JP6498485B2 - アクチュエータ及び直動モータ - Google Patents

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Description

本発明は、座屈型変位拡大機構を備えるアクチュエータ及び直動モータに関する。
チタン酸ジルコン酸鉛(Lead Zirconate Titanate(PZT))等の圧電材料で構成されたピエゾ素子(圧電素子)を用いたアクチュエータ(ピエゾアクチュエータ)は、非常に高いエネルギ効率を有することが知られている。即ち、ピエゾ素子は、例えば、電磁アクチュエータと異なり、電圧の印加により伸張した(電気エネルギを機械エネルギに変換した)後に、その伸張を維持するための電気エネルギを必要とせず、発熱量は電磁アクチュエータに比べ非常に小さく、冷却システムを必要としないため、エネルギ消費量が非常に小さい。
しかしながら、ピエゾ素子は、電圧の印加により最大0.1%の変位(動作歪み)しかもたらさないため、そのまま用いたのでは実用的ではない場合がある。
そのため、従来からピエゾ素子の小さい変位を拡大(増幅)して出力する座屈型変位拡大機構を備えるアクチュエータが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の座屈型変位拡大機構は、フレーム部内に一対のピエゾ素子と、ピエゾ素子の両端面に接合された2対のキャップ、ピエゾ素子の外側の端面に配置されるサイドブロック、2つのサイドブロックを係合する1つのフレーム部、ピエゾ素子の動作によって拡大された変位を出力する出力部とを有している。
特開2014−82930号公報
ところで、座屈型変位拡大機構を備えたピエゾアクチュエータユニットを複数用いてモータを構成する場合、各ピエゾアクチュエータユニット間の出力特性誤差は、モータの推力リップルを発生させる要因となる。そのためピエゾアクチュエータの出力特性を高精度に調整することが非常に重要である。
ピエゾアクチュエータの出力特性を調整する方法として、ピエゾ素子へ予荷重を付与する方法がある。例えばバネ材によりピエゾ素子の出力軸方向への荷重を予め付与する。しかし、この方法は、適度な予圧力を付与されていればよい構造とされ、高精度な出力特性の調整が可能な機構にはなっていない。また、このような機構の場合、バネ材の設置によるアクチュエータの大型化や、ピエゾ素子の推力に反するバネ材の剛性により出力変位の低下が生じてしまい、ピエゾアクチュエータの出力密度を低下させる要因になり得る。したがって、ピエゾアクチュエータにおける高精度な出力特性の調整が可能な機構とは言えない。
そこで、上記課題に鑑み、出力特性を高精度に調整可能なアクチュエータ及び直動モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、一実施形態において、アクチュエータは、
一対の容量的アクチュエータと、
前記容量的アクチュエータの伸縮の変位を拡大する座屈型変位拡大機構と、を備えたアクチュエータにおいて、
前記座屈型変位拡大機構は、
一対の前記容量的アクチュエータの間に配置される出力部と、
一対の前記容量的アクチュエータの外側の端面の動作を規制する一対のサイドブロックと、
出力特性を調整する出力特性調整手段と、を有することを特徴とする。
上述の手段により、出力特性を高精度に調整可能なアクチュエータ及び直動モータを提供できる。特に、与える調整量(変位量)から、アクチュエータユニットの出力特性の変化を、予め数値として得ることができる高精度な出力特性調整手段を備えたアクチュエータを提供できる。したがって、前記アクチュエータを搭載した複数のアクチュエータユニットを用いてモータを構成する際、モータの推力リップルの低減が可能となる。
圧電アクチュエータ型直動モータの構成の一例を示す全体斜視図である。 本実施形態に係るアクチュエータが搭載されたアクチュエータユニットの概略構成図である。 アクチュエータを構成する座屈型変位拡大機構の動作を説明する概念図である。 座屈型変位拡大機構の動作及び構成の一例を示す概念図である。 転がり接触式座屈型アクチュエータの動作機構の一例を示す模式図である。 転がり接触式座屈型アクチュエータに搭載される2種類の出力特性調整機構を説明する模式図である。 PCS予圧機構を備えたアクチュエータユニットの一例を示す全体斜視図である。 PCS予圧機構を備えたアクチュエータユニットの一例を示す縦断面図である。 PCS予圧機構を備えたアクチュエータユニットの他の例を示す一部透過正面図である。 図9の縦断面図である。 ピエゾ予圧機構を備えたアクチュエータユニットの縦断面図である。 転がり接触式座屈型アクチュエータの各構成要素に作用する具体的な力を示す模式図である。 転がり接触式座屈型アクチュエータにおける出力特性(出力部の変位(拡大出力)と推力との関係)を示す図である。 PCS予圧機構を備えた転がり接触式座屈型アクチュエータの各構成要素に作用する具体的な力を示す模式図である。 