく、いくつかの場合におけるように、IABPおよび他の短期的な心臓支援装置は24時間を超えて存続的に機能する。一般的に、最長の場合、短期的な装置は所定の位置に4-6日残される可能性がある。この場合、臨床医は、患者により長期的(数週間)なサポートを提供するため、心臓移植のブリッジとなる長期的な左心室支援装置(LVAD)の移植を検討することが多い。
本開示の例示的なシステム100において急性の適用を必要とする臨床症状には、以下のようなものが挙げられる。(i)STEMIおよび/または他の急性心筋梗塞(AMI)患者の緊急治療。 (ii)心原性ショック。(iii)高リスクPCI。(iv)手術開始後に重度の血行動態不安定症状が勃発し、PCIが失敗または中止された場合。これらの患者は、多くの場合、即時心臓手術を行うため移送されるため、外科的介入を待つ間に心臓のサポートが必要となる。(v)心臓手術中に心肺バイパスマシンから自発呼吸に移行する場合。心臓手術患者の中には、心臓手術で血行が正常に再建されて肺バイパスマシンをオフにした後、心臓が通常通りに機能しなくなる場合がある。本開示の例示的なシステム100は、正常な心臓のパラメータが回復するまで心臓のサポートを行うために使用することができる。装置の所定位置への挿入は手術室で行い、患者はそのままの状態で心臓救急救命室(CCU)に移送される。これらの例示的な臨床症状は、本開示のシステム100の急性実施形態として想定される適用の大部分をカバーしている。現在、全IABPの95%以上およびその他の短期支持装置はこれらの用途に使用されている。このような用途では、本開示の例示的なシステム100を使用する目的は、静脈系を用いて逆行様式で動脈(酸素を豊富に含む)血を心筋に送達して患者の血行動態を安定させること、および臨床症状または一次介入(PCIまたはCABG)が解決して血管新生が始まるまで心筋組織を保護・維持することである。
慢性適用:この設定では、本開示のシステム100の例示的な実施形態は2週間以上利用することができる。ただし、例えば最終的な移植の持続時間が多少短くなることに留意しなければならない。初期の動物研究では、2週間以内に静脈系の血管新生が実現し、静脈系が動脈圧において一定的な動脈血流を可能とする導管として機能する。 システム100の慢性適用は、多くの場合、臨床症状を解決するための「その他の解決策が存在しない」患者に対して用いられる。具体的には、冠動脈疾患(CAD)または難治性狭心症を有し、PCIおよび/または冠動脈バイパス移植術(CABG)が適用できない患者が挙げられる。これらの患者は糖尿病または他の併存疾患を有しており、介入措置も適用することができない。そのため、本開示のシステム100の慢性適用が効果的であると考えられる。 本明細書で言及したように、一般的に、慢性適用は静脈系の血管新生を可能にするため10〜14日間の逆行灌流が必要となる。特定の例でいうと、逆行灌流は長期間(2-3週間など)または10日未満などの短期間において用いられる。これらの患者は、それぞれの臨床状況に応じてその期間に入院するか院外で過ごすかを選択することができる。入院しない場合、装置としては図1に示すように、分枝移植が可能な部分を有するカテーテル10の実施形態を利用することもある。この場合、圧力調整機能を有するカテーテル10が患者に移植されることになる。
上記の期間中に入院が必要な臨床患者に対しては、例えばシステム100の急性適用を用いることができる。このような実施形態では、システム100はこの間、経皮的に挿入して利用することができる。血管新生が開始したのち、より恒久的な導管を経皮的または外科的に構築して恒久的な動脈血源を提供する。本開示の例示的なシステム100を使用する場合、臨床医は標準的なガイドカテーテルを用いて冠状静脈洞または大心臓静脈などの位置を特定することなどもできる。更に、0.035 "ガイドワイヤを挿入して冠状静脈洞または大心臓静脈へのアクセスを確立することができる。その後、例示的なシステム100を0.035 "ガイドワイヤ上に挿入し、本明細書で援用されるように、ポートの一つを介して冠状静脈洞または大心臓静脈などに向けて前進させることができる。第1のカテーテル1000の遠位端1004は左主静脈に配置する。オペレータは、臨床的に必要とされる場合、他の静脈の部位に第1のカテーテル1000の先端部(遠位端1014)を進めることができる。少なくとも1つの実施形態では、バルーン1016を遠位端1004から約2cm後方に配置し、その後冠状静脈洞または大心臓静脈内において第1のカテーテル1000の位置を固定するために膨張させる。この時、第1のカテーテル1000の遠位端1004は左主静脈に位置する。膨張したバルーン1016はまた、動脈血の逆行を保証するために機能する。遠位バルーン1016を膨張させたのち、0.035 "ガイドワイヤは0.014"圧力測定ワイヤ(第1のカテーテル1000の遠位端1004の圧力を測定するために用いる)と交換し、システム100の一部が静脈を過剰に圧迫していないかを確認するため、およびオペレータに外部圧力調整弁で必要となる圧力変化の程度を知らせることができる。圧力ワイヤの近位端は適切なモニターと接続して使用する。
カテーテルが冠状静脈洞または大心臓静脈内に配置されている場合、例えば、オペレータは、動脈血供給1044への外部(体外)接続を行うことが可能となる。この例としては一般的に、大腿骨または放射状動脈などが挙げられる。医師は、供給源へのアクセスを得るために、動脈供給源に標準処置シースを事前に挿入することとなる。この動脈シースは、患者を治療しながら、利用可能なカテーテル、ガイドワイヤ、バルーン、支柱、または他の装置のためのアクセスを得るために使用することができる。動脈シースは、急性装置(システム100の実施形態)について(調整弁付きの)動脈供給カニューレに接続できるコネクタを有している。接続が確立され、フローが開始されると、圧力ワイヤは遠位圧力測定値を示し、調整弁は適切な設定(例えば、60mmhg以下)に調整することができる。遠位端圧力の監視は、装置が生体内にある時間内に進行する。オペレータは調整弁を利用して正しい遠位圧力を提供し、患者の体内圧力の変化に応じてこれらの圧力を調整することができる。圧力の設定および監視が行われると、冠状静脈系を介して酸素を豊富に含む血液が患者の心筋に逆行する。このような動作(酸素を含む血液を逆行させて供給する)により、境界領域に位置する虚血組織の量を著しく低減させることができる。少なくとも一つの実施形態において、そのようなシステム100は、左前方下降静脈を灌流させてLAD動脈閉塞地域に酸素血液を供給するために使用される。患者の必要性や状況に応じて、急性装置(システム100の実施形態)は、一般的に挿入から24時間以内に一般的に除去される。この決断は医師が行うものとする。挿入部位は病院の措置慣習に従って閉じられる。
方法論の検証
本明細書で詳細に援用されるように、冠動脈疾患(CAD)は、世界中および米国における罹患率および死亡率の第1原因である。今日に至っても、経皮的冠動脈形成術(PTCA)および冠動脈バイパス術(CABG)の、最適かつ迅速な治療法をすべての患者に提供することはまだ難しい。しかし、ブリッジ療法を用いて既存の再灌流治療の代表的な処置を補填することで、多くの患者に処置を施すことはできるであろう。アテローム性動脈硬化症は冠状静脈系においてはほとんど発症しないため、酸素化血液を送達するために静脈系を使用することが十分に検討されている。同期型逆行性灌流(SRP)と圧力制御型断続的冠状静脈洞閉塞(PICSO)は、冠状静脈系を介して心筋虚血の急性治療を行うための逆行灌流法として知られる。PICSOとSRPは、空気ポンプと接続する冠状静脈洞の開口部上に配置されたカテーテル(先端にバルーンが付属)と接続する形で用いられ、冠状静脈洞血液(PICSO)の方向を受動的に変更するか、または拡張期(SRP)に動脈血を虚血性心筋へと積極的に送り出す。これらの技術により、虚血性の変化、梗塞サイズ、心筋出血、および無血流再開現象を減少させ、急性閉塞後に冠血流が回復した場合は左心室(LV)機能の改善に効果をもたらすことが判明している。しかし、これらの技術に関する種々の適用法は、その安全性と複雑性に対する懸念(特にバルーンと接続した冠状静脈洞が繰り返し閉塞する必要性など)によって制限されている。高圧(SRPおよびPICSO)と流れ(SRP)により、血栓症および慢性心筋浮腫などが発生して冠状静脈洞への損傷を引き起こす可能性が考えられる。
我々は、本明細書に援用されている方法論について、急性および慢性適用の双方を動物研究で検証した。急性適用に関する直近の研究では、虚血心筋の収縮機能の保存が、急性LAD動脈結紮中に外部ポンプを使用することなく、選択的自動逆行性灌流(SARP)を用いて達成できることが判明した。SARPが血管からの出血または筋細胞の損傷を伴わず、規制された圧力で心筋機能を維持することができるという仮説についても検証を行った。この動物研究に関連して、ヘパリンのボーラス投与は器具の使用前に行われ、200秒間にわたって活性凝固時間(ACT)を保つために、 必要に応じてその後補充を重ねた。右大腿動脈は7FRカテーテルでカニューレを挿入し、動脈圧のモニタリングのために圧力変換器(TSD104A - Biopac Systems社)に接続した。胸骨切開の前に、右頸動脈にl0Frポリエチレンカテーテルを用いて首の腹外側に位置する切開部経由で カニューレを挿入し、逆行灌流時にLAD静脈を供給するための腕頭動脈に到達するよう調節した。カテーテルには、LAD静脈へ送られた動脈圧を制御するために使用されたローラークランプが付属していた。右頸静脈には、薬物および流体を投与するための8FRカテーテルを用いてカニューレを挿入した。 塩酸リドカインは、胸を開く前かつ手術の残余時間中に60μg/ kg /分の速度で注入を行った。リドカインと共に、硫酸マグネシウム(10 mg/分IV)も、対照グループに対して期外収縮を治療するために使用された。昇圧剤(Levophed(R)、ノルエピネフリン酒石酸注入、ミネアポリス、MN、2-6μg/分IV)も手術中に使用され、一定の動脈血圧(70.0±8.9 mmHg、平均)を維持するために適宜調節が行われた。最後に、ヘパリンおよびニトログリセリンを0.9%塩化ナトリウム60mLに希釈し、シリンジポンプを用いて1ml /分の速度で注入した。胸は縦隔開胸術を用いて処置を開始し、心膜固定縫合で心臓をサポートするために固定具を用いた心膜切開を行った。
