JP6497738B2 - 油圧回路における制御バルブの故障診断システム - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械等の作業機械の油圧回路における制御バルブの故障診断システムの技術分野に関するものである。
一般に、建設機械等の作業機械の油圧回路には、作業用油圧シリンダ、走行用油圧モータ等の種々の油圧アクチュエータの作動を制御するべく各種制御バルブが設けられているが、これら制御バルブに故障が発生した場合には、修理、交換等の迅速な対応が要求される。しかしながら、たとえば油圧アクチュエータの出力不足、回路圧の低下、ポンプ圧が不安定等の不具合が油圧回路に発生した場合、その不具合の要因となりうる制御バルブは複数あるため、どの制御バルブが故障しているかを特定するには、要因となりうる制御バルブを1つずつ交換して不具合が解消されたか否かを確認していく作業が必要となって、時間と手間がかかる。特に、建設機械のなかには、油圧アクチュエータに対する作動油の給排流量を制御するためのメータリングバルブとして、油圧アクチュエータに設けられる一対のポートへの供給流量をそれぞれ制御する第一、第二メータインバルブと、上記一対のポートからの排出流量をそれぞれ制御する第一、第二メータアウトバルブとの4つの独立したメータリングバルブを設け、これら4つのメータリングバルブを個別に電子制御することでより細かく且つ効率的に油圧アクチュエータを制御できるようにしたものが知られている(たとえば、特許文献1参照。)が、このような独立メータリングバルブが採用されている油圧回路においては、1つの油圧アクチュエータに4つのメータリングバルブが必要なうえ、ポンプ合流機能やポンプ圧力調整機能のためのバルブなど直接油圧アクチュエータを制御する目的以外のバルブや回路も存在していることから複雑な構成となっており、このため、油圧回路に不具合が発生した場合には、その不具合の要因となりうる制御バルブが多数あって、これらの制御バルブのうち何れの制御バルブが故障しているのかを特定するには回路構成に関する十分な知識が必要なうえ、多大な時間と手間がかかるという問題があった。
一方、作業機械の油圧回路における制御バルブの故障診断装置として、従来、制御バルブに制御信号を出力する制御手段を、通常の制御動作を行う通常制御モードと特定の故障診断用動作を行わせる故障診断モードとに交換可能に構成すると共に、故障診断モードにおいて制御弁に故障診断用動作を行わせたときの油圧ポンプの吐出圧に基づいて当該制御弁の故障の有無を判定するように構成した技術が提唱されている(たとえば、特許文献2参照。)。
特開10−311301号公報 特開2000−46015号公報
しかしながら、前記特許文献2の故障診断装置では、診断対象とする制御バルブを定め、該制御バルブに対して個別に故障診断を行うように構成されている。このため、不具合が発生した油圧回路において、その不具合の要因となりうる制御バルブが複数ある場合には、これら全ての制御バルブに対する故障診断を個別に行わなければならず、依然として時間と手間がかかるうえ、1つの制御バルブの故障が他の正常な制御バルブの故障診断に影響を与えてしまうことがあって、正確な故障診断を行えない惧れがあり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される作動油により作動する油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータに対する作動油の給排流量を制御するメータリングバルブと、油圧ポンプの吐出ラインから分岐形成されて油タンクに至るリリーフ油路、バイパス油路、並びに循環油路にそれぞれ配設される複数の制御バルブとを備えた作業機械の油圧回路において、前記複数の制御バルブは、リリーフ油路に配設されて吐出ラインの回路最高圧を設定するメインリリーフバルブを含み、該メインリリーフバルブを含む複数の制御バルブおよび前記メータリングバルブの故障を診断するための故障診断システムを設けるにあたり、前記複数の制御バルブのうち2つ以上の制御バルブを診断対象として種々組合わせた複数のテストパターンを設定すると共に、各テストパターンに応じて設定された診断用制御信号を制御バルブに出力して制御バルブを診断用制御状態にし、この状態での吐出ラインの検出圧力とメインリリーフバルブの設定圧とを比較して各テストパターンの故障の有無の診断を行う故障診断手段を設けて、該故障診断手段により故障の有無が診断されたテストパターンに含まれる制御バルブ同士の照合をすることで故障した制御バルブを特定できるように構成する一方、前記故障診断で制御バルブに故障がないと診断された場合に、前記メータリングバルブの故障診断を行うことを特徴とする油圧回路における制御バルブの故障診断システムである。
請求項の発明は、請求項1において、故障診断手段は作業機械の運転室に配されるモニタ装置に接続され、該モニタ装置の操作に基づいて故障診断を実行することを特徴とする油圧回路における制御バルブの故障診断システムである。
請求項の発明は、請求項1または2において、油圧アクチュエータは、該油圧アクチュエータを作動せしめる作動油の出入口として一対のポートを備えるとともに、該油圧アクチュエータに対する給排流量を制御するためのメータリングバルブは、油圧アクチュエータの一方のポートへの供給流量を制御する電子制御式の第一メータインバルブと、油圧アクチュエータの一方のポートからの排出流量を制御する電子制御式の第一メータアウトバルブと、油圧アクチュエータの他方のポートへの供給流量を制御する電子制御式の第二メータインバルブと、油圧アクチュエータの他方のポートからの排出流量を制御する電子制御式の第二メータアウトバルブとを用いて構成されていることを特徴とする油圧回路における制御バルブの故障診断システムである。