PCS予圧機構の予荷重を変化させた際の、変位−推力特性を示すグラフである。 PCS予圧機構の予荷重を変化させた際の、スペーサの厚さと荷重オフセット量との関係を示すグラフである。 ピエゾ予圧機構を備えた転がり接触式座屈型アクチュエータの各構成要素に作用する具体的な力を示す模式図である。 ピエゾ予圧機構の予荷重を変化させた際の、ピエゾ素子に電圧を印加した(PZT−ON)状態における変位−推力特性を示すグラフである。 ピエゾ予圧機構の予荷重を変化させた際の、ピエゾ素子に電圧を印加しない(PZT−OFF)状態における変位−推力特性を示すグラフである。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
図1は、圧電アクチュエータ型直動モータの全体斜視図を示した。図2は、圧電アクチュエータ型直動モータに使用される複数のアクチュエータユニットのうち一つを取り出したアクチュエータユニットの概略構成を示している。また、説明の関係上、フレーム部2の正面側を省略して示している。
圧電アクチュエータ型直動モータ1000は、主にアクチュエータユニット100及び接合器3、モータ出力ロッド(PSP機構)20を含む。
アクチュエータユニット100は容量的性質を有する伸縮素子を用いて駆動力を発生させるアクチュエータである。本実施形態では、容量的性質を有する伸縮素子はピエゾ素子である。但し、伸縮素子は磁歪素子であっても良い。なお、実施例では圧電アクチュエータ型直動モータ1000は、線形ガイド21に案内されて、モータ出力ロッド20(PAS機構)に沿った出力方向D2へ移動し、その変位は、PSP移動センサ22によって検出される。モータ出力ロッド20は、上下面に波形形状のカム部を有しているが、この限りではなく、上下面の何れか一方にカム部が設けられるものが使用されても良い。
アクチュエータユニット100は、座屈型変位拡大機構40と、フレーム2、出力部14の挙動を安定化させる弾性体(図2では板バネ18)を基本構成として有する。また、モータを構成するユニットとして使用する場合は、モータ出力ロッド20のD2方向への移動を許容する略十字形状の挿入孔を有する接合器3が当該座屈型変位拡大機構40と接続した構成とされる。
本実施形態に係るアクチュエータ1は、座屈現象を利用した非線形変位拡大機構40(以下、座屈型変位拡大機構40と表記する)を有する座屈式ピエゾアクチュエータである。
アクチュエータユニット100は、座屈型変位拡大機構40を長円形のフレーム部2内に有する構成とされている。座屈型変位拡大機構40は、一対のピエゾ素子(容量的アクチュエータに相当)10L、10R、ピエゾ素子10Lの両端面と接合される1対のキャップCP1、CP2、ピエゾ素子10Rの両端面と接合される1対のキャップCP3、CP4、一対のピエゾ素子10L、10Rの外側の端面の動作を規制する1対の対称なサイドブロック12L、12R、ピエゾ素子10L、10Rの内側の側面の動作によって拡大された変位を出力する出力部14等から構成される。上記出力部14は変位をD1方向へ出力する。因みに、アクチュエータ1とは、特に前記した座屈型変位拡大機構40と、フレーム2、及び後述するベース部15を指している。
なお、ピエゾ素子10L、10Rは、キャップCP2、CP3により出力部14との接続点を中心とした回転動作が可能な態様で、出力部14と接続される。また、ピエゾ素子10L、10Rは、それぞれ、キャップCP1、CP4によりサイドブロック12L、12Rとの接続点を中心とした回転動作が可能な態様で、サイドブロック12L、12Rと接続される。また、2つのサイドブロック12L、12Rは、ベース構造(不図示)を介して互いに剛結合される
次に、図3に基づいてアクチュエータ1を構成する座屈型変位拡大機構40の基本的動作を説明する。図3は、座屈型変位拡大機構40の基本的動作を説明する概念図である。また、図3は説明の関係上、キャップCP1〜CP4は省略した。
上記構成の座屈型変位拡大機構40は、図3に示すように、2つのピエゾ素子10L、10Rの双方に電圧が印加されるとそれらは伸張する。そのため、アクチュエータ1は、一直線上に並ぶ一対のピエゾ素子10L、10Rの長手方向に垂直な出力軸D1の方向(y方向)に座屈し、出力ノード(出力部14)で出力としての推力Fbuckleが発生する。この座屈による変位yは、ピエゾ素子10L、10Rによりもたらされる変位xよりも二桁のオーダーで大きい。
また、座屈式ピエゾアクチュエータとしてのアクチュエータ1は、適切な機構を用いることにより、一対のピエゾ素子10L、10Rが一直線上に並ぶ特異点の両側(図3の上下方向、下方向は図示せず)に向かう動作(双極性動作)を生み出すことができ、それによって変位(ストローク)を倍増することができる。
従って、本実施形態に係るアクチュエータ1は、ピエゾ素子単体の変位の100倍以上の変位を実現することが可能である。
