JP6496877B2 - けん玉 - Google Patents

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与三郎 鈴木
与三郎 鈴木
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良一 鈴木
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Description

本出願において開示された技術はけん玉に関する。
一般的なけん玉として、例えば、「競技用けん玉」(有限会社山形工房)が知られてい
る(非特許文献1)。
有限会社山形工房、"競技用けん玉"、[online]、[平成28年6月22日検索]、インターネット<URL: http://www.kendama.co.jp/kyougi.html>
初心者がけん玉を用いて各種の技を決めることができるようになるためには、通常、あ
る一定の期間、練習を行うことが必要である。また、例えば幼児やお年寄り等、一般的に
身体能力が劣るとされるユーザがけん玉を操作して様々な技を決めることは、容易ではな
い。
そこで、様々な実施形態により、初心者や身体能力が劣るとされるユーザ(以下「初心
者等」という。)でも簡単に楽しむことが可能なけん玉を提供する。
本発明の一態様に係るけん玉は、上端(12)から下端(14)まで延びる棒状のけん
軸部(10)と、該けん軸部の中心軸に対して直交する直交方向に延びる皿胴部(20)
であって、該皿胴部の一端(22)と他端(24)との間に該皿胴部の中心部(26)に
向かって減少する外径を有する皿胴部(20)と、該皿胴部の前記一端(22)に着脱不
能に形成された大皿部(30)であって、該大皿部の内面に前記皿胴部の前記中心部(2
6)に向かって減少する内径を有する凹部(32)が形成され、該大皿部の外面に円環状
に延び前記皿胴部の前記中心部(26)に向かって増加する外径を有する縁部(34)が
形成され、前記凹部(32)と前記縁部(34)とを接続し円環状に延びる外縁部(36
)が形成された、大皿部(30)と、該皿胴部の前記他端(24)に着脱不能に形成され
た小皿部(40)であって、該小皿部の内面に前記皿胴部の前記中心部(26)に向かっ
て減少する内径を有する凹部(42)が形成され、該小皿部の外面に円環状に延び前記皿
胴部の前記中心部(26)に向かって増加する外径を有する縁部(44)が形成され、前
記凹部(42)と前記縁部(44)とを接続し円環状に延びる外縁部(46)が形成され
た、小皿部(40)と、前記けん軸部(10)の前記上端(12)に係合する穴部(2A
)が形成された球状の玉部(2)と、を具備し、前記大皿部(30)の前記外縁部(36
)の外径及び前記小皿部(40)の前記外縁部(46)の外径が、それぞれ、前記玉部(
2)の直径に対して83%〜100%の範囲にあるものである。
様々な実施形態によれば、初心者等でも簡単に楽しむことが可能なけん玉を提供するこ
とができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るけん玉のけん部の構成を示す斜視図である。 図2は、図1に示したけん部の構成を示す正面図である。 図3は、図1に示したけん部の構成を示す右側面図である。 図4は、図1に示したけん部の構成を示す左側面図である。 図5は、図1に示したけん部の構成を示す上面図である。 図6は、図1に示したけん部の構成を示す底面図である。 図7は、図1に示したけん部を別の角度からみて示す斜視図である。 図8は、本発明の一実施形態に係るけん玉の玉部の構成を示す底面図である。 図9は、図8に示した玉部の構成を示す上面図である。 図10は、本発明の様々な実施形態に係るけん玉のサイズの具体例を従来のけん玉のサイズと比較して示す表である。 図11は、本発明の一実施形態に係るけん玉に関する実験結果を示す表である。
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。なお、添付図
面において共通する構成要件には、同一の参照符号が付されている。
1.一実施形態に係るけん玉の概要
図1は、本発明の一実施形態に係るけん玉のけん部の構成を示す斜視図である。図2は
、図1に示したけん部の構成を示す正面図である。図3は、図1に示したけん部の構成を
示す右側面図である。図4は、図1に示したけん部の構成を示す左側面図である。図5は
、図1に示したけん部の構成を示す上面図である。図6は、図1に示したけん部の構成を
示す底面図である。図7は、図1に示したけん部の構成を別の角度からみて示す斜視図で
ある。
本実施形態に係るけん玉は、主に、図1〜図6に例示したけん部1と、図7に例示した
玉部2と、けん部1と玉部3とを接続する接続部材(糸や紐等)3と、を含む。けん部1
及び玉部2は、ともに木製の材料により形成され得るものである。木製の材料は、例えば
、ブナ、ケヤキ、桜、楓や槐等の材料をこれらに限定することなく含む。
1−1.けん部10の構成
けん部1は、大まかに説明すると、けん軸部10と、皿胴部20と、大皿部30と、小
皿部40と、中皿部50と、すべり止め部60と、を含む。
けん軸部10は、全体として上端12から下端14まで延びる棒状となるように形成さ
れている。このけん軸部10は、(中皿部50及びすべり止め部60を除き)全体として
下端14から上端12に向かって減少する外径を有するように形成されている。また、け
ん軸部10は、例えば、その中心軸に直交する各断面が円形状となるように形成されてい
る。さらに、けん軸部10は、上端12において、略円錐状に形成されたけん先部16を
有する。
なお、けん軸部10は、十分な強度を確保するという目的、及び/又は、ユーザに適度
な重量感を感じさせるという目的を達成すべく、中実となるように形成されるものである
が、別の実施形態では、軽量化を図るべく、少なくとも一部において中空となるように形
成されていてもよい。
皿胴部20は、けん軸部10の中心軸に対して直交する方向に、一端22から他端24
