JP6497038B2 - 被加熱材の加熱方法 - Google Patents

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本発明は、被加熱材の加熱方法、特に冷凍食品を誘電加熱により加熱して解凍するのに好適な被加熱材の加熱方法に関する。
従来、冷凍食品を高周波誘電加熱して解凍する方法において、厚さ等の形状及び又は電気物性値性等の性状(以下、これらを総称して「発熱性」と称する。)の異なる2種類又は複数種の冷凍食品を同時に加熱して解凍する場合、或いは一種類の食品であっても部分的に発熱性が異なる食品を誘電加熱して解凍する場合、発熱性の悪い部分の解凍に合わせて誘電加熱すると、発熱性が良い部分は一定の解凍時間(加熱時間)を過ぎると急激に発熱量が上昇して発熱暴走を起こして過加熱状態となり、良好な解凍ができないという問題点がある。
一例として、冷凍メバチマグロを図8(a)に示すように片側の電極がピン電極の集合体である高周波誘電加熱電極を使用して、脂身が多く通電性の良いトロ部分でかつ厚さが薄い(25mm)A食品と赤味部分で厚さが厚い(50mm)B食品と発熱性が異なる2食品を同時に解凍した場合、両者の中心部の温度は図8(b)のグラフに示す通りに変化した。即ち、赤味部分であるB食品は中心部の品温が約80分で−1℃近傍まで安定して上昇して良好に解凍できたが、トロ部分であるA食品は解凍時間が約70分を経過すると発熱暴走を起こして急激に昇温し過加熱状態となり、良好な解凍ができなかった。その原因は、高周波誘電加熱における被解凍物の単位体積当たりに吸収される高周波電力は、周波数、被解凍物中の被誘電率・誘電体損失・電界強度によって決まるので、脂身の多い部位と赤みの部位では誘電体損失が大きく異なる結果、一律の電解強度で加熱した場合部位によって解凍ムラが生じることにある。また、クリーム層とスポンジ層等を有する冷凍ショートケーキの解凍を高周波誘電加熱で行った場合、部分的にクリームが溶融してしまい正常な保形性を維持することが困難であり、従来冷凍ショートケーキを高周波誘電加熱による良好な解凍方法は提供されていない。
従来、冷凍食品の上記のような解凍ムラが生じることを解消する方策として、例えば可動電極板に被解凍物に接触する温度センサーを複数個設け、該温度センサーが検出した一番低い箇所の温度と一番高い箇所の温度の差が一定以上開くと高周波発振器の出力を一定時間停止して、被解凍物自身の熱伝導を利用して解凍ムラを抑え、一定時間過ぎると出力をオンにし、被解凍物の一番高い箇所の温度が設定温度に達するまで、高周波発振器の出力のオン−オフを繰り替えして誘電加熱と熱伝導による自然解凍とを組み合わせで解凍する方法が提案されている(特許文献1)。
特開平9−251889号公報
解凍ムラを解消する方策として特許文献1に提案されている方法は、被解凍物の複数箇所の温度を測定し、その温度差により高周波発振器の出力のオン−オフを繰り返して部位の温度差を小さく維持しながら解凍するものであるため、解凍時間に長時間を要するという問題点がある。一方、該方法に代えて、この問題点を解決する方策として、発熱性の大きい食品の加熱効率を低下させて、発熱性の低い食品にあわせるように調整することが考えられる。その方策として、本発明者は図3(比較例として後述する)に示すように発熱性の高い一方の食品Aの包材を厚くすることによって、インピーダンスを大きくして、発熱性の大きい食品Aの発熱効率を低下させて調整した。しかし、一方の食品Aの包材15を厚くしてインピーダンスを高くし、他方の食品Bをそれよりもインピーダンスが低い厚さの包材を使用した場合、インピーダンスの低い部分に大きい電流が流れ、図3(b)に示すように逆に発熱性の低い食品Bが発熱暴走を起こしてしまい、安定加熱ができなかった。
そこで、本発明は、発熱性の異なる複数個の食品あるいは部位によって発熱性が異なる食品を高周波誘電加熱して解凍する場合、発熱の大きい食品の発熱暴走を抑制し、かつ発熱性の低い他方の食品も安定加熱ができ、形状、種類が異なる食品集合体を短時間に安定加熱できる食品の加熱方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する方法として、本発明者はさらに研究した結果、包材の厚さによらないで加熱効率を調整する方法を着想し、本発明に至ったものである。
