本発明に係る核医学診断装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施形態に係る核医学診断装置は、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)やPET(Positron Emission Tomography)などのガンマ線検出器を備えた各種装置に適用することが可能である。以下の説明では、本発明に係る核医学診断装置として2検出器型のガンマ線検出器回転型のSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置を用いる場合の一例について示す。なお、ガンマ線検出器回転型SPECT装置としては、検出器が1つまたは3以上のものであってもよい。また、本実施形態に係る核医学診断装置の画像処理は被検体の様々な部位の核医学投影データに対して適用可能である。以下の説明では被検体の頭部の核医学投影データに対して適用する場合の例について示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る核医学診断装置1の一例を示すブロック図である。
核医学診断装置1は、スキャナ装置2および画像処理装置3を有する。なお、画像処理装置3はスキャナ装置2とデータ送受信可能に接続されていればよく、同一の部屋や建屋に設けられずともよい。
スキャナ装置2は、ガンマ線検出部11および12、回転部13を有するガントリ14、回転駆動装置15、データ収集部16を有する。
ガンマ線検出部11は、被検体Pに対して薬品に含まれて投与されたテクネシウムなどのRI(放射性同位元素)から放射されるガンマ線を検出する検出部である。なお、ガンマ線検出部12はガンマ線検出部11と同様の構成および作用を有するため、説明を省略する。
ガンマ線検出部11としては、シンチレータ型検出器を用いてもよいし、半導体型検出器を用いてもよい。
シンチレータ型検出器を用いてガンマ線検出部11を構成する場合は、ガンマ線検出部11は、ガンマ線の入射角度を規定するためのコリメータ、コリメートされたガンマ線が入射すると瞬間的な閃光を発するシンチレータ、ライトガイド、シンチレータから射出された光を検出するための2次元に配列された複数の光電子増倍管、およびシンチレータ用電子回路などを有する。シンチレータは、たとえばタリウム活性化ヨウ化ナトリウムNaI(Tl)により構成される。
シンチレータ用電子回路は、ガンマ線が入射する事象(イベント)が発生するごとに、複数の光電子増倍管の出力にもとづいて複数の光電子増倍管により構成される検出面内におけるガンマ線の入射位置情報(位置情報)、入射強度情報および入射時刻情報を生成しデータ収集部16に出力する。この位置情報は、検出面内の2次元座標の情報であってもよいし、あらかじめ検出面を複数の分割領域(1次セル)に仮想的に分割しておき(たとえば1024×1024個に分割しておき)、どの1次セルに入射があったかを示す情報であってもよい。
一方、半導体型検出器を用いてガンマ線検出部11を構成する場合は、ガンマ線検出部11は、コリメータ、コリメートされたガンマ線を検出するための2次元に配列された複数のガンマ線検出用半導体素子(以下、半導体素子という)および半導体用電子回路などを有する。半導体素子は、たとえばCdTeやCdZnTe(CZT)により構成される。
半導体用電子回路は、ガンマ線が入射する事象(イベント)が発生するごとに、半導体素子の出力にもとづいて入射位置情報、入射強度情報および入射時刻情報を生成しデータ収集部16に出力する。この位置情報は、複数の半導体素子(たとえば1024×1024個)のうちのどの半導体素子に入射したかを示す情報である。
すなわち、ガンマ線検出部11は、イベントごとに入射位置情報、入射強度情報および入射時刻情報を出力する。また、位置情報は、1次セルのどの位置にガンマ線が入射したかを示す情報および検出面内の2次元座標の情報の少なくとも一方である。以下の説明では、ガンマ線検出部11が位置情報として検出面内のどの位置にガンマ線が入射したかを示す情報を出力する場合の例について示す。
ガンマ線検出部11および12は、データ収集部16により撮像タイミングを制御される。
回転部13はガントリ14に支持され、ガンマ線検出部11および12を保持する。回転部13が回転駆動装置15を介してデータ収集部16に制御されて所定の回転軸r周り(z軸(体軸)周り)に回転することにより、ガンマ線検出部11および12は回転軸rの周りを回転する。
回転駆動装置15は、データ収集部16に制御されて、回転部13を所定の回転軸r(z軸)の周りに回転させる。
被検体Pは、天板17に載置される。天板駆動装置18は、データ収集部16に制御されて、天板17をy軸方向に昇降動させる。また、天板駆動装置18は、データ収集部16に制御されて、回転部13の中央部分の開口部の撮影領域へ天板17をz軸方向に沿って移送する。
データ収集部16は、画像処理装置3により制御されて、ガンマ線検出部11および12、回転駆動装置15および天板駆動装置18を制御することにより、被検体Pのスキャンを実行する。