圧電超音波結晶(34ゲージの銅線上に直径2 mm - Sonometrics社)を一対用い、壁中央部の長さの変化を測定して心筋の局所機能評価を行うために、小規模刺切創を介して、LAD動脈結紮の所定位置(SARPグループでは第1対角枝の下、対照グループでは第2対角枝)の遠位に位置するLV(リスク領域)の前壁に移植した。また別の結晶一対も、LAD動脈の近位に位置する通常灌流領域(制御領域)内のLV前壁に移植した。
図18は、動脈と逆行灌流カテーテルを示す逆行灌流システムの概略を示している。結晶の各対は心臓の短軸から約10〜15 mm離れて、かつ軸に平行な中央心筋(心外膜から約7mm)に配置した。その後。結晶の音響信号をオシロスコープで確認した。SARPグループ(連結+逆行灌流)では、後続の結紮を考慮して、第1対角枝の遠位に位置する周囲組織から離れた部分のLAD動脈を切開した。2.5mm フロープローブをLAD動脈の周囲に配置し、流量計(T403 - Transonic Systems社)に接続した。LAD静脈はまた、大心臓静脈との接合部付近にて切開し、冠状静脈洞への流出を防止するために近位部を2-0絹縫合糸で結紮した。その後、LAD静脈の結紮部下に、4方向栓の1つを介して腕頭カテーテルに取り付けた10Frカニューレを挿入した。フロープローブは、冠状静脈の流れを測定するために栓との間に配置した。そして、(図18に示すように)逆行灌流カニューレから圧力監視ラインを介して静脈圧を記録した。逆行灌流はLAD動脈結紮後すぐに開始し、3時間継続した。動脈血サンプルは、ベースライン時および結紮+逆行灌流(pH、ヘマトクリット、電解質、活性化凝固時間、心臓トロポニンIの監視を行うために用いる)の第1、第2および第3の時間の終盤に採取した。冠状静脈SARPは、本開示におけるカテーテル10とシステム100の様々な実施形態に関して決定的な治療法が確立される以前に、急性虚血中に心筋を保護する手段として有用であると考えられる。
SARP は、酸素化された血液の逆行性灌流を介して虚血性心筋への保護を提供することができるだけでなく、血栓溶解剤や抗不整脈薬の投与、および手術が決定した患者にPTCAまたはCABGを実施する前に各冠動脈間の冠血流に対する細胞・遺伝子治療を行うための経路としても機能することができる。上記に加えて、本開示における様々な装置およびシステムは、身体器官に対して逆行性灌流法を実施し、多種多様な身体症状を治療するために使用できる。上記で援用されるように、本開示の装置およびシステムを使用して、体内のある血管から別の血管へ血液を供給することができる。しかし、以下に示すように、当該の装置およびシステムは以下の新規方法および手順を実行する際にも使用できる。
上記で援用されるように、酸素および栄養素を豊富に含んだ血液(動脈血)を提供するために静脈を利用するという概念は、冠状動脈疾患の程度にかかわらず、対応するもう片方の静脈にアテローム性動脈硬化症が存在しないということを前提としている。
追加的な事実としては、上半身の動脈系は、下半身に比べてアテローム性動脈硬化症の傾向がはるかに少ないことが挙げられる。このように、本開示では、上体が一般的に動脈疾患を有する臓器の静脈系への動脈血供給源として機能し、その点においても本開示の装置およびシステムが使用可能であることを示している。(本明細書中で援用されるように)SARPを可能にするには、システムの一部がSARPに対して使用される際に適切な静脈還流を保証するため、静脈系は冗長性(動脈ひとつに対して複数の静脈が存在すること、および静脈血管間の相互接続)を有する必要がある。
そこで、動脈血液ドナーおよび器官(静脈系)を特定する種々の器官または身体領域における逆行灌流について、これに関する様々な実施形態は、本開示において以下のように示される。
(i) 末梢血管。 本開示の装置およびシステムの実施形態は、血管新生の効果により糖尿病患者(汎発性疾患)における脚の切断や壊死や壊疽性足部潰瘍などを治療するために、大腿動脈、大腿動脈内、または腸骨動脈から、例えば遠位の伏在静脈または深部筋肉静脈まで酸素を豊富に含んだ血液を提供するために使用できる。この静脈系は、バルブ(直径1〜1.5mmよりも一般的に大きい)を有している。このバルブは当該の末梢血管治療を実施するため、カテーテル法(ガイドワイヤおよびSARPカテーテルの挿入。ガイドワイヤの寸法は0.014’’標準ガイドワイヤに対して0.35mmまで)を介して克服(反転)される。
(ii) 腎臓腎静脈。 本開示における装置およびシステムの実施形態は、部分的(極性静脈)または全体的(左または右主静脈)を問わず、大腿・腸骨動脈(疾患が存在しない場合)または上半身の腋窩、上腕、鎖骨下動脈を介して、必要に応じて腎静脈の血管新生にも使用することができる。当該の手順は、アテローム性動脈硬化症の拡散に起因する急性または慢性腎の虚血、重篤な内膜過形成を治療するため、およびコラーゲン血管疾患に関連する腎臓病を治療するためにも用いることができる。
(iii) 腸(内臓系)。本開示の装置およびシステムでは、大腿骨、腸骨、腋窩、上腕、鎖骨下、または上腹部の動脈など、様々な動脈供給源を利用して(静脈弓での)静脈吻合に伴う局所的な血管新生を行い、腸間膜動脈虚血を治療することができる。少なくとも一つの実施形態では、当該の血管新生は深刻な腸虚血を有する患者において急性塞栓性または血栓性腸間膜動脈閉塞を治療するために実施される。
(iv)脊椎。 脊椎システムの2つの主要部門のひとつである頭蓋内静脈には、皮質静脈、硬膜洞、海綿洞、および眼静脈が含まれてる。もうひとつの主要部門、椎骨静脈系(VVS)は、脊椎全体に沿って椎骨静脈叢を有している。頭蓋内静脈は後頭下領域のVVSと密接に吻合するほか、尾側では脳脊髄静脈系(CSVS)が仙骨と骨盤静脈および前立腺静脈叢と繋がっている。CSVSは、バルブを伴わない大容量かつユニークな双方向静脈網を形成している。CSVSは姿勢および脳からの静脈流出の変化に伴う頭蓋内圧の調節において重要な役割を果たす。
また、CSVS は腫瘍、感染症、または一方向の異なる構成要素間の塞栓を拡散するための直接的な血管経路を提供する。本開示の装置およびシステムの種々の実施形態は、外頚動脈、上腕動脈、腋窩動脈から酸素を豊富に含む血液を直接頸静脈に送ることで、脊髄虚血など、数々の潜在的な脊髄傷害や疾患の治療を行うためにも使用できる。
(v)陰茎。本開示の装置およびシステムの種々の実施形態はまた、上腹部動脈から陰茎背静脈、および陰茎の海綿系に動脈血を提供して勃起不全を治療するために使用することができる。
個々の臓器に関連する上記の例は、単に本開示の灌流装置およびシステムの種々の新規用途を例示的に述べたものであり、すべての症例を網羅している訳ではない。本開示には、本開示の装置およびシステムを使用して器官関連疾患の治療、各身体器官またはその付近で血管新生を実施するための様々な方法を記載している。例えば、図19に示すように、本開示における臓器灌流の例示的な方法が示されている。方法1900は、少なくとも1つの実施形態では、患者の動脈に装置の少なくとも一部を配置するステップ(例示的な動脈位置決定ステップ1902)、標的器官およびその付近に位置する患者の静脈に同装置または異なる装置の少なくとも一部を配置するステップ(例示的な静脈位置決定ステップ1904)、および配置された部分を操作して動脈から静脈へ血液を送り、標的器官の症状や疾患を治療するステップ(例示的な操作ステップ1906)を示している。一例として、例示的な動脈位置決定ステップ1902は、患者の動脈内にカニューレ16を有する第1のカテーテル10の少なくとも一部を配置することによって行うことが できる。第1のカテーテル10は、自身を介して動脈血が流れるよう構成されているほか、動脈血の一部がカニューレ16を通って流れるよう誘導することもできる。例示的な静脈位置決定ステップ1904は、標的器官またはその近くの患者の静脈内に第2のカテーテル150の少なくとも 一部を配置することによって行うことができる。第2カテーテル150は、動脈血の一部または全てを受け取るよう構成される。このような実施形態(カテーテル10およびカテーテル150を使用し、慢性的治療と呼ぶことができる)では、例示的な動作のステップ1906は、第1のカテーテル10のカニューレ16を第2のカテーテル150の一部に接続することで、カニューレ16を通って流れる動脈血のすべてまたは一部を静脈に供給し、標的器官の症状や疾患を治療することができる。また、別の例として、例示的な動脈位置決定ステップ1902は、患者の動脈内に少なくとも灌流システム100の動脈管1032の部分を配置することによって行うことができ、動脈管1032は自身を通じて動脈血の送達が可能となるよう構成される。例示的な静脈位置決定ステップ1904は、標的器官またはその近くの患者の静脈に少なくとも灌流システム100の第1のカテーテル1000の一部を配置することによって行うことができ、第1のカテーテル 1000は動脈管1032から動脈血の一部または全てを受け取るよう構成される。本発明のシステム100を使用した、急性治療と呼ぶことができるこのような実施形態では、例示的な操作ステップ1906は灌流システム100の第1流量調節弁1036の操作を行い、動脈血の一部または全部を動脈管1032を通って静脈に流すことで標的器官の状態または疾患を治療するために用いられる。
上記に加えて、本開示でいう装置(カテーテル10および/またはカニューレ16など)、システム100、および/またはSSAシステム300などの様々な実施形態において、このようなカテーテル10、カニューレ16、および/またはシステム100は、必要に応じて以下に従って構成された局所低体温システム4000を有する場合がある。図20の構成要素ブロック図および本明細書にて詳細を示すように、本開示における様々な局所低体温システム4000は、体内の所定の場所へ送達される血液および/または他の流体を冷却する(温度を下げる)目的で構成される。この冷却工程の範囲は、例として、哺乳動物の体内を流れる血液の標準温度よりも約0.5℃から最大10℃となる。いくつかの実施形態では、本開示でいう1つまたは複数の局所低体温システムを利用することで10℃を超える局所的な血液冷却が目標とされる、および達成される場合もある。様々な実施形態では、局所低体温システム4000は、更に、哺乳動物の体内(例えば冠動脈および/または大脳動脈で発生しうる閉塞などが原因で比較的到達が困難とされる組織などにおいても)での使用に適合するよう構成されている。本開示でいうこのような局所低体温システム4000は、リスクのある領域を冷却することにより灌流に伴う傷害を低減させる目的でも有効である。その場所が心臓および/または脳(またはその付近ないし内部)であるかによらず、例えば心臓または脳内の動脈を開く前に灌流傷害を抑え、梗塞の規模を縮小させることが重要となる。本明細書内で一般的に援用されるように、逆行性灌流は目標とする位置に血液を送達するための理想的なメカニズムであり、本開示でいう局所低体温システム4000を本開示の1つ以上のカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300と併用することで、開かれた静脈から心臓や脳などのリスク領域まで所望の/目標とする温度で効果的に血液を送達することができる。
