1つの広範な態様では、本発明の実施形態は、患者体内の組織領域内の部位に、縫合糸に形成した結び目を前進させ、締める手段を提供する。いくつかの適用例では、部位は、患者体内の表面上である部位を含むように選択することができる。代替適用例では、部位は、離れている、若しくは接近が制限若しくは限定される組織領域内とすることができる。そのような適用例は、特に、結び目を前進させ、締めるための結び目プッシャの使用を必要とする。
いくつかの適用例では、縫合糸を固着させるために、摺動結び目を加えることが望ましいことがある。特定の例では、摺動結び目は、縫合糸の送出後、欠損部位、例えば椎間板線維輪で組織領域を通して展開させることができる。いくつかのそのような例では、椎間板への接近は、ポータル、例えば椎弓板を通して挿入でき、患部椎間板に縫合糸を通すことを可能にする。次に、摺動結び目を展開し、縫合糸を固着させることができる。
そのような状況では、椎間板への接近が制限されるため、結び目プッシャを使用して、ポータルを通じて摺動結び目を欠損部位に向けて前進させることができる。結び目プッシャは、摺動結び目の前進を可能にし、更に、欠損部位の組織の最初の接近を可能にし得る。結び目プッシャは更に、摺動結び目を締め、係止するために使用することができる。医師は、摺動結び目を更に補強するために、1つ若しくは複数の更なるハーフ・ヒッチ又は一重結び目を摺動結び目の上に加えることを望むことが多い。更なるハーフ・ヒッチ若しくは一重結び目は、処置の後に、摺動結び目が開放されない若しくはほどけないことを保証するのに役立ち得る。結び目を押し進め、締める機構/手順は、摺動結び目と一重結び目の両方で異なり、こうした異なる種類の結び目の前進には、典型的には、それぞれが特定種類の結び目のために設計された複数の結び目プッシャが必要である。
本発明者らは、摺動結び目及び一重結び目の両方を押し進める結び目プッシャのいくつかの実施形態を発見し、これらを実践するに至った。1つの医療処置において、同じデバイスを使用して摺動結び目及び一重結び目の両方を押し進めることは、例えば、中間溝等の縫合糸受入れ要素を有する結び目プッシャを提供し、摺動結び目を形成する2本の縫合糸脚部の一方を保持し、結び目プッシャが摺動結び目を前進可能にすることによって達成される。結び目プッシャは、対向する側溝を更に有し、一重結び目を形成する縫合糸脚部の一方若しくは両方を受け入れ、保持、若しくは案内し、結び目プッシャが一重結び目を押し進めることを可能にする。
いくつかの実施形態では、結び目プッシャは、結び目プッシャとの縫合糸係合を容易にし、手術時間を低減する特徴部を備える。1つの特定の例では、結び目プッシャは、少なくとも1つの縫合糸保持要素を有し、側溝の一方の中に縫合糸脚部を保持し、遠位頭部を前進させて一重結び目を押し進める間に縫合糸脚部が結び目プッシャから外れないようにする。
そのような実施形態は、例えば結び目を展開する組織部位への接近が制限される場合、特に有用で、有利である。本発明の実施形態は、異なる種類の結び目を展開するために多数のデバイスを使うことを避け、したがって、処置を完成させるために使用が必要なデバイスの数を低減する。更に、本発明の実施形態は、縫合糸がデバイスから外れることなく、所望の組織位置に異なる種類の結び目を効果的で効率的に送出することを可能にするデバイスを提供する。
本発明の更なる実施形態では、縫合糸の装着を容易にする手段を備える結び目プッシャを提供する。そのような実施形態は、縫合糸脚部を捕捉する結び目プッシャデバイスの配置に関し、結び目プッシャを操作する空間が限定されることのある状況では特に有用で有利である。例えば、結び目プッシャが縫合糸結び目を患者体内の奥深くに前進させる必要があり得る一部の状況では、患者体内の標的部位に結び目を前進させるため、結び目プッシャを狭いポータルを通じて挿入することが可能である。そのような状況では、側溝のそれぞれの中に個別に縫合糸脚部を捕捉できるよう、結び目プッシャの再配置若しくは調節を行うことが困難である場合がある。言い換えれば、縫合糸脚部のそれぞれを各側溝内に個々に挿入することを可能にする十分な空間がない場合がある。いくつかのそのような実施形態では、結び目プッシャは、1つ若しくは複数の縫合糸脚部を側溝内に挿入することを容易にする1つ若しくは複数の特徴部を備える。本発明のそのようないくつかの実施形態では、一重結び目を押し進める前記結び目プッシャを使用する間、2本の縫合糸脚部の少なくとも1本を側溝の少なくとも1つの中に案内し、2本の縫合糸脚の少なくとも1本の側溝の少なくとも1つの中への位置決めを支援するため、縫合糸案内部が提供される。
1つのそのような広範な態様では、本発明の実施形態は、縫合糸から形成した結び目を押し進めるために使用可能である結び目プッシャを備え、2本の縫合糸脚部は、結び目から延在し、結び目プッシャは、遠位結び目押圧面で終端する上壁及び底壁を形成する遠位頭部;前記上壁及び底壁との間に形成され、前記結び目押圧面から近位に延在する少なくとも2つの側溝であって、前記側溝のそれぞれは、縫合糸脚部の一方を受け入れるように動作可能である、側溝;並びに前記上壁及び底壁に結合され、縫合糸脚部の一方を側溝の一方の中に案内する少なくとも1つの縫合糸案内部を備える。
次に、特定の図面を詳細に参照するが、図示する事項は、本発明の特定の実施形態の例としてであり、例示的な説明の目的にすぎないことを強調する。本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明若しくは図面に示す構成要素の詳細な構造及び構成の適用例に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、又は様々な様式で実践若しくは実行することができる。また、本明細書で用いる言い回し及び用語は、説明の目的であり、限定と見なすべきではないことを理解されたい。
本発明の一実施形態によれば、図1Aに示すように、縫合糸に形成された結び目を患者体内の部位に前進させ、更に結びを締めるための、結び目プッシャ100Aが開示される。いくつかの実施形態では、結び目プッシャ100は、離れている部位、若しくは接近が制限若しくは限定される組織領域内にあり得る部位に結び目を前進させることを可能にするものであり、結び目は、2本の縫合撚糸で終端する。
本明細書で使用する句「2本の縫合撚糸」、「縫合糸の2つの端部」、「2本の縫合糸脚部」及びこれらのバリエーションは、互いに交換可能であり、縫合糸結び目から出ている/外部に導出する/外側にある縫合糸の部分、即ち結び目によって拘束されない縫合糸の部分を指す。典型的には、これらの部分は、単一の縫合撚糸若しくは縫合糸の部分である。用語「縫合糸の端部」が使用されるが、この文脈では、縫合撚糸の実際の物理的な端部ではなく、結び目から出ている縫合糸の部分を指すことを理解されたい。
更に、本明細書で使用する撚糸という用語は、撚糸に含まれる繊維の数とは関係なく、縫合糸の部分を指す(即ち、単一繊維及び多繊維縫合糸若しくはこれらの部分を縫合撚糸と呼ぶ)ことを理解されたい。
以下の説明のいくつかの部分では、当業者であれば文脈に基づき理解するように、縫合「撚糸」とは、結び目構成体の作動部、非作動部、若しくは作動部及び非作動部の両方のいずれかを指すことができる。いくつかのそのような実施形態では、結び目から出ている2本の撚糸若しくは縫合糸脚部は、非作動部であり、縫合糸の保持に使用する結び目を形成する縫合糸の部分は、縫合糸の作動部であることが理解されよう。
図1Aに示すように、結び目プッシャ100Aは、近位部分10を備え、近位部分10は、遠位部分20に結合される。近位部分10は、(近位部分10の)細長シャフト14を介して遠位部分20に結合されるハンドル12を備える。ハンドル12は、細長シャフト14に沿って力を加えるように動作可能であり、この力は、結び目を押し進めるために遠位部分20に伝達される。1つの特定の例では、図1B及び図1Cに示すように、シャフト14は、ハンドル12と協働的に係合する。例えば、シャフト14は、ハンドル12内の凹部11内に受け入れられ、凹部11内に嵌合する。更に、シャフト14は、Loctite(登録商標)4011接着剤等の接着剤を使用して、凹部11内に固着することができる。
遠位部分20は、遠位部分20内に形成した首部分(又は単に「首部」)22を介して細長シャフト14に結合される遠位頭部30を更に備える。1つの特定の例では、図1B及び図1Cに示すように、シャフト14は、遠位部分20内の凹部21内に受け入れられるペグ又は突起16を備え、凹部21と協働的に係合する。1つの特定の例では、ペグ16は、Loctite(登録商標)4011接着剤等の接着剤を使用して、凹部21内に固着することができる。遠位頭部30は、遠位部分20を前進させる間、結び目、及び結び目に結合させた1つ若しくは複数の縫合撚糸と相互作用して、結び目を前進させ、所望の組織部位で結び目を締める。他の実施形態では、遠位頭部30は、中間首部分22を使用せずにシャフト14に直接結合させることができる。いくつかの例では、首部分22は、シャフト14の一部分とすることができる。他の実施形態では、遠位頭部30は、シャフト14又は首部分22に着脱可能に結合させることができる。このことにより、遠位頭部30を単回使用構成要素として形成することを可能にし得る一方で、シャフト14及びハンドル12は、複数回の使用を可能にするために、再利用可能及び滅菌可能とすることができる。まだ更なる例では、遠位頭部30は、様々なサイズで実現でき、カスタマイズして、体内の様々な領域で使用するか又は様々なサイズの縫合若しくは異なる種類の結び目に適応させることができる。
次に図1Dを参照すると、遠位頭部30は、上壁32及び底壁34(若しくは上面32及び底面34)(代替的に、上側壁32及び下側壁34、若しくは上側面32及び下側面34と呼ぶこともできる)を備え、上壁32及び底壁34はそれぞれ、結び目を遠位に押し進めさせるため、結び目と直接相互作用する遠位結び目押圧面38内で終端する。遠位結び目押圧面38は、遠位頭部30の正面図を示す図1Eで見ることができる。いくつかの実施形態では、遠位結び目押圧面38は、実質的に平らな平坦面である。いくつかの実施形態では、底壁34は、首部22と一体形成され、図1D〜1E及び図2に示されるように上壁32から平面でずれる。言い換えれば、上壁32及び底壁34は、ずれている個別の平面に沿っているが、可能性としては、互いに平行である。更に、図3に示すように、上壁32及び底壁34は、2つの側方に対向する側溝40A及び40Bを形成し、側方に対向する側溝40A及び40Bは、上壁32及び底壁34のそれぞれの内側面32’と34’との間に延在する。側溝40A及び40Bのそれぞれは、結び目から延在若しくは導出する2本の縫合撚糸のうち少なくとも一方を受入れ、把持、収容、若しくは保持するように設計される。一例では、上壁32及び底壁34は、面取りされ、側溝40A、40B内への縫合糸の装着を促進する。いくつかの実施形態では、側溝は連続する。即ち、単一の連続溝が両側及び結び目押圧面38に沿って延在する。
更に、図1D及び図1Eに示すように、上壁32及び底壁34のそれぞれの一部分は、支持部31’を形成する遠位頭部30の長手方向軸に沿って接合することができ、支持部31’は、長手方向軸に沿って延在し、長手方向に延在する側溝40Aと40Bとの間で横方向に位置する。支持部31’は、上壁32及び底壁34が遠位頭部30の長手方向軸に沿って互いに接続されるか若しくは互いと一体であるように、上壁32と底壁34とを接続する遠位頭部30の一領域又は一構成要素として定義される。1つの特定の例では、図示のように、遠位頭部30は、中心支持部31を備え、中央支持部31は、上壁32及び底壁34が遠位頭部30の中心軸に沿って接続されるように上壁32と底壁34とを接続する。側溝40A及び40Bは、中心支持部31に沿って横方向に延在しない。したがって、側溝40A及び40Bは、中心支持部31の幅と等しいものであり得る固定距離で互いに側方に離間される。このことにより、結び目を押し進め及び/若しくは前進させるにつれて、それぞれ側溝40A及び40Bの一方に位置する一重結び目の2本の縫合撚糸が強制的に別々に広げられる。溝40A及び40Bは、2本の縫合撚糸が結び目押圧面38に沿って一重結び目に対して約180°の角度で向けられるのを可能にする距離、及び互いに対して一重結び目の効果的な締付け及び係合を可能にする距離で互いに離れている。側溝40A及び40Bが更に互いに離間するほど、2本の縫合撚糸のそれぞれの角度は、180°に近づく。いくつかの実施形態では、側溝40Aと40Bとの間の距離は、側溝40A及び40Bの幅に関連し、いくつかの実施形態では、この距離は、結び目プッシャで使用する縫合糸の幅にも関連し得る。1つの特定の実施形態では、側溝40A及び40Bは、使用する縫合糸の直径の約10倍に等しい距離だけ離間し、この距離は、例えば、2つの側溝40A、40Bのそれぞれの幅に実質的に相当する。1つの特定の例では、2−0縫合糸用の側溝穴の間の距離は、約0.110インチとすることができる。
図1E及び図2に示すように、結び目プッシャ100Aは、例えば遠位頭部の上壁と関連する縫合糸受入れ要素、即ち、上壁縫合糸受入れ要素を更に備える。上壁縫合糸受入れ要素は、例えば、縫合糸脚部を受け入れることができる構成要素、2つの側壁を有する「照準器」型構造体等であってもよく、これら2つの側壁は、上壁から突出し、縫合糸を中に受け入れることができる間隙若しくは溝を形成する。代替的に、図1E及び図2に示すように、縫合糸受入れ要素は、上壁若しくは上面32内に形成された中間溝40Cを備え、上壁若しくは上面32は、結び目押圧面38から近位に延在し、上壁32に沿って長手方向に延在する。中間溝40Cは、上面32内に開口する。より具体的には、いくつかの実施形態では、中間溝40Cは、上述した中心支持部31等の支持部31’内に形成することができる。いくつかの実施形態では、中間溝40Cは、上壁32内に形成することができるが、底壁34の一部分の中に深さ方向で延在できる。それによって、中間溝40Cは、結び目押圧面38と連通し、結び目押圧面38で終端する。結び目押圧面38を用いて摺動結び目を押し進めるために、結び目プッシャ100Aを前進させるとき、中間溝40Cは、摺動結び目から出た2本の縫合撚糸のうち1本を中間溝40Cの中に保持することを可能にする。