データ収集部16は、ガンマ線検出部11および12のそれぞれの出力をたとえばリストモードで収集する。リストモードでは、ガンマ線の検出位置情報、強度情報、ガンマ線検出部11および12と被検体Pとの相対位置を示す情報(ガンマ線検出部11および12の位置や角度など)、およびガンマ線の検出時刻がガンマ線の入射イベントごとに収集される。
一方、画像処理装置3は、図1に示すように、制御部21、表示部22、入力部23および記憶部24を有する。
制御部21は、CPU等の演算装置、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従って画像処理装置3の動作を制御する。
制御部21のCPU等の演算装置は、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された画像処理プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、このプログラムに従って、頭部内の位置によらずなめらかな輪郭を設定するための処理を実行する。
制御部21のRAMは、CPU等の演算装置が実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。制御部21のROMをはじめとする記憶媒体は、画像処理装置3の起動プログラム、画像処理プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
なお、ROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPU等の演算装置により読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
表示部22は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、制御部21の制御に従って核医学診断画像などの各種情報を表示する。
入力部23は、たとえばキーボード、タッチパネル、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を制御部21に出力する。
記憶部24は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPU等の演算装置により読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。記憶部24は、制御部21により制御されて表示画素ごとの計数値や核医学画像、変化率閾値thΔをはじめとする各種閾値などを記憶する。
図2は、制御部21のCPU等の演算装置による機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部は、CPU等の演算装置を用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
図2に示すように、制御部21のCPU等の演算装置は、画像処理プログラムによって、少なくともスキャン制御部31、ファンパラ変換部32、前処理部33、輪郭抽出部34、輪郭設定部35、減弱マップ生成部36および再構成部37として機能する。この各部31〜38は、RAMの所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。なお、ファンパラ変換部32は、パラレルビームコリメータを用いた場合は処理不要である。
スキャン制御部31は、ユーザから入力部23を介してスキャン計画の実行指示を受けて、スキャン計画にもとづいてスキャナ装置2を制御することにより、被検体Pの頭部のスキャンを実行する。この結果、被検体Pの頭部から放出されたガンマ線の情報(核医学投影データ)がスキャナ装置2からデータ収集部16を介してファンパラ変換部32に与えられる。
ガンマ線検出部11および12がファンビームコリメータを有しファンビーム投影データを収集する場合、ファンパラ変換部32は、データ収集部16から受けたファンビーム投影データをパラレルビーム投影データに変換する。一方、ガンマ線検出部11および12がパラレルビーム投影データを収集するよう構成されている場合は、ファンパラ変換部32は、データ収集部16から受けたパラレルビーム投影データをそのまま前処理部33に与える。
前処理部33は、入力部23を介してユーザにより設定された、またはあらかじめ記憶部24に記憶された前処理条件情報を取得する。前処理条件情報には、前処理の対象となる画像データ(パラレルデータ)の情報、処理範囲の設定情報、前処理フィルターの情報などが含まれる。前処理部33は、取得した前処理条件情報に従って、均一性補正、回転中心補正、前処理フィルター処理などの前処理を実行する。
図3(a)はサイノグラムの生データの一例を示す説明図であり、(b)は輪郭抽出部34により自動抽出されたサイノグラムの左右端(自動抽出左右端)41の一例を示す説明図であり、(c)は輪郭設定部35により得られるサイノグラムの左右端のフィッティングカーブ(近似左右端)42の一例を示す説明図である。さらに、図3(d)は輪郭設定部35により近似左右端42にもとづいて輪郭43を設定する方法を説明するための図であり、(e)は輪郭設定部35により近似左右端42にもとづいて設定された輪郭43の一例を示す説明図である。