一般的に、これらのカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300は、本開示でいう1つ以上の局所低体温システム4000と併用することで、比較的低温下における酸素化血液の灌流/逆行性灌流、血管内における血液灌流の制御、高血圧(静脈の血管新生など)下における血管状態の調整、虚血心筋への酸素化血液流量の増加、および/または心筋梗塞発生時における急性虚血性領域の低減などを可能とする。
本開示の局所低体温システム4000に関する少なくとも一つの実施形態では、図20に示すように、局所低体温システム4000は本開示の1つ以上のカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300(本明細書にて援用されるカテーテル10、カニューレ16、第2のカテーテル150、コネクタ170、第1の移植片185、第2の移植片190、Yコネクタ320、第 3のカテーテル350、第1のカテーテル1000、動脈血チューブ1032、カプラカテーテル1042、および/または他の構成要素など)と結合された熱交換器4002を備えている。熱交換器4002は、様々な実施形態において、カテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300の1つ以上の構成要素を通じて流れる血液温度を下げるために用いられる。この血液は最終的に、通常よりも低温で(または局所低体温システム4000を使用せずに)心臓および/または脳(またはその付近ないし内部)などの目標とする注視領域まで送達される。 例えば、少なくとも1つの実施形態では、局所低体温システム4000は、様々なカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300を用いて構成される一般的な血液回路を介して、心臓および/または脳(またはその付近ないし内部)などで送達される血液温度を約3℃から4℃下げるために用いられる。
本明細書で援用されるように、熱交換器4002は、パーフルオロカーボン、液体二酸化炭素、ヘリウム、他の気体および/または当技術分野で公知の冷媒、冷却機構など、本開示のカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300の構成要素を介して血液および冷却された血液下またはその付近に位置する組織の冷却に役立つ1つまたは複数の冷却製品4004を利用することができる。更に、1つ以上の温度センサー4006は、本開示のカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300、カテーテル10、カニューレ16、第2のカテーテル150、コネクタ170、第1の移植片185、第2の移植片190、Yコネクタ320、第3のカテーテル350、第1のカテーテル1000、動脈血管1032、カプラカテーテル1042および/ または他の構成要素の様々な構成要素と結合することができる。そのため、血液および/または組織温度(使用されるカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300に応じた心臓および/または脳(またはその付近ないし内部)の温度を含む)は、温度センサー4006によって検知され、遠隔モジュール270および/または他のデータ収集・処理システム/メカニズムに転送(有線または無線)される。これにより局所低体温システム4000のユーザは、必要に応じて(心臓および/または脳(またはその付近ないし内部)の)局所的な温度を調節することができる。汎用装置4008は、本開示の例示的な局所低体温システム4000に結合して操作可能な装置として図20に示されている。汎用装置4008はまた、本開示の1つ以上のカテーテル10、カニューレ16、システム100、SSAシステム300、その他の装置および/またはシステムを含むことができる。
本開示の例示的なキット4010は、図に示されるように、本開示の例示的な汎用装置4008に結合された例示的な地域の低体温システム 4000を含む。
更に、様々な実施形態において、熱交換器4004は、動脈 - 静脈コネクタ、二重内腔カテーテル、および/または本開示の1つ以上のカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAの別の構成要素レ ベルとして使用できる。心臓に関しては、特にドアからバルーンまでの時間が2時間以上の患者、再灌流傷害の高いリスクを有するST部分上昇型心筋梗塞(STEMI)の患者、および/または血行動態が不安定な患者にとって重要である。本開示の局所低体温システム400の使用には、対象となる動脈を開く前の迅速な経皮挿入と心筋領域の冷却など、再灌流傷害に伴う炎症反応の連鎖を回避するための利点が複数存在する。上記で一般的に援用されるように、本開示の様々な局所低体温システム4000は、多少体温を下げることで心臓の梗塞サイズとその度合を低減するよう構成および動作を行うことができる。種々のカテーテル10、カニューレ16、システム100、および/またはSSAシステム300に結合するこれらのシステム4000は、必要に応じて慢性および急性心不全に対処することができる。また一般的に、本明細書に援用されるように、局所的に血液温度を低下させることで傷害および/または炎症の程度を軽減することもできる。
本適用に関する開示はまた、現在確立されている侵襲的切開手術(動脈血圧を静脈に送達する過程で静脈弁を破壊し、浮腫を誘発してしまう)の有効性を、外科的/経皮手術(より侵襲性が低い、手術時間が短い、弁の除去を要しない、および静脈の圧力を減衰させることで浮腫を減少させるという利点を有する)に応用するという潜在的な目標にも関連している。下肢で動脈血流が完全に(または大半が)閉塞が発生している場合、本開示でいうさまざまな装置を使用して肢部に対する静脈系を介した動脈血の逆行性灌流を行うことで、患肢救済を行うための十分な量の酸素と栄養を供給することができる。したがって、本開示には、患肢救済の代替法として静脈循環を使用し、新型の逆行性灌流装置を介して四肢の虚血部に動脈血を逆行様式で送達し、長時間にわたる手術をよりシンプルな外科的/経皮に転化させる方法が含まれる。実質的に毛細血管内を前進する元の動脈血が存在しない場合、動脈血が実際の静脈圧よりも高い圧力下で静脈系に供給されると、元の動脈と新生した静脈間に、虚血組織に栄養および十分な酸素供給を行って患肢救済を実現する(四肢切断を回避する)ための側副網を形成する良い刺激となる。
本開示における静脈血管新生を行うための例示的なカテーテルは、図21に示されている。図21に示すように、カテーテル3100はハイブリッド血管内カテーテルとして構成され、近位端3104および遠位端3106を有する細長い本体3102を備えている。バルーン3108(カテーテルの分野で使用される膨張可能な個体の任意数)は、少なくとも1つの実施形態では、細長い本体3102 に沿って近位端3104よりも遠位端3106の近くに配置される。バルーン3108は、様々な実施形態において、所望されるように気体および/または液体などを用いた拡張可能(膨張)式か、または気体および/または液体などを用いて自動的に膨張するかのいずれかとなる。本明細書において、後者は「自動膨張可能」と称される。図21に示すように、本開示の例示的なカテーテル3100は、遠位端3106またはその付近に、細長い本体3102を介して定義された開口部3110を複数有している。開口部3110は、酸素を豊富に含んだ動脈血などの液体を通過させ、細長い本体3102の縦の長さに沿って定義されたカテーテル内腔3112内から開口部3110を通って、虚血静脈血管などの対象となる内腔器官まで送達するよう構成される。開口部3110は、特定の他の実施形態において、カテーテル3110の実質的な全体または部分的な長さを拡張することができる。開口部3110の数、密集度、および/またはサイズ、寸法(カテーテル3100の内径または断面積)は場合に応じて異なる。圧力効果によって圧力を制御することで、酸素を豊富に含んだ動脈血がカテーテル3100を通って開口部3110まで流れる際の圧力は静脈系が許容しうる圧力範囲内となる。したがって、種々のカテーテル3100の特徴(長さおよび直径など)についての試験を実施し、生体内で想定しうる抵抗種類に対応する適切な圧力/流量の関係を確認する場合もある。
対象となる内腔器官内における適切な誘導および位置決定を可能にするため、カテーテル3100に関する本開示の種々の実施形態は、ガイドワイヤ3114を受容する(カテーテル3100の内腔3112内など)よう構成されている。ガイドワイヤ3114は、図21に示されるように、カテーテル3100の近位開口部3116(「側面入口」という)と遠位開口部3118の間に位置するカテーテル3100内に配置することができる。また、本開示におけるカテーテル3100の少なくとも1つの実施形態では、カテーテル3100の近位端3104は、いくつかの実施形態における任意のコネクタ3122(「クイックコネクタ」と称される)を使用した当該の連結をもって移植片3120(「人工装具」という)の取り付けが可能となるよう構成される。
1つ以上のコネクタ3122を使用する実施形態では、カテーテル3100の近位端3104は、「メス」端部またはコネクタ3122とオス・メス端部の併用、また移植片3120は「オス」端部またはコネクタ3122とオス・メス端部の併用により構成される。他の実施形態では、反対側のジェンダー接続は当該の構成要素上で行われる場合もある。
本明細書で援用されるように、図21にあるような一般的なシステム3150は、図24Bおよび本明細書にて詳細に示すとおり、本開示の例示的なカテーテル3100、および例示的な移植片 312、例示的なガイドワイヤ3114、および/または例示的な拡張器3402といった1つ以上の追加要素を含む。