次に、座屈型変位拡大機構40の転がりジョイントの構成、作用の概要を説明する。図4は、座屈型変位拡大機構40の動作及び構成の一例を示す概略図である。
本実施形態に係るアクチュエータユニット100では、座屈型変位拡大機構40としてピエゾ素子10L、10Rとサイドブロック12L、12R、及び、ピエゾ素子10L、10Rと出力部14の回転案内要素として、転がりジョイントが用いられる。
具体的には、ピエゾ素子10L、及び、ピエゾ素子10Rのそれぞれの両端は、半径Rの円筒形状(円形断面)を有する。また、サイドブロック12L、12Rのそれぞれの接触面、及び、出力部14における2つの接触面のそれぞれは、半径rの円筒形状(円形断面)を有する。また、中央にある出力部14は、回転することなく、垂直方向(図の上下方向)のみに移動可能となるように拘束される。
図4(a)に示すように、電圧が印加されないときに2つのピエゾ素子10L、10Rが中心線CL上に完全に一直線に並ぶ場合を想定する。この配置において、ピエゾ素子10L、10Rの双方に高電圧が印加されると、図4(b)に示すように、ピエゾ素子10L、10Rは、それぞれ、Δxだけ伸張し、出力部14を垂直方向(図の上方)に押し、出力軸D1に沿った出力変位Δyを発生させる配置に至る。なお、図中の距離zは、点Aと点Bとの距離であり、点A、Bは、それぞれ、ピエゾ素子10Lの両端に設けられる円形断面が描く曲率円の曲率中心である。
図4(b)に示すように、垂直方向における出力ノード(出力部14)で外力Floadが作用すると、4つの接触部分としてのキャップCP1〜CP4のそれぞれで内力(接触力)Fi1〜Fi4が生成される。
この際、図4(b)に示すように、z=0の場合、4つの接触部分(キャップCP1〜CP4)のそれぞれで摩擦力が完全に消失する。即ち、ピエゾ素子10Lの両端の2つの円形断面の円(半径R)が同心であれば、接触力Fi1、Fi2の方向は、関連する2つの接触部分としてのキャップCP1、CP2を結ぶ線分の方向(接触面に垂直な方向)と一致する。そのため、接線力、即ち、摩擦力は、接触部分としてのキャップCP1、CP2では発生しない。また、ピエゾ素子10Rに関する接触部分としてのキャップCP3、CP4についても同様である。
なお、図4(c)に示すように、z≠0の場合は、摩擦角μが生じ、接触力Fi1〜Fi4の接線成分として摩擦力が生じる。この場合、距離zが小さくても、後述する予荷重が大きいため、出力が大きく減少する。
次に、ピエゾ素子10L、10Rに付与される予荷重について説明をする。
ピエゾ素子10L、10Rに対して、予荷重(圧縮力)を付与した場合、ピエゾ素子10L、10Rは、圧縮反力と引張反力の双方を生成することが可能となる。そのため、アクチュエータ1から取り出すことが可能な出力変位を増大させることができる。
具体的には、ピエゾ素子10L、10Rに予荷重が与えられている場合、ピエゾ素子10L、10Rは、電圧が印加されていない状態では自然長Lよりも短い長さLPLに圧縮され、電圧が印加されると、LPLから伸張し、印加電圧が消失するとLPLに戻る。なお、ピエゾ素子10Lの自然長とは、ピエゾ素子10Lに電圧が印加されておらず、かつ、ピエゾ素子10Lの構造全体が軸力を受けない力学的平衡状態にある仮定条件におけるピエゾ素子10Lの長さを意味する。ピエゾ素子10Rの自然長についても同様である。
その結果、ピエゾ素子10L、10Rは、見かけ上、電圧が印加されたときに伸張力を発生させ、印加電圧が消失したときに復元力(圧縮力)を発生させることができる。そして、予荷重の大きさが、ピエゾ素子10L、10Rが発生させる力の最大値以上であれば、ピエゾ素子10L、10Rは、伸張力と同じ大きさの復元力を発生させることができる。また、予荷重(圧縮力)を利用する構成では、ピエゾ素子10L、10Rに対して引っ張り力が実際に適用されることはない。そのため、圧電セラミックス及び電極の薄い層の積み重ねにより形成される一般的な積層型ピエゾ素子を適用する場合においても、構造に悪影響を及ぼすことはない。
座屈型変位拡大機構40は、回転ジョイント部の転がり面が常に一定以上の予荷重をもって接触するために、両端の回転ジョイント部の間の距離は自然長よりも短くなる調整が可能な構成である。但し、予荷重は、出力部14の動作方向に対して出力部14の挙動を不安定化させ、さらに回転ジョイント部以外の拘束が無い状態で出力部14を変位させると、予荷重が無くなるまで変位するために、ジョイント部の転がり接触を維持できなくなる。
そこで、回転ジョイント部に対する予荷重による転がり接触の維持と、出力部14の挙動を安定化させるため、図5に示すように、出力部14のベース部15を弾性体19(PCS)により弾性結合させ、出力部14の動作方向を図5のD1方向に拘束する構成が望ましい。因みに、yは、ピエゾ素子10L、10Rの座屈により生じる出力部14の変位(拡大出力)であり、Fyはアクチュエータユニット100が出力する推力を示している。