請求項1の発明とすることにより、制御バルブの故障診断に要する時間および手間を大幅に削減することができると共に、回路構成に関する高い知識を必要とせず、メンテナンス性の向上に大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、テストパターンの故障診断を行う場合に、制御バルブは自動的に各テストパターンに応じた診断用制御状態になり、而して、回路構成の知識がなくても容易且つ短時間で故障診断を行うことができる。
請求項3の発明とすることにより、故障診断用の操作装置を別途必要とせず、モニタ装置を利用して故障診断を実行することができる。
請求項4の発明とすることにより、本発明の故障診断システムを、メータリングバルブが第一、第二メータインバルブ、第一、第二メータアウトバルブの4つの個別のバルブを用いて構成されている複雑な油圧回路に実施できる。
油圧ショベルの油圧回路図である。 コントローラの入出力を示すブロック図である。 テストパターンおよびポンプテストの診断対象を示す表図である。 テストパターン1における油の流れを示す図である。 テストパターン2における油の流れを示す図である。 テストパターン3における油の流れを示す図である。 テストパターン4における油の流れを示す図である。 ポンプテスト1における油の流れを示す図である。 ポンプテスト2における油の流れを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1に、本発明の故障診断システムが実施された油圧ショベル(本発明の作業機械の一例である)の油圧回路を示すが、該油圧回路において、1、2は可変容量型の第一、第二油圧ポンプ(本実施の形態では、斜板角度により容量が変化する斜板式ピストンポンプ)、3は油タンク、4〜9は第一、第二油圧ポンプ1、2から吐出される作動油により作動する油圧アクチュエータであって、本実施の形態では、主として第一油圧ポンプ1から圧油供給される油圧アクチュエータとしてバケットシリンダ4、ブームシリンダ5、左走行モータ6が設けられており、また、主として第二油圧ポンプ2から圧油供給される油圧アクチュエータとして右走行モータ7、旋回モータ8、スティックシリンダ9が設けられている。
さらに、10、11、15は前記バケットシリンダ4、ブームシリンダ5、スティックシリンダ9に対する作動油の給排流量をそれぞれ制御するバケット用、ブーム用、スティック用のメータリングバルブであって、これらメータリングバルブ10、11、15は、それぞれ4つの独立した電子制御式バルブを用いて構成されている。バケット用メータリングバルブ10を例にとって説明すると、該バケット用メータリングバルブ10は、バケットシリンダ4のロッド側油室の出入口となるロッド側ポート4aへの供給流量を制御する第一メータインバルブ10Aと、ロッド側ポート4aからの排出流量を制御する第一メータアウトバルブ10Bと、バケットシリンダ4のヘッド側油室の出入口となるヘッド側ポート4bへの供給流量を制御する第二メータインバルブ10Cと、ヘッド側ポート4bからの排出流量を制御する第二メータアウトバルブ10Dとを用いて構成されていると共に、これら第一、第二メータインバルブ10A、10C、第一、第二メータアウトバルブ10B、10Dは、後述するコントローラ16からの制御信号で作動するように構成されている。尚、前記ロッド側ポート4a、ヘッド側ポート4bは、本発明の油圧アクチュエータに備えられる一対のポートのうちの一方のポート、他方のポートに相当すると共に、ブームシリンダ5、スティックシリンダ9も、バケットシリンダ4と同様に、作動油の出入口となる一対のポート5a、5b、9a、9bを備えている。また、ブーム用、スティック用のメータリングバルブ11、15についての説明は省略するが、これらブーム用、スティック用のメータリングバルブ11、15もバケット用メータリングバルブ10と同様に、コントローラ16からの制御信号に基づいて作動する電子制御式の第一、第二メータインバルブ11A、11C、15A、15C、第一、第二メータアウトバルブ11B、11D、15B、15Dを用いて構成されている。
さらに、12、13は左右の走行モータ6、7に対する作動油の給排流量をそれぞれ制御する左走行用、右走行用のメータリングバルブであって、これらメータリングバルブ12、13は、走行用操作具の操作に基づいてパイロットバルブ(図示せず)から出力されるパイロット圧により作動するパイロット作動式バルブを用いて構成されている。また、14は旋回モータ8に対する作動油の給排流量を制御する旋回用メータリングバルブであって、該旋回用メータリングバルブ14は、メータインとメータアウトとで独立制御は行わないが、コントローラ16からの制御指令で作動する電子制御式バルブを用いて構成されている。
さらに、17、18は第一、第二油圧ポンプ1、2の吐出側に接続される第一、第二吐出ラインであって、第一吐出ライン17の圧油は、前記左走行用メータリングバルブ12に供給されると共に、後述する第一位置Xの走行直進弁27を経由してバケット用メータリングバルブ10、ブーム用メータリングバルブ11に供給されるように構成されている。一方、第二吐出ライン18の圧油は、旋回用メータリングバルブ14、スティック用メータリングバルブ15に供給されると共に、第一位置Xの走行直進弁27を経由して右走行用メータリングバルブ13に供給されるように構成されている。
さらに、19、20は第一、第二吐出ライン17、18からそれぞれ分岐形成されて油タンク3に至る第一、第二リリーフ油路であって、該第一、第二リリーフ油路19、20には、第一、第二吐出ライン17、18の回路最高圧を設定するための第一、第二メインリリーフバルブ21、22がそれぞれ配設されている。