いくつかの実施形態では、中間溝40Cの少なくとも一部分、例えば部分40Cd等少なくとも中間溝40Cの遠位部分に沿った部分は、結び目の幅よりも小さい幅を有し、結び目プッシャ100が遠位に前進して結び目を押し進めたときに結び目が摺動し溝に入らないようにする。より詳細には、中間溝40Cは、摺動結び目のポスト(図7を参照して説明する)が中間溝40C内に位置する若しくは受け入れられることを可能にする一方で、結び目プッシャ100Aは前進して、摺動結び目を組織に押し付ける。
いくつかの実施形態では、中間溝40Cは、中心支持部31に沿って延在でき、図1E及び図2に示すように、結び目プッシャ100Aの中心軸C−Cに沿って中心溝40C’を形成する側溝40A、40Bから等距離で位置することができる。中間溝40Cの構成は、摺動結び目の前進を促進する。代替実施形態では、中間溝40Cは、中心支持部31に沿って側方に位置を変えることができ、図1Fに示す他の側溝と比較すると、側溝のうちの一方により近くに位置させることができる。言い換えれば、中間溝40Cは、中心軸C−Cに平行で中心軸C−Cからずれる遠位頭部の長手方向軸L−Lに沿って延在し、片寄り溝40C’’を形成することができる。例えば図1Fに示すように、片寄り溝40C’’は、側溝40Bと比較すると、側溝40Aのより近くに位置する。より詳細には、片寄り溝40C’’は、側溝40Aから距離d1で位置し、側溝40Bから距離d2で位置し、d1はd2よりも小さい。片寄り溝40C’の本構成も、摺動結び目の前進を促進する。
1つの特定の例では、中心溝又は通路40Cは、摺動結び目の前進若しくは押し進めを容易にすることに加えて、観察通路として機能し、一重結び目を前進させ、締めることを容易にする。言い換えれば、中間溝40Cは、一重結び目が締められるときに一重結び目の観察を可能にし、両方の縫合撚糸に対し等しい張力を維持するようにする。結び目に等しくない張力がかかると、結び目は、結び目プッシャの先端で中心に留まることができなくなり、中間溝40Cを通してユーザが見ることがもはやできない。したがって、中間溝40Cは、一重結び目を押し進める際に、ユーザが一重結び目を見続けることを可能にし、一重結び目が、所望の標的組織の表面で正確に位置づけられ、十分且つ効果的に締まっていることを保証する。いくつかの実施形態では、中間溝40Cは、一重結び目を見ることを可能にし、一重結び目が所望の組織面で摺動結び目の上部に隣接し、その上に位置することを保証するのに役立つ。いくつかの実施形態では、中間溝40Cの少なくとも近位部分、図2に示す部分、例えば40Cpは、縫合糸若しくは縫合糸の結び目の幅よりも大きな幅を有し、一重結び目の可視性を更に向上させる。図2に示すように、いくつかのそのような実施形態では、中間溝40Cの幅は、その長さ部に沿って変化させることができる。更なる実施形態では、摺動結び目及び/若しくは一重結び目を見ること、並びに縫合撚糸を溝40A、40B及び40Cのいずれかの中に配置することを容易にするために、遠位頭部30は、半透明であってもよく、透き通った若しくは透明な材料から成っていてもよい。したがって、透明遠位頭部30は、結び目プッシャ100Aの使いやすさを向上させ、摺動結び目及び一重結び目を前進させ、患者体内の所望の組織位置に配置することを促進し得る。更に、遠位頭部30は、遠位頭部30の上に印を備えてもよく、この印は、撚糸をどこに、どの順で配置し得るかを示し、摺動結び目及び一重結び目の前進を容易にする。
また別の実施形態では、図1Gに示すように、溝40Cは、カバー若しくはキャップ41で覆うことができ、カバー若しくはキャップ41は、その長さ部に沿って溝40Cを少なくとも部分的に包囲し、トンネル若しくは包囲溝41Cを形成する。いくつかの実施形態では、キャップ41は、溝40Cと一体に形成することができる。したがって、包囲溝41Cは、中間溝40C、及び中間溝40Cを包囲するキャップ41を備える。包囲溝41Cは、縫合糸が包囲溝41Cを通って進み、包囲溝41Cの中に保持されることを可能にし、使用中、結び目プッシャ100Aを前進させて摺動結び目を患者体内の組織内の所望の標的位置に位置させる際、縫合糸が外れないようにする。したがって、包囲溝41Cは、例えば結び目プッシャ100Aを前進させる際に遠位頭部30によって摺動結び目に対し力が加えられたときに、縫合糸が摺動し外れるのを防止することができる。
更なる実施形態では、図1Hに示すように、結び目プッシャ100Aの遠位頭部30は、縫合糸を中間溝40C内に保持する縫合糸保持特徴部を更に備えることができる。例えば、中間溝40Cは、縫合糸保持要素を備える縫合糸保持特徴部を備えることができ、縫合糸保持要素は、中間溝40Cの長さ部に沿って少なくとも部分的に延在する。1つの特定の例では、弾性材料43を中間溝40C内に、例えば中間溝40Cの1つ若しくは複数の内側壁に沿う形で中間溝40Cの内部に位置させることができる。図示の特定の例では、弾性材料43は、中間溝40Cの内側壁の両方に沿って中間溝40Cの内部に位置し、中間溝40C内に形成した通路を効果的に狭くする。弾性材料43は、その基準若しくは閉鎖位置では、中間溝40Cの開口部若しくは通り道を部分的に塞ぐように機能し、それにより中間溝40Cの幅を狭くする。縫合糸が中間溝40C内に挿入されると、弾性材料は、その基準若しくは閉鎖位置から開放位置に撓み、それによって中間溝40C内の通路を広げ、縫合撚糸が中間溝40C内に受け入れられるのを可能にする。その後、弾性材料は、その基準若しくは閉鎖位置に戻り、縫合糸を中間溝40C内に保持する。
代替実施形態では、中間溝40Cは、1つ若しくは複数の弾性スナップ・アームを備え、縫合糸を保持することができ、この弾性スナップ・アームは、本明細書の以下で説明する、側溝40A、40Bに対するスナップ・アームと同様に機能することができる。スナップ・アームは、中間溝40C内で内側に延在することができる。スナップ・アームは、最初、縫合糸が中間溝40C内に入るのを阻止できるが、撓むこともでき、縫合糸を中間溝40C内に通すことを可能にする。縫合糸を中間溝40C内に置いた後、次に、スナップ・アームは、その元の位置に戻り、縫合糸を中間溝40Cの通路内に閉じ込め、使用中に縫合糸が抜けないようにする。
また更なる実施形態では、中間溝40Cは、移動可能なキャップの形態の縫合糸保持要素若しくは構成要素を備えることができる。例えば、前に説明したキャップ41は、移動可能であり得、摺動構成内に中間溝40Cと動作的に結合させることができ、それによって、縫合糸をその開放構成に挿入させ、縫合糸を閉鎖構成で保持し、閉じ込めることを可能にする。キャップは、例えばキャップを溝40Cの上で摺動させることによって閉鎖することができる。他の実施形態では、縫合糸保持要素は、摺動ピンの形態であってもよく、この摺動ピンは、縫合糸をその閉鎖構成で保持するように機能する一方で、縫合糸がその開放構成では溝内を自由に通過することを可能にする。また更に、一代替例では、縫合糸保持要素は、ラッチを備える。
本発明の更なる実施形態では、遠位頭部30は、底壁と関連する更なる縫合糸受入れ要素、即ち、底壁縫合糸受入れ要素を備えることができる。底壁縫合糸受入れ要素は、溝、具体的には対向溝40Dとすることができ、対向溝40Dは、中間溝40と位置合わせされる若しくは位置合わせされないが、底壁34内に形成される。図1I及び図1Jに示す対向溝40Dは、結び目押圧面38から近位に延在し、底壁34に沿って長手方向に延在し、底壁34の外面内に開口する。いくつかの実施形態では、対向溝40Dは、底壁若しくは面32に沿って、上記した中心支持部31等の支持部31’内に形成することができる。対向溝40Dは、使用中、摺動結び目を遠位結び目押圧面38に対し適所に保持可能にすることによって、ダインズ・ノット(Dines knot)等の摺動結び目の係止を容易にする。言い換えれば、遠位頭部は、一実施形態では、対向溝を備え、対向溝は、中間溝と位置合わせされ、底壁内に形成されて、摺動結び目を締めることを促進し、摺動結び目を締めた構成で係止する。更なる対向溝40Dを有する遠位頭部30を用いる結び目プッシャ100Aの使用方法は、図7A〜図7B並びに図1I及び図1Jを参照して本明細書の以下で更に説明する。
図1Kに示す更なる実施形態では、結び目プッシャ100Aは、張力調整補助器若しくは張力維持要素50を更に備え、張力調整補助器若しくは張力維持要素50は、例えば、結び目プッシャ100Aのシャフト14の前面若しくは上面に沿って位置する。張力調整補助器50は、中間溝40C内(中心溝40C’内等)に保持した縫合撚糸に対する張力を保つように機能する。図1Lに示す1つの特定例では、張力調整補助器50は、二重ペグ50Aを形成し、二重ペグ50Aは、シャフト14の前面若しくは上面上に組み付けた2つのペグ51を備える。2つのペグ51は、縫合撚糸(本明細書の以下で説明するポスト84を備えることがある)をペグの周りに巻き付けることを可能にする。より具体的には、縫合撚糸は、8の字構成で2つのペグ51を通して送られ、それにより、縫合糸を結び目プッシャ100Aのシャフト14に固定する。他の実施形態では、張力調整補助器50は、1つ若しくは複数のペグを有する構成を備えることができる。張力調整補助器50の使用方法は、結び目プッシャ100Aの使用方法のステップを示す図7A〜図7Eを参照して本明細書の以下で更に説明する。
図1Mに示す代替構成では、張力調整補助器50は、単一ペグ50Bを備える。ポスト84は、ペグ51の周りに巻き付けてシャフト14に固定することができる。図1Nに示すまだ更なる代替形態では、張力調整補助器50は、留め具若しくはクリップ50cを備え、留め具若しくはクリップ50cは、シャフト14上に組み付けた本体53を備える。例えば、本体53は、突起を介してシャフト14に結合させることができる。本体53は、本体とシャフト14との間に間隙が存在するようにシャフト14から離間し、間隙を通してポスト84を送ることを可能にする。本体は、本体の中に形成した少なくとも1つのスリット若しくは開口52を更に備え、スリット若しくは開口52は、2本の縫合撚糸のうち1本を間に保持して2本の縫合撚糸のうち1本をシャフトに固定する2つのアーム53a及び53bを形成する。いくつかの例では、開口52は、その基部で近位方向に狭くなり、頂点54を形成し、頂点54は、縫合撚糸を挟むように機能し、縫合撚糸を本体53の背後を通し、次に本体53の前を通るように開口52に通した後、ポスト84を頂点54に挟むことを可能にする。
いくつかの実施形態では、図4A、図4B及び図4Cに示すように、遠位頭部30は、側溝縫合糸保持機能部、例えば側溝縫合糸保持要素を更に備えることができ、側溝縫合糸保持要素は、1つ若しくは複数の側溝40A、40Bと関連する。いくつかの実施形態では、側溝40A、40Bのための縫合糸保持特徴部は、中間溝40Cに関して既に本明細書で説明した縫合糸保持特徴部と同じものであってもよい。1つの特定の例では、側溝縫合糸保持要素は、スナップ・アーム44を備え、スナップ・アーム44は、例えば強制嵌合若しくはスナップ嵌合構成を介して首部22に結合される。スナップ・アーム44は、長手方向に延在するステム46から径方向に延在するスナップ46a及び46bを備える。図1B及び図2に更に示す1つの特定の例では、スナップ・アームのタブ45は、首部22の開口23内に受け入れられ、首部22と係合する。図示の実施形態では、スナップ46a及び46bはそれぞれ、底壁34の一部分を形成する。いくつかの実施形態では、スナップ・アーム44は、弾性であり、スナップ46a及び46bがそれらの基準若しくは閉鎖位置から開放位置に撓むのを可能にし、縫合糸の2つの端部を対向溝40A及び40B内に受け入れることを可能にする。その後、スナップ46a及び46bは、それらの基準若しくは閉鎖位置に戻り、2つの縫合糸の端部を前記側溝40A及び40Bのそれぞれの中に保持する。
1つの特定の例では、図4B及び図4Cに示すように、スナップ46a及び46bのそれぞれは、凸部48a、48bを備え、凸部48a、48bはそれぞれ、壁の間に最小の隙間若しくは間隙49があるように、底壁34から離れて上壁32に向かって突出し、縫合糸が側溝40A、40Bから出るのを実質的に防止する。いくつかの実施形態では、スナップ46a、46bが閉鎖位置にある場合、隙間若しくは間隙49は、縫合糸の外径若しくは幅よりも小さく、縫合糸を側溝40A、40B内に保持/拘束し、結び目前進工程の間、縫合糸が間隙49を通り抜けないようにする。更に、スナップは、縫合撚糸に対する張力が維持されていないときに、縫合撚糸が側溝40A及び40B内から外れるリスクを低減する。このことは、縫合撚糸が処置の間に側溝40A、40Bから出る危険を最小化するのに役立ち、したがって結び目プッシャを遠位に前進させて結び目を押す際に、縫合撚糸を側溝40A及び40B内に再度挿入する必要性を最小にするのに役立つ。いくつかの実施形態では、一対のスナップ46a及び46bは、ヒンジ付きスナップを備え、ヒンジ付きスナップは、側溝40A、40B内に縫合撚糸を拘束若しくは係止するように働く。側溝40A、40Bは、縫合糸を保持するのに十分な深さのものである。いくつかの実施形態では、スナップ46a及び46bは、面取りされ、側溝40A、40B内への縫合糸の装着を促進する。
いくつかの実施形態では、首部22は、首部22の上面に沿って先細部分24を備え、先細部分24は、図4B及び図4Cに示すように、対向する側溝40A及び40B内へと通じる。首部22は、首部22の上面が底壁34の内側面と面一であるように、対向する側溝40A及び40B内へと先細になる。対向する側溝40A及び40Bのそれぞれは先細部分24と連続的に形成されるため、このことにより、2本の縫合撚糸を側溝40A及び40B内に案内/導くことが可能になる。言い換えれば、先細部分24は、側溝40A及び40Bと連続している。このことは、結び目プッシャ100A内に縫合撚糸をより容易に装着することを可能にし、結び目前進手順を容易にする。いくつかの実施形態では、先細部分24は、平らな平坦面25を備える。