さて、上記構成のアクチュエータユニット100を複数搭載して圧電アクチュエータ型直動モータ1000を構成する場合、各アクチュエータユニット100間の出力特性誤差は、モータ1000の推力リップルを発生させる要因となっている。推力リップルを低減するには各アクチュエータユニット100の出力特性を高精度に調整することが重要となっている。
ピエゾ座屈型のアクチュエータユニット100の出力特性は、出力変位の3次多項式によって表される(下記の式(1)参照)。
従来、上記のように予荷重を補償し、出力部14の挙動を安定化させる弾性体を用いているが、弾性体による出力方向への予荷重を調整する方法は提案されていない。特にピエゾ座屈型のアクチュエータユニット100では、変位−推力特性(出力特性)の3次多項式が原点に対して点対称であることが求められるため、特に高精度な予荷重の調整が求められている。一方、部品の製造誤差や組立誤差に起因して、出力推力のオフセットが生じるので、1次項の調整結果を考慮したうえで、出力方向に対する予荷重の調整を可能にする機構が重要となる。
また、複数のアクチュエータユニットの出力特性を一致させる場合、与える調整量(変位量)から、アクチュエータユニット100の出力特性の変化を、予め数値として得ることができる高精度な出力特性調整手段を備えたアクチュエータが所望されているが、未だ見聞きしない。
本発明のアクチュエータは、アクチュエータユニット100の変位−推力特性(出力特性)を、以下に示す2つの出力特性調整機構(出力特性調整手段に相当)により高精度に調整することを特長としている。また、以下の出力特性調整機構によって、それぞれの方向に対して付加する調整量(変位量)から、アクチュエータユニット100の出力特性の変化を、予め数値として得ることができる
図6は、座屈型変位拡大機構40に予荷重の高精度な調整を可能にする2種類の出力特性調整機構を説明する模式図である。因みに、図6は転がり接触式座屈型アクチュエータを示している。図6に示すように、本発明は、第1の機構として出力部14の変位y以外に、弾性体19(PCS)に対して出力軸方向に一定の変位yを与えることで、出力部14の変位−推力特性の推力オフセット量を調整する機構を有する。以下、第1の機構をPCS予圧機構60と表記する。
第2の機構として、ピエゾ素子10L、10Rに、FPL以外に、ピエゾ素子の伸縮方向への一定の圧縮量ZPLを与えることで、ピエゾ素子と転がりジョイントへの予荷重を付与及び調整する機構を有している。以下、第2の機構をピエゾ予圧機構70と表記する。因みに、FPLは、出力部14とサイドブロック12L、12Rのそれぞれとの距離を強制変位させることで与えられる。
したがって、本実施形態の出力特性調整機構とは、PCS予圧機構60とピエゾ予圧機構70を指している。図6に表記したPCS予圧機構60とピエゾ予圧機構70の作用する力に関する論理的説明については後述する。以下に、先ずそれぞれの機構の具体的な実施形態を説明する。
<PCS予圧機構60>
PCS予圧機構60について説明する。出力部14(弾性体19)に対して一定の変位を可変可能に与える予圧機構として、図7に示すくさび形の変位調整手段を利用して実施できる。
図7はPCS予圧機構60を備えたアクチュエータユニット100の斜視図である。図8は図7とは異なる構造SH1でPCS予圧機構60を実現した場合の縦断面図である。
図7に示すアクチュエータユニット100の基本動作機構は、図2に示したアクチュエータユニット100の動作機構と同じであり、説明は省略する。端的に云うと、図2の構成にくさび形の変位調整手段50とPCS予圧機構60が付加される構成である。図7、図8は、弾性体19(PCS)を含むアクチュエータユニット100の要部のみを示し,接合器3は搭載されていない状態を示す。また、図7、図8において、弾性体19は板バネ51に相当する。
くさび形の変位調整手段50は、出力部14の出力軸方向への予荷重を調整するべく、板バネ51と荷重調整部52、支持部53とから構成されている。荷重調整部52は、長円形のフレーム部2の長軸方向の両端部の上部位置に設けられており、板バネ51は、左右一対の荷重調整部52と、中央部に配置された支持部53とをそれぞれ繋ぐ形態で設けられている。即ち、図示右側(矢印X2側)の荷重調整部52Rと支持部53とを繋ぐ板バネ51Rと、図示左側(矢印氏X1側)の荷重調整部52Lと支持部53とを繋ぐ板バネ51Lとを有する。また、図8に示すように、板バネ51は上下方向(矢印Y1−Y2方向)に2段設けられても良い。
荷重調整部52(52L、52Rを含む)は、離間方向(矢印X1−X2方向)に移動が可能な一対の台座52aと、一対の台座の上面に載置される滑り部52bと、一対の台座52aと滑り部52bを貫通して、台座52aと滑り部52bの位置を固定するボルト52cとを有している。
一対の台座52aは、それぞれの上面が傾斜しており、一対の台座52aを対峙させるとその上面がV字形状になるように、線対称な傾斜面とされている。また、一対の台座52aはそれぞれ離間する方向へ又は接近する方向への移動を調整する調整手段54が設けられている。また、滑り部52bの下面は、一対の台座52aの傾斜面に対応するV字形状の傾斜面を有している。上面はボルト52cを貫通させる貫通孔が設けられた水平面とされている。また、滑り部52bの一側側面は板バネ51の両端に繋がっている。
