JP6494457B2 - ウエーハの生成方法 - Google Patents

ウエーハの生成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6494457B2
JP6494457B2 JP2015141898A JP2015141898A JP6494457B2 JP 6494457 B2 JP6494457 B2 JP 6494457B2 JP 2015141898 A JP2015141898 A JP 2015141898A JP 2015141898 A JP2015141898 A JP 2015141898A JP 6494457 B2 JP6494457 B2 JP 6494457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
ingot
laser beam
single crystal
modified layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015141898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017024188A (ja
Inventor
平田 和也
和也 平田
仙一 梁
仙一 梁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Corp filed Critical Disco Corp
Priority to JP2015141898A priority Critical patent/JP6494457B2/ja
Publication of JP2017024188A publication Critical patent/JP2017024188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6494457B2 publication Critical patent/JP6494457B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、六方晶単結晶インゴットをウエーハ状にスライスするウエーハの生成方法に関する。
IC、LSI等の各種デバイスは、シリコン等を素材としたウエーハの表面に機能層を積層し、この機能層に複数の分割予定ラインによって区画された領域に形成される。そして、切削装置、レーザー加工装置等の加工装置によってウエーハの分割予定ラインに加工が施され、ウエーハが個々のデバイスチップに分割され、分割されたデバイスチップは携帯電話、パソコン等の各種電子機器に広く利用されている。
また、パワーデバイス又はLED、LD等の光デバイスは、SiC、GaN等の六方晶単結晶を素材としたウエーハの表面に機能層が積層され、積層された機能層に格子状に形成された複数の分割予定ラインによって区画されて形成される。
デバイスが形成されるウエーハは、一般的にインゴットをワイヤーソーでスライスして生成され、スライスされたウエーハの表裏面を研磨して鏡面に仕上げられる(例えば、特開2000−94221号公報参照)。
このワイヤーソーでは、直径約100〜300μmのピアノ線等の一本のワイヤーを通常二〜四本の間隔補助ローラー上に設けられた多数の溝に巻き付けて、一定ピッチで互いに平行に配置してワイヤーを一定方向又は双方向に走行させて、インゴットを複数のウエーハにスライスする。
しかし、インゴットをワイヤーソーで切断し、表裏面を研磨してウエーハを生成すると、インゴットの70〜80%が捨てられることになり、不経済であるという問題がある。特に、SiC、GaN等の六方晶単結晶インゴットはモース硬度が高く、ワイヤーソーでの切断が困難であり相当な時間がかかり生産性が悪く、効率よくウエーハを生成することに課題を有している。
これらの問題を解決するために、SiCに対して透過性を有する波長のレーザービームの集光点をSiCインゴットの内部に位置づけて照射し、切断予定面に改質層及びクラックを形成し、外力を付与してウエーハを改質層及びクラックが形成された切断予定面に沿って割断して、インゴットからウエーハを分離する技術が特開2013−49161号公報に記載されている。
この公開公報に記載された技術では、パルスレーザービームの第一の照射点と該第一の照射点に最も近い第二の照射点とが所定位置となるように、パルスレーザービームの集光点を切断予定面に沿って螺旋状に照射するか、又は直線状に照射して、非常に高密度な改質層及びクラックをインゴットの切断予定面に形成している。
特開2000−94221号公報 特開2013−49161号公報
しかし、特許文献2記載のインゴットの切断方法では、レーザービームの照射方法はインゴットに対して螺旋状又は直線状であり、直線状の場合レーザービームを走査する方向は何ら規定されていない。
特許文献2に記載されたインゴットの切断方法では、レーザービームの第一の照射点と該第一の照射点に最も近い第二の照射点との間のピッチを1μm〜10μmに設定している。このピッチは、改質層から生じた割れがc面に沿って伸びるピッチである。
このようにレーザービームを照射する際のピッチが非常に小さいため、レーザービームの照射方法が螺旋状であっても又は直線状であっても、非常に小さなピッチ間隔でレーザービームを照射する必要があり、生産性の向上が十分図られていないという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インゴットから効率よくウエーハを生成することのできるウエーハの生成方法を提供することである。