まで延びるように形成されている。この皿胴部20は、一端22から中心部26に向かっ
て減少する外径、及び、他端24から中心部26に向かって減少する外径を有するように
形成されている。
また、皿胴部20の中心部26には、鉛直方向に延び、この皿胴部20を貫通する貫通
孔28が形成されている。この貫通孔28は、けん軸部10の外面に係合するように、け
ん軸部10の形状に合わせて、下端から上端に向かって減少する内径を有するように形成
されている。図1及び図2等には、けん軸部10が、貫通孔28の下端から上端に向かっ
て貫通孔28に挿通され、皿胴部20に固定された様子が示されている。
さらに、皿胴部20の中心部26には、貫通孔28に連通する取付孔29が形成されて
いる。取付孔29は、けん軸部10の中心軸に沿った位置に形成されるものであってもよ
いし、けん軸部10の中心軸から小皿部40(又は大皿部30)に向かって所定の距離(
例えば0.5mm〜数mm)だけ離れた位置に形成されるものであってもよい。
取付孔29がけん軸部10の中心軸から小皿部40に向かって所定の距離だけ離れた位
置に形成される場合には、飛行機等の技を行う際に、大皿部30が小皿部40側に必要以
上に回転することを抑えることができるため、ユーザは飛行機等の技を成功させ易くなる
このような取付孔29は、接続部材3(糸や紐等)をけん部1に固定するために用いら
れる。具体的には、接続部材3の一端3Aを取付孔29に挿入して貫通孔28の下端から
貫通孔28の外部に配置させた状態で、接続部材3の一端3Aに結び目を形成した後、上
述したように、けん軸部10を貫通孔28に挿通することによって、接続部材3をけん部
1に固定することができる。これにより、接続部材3の一端3Aに形成された結び目は、
取付孔29に向かって引っ張られても、貫通孔28の中に侵入することができないため、
接続部材3は確実にけん部1に固定される。
なお、皿胴部20は、十分な強度を確保するという目的、及び/又は、ユーザに適度な
重量感を感じさせるという目的を達成すべく、中実となるように形成されるものであるが
、別の実施形態では、軽量化を図るべく、少なくとも一部において中空となるように形成
されていてもよい。
大皿部30は、皿胴部20の一端22に対して一体的に、すなわち、着脱不能に形成さ
れている。この大皿部30の内面には、皿胴部20の中心部26に向かって減少する内径
を有する凹部32が形成されている。この凹部32は、球状に形成された玉部2(の少な
くとも一部)を収容することができるように、玉部2の形状に合わせて形成されるもので
あってよい。この大皿部30の外面には、円環状に延び、皿胴部20の中心部26に向か
って増加する外径を有する縁部34が形成されている。凹部32と縁部34との間には、
凹部32と縁部34とを接続するように、円環状に延びる外縁部36が形成されている。
この外縁部36の外面は、けん軸部10の中心軸に平行に延びる平らな平面として形成さ
れるものであってもよい。外縁部36は、例えば、0.5mm〜3mmの範囲にある幅(
外径と内径との差)を有するものとすることができる。
小皿部40は、皿胴部20の他端24に対して一体的に、すなわち、着脱不能に形成さ
れている。この小皿部40の内面には、図4に最もよく示されるように、皿胴部20の中
心部26に向かって減少する内径を有する凹部42が形成されている。この凹部42は、
球状に形成された玉部2(の少なくとも一部)を収容することができるように、玉部2の
形状に合わせて形成されるものであってよい。この小皿部40の外面には、図1及び図2
等に示すように、円環状に延び、皿胴部20の中心部26に向かって増加する外径を有す
る縁部44が形成されている。凹部42と縁部44との間には、図4に最もよく示される
ように、凹部42と縁部44とを接続するように、円環状に延びる外縁部46が形成され
ている。この外縁部46の外面は、けん軸部10の中心軸に平行に延びる平らな平面とし
て形成されるものであってもよい。外縁部46は、例えば、0.5mm〜3mmの範囲に
ある幅(外径と内径との差)を有するものとすることができる。
中皿部50は、けん軸部10の下端14に一体的に、すなわち、着脱不能に形成されて
いる。この中皿部50の内面には、図6に最もよく示されるように、けん軸部10の上端
12に向かって減少する内径を有する凹部52が形成されている。この凹部52は、球状
に形成された玉部2(の少なくとも一部)を収容することができるように、玉部2の形状
に合わせて形成されるものであってよい。この中皿部50の外面には、図1及び図2等に
示すように、円環状に延び、けん軸部10の上端12に向かって増加する外径を有する縁
部54が形成されている。凹部52と縁部54との間には、図6に最もよく示されるよう
に、凹部52と縁部54とを接続するように、円環状に延びる外縁部56が形成されてい
る。この外縁部56の外面は、けん軸部10の中心軸に直交して延びる平らな平面として
形成されるものであってもよい。外縁部56は、例えば、0.5mm〜3mmの範囲にあ
る幅(外径と内径との差)を有するものとすることができる。
すべり止め部60は、図1及び図2等に示すように、けん軸部10の上端12と下端1
4との間に形成され、好ましくは、けん軸部10の下部に形成されている。このすべり止
め部60は、主に、隆起部62と、上部湾曲部64と、下部湾曲部66と、を含む。
隆起部62は、すべり止め部60の上方向に隣接する上部外面18A、及び、すべり止
め部60の下方向に隣接する下部外面18Bより大きい外径を有し、円環状に延びるよう
に形成されている。
上部湾曲部64は、隆起部62と上部外面18Aとを接続し、上部外面18Aに向かっ
て減少する外面を有するように形成されている。下部湾曲部66は、隆起部62と下部外
面18Bとを接続し、下部外面18Bに向かって減少する外面を有するように形成されて
いる。
図2〜図4に最も示されているように、すべり止め部60の下部湾曲部66の下縁とけ
ん軸部10の中皿部50の縁部54の上縁との間に延びる下部外面18Bは、一実施形態