すなわち、上記課題を解決する本発明の被加熱材の加熱方法は、発熱性の異なる被加熱材を対向電極間に位置させ、前記被加熱材を同時に高周波誘電加熱する加熱方法であって、前記被加熱材のうち発熱性の高い被加熱材を少なくとも金属層を有するシート間に位置させ、前記金属層を互いに導通させ、加熱効率を調整して誘電加熱することを特徴とするものである。前記発熱性の異なる複数種の被加熱材とは、必ずしも別々の被加熱材に限らず、発熱性の異なる部位を有する一体の被加熱材も含む。
前記被加熱材の加熱方法において、前記金属層を有するシートと電極の間に絶縁層を設けることが望ましい。該絶縁層としては、絶縁シート又はエアギャップであってもよい。また、前記金属層を有するシートとしては、合成樹脂上に金属層を設けたもの、或いは金属箔や金属フィルムシート等が採用できる。
そして、前記絶縁層と前記金属層を有するシートは、それぞれ別体に構成することもできるし、一体の多層構造体としても構成できる。
そして、前記金属層が直接被加熱材表面に接触することが望ましくない被加熱材を加熱する場合は、前記金属層を有するシートと前記加熱材との間にエアギャップが存在するようにするのが望ましい。
また、前記金属層は、被加熱材の形状等に応じて局所的に設けることも可能である。その場合、前記金属層の有無における絶縁層インピーダンスは、略等しくなるように調整してなることが望ましい。
さらに、被加熱材がショートケーキ等変形し易い表面を有する場合その加熱時(解凍時)の保形性を維持するために、前記被加熱材が、少なくとも対向電極側に前記多層構造体を有する多層構造筐体内に収容して加熱することが望ましい。
そして、前記対向電極のうち、少なくとも一方の電極がピン電極の集合体からなる電極を採用することによって、表面形状が平坦面でない被加熱材であってもより良好な加熱ができて望ましい。
本発明の被加熱材の加熱方法によれば、形状や種類により発熱性の異なる複数の被加熱材を同時にあるいは部位によって発熱性の異なる被加熱材を誘電加熱する際に、発熱性の高い被加熱材は少なくとも金属層を有するシートで挟むことによって、電界遮蔽して加熱効率を調整することができ、かつ他方の被加熱材の加熱に影響を及ぼすことなく加熱することができるので、互いの被加熱材に熱暴走を生じさせることなく、良好に安定して加熱できる。したがって、形状や種類が異なる食品集合体の加熱方法として好適であり、発熱性の大きい食品の発熱効率を低下調整することにより発熱暴走を抑制し、かつ発熱性の小さい食品への過電流を防止し、発熱性の異なる多種類の冷凍食品を同時に均一に安定加熱が可能となる。
そして、請求項2〜7の発明によれば、金属層と絶縁層が位置することによって電界遮蔽すると共に等電位層を形成することができ、被加熱材の加熱が調整されて発熱効率の高い被加熱材(又は部位)の過加熱が抑制される。
請求項7の発明によれば、さらに合成樹脂フィルムに金属層を設けたアルミニウム蒸着PETフィルムやアルミシートにPETフィルムをラミネートしたフィルムなどの多層構造体が採用でき、被加熱材の発熱性に応じて加熱効率の調整が容易である。
請求項8の発明によれば、前記金属層と前記被加熱材の間にエアギャップが存在し、前記金属層が直接被加熱材に接触することがなく、被加熱材が柔らかい表面等の場合その加熱時(解凍時)の保形性を良好に維持することができる。
請求項9の発明によれば、電界遮蔽をすると共に等電位層を形成することができ、被加熱材の加熱を調整して発熱効率の高い被加熱材の過加熱を抑制することができるので、発熱性の異なる多種類の冷凍食品をより均一に安定加熱することができる。
請求項10の発明によれば、前記被加熱材を少なくとも対向電極側に前記多層構造体を有する多層構造筐体内に収容して加熱するので、被加熱材に電極が接触することなく、被加熱材がショートケーキ等柔らかい表面を有する場合その加熱時(解凍時)の保形性を維持することができる。
請求項11の発明によれば、被加熱部の形状に応じてピン電極が軸方向に摺動して被加熱材表面に接触することができ、確実に加熱することができる。