輪郭抽出部34は、頭部の核医学投影データにもとづいて、スライスごとにサイノグラムの左右端を自動抽出する(図3(a)、(b)参照)。
この自動抽出左右端41を抽出する方法としては、たとえば頭部の核医学投影データの最大計数値に対して所定の割合(たとえば3%、5%、10%、15%など)以下の計数値が割り当てられた画素をカットする画像処理により、サイノグラムの自動抽出左右端41を抽出する方法を用いることができる。
また、再構成部37は、前処理部33による前処理後の画像データに含まれる入射位置情報にもとづいて、表示画素のそれぞれについて入射ガンマ線を光子数として計数した計数値を割り当てる(分配する)ことにより、被検体Pの頭部の減弱補正前の核医学画像を生成する。輪郭抽出部34は、この核医学画像に対して上記計数値にもとづく画像処理を行うことにより頭部の輪郭を抽出し、抽出した輪郭に対応するサイノグラムの左右端を自動抽出左右端41としてもよい。
また、輪郭抽出部34は、ユーザによって入力部23を介した指示に応じて上記計数値にもとづく画像処理における所定の割合(左右端の自動抽出の閾値)を設定し、あるいは変更してもよい。また、所定の割合はスライスごとに異なって設定されてもよい。
次に、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線の粗さに応じた精度で、左右端の曲線をカーブフィッティングすることにより、スライスごとに近似左右端(フィッティングカーブ)42を求める(図3(c)参照)。
たとえば、輪郭設定部35は、スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報を取得し、大脳部領域に属するスライスに対するカーブフィッティングの精度より粗い精度で頭頂部領域に属するスライスの一部または全部および小脳部領域に属するスライスの一部または全部に対するカーブフィッティングを行う。
カーブフィッティング法としては、従来種々のものが知られており、これらのうち任意のものを使用することが可能である。
以下の説明では、カーブフィッティング法としてフーリエ近似法を用いる場合の例について示す。フーリエ近似法を用いる場合、カーブフィッティングの精度の精粗は、フーリエ近似の次数の高低である。すなわち、大脳部領域に属するスライスに対しては高次(たとえば5〜11次)のフーリエ近似を行う一方、頭頂部領域に属するスライスの一部または全部および小脳部領域に属するスライスの一部または全部に対しては低次(たとえば2〜5次)のフーリエ近似を行う。
なお、高次、低次の次数はそれぞれあらかじめ設定された次数を用いてもよいし、ユーザにより入力部23を介して各次数を設定されてもよい。また、頭頂部領域と小脳部領域でそれぞれ異なる次数を用いてもよい。また、頭頂部領域を複数に分割し、頭頂部に近づくほど次数が下がるようにしてもよい。同様に、小脳部領域を複数に分割し、小脳部下端に近づくほど次数が下がるようにしてもよい。
また、スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報は、輪郭設定部35が自らサイノグラムデータにもとづいて判定して取得してもよいし、ユーザによる入力部23を介した指示にもとづいて取得してもよい。
輪郭設定部35が自らサイノグラムデータにもとづいて各スライスがどの領域に属するかを判定する方法としては、たとえばサイノグラムの左右端の間の距離L(θ)の平均MLや距離L(θ)の標準偏差SDLについて閾値判定する方法などが挙げられる。この自動判定方法の詳細については図10−12を用いて後述する。
そして、輪郭設定部35は、サイノグラムの近似左右端42のデータのみをバックプロジェクションするように投影方向に向かう直線を考え、次の角度θの直線との交点を輪郭の構成点を求めていく(図3(d)参照)。180度分のデータに対応する輪郭の構成点を求めることにより、輪郭設定部35はスライスごとに輪郭43を設定することができる(図3(e)参照)。
輪郭設定部35は、自動抽出左右端41の左右端の曲線に対して直接、この曲線の粗さに応じた精度で左右端の曲線をカーブフィッティングすることにより、スライスごとに近似左右端42を求めてもよい。
減弱マップ生成部36は、たとえば水などの均一吸収体を仮定して、輪郭設定部35により設定された輪郭43を有する減弱マップ(使用する核種のガンマ線エネルギーの減弱係数の分布を示す減弱係数マップ)を生成する。
再構成部37は、前処理部33による前処理後の画像データに含まれる入射位置情報にもとづいて、表示画素のそれぞれについて入射ガンマ線を光子数として計数した計数値を割り当てる(分配する)ことにより、被検体Pの頭部の減弱補正前の核医学画像を生成する。再構成部37は、この減弱補正前の核医学画像(再構成画像)に対して輪郭設定部35により設定された輪郭43を重畳した重畳画像を表示部22に表示させる。重畳画像には、輪郭43とともに、あるいは輪郭43に変えて、減弱マップを重畳してもよい。また、減弱マップを重畳する場合には、核医学画像についてはファンパラ変換前にTEW(Triple Energy Window)処理により散乱線補正を行ったものを用いる一方、減弱マップについてはファンパラ変換前にTEW処理を行わないものを用いるようにしてもよい。