図21に示されるように、移植片3120は、対象となる動脈を対象となる静脈に効果的に吻合するために使用できる。例えば、図 23Bに示されるように、移植片3120の近位端3124は動脈3220(図23Bに示すように、大腿動脈など)の中に配置することができる。移植片3120 の遠位端3126は、静脈3222(図23Bに示すように、伏在静脈など)内に配置することができる。このため、酸素を豊富に含んだ血液が動脈3220から移植片3120の内腔3128を通って、直接的またはコネクタ3122を介してそこに結合したカテーテル 3100内に流れることができる。移植片3120の寸法は、(血栓症を経由して)閉鎖する内腔3128のリスクが低減または排除されるようなものが望ましい。図3Bに示すように、移植片3120は、びまん性疾患(図のようなアテローム硬化性プラーク3224など)を有する動脈3220の領域に対して近位となる動脈3220の内部に配置されるため、移植片3120の配置によって動脈3220には十分な量の酸素化動脈血が流れることになる。適切に配置および接続がなされている場合、血液は動脈3220から移植片3120を通ってカテーテル3100の内腔3112に流れ、開口部3110から流出する。これにより、静脈3222内のカテーテル3100の遠位端3106またはその付近に位置する末梢/側副静脈3206に、酸素を豊富に含んだ血液を導入することができる。本開示のカテーテル3100に関する様々な実施形態では、図21または本明細書中で援用されるように、カテーテル3100はポリウレタンおよび/または他の合成ポリマーのような1つ以上の生物学的適合性材料で構成される。本開示の移植片3120および/またはカテーテル3100でも、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)、ポリエチレンテレフタレート(Dacron(R)(登録商標)など)、および/または他の合成ポリマーと同一または異なる材料を含むことができる。また、本開示のカテーテル3100に関する少なくとも一つの実施形態は、少なくとも部分的に、例えばヘパリンなどの抗凝固剤および/または抗血栓性材料で被覆される。 本開示の例示的なカテーテル3100と、例示的な移植片3120は、移植片3120の吻合を目的として、それらの固有の結合特性方法および/または1つ以上のコネクタ3122を使用して相互に結合させることもできる。少なくとも一つの実施形態において、カテーテル3100を移植片3120と組み合わせることにより、酸素を豊富に含んだ血液の流れを制御し、動脈から対象とする静脈領域まで確実に送達することが可能となる。本明細書に援用されるように、血流量および血圧が急激に増加(向上)すると静脈の膨張や局所的な血液蓄積、静脈破裂の発生リスクが高まるため、静脈の血管新生は制御された形で、または徐々に行われるのが望ましい。移植片3120は、様々な実施形態において、不慮の移動を避けるため、またはより安定した状態を保つために動脈および/または静脈に縫合することもできる。また、移植片3120の寸法(長さ、内径または断面積など)は、移植の際に流れる血液の初期制御測定値(流量、圧力)に応じて変更できる。移植片3120および/またはカテーテル3100の寸法を制御することにより、上記で援用したように、対象の静脈または静脈に流れる血液の圧力を低下させることによって浮腫のような副作用の最小化/制御が可能となる。本明細書で更に詳細に援用されるように、移植片3120の移植は経皮的に行うことができる。
本開示の追加カテーテル3100の実施形態は、図2に示されている。図22に示すように、カテーテル3100は外部軸3200(その近位端部3202で分割された状態)内に嵌合するように構成されている。そのような実施形態では、カテーテル3100は細長い本体3102内に開口部3110を複数有しており、流体を細長い本体3102の内腔3112を通って、開口部3110の外に流すことができる。図22に示されるような本開示の例示的なカテーテル3100は、部分的または完全に生分解性および/または生体吸収性といった特徴を有する。ポリ(乳酸 - グリコール酸共重合体)(「PLGA」)のような種々のポリマーは、図22に示されたノード3204のように、種々のカテーテル3100の構成要素内で使用する ことができる。ノード3204は、図のように、伏在静脈などの内腔器官の異なるレベルにおける分節閉塞に備えて、カテーテル3100(細長い本体3102上など)の外壁に配置される。例示的なノード3204は、1日または数日、数週間、数ヶ月などの異なる時間軸で再吸収を行うことができる。またそれぞれの再吸収により、酸素を豊富に含んだ血液を初期導入部の近位に位置する静脈領域に徐々に導入し、初期導入部の近位に位置する静脈において段階的な血管新生を促進することが可能となる。様々な実施形態では、外部軸3200は開口部3110を覆うようにして使用/構成される。これにより、静脈内の異なる箇所において血管新生が必要となる場合に外部軸3200を後退させ、元の露出開口部3100の近位に位置する追加の開口部3110が対象となる追加静脈領域に対して酸素を豊富に含んだ血液を灌漑することができる。外部軸3200は、様々な実施形態において、ノード3204を覆うように使用/構成される。これにより、ノード3204に血液が流れるよう外部軸3200を後退させて、ノード3204の再吸収プロセスを開始/促進することが可能となる。図22に示すような例示的な生分解性および/または生体吸収性カテーテル3100は、コネクタ3122など、図21また本明細書にて示すような追加機能を有することができる。
図 23A のステップ形式で示されているように、本開示の例示的なカテーテル3100は、図23Bに示されている哺乳動物の体位に基づき、下記の方法に従って使用することができる。本開示の例示的な方法3300では、小規模切開は、腸骨、大腿骨、または膝窩動脈(例示的な動脈切開ステップ3302)などの末梢動脈源レベルにて行われ、また同様の吻合(例示的な移植片吻合 ステップ3304)を実現するため、移植片3120の近位端 3124は動脈に、移植片3120の遠位端3126は伏在静脈など対象とする静脈に配置される。方法3300は、少なくとも1つの実施形態では、更に対象とする静脈(伏在静脈など)への1つまたは複数の穿刺ステップ(例示的な静脈穿刺ステップ3306)を含む。これにより、経路上の静脈弁を回避しつつ(例示的なガイドワイヤの前進ステップ3310)、ガイドワイヤ 3114の少なくとも一部を穿刺開口部を介して静脈に導入(例示的なガイドワイヤ挿入ステップ3308)し、ガイドワイヤ3114を対象とする静脈(踝部の伏在静脈など)の一部またはその付近に向かって遠位に前進(進行)させる。本開示の様々な方法3300は、更に、ガイドワイヤ3114上にカテーテル3100を前進(進行)させ、ガイドワイヤ3100の遠位端3106 を対象領域の静脈内に配置(例示的なカテーテル前進ステップ3312)、およびカテーテル3100(カテーテル3100の近位端3104など)を直接またはコネクタ3122を利用して移植片3120(移植片3120の遠位端3126など)に接続し、酸素を豊富に含んだ動脈血を解放することでそれを動脈からカテーテル3100の内腔3112ないし開口部3110へと送達(例示的なカテーテル-移植片接続ステップ3314)するステップを含んでいる。このような小規模外科的処置、すなわちカテーテル-移植片ステップ3314により、大腿動脈などの動脈間で血管移植吻合が発生する。
これにより、移植片3120およびカテーテル3100を経由して、酸素を豊富に含んだ動脈血を動脈から静脈へ、そして下肢を含む様々な四肢まで流すことができる。本開示のステップ3310および/または3312、または他のステップ3300は、蛍光透視法、血管超音波(「IVUS」)、表面音波、または他の走査方法を用いて行うことができる。これにより、ガイドワイヤ3114および/またはカテーテルのユーザーは、当該装置の一部が患者の脈管構造内のどこに位置しているかを認識することができる。逆流の回避または低減、および/または対象となる静脈内のカテーテル3100の一部を固定させるために、本開示の例示的な方法3300は、更にバルーン3108(バルーン3108に結合された膨張源を手動または自動で操作する)を膨張させるステップ(例示的なバルーン膨張ステップ3316)を含んでいる。少なくとも1つの実施形態では、バルーン3108はカテーテル3100の遠位端3106から約1〜2cmの位置に配置される。バルーンを膨張させることで対象領域の選択的な逆行性灌流を固定(浮腫を最小化)し、逆行性灌流が確立された後の前向性血流を防止する。上記で参照した方法3300に含まれるステップは、上述とは異なる順序で実行してもよい。例えば、ステップ3304はステップ3310および3312の後に行ってもよい。
このような患者の体内でカテーテル3100を使用した後、例えば2〜4週間後には、
当該領域、カテーテル3100の遠位端3106またはその遠位に位置する静脈血管が新生する。その後約4〜6週間にわたって元の動脈系に新生した静脈血管による側副路が形成され、脚やその一部分(足部分など)などの手足の血管再建を行う。血管の新生が行われた後、カテーテル3100は患者の体内から取り除くことができる(例示的なカテーテル除去ステップ3318)。しかしながら、カテーテル3100を除去する前に、カテーテルの除去ステップ3318は、更に、静脈を動脈に接続し、血管新生が行われた遠位静脈領域に酸素化血液を供給する追加のステップを含んでもよい。このようなステップはまた、近位静脈の一部を縛るおよび/または切り取ることで静脈を閉塞させるステップを含んでもよい。一般的に、カテーテル3100を除去することで対象の静脈領域への酸素化血液供給が中止され、動脈を静脈に接続することで静脈に向けた酸素化血液の継続的な供給が可能となる。紐や切断ツールなどを用いて対象領域の近位に位置する静脈を縛る/切り取ると、静脈を流れる不要な逆行性血流をなくすことができる。上記で援用される例示的な方法3300、または本開示のカテーテル3100に関するその他の方法(すべてまたは一部)は、患者の血管系内に配置される。カテーテル3100を患者の脚部に配置することで、患者の歩行や着席といった患者の特定の可動性を回復させることができる。
このような実施形態では、カテーテル3100は、展性があり構造的な崩壊リスクのない生物学的適合性材料で構成されているため、全体的な快適性が向上する。しかし、中には患者が血管系へのカテーテル3100(大半またはすべて)の配置を希望しない、または医師/介入治療技術者が異なる様式でカテーテル3100を使用することを決定する、またカテーテル3100の異なる実施形態を選択する場合もある。