いくつかの実施形態では、側溝40A及び40Bのそれぞれは、湾曲部を形成し、若しくは代替的に、遠位頭部30の中心軸から離れて径方向に延在する。湾曲側溝40A及び40Bは、遠位結び目押圧面38から首部22に向かって近位に延在する。いくつかの実施形態では、中心支持部31から近位に延在する上壁32の一部は、図4Bに示す張出し33を形成する。側溝40A、40Bのそれぞれの部分は、張出し33と首部22との間に形成される。張出し33は、遠位頭部30による縫合糸の捕捉を容易にするフックとして機能する。フックを使用すると、2本の縫合糸は、側溝40A、40B内に容易に案内でき、縫合糸の結び目プッシャ100A内へのより容易な装着を可能にする。
次に図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、結び目プッシャ100Aは、縫合糸の装着及び/又は結び目を押すことを促進する、更なる特徴部を備えることができる。いくつかのそのような実施形態では(図示せず)、結び目押圧面38は、結び目プッシャの(平面Fに沿った)長手方向軸に垂直である平面Pに沿って形成(若しくは延在)することができる。他の実施形態(図示のとおり)では、結び目押圧面38は、結び目押圧面38が平面Pに対して傾斜にあるように先細部を形成する。いくつかの実施形態では、結び目押圧面38の平面P’は、(平面Fによって形成する上面32に対して)角度θにあり、角度θは、約90°未満である(若しくは言い換えると、平面P’は、結び目プッシャ100の長手方向軸から約90度を超える角度[180−θ]に向けられている)。特定の例では、結び目押圧面38と上面32との間の角度θは、約89度である。結び目押圧面38の傾斜は、中間溝40C(図2を参照)の開口から離して結び目を保持するのに役立つ。結び目プッシャの遠位結び目押圧面38は、結び目を押し進めて締めるように、垂直面から離れて角度を付けられ、長手方向に向けられた分力は、結び目を(下に)中間溝40Cの開口から離して向けるように作用する。傾斜結び目押圧面38は、摺動結び目等の結び目が結び目プッシャ100Aから離れないようにして患者への損傷を防止するか、若しくは結び目と結び目プッシャ100Aとの再係合の必要性をなくすのに役立つ。
図1Aに示すように、結び目プッシャは、長さlを有することができる。いくつかの実施形態では、長さlは、約3.00インチから約20.00インチまでの間と等しいものとすることができる。1つの特定の例では、結び目プッシャ100Aは、約11.09インチに等しい長さlを有する。前述のように、結び目プッシャ100Aは、近位部分10のシャフトに結合される遠位部分20を備える。図1Dに示すように、遠位部分20は、長さYを有することができる。いくつかの実施形態では、遠位部分20の長さYは、約0.10インチを超えるものと等しいものとすることができる。そのような一例では、遠位部分20は、ハンドル12を越えて遠位に延在するデバイスのかなりの部分若しくは大部分を形成することができる。図1Dに示すように、1つの特定の例では、遠位部分20は、約1.00インチに等しい長さYを有する。更に、シャフト14及び遠位部分20は、約2.00インチから約19.00インチ、例えば約7.35インチの組合せ長さSを有することができる。更に、シャフト14は、約0.10インチから約1.00インチまでの間、より具体的には約0.10インチから約0.50インチまでの幅Swを有することができる。1つの特定の例では、シャフト14は、約0.20インチの幅Swを有する。
前述のように、シャフト14は、遠位部分20に結合され、遠位部分20は、遠位頭部30を更に備える。図1Eに示すように、遠位頭部の幅は、Uによって定義される。いくつかの実施形態では、遠位頭部30は、約0.10インチから約1.00インチまでの間、より具体的には、約0.10インチから約0.50インチまでの間の幅Uを有することができる。1つの特定の例では、遠位頭部30は、約0.33インチに等しい幅Uを有する。
いくつかの実施形態では、側溝40A、40Bの長さは、上壁32及び底壁34の長さと実質的に等しいものとすることができる。1つの特定の例では、図1Dに示すように、上壁32及び底壁34は、それぞれ約0.33インチ及び0.32インチに等しい長さZ、Wを有する。更に、2つの対向する側溝は、遠位結び目押圧面38から約0.33インチに等しい長さだけ延在する。いくつかの実施形態では、遠位頭部30並びに側溝40A及び40Bのそれぞれの長さは、約0.10インチから約1.00インチまでの間、より具体的には約0.10インチから約0.50インチまでの間の範囲とすることができる。他の実施形態では、遠位頭部30の長さは、約1.00インチを超えていてもよい。
前述のように、側溝40Aと40Bとの間の距離は、中心支持部31の幅によって定義することができる。いくつかの特定の実施形態では、側溝の間の距離は、使用する縫合糸の幅/直径(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)の約3倍に等しいか若しくは約3倍を超えることができる。1つの特定の例では、側溝40Aと40Bとの間の間隔、したがって、中心支持部31の幅は、使用する縫合糸の幅が約0.004インチである場合、約0.012インチである。したがって、側溝の間の間隔は、使用する縫合糸のサイズに対応(即ち比例)することができる。いくつかの実施形態では、側溝の間の間隔は、サイズ5までの縫合糸に対応することができる。即ち、これらの実施形態では、側溝の間の間隔は、デバイスで使用することを意図する縫合糸に応じて、「サイズ5」縫合糸の幅の約3倍までとすることができる。他の実施形態では、側溝40A、40Bは、縫合糸の幅の約5倍から約70倍までの間の距離だけ離間することができる。1つの特定の実施形態では、側溝40Aおよび40Bは、使用する縫合糸の幅の約10倍の距離だけ離間する。図1Eに示す、例えば2−0縫合糸と共に使用できる1つのそのようなデバイスでは、中心支持部31の幅X、したがって、側溝40Aと40Bとの間の距離は、2−0縫合糸の幅の約10倍に等しい約0.11インチに等しい。
いくつかの実施形態では、側溝40Aと40Bとの間の距離は、使用する縫合糸の幅に比例するのではなく、側溝40A、40Bのそれぞれの実際の幅と相関し得る。再度図1Eを参照すると、側溝40Aと40Bとの間の距離(即ち、中心支持部31の幅X)は、側溝40A、40Bの幅を差し引いた遠位頭部30の幅Uとほぼ等しい。この特定の例では、中心支持部31の幅は、2つの側溝40A及び40Bのそれぞれの幅と等しい、約0.11インチである。いくつかの実施形態では、側溝の間の距離は、側溝40A、40Bの幅の約5倍から約70倍に相当し得る。いくつかのそのような実施形態では、側溝のそれぞれの幅は、使用する縫合糸の幅に等しい。
次に図1Dを参照すると、遠位頭部30の中心支持部31は、遠位頭部30の全長W未満である長さVを規定し、結果として、張出し33の形成を可能にする。より具体的には、側溝40A及び40Bのそれぞれの近位部分は、中心支持部31から近位に延在する上壁32の近位部分によって形成した張出し33によって形成することができる。張出しは、支持部31の長さVを差し引いた遠位頭部30の長さWにほぼ等しい長さを有することができる。1つの特定の例では、中心支持部31は、約0.250インチの長さVを有し、張出し33のそれぞれは、約0.076インチの対応長さを有し、即ち、側溝40A及び40Bのそれぞれの近位部分は、約0.076インチの長さを有する。
図2を再度参照すると、中間溝40Cの少なくとも一部分、例えば遠位部分40Cdは、使用する縫合糸の幅に実質的に等しい幅を有することができる。より具体的には、中間溝40Cの遠位部分40Cdは、縫合糸を、遠位部分40Cdを通して位置づけることを可能にするのに十分なだけ幅広であるように寸法決定される。いくつかの実施形態では、遠位部分40Cdは、縫合糸の幅の約1倍から約3倍までの間の幅を有することができる。中間溝の幅を制限すると、遠位結び目押圧面38に位置する結び目が中間溝40C内で引っ張られないようにすることを助け得る。いくつかの実施形態では、中間溝遠位部分40Cdの幅は、約0.012インチから約0.042インチまでの範囲とすることができる。1つの特定の例では、図1Eに示すように、中間溝40Cの遠位部分は、0.011インチ幅の縫合糸の使用においては、約0.025インチの幅X’を有する。別の例では、約0.004インチの縫合糸幅を有する縫合糸の使用においては、中間溝遠位部分40Cdは、約0.012インチの幅を有する。
いくつかの実施形態では、中間溝40Cの近位部分40Cpの幅は、遠位部分40Cdの幅に実質的に等しい。代替実施形態では、近位部分40Cpに沿った中心溝40Cの幅は、遠位部分40Cdに沿った幅を超える。いくつかのそのような実施形態では、近位部分40Cpの幅は、側溝40Aと40Bとの間の合計距離よりもわずかに小さい。
例えば図1Aに示すいくつかの実施形態では、結び目プッシャの遠位頭部30を、ハンドル12からずらし、処置中の遠位頭部30に対する視界及び見通しを向上させることができる。言い換えれば、遠位頭部の長手方向軸は、ハンドルの長手方向軸とは異なる/ハンドルの長手方向軸からずれ、即ち、遠位頭部は、ハンドルに対して位置合わせしていなくても、平面でずれていてもよい(とはいえ、ハンドル及び遠位頭部によっk形成されるそれぞれの平面は、図示のように互いに平行であってもよい)。このことは、医師の手が遠位頭部30を視界から遮るのを防止するのに役立つ。いくつかの実施形態では、遠位頭部30を、約1.0インチから約4.0インチまでの間ハンドル12からずらすことができる。遠位部分20がハンドル12から横方向にずれる実施形態の特定の例では、上壁32の上面は、ハンドル12の底面から約1.74インチずれる。また他の実施形態では、ハンドル12は、遠位頭部30からずれず、遠位頭部30と同軸に位置合わせすることができる。
いくつかの実施形態では、ハンドル12は、約0.5インチから約1.0インチまでの範囲の幅、及び約1.0インチから約5.0インチまでの範囲の長さを有することができる。1つの特定の例では、ハンドル12は、約0.56インチの幅hw及び約3.74インチの長さを有する。別の例では、ハンドル12は、人間工学的ペン状の握りを規定するように、サイズ決定し、構成し、成形することができる。したがって、本発明のいくつかの実施形態によれば、ハンドルは、ハンドルを快適且つ容易に保持することを可能にする人間工学的形状を有する。いくつかの実施形態では、ハンドル12の部分は、結び目プッシャを握る/掴む及び操作するのに適切な材料でコーティングする/覆う/上張りすることができる。例えば、ハンドル12は、ハンドルの1つ若しくは複数の側部上に、人間工学的側部握りを含むことができ、側部握りは、Santoprene(登録商標)等の熱可塑性エラストマから成る。代替実施形態では、他の材料を使用することができる。上述の寸法は、椎間板線維輪の欠損を閉鎖するため、及び他の同様の用途のために使用する結び目プッシャに特に好適であることがわかっている。
代替実施形態では、図5A〜図5Bに示すように、結び目プッシャ100Bは、シャフト14若しくは首部22の上面に結合できるスナップ・アーム44’を備える。スナップ46a’及び46b’は、結び目プッシャ100Bの上面32の一部分を形成する。スナップ46a’、46b’は、スナップ46a及び46bと同様に機能し、縫合糸を側溝40A及び40B内に保持し、張力の解放時に、縫合糸が結び目プッシャの遠位頭部30から外れないようにする。スナップ46a’及び46b’は、下向きに延在する凸部48a’、48b’を備え、凸部48a’、48b’は、本例では底壁34を備え、対向する壁に向かって延在し、縫合糸を間に保持するようにする。図5A〜図5Bに示す実施形態は、摺動結び目の前進を可能にする中間溝40C(図示せず)を更に備えることができる。
図6A〜図6Cに示す更なる代替実施形態では、中心観察通路を有する結び目プッシャが開示される。結び目プッシャ100Cは、近位部分10を備え、近位部分10は、ハンドル12及びシャフト14を備える。結び目プッシャ100Cは、遠位部分20を更に備え、遠位部分20は、首部22及び遠位頭部30を備え、遠位頭部は、上壁32と底壁34との間の側溝40A及び40Bを形成する(34は図示しないが、結び目プッシャ100Cの底面/下側面上にある)。遠位頭部は、中心通路若しくは溝40C’を形成し、中心通路若しくは溝40C’は、遠位頭部30の上面32を通り長手方向に延在する。中間溝若しくは通路40C’は、遠位頭部30の近位部から結び目押圧面38まで延在する。中間溝40C’は、観察通路として作用し、一重結び目の観察を可能にして一重結び目を締めることを容易にする。
図6Aを参照すると、シャフトをずらした代替実施形態が示される。この特定の実施形態では、シャフトは、ハンドル12に対し非平行な長手方向軸を規定するように湾曲する。
前述のように、いくつかの医療用途では、組織を接近させ、組織領域に通してある縫合糸を固定するために、1つ若しくは複数の結び目を加えることが望ましい。例えば、1つ若しくは複数の結び目は、(a)組織に接近するのを助けるため、及び(b)欠損の周囲に縫合糸を固着させるために、欠損を有する組織領域に通してある縫合糸に加えることができる。いくつかのそのような用途では、摺動結び目及び一重結び目両方の使用を必要とし、これらの結び目は、組織部位に前進させるため及び組織部位で締めるために、異なる機構を有する。組織部位を遠隔で処置する場合若しくは他の理由で組織部位への接近が制限される場合の用途では、結び目(複数可)を前進させる及び/若しくは締めるために結び目プッシャを使用することが望ましい場合がある。したがって、縫合される組織への接近が制限される場合、及び処置を完成させるには両方の種類の結び目が望ましい/必要とされる場合のそのような用途では、ユーザが、両方の形態の結び目を前進させ、締めるのに、同じデバイスを利用できることが有益であると思われる。