ユーザは、この重畳画像を視認することにより、輪郭設定部35により設定された輪郭43が適切か否かを判断することができる。また、ユーザは、輪郭設定部35により設定された輪郭43が不適切であると考える場合は、入力部23を介して輪郭設定部35に対して輪郭43の修正を指示することができる。このときユーザはさらに、輪郭設定部35によるカーブフィッティングの精度をスライスごとに新たに設定することができる。輪郭43の修正が指示された場合は、輪郭設定部35は、たとえばユーザにより新たに設定されたカーブフィッティングの精度(たとえばフーリエ近似であれば新たな次数)を用いて近似左右端42を再度求めて輪郭43を再設定する。
また、輪郭設定部35は、特に頭頂部領域や小脳部領域に属するスライスについて、1つのスライスに対して複数の次数でフーリエ近似を行って複数の輪郭43を生成してもよい。この場合、再構成部37は、再構成画像に対して複数の輪郭43を重畳して表示部22に表示させる。この場合、ユーザは複数の輪郭43から所望の輪郭43を選択することができる。また、減弱マップ生成部36は、ユーザから複数の輪郭43から選択された輪郭43を有する減弱マップを生成する。
なお、ユーザによる輪郭43の適切性の確認を省略してもよい場合は、再構成部37は重畳画像を生成せずともよい。
そして、再構成部37は、減弱マップにもとづいてガンマ線の検出結果を補正する(減弱補正処理を施す)ことによりガンマ線の生体内での減弱の影響を補正した画像(減弱補正した核医学画像(再構成画像))を生成し、表示部22に表示させる。
続いて、輪郭設定部35による近似左右端42の算出処理について説明する。
図4は、頭部のサイノグラムの一例を示す説明図である。また、図5(a)は頭頂部付近スライスのサイノグラムの自動抽出左右端41の一例を示す図であり、(b)は(a)に示す自動抽出左右端41に対して高次のフーリエ近似により求められた近似左右端42の一例を示す説明図であり、(c)は(a)に示す自動抽出左右端41に対して低次のフーリエ近似により求められた近似左右端42の一例を示す説明図である。
また、図6は、全てのスライスについて高次のフーリエ近似により求められた近似左右端42にもとづいて設定された輪郭43と減弱補正前の核医学画像(再構成画像)との重畳画像の一例を示す説明図である。また、図7は、大脳部領域に属するスライスに対しては高次のフーリエ近似を行う一方、頭頂部領域に属するスライスおよび小脳部領域に属するスライスに対しては低次のフーリエ近似を行うことにより求められた近似左右端42にもとづいて設定された輪郭43と、減弱補正前の核医学画像(再構成画像)との重畳画像の一例を示す説明図である。図6および図7は、頭部のアキシャル断面のスライスを頭頂部上端から小脳部下端まで一覧表示する場合の表示部22の表示画面の一例である。
図4に示すように、大脳部領域に属するスライスの計数値は、頭頂部領域や小脳部領域に属するスライスの計数値よりも大きい。このため、大脳部領域に属するスライスの自動抽出左右端41の曲線の粗さ(がたつき)は少なくなめらかとなると考えられる。一方、頭頂部領域や小脳部領域に属するスライスの計数値は、頭頂部上端および小脳部下端に近づくほど少なくなっていく。このため、頭頂部上端および小脳部下端に近づくほど、自動抽出左右端41の曲線の粗さ(がたつき)は大きくなっていくと考えられる。
たとえば、図5(a)に示すように、頭頂部上端付近のスライスのサイノグラムの自動抽出左右端41は、がたつきの大きい曲線となる。このがたつきの大きい自動抽出左右端41に対して高次のフーリエ近似を行ってしまうと、精度よく曲線あてはめがおこなわれるために、がたつきが再現された近似左右端42が得られてしまう(図5(b)、図6参照)。
そこで、本実施形態に係る核医学診断装置1の輪郭設定部35は、計数値が少なく自動抽出左右端41の曲線が粗い場合は、自動抽出左右端41に対するカーブフィッティングの精度をあえて粗くする(フーリエ近似の次数を下げる)ことにより、曲線あてはめの追従性を劣化させてなめらかな近似左右端42を得ることでなめらかな輪郭43を設定する(図5(c)、図7参照)。
このため、計数値が少なく自動抽出左右端41の曲線が粗いスライスであってもなめらかな輪郭43を設定することができる。したがって、単に自動抽出左右端41にもとづく輪郭を用いる場合に比べ、頭部内の位置によらずなめらかな輪郭43を設定することができ、計数値が少なく自動抽出左右端41の曲線が粗いスライスにおける減弱マップの精度を大幅に向上させることができる。
次に、本実施形態に係る核医学診断装置1の動作の一例について説明する。
図8は、図1に示す制御部21により、頭部内の位置によらずなめらかな輪郭43を設定する際の手順の一例を示すフローチャートである。図8において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まず、ステップS1において、スキャン制御部31は、ユーザから入力部23を介してスキャン計画の実行指示を受けてスキャンを実行する。この結果、被検体Pから放出されたガンマ線の情報がスキャナ装置2からデータ収集部16を介してファンパラ変換部32に与えられる。そして、ガンマ線検出部11および12がファンビームコリメータを有しファンビーム投影データを収集する場合、ファンパラ変換部32は、データ収集部16から受けたファンビーム投影データをパラレルビーム投影データに変換して前処理部33に与える。なお、ガンマ線検出部11および12がパラレルビーム投影データを収集するよう構成されている場合は、ファンパラ変換部32は、データ収集部16から受けたパラレルビーム投影データをそのまま前処理部33に与える。