したがって、一対の台座52a間の距離を調整手段54によって離間及び接近方向(矢印X1−X2方向)に調整すると、載置されている滑り部52bが上下方向(矢印Y1−Y2方向)に移動する。板バネ51の両端に位置する滑り部52bの高さ調整により、滑り部52b(ベース部15に相当)と支持部53間の相対変位が変わり、板バネ51のたわみ量が変化する。このたわみ量によるバネ51の復元力により、出力部14への予荷重を調整することができる。滑り部52bが適切な高さ位置(出力部14への予荷重)となったらボルト52cにより固定する。
次に、スペーサSH1を利用したPCS予圧機構60を説明する。図8に示すように、PCS予圧機構60は、出力部14の上面と、当該出力部14の直上位置に位置する支持部53の下面との間に介在されたスペーサSH1である。このスペーサSH1の厚み、枚数を適宜変えることにより、弾性体19に対して一定の付加的な変位を可変可能に与えることができる。スペーサSH1は、例えば厚さ1mm以下の鋼製や樹脂製の薄板である。
PCS予圧機構60の実施形態は、図示の限りではない。例えば図9に示す機構であっても良い。図9は、PCS予圧機構60を備えたアクチュエータユニットの他の例を示す一部透過正面図であり、座屈型変位拡大機構40の部分は縦断面として示した。
図9に示すPCS予圧機構600は、所謂コイルバネを使用した予荷重付与手段500を利用して出力部14への予荷重を可変可能に与える構成である。図9のアクチュエータユニット100の基本的な動作機構は、図2のアクチュエータユニット100と同じであり、説明することは省略する。また、コイルバネを使用した予荷重付与手段500は、図5、図6の弾性体19の他の実施形態である。
図9のアクチュエータユニット100は、フレーム部2の上部位置に出力部14の直上位置に空間を有する上部フレーム部200が設けられている。
コイルバネを使用した予荷重付与手段500としては、出力部14の直上位置に設けられたホルダー部510と、ホルダー部510の上面に複数配置されたコイルバネ520とで構成されている。上記コイルバネ520により出力部14に対して予荷重が与えられている。
次に、上記構成のコイルバネを使用した予荷重付与手段500の予圧力を利用したPCS予圧機構600を説明する。
端的に云うと、PCS予圧機構600は、コイルバネ520の上面と上部フレーム部200の内壁面との間に介在されたスペーサSH2である。
出力部14へ出力軸方向(矢印Y2−Y1)方向に加える予荷重を調整するには、スペーサSH2の厚み、又は枚数を可変することで調整することができる。予荷重を調整する際には、図10に示す上部フレーム部200を固定するボルト210などを緩めて、スペーサSH2を取り替えたり加えたりして行える。スペーサSH2は、例えば一般的なシムやワッシャである。
したがって、PCS予圧機構60を実施可能な弾性体19(変位調整手段50、予荷重付与手段500)は、その形態は問わない。例えば、板バネを出力部14の両端に配置させる形態や、一端に重ねて配置させる形態(図8)、またコイルバネを並列に複数配置させる形態(図9、図10)などを実施可能である。出力部14の変位y以外に弾性体19(PCS)に対して一定の変位yを与えることで出力部14の変位−推力特性の推力オフセット量を調整可能な弾性体であれば良い。
上記してきたように本実施形態のアクチュエータユニット100は、PCS予圧機構60により弾性体19(PCS)に対して出力軸方向に与える変位yを調整することで、出力部14の変位−推力特性の推力オフセット量を任意に決定できる。
<ピエゾ予圧機構70>
次に、ピエゾ予圧機構70について説明する。
ピエゾ素子10L、10Rに、その伸縮方向に対して一定の圧縮量(ZPL)を可変可能に与える予圧機構として、図11に示す手段により実施できる。
ピエゾ予圧機構70を搭載した図11に示すアクチュエータユニット100は、図8で説明した構成と略同様の構成を有している。重複する説明は省略する。
図11に示すように、ピエゾ予圧機構70は、ピエゾ素子10L、10Rのピエゾ素子出力方向の端部にあり、CP1と10L及びCP4と10Rの間にスペーサSH3を介在することにより構成される。スペーサの介在位置は上記に限らず、CP2と10LおよびCP3と10Rの間でも構わない。
ピエゾ素子10L、10Rへ加える予荷重を調整するには、スペーサSH3の厚み、又は枚数を可変することで調整することができる。また、ピエゾ素子10LとキャップCP1、CP2、およびピエゾ素子10RとキャップCP3、CP4は接触しているだけで接着はされていなくても良い。接着されない場合はスペーサSH3の調整回数に制限が無い。更に、スペーサSH3の厚さは、数百μm以下程度であり、出力特性の調整前後でアクチュエータユニット100の大きさに影響しない配置で実施できる。