いくつかのそのような用途では、組織領域内の欠損を処置するために、摺動結び目を組織部位に前進させ、その後、その摺動結び目を適所に固着するために、1つ若しくは複数のハーフ・ヒッチ又は他の種類の一重結び目を加えることができる。これらの更なる結び目は、処置の後に、摺動結び目が開かない若しくはほどけないことを保証するのに役立つ。
そのような処置の実施形態によれば、処置過程の間、摺動結び目及び一重結び目の両方を前進/押し進めるために、本明細書で上記したもの等の結び目プッシャの使用方法が開示される。本実施形態の1つの特定の例では、組織部位は、例えば椎間板線維輪内の欠損を形成する組織領域を含むことができる。そのような一例では、椎間板への接近は、手術ポータル、例えば椎弓板を通して挿入でき、椎間板の患部組織に縫合糸を通すことを可能にする。
縫合糸ループを欠損部の周囲に通した後、例えば2012年2月10日出願の米国仮特許出願第61/597,449号に開示されるように、摺動結び目を展開して縫合糸を固着することができ、当該出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。結び目プッシャは、欠損部における組織の接近を可能にするポータルを通して、縫合糸に沿って摺動結び目を前進させ、更に、摺動結び目を締め、係止するために使用する。摺動結び目を椎間板の表面に固着するために、1つ若しくは複数の更なるハーフ・ヒッチ又は他の一重結び目が、摺動結び目の上に加えられる。
摺動結び目は、縫合糸が椎間板を通った後に形成してもよく、若しくは事前に形成又は結節され、その後展開される摺動結び目でもよい。図7A〜図7Bに示すように、摺動結び目82は、2本の縫合撚糸で終端し、一方の撚糸は、ポスト84として定義され、第2の縫合撚糸は、ロッカー(locker)86として定義され、これらの用語は当業者には公知である。
以下の説明は、図7A〜図7Eを参照する。本発明の方法の1つの特定の例では、摺動結び目82は、ダインズ・ノット83を含む。図7Aに示すように、ポスト84は、中間溝40C、具体的には中心溝40C’内に置かれ、摺動結び目82は、遠位結び目押圧面38に載置される。次に、結び目プッシャ若しくはデバイス100Aを組織部位に向けて、例えば1つのポータルを通して前進させ、摺動結び目82上を直接押し進めることによって、遠位頭部30が摺動結び目82を押し進め若しくは前進させることを可能にする。結び目プッシャ100Aを前進させる際、ポスト84に対する張力を維持する。遠位結び目押圧面38によって、長手方向に向けられた力が摺動結び目82に対して加えられ、それにより、摺動結び目82は、ポスト84に沿って遠位に(例えばポータルを通じて)図7Bに示す欠損95を有する組織面に位置するまで摺動させられ、ここで、組織は、例えば、椎間板線維輪とすることができる。近位の「引っ張り」力がポスト84に加えられ、組織を接近させるために摺動結び目82を前進させる際に、ポスト84が張られた状態で維持する。
更に、例えば図4bに示すように、結び目押圧面38が傾斜する実施形態では、傾斜により、長手方向に向けられた分力が摺動結び目82を中心溝40C’の開口から離して向けることを可能にする。このことは、結び目プッシャ100Aが前進する際に、摺動結び目82が結び目押圧面38との係合を保持することを可能にし、摺動結び目82を締めるのを更に助ける。
摺動結び目82がダインズ・ノット83である1つの特定の実施形態では、結び目プッシャ100Aの使用により、欠損を接近させるため連続的な張力が加えられる。他の実施形態では、結び目プッシャ100Aを、組織面で摺動結び目82に押し付け、離すことができる。これ(即ち、押し引き動作)は、摺動結び目82を更に締めるために、複数回繰り返すことができる。そのような実施形態では、結び目プッシャ100Aは、摺動結び目が完全に堅く締まるまで、4回押し付け、離すことができる。このステップで、欠損95の組織の接近が十分であるかどうかを決定する。組織の接近が十分ではないと思われる場合、結び目プッシャ100Aを押し付け、離すステップを更に繰り返すことができる。
組織が所望の程度に接近させられた後、ポスト84に沿って張力を維持する一方で、ロッカー86を引っ張り、ダインズ・ノットの位置を係止する、即ち、摺動結び目82(この特定のケースではダインズ・ノット83を含む)が再構成されるまで、ロッカー86を引っ張る。このことにより、ダインズ・ノット83を係止する。いくつかの実施形態では、ダインズ・ノット83の完全な係止を保証するために、ロッカー86を2回以上引っ張り、離すことができる。1つの特定の例では、ロッカー86を4回引っ張り、離すことができる。次に、結び目プッシャ100Aを、ポータルを通じて引き出すことができる。
図1Jに示す1つの特定の例では、遠位頭部30は、中間溝40C及び対向溝40Dを備える。1つのそのような実施形態では、中間溝は、中間溝40C’を備える。本発明の方法によれば、図7A及び図7Bを参照して上で説明したのと同様に、縫合糸のポスト84は、中心溝40C内に置かれ若しくは受け入れられ、ダインズ・ノット83等の摺動結び目82を遠位結び目押圧面38に対して適所に保持するために引っ張られる。次に、ロッカーは、底壁34に沿って遠位頭部30の下に引っ張られ、対向溝40内に置かれ若しくは受け入れられ、対向溝40内に保持される。ポスト84及びロッカー86がこの向きで保持されると、ダインズ・ノット83にかかる張力を最適にするのに十分な力でポスト84を引っ張ることが可能になる。このことは、ダインズ・ノットを十分に締めることを可能にし、組織の効果的な接近を保証する。ポスト84は、ロッカーが引っ張られるまでダインズ・ノットに対する力が維持されるように、張力のかかった状態でぴんと張られ続け、したがって、ダインズ・ノット83をその締めた構成で係止する。したがって、対向溝40Dは、摺動結び目82を遠位結び目押圧面38に対し適所に保持することを可能にし、ダインズ・ノット83等の「摺動係止結び目」の締め及び係止を最適化する。
いくつかの実施形態では、ダインズ・ノット83等の摺動結び目82の締め及び係止を促進するために、結び目プッシャ100Aは、既に説明し、図1K〜図1Nに示した張力調整補助器50を更に備えることができる。張力調整補助器50は、使用中、ポスト84上の張力を維持する。結び目プッシャ100Aを標的部位の組織内に前進させた後、摺動結び目82を組織内に配置する。ポスト84を引っ張ってダインズ・ノット83を締め、組織が所望の程度に接近していることを保証し、その後、ダインズ・ノット83を係止することができる。次に、ポスト84を張力調整補助器50によって保持することができる。例えば、ポスト84は、張力調整補助器50の周りに巻き付けるか若しくは張力調整補助器50のスロット内に捕らえて、張力調整補助器50によって保持することができる。例えば図1Kに示すように、ポスト84を8の字で二重ポスト構成50Aの周りに巻き付ける。したがって、張力調整補助器50は、ポスト84を引っ張り、摺動結び目82を締めた後、ポスト84上の張力を維持するように機能し、それにより、オペレータがポスト84を部分的若しくは完全に離すことを可能にする。ポスト84を離すことで、オペレータは、結び目プッシャ100Aのハンドルを片手で保持することが可能になり、摺動結び目82が所望の締まりになれば、ロッカー86をもう一方の自由な手で引っ張ることができる。したがって、ロッカー86は、ポスト84を引っ張るのと同時に引っ張ることができる。更に、張力調整補助器50は、例えば片手を自由にして結び目プッシャ100Aを使用している医師が、処置の間、他の機器を使用することを可能にする。
要約すると、本発明の方法のいくつかの実施形態は、2本の縫合撚糸の一方、例えばポスト84に張力を加え、上記摺動結び目82を所望の程度に締めて、締めた構成にし、欠損部の組織を接近させるステップを含む方法をもたらす。このことは、例えば上述した対向溝40Dを設けることによって容易にすることができる。次に、ポスト84に対する張力を維持し、前記摺動結び目82をその締めた構成で維持することができる。このことは、例えば、縫合撚糸、例えばポスト84を結び目プッシャ100Aのシャフト14に固着する張力調整補助器50を設けることによって容易にすることができる。次に、2本の縫合撚糸のうちもう一方に張力を加えて、摺動結び目82が締まった構成で摺動結び目82を係止することができる。
摺動結び目の係止の後、医師は、1つ若しくは複数の更なる結び目を展開し、摺動結び目82を適所に更に固着することができる。1つの特定の実施形態では、1つ若しくは複数のハーフ・ヒッチ又は他の一重結び目90を形成し、展開することができる。次に、結び目プッシャ100Aを使用して、欠損95を有する組織部位の方に摺動結び目を前進させる。1つの特定の例では、ハーフ・ヒッチ若しくは一重結び目90は、ポスト84及びロッカー86を使用して形成される。結び目プッシャ100Aは、一重結び目90の後ろに直接置かれる。図7Cに示すように、結び目プッシャ100Aは、最初、ロッカー86等の2本の縫合撚糸の一方が首部22の上面に対して配置され、首部の先細部分24に載置されるように配置される。対向する側溝40A及び40Bのそれぞれは先細部分24と連続的に形成されるため、このことにより、2本の縫合撚糸のそれぞれを側溝40A及び40B内に案内/導くことが可能になる。
図7Cに示すように、先細部分24の平らな平坦面25は、ロッカー86を側溝40B内に導き、ロッカー86が上壁32と底壁34との間に載置されるようにする。次に、図7Dに示すように、結び目プッシャ100Aを例えば時計回りに回転させ、第2の縫合撚糸、例えばポスト84を対向側溝40A内に配置することができる。先細部分24の平らな平坦面25は、同様に、ポスト84を側溝40A内に配置するのを助ける。したがって、先細部分24は、結び目プッシャ100A内に縫合撚糸を装着することを容易にし、結び目前進手順を助ける。更に、上壁32及び底壁34の面取りした部分も、2本の縫合撚糸(ポスト84、ロッカー86)を2つの側溝40A、40B内に案内するのに役立つ。上壁32の張出し33等の更なる特徴により、2本の縫合撚糸80のそれぞれが側溝40A及び40B内に捕らえられる/固着されるのを可能にする。張出し33は、縫合糸80が結び目プッシャ100Aと係合するように、医師が縫合糸80を側溝40A及び40B内に掛けることを可能にする。したがって、張出し33は、2本の縫合撚糸を側溝40A、40B内へ案内することを助ける前に、2本の縫合撚糸を係合/捕捉する。このことは、縫合撚糸(ポスト84、ロッカー86)が、結び目プッシャ100Aの横移動の間に外れることを防止する。
いくつかの実施形態では、側溝40A、40Bは、縫合糸に対する張力が維持されている際に、ポスト84及びロッカー86等の縫合撚糸を保持するのに十分な深さを有する。更に、いくつかの実施形態では、2本の縫合撚糸を個別に保持するために、受動的な保持機構を設けることができる。例えばポスト84及びロッカー86等の縫合撚糸を側溝40A及び40Bのそれぞれの中に案内する際、縫合撚糸をスナップ46a及び46b(図2、図4B〜図4Cに示す)等の一対のスナップに通すいくつかのそのような実施形態では、スナップは、縫合撚糸を側溝40A、40B内に保持するように機能する。更に、スナップ46a、46b上の面取りも縫合糸80を側溝40A、40B内に案内する助けとなり得る。
スナップ46a、46bは、縫合糸に対し張力が維持されていない場合でさえ縫合糸を側溝40A及び40B内に拘束するように働く。したがって、スナップ46a及び46bは、例えば患者が移動する間、若しくは別の機器を操作するために縫合撚糸から張力が解放されたときに、縫合撚糸が結び目プッシャから外れることを防ぐのに役立てることができ、それにより、縫合糸80を結び目プッシャ内に再装着する必要をなくすか若しくは低減することができる。したがって、スナップ46a、46bは、結び目前進手順に必要な時間を削減するのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、縫合撚糸若しくは縫合撚糸の縁は、患者の体外で結び目プッシャ100A上に装着することができる。一重結び目90から来る/導出する/延在する各縫合撚糸を図7Dに示すそれぞれの側溝40A、40Bのそれぞれ内に置いた後、結び目プッシャ100Aは、一重結び目90の背後に直接位置する。次に、結び目プッシャ、及び結び目プッシャに結合された縫合撚糸は、一緒に患者の体内に、標的組織面まで前進させることができる。次に、結び目プッシャ100Aを前進させて、一重結び目90を摺動結び目82に向けて押し進める。例えば図7Eに示すように結び目プッシャ100Aが更に前進すると、結び目プッシャ100Aは、摺動結び目82(ダインズ・ノット83等)の上部の上で一重結び目90を堅く締めるように機能する。
ハーフ・ヒッチ若しくは一重結び目90は、摺動結び目82を固定させるため、側溝40Aと40Bとの間の中心に置かれる。中心溝40C’は、一重結び目90を前進させる際に一重結び目90を観察することを可能にし、一重結び目が中心に置かれることを保証し、これにより、2本の縫合撚糸に対し等しい張力を維持して一重結び目を摺動結び目82の上部に案内する。更に、結び目プッシャ100Aを前進させる際に、2本の縫合撚糸、即ちポスト84及びロッカー86に対し、安定した張力が維持される。結び目プッシャ100Aは、ハーフ・ヒッチ若しくは一重結び目90を締めるために、複数回押し進め、引く/離すことができる。1つの特定の例では、結び目プッシャ100Aは、ハーフ・ヒッチ若しくは一重結び目90を堅く締めるために、4回押し進め、離すことができる。いくつかの実施形態では、フォー・ハーフ・ヒッチ若しくは一重結び目90を摺動結び目82に向けて前進させ、組織70内の欠損95で摺動結び目82を固定するように締めることができる。フォー・ハーフ・ヒッチ若しくは一重結び目を前進させて締めることにより、以下の例で更に説明するように、装着状態の間に結び目が滑る若しくは開くのを防止するという利点が追加される。