本発明によると、第一の面と該第一の面と反対側の第二の面と、該第一の面から該第二の面に至るc軸と、該c軸に直交するc面とを有する六方晶単結晶インゴットからウエーハを生成するウエーハの生成方法であって、六方晶単結晶インゴットに対して透過性を有する波長のレーザービームの集光点を該第一の面から生成するウエーハの厚みに相当する深さに位置づけると共に、該集光点と該六方晶単結晶インゴットとを相対的に移動して該レーザービームを該第一の面に照射し、該第一の面に平行な改質層及び該改質層から伸長するクラックを形成して分離起点を形成する分離起点形成ステップと、該分離起点形成ステップを実施した後、該分離起点からウエーハの厚みに相当する板状物を該六方晶単結晶インゴットから剥離して六方晶単結晶ウエーハを生成するウエーハ剥離ステップと、を備え、該分離起点形成ステップは、該第一の面の垂線に対して該c軸がオフ角分傾き、該第一の面と該c面との間にオフ角が形成される方向と直交する方向にレーザービームの集光点を相対的に移動して直線状の改質層を形成する改質層形成ステップと、該オフ角が形成される方向に該集光点を相対的に移動して所定量インデックスするインデックスステップと、を含み、該分離起点形成ステップを実施した後、該板状物が剥離され新たに第一の面となった六方晶単結晶インゴットの剥離面に液状層を形成して、該新たな第一の面を平滑面に仕上げる平滑面仕上げステップを実施し、該平滑面仕上げステップを実施した後、該平滑面を有する六方晶単結晶インゴットに該改質層形成ステップを再度実施する際、該平滑面でレーザービームの散乱を防止することを特徴とするウエーハの生成方法が提供される。
好ましくは、該平滑面仕上げステップにおいて形成される液状層は、ポリビニールアルコール、水溶性ポリエステル、水溶性フェノールからなる群から選択された非水溶性分子で形成される。
代替実施形態として、該平滑面仕上げステップにおいて形成される液状層は、ビスフェノールフルオレン、poly(penta bromo phenyl methacrylate)、poly(penta bromo benzyl methacrylate)からなる群から選択された水溶性高分子で形成される。
更に他の実施形態として、該平滑面仕上げステップにおいて形成される液状層は、ヨードナフタレン、ブロモナフタリンからなる群から選択される有機溶剤で形成される。
好ましくは、レーザービームの波長をλとし、nを0又は自然数とした場合、前記液状層の厚みtは、t=λ/4×(2n+1)に設定される。
本発明のウエーハの生成方法によると、ウエーハ剥離ステップを実施した後、板状物が剥離されて新たに第一の面となった六方晶単結晶インゴットの剥離面に液状層を形成して、新たな該第一の面を平滑面に仕上げる平滑面仕上げステップを実施するので、板状物が剥離された六方晶単結晶インゴットに分離起点形成ステップを実施する際に、該第一の面でのレーザービームの散乱が防止される。
従って、板状物の剥離によって新たな第一の面となった微細な凹凸を有する六方晶単結晶インゴットの剥離面を従来方法では研削して平坦化する必要があるが、形成される液状層によってレーザービームの散乱が防止され、平滑面となった該第一の面からウエーハの厚みに相当する深さにレーザービームの集光点を位置付けることは可能となり、生産性が向上する。
また、改質層の両側にc面に沿ってクラックが形成され改質層と隣接する改質層とがクラックによって連結して分離起点が形成されるので、板状物を六方晶単結晶インゴットから容易に剥離することが可能となり、円滑にウエーハを生成することができる。従って、生産性の向上が十分図られると共に、捨てられるインゴットの量を十分軽減できる。
尚、レーザービームの波長をλとし、nを0及び自然数とするとした場合、形成される液状層の厚みtをt=(λ/4)×(2n+1)に設定すると、液状層に起因するレーザービームの反射が抑制され、レーザービームを効果的に六方晶単結晶インゴットに導くことができる。
本発明のウエーハの生成方法を実施するのに適したレーザー加工装置の斜視図である。 レーザービーム発生ユニットのブロック図である。 図3(A)は六方晶単結晶インゴットの斜視図、図3(B)はその正面図である。 分離起点形成ステップを説明する斜視図である。 六方晶単結晶インゴットの平面図である。 改質層形成ステップを説明する模式的断面図である。 改質層形成ステップを説明する模式的平面図である。 図8(A)はインデックスステップを説明する模式的平面図、図8(B)はインデックス量を説明する模式的平面図である。 ウエーハ剥離ステップを説明する斜視図である。 生成された六方晶単結晶ウエーハの斜視図である。 図11(A)はインゴットの剥離面に液体を塗布する様子を示す斜視図、図11(B)はインゴットの剥離面に形成された液状層によりインゴットの端面が平滑面に仕上げられた状態の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明のウエーハの生成方法を実施するのに適したレーザー加工装置2の斜視図が示されている。レーザー加工装置2は、静止基台4上にX軸方向に移動可能に搭載された第一スライドブロック6を含んでいる。
第一スライドブロック6は、ボールねじ8及びパルスモータ10から構成される加工送り機構12により一対のガイドレール14に沿って加工送り方向、即ちX軸方向に移動される。
第一スライドブロック6上には第二スライドブロック16がY軸方向に移動可能に搭載されている。即ち、第二スライドブロック16はボールねじ18及びパルスモータ20から構成される割り出し送り機構22により一対のガイドレール24に沿って割り出し送り方向、即ちY軸方向に移動される。