(a)は本発明の実施例に係る食品の加熱方法を示す模式図、(b)は実施例における被加熱食品の解凍時間と品温との関係を示すグラフである。 本発明の実施例における包材の種類ごとの解凍時間と品温との関係を示す線図である。 (a)は比較例の食品の加熱方法を示す模式図、(b)は比較例における被加熱食品の解凍時間と品温との関係を示すグラフである。 (a)はショートケーキを誘電加熱する本発明の実施例2の概略模式図であり、(b)は比較例2の模式図であり、さらに(c)は比較例3の模式図である。 図4(a)に示す実施例においてショートケーキを収容した多層構造筐体の平面図である。 図5におけるA−A断面のおける多層構造筐体の片側要部拡大断面図である。 図4に示す方法で解凍したショートケーキであり、(a)は本発明の実施例2、(b)は比較例2、(c)は比較例3をそれぞれ示し、I欄は解凍後のショートケーキをサーモグラフィーで計測した温度分布図であり、II欄は解凍後のショートケーキの写真である。 (a)は従来の加熱方法における2種類の冷凍食品の加熱状態を示す模式図、(b)は該方法における2種類の被加熱材の解凍時間と品温の変化を示す線図である。
以下、本発明に係る食品加熱方法の実施形態を図面を基に詳細に説明する。
図1は、片側がピン電極で他方が平板電極である高周波誘電加熱装置によって、発熱性の相違する2個の被加熱材(冷凍食品)を同時に加熱する場合の模式図である。図中、1は高周波誘電加熱装置であり、平板電極2と該平板電極に対して可動のピン電極集合体3からなる可動電極5との組合せからなる。ピン電極集合体3は導電性のピン保持板6に形成されたガイド穴に複数本のピン電極7が独立して軸方向に摺動可能かつピン保持板6から通電可能に保持されており、食品の形状に応じて軸方向に摺動して食品表面に接触するようになっている。なお、8は高周波発信器である。
上記装置により発熱効率(発熱性)の異なる2種類の被加熱材(被解凍物)A、Bを同時に加熱する場合、本実施形態では発熱効率の高い冷凍食品である被加熱材Aを金属層を有するシート12でサンドイッチして電界遮蔽することによって被加熱材Aの発熱効率を、発熱効率の低い被加熱材Bと同じ発熱効率となるように調整して被加熱材Aの過加熱を防止するようにした。
即ち、発熱効率の高い被加熱材Aを、図示のように金属層を有するシート12でサンドイッチし、かつ絶縁層を有する絶縁シート13、13を介して平板電極2とピン電極集合体3で保持する。金属層は互いに導通するように図示のように一枚のシートで包み込でもよく、別々のシートを導通するように導電材で連結しても良い。一方、発熱効率の低い被加熱材は、単に絶縁層13,13を介してピン電極集合体と平板電極とで保持する。なお、絶縁シートと金属層でパウチ等の包装袋等の包材を構成してもよい。
以上のように構成することにより、被加熱材Aは金属層を有するシート12で包み込んで食品側に金属層が接し、電極側に絶縁層が接するようにすることによって等電位層を形成し、被加熱材Aの加熱が電界遮蔽により調整されて発熱効率の高い被加熱材Aの過加熱が抑制される。一方、上記構成により被加熱材Aと被加熱材Bは、金属層の有無に関わらず絶縁層インピーダンスは略等しいので、被加熱材Bに高い電流が流れることなく、被加熱材Bも安定加熱ができる。
以上は発熱性の異なる二種類の被加熱材を同時に加熱する場合であるが、本発明は二種類に限らず発熱性の異なる3以上の被加熱材を同時に解凍する場合にも適用可能である。その場合、それぞれの被加熱材の発熱効率に応じて金属層を有するシートを選択して使用することも可能である。また、発熱効率が異なる部位を有する一体の物品の場合、発熱効率が良い部位のみを金属層で包むことによって、発熱効率の高い部位を電界遮蔽して加熱効率を調整することによって、部分的に発熱効率の異なる冷凍食品であっても全体をほぼ均一に解凍することができる。
実施例1
被加熱材A:メバチマグロの冷凍トロ(厚さ25mm)
被加熱材B:メバチマグロの冷凍赤身(厚さ25mm)
電極:
可動電極:ピン電極
固定電極:平板電極
高周波誘電加熱条件
周波数:10MHz
出力:150W