一重結び目90の前進機構を、図8を参照して更に説明する。ユーザによって長手方向に向けられた力は、結び目プッシャ100Aに遠位方向で加えられる。この力は、下向きの力(Fdown)に変換され、下向きの力(Fdown)は、遠位頭部30によって縫合撚糸(ポスト84及びロッカー86)に対し加えられる。結び目プッシャ100Aの一部分、例えば側溝の湾曲若しくは先細部分(C1、C2)は、結び目プッシャの遠位面で縫合撚糸に対し実質的に垂直である加えられた力(Fdown)の分力を、水平な分力若しくは締める力(Ftight1及びFtight2)に変換するように機能し、水平な分力若しくは締める力(Ftight1及びFtight2)は、結び目プッシャの遠位面と実質的に平行である縫合糸80の部分に対し加えられる。
より具体的には、下向きの力(Fdown)は、遠位頭部30によって縫合撚糸に加えられる力(Fa1、Fa2)になる。結び目プッシャ100Aは、加えられた分力(Fa1、Fa2)を、縫合糸80に対し加えられる水平な分力(Ftight1及びFtight2)に変換するように機能する。結び目プッシャ100Aはまた、加えられた分力(Fa1、Fa2)を、垂直な分力若しくは下向きの力(Fa1’、Fa2’)にも変換し、垂直な分力若しくは下向きの力(Fa1’、Fa2’)は、縫合撚糸に対し遠位方向で加えられる。縫合撚糸はユーザによって保持されるので、抵抗力(Fup1、Fup2)が縫合撚糸に対し加えられ、抵抗力(Fup1、Fup2)は、加えられた力(Fa1、Fa2)の垂直の分力(Fa1’、Fa2’)を相殺する。したがって、加えられた力(Fa1、Fa2)の垂直な分力(Fa1’、Fa2’)は、抵抗力(Fup1、Fup2)によって平衡化される一方で、加えられた力(Fa1、Fa2)の平行若しくは水平な分力(Ftight1及びFtight2)は、一重結び目90から延在する縫合撚糸に対し反対方向で作用し続け、一重結び目90を締める。言い換えれば、水平な分力(Ftight1及びFtight2)の平衡化により、一重結び目90を締めることが可能になる。より具体的には、平行な分力(Ftight1及びFtight2)は、縫合撚糸を約180度広げるように機能し、一重結び目90が当接する組織面に対し一重結び目90を締めるようにする。
更に、例えば図7Eに示すように、結び目プッシャ100Aを前進させて一重結び目90を締める際、中間溝40Cは、一重結び目90を標的面に向けて押し進めこれを標的面に対して締めるときに一重結び目90を観察するための、中心観察通路として使用される。この視覚的なフィードバックにより、一重結び目90を中心に置くことが可能になり、2本の縫合撚糸上に等しい張力を維持することが可能になり、本明細書で上記したように、標的面上に一重結び目90を適切に配置し、締めるようにする。
例1
ブタの背骨の一切片を使用して、以下の試験を実施した。頸椎椎間板内に欠損を作製し、本明細書で上記したダインズ・ノットで閉鎖し、様々な量のハーフ・ヒッチ及び一重結び目で支援した。2ハーフ・ヒッチ、3ハーフ・ヒッチ若しくは4ハーフ・ヒッチを前進させた後、1500Nの圧縮荷重及び4000サイクルの屈曲/伸張の後の、結び目すべり量の度合い若しくは程度を観察した。結び目構成体のそれぞれに対し5つのサンプルを観察した。2ハーフ・ヒッチで観察された平均結び目すべり量は、約8.8mmである一方で、3ハーフ・ヒッチで観察された平均結び目すべり量は、約2.8mmであった。しかし、4ハーフ・ヒッチに関して、本発明者等は結び目すべり量がないという驚くべき観察をした。この驚くべき、予期しない結果を増大した荷重条件下で再現した。結び目すべり量は、4ハーフ・ヒッチ・ノット構成体に対し、1500Nの圧縮荷重及び85000サイクルの屈曲/伸張後、観察した。平均すべり量は、約0.8mmに等しかった。結論として、本発明者等は、増大した荷重条件下でさえ4ハーフ・ヒッチ・ノット構成体が通常の荷重条件下では結び目すべりを実質的に防止するという驚くべき観察をした。
例2
別の例では、ダインズ・ノットの形態の摺動結び目を備える結び目構成体に対するすべり若しくは破断に対する力の値を決定した。ダインズ・ノットは、2、3若しくは4ハーフ・ヒッチで支援した。結び目強度(構成体を破断するか若しくは結び目のすべりを生じさせるのに必要な力として定義される)は、2ハーフ・ヒッチでは47ニュートン、3ハーフ・ヒッチでは75ニュートン及び4ハーフ・ヒッチでは105ニュートンであることが決定された。2ハーフ・ヒッチ・ノットで観察された障害の様態は、すべりである一方で、4ハーフ・ヒッチで観察された障害の様態は、大部分は破断であった。このことは、驚くべき、予期せぬ結果であり、4ハーフ・ヒッチ・ノット構成体がすべらない傾向があることを更に示している。4ハーフ・ヒッチの破断は、椎間板等の体内の組織領域内に置かれた縫合糸部位で一般に見られる力を超える力の条件下で生じた。このことは、4ハーフ・ヒッチ・ノット構成体が実質的に耐すべり性であることを更に確証した。
いくつかの状況では、縫合糸脚部を捕捉する結び目プッシャデバイスの配置の点で、結び目プッシャの操作性が制限される。例えば、結び目プッシャを使用して、患者体内の深部に縫合糸結び目を前進させるいくつかの状況では、結び目プッシャの移動/再配置若しくは調節を可能にする空間が制限され、縫合糸脚部を側溝のそれぞれの中に捕捉することを可能にしない場合がある。更に、縫合糸脚部に対するそれぞれの各側溝への個々の挿入を可能にする十分な空間がない場合がある。いくつかのそのような実施形態では、結び目プッシャは、1つ若しくは複数の縫合糸脚部を側溝内に挿入することを容易にする1つ若しくは複数の特徴部を備える。図9A〜図9Fに示すそのような一実施形態では、結び目プッシャ200Aは、縫合糸脚部を側溝のそれぞれの中に装着するのを支援する特徴部を備える。
概要として、結び目プッシャ200Aの一般的な構造を本明細書の以下で説明する。図9A〜図9Eに示すように、様々な種類の結び目を押し進める遠位頭部30を備える結び目プッシャ200Aが開示されており、様々な種類の結び目には、縫合糸から形成される摺動結び目及び一重結び目の一方若しくは両方を含み、2本の縫合糸脚部は、結び目のそれぞれから延在する。いくつかのそのような実施形態では、図9Aに示す結び目プッシャ200Aは、1回の手順で、摺動結び目及び後続の一重結び目の両方を押し進めるように動作可能であってもよい。他の実施形態では、結び目プッシャ200Aは、摺動結び目若しくは一重結び目のうち1つを押し進めるように動作可能であってもよい。
本明細書の上で既に説明した実施形態と同様に、結び目プッシャ200Aは、デバイス近位部分を備え、デバイス近位部分は、遠位部分20に結合されたハンドル及びシャフトを備える。遠位部分20は、図9Aに示すように、遠位頭部30を備え、遠位頭部30は、遠位結び目押圧面38で終端する上壁32及び底壁34を形成する。本明細書の上で既に説明した実施形態と同様に、結び目プッシャ200Aは、図示のように、対向する側溝40A、40Bを備え、側溝40A、40Bは、遠位頭部30の上壁32と底壁34との間に形成される。これらの側溝40A、40Bは、遠位頭部30に沿って結び目押圧面38から近位に延在し、それぞれ、2本の縫合糸脚部のうちの1つを受け入れるように動作可能であり、2本の縫合糸脚部は、一重結び目から出ており、遠位頭部30を前進させる間、一重結び目の前進を支援する。いくつかの実施形態では、本明細書の上で既に説明したように、側溝40A、40Bは、遠位頭部30の長さ部に沿って少なくとも部分的に延在することができる。他の実施形態では、側溝40A、40Bは、遠位頭部30の長手方向の長さ部に沿って実質的に延在することができる。いくつかの実施形態では、図示のように、遠位頭部30は、上壁と関連する上壁縫合糸受入れ要素を更に備えることができ、上壁縫合糸受入れ要素は、摺動結び目から出ている2本の縫合糸脚部のうち1つを受け入れ、遠位頭部30を前進させる間、摺動結び目の前進を容易にする。1つの特定の例では、上壁縫合糸受入れ要素は、中間溝40Cの形態であり、中間溝40Cは、結び目プッシャ200Aの上壁32の前面内に形成される。いくつかの実施形態では、中間溝40Cは、図9Aに示すように、遠位結び目押圧面38から近位に延在する。
更に、図9Aに示すように、結び目押圧面200Aは、1つ若しくは複数の案内部55A、55Bを更に備える。縫合糸案内部55A、55Bは、上記上壁32及び底壁34によって形成され、一重結び目から出ている2本の縫合糸脚部の少なくとも1つを側溝40A、40Bのうち1つに案内、配置する。次に図9Bを参照すると、縫合糸案内部55A、55Bは、それぞれの側溝40A、40Bと連通するそれぞれの案内通路57を形成する。縫合糸案内部55A、55Bは、それぞれの側溝40A、40B内に縫合糸脚部を案内可能にすることによって、縫合糸を側溝40A、40B内に装着する際の容易さを向上させる。したがって、縫合糸案内部55A、55Bは、1回に1本、縫合糸脚部を捕らえ、結び目プッシャ200A内に装着することを可能にする。
より詳細には、図9Aに示すように、縫合糸案内部55A、55Bのそれぞれは、フランジ56を備え、フランジ56は、上壁32及び底壁34から、外側側方若しくは横方向に、ある角度で延在するか若しくは放射状に広がる。フランジ56は、縫合糸をそれぞれの側溝40A、40B内に案内するのに機能的なフランジ対を形成する。フランジ56のそれぞれは、上壁32及び底壁34から離れて外側側方で、更には、上壁32及び底壁34を上回る方向で延在する。いくつかのそのような実施形態では、フランジは、先細構成を含む。他の実施形態では、縫合糸案内部を形成する1つ若しくは複数のフランジ56は、湾曲構成を含むことができる。他の実施形態では、フランジ56は、縫合糸脚部をそれぞれの側溝40A、40B内に案内するように全体的に成形される。縫合糸脚部は、側溝40A、40Bのうちの1つに挿入されると、縫合糸脚部は、フランジ56の湾曲若しくは先細内部面56’と接触し、表面56’と摺動接触して側溝40A、40Bのうちの1つに案内される。縫合糸案内部55A、55Bは、上若しくは底から結び目プッシャ200A内に縫合糸を装着することを可能にする。言い換えれば、2本の縫合糸脚部は、結び目プッシャ200Aの上若しくは下で保持することができ、縫合糸脚部が縫合糸案内部55A、55Bと係合するのを可能にし、側溝40A、40Bに案内される。縫合糸案内部55A、55Bのフランジ56には、より幅広の開口が設けられ、案内通路57を形成し、案内通路57は、標的領域を効果的に増大し、標的領域の中に、2本の縫合糸脚部が挿入され、それぞれの側溝40A、40B内に案内される。このことは、縫合糸脚部を比較的容易に側溝40A、40B内に装着可能にすることによって、結び目プッシャ200Aの使いやすさを向上させる。
1つの特定の例では、図9Bを参照すると、案内通路57は、漏斗形開口57’を備え、フランジは、参照文字Fで示され、図9Bに示すように上壁32及び底壁34の内部面の間の距離Dxよりも広い幅を有し、この幅が、縫合糸脚部を中に捕らえ、装着できる捕捉領域CAを増大させる。言い換えれば、結び目プッシャ200Aは、上記溝の幅よりもおおきい幅を有する案内通路57を備える。そのような例では、案内通路57を概略図で示す図9C及び図9Dに示すように、フランジ56は、遠位頭部30の横軸Tに対して鋭角にある。1つの特定の例では、図9Cに示すように、フランジ56は、上記案内通路57の幅WGが上記案内通路57の横方向長さTLよりも大きいような鋭角A0にあり、実質的に大きな捕捉領域CAをもたらし、測溝40A、40Bのうち一方に、上記2本の縫合糸脚部のうち1つの捕捉を容易にする一方で、上記遠位頭部30のサイズは、遠位頭部30の横方向長さを制限することによって制限される。別の例では、図9Dに示すように、フランジは、上記案内通路の幅WGが上記案内通路57の横方向長さTLよりも小さいように、実質的に角度A0よりも小さい鋭角A1にあり、上記2本の縫合糸脚部のうち少なくとも1つを上記少なくとも1つの側溝内に保持することを容易にする一方で、捕捉領域CAをもたらし、上記2本の縫合糸脚部のうち少なくとも1つを捕捉することを容易にする。いくつかのそのような実施形態では、結び目プッシャ200Aは、側溝40A、40Bを更に有することができ、側溝40A、40Bは、内側に、即ち上記結び目プッシャ200Aの長手方向軸に向かって狭くなる幅を有し、上記2本の縫合糸脚部を上記側溝40A、40B内に保持することを助ける。例えば、側溝40A、40Bの角度若しくは幅は、縫合糸が側溝40A、40B内に包囲若しくは保持されたままであるような保持手段をもたらす。いくつかの実施形態では、図9B及び図9Eに示すように、スナップ46a、46bは、側溝40A、40B内に更に設けることができ、本明細書の上で既に説明した実施形態と同様に、側溝40A、40Bは、縫合糸案内部55A、55Bと共に、縫合糸脚部の経路を定め、側溝40A、40B内に保持することを容易にする。スナップ46a及び46bは、スナップ・アーム44の一部を形成するか若しくはスナップ・アーム44と一体化することができ、スナップ・アーム44は、本明細書で上記したように、スナップ嵌合構成を介して遠位部分20の首部22に結合される。図9Aに示すように、首部は、隆起した凸部22’を備え、スナップ・アーム44とのスナップ嵌合を容易にすることができる。結び目プッシャ200Aは、2本の縫合糸脚部をそれぞれの側溝40A、40B内に順次捕捉可能にし、一重結び目の前進を容易にする。