では、平面状の外面ではなく、けん軸部10の中心軸に向かう方向に湾曲した曲面状の外
面となるように設けられている。このように曲面状の外面となるように形成された下部外
面18Bは、平面状(平らな面)となるように形成された場合に比べて、けん軸部10の
軽量化、ひいては、けん玉全体の軽量化を図ることができる。
さらには、下部外面18Bがこのように形成されていることによって、けん部1が持ち
易いものとなり、したがって、様々な技が決まり易くなる。具体的には、図7には、ユー
ザが大皿という技(玉部2を大皿部30の凹部32に載せる技)を実行すべくけん部1を
握る様子が示されている(なお、一例として、図7に示されているのは大人の右手である
)。図7に示すように、大皿部30の凹部32を上方に向けて、ユーザが、人差し指及び
親指でけん軸部10を握り、かつ、中指、薬指及び小指を小皿部40の外縁部46にその
下方から添えると、人差し指の付け根付近がけん軸部10の下部外面18Bに当接するこ
とになる。ここで、下部外面18Bは、平面状(平らな面)ではなく、けん軸部10の中
心軸に向かう方向に(凸に)湾曲した曲面状とされている。これに対して、人差し指の付
け根付近は、その外面が凸状となっている。これにより、下部外面18Bは、平面状に形
成された場合に比べて、ユーザの人差し指の付け根付近をより深く(けん軸部10の中心
軸に向かう方向に)受け入れることができる。すなわち、下部外面18Bは、平面状に形
成された場合に比べて、ユーザの人差し指の付け根付近に対して接する面積をより大きく
することができる。これにより、けん部1が持ち易いものとなり、したがって、様々な技
が決まり易くなる。
1−2.玉部2の構成
図8は、本発明の一実施形態に係るけん玉の玉部の構成を示す底面図である。図9は、
図8に示した玉部の構成を示す上面図である。
図8及び図9に示すように、玉部2は、全体として略球状に形成されている。図8に示
すように、玉部2の底面には、穴部2Aが形成されている。穴部2Aは、一実施形態では
、けん軸部10の上端12(けん先部16を含む)より大きな内径を有し、上端12を受
け入れる第1穴部2Aaと、第1穴部2Aaに連通し、玉部2の外面に向かって増加する
内径を有し、上端12を受け入れる第2穴部2Abと、を含む。
玉部2は、その穴部2A(第1穴部2Aa及び第2穴部2Abを含む)がけん軸部10
の上端12に係合することによって、皿胴部20の上において大皿部30と小皿部40と
の間に載置される。
他方、玉部2の上面には、図9に示すように、接続部材3(糸や紐等)を挿通させるた
めの貫通孔2Bが形成されている。この貫通孔2Bは、上述した穴部2A(第1穴部2A
a及び第2穴部2Abを含む)に連通している。接続部材3の他端3B(図示せず)(一
端3Aは上述したとおりけん部1に固定される)が、玉部2の貫通孔2Bに挿通され、第
1穴部2Aa及び第2穴部2Abを通って玉部2の外部に取り出された後、その他端3B
に結び目(図示せず)が形成される。この状態で、図9に示すように、接続部材3Bが引
っ張られたとしても、接続部材3Bの他端3Bに形成された結び目が第1穴部2Aaの内
壁に当接する(結び目の貫通孔2Bへの移動を内壁が阻害する)ことによって、貫通孔2
Bを通り抜けることができない。これにより、接続部材3Bは確実に玉部2に固定される
1−3.けん部1及び玉部2のサイズ
次に、上記構成を有するけん部1及び玉部2のサイズについて、図1〜図9に加えてさ
らに図10を参照して説明する。図10は、本発明の様々な実施形態に係るけん玉のサイ
ズの具体例を従来のけん玉のサイズと比較して示す表である。
図10において、第1行(番号1が付された行)に、一実施形態に係るけん玉のサイズ
の具体例が示されている。第2行(番号2が付された行)及び第3行(番号3が付された
行)には、別の実施形態に係るけん玉のサイズの具体例が示されている。第4行(番号4
が付された行)には、上述した非特許文献1に開示されたけん玉のサイズが示されている
。また、第5行(番号5が付された行)〜第10行(番号10が付された行)には、それ
ぞれ、けん玉X1(Y1社製)、けん玉X2(Y2社製)、けん玉X3(Y3社製)、け
ん玉X4(Y4社製)、けん玉X5(Y5社製)及びけん玉X6(Y6社製)のサイズが
示されている。
「材料」という列には、対応するけん玉を形成するために用いられた材料が示されてい
る。「A 玉部の直径」という列には、対応するけん玉の玉部の直径(mm)が示されて
いる。なお、様々な実施形態に係るけん玉に関しては、「A」という参照符号は、図8に
示した参照符号「A」(すなわち、玉部2の直径)に対応している。
「B けん軸部の長さ」という列には、対応するけん玉のけん軸部の長さ(mm)が、
玉部の直径に対する割合(%)とともに示されている。なお、様々な実施形態に係るけん
玉に関しては、「B」という参照符号は、図2に示した参照符号「B」(すなわち、けん
軸部10の長さ)に対応している。
「C 大皿部の直径」という列には、対応するけん玉の大皿部の直径(mm)が玉部の
直径に対する割合(%)とともに示されている。なお、様々な実施形態に係るけん玉に関
しては、「C」という参照符号は、図2及び図3に示した参照符号「C」(すなわち、大
皿部30の外縁部36の外径)に対応している。なお、本実施形態に係るけん玉(図10
の第1行〜第3行に示されたけん玉)の外縁部36は、例えば1.0mmの幅(外径と内
径との差)を有する。
「D 小皿部の直径」という列には、対応するけん玉の小皿部の直径(mm)が玉部の
直径に対する割合(%)とともに示されている。なお、様々な実施形態に係るけん玉に関
しては、「D」という参照符号は、図2及び図4に示した参照符号「D」(すなわち、小
皿部40の外縁部46の外径)に対応している。なお、本実施形態に係るけん玉(図10
の第1行〜第3行に示されたけん玉)の外縁部46は、例えば1.0mmの幅(外径と内
径との差)を有する。
「E 中皿部の直径」という列には、対応するけん玉の中皿部の直径(mm)が玉部の