さらに、23、24は前記第一、第二リリーフ油路19、20の下流側において第一、第二吐出ライン17、18からそれぞれ分岐形成されて油タンク3に至る第一、第二バイパス油路であって、該第一、第二バイパス油路23、24には、コントローラ16からの制御信号に基づいて第一、第二バイパス油路23、24の流量制御を行う第一、第二バイパスバルブ25、26がそれぞれ配設されている。
さらに、前記走行直進弁27は、コントローラ16からの制御信号に基づいて第一位置Xと第二位置Yとに切換る2位置切換弁であって、該走行直進弁27が第一位置Xに位置している状態では、第一吐出ライン17の圧油が左走行用メータリングバルブ12に供給され、第二吐出ライン18の圧油が右走行用メータリングバルブ13に供給されるが、第二位置Yに位置している状態では、第一吐出ライン17の圧油が左右両方の走行用メータリングバルブ12、13に供給されるようになっている。尚、走行直進弁27が第二位置Yに位置している状態では、バケット用、ブーム用、旋回用、スティック用メータリングバルブ10、11、14、15には第二吐出ライン18の圧油が供給されるようになっている。
さらに、28は第一吐出ライン17と第二吐出ライン18とを連通する合流油路であって、該合流油路28には、コントローラ16からの制御信号に基づいて切換る合流バルブ29が配設されている。該合流バルブ29はチェック弁29aを具備した3位置切換弁であって、第一位置Xに位置している状態では、チェック弁29aによって第一吐出ライン17から第二吐出ライン18への油の流れは許容するが逆方向の流れは阻止し、第二位置Yに位置している状態では、第一、第二吐出ライン17、18同士の油の流れを遮断し、第三位置Zに位置している状態では、第一、第二吐出ライン17、18同士を連通して互いに合流させることができるように構成されている。
さらに、30、31は第一、第二吐出ライン17、18の吐出油を循環させて油タンク3に戻すための第一、第二循環油路であって、該第一、第二循環油路30、31には、コントローラ16からの制御信号に基づいて第一、第二循環油路30、31を開閉する第一、第二暖機バルブ32、33がそれぞれ配設されている。
尚、本実施の形態において、前記第一、第二メインリリーフバルブ21、22、第一、第二バイパスバルブ25、26、走行直進弁27、合流バルブ29、第一、第二暖機バルブ32、33は本発明の制御バルブに相当する。そして、これらの制御バルブと前述したメータリングバルブ10〜15とは、コントロールバルブユニットとして一つに纏められた状態で配設されている。
一方、前記コントローラ16は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、図2のブロック図に示す如く、油圧アクチュエータ用操作具(バケット用、ブーム用、左走行用、右走行用、旋回用、スティック用の各操作具であって、図示しないが、操作レバーや操作ペダル)の操作方向および操作量をそれぞれ検出する操作検出手段34〜39、第一、第二油圧ポンプ1、2の斜板角度をそれぞれ検出する第一、第二斜板角度センサ40a、40b、第一、第二吐出ライン17、18の圧力をそれぞれ検出する第一、第二圧力センサ41、42、後述するモニタ装置43等からの信号を入力し、これら入力信号に基づいて、前記第一、第二油圧ポンプ1、2、バケット用、ブーム用、旋回用、スティック用のメータリングバルブ10、11、14、15、第一、第二バイパスバルブ25、26、走行直進弁27、合流バルブ29、第一、第二暖機バルブ32、33、モニタ装置43等に制御信号を出力するように構成されていると共に、故障診断手段44、メモリ46等を備えて構成されている。そして、該コントローラ16は、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて油圧アクチュエータ4〜9を作動せしめる通常制御や、モニタ装置43の操作に基づいて暖機運転を行う暖機運転制御や、故障診断手段44による故障診断をモニタ装置43の操作に基づいて行う故障診断制御等の各種制御を実行する。尚、前記モニタ装置43は、油圧ショベルの運転室に配されており、図示しないが、ディスプレイと操作キーとを備えていると共に、コントローラ16と入出力可能に接続されている。
まず、コントローラ16の行う通常制御について説明すると、コントローラ16は、バケット用、ブーム用、旋回用、スティック用の操作検出手段34、35、38、39から油圧アクチュエータ用操作具の操作信号が入力された場合に、該操作された油圧アクチュエータ用のメータリングバルブ10、11、14、15に制御信号を出力して、対応する油圧アクチュエータ(バケットシリンダ4、ブームシリンダ5、旋回モータ8、スティックシリンダ9)に対する給排流量を制御する。たとえば、バケット用操作具の操作検出手段34からバケットアウト(バケットシリンダ4縮小)の操作信号が入力された場合には、バケット用メータリングバルブ10の第一メータインバルブ10Aおよび第二メータアウトバルブ10Dに制御信号を出力して、バケットシリンダ4のロッド側ポート4aへの供給流量およびヘッド側ポート4bからの排出流量を制御する。
さらに、前記通常制御において、コントローラ16は、油圧アクチュエータ用操作具の操作信号が入力された場合に、操作された油圧アクチュエータ4〜9の油圧供給源となる第一、第二油圧ポンプ1、2の吐出圧を操作具の操作量に応じて調整するべく、第一、第二バイパスバルブ25、26に開度量調整の制御信号を出力して第一、第二バイパス油路23、24の流量制御を行う。尚、コントローラ16のメモリ46には、油圧アクチュエータ用操作具の操作量と第一、第二バイパスバルブ25、26の開度量との関係を示したマップが収納されており、該マップを用いて第一、第二バイパスバルブ25、26の開度量制御が行われるように構成されている。また、油圧アクチュエータ用操作具が操作されていない状態では、第一、第二バイパスバルブ25、26は最大の開度量で第一、第二バイパス油路23、24を開くように制御され、これにより第一、第二油圧ポンプ1、2は低圧状態になるように構成されている。