更なる実施形態では、図9Fに示すように、本明細書の上で既に説明した実施形態と同様の、縫合糸から形成した摺動結び目及び一重結び目を含む様々な種類の結び目を押し進めるために使用可能である結び目プッシャ200Bが提供され、2本の縫合糸脚部は、結び目から延在する。結び目プッシャ200Bは、遠位結び目押圧面38で終端する上壁32及び底壁34を形成する遠位頭部30を備える。図9F及び図9Gに示すように、結び目プッシャ200Bは、上記上壁と上記底壁との間に形成した側溝40A、40Bを更に備え、側溝40A、40Bは、遠位頭部30に沿って結び目押圧面38から近位に延在し、それぞれ、2本の縫合糸脚部の一方を受け入れるように機能する若しくは動作可能であり、遠位頭部30を前進させる間、一重結び目の推進を支援する。図示の特定の実施形態では、2つ側溝40A、40Bのうち少なくとも1つは、その中を通るルーメン42’を形成する包囲側溝41A若しくは41Bを形成する円環部42を備える。したがって、円環部42は、2本の縫合糸脚部の一方を中に案内、保持する縫合糸案内部55を形成する。いくつかのそのような実施形態では、円環部42は、図9Fに示すように、管状若しくは環状開口又は円筒を形成する。いくつかのそのような実施形態では、管状若しくは環状開口又は円筒は、少なくとも1つの側溝40A、40Bの長さ部、若しくは言い換えれば遠位頭部30の長さ部、に沿って実質的に延在する。他の実施形態では、管状若しくは環状開口又は円筒は、少なくとも1つの側溝40A、40B、若しくは遠位頭部30の長さ部に沿って部分的に延在する。更に、図示のように、結び目プッシャ200Bは、上記上壁32と関連する中間溝40C等の上壁縫合糸受入れ要素を更に備え、遠位頭部30を前進させる間、2本の縫合糸脚部の一方を受け入れ、摺動結び目の前進を容易にする。
図9F〜図9Gに示す結び目プッシャ200Bを使用する間、2本の縫合糸脚部は、一重結び目を形成した後、包囲側溝41A及び41Bに通すことができ、結び目プッシャ200Bが一重結び目を患者体内の所望の位置まで押し進めることを可能にする。例えば、一重結び目は、摺動結び目を所望の組織部位に置いた後、中間溝40Cを使用して前述のように前進させることができる。一例では、結び目プッシャ200Bは、縫合糸脚部を包囲側溝41A、41B内に装着可能にする1つ若しくは複数のスネアと共に使用可能である。いくつかの例では、1つ若しくは複数のスネアは、包囲側溝41A、41B内に事前に装着することができる。他の例では、1つ若しくは複数のスネアは、使用の時点で包囲側溝41A、41B内に挿入することができる。縫合糸脚部のそれぞれは、スネアを通して案内し、スネアは、包囲側溝41A、41Bのうち1つに通して引っぱることができ、縫合糸脚部を包囲側溝41A、41Bに案内し、通すことを可能にする。縫合糸脚部を包囲側溝41A、41B内に装着した後、結び目プッシャ200Bは、必要に応じて前進させ、一重結び目を所望の組織部位に押し進めることができる。したがって、包囲側溝41A、41Bは、縫合糸案内部として機能し、縫合糸脚部を案内し、一重結び目等の結び目を前進させる間、これらを側溝40A、40B内に保持する。
図1B、4B及び図4Cに関して本明細書で上記したように、且つ図10A及び図10Bに示すように、本発明のいくつかの実施形態は、スナップ46a、46bを備え、縫合糸脚部を側溝40A、40Bのそれぞれの中に保持する。1つの特定の例では、側溝縫合糸保持要素は、スナップ・アーム44を備え、スナップ・アームは、例えば強制嵌合若しくはスナップ嵌合構成を介して首部22に結合される。スナップ・アーム44は、長手方向に延在するステム46から径方向に延在するスナップ46a及び46bを備える。図1B及び図2に更に示す1つの特定の例では、スナップ・アームのタブ45は、首部22内の開口23内に受け入れられ、首部22と係合する。図示の実施形態では、スナップ46a及び46bはそれぞれ、底壁34の一部分を形成する。いくつかの実施形態では、スナップ・アーム44は、弾性であり、スナップ46a及び46bがそれらの基準若しくは閉鎖位置から開放位置に撓むのを可能にし、縫合糸の2つの端部を対向する測溝40A及び40B内に受け入れることを可能にする。その後、スナップ46a及び46bは、それらの基準若しくは閉鎖位置に戻り、2つの縫合糸の端部を上記側溝40A及び40Bのそれぞれの中に保持する。スナップ46a、46bは、縫合撚糸に対する張力が維持されていないときに、縫合撚糸が側溝40A及び40B内から外れる危険を低減する。このことは、縫合撚糸が処置の間に側溝40A、40Bから出るリスクを最小にするのに役立ち、したがって結び目プッシャを遠位に前進させ、結び目を押し進める際に、縫合撚糸を側溝40A及び40B内に再度挿入する必要性を最小にするのに役立つ。
いくつかの実施形態では、図10A〜図10Fに示すように、縫合糸がスナップ46a若しくは46bと後壁34の外部面34’との間に閉じ込められないようにする結び目プッシャ200Cを示す。縫合撚糸をスナップ46a、46bが下に捕らえられないようにすることによって、結び目プッシャ200Cは、縫合撚糸が後壁34の下に捕らえられたためにユーザが結び目を所望の様式で前進できないというリスクを最小にする。したがって、いくつかの実施形態では、結び目を押し進める間に、縫合糸脚部若しくは縫合撚糸が結び目プッシャの遠位頭部30内に嵌り込むといったリスクを防止するような特徴部が結び目プッシャ200Cに設けられる。
本発明の1つのそのような実施形態では、図10A〜図10Bに示すように、縫合糸から形成した一重結び目を含む様々な種類の結び目を押し進めるために使用可能である結び目プッシャ200Cが提供される。本明細書の上で既に説明した実施形態と同様に、結び目プッシャ200Cは、少なくとも1つの側溝縫合糸保持要素を備え、2本の縫合糸脚部を側溝内に保持する。いくつかのそのような実施形態では、側溝縫合糸保持要素は、スナップ46a、46bを有する弾性スナップ・アーム46を備え、スナップ・アーム46は、上壁32及び底壁34のうち1つの一部分を形成する。結び目プッシャ200Cは、縫合糸案内部55を更に形成し、縫合糸案内部55は、図10A及び図10Bに示すような縫合糸収容要素若しくは要素60を備え、縫合糸脚部を側溝の中に収容し、縫合糸脚部の位置を維持し、使用中側溝の中に保持する。縫合糸収容手段若しくは要素60は、スナップ・アーム46a、46b等の側溝縫合糸保持要素と協働する障壁を形成し、2本の縫合糸脚部を側溝40A、40B内に保持する。いくつかの実施形態では、縫合糸収容手段若しくは要素60は、上記上壁32及び底壁34のうち1つによって形成され、上記上壁32及び底壁34のうち1つの延在部分62を備え、延在部分62は、障壁を形成するスナップ46a、46b等の側溝保持要素の周りに延在し、スナップ46a、46bを延在部分の中に包囲する。より具体的には、図示の実施形態では、縫合糸収容要素を備える縫合糸案内部55は、底壁34の一部分内に空洞63を形成し、スナップ46a、46bは、空洞63内に受け入れ可能である。障壁は、更に図10C及び図10Dに示すスナップ46a、46bを包囲する底壁34の延在部分62によってもたらされる。この障壁は、側溝40A、40B内に受け入れた縫合糸脚部が、使用中に側溝40A、40Bから外れないようにする。より具体的には、障壁は、縫合糸脚部が後壁34の後ろに回るのを防止する。したがって、結び目プッシャ200Cを使用して一重結び目等の結び目を前進させる際、縫合糸脚部は、側溝40A、40B内に保持され、ユーザが縫合糸の結び目を押し進めることを可能にする。いくつかのそのような実施形態では、結び目プッシャ200Cは、中間溝40C等の上記上壁と関連する上壁縫合糸受入れ要素を備え、遠位頭部30を前進させる間、2本の縫合糸脚部の一方を受け入れ、摺動結び目の前進を容易にする。
他の実施形態では、側溝縫合糸保持要素は、弾性材料47a、47bを備え、弾性材料47a、47bは、縫合糸を把持する側溝40A、40Bの一方の内部壁内に置かれ、2本の縫合糸脚部を2つの側溝内に保持するようにする。そのような一例では、弾性材料47a、47bは、図10Eに示す摩擦パッドを備える。摩擦パッドは、変形可能であり、縫合糸を側溝40A若しくは40B内に挿入したときに縫合糸が摩擦パッドを圧縮し、摩擦パッドと側溝40A若しくは40Bの内壁との間に縫合糸を保持可能にする。弾性材料47a、47bは、底壁34の延在部分62と協働して2つの縫合糸脚部を側溝40A、40B内に保持する。特定の例では、摩擦パッドはシリコンパッドを備える。いくつかのそのような実施形態では、図10Fに示すように、弾性材料48a、48bは、側溝40A、40Bのうち少なくとも1つの中に組み付けたOリング48a、48bを備え、Oリング48a、48bは、摩擦をもたらし、縫合糸脚部を適所に保持する。1つの特定の形態では、側溝40A、40Bは、側部開口49’を有する中空凸部49を備え、上記Oリング48は、凸部49上に組み付けられる。縫合糸脚部88は、図10Gに示すように凸部49の側部開口49’に最初に通すことができる。次に、縫合糸脚部88は、方向矢印Dsによって示すように凸部の周囲に案内し、送ることができ、それにより、縫合糸脚部88は、図10Hに示すように、凸部49とOリング48との間に据え付けられる。したがって、Oリングは、凸部49と共に、縫合糸保持要素として機能し、縫合糸脚部88をOリング及び凸部と封止係合して側溝40A、40Bの一方の中に緊密に保持可能にする。いくつかのそのような実施形態では、Oリングは、包囲側溝41A及び41Bを備える結び目プッシャ200Bで使用可能であり、中空凸部49は、包囲側溝41A、41Bの一方若しくは両方の中に設けられる。
いくつかの実施形態では、結び目の案内及び前進を容易にする一方で2本の縫合糸脚部を互いに平行に保持可能にする結び目プッシャを提供する必要がある。したがって、2本の縫合糸脚部を分割し、更に側部スロット40A、40Bのそれぞれの中に案内可能にする必要がある。縫合糸脚部が互いに平行に保持された場合、2つ以上の一重結び目を順に押し進めることを更に容易にし得るが、いくつかのそのような実施形態では、結び目プッシャは、上記の場合に、縫合糸脚部の分割及び案内を可能にする特徴部を備えることができ、展開されるいくつかの一重結び目を追跡する手段を提供することができる。
いくつかのそのような実施形態では、図11A及び図11Bに示すように、結び目プッシャ200Dは、案内縁部65を備える縫合糸案内部を備え、案内縁部65は、遠位頭部30に対し垂直である平面に沿って上記遠位頭部30から離れて延在し、2本の縫合糸脚部の間の分離を維持してこれらを分割し、上記2本の縫合糸脚部を側溝40A、40B内に装着を容易にする一方で、2本の縫合糸脚部は、使用中、互いに実質的に平行に保持される。
いくつかのそのような実施形態では、図11Cに更に示すように、本明細書の上で既に説明した実施形態と同様であり、縫合糸から形成した一重結び目を含む様々な種類の結び目を押し進めるために使用可能である結び目プッシャ200Dが提供され、2本の縫合糸脚部は、結び目から延在する。前の実施形態と同様に、結び目プッシャ200Dは、長手方向軸を規定する遠位頭部30を形成し、長手方向軸は、側溝40A、40Bを形成する上壁32及び底壁34を形成し、遠位結び目押圧面38で終端する上壁32及び底壁34による一重結び目の推進を助ける。いくつかの例では、結び目プッシャ200Dは、中間溝40C等の上記上壁と関連する上壁縫合糸受入れ要素を更に備え、遠位頭部30を前進させる間、2本の縫合糸脚部の一方を受け入れ、摺動結び目の前進を容易にする。図11B及び図11Dに示すように、いくつかの例では、案内縁部65は、上部から底部への方向で、遠位頭部30から離れて延在する。より具体的には、案内縁部65は、底壁34から離れて下向きに延在し、上記2つの実質的に平行に保持される縫合糸脚部を下から装着可能にする。いくつかの例では、案内縁部65は、図11Bに示すように、遠位頭部の幅Wdに沿って実質的に横方向に延在し、上記2本の縫合糸脚部をそれぞれの側溝内に更に案内する。場合によっては、案内縁部65は、図11Eに示すように縁部から縁部まで完全に遠位頭部の幅に沿って延在し、縫合糸脚部の側溝40A、40B内への案内及び挿入を容易にする。いくつかのそのような実施形態では、案内縁部65は、図11Bに示す先細縁部67’を有する、実質的に先細の構成67を備える。より詳細には、案内縁部65は、実質的に三角形若しくは逆V字形の構成を備え、この構成は、遠位頭部30に沿って側溝の間に実質的に延在する2つの先細縁部67’を形成する。
案内縁部の使用による、縫合糸脚部の側溝40A、40B内への装着方法は、図11Eに示され、一重結び目90を患者体内の所望の部位に押し進め、前進させるようにする。いくつかの実施形態では、1つ若しくは複数の結び目90を前進させ、組織内に置かれている摺動結び目82に固定させることができる。結び目プッシャ200Dは、上から接近でき、実質的に平行な縫合糸脚部を結び目プッシャ200Dの下から装着可能にする。より具体的には、結び目プッシャ200Dを前進させると、先細案内縁部67の先細縁部67’は、一重結び目90から出ている2本の縫合糸脚部、即ちポスト84及びロッカー86、と接触し、図11Eに示すように、これらを分割するように機能する。更に、2本の縫合撚糸が分割されると、これらは、縫合糸脚部を側溝40A、40B内に捕らえるために使用可能であるそれぞれの側溝40A及び40B内に案内される。結び目プッシャ200Dは、図12B及び図12Cで更に示すように、1つ若しくは複数の着床パッド85の形態の更なる特徴部を備えることができる。着床パッド85は、遠位頭部30から離れて、側溝40A、40Bの縁部を越えて側方に延在する。着床パッド85のそれぞれは、縫合糸脚部が側溝40A、40B内に挿入される間に、縫合糸脚部が遠位先端30から離れて完全に摺動するのを妨げるように機能する。着床パッド85のそれぞれは、縫合糸脚部が遠位頭部30から外れないようにし、縫合糸脚部が側溝40A、40Bの前で適所に維持若しくは保持されることを保証する。したがって、着床パッド85は、縫合糸脚部をそれぞれの側溝40A、40B内に案内する縫合糸案内部55として機能する。