次に、ステップS2において、前処理部33は、入力部23を介してユーザにより設定された、またはあらかじめ記憶部24に記憶された前処理条件情報を取得し、前処理条件情報に従って、均一性補正、回転中心補正、前処理フィルター処理などの前処理を実行する。
次に、ステップS3において、輪郭抽出部34は、頭部の核医学投影データにもとづいて、スライスごとに自動抽出左右端41を抽出する(図3(a)、(b)参照)。
次に、ステップS4において、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線の粗さに応じた精度で、左右端の曲線をカーブフィッティングすることにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定する(図3(e)、図7参照)。
次に、ステップS5において、減弱マップ生成部36は、たとえば水などの均一吸収体を仮定して、輪郭設定部35により設定された輪郭43を有する減弱マップを生成する
次に、ステップS6において、再構成部37は、減弱補正前の再構成画像に対して輪郭設定部35により設定された輪郭43を重畳した重畳画像を表示部22に表示させる。なお、この重畳画像には、輪郭43とともに、あるいは輪郭43に変えて、減弱マップを重畳してもよい。
次に、ステップS7において、輪郭設定部35は、輪郭43を修正すべきか否かを判定する。輪郭43を修正すべき場合はステップS3に戻る。一方、輪郭43の修正が不要な場合はステップS8に進む。なお、このステップS7は省略されてもよい。
輪郭43を修正すべき場合としては、たとえば重畳画像を確認したユーザが、輪郭設定部35により設定された輪郭43が不適切であると考える場合であって、入力部23を介して輪郭設定部35に対して輪郭43の修正を指示した場合が挙げられる。このときユーザはさらに、輪郭設定部35によるフーリエ近似の次数をスライスごとに新たに設定することができる。ステップS7でYESと判定されてステップS3に戻る場合、ステップS4において輪郭設定部35は、ステップS7であらたに設定された次数で各スライスのフーリエ近似を行う。
また、輪郭設定部35は、重畳画像における輪郭43のがたつきの度合いをたとえば近似楕円からの乖離度合いなどにもとづいて画像解析により自動判定してもよい。この場合、がたつき度合いが閾値以上のスライスがある場合には輪郭43を修正すべき場合と判定してステップS3に戻り、ステップS4において輪郭設定部35は、がたつき度合いが閾値以上のスライスについて、前回実行時よりも次数を下げてフーリエ近似を行うとよい。
そして、ステップS8において、再構成部37は、減弱マップにもとづいてガンマ線の検出結果を補正する(減弱補正処理を施す)ことによりガンマ線の生体内での減弱の影響を補正した画像(減弱補正した核医学画像(再構成画像))を生成し、表示部22に表示させる。
以上の手順により、頭部内の位置によらず、なめらかな輪郭43を設定することができる。
図9は、図8のステップS4で輪郭設定部35により実行される輪郭設定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
ステップS41において、輪郭設定部35は、頭頂部領域に属するスライスの輪郭43を設定する。
次に、輪郭設定部35は、小脳部領域に属するスライスの輪郭43の設定(ステップS42)、および大脳部領域に属するスライスの輪郭43の設定(ステップS43)を行い、図8のステップS5に進む。
続いて、スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報について、輪郭設定部35が自らサイノグラムデータにもとづいて判定して取得する場合の例について図10−12を用いて説明する。
図10は、図9のステップS41で輪郭設定部35により実行される、頭頂部領域に属するスライスの輪郭設定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
ステップS411において、輪郭設定部35は、頭頂部上端のスライスから順にサイノグラムを抽出する。
次に、ステップS412において、輪郭設定部35は、スライスごとに、サイノグラムの左右端の間の距離L(θ)を角度ごとに算出する(図3(d)参照)。
次に、ステップS413において、輪郭設定部35は、スライスごとに、距離L(θ)の平均MLを算出する。
次に、ステップS414において、輪郭設定部35は、平均距離MLのスライス間の変化率ΔML/Δzが変化率閾値thΔ以上か否かを判定する。ΔML/Δz≧変化率閾値thΔの場合は頭頂部領域に属するスライスと判断し、ステップS415に進む。一方、ΔML/Δz<変化率閾値thΔの場合はステップS419に進む。
