JP6496155B2 - 水力発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水力発電装置に関する。
従来から、水車が備えるブレードを水流によって回転運動させ、この回転運動を発電機に伝達することで電力を発生させる水力発電装置が知られている。この種の水力発電装置には、ペルトン水車やフランシス水車、プロペラ水車等の種々の形式が存在しており、水車を設置する場所の地形等に合わせた水車が採用されている。例えば、低落差である河川や海などには、垂直軸型水車(貫流水車)を用いた発電装置が利用されており、下記特許文献1には、垂直軸型水車(貫流水車)を利用した水力発電装置の具体例が開示されている。
特開2014−34923号公報
しかしながら、上掲した特許文献1に代表されるような従来技術に係る水力発電装置は、装置の全重量を支えるとともに、水流によってブレードに作用する大きなモーメントを支えるために、ブリッジ等の大掛かりな架橋構造が必要であった。このため、従来技術に係る水力発電装置では、ブリッジ等を建設するための設置コストが高額となってしまうという課題が存在していた。
また、従来の水力発電装置において発電効率を高める手段としては、ブレードに当たる水流の流速を高めて発電量を向上させるために、例えば、ブレード周辺の水路幅を狭くする土木工事を行ったり、河川改修工事を行うことで水流を整えたりする方法が行われていた。しかしながら、この様な土木工事の実施は、非常に大きな費用や工数が必要となるものであり、さらには水路形状に変更を加えるための法律的な手続きを必要とする等、設置コストのさらなる高額化を伴うものであった。
特に、小型水力発電の普及には、設置時のコスト低減をはじめ、発電出力の向上などといった発電コストの低減が求められるものである。しかしながら、上述した従来技術における設置コストの高額化と発電効率向上のための追加コストの存在は、小型水力発電の普及を阻害する要因となっていた。すなわち、水力発電装置に関する技術分野では、設置コストの低減とともに、発電コストの低減をも可能とする新たな技術の実現が求められていた。
本発明は、上述した従来技術に存在する種々の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、設置コストの低減と発電コストの低減を同時に可能とする新たな水力発電装置を提供することにある。
本発明に係る水力発電装置は、水流により回転するブレードと、前記ブレードの回転に伴って回転する軸体と、前記軸体の回転駆動力により電力を発生する発電機と、を有する水力発電装置であって、前記ブレードに対して加わる水流からのモーメントを相殺又は低減するための反力を発生可能な反力発生機構を備え、前記反力発生機構は、水力発電装置を構成する部材のうちの非回転部材又はブリッジ部に固定設置されるアーム部と、前記アーム部に取り付けられる翼断面形状からなるウイング部と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、設置コストと発電コストの低減を同時に実現した新たな水力発電装置を提供することができる。
本実施形態に係る水力発電装置の全体構成を示す外観斜視図である。 本実施形態に係る水力発電装置が備える反力発生機構の具体的構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るウイング部の翼断面形状を示す図であり、ウイング部の特性を説明するためのものである。 本実施形態に係る水力発電装置の設置状態の側面視を示した模式図である。 本実施形態に係る反力発生機構の特性を説明するための図であり、図中の分図(a)は水力発電装置の全体構成を示し、分図(b)はブレードを示し、分図(c)はウイング部の翼断面形状を示している。 ウイング部の翼断面形状において様々な仰角αにおける揚力係数(Cl)に対する抗力係数(Cd)の比(Cl/Cd)を示すグラフ図である。 本発明に係る反力発生機構の取り得る多様な設置位置の例を示す図である。 本発明に係る反力発生機構が備えるウイング部の設置位置について説明するための図である。
以下、本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る水力発電装置の全体構成を示す外観斜視図であり、図2は、本実施形態に係る水力発電装置が備える反力発生機構の具体的構成を示す斜視図である。