第二スライドブロック16上には支持テーブル26が搭載されている。支持テーブル26は加工送り機構12及び割り出し送り機構22によりX軸方向及びY軸方向に移動可能であると共に、第二スライドブロック16中に収容されたモータにより回転される。
静止基台4にはコラム28が立設されており、このコラム28にレーザービーム照射機構(レーザービーム照射手段)30が取り付けられている。レーザービーム照射機構30は、ケーシング32中に収容された図2に示すレーザービーム発生ユニット34と、ケーシング32の先端に取り付けられた集光器(レーザーヘッド)36とから構成される。ケーシング32の先端には集光器36とX軸方向に整列して顕微鏡及びカメラを有する撮像ユニット38が取り付けられている。
レーザービーム発生ユニット34は、図2に示すように、YAGレーザー又はYVO4レーザーを発振するレーザー発振器40と、繰り返し周波数設定手段42と、パルス幅調整手段44と、パワー調整手段46とを含んでいる。特に図示しないが、レーザー発振器40はブリュースター窓を有しており、レーザー発振器40から出射されるレーザービームは直線偏光のレーザービームである。
レーザービーム発生ユニット34のパワー調整手段46により所定パワーに調整されたパルスレーザービームは、集光器36のミラー48により反射され、更に集光レンズ50により支持テーブル26に固定された被加工物である六方晶単結晶インゴット11の内部に集光点を位置づけられて照射される。
図3(A)を参照すると、加工対象物である六方晶単結晶インゴット11の斜視図が示されている。図3(B)は図3(A)に示した六方晶単結晶インゴット11の正面図である。六方晶単結晶インゴット(以下、単にインゴットと略称することがある)11は、SiC単結晶インゴット、又はGaN単結晶インゴットから構成される。
インゴット11は、第一の面(上面)11aと第一の面11aと反対側の第二の面(裏面)11bを有している。インゴット11の表面11aは、レーザービームの照射面となるため鏡面に研磨されている。
インゴット11は、第一のオリエンテーションフラット13と、第一のオリエンテーションフラット13に直交する第二のオリエンテーションフラット15を有している。第一のオリエンテーションフラット13の長さは第二のオリエンテーションフラット15の長さより長く形成されている。
インゴット11は、表面11aの垂線17に対して第二のオリエンテーションフラット15方向にオフ角α傾斜したc軸19とc軸19に直交するc面21を有している。c面21はインゴット11の表面11aに対してオフ角α傾斜している。一般的に、六方晶単結晶インゴット11では、短い第二のオリエンテーションフラット15の伸長方向に直交する方向がc軸の傾斜方向である。
c面21はインゴット11中にインゴット11の分子レベルで無数に設定される。本実施形態では、オフ角αは4°に設定されている。しかし、オフ角αは4°に限定されるものではなく、例えば1°〜6°の範囲で自由に設定してインゴット11を製造することができる。
図1を再び参照すると、静止基台4の左側にはコラム52が固定されており、このコラム52にはコラム52に形成された開口53を介して押さえ機構54が上下方向に移動可能に搭載されている。
本実施形態のウエーハの生成方法では、図4に示すように、インゴット11の第二のオリエンテーションフラット15がX軸方向に整列するようにインゴット11を支持テーブル26上に例えばワックス又は接着剤で固定する。
即ち、図5に示すように、オフ角αが形成される方向Y1、換言すると、インゴット11の表面11aの垂線17に対してc軸19の表面11aとの交点19aが存在する方向に直交する方向、即ち矢印A方向をX軸に合わせてインゴット11を支持テーブル26に固定する。
これにより、オフ角αが形成される方向に直交する方向Aに沿ってレーザービームが走査される。換言すると、オフ角αが形成される方向Y1に直交するA方向が支持テーブル26の加工送り方向となる。
本発明のウエーハの生成方法では、集光器36から出射されるレーザービームの走査方向を、インゴット11のオフ角αが形成される方向Y1に直交する矢印A方向としたことが重要である。
即ち、本発明のウエーハの生成方法は、レーザービームの走査方向を上述したような方向に設定することにより、インゴット11の内部に形成される改質層から伝播するクラックがc面21に沿って非常に長く伸長することを見出した点に特徴がある。
本実施形態のウエーハの生成方法では、まず、支持テーブル26に固定された六方晶単結晶インゴット11に対して透過性を有する波長(例えば1064nmの波長)のレーザービームの集光点を第一の面(表面)11aから生成するウエーハの厚みに相当する深さに位置づけると共に、集光点と六方晶単結晶インゴット11とを相対的に移動してレーザービームを表面11aに照射し、表面11aに平行な改質層23及び改質層23からc面21に沿って伝播するクラック25を形成して分離起点とする分離起点形成ステップを実施する。
この分離起点形成ステップは、表面11aの垂線17に対してc軸19がオフ角α分傾き、c面21と表面11aとにオフ角αが形成される方向、即ち、図5の矢印Y1方向に直交する方向、即ちA方向にレーザービームの集光点を相対的に移動してインゴット11の内部に改質層23及び改質層23からc面21に沿って伝播するクラック25を形成する改質層形成ステップと、図7及び図8に示すように、オフ角が形成される方向、即ちY軸方向に集光点を相対的に移動して所定量インデックスするインデックスステップとを含んでいる。