次に、ステップS415において、輪郭設定部35は、頭頂部領域に属すると判断したスライスについて、距離L(θ)の標準偏差SDLを算出する。
次に、ステップS416において、輪郭設定部35は、平均距離MLが第1距離閾値thML1以下であり、かつ標準偏差SDLが第1標準偏差閾値thSDL1以上であるか否かを判定する。ML≦thML1かつSDL≧thSDL1を満たすスライスは、サイノグラムの左右端間の距離が小さく、かつ左右端の曲線のがたつきが大きいスライスであり、頭頂部領域に属するスライスの中でも頭頂部上端に近いスライスであると考えられる。ML≦thML1かつSDL≧thSDL1である場合は、ステップS417に進む。一方、ML>thML1またはSDL<thSDL1である場合は、ステップS418に進む。
次に、ステップS417において、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線に対して低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求め(図5(c)、図7参照)、輪郭43を設定してステップS411に戻る。なお、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41の左右端の曲線に対して直接低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定してステップS411に戻ってもよい。
一方、ステップS418において、ML>thML1またはSDL<thSDL1を満たすスライスについては、ML≦thML1かつSDL≧thSDL1をスライスに対する次数よりも高い次数でフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定してステップS411に戻る。
なお、ここでいう高い次数とは、大脳部領域に属するスライスに対して適用される次数と同じであってもよいし、大脳部領域に属するスライスに対して適用される次数よりも低い次数であってもよい。
他方、ステップS414でΔML/Δz<変化率閾値thΔと判定されると、ステップS419において、輪郭設定部35は、このスライスについては大脳部領域に属すると判断して頭頂部からのスライス順のサイノグラムの抽出を終了し、図9のステップS42に進む。
なお、頭頂部領域に属するスライスの全てに対して同一次数の低次のフーリエ近似を用いてもよい。この場合、ステップS416およびS418は省略される。
以上の手順により、頭頂部領域に属するスライスに対して低次のフーリエ近似を用いて輪郭43を設定することができる。
図11は、図9のステップS42で輪郭設定部35により実行される、小脳部領域に属するスライスの輪郭設定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
ステップS421において、輪郭設定部35は、小脳部下端のスライスから逆順にサイノグラムを抽出する。
次に、ステップS422において、輪郭設定部35は、スライスごとに、サイノグラムの左右端の間の距離L(θ)を角度ごとに算出する(図3(d)参照)。
次に、ステップS423において、輪郭設定部35は、スライスごとに、距離L(θ)の平均MLおよび距離L(θ)の標準偏差SDLを算出する。
次に、ステップS424において、輪郭設定部35は、平均距離MLが第2距離閾値thML2以下であるか、または標準偏差SDLが第2標準偏差閾値thSDL2以上であるか否かを判定する。ML≦thML2またはSDL≧thSDL2を満たすスライスは、サイノグラムの左右端間の距離が小さいか、または左右端の曲線のがたつきが大きいスライスであり、小脳部領域に属するスライスの中でも小脳部下端に近いスライスであると考えられる。
なお、頭頂部領域判定に用いる第1距離閾値thML1と小脳部領域判定に用いる第2距離閾値thML2は異なることが好ましい。これは、頭頂部領域に属するスライスよりも小脳部領域に属するスライスのほうが計数値が多く、サイノグラムの左右端が大きいためである(図4、6、7参照)。第1距離閾値thML1および第2距離閾値thML2としては、あらかじめ設定した値を用いてもよいし、たとえば全スライスの中で最も大きい平均距離MLに対してそれぞれ異なる定数を乗じて定めてもよい。
ML≦thML2またはSDL≧thSDL2である場合は、小脳部領域に属するスライスと判断し、ステップS425に進む。一方、ML>thML1かつSDL<thSDL1である場合は、ステップS426に進む。
次に、ステップS425において、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線に対して低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求め(図5(c)、図7参照)、輪郭43を設定してステップS411に戻る。なお、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41の左右端の曲線に対して直接低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定してステップS421に戻ってもよい。なお、ここでいう低次の次数としては、頭頂部領域に属するスライスに対して図10のステップS417で適用される次数と同一でもよいし、異なっていてもよい。