本実施形態に係る水力発電装置100は、ブレード10を水流によって回転運動させ、当該回転運動を発電機50に伝達することで電力を発生させる装置である。具体的な構成としては、図1にて示すように、本実施形態に係る水力発電装置100は、水流により回転するブレード10と、ブレード10が設置される軸体20と、軸体20を回転可能に支持する軸受を備える軸受サポート部30と、軸体20の回転駆動力により電力を発生する発電機50と、を有して構成される。そして、本実施形態に係る水力発電装置100は、例えば用水路に設置される。
また、回転部材であるブレード10や軸体20を支持し、水力発電装置100の固定設置を行うための枠体60が軸体20や軸受サポート部30を取り囲むように設置されており、この枠体60には、用水路等に架け渡されるブリッジ部61が接続されている。非回転部材としての枠体60とブリッジ部61とが、例えば用水路の両岸に設けられた基礎部62に対して固定設置されることで、本実施形態に係る水力発電装置100の設置が行われている。
さらに、非回転部材としての枠体60には、ブレード10に対して加わる水流からのモーメントを相殺又は低減するための反力を発生可能な反力発生機構70が設置されている。この反力発生機構70は、図1および図2にて示すように、水力発電装置100を構成する部材のうちの非回転部材である枠体60に固定設置されるアーム部71と、アーム部71に取り付けられる翼断面形状からなるウイング部72と、によって構成されており、本実施形態では、用水路の下流側に延在するように設置されている。すなわち、本実施形態に係る反力発生機構70は、ブレード10に対して後方側(図1における紙面右上方向)に設置されている。
本実施形態に係るブレード10は、円盤形状をした一対の板部11と、一対の板部11に接続する3枚の羽根部13と、を備え、一対の板部11と3枚の羽根部13とが一体構造となるように構成されている。そして、3枚の羽根部13は、翼断面形状を有する構成となっている。したがって、ブレード10は、図1に示すように、水中に配置され、水流により羽根部13が揚力を発生することで、ブレード10の中心(板部11の中心)を中心軸として回転するようになっている。
軸体20は、その下端がブレード10と接続されることで、ブレード10の回転に伴って回転する部材である。軸体20の回転中心軸と、ブレード10の中心軸とは、同軸となるように設置され、例えばボルトおよびナットによってブレード10と締結される。そして、軸体20は、軸受サポート部30に備えられる軸受により回転可能に支持される。
軸体20の回転は、軸受サポート部30によって支持され、発電機50に伝達され、発電機50が電力を発生させることとなる。なお、本実施形態に係る発電機50は、発電機50の備える不図示の入力軸が、ブレード10および軸体20と同軸となるように設置されている。ただし、発電機50とブレード10および軸体20とが遊星歯車や減速器を使用して接続される形態の場合には、発電機50の備える不図示の入力軸は、ブレード10および軸体20と同軸で配置されていなくとも良い。そして、発電された電力は、不図示の送電手段によって、電力消費地や蓄電手段等へと送電される。
以上、本実施形態に係る水力発電装置100の全体構成を説明したが、本実施形態に係る水力発電装置100は、反力発生機構70に特徴的な構成を有している。そこで、次に、図3および図4を参照図面に加えることで、本実施形態に係る反力発生機構70の具体的な特徴を説明することとする。ここで、図3は、本実施形態に係るウイング部72の翼断面形状を示す図であり、ウイング部72の特性を説明するためのものである。また、図4は、本実施形態に係る水力発電装置100の設置状態の側面視を示した模式図である。なお、図3では、図4で示される水力発電装置100の設置状態に対応するようにウイング部72が示されており、紙面上側がウイング部72の上方側、つまり水面側であり、紙面下側がウイング部72の下方側、つまり水底側である。また、図3および図4では、いずれも紙面左側が上流側を示しており、紙面右側が下流側となっている。つまり、図3および図4では、いずれも紙面左側から紙面右側に向けて水流の流れがある場合が示されている。
本実施形態のウイング部72の翼断面形状は、下方(すなわち、水面側から水底側の方向)に向けて揚力FLが作用するように設置されている。すなわち、翼断面形状の前縁LEと後縁TEとを結ぶ2つの線分である翼弦のうち、下方側に位置する翼弦C1の方の翼弦長が上方側に位置する翼弦C2の翼弦長より長くなっている。したがって、本実施形態に係るウイング部72の翼断面形状の場合、上流側からの水流に対してウイング部72は下方側(すなわち、水面側から水底側の方向)に向けて揚力FLを発生するように作用する。