図6及び図7に示すように、改質層23をX軸方向に直線状に形成すると、改質層23の両側からc面21に沿ってクラック25が伝播して形成される。本実施形態のウエーハの生成方法では、直線状の改質層23からc面方向に伝播して形成されるクラック25の幅を計測し、集光点のインデックス量を設定するインデックス量設定ステップを含む。
インデックス量設定ステップにおいて、図6に示すように、直線状の改質層23からc面方向に伝播して改質層23の片側に形成されるクラック25の幅をW1とした場合、インデックスすべき所定量W2は、W1以上2W1以下に設定される。
ここで、好ましい実施形態の、レーザー加工方法は以下のように設定される。
光源 :Nd:YAGパルスレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :80kHz
平均出力 :3.2W
パルス幅 :4ns
スポット径 :10μm
集光レンズの開口数(NA) :0.45
インデックス量 :400μm
上述したレーザー加工条件においては、図6において、改質層23からc面に沿って伝播するクラック25の幅W1が略250μmに設定され、インデックス量W2が400μmに設定される。
しかし、レーザービームの平均出力は3.2Wに限定されるものではなく、本実施形態の加工方法では、平均出力を2W〜4.5Wに設定して良好な結果が得られた。平均出力2Wの場合、クラック25の幅W1は略100μmとなり、平均出力4.5Wの場合には、クラック25の幅W1は略350μmとなった。
平均出力が2W未満の場合及び4.5Wより大きい場合には、インゴット11の内部に良好な改質層23を形成することができないため、照射するレーザービームの平均出力は2W〜4.5Wの範囲内が好ましく、本実施形態では平均出力3.2Wのレーザービームをインゴット11に照射した。図6において、改質層23を形成する集光点の表面11aからの深さD1は500μmに設定した。
図8(A)を参照すると、レーザービームの走査方向を説明する模式図が示されている。分離起点形成ステップは往路X1及び復路X2で実施され、往路X1で六方晶単結晶インゴット11に改質層23を形成したレーザービームの集光点は、所定量インデックスされた後、復路X2で六方晶単結晶インゴット11に改質層23を形成する。
また、分離起点形成ステップにおいて、レーザービームの集光点のインデックスすべき所定量がW以上2W以下に設定された場合、六方晶単結晶インゴット11にレーザービームの集光点が位置づけられ最初の改質層23が形成されるまでの集光点のインデックス量はW以下に設定されるのが好ましい。
例えば、図8(B)に示すように、レーザービームの集光点をインデックスすべき所定量が400μmの場合には、インゴット11に最初の改質層23が形成されるまでは、インデックス量200μmでレーザービームの走査を複数回実行する。
最初の方のレーザービームの走査は空打ちであり、インゴット11の内部に最初に改質層23を形成したのが判明したならば、インデックス量400μmに設定してインゴット11の内部に改質層23を形成する。
このように所定量インデックス送りしながら、インゴット11の全領域の深さD1の位置に複数の改質層23及び改質層23からc面21に沿って伸びるクラック25の形成が終了したならば、外力を付与して改質層25及びクラック23からなる分離起点から形成すべきウエーハの厚み相当する板状物を六方晶単結晶インゴット11から分離して六方晶単結晶ウエーハ27を生成するウエーハ剥離工程を実施する。
このウエーハ剥離工程は、例えば図9に示すような押圧機構54により実施する。押圧機構54は、コラム52内に内蔵された移動機構により上下方向に移動するヘッド56と、ヘッド56に対して、図9(B)に示すように、矢印R方向に回転される押圧部材58とを含んでいる。
図9(A)に示すように、押圧機構54を支持テーブル26に固定されたインゴット11の上方に位置づけ、図9(B)に示すように、押圧部材58がインゴット11の表面11aに圧接するまでヘッド56を下降する。
押圧部材58をインゴット11の表面11aに圧接した状態で、押圧部材58を矢印R方向に回転すると、インゴット11にはねじり応力が発生し、改質層23及びクラック25が形成された分離起点からインゴット11が破断され、六方晶単結晶インゴット11から図10に示す六方晶単結晶ウエーハ27を分離することができる。
ウエーハ26をインゴット11から分離後、ウエーハ27の分離面(剥離面)及びインゴット11の分離面(剥離面)を研磨して鏡面に加工するのが好ましい。しかし、ウエーハ27を剥離したインゴット11の剥離面(分離面)には微細な凹凸が存在するので、研削して平坦化してから鏡面加工する必要があり、一つのインゴットからウエーハを複数枚生成するのに生産性が悪いという問題がある。
そこで、本願発明のウエーハの生成方法は、ウエーハ剥離ステップが実施されたインゴットの剥離面(分離面)に液状層を形成して、液状層を介してインゴットにレーザービームを照射することにより、剥離面でのレーザービームの散乱を防止するようにしたものである。
図11(A)を参照すると、ウエーハ27が剥離されたインゴット11の剥離面(分離面)11a´にポリビニールアルコール(PVA)31を塗付している様子を示す斜視図が示されている。インゴット11の剥離面11a´はウエーハ27が剥離されたことにより改質層23及びクラック25の一部が残存して微細な凹凸が形成されている。
しかし、この剥離面11a´にPVA31を塗付して、図11(B)に示すように、分離面11a´上に液状層33を形成すると、分離面11a´は液状層33に覆われてインゴット11の端面は液状層33の表面となり、平滑面となる。