他方、ステップS424でML>thML1かつSDL<thSDL1と判定されると、ステップS426において、輪郭設定部35は、このスライスについては大脳部領域に属すると判断して小脳部下端からの逆順のサイノグラムの抽出を終了し、図9のステップS43に進む。
以上の手順により、小脳部領域に属するスライスに対して低次のフーリエ近似を用いて輪郭43を設定することができる。
図12は、図9のステップS43で輪郭設定部35により実行される、大脳部領域に属するスライスの輪郭設定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
図10および図11に示す手順において抽出されなかったスライスは、大脳部領域に属するスライスであると考えられる。そこで、ステップS431において、輪郭設定部35は、この大脳領域に属するスライスについて、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線に対して高次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求め(図5(c)、図7参照)、輪郭43を設定してステップS411に戻る。なお、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41の左右端の曲線に対して直接高次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定してステップS421に戻ってもよい。なお、ここでいう高次の次数は、頭頂部領域および小脳部領域に属するスライスに対して適用される次数よりも高いものとする。
以上の手順により、大脳部領域に属するスライスに対して低次のフーリエ近似を用いて輪郭43を設定することができる。
続いて、スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報について、ユーザによる入力部23を介した指示にもとづいて取得する場合の例について図13−15を用いて説明する。
図13は、スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報を、ユーザに設定させるための画像の一例を示す説明図である。
スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報について、ユーザによる入力部23を介した指示にもとづいて取得する場合には、領域境界の設定を受け付けるための画像(以下、領域境界設定用の画像という)を表示部22に表示させる。
領域境界設定用の画像として、たとえば図13に示すような頭部のサジタル断面画像を表示部22に表示する場合、ユーザは、入力部23を介してカーソル51を操作し、各領域の境界を設定する。また、領域境界設定用の画像として、減弱補正前の再構成画像に対して輪郭抽出部34により抽出された自動抽出左右端41に応じた自動抽出輪郭を重畳した重畳画像を表示部22に表示させてもよい。この場合でも、ユーザはカーソル51を操作して各領域の境界となるスライス間にカーソル51を置けばよい。輪郭設定部35は、このカーソル51の位置の情報にもとづいて、各スライスが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報を取得する。
図14は、頭部内の位置によらずなめらかな輪郭43を設定する際の他の手順の一例を示すフローチャートである。図14において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。図14は、図8に示した手順において、スライスの所属領域情報をユーザによる入力部23を介した指示にもとづいて取得する場合の手順の一例である。図8と同等のステップには同一符号を付し、重複する説明を省略する。
ステップS3で自動抽出左右端41を抽出されると、ステップS101において、再構成部37は、領域境界設定用の画像を表示部22に表示させる(図13参照)。
次に、ステップS102において、輪郭設定部35は、領域境界設定用の画像に対してユーザにより設置されたカーソル51の位置の情報にもとづいて、スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報を取得する。
次に、ステップS103において、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線の粗さに応じた精度で、左右端の曲線をカーブフィッティングすることにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定する。
図15は、図14のステップS103で輪郭設定部35により実行される輪郭設定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