さらに、通常制御において、コントローラ16は、直進走行を行うべく左右両方の走行用操作具が操作され、さらにバケット用、ブーム用、旋回用、スティック用の何れかの操作具が操作された場合に、制御信号を出力して走行直進弁27を第二位置Yに切換える。この状態では、第一油圧ポンプ1の吐出油が左走行モータ6および右走行モータ7に供給される一方、第二油圧ポンプ2の吐出油が上記操作具操作されたバケットシリンダ4、ブームシリンダ5、旋回モータ8、スティックシリンダ9に供給されるようになっており、これにより、第一油圧ポンプ1の吐出流量を左右の走行モータ6、7のみで分配して両走行モータ6、7への供給流量を同等にすることができるようになっている。尚、左右の走行操作具がのみが操作されている場合、或いはバケット用、ブーム用、旋回用、スティック用の操作具のみが操作されている場合には、走行直進弁27は第一位置Xに位置するように制御される。
さらに、通常制御において、コントローラ16は、流量を要する油圧アクチュエータ(たとえば、ブームシリンダ5、スティックシリンダ9)の操作信号が入力された場合に、第一油圧ポンプ1からの作動油と第二油圧ポンプ2からの作動油とを合流させて上記油圧アクチュエータに供給するべく、合流バルブ29に対して制御信号を出力する。この場合に、コントローラ16は、油圧アクチュエータ用操作具の操作量に応じて要求流量を求め、該要求流量が油圧アクチュエータに供給されるように作動油の合計流量を制御する。
尚、前記通常制御が実行されている場合、モニタ装置43は、エンジン冷却水温度、作動油温度、燃料残量等の各種機体情報をディスプレイに表示するように構成されている。
次いで、コントローラ16の行う暖機制御について説明すると、コントローラ16は、暖機を必要とする条件(作動油の温度、外気温等)が成立した場合に、モニタ装置43のディスプレイに「暖機の実行」の要否を確認する画面を表示する。そして、この画面の表示に基づいてオペレータが「暖機を実行する」指示を入力した場合に、コントローラ16は、第一、第二暖機バルブ32、33に対して第一、第二循環油路30、31を開く開位置に位置するように制御信号を出力する。そして、該第一、第二暖機バルブ32、33が開くことにより、第一、第二油圧ポンプ1、2の作動油が自動的に循環して作動油およびコントロールバルブユニットを暖めるように構成されている。尚、暖機制御が実行されていない場合には、第一、第二暖機バルブ32、33は第一、第二循環油路30、31を閉じる閉位置に位置するように制御される。
次いで、コントローラ16の行う故障診断制御について説明する。該故障診断制御は、モニタ装置43の操作に基づいて行われるが、本実施の形態において、モニタ装置43は、操作キーの操作に基づいて、暗証番号の入力等によりサービスマン等の特定者だけに操作が許容されるサービスモードを設定できるようになっており、該サービスモード内において故障診断制御の操作を行うことができるようになっている(以降、故障診断制御の操作を行う者を、診断実行者と称する)。
ここで、前記コントローラ16のメモリ46には、故障診断用の複数のテストパターンを設定したデータが収納されている。該テストパターンは、前記制御バルブ(第一、第二メインリリーフバルブ21、22、第一、第二バイパスバルブ25、26、走行直進弁27、合流バルブ29)のうち2つ以上の制御バルブを診断対象として種々組み合わせたものであって、本実施の形態では、図3の表図に示す如く、第一バイパスバルブ25と第一メインリリーフバルブ21と第一暖機バルブ32とを診断対象とするテストパターン1、第二バイパスバルブ26と第二メインリリーフバルブ22と第二暖機バルブ33とを診断対象とするテストパターン2、第一バイパスバルブ25と第一メインリリーフバルブ21と第一暖機バルブ32と第二暖機バルブ33とを診断対象とするテストパターン3、第二バイパスバルブ26と第二メインリリーフバルブ22と第一暖機バルブ32と第二暖機バルブ33とを診断対象とするテストパターン4が設定されている。さらに、本実施の形態では、第一油圧ポンプ1を診断対象とするポンプテスト1、第二油圧ポンプ2を診断対象とするポンプテスト2も設定されている。尚、第一、第二油圧ポンプ1、2を診断対象とするポンプテスト1、2は、本発明のテストパターンには含まれない。また、前記テストパターン1〜4は、本実施の形態では予め設定されていてそのデータがコントローラ16のメモリ46に収納されているが、モニタ装置43を用いて任意の制御バルブを診断対象とする各種テストパターンを設定できる構成にすることもできる。
そして、制御バルブの故障診断を行う場合には、まず、モニタ装置43のキー操作により前記テストパターン1〜4の何れかを選択すると、その信号がコントローラ16に入力されて、前記選択した各テストパターンを単位とする故障診断が故障診断手段44により実行される。この場合、故障診断手段44は、各テストパターンに応じて設定された診断用制御信号を制御バルブに出力して制御バルブを診断用制御状態にすると共に、第一、第二油圧ポンプ1、2を駆動させ、その吐出圧を第一、第二圧力センサ41、42により検出し、該検出された吐出圧を予め設定された吐出圧標準値として比較して故障診断を行うように構成されている。
尚、テストパターン1〜4の故障診断を行う場合には、全てのメータリングバルブ10〜15は閉じるように制御され、また、図示しないが油圧ショベルの油圧回路に設けられている旋回用ブレーキ装置はブレーキ状態となるように制御される。さらに、故障診断手段44によるテストパターンの故障診断が実行されているあいだ、モニタ装置43のディスプレイには、第一、第二圧力センサ41、42により検出される第一、第二油圧ポンプ1、2の圧力が表示されると共に、各テストパターンの故障診断の終了後には診断結果がディスプレイに表示されるように構成されている。