従って、ウエーハ27を分離した後のインゴット11から再びウエーハの厚みに相当する板状物を剥離してウエーハ生成ステップを繰り返す際に、インゴット11の端面から入射されるレーザービームの散乱が平滑面である液状層33の表面で防止され、インゴット11の端面からウエーハの厚みに相当する深さにレーザービームの集光点をパワーのロスなく位置付けることが可能となり、生産性が向上する。
上述した実施形態では、液状層33をポリビニールアルコール(PVA)で形成した例について説明したが、液状層33はPVAに限定されるものではなく、水溶性ポリエステル、水溶性フェノール等の他の非水溶性高分子も使用可能である。
代替実施形態として、液状層33はビスフェノールフルオレン、poly(penta bromo phenyl methacrylate)、poly(penta bromo benzyl methacrylate)等の水溶性高分子で形成可能である。更に他の実施形態として、液状層33は、ヨードナフタレン、ブロモナフタリン等の有機溶剤で形成可能である。
好ましくは、液状層33に屈折率2.3であるZrO又は屈折率2.1であるTiO等のナノ粒子を適宜混入してインゴット11の屈折率に近似させる。
好ましくは、照射されるレーザービームの波長をλとし、nを0及び自然数とした場合、平滑面仕上げステップにおいて形成される液状層33の厚みtは、t=(λ/4)×(2n+1)に設定される。
2 レーザー加工装置
11 六方晶単結晶インゴット
11a´ 剥離面
11b 第二の面(裏面)
13 第一のオリエンテーションフラット
15 第二のオリエンテーションフラット
17 第一の面の垂線
19 c軸
21 c面
23 改質層
25 クラック
26 支持テーブル
30 レーザービーム照射ユニット
33 液状層
36 集光器(レーザーヘッド)
54 押圧機構
56 ヘッド
58 押圧部材

Claims (7)

  1. 第一の面と該第一の面と反対側の第二の面と、該第一の面から該第二の面に至るc軸と、該c軸に直交するc面とを有する六方晶単結晶インゴットからウエーハを生成するウエーハの生成方法であって、
    六方晶単結晶インゴットに対して透過性を有する波長のレーザービームの集光点を該第一の面から生成するウエーハの厚みに相当する深さに位置づけると共に、該集光点と該六方晶単結晶インゴットとを相対的に移動して該レーザービームを該第一の面に照射し、該第一の面に平行な改質層及び該改質層から伸長するクラックを形成して分離起点を形成する分離起点形成ステップと、
    該分離起点形成ステップを実施した後、該分離起点からウエーハの厚みに相当する板状物を該六方晶単結晶インゴットから剥離して六方晶単結晶ウエーハを生成するウエーハ剥離ステップと、を備え、
    該分離起点形成ステップは、該第一の面の垂線に対して該c軸がオフ角分傾き、該第一の面と該c面との間にオフ角が形成される方向と直交する方向にレーザービームの集光点を相対的に移動して直線状の改質層を形成する改質層形成ステップと、
    該オフ角が形成される方向に該集光点を相対的に移動して所定量インデックスするインデックスステップと、を含み、
    該分離起点形成ステップを実施した後、該板状物が剥離され新たに第一の面となった六方晶単結晶インゴットの剥離面に液状層を形成して、該新たな第一の面を平滑面に仕上げる平滑面仕上げステップを実施し、
    該平滑面仕上げステップを実施した後、該平滑面を有する六方晶単結晶インゴットに該改質層形成ステップを再度実施する際、該平滑面でレーザービームの散乱を防止することを特徴とするウエーハの生成方法。
  2. 該平滑面仕上げステップにおいて形成される液状層は、ポリビニールアルコール、水溶性ポリエステル、水溶性フェノールからなる群から選択された非水溶性分子で形成される請求項1記載のウエーハの生成方法。
  3. 該平滑面仕上げステップにおいて形成される液状層は、ビスフェノールフルオレン、poly(penta bromo phenyl methacrylate)、poly(penta bromo benzyl methacrylate)からなる群から選択された水溶性高分子で形成される請求項1記載のウエーハの生成方法。
  4. 該平滑面仕上げステップにおいて形成される液状層は、ヨードナフタレン、ブロモナフタリンからなる群から選択される有機溶剤で形成される請求項1記載のウエーハの生成方法。
  5. 該液状層は、ZiO及びTiOからなる群から選択されるナノ粒子を含む請求項1〜4の何れかに記載のウエーハの生成方法。
  6. レーザービームの波長をλとし、nを0又は自然数とした場合、前記液状層の厚みtは、
    t=λ/4×(2n+1)
    に設定される請求項1記載のウエーハの生成方法。
  7. 六方晶単結晶インゴットは、SiCインゴット、又はGaNインゴットから選択される請求項1記載のウエーハの生成方法。
JP2015141898A 2015-07-16 2015-07-16 ウエーハの生成方法 Active JP6494457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015141898A JP6494457B2 (ja) 2015-07-16 2015-07-16 ウエーハの生成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015141898A JP6494457B2 (ja) 2015-07-16 2015-07-16 ウエーハの生成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017024188A JP2017024188A (ja) 2017-02-02