直径に対する割合(%)とともに示されている。なお、様々な実施形態に係るけん玉に関
しては、「E」という参照符号は、図2及び図6に示した参照符号「E」(すなわち、中
皿部50の外縁部56の外径)に対応している。なお、本実施形態に係るけん玉(図10
の第1行〜第3行に示されたけん玉)の外縁部56は、例えば1.0mmの幅(外径と内
径との差)を有する。
「F 縁部の長さ」という列には、対応するけん玉(の大皿部、小皿部、中皿部)の縁
部の横幅(mm)が玉部の直径に対する割合(%)とともに示されている。なお、様々な
実施形態に係るけん玉に関しては、「F」という参照符号は、図2及び図5に示した参照
符号「F」(すなわち、大皿部30の縁部34が水平方向に沿って延びる距離、小皿部4
0の縁部44が水平方向に沿って延びる距離、又は、中皿部50の縁部54が鉛直方向に
沿って延びる距離)に対応している。
「G 皿胴部の横幅」という列には、対応するけん玉の皿胴部の横幅(mm)が玉部の
直径に対する割合(%)とともに示されている。なお、様々な実施形態にかかるけん玉に
関しては、「G」という参照符号は、図2及び図5に示した参照符号「G」(すなわち、
大皿部30の外縁部36と小皿部40の外縁部46との間の距離)に対応している。
「H 質量」という列には、対応するけん玉全体(けん部及び玉部)の質量が示されて
いる。
まず、第1行に例示された一実施形態に係るけん玉に着目する。大皿部30の直径、す
なわち、外縁部36の外径は、53mmであり、玉部2の直径の88%に相当する。この
ような大皿部30の直径は、一般的なけん玉、例えば第4行に示された「競技用けん玉」
の大皿部の直径(42mm、70%)よりも大きく設定されている。これにより、このけ
ん玉は、初心者等を含むユーザにとって、例えば「大皿」(玉部2を大皿部30の凹部3
2に載せる技)等の技が決まり易いものとなっている。
なお、ユーザがけん玉を操作して玉部2を大皿部30に載せようと試みる際、(大皿部
30の凹部32の直径が玉部2の直径よりも小さいことに起因して)玉部2が大皿部30
の外縁部36に接触することなく直接凹部32に収容されることは稀であり、実際には、
玉部2は、外縁部36に接触した後に凹部32に収容されることが殆どである。このよう
に外縁部36に接触した場合、玉部2は、(その重心が凹部32の上方に位置しているた
め)外縁部36により凹部32に向かう方向に案内ないし付勢されることによって、凹部
32に収容されることも多い。このような理由から、本明細書では、技の決まり易さに関
連した要素として、玉部2の直径に対する「外縁部36の外径」の比率を用いるが、これ
に代えて、玉部2の直径に対する「外縁部36の内径」すなわち「凹部32の直径」を用
いてもよい。
小皿部40の直径、すなわち、外縁部46の外径は、51mmであり、玉部2の直径の
85%に相当する。このような小皿部40の直径は、一般的なけん玉、例えば第4行に示
された「競技用けん玉」の小皿部の直径(38mm、63%)よりも大幅に大きく設定さ
れている。これにより、このけん玉は、初心者等を含むユーザにとって、例えば「小皿」
(玉部2を小皿部40の凹部42に載せる技)等の技が決まり易いものとなっている。
なお、ユーザがけん玉を操作して玉部2を小皿部40に載せようと試みる際、(小皿部
40の凹部42の直径が玉部2の直径よりも小さいことに起因して)玉部2が小皿部40
の外縁部46に接触することなく直接凹部42に収容されることは稀であり、実際には、
玉部2は、外縁部46に接触した後に凹部42に収容されることが殆どである。このよう
に外縁部46に接触した場合、玉部2は、(その重心が凹部42の上方に位置しているた
め)外縁部46により凹部42に向かう方向に案内ないし付勢されることによって、凹部
42に収容されることも多い。このような理由から、本明細書では、技の決まり易さに関
連した要素として、玉部2の直径に対する「外縁部46の外径」の比率を用いるが、これ
に代えて、玉部2の直径に対する「外縁部46の内径」すなわち「凹部42の直径」を用
いてもよい。
大皿部30の直径及び/又は小皿部40の直径を単純に何らの工夫もなく大きくする(
ことも様々な実施形態に含まれるものであるが)と、皿胴部20の横幅、すなわち、大皿
部30の外縁部36と小皿部40の外縁部46との間の距離も大きくなってしまう。この
場合、特に手の小さい幼児や女性が、例えば「大皿」という技等を実行すべく図7に示す
ようにけん部1を持とうとするとき、皿胴部20の横幅が大きくなっていることに起因し
て、けん部1が持ち辛いものとなり、ひいては、技の成功率が低下してしまう。また、手
の小さい幼児や女性だけでなく、成人男性であっても、そのような皿胴部20の横幅が大
きくなったけん玉に慣れてしまうと、逆に、一般的なけん玉、例えば「競技用けん玉」が
扱いにくく感じてしまう可能性もある。
さらには、大皿部30の直径、小皿部40の直径、及び、皿胴部20の横幅を大きくし
てしまうと、そのようなけん玉は、その分だけ、けん部1の質量が増加することによって
、初心者等にとって、操作しにくく(しかも疲れ易く)、技を決めにくいものとなってし
まう可能性もある。
そこで、本実施形態では、図10に示すように、皿胴部20の幅は、70mm(玉部2
の直径の117%に相当する)となるように形成されている。すなわち、本実施形態では
、皿胴部20の幅は、一般的なけん玉、例えば第4行に示された「競技用けん玉」の皿胴
部の幅(70mm、117%)と略同一となるように形成されている。これにより、持ち
辛くなるといった問題を解決することができる。
このように、皿胴部20の幅を一般的なけん玉と略同一にすることと、大皿部30の直
径及び/又は小皿部40の直径を一般的なけん玉に比べて大きくすることとを両立するた
めに、本実施形態では、代わりに、大皿部30の縁部34の幅、及び/又は、小皿部40
の縁部44の幅を一般的なけん玉に比べて小さくするという手法を採用している。具体的
には、図10に示すように、大皿部30の縁部34の幅(縁部34が水平方向に延びる距