したがって、本開示の少なくとも1つの追加の方法3300は、図23C のステップ形式および下記にて示すとおりとなる。本開示の少なくとも1つの追加の方法3300において、方法3300には、対象となる静脈(伏在静脈など)の幅に平行(または実質的に平行)となる皮下トンネル3400を通じて患者の体内へのカテーテル3300を移植し、目標とする対象領域(踝部の伏在静脈部分など)に到達させるステップ(例示的なカテーテルの移植ステップ3350)、および皮膚を切開して踝部伏在静脈部分のカテーテル 3100の遠位端3106を分離するステップ(例示的な皮膚切開ステップ3352)などが含まれる。図24Bに示すように、ステップ3350は、必要に応じて任意のガイドワイヤ3114、および/または任意の拡張器3402を使用して、同様に皮膚の穿刺を介して行ってもよい。拡張器3402は、少なくとも1つの実施形態では、断面がカテーテル3100の断面より大きい細長い本体を備えており、拡張器3402を皮下で前進させた場合、カテーテル3100を拡張器3402を用いて形成した皮下トンネル内に配置することができる。少なくとも別の実施形態では、図24B に示すように、拡張器は拡張器3402の縦の長さに沿って定義され、遠位拡張器の開口部3406またはその一端付近で終結する拡張器内腔3404を備えている。この場合、ガイドワイヤ3114および/または装置3100は拡張器内腔3404内に配置することができる。同様の観点から、カテーテル移植ステップ3350は様々な方法で行うことができる。例えば、カテーテル移植ステップ3350は、拡張器3402を使用して皮下トンネルを作成し、皮下トンネル内カテーテル3100の少なくとも一部分を前進させることによって行うことができる。別の実施形態では、カテーテル移植ステップ3350は、哺乳類である患者の体内においてガイドワイヤ3114を導入および皮下で前進させ、ガイドワイヤ3114を介してカテーテル3100の少なくとも一部分を前進させることで行ってもよい。まだ更なる実施形態では、カテーテル移植ステップ3350は、哺乳類である患者の体内においてガイドワイヤを導入および皮下で前進させるとともに、ガイドワイヤを介して拡張器を前進させて皮下トンネルを形成し、拡張器内にカテーテルの少なくとも一部を前進させることでも行われる。別の実施形態では、カテーテル移植ステップ3350は、哺乳類である患者の体内において拡張器内腔を有する拡張器およびガイドワイヤ内腔内部に配置されたガイドワイヤを導入および皮下で前進させ、皮下トンネルを形成した後に拡張器を除去し、ガイドワイヤを介してカテーテルの少なくとも一部分を前進させる方法でも行うことができる。更に別の実施形態でも、カテーテル移植ステップ3350は、哺乳類である患者の体内において拡張器内腔を有する拡張器およびガイドワイヤ内腔内部に配置されたガイドワイヤを導入および皮下で前進させ、皮下トンネルを形成した後に拡張器を除去し、ガイドワイヤを介してカテーテルの少なくとも一部分を前進させる方法で実施されている。
例示的な方法3300は、更に、従来の静脈穿刺または切開部を介して、静脈入口3408を形成するために対象となる静脈の穿刺を行うステップ(例示的な静脈穿刺ステップ3306)、およびカテーテル3100の遠位端3106を対象静脈(踝部の伏在静脈部分など)に導入するステップ(例示的なカテーテル導入工程3354)を含んでいてもよい。種々の方法3300はまた、例示的な移植片3120を移植(動脈切開ステップ3302を実行するのと同様)し、移植片3120の近位端3124を動脈内に配置、および移植片3120の遠位端3126をカテーテル3100の近位端3104でカテーテル3100に接続する場合に備えて利用可能な状態とするステップ、およびカテーテル3100(カテーテル3100の近位端3104などにおいて)を移植片3120(移植片3120の遠位端3126などにおいて)に、直接またはコネクタ3122を使用して接続し、酸素を豊富に含んだ血液を解放し、それを動脈からカテーテル3100の内腔3112、および開口部3110に送達するステップ(例示的なカテーテル-移植片接続工程 3314)を含む。この2〜4週間後には、当該領域、カテーテル3100の遠位端3106またはその遠位に位置する静脈血管が新生する。その後約4〜6週間にわたって元の動脈系に新生した静脈血管による側副路が形成され、脚など手足の血管再建を行う。血管の新生が行われた後、カテーテル3100またはそのうち生分解性をもたない部分を患者の体内から取り除くことができる(例示的なカテーテル除去ステップ3318)。全体的なカテーテル3100が生分解性または生体吸収性である場合には、カテーテルの除去工程3318は不要となる。ここでいう「側副路」の形成とは、本明細書に援用されるように、一般的に初期血管新生の経過中またはその後に発生する現象を指す。
動脈および静脈は通常お互い平行に流れており、静脈が血液を心臓に押し戻す排出システムとしての役割を果たす。本明細書で援用される1つ以上の方法3300を実行することにより、酸素を豊富に含んだ血液が静脈に流れ、血圧および全体的な血液栄養素が増加することにより血管新生が促進される。動脈は一般的に静脈との間で側副路の形成を行わない。これは、静脈が酸素を豊富に含んだ血液やその他の血液栄養素を提供することがないためである。酸素や栄養素が欠乏した血液が動脈を流れる場合、その動脈は酸素および/または栄養素を豊富に含んだ血液が流れる動脈と接続する必要がある。しかし、動脈は側副路形成に際して互いに隣接している必要があるため、このプロセスは自然と制限されてしまう。動脈と静脈は互いに重なり合うため、本開示の様々な方法3300を用いて、静脈の一部を動脈に接続するプロセスを効果的に行うことができる。その後、新生した動脈は他の隣接する動脈および(可能な場合は)隣接する静脈との間で側副路を形成する。本開示の種々の付加的な方法3300は、更に、カテーテル3100を対象となる静脈位置に、またはカテーテル3100を対象となる別の静脈に移動させ、患者の静脈血管系内の第2領域における血管新生を促進するステップ(図23Aおよび図23Cに示す例示的な第2領域血管新生ステップ3375)を含む。例えば、上記で援用されるように、カテーテル-移植片続ステップ3314は第1位置で実行され、所定の時間が経過した後、カテーテル3100 は患者体内の第2位置に移される。これにより、ステップ3375を介した追加の局所的な血管新生を実現する。
図24Aは、図23Cおよび本明細書にて示された方法3300に関連して有用な、本開示の例示的なカテーテル3100の構成要素の一部を示している。図24Aに示すように、 例示的なカテーテル3100は細長い本体3102、自動膨張が可能なバルーン3108、細長い本体3102の遠位端3106またはその付近に位置する複数の開口部3110、細長い本体の近位端3104に位置するクイックコネクタ3122(移植片3120をカテーテル3100の細長い本体3102に接続する)を有する。図24Bは、上記に援用される方法3300の1つないし複数に関連した本開示の例示的なカテーテル3100の配置を示している。この場合、カテーテル3100は皮下トンネル3400を介して皮下に配置される。そこに示されているように、カテーテル3100の遠位端3106は静脈入口3408を通って配置されるため、(酸素を豊富に含んだ)動脈血は移植片3120を介してカテーテル3100の内腔3112を通り、開口部3110から出て静脈3222に流れて末梢/側副静脈の血管新生を促す。図25は、特定の同一構成要素を有する本開示の例示的なカテーテル3100を示している。図示のように、カテーテル3100は、近位端3104および遠位端3106を有する細長い本体3102、遠位端3106またはその付近に配置されたバルーン3108、カテーテル3100の近位端3104でカテーテル3100に結合された移植片3120を含んでいる。図26Aおよび26Bは、哺乳動物の循環系の静脈3222内に配置された本開示のカテーテル3100の実施形態を示している。図示のように(図26Aはヒトの脚、図26Bは動物の脚)、カテーテル3100は大腿静脈3600の遠位に位置する大伏在静脈(静脈3222)内に配置されている。このとき、吻合部3602は移植片3120と大腿動脈3220の間に位置する。バルーン3108は、静脈3222内のカテーテル3100を固定するため、およびバルーン3108の近位に位置する大伏在静脈3222における動脈血の逆流を防止するために膨張を開始した形で示されている。
加えて、本開示の移植片3120およびカテーテル3100を使用することで、対象となる静脈での血圧と血流を制御できるだけでなく、カテーテル3100はカテーテル3100の移植箇所に現状で存在する静脈弁を(破壊せず)保持するためにも利用できる。例えば、図21に示すように、カテーテル3100の内腔3112を介してガイドワイヤ3114を遠位開口部3118まで前進させることで、対象となる静脈内にカテーテル3100を前進させ、カテーテル3100が通過する任意の弁にカテーテル3100の撤回または生体吸収に伴ってその動作を再開させることができる。上記に加えて、カテーテル3100および/または移植片3120は経皮的に移植することもできる。これは高リスクまたはその他の危険な状況下にある患者にとって好ましい移植方法となりうる。例えば、移植片3120は、対象となる動脈部位(ドップラーエコー、血管造影、または他の走査方法を用いて特定)に穿刺を行うことで経皮的な移植が可能であり、カテーテル3100は静脈(伏在静脈など。ドップラーエコー、血管造影、または他の走査方法を用いて特定)に経皮的に挿入することができる。また、クイックコネクタ3122を経皮的に使用してカテーテル3100と移植片3120を接続することでも、カテーテル3100の第2位置への移動または患者体内からの除去が促進される。上記で一般的に援用されるように、本開示の例示的な方法3300、本開示の例示的なカテーテル3100の使用法は、現在の侵襲的な外科手術に比べて多く の利点を有している。例えば、伝統的な外科的手技では終了までに数時間を要するだけでなく、ほとんどの場合(すべてではないが)に対象となる静脈の分岐部を結紮する侵襲的な切開手術となる。またその他の手術では実際に対象となる静脈自体を切除、反転、再接続することにより、別の合併症発生のリスクを高めてしまう恐れがある。本開示のカテーテル3100を使用することで、はるかに低侵襲かつ複雑な開放外科的処置を必要としない処置が実現するほか、漸進的かつ選択的な逆行性灌流/血行再建を介した下肢の動作不良の治療が可能となる。更に、上記で援用されるように、その他の外科手術では意図的に当該弁の破壊ないし機能抑制を行うのに対して、本開示のカテーテル3100を使用した場合は静脈弁の破壊を回避しつつ処置を進めることができる。上記に加えて、本開示でいう様々な方法3300は、血液を患者の脚(足)部の末梢静脈神経系だけでなく、体内のその他の領域に送達して血管新生を促すためにも用いられる。その他の領域とは患者の手、腕、胴体、およびその他領域を指し、これらは本開示の1つないし複数のカテーテル3100を介して動脈血を受け取る場所となる。