被加熱材Aは、図1(a)に示すように、アルミニウム層7μm/PET層75μmの積層フィルム(金属層を有するフイルム)を折り曲げて片側側面が開放状態で包み込んだ状態で、厚さ1mmの発泡ポリスチレンフィルムの絶縁層13を介して両電極間で保持した。一方、被加熱材Bは、単に厚さ1mmの発泡ポリスチレンフィルムの絶縁層13を介して両電極間で保持した。その状態で、両被加熱材を上記誘電加熱条件で同時に誘電加熱を行って、解凍を行った。
そのときの被加熱材A及び被加熱材Bの内部温度を加熱時間に応じて測定し、解凍時間と品温との関係をそれぞれ調べた。その結果を図1(b)に示す。
図1(b)に示すように、金属層を介して加熱した被加熱材Aの内部温度は線図イの通り変化して解凍時間約45分で約−5℃に達した。一方、被加熱材Bは線図ロの通り変化して加熱時間45分で約−1℃に達し、いずれも発熱暴走を起こすことなく、良好な解凍ができた。また、被加熱材Bの表面温度も、線図ハで示すように解凍が終了する45分に至って約4℃に上昇しているが熱暴走を起こすことなく、良好に加熱でき、被加熱材A、Bとも同時に安定して解凍することができた。したがって、本実施例によれば、絶縁層と金属層を介して発熱性の高い被加熱材を保持することによって電界を遮蔽し被解凍物A、及び相手側の被加熱材Bでの熱暴走を共に防ぐことができた。それにより、発熱性の異なる複数の被加熱材を同時に安定解凍ができることが確認できた。
また、包材の影響を調べるために、被加熱材Aの包材を表1に示すように変えた場合の解凍時間と表面温度の変化を調べた。その結果を表1に示す。また、包材を図2に示すように変えた場合の解凍時間に対する品温(中心温度)の変化を図2に示す。
表1から被加熱材Aの表面温度は包材が金属層を有するものが有しないものと比べて低く、かつ金属層は薄いもの程表面温度が低い。それにより、加熱効率の相違する冷凍被加熱材を同時に加熱する場合、加熱効率が高い被加熱材程金属層の薄い包材を使用することによって、それぞれの加熱効率を略均等に制御することが可能となり、熱暴走を防いで良好に解凍することが可能となる。また、図2に示すように、被加熱材の発熱性に応じて多層構造体(包材)の材質を選択することによって、加熱効率の調整が容易となる。
比較例1:
図3は、比較例1であり、前記冷凍食品A(メバチマグロの冷凍トロ(厚さ25mm))、B(メバチマグロの冷凍赤身(厚さ50mm))を同時に解凍する場合、発熱性の高い冷凍食品Aを厚肉包材15及び絶縁層13を介して、高周波誘電加熱した場合を示す。この場合、冷凍食品Aは図3(a)に示すように発泡ポリエチレン製の厚さ10mmの包材15を採用することによって、インピーダンスを大きくして、発熱性の大きい食品Aの発熱効率を低下させて調整した。しかし、その場合、食品Aのインピーダンスが冷凍食品Bのインピーダンスより大きいので、インピーダンスの低い部分に大きい電流が流れ、図3(b)に示すように逆に発熱性の低い食品Bが発熱暴走を起こしてしまい、安定加熱ができなかった。
実施例2
図7に示した長さ105mm、幅65mm、高さ65mmの扇形柱状の冷凍ショートケーキを図4に示すように高周波誘電加熱して解凍した。該ショートケーキは、弧状面及び上面がクリームで覆われ、スポンジ層との間に一層のクリーム層を有している。
実施例2では、図4(a)、図5及び図6に示すように、ショートケーキ30の三角状先端部、弧状後端部への電界集中を抑えるために、これらの端部に相当する箇所に、厚さ0.5mmのポリエチレンラミネート紙20の表面に厚さ0.1mmの銅箔からなる金属層21−1、21−2を上下面に積層して、両金属層21−1,21−2間を連結した同じく銅箔からなる金属層導通部22を有する筐体23内に収納し、該紙筐体23を厚み0.5mmの台紙24に載せ、エアギャップを介した状態で平板電極間に配置し、雰囲気温度25℃、周波数10MHz、出力100VAで15分間高周波誘電解凍した。
このとき、解凍後のショートケーキをサーモグラフィーで温度計測した断面温度を図7のI欄(a)に示す。その時の先端角部の温度が20℃であり、後端角部の温度が15℃であった。そして、解凍後のショートケーキの形状は、同図II欄(a)に示すようにもっとも溶融しやすい後端部のクリーム溶融がなく、保形性がよく良好に解凍ができた。
比較例2
実施例2と同様な冷凍ショートケーキを厚み0.5mmの台紙24に載せ、エアギャップを介した状態で平板電極25,25間に配置し、実施例2と同様に雰囲気温度25℃、周波数10MHz、出力100VAで15分間高周波解凍した(図4(b)参照)。