JP6494457B2 true JP6494457B2 (ja) 2019-04-03

Family

ID=57949082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015141898A Active JP6494457B2 (ja) 2015-07-16 2015-07-16 ウエーハの生成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6494457B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10562130B1 (en) 2018-12-29 2020-02-18 Cree, Inc. Laser-assisted method for parting crystalline material
US10576585B1 (en) 2018-12-29 2020-03-03 Cree, Inc. Laser-assisted method for parting crystalline material
US10611052B1 (en) 2019-05-17 2020-04-07 Cree, Inc. Silicon carbide wafers with relaxed positive bow and related methods
US11024501B2 (en) 2018-12-29 2021-06-01 Cree, Inc. Carrier-assisted method for parting crystalline material along laser damage region

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6246444B1 (ja) * 2016-05-17 2017-12-13 エルシード株式会社 加工対象材料の切断方法
US10388526B1 (en) 2018-04-20 2019-08-20 Semiconductor Components Industries, Llc Semiconductor wafer thinning systems and related methods
US10896815B2 (en) 2018-05-22 2021-01-19 Semiconductor Components Industries, Llc Semiconductor substrate singulation systems and related methods
US11121035B2 (en) 2018-05-22 2021-09-14 Semiconductor Components Industries, Llc Semiconductor substrate processing methods
US20190363018A1 (en) 2018-05-24 2019-11-28 Semiconductor Components Industries, Llc Die cleaning systems and related methods
US10468304B1 (en) 2018-05-31 2019-11-05 Semiconductor Components Industries, Llc Semiconductor substrate production systems and related methods
US11830771B2 (en) 2018-05-31 2023-11-28 Semiconductor Components Industries, Llc Semiconductor substrate production systems and related methods
JP7128067B2 (ja) * 2018-09-14 2022-08-30 株式会社ディスコ ウエーハの生成方法およびレーザー加工装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007275920A (ja) * 2006-04-05 2007-10-25 Seiko Epson Corp 基体の製造方法、表示装置、電気光学装置、電子機器
JP2008201143A (ja) * 2008-06-02 2008-09-04 Denso Corp 工作物の切断方法
JP5917862B2 (ja) * 2011-08-30 2016-05-18 浜松ホトニクス株式会社 加工対象物切断方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10562130B1 (en) 2018-12-29 2020-02-18 Cree, Inc. Laser-assisted method for parting crystalline material
US10576585B1 (en) 2018-12-29 2020-03-03 Cree, Inc. Laser-assisted method for parting crystalline material
US11024501B2 (en) 2018-12-29 2021-06-01 Cree, Inc. Carrier-assisted method for parting crystalline material along laser damage region