離)は、7.0mm(玉部2の直径の12%)となるように形成されている。これに加え
て、又は、これに代えて、小皿部40の縁部44の幅も大皿部30の縁部34の横幅と同
様のサイズに形成されるようにしてもよい。このような縁部34(及び/又は縁部44)
の幅は、一般的なけん玉、例えば第4行に示された「競技用けん玉」の縁部の横幅(10
.0mm、17%)よりも小さいものとなっている。これにより、皿胴部20の幅を一般
的なけん玉と略同一にすること、及び、大皿部30の直径及び/又は小皿部40の直径を
一般的なけん玉に比べて大きくすること、の両方を実現することができる。よって、初心
者等は、「大皿」や「小皿」等の技を容易に決めることができるとともに、次に一般的な
けん玉(「競技用けん玉」等)に移行した場合であっても、そのような初心者等が一般的
なけん玉に対して感ずる違和感を抑えることができる。
さらにまた、このように縁部34(及び/又は縁部44)の幅を小さくする手法を採用
すると、縁部34(及び/又は縁部44)の幅を小さくしたことに起因する皿胴部20の
質量の減少分でもって、大皿部30の直径及び/又は小皿部40の直径を大きくしたこと
に起因する皿胴部20の質量の増加分を、少なくとも部分的に相殺することができる。こ
れにより、初心者等が、質量の増加に伴って本実施形態に係るけん玉に対して扱い辛さを
感じる事態を抑えることができる。実際、図10に示すように、本実施形態に係るけん玉
全体(けん部1及び玉部2)の質量は、145gであって、一般的なけん玉、例えば第4
行に示された「競技用けん玉」全体の質量(142g)とほとんど同一となるように抑え
られている。
また、けん軸部10の長さは、図10に示すように、160mm(玉部2の直径の26
7%であり、一般的なけん玉、例えば第4行に示す「競技用けん玉」のけん軸部の長さと
略同一とされている。これにより、本実施形態に係るけん玉を用いてけん玉の操作に慣れ
た初心者等が、次に一般的なけん玉(「競技用けん玉」等)に移行した場合であっても、
そのような初心者等が一般的なけん玉に対して感ずる違和感を抑えることができる。
さらに選択的には、中皿部50の直径、すなわち、外縁部56の外径は、41mmであ
り、玉部2の直径の68%に相当する。このような中皿部50の直径は、一般的なけん玉
、例えば第4行に示された「競技用けん玉」の中皿部の直径(35.0mm、58%)よ
りも大きく設定されている。これにより、このけん玉は、初心者等を含むユーザにとって
、例えば「中皿」(玉部2を中皿部50の凹部52に載せる技)等の技が決まり易いもの
となっている。
なお、ユーザがけん玉を操作して玉部2を中皿部50に載せようと試みる際、(中皿部
50の凹部52の直径が玉部2の直径よりも小さいことに起因して)玉部2が中皿部50
の外縁部56に接触することなく直接凹部52に収容されることは稀であり、実際には、
玉部2は、外縁部56に接触した後に凹部52に収容されることが殆どである。このよう
に外縁部56に接触した場合、玉部2は、(その重心が凹部52の上方に位置しているた
め)外縁部56により凹部52に向かう方向に案内ないし付勢されることによって、凹部
52に収容されることも多い。このような理由から、本明細書では、技の決まり易さに関
連した要素として、玉部2の直径に対する「外縁部56の外径」の比率を用いるが、これ
に代えて、玉部2の直径に対する「外縁部56の内径」すなわち「凹部52の直径」を用
いてもよい。
このように中皿部50の直径を大きくした場合には、中皿部50に対しても、上述した
大皿部30及び/又は小皿部40に施された工夫を同様に適用することが可能である。す
なわち、中皿部50の縁部54の幅、すなわち、縁部54が鉛直方向に延びる距離は、「
F 縁部の長さ」の列に示されたように、7.0mm(玉部2の直径の12%)となるよ
うに形成され得る。これにより、けん軸部10の長さを大きくすることなく、中皿部50
の直径を大きくすることができる。また、縁部54の幅を小さくしたことに起因するけん
軸部10の質量の減少分でもって、中皿部50の直径を大きくしたことに起因するけん軸
部10の質量の増加分を、少なくとも部分的に相殺することができる。さらにまた、けん
軸部10の長さは、一般的なけん玉、例えば第4行に示す「競技用けん玉」のけん軸部の
長さと略同一とすることができるため、本実施形態に係るけん玉を用いてけん玉の操作に
慣れた初心者等が、次に一般的なけん玉(「競技用けん玉」等)に移行した場合であって
も、そのような初心者等が一般的なけん玉に対して感ずる違和感を抑えることができる。
また、図7を参照して上述したように、けん軸部10の下部に設けられた下部外面18
Bは、平面状(平らな面)ではなく、けん軸部10の中心軸に向かう方向に(凸に)湾曲
した曲面状とされている。これにより、上述したとおり、けん部1が持ち易いものとなり
、したがって、様々な技が決まり易くなる。これに加えて、下部外面18Bが湾曲した曲
面状に形成されることは、平面状に形成される場合に比べて、けん軸部10の体積が小さ
くなる(所謂スリムになる)ことを意味する。このように、下部外面18Bをスリムにし
たことに起因するけん軸部10の質量の減少分をもって、大皿部30の直径、小皿部40
の直径、及び/又は、中皿部50の直径を大きくしたことに起因するけん軸部10の質量
の増加分を、少なくとも部分的に相殺することができる。
図10の第1行に示された各部の数値を参照して上述した実施形態は、単なる一例であ
り、適宜変更することが可能なものである。具体的には、例えば、図10の第1行に示さ
れた各部の数値は、第2行に示された数値(下限)〜第3行に示された数値(上限)の範
囲において変更されるようにしてもよい。
具体的には、特に、大皿部30の直径は、49.8mm(玉部2の直径の83%)〜6
0.0mm(100%)の範囲に設定することが可能なものである。大皿部30のこのよ
うな範囲の直径は、一般的なけん玉(例えば「競技用けん玉」)の大皿部の直径(42.