また、本実施形態のウイング部72の翼断面形状は、下方側に位置する翼弦C1の翼弦長が長く、上方側に位置する翼弦C2の翼弦長が短くなっているので、ウイング部72の翼断面形状の作用によって、ウイング部72の翼断面形状の下方側は負圧(圧力:小)となるとともに、ウイング部72の翼断面形状の上方側は正圧(圧力:大)となる。かかる作用によって、ウイング部72の翼断面形状の前縁LEに向けて流れてくる上流側からの水流は、前縁LEにおいて下方と上方に分かれた後、下方側に位置する翼弦C1の近傍を流れる水流の方が流速が速くなるとともに、上方側に位置する翼弦C2の近傍を流れる水流の方は流速が遅くなる。したがって、本実施形態のウイング部72の周囲では、翼断面形状の下方側およびその前後の領域の水流の速度が上昇するという作用が発揮される。
そして、上述したウイング部72の翼断面形状が発揮する種々の作用によって、本実施形態に係る反力発生機構70は、従来技術には存在しない有利な効果を発揮することとなる。すなわち、図4に示すように、本実施形態に係る水力発電装置100では、水流からの力をブレード10が受けることで、水力発電装置100には下流側の方向に向けてモーメントMbが及ぼされることとなる。かかるモーメントMbを打ち消す力を作用させるために、本実施形態に係る反力発生機構70は、ブレード10の下流側に設けられるとともに、ブレード10の上方端側の近傍に設けられている。また、本実施形態に係る反力発生機構70は、反力発生機構70によって発生する揚力FL、つまり前記モーメントMbを打ち消すための反力として作用する揚力FLの及ぶ方向が、水路深さ方向に対して中央を向くように構成されている。なお、本明細書において「揚力FLの及ぶ方向が水路深さ方向に対して中央を向く」とは、水面側から水路の中央側(つまり、ブレード10の設置位置近傍側)に向けて揚力FLが及ぼされる場合と、水底側から水路の中央側(つまり、ブレード10の設置位置近傍側)に向けて揚力FLが及ぼされる場合とを想定しており、本実施形態の場合、反力発生機構70によって発生する揚力FLは、水面側から水路の中央側(つまり、ブレード10の設置位置近傍側)に向けて及ぼされる場合の例が示されている。
したがって、反力発生機構70によって発生する揚力FLは、水路の上流側に向けて及ぼされるモーメントMwとして作用し、一方、ブレード10に対して加わる水流からの力は、水路の下流側に向けて及ぼされるモーメントMbとして作用するので、反力発生機構70によって発生するモーメントMwは、水流によって発生するモーメントMbを互いに打ち消し合うように作用する。その結果、水力発電装置100に作用するモーメントMbは、ウイング部72の作用によって発生するモーメントMwによって相殺又は低減されることとなる。つまり、本実施形態に係る反力発生機構70の作用によって、水力発電装置100自体に加わる水流からのモーメントが解消又は低減されることになるので、非回転部材としての枠体60およびブリッジ部61や、例えば用水路の両岸に設けられた基礎部62の構造や強度を従来技術に比べて簡略化・簡易化できるので、本実施形態によれば、設置コストの低減効果を得ることが可能となる。なお、反力発生機構70によって解消又は低減されるのは、ブレード10に対して加わる水流からの力によって水力発電装置100に作用するモーメントMbのみであって、ブレード10を回転させるための水の力は好適に維持されるので、反力発生機構70は発電効率に影響しない。
また、本実施形態のウイング部72の翼断面形状は、上述したように、翼断面形状の下方側およびその前後の領域の水流の速度を上昇させるという作用を発揮し得るので、図4に示すように、反力発生機構70をブレード10の下流側、且つ、上方端側の近傍に設けることで、ブレード10に到達する水流の速度が上昇する。かかる流速上昇作用によって、ブレード10を回転させるための推力が向上し、発電効率を向上させることが可能となる。従来技術では、発電効率を向上させるためには高コストな土木工事等が実施されていたが、本実施形態に係るウイング部72によれば、水力発電装置100自体に加わる水流からのモーメントを解消又は低減するための反力発生機構70と兼用できるので、新たな設置コストを発生させることなく発電効率を向上させることができる、結果として発電コストをも低減することが可能となる。したがって、本実施形態に係る反力発生機構70によれば、設置コストの低減と発電効率の向上を同時に実現した新たな水力発電装置100を提供することが可能となっている。