上記してきたように本実施形態のアクチュエータユニット100は、ピエゾ予圧機構70によりピエゾ素子の伸縮方向に与える圧縮量ZPLを調整することで、ピエゾ素子への予荷重を任意に決定できる。
従来、座屈型変位拡大機構の出力特性の調整機構を設けた構成として、一対のピエゾ素子の間に一対の斜板を介在させるくさび型機構がある。しかし、このくさび型機構は、ピエゾ素子への予荷重と出力変位のオフセット(下記の式(1)の0次項(Fy0))のみを調整する役割のみを有している。また出力される荷重と変位量とに同時に影響するため、調整するうえでは荷重と変位との間で最適解を見つける必要がある。
本発明では、ピエゾ予圧機構70により、1次項(下記の式(1)のa)のみの調整を行うことができる。また、上記したPCS予圧機構60により、0次項のみの調整を行うことができる。
したがって、それぞれの方向に対して与える調整量から、アクチュエータユニット100の出力特性の変化を、予め数値として得ることができる。すると、複数のアクチュエータユニット100を搭載したモータを構成する際、各アクチュエータユニット100の出力特性を高精度に調整して、各アクチュエータユニット100間の誤差を最小限に抑えられる。すると、モータの推力リップルを確実に低減できる。
<論理式展開>
以下、その点を論理的に説明する。
図12に、PCS予圧機構60、ピエゾ予圧機構70を備え、転がりジョイントを用いて構成された転がり接触式座屈型アクチュエータの各構成要素に作用する力を示す模式図を示した。
図13に、図12の転がり接触式座屈型アクチュエータによる出力部14の変位(拡大出力)yと推力Fとの変位−推力特性を示す図である。拡大出力の変位をy、推力をFとするとFは式(1)で表される。Fyは、荷重オフセットである。
Figure 0006498485
yの0次項はPCS予圧機構60による成分である。yの1次項はピエゾ予圧機構70と弾性体19の剛性、ピエゾ素子10L、10Rの電気的推力に依存する成分である。yの3次項は転がり接触式座屈型変位拡大機構の機械特性に依存する成分である。
さらに、図12に示した構成のアクチュエータユニット100の出力特性は、アクチュエータ特性と座屈型変位拡大機構40による運動変換特性を考慮すると、式(2)のように表される。
Figure 0006498485
式(2)の第1式は、出力部14のy軸方向の力の釣り合いを示している。第2式は座屈型変位拡大機構40による運動変換特性、第3式は、ピエゾ素子の出力軸方向の力の釣り合いを示している。なお、FPZTはピエゾ素子への印加電圧に応じて発生する機械的推力(ピエゾ推力と呼ぶ)。kは転がりジョイント部とフレーム部の機械剛性の合成値をそれぞれ表している。kPZTはピエゾ素子10L、10Rの機械剛性を表す。また、kはフレーム部2の機械剛性を表し、kは転がりジョイントの機械剛性を表し、kPCSは弾性体19(PCS)の剛性を表す。また、フレーム部2の機械剛性k、及び、転がりジョイントの機械剛性kに依存し、Lはサイドブロック12L又は12Rに関する転がりジョイントの回転中心と出力部14に関する転がりジョイントの回転中心との間の距離を表す。また、FPLは予圧力を表し、Fは、ピエゾ素子10L、10Rの変形量に依存し、ピエゾ素子の出力方向の合力を表す。
なお、第2式ではピエゾ素子の伸縮の影響を、ピエゾ素子に接合しているキャップの径の微小変化に近似している。これは、それぞれのピエゾ素子のキャップは同心円になるように設計する場合に採用可能な近似である。
式(2)を整理し、三角関数をテイラー展開によって近似することで、座屈型変位拡大機構40の出力方向yの変位−推力特性を表す式(3)を得る。
Figure 0006498485
この式は、第1項が出力変位yに比例した推力を表す項になっており、弾性体(PCS)の剛性に加えて、予荷重、ピエゾ推力によって構成される。第2項は出力変位yの3乗に比例した推力を表す項であり、ピエゾ素子及び座屈型変位拡大機構の機構部の剛性とジョイントの回転中心間距離Lに依存する特性となっている。
(PCS予圧機構60)
次に、PCS予圧機構60により、予荷重を調整可能な論理を説明する。ここで、図14に示すようにPCS予圧機構60(スペーサSH1)により弾性体19に対する一定の変位量yが与えられる。即ち、式(3)に対して、弾性体19(PCS)に対する一定の変位量y(予荷重)が作用した場合、推力Fは式(4)で表される。
Figure 0006498485
式(4)における第3項は式(1)の第3項に対応し、荷重オフセットFy0は式(5)で表される。
Figure 0006498485
即ち、弾性体19(PCS)によって弾性結合されている出力部14とベース部15(例えば図8の締結部55、図9、図10のフレーム部200に相当)との相対距離をPCS予圧機構60により調整することで、式(1)で表される荷重オフセットFy0のみを変化させることができる。