0mm、70%)よりも大きい。したがって、このような範囲に属する直径を有する大皿
部30を具備するけん玉は、初心者等を含むユーザにとって、例えば「大皿」(玉部2を
大皿部30の凹部32に載せる技)等の技が決まり易いものとなる。
また、例えば、小皿部40の直径も同様に、49.8mm(玉部2の直径の83%)〜
60.0mm(100%)の範囲に設定することが可能なものである。小皿部40のこの
ような範囲の直径は、一般的なけん玉(例えば「競技用けん玉」)の小皿部の直径(38
.0mm、63%)よりも大きい。したがって、このような範囲に属する直径を有する小
皿部40を具備するけん玉は、初心者等を含むユーザにとって、例えば「小皿」(玉部2
を小皿部40の凹部42に載せる技)等の技が決まり易いものとなる。
また、例えば、中皿部50の直径は、36.0mm(玉部2の直径の60%)〜42.0
mm(70%)の範囲に設定することが可能なものである。中皿部50のこのような範囲
の直径は、一般的なけん玉(例えば「競技用けん玉」)の中皿部の直径(35.0mm、
58%)よりも大きい。したがって、このような範囲に属する直径を有する中皿部50を
具備するけん玉は、初心者等を含むユーザにとって、例えば「中皿」(玉部2を中皿部5
0の凹部52に載せる技)等の技が決まり易いものとなる。
また、例えば、大皿部30、小皿部40及び/又は中皿部50の縁部の長さは、6.0
mm(玉部2の直径の10%)〜9.0mm(15%)の範囲に設定することが可能なも
のである。このような範囲の縁部の長さは、一般的なけん玉(例えば「競技用けん玉」)
の縁部の長さ(10.0mm、17%)よりも小さい。これにより、大皿部30の直径、
小皿部40の直径、及び/又は、中皿部50の直径を上記の範囲で設定した際に、これに
伴うけん軸部10の質量の増加を、大皿部30、小皿部40及び/又は中皿部50の縁部
の長さを適宜変更することによって抑えることができる。また、このように縁部の長さを
小さく設定することによって、皿胴部20の横幅を大きくすることなく、大皿部30の直
径、小皿部40の直径、及び/又は、中皿部50の直径を大きくすることができる。
上述した理由により、皿胴部20の横幅及びけん軸部10の長さは、図10の第1行に
示した値(すなわち、一般的なけん玉(例えば「競技用けん玉」)と略同一の長さ)に設
定することが最も好ましい。しかし、皿胴部20の横幅及びけん軸部10の長さは、図1
0の第2行に示された数値〜第3行に示された数値の範囲内において適宜変更してもよい
なお、上述した様々な実施形態において、大皿部30の縁部、小皿部40の縁部、及び
/又は、中皿部50の縁部を小さくする場合、これら縁部の幅を必ずしも同一にする必要
はない。すなわち、大皿部30の縁部、小皿部40の縁部、及び/又は、中皿部50の縁
部は、相互に異なる幅を有するものであってもよいし、相互に同一の幅を有するものであ
ってもよい。
さらにまた、上述した様々な実施形態において、大皿部30の外縁部36の外径、小皿
部40の外縁部46の外径、及び/又は、中皿部50の外縁部56の外径を、図10の第
2行に示された数値〜第3行に示された数値の範囲内において適宜変更する際には、外縁
部36の外径、外縁部46の外径、及び/又は、外縁部56の外径を、相互に同一の数値
にしてもよいし、相互に異なる数値にしてもよい。
2.比較
次に、上述した様々な実施形態に係るけん玉と、上述した非特許文献1に開示されたけ
ん玉、及び、けん玉X1〜けん玉X6とを図10を参照して比較する。
上述したとおり、一実施形態に係るけん玉は、玉部2の直径に対する比率が83%〜1
00%の範囲にある直径を有する小皿部40を具備するものである。このような比率の直
径を有する小皿部は、非特許文献1に開示された「競技用けん玉」、けん玉X1〜けん玉
X6のいずれにも見受けられない。
なお、一般的にいうと、けん玉とは、大皿部、小皿部及び中皿部のそれぞれに形成され
た凹部に玉部を載せて楽しむ玩具であるため、大皿部、小皿部及び中皿部の大きさが玉部
の大きさとの関係でどれだけ大きいかということが、技を決め易いけん玉であるか否かを
左右する。すなわち、けん玉の操作性において、大皿部、小皿部及び中皿部の絶対的な大
きさのみが必ずしも重要である訳ではなく、飽くまで、けん玉の大きさに対して大皿部、
小皿部及び中皿部がどれだけ大きいかが重要である。その意味において、玉部の直径に対
する各部(大皿部、小皿部等)の比率がけん玉の操作性を左右するといえる。
例えば、図10に示したけん玉X3は、絶対値としては50.0mmという比較的に大
きな直径を有する大皿部を備えてはいるが、かかる直径は、玉部の直径のわずか71%に
しか過ぎない。よって、けん玉X3は、左程「大皿」という技等を決め易いものではない
。これに対して、図10に示したけん玉X1は、絶対値としては41.6mmという比較
的に小さな直径を有する大皿部を備えてはいるが、かかる直径は、玉部の直径の79%を
占めるものである。よって、けん玉X1は、けん玉X3と比較すれば、「大皿」という技
等を決め易いものであるといえる。
また、上述したとおり、一実施形態に係るけん玉は、玉部2の直径に対する比率が83
%〜100%の範囲にある直径を有する大皿部30を具備するものである。このような比
率の直径を有する大皿部は、非特許文献1に開示された「競技用けん玉」、けん玉X1〜
けん玉X6には見受けられないものであるが、けん玉X5及びけん玉X6には見受けられ
るものである。
しかし、まず、けん玉X5は、確かに、図10の第9行に示すとおり、玉部の直径に対
する比率が89%である直径を有する大皿部を具備するものである。ところが、けん玉X
5に用いられる玉部の直径(53.9mm)は、一実施形態に係るけん玉や一般的なけん
玉(例えば第4行に示された「競技用けん玉」)に用いられる玉部の直径(60.0mm
)よりも6mm以上も小さいものである。どれだけ大皿部が大きくとも、その大皿部に載
せる玉部が小さ過ぎる場合には、初心者等を含むユーザは、そのような小さな玉部を大皿