次に、本実施形態に係る反力発生機構70の好適な設置条件の選定方法について、図5および図6を参照図面に加えて説明する。ここで、図5は、本実施形態に係る反力発生機構70の特性を説明するための図であり、図中の分図(a)は水力発電装置100の全体構成を示し、分図(b)はブレード10を示し、分図(c)はウイング部72の翼断面形状を示している。また、図6は、ウイング部72の翼断面形状において様々な仰角αにおける揚力係数(Cl)に対する抗力係数(Cd)の比(Cl/Cd)を示すグラフ図である。なお、本実施形態に係るウイング部72の翼断面形状については、NASA(アメリカ航空宇宙局:National Aeronautics and Space Administration)の前身であるNACA(アメリカ航空諮問委員会:National Advisory Committee for Aeronautics)が定義した「NACA4418」なる翼型を想定している。
まず、図5中の分図(b)で示すブレード10について、このブレード10に対して作用する外力Fは、以下のように表すことができる。
F=1/2・ρ・V・S・Ct
F :水車のブレードに作用する外力[N]
ρ :流体の密度[kg/m
V :流体速度[m/s]
S :ブレードの受水面サイズ[m]=φD×L
Ct:スラスト係数
また、図5中の分図(c)で示すウイング部72の翼断面形状について、このウイング部72の翼断面形状に対して作用する外力(揚力FLおよび抗力FD)は、以下のように表すことができる。
FL=1/2・ρ・V・S1・CL
FL:ウイング部に発生する揚力[N]
ρ :流体の密度[kg/m
V :流体速度[m/s]
S1:ウイング部の受水面サイズ[m]=C×L1
CL:揚力係数(翼特性による。ex.NACA4418)

FD=1/2・ρ・V・S1・Cd
FD:ウイング部に発生する抗力[N]
ρ :流体の密度[kg/m
V :流体速度[m/s]
S1:ウイング部の受水面サイズ[m]=C×L1
Cd:抗力係数(翼特性による。ex.NACA4418)
そして、本実施形態に係るウイング部72のウイング寸法を、C×L1=1,000mm×3,300mmとする。さらに、図5中の分図(a)における点Oは、ブレード10中心点である点Bから軸上方向に延びる線分と、ウイング部72を構成する翼型の重心位置である点Wから枠体60とアーム部71との接続部方向に延びる線分との交点を示しており、この点Oにおける合成モーメントMoを、ブレード10(点B)に作用するモーメントMbとウイング部72(点W)に作用するモーメントMwとの和として定義する。すると、図5中の分図(a)における点Oにおける合成モーメントMoは、
ブレード10(点B)に作用するモーメントMbが F=15.5kNm
ウイング部72(点W)に作用するモーメントMwが F=−15.4kNm
となる。つまり、
合成モーメントMo=モーメントMb+モーメントMw≒0
となるので、水力発電装置100に作用するモーメントMbは、ウイング部72の作用によって発生するモーメントMwによってほぼ相殺されることとなる。したがって、本実施形態では、ウイング部72のウイング寸法を、C×L1=1,000mm×3,300mmとすることで点Oにおける合成モーメントMoがほぼゼロとなって解消されるので、設置する架台を頑丈に作らなくても良くなるため、このコストが低減される。その結果、水力発電装置100の設置コストが削減できる。つまり、本実施形態によれば、水力発電装置100の設置コストの低減効果を好適に得ることが可能となっている。