本開示はまた、冠状、末梢、その他の逆行性灌流方法/手順と接続して、および/または虚血状態を治療するために用いられる種々の灌流/逆行性灌流装置、システム、およびその使用方法等に関する様々な開示を含んでいる。本開示の様々な装置およびシステムは、患者の動脈から静脈までの血流逆行を促進し、酸素を豊富に含んだ血液を患者体内の各部に送達して治療効果をもたらすよう構成される。本開示の様々な装置およびシステムはまた、一般的に血圧を徐々に上昇させながら静脈の血管新生を長期的に促進し、最終的に新生した血管に患者の動脈系に存在する完全(または実質的に完全)な血圧への耐性を確立するためにも用いられる。更に、本開示の様々な装置およびシステムは、一般的にそれらの血管を通る血流の血圧を調節するために使用することもできる。
本開示の例示的な灌流/逆行性灌流装置は、図27A に示されている。図示のように、装置100は、壁4102を有する単一の本体4100、第1の端部4106で終結する第1の部分を含み、哺乳動物の動脈 4200(図28を参照)、および第2の端部4110で終結する第2の部分4108の内部に少なくとも部分的に配置されるように、および哺乳動物の静脈4202(同様に図28を参照)内に少なくとも部分的に配置されるよう構成される。図27Aに示すように、装置100は、壁4102の内側に定義される内腔4112を有する。装置100は、本明細書で援用されるように、一般的に装置の内部に何らかの内腔を備えている場合に「カテーテル」または「カテーテル装置」と称される。当技術分野で公知のそ他の逆行灌流装置100に配備される単一の本体4100に関しては、少なくとも1つの利点として、単一の連続的な構成要素であり、互いに結合が必要な2つの構成要素を有していないことが挙げられる。このような単一体4100は、したがって、使用中に2つ以上の構成要素の接続が切断されるというリスクを持たない。少なくとも1つの実施形態では、図27 A に示すように、装置100の第1の部分4104は、装置100の第2の部分4108よりも比較的短い。言い換えれば、図に示すように、第1の部分4104は第1の長さ(L1)を、第2の部分4108は第2の長さ(L2)を有し、L1はL2よりも短くなる。例えば、装置100のある実施形態では、L1の範囲は約5〜10cm、L2の範囲は約50〜70cmとなる。装置100のその他の実施形態において、L1が5cm以下または10cm以上で、L2が50cm以下または70cm以上である場合も本開示の範囲に含まれる。このような構成は、酸素を豊富に含んだ血液源を患者の足などの末梢領域に送達し、適切な動脈4200へのアクセスを最終的な送達位置から大きく離れた位置に設定することの必要性を潜在的に示している。患者の足など体内の末梢領域に酸素を豊富に含んだ血液を送達する能力は、最終的に起こりうる足の切断を回避するために有用である。このように、(比較的長い)第2の部分4108を用いることで、第1の部分4104と比較した場合、血液は装置100内部において、第2の部分410内の比較的長い距離にわたって移動することができる。そのような長形部は、患者の動脈4200内では必要とされず、第1の部分4104は、第2の部分4108よりも若干短くすることもできる。装置100の少なくとも特定の実施形態では、第1の部分4104がより短い方が望ましい。
本開示の例示的な装置100は、図27 Aに示すように、第1の一方向弁4114および第2の一方向弁4116を有している。セグメント4118を第1の一方向弁4114および第2の一方向弁4116の間に配置するか、第1の一方向弁4114および第2の一方向弁4116を互いにすぐ隣接するようなサイズおよび形状に成形することができる。第1の一方向弁4114は、第1ガイドワイヤ4204(図28を参照)の少なくとも一部を受容するようなサイズおよび形状であり、第2の一方向弁4116は、第2のガイドワイヤ4206(同様に図28を参照)の少なくとも一部を受容するようなサイズおよび形状となる。図27Aに示すように、第1の一方向弁4114は、第1の端部4106の反対側に位置する第1の部分4104またはその端部に、第2の一方向弁4116は第2の端部4110の反対側に位置する第2 の部分4108またはその端部に配置される。本開示の様々な逆行性灌流装置100は、冠状、末梢、および他の逆行性灌流方法に関連して、および/または本明細書の一部として組み込まれる様々な特許出願に援用される各症状を治療するために利用できる。例えば、装置100の第1の部分4104の少なくとも一部は、鎖骨または腋窩動脈(例示的な動脈4200)内部に、および装置100の第2 の部分4108の少なくとも一部は、鎖骨または腋窩静脈(例示的な静脈4202)内部に配置し、心臓またはその付近での治療(冠動脈逆行性灌流など)を促進することができる。例えば、図28に示すように、末梢系での使用も装置の第1の部分4104の少なくとも一部を腸骨動脈(例示的な動脈4200)内に、および装置100の第2 の部分4108の少なくとも一部は、伏在静脈(例示的な静脈4202)に配置することができる。例えば大腿動脈、腸骨動脈、および潜在的により極端な事例/状況において、大動脈そのもののような種々の動脈4200は、患者の静脈系に逆行方式で酸素を豊富に含む血液を送達するための潜在的な供給源として用いることができます。
更に、本開示の様々な装置100は崩壊することなく容易に変形が可能である柔軟な本体4100 /壁4102を有している(そのため内腔4112が開き続け、血液を第1の端部4106から本体4100を通り、第2の端部4110の外へと流すことができる)。本体4100の全体またはその一部は可撓性である。本体4102のこのような実施形態は、図27Bに示されるように、コイル補強壁(1つ以上のコイル4150が不浸透性コーティング4152と接続して、用いられる)を含むことができる。本開示の例示的な装置100の使用では、以下のステップ/タスクを含むこともできる。例示的な装置100は、図28に示されているように、一部が患者の腕の動脈4200内に、また一部が同部分の静脈4202内に配置される。第2のガイドワイヤ4206は、一方向弁4116を介して装置100に挿入し、第2の部分4108の少なくとも一部を静脈4202内に配置することができる。第1のガイドワイヤ4204は一方向弁4114を介して装置100に挿入し、第1の部分4104の少なくとも一部を動脈4200内に配置することができる。装置100または(必要に応じて)その一部を配置するにあたって、第1のガイドワイヤ4204および第2のガイドワイヤ4206は除去が可能で、一方向弁4114、4116は血液が装置100から漏出するのを防ぐ。本明細書で詳細に援用されるように、任意の拡張器3402は、第1のガイドワイヤ4204および/または第2のガイドワイヤ4206と動脈4200および/または対象となる静脈4202との間の移行を容易にするために使用することができるため、動脈4200および/または静脈4202は、拡張器3402の使用後に装置 100の一部を受容するよう徐々に拡張されます。例えば、1つ以上の拡張器3402を、第1のガイドワイヤ4204および/または第2のガイドワイヤ4206にかけて、動脈4200および/または静脈4202の内部へ前進させることができる。この場合、拡張器3402の外周はガイドワイヤ4204、4206よりも大きくなり、装置 100の一部は拡張器3402(複数可)を介して動脈4200および/または静脈4202の内部に配置されることに留意する必要がある。このような装置 100が適切に配置されると、血液は動脈4200から装置 100を通って静脈4202へと流れる。図28に示すように、装置 100は同一程度において動脈4200および隣接する静脈4202に入り込む必要はなく、このような角度(動脈4200と静脈4202に対して90°またはそれに近い)は潜在的な流体せん断を引き起こす可能性があるため、好まれない場合もある。図27Aおよび図27Cは、例示的な角度A1および例示的な角度A2を示している。本明細書にて示されるように、A1およびA2はそれぞれ90°以上で、図28に示されるように当該の角度も90°以上となる。角度A1およびA2が90°に近づき(装置の屈曲も90°に近づいている状態)、90°に到達(装置の屈曲も90°に到達)、するかまたは90°に満たなかった(装置の屈曲は90°以上)場合、血流が乱れて急旋回し、エネルギーが失われてしまう可能性がある(この状況は好ましくない)。角度A1がより大きくなると、装置 100の第1の部分4104は、例えば、図28に示されるような少なくとも1つの例示的な使用において、静脈4202内に配置された第2の部分4108よりも比較的高い位置の動脈4200内部に配置することができる。装置100の少なくとも一部が一般的に変形性/可撓性を有していることで、ユーザはより簡単に患者の血管内にある装置100の各種領域を配置できるだけでなく、装置100の移植に際して必要となる角度(角度A1およびA2など)を達成することもできる。例えば、装置100は患者の体内に(または最終的に)配置された際、図27 Aと28に示すようなS字形状となる。
図29は、本開示の装置100の更なる実施形態を示している。図示のように、装置100は、装置100の第2の部分4108の内部に配置された、または同部分と結合されたバルーン4300(バルーンポート4304を有するバルーン膨張管4302と接続)で構成されている。バルーン4300の膨張は気体および/または液体をバルーンポート4304へ導入することで、またバルーン4300の収縮はバルーンポート4304を介して気体および/または液体を排出させることで行う。バルーン4300は、少なくとも1つの実施形態では、患者の血管内の所定位置に装置100の一部を固定/保持するために有用である。バルーン4300は、また、装置100を介して流れる血流を逆行させ、バルーン4300が設置されない場合に達成される完全な流量よりも少ない流量に調節するためにも用いられる。例えば、バルーン4300の膨張および/または収縮を行うことで装置100の一部を流れる血流を制御し、装置100の一部を通って静脈4202へ流れる血液の所望の流量、血液量、および圧力(圧力/フローガイドワイヤを用いて決定)を調節することもできる。このように、装置100を用いることで、装置100を経由して静脈4202へ流れる血液の圧力と量(流量、血液量、圧力)を効果的に調節できる。少なくとも一つの実施形態において、一般的な寸法(装置100の各種領域の直径および/または長さ)は、そこを流れる血流がポアズイユの法則で示される一般的な教示を満たす所望の流量となるよう指定される。バルーン4300はまた、静脈4202から装置100への血液逆流を防止するために使用することができる。装置100の全体が変形可能である必要はないが、少なくともいくつかの実施形態において、第1の部分4104および/または第2の部分4108の一部は、本明細書に援用されるように変形可能とする。図30は、分割型導入器シース4400を使用して静脈4202内に部分的に配置された、本開示の装置100の実施形態を示している。