次いで、前記故障診断手段44が行う診断用制御について、各テストパターン1〜4毎に具体的に説明する。まず、第一バイパスバルブ25と第一メインリリーフバルブ21と第一暖機バルブ32とを診断対象とするテストパターン1では、合流バルブ29は、第一吐出ライン17と第二吐出ライン18とを遮断する第二位置Yに位置するように制御する。走行直進弁27は、第一吐出ライン17の圧油が左走行用メータリングバルブ12および走行直進弁27を経由してバケット用、ブーム用メータリングバルブ10、11に供給されるとともに、第二吐出ライン18の圧油が旋回用、スティック用メータリングバルブ14,15および走行直進弁27を経由して右走行用メータリングバルブ13に供給される第一位置Xに位置するように制御する。第一バイパスバルブ25は、第一バイパス油路23を閉じるように制御し、第二バイパスバルブ26は、最大の開度量で第二バイパス油路24を開くように制御する。第一、第二暖機バルブ32、33は、第一、第二循環油路30、31を閉じる閉位置に位置するように制御する。このようにして各制御バルブをテストパターン1の診断用制御状態にした状態で、第一油圧ポンプ1を最低流量で駆動させる。この状態では、図4に示す如く、第一油圧ポンプ1からの吐出油は、第一吐出ライン17から走行直進弁27を経由して第二位置Yの合流バルブ29に至ると共に、閉位置の第一暖機バルブ32に至るように流れるが、この状態で、第一圧力センサ41から入力される第一吐出ライン17の圧力を、予め設定される第一メインリリーフバルブ21の設定圧(本発明の吐出圧標準値に相当する)と比較する。そして、第一吐出ライン17の圧力が第一メインリリーフバルブ21の設定圧以上の場合にはテストパターン1に故障なし(テストパターン1が診断対象とする全ての制御バルブに故障なし)と判断し、第一吐出ライン17の圧力が第一メインリリーフバルブ21の設定圧未満の場合にはテストパターン1に故障あり(テストパターン1が診断対象とする少なくとも1つの制御バルブに故障あり)と判断する。さらに、該判断結果をモニタ装置43のディスプレイに表示する。
また、第二バイパスバルブ26と第二メインリリーフバルブ22と第二暖機バルブ33とを診断対象とするテストパターン2では、合流バルブ29は、第一吐出ライン17から第二吐出ライン18への油の流れは許容するが逆方向の流れは阻止する第一位置Xに位置するように制御する。走行直進弁27は、第一吐出ライン17の圧油が左走行用メータリングバルブ12および走行直進弁27を経由してバケット用、ブーム用メータリングバルブ10、11に供給されるとともに、第二吐出ライン18の圧油が旋回用、スティック用メータリングバルブ14,15および走行直進弁27を経由して右走行用メータリングバルブ13に供給される第一位置Xに位置するように制御する。第一バイパスバルブ25は、最大の開度量で第一バイパス油路23を開くように制御し、第二バイパスバルブ26は、第二バイパス油路24を閉じるように制御する。第一、第二暖機バルブ32、33は、第一、第二循環油路30、31を閉じる閉位置に位置するように制御する。このようにして各制御バルブをテストパターン2の診断用制御状態にした状態で、第二油圧ポンプ2を最低流量で駆動させる。この状態では、図5に示す如く、第二油圧ポンプ2からの吐出油は、第二吐出ライン18から第一位置Xの合流バルブ29に至ると共に、閉位置の第二暖機バルブ33に至るように流れるが、この状態で、第二圧力センサ42から入力される第二吐出ライン18の圧力を、予め設定される第二メインリリーフバルブ22の設定圧(本発明の吐出圧標準値に相当する)と比較する。そして、第二吐出ライン18の圧力が第二メインリリーフバルブ22の設定圧以上の場合にはテストパターン2に故障なし(テストパターン2が診断対象とする全ての制御バルブに故障なし)と判断し、第二吐出ライン18の圧力が第二メインリリーフバルブ22の設定圧未満の場合にはテストパターン2に故障あり(テストパターン2が診断対象とする少なくとも1つの制御バルブに故障あり)と判断する。さらに、該判断結果をモニタ装置43のディスプレイに表示する。
また、第一バイパスバルブ25と第一メインリリーフバルブ21と第一暖機バルブ32と第二暖機バルブ33を診断対象とするテストパターン3では、合流バルブ29は、第一、第二吐出ライン17、18同士を連通して互いに合流させる第三位置Zに位置するように制御する。走行直進弁27は、第一吐出ライン17の圧油が左走行用メータリングバルブ12および走行直進弁27を経由してバケット用、ブーム用メータリングバルブ10、11に供給されるとともに、第二吐出ライン18の圧油が旋回用、スティック用メータリングバルブ14,15および走行直進弁27を経由して右走行用メータリングバルブ13に供給される第一位置Xに位置するように制御する。第一バイパスバルブ25は、第一バイパス油路23を閉じるように制御し、第二バイパスバルブ26は、最大の開度量で第二バイパス油路24を開くように制御する。第一、第二暖機バルブ32、33は、第一、第二循環油路30、31を閉じる閉位置に位置するように制御する。このようにして各制御バルブをテストパターン3の診断用制御状態にした状態で、第一油圧ポンプ1を最低流量で駆動させる。この状態では、図6に示す如く、第一油圧ポンプ1からの吐出油は、第一吐出ライン17から走行直進弁27を経由して閉位置の第一暖機バルブ32に至ると共に、第三位置Zの合流バルブ29を経由して閉位置の第二暖機バルブ33に至るように流れるが、この状態で、第一圧力センサ41から入力される第一吐出ライン17の圧力を、予め設定される第一メインリリーフバルブ21の設定圧(本発明の吐出圧標準値に相当する)と比較する。そして、第一吐出ライン17の圧力が第一メインリリーフバルブ21の設定圧以上の場合にはテストパターン3に故障なし(テストパターン3が診断対象とする全ての制御バルブに故障なし)と判断し、第一吐出ライン17の圧力の圧力が第一メインリリーフバルブ21の設定圧未満の場合にはテストパターン3に故障あり(テストパターン3が診断対象とする少なくとも1つの制御バルブに故障あり)と判断する。さらに、該判断結果をモニタ装置43のディスプレイに表示する。