図11Eを参照すると、事前に形成した多数の一重結び目90も、結び目プッシャ200Dを使用して前進させることができる。一重結び目90は、例えば摺動結び目82を組織内に置いた後、同時に作製することができる。次に、結び目プッシャ200Dの使用により、各一重結び目90を1つずつ順次前進させることができる。言い換えれば、事前形成した多数の一重結び目90の前進には、案内縁部65の使用による、各一重結び目に対し縫合糸脚部の側溝40A、40B内への個々の装着を伴い、2本の縫合糸脚部を分割し、2本の縫合糸脚部をそれぞれの側部スロット40A、40B内に案内若しくは向けるようにする。縫合糸脚部が一重結び目90に装着された後、結び目プッシャ200Dを使用して、一重結び目90を組織部位に押し進める。工程は、案内縁部65を使用して、各結び目から出ている縫合糸脚部が結び目プッシャ200Dに装着される各一重結び目90に対して繰り返され、次に、結び目プッシャ200Dを使用して結び目を組織部位に前進させる。最初に、最遠位一重結び目90を前進させ、各回で、次の一重結び目が、最遠位位置にあり、次に前進される。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、案内縁部を使用して上記多数の一重結び目のそれぞれを順次装着する方法を提供するものであり、多数の結び目があって、縫合糸の自由端に接近できない状況では、一重結び目90のそれぞれに対して、2本の縫合糸脚部を分割し、それぞれの側部スロット40A、40B内に2本の縫合糸脚部をそれぞれ案内する。
代替実施形態では、図11Fに示すように、案内縁部65は、上記上壁から離れて上方に延在することができ、上記2つの実質的に平行に保持された縫合糸脚部の装着を結び目プッシャ200Eの上から可能にする。図示の特定の実施形態では、案内縁部65は、先細案内縁部67であり、先細案内縁部67は、上壁32から離れて底から上の方向で垂直上方に延在する。結び目プッシャ200Eの使用方法は、本明細書の上で既に説明した実施形態と同様であり、縫合糸脚部は、結び目プッシャ200Eを装着する際に、結び目プッシャ200Eの上に位置する。案内縁部65も同様に、2つの縫合糸脚部を互いに平行に保持しながら、2つの縫合糸脚部を分割するように機能する。図11Fに示すように、いくつかの実施形態では、案内縁部65は、実質的に丸い構成を備え、この構成は、実質的に傷を付けないような案内縁部を形成し、側溝40A、40B内への案内時、上記2本の縫合糸脚部への損傷を最小にする。いくつかのそのような実施形態では、案内縁部65は、実質的にドーム形状の構成68を備え、上壁32及び底壁34のうち1つの上に形成することができ、縫合糸脚部の側溝40A、40B内への進入を容易にし、したがって、結び目プッシャ200Eの上若しくは下からの縫合糸の装着を可能にし得る。ドーム形状構成68は、図11A〜図11Eに示す構成の側溝40A、40Bの場合に使用可能であり得る。
図12A〜図12Bに示す更なる代替形態では、案内縁部65が、遠位頭部30の長手方向軸に沿って実質的に延在し、2本の縫合糸脚部を分割し、2本の縫合糸脚部の間の分離を維持し、2本の縫合糸脚部をそれぞれの側溝40A、40B内に装着することを容易にする、結び目プッシャが示される。案内縁部65は、図示のように上部から底部の方向で底壁34から離れて延在する。図示の実施形態では、案内縁部65は、実質的に長方形の構成を備える実質的に真直ぐな案内縁部69である。図12C〜図12Dに示す更なる実施形態では、結び目プッシャ200Fは、1つ若しくは複数の凸部を備える案内縁部65を備えることができる。特定の例では、案内縁部は、2つの上向きに延在する凸部69a及び69bを備え、2本の縫合糸脚部の側溝40A、40B内への個々の装着を促進するのに役立つ。凸部69a、69bは、壁を備え、この壁により、縫合糸脚部を壁に載置し、側溝40A若しくは40B内に案内することが可能になる。
本発明の代替実施形態では、図13Aに示すように、側溝40A、40Bは、結び目押圧面38から遠位頭部30に沿って、少なくとも部分的に上壁32の上面32’に沿って近位に延在し、上部対向側溝40A’及び40B’を形成する。より具体的には、上部対向側溝40A’及び40B’は、上壁32の最上面によって形成される平面に沿って形成される。代替的に、いくつかのそのような実施形態では、上部対向側溝40A’及び40B’は、遠位頭部30内に形成することができる。いくつかのそのような例では、上部対向側溝40A’、40B’は、図13Aに示すように上記上壁32と底壁34との間に形成され、それぞれ、上記遠位頭部30を前進させる間、2本の縫合糸脚部を受け入れるように動作可能であり、結び目の推進を助ける。上部対向側溝40A’、40B’は、縫合糸脚部を結び目プッシャ内に装着する際に、更なる視野をもたらすことができ、したがって、使用が直観的であり得る結び目プッシャの提供によって、使いやすさを向上することができる。
結び目プッシャ300Aは、本明細書の以下で更に詳細に説明するように、上部対向側溝40A‘及び40B’の使用により、縫合糸から形成した摺動結び目及び一重結び目を含む様々な種類の結び目を押し進めるために使用可能であり得る。いくつかのそのような実施形態では、図13Dに示すように、最初に、結び目プッシャ300Aを使用して、摺動結び目を押し進める若しくは前進させる。いくつかのそのような実施形態では、ポスト84は、摺動結び目82が遠位結び目押圧面38に配置されるように、上部対向側溝40A’等の上部対向側溝40A’、40B’のうち1つの中に通し、保持される。遠位結び目押圧面38によって、摺動結び目82がポスト84に沿って遠位に所望の組織部位に位置する、例えば欠損に接近させるまで摺動するように、長手方向に向けられた力が摺動結び目82に加えられる。したがって、結び目プッシャ300Aを前進させる際、ポスト84に対する張力を維持する。更に、上部対向側溝40A’、40B’を使用して、一重結び目90を組織部位に押し進め、例えば、図13Cに示すように摺動結び目82を固着することができる。いくつかのそのような実施形態では、図示のように、一重結び目90から出ている2本の縫合糸脚部88は、上部対向側溝40A’、40B’のそれぞれに通し、1つ若しくは複数の一重結び目90の前進を助ける。図9A〜図12Dに示す実施形態を含めて、図示し、本明細書の上記で説明した実施形態と同様に、上部対向側溝40A’、40B’等の側溝40A及び40Bは、側方に離間するか、若しくは2本の縫合撚糸が一重結び目90及び互いに対して約180°の角度で向けられるのを可能にする距離で互いに離れており、一重結び目90の効果的な締め及び係合を可能にする。
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、1つ若しくは複数の一重結び目90を前進させる前に、上部対向側溝40A’、40B’のうち1つを使用して、摺動結び目を前進させるステップを含む結び目プッシャ300Aの使用方法を提供し、2本の縫合糸脚部の一方は、摺動結び目82を前進させる間、上部対向側溝40A’、40B’の一方の中に保持される。方法は、上部対向側溝40A’、40B’の両方を使用して、1つ若しくは複数の一重結び目90を個々に前進させるステップを更に含み、縫合糸脚部の一方は、1つ若しくは複数の一重結び目90を前進させる間、上部対向側溝40A’、40B’のそれぞれの一方に保持される。
更なる実施形態では、図13E及び図13Fに示すように、上部対向側溝40A’、40B’は、上記結び目プッシャ300Bの長手方向軸に対して、傾斜上部対向側溝40x、40yを形成する角度で向けることができる。図示する1つの特定の例では、傾斜上部対向側溝40x、40yは、これらが上記長手方向軸L−Lから離れて上記近位方向に向かって延在するような角度で向けられ、このため、上部対向側溝40A’と40B’との間の距離は、遠位頭部の近位部分に沿ってよりも、上記遠位結び目押圧面38に隣接する方が狭い。言い換えれば、傾斜上部対向側溝40x、40yは、遠位結び目押圧面38から離れて遠位頭部30の側縁部に向けて先細である。傾斜上部対向側溝40x、40yの向きは、何らかのひずみ緩和をもたらす経路に沿って縫合糸脚部88を送ることを可能にすることによって、2本の縫合糸脚部を結び目プッシャ300B内に装着することを容易にすることができる。したがって、傾斜上部対向側溝40x、40yは、図13Fに示すように、例えば一重結び目90を所望の組織部位に前進させる際、縫合糸脚部に加えられるひずみを低減することができる。いくつかのそのような実施形態では、傾斜上部対向側溝40x、40yは、縫合糸脚部を使用の間保持する通常構成において縫合糸脚部88に対するひずみを低減し、この場合、脚部は、遠位から近位方向で外側に延在し、縫合糸の操作及び/又は1つ若しくは複数の結び目前進の間、ユーザの手の中に保持することができる。いくつかのそのような実施形態では、本明細書で既に上記したように、上部対向側溝40x、40yのうち1つ若しくは複数は、少なくとも1つの側溝縫合糸保持要素を備え、2本の縫合糸脚部の一方を少なくとも1つの上記上部対向側溝内に保持することができる。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも1つの側溝縫合糸保持要素は、上壁及び底壁のうち1つの一部分を形成する弾性スナップ・アーム44を備える。更に、そのようないくつかの実施形態では、結び目プッシャは、上壁32と関連する中間溝40C等の上壁縫合糸受入れ要素を更に備えることができ、遠位頭部30を前進させる間、2本の縫合糸脚部の一方を受け入れ、摺動結び目82の前進を容易にする。
他の実施形態では、図13Gに示すように、遠位頭部30は、図11Fを参照して上記で説明した案内縁部65を備えることができる。図示のように、案内縁部65は、先細案内縁部67を備え、先細案内縁部67は、縫合糸脚部の結び目プッシャ300C内への装着を容易にする。図示の特定の実装形態では、先細案内縁部67は、上壁32に沿って上部対向側溝40xと40yとの間に延在する。先細案内縁部67は、先細縁部67’を備え、先細縁部67’は、一重結び目90から出ている2本の縫合糸脚部と接触するように機能する。先細縁部67’は、2本の縫合糸脚部を分割し、これらを上部対向側溝40x、40y内に案内するように機能する。
更なる実施形態では、本明細書の上で図1Kを参照して既に説明した実施形態と同様に、図14A及び図14Bに示すように、張力調整補助器若しくは張力維持要素若しくはテンショナ50を更に備える結び目プッシャ400Aが提供され、張力調整補助器若しくは張力維持要素若しくは張力調整器50は、例えば、ハンドル12等に沿って結び目プッシャ400Aの近位部分に位置する。他の実施形態では、張力調整補助器50は、結び目プッシャ400Aのシャフト14に沿って位置することができる。また他の構成では、張力調整補助器50は、シャフト14若しくはハンドル12の前側若しくは上面に沿って位置することができる。張力調整補助器50は、例えば摺動結び目を前進させる間、中間溝40C内に保持した縫合撚糸に対する張力を保つように機能する。1つの特定の例では、図14Bに示すように、張力調整補助器50は、少なくとも1つのポスト若しくはペグ72(代替的に指部72と呼ぶこともできる)を形成し、ポスト若しくはペグ72は、ハンドルの側部上に組み付けられ、ハンドル12の面から離れて側方に延在する。いくつかのそのような実施形態では、張力調整補助器50であるペグ若しくは指部72は、シャフト14上、若しくはユーザがデバイスを保持する必要がある場所以外のどこかである、デバイスに沿った場所に具現化される。指部72は、2本の縫合糸脚部(ポスト84を含むことができる)のうち1本を指部72の上若しくは周りに巻き付けることを可能にし、それにより、脚部を張力のかかった状態で保持することができる。図示する特定の例では、指部72は、糸巻き74を備える。図14Cに示すように、ポスト84等の縫合撚糸は、糸巻き74の足部74’の周りに巻き付け、張力のかかった状態で保持することができる。本発明のいくつかの実施形態では、張力維持要素若しくは張力調整補助器は、摩擦要素75を更に備え、上記2本の縫合糸脚部の一方を摩擦係合し、縫合糸脚部を張力のかかった状態で保持する。図示する特定の例では、糸巻きの壁76’は、足部74’から径方向外側に延在し、縫合糸脚部を摩擦係合する手段を提供する。壁76’は、スロット76の形態の摩擦要素を形成し、少なくとも1つの縫合糸脚部の一区分をスロット76の中に受け入れる。より詳細には、縫合糸脚部は、図14Bに示すように、縫合糸脚部を糸巻き74の足部分74’の周りに巻き付けた後、スロット76内に摩擦係合状態で保持することができる。更なる実施形態では、摩擦要素75は、圧入機構を有するクリップ77を更に備えることができ、2本の縫合糸脚部の一方を圧入係合し、スロット76内及び/又は縫合糸糸巻き74若しくは結び目プッシャ400Aの一部分に対して縫合糸脚部を保持することを可能にする。