分割型導入器シース4400は、静脈4202の開口部内に配置することができ、装置100の一部(第2の部分4108など)は、図28に示されるように、第2のガイドワイヤ4206を使用して分割型導入器シースの内部に配置することができる。少なくとも一つの方法(または方法に含まれる1つないし複数のステップ)において、
分割型導入器シース4400は、動脈4200および/または 静脈4202の開口部(分割型導入器シース4400を2つ使用し、一方を動脈4200に、もう一方を静脈4202に配置するか、分割型導入器シース4400を1つのみ使用して動脈4200または 静脈4202のいずれかに配置)に配置し、ガイドワイヤ4204または 4206を使用して、装置100の一部を動脈4200および/または 静脈4202の内部へと前進させることができる。例えば、ガイドワイヤ4206は、種々の静脈弁4202(各バルブの中央/中心にある)を介して前進させることもできる。この弁は最終的に(弁を傷つけないように)ガイドワイヤ4206を除去した後も継続的に機能する。その位置に装置100の一部を配置した後、分割型導入器シース4400は分割して静脈4202から取り外すことができる(この時、装置100の一部は静脈内に残留する)。1つ以上の任意の縫合糸4402は、図30に示されるように、装置100を患者の皮膚4404に固定するために用いられる。また皮膚4404を覆い、治癒の促進および患部を比較的清潔に保つ効果を得るために、1つおよび複数の包帯4406を使用する場合もある。4〜6週間など一定の期間が経過し、装置100からの血流によって静脈4202で局所的な血管新生が達成された後、装置100は患者の体内から除去することができる。装置100を患者に接触させず、皮下に配置することが望ましい場合は、皮膚4404を介して切開および/またはその他の穿刺法を用い、装置を皮下に配置する。処置上、少なくとも1つの方法では、動脈4200に第1の部分4104を配置する前に、まず第2の部分4108を静脈4202内に配置する。このような方法では、動脈4200を流れる血液は、装置100を経由して静脈4202に送達される。しかし、第2の部分4108を静脈4202内に配置する前に動脈4200に第1の部分4104を配置した場合、動脈4200からの血液は静脈4202内の外にある装置100で止まってしまうためこれは推奨されない。
上記に加えて、本開示の少なくとも1つの例示的な装置100は、図30に示すように、圧力制御要素4408を含むことができる。圧力制御要素4408(装置に沿って様々な領域に配置が可能)を使用することで、ユーザは装置100の少なくとも一部を流れる通常の血圧を制御/調節することができる。圧力制御要素4408は、少なくとも1つの実施形態では、(様々な実施形態および/または使用において)装置100が移植され、使用中である場合に患者の身体外部に露出するセグメント4118またはその付近に配置される。
圧力制御要素4408は、少なくとも1つの実施形態では、装置100のユーザおよび/または装置100の設置/メンテナンス要員により調節を行うことができる。例えば、圧力制御要素4408は、咬合器(装置100内部において内腔4112を部分的に咬合する)、圧力/フローワイヤ(内腔4112の血圧を検知する)、または血圧/血液流量データの取得に、および/または装置100の局所寸法の調節に有用な別の装置を含むことができる。上記のように、外部圧縮器(別の例示的な圧力制御要素4408)、時間とともに再吸収される内部狭窄(ポリ(乳酸 - グリコール酸共重合体)(PLGA)、別の例示的な圧力制御要素4408)など、静脈への過圧を回避するため、および/または故意に装置100の動脈部(第1の部分4104)の寸法を減少させるため意圧力の制御/調節を行う方法はいくつか存在する。上記でポアズイユの法則に基づいて示されるように、直径および長さは、少なくとも1つの実施形態では、所望の圧力効果(少なくとも1つの実施形態において、カテーテルの直径(第1の部分4104)の減少を伴う。患者の動脈系における低いプロファイルの装置100を伴うため、望ましいとされる)を実現するために、動脈部(第1の部分4104)にて選定される。図30に示すように、本開示の例示的なシステム4450は、例えば、本開示の例示的な装置100、および第1のガイドワイヤ4204、第2のガイドワイヤ4206、分割型導入器シース4400、データワイヤ4460など、少なくとも1つのその他装備を含む。
本開示の例示的な装置100の一部の更なる実施形態は、図31Aおよび31Bに示されている。図31Aに示すように、例示的な装置100の(単一本体4100の)第2の部分4108の一部は、遠位端4110がフレア状先端4500を含む、定義する、および/または結合している部分に示される。図31Aに示すように、フレア状先端4500は、第2の部分4108の第2の端部4110に結合するか、第2の端部4110の一部となる、または第2の端部4110で定義される。図31Bおよび様々な実施形態に示すように、フレア状先端4500は、一般的に先細型または非フレア状である第1の構成4502から、一般的にフレア状である第2の構成4504に移行し、その後再度元の位置に戻るよう構成される。言い換えれば、フレア状先端4500は、様々な実施形態において、拡張されていない第1の構成4502から、一般的に拡張されている第2の構成4504に移行し、その後再度元の位置に戻る。この構成は、上記で援用されるように、装置100が流体を許容する内腔器官内に配置された場合に、そこを流れる流体の圧力に基づいて発生する。これについての詳細は以下に記すものとする。例えば、図31Bの左側に示すように、装置100が静脈4202の内部に完全に配置され、動脈血圧の影響を受けない場合、フレア状先端4500は第1の構成4502の内部または第1の構成4502に比較的近い部分に位置する。これは、静脈血圧(図31BのP1)の値がフレア状先端4500を第2の構成4504に移行させるのに十分な高さでなく、フレア状先端4500(本開示の内容に準拠して構成)が第2の構成4504に移行することができないためである。しかしながら、例えば、および図31Bの右側に示すように、装置100が本明細書にて一般的に援用されるように(装置100の第1の部分4104は動脈4200の内部に、装置100の第2の部分4108は静脈4202内部に配置される)血管系内部に配置された場合、フレア状先端4500は第2の構成4504または第2の構成4504に比較的近い位置に移行する。これは、静脈血圧(図31BのP1)が比較的低い値であるのに対して動脈血圧(図31BのP2)が高くなり、フレア状先端4500(本開示の内容に準拠して構成)が広がる、または一般的に拡張されるためである。本明細書で援用されるように、フレア状先端4500は、一般的に装置100の第2の部分4108の第2の端部4110を第2の端部4110が配置されている静脈4202の部分サイズ(内腔周囲)に膨張させ、血液の逆行を促すように構成される。このような構成において、フレア状先端4500は、流れの方向を調節する役割を果たす。少なくとも1つの実施形態では、図31B に示すように、例示的なフレア状先端4500はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、哺乳動物の組織、および/ または1つ以上の他の生物学的適合性を有する薄い(または比較的薄い)素材などで形成された薄い(または比較的薄い)膜4510を含む場合がある。この膜は複数の支柱4512(構造繊維とも呼ばれる)で補強され、ニチノール、ステンレス鋼、および/または1つ以上の他の生物学的適合性を有する硬質粗生物を含むため、フレア状先端4500に軸整合性が生まれ、それが第1の構成4502で使用される場合、静脈 4202への挿入時にシワが寄ったり、折り重なったりという問題を回避することができる。上述のように、フレア状先端4500の第2の構成4504は、本明細書で一般的に援用されるように、装置100が動脈圧に接続した場合の圧力によって誘導されうる(これは膜4510が膨張することにより開くためである)。除去に圧力が降下した場合(フレア状先端4500は崩壊)は、この逆の現象が発生する。フレア状先端4500はまた、本明細書で援用されるように、ニチノールのような1つ以上の成分材料のメモリ側面に基づいて広がって開く(第2の構成4504への移行)場合も存在する。この場合、支柱4512は、1つ以上の特殊な様式を用いて支柱4512に何らかのかみ合いを適用または接触することで、支柱4512を広げて開くための通常記憶を有している。
本開示の装置100に関する更なる実施形態は、図32に示されている。 図32に示すように、装置100は、多くの構成要素(図27Aを参照)およびフレア状先端4500(図31 Aおよび31Bを参照)を有している。また、少なくともこの実施形態では、装置100は、更に、第2の部分4108(図32を参照)の一部を含むテーパ部4600、または第2の一方向弁4116からフレア状先端4500まで拡張された第2の部分4108のすべて(または実質的にすべて)を含む。静脈断面積は一般的に身体の複数の末梢領域に向かって減少するため、このような装置100の実施形態は、患者の体内に配置するのが容易であるだけでなく、移植時の快適性を向上させることができる。また、より幅の狭いまたは先細型の第2の部分4108は、このような装置100が患者の実際の静脈(患者の脚部末梢静脈など)に対する高い適合性を備えているため、移植時または移植後の静脈破裂の危険性を低減させることができる。図32に示すように、テーパ部4600は、第1の直径が第2の直径よりも大きいため、第1の直径(図中のD1)から第2の直径(図中のD2)まで遠位に先細になっている。更に、本開示の1つ以上の装置の実施形態は、装置100の第2の部分4108の中に複数のテーパ部4600を有することができる。テーパ部4600の程度、数、および長さは、装置100の周辺の圧力度合を調節しながら選択し、静脈系への動脈圧送達を低減、および静脈系への過圧を回避することができる。例えば、第1の部分4104(装置100の動脈部)への動脈圧が80〜100 mmHである場合、装置100に沿って圧力を40 mmHg下降させ、患者の静脈系において40〜60 mmHg程度に抑えることが望ましい。このような圧力降下の基準は、流体力学計算シミュレーションによって決定することができる。