また、第二バイパスバルブ26と第二メインリリーフバルブ22と第一暖機バルブ32と第二暖機バルブ33とを診断対象とするテストパターン4では、合流バルブ29は、第一、第二吐出ライン17、18同士を連通して互いに合流させる第三位置Zに位置するように制御する。走行直進弁27は、第一吐出ライン17の圧油が左走行用メータリングバルブ12および走行直進弁27を経由してバケット用、ブーム用メータリングバルブ10、11に供給されるとともに、第二吐出ライン18の圧油が旋回用、スティック用メータリングバルブ14,15および走行直進弁27を経由して右走行用メータリングバルブ13に供給される第一位置Xに位置するように制御する。第一バイパスバルブ25は、最大の開度量で第一バイパス油路23を開くように制御し、第二バイパスバルブ26は、第二バイパス油路24を閉じるように制御する。第一、第二暖機バルブ32、33は、第一、第二循環油路30、31を閉じる閉位置に位置するように制御する。このようにして各制御バルブをテストパターン4の診断用制御状態にした状態で、第二油圧ポンプ2を最低流量で駆動させる。この状態では、図7に示す如く、第二油圧ポンプ2からの吐出油は、第二吐出ライン18から閉位置の第二暖機バルブ33に至ると共に、第三位置Zの合流バルブ29を経由して閉位置の第一暖機バルブ32に至るように流れるが、この状態で、第二圧力センサ42から入力される第二吐出ライン18の圧力を、予め設定される第二メインリリーフバルブ22の設定圧(本発明の吐出圧標準値に相当する)と比較する。そして、第二吐出ライン18の圧力が第二メインリリーフバルブ22の設定圧以上の場合にはテストパターン4に故障なし(テストパターン4が診断対象とする全ての制御バルブに故障なし)と判断し、第二吐出ライン18の圧力が第二メインリリーフバルブ22の設定圧未満の場合にはテストパターン4に故障あり(テストパターン4が診断対象とする少なくとも1つの制御バルブに故障あり)と判断する。さらに、該判断結果をモニタ装置43のディスプレイに表示する。
而して、故障診断手段44により各テストパターン1〜4の故障診断が実行され、その診断結果がモニタ装置43のディスプレイに表示されるが、この場合、たとえば、図3の表図に示すように、各テストパターン1〜4の診断対象となる制御バルブと診断結果(故障の有無)を合わせて表示することができる。そして、診断実行者は、故障の有無が診断されたテストパターンに含まれる制御バルブ同士の照合をして、故障した制御バルブを特定する。この場合、故障ありと診断されたテストパターンに含まれる制御バルブと故障なしと診断されたテストパターンに含まれる制御バルブのうち、故障ありに含まれて故障なしに含まれない制御バルブがあれば、該制御バルブが故障バルブであると特定される。たとえば、テストパターン1が故障なしでテストパターン3が故障ありの場合、テストパターン3には含まれているがテストパターン1には含まれていない制御バルブは第二暖機バルブ33だけであるため、該第二暖機バルブ33が故障していると特定する。また、テストパターン2が故障なしでテストパターン4が故障ありの場合、テストパターン4には含まれているがテストパターン2には含まれていない制御バルブは第一暖機バルブ32だけであるため、該第一暖機バルブ32が故障していると特定する。
また、故障ありと診断された複数のテストパターンに含まれる制御バルブのうち共通の制御バルブがあれば、該制御バルブが故障している可能性の高い制御バルブとして特定される。たとえば、テストパターン1もテストパターン2も故障ありの場合、これらテストパターン1、2に含まれる制御バルブのうち故障している制御バルブが複数でないとすれば、これらテストパターン1、2に共通する第二暖機バルブ33が故障バルブであると特定できる。しかしながら、この場合には複数の制御バルブが故障していることもあるため、第二暖機バルブ33は故障している可能性の高い制御バルブとして特定される。
さらに、故障バルブの特定は、故障しているバルブのみを特定する場合に限定されず、絞り込まれた複数の制御バルブのうちの少なくとも1つが故障している場合の特定も含まれる。たとえば、テストパターン1とテストパターン3に故障あり、テストパターン2とテストパターン4に故障なしと診断された場合、テストパターン1、3には含まれているがテストパターン2、4には含まれていない制御バルブは第一バイパスバルブ25と第一メインリリーバルブ21であるため、第一バイパスバルブ25と第一メインリリーバルブ21とのうち少なくとも一方が故障していると特定される。
尚、故障の可能性が高いと特定された制御バルブ、或いは少なくとも1つが故障しているとして絞り込まれた制御バルブについては、別途個別に故障診断を行うことになる。
次いで、ポンプテスト1、2の故障診断において、故障診断手段44が行う診断用制御について説明するが、ポンプテスト1、2の故障診断を行う場合には、前述したテストパターン1〜4の場合と同様に、全てのメータリングバルブ10〜15は閉じるように制御され、また、旋回用ブレーキ装置はブレーキ状態となるように制御される。