式(5)に示すFy0を3段階に変化させるべく、上記したPCS予圧機構60として、厚さの異なる3つのスペーサSH1を用意して行った実験結果を図15に示す。
図15は、PCS予圧機構60の予荷重を3段階変化させた際の、変位−推力特性の変化の例を示すグラフである。
図15は、ピエゾ素子に電圧が印加されていない状態(以下、PZT−OFF)における、厚さの異なる3つのスペーサSH1毎の変位−推力特性の変化の例を示している。図示から明らかなようにスペーサSH1の厚みが増えると、推力Fが上昇してゆくことが分かる。
図16は、PCS予圧機構60の予荷重を変化させた際の、スペーサの厚さと、荷重オフセット変化量Fy0との関係を示すグラフである。図16において、スペーサSH1の厚みyに対する荷重オフセットFy0の傾きは、弾性体19(PCS)の剛性kPCSと略一致することが確認された。これにより任意のFy0は、弾性体19(PCS)の剛性kPCSと、弾性体19に対する変位量yから算出できることが分かった。したがって、出力軸方向へ与える調整量(変位量y)から、アクチュエータユニット100の出力特性の変化を、予め数値として得ることができる。
(ピエゾ予圧機構70)
次に、ピエゾ予圧機構70により、ピエゾ素子10L、10Rの伸縮方向に対する予荷重を調整可能な論理を説明する。ピエゾ予圧機構70とは、図11で説明した通り、ピエゾ素子10Lおよび10Rの外側の端部とキャップCP1、CP2およびCP3、CP4との間にスペーサSH3を介在させることで、ピエゾ素子に一定の変位量ZPLを付与させる機構である。ここで、図17に示すようにピエゾ予圧機構70(スペーサSH3)によりピエゾ素子10L、10Rに対して伸縮方向に一定の変位量zPLが与えられる。
一対のピエゾ素子10Lおよび10RとキャップCP1、CP2およびCP3、CP4に対して介在させるスペーサSH3の厚さをzPLとする。スペーサSH3を介在させることで、ピエゾ素子10L、10R以外にもジョイント部とフレーム部に圧縮変位が生じるため、ピエゾ素子10L、10Rの実際の変位量ΔzPZTは、ピエゾ素子10L、10Rの剛性kPZT及びジョイント部とフレーム部の機械剛性の合成値kを用いて、式(6)として表される。
Figure 0006498485
ピエゾ素子の出力軸方向の力の関係を示す式(2)の第3式において、出力部14の変位yが0即ちα=0のときを考える。ピエゾ素子10L、10Rに変位量ΔzPZTが付与された場合、ピエゾ素子10L、10Rの出力軸方向の力のつり合い関係は、式(7)、式(8)として表される。
Figure 0006498485
Figure 0006498485
上記式(8)の第3項は変位量ΔzPZTが付与された場合におけるピエゾ素子10L、10Rと転がりジョイントへの予圧力を示し、式(8)の第4項のFPLとの合力が、スペーサSH3を介在させた場合の予荷重ΔFPLとなり、式(9)のように表される。
Figure 0006498485
式(9)のΔFPLを、式(3)における予荷重FPLへ置換すると、式(10)のように表される。
Figure 0006498485
また、式(6)を式(10)に適用すると、式(11)のように表すことができる。
Figure 0006498485
上記の式(11)により、ピエゾ素子10Lおよび10RとキャップCP1、CP2およびCP3、CP4との間に介在させたスペーサSH3の厚さZPLにより推力Fの出力変位yの1次項係数を調整できることが分かる。
即ち、ピエゾ素子10Lおよび10RとキャップCP1、CP2およびCP3、CP4との間にスペーサSH3を介在させることで、式(1)で表される出力変位yの1次項の係数aのみを変化させることができる。介在させるスペーサSH3の厚みは、ピエゾ素子10L、10Rとジョイント部の圧縮量となり、アクチュエータの出力変位yには直接影響を与えない。
ピエゾ予圧機構70により、1次項のみの調整を行うことができるため、従来ではできなかったピエゾアクチュエータの剛性を下げる、又は上げるなどの調整が容易に可能となり、PCS予圧機構60と併用すると、アクチュエータユニット100の出力特性を高精度に調整できる。斯すると、複数のアクチュエータユニット100を用いてモータ1000を構成する際に生じる、モータ1000の推力リップルを低減できる。
PLを3段階に変化させるべく、上記したピエゾ予圧機構70として、厚さの異なる3つのスペーサSH3を用意して行った場合の例を図18、図19に示す。
図18は、ピエゾ素子に電圧が印加された状態(以下、PZT−ON)における、厚さの異なる3つのスペーサSH3(zPL)毎の変位−推力特性の例を示している。図19は、ピエゾ素子に電圧が印加されていない状態(以下、PZT−OFF)における、厚さの異なる3つのスペーサSH3(zPL)毎の変位−推力特性の例を示している。