また、図6は、ウイング部72の翼断面形状において様々な仰角αにおける揚力係数(Cl)に対する抗力係数(Cd)の比(Cl/Cd)を示すグラフ図である。ここで、仰角αとは、前縁LEと後縁TEを結んだ線(翼弦)と水流とのなす角をいうが、この揚力係数(Cl)に対する抗力係数(Cd)の比(Cl/Cd)が最も大きくなる仰角αのときに、揚力FLが最大となり、抗力FDが最小となることを示している。そして、本実施形態で採用した翼型「NACA4418」の場合、比(Cl/Cd)が最も大きくなる仰角αは、6[deg]のときであった。したがって、本実施形態の場合、仰角αを6[deg]に設定することで、ウイング部72の好適な配置が実現されることとなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した本実施形態に係る反力発生機構70は、ブレード10の下流側に設けられるとともに、ブレード10の上方端側の近傍に設けられていた(図4参照)。しかしながら、本発明に係る反力発生機構の設置位置は、上述した実施形態の構成には限られない。例えば、図7に示すように、様々な位置に設置することが可能である。ここで、図7は、本発明に係る反力発生機構の取り得る多様な設置位置の構成例を示す図である。
図7の符号IIで示す構成例の場合、反力発生機構70は、ブレード10の上流側に設けられるとともに、ブレード10の下方端側の近傍に設けられている。このとき、翼断面形状の前縁LEと後縁TEとを結ぶ2つの線分である翼弦のうち、上方側に位置する翼弦の方の翼弦長が長くなっており、下方側に位置する翼弦の翼弦長は、上方側の翼弦に比べて短くなっている。したがって、構成例IIに係るウイング部72の翼断面形状の場合、上流側からの水流に対してウイング部72は上方側に向けて揚力FLを発生するように作用することとなる。また、構成例IIのウイング部72の翼断面形状の作用によって、ウイング部72の翼断面形状の上方側は負圧(圧力:小)となるとともに、ウイング部72の翼断面形状の下方側は正圧(圧力:大)となる。かかる作用によって、ウイング部72の翼断面形状の前縁LEに向けて流れてくる上流側からの水流は、前縁LEにおいて下方と上方に分かれた後、上方側に位置する翼弦の近傍を流れる水流の方が流速が速くなるとともに、下方側に位置する翼弦の近傍を流れる水流の方が流速が遅くなる。したがって、構成例IIのウイング部72の周囲では、翼断面形状の上方側およびその前後の領域の水流の速度が上昇するという作用が発揮される。かかる流速上昇作用によって、ブレード10の回転力が向上し、発電効率を向上させることが可能となる。したがって、構成例IIに係る反力発生機構70によれば、発電コストの低減を実現した新たな水力発電装置100を提供することが可能となっている。また、構成例IIに係る反力発生機構70は、反力発生機構70によって発生する反力としての揚力FLの及ぶ方向が、水路深さ方向に対して中央を向く、すなわち、水底側から水路の中央側(つまり、ブレード10の設置位置近傍側)に向けて揚力FLが上向きとなるように構成されている。したがって、反力発生機構70によって発生する揚力FLは、上流側に向けて及ぼされるモーメントMwとして作用する。一方、ブレード10に対して加わる水流からの力は、下流側に向けて及ぼされるモーメントMbとして作用することになるので、反力発生機構70によって発生するモーメントMwと水流によって発生するモーメントMbは互いに打ち消し合うように作用する。その結果、水力発電装置100に作用するモーメントMbは、ウイング部72の作用によって発生するモーメントMwによって相殺又は低減される。つまり、構成例IIに係る反力発生機構70の作用によって、水力発電装置100自体に加わる水流からのモーメントが解消又は低減されることになるので、非回転部材としての枠体60およびブリッジ部61や、例えば用水路の両岸に設けられた基礎部62の構造や強度を従来技術に比べて簡略化・簡易化できるので、構成例IIによっても、上述した実施形態と同様に、設置コストの低減効果や発電効率の向上効果を得ることが可能となる。
なお、図7中の符号IIIおよび符号IVで示す2つの構成例の場合は、ウイング部72の翼断面形状の作用によって、流速上昇作用を得ることができる。ただし、この2つの構成例IIIおよびIVについては、水力発電装置100に作用するモーメントMbと、ウイング部72の作用によって発生するモーメントMwとが同一方向を向く構成となっているため、モーメントの相殺又は低減効果が得られない構成例となっている。
このように、本発明に係る反力発生機構の設置位置は、水力発電装置100の設置環境に応じて、適宜変更することが可能である。ただし、ブレード10の上流側正面位置に本発明の反力発生機構を配置することは、ブレード10に対して水の力を及ぼすことを阻害することになるため好ましくなく、一方、ブレード10の下流側背面位置に本発明の反力発生機構を配置することは、ブレード10後方に生じる死水域の領域となるため、反力発生機構としての機能を発揮できず好ましくない。なお、ブレード10の下流側背面位置では、水流の力がブレード10の回転に用いられるため、当該領域の水流の流速がほぼゼロとなって死水域を形成するため、反力発生機構としての機能を発揮できなくなるのである。