まず、第一油圧ポンプ1を診断対象とするポンプテスト1について説明すると、該ポンプテスト1では、合流バルブ29は、第一、第二吐出ライン17、18同士を連通して互いに合流させる第三位置Zに位置するように制御する。走行直進弁27は、第一吐出ライン17の圧油が左走行用メータリングバルブ12および走行直進弁27を経由してバケット用、ブーム用メータリングバルブ10、11に供給されるとともに、第二吐出ライン18の圧油が旋回用、スティック用メータリングバルブ14,15および走行直進弁27を経由して右走行用メータリングバルブ13に供給される第一位置Xに位置するように制御する。第一、第二バイパスバルブ25、26は、最大の開度量で第一、第二バイパス油路23、24を開くように制御する。第一、第二暖機バルブ32、33は、第一、第二循環油路30、31を開く開位置に位置するように制御する。このようにして各制御バルブをポンプテストの診断用制御状態にした状態で、第一油圧ポンプ1を最低流量で駆動させる。この状態では、図8に示す如く、第一油圧ポンプ1からの吐出油は、第一バイパス油路23を経由して油タンク3に流れるが、この状態で、第一油圧ポンプ1の流量を最低流量から10%変化させる。そして、このときの第一油圧ポンプ1に対する斜板角度指令値と第一斜板角度センサ40aの検出値とを比較して、第一油圧ポンプ1の斜板角度変位が指令値に対応して正確に行われているか否かを診断し、これにより第一油圧ポンプ1の故障の有無を判断してモニタ装置43のディスプレイに表示する。
また、第二油圧ポンプ2を診断対象とするポンプテスト2では、合流バルブ29、走行直進弁27、第一、第二バイパスバルブ25、26、第一、第二暖機バルブ32、33は、前述したポンプテスト1と同じ診断用制御状態となるように制御し、この状態で、第二油圧ポンプ2を最低流量で駆動させる。この状態では、図9に示す如く、第二油圧ポンプ2からの吐出油は、第二バイパス油路24を経由して油タンク3に流れるが、この状態で、第二油圧ポンプ2の流量を最低流量から10%変化させる。そして、このときの第二油圧ポンプ2に対する斜板角度指令値と第二斜板角度センサ40bの検出値とを比較して、第二油圧ポンプ2の斜板角度変位が指令値に対応して正確に行われているか否かを診断し、これにより第二油圧ポンプ2の故障の有無を判断してモニタ装置43のディスプレイに表示する。
尚、前記第一、第二油圧ポンプ1、2は本発明のテストパターンの診断対象には含まれないが、本実施の形態において、故障診断手段44は、第一、第二油圧ポンプ1、2を診断対象とするポンプテスト1、2も実行する構成となっており、このように、本発明のテストパターンの診断対象には含まれない油圧機器の故障診断を、本発明の診断対象となる制御バルブの故障診断と組み合わせて行なうこともできる。
叙述の如く構成された実施の形態において、油圧ショベルの油圧回路は、油圧ポンプ1、2(本実施の形態では、第一油圧ポンプ1、第二油圧ポンプ2)と、該油圧ポンプ1、2から吐出される作動油により作動する油圧アクチュエータ4〜9(本実施の形態では、バケットシリンダ4、ブームシリンダ5、左走行モータ6、右走行モータ7、旋回モータ8、スティックシリンダ9)と、油圧ポンプ1、2から吐出される作動油の流れの方向、流量あるいは圧力を制御するための複数の制御バルブ(本実施の形態では、第一、第二メインリリーフバルブ21、22、第一、第二バイパスバルブ25、26、走行直進弁27、合流バルブ29、第一、第二暖機バルブ32、33)とを備えているが、これら複数の制御バルブの故障を診断するための故障診断システムを設けるにあたり、複数の制御バルブのうち2つ以上の制御バルブを診断対象として種々組合わせた複数のテストパターン(本実施の形態では、テストパターン1〜4)を設定すると共に、各テストパターンを単位とする故障診断を油圧ポンプ1、2の吐出圧の検出値に基づいて行う故障診断手段44を設け、該故障診断手段44により故障の有無が診断されたテストパターンに含まれる制御バルブ同士の照合をして故障した制御バルブを特定することになる。
而して、制御バルブの故障診断を行う場合には、2つ以上の制御バルブが診断対象として組合わされたテストパターンを単位として故障診断を行うことになるが、該テストパターンを単位とする故障診断は、個別に制御バルブを故障診断する場合と比して、時間および手間を大幅に削減することができる。しかも、故障バルブの特定は、故障の有無が診断されたテストパターンに含まれる制御バルブ同士の照合により行われるため、回路構成に関する高い知識がなくても容易に行うことができて、メンテナンス性の向上に大きく貢献できる。
さらにこのものにおいて、故障診断手段44は、各テストパターンに応じて設定された診断用制御信号を制御バルブに出力して制御バルブを診断用制御状態にする一方、該制御バルブを診断用制御状態にしたときの油圧ポンプ1、2の吐出圧の検出値を予め設定される吐出圧標準値と比較して故障診断を行う構成になっているから、テストパターンの故障診断を行う場合に、制御バルブは自動的に各テストパターンに応じた診断用制御状態になり、而して、故障診断を行う者が自らテストパターンに応じて制御バルブを診断用制御状態にする必要がなく、回路構成の知識がなくても容易且つ短時間でテストパターンの故障診断を行えることになる。
しかも、前記故障診断手段44は油圧ショベルの運転室に配されるモニタ装置43に接続されており、該モニタ装置43の操作に基づいて故障診断を実行することができるから、故障診断用の操作装置を別途必要とせず、モニタ装置43を利用して故障診断を行うことができる。