部に載せることは容易ではない。したがって、けん玉X5は、本実施形態に係るけん玉と
は異なり、初心者等にとって簡単に楽しむことができるものではない。さらには、けん玉
X5は、本実施形態に係るけん玉とは異なり、大皿部及び小皿部において縁部なる部分を
有するものではない。この意味において、けん玉X5は、大皿部30の直径を大きくする
ことに起因して皿胴部20の横幅が大きくなる事態、及び、大皿部30の直径を大きくす
ることに起因してけん軸部10の質量が大きくなる事態を防止するように機能する縁部3
4を具備する、という本実施形態に係るけん玉の技術的特徴を何ら開示ないし示唆するも
のではない。さらには、縁部を欠くけん玉X5は、縁部を有する他のけん玉(例えば、非
特許文献1に開示された「競技用けん玉」、けん玉X1〜けん玉X4、けん玉X6)と組
み合わせることが困難なものである。
次に、けん玉X6は、確かに、図10の第10行に示すとおり、玉部の直径に対する比
率が87%である直径を有する大皿部を具備するものである。しかし、けん玉X6は、プ
ラスチックにより形成されたものであることを前提とし、皿胴部に対して着脱自在に設け
られた大皿部及び小皿部を有するものである。一方、本実施形態に係るけん玉は、全体と
して木製の材料により形成されたものであることを前提とし、皿胴部に対して一体的にす
なわち着脱不能に形成された大皿部及び小皿部を具備するものである。
けん玉X6は、プラスチックにより形成されたものであるからこそ、直径を大きくした
大皿部及び小皿部を有することができるのである。すなわち、けん玉X6は、そのような
大皿部及び小皿部を装着しても、一般的なけん玉(例えば図10の第4行に示した「競技
用けん玉」では142g)に比べて、依然として軽いまま(図10の第10行に示すよう
に123g)である。けん玉X6が、仮に木製の材料により形成された場合には、そのよ
うな大きな大皿部及び小皿部を備えれば、一般的なけん玉よりも著しく重いものとなり、
初心者等を含むユーザにとって簡単に楽しむことができるものにはなり得ない。したがっ
て、プラスチックで形成されたけん玉X6に対して、木製の材料により形成された他のけ
ん玉(例えば、非特許文献1に開示された「競技用けん玉」、けん玉X1〜けん玉X5)
を単純に組み合わせたところで、本実施形態に係るけん玉の上述した様々な技術的特徴を
導き出すことは不可能である。
さらにまた、一実施形態に係るけん玉は、玉部2の直径に対する比率が10%〜15%
の範囲にある長さを有する縁部34(縁部44及び/又は縁部54)を具備するものであ
る。このような比率の長さを有する縁部は、非特許文献1に開示された「競技用けん玉」
、けん玉X1〜けん玉X6のいずれにも見受けられるものではない。すなわち、非特許文
献1に開示された「競技用けん玉」、けん玉X1〜けん玉X6には、本実施形態に係るけ
ん玉の上記比率(10%〜15%)よりも大きな比率(17%〜24%)しか見受けられ
ない。このように、非特許文献1に開示された「競技用けん玉」、けん玉X1〜けん玉X
6のいずれにおいても、大皿部、小皿部及び/又は中皿部を大きくすることに伴ってけん
玉の質量が増加するという事態を抑えるべく、大皿部の縁部、小皿部の縁部及び/又は中
皿部の縁部を小さくする、という本実施形態に係る技術的思想を開示ないし示唆するとこ
ろはないし、さらには、大皿部、小皿部及び/又は中皿部を大きくすることに伴って皿胴
部の横幅(けん軸部の長さ)が増加するという事態を抑えるべく、大皿部の縁部、小皿部
の縁部及び/又は中皿部の縁部を小さくする、という本実施形態に係る技術的思想を開示
ないし示唆するところもない。
実際には、当業者であれば、けん玉の縁部の強度を確保するために、けん玉の縁部の幅
を可能な限り大きくしようと考えるものである。すなわち、けん玉は、ユーザが誤って床
や地面等に落として大皿部、小皿部及び中皿部の縁部に亀裂が生じるという可能性を考慮
して、当業者であれば、これら縁部の幅を大きくしようと考えるものである。これらの縁
部の幅を小さくすると、大皿部(小皿部又は中皿部)の外面と内面との間に位置する外縁
部(図1で示すと外縁部36)付近の厚みが非常に薄くなってしまい、この部分の強度が
低下してしまう。したがって、非特許文献1に開示された「競技用けん玉」、けん玉X1
〜けん玉X6に接した当業者が、大皿部(小皿部又は中皿部)の縁部の幅を小さくして、
本実施形態に係るけん玉の技術的特徴に想到することは非常に困難であるといえる。
3.実験結果
次に、上記実施形態に係るけん玉に関する実験結果について、さらに図11を参照して
説明する。図11は、本発明の一実施形態に係るけん玉に関する実験結果を示す表である
。図11には、A〜Nの各ユーザについて、競技用けん玉(非特許文献1)、けん玉X5
及び本願に係るけん玉(ここでは、図10の第1行に示されたけん玉)を用いて様々な技
を試みた場合における結果が示されている。図11は、「大皿の成功」、「決まりやすさ
」及び「楽しさ」という3つの観点で、一実施形態に係るけん玉が従来技術に係るけん玉
に比べて優れていることを示している。
なお、A〜Nの各ユーザは、本件出願に係る発明について守秘義務を有する者であるこ
とはいうまでもない。
まず「大皿の成功」という観点に着目する。
各ユーザは、「競技用けん玉」、「けん玉X5」及び「本願に係るけん玉」のそれぞれ
について、1回だけ「大皿」という技を試みた。この技に成功した場合には「○」が付さ
れ、この技に失敗した場合には「×」が付される。
いずれのけん玉を用いてもこの技を成功させられなかった場合には、それぞれのけん玉
を用いてもう1回だけこの技を試みた。いずれかのけん玉でこの技を成功させることがで
きるまで上記を繰り返した。この結果が、図11における「大皿の成功」の列に示されて
いる。
「競技用けん玉」に関しては、20代のユーザにとって技の成功率がやや低く、30代
後半〜80代のユーザにとっては技の成功率が著しく低いことが分かる。「けん玉X5」
に関しては、30代の半数のユーザ及び60代〜80代のユーザにとって、技の成功率が