US11219966B1 (en) 2018-12-29 2022-01-11 Wolfspeed, Inc. Laser-assisted method for parting crystalline material
US11826846B2 (en) 2018-12-29 2023-11-28 Wolfspeed, Inc. Laser-assisted method for parting crystalline material
US11901181B2 (en) 2018-12-29 2024-02-13 Wolfspeed, Inc. Carrier-assisted method for parting crystalline material along laser damage region
US11911842B2 (en) 2018-12-29 2024-02-27 Wolfspeed, Inc. Laser-assisted method for parting crystalline material
US10611052B1 (en) 2019-05-17 2020-04-07 Cree, Inc. Silicon carbide wafers with relaxed positive bow and related methods
US11034056B2 (en) 2019-05-17 2021-06-15 Cree, Inc. Silicon carbide wafers with relaxed positive bow and related methods
US11654596B2 (en) 2019-05-17 2023-05-23 Wolfspeed, Inc. Silicon carbide wafers with relaxed positive bow and related methods

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017024188A (ja) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6494457B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6395613B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6399913B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6472333B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6358941B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6482423B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6604891B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6429715B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6395632B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6602207B2 (ja) SiCウエーハの生成方法
JP6391471B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6425606B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6358940B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6395633B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6395634B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6494382B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6482389B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6399914B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6355540B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6366485B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP2017092314A (ja) SiC基板の分離方法
JP6418927B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6472332B2 (ja) ウエーハの生成方法
JP6366486B2 (ja) ウエーハの生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6494457

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250