また、前記油圧アクチュエータ4〜9のうちバケットシリンダ4、ブームシリンダ5、スティックシリンダ9に対する給排流量を制御するためのメータリングバルブ10、11、15は、油圧アクチュエータ4、5、9(バケットシリンダ4、ブームシリンダ5、スティックシリンダ9)の一方のポート4a、5a、9aへの供給流量を制御する電子制御式の第一メータインバルブ10A、11A、15Aと、油圧アクチュエータ4、5、9の一方のポート4a、5a、9aからの排出流量を制御する電子制御式の第一メータアウトバルブ10B、11B、15Bと、油圧アクチュエータ4、5、9の他方のポート4b、5b、9bへの供給流量を制御する電子制御式の第二メータインバルブ10C、11C、15Cと、油圧アクチュエータ4、5、9の他方のポート4b、5b、9bからの排出流量を制御する電子制御式の第二メータアウトバルブ10D、11D、15Dとを用いて構成されているが、このように各ポート4a、4b、5a、5b、9a、9bへの給排流量制御を個別のメータイン、メータアウトバルブで行うように構成された油圧回路は複雑であって、前記メータリングバルブ10、11、15に加えて、作動油の流れの方向、流量、圧力を制御するための制御バルブが多数設けられている。本発明は、このように多数の制御バルブが設けられている油圧回路であっても、故障した制御バルブの特定を短時間で容易に行えることになり、特に有用である。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、テストパターンは、前述したテストパターン1〜4以外にも適宜設定することができ、さらに、各種作業機械の油圧回路や、該油圧回路に配される制御バルブ等に応じて種々に設定することができる。
また、上記実施の形態では、故障診断の手順として、まずテストパターンによる故障診断でメータリングバルブ以外の制御バルブの故障判断を行い、この故障判断で制御バルブに故障がないと診断された場合に、メータリングバルブの故障診断を行うようになっている。
また、上記実施の形態において、診断実行者は、図3に示すような表図を用いて故障した制御バルブを特定するようになっているが、たとえば、各テストパターンの故障の有無の診断結果から故障バルブを特定することができるフローチャート等を予め作成しておき、これに基づいて故障バルブを特定するようにしても良い。さらに、コントローラに、故障診断手段により故障の有無が診断されたテストパターンに含まれる制御バルブ同士の照合をして故障した制御バルブを特定する機能を有した故障バルブ特定手段を設けることもでき、この場合には、コントローラによって特定された故障バルブが、たとえばモニタ装置のディスプレイに表示される構成とすることができる。
本発明は、建設機械等の作業機械の油圧回路において、制御バルブの故障を診断する場合に利用することができる。
1、2 第一、第二油圧ポンプ
4〜9 油圧アクチュエータ
10〜15 メータリングバルブ
10A、11A、15A 第一メータインバルブ
10B、11B、15B 第一メータアウトバルブ
10C、11C、15C 第二メータインバルブ
10D、11D、15D 第二メータアウトバルブ
16 コントローラ
21、22 第一、第二メインリリーフバルブ
25、26 第一、第二バイパスバルブ
27 走行直進弁
29 合流バルブ
32、33 第一、第二暖機バルブ
43 モニタ装置
44 故障診断手段

Claims (3)

  1. 油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される作動油により作動する油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータに対する作動油の給排流量を制御するメータリングバルブと、油圧ポンプの吐出ラインから分岐形成されて油タンクに至るリリーフ油路、バイパス油路、並びに循環油路にそれぞれ配設される複数の制御バルブとを備えた作業機械の油圧回路において、前記複数の制御バルブは、リリーフ油路に配設されて吐出ラインの回路最高圧を設定するメインリリーフバルブを含み、該メインリリーフバルブを含む複数の制御バルブおよび前記メータリングバルブの故障を診断するための故障診断システムを設けるにあたり、前記複数の制御バルブのうち2つ以上の制御バルブを診断対象として種々組合わせた複数のテストパターンを設定すると共に、各テストパターンに応じて設定された診断用制御信号を制御バルブに出力して制御バルブを診断用制御状態にし、この状態での吐出ラインの検出圧力とメインリリーフバルブの設定圧とを比較して各テストパターンの故障の有無の診断を行う故障診断手段を設けて、該故障診断手段により故障の有無が診断されたテストパターンに含まれる制御バルブ同士の照合をすることで故障した制御バルブを特定できるように構成する一方、前記故障診断で制御バルブに故障がないと診断された場合に、前記メータリングバルブの故障診断を行うことを特徴とする油圧回路における制御バルブの故障診断システム。
  2. 請求項1において、故障診断手段は作業機械の運転室に配されるモニタ装置に接続され、該モニタ装置の操作に基づいて故障診断を実行することを特徴とする油圧回路における制御バルブの故障診断システム。
  3. 請求項1または2において、油圧アクチュエータは、該油圧アクチュエータを作動せしめる作動油の出入口として一対のポートを備えるとともに、該油圧アクチュエータに対する給排流量を制御するためのメータリングバルブは、油圧アクチュエータの一方のポートへの供給流量を制御する電子制御式の第一メータインバルブと、油圧アクチュエータの一方のポートからの排出流量を制御する電子制御式の第一メータアウトバルブと、油圧アクチュエータの他方のポートへの供給流量を制御する電子制御式の第二メータインバルブと、油圧アクチュエータの他方のポートからの排出流量を制御する電子制御式の第二メータアウトバルブとを用いて構成されていることを特徴とする油圧回路における制御バルブの故障診断システム。
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