解凍後のショートケーキをサーモグラフィーで温度計測し、その時のショートケーキ断面は図7の比較例2に示すような温度分布であり、先端角部の温度が23℃で、後端角部の温度が22℃であった。そして、表面形状は、同図II欄(b)に示すように後端部及び先端部のクリームの溶融が観測されて保形性が悪く、良好な解凍が得られなかった。これは、ケーキー端部への電界集中により先端部、後端部が過度に温度上昇したためである。
比較例3
実施例2及び比較例2におけるものと同様な冷凍ショートケーキを、実施例2における紙容器において金属層導通部を廃した状態(図4(c)比較例3参照)で、実施例2及び比較例2と同様な条件で高周波解凍を行なった。
解凍後のショートケーキをサーモグラフィーで温度計測し、その時のショートケーキ断面は図7(c)I欄で示すような温度分布であり、先端角部の温度が22℃で、後端角部の温度が22℃であった。そして、表面形状は、図6(c)II欄の写真に示すように、後端部角部のクリームの溶融が観測されて保形性に劣り、良好な解凍が得られなかった。この場合もケーキー端部への電界集中により先端部、後端部が過度に温度上昇したためである。
以上の実施例2、比較例2、3から明らかなように、本発明の方法によれば、従来良好な解凍が困難であったショートケーキのような油脂分を多く含み、且つ表面が柔らかい冷凍食品でも保形性を維持して良好に解凍することができた。また、比較例3に示すように電極側に金属層を有するシートを配置しても、対向電極側の金属層シートを互いに導通状態にしてなければ良好な解凍が得られず、本発明による被加熱材の加熱方法の効果が確認できた。
本発明の加熱方法は、種々の物品の高周波誘電加熱に適用でき、特に冷凍食品の解凍に好適であり、発熱性の異なる複数の冷凍食品または部位的に発熱性が異なる冷凍食品を同時に良好に解凍できるので、産業上の利用可能性が高い。
1 高周波誘電加熱装置
2,25 平板電極
3 ピン電極集合体
5 可動電極
6 ピン保持板
7 ピン電極
8 高周波発信器
12 金属層を有するシート
13 絶縁シート
15 包材
20 ポリエチレンラミネート紙
21−1,21−2 金属層
22 金属層導通部
23 筐体
24 台紙

Claims (11)

  1. 発熱性の異なる被加熱材を対向電極間に位置させ、前記被加熱材を同時に高周波誘電加熱する加熱方法であって、前記被加熱材のうち発熱性の高い被加熱材を少なくとも金属層を有するシート間に位置させ、前記金属層を互いに導通させ、加熱効率を調整して誘電加熱することを特徴とする被加熱材の加熱方法。
  2. 前記金属層を有するシートと電極の間に絶縁層を設けてなる請求項1に記載の被加熱材
    の加熱方法。
  3. 前記絶縁層が絶縁シートである請求項2に記載の被加熱材の加熱方法。
  4. 前記絶縁層がエアギャップである請求項2に記載の被加熱材の加熱方法。
  5. 前記金属層を有するシートが、合成樹脂層上に金属層を設けたものである請求項〜4
    の何れか1項に記載の被加熱材の加熱方法。
  6. 前記金属層を有するシートが、金属フィルムシートからなる請求項〜4の何れか1項
    に記載の被加熱材の加熱方法。
  7. 前記絶縁層と前記金属層を有するシートが一体の多層構造体である請求項2〜6の何れかに記載の被加熱材の加熱方法。
  8. 前記金属層を有するシートと前記被加熱材との間にエアギャップが存在する請求項
    7の何れかに記載の被加熱材の加熱方法。
  9. 前記金属層が局所的に設けられ、該金属層有無における絶縁層インピーダンスはほぼ等
    しいことを特徴とする請求項〜8の何れかに記載の被加熱材の加熱方法。
  10. 前記被加熱材が、少なくとも対向電極側に前記金属層と前記絶縁層を有する多層構造筐
    体内に収容されている請求項2〜9の何れかに記載の被加熱材の加熱方法。
  11. 前記対向電極のうち、少なくとも一方の電極がピン電極の集合体からなることを特徴と
    する請求項1〜10の何れか1項に記載の加熱方法。
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