つまり、本発明に係る反力発生機構が備えるウイング部の設置位置については、図8で示すように、ブレード10の上流側および下流側において、設置された水力発電装置100の上面視でブレード10と重畳する位置(図8中の分図(a)の符号Xで示す破線内の領域)であるとともに、設置された水力発電装置100の側面視でブレード10と重畳しない位置(図8中の分図(b)の符号Yで示す破線外の領域)に設置されることが必要となる。なお、図8は、本発明に係る反力発生機構70が備えるウイング部72の設置位置について説明するための図である。
さらに例えば、本発明に係る反力発生機構は、少なくともブレードの上流側又は下流側のいずれか一方に設けられていればよく、上下流方向で複数の反力発生機構を設けても良い。
さらに例えば、本発明に係る反力発生機構は、少なくともブレードの上方端側又は下方端側のいずれか一方の近傍に設けられていればよく、水路深さ方向に対して複数の反力発生機構を設けても良い。
さらに例えば、本発明に係る反力発生機構によって発生する反力の及ぶ方向については、水路深さ方向に対して中央を向くように構成されることが好ましい。ただし、本発明に係る水力発電装置においては、反力の方向が異なる複数の反力発生機構を設けるように構成しても良い。
さらに例えば、上述した実施形態では、反力発生機構70を構成するアーム部71の形状について特段の限定を行わなかったが、例えば、水流から受ける抵抗を抑えるために、横断面で左右が同形状をした対称翼型を本発明のアーム部に適用することも好適である。
さらに例えば、上述した実施形態では、反力発生機構70を構成するアーム部71は、非回転部材としての枠体60に対して固定設置される場合を例示したが、本発明に係るアーム部は、非回転部材としてのブリッジ部61に対して固定設置するようにしても良い。アーム部71をブリッジ部61に対して固定設置した場合であっても、上述した実施形態と同様に、アーム部71は反力発生機構としての機能を発揮することができる。
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100 水力発電装置、10 ブレード、11 板部、13 羽根部、20 軸体、30 軸受サポート部、50 発電機、60 枠体、61 ブリッジ部、62 基礎部、70 反力発生機構、71 アーム部、72 ウイング部、LE 前縁、TE 後縁、C1,C2 翼弦、FL 揚力、FD 抗力、α 仰角、Mb,Mw モーメント。

Claims (4)

  1. 水流により回転するブレードと、
    前記ブレードの回転に伴って回転する軸体と、
    前記軸体の回転駆動力により電力を発生する発電機と、
    を有する水力発電装置であって、
    前記ブレードに対して加わる水流からのモーメントを相殺又は低減するための反力を発生可能な反力発生機構を備え
    前記反力発生機構は、
    水力発電装置を構成する部材のうちの非回転部材又はブリッジ部に固定設置されるアーム部と、
    前記アーム部に取り付けられる翼断面形状からなるウイング部と、
    を有することを特徴とする水力発電装置。
  2. 請求項に記載の水力発電装置において、
    前記ウイング部は、前記ブレードの上流側および下流側において、設置された水力発電装置の上面視で前記ブレードと重畳する位置に設置されることを特徴とする水力発電装置。
  3. 請求項又はに記載の水力発電装置において、
    前記ウイング部は、前記ブレードの上流側および下流側において、設置された水力発電装置の側面視で前記ブレードと重畳しない位置に設置されることを特徴とする水力発電装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水力発電装置において、
    前記反力発生機構によって発生する反力の及ぶ方向が、水路深さ方向に対して中央を向くように構成されることを特徴とする水力発電装置。
JP2015019014A 2015-02-03 2015-02-03 水力発電装置 Active JP6496155B2 (ja)

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