上記で援用されるように、本開示は、本開示の例示的な装置100を使用して互いに並行して走る静脈4202と動脈4200を接続し、罹患末梢動脈の再灌流を促すための新規アプローチを含んでいる。このアプローチでは、シンプルで柔軟な管型の装置100を使用し、罹患静脈4202を迂回する形で隣接する動脈4200を介した動脈血の「再灌流」が行われる。罹患静脈4202には酸素を豊富に含んだ血液のみが迅速に供給されるが、本明細書で援用されるように、血管新生は長期にわたって行われる(数週間など)。末梢静脈での圧力レベルと流量は、通常、対応する動脈4200のレベル(例えば、大腿静脈 vs大腿動脈)比べてはるかに低い。静脈4202は、装置100を介して動脈4200からの血流により灌流されるため、静脈圧は静脈4202と動脈4200間の相対的な流れの状態 に応じて変更することができる。血管新生において比較的重要といえる要因のひとつは、
静脈4202が動脈血流によってどれぐらい加圧されるかである。圧力がかかりすぎると損傷を引き起こしてしまうし、低すぎても望む効果を得ることができない。したがって、
圧力を適切に増加(上述のように、動脈および静脈圧の平均:約40〜60 mmHg)させることが必要となる。本開示の装置100の実施形態では、関節運動(屈曲)の度合により圧力を調整することができる。円管内の圧力降下やエネルギー損失の程度は、装置の幾何学的形状および装置の入口/出口の境界条件に応じて様々である。中でも、形状変化が圧力降下(突然の膨張または内腔面積の縮小など)を左右する第一要素となる。本開示の装置100の実施形態のように等直径円管を用いる場合は、一体型本体4100に沿った圧力降下を制御する単純かつ効果的な方法として、上述かつ図27 Aおよび27Cに示されるように、一体型本体4100を局所的に屈曲させることが挙げられる(角度A1とA2に対応するよう屈曲、かつ局在化させた装置100を用いる場合)。
本開示にはまた、装置100の局所的屈曲の程度と、局所的屈曲に伴って発生する装置100周囲での圧力降下の決定法も示す。関数で用いる2つの引数が装置の実用儒教に応じて変化することによって様々なプロファイルが体系的に生成されるため、シグモイド関数を採用して円管の局所的屈曲のモデル化を行う。ここで採用するシグモイド関数は2つの主要な引数(式1におけるAおよびB)を用いる。これらはプロファイル内で以下のように変更できる。
[1]
A およびBは、静脈および動脈のサイズ、互いに並列する血管間の距離、装置の局所的屈曲の程度に応じて変化する。本試験では、図34の例示的な装置で示されるように、直径(D)と装置の入口/出口間の距離(L)をそれぞれ4mm、60mmと仮定した。
図33は、静脈と動脈寸法(Aは静脈および動脈の寸法、並行する2つの血管間の距離により決定)を考慮した場合に、引数Bを変更することによって装置の様々な局所的屈曲プロファイルが形成されることを示している。Bの値が増加するにつれて、プロファイルは急になり、装置により大きな圧力降下が発生しやすくなる。図34は、様々な引数(Bを0.25から0.75まで変化させるなど)を指定した場合のシグモイド関数から構成された実際の装置構成を示している。
その後、本装置を用いて、生体内の流動条件(図 35を参照)に基づく局所的な幾何学的変化に伴って本装置周辺の圧力変化を調節する能力が決定される。装置入口における一時的な速度プロファイル(図 36を参照)は、図 35に示すような生体内の流波形を、流体モデリングの定理を用いてデジタル化することにより求められる。次に、以下のようにナビエ・ストークス方程式を用いて流れ場を求めることができる。
連続:
[2]
運動量:
[3]
において、 p、 μ、 r はそれぞれ圧力、血液の絶対粘度、血液密度を表す。血液は圧縮不可能で、一定密度1060 kg/m3および一定絶対粘度.0035 kg/m-sのニュートン粘性流体とする。
圧力調節については、装置周囲の圧力降下は局所的な曲率プロファイルでモデリングされた装置構成の関数として表される。現在適用される流動状態 (14≦Re≦400, Remean= 147) のような層流様式では、特定の長さを有する直円管に沿った圧力降下は次の式により求められる。
L、D 、および fはそれぞれ管の長さ、直径、流体摩擦係数を表す。 圧力低下はまた、本明細書に援用されるように、装置100を用いて相互接続されている2つの血管(動脈4200と静脈4202など)間の相対的な流動条件下における通常機能である。このような流動状態は患者によって異なるほか、動脈4200と静脈4202内に装置100が配置される箇所にも大きく依存する。この相対的な流動条件について、患者に対する装置100の選定および/または移植に携わる医療従事者は、例えば、様々な患者の動脈圧、患者の身長に基づく装置100の所要長さ(L2など)、センサー4462(圧力センサーまたはフローセンサー)を備えたデータワイヤ4460(圧力ワイヤまたはカテーテル、フローワイヤまたはカテーテル、フローワイヤまたはカテーテルを組み合わせた圧力など)などの1つまたは複数のその他装置を用いて測定される血流に関する情報を示した表やデータベースを参照して流れを特定し、本明細書にて援用される1つ以上の装置角度および/または屈曲を調節することで所望の圧力降下を実現できる。圧力降下は直円管に適用される曲率に応じて変化するため、屈曲した円管の圧力降下は、直管に対する同一の流動条件に基づいて計算される。これは、本装置の局所的な幾何学的変化によってどの程度の付加的な圧力降下が発生するかを示す指標となる。湾曲管の異なる構成5つを検証し(結果は表1を参照)、各構成に対してサイクル平均の相対的な圧力降下を計算した。
極端な例として、180°屈曲させた円管(図37を参照)を検証した。結果としては相対圧力降下は曲率が急になる(表のケースIからケースIV、および図38を参照)につれて増加した。図38に示す圧力降下の増加は図33-37に示す状態に関連するもので、図39に示す状態は適用されない。図38で援用される角度は場合に応じて180° - A1 、または180° - A2に対応する。ここでは相対圧力降下について、2つの異なる定義 (例: Δpcu / Δpst and ( Δpcu / Lcu ) / ( Δpst / Lst ) ) を考慮した。どちらの定義を用いるかにより、極端な屈曲構成(ケースV)とは結果が著しく乖離するものの、結果としてシグモイド関数に基づく円管(ケースIIからケースIV)はわずかに変化する。装置の入口と出口間の距離はすべての管構成で同一である(図34に示すように、Lは全ての場合において60 mmなど)が、流路の長さ(Lcuなど)は、直管に曲率が適用されるに従って増加する。実際の流路の長さが管周囲の圧力降下を左右する第1要素となるため、相対圧力降下を計算する際はこの長さを考慮する必要がある。そのため、通常の相対圧力降下 ( Δpcu / Lcu ) / ( Δpst / Lst ) は、局所的な曲率を適用した円管での圧力降下を示す妥当な値となる。このように、結果としては本明細書にて援用されるアプローチが、装置周囲において様々な圧力降下を実現し、それぞれの場合に応じて異なる様式で静脈を圧迫することが可能な有用かつ革新的なツールであることが証明された。
本明細書には、装置の動脈および静脈部間の接合部で(屈曲部における)カテーテル構成の変化に伴う圧力降下の程度を調節する装置および方法が開示されている。装置周囲の圧力降下は、10%、20%、30%、40%またはそれ以上/以下など、実用時の屈曲または形状変化(以下を参照)に応じて任意のパーセンテージ数まで調節することができる。これらの曲率変化は、例えば、移植時に装置内および患者の組織内で縫合アンカーを使用することにより確保できる。また、種々の装置100の実施形態において、圧力低下の程度は、1つ以上の装置の直径(本明細書にて援用、および図32に示すD1およびD2など)、および1つ以上の装置100の長さ(本明細書にて援用、および図27 Aに示すL1およびL2など)に基づいて調節することができる。例えば、少なくとも1つの実施形態では、装置100を介した圧力低下の程度は、装置の直径、長さ、および装置100の屈曲/湾曲に(少なくとも部分的に)基づ いている。 上述したように、少なくとも前述の実施形態または他の実施形態では、装置100を介した圧力低下の程度は、本明細書にて一般的に援用されるように、装置の直径、装置の長さ、装置100、流量摩擦係数、装置100を用いて相互接続される2つの血管(動脈4200および静脈 4202など)間の相対的な流動条件に基づく。
本明細書では逆行性灌流装置、システム、およびその使用方法の様々な実施形態詳細に開示されてきたが、これらの実施形態は単に、本明細書に記載される開示の非限定的な例にすぎない。従って、今後にわたって様々な変更および修正がなされ得ること、
および本開示の範囲から逸脱しないという条件下で同等の実施形態により置き換えられ得ることを理解する必要がある。本開示は、それらの内容に対して包括的または限定的であることを意図するものではない。
更に、代表的な実施形態の説明において、本開示は、特定のステップ順序としてある方法および/またはステップを提示する場合がある。しかし、その方法またはプロセスが本明細書で定められた特定の順序に依存していないという点において、その他のステップ順序を適用できる可能性も存在するため、当該の方法またはプロセスは定められた特定の順序に従うということに限定されるべきではない。したがって、本明細書に開示された工程の特定の順序は、本開示の制限として解釈されるべきではない。 また、それらのステップは、その方法および/またはプロセスに関する開示が書かれた順序での実行に限定されるべきではない。このような順序は、本開示の範囲内において変更することが可能であるし、または変更せずに元の順序を維持することもできる。