ステップS1031において、輪郭設定部35は、ユーザ指示に応じて設定した頭頂部領域に属するスライスについて、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線に対して低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求め(図5(c)、図7参照)、輪郭43を設定する。なお、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41の左右端の曲線に対して直接低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定してもよい。
次に、ステップS1032において、輪郭設定部35は、ユーザ指示に応じて設定した小脳部領域に属するスライスについて、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線に対して低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求め(図5(c)、図7参照)、輪郭43を設定する。なお、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41の左右端の曲線に対して直接低次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定してもよい。
次に、ステップS1033において、輪郭設定部35は、ユーザ指示に応じて設定した大脳部領域に属するスライスについて、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線に対して、高次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求め(図5(c)、図7参照)、輪郭43を設定する。なお、輪郭設定部35は、自動抽出左右端41の左右端の曲線に対して直接高次のフーリエ近似を行うことにより、スライスごとに近似左右端42を求めて輪郭43を設定してもよい。
なお、各領域を自動設定する場合と同様に、頭頂部領域および小脳部領域に属するスライスに適用される次数は大脳部領域に属するスライスに適用される次数より低ければよく、頭頂部領域および小脳部領域に属するスライスに適用される次数は互いに異なってもよい。また、ユーザ指示に応じて各領域を設定する場合にも、ステップS1031において図10のステップS415−S418の処理を行ってもよい。すなわち、ユーザ指示に応じて各領域を設定する場合にも、頭頂部領域の特に頭頂部上端に位置するスライスに対してのみ低次のフーリエ近似を適用してもよいし、頭頂部上端付近のスライスと頭頂部領域の他の位置のスライスとで異なる次数のフーリエ近似を適用してもよい。
図14、図15に示すように、スライスのそれぞれが頭頂部領域、小脳部領域および大脳部領域のいずれに属するかの情報について、ユーザによる入力部23を介した指示にもとづいて取得する場合であっても、頭部内の位置によらずなめらかな輪郭43を設定することができる。
本実施形態に係る核医学診断装置1は、自動抽出左右端41にもとづいて生成された360度分のサイノグラムの左右端の曲線の粗さに応じた精度で、左右端の曲線をカーブフィッティングすることにより、スライスごとに近似左右端42を求めることができる。このため、計数値が少なく自動抽出左右端41の曲線が粗くなってしまうスライスであっても、なめらかな輪郭43を設定することができる。したがって、単に自動抽出左右端41にもとづく輪郭を用いる場合に比べ、頭部内の位置によらずなめらかな輪郭43を設定することができ、計数値が少なく自動抽出左右端41の曲線が粗いスライスにおける減弱マップの精度を大幅に向上させることができる。
よって、本実施形態に係る核医学診断装置1によれば、X線CT装置などの他のモダリティのデータを用いることなく、容易に適切な形状を有する減弱マップを生成することができる。このため、減弱補正後の核医学画像にもとづいて求められる脳血流(CBF)の値の精度を向上させることができるとともに、誤診の可能性を大幅に低下させることができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
たとえば、輪郭設定部35による輪郭43の設定は、自動抽出左右端41にもとづく輪郭の画像を確認したユーザによる指示に応じて実行されてもよい。この場合、図8のステップS3の後ステップS4の前(図14のステップS3の後ステップS101の前)に、再構成部37は、減弱補正前の再構成画像に対して、輪郭抽出部34により抽出された自動抽出左右端41に応じた自動抽出輪郭、または輪郭設定部35が全てのスライスに対して同一の次数でフーリエ近似することにより設定した輪郭43を重畳した重畳画像を表示部22に表示させる。ユーザは、この重畳画像を確認して、低次のフーリエ近似が必要なスライスが有るか否かを判定し、必要な場合にのみステップS4以降(図14のステップS101以降)を実行するよう入力部23を介して指示する。そして、輪郭設定部35は、この指示を受けた場合のみ、ステップS4以降(図14のステップS101以降)を実行すればよい。
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。