図示から明らかなように、PZT−ONとPZT−OFFにおいて、スペーサSH3の厚さzPLの増加に伴い、出力特性曲線の傾き(a)の増加が確認できる。また、実験で得た変位−推力特性の3次近似多項式のyの3次項の係数から、ジョイント部とフレーム部の機械剛性の合成値kが算出され、zPLに対する出力変位yの係数aの変化量を計算できることが確認できた。したがって、ピエゾ素子の伸縮方向へ与える調整量(変位量ΔzPL)から、アクチュエータユニット100の出力特性の変化を、予め数値として得ることができる。
上記してきたように、本実施形態に係る座屈型変位拡大機構40を搭載した各アクチュエータユニット100において、出力特性を調整する出力特性調整機構を有する構成とした。具体的に出力特性調整機構としては、2種類の機構があり、座屈型変位拡大機構40の出力軸方向の予荷重をのみを調整するPCS予圧機構60と、ピエゾ素子10L、10Rの伸縮方向における予荷重をのみを調整するピエゾ予圧機構70である。
PCS予圧機構60は、弾性体19(PCS)に与える変位(y)を調整することで、出力変位特性を表す式(1)の3次多項式の0次項である荷重オフセット量(Fy0)のみを変化させることができる。
ピエゾ予圧機構70は、ピエゾ素子10L、10Rに一定の圧縮量zPLを調整することで、出力変位特性を表す式(1)の3次多項式の1次項係数aのみを変化させることができる。
したがって、PCS予圧機構60、ピエゾ予圧機構70は、それぞれの方向に対して与える調整量(変位量y0、PL)から、アクチュエータユニット100の出力特性の変化を、予め数値として得ることができる。斯すると、複数のアクチュエータユニット100を用いてモータを構成する際、各アクチュエータユニット100の出力特性を高精度に調整でき、各アクチュエータユニット100間の誤差を最小限に抑えて、モータの推力リップルを確実に低減できる。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えばピエゾ座屈型アクチュエータ以外にも、ピエゾ素子に予圧を与えた状態で動作するアクチュエータに対しても、本発明を実施して出力特性の調整が可能である。また、ピエゾアクチュエータを調整することで、ピエゾアクチュエータを用いたピエゾモータやクランプ、ブレーキ、クラッチ、バルブなどの出力特性の調整にも適用できる。また、容量的アクチュエータとしてピエゾ素子を使用したが、推力と変位を発生するアクチュエータ材料として、磁歪素子を使用しても良い。
1 アクチュエータ
100 アクチュエータユニット
1000 圧電アクチュエータ型直動モータ
2 フレーム部
3 接合器
10L、10R ピエゾ素子
12L、12R サイドブロック
14 出力部
15 ベース部
18 板バネ
40 座屈型変位拡大機構
50 変位調整手段
500 予圧付与手段
51 板バネ
52 荷重調整部
52a 台座
52b 滑り部
52c ボルト
53 支持部
54 調整手段
55 締結部
510 ホルダー部
520 コイルバネ
60、600 PCS予圧機構
SH1 スペーサ
SH2 スペーサ
70 ピエゾ予圧機構
SH3 スペーサ

Claims (4)

  1. 一対の容量的アクチュエータと、
    前記容量的アクチュエータの伸縮の変位を拡大する座屈型変位拡大機構と、を備えたアクチュエータにおいて、
    前記座屈型変位拡大機構は、
    一対の前記容量的アクチュエータの間に配置される出力部と、
    一対の前記容量的アクチュエータの外側の端面の動作を規制する一対のサイドブロックと、
    出力特性を調整する出力特性調整手段と、を有することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記出力特性調整手段は、
    前記容量的アクチュエータの伸縮方向における予荷重を調整する、及び、
    前記座屈型変位拡大機構の出力軸方向の予荷重を調整する、のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記出力特性調整手段は、
    前記容量的アクチュエータに対して、前記前記容量的アクチュエータの伸縮方向に圧縮量を与える、及び、
    前記座屈型変位拡大機構の出力部と前記アクチュエータのベース部とを弾性結合する弾性体に対して、前記座屈型変位拡大機構の出力軸方向に変位を与える、のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  4. 複数のアクチュエータと、
    出力ロッドと、を備え、
    複数の前記アクチュエータの動作により、前記出力ロッドを移動させる直動モータであって、
    前記アクチュエータは、
    容量的アクチュエータと、
    前記容量的アクチュエータの伸縮の変位を拡大する座屈型変位拡大機構と、を備え
    前記座屈型変位拡大機構は、出力特性を調整する出力特性調整手段を有することを特徴とする直動モータ
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