張力調整補助器50の使用方法は、張力調整補助器50を備える結び目プッシャ400Aの使用方法を示す図14A〜図14Cを参照して本明細書の以下で更に説明する。より具体的には、図示のように摺動結び目82を前進させる際、ポスト84は、中心溝40Cに通され、摺動結び目82は、遠位結び目押圧面38に接して保持される。次に、ポスト84の張力を保持しながら、結び目プッシャ400Aを組織部位まで前進させる。摺動結び目82を組織部位で展開した後、ポスト84を更に締め、ぴんと引っ張ることができ、摺動結び目82を締めて、例えば欠損部分で組織を接近させるようにする。摺動結び目82が締まると、摺動結び目82は、組織を一緒に引っ張り、欠損を閉鎖する。次に、ポスト84の一区分を、糸巻き74等の張力調整補助器若しくは張力維持要素の周りに巻き付け、張力調整補助器若しくは張力維持要素と摩擦係合状態で保持することができ、ポスト84を張力のかかった状態で維持する。したがって、張力調整補助器50は、張力がポスト84から解放されないようにし、それによって組織によって加えられる力により、摺動結び目82がポスト84に沿って摺動し戻らないようにし、摺動結び目82が緩む若しくはほどけないようにすることができる。このことは、ポスト84及び結び目プッシャ400Aを片手で保持可能にすることによって、医師等のユーザのもう一方の手を自由にすることができる一方で、ポスト84に対する張力を維持し、同時に、医師がもう一方の手を使用して、ロッカー86を張り、摺動結び目82を係止可能にする。したがって、張力調整補助器若しくは張力維持要素50は、所望の組織位置内での摺動結び目82の展開及び係止を容易にする。
本発明の代替実施形態では、図14D、図14E及び図14Fに示すように、結び目プッシャ400Bが2つの張力維持要素若しくはテンショナ50を備える結び目プッシャ400Bを提供する。1つの特定の例では、二重張力維持要素若しくはテンショナ50は、2つの指部72を備える。いくつかのそのような例では、2つの指部は、糸巻き74を備え、糸巻き74は、ハンドル12の対向する側方側上に組み付けられ、2つの指部を使用して、2本の縫合糸脚部それぞれの一方に対する張力を維持することができる。特定の例では、ポスト84等の2本の縫合糸脚部の一方は、例えば医師の好みに応じて、2つの指部72のうち好ましい方を使用して、張力のかかった状態で保持することができる。代替的に、例えばもし結び目構成体に関与する3本以上の縫合糸脚部がある場合、例えば2つの指部72のそれぞれを使用して、縫合糸脚部それぞれを張力のかかった状態で保持することができる。更なる実施形態では、指部72は、遠位頭部30に対して移動可能であり、図15〜図17Bを参照して更に説明するように一重結び目を締めるように機能することができる。
本発明のいくつかのそのような実施形態では、結び目プッシャは、指部72のうち1つと遠位頭部30との間の相対移動を更に可能にし、縫合糸脚部の一方(ポスト84等)に対し張力調整力を加え、摺動結び目82を係止する前に、摺動結び目82を更に締めるようにする。したがって、指部72を用いて縫合糸脚部(例えばポスト84)を張力のかかった状態で保持することに加えて、結び目プッシャは、縫合糸脚部(例えばポスト84)に対し張力を加える手段を更に提供し、摺動結び目82を更に締めるようにする。一般に、縫合糸脚部が結び目プッシャの一部分(指部72等)に沿って保持される点と、摺動結び目(より具体的には結び目プッシャの摺動結び目と接触する表面)との間の相対移動をもたらすことによって縫合糸脚部の張力をもたらす手段を提供する。少なくとも1つの指部72及び遠位頭部30が互いに対して移動可能であるいくつかのそのような実施形態を本明細書の以下で説明する。
そのような一例では、本発明の実施形態は、遠位頭部30に対して移動可能である指部72を備える結び目プッシャ500Aを提供し、張力をポスト84に対し加え、摺動結び目を締めるようにする。図15A〜図15Bに示すこの特定の実装形態では、指部72は、ハンドル12内のスロット73の中で移動可能である。より具体的には、指部72は、その第1の位置72Aからその第2の位置72Bまで遠位頭部30に対して近位に移動可能であり、ポスト84の張力を調整して摺動結び目を締めるようにする。移動可能指部72を使用してポスト84の張力を調整した後、縫合糸のロッカー端部86を引っ張り、摺動結び目82を締めるようにすることができる。
別の例では、本発明の実施形態は、可撓性であり、遠位頭部30に対して移動可能である指部72を備える結び目プッシャ600Aを提供し、張力をポスト84に対し加え、摺動結び目を締めるようにする。図16A〜図16Bに示すこの特定の実装形態では、ハンドル12から側方に延在する可撓性指部71を提供する。可撓性指部71は、第1の位置71Aから第2の位置71Bに近位方向に撓む若しくは枢動するように動作可能であり、ポスト84の張力を調整して摺動結び目を締める。したがって、可撓性指部71は、遠位頭部30に対して近位方向に移動可能であり、ポストの張力を調整するようにする。移動可能可撓性指部71を使用してポスト84の張力を調整した後、縫合糸のロッカー端部86を引っ張り、摺動結び目82を締めるようにすることができる。このことは、摺動結び目を係止する前に、摺動結び目をできる限り締めることを容易にするのに役立ち得る。
本発明の更なる実施形態では、指部72に対して移動可能である遠位頭部30を備える結び目プッシャ700Aを提供し、張力をポスト84に対し加え、摺動結び目を締めるようにする。図17A〜図17Bに示すこの特定の実装形態では、遠位頭部30がハンドル12に対して移動可能である張力維持手段を提供する。より具体的には、結び目プッシャは、シャフト14を介して遠位頭部に結合されたピストン79を備える。ピストン79は、第1の位置79Aから第2の位置79Bに遠位に移動可能であり、対応する移動を遠位頭部30にもたらし、遠位頭部30も、その第1の位置30Aからその第2の位置30Bに遠位に移動可能であり、ポスト84の張力を調整して摺動結び目82を締めるようにする。移動可能頭部30を使用してポスト84の張力を調整した後、縫合糸のロッカー端部86を引っ張り、摺動結び目82を締めるようにすることができる。
いくつかの実施形態では、図15A〜図15Bで説明した結び目プッシャ500Aは、2つの側方に対向する指部72(図14D、図14E及び図14Fに示した実施形態と同様のもの)を備え、側方に対向する指部72のそれぞれに沿った位置に2本の縫合糸脚部を固着し、2本の縫合糸脚部を張力のかかった状態で維持することができる。2つの側方に対向する指部72のそれぞれは、スロット73内で近位に移動可能であり、縫合糸脚部を固着する位置若しくは場所の近位移動を可能にし、2本の縫合糸脚部のそれぞれに対し張力調整力を加えることを可能にし、一重結び目の締めを容易にする。本明細書で既に説明した結び目プッシャ400Bは、移動可能指部を備えることもでき、同様に機能することができる。代替実施形態では、図16A〜図16Bに示す結び目プッシャ600Aは、側方に対向する2つの指部72を備え、側方に対向する指部72のそれぞれに沿った位置に2本の縫合糸脚部を固着し、2本の縫合糸脚部を張力のかかった状態で維持することができる。2つの側方に対向する指部72は、可撓性で、近位に枢動可能であり、縫合糸脚部を固着する位置若しくは場所の近位移動を可能にし、上記2本の縫合糸脚部のそれぞれに対し張力調整力を加えることを可能にし、一重結び目の締めを容易にする。更に、図17A〜図17Bを参照して説明した結び目プッシャ700Aは、側方に対向する2つの指部を備えることができ、一重結び目は、遠位頭部30の遠位結び目押圧面38に隣接して位置することができ、一重結び目から出ている縫合糸脚部は、指部に結合される。遠位頭部30は、ピストン79の作動後、遠位に移動可能であり、遠位頭部30と、縫合糸脚部を固着する位置若しくは場所との間の相対移動を可能にし、2本の縫合糸脚部のそれぞれに対し張力調整力を加えることを可能にし、一重結び目の締めを容易にする。したがって、図14A〜図17Bで本明細書に記載した張力調整手段は、摺動結び目及び一重結び目の一方若しくは両方の前進を支援するために使用可能である。
再度図14A〜図17Bを参照すると、本明細書で説明する実施形態は、指部72と遠位頭部30との間に相対移動をもたらし、したがって、結び目を締めるために、縫合糸脚部の一方の張力を調整する手段を提供する。そのような実施形態は、摺動結び目を締めるために、手で一般に加えることができる力よりも大きな力を与えるという更なる利点をもたらす。いくつかの例では、図14A〜図17Bを参照する縫合糸に加えられる張力調整力は、約20ニュートンから約30ニュートンまでの間とすることができる。いくつかのそのような例では、縫合糸は、超高分子量ポリエチレンを含む強力繊維の2−0縫合糸である。更に、いくつかのそのような例では、結び目プッシャは、力制限器を更に備え、上記結び目プッシャによって加えられる張力調整力の量を制限する。図14〜図17Bを参照して本明細書の上記で説明する実施形態では、張力調整力は、縫合糸の破断力よりも小さい。
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、縫合糸から形成した摺動結び目及び一重結び目を含む様々な種類の結び目を押し進めるために使用可能である結び目プッシャを提供し、2本の縫合糸脚部は、結び目から延在し、結び目プッシャは、遠位結び目押圧面で終端する上壁及び底壁を形成し、長手方向軸を規定する遠位頭部;上壁及び底壁との間に形成され、上記遠位頭部に沿って上記結び目押圧面から近位に延在する側溝であって、側溝のそれぞれは、上記遠位頭部を前進させて上記一重結び目を押し進める間、縫合糸脚部の一方を受け入れるように動作可能である、側溝;並びに上記遠位頭部を前進させる間、2本の縫合糸脚部の一方を受け入れ、上記摺動結び目の前進を容易にするための、上記上壁と関連する上壁縫合糸受入れ要素;並びに縫合糸脚部の一方を上記結び目プッシャの一部分に沿って摩擦係合し、使用中、上記2本の縫合糸脚部の一方を張力のかかった状態で保持可能にする、上記結び目プッシャと関連する張力維持要素若しくはテンショナを更に備える。
本発明のまだ更なる実施形態では、一重結び目及び摺動結び目を含む様々な種類の結び目を押し進めるために使用可能である結び目プッシャを提供し、結び目測定若しくは追跡手段は、結び目プッシャに関連し、使用中、上記結び目プッシャによって前進する一重結び目の数の追跡を可能にする。
本明細書の上で既に説明した実施形態と同様に、結び目プッシャは、上記上壁及び底壁によって形成した1つ若しくは複数の溝を備え、上記溝は、上記結び目押圧面から近位に延在し、それぞれ、上記遠位頭部を前進させる間、2本の縫合糸脚部の一方を受け入れるように動作可能であり、結び目の推進を助ける。溝は、一重結び目の前進を容易にする1つ若しくは複数の側溝40A、40B、及び摺動結び目の前進を容易にする中間溝40Cを備えることができる。いくつかのそのような実施形態では、結び目測定若しくは追跡手段は、圧力センサを備える。特定の例では、図13Cに示すように、圧力センサ104を備える、結び目追跡若しくは測定手段若しくは構成要素102を設け、圧力センサ104は、遠位結び目押圧面38上に組み付けられる。代替的に、結び目測定若しくは追跡手段102は、図13Dに示すように、側溝40A、40Bの一方と関連することができる。いくつかのそのような実施形態では、結び目追跡手段102を使用して、結び目プッシャで前進させた一重結び目の数を追跡することができる。例えば、このことは、医師が、処置内で前進させた一重結び目の数を継続的に計数するのを助け得る。代替的に、結び目追跡手段102を使用して、摺動結び目等の他の結び目を追跡することもできる。そのような一例では、結び目プッシャは、側溝縫合糸保持要素(スナップ46a、46b)を更に備え、縫合糸脚部を側溝40A、40Bの一方の中に保持し、結び目測定若しくは追跡手段は、側溝縫合糸保持要素と関連し、縫合糸脚部を側溝40A、40Bの一方に挿入した回数を決定するようにする。この例のまだ更なる例では、側溝縫合糸保持要素は、弾性スナップ・アーム44を備え、スナップ・アーム44は、上壁32及び底壁34の一方の一部分を形成する。図9Bに示すように、この例の特定の例では、結び目測定若しくは追跡手段102は、弾性スナップ・アーム44上に組み付けた圧力センサ104を備える。別の代替形態では、結び目測定若しくは追跡手段102は、図示のように、中間溝40C等の上壁縫合糸受入れ要素と関連し、側溝40A、40Bに関して本明細書で上記した様々な結び目追跡手段のうちいずれかを備えることができる。
したがって、本明細書で上記したように、結び目プッシャの様々な実施形態及びその使用方法が開示される。いくつかのそのような実施形態では、結び目プッシャは、縫合糸から形成した結び目を押し進めるために使用可能であり、2本の縫合糸脚部は、結び目から延在する。結び目プッシャは、遠位結び目押圧面で終端する上壁及び底壁を形成する遠位頭部を備える。遠位頭部は、少なくとも2つの側溝を含み、2つの側溝は、結び目押圧面から近位に延在する上壁と底壁との間に形成される。これら側溝のそれぞれは、縫合糸脚部の一方を受け入れるように動作可能である。遠位頭部は、上壁及び底壁に結合された、縫合糸脚部の一方を側溝の一方に案内するための少なくとも1つの縫合糸案内部を更に備える。
上記の本発明の実施形態は、例示のみを目的とする。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることを意図する。
明確にするために個別の実施形態の状況で説明した本発明の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせても提供できることは了解されよう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の状況で説明した本発明の特定の様々な特徴は、個別若しくはあらゆる適切な部分的組合せで提供することもできる。
本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の広い範囲内にある全てのそのような代替形態、修正形態及び変形形態を包含することを意図する。本明細書で述べた全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許若しくは特許出願が具体的且つ個別に示され、参照により本明細書に組み込まれるのと同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、本出願におけるあらゆる参照の引用若しくは特定は、そのような参照が本発明に対する従来技術として利用可能であることの承認として解釈しないものとする。