低くなっている。このことからも、上述したように、「けん玉X5」は、直径が大きい大
皿部を有してはいるものの、玉部が大皿部に比べて小さ過ぎるため、操作性が低いものと
なっている、ということが理解される。本願に係るけん玉については、20代〜80代の
すべての年代のユーザにとって、技の成功率が著しく高いことが理解される。
図11の「大皿の成功」という列には、各ユーザが「大皿」という技を試みた場合の結
果のみしか示されていないが、一実施形態に係るけん玉における大皿部30及び小皿部4
0の大きさが略同一であることから、この実験結果は、小皿部40を用いた技、例えば「
小皿」という技を試みた場合にも類推適用できるものであるといえる。
次に「決まりやすさ」という観点に着目する。
各ユーザは、「競技用けん玉」、「けん玉X5」及び「本願に係るけん玉」それぞれを
一定時間扱った結果、これらのけん玉のうちいずれのけん玉が最も技の決まりやすいけん
玉であるかについて回答した。この結果が、図11における「決まりやすさ」の列に示さ
れている。図11から明らかなように、すべてのユーザが、技の決まりやすいけん玉とし
て本願に係るけん玉を挙げている。
最後に「楽しさ」という観点に着目する。
各ユーザは、「競技用けん玉」、「けん玉X5」及び「本願に係るけん玉」それぞれを
一定時間扱った結果、これらのけん玉のうちいずれのけん玉が最も楽しさを感じることが
できたけん玉であるかについて回答した。この結果が、図11における「楽しさ」の列に
示されている。図11から分かるように、ほとんどすべてのユーザが、楽しさを感じたけ
ん玉として本願に係るけん玉を挙げている。
なお、図11に示した実験結果は、図10の第1行に示した一実施形態に係るけん玉に
関するものであるが、図10の第2行に示した数値(下限)〜第3行に示した数値(上限
)を適用したけん玉についても、ほぼ同様の結果が得られた。
以上説明したように、様々な実施形態により、初心者等でも簡単に楽しむことが可能な
けん玉を提供することができる。
1 けん部
2 玉部
2A 穴部
3 接続部材
10 けん軸部
18A 上部外面
18B 下部外面
20 皿胴部
26 中心部
30 大皿部
32 凹部
34 縁部
36 外縁部
40 小皿部
42 凹部
44 縁部
46 外縁部
50 中皿部
52 凹部
54 縁部
56 外縁部
60 すべり止め部

Claims (8)

  1. 上端から下端まで延びる棒状のけん軸部と、
    該けん軸部の中心軸に対して直交する直交方向に延びる皿胴部であって、該皿胴部の一端と他端との間に該皿胴部の中心部に向かって減少する外径を有する皿胴部と、
    該皿胴部の前記一端に着脱不能に形成された大皿部であって、該大皿部の内面に前記皿胴部の前記中心部に向かって減少する内径を有する凹部が形成され、該大皿部の外面に円環状に延び前記皿胴部の前記中心部に向かって増加する外径を有する縁部が形成され、前記凹部と前記縁部とを接続し円環状に延びる外縁部が形成された、大皿部と、
    該皿胴部の前記他端に着脱不能に形成された小皿部であって、該小皿部の内面に前記皿胴部の前記中心部に向かって減少する内径を有する凹部が形成され、該小皿部の外面に円環状に延び前記皿胴部の前記中心部に向かって増加する外径を有する縁部が形成され、前記凹部と前記縁部とを接続し円環状に延びる外縁部が形成された、小皿部と、
    前記けん軸部の前記上端に係合する穴部が形成された球状の玉部と、
    を具備し、
    前記大皿部の前記外縁部の外径が、49.8mm〜60.0mmの範囲にあって、前記玉部の直径に対して83%〜100%の範囲にあり、
    前記大皿部の前記縁部が前記直交方向に沿って延びる距離は、6.0mm〜9.0mmの範囲にあって、前記玉部の直径に対して10%〜15%の範囲にある、ことを特徴とするけん玉。
  2. 前記皿胴部は、該皿胴部の前記中心部において前記けん軸部の中心軸から前記小皿部又は前記大皿部に向かって所定の距離だけ離れた位置に形成された、前記皿胴部と前記玉部とを接続する接続部材を固定するための取付孔を有する、請求項1に記載のけん玉。
  3. 前記大皿部の前記外縁部と前記小皿部の前記外縁部との間の距離は、前記玉部の直径に対して116%〜119%の範囲にある、請求項1又は請求項2に記載のけん玉。
  4. 前記けん軸部の長さは、前記玉部の直径に対して250%〜300%の範囲にある、請求項1から請求項のいずれかに記載のけん玉。
  5. 前記けん軸部の長さは、150mm〜180mmの範囲にある、請求項1から請求項のいずれかに記載のけん玉。
  6. 前記けん軸部、前記皿胴部、前記大皿部及び前記小皿部が、木製の材料により形成され、
    143g〜155gの範囲にある質量を有する、請求項1から請求項のいずれかに記載のけん玉。
  7. 前記けん軸部の前記上端と前記下端との間に形成されたすべり止め部であって、該すべり止め部に対して上方向及び下方向にそれぞれ隣接する上部外面及び下部外面よりも大きい外径を有し円環状に延びる隆起部が形成され、該隆起部と前記上部外面とを接続し該上部外面に向かって減少する外面を有する上部湾曲部が形成され、前記隆起部と前記下部外面とを接続し該下部外面に向かって減少する外面を有する下部湾曲部が形成された、すべり止め部、
    をさらに具備し、
    前記下部外面は、平面状の外面ではなく、前記けん軸部の前記中心軸に向かう方向に湾曲した曲面状の外面として形成されている、請求項1から請求項のいずれかに記載のけん玉。
  8. 前記けん軸部の前記下端に着脱不能に形成された中皿部であって、該中皿部の内面に前記けん軸部の前記上端に向かって減少する内径を有する凹部が形成され、該中皿部の外面に円環状に延び前記けん軸部の前記上端に向かって増加する外径を有する縁部が形成され、前記凹部と前記縁部とを接続し円環状に延びる外縁部が形成された、中皿部、
    をさらに具備する、請求項1から請求項のいずれかに記載のけん玉。
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